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特開2025-27142容器に容器蓋を締結するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027142
(43)【公開日】2025-02-26
(54)【発明の名称】容器に容器蓋を締結するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 7/01 20060101AFI20250218BHJP
   B65B 55/04 20060101ALI20250218BHJP
   B67B 1/03 20060101ALI20250218BHJP
   B65B 7/28 20060101ALI20250218BHJP
   B65B 55/10 20060101ALI20250218BHJP
   B67C 7/00 20060101ALI20250218BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
B65B7/01
B65B55/04 V
B67B1/03
B65B7/28 M
B65B55/10 A
B67C7/00
A61L2/20 106
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024213268
(22)【出願日】2024-12-06
(62)【分割の表示】P 2020062405の分割
【原出願日】2020-03-31
(31)【優先権主張番号】10 2019 108 683.3
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ゼルナー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】飲料瓶詰工場において容器に容器蓋を締結するための装置および方法を提供する。
【解決手段】例えば飲料充填工場(1)で容器に容器蓋を締結するための装置であって、内部に規定の雰囲気を用意するための隔離体(50)と、容器に容器蓋を締結するための蓋締結器(30)であって隔離体(50)に配置される蓋締結器(30)と、熱溶融物、例えばプラスチック溶融物から容器蓋を製造するための蓋製造装置(40)であって、隔離体(50)の外側に配置される蓋製造装置(40)であり、製造後の容器蓋を蓋締結器(30)へ給送するため隔離体(50)と相互接続されるか蓋輸送トンネル(43)を介して隔離体(50)に接続される蓋製造装置(40)とを包含する装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば飲料瓶詰工場(1)で容器に容器蓋を締結するための装置であって、
規定の雰囲気を内部に用意するための隔離体(50)と、
容器に容器蓋を締結するための蓋締結器(30)であって、前記隔離体(50)に配置される蓋締結器(30)と、
熱溶融物、例えばプラスチック溶融物から容器蓋を製造するための蓋製造装置(40)と、
を包含し、
前記蓋製造装置(40)が前記隔離体(50)の外側に配置され、製造後の容器蓋を前記蓋締結器(30)へ給送するため前記蓋製造装置(40)が前記隔離体(50)と相互接続されるか蓋輸送トンネル(43)を介して前記隔離体(50)に接続される、
装置。
【請求項2】
前記蓋製造装置(40)を殺菌ガスで殺菌するための装置(60,60´)が用意される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記蓋製造装置(40)を殺菌するための前記装置(60,60´)が、前記蓋製造装置(40)の少なくとも一区画へ前記殺菌ガスのガス流を誘導するように構成される一つ以上のノズルを包含する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記殺菌ガスが、好ましくは100ppmから200ppmの範囲内、特に好ましくは約150ppmの濃度のHを包含する、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記蓋製造装置(40)を殺菌するための前記装置(60,60´)が、前記容器蓋の製造中に好ましくは継続して前記蓋製造装置(40)を前記殺菌ガスと接触させるように構成される、請求項2から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記蓋製造装置(40)を殺菌するための前記装置(60,60´)が、前記容器蓋の製造の時間的外側で前記蓋製造装置(40)を前記殺菌ガスと接触させるように構成される、請求項2から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
