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特開2025-27144スイングドアシステムおよび冷凍庫装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027144
(43)【公開日】2025-02-26
(54)【発明の名称】スイングドアシステムおよび冷凍庫装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20250218BHJP
【FI】
F25D23/02 303M
F25D23/02 306Z
F25D23/02 305Z
F25D23/02 306C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024214033
(22)【出願日】2024-12-06
(62)【分割の表示】P 2020080955の分割
【原出願日】2020-05-01
(31)【優先権主張番号】19172797
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20 2019 105 967.2
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr. 10, 55122 Mainz, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】520154210
【氏名又は名称】ショット テルモフロスト エス.エル.オ.
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT Termofrost s.r.o.
【住所又は居所原語表記】Zasovska 850, 757 01 Valasske Mezirici, Czech Republic
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヨヘン ディーデリヒス
(72)【発明者】
【氏名】ペトル シュマイサー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ラファイ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ラメル
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン レーダーホーファー
(72)【発明者】
【氏名】マークス ヘラー
(72)【発明者】
【氏名】ヤロスラフ ククリシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヤロスラフ プラチェク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スイングドアシステムにおける製品の視認度を増大させる。
【解決手段】冷凍庫装置と共に使用するためのスイングドアシステム(2)であって、2つの隣り合うスイングドア(1a,1b)およびこれらのスイングドア(1a,1b)に接触する少なくとも1つの仕切り(5)を有しており、各前記スイングドア(1a,1b)は、透明ガラス(3a,3b)および不透明エリアを有しており、各前記不透明エリアは、前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときには前記仕切り(5)の近位に位置しており、前記不透明エリアと前記仕切り(5)とは、不透明領域(9)を画定しており、前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときに前記スイングドア(1a,1b)が配置されている平面に対して0°~180°の水平視野角では、前記不透明領域(9)の水平方向の径(10,10’)はすべて100mm未満、最適には60mm未満である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍庫装置(25)と共に使用するためのスイングドアシステム(2)であって、前記スイングドアシステム(2)は、2つの隣り合うスイングドア(1a,1b)およびこれらのスイングドア(1a,1b)に接触する少なくとも1つの仕切り(5)を有しており、
各前記スイングドア(1a,1b)は、透明ガラス(3a,3b)および不透明エリアを有しており、各前記不透明エリアは、前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときには前記仕切り(5)の近位に位置しており、
前記不透明エリアと前記仕切り(5)とは、不透明領域(9)を画定しており、
前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときに前記スイングドア(1a,1b)が配置されている平面に対して0°~180°の水平視野角では、前記不透明領域(9)の水平方向の径(10,10’)はすべて、100mm未満、好適には80mm未満、より好適には70mm未満、最適には60mm未満である、
スイングドアシステム(2)。
【請求項2】
前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときに前記スイングドア(1a,1b)が配置されている平面に対して0°~180°の水平視野角では、前記不透明領域(9)の少なくとも1つの前記水平方向の径(10,10’)は、80mm未満、好適には70mm未満、より好適には50mm未満、最適には45mm未満である、
請求項1記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項3】
前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときに前記スイングドア(1a,1b)が配置されている平面に対して0°~180°の水平視野角では、前記不透明領域(9)の水平方向の最大径(10,10’)と、前記不透明領域(9)の水平方向の最小径(10,10’)との間の比は、2未満、好適には1.5未満、より好適には1.2未満である、
請求項1または2記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項4】
前記不透明領域(9)の幅(12)は、70mm未満、好適には60mm未満、より好適には50mm未満、最適には45mm未満であり、かつ/または
前記不透明領域(9)の幅(12)は、25mm~60mmの範囲内、好適には25mm~50mmの範囲内、最適には25mm~40mmの範囲内にある、
請求項1から3までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項5】
前記不透明領域(9)の奥行き(11)は、70mm未満、好適には60mm未満、より好適には50mm未満、最適には45mm未満であり、かつ/または
