(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027617
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】端末及び端末制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20250220BHJP
F24F 11/58 20180101ALI20250220BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20250220BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20250220BHJP
F24F 140/00 20180101ALN20250220BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
F24F11/58
F24F11/52
F24F11/64
F24F140:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132540
(22)【出願日】2023-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 圭佑
【テーマコード(参考)】
3L260
5K048
【Fターム(参考)】
3L260BA64
3L260BA73
3L260FC33
3L260GA02
3L260GA05
3L260GA11
3L260JA12
3L260JA13
3L260JA18
5K048AA04
5K048BA08
5K048EB02
5K048FB10
5K048FB15
(57)【要約】
【課題】電気機器を宅外から通信回線を介して遠隔操作できるとともに、宅内で近距離内にある電気機器に対する操作性を向上させた端末及び端末制御プログラムを提供する。
【解決手段】端末としてのスマートフォン10は、表示部11と制御部13とを備える。制御部13は、表示部11を制御する表示制御部13aと、制御可能範囲内における制御対象機器20の有無を判別する判別部13bとを有する。表示制御部13aは、判別部13bが制御可能範囲内に制御対象機器20があると判別すると、第1操作画面を表示するように表示部11を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と制御部とを備え、
前記制御部は、
前記表示部を制御する表示制御部と、
制御可能範囲内における制御対象機器の有無を判別する判別部と
を有し、
前記表示制御部は、前記判別部が前記制御可能範囲内に前記制御対象機器があると判別すると、第1操作画面を表示するように前記表示部を制御する、端末。
【請求項2】
前記制御対象機器と通信する通信部をさらに備え、
前記第1操作画面は、前記制御対象機器に対して動作を指示する第1指示手段の表示を含み、
前記第1指示手段が操作されると、前記通信部は前記制御対象機器に対する動作指示を送信する、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記第1操作画面は、前記制御可能範囲内の前記制御対象機器に対応した操作画面である、請求項2に記載の端末。
【請求項4】
前記第1操作画面は、前記制御可能範囲内の前記制御対象機器に対応した複数パターンから選択可能である、請求項3に記載の端末。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記判別部が前記制御可能範囲内に前記制御対象機器がないと判別すると、第2操作画面を表示するように前記表示部を制御する、請求項2~4のいずれか1項に記載の端末。
【請求項6】
前記第2操作画面は機器選択画面を含み、前記機器選択画面に表示された候補機器を選択する操作が行われると、選択された前記候補機器に対応する対応操作画面を表示する、請求項5に記載の端末。
【請求項7】
前記第2操作画面は、前記制御対象機器に対する操作を指示する第2指示手段の表示を含み、
前記第2指示手段が操作されると、前記表示制御部は操作確認を行う操作確認手段の表示を含む操作確認画面を表示するように前記表示部を制御し、
前記操作確認手段が操作されると、前記通信部は前記制御対象機器に対する前記動作指示を送信する、請求項5に記載の端末。
【請求項8】
