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特開2025-2743情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002743
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/216 20140101AFI20241226BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20241226BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20241226BHJP
   A63F 13/5378 20140101ALI20241226BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20241226BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20241226BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/65
A63F13/69
A63F13/5378
A63F13/53
A63F13/822
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103084
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】岡野 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 悠太
(57)【要約】
【課題】 ユーザの位置情報に基づくゲーム内での結果の取得をより容易にすることが可能な情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】 本発明の一態様に係る情報処理装置は、ゲームをプレイするユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を、取得する情報取得部と、ゲーム空間の地図上に配置されたオブジェクトと、位置情報に応じて決まる地図上のユーザの位置との間の距離が第1範囲内にある場合に、ゲーム内でオブジェクトと対応する結果をユーザに付与する付与部と、ゲームにおいてユーザが所定条件を満たす場合に、オブジェクトの第1範囲を、第1範囲とは異なる第2範囲に変更する範囲変更部と、を備える。また、オブジェクトの第1範囲が第2範囲に変更された場合、付与部は、上記の距離が第2範囲内にある場合にも結果をユーザに付与する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームをプレイするユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を、取得する情報取得部と、
ゲーム空間の地図上に配置されたオブジェクトと、前記位置情報に応じて決まる前記地図上の前記ユーザの位置との間の距離が第1範囲内にある場合に、前記ゲーム内で前記オブジェクトと対応する結果を前記ユーザに付与する付与部と、
前記ゲームにおいて前記ユーザが所定条件を満たす場合に、前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記第1範囲とは異なる第2範囲に変更する範囲変更部と、を備え、
前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された場合、前記付与部は、前記距離が前記第2範囲内にある場合にも前記結果を前記ユーザに付与する、情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザが前記所定条件を満たす場合、前記範囲変更部は、前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記第1範囲を拡張した前記第2範囲に変更する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記オブジェクトを基準として設定されたエリアが示された前記地図を表示器に表示させる表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更される前には、前記第1範囲に応じた広さの前記エリアを表示させ、前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された後には、前記第2範囲に応じた広さの前記エリアを表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記オブジェクトが配置された前記地図において、前記オブジェクト毎に前記エリアが表示され、
複数の前記オブジェクトの中から選択オブジェクトが選択され、且つ前記選択オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更されていない場合に、前記表示制御部は、前記選択オブジェクトを基準として、前記第2範囲に応じた広さの前記エリアを表示させる、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記付与部が付与可能な前記結果の中から指定された指定結果と対応する前記オブジェクトの前記第1範囲を前記第2範囲に変更するための前記所定条件に関する情報を、前記ユーザに通知する条件通知部を備える、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記範囲変更部は、前記ユーザが満たした前記所定条件の内容に応じて、前記第2範囲を変え、
前記指定結果と対応する前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された場合、前記表示制御部は、前記地図上において、前記指定結果と対応する前記オブジェクトを基準として、前記第2範囲に応じた広さの前記エリアを表示させる、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
第1結果及び第2結果が前記指定結果として指定され、且つ、前記第1結果と対応する第1オブジェクトと、前記第2結果と対応する第2オブジェクトとが前記地図上において異なる位置に配置されている場合、前記条件通知部は、
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトのうち、前記距離が前記第1範囲内にない少なくとも一方のオブジェクトを特定し、
特定された前記少なくとも一方のオブジェクトの前記第1範囲を、変更要件を満たす大きさの前記第2範囲に変更するための前記所定条件に関する情報を、前記ユーザに通知し、
前記変更要件は、前記少なくとも一方のオブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された後に、前記第1オブジェクトを基準とする前記エリアの一部と、前記第2オブジェクトを基準とする前記エリアの一部とが重複することである、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
それぞれの前記オブジェクトの前記第1範囲又は前記第2範囲に前記距離がある場合に前記付与部により付与される前記結果が、時間帯に応じて変化し、
前記条件通知部は、前記第1結果及び前記第2結果の両方が付与可能な時間帯において、前記少なくとも一方のオブジェクトの前記第1範囲を、前記変更要件を満たす大きさの前記第2範囲に変更するための前記所定条件に関する情報を、前記ユーザに通知する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記指定結果と対応する前記オブジェクトの前記第1範囲から変更される前記第2範囲内に前記距離がある場合の、該第2範囲の大きさを特定する特定部をさらに備え、
前記条件通知部は、前記指定結果と対応する前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記特定部により特定された大きさの前記第2範囲に変更するための前記所定条件に関する情報を、前記ユーザに通知する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
第1結果及び第2結果が前記指定結果として指定された場合、前記条件通知部は、前記第1結果と対応する第1オブジェクトの前記第1範囲、及び、前記第2結果と対応する第2オブジェクトの前記第1範囲を、それぞれ、前記特定部により特定された大きさの前記第2範囲に変更するための前記所定条件に関する情報を、前記ユーザに通知する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ゲームは、前記位置情報を用いることでプレイ可能な第1ゲームと、前記位置情報を用いずにプレイ可能な第2ゲームとを含み、
前記所定条件は、前記第2ゲームのプレイを通じて達成可能な条件である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第2ゲームでは、複数のクエストがプレイ可能であり、
前記所定条件は、前記第2ゲームにて前記クエストをプレイして取得可能なパラメータが、前記オブジェクトに応じた数値に到達することであり、
前記数値と前記ユーザの現在の前記パラメータとの差分を算出し、前記複数のクエストの中から前記差分に応じて選定される選定クエストを、前記ユーザに報知する報知部を備える、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記第2ゲームでは、複数のクエストがプレイ可能であり、
前記オブジェクトが示された前記地図において、前記複数のクエストの中から選定された選定クエストと関連付けられた前記結果と対応する前記オブジェクトを、他の前記オブジェクトと識別可能に表示する表示制御部を備える、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記表示制御部は、前記選定クエストがプレイ可能な期間において、前記選定クエストと関連付けられた前記結果と対応する前記オブジェクトを、他の前記オブジェクトと識別可能に表示し、前記ユーザが前記所定条件を満たした場合に、前記選定クエストと関連付けられた前記結果と対応する前記オブジェクトを、他の前記オブジェクトと識別可能に表示することを終了する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記所定条件を満たした前記ユーザに対して、前記オブジェクトの前記第1範囲を前記第2範囲に変更するかを問い合わせる問合せ部を備える、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記ユーザが前記第2ゲームのプレイ中に前記所定条件を満たした場合、前記問合せ部は、前記ユーザの前記第2ゲームのプレイ中に、又は、前記ユーザの前記第2ゲームのプレイを中断可能として、前記ユーザに対して、前記オブジェクトの前記第1範囲を前記第2範囲に変更するかを問い合わせる、請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
プロセッサが、ゲームをプレイするユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を、取得し、
ゲーム空間の地図上に配置されたオブジェクトと、前記位置情報に応じて決まる前記地図上の前記ユーザの位置との間の距離が第1範囲内にある場合に、プロセッサが、前記ゲーム内で前記オブジェクトと対応する結果を前記ユーザに付与し、
前記ゲームにおいて前記ユーザが所定条件を満たす場合に、プロセッサが、前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記第1範囲とは異なる第2範囲に変更し、
前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された場合、前記距離が前記第2範囲内にある場合にも前記結果が前記ユーザに付与される、情報処理方法。
【請求項18】
プロセッサに、ゲームをプレイするユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を、取得させ、
ゲーム空間の地図上に配置されたオブジェクトと、前記位置情報に応じて決まる前記地図上の前記ユーザの位置との間の距離が第1範囲内にある場合に、プロセッサに、前記ゲーム内で前記オブジェクトと対応する結果を前記ユーザに付与させ、
前記ゲームにおいて前記ユーザが所定条件を満たす場合に、プロセッサに、前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記第1範囲とは異なる第2範囲に変更させ、
前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された場合、前記距離が前記第2範囲内にある場合にも前記結果が前記ユーザに付与される、プログラム。
【請求項19】
ゲームをプレイするユーザにより操作されるユーザ端末と、該ユーザ端末とネットワークを通じて通信可能なサーバコンピュータとによって構成される情報処理システムであって、
前記ユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を、取得する情報取得部と、
ゲーム空間の地図上に配置されたオブジェクトと、前記位置情報に応じて決まる前記地図上の前記ユーザの位置との間の距離が第1範囲内にある場合に、前記ゲーム内で前記オブジェクトと対応する結果を前記ユーザに付与する付与部と、
前記ゲームにおいて前記ユーザが所定条件を満たす場合に、前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記第1範囲とは異なる第2範囲に変更する範囲変更部と、を備え、