前記不透明領域(9)の奥行き(11)は、25mm~60mmの範囲内、好適には25mm~50mmの範囲内、最適には25mm~40mmの範囲内にある、
請求項1から4までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項6】
前記仕切り(5)の横断面は、T字形またはY字形または三角形であり、かつ/または
前記仕切り(5)は、少なくとも、2つの隣り合う前記スイングドア(1a,1b)の下から上まで延在する領域内では一体に形成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項7】
前記仕切り(5)は、少なくとも、2つの隣り合う前記スイングドア(1a,1b)の下から上まで延在する領域において、形状結合式かつ/またはプレス嵌め式に互いに連結されかつ/または互いに確実に結合された、2つの部材を有しており、かつ/または
前記仕切り(5)は、キャビティを有しており、かつ/または
前記仕切り(5)は、中実である、
請求項1から6までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項8】
前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるとき、前記仕切り(5)の部分(6)は、2つの隣り合う前記スイングドア(1a,1b)の間に延在している、
請求項1から7までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項9】
前記仕切り(5)に、断熱成形部材(33)が取り付けられている、
請求項1から8までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項10】
前記断熱成形部材(33)は、前記仕切り(5)に、形状結合式かつ/またはプレス嵌め式に取り付けられており、かつ/または、前記断熱成形部材(33)は、例えば接着材料(39)により前記仕切り(5)に確実に接着されている、
請求項9記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項11】
前記断熱成形部材(33)は、プラスチック、好適にはポリマ、より好適にはポリ塩化ビニル、または金属から製造されている、
請求項9または10記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項12】
前記断熱成形部材(33)は、空間(38)を有しており、好適には前記断熱成形部材(33)は、少なくとも部分的にC字形の横断面を有しており、前記断熱成形部材(33)の前記空間(38)は、断熱材(34)、好適には発泡体、より好適にはポリウレタン発泡体で満たされている、
請求項9から11までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項13】
前記仕切り(5)は、少なくとも1つ、好適には少なくとも2つのシール面(7a,7b)を有しており、好適には前記2つのシール面(7a,7b)は、それぞれ、前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときに前記スイングドア(1a,1b)が配置されている平面に対して傾斜している、
請求項1から12までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項14】
前記仕切り(5)にパッキン(8a,8b)が取り付けられておりかつ/または前記断熱成形部材(33)にパッキン(8a,8b)が取り付けられている、
請求項1から13までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項15】
前記パッキン(8a,8b)および前記断熱成形部材(33)は、隣り合う前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときに、前記仕切り(5)と前記冷凍庫装置(25)の内部との間にバリアを形成するように配置されている、
請求項14記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項16】
前記スイングドア(1a,1b)の少なくとも一方に、パッキン(8a,8b)が取り付けられている、
請求項1から15までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項17】
前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときに、前記スイングドア(1a,1b)を前記仕切り(5)に磁気的に結合するために、磁気手段(13a,13b)が設けられており、かつ/または
前記スイングドア(1a,1b)の前記透明ガラス(3a,3b)には、ガスが充填された絶縁ガラスユニットまたは真空絶縁ガラスユニットが含まれており、かつ/または
前記スイングドア(1a,1b)の少なくとも一方は、前記不透明領域(9)において少なくとも部分的に、好適には不透明インクにより印刷されている(16a,16b)、
請求項1から16までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項18】
前記仕切り(5)は、金属、好適にはアルミニウムまたは鋼、またはプラスチック、好適には繊維強化プラスチック、またはプラスチック被覆金属、好適にはプラスチック被覆アルミニウムまたはプラスチック被覆鋼から製造されており、かつ/または
前記スイングドア(1a,1b)の少なくとも一部を加熱するための加熱手段が一切設けられておらず、かつ/または
前記仕切り(5)の少なくとも一部および/または水平方向の成形部材(22)の少なくとも一部を加熱するための加熱手段が設けられており、かつ/または
キャビネット(26)の少なくとも一部を照明するための照明手段が設けられている、
請求項1から17までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項19】
前記スイングドア(1a,1b)は、それぞれ少なくとも部分的に、成形部材(14a,14b)、好適には中実の成形部材(14a,14b)、より好適にはL字形の横断面を有する中実の成形部材(14a,14b)により包囲されている、
請求項1から18までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項20】
前記パッキン(8a,8b)は、隣り合う前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときに、前記成形部材(14a,14b)と前記冷凍庫装置(25)の内部との間にバリアを形成するように配置されている、
請求項19記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項21】
