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特開2025-27428免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法及び免疫分析装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027428
(43)【公開日】2025-02-27
(54)【発明の名称】免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法及び免疫分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20250219BHJP
   G01N 35/10 20060101ALI20250219BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
G01N35/00 C
G01N35/10 E
G01N35/02 D
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024094255
(22)【出願日】2024-06-11
(31)【優先権主張番号】202311013030.1
(32)【優先日】2023-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524221329
【氏名又は名称】湖南超亟検測技術有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】HUNAN TARGETING DETECTION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Room 901,Building 4,Haiping Park,No.229 Guyuan Road,Gaoxin Development Zone,Changsha,Hunan 410013,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】何 峰
(72)【発明者】
【氏名】黄 欣
(72)【発明者】
【氏名】李 石存
(72)【発明者】
【氏名】陶 立安
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CE01
2G058CE08
2G058EA04
2G058FA03
2G058FA10
2G058FB02
2G058FB05
2G058FB12
2G058HA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】磁性ビーズ試薬を均一に混合し、磁性ビーズ凝集の状況の発生を回避し、検出結果の正確性を確保することができる、免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法及び免疫分析装置を開示する。
【解決手段】本発明は、免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法及び免疫分析装置を開示する。磁性ビーズ試薬均一混合方法では、磁性ビーズ試薬を充填した磁性ビーズ試薬管を自己回転過程で変速状態にすること、及び/又は磁性ビーズ試薬管の自己回転過程で前記磁性ビーズ試薬管に衝撃力を加えることによって、凝集した磁性ビーズを分散させるため、磁性ビーズ試薬を均一混合状態にする。本発明は、磁性ビーズ試薬を均一に混合することができ、磁性ビーズ凝集の状況が回避され、検出結果の正確性が確保される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法であって、
免疫分析装置の試薬トレイにおいて、磁性ビーズ試薬を充填した磁性ビーズ試薬管を自己回転過程で変速状態にすることと、及び磁性ビーズ試薬管の自己回転過程で前記磁性ビーズ試薬管に衝撃力を加えることによって、凝集した磁性ビーズを分散させるため、磁性ビーズ試薬を均一混合状態にし、
前記試薬トレイの歯付きディスク(5)に周方向に沿って分布する連続歯を断続的な歯に設計することによって、前記歯付きディスク(5)に複数の歯部(511)及び切り欠き部(512)を形成し、試薬カートリッジ(1)が試薬回転ディスク(4)に取り付けられ、磁性ビーズ試薬管が試薬カートリッジ(1)に回転可能に接続され、前記試薬回転ディスク(4)と歯付きディスク(5)は相対的に回転して、磁性ビーズ試薬管の底部の試薬管歯車(311)を駆動して歯付きディスク(5)の周方向に沿って移動させることが可能であり、
作動過程では、磁性ビーズ試薬管が歯付きディスク(5)の歯部(511)にあるとき、歯部(511)が磁性ビーズ試薬管の底部にある試薬管歯車(311)と噛み合うことで、磁性ビーズ試薬管を回転させ、磁性ビーズ試薬管が歯付きディスク(5)の切り欠き部(512)にあるとき、磁性ビーズ試薬管は自己回転のための動力を失うため、磁性ビーズ試薬管の自己回転速度が前記切り欠き部(512)内で1回変化し、磁性ビーズ試薬管が再度歯付きディスク(5)の歯部(511)にあるとき、再度、歯部(511)が磁性ビーズ試薬管の底部の試薬管歯車(311)と噛み合うことで、磁性ビーズ試薬管がさらに速度を1回変化させ、自己回転状態に戻り、このように繰り返して、磁性ビーズ試薬管の作動過程における自己回転速度を繰り返して変速状態にし、
磁性ビーズ試薬管が歯付きディスクの切り欠き部(512)から歯部(511)へ移動したときに、試薬管歯車(311)と噛み合ったばかりの歯部(511)は磁性ビーズ試薬管に衝撃力を与え、衝撃の作用を果たす、ことを特徴とする免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法。
【請求項2】
前記歯部(511)の円弧長をLとすると、前記切り欠き部(512)の円弧長がL/2である、ことを特徴とする請求項1に記載の磁性ビーズ試薬均一混合方法。
【請求項3】
前記磁性ビーズ試薬管(3)の内側壁にチューブ凸起(312)が設けられ、磁性ビーズ試薬管(3)が変速自己回転を行い、衝撃力による作用を受けたときに、チューブ凸起(312)により磁性ビーズ試薬をさらに均一に混合することが可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の磁性ビーズ試薬均一混合方法。
【請求項4】
前記チューブ凸起(312)は、磁性ビーズ試薬管(3)の中心軸線に対して対称に分布するように2つ設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の磁性ビーズ試薬均一混合方法。
【請求項5】
作動中、試薬の吸引が不要である場合、歯付きディスク(5)を制御して回転させ、試薬回転ディスク(4)を動かないように維持することによって、磁性ビーズ試薬管を自己回転させ、
吸引試薬カートリッジ(1)における各種の試薬の吸引が必要である場合、試薬カートリッジ(1)を駆動して試薬採取点Aまで回転させ、その後A点にある試薬カートリッジ(1)を動かないように維持するように試薬回転ディスク(4)を制御し、次に、試薬カートリッジ(1)内の各種の試薬を吸引する、ことを特徴とする請求項1に記載の磁性ビーズ試薬均一混合方法。
【請求項6】
歯付きディスク(5)の回動方向と試薬回転ディスク(4)の回動方向とが逆になるように制御を行う、ことを特徴とする請求項5に記載の磁性ビーズ試薬均一混合方法。
【請求項7】
免疫分析装置であって、
試薬トレイ(6)と、前記試薬トレイ(6)の一方の側に位置する洗浄トレイ(16)と、を含み、前記試薬トレイ(6)は、請求項1~6のいずれか1項に記載の磁性ビーズ試薬均一混合方法によって磁性ビーズ試薬を均一に混合する、ことを特徴とする免疫分析装置。
【請求項8】
前記洗浄トレイは、洗浄トレイシリンダ(22)と、前記洗浄トレイシリンダ(22)の内部に設けられる回転ディスク機構(23)と、前記洗浄トレイシリンダ(22)の上方に設けられる針昇降機構(24)と、を含み、液注入針(27)も液吸引針(28)も前記針昇降機構(24)に設けられ、反応カップ(25)は前記回転ディスク機構(23)の回転ディスク(231)に配置され、前記回転ディスク(231)により反応カップ(25)を回転駆動可能であり、前記洗浄トレイシリンダ(22)の内部かつ回転ディスク(231)の下方に洗浄槽(26)が設けられ、前記針昇降機構(24)が下へ移動することにより、液注入針(27)及び液吸引針(28)は下へ移動して反応カップ(25)に挿入されて反応カップ洗浄作業を行うことも、反応カップ(25)を取り出した後、下へ移動して洗浄槽(26)に挿入されて液注入針及び液吸引針の洗浄作業を行うことも可能である、ことを特徴とする請求項7に記載の免疫分析装置。
【請求項9】
前記洗浄槽(26)は、全密閉型の環状槽本体(261)と、前記環状槽本体(261)に設けられる液注入針洗浄筒(262)及び液吸引針洗浄筒(263)と、を含み、前記液注入針洗浄筒(262)及び液吸引針洗浄筒(263)のいずれの内部空間も環状槽本体(261)の内部空間に連通し、前記環状槽本体(261)の底面には排水用の排水管(264)がさらに設けられ、液注入針洗浄筒(262)及び液吸引針洗浄筒(263)のそれぞれの天面には、液注入針及び液吸引針が挿入する穴(29)がそれぞれ設けられ、前記液注入針洗浄筒(262)及び液吸引針洗浄筒(263)は、1つの液注入針洗浄筒(262)が1つの対応する液注入針(27)を洗浄し、1つの液吸引針洗浄筒(263)が1つの対応する液吸引針(28)を洗浄するように、液注入針(27)及び液吸引針(28)の位置に合わせて分布する、ことを特徴とする請求項8に記載の免疫分析装置。
【請求項10】