前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された場合、前記付与部は、前記距離が前記第2範囲内にある場合にも前記結果を前記ユーザに付与する、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームには、ユーザの現在位置の情報(位置情報)を用いてプレイする種類のゲームが存在する。このようなゲームでは、ユーザが現実空間にて移動すると、これに連動してゲーム内でのユーザ位置が変化し、ゲーム内でのユーザ位置が所定の位置条件を満たす場合、例えば、ゲーム内に設定された所定エリア内にユーザ位置が入った場合、ゲーム内で当該ユーザに対して所定の結果が付与されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-115044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにユーザの位置情報を利用してプレイするゲームにおいて、例えば、ユーザが現実空間で移動し難い状況にあると、そのゲームを進め難くなる。特に、ユーザの現実空間での移動によってゲーム内の所定エリアにユーザ位置が入ることで所定の結果が付与されるゲームの場合、ユーザが移動し難い状況にあることで、上記の結果を得ることが困難となり、結果として、ゲームの進行が阻まれてしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、具体的には、ユーザの位置情報を利用するゲームのプレイ、特に、位置情報に基づくゲーム内での結果の取得をより容易にすることが可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ゲームをプレイするユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を、取得する情報取得部と、ゲーム空間の地図上に配置されたオブジェクトと、位置情報に応じて決まる地図上のユーザの位置との間の距離が第1範囲内にある場合に、ゲーム内でオブジェクトと対応する結果をユーザに付与する付与部と、ゲームにおいてユーザが所定条件を満たす場合に、オブジェクトの第1範囲を、第1範囲とは異なる第2範囲に変更する範囲変更部と、を備え、オブジェクトの第1範囲が第2範囲に変更された場合、付与部は、距離が第2範囲内にある場合にも結果をユーザに付与することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ユーザの位置情報を利用するゲームにおいて、位置情報に基づくゲーム内での結果の取得をより容易にすることで、当該ゲームのプレイを促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1ゲームのプレイ画面の一例を示す図である。
図2】第2ゲームのプレイ画面の一例を示す図である。
図3】地図上の1つのスポットのエリアが拡張した画面例を示す図である。
図4】地図上の2つのスポットのエリアの各々が拡張した画面例を示す図である。
図5】エリア拡張の要否についての問合せ画面の一例を示す。
図6】本発明の一つの実施形態に係る情報処理装置及びユーザ端末の構成を示す図である。
図7A】ユーザ情報の一例を示す図である。
図7B】第1ゲーム用情報の一例を示す図である。
図7C】効果付与スケジュール情報の一例を示す図である。
図7D】エリア情報の一例を示す図である。
図7E】第2ゲーム用情報の一例を示す図である。
図7F】対応効果情報の一例を示す図である。
図7G】選定クエスト情報の一例を示す図である。
図8】本発明の一つの実施形態に係る情報処理装置の機能についての説明図である。
図9】クエストの選択画面、及び効果の指定画面の例を示す図である。
図10】拡張後の広さのエリアを仮表示する例を示す図である。
図11】条件通知情報を通知する画面例を示す図である。
図12A】本発明の一つの実施形態に係る情報処理フローを示す図である(その1)。
図12B】本発明の一つの実施形態に係る情報処理フローを示す図である(その2)。
図12C】本発明の一つの実施形態に係る情報処理フローを示す図である(その3)。
図13】本発明の他の実施形態に係る情報処理装置の機能についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一つの実施形態(以下、本実施形態という)について、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
<<本実施形態においてプレイ可能なゲームについて>>
本発明は、ゲームのプレイに係る情報処理技術に関するものであり、詳しくは、ユーザが所持する端末(以下、ユーザ端末)を通じてプレイ可能なゲームに関するものである。本実施形態において、ゲームは、例えば、オンラインゲームであり、ユーザは、ゲームプレイ用のアカウントを取得し、そのアカウントでログインしてゲームをプレイすることができる。オンラインゲームには、ウェブブラウザを利用したブラウザゲーム、SNS(Social Networking Service)上で提供されるソーシャルゲーム等、モバイルゲーム等のように専用のアプリケーションソフトをダウンロードしてプレイ可能なゲーム、及びプレイバイウェブ(PBW)等の定期更新型オンラインゲーム等が含まれる。
【0011】
本実施形態においてプレイ可能なゲーム(以下、本ゲーム)は、ゲーム仕様が互いに異なる第1ゲームと第2ゲームを含む。本ゲームをプレイするユーザは、第1ゲーム及び第2ゲームのいずれかを選択してプレイすることができ、また、第1ゲーム及び第2ゲームのうちの一方をプレイしている途中でもう一方のゲームに切り替えて、切り替え後のゲームをプレイすることができる。
【0012】
第1ゲームは、所謂「位置ゲーム」であり、現実空間におけるユーザの現在位置を示す位置情報をGPS(Global Positioning System)等によって取得し、取得した位置情報を利用して進めるゲームである。位置ゲームとしての第1ゲームの大まかな内容は、既知の位置ゲームと共通している。具体的に説明すると、第1ゲームをプレイするユーザは、ユーザ端末に表示された第1ゲーム用の地図(以下、単に「地図」という)を見て、現実空間を移動する。
【0013】
地図は、第1ゲームのゲーム空間における所定範囲を表す画像であり、現実空間におけるユーザの現在位置を含む地域の地理的特徴(例えば、現存する建物や道路の配置位置等)を反映させたものである。地図は、例えば、現実空間においてユーザが居る地域を表す衛星写真若しくは航空写真、線画又はイラスト画像でもよく、あるいは、当該地域を簡略化して又は模式的に表す仮想的な画像やCG(Computer Graphics)画像でもよい。なお、地図は、俯瞰図のような2次元画像でもよく、あるいは3次元画像でもよい。3次元画像は、現実空間を模したVR(Virtual Reality)空間、又はメタバース等でもよい。
【0014】
また、図1に示すように、第1ゲームのプレイ中、地図上には、ユーザ位置を示す所定のアイコンIが表示される。ユーザ位置は、第1ゲームのゲーム空間におけるユーザの現在位置であり、現実空間におけるユーザの現在位置に応じて決められる。第1ゲームをプレイしているユーザが現実空間で移動すると、その移動に連動して、地図上におけるユーザ位置、すなわちアイコンIの表示位置が変化する。また、ユーザが現実空間にて移動し、その時点でユーザ端末に表示されている地図によって表された地域の境界位置(端位置)を越えると、ユーザ端末に表示される地図が更新され、具体的には、更新直前の地図に表れていた地域に隣接する地域の地図が表示されるようになる。
【0015】
また、図1に示すように、地図上には、1つ以上のスポットSが配置されている。地図上におけるスポットSの配置位置及び配置数は、予め決められている。スポットSの配置位置及び配置数の決め方については、特に限定されず、任意の決め方でもよい。また、各スポットSは、地図上において、現実空間においてユーザが進入できる場所と対応する位置に設定されている。以下では、図1に示すように、現時点でユーザ端末に表示されている地図に複数のスポットSが配置されている場面を例に挙げて説明することとする。
【0016】
スポットSは、スポットSの位置を表すオブジェクトSoと、オブジェクトSoを基準として設定されたエリアSaとによって構成される。地図には、図1に示すように、複数のスポットSが配置されており、各スポットSについて、オブジェクトSo及びエリアSaがスポットS毎(換言すると、オブジェクトSo毎)に表示されている。オブジェクトSoは、所定形状をなすマーク又は図形(図1ではピン)からなり、地図上において予め定められた場所に表示されている。エリアSaは、例えば、オブジェクトSoの配置位置を中心とする円状の範囲である。ただし、エリアSaの形状は、円に限定されず、楕円、三角形、四角形、これら以外の多角形、星形、又は不定形状でもよい。
【0017】
そして、本実施形態では、第1ゲームにおいてユーザ位置がスポットSのエリアSa内にある場合、そのユーザに対して、当該スポットSに応じた結果、つまり、ユーザ位置が含まれるエリアSaの基準に位置するオブジェクトSoと対応する結果が付与される。ここで、「結果」とは、ユーザが第2ゲームにて享受できるゲーム内での事象、イベント、サービス及び効果等であり、本実施形態では、例えば、第2ゲーム内で利用可能な効果(以下、ゲーム内効果)である。ゲーム内効果については、特に限定されないが、例えば、第2ゲームにて利用可能な価値(ゲーム内価値)やアイテムが得られる効果、第2ゲームを有利に進めるための効果、及び、第2ゲームにおいて特別なイベント(ゲーム内イベント)をプレイできる効果等が挙げられる。
【0018】
第2ゲームを有利に進めるための効果は、後述するクエストをより効率的に、又はより簡単にプレイするための効果でもよい。一例を挙げると、第2ゲームにおいてユーザと対応するキャラクタの能力を、プレイ対象のクエストの属性(例えば、クエスト中に出現する敵の特徴等)との相性がよくなるように一時的に変化させる効果、キャラクタの能力値(パラメータ)を一時的にアップさせる効果、あるいは、プレイ対象のクエストをプレイするのに有効なアイテム又は特殊スキル等が利用可能となる効果等でもよい。
【0019】
なお、第2ゲームにおいてユーザと対応するキャラクタ、すなわち、効果として能力を変化させる対象となるキャラクタには、第2ゲームにおいてユーザが操作するキャラクタ、ユーザが操作しないが所持しているキャラクタ、ユーザが他のユーザから借りて操作できるキャラクタ、及び、第2ゲームにおいて複数のキャラクタからなるデッキを編成する場合に当該デッキ内でサポート役(ユーザにより操作されないキャラクタ)として機能するキャラクタ等が含まれ得る。
【0020】
また、キャラクタの能力を一時的に変化させる効果、及び、キャラクタの能力値を一時的に変化させる効果に関して、「一時的」とは、ユーザが選択したクエストのプレイ期間中であってもよく、又は、当該クエストをクリアするまでの間であってもよい。
具体的に説明すると、例えば、後述するクエスト選択画面にてクエストを選択し、そのクエストと対応する効果が自動的にシステム側で設定された場合、その効果は、当該クエストをクリアするまでの間、あるいは、当該クエストにおいて所定のミッション(例えば、当該クエストのボス敵を倒すこと)を達成するまでの間、持続してもよい。なお、このケースは、ユーザが効果自体を選択するケースとは異なる。
また、詳細については後述するが、2つのスポットSのエリアSa同士が重畳し、それぞれのスポットと対応する効果がスポットS毎に付与される場合がある。この場合において、一方の効果が「所定期間中に開催されるイベントに参加して当該イベントをプレイできる効果」であり、もう一方の効果が「キャラクタの能力値を一時的に上昇させる効果」であるとき、当該イベントの開催期間中、キャラクタの能力値が上昇した状態を持続してもよい。
【0021】
第2ゲームにおいて特別なイベントをプレイできる効果は、例えば、第2ゲームをプレイしている間の任意のタイミングで当該イベントに参加することができる権限(参加券)が付与される効果でもよい。ここで、イベントには、上記の権限を有することを条件にプレイ可能なクエストが含まれ得る。
また、ユーザに付与された結果は、そのユーザのみならず、そのユーザとマルチプレイを行う他のユーザ、あるいは、そのユーザと所定の関係にある他のユーザ(例えば、フレンドユーザ)にも波及して、当該他のユーザが利用できるようにしてもよい。
【0022】
第2ゲームは、上述の位置情報を利用しないでプレイ可能なゲームである。第2ゲームのジャンルは、特に限定されるものではないが、以下では、第2ゲームが、ゲーム空間において操作キャラクタを操作して所定の目的(例えば、ゲーム空間内の敵を倒す等)を達成することを目指しながらプレイする内容のゲームであることとする。具体的に説明すると、第2ゲームでは、複数のクエストがプレイ可能であり、ユーザは、複数のクエストの中からプレイ対象のクエスト(以下、選定クエスト)を選定し、選定クエストのステージ又はフィールドにおいて操作キャラクタを操作することで、選定クエストをプレイする。
【0023】
クエストは、クリアを目的として設定されたゲーム内イベント(要素ゲーム)であり、クエスト毎に、ゲーム空間としてのステージ又はフィールドが設定されている。また、各クエストには属性が設定されている。クエストの属性は、クエストのステージ又はフィールドにおいて出現する敵や障害物等の特徴、クエストをプレイするための条件(例えば、クエストをプレイするために消費する価値の量等)、及び、クエストの難易度等である。一方、第2ゲームでは、ユーザの操作キャラクタにも属性が設定されている。操作キャラクタの属性とは、操作キャラクタの体力、移動速度等の能力値や性能、及びその他の特徴である。また、クエストの属性と操作キャラクタの属性との間には、相性が設定されており、操作キャラクタの属性との相性がよいクエストをプレイする場合、ユーザは、そのクエストをより効率的に、より容易にプレイすることができる。
【0024】
複数のクエストのうち、プレイ対象となる選定クエストは、ユーザの選択操作に基づいて選定されてもよく、第2ゲームの進行状況に応じて自動的に(ユーザによるクエストの選択操作によらずに)選定されてもよい。また、選定クエストを自動的に選定するケースとしては、例えば、後述する指定効果がユーザに付与された場合に、その指定効果と対応するクエストが選定クエストとして選択されてもよい。
【0025】
また、複数のクエストの中には、クリアすることを条件として拡張ポイントが獲得できる特定クエストが含まれる。拡張ポイントは、パラメータの一例に相当し、第1ゲームにおいて利用可能であり、具体的には、スポットSのエリアSaを拡張する目的で利用することができる。なお、特定クエストのクリアにより獲得できる拡張ポイントの数は、例えば、そのクエスト内で倒した敵に応じて決められる。
また、複数のクエストの中には、プレイ可能な期間が決められた期限付きのクエストがあり、期限付きのクエストは、予め設定された一定の期間に限り、プレイすることが可能である。
【0026】
なお、第2ゲームは、一人のユーザが単独でプレイ可能なゲームでもよく、あるいは、他のプレイヤと共同で同じクエストをプレイ可能な共同プレイ対応型のゲーム(所謂、マルチプレイゲーム)でもよい。また、第2ゲームは、無料でプレイ可能でもよく、プレイが有料、若しくは一部のクエストのプレイが有料であるゲームでもよい。