前記第1指示手段が操作されると、前記表示制御部は操作確認を行う前記操作確認手段の表示を含む前記操作確認画面を表示せずに、前記通信部が前記動作指示を送信する、請求項7に記載の端末。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記第1操作画面及び前記第2操作画面のいずれにおいても、前記表示部における同一位置に前記制御対象機器を表示する、請求項5に記載の端末。
【請求項10】
端末を制御する端末制御プログラムであって、
表示制御ステップと、
制御可能範囲内における制御対象機器の有無を判別する判別ステップと
を含み、
前記表示制御ステップは、前記判別ステップにおいて前記制御可能範囲内に前記制御対象機器があると判別されると、第1操作画面を表示する、端末制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアコンなどの電気機器を遠隔操作できる端末及び端末制御プログラムに関し、特に、近距離内にある電気機器に対する操作性を向上させた端末及び端末制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている空気調和機操作システムは、空気調和機と、前記空気調和機を操作する管理装置と、前記空気調和機に接続された通信装置を含む。前記管理装置は前記空気調和機から、前記空気調和機が接続された通信装置の情報を受け取り、受け取った通信装置の情報と前記空気調和機の情報を端末機へ出力する。これにより、端末機から前記空気調和機を操作することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアコンなどの電気機器を宅外から通信回線を介して遠隔操作する操作端末には、適切な誤操作防止対策を講じることが要請されている。操作画面を有する操作端末(例えばスマートフォン)であれば、誤操作防止のための画面ロック機能に加えて、操作者の意図を確認する行為(ダブルアクション)によるものである。
【0005】
また、特許文献1に記載されている空気調和機操作システムのような構成では、制御対象になり得る複数の電気機器が一覧表示された機器選択画面などで、いずれかの電気機器を選択して制御対象機器を予め特定する必要がある。
【0006】
電気機器を遠隔操作するための操作端末をそのまま宅内でも使用する場合、すぐ近くの電気機器を操作するだけなのに、機器選択画面からの選択やダブルアクションが必要になるのは極めて煩わしく、専用の赤外線リモコンと比べると操作性がかなり劣る。
【0007】
本開示は、電気機器を宅外から通信回線を介して遠隔操作できるとともに、宅内で近距離内にある電気機器に対する操作性を向上させた端末及び端末制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の端末は、表示部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記表示部を制御する表示制御部と、制御可能範囲内における制御対象機器の有無を判別する判別部とを有し、前記表示制御部は、前記判別部が前記制御可能範囲内に前記制御対象機器があると判別すると、第1操作画面を表示するように前記表示部を制御する。
【0009】
本開示の端末制御プログラムは、端末を制御する端末制御プログラムであって、表示制御ステップと、制御可能範囲内における制御対象機器の有無を判別する判別ステップとを含み、前記表示制御ステップは、前記判別ステップにおいて前記制御可能範囲内に前記制御対象機器があると判別されると、第1操作画面を表示する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、電気機器を宅外から通信回線を介して遠隔操作できるとともに、宅内で近距離内にある電気機器に対する操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態に係る遠隔操作システム100の電気的な概略構成を示すブロック図である。
【
図2】スマートフォン10の制御部13による主要処理を示すフローチャートである。
【
図3A】操作者Uが自宅Hの制御可能範囲R内にあるエアコン20-1を操作する場合の説明図である。
【
図3B】
図3Aの場合のスマートフォン10の操作画面を例示する説明図である。
【
図3C】
図3Aの場合の概略処理を示すフローチャートである。
【
図4A】操作者Uが出先から自宅H内のエアコン20-3を遠隔操作する場合の説明図である。
【
図4B】
図4Aの場合のスマートフォン10の操作画面を例示する説明図である。
【
図4C】
図4Aの場合の概略処理を示すフローチャートである。
【
図6】近距離用操作画面の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
