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特開2025-27411ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法
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  • 特開-ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法 図1
  • 特開-ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法 図2
  • 特開-ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法 図3
  • 特開-ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法 図4
  • 特開-ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法 図5
  • 特開-ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法 図6
  • 特開-ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027411
(43)【公開日】2025-02-27
(54)【発明の名称】ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20250219BHJP
【FI】
G06F30/10 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194030
(22)【出願日】2023-11-14
(62)【分割の表示】P 2023131809の分割
【原出願日】2023-08-14
(71)【出願人】
【識別番号】522020232
【氏名又は名称】株式会社G-ant
(74)【代理人】
【識別番号】100138221
【弁理士】
【氏名又は名称】影山 剛士
(72)【発明者】
【氏名】平川 彰悟
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146DE14
5B146DL08
5B146EA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザがブロックパーツを使ってブロックオブジェクトを組み立てやすくする方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様における、ユーザ端末とネットワークを介して接続されるサーバ端末の処理部によって実行される、組み立て可能な、複数種のブロックパーツで構成されるブロックオブジェクトの設計図を出力する方法であって、前記サーバ端末の処理部は、オブジェクトモデルの画像データを取得し、前記画像データを解析し、前記解析結果に基づいて、前記オブジェクトモデルのポージングを決定し、前記サーバ端末の記憶部に格納されたオブジェクトモデルのポージングに対応するブロックオブジェクトの設計図を決定し、前記設計図を出力する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末とネットワークを介して接続されるサーバ端末の処理部によって実行される、組み立て可能な、複数種のブロックパーツで構成されるブロックオブジェクトの設計図を出力する方法であって、
前記サーバ端末の処理部は、
オブジェクトモデルの画像データを取得し、
前記画像データを解析し、
前記解析結果に基づいて、前記オブジェクトモデルのポージングを決定し、
前記サーバ端末の記憶部に格納されたオブジェクトモデルのポージングに対応するブロックオブジェクトの設計図を決定し、
前記設計図を出力する、方法。
【請求項2】
前記サーバ端末は、前記オブジェクトモデルの複数のポージングパターンの各々に対応するブロックオブジェクトの設計図を予め格納する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像データは、前記オブジェクトモデルのボクセルデータである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記画像データは、ユーザ端末により、前記オブジェクトモデルのアニメーション画像の中から所定の操作により選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記前記サーバ端末の記憶部に格納されたオブジェクトモデルのポージングに対応するブロックオブジェクトの設計図を決定することは、前記予め格納された設計図に基づいて決定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。






















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、レゴブリックのようなブロックパーツを使って動物、建物、乗り物等のブロックオブジェクトモデルを組み立てる玩具が普及している。
【0003】
