IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 原 周平の特許一覧

<>
  • 特開-収納装置および収納システム 図1
  • 特開-収納装置および収納システム 図2
  • 特開-収納装置および収納システム 図3
  • 特開-収納装置および収納システム 図4
  • 特開-収納装置および収納システム 図5
  • 特開-収納装置および収納システム 図6
  • 特開-収納装置および収納システム 図7
  • 特開-収納装置および収納システム 図8
  • 特開-収納装置および収納システム 図9
  • 特開-収納装置および収納システム 図10
  • 特開-収納装置および収納システム 図11
  • 特開-収納装置および収納システム 図12
  • 特開-収納装置および収納システム 図13
  • 特開-収納装置および収納システム 図14
  • 特開-収納装置および収納システム 図15
  • 特開-収納装置および収納システム 図16
  • 特開-収納装置および収納システム 図17
  • 特開-収納装置および収納システム 図18
  • 特開-収納装置および収納システム 図19
  • 特開-収納装置および収納システム 図20
  • 特開-収納装置および収納システム 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027767
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】収納装置および収納システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0833 20230101AFI20250220BHJP
   A47G 29/12 20060101ALI20250220BHJP
   A47G 29/124 20060101ALI20250220BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
G06Q10/0833
A47G29/12 D
A47G29/124
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132883
(22)【出願日】2023-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】300076563
【氏名又は名称】原 周平
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】原 周平
【テーマコード(参考)】
3F522
3K100
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3F522BB23
3F522CC09
3F522DD03
3F522DD22
3F522EE13
3F522GG13
3F522GG23
3F522GG44
3F522KK02
3F522LL57
3K100CA48
3K100CC05
3K100CD03
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】 特定のユーザによる収納ボックスの長期間の占有を抑制し、収納ボックスの有効活用を促進する収納装置および収納システムを提供する。
【解決手段】 収納システムは、ユーザの居住又は利用する専有部を有する建物の敷地内に設置され、ユーザに関連する物品(収納サービスを利用する際にユーザが収納装置10に入庫する物品)を施錠状態で保管する収納装置10と、収納装置10の収納状況等の情報を管理するサーバ装置等の管理サーバ20と、ユーザが操作する情報処理装置であるユーザ端末30と、収納装置10及び管理サーバ20の管理業務を行う管理者が操作する情報処理装置である管理者端末40とを有して構成される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ宛に配送された物品又はユーザが入庫した物品を含むユーザの物品を一時的に保管する収納ボックスを備えた収納装置であって、
同一ユーザの物品が同時に入庫可能な前記収納ボックスの数の上限を示す上限入庫数をユーザごとに格納する情報格納部と、
前記ユーザ宛に配送された物品が前記収納ボックスに入庫されてから経過した滞留時間を計時する制御部とを有し、
前記制御部は、前記滞留時間に基づいて、前記上限入庫数を決定することを特徴とする収納装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記滞留時間の平均値が所定値以上のユーザの前記上限入庫数を減少させることを特徴とする請求項1記載の収納装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記滞留時間の平均値が所定値未満のユーザの前記上限入庫数を増加させることを特徴とする請求項1記載の収納装置。
【請求項4】
前記情報格納部は、所定の滞留時間を示す滞留超過基準時間を格納し、
前記制御部は、滞留時間が前記滞留超過基準時間を超過した物品のユーザの前記上限入庫数を減少させることを特徴とする請求項1記載の収納装置。
【請求項5】
ユーザ宛に配送された物品又はユーザが入庫した物品を含むユーザの物品を一時的に保管する収納ボックスを備えた収納装置と、該ユーザが操作するユーザ端末とを有し、
前記収納装置は、同一ユーザの物品が同時に入庫可能な前記収納ボックスの数の上限を示す上限入庫数をユーザごとに格納する情報格納部と、
前記ユーザ宛に配送された物品が前記収納ボックスに入庫されたことを示す入庫通知を前記ユーザ端末へ送信する通信部と、
前記ユーザ宛に配送された物品が前記収納ボックスに入庫されてから経過した滞留時間を計時する制御部とを有し、
前記制御部は、前記滞留時間に基づいて、前記上限入庫数を決定することを特徴とする収納システム。
【請求項6】
前記通信部は、ユーザの現在の前記上限入庫数を示す情報を含む前記入庫通知を前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項5記載の収納システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置および収納システムに関し、特に、ユーザが発送を希望する物品を一時的に預かる収納装置および収納システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、核家族化、未婚・晩婚者の増加や少子高齢化に伴う単身者の増加、さらには共働きの夫婦の増加等が進行し、そのライフスタイルが大きく変わってきている。
また、近年は、eコマースの隆盛に伴って、購入商品等の配送物が各家庭に配送されることが多くなっている一方で、上記のとおり、夫婦の共働き等の割合の増加により家を留守にするケースが増えてきており、上記配送物をスムーズに受け取ることのできる環境や設備が望まれている。
【0003】
上記のようなニーズに応えるように、近年、マンション等の集合住宅の共用部、店舗又は公共施設等には、いわゆる宅配ロッカー又は街中ロッカーと称される複数の収納ボックスを備えた収納装置が設置され、利用される機会が増加している。
この収納装置は、例えば、集合住宅の居住者が不在の場合であっても、当該居住者宛の配送物を収納ボックスに施錠可能に収納して一時的に預かることにより、居住者は配送業者に対して再配達を依頼することなく、当該収納ボックスから自身宛の配送物を取り出してスムーズに当該配送を受け取ることができる。
【0004】
一般に収納装置の収納ボックスは、配送物を1度入庫すると出庫するまでの間、配送物を新たに入庫することができない。
このため、受取り側の物品の出庫が遅れると、収納ボックスを長期間占有することとなり、新たに配送物の預け入れができず、配送業務が滞ってしまうケースが多発するという問題が生じる。
また、特定のユーザが収納ボックスを長期間占有すると、他のユーザは利用できないことから、不平等感が生じる。
【0005】
上記のような収納装置における収納ボックスの長期間の占有についての問題を解決することを目的とした従来技術の1つとして、特許文献1が開示するところの宅配ロッカー管理システムが提案されている。
この特許文献1に開示される宅配ロッカー管理システムでは、宅配ロッカーの使用率が所定の比率に達したら、ユーザに対して取出しを促す通知を行うことにより、収納ボックスが埋まってしまうことで宅配業者が困るような事態を削減できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-35371
