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<図1>
  • 特開-画像データ符号化復号化システム 図1
  • 特開-画像データ符号化復号化システム 図2
  • 特開-画像データ符号化復号化システム 図3
  • 特開-画像データ符号化復号化システム 図4A
  • 特開-画像データ符号化復号化システム 図4B
  • 特開-画像データ符号化復号化システム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027478
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】画像データ符号化復号化システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20250220BHJP
   H04N 1/409 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
H04N1/32 144
H04N1/409
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132199
(22)【出願日】2023-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】栗田 章司
【テーマコード(参考)】
5C077
【Fターム(参考)】
5C077LL02
5C077RR21
(57)【要約】
【課題】紙メモリプリントを有効に利用して、複数の画像形成装置を使ってノイズの発生を低減した画像を形成する。
【解決手段】画像読取部12,22を有する画像形成装置1,2と、画像形成装置1,2の画像読取部12,22の画像読み取り時のノイズ発生周期に関する情報を取得する手段と、画像形成装置1,2の画像読取部12,22で読み取って復号する符号化データを、使用する全ての画像形成装置1,2の画像読取部12,22の画像読み取り時のノイズ発生周期で発生する画像ノイズが生じる領域をさけたエリアに作成して原稿画像を符号化する符号化データ作成手段と符号化データ作成手段で作成した符号化データを画像出力する画像形成手段とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取部を有する画像形成装置と、
前記画像形成装置の前記画像読取部の画像読み取り時のノイズ発生周期に関する情報を取得する手段と、
前記画像形成装置の前記画像読取部で読み取って復号する符号化データを、使用する全ての前記画像形成装置の前記画像読取部の画像読み取り時のノイズ発生周期で発生する画像ノイズが生じる領域をさけたエリアに作成して原稿画像を符号化する符号化データ作成手段と、
前記符号化データ作成手段で作成した前記符号化データを画像出力する画像形成手段と、
を備えたことを特徴とする画像データ符号化復号化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、符号化画像を生成する画像データ符号化復号化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータで生成された画像データを、ネットワークに接続されていない印刷装置を用いて印刷する場合がある。このような場合、印刷装置で印刷するためのデータを符号化した画像(符号化画像)を用紙に印刷して持ち運び、スキャナ装置を用いてシート上に印刷された符号化画像を読み取り、復号して文書画像データとして出力する、所謂「紙メモリプリント」という技術が利用されている。
【0003】
紙メモリプリントを用いる場合、符号化画像をスキャナで読み込ませる際に、スキャナの駆動部分の動作特性やスキャナに連動して動作する装置の振動などによってノイズが発生し、適切に符号化画像を読み込むことができない場合があった。
【0004】
特許文献1には、画像を読み取る画像読取部と、画像読取部によって読み取られた画像の画像データを符号化して画像パターンへ変換するデータ変換部と、画像パターンから、符号化される前の画像データに復号するデータ逆変換部と、を備え、データ変換部は、画像読取部による画像の読み取り時に特定周期で発生する画像ノイズがある領域を避けた画像パターンP2を生成する画像読取装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6856406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、2種類以上の画像形成装置を保有するユーザは、この2種類以上の画像形成装置を用いて画像出力を行いたい場合がある。例えば、黒文字だけの原稿を孔版印刷装置の画像読み取り部で読み取って出力し、赤字と黒字の原稿をインクジェット印刷装置の画像読み取り部で読み取って出力するような場合である。
【0007】
しかしながら、画像読み取り部はそれぞれの装置毎にノイズの発生する領域が異なる場合が多く、特許文献1に記載の画像読取装置では、2種類以上の画像形成装置を用いて画像出力を行いたい場合、ノイズを発生する領域を特定できず、正確な画像出力を行えない恐れがあった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、紙メモリプリントを有効に利用して、複数の画像形成装置を使ってノイズの発生を低減した画像を形成することができる画像データ符号化復号化システムを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、紙メモリプリントを有効に利用して、複数の画像形成装置を使ってノイズの発生を低減した画像を形成する画像データ符号化復号化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像データ符号化復号化システムの特徴は、