充填製品を容器に充填するための充填器(20)がさらに前記隔離体(50)に組み込まれる、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記蓋製造装置(40)がカルーセル型機械として設計される、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の、容器に飲料を充填するための充填器(20)と充填容器に容器蓋を締結するための装置(2)とを包含する飲料瓶詰工場(1)。
【請求項10】
前記充填器(20)が前記隔離体(50)に配置される、請求項9に記載の飲料瓶詰工場(1)。
【請求項11】
前記蓋製造装置(40)のピッチが前記蓋締結器(30)のピッチに対応する、請求項9または10に記載の飲料瓶詰工場(1)。
【請求項12】
例えば飲料瓶詰工場(1)で容器に容器蓋を締結するための方法であって、
隔離体(50)の内部に制御雰囲気を発生させることと、
蓋製造装置(40)で、熱溶融物、好ましくはプラスチック溶融物から容器蓋を製造することであって、前記蓋製造装置(40)が前記隔離体(50)の外側に配置されて、前記隔離体(50)と相互接続されるか蓋輸送トンネル(43)を介して前記隔離体(50)に接続されることと、
前記隔離体(50)に配置される蓋締結器(30)へ前記容器蓋を輸送すること、
を包含する方法。
【請求項13】
少なくとも一部を殺菌ガスと接触させることにより前記蓋製造装置(40)が殺菌される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記殺菌ガスが、好ましくは100ppmから200ppmの範囲、特に好ましくは約150ppmの濃度のHを包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
好ましくは分類システムおよび/または前記容器蓋を殺菌するための装置および/または個別化装置を通過することなく、容器に前記容器蓋を締結するための前記蓋締結器(30)へ前記製造後の容器蓋が輸送される、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは飲料瓶詰工場において容器に容器蓋を締結するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品安全性を保証するとともに瓶詰後の充填製品の貯蔵期間を保証するため、ある種の充填製品は本質的に殺菌状態での瓶詰を必要とする。このような殺菌状態の瓶詰あるいは低細菌または無細菌の瓶詰と、関連の瓶詰工場は、それぞれ「無菌瓶詰」および「無菌瓶詰工場」とも呼ばれる。
【0003】
無菌瓶詰を可能にするため、例を挙げるとブロー成形、洗浄、輸送、充填、蓋締結のような充填対象容器の処理は、用途に応じて、「隔離体」とも呼ばれるクリーンルームで少なくとも一部が行われる。クリーンルームでは、無細菌または少なくとも充分な低細菌および低粒子の雰囲気を当該の製品に固有の要件とともに用意するため、例えばフィルタおよび/またはガスの供給によって、制御雰囲気が用意される。
【0004】
蓋は、製造された後に、従来は最初に散荷として輸送コンテナで保管および輸送される。さらなる処理のため、蓋は複雑な個別化および分類が行われなければならない。この目的に必要とされる機械は構造的に複雑であり、保守および資源集約的である。蓋は、その保管、輸送、個別化の間に、環境条件にさらされ、その結果、蓋が汚染されることになる。特に、微生物学的細菌が蓋に付着することがあり、これは後に複雑な殺菌プロセスにより除去されるか死滅させられる必要がある。この目的に適した蓋殺菌機は、蓋締結機械の構造的複雑性を高め、エネルギーおよびコスト集約的である。加えて、蓋を処理する時、