前記スイングドア(1a,1b)の少なくとも一方の回転軸(17)は、前記不透明領域(9)内に配置されており、かつ/または
前記スイングドア(1a,1b)の少なくとも一方の前記回転軸(17)は、前記不透明領域(9)の奥行きに対して偏心的に位置しており、かつ/または
前記回転軸(17)は、隣り合う前記スイングドア(1a,1b)間の領域に配置されている、
請求項1から20までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項22】
前記スイングドア(1a,1b)の少なくとも一方は、前記少なくとも一方のスイングドア(1a,1b)の互いに反対の側の各端部にヒンジ(21)を有している、
請求項1から21までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)。
【請求項23】
スイングドアシステムの開放方向が水平方向になるようにキャビネット(26)に配置された、請求項1から22までのいずれか1項記載のスイングドアシステム(2)を少なくとも1つ有している、冷凍庫装置(25)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍庫装置と共に使用するためのスイングドアシステムであって、2つの隣接するスイングドアおよびこれらのスイングドアに接触する少なくとも1つの仕切りを有しており、各スイングドアは、透明ガラスおよび不透明エリアを有しており、スイングドアが閉鎖位置にある場合には、各不透明エリアは仕切りの近位に位置しており、不透明エリアおよび仕切りは、不透明領域を画定している、スイングドアシステムに関する。
【0002】
さらに本発明は、少なくとも1つのスイングドアシステムを有する冷凍庫装置に関する。
【背景技術】
【0003】
冷凍庫装置は、例えばスーパーマーケットおよびその他の商店において冷凍品を提供するために使用される。冷凍庫装置用の従来の枠およびドアは、典型的には頑丈で大型の成形部材構造を有している。これらの構造は、冷凍庫装置内の提供品を消費者が購入する過程の間中、消費者の視界を遮ることになる。
【0004】
特に従来の冷凍庫装置は、例えば野菜、冷凍肉、冷凍ピザ等の冷凍製品が冷凍庫内で保存され得るように庫内が冷却されねばならないため、極めて大型の成形部材構造を有している。冷凍庫の内部と周囲温度との間の大きな温度差を可能にするために、これらの冷凍庫は断熱式の、したがって厚いドアを有している。よって、これらの厚いドアおよび上述したように冷凍庫内に対する人の視界を遮ることを受け入れるためには、相応に広幅で頑丈な成形部材が使用されねばならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の実施形態は、特に人が装置に接近して装置の前に立ったときの製品の視認度の増大が達成されるように、スイングドアシステムおよび冷凍庫装置を改良しかつさらに発展させる、という問題に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態では、本発明は、冷凍庫装置と共に使用するためのスイングドアシステムであって、2つの隣り合うスイングドアおよびこれらのスイングドアに接触する少なくとも1つの仕切りを有しており、各スイングドアは、透明ガラスおよび不透明エリアを有しており、各不透明エリアは、スイングドアが閉鎖位置にあるときには仕切りの近位に位置しており、不透明エリアと仕切りとは、不透明領域を画定しており、スイングドアが閉鎖位置にあるときにスイングドアが配置されている平面に対して0°~180°の水平視野角では、好適には透明ガラスのあらゆる所与の高さにおいて、すなわち鉛直方向の全高にわたり、不透明領域の水平方向の径はすべて、100mm未満、好適には80mm未満、より好適には70mm未満、最適には60mm未満である、スイングドアシステムを提供する。
【0007】
本開示はさらに、スイングドアシステム用、好適には請求項1から22までのいずれか1項記載のスイングドアシステム用の仕切りを説明するものであり、仕切りの幅および/または奥行きは、70mm未満、好適には60mm未満、より好適には50mm未満、最適には45mm未満である。
【0008】
1つの別の実施形態では、本発明は、冷凍庫装置であって、スイングドアシステムの開放方向が水平方向になるようにキャビネットに配置された、請求項1から22までのいずれか1項記載のスイングドアシステムを少なくとも1つ有している、冷凍庫装置を提供する。
【0009】
複数の利点のうちの1つは、少なくとも顧客が0°~180°の水平視野角で冷凍庫内を覗き込む場合に、製品の視認度が増大されている、という点にある。これにより、冷凍庫装置の機械的な安定性を低下させること無しに、不透明領域が最小化されている。請求項1記載のスイングドアシステムは、好適にはスイングドアシステムの開放方向が水平方向になるように配置されている、ということに留意されたい。
【0010】
請求項1から23までのいずれか1項記載の冷凍庫装置の仕切りに関して説明する技術的な特徴は、本開示に記載された仕切りにより実現されてもよい。
【0011】
「冷凍庫装置」という用語は、特に請求項において、好適には説明において、食品の温度が通常の使用条件において典型的には-12℃~-30℃に保たれる装置を指す。通常の条件は、製造者の推奨に従ってキャビネットがすべての常設アクセサリを含めて組み立てられかつ配置され、使用される場合に生じる作動条件として規定されている。前記のような食品の典型的な例は、EN23953、第2部(2012年9月)に従って温度クラスL1,L2およびL3で保管される製品である。
【0012】
「仕切り」という用語は、特に請求項において、好適には説明において、冷凍庫装置の取付け枠に取り付けられた鉛直方向の成形部材を指し、仕切りにおいて、冷凍庫装置の2つの隣り合うドアが接触し合う。従来、仕切りは、ドアが閉鎖位置にあるときにシール式にドアを支持することができる中央支持面を形成するために使用されてきた。
【0013】
「鉛直方向側」という用語は、特に請求項において、好適には説明において、冷凍庫キャビネットの外側の位置に設けられた取付け枠の鉛直方向の成形部材を指す(典型的には左側または右側)。
【0014】
「水平方向の成形部材」という用語は、特に請求項において、好適には説明において、冷凍庫装置の取付け枠の水平方向の成形部材を指す。典型的には、1つの水平方向の上部成形部材および1つの水平方向の下部成形部材が設けられている。
【0015】
「取付け枠」という用語は、水平方向の上下の成形部材と、左右の鉛直方向側とを有する支持構造体を指す。少なくとも一対のリバーシブルドアが、選択的な左手および右手開放方向で、取付け枠に旋回可能に取り付けられてよい。
【0016】
キャビネットには、いくつかの取付け枠が取り付けられてよい。択一的に、1つの装置の水平方向の複数の成形部材が、1列の成形部材を成すように配置されてもよい。
【0017】