(1)遠隔操作システム100の構成
図1は本開示の一実施形態に係る遠隔操作システム100の電気的な概略構成を示すブロック図である。
【0014】
この
図1に示すように、遠隔操作システム100は、操作者Uが保持するスマートフォン10と、複数の制御対象機器20と、Wi-Fi(登録商標。以下の出現箇所では注記を省略)無線ルーター30と、サーバー40とを備えている。
【0015】
スマートフォン10は、画像や文字などを表示する表示部11と、外部との通信を行う通信部12と、これらを含む全体を制御する制御部13とを備えている。なお、スマートフォン10は本開示の「端末」の一例である。
【0016】
表示部11としては、液晶や有機EL(organic electro-luminescence)などを用い、操作者Uによる文字入力やタッチ操作などを可能とするタッチパネルが挙げられるが、これに限らない。
【0017】
通信部12は、Bluetooth(登録商標。以下の出現箇所では注記を省略)などの近距離無線通信、Wi-Fiによる無線通信、及びモバイルデータ通信によって外部との無線通信を行う。スマートフォン10がサーバー40と無線通信を行うには、モバイルデータ通信を用いてもよいし、無線ルーター30を介してもよい。スマートフォン10が制御対象機器20と無線通信を行うには、無線ルーター30を介するか、又は近距離無線通信を用いる。近距離内にある制御対象機器20の操作を行う場合には、近距離無線通信を用いる。
【0018】
制御部13は、スマートフォン10の各部を制御するが、本開示の内容を実現するために表示制御部13a及び判別部13bを備える。制御部13としては、CPU(Central Processing Unit)が挙げられるが、これに限らない。表示制御部13a及び判別部13bは、それぞれに対応する機能のソフトウェアをCPUなどが実行することで具現化される。
【0019】
表示制御部13aは、遠隔操作システム100におけるスマートフォン10のユーザーインターフェイスとして様々な操作画面などを表示するように、表示部11を制御する。
【0020】
判別部13bは、通信部12による近距離無線通信での制御可能範囲R内における制御対象機器20の有無を判別する。制御可能範囲R内に複数の制御対象機器20が存在する場合には、例えば近距離無線通信の電波強度に基づいて最も近いと推測される制御対象機器20を特定する。
【0021】
ここで、制御可能範囲Rとは、例えばBluetoothなどの近距離無線通信による通信可能範囲が挙げられる。ただし、Bluetoothに限らず、他の近距離無線通信を用いてもよいし、無線通信以外の手段を用いてもよい。なお、Bluetoothを使用する場合であれば、自宅H内における制御可能範囲Rとしては、操作者Uがいる場所(部屋など)を含む全部又は一部範囲が想定される。
【0022】
制御対象機器20は、サーバー40とは無線ルーター30を介して無線通信を行い、スマートフォン10とはBluetoothによる近距離無線通信又は無線ルーター30を介した無線通信を行う。なお、制御対象機器20を特定する必要がある場合には、20-1、20-2、20-3、・・・、20-Nのような参照符号を用いて区別することにする。
【0023】
図1では、エアコン20-1、空気清浄器20-2、エアコン20-3を例示しているが、これらの電気機器に限るわけではない。また、エアコン20-1及び空気清浄器20-2がスマートフォン10からの制御可能範囲R内に存在し、他の制御対象機器20は制御可能範囲R外に存在すると仮定している。
【0024】
無線ルーター30は、操作者Uの自宅H内に配置されており、インターネット50に有線又は無線で接続されるとともに、自宅H内のスマートフォン10及び各制御対象機器20とはWi-Fiによる無線でそれぞれ接続される。これにより、スマートフォン10及び各制御対象機器20はサーバー40との無線通信が可能となる。
【0025】
サーバー40は、操作者Uのアカウント及び操作者U毎の制御対象機器20などを登録して管理する。このサーバー40は、操作者U毎に登録された制御対象機器20に応じた様々なサービスを提供するが、本開示以外のサービスなどの詳細な説明は省略する。操作者Uが遠隔操作システム100を利用する場合、サーバー40に登録済みの自身のアカウント情報(ユーザーID及びパスワード)に基づいて予めログインしておく必要がある。ただし、本開示の端末及び端末制御プログラムの具現化のためには、このサーバー40は不可欠ではない。例えば、スマートフォン10が各制御対象機器20との無線通信を直接行うようにしてもよい。
【0026】