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1の宅配ロッカー管理システムでは、収納ボックスからの配送物の取出しを促す通知をユーザ側へ送信するものの、単に通知を送信するだけではユーザが早期に物品を取り出そうとする動機が生じるには不十分であり、ユーザがその通知を無視して自身の物品を早期に取り出さず、収納ボックスの有効活用に支障をきたすという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、特定のユーザによる収納ボックスの長期間の占有を抑制し、収納ボックスの有効活用を促進する収納装置および収納システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため、本発明は、ユーザ宛に配送された物品又はユーザが入庫した物品を含むユーザの物品を一時的に保管する収納ボックスを備えた収納装置であって、同一ユーザの物品が同時に入庫可能な収納ボックスの数の上限を示す上限入庫数をユーザごとに格納する情報格納部と、ユーザ宛に配送された物品が収納ボックスに入庫されてから経過した滞留時間を計時する制御部とを有し、制御部は、滞留時間に基づいて、上限入庫数を決定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明における収納装置よれば、制御部は、滞留時間の平均値が所定値以上のユーザの上限入庫数を減少させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明における収納装置によれば、制御部は、滞留時間の平均値が所定値未満のユーザの上限入庫数を増加させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明における収納装置によれば、情報格納部は、所定の滞留時間を示す滞留超過基準時間を格納し、制御部は、滞留時間が滞留超過基準時間を超過した物品のユーザの上限入庫数を減少させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は収納システムであって、ユーザ宛に配送された物品又はユーザが入庫した物品を含むユーザの物品を一時的に保管する収納ボックスを備えた収納装置と、該ユーザが操作するユーザ端末とを有し、収納装置は、同一ユーザの物品が同時に入庫可能な収納ボックスの数の上限を示す上限入庫数をユーザごとに格納する情報格納部と、ユーザ宛に配送された物品が収納ボックスに入庫されたことを示す入庫通知をユーザ端末へ送信する通信部と、ユーザ宛に配送された物品が収納ボックスに入庫されてから経過した滞留時間を計時する制御部とを有し、制御部は、滞留時間に基づいて、上限入庫数を決定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明における収納システムによれば、通信部は、ユーザの現在の上限入庫数を示す情報を含む入庫通知をユーザ端末へ送信することを特徴とする。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、ユーザ宛に配送された物品又はユーザが入庫した物品を含むユーザの物品を一時的に保管する収納ボックスを備えた収納装置および収納システムであって、同一ユーザの物品が同時に入庫可能な収納ボックスの数の上限を示す上限入庫数をユーザごとに格納する情報格納部と、ユーザ宛に配送された物品が収納ボックスに入庫されてから経過した滞留時間を計時する制御部とを有し、制御部は、滞留時間に基づいて、上限入庫数を決定するので、特定のユーザによる収納ボックスの長期間の占有を抑制し、収納ボックスの有効活用を促進することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態における収納システムの全体構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施の形態における収納装置の外観を示す斜視図である。
図3】本発明の第1の実施の形態における収納装置の構成を示す図である。
図4】本発明の第1の実施の形態における収納装置の情報格納部が格納するデータベースを示す図である。
図5】本発明の第1の実施の形態におけるユーザDBのデータ構成の一例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施の形態における収納ボックスDBのデータ構成の一例を示す図である。
図7】本発明の第1の実施の形態における配送業者DBのデータ構成の一例を示す図である。
図8】本発明の第1の実施の形態における利用履歴DBのデータ構成の一例を示す図である。
図9】本発明の第1の実施の形態における入庫管理DBのデータ構成の一例を示す図である。
図10】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの構成を示す図である。
図11】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの情報格納部が格納するデータベースを示す図である。
図12】本発明の第1の実施の形態におけるユーザ端末の構成を示す図である。
図13】本発明の第1の実施の形態における管理者端末の構成を示す図である。
図14】本発明の第1の実施の形態における収納装置によるユーザの上限入庫数の決定動作の流れを示すフローチャートである。
図15】本発明の第1の実施の形態において、配送業者の配送担当者がユーザ宛の物品(配送物)を収納装置に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
図16】本発明の第1の実施の形態において、配送業者の配送担当者がユーザ宛の物品(配送物)を収納装置に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
図17】本発明の第1の実施の形態における「利用者選択画面」の一例を示す図である。
図18】本発明の第1の実施の形態における収納装置に表示される「出入庫の選択画面」の一例を示す図である。
図19】本発明の第1の実施の形態における収納ボックスの使用状況を示す画面情報の一例を示す図である。
図20】本発明の第1の実施の形態において、ユーザ端末に表示される入庫通知の一例を示す図である。
図21】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが収納装置に入庫された自身の物品を出庫する際の収納装置による動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施の形態>
(第1の実施の形態の概要)
本発明の第1の実施の形態における収納システムは、宅配ロッカー等の収納装置を有するシステムである。
配送業者は、集合住宅の居住者等のユーザ宛の物品(配送物)を配送する場合に、ユーザが不在のとき等には、上記配送物を収納装置に入庫し、その後、ユーザが収納装置から配送物を出庫して受取る。
また、ユーザは、配送を希望する物品を収納装置に入庫し、配送業者がその物品を出庫してユーザが指定した宛先にその物品を配送する。
以下、上記ユーザ宛の物品およびユーザが入庫した物品を単に「ユーザの物品」という。
【0019】
本実施の形態における収納装置は、複数の収納ボックスを備えている。
原則、各収納ボックスに物品が入庫されると、当該物品がユーザまたは配送業者により出庫されるまで当該収納ボックスは施錠されており、当該収納ボックスに新たな物品を入庫することはできない。
例えば、収納装置では各物品のユーザが同一か否かを問わず、1つの物品ごとに1つの収納ボックスが使用されるので、収納装置がユーザの3個のユーザ物品を収納する場合には3つの収納ボックスが使用される。
【0020】
本実施の形態では、複数のユーザが収納装置を利用するが、同一ユーザの物品を同時に入庫可能な収納ボックスの数の上限(以下、「上限入庫数」という。)が、収納装置に設定されている。
本実施の形態における収納システムは、ユーザ宛の物品が収納装置に入庫されてから経過した時間(以下、「滞留時間」という。)に基づいて、当該ユーザの上限入庫数を決定する。
具体的には、収納システムは、滞留時間の短いユーザに対しては、上限入庫数を増加してインセンティブを与える。
反対に、収納システムは、滞留時間の長いユーザに対しては、上限入庫数を減少してペナルティを与える。
このように、本実施の形態における収納システムは、ユーザに対して滞留時間の短縮化を促すことにより、一部のユーザによる収納装置の独占的使用を抑制し、多くのユーザが公平に使用できるようにするものである。
滞留時間は、ユーザの物品が出庫されるまで増加していく。ユーザの物品が出庫されると、滞留時間の計時が停止し、確定する。
【0021】
(第1の実施の形態の構成)
〔1〕収納システムの全体構成
図1は、本発明の第1の実施の形態における収納システムの全体構成を示す図である。
図に示すように、収納システムは、ユーザの居住又は利用する専有部を有する建物の敷地内に設置され、ユーザに関連する物品(収納サービスを利用する際にユーザが収納装置10に入庫する物品)を施錠状態で保管する収納装置10と、収納装置10の収納状況等の情報を管理するサーバ装置等の管理サーバ20と、ユーザが操作する情報処理装置であるユーザ端末30と、収納装置10及び管理サーバ20の管理業務を行う管理者が操作する情報処理装置である管理者端末40とを有して構成される。
また、収納システムは、収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30および管理者端末40を通信可能に接続するインターネット又はLAN等のネットワーク100とを有する。
【0022】
収納装置10が設置される建物は、例えば、集合住宅、ビル、商業施設又は公共施設等である。
専有部は、例えば、集合住宅の各住戸、オフィスビルの各勤務スペース、商業施設の各テナント又は公共施設の各スペース等である。
ユーザは、例えば、集合住宅の居住者、オフィスビルの労働者、商業施設の店員又は公共施設の利用者等である。
【0023】
配送業者は、配送業務を行う事業者であり、実際に配送業務を担当する従業員が所属する。
配送業者は、狭義の配送会社の他、通販会社、ネットスーパー、クリーニング店、オークションサイトの運営会社、オークションの出品代理事業者又は各種店舗・会社の配送担当者、その他収納サービスを運営するサービス事業者等、ユーザの物品の配送を行うものであれば、特に限定されない。
【0024】
収納装置10に収納される物品は、ユーザが収納装置10に入庫し、配送業者が取り出し、ユーザが希望する配送先へ配送する。
例えば、配送業者が配送会社の場合は、物品はユーザが送り主である宅配物又は郵送物等である。
配送業者がクリーニング店の場合は、ユーザがクリーニングを依頼する衣類等である。
配送業者がオークションサイトの運営会社の場合は、ユーザがオークションサイトに出品する出品物等である。
また、通販会社、ネットスーパー、クリーニング店、オークションサイトの運営会社は、物品の配送業務を配送会社に委託することもある。