例えば、特許文献1において、ブロックオブジェクトを構成するブロックパーツの設計を効率化させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5665872号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術によって、ブロックパーツの設計の効率化及び可視化を実現することは可能なものの、ユーザ視点に立って、ブロックオブジェクトを組み立てるイメージを可視化する方法を実現する方法は開示されていない。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザがブロックパーツを使ってブロックオブジェクトを組み立てやすくする方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における、ユーザ端末とネットワークを介して接続されるサーバ端末の処理部によって実行される、組み立て可能な、複数種のブロックパーツで構成されるブロックオブジェクトの設計図を出力する方法であって、前記サーバ端末の処理部は、オブジェクトモデルの画像データを取得し、前記画像データを解析し、前記解析結果に基づいて、前記オブジェクトモデルのポージングを決定し、前記サーバ端末の記憶部に格納されたオブジェクトモデルのポージングに対応するブロックオブジェクトの設計図を決定し、前記設計図を出力する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザがブロックパーツを使ってブロックオブジェクトを組み立てやすくする方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一実施形態に係る、ブロックオブジェクトを推奨する方法を提供するシステムを示すブロック構成図である。
図2図1のサーバ端末100を示す機能ブロック構成図である。
図3図1のユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。
図4】サーバ100に格納されるオブジェクトモデル情報の一例を示す図である。
図5】サーバ100に格納されるブロックパーツ情報の一例を示す図である。
図6】本発明の第一実施形態に係る、ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法の詳細を示すフローチャートの一例である。
図7】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末に表示される、オブジェクトモデルの画像データ及びブロックオブジェクトの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本発明の必須の構成要素であるとは限らない。
【0011】
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る、ブロックオブジェクトの設計図を出力する方法を提供するシステムを示すブロック構成図である。本システム1は、ユーザ端末200から取得された画像データに基づいて、オブジェクトモデルのポージングを決定し、ポージングに対応するブロックオブジェクトの設計図を決定のうえ、出力するサーバ端末100と、ユーザ端末200A、200Bとで構成される。以下、説明の便宜のため、ユーザ端末200A、200Bを総称して、ユーザ端末200として説明する。
【0012】
ここで、複数のブロックパーツで構成されるブロックオブジェクトの例として、動物、人、キャラクター、ロボット、乗り物及び建物等が挙げられるが、一つの例に限定されない。
【0013】
サーバ端末100とユーザ端末200は各々、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0014】
サーバ端末100は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0015】
ユーザ端末200は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0016】
本実施形態では、システム1は、サーバ端末100及びユーザ端末200を有し、ユーザがユーザ端末200を利用して、サーバ端末100に対する操作を行う構成として説明するが、サーバ端末100がスタンドアローンで構成され、サーバ端末自身に、各ユーザが直接操作を行う機能を備えても良い。
【0017】
図2は、図1のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0018】
通信部110は、ネットワークNWを介してユーザ端末200と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0019】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、オブジェクトモデルに関連する情報等を格納する、オブジェクトモデル情報格納部121、及びオブジェクトモデルを基に生成されたブロックパーツ情報等を格納する、ブロックパーツ情報格納部122を有する。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構築されていてもよい。
【0020】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、ユーザ端末200から画像データ、所定の指示等の情報を受け付ける情報受付部131、オブジェクトモデルに関連する各種情報を参照し、処理する、オブジェクトモデル情報処理部132、ブロックパーツに関連する各種情報を参照し、処理するブロックパーツ情報処理部133、及び、ブロックオブジェクトに関連する設計図情報をユーザ端末に出力させるよう送信する処理を行う出力処理部134を有する。この情報受付部131、オブジェクトモデル情報処理部132、ブロックパーツ情報処理部133、及び出力処理部134は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるサーバ端末100により実行される。