前記液吸引針洗浄筒(263)は、環状槽本体(261)を垂直方向に貫通し、前記液吸引針洗浄筒(263)は、アウターシリンダ(2631)と、前記アウターシリンダ(2631)の内部に設けられるインナーシリンダ(2632)と、を含み、前記アウターシリンダ(2631)とインナーシリンダ(2632)との間に環状空間(2633)が形成され、前記環状空間(2633)は環状槽本体(261)の内部空間(2611)に連通し、前記インナーシリンダ(2632)の頂端面がアウターシリンダ(2631)の頂端面よりも低く、液吸引針洗浄筒(263)の穴(29)が前記アウターシリンダ(2631)の頂端面に設けられ、環状槽本体(261)の下方に位置する液吸引針洗浄筒(263)に給水口(31)がさらに設けられ、前記給水口(31)はインナーシリンダ(2632)のキャビティ(26321)の底部に連通し、インナーシリンダ(2632)のキャビティ(26321)の頂部はアウターシリンダ(2631)の内部空間に連通する、ことを特徴とする請求項9に記載の免疫分析装置。
【請求項11】
前記液注入針洗浄筒(262)はシリンダ(2621)を含み、前記シリンダ(2621)の底端が前記環状槽本体(261)の頂部に設けられ、シリンダ(2621)のキャビティは前記環状槽本体(261)の内部空間(2611)に連通し、液注入針洗浄筒(262)の穴(29)はシリンダ(2621)の頂端に設けられる、ことを特徴とする請求項9に記載の免疫分析装置。
【請求項12】
前記洗浄トレイシリンダ(22)の内部には、反応カップ振動機構(41)がさらに設けられ、前記反応カップ振動機構(41)は、洗浄トレイシリンダ(22)内に設けられる第1ガイドレール(411)及び第2ガイドレール(412)と、前記第1ガイドレール(411)及び第2ガイドレール(412)に摺動可能に接続される衝突ブロック(413)と、を含み、前記洗浄トレイシリンダ(22)内には衝突ブロック駆動機構がさらに設けられ、前記衝突ブロック駆動機構により、プッシュブロックを駆動して第1ガイドレール(411)及び第2ガイドレール(412)に沿って往復移動させ、それにより、衝突ブロック(413)により液注入ステーションにある回転ディスク(231)の反応カップ(25)に往復して衝突し、反応カップ(25)内の磁性ビーズを衝突により分散させる、ことを特徴とする請求項8に記載の免疫分析装置。
【請求項13】
前記衝突ブロック駆動機構は、前記洗浄トレイシリンダ(22)内に設けられる衝突ブロック駆動モータと、前記洗浄トレイシリンダ(22)内に回転可能に接続される第1衝突ブロック回転軸(42)と、を含み、前記衝突ブロック駆動モータの出力軸が第1衝突ブロック回転軸(42)の一端に嵌合して回転可能に接続され、前記第1衝突ブロック回転軸(42)の他端の端面に第2衝突ブロック回転軸(43)がさらに設けられ、前記第1衝突ブロック回転軸(42)の中心軸線と第2衝突ブロック回転軸(43)の中心軸線とは重なっておらず、前記衝突ブロック(413)に長円孔(44)が開けられ、前記第2衝突ブロック回転軸(43)は摺動可能に接続するように長円孔(44)に挿入され、それにより、衝突ブロック駆動モータを制御して第1衝突ブロック回転軸(42)及び第2衝突ブロック回転軸(43)を回転させ、第2衝突ブロック回転軸(43)が長円孔(44)の内周面に接触することにより、衝突ブロック(413)が第1ガイドレール(411)及び第2ガイドレール(412)に沿って往復移動するように駆動することが可能であり、反応カップに繰り返して衝突する、ことを特徴とする請求項12に記載の免疫分析装置。
【請求項14】
前記針昇降機構(24)には、3つの基本洗浄ユニットが回転ディスク(231)の周方向に順に設けられ、前記基本洗浄ユニットは、2つの第1基本洗浄ユニットと1つの第2基本洗浄ユニットを含み、前記第1基本洗浄ユニット毎に1本の第1液注入針(271)と1本の液吸引針(28)が設けられ、前記第2基本洗浄ユニットに1本の統合型液注入二本針(S)及び1本の液吸引針(28)が設けられ、前記統合型液注入二本針(S)は、1本の第1液注入針(271)と1本の第2液注入針(272)を含み、回転ディスク(231)の周方向に沿って、第1液注入針(271)、液吸引針(28)、第1液注入針(271)、液吸引針(28)、統合型液注入二本針(S)、及び液吸引針(28)がこの順に針昇降機構(24)に配置される、ことを特徴とする請求項8に記載の免疫分析装置。
【請求項15】
前記統合型液注入二本針(S)は、制限ブロックによって前記針昇降機構(24)の昇降板(241)に接続され、前記制限ブロックは、昇降板(241)に設けられるベース(56)と、前記ベース(56)に螺着されるネジ式キャップ(57)と、を含み、前記ベース(56)は、底板(561)と、前記底板(561)に設けられる柱体(562)と、を含み、前記柱体(562)及び底板(561)は取り付け貫通孔(563)を介して貫通しており、取り付け貫通孔(563)が貫通する前記柱体(562)の内周面に溝(58)が設けられ、前記溝(58)は、柱体(562)の径方向に窪み、1つの側面が開口し、残りの3つの側面が密閉したものであり、
ネジ式キャップ(57)の底部にネジ式キャップ貫通孔(571)が開けられ、統合型液注入二本針(S)にガイドブロック(59)がさらに設けられ、前記ガイドブロック(59)は、直径が前記取り付け貫通孔(563)の直径と一致する円柱の形状であり、ガイドブロック(59)の一方の側に径方向に突出するバンプ(591)が設けられ、取り付ける際には、第1液注入針(271)及び第2液注入針(272)をネジ式キャップ(57)のネジ式キャップ貫通孔(571)、ガイドブロック(59)、及びベース(56)の取り付け貫通孔(563)に順に通すことで、ガイドブロック(59)のバンプ(591)を前記溝(58)に係入し、溝(58)とバンプ(591)との嵌合により第1液注入針(271)及び第2液注入針(272)を周方向に規制し、次に、ネジ式キャップ(57)を前記柱体(562)に締め付け、ネジ式キャップ(57)を利用してバンプ(591)を溝(58)に押し付けることで、第1液注入針(271)及び第2液注入針(272)を軸方向に規制する、ことを特徴とする請求項14に記載の免疫分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試薬均一混合方法及びこの方法を用いたデバイスに関し、特に、免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法及び免疫分析装置に関し、医療検査技術の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
最初の自動化学分析装置が製造されてから現在まで半世紀以上が経ち、全自動免疫分析装置は技術的にかなり発達している。現在の全自動免疫分析装置には次のような特徴がある。1.多自由度のロボットアームを使用して、各モジュール間の動作を調整する。2.この機器は、非常に柔軟性が高く、さまざまな分析ニーズに対応できる。3.試験速度が速く、人間の介入なしでの連続動作時間が長い。4.検出技術に関しては、複数の技術を組み合わせ、処理を完全に自動化することで、検出結果をより正確かつ高精度にする。全自動免疫分析装置は、実験のテスト過程において、反応カップの取り出し、検体の添加、反応液の添加、振盪、反応促進、測定、計算分析、洗浄等のステップを行うことができ、手動操作に代わるため、人件費を節約するだけでなく、さらに重要なことに、人的ミスを排除し、データの正確性を確保する。全自動免疫分析装置は、高速、効率的、高精度、再現性という利点があり、加工、生産、テスト、救命支援などの分野で広く使用されており、医療検査の分野でも必然的にトレンドとなる。
【0003】
反応に必要な試薬は試薬カートリッジに保管され、試薬カートリッジは試薬トレイに取り付けられ、したがって、全自動免疫分析装置の試薬トレイは、反応に必要な試薬の保管・供給ユニットとなる。試薬を吸引する際に、試薬トレイの回転により、試薬トレイにおける試薬カートリッジは試薬針が試薬を吸引するべき位置まで回転し、次に、試薬針により試薬カートリッジ内の試薬をインキュベーショントレイに吸引してサンプルと反応させる。
【0004】
図1及び図2に示すように、試薬カートリッジ1内には、互いに独立する複数の試薬収容室2が設けられ、試薬針が試薬を吸引することが容易になるように、各試薬収容室2の上端が開口しており、各試薬収容室2内に異なる種類の試薬が収容されている。前記試薬カートリッジ1の一端に磁性ビーズ試薬管3がさらに回転可能に接続され、前記磁性ビーズ試薬管3の底部に試薬管歯車311が設けられ、複数の試薬カートリッジ1は、試薬回転ディスク4の周方向に沿って試薬回転ディスク4に順に取り付けられ、試薬回転ディスク4は、複数の試薬カートリッジ1を同時に回転駆動することができる。前記磁性ビーズ試薬管3内には磁性ビーズ試薬が充填されており、磁性ビーズ試薬の特性のため、沈殿や堆積が非常に発生しやすく、テストや吸引の過程では、沈殿や堆積の状況がないように、継続的な回転が必要とされる。したがって、従来技術では、テスト過程において、試薬回転ディスク4の中心に歯付きディスク5が設けられ、各試薬カートリッジ内の磁性ビーズ試薬管3の底部の試薬管歯車311は、いずれも前記歯付きディスク5と噛み合い、動力機構により試薬回転ディスク4は回転駆動され、中央部の歯付きディスク5は動かないように維持され、試薬回転ディスク4により複数の試薬カートリッジ1は同時に回転駆動され、それによって、前記歯付きディスク5と試薬管歯車311が噛み合って伝動を行うことで、試薬回転ディスク4における複数の試薬カートリッジ1内の磁性ビーズ試薬管3は継続的に回転駆動され、それにより磁性ビーズ試薬管3内の磁性ビーズ試薬の沈殿や堆積が防止され、検出結果の正確性が確保される。
【0005】
従来技術には、以下の課題が存在する。磁性ビーズ試薬管はほとんどの時間回転しているが、磁性ビーズ試薬中の磁性ビーズと試薬溶液の均一混合効果はあまり良くなく、磁性ビーズ凝集の状況が現れるため、検出結果の正確性に影響を与える。
【0006】
検索の結果、以下の特許文献が得られた。
1.出願公開番号がCN110160957A、出願公開日が2019年8月23日の中国発明特許出願には、試薬トレイモジュールが開示されており、この試薬トレイモジュールは、開放装置と、前記開放装置の底部に設けられ、前記開放装置を回動駆動する回動部材と、を含み、前記開放装置の側壁に走査部が設けられ、走査装置は、前記走査部によって前記開放装置内の試薬の属性を識別することができる。
