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特開2025-27747距離画像撮像装置、及び距離画像撮像方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027747
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】距離画像撮像装置、及び距離画像撮像方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/4863 20200101AFI20250220BHJP
   G01S 17/894 20200101ALI20250220BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20250220BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20250220BHJP
   H04N 25/705 20230101ALI20250220BHJP
【FI】
G01S7/4863
G01S17/894
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
H04N25/70
H04N25/705
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132840
(22)【出願日】2023-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 聡
【テーマコード(参考)】
2F112
5C024
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA20
2F112CA02
2F112CA12
2F112DA19
2F112DA21
2F112DA25
2F112DA28
2F112EA05
2F112GA01
5C024CY17
5C024EX12
5C024EX43
5C024EX52
5C024GX03
5C024GX16
5C024GX18
5C024GY31
5C024JX46
5J084AA04
5J084AA05
5J084AD01
5J084AD05
5J084BA04
5J084BA20
5J084BA36
5J084BA40
5J084BB10
5J084BB20
5J084CA03
5J084CA31
5J084CA65
5J084CA67
5J084EA40
(57)【要約】
【課題】被写体までの距離と共に被写体の色情報を得る。
【解決手段】光源部と、画素が二次元マトリクス状に複数配置された受光領域及び画素駆動回路とを有する受光部と、前記光パルスを照射する照射タイミング及び前記電荷蓄積部に電荷を蓄積させる蓄積タイミングを制御し、前記電荷蓄積部のそれぞれに蓄積された電荷量に基づいて前記被写体までの距離を算出する距離画像処理部と、前記受光領域における画素に設けられ、前記受光領域に入射した光のうち特定の色に対応する周波数帯域を有する光を画素に受光させ、前記特定の色とは異なる色に対応する周波数帯域を有する光を画素に受光させないカラーフィルタと、を備え、前記距離画像処理部は、前記電荷蓄積部のそれぞれに蓄積された電荷量に対応する蓄積信号を用いて、前記カラーフィルタに対応する色の強度である色強度を算出し、前記反射光信号に基づいて前記被写体までの距離を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に光パルスを照射する光源部と、
入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子及び電荷を蓄積する複数の電荷蓄積部を具備する画素が二次元マトリクス状に複数配置された受光領域と、前記電荷蓄積部のそれぞれに電荷を振り分けて蓄積させる画素駆動回路と、を有する受光部と、
前記光パルスを照射する照射タイミング及び前記電荷蓄積部に電荷を蓄積させる蓄積タイミングを制御し、前記電荷蓄積部のそれぞれに蓄積された電荷量に基づいて前記被写体までの距離を算出する距離画像処理部と、
前記受光領域における画素に設けられ、前記受光領域に入射した光のうち特定の色に対応する周波数帯域を有する光を画素に受光させ、前記特定の色とは異なる色に対応する周波数帯域を有する光を画素に受光させないカラーフィルタと、
を備え、
複数の色のそれぞれに対応する前記カラーフィルタが前記受光領域における互いに異なる画素に設けられ、
前記距離画像処理部は、前記電荷蓄積部のそれぞれに蓄積された電荷量に対応する蓄積信号を用いて、画素が前記カラーフィルタを介して受光した外光の光量に対応する外光信号、及び前記光パルスの反射光の光量に対応する反射光信号を算出し、前記外光信号に基づいて前記カラーフィルタに対応する色の強度である色強度を算出し、前記反射光信号に基づいて前記被写体までの距離を算出する、
距離画像撮像装置。
【請求項2】
前記カラーフィルタは、前記光パルスが有する周波数帯域を通過させる、
請求項1に記載の距離画像撮像装置。
【請求項3】
前記距離画像処理部は、画素から出力される前記蓄積信号のうち、最も小さい値を前記外光信号の値として前記色強度を算出し、前記蓄積信号のうち前記色強度の算出に用いた前記蓄積信号とは異なる前記蓄積信号から前記外光信号を減算した値に基づいて、前記距離を算出する、
請求項1に記載の距離画像撮像装置。
【請求項4】
前記距離画像処理部は、第1色に対応する前記カラーフィルタが設けられた画素である第1画素から出力される前記蓄積信号を用いて算出される前記色強度、及び、前記第1画素の周辺にある第2画素であって前記第1色とは異なる第2色に対応する前記カラーフィルタが設けられた第2画素から出力される前記蓄積信号を用いて算出される前記色強度を用いて複数の色を有するカラー画像を生成し、生成したカラー画像における各画素に前記距離を対応させたマップを生成する、
請求項1に記載の距離画像撮像装置。
【請求項5】
前記カラーフィルタは、赤、青、緑の色のそれぞれに対応するフィルタからなり、
前記距離画像処理部は、赤、青、緑の色を有するカラー画像を生成する、
請求項3に記載の距離画像撮像装置。
【請求項6】
前記カラーフィルタには、前記光パルスが有する周波数帯域を遮断する遮断フィルタと、前記光パルスが有する周波数帯域を通過させる通過フィルタと、が含まれ、
前記距離画像処理部は、前記遮断フィルタが設けられた画素から出力される前記蓄積信号を用いて前記色強度を算出し、前記通過フィルタが設けられた画素から出力される前記蓄積信号を用いて前記距離を算出する、
請求項1に記載の距離画像撮像装置。
【請求項7】
前記距離画像処理部は、前記色強度を用いて生成したカラー画像に画像処理を行うことによって前記被写体の輪郭を抽出し、抽出した輪郭の画素座標に基づいて、前記距離を補正する、
請求項1に記載の距離画像撮像装置。
【請求項8】
前記距離画像処理部は、前記電荷蓄積部に電荷を蓄積させる蓄積時間が異なる複数の駆動パターンを用いて前記電荷蓄積部に電荷を蓄積させ、前記駆動パターンのそれぞれにおいて、画素から出力される前記蓄積信号を用いて前記距離と前記色強度を算出し、前記駆動パターンに応じた前記距離の変化と前記色強度の変化との関係に基づいて、焦点距離を算出する、
請求項1に記載の距離画像撮像装置。
【請求項9】
前記受光領域には、像面位相差を検出するために用いられる画素である像面位相差画素が含まれ、
前記距離画像処理部は、前記像面位相差画素から出力される蓄積信号を用いて焦点距離を算出する、
請求項1に記載の距離画像撮像装置。
【請求項10】
前記光パルスは、可視光を含み、
前記距離画像処理部は、前記光パルスに含まれる可視光の周波数帯域と、画素に設けられた前記カラーフィルタの周波数特性との関係に応じて、前記距離を算出する画素を選択する、
請求項1に記載の距離画像撮像装置。
【請求項11】
被写体に光パルスを照射する光源部と、入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子及び電荷を蓄積する複数の電荷蓄積部を具備する画素が二次元マトリクス状に複数配置された受光領域と、前記電荷蓄積部のそれぞれに電荷を振り分けて蓄積させる画素駆動回路と、を有する受光部と、前記光パルスを照射する照射タイミング及び前記電荷蓄積部に電荷を蓄積させる蓄積タイミングを制御し、前記電荷蓄積部のそれぞれに蓄積された電荷量に基づいて前記被写体までの距離を算出する距離画像処理部と、前記受光領域における画素に設けられ、前記受光領域に入射した光のうち特定の色に対応する周波数帯域を有する光を画素に受光させ、前記特定の色とは異なる色に対応する周波数帯域を有する光を画素に受光させないカラーフィルタと、を備える距離画像撮像装置が、行う距離画像撮像方法であって、
複数の色のそれぞれに対応する前記カラーフィルタが前記受光領域における互いに異なる画素に設けられ、
前記距離画像処理部は、前記電荷蓄積部のそれぞれに蓄積された電荷量に対応する蓄積信号を用いて、画素が前記カラーフィルタを介して受光した外光の光量に対応する外光信号、及び前記光パルスの反射光の光量に対応する反射光信号を算出し、前記外光信号に基づいて前記カラーフィルタに対応する色の強度である色強度を算出し、前記反射光信号に基づいて前記被写体までの距離を算出する、