【0021】
情報受付部131は、サーバ端末100が提供し、ユーザ端末200において、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介して表示される画面等のユーザインターフェースを介して、ユーザが、(テキストを入力したり、アイコン(ボタン)を押下する等して)所定の要求を行ったとき、ユーザ端末200から情報を、通信部110を介して、受け付ける。
【0022】
オブジェクトモデル処理部132は、オブジェクトモデルに関連する情報をオブジェクトモデル情報格納部121に格納したり、格納されたオブジェクトモデル情報を参照する処理を行う。
【0023】
ブロックパーツ情報処理部133は、ブロックパーツに関連する情報をブロックパーツ情報格納部122に格納したり、格納されたブロックパーツ情報を参照する処理を行う。
【0024】
出力処理部134は、ユーザ端末200にブロックオブジェクトに関連する設計図情報等を表示させるため、ユーザ端末200に対し必要な情報を送信する処理を行う。この際、出力処理部134は、記憶部120に格納された画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストをユーザインターフェースの所定の領域に配置することで、ユーザ端末200のインターフェースに表示されるために必要な画面情報を生成することができる。この画面情報生成処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0025】
図3は、図1のユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。ユーザ端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0026】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。また、通信部210は、近距離無線通信等を介してセンサ装置300と通信を行うための通信インターフェースを備えることもできる。
【0027】
表示操作部220は、ユーザが指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、ユーザ端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、ユーザ端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるユーザ端末200により実行される。
【0028】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0029】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0030】
なお、サーバ端末100に表示操作部の機能を備える構成としても良く、この場合、ユーザ端末200を備えない構成としても良い。また、その他、ユーザ端末200は、(図示しない)カメラを備えてもよく、この場合、カメラは、ブロックパーツに備えられるARマーカを撮像することで、ブロックパーツの(形状、色等によって決定される)種類等を識別し、拡張現実(AR)空間における座標を決定することができる。
【0031】
図4は、サーバ100に格納されるオブジェクトモデル情報の一例を示す図である。
【0032】
図4に示すオブジェクトモデル情報1000は、サーバ端末100に関連するサービス運営者またはユーザ端末200に関連するユーザが生成したオブジェクトモデルに関連する情報等を格納する。図4において、説明の便宜上、一オブジェクトモデル(オブジェクトID「10001」で識別されるユーザ)の例を示すが、複数のオブジェクトモデルの情報を格納することができる。オブジェクトモデルは、複数のブロックパーツによって組み立て可能なブロックオブジェクトに対応するものであり、複数種類のブロックオブジェクトの各々に対応することを想定している。オブジェクトモデルに関連する各種データとして、オブジェクトモデルの3Dモデルデータ、オブジェクトモデルの断面データ、また、オブジェクトモデルを組み立てるために必要な、一または複数種のブロックパーツ及び個数に関連するデータ、オブジェクトモデルの各部位に対応するブロックパーツに関連する設計図情報、断面の層(レイヤー)毎に配置されるブロックパーツに関連する設計図情報等の情報を含むことができる。ここで、3Dモデルデータは、オブジェクトモデルのポリゴンデータ、オブジェクトモデルのボクセルデータ、また、2Dモデルデータを所定の処理により3Dモデルに変換されたものとして格納することもできる。また、設計図情報は、オブジェクトモデルの複数のポージングパターンの各々に対応するブロックオブジェクトの設計図として、予め格納しておくことができる。また、ポージングパターンに限らず、オブジェクトモデルの複数の髪型パターン、表情パターン、服装パターン等、オブジェクトモデルの外観や容姿に関わるパターンを格納しておくこともできる。