【0007】
2.実用新案登録番号がCN217156535U、実用新案登録日が2022年8月9日の中国実用新案には、サンプル-試薬一体化装置が開示されており、この装置は台座を含み、前記台座には、試薬チャンバシステム及びサンプルシステムが回転可能に取り付けられており、前記試薬チャンバシステムは円形構造をなし、前記サンプルシステムは環状構造をなし、前記試薬チャンバシステムを周方向に取り込み、前記台座には、第1駆動アセンブリ及び第2駆動アセンブリが設けられ、それぞれ試薬チャンバシステム及びサンプルシステムの回転の駆動に用いられる。
【0008】
上記の2つの特許文献のいずれにおいても、試薬トレイ内の磁性ビーズ試薬に上記の問題が存在する。
【0009】
要約すると、磁性ビーズ試薬を均一に混合し、磁性ビーズ凝集の状況を回避し、検出結果の正確性を確保できるように、免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法及び免疫分析装置をどのように設計するかが緊急の技術的課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が主に解决しようとする技術的課題は、従来技術に存在する欠陥に対して、磁性ビーズ試薬を均一に混合し、磁性ビーズ凝集の状況の発生を回避し、検出結果の正確性を確保することができる、免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法及び免疫分析装置を開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用する技術的解決手段は以下の通りである。免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法であって、免疫分析装置の試薬トレイにおいて、磁性ビーズ試薬を充填した磁性ビーズ試薬管を自己回転過程で変速状態にすること、及び/又は磁性ビーズ試薬管の自己回転過程で前記磁性ビーズ試薬管に衝撃力を加えることによって、凝集した磁性ビーズを分散させるため、磁性ビーズ試薬を均一混合状態にする。
【0012】
好ましくは、前記試薬トレイの歯付きディスクに周方向に沿って分布する連続歯を断続的な歯に設計することによって、前記歯付きディスクに複数の歯部及び切り欠き部を形成し、試薬カートリッジが試薬回転ディスクに取り付けられ、磁性ビーズ試薬管が試薬カートリッジに回転可能に接続され、前記試薬回転ディスクと歯付きディスクは相対的に回転して、磁性ビーズ試薬管の底部の試薬管歯車を駆動して歯付きディスクの周方向に沿って移動させることが可能であり、
作動過程では、磁性ビーズ試薬管が歯付きディスクの歯部にあるとき、歯部が磁性ビーズ試薬管の底部の試薬管歯車と噛み合うことで、磁性ビーズ試薬管を回転させ、磁性ビーズ試薬管が歯付きディスクの切り欠き部にあるとき、磁性ビーズ試薬管は自己回転のための動力を失うため、磁性ビーズ試薬管の自己回転速度が前記切り欠き部内で1回変化し、磁性ビーズ試薬管が再度歯付きディスクの歯部にあるとき、再度、歯部が磁性ビーズ試薬管の底部の試薬管歯車と噛み合うことで、磁性ビーズ試薬管がさらに速度を1回変化させ、自己回転状態に戻り、このように繰り返して、磁性ビーズ試薬管の作動過程における自己回転速度を繰り返して変速状態にし、
磁性ビーズ試薬管が歯付きディスクの切り欠き部から歯部へ移動したときに、試薬管歯車と噛み合ったばかりの歯部は磁性ビーズ試薬管に衝撃力を与え、衝撃の作用を果たす。
【0013】
好ましくは、前記歯部の円弧長をLとすると、前記切り欠き部の円弧長がL/2である。
【0014】
好ましくは、前記磁性ビーズ試薬管の内側壁にチューブ凸起が設けられ、磁性ビーズ試薬管が変速自己回転を行い、衝撃力による作用を受けたときに、チューブ凸起により磁性ビーズ試薬をさらに均一に混合することが可能である。
【0015】
好ましくは、前記凸起は、磁性ビーズ試薬管の中心軸に対して対称に分布するように2つ設けられる。
【0016】
好ましくは、作動中、試薬の吸引が不要である場合、歯付きディスクを制御して回転させ、試薬回転ディスクを動かないように維持することによって、磁性ビーズ試薬管を自己回転させ、
吸引試薬カートリッジにおける各種の試薬の吸引が必要である場合、試薬カートリッジを駆動して試薬採取点Aまで回転させ、その後A点にある試薬カートリッジを動かないように維持するように試薬回転ディスクを制御し、次に、試薬カートリッジ内の各種の試薬を吸引する。
【0017】
好ましくは、歯付きディスクの回動方向と試薬回転ディスクの回動方向が逆になるように制御を行う。
【0018】
本発明はまた、
試薬トレイと、前記試薬トレイの一方の側に位置する洗浄トレイと、を含み、前記試薬トレイは、上記の磁性ビーズ試薬均一混合方法によって磁性ビーズ試薬を均一に混合する、免疫分析装置を開示する。
【0019】
好ましくは、前記洗浄トレイは、洗浄トレイシリンダと、前記洗浄トレイシリンダの内部に設けられる回転ディスク機構と、前記洗浄トレイシリンダの上方に設けられる針昇降機構と、を含み、液注入針も液吸引針も前記針昇降機構に設けられ、反応カップは前記回転ディスク機構の回転ディスクに配置され、前記回転ディスクにより反応カップを回転駆動可能であり、前記洗浄トレイシリンダの内部かつ回転ディスクの下方に洗浄槽が設けられ、前記針昇降機構が下へ移動することにより、液注入針及び液吸引針は下へ移動して反応カップに挿入されて反応カップ洗浄作業を行うことも、反応カップを取り出した後、下へ移動して洗浄槽に挿入されて液注入針及び液吸引針の洗浄作業を行うことも可能である。
【0020】
好ましくは、前記洗浄槽は、全密閉型の環状槽本体と、前記環状槽本体に設けられる液注入針洗浄筒及び液吸引針洗浄筒と、を含み、前記液注入針洗浄筒及び液吸引針洗浄筒のいずれの内部空間も環状槽本体の内部空間に連通し、前記環状槽本体の底面には排水用の排水管がさらに設けられ、液注入針洗浄筒及び液吸引針洗浄筒のそれぞれの天面には、液注入針及び液吸引針が挿入する穴がそれぞれ設けられ、前記液注入針洗浄筒及び液吸引針洗浄筒は、1つの液注入針洗浄筒が1つの対応する液注入針を洗浄し、1つの液吸引針洗浄筒が1つの対応する液吸引針を洗浄するように、液注入針及び液吸引針の位置に合わせて分布する。
【0021】
好ましくは、前記液吸引針洗浄筒は、環状槽本体を垂直方向に貫通し、前記液吸引針洗浄筒は、アウターシリンダと、前記アウターシリンダの内部に設けられるインナーシリンダと、を含み、前記アウターシリンダとインナーシリンダとの間に環状空間が形成され、前記環状空間は環状槽本体の内部空間に連通し、前記インナーシリンダの頂端面がアウターシリンダの頂端面よりも低く、液吸引針洗浄筒の穴が前記アウターシリンダの頂端面に設けられ、環状槽本体の下方に位置する液吸引針洗浄筒に給水口がさらに設けられ、前記給水口はインナーシリンダのキャビティの底部に連通し、インナーシリンダのキャビティの頂部はアウターシリンダの内部空間に連通する。
【0022】
好ましくは、前記液注入針洗浄筒はシリンダを含み、前記シリンダの底端が前記環状槽本体の頂部に設けられ、シリンダのキャビティは前記環状槽本体の内部空間に連通し、液注入針洗浄筒の穴はシリンダの頂端に設けられる。
【0023】
好ましくは、前記洗浄トレイシリンダの内部には、反応カップ振動機構がさらに設けられ、前記反応カップ振動機構は、洗浄トレイシリンダ内に設けられる第1ガイドレール及び第2ガイドレールと、前記第1ガイドレール及び第2ガイドレールに摺動可能に接続される衝突ブロックと、を含み、前記洗浄トレイシリンダ内には衝突ブロック駆動機構がさらに設けられ、前記衝突ブロック駆動機構により、プッシュブロックを駆動して第1ガイドレール及び第2ガイドレールに沿って往復移動させ、それにより、衝突ブロックにより液注入ステーションにある回転ディスクの反応カップに往復して衝突し、反応カップ内の磁性ビーズを衝突により分散させる。
【0024】
好ましくは、前記衝突ブロック駆動機構は、前記洗浄トレイシリンダ内に設けられる衝突ブロック駆動モータと、前記洗浄トレイシリンダ内に回転可能に接続される第1衝突ブロック回転軸と、を含み、前記衝突ブロック駆動モータの出力軸が第1衝突ブロック回転軸の一端に嵌合して回転可能に接続され、前記第1衝突ブロック回転軸の他端の端面に第2衝突ブロック回転軸がさらに設けられ、前記第1衝突ブロック回転軸の中心軸線と第2衝突ブロック回転軸の中心軸線とは重なっておらず、前記衝突ブロックに長円孔が開けられ、前記第2衝突ブロック回転軸は摺動可能に接続するように長円孔に挿入され、それにより、衝突ブロック駆動モータを制御して第1衝突ブロック回転軸及び第2衝突ブロック回転軸を回転させ、第2衝突ブロック回転軸が長円孔の内周面に接触することにより、衝突ブロックが第1ガイドレール及び第2ガイドレールに沿って往復移動するように駆動することが可能であり、反応カップに繰り返して衝突する。
【0025】
好ましくは、前記針昇降機構には、3つの基本洗浄ユニットが回転ディスクの周方向に順に設けられ、前記基本洗浄ユニットは、2つの第1基本洗浄ユニットと1つの第2基本洗浄ユニットを含み、前記第1基本洗浄ユニット毎に1本の第1液注入針と1本の液吸引針が設けられ、前記第2基本洗浄ユニットに1本の統合型液注入二本針及び1本の液吸引針が設けられ、前記統合型液注入二本針は、1本の第1液注入針と1本の第2液注入針を含み、回転ディスクの周方向に沿って、第1液注入針、液吸引針、第1液注入針、液吸引針、統合型液注入二本針、及び液吸引針がこの順に針昇降機構に配置される。
【0026】
好ましくは、前記統合型液注入二本針は、制限ブロックによって前記針昇降機構の昇降板に接続され、前記制限ブロックは、昇降板に設けられるベースと、前記ベースに螺着されるネジ式キャップと、を含み、前記ベースは、底板と、前記底板に設けられる柱体と、を含み、前記柱体及び底板は取り付け貫通孔を介して貫通しており、取り付け貫通孔が貫通する前記柱体の内周面に溝が設けられ、前記溝は、柱体の径方向に窪み、1つの側面が開口し、残りの3つの側面が密閉したものであり、