【0025】
以下、収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30および管理者端末40の構成について詳細に説明する。
【0026】
〔2〕収納装置10の構成
(1)収納装置10の概要
収納装置10は、ユーザ宛の物品をユーザが出庫するまで一時預け入れる収納装置であって、複数の施錠可能な収納ボックスを備える。
また、ユーザが入庫した物品を配送業者が出庫するまでに一時預け入れる用途で使用することが可能であってもよい。
本実施の形態において、収納装置10は、物品の入庫又は出庫に関する情報が入力されると、その入力された情報をネットワーク100を介して管理サーバ20へ送信する機能を有する。
【0027】
収納装置10は、マンション等の集合住宅の他、オフィス、コンビニエンスストア・スーパーマーケット等の店舗や商業施設、又は駅や病院等の公共施設・機関等に設置されるものとしてもよく、設置場所はこれらに限定されるものではない。
例えば、収納装置10が集合住宅に設置される場合には、ユーザは当該集合住宅の居住者であり、配送業者は、物品を配送する宅配便業者、クリーニング業者(物品が衣類等のクリーニング品の場合)、又はその他の店舗業者等であってもよい。
【0028】
収納装置10は、宅配便等の配送物の他、あらゆる物品を預け入れ、保管することができる。
例えば、収納装置10は、ユーザが受取りを希望している物品(配送物)を、配送業者が配送してからユーザが取出すまでの期間、一時的に保管するよう使用されてもよい。
また、収納装置10は、ユーザが配送を希望した物品を、配送業者が配送のために集荷し、取出すまでの期間、一時的に保管する。
【0029】
ユーザは、「クリーニング」の収納サービス利用のために、収納装置10を使用することもできる。
ユーザは自身の衣類等の未クリーニングのクリーニング品を収納装置10に預け入れ、クリーニング業者がその預け入れられた衣服を回収してクリーニングを行う。
その後、クリーニング済みのクリーニング品を再度収納装置10に収納し、ユーザがそのクリーニング済みのクリーニング品を収納装置10から取り出すよう使用されてもよい。
【0030】
(2)収納装置10の全体構成
図2は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の外観を示す斜視図である。
また、図3は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
以下、これら図を用いて、収納装置10の構成について説明する。
図に示すように、収納装置10は、CPU等から構成され収納装置10全体を制御する制御部11と、各種情報を格納する情報格納部12と、ネットワーク100を介して管理サーバ20と通信を行う通信部13と、各種情報を表示する表示部14と、各種キーを備え情報入力を行う操作部15と、物品を収納する収納ボックスを複数備えた収納部16とを有して構成される。
各部11~16は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部11の制御のもと、種々の処理が実行される。
【0031】
収納装置10の収納ボックスは、複数のユーザが共用可能である。
例えば、収納装置10が集合住宅に設置されている場合、収納装置10の収納ボックスは、同一の集合住宅に居住する複数の居住者が共用可能である。すなわち、収納装置10の収納ボックスには、同一の集合住宅に居住する複数の居住者が配送を希望する配送物又は居住者宛の配送物をそれぞれ収納することが可能である。
【0032】
収納装置10の収納ボックスに物品が既に入庫され、閉扉及び施錠されている場合には、その受取人(ユーザ又は配送業者)のみが当該収納ボックスを解錠することが可能であり、他の者は解錠することができない。
収納装置10の収納ボックスは、収納中の物品を1度取り出して空の状態になってはじめて、他の物品を収納することが許可される。
すなわち、物品が収納中の収納ボックスには物品を新たに入庫することができないため、収納ボックスから物品を出庫しない限り、使用可能な収納ボックスの数は制限されてしまう。
【0033】
(3)制御部11の構成
制御部11は、収納装置10全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部11は、情報格納部12から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部12に情報の書込みを実行する。
制御部11は、施解錠及び開閉扉といった収納ボックスの動作制御、表示部14による画面表示の動作制御、収納装置10の使用の際の認証処理、ならびにユーザ及び配送業者に関する情報及び各収納ボックスの使用状況の管理等を行う。
また、制御部11は、計時機能を備え、物品の入庫時期および出庫時期を後述の利用履歴DB124に記録するとともに、物品が収納部16(収納ボックス)に入庫されてから経過した「滞留時間」を計時して後述の収納ボックスDB122に登録する。
【0034】
(4)情報格納部12の構成
情報格納部12は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部12は、制御部11で実行するプログラムを記憶する領域や制御部11が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部11は、その情報格納部12に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
情報格納部12は、後述する各データベースを格納する。
【0035】
図4は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の情報格納部12が格納するデータベースを示す図である。
図に示すように、情報格納部12は、ユーザに関するユーザ情報等を管理するユーザDB121と、収納部16を構成する複数の収納ボックスの使用状況を管理する収納ボックスDB122と、配送業者の情報を管理する配送業者DB123と、各収納ボックスの利用履歴を管理する利用履歴DB124と、各ユーザの上限入庫数等を管理する入庫管理DB125とを格納する。
以下、各データベース121~125のデータ構成について詳細に説明する。
【0036】
ユーザDB121は、ユーザに関する情報を管理するためのデータベースである。
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザDB121のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、ユーザDB121は、ユーザ個々の識別情報である「ユーザID」に対応付けて、「ユーザ名」と、ユーザが収納装置10の収納ボックスを解錠するための「ユーザの認証情報」と、「ユーザの個人情報」とを管理している。
上記「ユーザの個人情報」には、例えば、ユーザの住所、ユーザが居住する集合住宅の部屋番号、ユーザ端末30のメールアドレス(ユーザの連絡先情報)等が含まれる。
【0037】
本実施の形態では、上記「ユーザID」とともに、又は「ユーザID」に代えて、ユーザが集合住宅において居住する部屋の部屋番号、ユーザがビルにおいて業務を行っているオフィスの部屋番号・テナント番号等の専有部情報(例えば「202」号室)をユーザの識別情報として、各データベースで使用するようにしてもよい。
【0038】
収納ボックスDB122は、収納装置10の各収納ボックスの特徴(属性)及び現在の使用状況を管理するためのデータベースである。
図6は、本発明の第1の実施の形態における収納ボックスDB122のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、収納ボックスDB122は、各収納ボックスを識別する「ボックス番号」に対応付けて、「各収納ボックスの属性」と、「各収納ボックスの使用状況」と、物品が入庫されている収納ボックス(使用中の収納ボックス)については「その物品の宛先のユーザのユーザIDまたは物品を入庫したユーザのユーザID」と、ユーザの物品が配送業者により入庫されてから経過した時間を示す「滞留時間」と、現在入庫中の物品の滞留時間が滞留超過基準時間を超過したか否かを示す「滞留超過基準時間」とを管理している。
【0039】
「収納ボックスの属性」は、例えば、収納ボックスのサイズ、収納装置10における各収納ボックスの位置及び冷凍・冷蔵機能の有無等を示す情報である。
【0040】
「収納ボックスの使用状況」は、各収納ボックスが「未使用」又は「使用中」のいずれのステータスであるかを管理する。
「未使用」は、収納ボックス内に物品が収納されておらず、新たに物品の入庫が許可されている状態を示している。
「使用中」は、収納ボックス内に物品が既に収納されており、物品の入庫が禁止されている状態を示している。
【0041】
本実施の形態では、一例として、収納部16は7つの収納ボックスから構成されており、各収納ボックスには、ボックス番号1~7が付されている。
これらボックス番号1~7は、図2に示す収納ボックス161~167にそれぞれ対応している。
【0042】
図6の例では、ユーザID「0001」のユーザは、7個の収納ボックスのうち3個(ボックス番号1,4,6)を使用している。
【0043】
「滞留時間」は、配送業者がユーザの物品を収納ボックスに入庫してから経過した時間を示す。
ユーザがユーザの物品を収納ボックスから出庫すると、制御部11は、その滞留時間の計時を停止する。
【0044】
「滞留超過基準時間」は、各ユーザの滞留時間が超えた場合に上限入庫数を減少させる基準となる時間を示す。
収納ボックスにおけるユーザの物品の現在の滞留時間が滞留超過基準時間を超過すると、制御部11は、収納ボックスDB122における「滞留超過基準時間」の項目に「超過」を書き込む。