例を挙げると分類および輸送の間に、蓋の間の摩耗が発生しうる。このような摩耗粒子と他の何らかの異物が一緒に運ばれることで充填対象容器に入ることがある。
【0005】
したがって無菌条件下で容器に蓋を締結するには、充填後の容器に装着する前に蓋を浄化して任意で殺菌することは周知である。殺菌ステップの後に、蓋は、無菌条件下の隔離体において締結対象の各容器に装着される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に飲料瓶詰工場において容器に容器蓋を締結するための改良装置および改良方法を明記することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有する装置と、請求項9の特徴を有する飲料瓶詰工場と、請求項12の特徴を有する方法とによって達成される。従属請求項と発明についての以下の説明と好適な例示的実施形態についての説明には、有利なさらなる発展例が記される。
【0008】
したがって、提案されるのは、例えば飲料瓶詰工場において容器に容器蓋を締結するための装置である。この装置は、内部に規定の雰囲気を用意するための隔離体とともに、容器に容器蓋を締結するための蓋締結器とを包含し、蓋締結器は隔離体に配置される。さらに、この装置は、熱溶融物、例えばプラスチック溶融物から容器蓋を製造するための蓋製造装置を包含する。加えて、蓋製造装置は隔離体の外側に配置され、製造後の容器蓋を蓋締結器に給送するため、蓋製造装置は隔離体と相互接続されるか、蓋輸送トンネルを介して隔離体に接続される。
【0009】
容器蓋が製造プロセスと同時的に殺菌され、隔離体(相互接続されるか蓋輸送トンネル)に近接していること、より正確には汚染露出が見られないことの結果として、この状態が維持されるため、締結対象の容器の締結の前に容器蓋を再び殺菌する必要がない。提案される配置の結果として、容器蓋は常に清潔で無細菌である。
【0010】
また、これらは保管される必要がなく、その結果として、例を挙げると輸送ボックスのような輸送手段が省略される。容器蓋は個々に成形されて蓋締結器と同じピッチを有するカルーセル型装置として製造される場合には、個別化および/または分類および/または再配列される必要はない。代わりに、製造後の容器蓋は正確な配列および正確なピッチで蓋製造装置から直接的に給送され、その結果、本発明による装置を装備する飲料瓶詰工場の機械構成の複雑性が低下する。ゆえに、蓋を搬送するための手段と、分類システムと、
例を挙げるとカメラのようなセンサ等を省略することが可能である。製造欠陥、汚染等を検出することが可能な蓋検査ユニットが、蓋製造装置、特に好適なカルーセル型機械への容易な一体化が可能である。
【0011】
容器に蓋を締結するための蓋締結器へ容器蓋が即座に移送される場合には、蓋締結器のピッチは好ましくは蓋製造装置のピッチに対応する、つまりサイクル速度が一致し、結果として、個々の容器蓋が対応の容器へ割り当てられて問題なくこれに装着されうる。同様に、容器蓋の配向つまり配列が好ましくは製造から装着まで維持される。
【0012】
特に、原材料とこれから製造される容器蓋との追加殺菌を必要としない温度を使用して、原材料が好ましくは蓋製造装置で加熱されて溶融物が形成される。こうして容器蓋を製造するための溶融物は、好ましくは、このプロセスで微生物学的細菌(胞子および/または野菜細菌)が残存できない程度の高温であり、結果として蓋成形ユニットでの成形後に容器蓋は本質的に殺菌状態になる。
【0013】
好ましくは、蓋製造装置を殺菌ガスと接触させるように構成される、蓋製造装置を殺菌するための装置が用意される。これは、蓋製造装置、特に蓋成形ユニットの完全および部分的な接触を伴う。ゆえに、容器蓋の製造により発生する殺菌状態が特に確実な方式で達成および維持されうる。容器蓋が蓋成形ユニットから隔離体へ輸送されるための蓋輸送トンネルが設けられる場合には、特に好ましくは蓋輸送トンネルへ殺菌ガスが供給される。
【0014】
好ましくは、蓋製造装置を殺菌するための装置は、蓋製造装置、好ましくは蓋成形ユニットの少なくとも一区画へ殺菌ガスのガス流を誘導するように構成される一つ以上のノズルを包含する。こうして、製造により発生する容器蓋の殺菌状態は、外部から侵入する細菌を死滅させることにより有効な方式で維持され、結果として殺菌状態の容器蓋が汚染されることはない。
【0015】