距離画像撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離画像撮像装置、及び距離画像撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光の速度が既知であることを利用し、空間(測定空間)における光の飛行時間に基づいて測定器と対象物との距離を測定する、タイム・オブ・フライト(Time of Flight、以下「TOF」という)方式の距離画像撮像装置が実現されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4235729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような距離画像撮像装置では、物体に近赤外領域の光パルスを照射し、この光パルスを照射した時刻と、照射した光パルスが物体によって反射してきた反射光を受光した時刻との時間差に基づいて、距離を測定する。距離の測定に近赤外線を用いることから、距離画像撮像装置において、距離情報とIR画像を得ることが可能である。
【0005】
距離画像撮像装置が利用される場面では、一般的なカメラ、例えばカラー画像を撮像可能なRGBカメラや複数のセンサが用いられる場合が多い。このような場合、距離画像撮像装置の距離情報と、RGB画像の色情報とを統合させるために座標を合わせる処理等が必要となり、処理量が増大すると共に処理時間がかかってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に基づいてなされたものであり、被写体までの距離と共に被写体の色情報を得ることができる距離画像撮像装置、及び距離画像撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の距離画像撮像装置は、被写体に光パルスを照射する光源部と、入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子及び電荷を蓄積する複数の電荷蓄積部を具備する画素が二次元マトリクス状に複数配置された受光領域と、前記電荷蓄積部のそれぞれに電荷を振り分けて蓄積させる画素駆動回路と、を有する受光部と、前記光パルスを照射する照射タイミング及び前記電荷蓄積部に電荷を蓄積させる蓄積タイミングを制御し、前記電荷蓄積部のそれぞれに蓄積された電荷量に基づいて前記被写体までの距離を算出する距離画像処理部と、前記受光領域における画素に設けられ、前記受光領域に入射した光のうち特定の色に対応する周波数帯域を有する光を画素に受光させ、前記特定の色とは異なる色に対応する周波数帯域を有する光を画素に受光させないカラーフィルタと、を備え、複数の色のそれぞれに対応する前記カラーフィルタが前記受光領域における互いに異なる画素に設けられ、前記距離画像処理部は、前記電荷蓄積部のそれぞれに蓄積された電荷量に対応する蓄積信号を用いて、画素が前記カラーフィルタを介して受光した外光の光量に対応する外光信号、及び前記光パルスの反射光の光量に対応する反射光信号を算出し、前記外光信号に基づいて前記カラーフィルタに対応する色の強度である色強度を算出し、前記反射光信号に基づいて前記被写体までの距離を算出する。
【0008】
本発明の距離画像撮像方法は、被写体に光パルスを照射する光源部と、入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子及び電荷を蓄積する複数の電荷蓄積部を具備する画素が二次元マトリクス状に複数配置された受光領域と、前記電荷蓄積部のそれぞれに電荷を振り分けて蓄積させる画素駆動回路と、を有する受光部と、前記光パルスを照射する照射タイミング及び前記電荷蓄積部に電荷を蓄積させる蓄積タイミングを制御し、前記電荷蓄積部のそれぞれに蓄積された電荷量に基づいて前記被写体までの距離を算出する距離画像処理部と、前記受光領域における画素に設けられ、前記受光領域に入射した光のうち特定の色に対応する周波数帯域を有する光を画素に受光させ、前記特定の色とは異なる色に対応する周波数帯域を有する光を画素に受光させないカラーフィルタと、を備える距離画像撮像装置が、行う距離画像撮像方法であって、複数の色のそれぞれに対応する前記カラーフィルタが前記受光領域における互いに異なる画素に設けられ、前記距離画像処理部は、前記電荷蓄積部のそれぞれに蓄積された電荷量に対応する蓄積信号を用いて、画素が前記カラーフィルタを介して受光した外光の光量に対応する外光信号、及び前記光パルスの反射光の光量に対応する反射光信号を算出し、前記外光信号に基づいて前記カラーフィルタに対応する色の強度である色強度を算出し、前記反射光信号に基づいて前記被写体までの距離を算出する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被写体までの距離と共に被写体の色情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の距離画像撮像装置1の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態の距離画像センサ32の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態の画素321の一例を示す回路図である。
図4】実施形態の画素321に設けられるカラーフィルタを説明するための図である。
図5】実施形態の画素321に設けられるカラーフィルタを説明するための図である。
図6】実施形態の電荷蓄積部CSに蓄積される電荷量を説明するための図である。
図7】実施形態の変形例1に係る受光領域320の断面図である。
図8】実施形態の変形例1に係る画素321に蓄積される電荷の例を示す図である。
図9】実施形態の変形例2に係る受光領域320の断面図である。
図10】実施形態の変形例3に係る距離画像処理部4が行う処理を説明するための図である。
図11】実施形態の変形例3に係る距離画像処理部4が行う処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態の距離画像撮像装置を、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、実施形態の距離画像撮像装置1の一例を示すブロック図である。距離画像撮像装置1は、例えば、光源部2と、受光部3と、距離画像処理部4とを備える。図1には、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象物である被写体OBも併せて示している。
【0013】
光源部2は、距離画像処理部4からの制御に応じて被写体OBに光パルスPOを照射する。光源部2は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの面発光型の半導体レーザーモジュールである。光源部2は、光源装置21と、拡散板22とを備える。
【0014】
光源装置21は、被写体OBに照射する光パルスPOとなる近赤外の波長帯域(例えば、波長が850nm~940nmの波長帯域)のレーザー光を発光する光源である。光源装置21は、例えば、半導体レーザー発光素子である。光源装置21は、タイミング制御部41からの制御に応じて、パルス状のレーザー光を発光する。
【0015】
拡散板22は、光源装置21が発光した近赤外の波長帯域のレーザー光を、被写体OBに照射する面の広さに拡散する光学部品である。拡散板22が拡散したパルス状のレーザー光が、光パルスPOとして出射され、被写体OBに照射される。
【0016】
受光部3は、被写体OBによって反射された光パルスPOの反射光RLを受光し、受光した反射光RLに応じた蓄積信号を出力する。受光部3は、レンズ31と、距離画像センサ32とを備える。
【0017】
レンズ31は、入射した反射光RLを距離画像センサ32に導く光学レンズである。レンズ31は、入射した反射光RLを距離画像センサ32側に出射し、反射光RLを距離画像センサ32に受光(入射)させる。
【0018】
本実施形態では、受光部3において、レンズ31と距離画像センサ32との間に、カラーフィルタCF(図1では不図示、図5参照)を備える。カラーフィルタCFは、帯域制限を行う。例えば、カラーフィルタCFは、レンズ31に入射された光のうち、所定の周波数帯域にある成分を通過させることによって距離画像センサ32に出射する。一方、カラーフィルタは、所定の周波数帯域にない成分を遮断することによって、距離画像センサ32に出射しないようにする。カラーフィルタCFは、可視光における特定の色に対応する周波数帯域に光を通過させ、その周波数帯域にない成分を遮断する。この特定の色は、任意の色を用いてよいが、例えば、赤色R、緑色Gr及び青色Bの三原色である。赤色Rに対応するカラーフィルタCFは、赤色Rに対応する周波数帯域に光を通過させ、赤色Rに対応する周波数帯域にない成分(例えば、緑色Gr及び青色Bに対応する周波数帯域)を遮断する。緑色Grに対応するカラーフィルタCFは、緑色Grに対応する周波数帯域に光を通過させ、緑色Grに対応する周波数帯域にない成分(例えば、赤色R及び青色Bに対応する周波数帯域)を遮断する。例えば、距離画像センサ32において互いに近傍に設けられた画素群に互いに異なる色のカラーフィルタCFが設けられる。
【0019】