【0045】
配送業者DB123は、配送業者に関する情報を管理するためのデータベースである。
図7は、本発明の第1の実施の形態における配送業者DB123のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、配送業者DB123は、各配送担当者を識別する「配送担当者ID」に対応付けて、「配送担当者の氏名/名称」と、配送業者が収納装置10の収納ボックスを解錠するための「配送業者の認証情報」と、配送担当者が所属する配送会社等の配送業者の「配送業者ID」と、その所属する「配送業者の名称」と、「その他の配送業者(配送担当者)に関する情報」とを管理している。
【0046】
配送業者の配送担当者は自身の認証情報が配送業者DB123において管理されている場合には、収納ボックスを解錠することができ、配送物の入庫(預入れ)又は出庫(集荷)を行うことができる。
【0047】
図8は、本発明の第1の実施の形態における利用履歴DB124のデータ構成の一例を示す図である。
図8の例では、利用履歴DB124は、収納装置10の各収納ボックスにおける利用履歴情報(入庫・出庫等)を管理するデータベースである。
利用履歴DB124は、収納ボックスの入庫または出庫の各作業それぞれに付された「作業番号」に対応付けて、物品を入庫又は出庫した「ボックス番号」と、「入庫または出庫作業の時期」と、「入庫または出庫の種別」と、その作業が出庫作業の場合に対応する「入庫作業の作業番号」と、要冷蔵または要冷凍等の「物品の属性情報」と、物品を収納ボックスに入庫したユーザのユーザIDまたは入庫した配送担当者の配送業者IDである「入庫者ID」と、物品を収納ボックスから出庫したまたは出庫予定のユーザのユーザID、あるいは出庫または出庫(集荷)予定の配送担当者の配送業者IDである「出庫者ID/出庫予定者」とを管理している。
【0048】
利用履歴DB124には、どのユーザ宛の物品がいつ入庫し、いつ出庫されたか(あるいはまだ出庫されていないか)の履歴が記録されているので、制御部11は、利用履歴DB124を参照することにより、既に出庫された各ユーザの物品の最終的な滞留時間を検出(抽出)することができるようになっている。
【0049】
入庫管理DB125は、各ユーザの上限入庫数および収納ボックスの使用状況などの情報を管理するデータベースである。
図9は、本発明の第1の実施の形態における入庫管理DB125のデータ構成の一例を示す図である。
入庫管理DB125は、各ユーザを識別する「ユーザID」に対応付けて、各ユーザが同時に使用可能な収納ボックスの数の上限を示す「上限入庫数」と、各ユーザの滞留時間に応じて増減した上限入庫数を示す「現在の上限入庫数」と、各ユーザの「滞留時間の平均値」と、各ユーザの物品の「現在の入庫数」と、各ユーザの滞留時間が超えた場合に上限入庫数を減少させる基準となる時間を示す「滞留超過基準時間」と、滞留時間が滞留超過基準時間を超過した収納ボックスの数を示す「滞留超過基準時間の超過数」とを管理する。
【0050】
上記入庫管理DB125の各項目のうち、「現在の上限入庫数」、「滞留時間の平均値」、「現在の入庫数」および「滞留超過基準時間の超過数」については、各ユーザの入庫状況に応じて、制御部11が適宜更新する。
【0051】
入庫管理DB125の「上限入庫数」には、滞留時間による増減前の「基本の上限入庫数」が含まれて管理されている。
制御部11は、各ユーザの滞留時間に応じて上記「基本の上限入庫数」を増減させる。
図9の例では、「ユーザID」が「0001」、「0002」、「0003」の「基本の上限入庫数」は、それぞれ「3」、「3」、「2」である。
この例のように、入庫管理DB125では、各ユーザの「基本の上限入庫数」が異なる値に設定されていてもよい。
【0052】
入庫管理DB125の「上限入庫数」には、上記の「基本の上限入庫数」に加えて、滞留時間に応じた「上限入庫数」も含まれて管理されている。
図9の例では、各ユーザの物品の滞留時間の平均値が「1日未満」と比較的短期の場合、上記「基本の上限入庫数」よりも増加するインセンティブを与えるよう設定されている。
一方、各ユーザの物品の滞留時間の平均値が「2日以上」と比較的長期の場合、上記「基本の上限入庫数」よりも減少するペナルティを与えるよう設定されている。
各ユーザの物品の滞留時間の平均値が「1日以上、2日未満」の場合には、上記「基本の上限入庫数」がそのまま維持されるよう設定されている。
【0053】
図9の例では、ユーザID「0001」のユーザの「滞留時間の平均値」は「1.2日」であるので、「1日以上、2日未満」に該当し、「上限入庫数」は「3」であるが、「滞留超過基準時間の超過数」が「2」であるため、上限入庫数が「2」減じられ、「現在の上限入庫数」は「1」となっている。
【0054】
上記のとおり、入庫管理DB125には「滞留超過基準時間」が管理されている。
「滞留超過基準時間」とは、所定の時間を示しており、制御部11は、個別のユーザの物品の滞留時間がこの「滞留超過基準時間」を超えたと判断すると、当該ユーザの上限入庫数を減少させる。
また、入庫管理DB125には、「滞留超過基準時間の超過数」が管理されている。
例えば、「滞留超過基準時間」が「3日」に設定されている場合、制御部11は、その「滞留超過基準時間の超過数」に応じて、滞留時間が「3日」を超過した物品のユーザの「現在の上限入庫数」から所定の個数を減少させる。
本例では、制御部11は、滞留超過基準時間の超過数1件につき上限入庫数を「1個」減少させている。
【0055】
制御部11は、ユーザにより物品の入庫が要求されたと判断した場合、入庫管理DB125を参照し、「現在の入庫数」が「現在の上限入庫数」よりも少ない場合のみ、当該ユーザによる入庫を受け付ける。
【0056】
(5)収納部16の構成
収納部16は、複数の収納ボックスから構成される。
収納ボックスは、ユーザに関連する物品を一時保管するための収納庫であり、それぞれ施解錠可能に構成されている。
例えば、ユーザが不在の場合でも、配送担当者は、その収納ボックスにユーザ宛の物品を入庫し施錠することにより、収納部16は、ユーザが取り出すまで物品等を安全に保管することができる。
また、ユーザは集荷を依頼する物品を配送担当者が集荷するまでの間、収納ボックスに入庫しておくことができる。
【0057】
各収納ボックスは通常施錠されており、物品が収納されていない収納ボックスは、ユーザ又は配送業者の認証成功時に解錠され、認証失敗時には解錠されない。
一方、ユーザは、自身宛の物品が収納中の収納ボックスは、解錠情報の入力により解錠することができ、他人宛の物品が収納中の収納ボックスは解錠することができない。
配送業者は、自身が配送を依頼された物品が収納中の収納ボックスは、認証情報の入力により解錠することができる。
収納ボックスにおける施解錠を実現する構造は、出入庫口を閉塞するように扉を開閉可能に収納室に固定するものであれば特に限定しない
【0058】
(6)通信部13の構成
通信部13は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ20との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部13は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0059】
(7)表示部14及び操作部15の構成
表示部14は、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のディスプレイやLED等の発行素子によるランプ等の表示装置である。
制御部11は、情報格納部12から画像を読み出し、画像出力処理を実行して画面情報を生成する。
制御部11は、上記生成した画像情報を表示部14へ出力する。
表示部14は、上記入力した画像情報をディスプレイ等に画面表示する。
また、制御部11は、制御信号を表示部14へ出力し、表示部14が有するランプを点灯させることもできる。
【0060】
図2に示す例では、表示部14は、収納装置10本体内に設けられているが、有線又は無線を介して通信可能に接続された外部の表示装置であってもよい。
例えば、表示部14は、タブレット端末やディスプレイ装置であって、収納装置10本体の外部に設けられ、上記有線又は無線を介して制御部11から入力される画像情報を表示する。
【0061】
操作部15は、例えば各種キー等から構成される情報入力装置を備え、当該情報入力装置は表示部14と連携してポインティングデバイスを提供する。操作部15は、居住者等による各種操作を受け付けて、その操作内容を示す信号を制御部11等に出力する。
制御部11は、上記操作内容を示す信号を入力すると、当該信号の内容に応じて、その操作内容に応じた画面表示を表示部14に実行させる旨の制御信号を表示部14へ出力する。
表示部14は、その制御信号を入力すると、当該制御信号に応じて画面表示を行う。
なお、上記表示部14と操作部15は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい。
【0062】
また、操作部15は、赤外線通信等の近距離無線通信を行って情報記録媒体から情報を読み取る情報読取装置を備えている。
ユーザ又は配送担当者は、上記収納ボックスの解錠用の認証情報が記録されている情報記録媒体(認証媒体)を操作部15(情報読取装置)にかざす等して所定距離内まで接近させると、操作部15は、上記情報記録媒体から上記認証情報を読み取る。
この操作部15による認証情報の読取技術については特に限定しないが、例えば、Felica(登録商標)、MIFARE(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式を用いる。また、情報記録媒体の表面にコード情報が印刷又は設けられている場合には、操作部15はそのコード情報を光学的に読み取る。