画像読取部を有する画像形成装置と、
前記画像形成装置の前記画像取部の画像読み取り時のノイズ発生周期に関する情報を取得する手段と、
前記画像形成装置の前記画像読取部で読み取って復号する符号化データを、使用する全ての前記画像形成装置の前記画像読取部の画像読み取り時のノイズ発生周期で発生する画像ノイズが生じる領域をさけたエリアに作成して原稿画像を符号化する符号化データ作成手段と、
前記符号化データ作成手段で作成した前記符号化データを画像出力する画像形成手段と、
を備えたことにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る画像データ符号化復号化システムの特徴によれば、紙メモリプリントを有効に利用して、複数の画像形成装置を使ってノイズの発生を低減した画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システムの概略構成を示す説明図である。
図2】本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システムにより処理の流れを模式的に示した説明図である。
図3】本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システムにおける符号化原稿データの生成処理の処理フローを示したフローチャートである。
図4A】本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システムにおける符号化原稿データからの読取・印刷処理の処理フローを示したフローチャートである。
図4B】本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システムにおける符号化原稿データからの読取・印刷処理の処理フローを示したフローチャートである。
図5】本発明の本実施形態2に係る画像データ符号化復号化システムの概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0014】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
<実施形態1>
以下に添付図面を参照して、本発明に係る画像データ符号化復号化システムの実施形態1を詳細に説明する。図1は、本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システムの概略構成を示す説明図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の画像データ符号化復号化システムは、第1画像形成装置1と、第2画像形成装置2と、タブレット端末3と、コンピュータ4とを備えている。
【0017】
第1画像形成装置1は、単色インクを用いる孔版印刷装置であり、回転するドラムに製版されたマスタをクランプで挟み込み巻き付けた後、用紙をこのドラムに給紙し、ドラムを回転しながら供給された用紙をプレスロールによりドラムに圧接することにより印刷を行う。
【0018】
第1画像形成装置1は、操作パネル部11と、画像読取部12と、符号化データ解析部13と、第1データ復号部14と、第1ドラム画像形成部16と、符号化データ受信部18と、を有する。
【0019】
操作パネル部11は、例えば、タッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。
【0020】
画像読取部12は、光源ランプと、画像を結像する集光レンズとミラーなどの光学系と、CCDなどの光電変換部とを有し、原稿の画像を読み取り、画像データとして出力する。画像読取部12は、画像読取部12が画像を読み取る際のノイズ発生周期に関する情報を読取情報として記憶部(図示せず)に記憶している。
【0021】
符号化データ解析部13は、コンピュータ4からタブレット端末3を介して受信した符号化画像データを解析する。
【0022】
第1データ復号部14は、コンピュータ4からタブレット端末3を介して受信した符号化画像データを復号し、画像形成データを得る。
【0023】
第1ドラム画像形成部16は、第1データ復号部14により復号された画像形成データに基づいて、マスタを製版するためのマスタ画像データ(第1画像形成データ)を生成する。
【0024】
符号化データ受信部18は、コンピュータ4からタブレット端末3を介して符号化画像データを受信する。
【0025】
第2画像形成装置2は、カラー印刷可能なインクジェット印刷装置であり、ドロップデータデータ(第2画像形成データ)に基づいて、例えば、インクジェットヘッドからシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の合計4色のインクを吐出することにより、搬送される用紙に対してカラー印刷を行うインクジェット方式のプリンタである。
【0026】
第2画像形成装置2は、操作パネル部21と、画像読取部22と、符号化データ解析部23と、データ復号部24と、画像形成部25と、符号化データ受信部26と、を有する。
【0027】
操作パネル部21は、例えば、タッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。
【0028】