好ましくは、殺菌ガスは、例を挙げると100ppmから200ppmの範囲内、特に好ましくは約150ppmの濃度でHを包含する。これらの濃度で、ガスは非腐食性であり、ゆえに特に同時進行方式でも何の問題もなく蓋製造装置へ吐出されうる。
【0016】
好ましくは、蓋製造装置を殺菌するための装置は、容器蓋の製造中に好ましくは継続して蓋製造装置を殺菌ガスと接触させるように構成され、容器蓋の製造により発生する殺菌状態は、例えば、蓋製造装置が隔離体の外側に配設される時にも確実に維持されうる。
【0017】
好ましくは、蓋製造装置を殺菌するための装置は、容器蓋の製造の(時間的)外側で、
つまり例を挙げると始動時または通常作業の中断中に蓋製造装置を殺菌ガスと接触させるように構成される。ここで、「通常作業」は蓋製造装置の作業状態を指し、この装置は、
通常通りに容器蓋を製造して、例を挙げると飲料瓶詰工場の蓋締結器へ輸送する。この実施形態で、蓋製造装置は通常作業の外側で殺菌されてから、通常作業中に、好ましくは隔離体から殺菌空気が追加供給され、結果として、蓋製造装置を殺菌するための装置との同時進行的な能動的接触を回避することが可能であり、ゆえにエネルギーおよび資源を節約することが可能である。
【0018】
隔離体は好ましくは、容器に容器蓋を締結するための蓋締結器も格納する。隔離体は、
エアロックと、無菌空気や清浄空気および/または別のガスの内圧とを包含し、汚染物が外側から隔離体へ侵入しないことを外向き気流によって保証するため、外部環境と比較してこの内圧は高い。隔離体によって、続く別の殺菌を必要とせずに製造後に容器蓋の殺菌状態を維持することが可能である。
【0019】
好ましくは、蓋製造装置はカルーセル型機械として設計される。このケースでは、容器蓋が個々に成形され、製造中には蓋締結器に必要とされるピッチがすでに存在するので、
再び個別化および/または分類される必要なく可能な蓋締結器へ即座に輸送されうる。
【0020】
上記の目的はさらに、容器に飲料を充填するための充填器と、上記の変形例のいずれかによる、充填後の容器に容器蓋を締結するための装置とを包含する飲料瓶詰工場により達成される。
【0021】
容器蓋を製造および殺菌するための装置に関して上述した技術的効果と利点と実施形態とは、必要な変更を加えて飲料瓶詰工場に適用される。
【0022】
ゆえに、蓋製造装置の殺菌の結果として、上の理由により飲料瓶詰工場の機械構成の複雑性を低下させることが可能である。蓋を搬送するための手段、分類システム、例を挙げるとカメラのようなセンサ等を省略することが可能である。
【0023】
蓋製造装置は通常作業の外側で殺菌され、それから通常作業中に隔離体からの殺菌空気が追加供給され、結果として蓋製造装置を殺菌するための装置による同時進行的な能動的接触を回避することが可能であり、ゆえにエネルギーおよび資源の節約が可能である。
【0024】
上記の目的はさらに、容器蓋が締結される容器に蓋を締結するように構成される方法により達成される。この方法は、隔離体のクリーンルームで無細菌または低細菌の雰囲気を発生させることと、蓋製造装置の蓋成形ユニットで熱溶融物、好ましくはプラスチック溶融物から容器蓋を製造することであって、蓋成形ユニットが隔離体の外側に配置されてこれと相互接続されるか、隔離体への容器蓋の輸送のための蓋輸送トンネルを介してこれに接続されることと、容器蓋を隔離体へ輸送することとを包含する。
【0025】
容器蓋を製造および殺菌するための装置に関して、そして飲料瓶詰工場に関して上述した技術的効果と利点と実施形態は、必要な変更を加えてこの方法に適用される。
【0026】
ゆえに、この方法はさらに、蓋製造装置の少なくとも一部を殺菌ガスと接触させることによりこの装置を殺菌することを包含し、結果として、容器蓋の製造により発生する殺菌状態が特に確実な方式で達成および維持されうる。蓋成形ユニットから隔離体へ容器蓋が輸送されるための蓋輸送トンネルが設けられる場合には、蓋輸送トンネルへ殺菌ガスが供給されると特に好ましい。
【0027】
好ましくは、殺菌ガスは、例を挙げると100ppmから200ppmの範囲内、特に好ましくは約150ppmの濃度のHを包含する。これらの濃度では、ガスは非腐食性であり、ゆえに何の問題もなく、とりわけ同時進行方式で蓋製造装置へ吐出されうる。
【0028】
好ましくは、蓋製造装置は容器蓋の製造中に好ましくは継続して殺菌ガスと接触する。