(2)スマートフォン10の制御部13による主要処理
図2はスマートフォン10の制御部13による主要処理を示すフローチャートである。
【0027】
図2に示すように、ステップS1では、表示制御部13a及び判別部13bに対応する機能を含むアプリケーションを操作者Uがスマートフォン10で起動し、サーバー40にアクセスしてログインを試みる。サーバー40は、入力されたアカウント情報が正しければ、その操作者Uのログインを認める。ログインが認められると、スマートフォン10はサーバー40と通信して保有テーブル及びユーザーIDを照会し、操作権限を取得する。スマートフォン10は同時に、制御可能範囲R内における制御対象機器20を探す探索信号の送信を開始する。
【0028】
ステップS2では、スマートフォン10は、通信部12による近距離無線通信での制御可能範囲R内における制御対象機器20の有無を判別する。具体的には、ステップS1で送信を開始した探索信号への応答によって制御対象機器20の有無を確認する。該当する制御対象機器20があればステップS3へ進み、1台もなければステップS7へ進む。なお、このステップS2が本開示の「判別ステップ」に対応する。
【0029】
ステップS3では、スマートフォン10は、制御可能範囲R内にある1台以上の制御対象機器20との通信を順次行って、各制御対象機器20の各種情報をそれぞれ取得する。あるいは、操作者U毎の制御対象機器20の各種情報がサーバー40に記憶されている場合は、スマートフォン10がサーバー40に問い合わせてこれらの情報を取得するようにしてもよい。この各種情報には、スマートフォン10からの遠隔操作の可否が含まれる。
【0030】
ステップS4では、スマートフォン10は、各種情報を取得した制御対象機器20のうちで、Bluetoothのペアリング済みの機器(遠隔操作可能な機器)の有無を判別し、該当する制御対象機器20があればステップS5へ進み、1台もなければステップS8へ進む。
【0031】
ステップS5では、スマートフォン10は、ステップS4の判別に該当した制御対象機器20のうちで、Bluetoothの電波強度が最大のものを最も近い制御対象機器20であると推定し、操作対象として選出する。
【0032】
なお、最も近い制御対象機器20を選出する方法としては、Bluetoothなどの近距離無線通信の電波強度に限らない。例えば、GPS(Global Positioning System)に代表される衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)や屋内測位技術による位置情報を用いてもよい。この場合は、各制御対象機器20とスマートフォン10との距離をそれぞれ算出し、最小距離に対応する制御対象機器20を操作対象として選出する。
【0033】
ステップS6では、スマートフォン10は、ステップS5で選出された制御対象機器20に対応する操作画面をその制御対象機器20又はサーバー40から取得する。複数パターンの操作画面から選択可能であれば、近距離用操作画面を選択してからステップS7へ進む。複数パターンの操作画面としては、例えばその制御対象機器20専用の赤外線リモコン風の操作画面が挙げられる。を予め準備しておき、表示部11によって操作者Uが選択できるようにしてもよい。なお、近距離用操作画面が本開示の「第1操作画面」に対応する。
【0034】
ステップS7では、ステップS6で選択された近距離用操作画面又は操作者Uによって選択された赤外線リモコン風操作画面を表示部11に表示する。これにより、表示部11に表示された操作画面によって制御対象機器20の操作を行うことができる。これらの操作画面の場合は、入力操作を受け付けた後に操作者Uの意図を改めて確認する(ダブルアクション)ための操作確認画面の表示を省略することができる。なお、このステップS7が本開示の「表示制御ステップ」に対応する。
【0035】
一方、ステップS8は、ステップS2において制御可能範囲R内における制御対象機器20が1台もないと判断された場合、又は、ステップS4においてBluetoothのペアリング済みの機器が1台もないと判断された場合である。つまり、制御可能範囲R内に制御対象機器20自体が1台も存在しないか、又はたとえ存在していてもBluetoothによる近距離無線通信での操作ができない場合である。このようなとき、スマートフォン10は、登録済みのすべての制御対象機器20の各種情報をサーバー40に問い合わせて取得する。
【0036】
ステップS9では、ステップS8でサーバー40から各種情報を取得したすべての制御対象機器20を一覧表示していずれかを操作者Uに選択させる機器選択画面を表示部11に表示する。なお、表示部11に一覧表示される制御対象機器20が本開示の「候補機器」に対応する。