上記情報記録媒体は、例えば、ユーザ又は配送業者を識別する認証情報が書き込まれた非接触型のICカードや同様の機能を備えた携帯端末である。
【0063】
〔3〕管理サーバ20の構成
管理サーバ20は、ユーザ情報、配送業者情報、収納装置10の使用状況等を管理するサーバ装置である。
管理サーバ20は、例えば、収納システムを管理する上記管理者等により管理される。
【0064】
図10は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の構成を示す図である。
図に示すように、管理サーバ20は、CPU等により構成され管理サーバ20全体を制御する制御部21と、ユーザ情報等を格納する情報格納部22と、ネットワーク100を介して収納装置10、ユーザ端末30または管理者端末40と情報の送受信を無線又は有線を介して行う通信部23とを有して構成される。
各部21~23は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部21の制御のもと、種々の処理が実行される。
【0065】
制御部21は、管理サーバ20全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU等の電子回路やFPGA等の集積回路により構成される。
制御部21は、情報格納部22から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部22に情報の書込みを実行する。
【0066】
情報格納部22は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部22は、制御部21で実行するプログラムを記憶する領域や制御部21が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部21は、その情報格納部22に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0067】
通信部23は、ネットワーク100を介して行う収納装置10、ユーザ端末30および管理者端末40との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部23は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0068】
図11には、管理サーバ20の情報格納部22が格納する各データベースが示されている。
図に示すように、情報格納部22は、ユーザに関するユーザ情報等を管理するユーザDB221と、収納部16を構成する複数の収納ボックスの使用状況を管理する収納ボックスDB222と、配送業者の情報を管理する配送業者DB223と、各収納ボックスの利用履歴を管理する利用履歴DB224と、各ユーザの上限入庫数等を管理する入庫管理DB225とを格納する。
【0069】
本実施の形態では、以下、特記しない限り、管理サーバ20は、これらユーザDB221、収納ボックスDB222、配送業者DB223、利用履歴DB224、入庫管理DB225の各データベースにおいて、1以上の各収納装置10のユーザDB121、収納ボックスDB122、配送業者DB123、利用履歴DB124、入庫管理DB125の同名称の各データベースのデータを統合し、まとめて管理する。
【0070】
また、収納装置10及び管理サーバ20の一方は、他方のデータベースにおいて管理される情報の一部を管理するよう構成してもよい。
管理サーバ20は、収納装置10と所定時間ごとに通信を行い、自身が格納している各データベースと、収納装置10の同名称の各データベースとの間の同期を取るようにしてもよい。
【0071】
〔4〕ユーザ端末30の構成
ユーザ端末30は、ユーザが使用するスマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、PC又はその他の端末である。
【0072】
ユーザは、ユーザ端末30を用いて、自身宛の配送物(物品)の収納装置10への入庫、又は自身が集荷依頼した配送物の収納装置10からの配送業者による出庫について、管理サーバ20から通知を受ける。
また、ユーザは、ユーザ端末30を用いて、管理サーバ20と通信を行い、自身宛の配送物及び自身が集荷依頼を行った配送物の情報を受信して表示を行い、その内容を確認することができる。
【0073】
図12は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザ端末30の構成を示す図である。
図に示すように、ユーザ端末30は、CPU等から構成されユーザ端末30全体の動作を制御する制御部31と、入力した情報やネットワーク100を介して受信した情報等を格納する情報格納部32と、ネットワーク100を介して情報の送受信を行う通信部33と、ディスプレイ等から構成され情報を画面表示する表示部34と、キーやマウス等から構成され情報の入力等を行う操作部35とを有して構成される。
また、上記表示部34と操作部35は、一体に構成され、タッチパネルを構成してもよい。
各部31~35は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部31の制御のもと、種々の処理が実行される。
【0074】
制御部31は、ユーザ端末30全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU等の電子回路やFPGA等の集積回路により構成される。
制御部31は、情報格納部32から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部32に情報の書込みを実行する。
【0075】
情報格納部32は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部32は、制御部31で実行するプログラムを記憶する領域や制御部31が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部31は、その情報格納部32に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0076】
通信部33は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ20との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部33は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0077】
表示部34は、ディスプレイやランプ等の表示装置である。
制御部31は、情報格納部32から画像を読み出し、画像出力処理を実行して画面情報を生成する。また、制御部31は、通信部33が管理サーバ20またはサービス事業者サーバ70から受信した画像情報に対して画像出力処理を実行して画面情報を生成する。
制御部31は、上記生成した画像情報を表示部34へ出力する。
表示部34は、上記入力した画像情報をディスプレイ等に画面表示する。
また、制御部31は、制御信号を表示部34へ出力し、表示部34が有するLED等のランプを点灯させることもできる。
【0078】
操作部35は、例えば各種キー等から構成される情報入力装置を備え、当該情報入力装置は表示部34と連携してポインティングデバイスを提供する。操作部35は、受注側等による各種操作を受け付けて、その操作内容を示す信号を制御部31等に出力する。
制御部31は、上記操作内容を示す信号を入力すると、当該信号の内容に応じて、表示部34へその操作内容に応じた画面表示を行う旨の制御信号を表示部34へ出力する。
表示部34は、その制御信号を入力すると、当該制御信号に応じて画面表示を行う。
【0079】
ユーザ端末30は、Webサーバとして機能する管理サーバ20またはサービス事業者サーバ70から画面情報、例えばWebページを受信して表示することができる。
ユーザ端末30は、制御部31がユーザ側の要求に応じてHTTP要求を生成して送信する機能と、HTTP応答(応答の一例)を解釈してユーザ側に提示する機能とを有する。
例えば、情報格納部32は、一例としてWebブラウザを格納する。
制御部31は、HTTP応答を解釈して画像データや音声データを生成し、表示部34に表示したり、音声をユーザ端末30が有するスピーカから出力したりすることで、HTTP応答をユーザ側に提示する。
【0080】
〔5〕管理者端末40の構成
管理者端末40は、管理者が使用するスマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、PC又はその他の端末である。
【0081】
図13は、本発明の第1の実施の形態における管理者端末40の構成を示す図である。
図に示すように、管理者端末40は、制御部41と、情報格納部42と、通信部43と、表示部44と、操作部45とを有して構成される。
上記各部41~45は、それぞれユーザ端末30の同一名称の各部31~35と基本的に同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
【0082】
管理者端末40は、Webサーバとして機能する管理サーバ20から画面情報、例えばWebページを受信して表示することができる。
管理者は、管理者端末40を用いて、管理サーバ20と通信を行い、収納装置10の使用状況および各ユーザによる物品の出庫状況等の情報を受信して表示を行い、その内容を確認することができる。
【0083】
また、管理者は、管理者端末40を用いて、管理サーバ20に対し、入庫管理DB225の情報の取得要求を送信すると、当該情報を受信し、表示部44は当該情報を表示する。
管理者は、表示された入庫管理DB225の情報を確認し、操作部45を用いてその情報の一部(上限入庫数および滞留超過基準時間)を変更することができる。