【0027】
上述した第1ゲーム及び第2ゲームは、相互に連携している。具体的に説明すると、第1ゲームをプレイするユーザに対して、ユーザ位置が地図上のスポットSのエリアSa内にあることで、当該スポットSと対応する効果が付与されたとする。この場合、効果が付与されたユーザは、第2ゲームのプレイ中(詳しくは、選定クエストのプレイ中)において上記の効果を利用することができる。
なお、本実施形態では、第1ゲームにおいてユーザ位置がスポットSのエリアSaにある期間に限り、第2ゲームにおいて当該スポットSと対応する効果が利用可能となり、その後にユーザ位置が変化してエリアSaから脱した場合には、上記の効果が利用不可になることとする。
【0028】
また、ユーザが第2ゲームにおいて所定条件を満たした場合、第1ゲームにおいて地図上のいずれかのスポットSのエリアSaが広がり、詳しくはエリアSaの半径が長くなる。ここで、「所定条件」は、ユーザが第2ゲームのプレイを通じて達成可能な条件であり、本実施形態では、第2ゲームにてクエストをプレイして取得可能なパラメータが、拡張対象のスポットSのオブジェクトSoに応じた数値に到達することである。
【0029】
具体的に説明すると、本実施形態では、ユーザが、第2ゲームにて特定クエストをクリアすることにより、上記のパラメータとしての拡張ポイントを獲得する。そして、ユーザの拡張ポイントの現在値(詳しくは、現時点でのポイント保有数)が所定値に到達した場合に、ユーザは、拡張ポイントを使用(消費)することで、地図上のスポットSのエリアSaを拡張することができる。本実施形態において、「所定値」は、エリア拡張に必要な拡張ポイントの値、すなわちエリア拡張に伴うポイント消費量であり、この値は、スポットS毎に決められており、換言すると、各スポットSのオブジェクトSoに応じた数値となっている。なお、ユーザの拡張ポイントの現在値が所定値に到達することは、拡張ポイントの現在値が所定値以上になることを意味する。
【0030】
本実施形態では、地図上に複数存在するスポットSのうち、指定された効果(以下、指定効果)と対応するスポットSのエリアSaを拡張することができる。指定効果と対応するスポットSは、当該スポットSのエリアSa内にユーザ位置がある場合に指定効果がユーザに付与されるスポットであり、以下では、指定スポットとも呼ぶこととする。図1、3、4に示すケースでは、後述する第1スポットS1及び第2スポットS2が、指定スポットに該当する。
なお、指定スポットに含まれるオブジェクトSoは、指定効果と対応するオブジェクトSoに相当し、指定スポットのエリアSaは、指定効果と対応するオブジェクトSoを基準として設定されるオブジェクトSoに相当する。
【0031】
また、本実施形態では、スポットSのエリアSaは、一度拡張されると、それ以降は拡張後の広さを維持する。ただし、これに限定されるものではなく、エリアSaが拡張されたスポットSについて、エリア拡張の時点から所定時間が経過した時点で、拡張前のエリアSaに戻ってもよい。
【0032】
また、本実施形態では、各スポットSのエリアSaを段階的に複数回拡張することができる。ここで、各スポットSの拡張可能な回数は、任意に設定してもよいが、以下では、2回であることとする。つまり、地図上の各スポットSのエリアSaは、拡張を繰り返すことで、拡張されていないエリアから、1回拡張されたエリア、及び2回拡張されたエリアに推移する。なお、以下の説明では、拡張されていないエリアを「レベル1(LV1)のエリア」と呼ぶこととし、1回拡張されたエリアを「レベル2(LV2)のエリア」と呼ぶこととし、2回拡張されたエリアを「レベル3(LV3)のエリア」と呼ぶこととする。
【0033】
各スポットSにおいて、エリアSaは、LV1のエリア、LV2のエリア、LV3のエリアの順で拡張され、具体的には、そのスポットSのオブジェクトSoを中心(基準)として同心円状に広がり、LV3のエリアになることで最大の広さとなる。
【0034】
また、エリア拡張の条件(所定条件)は、エリアのレベルに応じて変化する。具体的に説明すると、エリア拡張に必要な拡張ポイントの数(すなわち、ポイント消費量)が予め設定されており、本実施形態では、1回目の拡張、すなわちLV1からLV2への拡張に必要なポイント数に比べて、2回目の拡張、すなわちLV2からLV3への拡張に必要なポイント数がより大きくなる。ただし、これに限定されず、1回目の拡張に必要なポイント数と、2回目の拡張に必要なポイント数が同じでもよい。
なお、本実施形態では、各段階のエリア拡張に必要なポイント数がスポットS毎に決められているが、これに限定されず、エリア拡張に必要なポイント数がスポットS間で統一されてもよい。
【0035】
<<第1ゲームについて>>
次に、上述の第1ゲームについての詳細を説明することとする。
ユーザが第1ゲームをプレイする間、ユーザが操作するユーザ端末の画面には、地図のうち、現実空間におけるユーザの現在位置によって決まるゲーム内のユーザ位置に応じた領域が表示される。具体的には、地図のうち、地図上のユーザ位置を中心とし、予め設定されたサイズの矩形領域が表示される。
なお、以下では、ユーザが現実空間を移動せず、同じ位置にてゲームをプレイし続けるケース、すなわち、第1ゲームにおけるユーザ位置が変化しない場合を例に挙げて説明することとする。また、以下に例示するケースは、ユーザが終日ゲームをプレイする状況を想定して説明することとする。
【0036】
ユーザ端末の画面に表示された地図に複数のスポットSが配置されている場合、地図上のユーザ位置がいずれかのスポットSのエリアSa内にあると、そのユーザに対して、当該スポットSに応じた結果が付与され、具体的には、第2ゲームで利用可能な効果が付与される。地図上のユーザ位置がスポットSのエリアSa内にあるとは、地図上における当該スポットSのオブジェクトSoからユーザ位置までの距離が、当該スポットSのエリアSaの広さ(より詳しくは、エリアSaの半径)以下になることであり、換言すると、そのエリアSaの広さに相当する範囲内にあることである。
【0037】
ここで、地図上におけるオブジェクトSoからユーザ位置までの距離(以下、距離Dとも言う)は、例えば、オブジェクトSo及びユーザ位置が、それぞれ円の形状で表示される場合には、双方の円の中心間距離としてもよい。あるいは、ユーザ位置を示す円の外縁においてオブジェクトSoの中心に最も近い点と、オブジェクトSoの中心との間の距離を距離Dとしてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、地図上における複数のスポットSのそれぞれについて、スポットSのエリアSa内にユーザ位置があることでユーザに付与される効果が、現実空間での時間帯(詳しくは、日時)に応じて変化する。例えば、ある時間帯t1に、あるスポットSのエリアSa内にユーザ位置がある場合には、効果Aが得られる一方で、別の時間帯t2に同じスポットSのエリアSa内にユーザ位置がある場合には、効果Aとは異なる効果Bが得られる。
【0039】
また、本実施形態において、エリアSaの広さに相当する範囲(以下、エリア相当範囲)は、エリアSaが拡張されることで広がり、本実施形態では三段階に設定される。ここで、エリア拡張前の範囲は、本発明の「第1範囲」に該当し、エリア拡張後の範囲は、本発明の「第2範囲」に該当する。具体的に説明すると、LV1のエリアからLV2又はLV3のエリアに拡張する場合、LV1のエリアの広さに相当する範囲が第1範囲に相当し、LV2又はLV3のエリアの広さに相当する範囲が第2範囲に相当する。また、LV2のエリアからLV3のエリアに拡張する場合、LV2のエリアの広さに相当する範囲が第1範囲に相当し、LV3のエリアの広さに相当する範囲が第2範囲に相当する。
【0040】
第1範囲と第2範囲の関係について説明しておくと、本実施形態では、第2範囲は、第1範囲の全体を含み、且つ第1範囲よりも広い範囲として設定される。つまり、本実施形態において、第2範囲は、第1範囲の全体と重複するように第1範囲を拡張した範囲である。ただし、これに限定されず、第2範囲は、第1範囲の一部のみと重複するように第1範囲と拡張した範囲であってもよい。
【0041】
また、本実施形態では、複数のスポットSのエリアSaを、スポットS毎に個別に拡張することができる。より詳しく説明すると、本実施形態では、複数のスポットSのうち、指定効果と対応するスポットS(指定スポット)が特定され、指定スポットのエリアSaが拡張され得る。ここで、指定効果は、指定結果に相当し、第1ゲームにおいて付与可能な複数の効果の中からユーザによって指定された効果である。ただし、これに限定されず、指定効果は、例えば、ユーザが第2ゲームにてプレイする対象として選択したクエスト(選定クエスト)と対応する効果、より具体的には、選定クエストを有利にプレイするための効果でもよく、その場合、選定クエストに応じて自動的に決められてもよい。
なお、拡張対象のスポットは、上記の指定スポットに限定されず、指定スポット以外のスポット、詳しくはユーザによって選択されたスポット、あるいはシステム側で自動的に選択されたスポットでもよい。
【0042】
また、前述したように、本実施形態において各スポットSのエリアSaを拡張するためには、ユーザの拡張ポイントの現在値が、各スポットSのエリア拡張に必要なポイント数以上になるという条件を満たす必要がある。この条件を満たしたユーザに対しては、エリア拡張の要否が問い合わされる。具体的には、上記の条件を満たしたユーザが操作するユーザ端末に、図5に示す問合せ画面が表示される。ユーザは、問合せ画面を見て、そのスポットSのエリアSaについて拡張の要否を検討する。
なお、問合せ画面には、エリア拡張の対象とするスポットS(例えば、指定スポット)、並びに、現時点のエリアSa及び拡張後のエリアSaが合わせて表示されてもよい。
【0043】
問合せ画面の表示様式及び表示のタイミングについては、特に限定されないが、本実施形態では、ユーザが第2ゲームをプレイ中に上記の条件を満たした場合、第2ゲームのプレイ中の時点で問合せ画面が表示されてもよい。このとき、問合せ画面は、ポップアップ表示されてもよく、第2ゲームのプレイ画面の端領域にワイプ表示されてもよい。
また、ユーザが第2ゲームをプレイ中に上記の条件を満たした場合、第2ゲームが中断されて、プレイ対象のゲームが、第2ゲームから第1ゲームに切り替わり、第1ゲームへの切り替え直後に問合せ画面が表示されてもよい。この場合、第2ゲームを中断して第1ゲームに切り替えるに際し、第1ゲームへの切り替えの要否をユーザに問い合わせて、ユーザが第1ゲームへの切り替えを要求したときには、第1ゲームに切り替えて問合せ画面を表示するようにしてもよい。
また、本実施形態では、前述したように、各スポットSのエリアSa内にユーザ位置があることでユーザに付与される効果が時間帯に応じて変わる。この点を踏まえ、各スポットSで付与される効果が変わる直前のタイミング、すなわち、効果が変わるまでの残り時間が所定時間以下となった時点で、問合せ画面を表示してもよい。
【0044】
そして、ユーザは、エリア拡張の対象とするスポットSに対してエリア拡張を行う場合には、上記の問合せ画面を通じて、その旨を回答する。これにより、上記のスポットSのエリアSaが拡張する。これに伴い、ユーザが保有する拡張ポイントが消費され、つまり、ユーザの拡張ポイントの現在値が、エリア拡張に要する分だけ減算される。このときの拡張ポイントの消費量は、拡張後のエリアSaの広さに応じて決められる。換言すると、拡張後のエリアSaは、ユーザが消費した拡張ポイントに応じた広さを有し、LV2のエリアへの拡張に必要な数の拡張ポイントを消費した場合、LV2のエリアの広さを有し、LV3への拡張に必要な数の拡張ポイントを消費した場合、LV3のエリアの広さを有する。
【0045】
一方、ユーザが、指定スポットのエリアSaを拡張するのに必要な数の拡張ポイントを保有していない場合、すなわち、ユーザの拡張ポイントの現在値がエリア拡張に必要なポイント数に対して不足している場合には、ユーザに対して、プレイ候補のクエストが提示される。プレイ候補として選定されるクエストは、例えば、ユーザが不足分の拡張ポイントを獲得することが可能な特定クエストであり、その中でも、ユーザの属性との相性がよい特定クエストが好ましい。
【0046】
また、スポットSのエリアSaが拡張した場合、図4に示すように、2つ以上のスポットSのそれぞれのエリアSa同士が重複することがある。この場合、エリアSaの重複領域内にユーザ位置があれば、そのユーザに対して、2つ以上のスポットSのそれぞれと対応する効果がスポットS毎に付与される。例えば、第1スポットS1のエリアSaと、第2スポットS2のエリアSaとが重複している場合、その重複領域内にユーザ位置があれば、第1スポットS1と対応する効果、及び第2スポットS2と対応する効果の両方が、ユーザに対して付与される。
【0047】
<<本発明の一実施形態の情報処理装置及び周辺機器について>>
次に、本実施形態に係る情報処理装置、及びその周辺機器であるユーザ端末12について、図6を参照しながら説明する。なお、図6では、図示の便宜上、ユーザ端末12の台数が1台のみとなっているが、実際には、情報処理装置の機能を利用するユーザの人数に応じた台数のユーザ端末が存在する。
【0048】
本実施形態において、情報処理装置は、サーバコンピュータ(以下、サーバ10)によって構成され、サーバ10は、通信用ネットワークNを介してユーザ端末12と通信可能である。サーバ10及びユーザ端末12は、情報処理システム(通信システム)を構成し、ユーザは、このシステムを通じて、サーバ10が提供するサービスを利用することができる。つまり、ユーザ端末12が通信用ネットワークNを通じてサーバ10と通信することで、ユーザは、ゲームをプレイすることができる。通信用ネットワークNは、例えばインターネット又はモバイル通信ネットワークからなる通信回線網であり、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット及びイーサネット(登録商標)等を含んでもよい。
【0049】
ユーザがゲームをプレイしている間、サーバ10側では、ゲーム進行に関する一連の情報の工程(ただし、情報の入力及び表示を除く)が実行され、ユーザ端末12側では、サーバ10に引き渡す情報の入力、及びサーバ10から配信される情報の出力等が行われる。
【0050】