カラーフィルタCFは、例えば、一般的なデジタルカメラで採用されているベイヤーフィルタを適用することができる。なお、これに限定されることはなく、カラーフィルタCFに、シアン、黄、緑、マゼンタのそれぞれの色に対応するCYGMフィルタ、或いは赤、緑、青、エメラルドのそれぞれの色に対応するRGBEフィルタを用いてもよい。
【0020】
カラーフィルタCFは、近赤外光(例えば、940[nm]以上の波長帯域を有する光)を通過させる特性を有する。すなわち、本実施形態において、カラーフィルタCFは、反射光RLを通過させることを前提とする。カラーフィルタCFは、例えば、850[nm]~940[nm]の周波数帯域を有する光を、所定比率(例えば、80%)以上通過させる。
なお、後述する変形例において、カラーフィルタCFの一部に、反射光RLを通過させないカラーフィルタCFを用いる場合について説明するが、このような変形例においても、少なくとも、他のカラーフィルタCFにおいて反射光RLを通過させるカラーフィルタCFが用いられる。これにより、本実施形態は、画素321が反射光RLを受光することができるようにする。したがって、距離画像撮像装置1は、受光した反射光RLの光量に基づく距離を算出することができる。
【0021】
距離画像センサ32は、撮像素子である。距離画像センサ32は、画素321が二次元マトリクス状に複数配置された受光領域320を備える(図2参照)。画素321は、1つの光電変換素子PDと、この光電変換素子PDに対応する複数の電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS1~CS4)と、それぞれの電荷蓄積部CSに電荷を振り分ける構成要素とが設けられる(図3参照)。画素321は、複数の電荷蓄積部CSに電荷を振り分けて蓄積させる振り分け構成を有する撮像素子である。
【0022】
距離画像センサ32は、タイミング制御部41からの制御に応じて、光電変換素子PDが発生した電荷をそれぞれの電荷蓄積部CSに振り分ける。また、距離画像センサ32は、電荷蓄積部CSに振り分けられた電荷量に応じた蓄積信号を出力する。距離画像センサ32は、それぞれの画素321における1フレーム分の蓄積信号を出力する。
【0023】
距離画像処理部4は、距離画像撮像装置1を制御し、距離画像センサ32から出力される1フレーム分の蓄積信号を用いて被写体OBまでの距離を算出する。距離画像処理部4は、タイミング制御部41と、演算部42と、測定制御部43とを備える。
【0024】
タイミング制御部41は、測定制御部43からの制御に応じて、測定に要する様々な制御信号を出力するタイミングを制御する。ここでの様々な制御信号とは、例えば、光パルスPOの照射する否かを示す信号、電荷蓄積部に電荷を蓄積させるか否かを示す信号などである。
【0025】
演算部42は、画素321から出力される蓄積信号Qを用いて、被写体OBまでの距離を算出し、算出した距離を出力する。演算部42は、複数の電荷蓄積部CSのそれぞれに対応する蓄積信号を用いて、光パルスPOを照射してから反射光RLを受光するまでの遅延時間を算出し、算出した遅延時間に応じて被写体OBまでの距離を算出する。
【0026】
演算部42は、反射光RL成分に対応する電荷量が、例えば、以下の(1)により遅延時間Tdを算出する。遅延時間Tdは、光パルスPOが照射されてから反射光RLが距離画像撮像装置1に入射されるまでに要した時間である。これは、TOF方式において、遅延時間Tdに応じた比率で、2つの電荷蓄積部CSに振り分けて蓄積されることを利用している。
なお、式(1)においては、外光に対応する電荷のみが電荷蓄積部CS1に蓄積され、反射光RL及び外光に対応する電荷が電荷蓄積部CS2及びCS3に蓄積されたことを前提とする。ここでの外光は、常時、距離画像撮像装置1に入射される光であって、例えば、日光や照明装置から照射された光が被写体OBに反射して距離画像撮像装置1に入射された光である。演算部42は、式(1)で求めた遅延時間Tdに、光速(速度)を乗算させることにより、被写体OBまでの往復の距離を算出する。そして、演算部42は、上記で算出した往復の距離を1/2とすることにより、被写体OBまでの距離を求める。
【0027】
Td=To×(Q3-Q1)/(Q2+Q3-2×Q1) …(1)
但し、Toは光パルスPOが照射された照射時間である。
Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量を示す蓄積信号である。
Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量を示す蓄積信号である。
Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量を示す蓄積信号である。
【0028】
また、本実施形態において、演算部42は、被写体OBの色を示す色情報を算出する。色情報は、複数の色のそれぞれの色の強度(色強度)を示す情報であり、例えば、RGB値である。演算部42は、蓄積信号Qを用いて、画素321が受光した外光(カラーフィルタCFを通過した外光)の光量に相当する信号(外光信号)を算出する。例えば、(1)式に示すように、外光に対応する電荷のみが電荷蓄積部CS1に蓄積された場合、蓄積信号Q1を外光信号とする。演算部42は、外光信号の信号値を、画素321が受光した光の色(カラーフィルタCFに対応する色)の色強度とする。演算部42は、複数の色のそれぞれの色強度を示す情報(例えば、RGB値)を色情報とする。
【0029】
測定制御部43は、タイミング制御部41を制御する。例えば、測定制御部43は、照射時間及び蓄積時間などを設定し、設定した内容で撮像が行われるようにタイミング制御部41を制御する。
【0030】
このような構成によって、距離画像撮像装置1は、被写体OBに光パルスPOを照射し、被写体OBによって反射された反射光RLを受光する。そして、距離画像撮像装置1が、反射光RLを受光するまでの遅延時間に基づいて被写体OBまでの距離を測定した距離情報を出力する。なお、図1においては、距離画像撮像装置1の内部に距離画像処理部4が設けられた例を示しているが、距離画像処理部4の機能が、距離画像撮像装置1の外部に設けられてもよい。
【0031】
ここで、図2を用いて、距離画像センサ32の構成について説明する。図2は、距離画像センサ32の一例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、距離画像センサ32は、例えば、複数の画素321が二次元マトリクス状に配置された受光領域320と、画素駆動回路322とを備える。画素駆動回路322は、例えば、振り分け動作を有した垂直走査回路323と、水平走査回路324と、画素信号処理回路325と、制御回路326とを備える。
【0033】
受光領域320は、複数の画素321が二次元マトリクス状に配置された領域であって、図2では、8行8列に二次元の行列状に配置された例を示している。画素321は、受光した光量に相当する電荷を蓄積し、蓄積した電荷量に対応する蓄積信号を出力する。
【0034】
制御回路326は、距離画像センサ32を統括的に制御する。制御回路326は、例えば、距離画像処理部4のタイミング制御部41からの指示に応じて、距離画像センサ32の構成要素の動作を制御する。なお、距離画像センサ32に備えた構成要素の制御は、タイミング制御部41が直接行う構成であってもよく、この場合、制御回路326を省略することも可能である。
【0035】
垂直走査回路323は、制御回路326からの制御に応じて、受光領域320に配置された画素321を行ごとに制御する。垂直走査回路323は、画素321の電荷蓄積部CSそれぞれに蓄積された電荷量に応じた電圧信号を画素信号処理回路325に出力させる。例えば、垂直走査回路323は、光パルスPOの照射に同期させた蓄積タイミングにて光電変換素子により変換された電荷を画素321の電荷蓄積部それぞれに振り分けて蓄積させる。また、垂直走査回路323は、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させる蓄積期間とは異なる期間(例えば、読出期間)において光電変換素子により変換された電荷を電荷排出部(後述する電荷排出トランジスタGD)から排出させる。
【0036】
画素信号処理回路325は、制御回路326からの制御に応じて、それぞれの列の画素321から対応する垂直信号線に出力された電圧信号に対して、予め定めた信号処理(例えば、ノイズ抑圧処理やA/D変換処理など)を行う。
【0037】
水平走査回路324は、制御回路326からの制御に応じて、画素信号処理回路325から出力される信号を、順次、時系列に出力させる。これにより、1フレーム分の蓄積信号が、距離画像処理部4に順次出力される。以下では、画素信号処理回路325がA/D変換処理を行い、蓄積信号がデジタル信号であるものとして説明する。
【0038】
ここで、図3を用いて、画素321の構成について説明する。図3は、画素321の一例を示す回路図である。図3には、受光領域320内に配置された複数の画素321のうち、1つの画素321の構成の一例を示している。この図では、画素321が、4個の信号読出部RU(信号読出部RU1~RU4)を備えた例を示す。
【0039】
画素321は、1個の光電変換素子PDと、電荷排出トランジスタGDと、対応する出力端子Oから電圧信号を出力する4個の信号読出部RUとを備える。信号読出部RUのそれぞれは、転送トランジスタGと、フローティングディフュージョンFDと、電荷蓄積容量Cと、リセットトランジスタRTと、ソースフォロアトランジスタSFと、選択トランジスタSLとを備える。電荷蓄積部CSは、フローティングディフュージョンFDと電荷蓄積容量Cとによって構成される。