ネジ式キャップの底部にネジ式キャップ貫通孔が開けられ、統合型液注入二本針にガイドブロックがさらに設けられ、前記ガイドブロックは、直径が前記取り付け貫通孔の直径と一致する円柱の形状であり、ガイドブロックの一方の側に径方向に突出するバンプが設けられ、
取り付ける際には、第1液注入針及び第2液注入針をネジ式キャップのネジ式キャップ貫通孔、ガイドブロック、及びベースの取り付け貫通孔に順に通し、ガイドブロックのバンプを前記溝に係入し、溝とバンプとの嵌合により第1液注入針及び第2液注入針を周方向に限定し、次に、ネジ式キャップを前記柱体に締め、ネジ式キャップを利用してバンプを溝に押し込むことで、第1液注入針及び第2液注入針を軸方向に制限する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の有益な効果は以下の通りである。本発明は、磁性ビーズ試薬を均一に混合することができ、磁性ビーズ凝集の状況の発生が回避され、検出結果の正確性が確保される。歯付きディスクを断続的な歯に設計して、試薬回転ディスクと歯付きディスクとが相対的に回転することで、磁性ビーズ試薬管の底部の試薬管歯車を歯付きディスクの周方向に沿って移動させることができ、それにより「磁性ビーズ試薬管の自己回転過程における等速回転状態を変えることや磁性ビーズ試薬管の自己回転過程に衝撃力を印加することで、凝集した磁性ビーズを分散させる」という技術的解決手段を達成させる。歯付きディスクを制御して回転させ、試薬回転ディスクを動かないように維持することにより、磁性ビーズ試薬管が能動的に均一に混合するような効果を奏し、このようにして、従来の均一混合方法と比較して、検出全体の時間を大幅に短縮させるため、検出効率を高める。免疫分析装置の洗浄トレイを設計し、洗浄槽を洗浄トレイの内部かつ回転ディスクの下方に統合することにより、洗浄トレイの内部空間及び針昇降機構の移動ストロークを十分に活用する。洗浄トレイが正常に作動する際に、針昇降機構が下へ移動することで、液注入針及び液吸引針を下へ作動位置まで移動させて反応カップを洗浄し、液注入針や液吸引針の洗浄が必要である場合、反応カップを取り外した後、針昇降機構がさらに下へ移動することで、液注入針及び液吸引針が洗浄槽に挿入するまで作動位置を越えて下へ移動し、針の洗浄を行い、それによって、本発明は、液注入針や液吸引針が反応カップ内の磁性ビーズを正常に洗浄することを確保できるほか、液注入針や液吸引針自体の洗浄を行うこともでき、洗浄のステップを簡素化し、液注入針や液吸引針の洗浄の利便性を向上させ、液注入針や液吸引針の洗浄効果を高める。洗浄槽の設計や洗浄ステップの具体的な設計により、液吸引針の内外壁及び液注入針の内壁を同時に洗浄することを可能にし、洗浄効果を高める。洗浄トレイの内部に反応カップ振動機構が設けられ、液注入針が反応カップに液を注入するとともに、前記反応カップ振動機構を利用して反応カップに繰り返して衝突し、反応カップ内の磁性ビーズを繰り返し衝突により分散させ、また、液注入針内に注入された洗浄液と組み合わせて磁性ビーズを洗浄することで、洗浄効果を確保する。洗浄トレイの内部に反応カップ振動機構が設けられ、液注入針が反応カップに液を注入すると同時に、前記反応カップ振動機構を利用して反応カップに繰り返して衝突し、反応カップ内の磁性ビーズを繰り返して衝突して分散させ、液注入針に注入された洗浄液と組み合わせて磁性ビーズを洗浄することで、洗浄効果を確保する。本発明は、二重液注入針機構により、異なる2種の洗浄液を組み合わせることで、反応カップ内の磁性ビーズを洗浄する効果を奏し得るとともに、反応カップに残留された気泡を除去することができ、それにより、最終的な検出結果の正確性を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】試薬カートリッジの立体構造模式図である。
図2】試薬回転ディスクと歯付きディスクとの嵌合位置関係の立体構造模式図である。
図3】本発明の実施例における磁性ビーズ試薬均一混合方法の原理構造模式図である。
図4】本発明の実施例における磁性ビーズ試薬管の内部の部分立体構造模式図である。
図5】従来技術における試薬吸引時の原理構造模式図である。
図6】本発明の実施例における試薬吸引時の原理構造模式図である。
図7】本発明の実施例における試薬トレイの立体構造模式図である。
図8】本発明の実施例における試薬トレイの軸方向の断面構造模式図である。
図9図8のB部の部分拡大構造模式図である。
図10】本発明の実施例における免疫分析装置の上面構造模式図である。
図11】本発明の実施例における洗浄トレイの立体構造模式図である。
図12】本発明の実施例における洗浄トレイの軸方向の断面構造模式図である。
図13】本発明の実施例における洗浄トレイの上面構造模式図である。
図14】本発明の実施例における洗浄槽の上面構造模式図である。
図15】本発明の実施例における洗浄槽の立体構造模式図である。
図16】液注入針が反応カップに挿入されて洗浄液を注入するときの模式図である。
図17】液吸引針が反応カップに挿入されて液を吸引するときの模式図である。
図18図14のC-C線に沿った断面構造模式図である。
図19図18において液吸引針を洗浄するときの模式図である。
図20図14のD-D線に沿った断面構造模式図である。
図21図20において液注入針を洗浄するときの模式図である。
図22図12における回転ディスクに位置する部分の断面構造模式図である。
図23】本発明の実施例における回転ディスク機構の立体構造模式図である。
図24】本発明の実施例における回転ディスク機構の正面構造模式図である。
図25】本発明の実施例における液注入ステーション、液吸引ステーション及び反応カップ振動機構の分布位置の模式図である。
図26】本発明の実施例における磁場位置分布の模式図である。
図27】本発明の実施例の洗浄トレイから針昇降機構及び回転ディスク機構を省略したときの部分立体構造模式図である。
図28図27における反応カップ振動機構の部分立体構造模式図である。
図29図28における反応カップ振動機構の衝突ブロックを省略した反応カップ振動機構の部分立体構造模式図である。
図30図29における第1衝突ブロック回転軸及び第2衝突ブロック回転軸に位置する部分の立体構造模式図である。
図31】本発明の実施例において反応カップを回転ディスクのカップ孔内に置いた後の、反応カップに位置する部分の軸方向断面構造模式図である。
図32図12におけり針昇降機構に位置する部分の断面構造模式図である。
図33図12における針昇降機構に位置する部分の立体構造模式図である。
図34図33における統合型液注入二本針に位置する部分の立体構造模式図である。
図35】本発明の実施例による洗浄トレイの制限ブロックのベースの立体構造模式図である。
図36】本発明の実施例における統合型二重液注入針がネジ式キャップ及びガイドブロックを通り抜けた後の立体構造模式図である。
図37】本発明の実施例における統合型二重液注入針を昇降板に取り付けたときの立体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面及び特定実施例を参照して本発明の技術的解決手段についてさらに詳細に説明する。
【0030】
磁性ビーズ試薬管は、ほとんどの時間回転しているが、磁性ビーズ試薬内の磁性ビーズと試薬溶液の均一混合効果があまり良くなく、磁性ビーズ凝集の状況が発生するという問題が出ている。出願人は、研究した結果、磁性ビーズ試薬がほとんどの時間回転しているが、ずっと低速度の等速回転状態であるので、遠心力などの作用により、磁性ビーズは磁性ビーズ試薬管の内側壁に非常に飛ばされやすく、その結果、磁性ビーズが凝集する状況につながることが主な原因であることを見出した。
【0031】
本発明は、免疫分析装置用の磁性ビーズ試薬均一混合方法を開示し、この方法は、磁性ビーズ試薬管を自己回転過程で変速状態にすること、及び/又は磁性ビーズ試薬管の自己回転過程で前記磁性ビーズ試薬管に衝撃力を加えることによって、凝集した磁性ビーズを分散させるため、磁性ビーズ試薬を均一混合状態にする。出願人は、研究した結果、磁性ビーズ試薬管の自己回転過程での等速回転状態を変える方法により上記の問題を解決することができ、すなわち、磁性ビーズ試薬管が等速自己回転状態にある代わりに、その自己回転速度に変化があるようにするため、その受けた遠心力の大きさも変化し、磁性ビーズ凝集の状況を解消し、又は、磁性ビーズ試薬管の自己回転過程において外部からの衝撃力を印加することで、凝集した磁性ビーズを分散させることができることを見出した。最も好ましくは、上記の2つの技術的解決手段の両方により、磁性ビーズ凝集の状況を解消する。出願人は、試験を通じて、上記のような技術的解決手段による効果が最適であることを見出し、上記の2つの技術的解決手段の両方により均一に混合された磁性ビーズ試薬では、磁性ビーズ凝集の状況がほとんど見られない。
【実施例0032】
「磁性ビーズ試薬管の自己回転過程における等速回転状態を変更することと、磁性ビーズ試薬管の自己回転過程において衝撃力を印加することで、凝集した磁性ビーズを分散させる」という技術的解決手段については、図3に示すように、出願人は、歯付きディスク5に周方向に沿って分布する連続歯を断続的な歯に設計することにより、隣接する歯部の間に切り欠きを形成する。本実施例では、歯付きディスク5に、合計10個の歯部511及び10個の切り欠き部512が設けられている。作動過程では、磁性ビーズ試薬管が歯付きディスク5の歯部511にある場合、歯部511が磁性ビーズ試薬管の底部の試薬管歯車311と噛み合い、磁性ビーズ試薬管に自己回転のための作用力を与えることで、磁性ビーズ試薬管を回転させ、磁性ビーズ試薬管が歯付きディスク5の切り欠き部512にある場合、切り欠き部512内には試薬管歯車311と噛み合う歯がないため、磁性ビーズ試薬管の自己回転のための動力が失われ、回転速度があまり速くないため、磁性ビーズ試薬管は、自己回転の動力を失うと、速度が遅くなり、さらに回転を停止することもある。したがって、切り欠き部512では磁性ビーズ試薬管の自己回転速度は1回変化する。磁性ビーズ試薬管が再度歯付きディスク5の歯部511にあるとき、再度、歯部511が磁性ビーズ試薬管の底部の試薬管歯車311と噛み合うことで、磁性ビーズ試薬管に自己回転のための作用力を与え、磁性ビーズ試薬管は、動力が得られると、さらに速度を1回変化させ、自己回転状態に戻る。このように繰り返して、磁性ビーズ試薬管の作動過程における自己回転速度を繰り返して変速状態にする。また、磁性ビーズ試薬管が歯付きディスクの切り欠き部512から歯部511に移動したときに、試薬管歯車311と噛み合ったばかりの歯部511は磁性ビーズ試薬管に衝撃力を与え、衝撃の作用を果たす。磁性ビーズ試薬管が上記の自己回転変速状態と衝撃力との2つの作用を受けて、磁性ビーズ試薬管内の凝集した磁性ビーズが分散し、そのため、磁性ビーズ試薬が均一混合状態になる。本実施例では、磁性ビーズ試薬を均一に混合することができ、磁性ビーズの凝集状況の発生を回避し、検出結果の正確性を確保する。