ユーザ端末12は、ユーザがゲームをプレイするために利用される端末(クライアント端末)であり、例えば、パソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、情報入力が可能なテレビ受像機、又はウェアラブル端末等によって構成される。ユーザ端末12には、ゲーム用のアプリケーションプログラム(以下、ゲームアプリ)がインストールされており、ユーザによる起動操作を契機としてゲームアプリが起動し、これにより、ゲームのプレイが開始される。ゲームをプレイする場合、ユーザは、第1ゲーム及び第2ゲームのうちのいずれか一方を選択してプレイし、また、プレイ途中に所定の切替え操作をユーザ端末12にて行うことで、プレイ対象のゲームを切り替えることができる。
【0051】
ユーザ端末12は、ゲームのプレイ中、ユーザにより操作され、その操作に応じたデータを生成し、生成されたデータをサーバ10に向けて送信する。また、ユーザ端末12は、情報表示用のディスプレイ(表示器に相当)を備える。ユーザ端末12は、ゲームのプレイ中、当該ゲームの表示画面であるゲーム画面をディスプレイに表示するとともに、サーバ10から随時送られてくる表示データを展開し、その表示データが示す映像及び文字情報等をゲーム画面中に表示させる。また、ユーザ端末12は、GPSの機能を搭載しており、ユーザが第1ゲームをプレイしている期間中には、現実空間におけるユーザ端末12の現在の所在位置(すなわち、ユーザの現在位置)を特定し、特定された位置を示す位置情報をサーバ10に向けて送信する。
【0052】
サーバ10は、ゲーム進行に必要なデータの生成及び送受信等を行うとともに、ゲーム進行に関する各種の情報処理を実行するコンピュータであり、例えば、SNSサーバ、若しくはクラウドサービス用のサーバコンピュータによって構成される。クラウドサービス用のサーバコンピュータには、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータ等が含まれる。また、サーバ10は、1台のコンピュータでもよく、並列分散された複数台のコンピュータでもよい。
【0053】
サーバ10は、ハードウェア機器として、図6に示すように、プロセッサ10A、メモリ10B、通信用インタフェース10C、及びストレージ10Dを有し、これらがバスを介して電気的に接続されている。
【0054】
プロセッサ10Aは、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるとよい。
メモリ10Bは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成されるとよい。
【0055】
通信用インタフェース10Cは、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。通信用インタフェース10Cによるデータ通信の規格については、特に限定されるものではなく、Wi-fi(登録商標)に基づく無線LANによる通信、3G~5G若しくはそれ以降の世代の移動通信システムによる通信、又はLTE(Long Term Evolution)に基づく通信等が挙げられる。
【0056】
ストレージ10Dは、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されるとよい。ストレージ10Dは、サーバ10内に内蔵されてもよく、外付け形式でサーバ本体に取り付けてもよいし、又はNAS(Network Attached Storage)等であってもよい。
【0057】
また、ストレージ10Dは、サーバ10と通信可能に接続された第三のコンピュータ、例えば、データベースサーバやオンラインストレージ等によって構成されてもよい。この場合、サーバ10は、ストレージ10Dを構成する第三のコンピュータとともに本発明の情報処理装置を構成することになる。さらにまた、価値に関する電子データを記録して管理する技術としては、不正なデータ改竄等を回避する目的からブロックチェーンのような分散型台帳技術を用いてもよい。
【0058】
ストレージ10Dには、ゲームの進行制御に関する各種の情報が記憶されて蓄積されている。ゲームの進行制御に関する情報には、ユーザ情報、第1ゲーム用情報、効果付与スケジュール情報、エリア情報、第2ゲーム用情報、対応効果情報、及び、選定クエスト情報等が含まれる。
【0059】
ユーザ情報は、ストレージ10Dにおいてユーザ毎に蓄積されており、例えば、図7Aに示すように、ユーザの氏名、アカウントID、ログイン用パスワード、及びその他の個人情報、ゲームのプレイ履歴、フレンド等のようにユーザと関連付けられたユーザの有無、並びに、ゲームにおける各種設定内容に関する情報等を含む。また、図7Aに示すように、ユーザ情報には、現実空間におけるユーザの現在位置、及び、ユーザが保有する拡張ポイントの現在値が含まれる。
【0060】
第1ゲーム用情報は、ユーザ間で共通の情報であり、第1ゲームをプレイするユーザ間で共用される。第1ゲーム用情報は、予め設定された情報としてストレージ10Dに記憶されており、例えば、図7Bに示すように、地図を描画するための地図情報、及び、地図上に設定された複数のスポットSのそれぞれの位置(厳密には、各スポットSのオブジェクトSoの配置位置)等を含む。また、第1ゲーム用情報には、各スポットSについて、各段階(レベル)におけるエリアSaの広さがスポットS毎に規定されている。さらに、第1ゲーム用情報には、各スポットSのエリアSaを拡張するのに必要な拡張ポイントの数、より詳しくは、LV2のエリアに拡張するためのポイント数、及びLV3のエリアに拡張するためのポイント数等が、スポットS毎に規定されている。
【0061】
効果付与スケジュール情報は、ユーザ間で共通の情報であり、第1ゲームをプレイするユーザ間で共用される。効果付与スケジュール情報は、予め設定された情報としてストレージ10Dに記憶されており、例えば、図7Cに示すように、地図上に設定された複数のスポットSのそれぞれについて、スポットSのエリアSa内にユーザ位置があることでユーザに付与される効果の種類を、その効果が付与可能な時間帯と関連付けて規定している。
【0062】
エリア情報は、ストレージ10Dにおいてユーザ毎に蓄積されており、例えば、図7Dに示すように、各スポットSのエリアSaの拡張の有無(具体的には、エリアSaの広さのレベル)、及び、エリアSa内におけるユーザ位置の存否等をユーザのアカウントIDと関連付けて規定している。
【0063】
第2ゲーム用情報は、ユーザ間で共通の情報であり、第2ゲームをプレイするユーザ間で共用される。第2ゲーム用情報は、予め設定された情報としてストレージ10Dに記憶されており、例えば、図7Eに示すように、第2ゲームでプレイ可能な複数のクエストのそれぞれの情報、具体的には、各クエストに対して設定されたフィールド、各クエスト内で出現する敵や障害物等の特徴、各クエストのプレイ可能な期間、及び各クエストの属性等を含む。また、図7Eに示すように、第2ゲーム用情報には、複数のクエストに含まれる特定クエストについて、当該特定クエストをクリアすることで獲得可能な拡張ポイントのポイント数、より具体的には、クリア時に獲得可能な拡張ポイントのポイント数を決める条件値等が規定されている。
【0064】
対応効果情報は、ユーザ間で共通の情報であり、第2ゲームをプレイするユーザ間で共用され、図7Fに示すように、複数のクエストのそれぞれについて、クエストと対応する効果、より詳しくは、クエストのプレイに有利な効果をクエスト毎に規定している。対応効果情報は、予め設定された情報としてストレージ10Dに記憶されるが、例えば、各クエストの総プレイ回数が一定数増えた場合に、あるいは任意のタイミングで適宜更新されても(見直しされても)よい。
【0065】
選定クエスト情報は、ストレージ10Dにおいてユーザ毎に蓄積されており、例えば、図7Gに示すように、第2ゲームにおいて各ユーザがプレイしているクエスト、より詳しくは選定クエストをユーザのアカウントIDと関連付けて規定している。選定クエスト情報は、各ユーザのプレイ状況に応じて随時更新される。例えば、あるクエストのプレイが終了して、別のクエストのプレイが新たに開始された場合には、選定クエスト情報が、新たに開始されたクエストの情報に上書きされる。
【0066】
サーバ10の構成の説明に戻ると、サーバ10には、オペレーティングシステム(OS)用のプログラム、及び、ゲーム進行用の情報処理プログラムがインストールされている。これらのプログラムは、本発明の「プログラム」に相当し、コンピュータであるサーバ10を制御するプログラムである。つまり、上記のプロセッサ10Aによって実行されることにより、サーバ10が本発明の情報処理装置としての機能を発揮する。
【0067】
なお、上述したゲーム進行用のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(メディア)から読み込むことで取得できてもよく、あるいは、インターネット又はイントラネット等のネットワークを介して取得(ダウンロード)できてもよい。
【0068】
<<本発明の一つの実施形態に係る情報処理装置の機能について>>
次に、図8を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置の機能について説明する。本実施形態に係る情報処理装置は、前述したように、サーバ10によって構成され、サーバ10は、情報処理装置として図8に示す機能を有し、具体的には、情報取得部21、操作受付部22、ゲーム進行部23、付与部24、範囲変更部25、問合せ部26、表示制御部27、条件通知部28、特定部29、及び報知部30を有する。これらの機能部は、サーバ10を構成する各種のハードウェア機器と、サーバ10にインストールされたプログラムとが協働することで実現される。以下、各機能部について、それぞれ詳しく説明する。
【0069】
(情報取得部)
情報取得部21は、ゲームをプレイするユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を取得する。具体的には、ユーザがゲーム(詳しくは、第1ゲーム)をプレイしている間、そのユーザが操作するユーザ端末12のGPS機能により、ユーザの現実空間における現在位置が定期的に特定される。そして、ユーザ端末12は、特定されたユーザの現在位置を示す位置情報を、定期的にサーバ10に向けて送信する。情報取得部21は、ユーザ端末12から送られてくる位置情報を、通信用ネットワークN経由で受信し、この位置情報を取得する。
位置情報は、ユーザが第1ゲームをプレイしている間、定期的にユーザ端末12から送信されてくるため、情報取得部21は、それに合わせて、ユーザ端末12から送信されてくる位置情報を随時受信する。
【0070】
(操作受付部)
操作受付部22は、ユーザがゲームをプレイしている期間中、ユーザの操作を受け付ける。具体的には、ゲームをプレイ中のユーザがユーザ端末12を操作すると、その操作内容を示すデータがユーザ端末12により生成され、ユーザ端末12からサーバ10に向けて送信される。操作受付部22は、ユーザ操作の内容を示すデータを、通信用ネットワークN経由で受信し、これにより、ユーザ操作を受け付ける。操作受付部22が受け付けるユーザ操作には、ゲームプレイ中におけるユーザの選択、指定、指示、要求、命令、許可又は拒否、登録及びその他の入力操作等が含まれる。本実施形態では、特に、操作受付部22が、ユーザ操作として、クエスト選択操作、及び効果指定操作を受け付ける。
【0071】
具体的に説明すると、ユーザが第2ゲームをプレイするに際して、図9の左図に示すクエスト選択画面がユーザ端末12に表示され、ユーザは、同画面に表示された複数のクエストの中からプレイ対象のクエストを一つ決め、ユーザ端末12を操作して、当該クエストを選択する。そして、ユーザが選択したクエストを示すデータがユーザ端末12から送られ、操作受付部22は、上記のデータを受信してクエスト選択操作を受け付ける。クエスト選択操作の受け付けにより、ユーザがプレイする対象のクエスト、すなわち選定クエストが決まる。
【0072】
その後、ユーザ端末12に表示される画面が、図9の右図に示す効果指定画面に切り替わり、ユーザは、画面に表示された複数の効果の中から、希望する効果を決め、ユーザ端末12を操作して、当該効果を指定する。そして、ユーザが指定した効果を示すデータがユーザ端末12から送られ、操作受付部22は、上記のデータを受信して、効果指定操作を受け付ける。効果指定操作の受け付けにより、ユーザが指定する効果、すなわち指定効果が決まり、これに連動して、第1ゲームにおいて指定スポットが決まる。
なお、効果指定画面には、図9の右図に示すように、選定クエストと対応する推奨効果(図中の「おすすめ効果」)が表示されてもよい。推奨効果は、例えば、選定クエストを有利にプレイすることができる効果であり、ユーザは、効果指定画面にて、推奨効果を確認した上で、効果を指定することができる。また、効果指定画面を通じて指定できる効果の数は、特に限定されないが、本実施形態では、2つ以上の効果を指定することができることとする。
【0073】
(ゲーム進行部)
ゲーム進行部23は、ユーザがゲームをプレイしている間、ユーザから受け付けた操作に応じてゲームを進行させる。具体的に説明すると、ユーザが第1ゲームをプレイしている場合、ゲーム進行部23は、情報取得部21が取得した位置情報に基づいて、第1ゲームを進行させる。より詳しくは、ゲーム進行部23は、第1ゲームの地図上において、位置情報に基づくユーザ位置を設定し、現実空間においてユーザが移動して位置情報が変化すると、それに連動する形で、地図上でのユーザ位置を変更(更新)する。
【0074】
また、ユーザが第2ゲームをプレイしている場合、厳密には、第2ゲームにて選定クエストをプレイしている場合、ゲーム進行部23は、操作受付部22が受け付けたユーザ操作に基づいて、第2ゲーム(選定クエスト)を進行させる。より詳しくは、ゲーム進行部23は、操作受付部22が受け付けたユーザ操作に応じて、選定クエストのフィールド上においてユーザの操作キャラクタを移動させ、操作キャラクタを動作させる。このとき、ゲーム進行部23は、フィールド上に存在する敵を操作キャラクタに攻撃させる処理、あるいは、敵や障害物等によって操作キャラクタがダメージを受けた際に操作キャラクタの状態(詳しくは、体力等)を変化させる処理を実行する。
【0075】
また、ユーザが第2ゲームにおいて特定クエストをプレイしてクリアした場合、ゲーム進行部23は、そのユーザに対して、当該特定クエストでのプレイ内容に応じた拡張ポイントを付与する。より詳しく説明すると、ゲーム進行部23は、ストレージ10Dに記憶されたユーザ情報のうち、特定クエストをクリアしたユーザの情報を読み出し、読み出したユーザ情報に含まれる拡張ポイントの現在値に、付与した拡張ポイントの数値を加算する処理を実行する。
【0076】
(付与部)