仕切りおよび/または鉛直方向側および/または水平方向の成形部材は、冷凍庫装置のキャビネット構造体に組み込まれてもよい、ということに留意されたい。
【0018】
「不透明」という用語は、特に請求項において、好適には説明において、冷凍庫装置内の品物、製品または類似のものに対する視界が、冷凍庫装置の1つ以上の不透明部材、例えばスペーサ、成形部材、パッキン、仕切りまたはスイングドアにより遮られるまたは妨げられる領域、エリアまたは類似のものを指す。
【0019】
当業者は、人の目視方向には鉛直方向部分および水平方向部分が含まれる、ということを理解している。よって「水平視野角」という用語は、水平面への目視方向の投影と、スイングドアが閉鎖位置にあるときにスイングドアが配置されている平面との間の角度により規定される。さらに、スイングドアが閉鎖位置にあるときにスイングドアが配置されている平面は、冷凍庫装置の外側の透明ガラスの表面を指す。
【0020】
「水平方向の径」という用語は、特に請求項において、好適には説明において、所与の高さの水平面において測定された長さを指す。よって、所与の高さの不透明領域の水平方向の径は、水平視野角に左右され、製品に対する視野が妨げられている領域の長さを表す。
【0021】
「幅」という用語は、特に請求項において、好適には説明において、スイングドアが閉鎖位置にあるときにスイングドアが配置されている平面内で測定された水平方向の長さを指す。よって、不透明領域の幅は、スイングドアが閉鎖位置にあるときにスイングドアが配置されている平面に対して90°の角度で見たときの水平方向の径に相当する。
【0022】
「奥行き」という用語は、特に請求項において、好適には説明において、スイングドアが閉鎖位置にあるときにスイングドアが配置されている平面に対して垂直な平面内で測定された長さを指す。よって、不透明領域の奥行きは、スイングドアが閉鎖位置にあるときにスイングドアが配置されている平面に対して0°または180°の角度で見たときの水平方向の径に相当する。
【0023】
「鉛直方向」という用語は、特に請求項において、好適には説明において、下げ振り線により具体化されるような、上向きまたは下向きの、重力の力の方向と整合する方向を指す。
【0024】
「水平方向」という用語は、特に請求項において、好適には説明において、鉛直方向に対して垂直な方向を指す。
【0025】
1つの別の実施形態では、スイングドアが閉鎖位置にあるときにスイングドアが配置されている平面に対して0°~180°の水平視野角において、不透明領域の少なくとも1つの水平方向の径は、80mm未満、好適には70mm未満、より好適には50mm未満、最適には45mm未満である。よって、成形部材のような大型の不透明コンポーネントを有する周知の装置と比較して、冷凍庫装置内への人の視野が妨げられることが少なくなっている。
【0026】
別の実施形態では、透明ガラスの好適にはあらゆる所与の高さにおいて、スイングドアが閉鎖位置にあるときにスイングドアが配置されている平面に対して0°~180°の水平視野角では、不透明領域の水平方向の最大径と、不透明領域の水平方向の最小径との間の比は2未満、好適には1.5未満、より好適には1.2未満である。これにより、不透明領域はさらに最小化されている。
【0027】
1つの別の実施形態では、前記不透明領域の幅は70mm未満、好適には60mm未満、より好適には50mm未満、最適には45mm未満である。このことは、顧客がおよそ90°の視野角で冷凍庫装置内を見た場合の製品の視認度が向上されている、という利点を有している。
【0028】
1つの実施形態では、不透明領域の幅は、25mm~60mm、好適には25mm~50mm、最適には25mm~40mmの範囲内にある。それぞれに寸法設定された不透明領域は、選択段階中、すなわち顧客が閉じられたスイングドアの前に立っているときの視認度を向上させる。別の利点は、安定した、機械的に信頼性のある装置の構造が提供される、という点にある。
【0029】
1つの別の実施形態では、不透明領域の奥行きは70mm未満、好適には60mm未満、より好適には50mm未満、最適には45mm未満である。不透明領域の奥行きは、好適には25mm~60mm、より好適には25mm~50mm、最適には25mm~40mmの範囲内にある。上述のように寸法設定された不透明領域を有する冷凍庫装置の利点は、顧客がおよそ45°の角度で冷凍庫装置内を見た場合に、従来技術の構成に比べて製品の視認度が向上されている、という点にある。
【0030】
1つの別の実施形態では、仕切りの横断面はT字形またはY字形または三角形である。T字形の仕切りは、極めて堅牢な構造を提供する、という利点を有している。Y字形の仕切りは、配線または照明取付け具を仕切りの背後に隠すことができるため、顧客の視野が配線により邪魔されない、という別の利点を有している。三角形の仕切りはフレキシビリティの向上をもたらし、例えばケーブル管路として使用され得る。
【0031】
1つの別の実施形態では、スイングドアが閉鎖位置にあるとき、仕切りの部分が、2つの隣り合うスイングドアの間に延在している。このことは、仕切りの堅牢性および機械的な安定性をさらに高める。1つの別の利点は、隣り合うスイングドアの間に仕切りが延在している場合には、スイングドアシステムの奥行きが最小化される、という点にある。従来技術では、仕切りはキャビティを含む直方体の成形部材の形状を有している。これらの仕切りは、その大きな幅および奥行きに基づき、所要の曲げ剛性を達成している。隣り合うスイングドアの間に延在しかつ/またはT字形を有する仕切りは、その特別な設計に基づきその曲げ剛性を達成しており、したがってその幅および奥行きを、従来技術による直方体の仕切りよりも小さくすることができる。
【0032】
別の実施形態では、仕切りに断熱成形部材が取り付けられている。断熱成形部材の1つの利点は、断熱成形部材は冷凍庫装置の内部に対して仕切りを遮断する、という点にある。さらに断熱成形部材は、仕切りを機械的に安定させるために役立つ。1つの別の実施形態では、断熱成形部材は仕切りに、少なくとも複数の異なる固定点において、形状結合式かつ/またはプレス嵌め式に取り付けられている。例えば、ねじおよび/またはリベットおよび/またはその他の固定部材を用いて、断熱成形部材を仕切りに、複数の異なる固定点において取り付けることが可能である。固定点は、好適には等間隔で、仕切りの高さの少なくとも80%にわたり配置され得る。さらに断熱成形部材は、仕切りに確実に接着されてよい。断熱成形部材は仕切りに、複数の異なる固定点において、接着剤および/または接着テープおよび/または溶接および/またはろう接により、取り付けられてよい。1つの好適な実施形態では、固定点は、好適には等間隔で、仕切りの高さの少なくとも80%にわたり配置され得る。さらに、断熱成形部材をその全長にわたって仕切りに確実に接着することも可能である。
【0033】
上述した方法のうちの1つで断熱成形部材を仕切りに取り付けることは、断熱成形部材を含まない仕切りに比べ、曲げ剛性に関する堅牢性が大幅に高められている、という利点を有している。