画像読取部22は、光源ランプと、画像を結像する集光レンズとミラーなどの光学系と、CCDなどの光電変換部とを有し、原稿の画像を読み取り、画像データとして出力する。画像読取部22は、画像読取部22が画像を読み取る際のノイズ発生周期に関する情報を読取情報として記憶部(図示しない)に記憶している。
【0029】
符号化データ解析部23は、コンピュータ4からタブレット端末3を介して受信した符号化画像データを解析する。
【0030】
データ復号部24は、コンピュータ4からタブレット端末3を介して受信した符号化画像データを復号し、画像形成データを得る。
【0031】
画像形成部25は、データ復号部24により復号された画像形成データに基づいて、インクジェットヘッドからインクを吐出するためのドロップデータを生成する。
【0032】
符号化データ受信部26は、コンピュータ4からタブレット端末3を介して符号化画像データを受信する。
【0033】
タブレット端末3は、携帯可能な端末であり、コンピュータ4、第1画像形成装置1、および第2画像形成装置2と無線通信を確立し、読取情報や符号化画像データなど様々なデータを送受信する。
【0034】
タブレット端末3は、操作パネル部31と、読取情報取得部32と、通信部33とを備える。
【0035】
操作パネル部31は、例えば、タッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。
【0036】
読取情報取得部32は、第1画像形成装置1と、第2画像形成装置2とから、それぞれ画像読み取り時のノイズ発生周期に関する情報である読取情報を取得する。
【0037】
通信部33は、コンピュータ4、第1画像形成装置1、および第2画像形成装置2と無線通信を確立する。
【0038】
コンピュータ4は、PC(パーソナルコンピュータ)等の汎用コンピュータによって構成されている。コンピュータ4は、プログラムに基づいて各種の処理を実行するCPUやメモリなどを備えており、印刷の設定や符号化画像データの生成など各種処理を実行する。
【0039】
コンピュータ4は、印刷出力先決定部41と、符号化原稿データ生成部42と、符号化データ送信部43とを有する。
【0040】
印刷出力先決定部41は、ユーザ操作に基づいて、原稿データのどの領域を、第1画像形成装置1と第2画像形成装置2とのいずれの画像形成装置に出力させるかを決定する。
【0041】
符号化原稿データ生成部42は、第1画像形成装置1の画像読取部12および第2画像形成装置2の画像読取部22で読み取って復号する符号化データを、使用する全ての画像形成装置(ここでは、第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2)の画像読取部の画像読み取り時のノイズ発生周期で発生する画像ノイズが生じる領域をさけたエリアに作成して原稿画像を符号化し、符号化画像データを生成する。
【0042】
第1画像形成装置1の画像読取部12および第2画像形成装置2の画像読取部22は、それぞれ画像を読み取る際のノイズ発生周期がそれぞれ異なるので、それぞれの画像ノイズが生じる領域をさけたエリアに原稿画像を符号化することで、いずれの画像読取部で読み取られたとしてもノイズの発生を防止することができる。
【0043】
符号化データ送信部43は、符号化原稿データ生成部42により生成された符号化画像データをタブレット端末3を介して、第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2に送信する。
【0044】
図2は、本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システム100により処理の流れを模式的に示した説明図である。
【0045】
図2に示すように、タブレット端末3は、第1画像形成装置1および第2画像形成装置2と無線通信を確立し、読取情報を送信する。
【0046】
タブレット端末3は、コンピュータ4と情報同期し、第1画像形成装置1および第2画像形成装置2それぞれの読取情報を同期する。
【0047】
コンピュータ4は、読取情報に基づいて、使用する全ての画像形成装置の画像読取部の画像読み取り時のノイズ発生周期で発生する画像ノイズが生じる領域をさけたエリアに作成して原稿画像を符号化し、符号化原稿データD101を生成する。
【0048】
符号化原稿データD101には、第1画像形成装置1用のデータである第1符号化原稿データD101aと、第2画像形成装置2用のデータである第2符号化原稿データD101bとが含まれている。ここでは、第1画像形成装置1には、黒のインクを有するドラムがセットされているので、第1符号化原稿データD101aは黒で印刷する画像データが含まれている。第2符号化原稿データD101bはその他の色で印刷する画像データが含まれている。
【0049】
そこで、第1画像形成装置1の第1データ復号部14は、符号化原稿データD101の第1符号化原稿データD101aを復号し、第1画像形成データD102を得る。また、第2画像形成装置2のデータ復号部24は、符号化原稿データD101の第2符号化原稿データD101bを復号し、第2画像形成データD103を得る。
【0050】
そして、第1画像形成装置1は、第1画像形成データD102に基づいて、マスタに製版し、回転するドラムに製版されたマスタを巻き付けた後、用紙をこのドラムに給紙し、ドラムを回転しながら供給された用紙をドラムに圧接することにより印刷を行い、印刷済の用紙P102を得る。
【0051】
また、第2画像形成装置2は、第2画像形成データD103に基づいて、インクジェットヘッドからインクを吐出することにより印刷を行い、印刷済の用紙P103を得る。
【0052】