付与部24は、第1ゲームのプレイ中、あるスポットSのエリアSa内にユーザ位置がある場合、第2ゲームにて利用可能な効果のうち、当該スポットSのオブジェクトSoと対応する効果を、ユーザに付与する。つまり、第1ゲームの地図上において、あるスポットSのオブジェクトSoとユーザ位置との間の距離Dが、当該オブジェクトSoの第1範囲内にある場合、付与部24は、ゲーム内で当該オブジェクトSoと対応する効果を、ユーザに対して付与する。ここで、オブジェクトSoと対応する効果は、そのオブジェクトSoを有するスポットSと対応する効果と同義である。また、オブジェクトSoの第1範囲は、そのオブジェクトSoを有するスポットSのエリアSaの広さに相当する範囲であり、詳しくは、当該エリアSaが拡張される前の時点での第1範囲である。
【0077】
また、あるスポットSのエリアSaが拡張した場合、拡張後のエリアSa内にユーザ位置があるときにも、付与部24は、そのスポットSのオブジェクトSoと対応する効果を、ユーザに付与する。つまり、あるスポットSのオブジェクトSoの第1範囲が第2範囲に拡張された場合、付与部24は、上記の距離Dが第2範囲内にある場合にも、当該オブジェクトSoと対応する効果をユーザに対して付与する。
【0078】
上記の内容について具体例を挙げて説明すると、ユーザにより指定された効果、すなわち指定効果と対応する指定スポットのエリアSaがLV1である場合、LV1のエリアSa内にユーザ位置があれば、付与部24は、ユーザに対して指定効果を付与する。ここで、LV1のエリアSa内にユーザ位置があるということは、距離DがLV1のエリアSaの広さに相当する範囲、すなわち第1範囲内にあることである。
そして、指定スポットのエリアSaがLV1からLV2に拡張されると、LV2のエリアSa内にユーザ位置がある場合にも、付与部24は、ユーザに対して指定効果を付与する。ここで、LV2のエリアSa内にユーザ位置があるということは、距離DがLV2のエリアSaの広さに相当する範囲、すなわち第2範囲内にあることである。
【0079】
また、2つ以上のスポットSのエリアSaが重複しており、その重複領域内にユーザ位置がある場合(図4参照)、付与部24は、それぞれのスポットSのオブジェクトSoと対応する効果を、スポットS毎(換言すると、オブジェクトSo毎)にユーザに対して付与する。
具体例を挙げて説明すると、例えば、ユーザが指定効果として第1効果及び第2効果を指定したとする。ここで、第1効果は、第1結果に相当し、第2効果は、第2結果に相当する。また、第1効果と対応する指定スポットである第1スポットS1と、第2効果と対応する指定スポットである第2スポットS2とは、地図上において互いに離れたスポットSである。換言すると、第1スポットS1のオブジェクトSo(第1オブジェクト)と、第2スポットS2のオブジェクトSo(第2オブジェクト)とは、地図上において互いに異なる位置に配置されている。そして、第1スポットS1のエリアSaと、第2スポットS2のエリアSaとが部分的に重複しており、その重複領域内にユーザ位置がある場合、付与部24は、ユーザに対して第1効果及び第2効果の双方を付与する。
【0080】
また、本実施形態では、地図上の各スポットSのエリアSa内にユーザ位置がある場合に付与される効果が、時間帯に応じて異なる。換言すると、それぞれのオブジェクトSoの第1範囲又は第2範囲に上記の距離Dがある場合に付与部24により付与される効果が、時間帯に応じて変化する。具体的に説明すると、付与部24は、ユーザに付与する効果を決定するにあたり、ストレージ10Dに記憶された効果付与スケジュール情報を参照し、エリアSa内にユーザ位置があるスポットS、及び現在の時間帯に基づいて、ユーザに付与する効果を決定する。
【0081】
(範囲変更部)
範囲変更部25は、第2ゲームのプレイ中にユーザがエリア拡張の条件を満たす場合に、拡張対象のスポットSのエリアSaを拡張し、換言すると、当該スポットSのオブジェクトSoの第1範囲を、第1範囲を拡張した第2範囲に変更する。本実施形態では、ユーザの拡張ポイントの現在値が、指定スポットのエリア拡張に必要なポイント数に達した場合、範囲変更部25が、指定スポットのエリアを拡張し、すなわち、指定スポットのオブジェクトSoの第1範囲を第2範囲に変更する。
【0082】
また、本実施形態において、範囲変更部25は、第2ゲームのプレイ中にユーザが満たしたエリア拡張の条件の内容に応じて、拡張後のエリアSaの広さ(換言すると、第2範囲)を変える。具体的には、ユーザの拡張ポイントの現在値が、どのレベルのエリア拡張に必要なポイント数に達しているかに応じて、拡張可能なエリアSaの広さが決まる。例えば、指定スポットのエリアSaをLV2に変更するのに必要なポイント数が300ポイントであり、LV3に変更するのに必要なポイント数が500ポイントであるケースにおいて、ユーザの拡張ポイントの現在値が500ポイント以上である場合、範囲変更部25は、指定スポットのエリアSaをLV3まで拡張することが可能である。
なお、上記の場合において、指定スポットのエリアSaをどのレベルまで拡張させるかは、ユーザの指示に応じて決めてもよい。例えば、上記のケースにおいて、ユーザの拡張ポイントの現在値が500ポイント以上であり、LV3までエリアの拡張が可能であったとしても、ユーザがLV2への拡張を指示した場合には、範囲変更部25は、指定スポットのエリアSaをLV2に拡張することとし、LV3までは拡張させない。
【0083】
なお、範囲変更部25が指定スポットのエリアSaを拡張(変更)した場合、それに伴って、ユーザが保有する拡張ポイントが消費される。つまり、ユーザの拡張ポイントの現在値から、エリア拡張に要した分のポイント数を減算する処理が実行され、詳しくは、ストレージ10Dに記憶されたユーザ情報のうち、拡張ポイントの現在値に関する情報が、減算後のポイント数に上書きされる。
【0084】
(問合せ部)
問合せ部26は、第2ゲームのプレイ中にエリア拡張の条件を満たしたユーザに対して、指定スポットについてエリア拡張の要否、すなわち、指定スポットのオブジェクトSoの第1範囲を第2範囲に変更するかを問い合わせる。
具体的に説明すると、ユーザが第2ゲームにおいて特定クエストをプレイした結果、ユーザの拡張ポイントの現在値が、指定スポットのエリア拡張に必要なポイント数に達したとする。この場合、問合せ部26は、ユーザの第2ゲームのプレイ中に、ユーザに対して、指定スポットのエリア拡張の要否を問い合わせ、詳しくは、図5の問合せ画面をユーザ端末12に表示させる。そして、ユーザが問合せ部26からの問合せに対してエリア拡張を行うと回答した場合、範囲変更部25が、その回答内容に応じて、指定スポットのエリアSaを拡張し、すなわち、指定スポットのオブジェクトSoの第1範囲を第2範囲に変更する。
【0085】
問合せ部26による問合せの様式及びタイミングについては、特に限定されず、例えば、ユーザが第2ゲームのプレイ中にエリア拡張の条件を満たした場合、問合せ部26は、ユーザの第2ゲームのプレイを中断可能とし、第2ゲームのプレイを中断する場合に、ユーザに対してエリア拡張の要否を問い合わせてもよい。具体的に説明すると、ユーザが第2ゲームのプレイ中にエリア拡張の条件を満たした時点で、問合せ部26は、その事をユーザに通知し、例えば、第2ゲームのプレイ画面内に通知メッセージを表示させる。この通知に対してユーザが応答し、ユーザ端末12にて所定の操作(例えば、画面を所定箇所をタッチする操作)を行った場合に、問合せ部26が、第2ゲームのプレイを中断して第1ゲームのプレイを開始させるとともに、図5の問合せ画面をユーザ端末12に表示させるとよい。
【0086】
(表示制御部)
表示制御部27は、ゲームのプレイ中、ユーザのプレイ状況に応じた画面(プレイ画面)を、ユーザ端末12のディスプレイに表示させる。具体的に説明すると、第1ゲームのプレイ中、表示制御部27は、複数のスポットS、つまり、それぞれがオブジェクトSoを基準として設定された複数のエリアSaが示された地図をユーザ端末12に表示させる。また、第2ゲーム、特にクエストのプレイ中、表示制御部27は、操作キャラクタ及び敵等が示されたクエストのフィールドをユーザ端末12に表示させる(図2参照)。
【0087】
また、本実施形態において、表示制御部27は、地図をユーザ端末12に表示させる際に、ユーザによるゲームのプレイ状況に応じて表示内容を変更する。具体的に説明すると、表示制御部27は、スポットSのエリアSaが拡張する前、すなわち、当該スポットSのオブジェクトSoの第1範囲が第2範囲に変更される前には、図1に示すように、第1範囲に応じた広さのエリアSa(つまり、拡張前のエリアSa)を表示させる。一方、表示制御部27は、スポットSのエリアSaが拡張した後、すなわち、当該スポットSのオブジェクトSoの第1範囲が第2範囲に変更された後には、図3及び4に示すように、第2範囲に応じた広さのエリアSa(つまり、拡張後のエリアSa)を表示させる。
【0088】
より具体的に説明すると、指定スポットのエリアSaが拡張していない場合、すなわち、指定効果と対応するオブジェクトSoの第1範囲が第2範囲に変更されていない場合、表示制御部27は、指定効果と対応するオブジェクトSoを基準として、第1範囲に応じた広さ(拡張前の広さ)のエリアSaを表示させる。このとき、表示制御部27は、図10に示すように、指定効果と対応するオブジェクトSoを基準として、第2範囲に応じた広さ(拡張後の広さ)のエリアSaを併せて表示し、厳密には仮表示してもよい。ここで、指定スポットのオブジェクトSoは、地図上に配置された複数のオブジェクトSoの中から選択された選択オブジェクトに相当する。
【0089】
なお、拡張後の広さのエリアSaを仮表示するとは、指定スポットのエリアSaが仮に拡張した場合の拡張後の広さをユーザに知らせる目的で、一時的又は限定的に、拡張後のエリアSaを表示させることである。拡張後の広さのエリアSaを仮表示する場合には、実際に当該エリアSaが拡張した場合の表示態様とは異なる表示態様(例えば、エリアSaの表示色やエリアSaの点滅の有無等)にて仮表示するとよい。
【0090】
一方、指定スポットのエリアSaが拡張した場合、すなわち、指定効果と対応するオブジェクトSoの第1範囲が第2範囲に変更された場合、表示制御部27は、地図上の指定スポットにおいて、指定効果と対応するオブジェクトSoを基準として、第2範囲に応じた広さ(拡張後の広さ)のエリアSaを表示させる。
【0091】
また、本実施形態において、表示制御部27は、ユーザが第2ゲームにてプレイする対象として選定された選定クエストについて、ストレージ10Dに記憶された対応効果情報に基づき、当該選定クエストと関連付けられた推奨効果(おすすめ効果)を特定する。そして、表示制御部27は、ユーザが第1ゲームをプレイする際に地図をユーザ端末12に表示するが、このとき、地図上における複数のオブジェクトSoのうち、上記の推奨効果と対応するオブジェクトSo(以下、対象オブジェクト)を、他のオブジェクトSoと識別可能に表示してもよい。
【0092】
対象オブジェクトを他のオブジェクトSoと識別可能に表示する態様については、特に限定されないが、例えば、対象オブジェクトの表示色を他のオブジェクトSoの表示色とは異ならせてもよく、あるいは、対象オブジェクトが他のオブジェクトSoよりも目立つように強調表示(具体的には、発光又は点滅させる等)してもよい。また、対象オブジェクトを他のオブジェクトSoと識別可能に表示する別の態様として、対象オブジェクトについては、当該オブジェクトと対応する効果やエリア拡張の条件等に関する詳細情報が表示可能であり、その旨を地図上に表示する一方で、他のオブジェクトSoについては、上記の詳細情報の表示に対応しておらず、その旨を地図上に表示してもよい。
【0093】
また、選定クエストが一定時期に限りプレイ可能な期限付きのクエストである場合には、表示制御部27は、選定クエストがプレイ可能な期間において、対象オブジェクト(すなわち、選定クエストと関連付けられた推奨効果と対応するオブジェクトSo)を、他のオブジェクトSoと識別可能に表示するとよい。このケースにおいて、対象オブジェクトのスポットSについてユーザがエリア拡張の条件を満たした場合、表示制御部27は、その時点で、対象オブジェクトを他のオブジェクトSoと識別可能に表示することを終了してもよい。
【0094】
(条件通知部)
条件通知部28は、図11に示すように、指定スポットのエリアSaを拡張するための条件に関する情報(以下、条件通知情報)を、ユーザに通知する。ここで、指定スポットは、付与部24が付与可能な効果(結果)の中から指定された指定効果(指定結果)と対応するオブジェクトSoを有するスポットSに相当する。また、指定スポットのエリアSaを拡張するための条件は、指定スポットが有するオブジェクトSoの第1範囲を第2範囲に変更するための所定条件に相当する。
条件通知情報としては、例えば、指定スポットのエリアSa内にユーザ位置が入る広さになるまで当該エリアSaを拡張するのに必要な拡張ポイントの数、及び/又は、そのポイント数を獲得するためにプレイすべきクエスト(詳しくは、特定クエスト)等であるとよい。
【0095】
また、指定効果として、第1効果及び第2効果が指定された場合、第1効果と対応する指定スポットである第1スポットS1と、第2効果と対応する指定スポットである第2スポットS2とが、地図上に設定される。換言すると、第1スポットS1のオブジェクトSo(第1オブジェクト)と、第2スポットS2のオブジェクトSo(第2オブジェクト)とが、地図上において互いに異なる位置に配置される。この場合、条件通知部28は、第1スポットS1及び第2スポットS2のうち、エリアSa内にユーザ位置がない少なくとも一方のスポットS(以下、未到達スポット)を特定する。ここで、少なくとも一つの未到達スポットを特定することは、第1オブジェクト及び第2オブジェクトのうち、距離Dが第1範囲内にない少なくとも一方のオブジェクトSoを特定することに相当する。
【0096】
そして、少なくとも一つの未到達スポットが特定された場合、条件通知部28は、特定された少なくとも一つの未到達スポットのエリアSaの広さが所定の変更要件を満たすような条件通知情報をユーザに通知する。この際に通知される条件通知情報は、第1オブジェクト及び第2オブジェクトのうち、距離Dが第1範囲内にない少なくとも一方のオブジェクトの第1範囲を、変更要件を満たす大きさの第2範囲に変更するためのエリア拡張の条件に関する情報に相当する。
変更要件とは、未到達スポットのエリアSaの広さ(換言すると、未到達スポットが有するオブジェクトSoの第1範囲)に対して設定される要件であり、具体的には、未到達スポットのエリアSaが拡張した後に(つまり、少なくとも一方のオブジェクトSoの第1範囲が第2範囲に変更された後に)、第1スポットS1のエリアSaの一部と、第2スポットS2のエリアSaの一部とが重複することである。
【0097】
また、少なくとも一つの未到達スポットのエリアSaの広さが上記の変更要件を満たす条件通知情報をユーザに通知する場合、条件通知部28は、第1効果及び第2効果の両方が付与可能な時間帯において、上記の条件通知情報を通知するのがよい。