【0040】
なお、図3においては、4個の信号読出部RUの符号「RU」の後に、「1」から「4」の何れかの数字を付与することによって、それぞれの信号読出部RUを区別する。また、同様に、4個の信号読出部RUに備えたそれぞれの構成要素も、それぞれの信号読出部RUを表す数字を符号の後に示すことによって、それぞれの構成要素が対応する信号読出部RUを区別して表す。
【0041】
画素321において、信号読出部RU1は、出力端子O1から電圧信号を出力する。信号読出部RU1は、転送トランジスタG1と、フローティングディフュージョンFD1と、電荷蓄積容量C1と、リセットトランジスタRT1と、ソースフォロアトランジスタSF1と、選択トランジスタSL1とを備える。電荷蓄積部CS1は、フローティングディフュージョンFD1と電荷蓄積容量C1とによって構成されている。信号読出部RU2~RU4も同様の構成である。
【0042】
光電変換素子PDは、入射した光を光電変換して、入射した光の強度に応じた電荷を発生させ、発生させた電荷を蓄積する埋め込み型のフォトダイオードである。光電変換素子PDの構造は任意であってよい。光電変換素子PDは、例えば、P型半導体とN型半導体とを接合した構造のPNフォトダイオードであってもよいし、P型半導体とN型半導体との間にI型半導体を挟んだ構造のPINフォトダイオードであってもよい。また、光電変換素子PDは、フォトダイオードに限定されるものではなく、例えば、フォトゲート方式の光電変換素子であってもよい。
【0043】
電荷排出トランジスタGDは、光電変換素子PDに発生した電荷を破棄するためのトランジスタである。電荷排出トランジスタGDは、画素駆動回路322によりオン状態に制御されると、光電変換素子PDに発生した電荷を破棄する(すなわち、光電変換素子PDをリセットさせる)。
【0044】
画素駆動回路322は、画素321を駆動し、光電変換素子PDが入射した光を光電変換して発生させた電荷を4個の電荷蓄積部CSのそれぞれに振り分け、振り分けられた電荷の電荷量に応じたそれぞれの電圧信号を、画素信号処理回路325に出力する。
【0045】
例えば、画素駆動回路322は、画素321の駆動において、光パルスPOの照射タイミングに同期させて、電荷蓄積部CS1~CS4のそれぞれに対応する蓄積駆動信号TX1~TX4を順にオン状態に制御する。これによって、電荷蓄積部CSのそれぞれに対応する転送トランジスタG1~G4を順に導通させ、対応する電荷蓄積部CSに電荷を振分けて蓄積させる。これにより、電荷蓄積部CS1、CS2、CS3、CS4の順に、電荷が蓄積される。
【0046】
なお、画素321は、図3に示すような、4個の信号読出部RUを備えた構成に限定されるものではなく、複数の信号読出部RUを備えた構成の画素であればよい。つまり、距離画像センサ32に配置される画素に備える信号読出部RU(電荷蓄積部CS)の数は、2個であってもよいし、3個であってもよいし、5個以上であってもよい。
【0047】
また、図3では、電荷蓄積部CSが、フローティングディフュージョンFDと電荷蓄積容量Cとによって構成される一例を示した。しかし、電荷蓄積部CSは、少なくともフローティングディフュージョンFDによって構成されればよく、画素321が電荷蓄積容量Cを備えない構成であってもよい。
【0048】
また、図3に示した構成の画素321では、電荷排出トランジスタGDを備える構成の一例を示したが、光電変換素子PDに蓄積されている(残っている)電荷を破棄する必要がない場合には、電荷排出トランジスタGDを備えない構成であってもよい。
【0049】
本実施形態において、距離画像撮像装置1は、被写体OBまでの距離を測定すると共に、被写体OBの色情報を算出する。これにより、距離画像撮像装置1とは異なるRGBカメラで被写体OBを撮像した場合に発生する処理、例えば、距離情報とRGB画像の色情報とを統合させるために座標を合わせる処理等を省略することができる。したがって、実施形態の距離画像撮像装置1では、信号処理における処理量の増大を抑制すると共に、処理時間を短縮することができる。以下、距離画像撮像装置1は、被写体OBまでの距離を測定すると共に、被写体OBの色情報を算出する方法について説明する。
【0050】
本実施形態では、被写体OBの色情報を得るために、画素321にカラーフィルタCFを設ける。このカラーフィルタCFについて、図4及び図5を用いて説明する。図4及び図5は、実施形態の画素321に設けられるカラーフィルタを説明するための図である。
【0051】
図4には、距離画像センサ32の構成例が示されている。なお、この図の例では、距離画像センサ32における画素駆動回路322については図2と同様であることから、その記載を省略している。この図の例に示すように、本実施形態では、1つの画素321に、1つの色に対応させる。以下では、色として、赤色R、緑色Gr及び青色Bの三原色を例に挙げて説明する。画素321のそれぞれは、赤色R、緑色Gr及び青色Bのいずれかに対応する。この図の例では、画素321のそれぞれに、赤色R、緑色Gr、及び青色Bの何れかの符号を示すことにより、それぞれの画素321が何れの色に対応しているのかを区別して示している。この図の例では、距離画像センサ32において、各色に対応する画素321がベイヤー配列されている。なお、本実施形態において、ベイヤー配列に限定されることはなく、受光領域320においてカラーフィルタCFのそれぞれの色に対応する画素321がどのように配置されてもよい。
【0052】
図5には、図4のA-A’における断面構造が示されている。この図では、上方向(Z軸正方向)から下方向(Z軸負方向)に向かって光が入射される。この図では、画素321の上部に、カラーフィルタCFとマイクロレンズMLが設けられている。なお、マイクロレンズMLは、省略することも可能である。
なお、この図の例では、光電変換素子PDに対して配線層が形成された面から光を入射するFSI(Front Side Illumination:表面照射)型である距離画像センサ32が示されているが、これに限定されない。距離画像センサ32は、光電変換素子PDに対して配線層が形成された面の裏面から光を入射するBSI(Back Side Illumination:裏面照射)型であってもよい。
【0053】
図5に示すように、画素321には、半導体層501と、半導体層501の上部にある、絶縁層により絶縁された配線層502と、配線層502の上部にある、パッシベーションである誘電体層503が形成されている。
【0054】
半導体層501には、光電変換素子PD、転送トランジスタG、フローティングディフュージョンFDなどの半導体が形成されている。この図の例では、光電変換素子PDは、表面にp+拡散層(p型不純物の拡散層)の表面保護層が設けられた埋め込み型のフォトダイオードである。転送トランジスタGは、光電変換素子PDのn拡散層をソースとし、フローティングディフュージョンFDのn+拡散層をドレインとして形成されている。フローティングディフュージョンFDのn+拡散層には、当該n+拡散層からの電荷の流出(放電)を抑制する(漏れ電流阻止)ためのSTI(Shallow trench isolation)及びpwell(p拡散層)が隣接して設けられている。なお、この図では、画素321を形成する他のトランジスタ(例えば、リセットトランジスタRTなど)の記載を省略している。
【0055】
カラーフィルタCFは、マイクロレンズMLと光電変換素子PDとの間に設けられる。カラーフィルタCFは、受光領域320が入射した光のうち、特定の色に対応する周波数帯域を有する光と反射光RLのみを通過させ、通過した光を画素321に受光させる。
図5の左側に示す画素321には、緑色Grに対応するカラーフィルタCFが設けられている。この場合、緑色Grに対応する周波数帯域を有する光と反射光RLが、この画素321の光電変換素子PDに入射する。そして、入射した光(緑色Grに対応する周波数帯域を有する光、及び反射光RL)の光量に応じた電荷が電荷蓄積部CSに蓄積される。
一方、図5の右側に示す画素321には、赤色Rに対応するカラーフィルタCFが設けられている。この場合、赤色Rに対応する周波数帯域を有する光と反射光RLが、この画素321の光電変換素子PDに入射する。そして、入射した光(赤色Rに対応する周波数帯域を有する光、及び反射光RL)の光量に応じた電荷が電荷蓄積部CSに蓄積される。
【0056】
マイクロレンズMLのレンズアレイ(マイクロレンズアレイ)は、誘電体層503の上部に形成されている。マイクロレンズMLは、受光領域320に入射した光を、光電変換素子PDに集光する。マイクロレンズMLの光軸OAは、光電変換素子PDの表面に対して垂直であり、平面視において画素321の中心を貫通している。
【0057】
ここで、図6を用いて、電荷蓄積部CSに蓄積される電荷量を説明する。図6は、実施形態の電荷蓄積部CSに蓄積される電荷量を説明するための図である。図6には、フレーム周期として、1フレームあたりに駆動させる画素のタイミングチャートが示されている。
【0058】