代替的または付加的に、蓋製造装置は上述した理由のため、容器蓋の製造の(時間的)外側で殺菌ガスと接触しうる。
【0029】
好ましくは、製造後の容器蓋は、容器に容器蓋を締結するための蓋締結器へ輸送される。特に好適な例示的実施形態によれば、容器蓋は分類システムおよび/または容器蓋を殺菌するための装置および/または個別化装置を通過しないが、それは、カルーセル型機械としてこの装置が設計される時には特に、製造プロセスによる同時的殺菌と、蓋製造装置の殺菌による容器蓋の殺菌状態の維持というケースでは、これが省略されうるからである。
【0030】
本発明のさらなる利点と特徴は、好適な例示的実施形態についての以下の説明から明白である。ここに記載される特徴は、単独で、または特徴が矛盾していない場合には上記の特徴のうち一つ以上との組み合わせで実施されうる。好適な例示的実施形態についての以下の説明は添付図面を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明のさらなる好適な実施形態は、図についての以下の説明により一層詳しく解説される。
図1】容器を製造、充填、蓋締結するための工場の概略図である。
図2】さらなる例示的実施形態による、容器を製造、充填、蓋締結するための工場の概略図である。
図3】さらなる例示的実施形態による、容器を製造、充填、蓋締結するための工場の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
好適な例示的実施形態が、図に基づいて以下に説明される。これらの図で、同じであるか類似しているか同じように作用する要素には同一の参照符号が付けられ、冗長性を回避するためこれらの要素の反復的な説明は部分的に回避される。
【0033】
図1から3は、様々な例示的実施形態による飲料瓶詰工場1、特に容器を製造、充填、
蓋締結するための工場の概略表示である。
【0034】
飲料瓶詰工場1は、ここでは「容器製造装置」とも呼ばれる、容器を製造するための装置10と、ここでは「充填器」とも呼ばれる、容器を充填するための装置20と、ここでは「蓋締結器」とも呼ばれる、容器に容器蓋を締結するための装置30と、ここでは「蓋製造装置」とも呼ばれる、容器蓋を製造するための装置40とを包含する。
【0035】
ゆえに飲料瓶詰工場1は、容器の製造からその充填を経てその蓋締結まで連続して通過する多数のステーションを包含する。この目的のため、容器またはそのプリフォーム(ブロー成形または延伸ブロー成形の前の容器の予備的段階)は、輸送スターホイールにより輸送されて一つの輸送スターホイールから次の輸送スターホイールへ適宜移送されることにより、搬送経路Fに沿って輸送される。この目的のため輸送スターホイールに提供されるプリフォーム、容器、容器蓋、ホルダ/クランプは、明瞭性のため図1から3には描かれていない。輸送スターホイールは搬送のためのみに機能するか、ステーションに応じて処理ユニットを装備しうる。
【0036】
ここに示されるステーションは単に例示的であることが指摘されるべきである。例を挙げると、飲料瓶詰工場1は、例を挙げるとラベリング装置、クリーニング装置等のような別のまたは代わりのステーションを装備しうる。同様に、容器がすでに最終充填形状で送達される場合には、例を挙げると容器製造装置10のようなステーションを省略することが可能である。
【0037】
容器製造装置10は、プリフォームの準備および予熱のためのユニット11を包含する。こうして準備されたプリフォームはブロー成形ユニット12へ移送され、加熱されたプリフォームがここでブローまたは延伸ブロー成形により拡張されて、充填対象の容器が形成される。この目的のため、プリフォームがブロー成形金型で加圧状態のガスと接触し、
金型のキャビティ輪郭は予定の容器外形に対応し、プリフォームを膨張させて容器を形成するため、延伸ブロー成形のケースでは延伸ロッドで延伸される。
【0038】
プリフォームを殺菌するように構成される殺菌ユニット13は、ユニット11とブロー成形ユニット12との間に配設される。殺菌ユニット13は、この目的のため、例えば電子放射、UV放射、および/または殺菌ガスを使用できる。殺菌ユニット13は搬送方向Fにおいてブロー成形ユニット12の後に配置されるか、あるいは容器を製造するのに必要とされる熱のためプリフォームがすでに十分な殺菌状態であると共にこうしてさらなる処理への経路上にある場合には、完全に省略されうる。