【0098】
(特定部)
特定部29は、指定スポットのエリアSaが拡張する前の段階において、拡張後の当該エリアSaの広さとして、拡張後のエリアSa内にユーザ位置がある場合の広さを特定する。特定部29により特定されるエリアSaの広さは、指定効果と対応するオブジェクトSoの第1範囲から変更される第2範囲内に距離Dがある場合の、当該第2範囲の大きさに相当する。
【0099】
そして、拡張後のエリアSaの広さが特定部29によって特定された場合、条件通知部28は、指定スポットのエリアSaを、特定部29により特定された広さに拡張するためのエリア拡張の条件に関する情報(条件通知情報)を、ユーザに通知する。この場合に通知される条件通知情報は、指定効果と対応するオブジェクトSoの第1範囲を、特定部29により特定されたエリアSaの広さに相当する大きさの第2範囲に変更するためのエリア拡張条件に関する情報に該当する。
【0100】
また、第1効果及び第2効果の双方が指定効果として指定された場合、特定部29は、第1効果と対応する指定スポットである第1スポットS1、及び、第2効果と対応する指定スポットである第2スポットS2のそれぞれについて、上述した拡張後のエリアSaの広さを特定してもよい。ここで、拡張後のエリアSaの広さとは、前述したように、拡張後のエリアSa内にユーザ位置がある場合の広さであり、換言すると、指定効果と対応するオブジェクトSoの第1範囲から変更される第2範囲内に距離Dがある場合の、当該第2範囲の大きさに相当する。
そして、条件通知部28は、第1スポットS1及び第2スポットS2のそれぞれのエリアSaを、特定部29により特定された広さに拡張するためのエリア拡張条件に関する情報(条件通知情報)を、ユーザに通知するとよい。この場合に通知される条件通知情報は、第1効果と対応する第1オブジェクトの第1範囲、及び、第2結果と対応する第2オブジェクトの第1範囲を、それぞれ、特定部29により特定されたエリアSaの広さに相当する大きさの第2範囲に変更するためのエリア拡張条件(所定条件)に関する情報に該当する。
【0101】
<<本発明の一つの実施形態に係る情報処理方法について>>
次に、本実施形態に関する情報処理フロー、具体的には第1ゲーム及び第2ゲームの進行に関する情報処理フローについて説明する。本実施形態に係る情報処理フローは、本発明の情報処理方法を採用しており、図12A~12Cに示す流れに従って進行する。換言すると、情報処理フロー中の各ステップ(具体的には、図12A~12Cに示す各ステップ)は、本発明の情報処理方法の構成要素に該当する。なお、以下に説明する情報処理フローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、ステップの実施順序を入れ替えてもよい。
【0102】
情報処理フローでは、情報処理装置をなすサーバ10のプロセッサ10Aと、ユーザがゲームのプレイ中に操作するユーザ端末12側のプロセッサ(不図示)とが、それぞれ、対応する処理を実行し、また、サーバ10とユーザ端末12との間でデータ通信が行われる。
【0103】
具体的に説明すると、情報処理フローは、ユーザがゲームのプレイを開始するところから始まる(S001)。サーバ10のプロセッサ10Aは、第1ゲーム及び第2ゲームのうち、ユーザがどちらのゲームをプレイするかを特定し(S002)、ユーザが第1ゲームをプレイする場合には、第1ゲーム用の処理を実行する(S003)。他方、ユーザが第2ゲームをプレイする場合には、第2ゲーム用の処理を実行する(S004)。そして、プロセッサ10Aは、ユーザがゲームを終了するまで、各ゲーム用の処理を繰り返し実行する(S005)。
以下、第1ゲーム用の処理、及び第2ゲーム用の処理のそれぞれについて、説明することとする。
【0104】
(第1ゲーム用の処理)
第1ゲーム用の処理は、第1ゲームを進行させるための一連の情報処理である。第1ゲーム用の処理では、サーバ10のプロセッサ10Aが、複数のスポットSが設定された地図をユーザ端末12のディスプレイに表示させるために、地図の表示データを生成してユーザ端末12に向けて送信する(S011)。この表示データを受信したユーザ端末12では、表示データに基づいて地図が表示される(S012)。
【0105】
また、ユーザ端末12は、現実空間におけるユーザ端末12の現在位置、すなわちユーザの現在位置をGPS機能等によって特定し、特定されたユーザの現在位置を示す位置情報をサーバ10に向けて送信する(S013)。プロセッサ10Aは、ユーザ端末12から送られてくる位置情報を受信することで、当該位置情報を取得する(S014)。そして、位置情報が取得されると、これに伴って、当該位置情報が示すユーザの現在位置に応じたユーザ位置が、第1ゲームのゲーム空間(すなわち、地図によって表される空間)において決められる。
【0106】
その後、プロセッサ10Aは、指定スポットのエリアSa内にユーザ位置があるかを判定する(S015)。ステップS015について詳しく説明すると、指定スポットのエリアSaが拡張前の状態にあれば、本ステップS015では、拡張前の指定スポットのエリアSa内にユーザ位置があるかを判定し、換言すると、指定スポットのオブジェクトSoの第1範囲内に、地図上における当該オブジェクトSoとユーザ位置との間の距離Dがあるかどうかを判定する。他方、指定スポットのエリアSaが既に拡張されていれば、本ステップS015では、拡張後の指定スポットのエリアSa内にユーザ位置があるかを判定し、換言すると、指定スポットのオブジェクトSoの第2範囲内に上記の距離Dがあるかどうかを判定する。
【0107】
そして、ステップS015において、指定スポットのエリアSa内にユーザ位置がある場合には、プロセッサ10Aは、指定効果をユーザに対して付与する(S016)。指定スポットのエリアSa内にユーザ位置がない場合、ステップS016が省略され、ステップS017に移行する。
なお、指定効果は、第1ゲームのプレイ開始に際して、予め決められており、例えば、第1ゲームのプレイを開始するにあたり、ユーザによって指定効果が指定されてもよい。
【0108】
第1ゲームのプレイ中、ユーザが指定スポットのエリアSaを拡張させるための操作を行った場合(S017)、その操作内容を示すデータがユーザ端末12からサーバ10に向けて送信される。サーバ10のプロセッサ10Aは、上記の操作データを受信すると、その操作データに基づいて、指定スポットのエリアSaを拡張させる(S018)。また、プロセッサ10Aは、エリア拡張に伴い、ユーザ端末12に表示された地図上に、拡張後の広さを有する指定スポットのエリアSaを表示させる。
他方、ユーザによるエリア拡張操作が行われない場合、ステップS018が省略される。
なお、エリア拡張操作を行う前提として、ユーザは、第2ゲームにおいて、エリア拡張の条件を満たしていることとし、具体的には、ユーザの拡張ポイントの現在値が、指定スポットのエリアSaを拡張させるのに必要なポイント数に達していることとする。
【0109】
以上までの流れに従って、第1ゲーム用の処理が実施される。
なお、図12Bには図示しないが、第1ゲーム用の処理では、サーバ10が備える上述の機能(具体的には、表示制御部27、条件通知部28及び特定部29)に基づくステップが、さらに実施されてもよい。例えば、指定スポットのエリアSaが拡張していない段階で、指定スポットのオブジェクトSoを基準として、拡張後の広さのエリアSaを仮表示してもよい。
また、地図上における複数のオブジェクトSoのうち、選定クエストと関連付けられた推奨効果と対応するオブジェクトSo(対象オブジェクト)を、他のオブジェクトSoとは識別可能に表示してもよい。
また、指定スポットのエリアSaを拡張するための条件に関する情報、すなわち条件通知情報をユーザに通知してもよい。
また、第1効果及び第2効果が指定効果として指定された場合、第1効果と対応する第1スポットS1、及び第2効果と対応する第2スポットS2のうち、エリアSa内にユーザ位置がない未到達スポットを特定してもよい。さらに、未到達スポットのエリアSaの広さが変更要件を満たすようなエリア拡張の条件、つまり、未到達スポットのエリアSaが拡張したときに第1スポットS1のエリアSaの一部と第2スポットS2のエリアSaの一部とが重複するような条件に関する情報(条件通知情報)をユーザに通知してもよい。
【0110】
(第2ゲーム用の処理)
第2ゲーム用の処理は、第2ゲームを進行させるための一連の情報処理である。第2ゲーム用の処理では、先ず、ユーザが、複数のクエストの中からプレイ対象のクエストを選択し、その選択結果を入力するための操作、すなわちクエスト選択操作をユーザ端末12にて行う(S021)。ユーザ端末12は、クエストの選択結果を示すデータをサーバ10に向けて送信し、サーバ10のプロセッサ10Aは、そのデータを受信することで、ユーザにより選択されたクエスト、すなわち選定クエストを決定する(S022)。
【0111】
ユーザは、選定クエストを選んだ後、例えば、当該選定クエストを有利にプレイするための効果を第1ゲームで入手(付与)することを希望する場合、その効果を指定し、その指定結果を入力するための操作、すなわち効果指定操作を行うことができる。その場合、ユーザが指定した効果(指定効果)を示すデータが、ユーザ端末12からサーバ10に向けて送信され、サーバ10のプロセッサ10Aが、そのデータを受信することで、ユーザによる効果の指定を受け付ける。そして、プロセッサ10Aは、ユーザの第2ゲームのプレイを中断し、プレイされるゲームを第1ゲームに切り替える(S024)。
【0112】
一方、ユーザは、効果を指定しない場合、通常のプレイ手順に従って選定クエストをプレイすることができる(S025)。また、選定クエストのプレイ、詳しくは、選定クエストとして特定クエストをプレイし、当該特定クエストをクリアすると、ユーザは、拡張ポイントを獲得することができる。そして、ユーザの拡張ポイントの現在値がエリア拡張の条件を満たし、具体的には、指定効果と対応するスポットS(指定スポット)のエリアSaを拡張するのに必要なポイント数に達すると(S026)、プロセッサ10Aは、ユーザに対してエリア拡張の要否を問い合わせる(S027)。
【0113】
上記の問合せに対してユーザがエリア拡張を行うと回答した場合(S028)、プロセッサ10Aは、その回答を示すデータをユーザ端末12から受信するとともに、ユーザの第2ゲームのプレイを中断し、プレイされるゲームを第1ゲームに切り替える(S029)。他方、上記の問合せに対してユーザがエリア拡張を行わないと回答した場合、ユーザの第2ゲームのプレイが続行される。
以上までの流れに従って、第2ゲーム用の処理が実施される。
【0114】
<<その他の実施形態>>
以上までに、本発明の具体的な実施形態について説明してきたが、上記の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記の実施形態から変更又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
【0115】
また、上記の実施形態についての説明において参照された図面が示す画面例も一例に過ぎず、画面の構成例、表示される情報の内容、及びGUI(Graphical User Interface)等は、システム設計の仕様及びユーザの好み等に応じて自由に設計することができ、また適宜変更し得るものである。
【0116】
また、上記の実施形態において、ユーザ端末12に画像等を表示させる態様には、端末自体に備わった表示器(ディスプレイ)に表示させる態様、及び、端末に有線又は無線形式で接続された表示器に表示する態様が含まれる。なお、ユーザ端末12に接続された表示器には、一般的な据え置き型のディスプレイの他に、VRゴーグル等のHMD(Head Mounted Display)が含まれ得る。
【0117】
また、本発明に関しては、上記の実施形態とは異なる他の実施形態(変形例)が複数考えられ得る。以下、それぞれの変形例について説明する。なお、以下では、上記の実施形態と相違する点を主として説明し、共通する点については説明を省略することとする。
また、以下に説明する複数の実施形態(変形例)については、それぞれの実施形態の要素及び特徴を適宜組み合わせてもよい。すなわち、後述する複数の実施形態のうち、いずれかの実施形態における構成が、それ以外の実施形態でも適用可能であり、その構成がもたらす効果が同様に奏されてもよい。
【0118】
(情報処理装置の構成に関する変形例)
本発明の情報処理装置は、サーバ10によって構成される場合に限定されず、本発明の情報処理装置が備える機能のうちの一部が、ユーザ端末12に備わってもよい。その場合には、サーバ10及びユーザ端末12の協働によって本発明の情報処理装置が構成されることになる。
【0119】
(選定クエストの選定方法について)
上記の実施形態では、第2ゲームにてプレイ可能な複数のクエストの中から、プレイ対象となる選定クエストが、ユーザの選択に応じて選定されることとした。ただし、選定クエストの選定方法については、上記の内容には限定されず、他の方法によって選定クエストが選定されてもよい。例えば、指定スポットのエリア拡張に必要な拡張ポイントの数値と、ユーザの拡張ポイントの現在値(現在のパラメータ)との差分を算出し、その差分に応じて選定クエストが選定されてもよい。具体的には、差分以上の拡張ポイント又は差分に近い拡張ポイントが獲得できる特定クエスト、あるいは、差分に相当する拡張ポイントを効率よく(比較的短い時間内で)獲得できる特定クエスト等が、選定クエストとして選定されてもよい。この場合、本発明の情報処理装置を構成するサーバ10には、図13に示すように、上記の要領で選定された選定クエストをユーザに報知する機能(図中の報知部30)が、さらに備えられてもよい。
【0120】
(第2ゲームの仕様について)
上記の実施形態では、第2ゲームが、ユーザの現在位置を示す位置情報を用いずにプレイ可能なゲームであることとした。ただし、これに限定されず、第2ゲームが、位置情報を用いたゲームでもよく、具体的には、第2ゲームにおいて、一部のクエストについてのプレイの可否が、位置情報に応じて決まる(例えば、現実空間の所定の場所にユーザが居る場合にプレイ可能になる)ゲーム仕様でもよい。
また、上記の実施形態では、第1ゲーム及び第2ゲームのうち、一方のゲームをプレイしている場合に、他方のゲームをプレイしようとする場合には、一方のゲームを中断し、他方のゲームに切り替えることとした。ただし、これに限定されず、第1ゲーム及び第2ゲームの両方を同じユーザ端末12にて同時プレイすることができてもよい。
【0121】
(スポットのエリアの拡張に関する変形例)