【0033】
試験を繰り返した結果、出願人は、前記歯部511の円弧長をLとすると、前記切り欠き部512の円弧長がL/2であるような設定により、磁性ビーズ試薬管内の磁性ビーズ試薬の均一混合効果が最適となることを見出した。
【0034】
均一混合効果をさらに高めるために、図4に示すように、前記磁性ビーズ試薬管3の内側壁にチューブ凸起312が設けられる。磁性ビーズ試薬管3が変速自己回転を行い衝撃力による作用を受けたときに、チューブ凸起312により磁性ビーズ試薬をさらに均一に混合することが可能であり、均一混合効果をさらに向上させることができる。本実施例では、チューブ凸起312は、磁性ビーズ試薬管3の中心軸線に対して対称に分布するように2つ設けられる。
【0035】
従来技術には、もう1つの問題が存在する。図5に示すように、従来技術では、作動過程において、中央位置にある歯付きディスク5を動かないように維持し、試薬回転ディスク4を制御して試薬カートリッジ1を回転駆動させることによって、歯付きディスク5と試薬管歯車311との噛み合いを通じて試薬カートリッジ1における磁性ビーズ試薬管3を自己回転させる。通常、同一の試薬カートリッジ1における磁性ビーズ試薬管3及び複数の試薬収容室2内に充填された試薬は、同一指標をテストするためのものである。1つの指標を検出する場合、試薬採取点をA点とすると、試薬カートリッジ1における磁性ビーズ試薬管3内の磁性ビーズ試薬を吸引する際に、まず、試薬回転ディスク4を制御して試薬カートリッジ1をA点に回転駆動させ、次に、磁性ビーズ試薬管3内の磁性ビーズ試薬を吸引する必要があり、吸引完了後、試薬カートリッジ1をこの箇所に留めてはいけなく、試薬回転ディスク4を制御して、試薬カートリッジ1を、再びA点に到達させるまで引き続き1周回転駆動させ、この試薬カートリッジ1の1つの試薬収容室2内に充填された試薬を再度吸引し、吸引完了後、試薬回転ディスク4をさらに制御して、試薬カートリッジ1を、A点に到達させるまで1周回転駆動させ、この試薬カートリッジ1における次の試薬収容室2内に充填された試薬を吸引し、この試薬カートリッジ1における磁性ビーズ試薬管3及び複数の試薬収容室2内に充填された試薬がすべて吸引される。1つの指標のテストが完了するまで、このようなプロセスを繰り返す。このような均一混合方法は、検出全体の時間が長くなるため、検出効率が低下する。
【0036】
このため、図6に示すように、出願人は、歯付きディスク5及び試薬回転ディスク4に第1駆動機構及び第2駆動機構をそれぞれ設けている。作動する際には、第1駆動機構により歯付きディスク5を回転駆動し、試薬回転ディスク4を動かないように維持し、それにより、試薬回転ディスク4における試薬カートリッジ1も固定されたままであり、歯付きディスク5と試薬管歯車311の噛み合いにより試薬カートリッジ1における磁性ビーズ試薬管3は自己回転する。試薬カートリッジ1における各種の試薬の吸引が必要である場合、第2駆動機構により試薬回転ディスク4が試薬カートリッジ1を試薬採取点Aに回転させるように駆動し、その後、A点にある試薬カートリッジ1を動かないように維持する。このとき、歯付きディスク5がまだ回転しているので、試薬カートリッジ1における磁性ビーズ試薬管3はまだ自己回転状態にある。したがって、当該試薬カートリッジ1における磁性ビーズ試薬管3内の磁性ビーズ試薬の吸引が完了した後にも、試薬カートリッジ1はA点に固定されたままでもよく、それにより、試薬カートリッジ1における他の複数の試薬収容室2内の試薬を引き続き吸引することが可能となる。このようにすると、従来の均一混合方法と比較して、検出全体の時間を大幅に短縮させるため、検出効率を高める。
【0037】
本実施例では、歯付きディスク5の回動方向と試薬回転ディスク4の回動方向とが逆になるように制御を行うと、歯付きディスク5を常に回転している状態に維持することができ、また、試薬回転ディスク4が回転しても回転しなくても、試薬回転ディスク4における試薬カートリッジ1の磁性ビーズ試薬管3は継続的に自己回転することができ、磁性ビーズ試薬管3内の磁性ビーズ試薬の沈殿や堆積が回避される。
【0038】
図7及び図8に示すように、試薬回転ディスク4は、免疫分析装置の試薬トレイ6に取り付けられ、前記試薬トレイ6は、試薬トレイシリンダ611と、前記試薬トレイシリンダ611の底部に設けられる第1駆動機構と、を含み、試薬回転ディスク4は、前記試薬トレイシリンダ611の内部に位置し、前記第1駆動機構は第1駆動モータ7であり、第1駆動モータ7の出力軸は試薬回転ディスク4に接続され、前記第1駆動モータ7の動作により試薬回転ディスク4は回転駆動されることが可能である。前記試薬回転ディスク4の底部にキャスタ8がさらに設けられ、キャスタ8は前記試薬トレイシリンダ611の内底部に接触し、それにより、試薬回転ディスク4のより安定的な回転を確保することができる。前記試薬トレイシリンダ611の内部かつ試薬回転ディスク4の下方に歯付きディスク5が回転可能に接続され、前記歯付きディスク5及び試薬回転ディスク4は同軸位置にあり、前記試薬トレイシリンダ611の底部に第2駆動機構がさらに設けられる。前記第2駆動機構は第2駆動モータ9であり、前記第2駆動モータ9の出力軸が前記歯付きディスク5に嵌合して伝動可能に接続され、前記第2駆動モータ9の動作により、歯付きディスク5は回転駆動され得る。前記試薬トレイシリンダ611の頂部に試薬を吸引するための試薬貫通孔612が複数開けられ、試薬貫通孔612が存在する位置は、試薬採取点Aである。
【0039】
図9に示すように、前記試薬トレイシリンダ611の内底部にボス10が設けられ、歯付きディスク軸受け11の内輪が前記ボス10の外周面に嵌設され、前記歯付きディスク5は前記歯付きディスク軸受け11の外輪に接続され、前記歯付きディスク軸受け11の外輪には、1つの第1伝動歯付きディスク12も嵌設され、前記第2駆動モータ9の出力軸には、第2伝動歯付きディスク13がさらに設けられ、前記第1伝動歯付きディスク12と第2伝動歯付きディスク13が噛み合って伝動可能に接続されることにより、前記第2駆動モータ9の動作によって、歯付きディスク5は回転駆動され得る。係る試薬回転ディスク4に取り付けられた試薬カートリッジ1における磁性ビーズ試薬管の試薬管歯車311は、前記歯付きディスク5と噛み合って伝動可能に接続される。
【0040】
図10に示すように、本発明はまた、免疫分析装置を開示する。サンプル搬送チャネル14と、前記サンプル搬送チャネル14の一方の側に設けられる上記のような試薬トレイ6、インキュベートトレイ15、洗浄トレイ16、光学検出機構17、及び消耗品ビン18と、を含み、前記インキュベートトレイ15と洗浄トレイ16との間には、カップ把持アーム19が設けられ、前記カップ把持アーム19は、反応カップをインキュベートトレイ15と洗浄トレイ16との間で切り替えて把持するためのものであり、前記インキュベートトレイ15と試薬トレイ6との間に試薬針アーム20がさらに設けられ、前記試薬針アーム20は、試薬トレイ6内の試薬を吸引してインキュベートトレイ15の反応カップに添加するためのものであり、前記試薬針アーム20の傍に試薬針洗浄タンク21がさらに設けられ、前記試薬針洗浄タンク21は、試薬針アーム20が1種の試薬を吸引した後に、試薬針アーム20が別の試薬を吸引するために、前記試薬針アーム20を洗浄するためのものである。前記消耗品ビン18内には、検出チップモジュール181、tipヘッドモジュール182、及び反応カップモジュール183が設けられ、各モジュール内に複数の部材が収納されており、すなわち、検出チップモジュール181内に複数の検出チップが配置されており、tipヘッドモジュール182内に複数のtipヘッドが配置されており、反応カップモジュール183内に複数の反応カップが配置されており、それにより、免疫分析装置による複数回の検出が可能になる。前記インキュベートトレイ15、光学検出機構17、及び消耗品ビン18の間に3次元移動ロボットアーム60がさらに設けられ、前記3次元移動ロボットアーム60は、消耗品を交換し、また、インキュベートトレイ15の反応カップ内の検出対象サンプルを光学検出機構17に吸引して検出するためのものである。
【0041】
図11及び図12に示すように、前記洗浄トレイは、洗浄トレイシリンダ22と、前記洗浄トレイシリンダ22の内部に設けられる回転ディスク機構23と、前記洗浄トレイシリンダ22の上方に設けられる針昇降機構24と、を含む。反応カップ25は、前記回転ディスク機構23の回転ディスク231に配置され、前記回転ディスク231により反応カップ25を回転駆動することができる。前記洗浄トレイシリンダ22の内部かつ回転ディスク231の下方に洗浄槽26が設けられ、前記針昇降機構24に液注入針27及び液吸引針28が設けられる。前記免疫分析装置の洗浄トレイの液注入針や液吸引針を洗浄する方法としては、正常に作動する際に、前記針昇降機構24が下へ移動することにより、液注入針及び液吸引針は両方とも下降して反応カップに挿入されて反応カップ洗浄作業を行うことができる。液注入針や液吸引針の洗浄が必要である場合、まず、回転ディスク231における反応カップ25を取り出し、次に、前記針昇降機構24を制御して下へ移動させ、液注入針及び液吸引針を前記回転ディスクに通して洗浄槽26に挿入し洗浄する。本実施例では、洗浄トレイの内部かつ回転ディスクの下方に洗浄槽を統合することにより、洗浄トレイの内部空間及び針昇降機構の移動ストロークを十分に活用する。洗浄トレイは、正常に作動する際に、針昇降機構が下へ移動することで、液注入針及び液吸引針を下へ作動位置まで移動させて、反応カップを洗浄し、液注入針や液吸引針の洗浄が必要である場合、反応カップを取り外し、針昇降機構によってさらに下へ移動し、液注入針及び液吸引針を、作動位置を超えるまで下へ移動させて洗浄槽に挿入し、針を洗浄する。それによって、本実施例では、液注入針や液吸引針が反応カップ内の磁性ビーズを正常に洗浄することを確保することができると共に、液注入針や液吸引針自体の洗浄を行うこともできることを確保し、洗浄のステップを簡素化し、液注入針や液吸引針の洗浄の利便性を向上させ、液注入針や液吸引針の洗浄効果を高める。