【0039】
ブロー成形ユニット12に続いて、制御雰囲気が存在するとともに、清浄な無細菌または少なくとも低細菌の雰囲気で次の作業ステップが実行されうるように例えば無菌空気を包含するクリーンルームとして構成される隔離体50へ、容器が進入する。隔離体50は、充填対象の容器が隔離体50へ入るためのエアロック51と、外向きのガスまたは気流によって外部から隔離体50へ汚染物が侵入しないことを保証するため外部環境と比較して上昇した内圧とを包含しうる。
【0040】
ここに示される例示的実施形態では、充填器20と蓋締結器30とは隔離体50に配設される。しかしながら、例えば、容器製造装置10の一つ以上のユニットを隔離体50に配置することも可能である。
【0041】
ブロー成形に続いて、隔離体50への進入の後に、充填器20によって充填製品、例えば飲料が容器に充填される。ここで、充填製品も同様に好ましくは殺菌状態である。したがって、行われることは、充填対象の容器の無菌充填である。
【0042】
その後、容器は蓋締結器30で蓋締結される。この目的のため、充填後の容器は、隔離体50内の一つ以上の輸送スターホイールを介して蓋締結器30へ輸送される。
【0043】
同時に、これから独立した作業経路において、容器蓋は蓋製造装置40で製造され、蓋締結器30へ輸送される。
【0044】
蓋製造装置40は、例えばプラスチック熱溶融物から容器蓋を製造する。この目的のために用意されるのは蓋成形ユニット41であり、ここで例えば射出成形によりプラスチック熱溶融物から容器蓋が製造される。蓋成形ユニット41は、好ましくは、同一サイクルか同じピッチの蓋締結器30に必要とされる際に容器蓋を脱型できるカルーセル型機械として設計される。
【0045】
蓋成形ユニット41は、図1から3に示されているように蓋製造装置40の一部であるか別のユニットでありうるプラスチックリザーバ42から原材料を受け取る。原材料とこれから製造される容器蓋の追加殺菌を必要としない温度を使用することで、原材料は例えば押出成形機で加熱されて溶融物となる。
【0046】
好ましくは、蓋製造装置40は蓋締結器30と直接的に相互接続される、つまり図1に示されているように直接的に接続され、結果として容器蓋は実質的な輸送経路を伴わずに蓋締結器30へ移送されうる。
【0047】
代替的に、成形後の容器蓋が図2に示されているように蓋輸送トンネル43を通って蓋締結器30へ輸送される。好ましくは、制御雰囲気が同様に蓋輸送トンネル43に用意される。蓋輸送トンネル43の内部の制御雰囲気、例えば無菌雰囲気は、この内部が隔離体50と接触するかあるいは隔離体50の一部であることにより達成され、結果として隔離体50の制御雰囲気が蓋輸送トンネル43まで拡散する。
【0048】
容器蓋を製造するための溶融物は、本質的にいかなる微生物学的細菌(例は胞子や野菜細菌)もこのプロセスで残存しない程度の高温であり、結果として蓋成形ユニット41での成形後に容器蓋は本質的に殺菌状態である。
【0049】
製造と同時的に殺菌される容器蓋は、隔離体50の制御雰囲気への直接的な移送の結果として殺菌状態を維持し続ける。言い換えると、相互接続または蓋輸送トンネル43を介した接続の結果として、殺菌状態で製造された容器蓋と細菌や他の汚染物および汚染源との接触が生じない。反対に、製造後の容器蓋が、蓋が締結される容器へ直接的に供給されてもよい。
【0050】
容器蓋の殺菌状態のさらなる保証は、蓋製造装置40、特に蓋成形ユニット41を殺菌ガス(例えば約150ppmの濃度のH)と完全または少なくとも部分的に接触させることにより達成されうる。このような濃度範囲内の殺菌ガスは非腐食性であり、同時進行方式で蓋製造装置40へ吐出されうる。
【0051】
この目的のため、図1および2の例示的実施形態による飲料瓶詰工場1は、ここでは「蓋製造殺菌装置」とも呼ばれる、蓋製造装置を殺菌するための装置60を包含する。蓋製造殺菌装置60は、殺菌ガスが供給されて一つ以上のノズルを包含するとともに、製造により発生する容器蓋の殺菌状態が維持されるように蓋製造装置40、特に蓋成形ユニット41へ向けられる殺菌ガス供給器を包含する。
【0052】
外部から蓋製造装置40へ侵入する細菌が結果として死滅し、無菌の容器蓋が汚染されることはない。