上記の実施形態では、第1ゲームにおいて、地図上の複数のスポットSのそれぞれのエリアSaをスポットS毎に個別に拡張できることとしたが、これに限定されるものではなく、複数のスポットSすべてのエリアSaを一括して(一斉に)拡張してもよい。
【0122】
(エリア拡張の条件について)
上記の実施形態では、第1ゲームにおいて、スポットSのエリアSaを拡張する上で、ユーザの拡張ポイントが必要となり、詳しくは、エリア拡張に必要な数の拡張ポイントを獲得して消費することが必要であることとした。ただし、これに限定されるものではなく、第2ゲームにて取得可能(例えば、クエストのプレイによって獲得可能)なパラメータのうち、経験値や操作キャラクタの性能値(能力値)等のような拡張ポイント以外のパラメータを、スポットSのエリアSaを拡張させるのに用いてもよい。また、第2ゲームにて入手可能なアイテム(ゲーム内通貨を含む)やゲーム媒体等を使用及び消費することで、スポットSのエリアSaを拡張させることができてもよい。
【0123】
(エリアの拡張について)
上記の実施形態では、第1ゲームにおいて、スポットSのエリアSaを変更する場合、拡張後のエリアSaが拡張前のエリアSaの一部と重複するように、拡張前のエリアSaを拡張させることとした。換言すると、上記の実施形態では、スポットSのオブジェクトSoの第1範囲を、第1範囲の一部又は全部と重複するように第1範囲を拡張した第2範囲に変更することとした。ただし、これに限定されるものではなく、拡張後のエリアSaが拡張前のエリアSaと重複せず、換言すると、第2範囲は、第1範囲よりも広い範囲ではあるものの第1範囲とは重複しない範囲でもよい。
【0124】
[まとめ]
本発明の目的の一つは、現実空間におけるユーザの現在位置を用いたゲーム、特にユーザの現在位置に基づいて所定の結果を得ることを目的としてプレイされるゲームの興趣性を向上させることである。
より具体的には、以下に示す[付記1]~[付記19]に対応する課題を解決することを目的とする。
【0125】
[付記1]
本発明の目的の一つは、[付記1]に対応する課題を解決することであり、具体的には、ユーザの位置情報に基づいて所定の結果が得られるゲームについて、結果の付与を容易にして、当該ゲームのプレイを促進させることである。
上記の課題を解決するために、[付記1]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
ゲームをプレイするユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を、取得する情報取得部と、ゲーム空間の地図上に配置されたオブジェクトと、前記位置情報に応じて決まる前記地図上の前記ユーザの位置との間の距離が第1範囲内にある場合に、前記ゲーム内で前記オブジェクトと対応する結果を前記ユーザに付与する付与部と、前記ゲームにおいて前記ユーザが所定条件を満たす場合に、前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記第1範囲とは異なる第2範囲に変更する範囲変更部と、を備え、前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された場合、前記付与部は、前記距離が前記第2範囲内にある場合にも前記結果を前記ユーザに付与する、情報処理装置。
上記の構成によれば、地図上のオブジェクトの第1範囲を第2範囲に変更することで、ユーザにとって、自分の現在位置を示す位置情報に基づいて所定の結果(ゲーム内効果)を得ることが、より容易になる。この結果、ユーザに対して、上記のゲームをプレイする意欲を喚起させることができ、より多くのユーザによる上記のゲームのプレイが期待できる。
【0126】
[付記2]
本発明の目的の一つは、[付記2]に対応する課題を解決することであり、具体的には、ユーザの位置情報に基づいて所定の結果が得られるゲームにおいて、結果の付与をより容易にすることである。
上記の課題を解決するために、[付記2]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記ユーザが前記所定条件を満たす場合、前記範囲変更部は、前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記第1範囲を拡張した前記第2範囲に変更する、[付記1]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、オブジェクトの第1範囲を、第1範囲を拡張した第2範囲に変更するため、ユーザにとって、自分の現在位置を示す位置情報に基づいて所定の結果(ゲーム内効果)を得ることが、より一層容易になる。
【0127】
[付記3]
本発明の目的の一つは、[付記3]に対応する課題を解決することであり、具体的には、地図上において、オブジェクトの第1範囲及び第2範囲を、ユーザが認識し易くすることである。
上記の課題を解決するために、[付記3]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記オブジェクトを基準として設定されたエリアが示された前記地図を表示器に表示させる表示制御部を備え、前記表示制御部は、前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更される前には、前記第1範囲に応じた広さの前記エリアを表示させ、前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された後には、前記第2範囲に応じた広さの前記エリアを表示させる、[付記1]又は[付記2]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、オブジェクトの第1範囲及び第2範囲が可視化されて、地図上のエリアとして表示されるため、ユーザにとって、オブジェクトの第1範囲及び第2範囲が認識し易くなる。換言すると、ユーザがオブジェクトの第1範囲及び第2範囲を認識し易くなるGUIが実現される。これにより、ユーザの位置情報に基づいて所定の結果が得られるゲームがより容易になるため、より一層多くのユーザによる上記のゲームのプレイが期待できる。
【0128】
[付記4]
本発明の目的の一つは、[付記4]に対応する課題を解決することであり、具体的には、選択オブジェクトの第1範囲が第2範囲に変更された場合の状況を予め確認できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、[付記4]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
複数の前記オブジェクトが配置された前記地図において、前記オブジェクト毎に前記エリアが表示され、複数の前記オブジェクトの中から選択オブジェクトが選択され、且つ前記選択オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更されていない場合に、前記表示制御部は、前記選択オブジェクトを基準として、前記第2範囲に応じた広さの前記エリアを表示させる、[付記3]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、例えば、複数のオブジェクトのうち、ユーザがプレイするゲームの進行に影響を及ぼし得るオブジェクトが選択オブジェクトとして選択されたケースにおいて、その選択オブジェクトの第1範囲が第2範囲に変更された状況、具体的には、第2範囲に応じた広さのエリアを、第1範囲が第2範囲に変更される前に確認することができる。これにより、ユーザは、選択オブジェクトの第1範囲が第2範囲に変更されることによって、選択オブジェクトと対応する結果を得ることがどの程度容易になるのかを、予め把握することができる。
【0129】
[付記5]
本発明の目的の一つは、[付記5]に対応する課題を解決することであり、具体的には、指定結果をより容易に得られるようにすることである。
上記の課題を解決するために、[付記5]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記付与部が付与可能な前記結果の中から指定された指定結果と対応する前記オブジェクトの前記第1範囲を前記第2範囲に変更するための前記所定条件に関する情報を、前記ユーザに通知する条件通知部を備える、[付記3]又は[付記4]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、指定結果と対応するオブジェクトの第1範囲を第2範囲に変更するための条件に関する情報が、ユーザに通知されるため、ユーザは、通知された情報を参考にゲームをプレイして、上記のオブジェクトの第1範囲を効率よく第2範囲に変更することができる。これにより、ユーザは、指定結果をより容易に得ることができるため、より一層多くのユーザによる上記のゲームのプレイが期待できる。
【0130】
[付記6]
本発明の目的の一つは、[付記6]に対応する課題を解決することであり、具体的には、所定条件を満たすようにゲームをプレイすることの動機付けをユーザに与えることである。
上記の課題を解決するために、[付記6]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記範囲変更部は、前記ユーザが満たした前記所定条件の内容に応じて、前記第2範囲を変え、前記指定結果と対応する前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された場合、前記表示制御部は、前記地図上において、前記指定結果と対応する前記オブジェクトを基準として、前記第2範囲に応じた広さの前記エリアを表示させる、[付記5]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、ユーザが満たした所定条件の内容に応じて、第2範囲が変わり、つまり、指定結果の取得し易さが変わる。そのため、ユーザは、指定結果をより容易に取得できる内容で所定条件を満たすようにゲームをプレイするようになる。つまり、上記の構成によれば、所定条件を満たすようにゲームをプレイすることの動機付けを、ユーザに効果的に与えることができる。
【0131】
[付記7]
本発明の目的の一つは、[付記7]に対応する課題を解決することであり、具体的には、複数の指定結果をより容易に得られるようにすることである。
上記の課題を解決するために、[付記7]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
第1結果及び第2結果が前記指定結果として指定され、且つ、前記第1結果と対応する第1オブジェクトと、前記第2結果と対応する第2オブジェクトとが前記地図上において異なる位置に配置されている場合、前記条件通知部は、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトのうち、前記距離が前記第1範囲内にない少なくとも一方のオブジェクトを特定し、特定された前記少なくとも一方のオブジェクトの前記第1範囲を、変更要件を満たす大きさの前記第2範囲に変更するための前記所定条件に関する情報を、前記ユーザに通知し、前記変更要件は、前記少なくとも一方のオブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された後に、前記第1オブジェクトを基準とする前記エリアの一部と、前記第2オブジェクトを基準とする前記エリアの一部とが重複することである、[付記6]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、第1オブジェクトを基準とするエリアの一部と、第2オブジェクトを基準とするエリアの一部とが重複するように、少なくとも一方のオブジェクトの第1範囲を第2範囲に変更するための条件に関する情報が、ユーザに通知される。ユーザは、通知された情報を参考にしてゲームをプレイすることで、上記2つのエリアをより効率よく重複させることができ、その重複範囲にユーザ位置があれば、第1結果及び第2結果の両方を取得することができる。つまり、上記の構成により、ユーザは、第1結果及び第2結果の両方をより容易に得ることができる。
【0132】
[付記8]
本発明の目的の一つは、[付記8]に対応する課題を解決することであり、具体的には、少なくとも一方のオブジェクトの第1範囲を第2範囲に変更するための条件に関する情報を、適切なタイミングでユーザに通知することである。
上記の課題を解決するために、[付記8]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
それぞれの前記オブジェクトの前記第1範囲又は前記第2範囲に前記距離がある場合に前記付与部により付与される前記結果が、時間帯に応じて変化し、前記条件通知部は、前記第1結果及び前記第2結果の両方が付与可能な時間帯において、前記少なくとも一方のオブジェクトの前記第1範囲を、前記変更要件を満たす大きさの前記第2範囲に変更するための前記所定条件に関する情報を、前記ユーザに通知する、[付記7]に記載の情報処理装置。
第1効果及び第2効果の両方が得られる時間帯が、予め決められている(制限されている)場合があり得る。上記の構成によれば、そのような場合でも、時間帯に合わせて、第1オブジェクトを基準とするエリアの一部と、第2オブジェクトを基準とするエリアの一部とが重複するように、少なくとも一方のオブジェクトの第1範囲を第2範囲に変更するための条件に関する情報を、ユーザに適切に通知することができる。そして、ユーザは、通知された情報に基づいてゲームをプレイすることで、第1結果及び第2結果の両方をより適切に得ることができる。
【0133】
[付記9]
本発明の目的の一つは、[付記9]に対応する課題を解決することであり、具体的には、指定結果をより一層容易に得られるようにすることである。
上記の課題を解決するために、[付記9]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記指定結果と対応する前記オブジェクトの前記第1範囲から変更される前記第2範囲内に前記距離がある場合の、該第2範囲の大きさを特定する特定部をさらに備え、前記条件通知部は、前記指定結果と対応する前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記特定部により特定された大きさの前記第2範囲に変更するための前記所定条件に関する情報を、前記ユーザに通知する、[付記5]~[付記8]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、指定結果と対応するオブジェクトの第1範囲を、例えばユーザが現在位置にて指定結果を得られるような大きさの第2範囲に変更するための所定条件に関する情報を、ユーザに通知する。ユーザは、通知された情報を参考にゲームをプレイすることで、指定結果と対応するオブジェクトの第1範囲を、上記の第2範囲に効率よく変更することができる。これにより、ユーザは、指定結果をより容易に取得することができる。