【0042】
図13に示すように、前記針昇降機構24には、2つの第1基本洗浄ユニット及び1つの第2基本洗浄ユニットは回転ディスク231の周方向に順次設けられ、各基本洗浄ユニット内に液注入ステーション及び液吸引ステーションが設けられ、各前記第1基本洗浄ユニットの液注入ステーション及び液吸引ステーションに1本の第1液注入針271及び1本の液吸引針28が設けられ、前記第2基本洗浄ユニットの液注入ステーション及び液吸引ステーションのそれぞれに1つの統合型液注入二本針S及び1本の液吸引針28が設けられ、前記統合型液注入二本針Sは、1本の第1液注入針271と1本の第2液注入針272を含む。回転ディスク231の周方向に沿って、第1液注入針271、液吸引針28、第1液注入針271、液吸引針28、統合型液注入二本針S、及び液吸引針28がこの順に針昇降機構24に配置される。
【0043】
液注入針及び液吸引針が回転ディスクの周方向に分布しているので、図14及び図15に示すように、洗浄槽26も環状に構成され、前記洗浄槽26は、全密閉型の環状槽本体261と、前記環状槽本体261に設けられる液注入針洗浄筒262及び液吸引針洗浄筒263と、を含み、前記液針洗浄筒912及び液吸引針洗浄筒263のいずれの内部空間も環状槽本体261の内部空間に連通し、前記環状槽本体261の底面には、排水用の排水管264がさらに設けられ、液針洗浄筒912及び液吸引針洗浄筒263のそれぞれの天面には、液注入針及び液吸引針が挿入する穴29がそれぞれ設けられる。前記液注入針洗浄筒262及び液吸引針洗浄筒263は、1つの液注入針洗浄筒262が1つの対応する液注入針を洗浄し、1つの液吸引針洗浄筒263が1つの対応する液吸引針を洗浄するように、針昇降機構24での針の分布位置に合わせて分布する。したがって、本実施例では、液注入針洗浄筒262、液吸引針洗浄筒263、液注入針洗浄筒262、液吸引針洗浄筒263、液注入針洗浄筒262、及び液吸引針洗浄筒263はこの順に環状槽本体に位置する。環状槽本体及び環状に分布する洗浄筒を設計することにより、本実施例では、複数の液注入針及び液吸引針を同時に洗浄することを可能にし、洗浄効率をさらに高める。
【0044】
洗浄効果をさらに高めるために、出願人は、研究をした結果、図16及び図17に示すように、通常に作動する際には、洗浄トレイが反応カップ25内の磁性ビーズを洗浄する過程で、液注入針27を利用して反応カップ25に液を注入するときに、液注入針27が反応カップ25内の液体30内に挿入されるので、液注入針27を洗浄する際に、液注入針27の内壁だけを洗浄すればよく、また、液吸引針28を利用して反応カップ25から液を吸引するときに、液吸引針28が反応カップ25内の液体30内に挿入される必要があるので、液吸引針28を洗浄する際に、液吸引針28の内壁と外壁の両方を洗浄する必要があることを見出した。
【0045】
したがって、図18及び図19に示すように、前記液吸引針洗浄筒263は、環状槽本体261を垂直方向に貫通し、前記液吸引針洗浄筒263は、アウターシリンダ2631と、前記アウターシリンダ2631の内部に設けられるインナーシリンダ2632と、を含み、前記アウターシリンダ2631とインナーシリンダ2632との間に環状空間2633が形成され、前記環状空間2633は環状槽本体261の内部空間2611に連通し、前記インナーシリンダ2632の頂端面がアウターシリンダ2631の頂端面よりも低く、液吸引針洗浄筒263の穴29が前記アウターシリンダ2631の頂端面に設けられ、環状槽本体261の下方に位置する液吸引針洗浄筒263に給水口31がさらに設けられ、前記給水口31はインナーシリンダ2632のキャビティ26321の底部に連通し、インナーシリンダ2632のキャビティ26321の頂部はアウターシリンダ2631の内部空間に連通する。
【0046】
液吸引針28を洗浄する場合、液吸引針28を制御して液吸引針洗浄筒263の頂部穴29からインナーシリンダ2632のキャビティ26321に挿入するように制御し、外付け水ポンプにより洗浄水を前記給水口31からインナーシリンダ2632のキャビティ26321に送り、液吸引針28を制御して液の吸引を開始させ、洗浄水の一部を液吸引針28で吸入することで、液吸引針28の内壁を洗浄水で洗浄する。また、水ポンプの給水量が液吸引針28の吸水量よりも大きいことから、残りの大部分の洗浄水がインナーシリンダ2632のキャビティ26321、環状空間2633、及び環状槽本体261の内部空間2611を順次流れて、最後に、排水管264を介して排出され、それにより、インナーシリンダ2632のキャビティ26321を流れた洗浄水により液吸引針28の外壁を洗浄する。上記の方法により、液吸引針28の内壁及び外壁の両方に対する洗浄が行われ、洗浄効果が高まる。
【0047】
給水口31は液吸引針洗浄筒263の側部に設けられ、それにより、液吸引針を洗浄する際には、洗浄水は液吸引針28の側面からインナーシリンダ2632のキャビティ26321に入り、このようにして、洗浄水は液吸引針の底部から液吸引針内に直接流れるのではなく、液吸引針により液吸引針内に吸引され、洗浄効果が確保される。
【0048】
図20及び図21に示すように、前記液注入針洗浄筒262はシリンダ2621を含み、前記シリンダ2621の底端は前記環状槽本体261の頂部に設けられ、シリンダ2621のキャビティは前記環状槽本体261の内部空間2611に連通し、液注入針洗浄筒262の穴29は前記シリンダ2621の頂端に設けられる。
【0049】
液注入針27を洗浄する場合、液注入針27がシリンダ2621の頂部穴29からシリンダ2621のキャビティに挿入するように制御し、液注入針27により洗浄水を注入し始める。洗浄水は環状槽本体261の内部空間2611に注入され、最後に排水管264から排出され、このようにして、液注入針27を流れる洗浄水で液注入針27の内壁を洗浄することで、洗浄効果を高める。
【0050】
図12に示すように、前記洗浄トレイシリンダ22の内部に洗浄トレイセパレータ221が設けられ、前記洗浄トレイセパレータ221により、洗浄トレイシリンダ22の内部を、上方にある上部シリンダ空間222と下方にある下部シリンダ空間223に仕切る。前記回転ディスク機構23の回転ディスク231は前記上部シリンダ空間222内に位置し、前記上部シリンダ空間222の内部に保温材料及び加熱装置(図示せず)が設けられ、前記加熱装置は電熱フィルムが使用される。反応カップが回転ディスクに置かれた後に一定の作動温度を確保する必要があるため、上部シリンダ空間222の内部は前記保温材料及び加熱装置により加熱され、かつ一定の温度に保持される。本実施例では、回転ディスクが上部シリンダ空間の保温空間内に設けられることにより、回転ディスクにおける反応カップが常に一定の作動温度環境にあることを確保できる。
【0051】
図13図22、及び図23に示すように、前記回転ディスク機構23は、回転ディスクモータ及び減速機232をさらに含み、前記回転ディスクモータ及び減速機232は、前記洗浄トレイセパレータ221に設けられ、回転ディスクモータ及び減速機232の回転軸2321が前記上部シリンダ空間222内に伸びて、前記回転ディスク231に接続される。従来技術では、回転ディスクはすべてベルトを介して伝動駆動されるので、その伝動構造が複雑になり、また、伝動機構が大きな空間を占有するが、本実施例では、減速機に統合された回転ディスクモータを回転ディスクに直接接続し、ベルト伝動構造を省略することにより、回転機構の構造を簡素化し、占有空間を小さくする。
【0052】
前記回転ディスク231には、反応カップを配置するカップ孔32が周方向に複数設けられ、前記洗浄トレイシリンダ22の頂部に反応カップ貫通孔33が開けられ、前記反応カップ貫通孔33は、反応カップ25を出し入れするためのものであり、反応カップ貫通孔33はゼロステーションにある。回転ディスク231における1つのカップ孔32が前記反応カップ貫通孔33の中心軸線と重なるまで回転すると、前記反応カップ貫通孔33を通じて1つの反応カップ25をカップ孔32に配置し、又は前記反応カップ貫通孔33を通じて前記カップ孔32における反応カップ25を取り出す。各カップ孔32は1つの洗浄筒に対応する。液注入針及び液吸引針を洗浄する際に、カップ孔32から反応カップ25を取り出した後、液注入針及び液吸引針が下へ移動させて回転ディスクのカップ孔32を通し、洗浄槽26内に挿入して洗浄するように制御する。
【0053】
図11に示すように、前記洗浄トレイシリンダ22の側部に第1センサ34がさらに設けられ、回転ディスクにおける反応カップの数及び回転ディスクでの反応カップの有無は前記第1センサ34により検出される。図24に示すように、前記回転ディスク231の底部に検知リング35が設けられ、前記検知リング35に複数の検知溝351が開けられ、洗浄トレイセパレータ221において、前記検知リング35に第2センサ36がさらに設けられる。回転ディスクが回転すると、第2センサ36により、前記検知リング35における検知溝351を検知することで、回転ディスクの回転角度や位置を制御する。
【0054】
図25に示すように、反応カップへの液注入ステップ及び反応カップへの液吸引ステップのために、1つの基本洗浄ユニットが設けられ、この場合、前記基本洗浄ユニットは、上記の第1基本洗浄ユニット37と第2基本洗浄ユニット38を含み、第2基本洗浄ユニット38は、検出前の基本洗浄ユニットであり、第1基本洗浄ユニット37は、他の基本洗浄ユニットである。第1基本洗浄ユニット37及び第2基本洗浄ユニット38は、回転ディスク231の周方向に沿って前記回転ディスク231の上方に順に配置される。