例えば、ユーザが会費を管理者側へ支払った場合、または、ユーザの今までの滞留時間が短く収納ボックスの占有を行っていなかった場合には、管理者は、操作部45を用いて、現在よりも多い値の上限入庫数、または長い値の滞留超過基準時間を入力し、通信部43がその入力された値を管理サーバ20へ送信することによって入庫管理DB225の情報を当該送信した内容に更新することができる。
管理サーバ20は、その後、収納装置10にその更新された情報を送信し、入庫管理DB225と入庫管理DB125の情報の同期を取る。
【0084】
(第1の実施の形態の動作)
(1)上限入庫数の決定動作
図14は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10によるユーザの上限入庫数の決定動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、収納装置10の制御部11が、ユーザの滞留時間に基づいて、ユーザの上限入庫数を自動的に決定するときの動作を説明する。
【0085】
収納装置10の制御部11は、ユーザの上限入庫数を決定するタイミングは特に限定しない。
例えば、制御部11は例えば1日ごと等、所定時間ごとに所定のユーザの上限入庫数を決定するようにしてもよし、配送業者がユーザ宛の物品を収納装置10に入庫しようとして操作部15の操作を開始したタイミングで当該物品の宛先のユーザの上限入庫数を決定するようにしてもよい。
【0086】
まず、制御部11は、利用履歴DB124を参照し、該当するユーザの全ての滞留時間を抽出する(ステップS101)。
【0087】
ステップS101において、制御部11は、直近の所定数(例えば5件)の滞留時間を抽出するようにしてもよい。
また、制御部11は、物品の出庫が完了した滞留時間(確定した滞留時間)のみを抽出するようにしてもよいし、まだ出庫されていない物品の滞留時間(現在進行中の滞留時間)を含めて抽出するようにしてもよい。
【0088】
ステップS101において、「直近」の滞留時間とは、該当ユーザにおいて、出庫の時期が「直近」のものであってもよいし、入庫の時期が「直近」のものであってもよい。
【0089】
次に、制御部11は、上記抽出した同一ユーザの滞留時間の平均値を計算する(ステップS102)。
制御部11は、上記計算したユーザの滞留時間の平均値を、入庫管理DB125における該当するユーザの「滞留時間の平均値」に書き込む。
【0090】
次に、制御部11は、入庫管理DB125を参照し、上記算出した同一ユーザの滞留時間の平均値に基づいて、上限入庫数を決定する(ステップS103)。
例えば、図9の例では、制御部11は、ユーザID「0001」のユーザの滞留時間の平均値が「1日未満」である場合、「基本の上限入庫数」から「1」増加させ、「現在の上限入庫数」を「4」に決定する。
【0091】
次に、制御部11は、利用履歴DB124を参照し、当該ユーザが現在収納中の物品(まだ出庫していない物品)について、滞留超過基準時間を超過しているものが現在あるか否かを判断する(ステップS104)。
【0092】
ステップS104において、制御部11は、当該ユーザについて滞留超過基準時間を超過した物品がないと判断した場合には(ステップS104/No)、ステップS103で決定した上限入庫数を減少させず、当該上限入庫数を最終的に決定する(ステップS106)。
以上で動作を終了する。
【0093】
一方、制御部11は、当該ユーザについて滞留超過基準時間を超過した物品があると判断した場合には(ステップS104/Yes)、ステップS103で決定した上限入庫数から所定の数を減少させて(ステップS105)、当該減少させた上限入庫数を最終的に決定する(ステップS106)。
例えば、図9の例を用いて具体的に説明すると、制御部11は、ユーザID「0001」のユーザの物品がまだ入庫中であり、そのユーザの物品の滞留時間が滞留超過基準時間(3日)を超過している場合には、現在の上限入庫数から「1」減少させる。
図9の例では、ユーザID「0001」のユーザの物品のうち滞留超過基準時間を超過したものは2件あるが、このように滞留超過基準時間を超過した物品が複数ある場合には、制御部11は、その数に基づいて現在の上限入庫数をさらに減少させてもよい(例えば、1件なら「1」減少し、2件なら「2」減少。)。
以上で動作を終了する。
【0094】
以上説明したように、本実施の形態では、収納装置10は、ユーザの物品の滞留時間の平均値に基づいて上限入庫数を決定し、当該ユーザの物品の滞留時間が基準となる時間(滞留超過基準時間)を超過している場合には上限入庫数をさらに減少させ、最終的な上限入庫数を自動的に決定する。
したがって、ユーザに対して、収納装置10に収納中のユーザの物品を早期に取出して受取ることを効果的に促して特定のユーザによる収納装置10の収納ボックスの占有を抑制し、その結果、収納装置10の収納ボックスの有効活用を実現することが可能となる。
なお、本実施の形態では、制御部11は、滞留超過基準時間を超過した場合に、該当するユーザの上限入庫数を減していたが、反対に、超過していない場合に上限入庫数を増加させるように決定してもよい。
【0095】
(2)物品の入庫動作
図15,16は、本発明の第1の実施の形態において、配送業者の配送担当者がユーザ宛の物品(配送物)を収納装置10に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、配送業者がユーザ宛の物品を収納装置10に入庫するときの収納システムによる動作を説明する。
【0096】
まず、配送担当者は、ユーザ宛の物品を持って収納装置10の設置場所(例えば、ユーザの居住する集合住宅の共用部等)を訪れる。
【0097】
収納装置10の表示部14には、「利用者選択画面」が表示されている。
利用者選択画面は、収納装置10を利用するにあたって、自身のプロフィール(ユーザか配送業者か)を選択するための画面情報である。
【0098】
図17は、本発明の第1の実施の形態における「利用者選択画面」の一例を示す図である。
図17の例では、利用者選択画面には、「ユーザ」及び「配送業者」のアイコンが表示されている。
収納装置10の利用者(ユーザ又は配送業者)は、収納装置10の操作部15を操作して、自身のプロフィールに応じて、上記「ユーザ」又は「配送業者」のいずれかのアイコンを選択する。
本例では、配送担当者がユーザ宛の物品を収納ボックスに入庫するので、「配送業者」のアイコンが選択される。
【0099】
配送担当者が、上記利用者選択画面において、「配送業者」のアイコンを選択すると、表示部14は、制御部11による制御のもと、配送担当者の認証情報の入力を促す「認証入力画面」を表示する(ステップS201)。
例えば、配送担当者の認証情報は、配送担当者IDと、パスワードとの組み合わせであってもよい。
【0100】
上記認証入力画面には、例えば、「ICカードをリーダにかざして下さい。」等のメッセージが表示され、配送担当者に対して認証情報の入力を促す。
例えば、配送担当者の認証情報の入力方法は、配送担当者IDおよびパスワードが記録されたICカードを収納装置10の操作部15に備えられたリーダに近距離無線を介して読み込ませるようにしてもよい。
また、上記認証入力画面に配送担当者IDおよびパスワードの入力欄が設けられている場合には、配送担当者は、操作部15に備えられた各種キーを用いて、上記入力欄に配送担当者IDおよびパスワードを入力するようにしてもよい。
【0101】
配送担当者は、この「認証入力画面」の表示内容に応じて、配送担当者の認証情報を収納装置10に入力する(ステップS202)。
【0102】
制御部11は、配送業者DB123を参照し、上記入力された配送担当者の認証情報に含まれる配送担当者IDおよびパスワードに基づいて配送担当者の認証を行う(ステップS203)。
例えば、制御部11は、配送業者DB123において、上記配送担当者IDとパスワードとが互いに対応付けられて登録されている場合に「認証成功」と判断し、互いに対応付けられて登録されていない場合に「認証失敗」と判断する。
【0103】
ここで、制御部11は、認証失敗と判断すると(ステップS203/No)、配送担当者に対して収納装置10の利用を許可せずに、動作を終了する。
【0104】
一方、制御部11は、認証成功と判断すると(ステップS203/Yes)、表示部14は、制御部11による制御のもと、「出入庫の選択画面」を表示する(ステップS204)。
出入庫の選択画面は、配送担当者が物品の入庫または出庫を選択するための画面情報である。
【0105】
図18は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10に表示される「出入庫の選択画面」の一例を示す図である。
図の例では、「出入庫の選択画面」には、「入庫」および「出庫」のボタンと、「部屋番号」の入力欄とが表示されている。
配送担当者は、収納装置10の操作部15を操作して、上記出入庫の選択画面上で「入庫」または「出庫」のうちのいずれかを選択し、関連するユーザを特定する「部屋番号」を入力する(ステップS205)。
本例では、配送担当者は、ユーザの物品(ユーザ宛の配送物)を収納装置10に入庫するので、「入庫」のボタンを押下する。また、このとき、配送担当者は、入庫する物品の宛先のユーザの「部屋番号」を上記入力欄に入力する。
なお、上記「部屋番号」はユーザを特定するための情報であり、「部屋番号」に代えて「ユーザID」等のユーザを特定するための他の情報の入力欄を表示し、入力するようにしてもよい。
【0106】
制御部11は、出入庫の選択画面において、配送担当者がユーザの物品を入庫するために「入庫」が選択されたと判断すると、収納ボックスDB122の各収納ボックスの使用状況を参照し、現在、未使用の収納ボックスがあるか否かを判断する(ステップS206)。