【0134】
[付記10]
本発明の目的の一つは、[付記10]に対応する課題を解決することであり、具体的には、複数の結果をより容易に得られるようにすることである。
上記の課題を解決するために、[付記10]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
第1結果及び第2結果が前記指定結果として指定された場合、前記条件通知部は、前記第1結果と対応する第1オブジェクトの前記第1範囲、及び、前記第2結果と対応する第2オブジェクトの前記第1範囲を、それぞれ、前記特定部により特定された大きさの前記第2範囲に変更するための前記所定条件に関する情報を、前記ユーザに通知する、[付記9]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、第1結果及び第2結果が指定された場合、それぞれの結果と対応するオブジェクトの第1範囲を、例えば、ユーザが現在位置にて第1結果及び第2結果の両方が得られるような第2範囲に変更するための所定条件に関する情報を、ユーザに通知する。ユーザは、通知された情報を参考にゲームをプレイすることで、第1結果と対応する第1オブジェクトの第1範囲、及び、第2結果と対応する第2オブジェクトの第1範囲を、それぞれ、上記の第2範囲に効率よく変更することができる。これにより、ユーザは、第1効果及び第2効果の双方をより容易に取得することができる。
【0135】
[付記11]
本発明の目的の一つは、[付記11]に対応する課題を解決することであり、具体的には、位置情報を用いる第1ゲーム、及び、位置情報を用いずにプレイ可能な第2ゲームのそれぞれについて、プレイの促進を図ることである。
上記の課題を解決するために、[付記11]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記ゲームは、前記位置情報を用いることでプレイ可能な第1ゲームと、前記位置情報を用いずにプレイ可能な第2ゲームとを含み、前記所定条件は、前記第2ゲームのプレイを通じて達成可能な条件である、[付記1]~[付記10]のいずれかに記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、第2ゲームをプレイして所定条件を満たすことにより、第1ゲームにおいて、第1範囲が第2範囲に変更されることで、結果が付与され易くなる。つまり、位置情報を用いずにプレイ可能な第2ゲームのプレイにより、位置情報を用いる第1ゲームをより有利にプレイすることができ、これにより、第1ゲーム及び第2ゲームの双方をプレイする動機付けを、ユーザに効果的に与えることができ、以て、それぞれのゲームのプレイの促進を図ることができる。
【0136】
[付記12]
本発明の目的の一つは、[付記12]に対応する課題を解決することであり、具体的には、第1範囲を第2範囲に変更するための条件を効率よく満たせるようにすることである。
上記の課題を解決するために、[付記12]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記第2ゲームでは、複数のクエストがプレイ可能であり、前記所定条件は、前記第2ゲームにて前記クエストをプレイして取得可能なパラメータが、前記オブジェクトに応じた数値に到達することであり、前記数値と前記ユーザの現在の前記パラメータとの差分を算出し、前記複数のクエストの中から前記差分に応じて選定される選定クエストを、前記ユーザに報知する報知部を備える、[付記11]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、第1範囲を第2範囲に変更する上で必要なパラメータについて、ユーザの現在のパラメータとの差分(不足分)を算出し、算出した差分に応じて選定される選定クエストを、ユーザに報知する。ユーザは、報知されたクエスト(選定クエスト)をプレイすることで、差分に相当するパラメータを効率よく取得することができる。これにより、ユーザは、第2ゲームにおいて、第1範囲を第2範囲に変更するための条件(所定条件)を効率よく満たすことができる。
【0137】
[付記13]
本発明の目的の一つは、[付記13]に対応する課題を解決することであり、具体的には、選定クエストと関連付けられた結果を効率よく得られるようにすることである。
上記の課題を解決するために、[付記13]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記第2ゲームでは、複数のクエストがプレイ可能であり、前記オブジェクトが示された前記地図において、前記複数のクエストの中から選定された選定クエストと関連付けられた前記結果と対応する前記オブジェクトを、他の前記オブジェクトと識別可能に表示する表示制御部を備える、[付記11]又は[付記12]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、選定クエストと関連付けられた結果と対応するオブジェクトが、他のオブジェクトと識別可能に表示される。これにより、ユーザは、選定クエストと関連付けられた結果と対応するオブジェクトの第1範囲を、優先的に第2範囲に変更することができ、以て、上記の結果を効率よく得ることができる。つまり、上記の構成により、選定クエストと関連付けられた結果を効率よく得るためのGUIを提供することができる。
【0138】
[付記14]
本発明の目的の一つは、[付記14]に対応する課題を解決することであり、具体的には、選定クエストと関連付けられた結果と対応するオブジェクトを、他のオブジェクトと識別可能に表示する機能が、有効に活用できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、[付記14]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記表示制御部は、前記選定クエストがプレイ可能な期間において、前記選定クエストと関連付けられた前記結果と対応する前記オブジェクトを、他の前記オブジェクトと識別可能に表示し、前記ユーザが前記所定条件を満たした場合に、前記選定クエストと関連付けられた前記結果と対応する前記オブジェクトを、他の前記オブジェクトと識別可能に表示することを終了する、[付記13]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、選定クエストと関連付けられた結果(例えば、選定クエストのプレイに有利な結果)については、選定クエストがプレイ可能な期間において、その有用性(価値)が高く、その結果に対するニーズが高まる。したがって、そのような期間において、選定クエストと関連付けられた結果と対応するオブジェクトを、他のオブジェクトと識別可能に表示すれば、その機能が有効に活用されるようになる。
また、選定クエストと関連付けられた結果と対応するオブジェクトについて、その第1範囲を第2範囲に変更するための条件(所定条件)を満たした場合には、もはや、当該オブジェクトを他のオブジェクトと識別可能に表示する必要がなくなる。そのため、上記の条件を満たした時点で、選定クエストと関連付けられた結果と対応するオブジェクトを他のオブジェクトと識別可能に表示するのを終了することで、かかる機能が不要な時期に発揮されるのを回避することができる。
【0139】
[付記15]
本発明の目的の一つは、[付記15]に対応する課題を解決することであり、具体的には、ユーザの意向を踏まえてオブジェクトの第1範囲を第2範囲に変更することである。
上記の課題を解決するために、[付記14]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記所定条件を満たした前記ユーザに対して、前記オブジェクトの前記第1範囲を前記第2範囲に変更するかを問い合わせる問合せ部を備える、[付記11]~[付記14]のいずれかに記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、所定条件を満たしたユーザに対して、オブジェクトの第1範囲を第2範囲に変更するか否かを問い合わせることで、ユーザの意向を踏まえて、第1範囲を第2範囲に変更することができる。
【0140】
[付記16]
本発明の目的の一つは、[付記16]に対応する課題を解決することであり、具体的には、ユーザが所定条件を満たした場合に、オブジェクトの第1範囲を第2範囲に変更する機会を速やかに提供することである。
上記の課題を解決するために、[付記16]の情報処理装置は、下記の構成を有する。
前記ユーザが前記第2ゲームのプレイ中に前記所定条件を満たした場合、前記問合せ部は、前記ユーザの前記第2ゲームのプレイ中に、又は、前記ユーザの前記第2ゲームのプレイを中断可能として、前記ユーザに対して、前記オブジェクトの前記第1範囲を前記第2範囲に変更するかを問い合わせる、[付記15]に記載の情報処理装置。
上記の構成によれば、ユーザの第2ゲームのプレイ中に、又は、ユーザの第2ゲームのプレイを中断可能として、所定条件を満たしたユーザに対して、オブジェクトの第1範囲を第2範囲に変更するかを問い合わせる。つまり、上記のユーザが所定条件を満たした時点で、オブジェクトの第1範囲を第2範囲に変更する機会がユーザに対して与えられ、ユーザは、かかる機会を活用することで、第2ゲームをプレイしている場合も、直ちに、第1範囲を第2範囲に変更することができる。
【0141】
[付記17]
本発明の目的の一つは、[付記17]に対応する課題を解決することであり、具体的には、ユーザの位置情報に基づいて所定の結果が得られるゲームについて、結果の付与を容易にして、当該ゲームのプレイを促進させることが可能な情報処理方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、[付記17]の情報処理方法は、下記の構成を有する。
プロセッサが、ゲームをプレイするユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を、取得し、ゲーム空間の地図上に配置されたオブジェクトと、前記位置情報に応じて決まる前記地図上の前記ユーザの位置との間の距離が第1範囲内にある場合に、プロセッサが、前記ゲーム内で前記オブジェクトと対応する結果を前記ユーザに付与し、前記ゲームにおいて前記ユーザが所定条件を満たす場合に、プロセッサが、前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記第1範囲とは異なる第2範囲に変更し、前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された場合、前記距離が前記第2範囲内にある場合にも前記結果が前記ユーザに付与される、情報処理方法。
上記の構成によれば、自分の現在位置を示す位置情報に基づいて所定の結果(ゲーム内効果)を得ることが、より容易になるため、より多くのユーザによる上記のゲームのプレイが期待できる。
【0142】
[付記18]
本発明の目的の一つは、[付記18]に対応する課題を解決することであり、具体的には、ユーザの位置情報に基づいて所定の結果が得られるゲームについて、結果の付与を容易にして、当該ゲームのプレイを促進させることが可能なプログラムを提供することである。
上記の課題を解決するために、[付記18]のプログラムは、下記の構成を有する。
プロセッサに、ゲームをプレイするユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を、取得させ、ゲーム空間の地図上に配置されたオブジェクトと、前記位置情報に応じて決まる前記地図上の前記ユーザの位置との間の距離が第1範囲内にある場合に、プロセッサに、前記ゲーム内で前記オブジェクトと対応する結果を前記ユーザに付与させ、前記ゲームにおいて前記ユーザが所定条件を満たす場合に、プロセッサに、前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記第1範囲とは異なる第2範囲に変更させ、前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された場合、前記距離が前記第2範囲内にある場合にも前記結果が前記ユーザに付与される、プログラム。
上記の構成によれば、自分の現在位置を示す位置情報に基づいて所定の結果(ゲーム内効果)を得ることが、より容易になるため、より多くのユーザによる上記のゲームのプレイが期待できる。
【0143】
[付記19]
本発明の目的の一つは、[付記19]に対応する課題を解決することであり、具体的には、ユーザの位置情報に基づいて所定の結果が得られるゲームについて、結果の付与を容易にして、当該ゲームのプレイを促進させることが可能な情報処理システムを提供することである。
上記の課題を解決するために、[付記19]の情報処理システムは、下記の構成を有する。
ゲームをプレイするユーザにより操作されるユーザ端末と、該ユーザ端末とネットワークを通じて通信可能なサーバコンピュータとによって構成される情報処理システムであって、前記ユーザの現実空間における現在位置を示す位置情報を、取得する情報取得部と、ゲーム空間の地図上に配置されたオブジェクトと、前記位置情報に応じて決まる前記地図上の前記ユーザの位置との間の距離が第1範囲内にある場合に、前記ゲーム内で前記オブジェクトと対応する結果を前記ユーザに付与する付与部と、前記ゲームにおいて前記ユーザが所定条件を満たす場合に、前記オブジェクトの前記第1範囲を、前記第1範囲とは異なる第2範囲に変更する範囲変更部と、を備え、前記オブジェクトの前記第1範囲が前記第2範囲に変更された場合、前記付与部は、前記距離が前記第2範囲内にある場合にも前記結果を前記ユーザに付与する、情報処理システム。
上記の構成によれば、自分の現在位置を示す位置情報に基づいて所定の結果(ゲーム内効果)を得ることが、より容易になるため、より多くのユーザによる上記のゲームのプレイが期待できる。
【符号の説明】
【0144】
10 サーバ(情報処理装置)
10A プロセッサ
10B メモリ
10C 通信用インタフェース
10D ストレージ
12 ユーザ端末
21 情報取得部
22 操作受付部
23 ゲーム進行部
24 付与部
25 範囲変更部
26 問合せ部
27 表示制御部
28 条件通知部
29 特定部
30 報知部
I アイコン
N 通信用ネットワーク
S スポット
Sa エリア
So オブジェクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13