【0034】
断熱成形部材は、プラスチック、好適にはポリマ、より好適にはポリ塩化ビニル(PVC)または繊維強化プラスチック、または金属から製造され得る。これらの材料は、熱伝導率が低いという利点を有している。さらに、前記材料は加工が容易である。
【0035】
別の実施形態では、断熱成形部材は空間、例えば凹部またはキャビティを有しており、前記断熱成形部材の前記空間は、断熱材で満たされている。断熱成形部材を断熱材で満たすということは、改良された断熱および改良された機械的な安定性が達成され得る、という利点を有している。さらに、断熱成形部材は少なくとも部分的に、仕切りを包囲するためのC字形の横断面を有していてよい。断熱材は、発泡体、好適にはポリウレタン(PUR)発泡体であってよい。発泡体、特にポリウレタン発泡体は、断熱成形部材への適用が容易であると共に、優れた断熱および機械的な安定性をもたらす、という利点を有している。
【0036】
1つの別の実施形態では、仕切りは少なくとも、2つの隣り合うドアの下から上まで延在する領域内では一体に形成されている。このことは、仕切りが極めて頑丈である、という利点を有している。択一的に、仕切りは少なくとも、2つの隣り合うスイングドアの下から上まで延在する領域において、形状結合式かつ/またはプレス嵌め式に互いに連結されかつ/または確実に結合された、例えば溶接または接着された、少なくとも2つの部材を有している。このことは、いずれの幾何学形状の仕切りも容易に製造され得る、という利点を有している。
【0037】
1つの別の実施形態では、仕切りはキャビティを有していてよい。キャビティは、例えばケーブルガイドとして使用され得る。択一的に、仕切りは中実であってもよい、すなわちキャビティを有していない。このことは、仕切りが極めて頑丈であると共に、製造が容易である、という利点を有している。
【0038】
1つの別の実施形態では、特に仕切りが扁平な三角形を有する場合に、仕切りは少なくとも1つのシール面を有している。択一的に、仕切りは少なくとも2つのシール面を有していてもよい。さらに、好適には2つのシール面はそれぞれ、スイングドアが閉鎖位置にあるときにスイングドアが配置されている平面に対して傾斜していてよい。よって、冷凍庫内は、隣り合うスイングドアが閉じられているときには冷凍庫内に暖かく湿った空気が到達しないように、気密にシールされ得る。この構造は、シール面の領域に、パッキンおよび磁気手段が設けられている場合に、特に有利である。なぜならば、スイングドアが開く初期段階中にパッキンに作用する剪断力が最小化されるからである。
【0039】
別の実施形態では、パッキンは、仕切りおよび/または断熱成形部材に取り付けられている。択一的または追加的に、パッキンは、少なくとも一方のスイングドアに取り付けられていてもよい。パッキンを設けるということは、湿気の侵入および冷却装置内の空気流が減少されるように、冷却装置内を外側からシールすることができる、という利点を有している。好適には、パッキンはポリ塩化ビニル(PVC)または熱可塑性エラストマ(TPE)またはアクリロニトリル-ブタジエンースチレン(ABS)から製造され得る。PVCまたはTPEまたはABSから製造されたパッキンは、極めて丈夫であるという利点を有している。別の実施形態では、パッキンおよび断熱成形部材は、隣り合うスイングドアが閉鎖位置にあるときに、仕切りと冷凍庫装置内との間にバリアを形成するように配置されている。このことは、冷凍庫装置内の冷気に対する、仕切りの理想的な断熱が達成されている、という利点を有している。
【0040】
1つの別の実施形態では、磁気手段は、ドアが閉鎖位置にあるときに、スイングドアを仕切りに磁気的に結合するために設けられている。磁気手段を設けることは有利である。なぜならば、周囲空気に対する冷凍庫装置内部のシールが、さらに向上されるからである。1つの好適な実施形態では、磁気手段として、少なくとも1つの永久磁石が設けられている。
【0041】
1つの別の実施形態では、スイングドアの透明ガラスには、ガスが充填された絶縁ガラスユニット(IG)または真空絶縁ガラスユニット(VIG)が含まれる。このことは、装置の内部が、暖かい周囲空気から遮断される、という利点をもたらす。典型的には、ガスが充填された絶縁ガラスユニットおよび/または真空絶縁ガラスユニットは、1つ以上のスペーサにより互いに隔てられた少なくとも2つのガラス板、しばしば3つのガラス板を有している。ガラス板は、3mm~5mm、しばしば4mmの厚さを有していてよくかつ/またはくもり止めコーティングあるいはくもり止めフォイルおよび/または加熱可能なコーティングおよび/または低放射コーティングおよび/または反射防止コーティングを有していてよい。真空絶縁ガラスユニット(VIG)では、スペーサ部材は0.5mm~1.5mm、好適には1mm未満の奥行きを有していてよい。VIGのこれらのスペーサ部材は、周縁シールと組み合わされて使用される。ガスが充填された絶縁ガラスユニット(IG)では、周縁スペーサは、4~20mmの奥行きを有していてよい。ガラス板の間の空間は、絶縁ガラスユニット(IG)の場合にはガスで満たされてよく、または真空絶縁ガラスユニット(VIG)の場合には排気され得る。ガラスユニットを介した視界を妨げないようにするために、スペーサは透明材料から製造され得る。一般に、前記スイングドアの透明ガラスには、上下にいくつかのガラス板が含まれていてよい。
【0042】
1つの別の実施形態では、少なくとも一方のスイングドアは、不透明領域において少なくとも部分的に、好適には不透明インクにより印刷されている。不透明領域内でスイングドアに印刷するということは有利である。なぜならば、特に不透明インクを使用することで、費用対効果が高い方法で訴求するデザインを生ずることができるからである。
【0043】
1つの別の好適な実施形態では、仕切りは、金属、好適にはアルミニウムまたは鋼、またはプラスチック、好適には繊維強化プラスチック、またはプラスチック被覆金属、好適にはプラスチック被覆アルミニウムまたはプラスチック被覆鋼から製造されているか、あるいは別の追加的な取付け部品と組み合わされて、上述した材料の組合せから製造されている。金属から製造された仕切りを提供するということは、仕切りが極めて剛性である、という利点を有している。アルミニウムから製造された仕切りは、仕切りが軽量である、という別の利点を有している。鋼から製造された仕切りを提供するということは、仕切りを、磁気手段、例えば永久磁石に対する磁気的な対応部分として使用することができ、これにより、ドアにパッキンが配置されている実施形態においてスイングドア用の磁気的なロックが提供されることになる、という点において有利である。鋼の仕切りは、訴求する表面を達成しかつ腐食から保護するために塗装または他の方法で被覆されてよい。プラスチックは、容易に加工され得、低い熱伝導をもたらす、という利点を有している。繊維強化プラスチックから製造された仕切りは、軽量かつ剛性である。プラスチックによる金属の被覆は、仕切りの腐食を防ぐ。1つの別の実施形態では、仕切りは、構造体の質量を減少させるために、少なくとも1つの開口を有している。仕切りは、パッキンまたは磁石のような、別の部材を有していてもよい。これらの部材はもちろん、仕切りとは異なる材料から製造されてもよい。