【0055】
図22及び図26に示すように、前記洗浄トレイシリンダ22の内周面かつ回転ディスク231に磁石止めリング39がさらに設けられる。磁石が磁石止めリング39に設けられることにより、洗浄トレイシリンダ22内かつ各基本洗浄ユニット内の液注入ステーションと液吸引ステーションとの間に磁場40が形成され、前記液注入ステーションにおける洗浄トレイシリンダ22の内部は前記磁場40の外部にあり、前記液吸引ステーションにおける洗浄トレイシリンダ22の内部は前記磁場40の内部にある。反応カップが液注入ステーションで洗浄液を注入した後、回転ディスクの回転につれて、反応カップは磁場40内に入り、磁場40により液吸引ステーションに回転するまでに反応カップ内の磁性ビーズを吸着し、液吸引ステーションで液を吸引する場合、磁場40により反応カップ内の磁性ビーズを吸着し、それにより、磁性ビーズが液吸引針により吸われることを防止することができる。液吸引が完了した後、反応カップは、磁場40を離れて、液注入ステーションに回転し、この箇所に磁場がなく、さらに液注入針により反応カップに液を注入し、それにより、磁性ビーズに衝撃を与え、洗浄の目的が達成される。本実施例では、磁場40は合計3つ設けられ、磁石には、永久磁石も電磁石も使用可能である。
【0056】
図27及び図28に示すように、本実施例では、洗浄トレイ内に、1つの反応カップ振動機構41が含まれ、反応カップ振動機構41は、洗浄トレイセパレータ221に設けられ、また、上部シリンダ空間222内に位置する。前記反応カップ振動機構41は、洗浄トレイセパレータ221に設けられる第1ガイドレール411及び第2ガイドレール412と、スライドとの嵌合により前記第1ガイドレール411及び第2ガイドレール412に摺動可能に接続される衝突ブロック413と、を含み、前記洗浄トレイセパレータ221には、衝突ブロック駆動機構がさらに設けられ、前記衝突ブロック駆動機構により、プッシュブロックを駆動して第1ガイドレール411及び第2ガイドレール412に沿って往復移動させ、それにより、衝突ブロック413は液注入ステーションにある回転ディスクカップ孔32内の反応カップの側面に繰り返して衝突し、反応カップ内の磁性ビーズを衝突により分散させる。反応カップ内の洗浄液がすべて液吸引針により吸引されて、液注入針に送ったときにも、磁性ビーズはまだ互いに吸着されている。本実施例では、液注入針が反応カップに液を注入すると同時に、前記反応カップ振動機構により反応カップに繰り返して衝突し、反応カップ内の磁性ビーズは繰り返した衝突を受けて分散し、また、液注入針に注入された洗浄液による磁性ビーズの洗浄と組み合わせることにより、洗浄効果が確保される。
【0057】
図28及び図29に示すように、前記衝突ブロック駆動機構は、前記洗浄トレイセパレータ221の底部に設けられる衝突ブロック駆動モータ(図示せず)と、前記洗浄トレイセパレータ221の頂部に回転可能に接続される第1衝突ブロック回転軸42と、を含み、前記衝突ブロック駆動モータの出力軸は第1衝突ブロック回転軸42の一端に嵌合して回転可能に接続され、前記第1衝突ブロック回転軸42の他端の端面に第2衝突ブロック回転軸43がさらに設けられ、前記第1衝突ブロック回転軸42の中心軸線と第2衝突ブロック回転軸43の中心軸とは重なっておらず、すなわち、第2衝突ブロック回転軸43の中心軸線は第1衝突ブロック回転軸42の中心軸線からずれる位置にある。前記衝突ブロック413に長円孔44が開けられ、前記第2衝突ブロック回転軸43は、長円孔44に嵌合して摺動可能に接続されるように長円孔44に挿入され、それにより、衝突ブロック駆動モータを制御して第1衝突ブロック回転軸42及び第2衝突ブロック回転軸43を回転駆動させることにより、第2衝突ブロック回転軸43が長円孔44の内周面に接触することにより、衝突ブロック413が第1ガイドレール411及び第2ガイドレール412に沿って往復移動するように駆動され、反応カップに繰り返して衝突することが可能である。
【0058】
図30に示すように、前記第2衝突ブロック回転軸43は、衝突軸受け431と止めネジ432を含み、前記止めネジ432が前記衝突軸受け431の内輪を通り抜けることにより、前記衝突軸受け431は第1衝突ブロック回転軸42の端面にロックされる。第2衝突ブロック回転軸43が長円孔44に挿入されたときに、前記衝突軸受け431の外輪と長円孔44の内周面が接触することにより、第2衝突ブロック回転軸43は長円孔44に嵌合して摺動可能に接続される。このような構成によれば、衝突ブロックを繰り返して移動させるときの安定性をさらに確保することができる。前記第1衝突ブロック回転軸42の外周面に検知トレイ45が設けられ、前記洗浄トレイセパレータ221において、検知トレイ45に第3センサ46がさらに設けられ、前記検知トレイ45と第3センサ46の連携により、第1衝突ブロック回転軸42の状態を検出することが可能になる。
【0059】
図25及び図28に示すように、前記衝突ブロック413の端部は円弧状に構成され、円弧状端部4131は反応カップ25の側部に衝突し、このように衝突すると、反応カップにダメージを与えることがない。
【0060】
反応カップ振動機構は、第2基本洗浄ユニット38と、前記第2基本洗浄ユニットに近い第1基本洗浄ユニット37との間に設けられ、前記衝突ブロック413の両端の円弧状端部4131は、それぞれ、第2基本洗浄ユニット38内の液注入位置にある反応カップ、及び前記第1基本洗浄ユニット37内の液注入位置にある反応カップに衝突する。このようにして、2回の液注入時も反応カップが衝突されることが可能となるため、衝突と洗浄の操作がより確実に行われ、洗浄効果が高まる。本実施例では、1番目の第1基本洗浄ユニット37に反応カップ振動機構が設けられていない。なぜなら、反応カップが1番目の第1基本洗浄ユニット37の液注入ステーションに移動する前に、反応カップが回転ディスクに置かれたばかりであり、磁場による影響を受けておらず、又は磁場による影響が小さく、磁性ビーズ間の吸着力が小さく、反応カップが1番目の第1基本洗浄ユニット37の液注入ステーションに移動すると、洗浄液で磁性ビーズを分散させることから、振動による衝突の必要がないためである。
【0061】
図31に示すように、反応カップ25は、カップ本体251と、前記カップ本体251の外周面に設けられるカップ本体フランジ252と、を含む。反応カップ25が回転ディスク231のカップ孔32に配置されると、カップ孔32内にある前記カップ本体251とカップ孔32の内周面との間に衝突隙間47が残っている。このような構成によれば、衝突ブロックが反応カップに衝突しやすくなり、洗浄効果がさらに高まる。
【0062】
図32及び図33に示すように、前記針昇降機構24は、昇降板241と昇降モータ242を含み、前記昇降板241にガイドブッシュ48が設けられ、前記洗浄トレイシリンダ22の天面にガイドロッド49が設けられ、前記ガイドロッド49とガイドブッシュ48が嵌合して接続されることにより、昇降板241は前記ガイドロッド49に摺動可能に接続される。前記昇降モータ242は、洗浄トレイシリンダ22に設けられ、その出力軸が親ねじ50に伝動可能に接続される。前記昇降板241にキャップスクリュー51が設けられ、前記親ねじ50とキャップスクリュー51は嵌合して親ねじ-ナット機構を構成し、それにより、昇降モータ242の動作により昇降板241が上下動するように制御することができ、液注入針及び液吸引針はいずれも前記昇降板241に配置される。また、液注入針の底部の開口部が傾斜して設けられることにより、底部の開口部から噴出される洗浄液は反応カップに衝撃を与え、なぜなら、反応カップが液吸引ステーションで磁場を印加され、磁性ビーズが反応カップの内側壁に吸着され、磁場が消えた後にも、磁性ビーズの一部が反応カップの内側壁に吸着され、液注入針の底部の開口部が傾斜して設けられると、洗浄液が反応カップの内側部に吸着された磁性ビーズを分散させることをより確実にし、洗浄効果をさらに確保することができる。液吸引針の底部の開口部に近い液吸引針の底部の側壁に切り欠きが設けられ、これは、液吸引針が反応カップの底部に挿入されたときに、液吸引針の底部の開口部を塞ぐことを防止し、液吸引作動を正常に行うことを確保するためである。
【0063】
前記洗浄トレイシリンダ22の天面には、上部位置センサ52及び下部位置センサ53がさらに設けられ、前記上部位置センサ52及び下部位置センサ53は、支持ロッド54によって前記洗浄トレイシリンダ22の天面に設けられる。前記昇降板241に検知片55がさらに設けられ、前記検知片55と上部位置センサ52及び下部位置センサ53とは連携することにより、昇降板241の上限位置及び下限位置を検出することができる。作動過程では、昇降板241が上限位置に移動すると、昇降板241における液注入針及び液吸引針が所望の位置に移動しており、反応カップを引き抜いたことを表し、このとき、回転ディスクは、反応カップを回転駆動することができる。昇降板241が下限位置に降下すると、昇降板241における液吸引針が反応カップの液面以下に挿入されており、液吸引操作を行うことができるようになっていることを表す。
【0064】
図34及び図35に示すように、前記第1液注入針271及び第2液注入針272は、制限ブロックによって昇降板241に接続され、前記制限ブロックは、ねじにより昇降板241にロックされたベース56と、前記ベース56に螺着されたネジ式キャップ57と、を含み、前記ベース56は、底板561と、前記底板561に設けられた柱体562と、を含み、前記柱体562及び底板561は、取り付け貫通孔563を介して貫通しており、取り付け貫通孔563が貫通する前記柱体562の内周面に溝58が設けられ、前記溝58は、柱体562の径方向に窪み、1つの側面が開放し、残りの3つの側面が密閉したものである。
【0065】