ここで、オブジェクトモデルがクリエイターによって考案され、投稿(登録)された場合においては、オブジェクトモデル毎に、クリエイターを識別する、クリエイターID等の識別情報を対応づけて記録しておくこともできる。例えば、クリエイターは、自身が考案したオブジェクト(動物、キャラクタ等所望のもの)について、ポージングパターンを含む、複数の外観/容姿に関わるパターン毎に、また、各々のポージングパターンについて複数の色の組合せパターンにて、ボクセルデータ形式または他の任意のデータ形式で登録することもできるし、サービス運営者が、複数のクリエイターに対してテーマ(例えば、自分のペット、特定のキャラクタ等)を与え、各々のクリエイターから、オブジェクトの登録を受け付けることもできる。サーバ端末100は、クリエイターから受け付けたデータを、ボクセルデータ化し、ボクセルデータに基づいて、設計図情報を生成することができる。
【0033】
図5は、サーバ100に格納されるブロックパーツ情報の一例を示す図である。
【0034】
図5に示すブロックパーツ情報2000は、ブロックパーツの形状、サイズ、色及び重さに関連する情報等を格納する。図5において、説明の便宜上、一ブロックパーツ(ID「20001」で識別されるブロックパーツ)の例を示すが、複数のブロックパーツに関連する情報を格納することができる。ブロックパーツに関連する各種データとして、例えば、ブロックオブジェクトを組み立てる部品に相当するブロックパーツに関連する(ブロックパーツの形状、サイズ、色、各々のブロックパーツの個数等からなる)データを含むことができる。ここで、複数種のブロックパーツの各々は固有の色と関連づけられることができるが、これに限らない。
【0035】
図6は、本発明の第一実施形態に係る、ブロックオブジェクトの設計図の出力方法を示すフローチャートの一例である。
【0036】
事前の処理として、ユーザは、ユーザ端末200のウェブブラウザまたは(アプリケーションをインストールする場合は)アプリケーション等を利用してサーバ端末100にアクセスする。ウェブサイトまたはアプリケーション等を介してユーザインターフェース上に所定の画面が表示される。ユーザは、ブロックオブジェクトとして組み立てたい、オブジェクトモデルの画像データを、ユーザ端末200からサーバ端末100に送信(アップロード)することができる。ここで、ユーザは、ユーザ端末200において、オブジェクトモデル(例えば、人)のアニメーションを視聴し、人が動いているアニメーション画像の中から、一時停止ボタンを押すことやスクリーンショットを撮影する等の所定の操作を行うことで、その人のポージングを決定し、ブロックオブジェクトとして組み立てたいオブジェクトモデルのポージングとして選択を行い、このオブジェクトモデルのポージングを表現した画像データ(例えば、ボクセルデータ、または、二次元データから変換されたボクセルデータ)が、ユーザ端末200からサーバ端末100に送信される。
【0037】
そして、ステップS101の処理として、サーバ端末100の制御部130の情報受付部131は、ユーザ端末200から、ネットワーク及び通信部110を介して、ユーザがこれから組み立てたい、とする、オブジェクトモデルのポージングを表現した画像データを受信する。本例においては、ユーザは、図7(a)に示すような、画像データとして表現される、あるポージングをするクマのブロックオブジェクトを組み立てたい、と考え、ユーザ端末200上で表示されるユーザインターフェース画面において、クマのアニメーション画像のうち、特定のポージングシーンの画像データを選択し、送信操作を行うと、サーバ端末100は、クマの画像データを受信する。ここで、画像データは、ポリゴンデータ等任意の形式のデータとすることができるが、例えば、ボクセルデータであってもよいし、他のデータ形式からボクセルデータに変換されたデータであってもよく、本処理の後にボクセルデータに変換することもできる。
【0038】
続いて、ステップS102の処理として、サーバ端末100の制御部130のオブジェクトモデル情報処理部132は、受信されたオブジェクトモデルの画像データを解析する処理を開始する。ポリゴンデータ、ボクセルデータ等の画像データを解析する処理は既知の方法で実現可能であるが、本実施形態においては、特に、画像データに含まれるオブジェクトの姿勢及びポージングを、オブジェクトの骨格を判定することで特定することを特徴とする。
【0039】
続いて、ステップS103の処理として、サーバ端末100の制御部130のオブジェクトモデル情報処理部132は、記憶部120のオブジェクトモデル情報格納部121に格納された、オブジェクトモデルの3Dモデルデータを参照する。オブジェクトモデル情報処理部132は、オブジェクトモデルの画像データに含まれるオブジェクトモデルの姿勢及びポージングを解析し、解析結果として取得された姿勢及びポージングに基づいて判定されるオブジェクトのポージングに関する情報と、上記オブジェクトモデルの3Dモデルデータとを比較する。ここで、3Dモデルデータとして、複数のブロックパーツで構成される、所定のポージングを行うブロックオブジェクトに対応する3Dモデルデータ(特定のオブジェクトのボクセルデータ)が、複数種類格納される。特定のオブジェクトとして、様々な種類の動物(本例のような、クマ等)、様々な特徴を有するヒト(男性、女性、大人、子供)、または仮想的なオブジェクト(キャラクター、ロボット等)等が含まれ得る。
【0040】