【0107】
ここで、制御部11は、現在、使用可能な収納ボックスがないと判断すると(ステップS206/No)、配送担当者は物品を収納ボックスに入庫することができないので、動作を終了する。
【0108】
一方、制御部11は、現在、使用可能な収納ボックスがあると判断すると(ステップS206/Yes)、入庫管理DB125を参照し、上記入力された「部屋番号」に基づいてユーザを特定し、当該特定したユーザの「現在の上限入庫数」と「現在の入庫数」とを比較し、「現在の上限入庫数」が「現在の入庫数」より大きいか否かを判断する(ステップS207)。
【0109】
ステップS207において、制御部11は、当該特定したユーザの「現在の上限入庫数」が「現在の入庫数」以下と判断した場合(ステップS207/No)、当該ユーザについては入庫が許可されている収納ボックスの上限に達しており、収納ボックスに物品を新たに入庫することは許可できないので、表示部14に「物品の入庫を許可できないこと」を表示させ、動作を終了する。
【0110】
一方、ステップS207において、制御部11は、当該特定したユーザの「現在の上限入庫数」が「現在の入庫数」より大きいと判断した場合には(ステップS207/Yes)、収納ボックスDB122を参照して収納ボックスの使用状況の情報を抽出して収納ボックスの使用状況を示す画面情報を生成し、当該生成した収納ボックスの使用状況を示す画面情報を表示部14に表示させる(ステップS208)。
【0111】
図19は、本発明の第1の実施の形態における収納ボックスの使用状況を示す画面情報の一例を示す図である。
図に示す例では、収納装置10の収納ボックスのうち、現時点で入庫可能な収納ボックスと、現時点で入庫中であって入庫不可能な収納ボックスとを異なる色で示し、配送担当者がどの収納ボックスに物品を入庫可能かがわかるようになっている。
【0112】
配送担当者は、表示部14に表示された収納ボックスの使用状況を示す画面情報の内容を確認し、操作部15を操作して、入庫可能な収納ボックスのうち任意の収納ボックスを選択する(ステップS209)。
【0113】
制御部11は、配送担当者により選択された収納ボックスを解錠する(ステップS210)。
配送担当者は、ユーザの物品を解錠された収納ボックスに入庫し、閉扉すると、制御部11は、当該物品が入庫された収納ボックスを施錠する(ステップS211)。
【0114】
次に、制御部11は、収納ボックスDB122および利用履歴DB124の該当する各項目を更新する(ステップS212)。
【0115】
ステップS212において、制御部11は、収納ボックスDB122におけるユーザの物品が入庫された収納ボックスの「使用状況」の項目を「未使用」から「使用中」へ更新するとともに、「ユーザID」の項目に入庫された物品のユーザのユーザIDを登録する。
また、制御部11は計時機能を用いて滞留時間を計時し、収納ボックスDB122の「滞留時間」の項目に、その計時した滞留時間を所定のタイミングごとに登録または更新する。
制御部11は、その登録または更新された滞留時間が、予め定められた滞留超過基準時間を超過した場合には、収納ボックスDB122の「滞留超過基準時間」の項目に「超過」したことを登録する。
【0116】
ステップS212において、制御部11は、利用履歴DB124におけるユーザの物品が入庫された収納ボックスの「ボックス番号」の項目に該当するボックス番号を登録し、「入庫・出庫時期」の項目に計時した現在時刻を登録し、「入庫/出庫」の項目に入庫または出庫の種別(ここでは入庫)を登録する。
また、制御部11は、利用履歴DB124における「入庫者ID」の項目に、認証し、ユーザの物品を入庫した配送担当者の配送業者IDを登録し、「出庫者ID/出庫予定者ID」の項目に、入庫した物品のユーザのユーザIDを登録する。
【0117】
次に、制御部11は、ユーザDB121を参照し、ステップS205において入力された「部屋番号」に対応付けられているユーザの連絡先情報を抽出する。
そして、制御部11は、当該ユーザ宛の物品が収納装置10に入庫されたことを示す情報である入庫通知を生成する(ステップS213)。
【0118】
例えば、入庫通知には、「ユーザの物品が収納装置10に入庫されたことを通知するメッセージ」、「ユーザの物品の早期の出庫を促すメッセージ」、「入庫時期」、「入庫された収納装置10の設置位置」、「入庫された収納ボックスのボックス番号」、「ユーザの氏名」、「ユーザの部屋番号」等の各項目が含まれる。
【0119】
次に、収納装置10の通信部13は、上記生成された入庫通知を管理サーバ20へ送信する(ステップS214)。
【0120】
管理サーバ20は、入庫通知を収納装置10から受信すると、ユーザDB221を参照して、当該入庫通知に含まれる「部屋番号」に基づいてユーザを特定し、当該特定したユーザの連絡先情報(メールアドレス等)を抽出し、当該ユーザの連絡先情報で示されるユーザ端末30へ上記入庫通知を送信する(ステップS215)。
なお、ステップS215において、管理サーバ20がユーザ端末30へ入庫通知を送信するタイミングは、特に限定されない。
例えば、管理サーバ20は、収納装置10から入庫通知を1つ受信するごとに該当するユーザ端末30へ送信してもよいし、収納装置10から受信した入庫通知を一旦情報格納部22に蓄積し、所定時間経過後に、蓄積した1以上の入庫通知を該当するユーザ端末30に対し、まとめて送信するようにしてもよい。
【0121】
ユーザ端末30の通信部33は、入庫通知を管理サーバ20から受信すると、表示部34は、その入庫通知を表示する(ステップS216)。
【0122】
図20は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザ端末30に表示される入庫通知の一例を示す図である。
図の例の入庫通知には、「ユーザの物品が収納装置10に入庫されたことを通知するメッセージ」と、「入庫された収納装置10の設置位置」と、「入庫された収納ボックスのボックス番号」と、「入庫時期」とが示されている。
また、図の例の入庫通知には、「今回入庫を通知したユーザの物品以外に他のユーザの物品が入庫中であることを通知するメッセージ」と、「ユーザの現在の上限入庫数」と、「現在入庫中のユーザの物品の数」とが示されている。
図の例のように、「現在入庫中のユーザの物品の数」が「ユーザの現在の上限入庫数」以上の場合には、現在入庫中のユーザの物品を出庫させない限り、新たにユーザの物品を入庫することはできないので、入庫通知に「ユーザの物品の早期の出庫を促すメッセージ」を示すようにしてもよい。
【0123】
ユーザは、その表示された入庫通知の内容を確認し、ユーザの物品が入庫された収納装置10の設置場所へ移動し、当該ユーザの物品を出庫する。
【0124】
なお、入庫通知は、ユーザの物品が収納装置10に入庫されたことを通知する目的のものであれば、その記載される内容は上記の例に限定されない。
【0125】
以上説明したように、配送担当者は、ユーザの物品を収納装置10に入庫しようとすると、収納装置10は、当該ユーザの現在の上限入庫数に基づいて、上記配送担当者によるユーザの物品の新たな入庫を許可するか否かを判断し、上限を超えている場合には新たな物品の入庫を禁止し、上限以下の場合は入庫を許可する。
従って、特定のユーザが収納装置10の収納ボックスを独占しないようにし、ユーザ間の不平等感を失くすことが可能となる。
特に、収納装置10は、滞留時間が所定時間以上のユーザに対しては所定時間未満のユーザと比べて上限入庫数を低く決定するので、当該滞留時間が所定時間以上のユーザの物品が入庫されない機会が増加する。
このため、ユーザが、自身の物品を収納装置10から短期間で取り出すことを効果的に促すことが可能となる。
【0126】
(3)物品の出庫動作
図21は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが収納装置10に入庫された自身の物品(当該ユーザ宛の配送物)を出庫する際の収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、一例として、ユーザが、配送業者により収納装置10に入庫された自身の物品(当該ユーザ宛の配送物)を収納ボックスから取出し、出庫するときの収納システムによる動作を説明する。
【0127】
上述のとおり、ユーザは、ユーザ端末30を用いて、入庫通知の内容を確認した後、自身の物品を出庫するために、入庫通知に示される収納装置10の設置位置へ移動する。
【0128】
収納装置10の表示部14には、「利用者選択画面」(図17)が表示されている。
ユーザが、上記利用者選択画面において、「ユーザ」のアイコンを選択すると、表示部14は、制御部11による制御のもと、ユーザの認証情報の入力を促す「認証入力画面」を表示する(ステップS301)。
【0129】
以下の例では、ユーザの認証情報は、部屋番号とパスワードとの組み合わせであるとして説明を進めるが、部屋番号の代わりにユーザIDであってもよいし、部屋番号とユーザIDの両方であってもよいし、ユーザを特定可能なその他の情報であってもよい。
例えば、ユーザの認証情報の入力方法は、部屋番号およびパスワードが記録されたICカードを収納装置10の操作部15に備えられたリーダに近距離無線を介して読み込ませるようにしてもよい。
また、ユーザは、操作部15に備えられた各種キーを用いて、部屋番号およびパスワードを入力するようにしてもよい。
【0130】
ユーザは、この「認証入力画面」の表示内容に応じて、ユーザの認証情報を収納装置10に入力する(ステップS302)。
【0131】
制御部11は、ユーザDB123を参照し、上記入力されたユーザの認証情報に含まれる部屋番号およびパスワードに基づいてユーザの認証を行う(ステップS303)。