【0053】
蓋成形ユニット41から蓋締結器30への容器蓋の輸送ルートが、蓋製造殺菌装置60からの殺菌ガスと接触してもよい。その結果、輸送ルートは殺菌状態に保たれ、輸送ルートへ侵入する細菌が死滅する。
【0054】
この例示的実施形態によれば、例えば継続して生じる蓋製造装置40の接触は、容器蓋の製造中に、特に飲料瓶詰工場1の通常作業中に行われる。代替的に、蓋製造装置40および輸送ルートと殺菌ガスとの接触が飲料瓶詰工場1の通常作業前、および/または作業中断時に生じてもよい。
【0055】
蓋製造装置40と蓋製造殺菌装置60とを包含する構造のまとまりは、「容器蓋製造殺菌装置」とも呼ばれ、参照符号2が付けられている。
【0056】
図3に描かれているさらなる例示的実施形態によれば、蓋製造装置40、特に蓋成形ユニット41は、製造に先立って、つまり始動前に殺菌され、続いて飲料瓶詰工場1の通常作業中に隔離体からの殺菌空気が追加される。この目的のため、蓋製造装置40は隔離体50(図3参照)またはこれと相互接続される別の隔離体に配設されうる。
【0057】
通常作業の時間的外側での蓋製造装置40の殺菌は、例えば隔離体50に配置される蓋製造殺菌装置60´によって行われる。しかしながらこのケースでは、殺菌ガスが容器蓋に達すること、またはまだ開口している容器へ流入することを防止するため、蓋製造装置40と蓋製造殺菌装置60´とは一つのハウジングに配設される。
【0058】
蓋製造殺菌装置が隔離体に配置される場合に、これは「内部蓋製造殺菌装置」60´とも呼ばれ、さもなければ「外部蓋製造殺菌装置」60と呼ばれる。
【0059】
ゆえに、図1および2の実施形態とは対照的に、図3の実施形態では、飲料瓶詰工場1の通常作業中の蓋製造装置40と殺菌ガスとの明確な接触は必要ない。対照的に、殺菌は前もって、つまり始動前に行われるか、通常作業の中断中に実行され、隔離体50の雰囲気により作業中に維持される。
【0060】
容器蓋が製造プロセスと同時的に殺菌され、例えば蓋製造殺菌装置60,60´の補助により、蓋締結される容器への供給までこの無菌状態が維持されるため、蓋締結器30による装着前に容器蓋を再び殺菌する必要はない。容器蓋は常に清潔で無細菌である。また、保管される必要がなく、例を挙げると輸送ボックスのような輸送手段とその処理とが結果として省略される。
【0061】
容器蓋は個々に成形されるので、特にカルーセル型機械では製造中にすでに離間しており、蓋締結器30へ即座に輸送されうる。その結果、容器蓋が再び個別化および/または分類される必要はなく、結果として、飲料瓶詰工場1の機械構成の複雑性が低下する。ゆえに、蓋を搬送するための手段、分類システム、例を挙げるとカメラのようなセンサ等を省略することが可能である。製造欠陥、汚染物等を検出することが可能な蓋検査ユニットは、蓋製造装置40、特に好適なカルーセル型機械への一体化が容易である。
【0062】
容器蓋が蓋締結器30へ移送される場合には、蓋締結器のピッチは好ましくは蓋製造装置40のピッチに対応する。言い換えると、個々の容器蓋が何の問題もなく対応の容器に割り当てられてこれに装着されるように、好ましくはサイクル速度が一致する。同様に、
容器蓋の配向つまり配列が好ましくは製造から装着まで維持される。
【0063】
適用可能であれば、例示的実施形態で説明された個々の特徴が、発明の範囲を逸脱することなく互いに組み合わされる、および/または、互いに置き換えられうる。
【符号の説明】
【0064】
1 飲料瓶詰工場
2 容器蓋製造殺菌装置
10 容器製造装置
11 プリフォーム製造ユニット
12 ブロー成形ユニット
13 殺菌ユニット
20 容器充填装置(充填器)
30 容器に容器蓋を締結するための装置(蓋締結器)
40 蓋製造装置
41 蓋成形ユニット
42 プラスチックリザーバ
43 蓋輸送トンネル
50 隔離体
51 エアロック
60 蓋製造装置を殺菌するための(外部)装置(蓋製造殺菌装置)
60´ 蓋製造装置を殺菌するための(内部)装置(蓋製造殺菌装置)
F 搬送方向
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば飲料瓶詰工場(1)で容器に容器蓋を締結するための装置であって、
規定の雰囲気を内部に用意するための隔離体(50)と、