続いて、ステップS104の処理として、サーバ端末100の制御部130のオブジェクトモデル情報処理部132は、二次元データの画像解析に基づいて判定されるオブジェクトと、3Dモデルデータとして格納されるオブジェクトとを比較し、所定のポージングを行うオブジェクトを、ブロックパーツによって組み立て可能なブロックオブジェクトに対応するオブジェクトモデル(3Dモデル)として決定する。例えば、格納された3Dモデルデータとして、クマのポージングを行うオブジェクトモデルのボクセルデータが存在する場合、画像データから判定されるオブジェクトのポージングと一致するため、オブジェクトモデル情報処理部132は、ブロックオブジェクトとして組み立てを行う対象としてのオブジェクトを、クマのポージングを行うブロックオブジェクトとして決定する。サーバ端末100の制御部130の出力処理部134は、ユーザ端末200より送信された、オブジェクトモデルの画像データに対して、決定したオブジェクトモデルの3Dモデルデータをユーザ端末200に対して送信し、表示させることができる。ここで、制御部130は、記憶部120の設計図データを参照し、ブロックオブジェクトの色の構成パターンを、ユーザ端末200に送信し、表示させることもでき、ユーザ端末200より、ブロックオブジェクトの色選択を受け付けることもできる。
【0041】
続いて、ステップS105の処理として、オブジェクトモデル情報処理部132は、上記決定したオブジェクトモデル(ブロックオブジェクト)の組み立て方法を提示する設計図データを、記憶部120のオブジェクトモデル情報格納部121を参照し、ユーザ端末200に対して送信し、例えば、図7(b)に示すような形態で表示させることができる。上述の通り、記憶部120には、所定のオブジェクトモデルについて、複数のポージングパターンに対応するオブジェクトモデル及び設計図情報を格納しており、予め格納された設計図情報の中から、判定されたオブジェクトモデルのポージングに対応する、ブロックオブジェクトの設計図情報を抽出することで、提供する設計図として決定する。または、ユーザ端末200から取得された画像データに応じて、画像分析された結果として判定された、オブジェクトモデルのポージングに対応する設計図情報をリアルタイムに生成することもできる。この際、ポージングを含めたオブジェクトモデルのボクセルデータに基づいて、格納されている、色、形状を含むブロックパーツに関する情報を参照しながら、所定の規則に基づいて設計図情報が生成される。予め格納された設計図情報の中から設計図情報を抽出する形態のほうが、計算処理の時間を節約することはできるが、後者の構成の方が、ユーザがブロックオブジェクトの組み立てを希望するオブジェクトモデル(及びそのポージング)の幅を拡げることができる。
【0042】
続いて、ステップS106の処理として、出力処理部134は、上記決定した、または、生成した設計図情報を、ユーザ端末200に送信し、ユーザ端末200のユーザインターフェース画面において、ユーザが選択したオブジェクトモデルのポージングに対応する設計図として表示させる。ここで、設計図情報に含まれるデータとして、ブロックオブジェクトを構成するパーツが、形状及び色別に分類されて識別されているところ、ユーザ端末200がブロックオブジェクトの色選択を行った場合、選択した色のブロックオブジェクトを組み立てるためのブロックパーツが、ユーザの手元に余っていない(すなわち、不足している)事態も起こり得る。かかる場合に、図7(b)のように、設計図情報に含まれるパーツに関する情報の表示に対応づけて、パーツの形状及び色毎に必要個数を、ユーザが購入することができるよう、オブジェクトモデルを識別する情報、ブロックパーツの形状及び色を識別する情報、及びブロックパーツの個数に関する情報を、二次元コード(例えば、QRコード(登録商標)等)等の情報に暗号化し、購入用の識別情報として表示させることもできる。ここで、識別情報は、各々のブロックパーツ毎に生成することもできるし、ユーザの購入の便宜のために、複数のブロックパーツの組合せとして生成することもできる。そして、ユーザは、この識別情報を読み取り可能とさせることで、不足するブロックパーツを必要個数分、オンラインまたは店頭で購入することができる。ユーザが事前にユーザID等の会員情報とともに、ブロックパーツの購入情報を履歴として、サーバ端末100の記憶部120に格納しておくことで、サーバ端末100は、購入情報を基に、組み立て対象とするブロックオブジェクトに対し、不足するブロックパーツを自動的に判別し、判別したブロックパーツに関する情報とともに、購入を促進するための識別情報を表示させることもできる。上記のように、オブジェクトモデルが特定のクリエイターによって考案されたものである場合、上記識別情報にクリエイターの識別情報を対応づけておくことで、後の購入額に応じた報酬額をクリエイターに還元する処理を容易に行うこともできる。
【0043】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザは、組み立てたいと希望するオブジェクトモデル及びそのポージングに対応する設計図を効率的な方法で提供することができ、ユーザは規定のポージングを行うオブジェクトモデルの組み立てに限らず、様々なポージングのオブジェクトモデルの組み立てを楽しむことができる。
【0044】
以上、発明に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 システム 100 サーバ端末、110 通信部、120 記憶部、130 制御部、200 ユーザ端末、NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7