図36及び図37に示すように、ネジ式キャップ57の底部にネジ式キャップ貫通孔571が開けられ、第1液注入針271及び第2液注入針272には、ガイドブロック59がさらに設けられ、前記ガイドブロック59は、直径が前記取り付け貫通孔563の直径と一致する円柱の形状であり、ガイドブロック59の一方の側に径方向に突出するバンプ591が設けられる。取り付ける際に、第1液注入針271及び第2液注入針272を、ネジ式キャップ57のネジ式キャップ貫通孔571、ガイドブロック59、及びベース56の取り付け貫通孔563に順に通すことで、ガイドブロック59のバンプ591を前記溝58に係入し、溝58とバンプ591との嵌合により第1液注入針271及び第2液注入針272を周方向に規制し、次に、ネジ式キャップ57を前記柱体562に締め付け、ネジ式キャップ57を利用してバンプ591を溝58に押し付けことで、第1液注入針271及び第2液注入針272を軸方向に規制する。上記の構造の設計によれば、第1液注入針271及び第2液注入針272は、昇降板241に接続され、かつ、第1液注入針271及び第2液注入針272の位置は固定されたままになり、液注入作動を正常に行うことが確保される。
【0066】
図25に示すように、本実施例では、洗浄の際には、回転ディスク231は反応カップを回転駆動し、反応カップは第1基本洗浄ユニット37及び第2基本洗浄ユニット38を順次通過し、このように、洗浄作業が完了する。回転ディスク231による反応カップの回転の周数をN2とすると、N2≧2である。
【0067】
周数N2=2の場合、洗浄ステップは、第1周の洗浄ステップS1と第2周の洗浄ステップS2とを含み、前記第1周の洗浄ステップS1は、以下を含む。
【0068】
1) 回転ディスク231が反応カップ(図示せず)を1番目の第1基本洗浄ユニット37の液注入ステーションまで回転駆動して、回転を停止するように制御する。
【0069】
2) 前記1番目の第1基本洗浄ユニット37内の液注入ステーションにある第1液注入針271が下降して反応カップ内に伸びるように制御し、反応カップに洗浄液Aを注入し、注入された洗浄液Aを用いて、反応カップ内の磁性ビーズを洗浄する。注入完了後、前記1番目の第1基本洗浄ユニット37内の液注入ステーションの第1液注入針271が上昇して元の位置に戻るように制御する。
【0070】
3) 回転ディスク231が反応カップを1番目の第1基本洗浄ユニット37内の液吸引ステーションまで回転駆動して、回転を停止するように制御する。
【0071】
4) 前記1番目の第1基本洗浄ユニット37内の液吸引ステーションにある液吸引針28が下降して反応カップ内に伸びるように制御し、反応カップ内の洗浄液を吸引して排出する。排出完了後、前記1番目の第1基本洗浄ユニット37内の液吸引ステーションの液吸引針28が上昇して元の位置に戻るように制御する。
【0072】
5) 回転ディスク231が反応カップを2番目の第1基本洗浄ユニット37内の液注入ステーションまで回転駆動して、回転を停止するように制御する。
【0073】
6) 前記2番目の第1基本洗浄ユニット37内の液注入ステーションにある第1液注入針271が下降して反応カップ内に伸びるように制御し、反応カップに洗浄液Aを注入するとともに、反応カップ振動機構を制御して前記反応カップに衝突させ、注入した洗浄液Aと衝突を組み合わせて反応カップ内の磁性ビーズを洗浄する。注入完了後、前記2番目の第1基本洗浄ユニット37内の液注入ステーションの第1液注入針271が上昇して元の位置に戻るように制御する。
【0074】
7) 回転ディスク231が反応カップ(図示せず)を2番目の第1基本洗浄ユニット37内の液吸引ステーションまで回転駆動して、回転を停止するように制御する。
【0075】
8) 前記2番目の第1基本洗浄ユニット37内の液吸引ステーションにある液吸引針28が下降して反応カップ内に伸びるように制御し、反応カップ内の洗浄液を吸引して排出する。排出完了後、前記2番目の第1基本洗浄ユニット37内の液吸引ステーションの液吸引針28が上昇して元の位置に戻るように制御する。
【0076】
9) 回転ディスク231が反応カップ(図示せず)を第2基本洗浄ユニット38内の液注入ステーションまで回転駆動して、回転を停止するように制御する。
【0077】
10) 前記第2基本洗浄ユニット38内の液注入ステーションにある第1液注入針271が下降して反応カップ内に伸びるように制御し、反応カップに洗浄液Aを注入するとともに、反応カップ振動機構を制御して前記反応カップに衝突させ、注入した洗浄液Aと衝突を組み合わせて反応カップ内の磁性ビーズを洗浄する。注入完了後、前記第2基本洗浄ユニット38内の液注入ステーションの第1液注入針271が上昇して元の位置に戻るように制御する。
【0078】
11) 回転ディスク231が反応カップ(図示せず)を第2基本洗浄ユニット38内の液吸引ステーションまで駆動回転して、回転を停止するように制御する。
【0079】
12) 前記第2基本洗浄ユニット38内の液吸引ステーションにある液吸引針28が下降して反応カップ内に伸びるように制御し、反応カップ内の洗浄液を吸引して排出する。排出完了後、前記2番目の第1基本洗浄ユニット37内の液吸引ステーションの液吸引針28が上昇して元の位置に戻るように制御する。
【0080】
上記のステップにより、前記第1周の洗浄ステップS1が完了する。
【0081】
前記第2周の洗浄ステップS2は、前記第1周の洗浄ステップS1と比較して、ステップ10)において相違するが、他のステップはすべて第1周の洗浄ステップS1と同様である。すなわち、
10) 前記第2基本洗浄ユニット38内の液注入ステーションにある第2液注入針272が下降して反応カップ内に伸びるように制御し、反応カップに洗浄液Bを注入するとともに、反応カップ振動機構を制御して前記反応カップに衝突させ、注入した洗浄液Bと衝突を組み合わせて反応カップ内の磁性ビーズを洗浄する。注入完了後、前記第2基本洗浄ユニット38内の液注入ステーションの第2液注入針272が上昇して元の位置に戻るように制御する。
周数N2>2の場合、洗浄ステップは、他の周の洗浄ステップT1と、最後の周の洗浄ステップT2と、を含み、前記他の周の洗浄ステップT1は、前記第1周の洗浄ステップS1と同様であり、前記最後の周の洗浄ステップT2は、前記第2周の洗浄ステップS2と同様である。
【0082】
本実施例では、洗浄過程において2種類の洗浄液が使用され、この2種類の洗浄液は、それぞれ、洗浄液Aと洗浄液Bである。第1基本洗浄ユニット37の液注入ステップでは、反応カップに洗浄液Aが注入され、第2基本洗浄ユニット38の液注入ステップでは、反応カップに洗浄液Bが注入され、洗浄液Aは、洗浄能力が高い洗浄液であるが、洗浄後に残された気泡が多く、洗浄液Bは、残留された気泡を除去した洗浄液である。第1基本洗浄ユニット37に移行すると、注入した洗浄液Aで反応カップ内の磁性ビーズを洗浄する。第2基本洗浄ユニット38に移行すると、注入した洗浄液Bで反応カップ内の残留気泡を除去する。
【0083】
異なる2種類の洗浄液を組み合わせることにより、反応カップ内の磁性ビーズを洗浄する効果を奏するに加えて、反応カップに残留された気泡を除去することができる。
【0084】
なお、本実施例に記載の「複数」とは、「2つまたは2つ以上」の数を意味する。以上の実施例は、単に本発明を説明するためのものであって、本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更又は変形を加えることができるので、すべての均等な技術的解決手段も本発明の保護範囲に属するべきであり、本発明の保護範囲は各請求項によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0085】
1.試薬カートリッジ、2.試薬収容室、3.磁性ビーズ試薬管、311.試薬管歯車、312.チューブ凸起、4.試薬回転ディスク、5.歯付きディスク、511.歯部、512.切り欠き部、6.試薬トレイ、611.試薬トレイシリンダ、612.試薬貫通孔、7.第1駆動モータ、8.キャスタ、9.第2駆動モータ、10.ボス、11.歯付きディスク軸受け、12.第1伝動歯付きディスク、13.第2伝動歯付きディスク、14.サンプル搬送チャネル、15.インキュベートトレイ、16.洗浄トレイ、17.光学検出機構、18.消耗品ビン、181.検出チップモジュール、182.tipヘッドモジュール、183.反応カップモジュール、19.カップ把持アーム、20.試薬針アーム、21.試薬針洗浄タンク、22.洗浄トレイシリンダ、221.洗浄トレイセパレータ、222.上部シリンダ空間、223.下部シリンダ空間、23.回転ディスク機構、231.回転ディスク、232.回転ディスクモータ及び減速機、2321.回転軸、24.針昇降機構、241.昇降板、242.昇降モータ、25.反応カップ、251.カップ本体、252.カップ本体フランジ、26.洗浄槽、261.環状槽本体、2611.内部空間、262.液注入針洗浄筒、2621.シリンダ、263.液吸引針洗浄筒、2631.アウターシリンダ、2632.インナーシリンダ、26321.キャビティ、2633.環状空間、264.排水管、27.液注入針、271.第1液注入針、272.第2液注入針、28.液吸引針、29.穴、30.液体、31.給水口、32.カップ孔、33.反応カップ貫通孔、34.第1センサ、35.検知リング、351.検知溝、36.第2センサ、37.第1基本洗浄ユニット、38.第2基本洗浄ユニット、39.磁石止めリング、40.磁場、41.反応カップ振動機構、411.第1ガイドレール、412.第2ガイドレール、413.衝突ブロック、4131.円弧状端部、42.第1衝突ブロック回転軸、43.第2衝突ブロック回転軸、431.衝突軸受け、432.止めネジ、44.長円孔、45.検知トレイ、46.第3センサ、47.衝突隙間、48.ガイドブッシュ、49.ガイドロッド、50.親ねじ、51.キャップスクリュー、52.上部位置センサ、53.下部位置センサ、54.支持ロッド、55.検知片、56.ベース、561.底板、562.柱体、563.取り付け貫通孔、57.ネジ式キャップ、571.ネジ式キャップ貫通孔、58.溝、59.ガイドブロック、591.バンプ、60.3次元移動ロボットアーム
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