容器に容器蓋を締結するための蓋締結器(30)であって、前記隔離体(50)に配置される蓋締結器(30)と、
熱溶融物、例えばプラスチック溶融物から容器蓋を製造するための蓋製造装置(40)と、
前記蓋製造装置(40)を殺菌ガスで殺菌するための蓋製造殺菌装置(60,60´)と、
を包含し、
前記蓋製造装置(40)が前記隔離体(50)の外側に配置され、製造後の容器蓋を前記蓋締結器(30)へ給送するため前記蓋製造装置(40)が前記隔離体(50)と相互接続されるか蓋輸送トンネル(43)を介して前記隔離体(50)に接続され
前記蓋製造装置(40)は、蓋成形ユニット(41)とプラスチックリザーバ(42)とを有しており、
前記蓋製造殺菌装置(60,60´)は、前記蓋成形ユニット(41)へ向けられる殺菌ガス供給器を包含する
装置。
【請求項2】
前記蓋製造殺菌装置(60,60´)が、前記蓋製造装置(40)の少なくとも一区画へ前記殺菌ガスのガス流を誘導するように構成される一つ以上のノズルを包含する、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記殺菌ガスが、好ましくは100ppmから200ppmの範囲内、特に好ましくは約150ppmの濃度のHを包含する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記蓋製造殺菌装置(60,60´)が、前記容器蓋の製造中に好ましくは継続して前記蓋製造装置(40)を前記殺菌ガスと接触させるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記蓋製造殺菌装置(60,60´)が、前記容器蓋の製造の時間的外側で前記蓋製造装置(40)を前記殺菌ガスと接触させるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
充填製品を容器に充填するための充填器(20)がさらに前記隔離体(50)に組み込まれる、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記蓋製造装置(40)がカルーセル型機械として設計される、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載の、容器に飲料を充填するための充填器(20)と充填容器に容器蓋を締結するための装置(2)とを包含する飲料瓶詰工場(1)。
【請求項9】
前記充填器(20)が前記隔離体(50)に配置される、請求項に記載の飲料瓶詰工場(1)。
【請求項10】
前記蓋製造装置(40)のピッチが前記蓋締結器(30)のピッチに対応する、請求項8または9に記載の飲料瓶詰工場(1)。
【請求項11】
例えば飲料瓶詰工場(1)で容器に容器蓋を締結するための方法であって、
隔離体(50)の内部に制御雰囲気を発生させることと、
蓋製造装置(40)で、熱溶融物、好ましくはプラスチック溶融物から容器蓋を製造することであって、前記蓋製造装置(40)が前記隔離体(50)の外側に配置されて、前記隔離体(50)と相互接続されるか蓋輸送トンネル(43)を介して前記隔離体(50)に接続され、前記蓋製造装置(40)が蓋成形ユニット(41)とプラスチックリザーバ(42)と有し
前記隔離体(50)に配置される蓋締結器(30)へ前記容器蓋を輸送すること、
前記蓋成形ユニット(41)へ向けられる殺菌ガス供給器を包含する蓋製造殺菌装置(60,60´)で前記蓋製造装置(40)を殺菌ガスで殺菌すること、
を包含する方法。
【請求項12】
少なくとも一部を殺菌ガスと接触させることにより前記蓋製造装置(40)が殺菌される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記殺菌ガスが、好ましくは100ppmから200ppmの範囲、特に好ましくは約150ppmの濃度のHを包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
好ましくは分類システムおよび/または前記容器蓋を殺菌するための装置および/または個別化装置を通過することなく、容器に前記容器蓋を締結するための前記蓋締結器(30)へ前記製造後の容器蓋が輸送される、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。