図3は、本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システム100における符号化原稿データの生成処理の処理フローを示したフローチャートである。
【0053】
図3に示すように、ステップS101において、タブレット端末3は、2つ以上の画像形成装置が無線により接続が確立されているか否かを判定する。
【0054】
タブレット端末3は、2つ以上の画像形成装置が無線により接続が確立されていると判定された場合(ステップS101;YES)、ステップS103において、タブレット端末3は、第1画像形成装置1および第2画像形成装置2から読取情報を取得する。
【0055】
ステップS105において、タブレット端末3は、コンピュータ4と読取情報を同期したか否かを判定する。
【0056】
コンピュータ4と読取情報を同期した場合(ステップS105;YES)、ステップS107において、コンピュータ4は、読取情報に基づいて、符号化原稿データを生成する際のノイズ発生領域を算出する。
【0057】
ステップS109において、コンピュータ4は、第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2の画像読取部の画像読み取り時のノイズ発生周期で発生する画像ノイズが生じる領域をさけたエリアに作成して原稿画像を符号化し、符号化画像データを生成する。
【0058】
ステップS111において、コンピュータ4は、生成された符号化画像データをタブレット端末3を介して、第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2に送信する。
【0059】
図4A図4Bは、本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システム100における符号化原稿データからの読取・印刷処理の処理フローを示したフローチャートである。
【0060】
図4Aに示すように、ステップS201において、タブレット端末3は、2つ以上の画像形成装置が無線により接続が確立されているか否かを判定する。
【0061】
タブレット端末3は、2つ以上の画像形成装置が無線により接続が確立されていると判定された場合(ステップS201;YES)、ステップS203において、タブレット端末3は、2つ以上の画像形成装置との連携機能をオンに設定する。
【0062】
ステップS205において、タブレット端末3は、ユーザ操作に基づいて、印刷部数を指定すると共に、プログラム印刷をオンに設定する。
【0063】
ステップS207において、タブレット端末3は、ユーザ操作により、符号化原稿のスキャンが開始されたか否かを判定する。
【0064】
符号化原稿のスキャンが開始されたと判定された場合(ステップS207;YES)、ステップS209において、タブレット端末3は、読み取られた符号化原稿データを受信する。
【0065】
ステップS211において、設定された印刷部数が所定のX部数以上か否かを判定する。
【0066】
印刷部数が所定のX部数以上と判定された場合(ステップS211;YES)、ステップS213において、タブレット端末3は、出力先として第1画像形成装置1を指定し、印刷部数が所定のX部数未満と判定された場合(ステップS211;NO)、ステップS215において、タブレット端末3は、出力先として第2画像形成装置2を指定する。
【0067】
ステップS217において、ステップS213またはステップS215において指定された指定出力先装置は、ユーザがスキャンした装置と同じであるか否かを判定する。
【0068】
指定出力先装置はユーザがスキャンした装置と同じであると判定された場合(ステップS217;YES)、ステップS221において、コンピュータ4は、内部保持している符号化原稿データの復号を指示する。
【0069】
一方、指定出力先装置はユーザがスキャンした装置と異なると判定された場合(ステップS217;NO)、ステップS219において、コンピュータ4は、スキャンした装置とは異なる画像形成装置へ符号化原稿データを送信する。
【0070】
符号化原稿データを受信した画像形成装置は、受信した符号化原稿データの復号を実行し、画像形成データを生成する。
【0071】
ステップS225において、画像形成エンジンが孔版以外である場合(NO)、ここでは、第2画像形成装置2であるので、ステップS227において、第2画像形成装置2が復号された第2画像形成データに基づいて画像形成処理を実行する。
【0072】
一方、ステップS225において、画像形成エンジンが孔版である場合(YES)、第1画像形成装置1が、2色印刷対応の孔版印刷装置か、または単色の孔版印刷装置のいずれの可能性もある。なお、第1実施形態では第1画像形成装置1が単色の孔版印刷装置として説明しており、後述する第2実施形態では第1画像形成装置1が2色印刷対応の孔版印刷装置として説明する。
【0073】
そこで、ステップS229において、画像形成エンジンが2つである場合(YES)、2色印刷対応の孔版印刷装置であるので、第2画像形成装置2は、復号された画像形成データを分版し、分版した第2ドラム用の第2ドラム画像形成データを第2ドラムで製版する。
【0074】
その後、ステップS233において、第2画像形成装置2は、分版した第1ドラム用の第1ドラム画像形成データを第1ドラムで製版する。
【0075】
一方、ステップS229において、画像形成エンジンは1つである場合(NO)、ステップS233において、第2画像形成装置2は、分版することなく画像形成データを第1ドラム用の第1ドラム画像形成データとして第1ドラムで製版する。
【0076】