【0044】
1つの別の実施形態では、各スイングドアは、成形部材、好適にはL字形の横断面を有する成形部材により、少なくとも部分的に包囲されている。例えばスイングドアの鉛直方向側の一方のみまたは両方が、成形部材を有していてよい。成形部材は、スイングドアの狭幅側に対して保護手段を提供する。L字形の成形部材は、スイングドアの縁部がさらに先まで保護される、という利点を有している。中実の成形部材を設けることにより、成形部材を容易に製造することができる。
【0045】
別の実施形態では、パッキンは、隣り合うスイングドアが閉鎖位置にあるときに、成形部材、例えばL字形の成形部材と冷凍庫内との間にバリアを形成するように配置されている。この構造により、暖かい周囲空気に対する冷凍庫内の改良された断熱が達成される。
【0046】
別の実施形態では、店の環境に面した前面ガラス板の上縁は、取付け枠および/または店に面した装置部分と同一平面またはそれより高い平面を閉じるように延長されている。延長された前面ガラスを使用することにより、他の装置部分を隠すことができ、このことは訴求するデザインに寄与する。
【0047】
別の実施形態では、仕切りの少なくとも一部および/または水平方向の成形部材/成形部材の少なくとも一部を加熱するために加熱手段が設けられており、キャビネットの少なくとも一部を照明するために照明手段が設けられている。仕切りおよび/または水平方向の成形部材/成形部材を加熱することは、これらの部材の表面温度を露点より上に保つことにより、凝縮を防ぐ。照明手段を設けることは、冷凍庫装置内に保管されている品物を、顧客に対して訴求するように提示することができる、という点において有利である。択一的または追加的に、スイングドアを加熱するための加熱手段は一切設けられていない。特に、仕切りに断熱成形部材が取り付けられている場合には、スイングドアの加熱は不要な場合がある。
【0048】
別の実施形態では、少なくとも一方のスイングドアの回転軸は、不透明領域内に配置されている。回転軸を不透明領域内に配置するということは、回転軸を中心とした角運動をもたらす部品または部材を隠すことができる、という利点を有している。典型的には、少なくとも一方のスイングドアの回転軸は、不透明領域の奥行きに対して偏心的に位置している。回転軸のこの配置は、スイングドアの角運動が仕切りにより妨げられることから、スイングドアを守ることができる。
【0049】
1つの別の実施形態では、回転軸は、隣り合うスイングドア間の領域に配置されている。隣り合うスイングドア間の領域に回転軸を配置するということは、ドアの障害が簡単な機械的手段により防止される、という利点を有している。
【0050】
1つの好適な実施形態では、少なくとも一方のスイングドアは、この少なくとも一方のスイングドアの互いに反対の側の各端部に、ヒンジを有している。これにより、スイングドアの回動または旋回式の取付けが簡単に達成され得、したがって設置性が向上されることになる。
【0051】
本発明の教示を有利に設計しかつさらに発展させる、いくつかの方法がある。そのため、一方では独立特許請求項に従属する特許請求項を参照しかつ他方では図示の本発明の各実施形態の好適な例に関する以下の説明を参照されたい。図面を用いた本発明の好適な実施形態の説明に関連して、通常好適な実施形態および教示のさらなる発展を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】本発明の1つの実施形態によるスイングドアシステムの隣り合うスイングドアの一部を示す斜視図である。
図2図1に示したスイングドアシステムを示す水平方向断面図である。
図3】本発明の別の実施形態によるスイングドアシステムを示す水平方向断面図である。
図4】取付け枠に取り付けられた、図3に示したスイングドアシステムを示す正面図である。
図5】本発明のさらに別の実施形態によるスイングドアシステムを示す水平方向断面図である。
図6】取付け枠に取り付けられた、図5に示したスイングドアシステムを示す正面図である。
図7】本発明のさらに別の実施形態による仕切りを示す水平方向断面図である。
図8】本発明のさらに別の実施形態による仕切りを示す水平方向断面図である。
図9】本発明の1つの実施形態による冷凍庫装置を示す斜視図である。
図10】本発明のさらに別の実施形態によるスイングドアシステムを示す水平方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1および図2には、本発明の1つの実施形態によるスイングドアシステム2の隣り合うスイングドア1a,1bの一部の異なる図面が示されている。
【0054】
隣り合うスイングドア1a,1bはそれぞれ、複数の透明ガラス3a,3bを有している。透明ガラス3a,3bは、スペーサ4a,4bにより互いに隔てられている。スイングドアシステム2はさらに、T字形横断面を有する仕切り5を有しており、仕切り5の部分6は、スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるときには、隣り合うスイングドア1a,1bの間に延在する。部分6は、隣り合うスイングドア1a,1bの間には延在しない程度に、より短くてもよい、ということに留意されたい。
【0055】
図1にはさらに、仕切り5が2つのシール面7a,7bを有していることが示されており、シール面7a,7bはそれぞれパッキン8a,8bを有している。スイングドア1a,1bはそれぞれ、各スイングドア1a,1bに不透明エリアを形成する成形部材14a,14b、層15a,15bおよび印刷部16a,16bを有している。スイングドア1a,1bの不透明エリアはそれぞれ、スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるときには、仕切り5の近位に位置している。不透明エリアと仕切り5とは共に、図1および図2に破線の四角形で示した不透明領域9を画定している。水平視野角に応じて、不透明領域9の水平方向の径10は異なっていてよい。図2には、スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるとき、すなわち破線の四角形の右側または左側に位置するときに、スイングドア1a,1bが配置されている平面に対して0°または180°の水平視野角で見た不透明領域9の水平方向の径10として、不透明領域9の奥行き11が画定されている、ということが示されている。不透明領域9の幅12は、スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるときにスイングドア1a,1bが配置されている平面に対して90°の水平視野角で見た不透明領域9の水平方向の径10として画定されている。よって、幅12は破線の四角形の正面側に相当する。