この図では、「L」、「R」「G1」~「G4」、及び「Drain」のそれぞれの項目に対応する要素のタイミングチャートが示されている。「L」は、光パルスPOの照射タイミングを示し、オン状態にて光が照射され、オフ状態にて光が照射されない状態を示す。「R」は反射光RLが距離画像撮像装置1に到達したタイミングを示し、光パルスPOの照射タイミングから、被写体OBまでの距離に応じた遅延時間Tdだけ遅れたタイミングを示す。「G1」は、転送トランジスタG1の駆動タイミングを示し、オン状態にて電荷が蓄積され、オフ状態にて電荷が蓄積されない状態を示す。「G2」~「G4」は、「G1」と同様であり、転送トランジスタG2~G4のそれぞれの駆動タイミングを示す。「Drain」は、電荷排出トランジスタGDの駆動タイミングを示しており、オン状態にて電荷が排出され、オフ状態にて電荷が排出されない状態を示す。
【0059】
図6に示すように、フレーム周期は、蓄積期間と読出期間とを含む。蓄積期間において、単位蓄積期間に示す駆動が、予め決定された所定の回数(蓄積回数)だけ繰り返される。
【0060】
単位蓄積期間において、距離画像撮像装置1は、光パルスPOを照射し、その反射光RLを受光して反射光RLに対応する電荷を蓄積させる期間である。単位蓄積期間では、光パルスPOを照射タイミングと同じタイミングにて、電荷排出トランジスタGDをオフ状態に制御されるとともに、転送トランジスタG1がオン状態に制御される。転送トランジスタG1がオン状態に制御されてから蓄積時間(例えば、光パルスPOの照射時間と同じ時間)が経過すると転送トランジスタG1がオフ状態に制御される。転送トランジスタG1がオフ状態に制御されたタイミングで、転送トランジスタG2がオン状態に制御される。転送トランジスタG2がオン状態に制御されてから蓄積時間が経過すると転送トランジスタG2がオフ状態に制御される。転送トランジスタG2がオフ状態に制御されたタイミングで、転送トランジスタG3がオン状態に制御される。転送トランジスタG3がオン状態に制御されてから蓄積時間が経過すると転送トランジスタG3がオフ状態に制御される。転送トランジスタG3がオフ状態に制御されたタイミングで、転送トランジスタG4がオン状態に制御される。転送トランジスタG4がオン状態に制御されてから蓄積時間が経過すると転送トランジスタG4がオフ状態に制御されるとともに、電荷排出トランジスタGDをオン状態に制御される。
【0061】
読出期間は、蓄積期間において電荷蓄積部CSのそれぞれに蓄積された電荷に対応する蓄積信号を出力する期間である。読出期間において、選択トランジスタSLがオン状態にされ、電荷蓄積部CS1~CS4に蓄積された電荷量に対応した電圧(アナログ値)を、出力端子O1~O4から、画素信号処理回路325に出力する。画素信号処理回路325は、出力端子O1~O4から出力されたアナログ値のそれぞれを、A/D変換して蓄積信号とQ1~Q4して出力する。これにより、電荷蓄積部CS1~CS4に蓄積された電荷量に対応した蓄積信号Q1~Q4が距離画像処理部4に出力される。
【0062】
演算部42は、蓄積信号Q(蓄積信号Q1~Q4)に基づいて、外光信号及び反射光信号を算出する。外光信号は、画素321がカラーフィルタCFを介して受光した外光の光量に対応する信号である。反射光信号は、画素321がカラーフィルタCFを介して受光した反射光RLの光量に対応する信号である。演算部42は、外光信号に基づいて、色強度を算出する。色強度は、画素321がカラーフィルタCFを介して受光した、カラーフィルタCFに対応する色の強度である。
【0063】
図6に示すようなフレーム周期にて画素321を駆動させると、遅延時間Td(反射光RLが距離画像撮像装置1に入射されるタイミング)に応じて、電荷蓄積部CS1~CS4の何れか2つの電荷蓄積部CSに、反射光RLに対応する電荷が蓄積される。例えば、図6に示す遅延時間Tdにて、反射光RLが距離画像撮像装置1に到達した場合、反射光RLに対応する電荷QRが電荷蓄積部CS3及びCS4に跨って蓄積される。図6の例では、電荷蓄積部CS3には、反射光RLの光量に対応する電荷量QR1が蓄積される。電荷蓄積部CS4には、反射光RLの光量に対応する電荷量QR2が蓄積される。
一方、電荷蓄積部CS1~CS4のそれぞれには、外光の光量に対応する電荷量QB(電荷量QB1~QB4)が蓄積される、ここで、外光は、距離画像撮像装置1に常時入射される光であるから、光パルスPOのようなパルス光とは異なり、外光の光量は時系列に変化しない一定量とみなすことができる。このため、電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS1~CS4)のそれぞれに蓄積される、外光に対応する電荷量QB(電荷量QB1~QB4)は同一量とみなすことができる。
ここで、反射光RLに対応する電荷が蓄積される電荷蓄積部CSには、外光に加えて、反射光RLに対応する電荷が蓄積されるから、外光に対応する電荷のみが蓄積された電荷蓄積部CSに比べて、蓄積される電荷量が多くなる。
【0064】
この性質を利用して、演算部42は、蓄積信号Q(蓄積信号Q1~Q4)のうち、外光に対応する電荷のみが蓄積された蓄積信号Qを特定する。例えば、演算部42は、蓄積信号Q(蓄積信号Q1~Q4)のうち、最も小さい信号値を有する蓄積信号Qを、外光信号とする。演算部42は、外光信号の信号値を、その画素321に設けられたカラーフィルタCFに対応する色の色強度とする。
【0065】
そして、演算部42は、蓄積信号Q(蓄積信号Q1~Q4)のうち、色情報の算出に用いた蓄積信号Qとは異なる蓄積信号Qから、外光信号を減算した信号値に基づいて、被写体OBまでの距離を算出する。
【0066】
例えば、色情報の算出に用いた蓄積信号Qが、蓄積信号Q1であるとする。この場合、色情報の算出に用いた蓄積信号Qとは異なる蓄積信号Qは、蓄積信号Q2~Q4である。この場合、演算部42は、蓄積信号Q2~Q4のうち、大きい信号値を有する2つの電荷蓄積部CSであって、単位蓄積期間において時系列に連続して電荷が蓄積された2つの電荷蓄積部CSを選択する。ここで選択される蓄積信号は、電荷蓄積部CSのうち、反射光と外光とが含まれる光に対応する電荷を蓄積した電荷蓄積部CSから出力される蓄積信号とみなすことができる。
【0067】
演算部42は、選択した2つの蓄積信号Qから、外光信号を減算した差分振動を算出する。例えば、選択した2つの蓄積信号Qが、蓄積信号Q2及びQ3であるとする。この場合、演算部42は、差分信号X(=Q2-Q1)、Y(=Q3-Q1)を算出する。そして、演算部42は、以下の(2)式を用いて、遅延時間Tdを算出する。演算部42は、算出した遅延時間Tdを用いて、被写体OBまでの距離を算出する。
【0068】
Td=To×(Y)/(X+Y) …(2)
但し、Toは光パルスPOが照射された照射時間である。
Xは蓄積信号Q2から蓄積信号Q1を減算した差分信号である。
Yは蓄積信号Q3から蓄積信号Q1を減算した差分信号である。
蓄積信号Q1は外光の強度に対応する外光信号である。
蓄積信号Q2は反射光RLの強度に対応する反射光信号と外光信号との和である。
蓄積信号Q3は反射光RLの強度に対応する反射光信号と外光信号との和である。
【0069】
演算部42は、色強度を用いてカラー画像を生成する。このカラー画像は、複数の色、例えば赤色R、緑色Gr及び青色Bの三原色を有する画像である。なお、カラー画像は、少なくとも二色の色を有していればよく、赤色Rと緑色Gr、緑色Grと青色B、又は、青色Bと赤色Rを有する画像であってもよい。
【0070】
演算部42は、図4に示すようなベイヤー配列などを用いて複数の色に対応する画素321が配置された距離画像センサ32について、それぞれ画素321の色情報を算出する。演算部42は、カラーフィルタCFが対応する色ごとに、単色の色画像を生成する。例えば、演算部42は、赤色RのカラーフィルタCFが設けられた画素321から出力される蓄積信号を用いて算出した色強度を画素値(赤色情報)とする、赤色の色画像を生成する。同様に、演算部42は、緑色GrのカラーフィルタCFが設けられた画素321から出力される蓄積信号を用いて算出した色強度を画素値(緑色情報)とする、緑色の色画像を生成する。演算部42は、青色BのカラーフィルタCFが設けられた画素321から出力される蓄積信号にもとづき算出した色強度を画素値(青色情報)とする、青色の色画像を生成する。
演算部42は、単色の色画像において、画素値(色情報)が算出されていない画素321の画素値を、周辺にある画素321の画素値を補間することにより算出する。例えば、対象とする画素321の周囲に、画素値を有する4つの画素321が隣接して配置されている場合、その4つの画素321の各画素値における単純加算平均値を、その対象とする画素321の画素値とする。
或いは、対象とする画素321の左右又は上下の方向に、画素値を有する2つの画素321が隣接して配置されている場合、その2つの画素321の画素値における単純加算平均値を、その対象とする画素321の画素値とするようにしてもよい。
演算部42は、このようにして受光領域320に設けられた全ての画素321について、単色の画素値(例えば、R値、G値、B値の何れか1つ)を有する、単色の色画像を生成する。そして、これらの単色の色画像のそれぞれを合成することによって、全ての画素321について複数色の色情報(例えば、RGB値)を有するカラー画像を生成する。
【0071】
或いは、演算部42は、図4に示すようなベイヤー配列された画素321において、ベイヤー配列された画素群ごとに、1つの色情報(例えば、RGB値)を算出するようにしてもよい。このベイヤー配列された画素群は、1つの赤色R、2つの緑色Gr、1つの青色Bのそれぞれに対応する画素321で構成される4つの画素である。