【0037】
ステップS10では、ステップS9で表示された機器選択画面において操作者Uによって選択された制御対象機器20の遠隔操作画面を表示部11に表示する。これにより、表示部11に表示された操作画面によって制御対象機器20の操作を行うことができる。この操作画面の場合は、入力操作を受け付けた後に操作者Uの意図を改めて確認する(ダブルアクション)ための操作確認画面の表示が必要である。なお、遠隔操作画面が本開示の「第2操作画面」に対応する。
【0038】
(3)制御可能範囲R内の制御対象機器20を操作する場合
図3Aは操作者Uが自宅Hの制御可能範囲R内にあるエアコン20-1を操作する場合の説明図である。
図3Bは
図3Aの場合のスマートフォン10の操作画面を例示する説明図である。
図3Cは
図3Aの場合の概略処理を示すフローチャートである。
【0039】
図3Aに示すように、操作者Uが保持するスマートフォン10の制御可能範囲R内にエアコン20-1がある場合、
図2のステップS7において、
図3Bに示すような近距離用操作画面が表示部11に表示される(
図3CのステップS31)。なお、制御可能範囲R内に複数の制御対象機器20がある場合であっても、最も近いと推測される制御対象機器20を特定し、その制御対象機器20用の近距離用操作画面をすぐに表示する。一旦、機器選択画面が表示され、その中からいずれかを選択する操作が毎回必要だと操作者Uによって煩わしいからである。ただし、選択中の制御対象機器20の表示、制御対象機器20を切り替えるための操作手段(例えばドロップダウンリスト)なども設けておくことが好ましい。
【0040】
この近距離用操作画面には、エアコン20-1が設置されている部屋の状態を表示する状態表示部11aと、エアコン20-1を操作する操作ボタン11b~11hとが配置されている。
【0041】
操作者Uが操作ボタン11b~11hのいずれかを選択してタップ操作すると(
図3CのステップS32)、そのタップ操作をスマートフォン10が認識して、操作確認を行う操作確認画面を表示する(
図3CのステップS33)。この操作確認画面には、例えば、操作内容を確認するメッセージとともに、少なくとも「はい」及び「いいえ」の2つのボタンを含む。
【0042】
「はい」ボタンがタップ操作されて操作者Uの意図が確認できたら、通信部12がエアコン20-1に対する動作指示をBluetoothによる近距離無線通信で送信する。なお、操作ボタン11b~11hは本開示の「第1指示手段」の例である。
【0043】
ここでは、スマートフォン10を保持する操作者Uの近くにエアコン20-1があるにも関わらず、操作ボタン11b~11hがタップ操作された場合にその都度、操作者Uの意図を確認する処理を示した。しかしながら、その制御対象機器20専用の赤外線リモコンと比べると煩わしいタップ操作が何度も必要であり、操作性が著しく劣る。そこで、
図3CのステップS33に示した入力確認処理を省略することが好ましい。
【0044】
(4)宅外から制御対象機器20を遠隔操作する場合
図4Aは操作者Uが出先から自宅H内のエアコン20-3を遠隔操作する場合の説明図である。
図4Bは
図4Aの場合のスマートフォン10の操作画面を例示する説明図である。
図4Cは
図4Aの場合の概略処理を示すフローチャートである。
【0045】
図4Aに示すように、操作者Uが出先から自宅H内のエアコン20-3を遠隔操作しようとする場合、
図2のステップS9において、
図4Bに示すような機器選択画面が表示部11に表示される。この機器選択画面は、遠隔操作システム100ではスマートフォン10の操作画面の通常表示とも言える。
【0046】
この機器選択画面には、その時点で選択されている場所(部屋など)の状態を表示する状態表示領域11xと、その場所(ここではリビング)に設置されている制御対象機器20を一覧表示する機器一覧表示領域11yとが配置されている。この機器一覧表示領域11y内には、リビング内のエアコン20-3を操作するためのボタン11y1と、リビング内の空気清浄器を操作するためのボタン11y2と、すべてのエアコンを一括停止するための一括停止ボタン11zとが配置されている。
【0047】
例えばリビング内のエアコン20-3を操作するため、操作者Uがボタン11y1をタップ操作して選択すると(
図4CのステップS41)、そのエアコン20-3に対して可能な操作がボタンなどとして表示部11に表示される。この操作としては、例えば、運転の開始/停止、運転モードや設定温度の変更、風量や風向の変更などが挙げられるが、これらに限らない。なお、このときに表示部11に表示される画面が本開示の「対応操作画面」の一例であり、各ボタンは本開示の「第2指示手段」の例である。