【0056】
仕切り5の設計に基づき、不透明領域9の奥行き11および幅12は極短く、少なくとも実質的に仕切り5の奥行き30および幅31に相当する。不透明領域9の浅い奥行き11に基づき、顧客が斜めから冷凍庫内を見た場合に、冷凍庫装置の内部の視認度が向上されている。不透明領域9の小さな幅12は、選択段階の間、すなわち閉じられたスイングドア1a,1bの前に人が立っている間の視認度を向上させる。
【0057】
図1および図2には、さらにパッキン8a,8bがそれぞれ磁石13a,13bを有している、ということが示されている。各磁石13a,13bは、仕切り5の部分6の近くに配置されている。中実でL字形の成形部材14a,14bは、隣り合う各スイングドア1a,1bを保護している。L字形の成形部材14a,14bは、製品に対する人の視界を遮るため、不透明領域9の一部を形成している、ということに留意されたい。スイングドア1a,1bの閉鎖位置では、L字形の各成形部材14a,14bの脚部は、仕切り5のシール面7a,7bおよび部分6に対して平行である。さらにL字形の成形部材14a,14bは、スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるときに磁石13a,13bと協働する所定の材料の、好適には金属の、例えば鋼の層15a,15bを有している。これによりスイングドア1a,1bは閉鎖位置に確実に保たれ、その結果、冷凍庫装置の内部のシールが向上されると共に、スイングドア1a,1bは依然として容易に開放され得る。層15a,15bを設ける代わりに、L字形の成形部材14a,14b自体が磁石13a,13bと協働するような材料から製造されてもよい。
【0058】
隣り合うスイングドア1a,1bはそれぞれ、図2にのみ示すように不透明領域9に、不透明インクを含む印刷部16a,16bを有していてよい。
【0059】
図2によれば、左側のスイングドア1aの回転軸17は、L字形の成形部材14a,14bの外面から5mmの間隔18を置いて不透明領域9に配置されている。スイングドア1aの厚さ19に対して、回転軸17は偏心的に、すなわち外側の透明ガラス3aに整合するように配置されている。不透明領域9の奥行き11は、ここでは42mmであり、不透明領域9の幅12は45mmである。さらに、L字形の成形部材14a,14b無しの各スイングドア1a,1bの厚さ19は26mmである。閉鎖位置におけるスイングドア1a,1b間の隙間20は5mmである。顧客が不透明領域9の方を水平方向に45°の水平視野角で見た場合、不透明領域9の水平方向の径10’は55mmである、すなわちこの長さは、印刷部16aの左端部とシール面7bの右端部とにより画定される。
【0060】
図3および図4には、スイングドアシステム2の別の実施形態が示されている。スイングドアシステム2は、2つの隣り合うスイングドア1a,1bを有しており、各スイングドア1a,1bは、スペーサ4a,4bにより互いに隔てられた複数の透明ガラス3a,3bを有している。さらに、仕切り5が配置されている。仕切り5はT字形であり、スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるときには、隣り合うスイングドア1a,1bの間に延在する部分6を有している。部分6は、隣り合うスイングドア1a,1bの間には延在しない程度に、より短くなっていることも可能である。仕切り5の奥行き30は、不透明領域9の奥行き11よりも短い。仕切り5の幅31は、不透明領域9の幅12に等しい。仕切りはさらに、シール面7a,7bを有しており、シール面7a,7bにはパッキン8a,8bが取り付けられており、例えば接着またはスナップ係合されている。隣り合うスイングドアは、パッキンの磁石13a,13bと協働する材料から成る楔23a,23bを有している。例えば、楔23a,23bは鋼から成っている。仕切り5のシール面7a,7bは、隣り合うスイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるとき、透明ガラス3a,3bに対して傾斜している。よって、スイングドア1a,1bが開かれるとき、すなわち磁石13a,13bが楔23a,23bから分離されるときにパッキン8a,8bに作用する剪断力が最小化されている。さらに、仕切り5の設計に基づき、不透明領域9の水平方向の径10、特に奥行き11および幅12が最小化されている。さらに仕切り5の設計は、スイングドアの開きが最小限のときの初期段階中にパッキンに作用する剪断力を回避する。
【0061】
図4にはさらに、スイングドア1aを外枠の水平方向の成形部材22に回動可能に取り付けることができるように、左側のスイングドア1aはヒンジ部材21を有している、ということが示されている。右側のスイングドア1bも、その右側(図示せず)にヒンジを有していてよい。
【0062】
図5および図6には、スイングドアシステム2のさらに別の実施形態が示されている。スイングドアシステム2は、2つの隣り合うスイングドア1a,1bを有しており、各スイングドア1a,1bは、スペーサ4a,4bにより互いに隔てられた複数の透明ガラス3a,3bを有している。さらに、仕切り5が配置されている。仕切り5はT字形であり、スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるときには、隣り合うスイングドア1a,1bの間に延在する部分6を有している。仕切り5の奥行き30は、不透明領域9の奥行き11よりも短い。仕切り5の幅31は、不透明領域9の幅12に等しい。よって、図5および図6に示すスイングドアシステム2は、図1および図2に示した実施形態に相当する。図1および図2に示した実施形態とは対照的に、左側のドア1aの回転軸は、隣り合うスイングドア1a,1bの間に配置されている。よって、スイングドア1a,1bが開かれるときにパッキン8a,8bに作用する剪断力が最小化されていると共に、左側のドア1aが開かれるときに、右側のドア1bが左側のドア1aを妨害することが防がれている。
【0063】
図6にはさらに、スイングドア1aを外枠の水平方向の成形部材22に回動可能に取り付けることができるように、左側のスイングドア1aはヒンジ21を有している、ということが示されている。右側のスイングドア1bも、その右側(図示せず)にヒンジを有していてよい。
【0064】
図7には、本発明のさらに別の実施形態による仕切り5の、開放方向に対して平行な横断面図が示されている。仕切り5は、三角形の横断面を有している。よって仕切り5のシール面7a,7bは、スイングドアが閉鎖位置にあるとき、隣り合うスイングドアの透明ガラス(図示せず)に対して傾斜している。三角形の仕切り5は、仕切り5の内側部分24をケーブル管路、ヒートパイプ、加熱部材またはその他の部材として用いることができる、という利点を有している。
【0065】