演算部42は、赤色RのカラーフィルタCFが設けられた画素321から出力される蓄積信号を用いて算出された色強度を赤色Rの画素値(赤色情報)とする。演算部42は、緑色GrのカラーフィルタCFが設けられた2つの画素321から出力される蓄積信号を用いて算出された色強度の平均値を、緑色Grの画素値(緑色情報)とする。演算部42は、青色BのカラーフィルタCFが設けられた画素321から出力される蓄積信号を用いて算出された色強度の平均値を、青色Bの画素値(青色情報)とする。演算部42は、算出したそれぞれの色情報を組み合わせることによって複数色の色情報(例えば、RGB値)を生成し、生成した色情報を4つの画素に対応する1つの色情報とする。この場合、4つの画素に対して1つの色情報が生成されることから、カラー画像は、受光領域320に設けられた画素数の1/4に相当する解像度を有する画像となる。
【0072】
また、演算部42は、カラー画像の各座標に、被写体OBまでの距離を対応させたマップを生成するようにしてもよい。この場合、演算部42は、カラー画像の画素321ごとに、RGB値と距離とを対応づけたマップを生成する。
【0073】
ここで、4つの画素に対応する1つの色情報を生成した場合、演算部42は、その1つの色情報に対応させる1つの距離を算出するようにしてもよい。演算部42は、1つの色情報に対応する4つの画素321のそれぞれから出力される蓄積信号を用いて4つの距離を算出する。演算部42は、算出した4つの距離を用いて、例えば、ピクセルビニングを行うことによって1つの距離を算出する。ピクセルビニングを行うことにより、それぞれの距離に含まれる誤差を低減させることができる。
【0074】
また、演算部42は、カラー画像を用いて、距離を補正するようにしてもよい。例えば、被写体OBの輪郭(エッジ)部分に対応する画素321は、フライングピクセルなどと称され、その画素321に基づき算出される距離に比較的多くの誤差が含まれていることが知られている。このようなフライングセルを抽出することができれば、距離に含まれる誤差を低減させることが可能となる。例えば、演算部42は、カラー画像に画像処理を行うことによって前記被写体の輪郭を抽出する。演算部42は、抽出した輪郭の部分に対応する画素の位置座標を特定する。演算部42は、特定した画素321から出力される蓄積信号を用いて算出した距離を、隣接する画素の距離を用いて補正する。例えば、演算部42は、補正対象の画素の距離が、隣接する画素のうち、被写体OBに対応する画素の距離との差が小さくなり、被写体OBではない物体に対応する画素の距離との差が大きくなるように補正する。
【0075】
以上説明したように、実施形態の距離画像撮像装置1は、光源部2と、受光部3と、距離画像処理部4と、カラーフィルタCFとを備える。光源部2は、被写体OBに光パルスPOを照射する。受光部3は、光電変換素子PD及び複数の電荷蓄積部CSを具備する画素321が二次元マトリクス状に複数配置された受光領域320と、画素駆動回路322を有する。光電変換素子PDは、入射した光に応じた電荷を発生する。電荷蓄積部CSは、電荷を蓄積する。画素駆動回路322は、電荷蓄積部CSのそれぞれに電荷を振り分けて蓄積させる。距離画像処理部4は、光パルスPOを照射する照射タイミング及び電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させる蓄積タイミングを制御する。距離画像処理部4は、電荷蓄積部CDのそれぞれに蓄積された電荷量に基づいて被写体OBまでの距離を算出する。カラーフィルタCFは、受光領域320における画素321に設けられ、受光領域320に入射した光のうち特定の色に対応する周波数帯域を有する光のみを画素321に受光させる。複数の色のそれぞれに対応するカラーフィルタCFが、受光領域320における互いに異なる画素321に設けられる。距離画像処理部4は、電荷蓄積部CSのそれぞれに蓄積された電荷量に対応する蓄積信号Qに基づいて、外光信号、及び反射光信号を算出する。外光信号は、画素321がカラーフィルタCFを介して受光した外光の光量に対応する信号である。反射光信号は、画素321がカラーフィルタCFを介して受光した、光パルスPOの反射光RLの光量に対応する信号である。距離画像処理部4は、外光信号に基づいてカラーフィルタCFに対応する色の強度である色強度を算出する。距離画像処理部4は、反射光信号に基づいて被写体OBまでの距離を算出する。これにより、実施形態の距離画像撮像装置1では、色強度及び距離を算出することができる。したがって、被写体までの距離と共に被写体の色の情報を得ることができる。
【0076】
また、実施形態の距離画像撮像装置1では、距離画像処理部4は、画素321から出力される蓄積信号Q(例えば、蓄積信号Q1~Q4)のうち、最も小さい信号値を外光信号の値として色強度を算出する。距離画像処理部4は、蓄積信号Q(例えば、蓄積信号Q1~Q4)のうち、色情報の算出に用いた蓄積信号Q(例えば、蓄積信号Q1)とは異なる蓄積信号Q(例えば、蓄積信号Q2~Q4)から外光信号を減算した値に基づいて被写体OBまでの距離を算出する。これにより、実施形態の距離画像撮像装置1では、色強度の算出に用いた外光信号を利用して距離を算出することができ、色強度及び距離を算出する処理の負担を軽減させることができる。
【0077】
また、実施形態の距離画像撮像装置1では、距離画像処理部4は、カラー画像における各画素に距離を対応させたマップを生成する。カラー画像は、複数の色を有する画像である。距離画像処理部4は、第1色の色強度、及び第2色の色強度を用いてカラー画像を生成する。第1色と第2色は互いに異なる色である。距離画像処理部4は、第1画素(第1色に対応するカラーフィルタCFが設けられた画素321)から出力される蓄積信号を用いて算出した色強度を、第1色の色強度として算出する。距離画像処理部4は、第2画素(第2色に対応するカラーフィルタCFが設けられた画素321)から出力される蓄積信号を用いて算出した色強度を、第2色の色強度として算出する。これにより、実施形態の距離画像撮像装置1では、カラー画像における各画素に距離を対応させたマップを生成することができ、距離と色情報と別個の装置によりそれぞれ算出した後に位置合わせをするなどして、画素ごとに、距離と色情報を有するマップを生成する場合と比較して、位置合わせに係る処理を行うことなくマップを生成することができ、負担を軽減させることができる。
【0078】
また、実施形態の距離画像撮像装置1では、カラーフィルタCFは、赤、青、緑の色のそれぞれに対応するフィルタからなる。距離画像処理部4は、そのカラーフィルタCFに対応する赤、青、緑のそれぞれの色を有するカラー画像を生成する。これにより、実施形態の距離画像撮像装置1では、三原色を有するカラー画像を生成することができる。
【0079】
また、実施形態の距離画像撮像装置1では、距離画像処理部4は、色強度を用いて生成したカラー画像に画像処理を行うことによって、被写体OBの輪郭を抽出し、抽出した輪郭の画素座標に基づいて、被写体OBまでの距離を補正する。これにより、被写体OBの輪郭に対応する画素を特定し、特定した画素の距離を補正することができ、誤差が多く含まれる傾向にある輪郭部分における距離の精度を向上させることができる。
【0080】
(実施形態の変形例1)
ここで、実施形態の変形例1について、説明する。本変形例では、受光領域320に、色強度を算出する専用の画素321と、距離を算出する専用の画素321を設けられる点において、上述した実施形態と相違する。
【0081】
本変形例では、受光領域320に、色強度を算出する専用の画素321と、距離を算出する専用の画素321を設ける。色強度を算出する専用の画素321には、光パルスPOが有する周波数帯域を遮断するカラーフィルタCF#(遮断フィルタ)が設けられる。この場合、1つのフィルタを用いてカラーフィルタCF#(遮断フィルタ)が実現されてもよいし、複数のフィルタを用いてカラーフィルタCF#(遮断フィルタ)が実現されてもよい。複数のフィルタを用いる場合、例えば、1つのフィルタはカラーフィルタCF(つまり、特定の色に対応する周波数帯域と光パルスPOが有する周波数帯域とを通過させるフィルタ)であり、別のフィルタは光パルスPOが有する周波数帯域を遮断するフィルタである。複数のフィルタを用いる場合、例えば、これらのフィルタを積層させたものが、画素321に設けられる。
一方、距離を算出する専用の画素321には、光パルスPOが有する周波数帯域を通過させるカラーフィルタCF(通過フィルタ)が設けられる。
【0082】
図7には、本変形例に係る2つの画素の断面構造が示されている。図7のマイクロレンズML及び画素321における層構造(半導体層501、配線層502、及び誘電体層503)は、図5と同様であるため、その説明を省略する。
【0083】
図7の左側に示す画素には、緑色Grに対応するフィルタであって、緑色Grに対応する周波数帯域を通過させるが、反射光RL(例えば、赤外光)に対応する周波数帯を遮断するカラーフィルタCF#(遮断フィルタ)が設けられている。この場合、緑色Grに対応する周波数帯域を有する光のみが、この画素321の光電変換素子PDに入射する。そして、入射した光(緑色Grに対応する周波数帯域を有する光)の光量に応じた電荷が電荷蓄積部CSに蓄積される。
【0084】