ステップS235において、画像形成装置印刷部数、プログラム印刷設定で、印刷処理を実行する。
【0077】
このように、本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システム100によれば、コンピュータで生成された画像データをネットワークに接続されていない複数の画像形成装置を用いて印刷する場合においても、紙メモリプリントを有効に利用して、ノイズの発生を低減した画像を形成することができる。
【0078】
<実施形態2>
実施形態1では、第1画像形成装置1が単色の孔版印刷装置として説明した、第2実施形態では第1画像形成装置が2色印刷対応の孔版印刷装置として説明する。
【0079】
第2実施形態の第1画像形成装置1Aは、2色印刷対応の孔版印刷装置であり、第1色対応の第1ドラムと、第2色対応の第2ドラムを有している。回転する第1ドラムに、第1ドラム画像形成データに基づいて製版されたマスタをクランプで挟み込み巻き付け、回転する第2ドラムに、第2ドラム画像形成データに基づいて製版されたマスタをクランプで挟み込み巻き付ける。そして、用紙を第1ドラムに給紙し、第1ドラムを回転しながら供給された用紙をプレスロールにより第1ドラムに圧接した後、用紙を第2ドラムに給紙し、第2ドラムを回転しながら供給された用紙をプレスロールにより第2ドラムに圧接することにより2色印刷を行う。
【0080】
図5は、本発明の本実施形態2に係る画像データ符号化復号化システムの概略構成を示す説明図である。
【0081】
図5に示すように、本実施形態の画像データ符号化復号化システム100Aは、第1画像形成装置1Aと、第2画像形成装置2と、タブレット端末3と、コンピュータ4とを備えている。これらの構成のうち、第1画像形成装置1A以外については、本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システム100が備える構成と同一であるので、説明を省略する。
【0082】
第1画像形成装置1は、操作パネル部11と、画像読取部12と、符号化データ解析部13と、第1データ復号部14と、第2データ復号部15と、第1ドラム画像形成部16と、第2ドラム画像形成部17と、符号化データ受信部18と、を有する。これらの構成のうち、第1データ復号部14と、第2データ復号部15と、第1ドラム画像形成部16と、第2ドラム画像形成部17以外については、本発明の本実施形態1に係る画像データ符号化復号化システム100が備える構成と同一であるので、説明を省略する。
【0083】
第1データ復号部14は、コンピュータ4からタブレット端末3を介して受信した符号化画像データを復号し、第1ドラム用の第1ドラム画像形成データを得る。
【0084】
第2データ復号部15は、コンピュータ4からタブレット端末3を介して受信した符号化画像データを復号し、第2ドラム用の第2ドラム画像形成データを得る。
【0085】
第1ドラム画像形成部16は、第1データ復号部14により復号された第1ドラム画像形成データに基づいて、第1ドラム用のマスタを製版するためのマスタ画像データ(第1ドラム画像形成データ)を生成する。
【0086】
第2ドラム画像形成部17は、第2データ復号部15により復号された第2ドラム画像形成データに基づいて、第2ドラム用のマスタを製版するためのマスタ画像データ(第2ドラム画像形成データ)を生成する。
【0087】
このように、第1画像形成装置1Aが、2色印刷対応の孔版印刷装置であり、第1色対応の第1ドラムと、第2色対応の第2ドラムを有している場合、ユーザへ複雑な作業(例えば、第1ドラム印刷は○○枚、第1ドラム印刷+第2ドラム印刷は△△枚など)となる工程を一切行わせず、必要となる印刷物を容易に取得できるので、印刷業務の負荷を低減することができる。
【0088】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0089】
(付記1)
画像読取部を有する画像形成装置と、
前記画像形成装置の前記画像取部の画像読み取り時のノイズ発生周期に関する情報を取得する手段と、
前記画像形成装置の前記画像読取部で読み取って復号する符号化データを、使用する全ての前記画像形成装置の前記画像読取部の画像読み取り時のノイズ発生周期で発生する画像ノイズが生じる領域をさけたエリアに作成して原稿画像を符号化する符号化データ作成手段と、
前記符号化データ作成手段で作成した前記符号化データを画像出力する画像形成手段と、
を備えたことを特徴とする画像データ符号化復号化システム。
【0090】
これにより、コンピュータで生成された画像データをネットワークに接続されていない複数の画像形成装置を用いて印刷する場合においても、紙メモリプリントを有効に利用して、ノイズの発生を低減した画像を形成することができる。
【符号の説明】
【0091】
1,1A 第1画像形成装置
2 第2画像形成装置
3 タブレット端末
4 コンピュータ
11 操作パネル部
12 画像読取部
13 符号化データ解析部
14 第1データ復号部
15 第2データ復号部
16 第1ドラム画像形成部
17 第2ドラム画像形成部
18 符号化データ受信部
21 操作パネル部
22 画像読取部
23 符号化データ解析部
24 データ復号部
25 画像形成部
26 符号化データ受信部
31 操作パネル部
32 読取情報取得部
33 通信部
41 印刷出力先決定部
42 符号化原稿データ生成部
43 符号化データ送信部
100,100A 画像データ符号化復号化システム
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5