【0048】
操作者Uは、表示部11に表示された操作のうちで所望の操作を選択して(
図4CのステップS42)、対応するボタンをタップ操作する。そのタップ操作をスマートフォン10が認識して、操作確認を行う操作確認画面を表示する(
図4CのステップS43)。この操作確認画面には、例えば、操作内容を確認するメッセージとともに、少なくとも「はい」及び「いいえ」の2つのボタンを含む。なお、これらのボタンは本開示の「操作確認手段」の例である。
【0049】
「はい」ボタンがタップ操作されて操作者Uの意図が確認できたら、通信部12がエアコン20-3に対する動作指示をBluetoothによる近距離無線通信で送信する。
【0050】
(5)遠隔操作画面及び近距離用操作画面の他の例
図5は遠隔操作画面の他の例を示す説明図である。
図6は近距離用操作画面の他の例を示す説明図である。これらの操作画面は、上述した遠隔操作システム100におけるスマートフォン10に使用されているアプリケーションが一部変形されたものによって具現化されている。表示部11の周辺部などでは、同一情報の多くが同一位置に表示されており、操作者Uが必要な情報を常に容易に認識可能になっている。
【0051】
図5に示す遠隔操作画面には、その時点で選択されている場所(部屋など)の状態を表示する状態表示領域11Xと、その時点で操作対象となっている制御対象機器20(ここではエアコン)に対する主要な操作ボタンなどを表示する操作用領域11Yとが配置されている。
【0052】
状態表示領域11Xには、左上部にその時点で選択されている具体的な場所(ここではリビング)が表示され、中央部に気温及び湿度が並んで大きく表示されている。右上部には、この遠隔操作画面を最新情報に更新する更新ボタン11X1が配置されている。また、背景色は、その場所の快適性に応じて変更される。
【0053】
状態表示領域11Xと操作用領域11Yとの境界の左端付近には、エアコンの運転を開始/停止する電源ボタン11Aが配置されている。
【0054】
操作用領域11Yには、運転モードや設定温度を変更する運転モードボタン11Y1と、風量や風向(上下及び左右)を変更する風量風向ボタン11Y2とが上下に並んで配置されている。右上部には、エアコンの状態を示すアイコンが横並びで表示されるエアコン状態表示11Y3が配置されている。
【0055】
また、状態表示領域11Xのすぐ上の左側にはエアコンが設置されている建物の住所及び天気予報が表示される天気予報表示11Bが配置され、その上の右側にはその時点の操作対象に設定されている名称(ここでは「kyoshidanx」)を示す操作対象表示11Cが配置されている。なお、ここをタップ操作することで、その時点で操作対象にできる制御対象機器20がドロップダウンリストとして表示され、いずれかを選択することで操作対象を直接変更することができる。
【0056】
操作用領域11Yの下部には、左から順に、操作ボタン11D、タイマーボタン11E、メニューボタン11Fが配置されている。
【0057】
一方、
図6に示す近距離用操作画面には、
図5の状態表示領域11X及び操作用領域11Yを合わせた領域に操作用領域11Zが配置されている。
【0058】
この操作用領域11Zには、上部に大きな3つの丸ボタン(冷房ボタン11Z1、自動ボタン11Z2、暖房ボタン11Z3)が左から順に配置されている。その下には、温度を設定するスライダー11Z4が配置されている。その下には左から順に、風量設定部11Z5、上下風向設定部11Z6、及び左右風向設定部11Z7が配置されている。その下には、運転を停止する停止ボタン11Z8が配置されている。
【0059】
なお、この近距離用操作画面においても、一部の情報は
図5の遠隔操作画面と同一位置に表示される。具体的には、上部の天気予報表示11B及び操作対象表示11C、下部の操作ボタン11D、タイマーボタン11E、及びメニューボタン11Fである。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示は、電気機器などを遠隔操作できる端末及び端末制御プログラムなどに適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
100 遠隔操作システム
10 スマートフォン
11 表示部
12 通信部
13 制御部
13a 表示制御部
13b 判別部
20 制御対象機器
30 無線ルーター
40 サーバー
50 インターネット