図8には、本発明のさらに別の実施形態による仕切り5の、開放方向に対して平行な横断面図が示されている。仕切り5は、Y字形の横断面を有している。よって仕切り5のシール面7a,7bは、スイングドアが閉鎖位置にあるとき、隣り合うスイングドアのガラス(図示せず)に対して傾斜している。Y字形の仕切り5の部分6は、隣り合うスイングドア(図示せず)の間に延在していてよい。さらに部分6は、隣り合うスイングドアの間には延在しない程度に、より短く実現されてもよい。
【0066】
図9には、本発明の1つの実施形態による冷凍庫装置25の斜視図が示されている。冷凍庫装置25は、キャビネット26および3つのスイングドアシステム2を有しており、スイングドアシステム2はそれぞれ、2つの隣り合うスイングドア1a,1bおよび仕切り5を有している。顧客は、スイングドア1a,1bの透明ガラス3a,3bを通して製品27を見ることができる。不透明領域9の浅い奥行き11および小さな幅12に基づき、人が斜めから冷凍庫装置25内を見た場合に、製品27に対する人の視野が改善されている。さらに、不透明領域9の小さな幅12は、人が冷凍庫装置25の前に立ったときの、製品27に対する視野を改善している。
【0067】
さらに冷凍庫装置25は、インタフェース29に接続されたエネルギ源28を有しており、エネルギ源28は、スイングドア1a,1b内の加熱部材および/または照明部材にエネルギを供給することができる。
【0068】
図10には、スイングドアシステム2のさらに別の実施形態が示されている。スイングドアシステム2は、2つの隣り合うスイングドア1a,1bを有しており、各スイングドア1a,1bは、スペーサ4a,4bにより互いに隔てられた複数の透明ガラス3a,3bを有している。さらに、仕切り5が配置されている。仕切り5は実質的に三角形であり、スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるときには、隣り合うスイングドア1a,1bの間に延在する部分6を有している。部分6は、隣り合うスイングドア1a,1bの間には延在しないが少なくともその方向を指し示す程度に、より短くなっていることも可能である。さらに、断熱成形部材33が仕切り5に取り付けられている。断熱成形部材33は、断熱材34で満たされた空間38を有している。この実施形態では、空間38はキャビティにより画定されており、断熱成形部材33は中空の成形部材である。断熱成形部材33は、接着材料39、例えば付着テープにより、仕切り5に確実に接着されている。断熱成形部材33は仕切り5に対し、複数の異なる固定点に取り付けられてよいか、または断熱成形部材33の全長にわたり取り付けられてよい。追加的に断熱成形部材33は、プレス嵌め式および/または形状結合式の結合をもたらすために仕切り5の凹部36に嵌合する突起35を有している。
【0069】
仕切り5はさらに、水平方向の成形部材に例えばねじを用いて仕切り5を取り付けるための通路37を有している。
【0070】
スイングドア1a,1bはそれぞれ、L字形の成形部材14a,14bを有している。さらにパッキン8a,8bが、仕切り5および断熱成形部材33に取り付けられている。スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるときに、パッキン8a,8bは、仕切り5と冷凍庫内との間にバリアを形成する。追加的にパッキン8a,8bは、スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるとき、L字形の成形部材14a,14bと冷凍庫内との間にもバリアを形成するように配置されている。これら2つのバリアが設けられていることにより、極めて良好な断熱が達成され、これにより、スイングドア1a,1bの加熱は不要である。
【0071】
さらに、パッキン8a,8bはそれぞれ、磁石13a,13bを有している。さらにL字形の成形部材14a,14bは、所定の材料の、好適には金属の、例えば鋼の層15a,15bを有しており、層15a,15bは、スイングドア1a,1bが閉鎖位置にあるとき、磁石13a,13bと協働する。これによりスイングドア1a,1bは閉鎖位置に確実に保たれ、その結果、冷凍庫装置の内部のシールが向上されると共に、スイングドア1a,1bは依然として容易に開放され得る。層15a,15bを設ける代わりに、L字形の成形部材14a,14b自体が磁石13a,13bと協働するような材料から製造されてもよい。
【0072】
上述の説明および関連する図面に示された教示の利益を享受する、本発明に関係する当業者は、ここで述べた本発明の多くの変更および別の実施形態に想到することになる。したがって、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および別の実施形態は添付請求項の範囲内に含まれる、ということが意図されていることを理解されたい。ここでは特定の用語を使用したが、これらの用語は一般的な説明の意味で使用しただけに過ぎず、限定を目的とするものではない。
【符号の説明】
【0073】
1a,1b スイングドア
2 スイングドアシステム
3a,3b 透明ガラス
4a,4b スペーサ
5 仕切り
6 部分
7a,7b シール面
8a,8b パッキン
9 不透明領域
10,10’ 水平方向の径
11 奥行き
12 幅
13a,13b 磁石
14a,14b 成形部材
15a,15b 層
16a,16b 印刷部
17 回転軸
18 間隔
19 厚さ
20 隙間
21 ヒンジ
22 水平方向の成形部材
23a,23b 楔
24 内側部分(仕切り)
25 冷凍庫装置
26 キャビネット
27 製品
28 エネルギ源
29 インタフェース
30 奥行き
31 幅
32 鉛直方向側
33 断熱成形部材
34 断熱材
35 突起
36 凹部
37 通路
38 空間
39 接着材料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍庫装置(25)と共に使用するためのスイングドアシステム(2)であって、前記スイングドアシステム(2)は、2つの隣り合うスイングドア(1a,1b)およびこれらのスイングドア(1a,1b)に接触する少なくとも1つの仕切り(5)を有しており、
各前記スイングドア(1a,1b)は、透明ガラス(3a,3b)および不透明エリアを有しており、各前記不透明エリアは、前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときには前記仕切り(5)の近位に位置しており、
前記不透明エリアと前記仕切り(5)とは、不透明領域(9)を画定しており、
前記スイングドア(1a,1b)が閉鎖位置にあるときに前記スイングドア(1a,1b)が配置されている平面に対して0°~180°の水平視野角では、前記不透明領域(9)の水平方向の径(10,10’)はすべて、100mm未満、好適には80mm未満、より好適には70mm未満、最適には60mm未満である、
スイングドアシステム(2)。
【外国語明細書】