一方、図7の右側に示す画素321には、図5と同様のカラーフィルタCF、すなわち赤色Rに対応するフィルタであって、赤色Rに対応する周波数帯域と反射光RL(例えば、赤外光)に対応する周波数帯とを通過させるカラーフィルタCF(通過フィルタ)が設けられている。この場合、赤色Rに対応する周波数帯域を有する光と反射光RLが、この画素321の光電変換素子PDに入射する。そして、入射した光(赤色Rに対応する周波数帯域を有する光、及び反射光RL)の光量に応じた電荷が電荷蓄積部CSに蓄積される。
【0085】
演算部42は、遮断フィルタが設けられた画素321から出力される蓄積信号Qに基づく色強度を算出する。演算部42は、通過フィルタが設けられた画素321から出力される蓄積信号Qに基づく距離(被写体OBまでの距離)を算出する。
【0086】
ここで、図8を用いて、遮断フィルタが設けられた画素321の電荷蓄積部CSに蓄積される電荷について説明する。図8は、遮断フィルタが設けられた画素321の電荷蓄積部CSに蓄積される電荷量を説明するための図である。図8における「L」、「R」「G1」~「G4」、及び「Drain」のそれぞれの項目は、図6と同様であるため、その説明を省略する。また、図8のフレーム周期、蓄積期間、読出期間についても、は、図6と同様であるため、その説明を省略する。
【0087】
図8に示すようなフレーム周期にて画素321を駆動させると、遅延時間Td(反射光RLが距離画像撮像装置1に入射されるタイミング)に応じて、受光部3に反射光RLが入射されるが、遮断フィルタが設けられた画素321には、遮断フィルタによって反射光RLが遮断される。このため、遮断フィルタが設けられた画素321の電荷蓄積部CSには、反射光RLに対応する電荷が蓄積されず、外光(カラーフィルタCF#を通過した光)のみが蓄積される。すなわち、電荷蓄積部CS1~CS4のそれぞれには、外光の光量に対応する電荷量QB(電荷量QB1~QB4)のみが蓄積される。
【0088】
演算部42は、遮断フィルタが設けられた画素321から出力される蓄積信号Q(蓄積信号Q1~Q4)のうち、任意の蓄積信号Qを、外光信号とし、外光信号の信号値を、その画素321に設けられた遮断フィルタに対応する色の色強度とする。
【0089】
なお、本変形例において、演算部42が、通過フィルタが設けられた画素321から出力される蓄積信号Q(蓄積信号Q1~Q4)から距離を算出する方法は、実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0090】
演算部42は、色強度を用いてカラー画像を生成する。演算部42は、例えば、実施形態と同様な方法を用いて、色強度を画素値とする単色の色画像であって、画素値(色情報)が算出されていない画素321(異なる色の遮断フィルタ又は通過フィルタが設けられた画素321)の画素値を、周辺にある画素321の画素値を補間する等して算出した単色の色画像を生成する。そして、演算部42は、単色の色画像のそれぞれを合成することによって、全ての画素321について複数色の色強度を含む色情報(例えば、RGB値)を有するカラー画像を生成する。
【0091】
或いは、演算部42は、実施形態と同様な方法を用いて、ベイヤー配列された4つ画素ごとに、1つの色情報(例えば、RGB値)を算出するようにしてもよい。
【0092】
また、演算部42は、実施形態と同様な方法を用いて、カラー画像の各座標に被写体OBまでの距離を対応させたマップを生成するようにしてもよい。この場合において、ベイヤー配列された画素群のうち、一部の画素321に遮断フィルタを設け、残りの画素321に通過フィルタを設け、ベイヤー配列された画素群ごとに1つの色情報と1つの距離を算出するようにしてもよい。例えば、3つの画素321(赤色R、緑色Gr、青色Bのそれぞれに対応する3つの画素)に遮断フィルタを設け、残り1つの、緑色Grに対応する画素321に通過フィルタを設けたとする。この場合、演算部42は、遮断フィルタが設けられた3つの画素321から出力される蓄積信号Qを用いて1つの色情報(例えば、RGB値)を算出する。そして、通過フィルタが設けられた1つの画素321から出力される蓄積信号Qを用いて1つの距離を算出する。
【0093】
以上説明したように、実施形態の変形例1に係る距離画像撮像装置1では、カラーフィルタには、遮断フィルタと、通過フィルタと、が含まれる。遮断フィルタは、光パルスPOが有する周波数帯域を遮断するカラーフィルタCF#である。通過フィルタは、光パルスPOが有する周波数帯域を通過させるカラーフィルタCFである。距離画像処理部4は、遮断フィルタが設けられた画素321から出力される蓄積信号Qを用いて色強度を算出する。距離画像処理部4は、通過フィルタが設けられた画素321から出力される蓄積信号Qを用いて距離を算出する。これにより、実施形態の変形例1に係る距離画像撮像装置1では、光パルスPOが入射されないようにした専用の画素を用いることができ、精度のよい色情報を用いてカラー画像を生成することができ、且つ、光パルスPOが入射される画素を用いて距離を算出することができる。
【0094】
(実施形態の変形例2)
ここで、実施形態の変形例2について、説明する。本変形例では、演算部42が、像面位相差の手法を用いて焦点距離を算出する点において、上述した実施形態と相違する。焦点距離は、ピントが合っている状態におけるレンズ31から撮像素子(距離画像センサ32)までの距離である。
【0095】
本変形例では、受光領域320に設けられる画素321の一部を、像面位相差を算出する専用の画素321(像面位相差画素)とする。この像面位相差画素は、2つの画素が一組のペアとなって、受光領域320において互いに近接した位置に配置される。像面位相差画素にはスリットが設けられる。受光領域320に入射した光のうち、スリットを通過した光のみが像面位相差画素に入射される。像面位相差画素のペアのそれぞれのスリットの位置は、像面位相差画素の中心に対して対称な位置に設けられる。
【0096】
図9には、本変形例に係る像面位相差を算出する専用の画素ペアの断面構造が示されている。図9のマイクロレンズML、カラーフィルタCF、及び画素321における層構造(半導体層501、配線層502、及び誘電体層503)は、図5と同様であるため、その説明を省略する。
【0097】
図9に示すように、像面位相差画素には、画素321とカラーフィルタCFとの間に、遮光部M(遮光部M1及びM2)が設けられる。遮光部Mは遮光する物質、例えば金属板などであり、画素面(画素321において光が入射される面)に設けられることによって入射した光を遮断する。
図9の左側に示す画素321には遮光部M1が設けられる。図9の右側に示す画素321には遮光部M2が設けられる。遮光部M1とM2とは、それぞれが設けられる画素321の中心に対して対称な位置に設けられ、この図の例では、遮光部M1は画素321の中心に対して右側に設けられ、遮光部M2は画素321の中心に対して左側に設けられる。
【0098】
演算部42は、像面位相差画素から出力される蓄積信号を用いて、像面位相差による焦点距離を計算する。像面位相差による焦点距離を計算する手法として任意の手法が用いられてよい。演算部42は、例えば、像面位相差画素のペアのそれぞれから出力される蓄積信号の差分(位相差)を算出し、算出した位相差が予め定めた一定の値となるレンズ31の位置から受光領域320までの距離を焦点距離として算出する。
【0099】
(実施形態の変形例3)
ここで、実施形態の変形例3について説明する。本変形例では、複数の駆動パターンのそれぞれにおいて画素から出力された蓄積信号を用いて信号処理を行うことによって焦点距離を算出する点において、上述した実施形態と相違する。
【0100】
本変形例では、焦点距離を算出する前段階として、距離画像処理部4は、複数の駆動パターンを実行する。それぞれの駆動パターンでは、少なくとも蓄積時間及び蓄積回数の組み合わせが異なる。蓄積時間は、単位蓄積期間において、1つの電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させる時間の長さである。蓄積回数は、1フレームにおいて単位蓄積期間に示す駆動を繰り返す回数である。また、複数の駆動パターンにおいて、蓄積タイミングが異なるパターンが含まれていてもよい。蓄積タイミングは、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させるタイミングである。
そして、演算部42は、駆動パターンのそれぞれにおいて、画素321から出力される蓄積信号Qを用いて、被写体OBまでの距離と色強度を算出する。演算部42は、駆動パターンに応じた距離と色強度の変化の関係に基づいて、焦点距離を算出する。
【0101】
図10及び図11は、実施形態の変形例3に係る距離画像処理部4が行う処理を説明するための図である。
【0102】
図10には、複数の駆動パターンが例示されている。この図の例では、駆動パターン番号1は、蓄積回数が50000[回]、蓄積時間が34[ns]である。駆動パターン番号2は、蓄積回数が25000[回]、蓄積時間が34[ns]である。駆動パターン番号3は、蓄積回数が50000[回]、蓄積時間が17[ns]である。
駆動パターン番号4は、蓄積回数が50000[回]、蓄積時間は、電荷蓄積部CS1が17[ns]であり、電荷蓄積部CS2~CS4が34[ns]である。駆動パターン番号4では、電荷蓄積部CS1が外光専用の電荷蓄積部CSとして用いられる。外光専用の電荷蓄積部CSは反射光RLが入射しないタイミング、例えば、光パルスPOが照射される前に電荷蓄積部CS1に電荷が蓄積されるように制御されることによって、外光のみが電荷蓄積部CS1に蓄積される。