例えば、制御部11は、ユーザDB123において、上記部屋番号とパスワードとが互いに対応付けられて登録されている場合に「認証成功」と判断し、互いに対応付けられて登録されていない場合に「認証失敗」と判断する。
【0132】
ここで、制御部11は、認証失敗と判断すると(ステップS303/No)、ユーザに対して収納装置10の使用(出庫作業)を許可せずに、動作を終了する。
【0133】
一方、制御部11は、認証成功と判断すると(ステップS303/Yes)、表示部14は、制御部11による制御のもと、「出入庫の選択画面」を表示する(ステップS304)。
出入庫の選択画面では、ユーザが物品の入庫または出庫を選択するために使用することができる。
当該出入庫の選択画面は、図18に示す例と同様であってもよい。
【0134】
ユーザは、収納装置10の操作部15を操作して、上記出入庫の選択画面上で「入庫」または「出庫」のうちのいずれかを選択入力する(ステップS305)。
本例では、ユーザは、ユーザの物品(ユーザ宛の配送物)を収納装置10から出庫するので、「出庫」のボタンを押下する。
【0135】
次に、制御部11は、収納ボックスDB122を参照し、当該認証が成功したユーザの物品が入庫されている収納ボックスを解錠する(ステップS306)。
ユーザは、その解錠された収納ボックスから自身の物品を取り出す。
ユーザが物品取り出し後に収納ボックスの扉を閉扉することにより、自動的に収納ボックスは施錠されるようにしてもよい。
【0136】
次に、制御部11は、収納ボックスDB122および利用履歴DB124の該当する各項目を更新する(ステップS307)。
【0137】
ステップS307において、制御部11は、収納ボックスDB122におけるユーザの物品が入庫された収納ボックスの「使用状況」の項目を「使用中」から「未使用」へ更新するとともに、「ユーザID」の項目のユーザIDを削除する。
また、制御部11は、収納ボックスDB122の「滞留時間」の項目に登録されていた滞留時間を削除する。
収納ボックスDB122の「滞留時間」の項目に「超過」が登録されている場合には、制御部11は、当該「超過」の登録を削除する。
【0138】
ステップS307において、制御部11は、利用履歴DB124におけるユーザの物品が出庫された収納ボックスの「ボックス番号」の項目に該当するボックス番号を登録し、「入庫・出庫時期」の項目に計時した現在時刻を登録し、「入庫/出庫」の項目に入庫または出庫の種別(ここでは出庫)を登録する。
制御部11は、利用履歴DB124における、「出庫者ID/出庫予定者ID」の項目に、出庫した物品のユーザのユーザIDを登録する。
また、制御部11は、「入庫者ID」の項目に、ユーザの物品を入庫した配送担当者の配送業者IDを登録し、「入庫の作業番号」の項目に、今回の出庫作業に対応する入庫作業の作業番号を登録する。
以上で動作を終了する。
【0139】
以上のとおり、ユーザが自身の物品を出庫すると、収納装置10は、当該出庫されたユーザの物品の滞留時間を確定し(滞留時間の計時を停止し)、ユーザの上限入庫数の減少を停止するので、ユーザが自身の物品を収納装置10から早期に出庫するのを効率的に促すことが可能となる。
【0140】
なお、同一ユーザIDのユーザの物品が入庫されている収納ボックスが複数ある場合には、各収納ボックスについて、1つずつ、ステップS306,S307の動作を行うようにしてもよい(配送担当の収納ボックスを1つ施錠する度に、他の配送担当の収納ボックスを解錠する。)。
また、配送(出庫)担当の複数の収納ボックスをまとめて解錠し(ステップS306)、各データベースの内容を更新するようにしてもよい(ステップS307)。
【0141】
(第1の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、収納装置10は、各ユーザの物品の滞留時間に基づいて、各ユーザが同時に入庫できる収納ボックスの数(上限入庫数)を自動的に決定する。
特に、収納装置10は、各ユーザの滞留時間が短いほど、各ユーザの上限入庫数を高く決定するので、ユーザが自身の物品を収納装置10から早期に出庫することを効果的に促し、特定のユーザが収納装置10の収納ボックスの独占的に使用することを抑制し、当該独占的使用による他のユーザの不公平感を解消させることが可能となる。
【0142】
収納装置10は、各ユーザの滞留時間の平均値に基づいて上限入庫数を決定するので、ユーザが自身の物品を収納装置10から取り出すタイミングが早期であればあるほど、上限入庫数が高い値に保たれ、ユーザの早期取出しを効果的に促すことができるようになっている。
【0143】
また、収納装置10は、ユーザの滞留時間が滞留超過基準時間以上となると、当該ユーザの滞留時間の平均値にかかわらず、上限入庫数を減らすよう決定するので、ユーザによる長期間にわたる収納ボックスの占有を効果的に抑制できるようになっている。
【0144】
(第1の実施の形態の変形例)
本発明の第1の実施の形態において、収納装置10による動作の一部は、収納装置10の外部装置、例えば、以下のとおり、管理サーバ20が収納装置10に代えて実行することができる。
【0145】
ステップS101~S106における上限入庫数の決定動作は、収納装置10に代えて、管理サーバ20が行うようにしてもよい。
この場合、管理サーバ20は、決定後の上限入庫数の情報を収納装置10へ送信し、情報の同期を取る。
【0146】
ステップS202において配送業者の認証情報が入力されると、収納装置10は、配送業者の認証情報を管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されているユーザDB221のユーザの情報を参照して認証を行い、その認証結果を収納装置10へ送信してもよい。
【0147】
ステップS302においてユーザの認証情報が入力されると、収納装置10は、ユーザの認証情報を管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されているユーザDB223のユーザの情報を参照して認証を行い、その認証結果を収納装置10へ送信してもよい。
【0148】
ステップS206において使用可能な収納ボックスがあると判断されると、収納装置10は、ユーザを特定する情報(ユーザIDまたは部屋番号)を管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されている入庫管理DB225を参照し、当該ユーザの現在の上限入庫数と、現在の入庫数とに基づいて、当該ユーザが収納装置10において収納ボックスが使用可能か否かを判断し、その判断結果を収納装置10へ送信してもよい。
【0149】
ステップS214,S215において、収納装置10は、管理サーバ20を介してユーザ端末30へ入庫通知を送信していたが、一般的なメールサーバに対して電子メールにより入庫通知を送信し、当該メールサーバを介して入庫通知をユーザ端末30へ送信するようにしてもよい。
この場合、収納システムは、管理サーバ20を有さないよう構成してもよい。
【0150】
また、本実施の形態では、収納装置10は、入庫通知において、現在の上限入庫数、現在の入庫数、入庫通知の対象以外の他のユーザの物品が入庫中であることをユーザに通知していたが、入庫通知以外の他の通知により通知してもよい。
【0151】
収納システムの各動作の順序は入れ替わってもよい。
【0152】
収納システムの各データベースの内容を変更する必要がない場合には、収納システムは管理者端末40を有さないよう構成してもよい。
【0153】
<実施の形態のまとめ>
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態における収納システムでは、収納装置10は、各ユーザの物品の滞留時間に基づいて、各ユーザが同時に入庫できる収納ボックスの数(上限入庫数)を決定する。
特に、収納装置10は、各ユーザの滞留時間が短いほど、各ユーザの上限入庫数を高く決定するので、ユーザが自身の物品を収納装置10から早期に出庫することを効果的に促し、特定のユーザが収納装置10の収納ボックスの独占的に使用することを抑制し、当該独占的使用による他のユーザの不公平感を解消させることが可能となる。
【0154】
上記の収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30および管理者端末40は、主にCPUとメモリにロードされたプログラムによって実現される。ただし、それ以外の任意のハードウェアおよびソフトウェアの組合せによってこの装置またはサーバを構成することも可能であり、その設計自由度の高さは当業者には容易に理解されるところである。
【0155】
また、上記の収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30または管理者端末40をソフトウェアモジュール群として構成する場合、このプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
【0156】
なお、上記の実施の形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施の形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
【符号の説明】
【0157】
10 収納装置
11,21,31,41 制御部
12,22,32,42 情報格納部
13,23,33,43 通信部
14,34,44 表示部
15,35,45 操作部
16 収納部
161~167 収納ボックス
20 管理サーバ
30 ユーザ端末
40 管理者端末
100 ネットワーク
121,221 ユーザDB
122,222 収納ボックスDB
123,223 配送業者DB
124,224 利用履歴DB
125,225 入庫管理DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21