なお、この図では、駆動パターン番号4において、転送トランジスタG1によって制御される電荷蓄積部CS、つまり電荷蓄積部CS1を「G1」と記載している。また、転送トランジスタG2~G4のそれぞれによって制御される電荷蓄積部CS、つまり電荷蓄積部CS2~CS4を「G2~G4」と記載している。
【0103】
図11には、2つの駆動パターンに応じた距離と色強度の変化の関係が示されている。距離(ピント1)は、焦点距離を(ピント1)にして撮像した場合の駆動パターンに応じた距離の変化を示している。距離(ピント2)は、焦点距離を(ピント2)にして撮像した場合の駆動パターンに応じた距離の変化を示している。色強度(ピント1)は、焦点距離を(ピント1)にして撮像した場合の駆動パターンに応じた色強度の変化を示している。色強度(ピント2)は、焦点距離を(ピント2)にして撮像した場合の駆動パターンに応じた色強度の変化を示している。図11には、駆動パターン番号1を基準として、他の駆動パターン番号N(Nは2、3,4…)との関係が示されている。例えば、駆動パターン番号1と駆動パターン番号2では、蓄積回数が半分で、蓄積時間が同じである。この場合、駆動パターン番号2において電荷蓄積部CSに蓄積される電荷量は、駆動パターン番号1の半分になると考えられる。この場合、駆動パターン番号2における色強度は、駆動パターン番号1の半分になると考えられる。
一方、距離は(1)式などを用いて、2つの電荷蓄積部CSに跨って蓄積された反射光の光量の比率から算出されることから、蓄積回数と蓄積時間の関係に関わらず、駆動パターン番号2における距離は、駆動パターン番号1と同程度になると考えられる。
しかしながら、ピントが合っていない場合、被写体OBから到来する光が画素321に対して正しく集光しない。このため、被写体OBから到来する光が、本来受光すべき画素321とは異なる他の画素に受光されてしまい、他の画素が受光した被写体OBとは異なる箇所から到来した光の光量と共に平均化され、他の画素における色強度として算出されてしまう。
この場合、反射光RLとして到来する光についても同様に、本来受光すべき画素321とは異なる他の画素に受光されてしまい、他の画素が受光した被写体OBとは異なる箇所から到来した光の光量と共に平均化されてしまうことによって、距離の精度が低下する要因となる。
焦点距離を移動させてピントを調整しつつ、各駆動パターンで算出値(色強度)が最大になる条件で撮像を行う。焦点距離が異なる場合、距離については変動が小さいが、色強度については変化が大きくなることが想定される。このため、図11の色強度(ピント1)と色強度(ピント2)とは比較的大きな差異を有している。一方で、図11の距離(ピント1)と距離(ピント2)とはほぼ変化がない。このような違いに着目し、ピントが合う焦点距離を算出するために、ある焦点距離にて各駆動パターンにて撮像した結果を用いて距離と色強度を算出する第1処理を行い、さらに、別の焦点距離にて各駆動パターンにて撮像した結果を用いて距離と色強度を算出する第2処理を行う。そして、各駆動パターンにて算出した色強度が最も大きい値で推移した焦点距離を、ピントが合った焦点距離とする。これによって、ピントが合う焦点距離を算出することができ、ピントが合った焦点距離にて撮像を行うことができ、色強度と距離精度の精度を向上させることができる。
【0104】
以上説明したように、実施形態の変形例2に係る距離画像撮像装置1では、受光領域320には像面位相差画素が含まれる。像面位相差画素は、像面位相差を検出するために用いられる画素である。例えば、像面位相差画素は、2つの画素が一組のペアとなって、受光領域320において互いに近接した位置に配置される。像面位相差画素にはスリットが設けられる。受光領域320に入射した光のうち、スリットを通過した光のみが像面位相差画素に入射される。像面位相差画素のペアのそれぞれのスリットの位置は、像面位相差画素の中心に対して対称な位置に設けられる。距離画像処理部4は、像面位相差画素から出力される蓄積信号を用いて焦点距離を算出する。演算部42は、例えば、像面位相差画素のペアのそれぞれから出力される蓄積信号の差分(位相差)に基づいて焦点距離を算出する。これにより、実施形態の変形例2に係る距離画像撮像装置1では、像面位相差画素を用いてピントを合わせることができる。
【0105】
(実施形態の変形例4)
ここで、実施形態の変形例4について説明する。本変形例では、光パルスPOを近赤外光としない点において、上述した実施形態と相違する。本変形例において、光パルスPOは、例えば、可視光である。
【0106】
本変形例において光パルスPOとして用いる可視光は、2種類の可視光、第1可視光と第2可視光の何れか1つである。第1可視光は、RGBに対応する3色の周波数帯域を全て含む光であり、白色の光である。第2可視光は、RGBに対応する3色の全てが揃っていない光、つまり、RGBに対応する3色のうちの1色又は2色の周波数帯域のみを含む光である。
なお、白色に見える可視光であっても第2可視光となるものがある。例えば、青色の蛍光物質と黄色の蛍光物質のそれぞれから発せられる蛍光を含む光は、白色に見えるが、RGBに対応する3色の全てが揃っていない疑似的な白色であることから、第2可視光である。
【0107】
本変形例では、距離画像処理部4は、光パルスPOに含まれる可視光の周波数帯域と、画素に設けられたカラーフィルタCFの周波数特性との関係に応じて、距離を算出する画素を選択する。
具体的に、第1可視光を光パルスPOとして用いる場合、演算部42は、画素321に設けられたカラーフィルタが如何なる色を通過させるフィルタであるかに関わらず、全ての画素321を、距離の算出に用いる。第1可視光にはRGBに対応する3色の全てが含まれることから、画素321に設けられたカラーフィルタが如何なる色を通過させるフィルタであるかに関わらず、画素321が備える電荷蓄積部CSには、反射光RLに係る電荷が蓄積されると考えられるためである。
例えば、画素321に設けられたカラーフィルタが赤色Rに対応するフィルタである場合、第1可視光のうちの赤色Rに対応する周波数帯域の光がカラーフィルタを通過して画素321に受光され、この画素321が備える電荷蓄積部CSには、反射光RLのうちの赤色Rに係る電荷が蓄積される。画素321に設けられたカラーフィルタが緑色Grに対応するフィルタである場合、第1可視光のうちの緑色Grに対応する周波数帯域の光がカラーフィルタを通過して画素321に受光され、この画素321が備える電荷蓄積部CSには、反射光RLのうちの緑色Grに係る電荷が蓄積される。
演算部42は、電荷蓄積部CSに蓄積された電荷(反射光RLに係る電荷)を用いて距離を算出する。距離を算出する方法は、上述した実施形態と同様である。すなわち、画素を駆動し、電荷蓄積部CSのそれぞれが受光した反射光RLの光量に応じて、被写体OBまでの距離を算出する。また、色強度を算出する方法についもて、上述した実施形態と同様であり、電荷蓄積部CSのそれぞれが受光した外光の光量に応じて、色強度を算出することができる。
【0108】
一方、第2可視光を光パルスPOとして用いる場合、演算部42は、画素321に設けられたカラーフィルタが如何なる色を通過させるフィルタであるかに応じて決定される、特定の画素321を用いて距離を算出する。
演算部42は、第2可視光に含まれる特定の光に対応するカラーフィルタが設けられた画素321を用いて、距離を算出する。例えば、第2可視光に赤色Rが含まれる場合、演算部42は、赤色Rに対応する周波数帯域を通過させるカラーフィルタが設けられた画素321を用いて距離を算出する。第2可視光に緑色Grが含まれる場合、演算部42は、緑色Grに対応する周波数帯域を通過させるカラーフィルタが設けられた画素321を用いて距離を算出する。第2可視光に赤色Rと青色Bが含まれる場合、演算部42は、赤色Rに対応する周波数帯域を通過させるカラーフィルタが設けられた画素321、及び青色Bに対応する周波数帯域を通過させるカラーフィルタが設けられた画素321を用いて距離を算出する。
【0109】
以上説明したように、実施形態の変形例4に係る距離画像撮像装置1では、光パルスPOは、可視光を含む。距離画像処理部4は、光パルスPOに含まれる可視光の周波数帯域と、画素に設けられたカラーフィルタCFの周波数特性との関係に応じて、距離を算出する画素を選択する。これにより、実施形態の変形例4に係る距離画像撮像装置1では、光パルスPOを可視光とした場合において、画素321に設けられたカラーフィルタとの関係に基づいて、適切に距離を算出することが可能な画素321を選択することができ、算出する距離の精度が劣化しないように維持することができる。
【0110】
上述した実施形態における距離画像撮像装置1、距離画像処理部4の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0111】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1…距離画像撮像装置
2…光源部
3…受光部
32…距離画像センサ
320…受光領域
321…画素
4…距離画像処理部
42…演算部
CS…電荷蓄積部
PO…光パルス
RL…反射光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11