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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002781
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241226BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103127
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】檜垣 篤史
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】車両の乗換えを促進する上で有効な技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置では、制御部が、第1の時期における第1の車両の残価、第1の時期よりも将来の第2の時期における第1の車両の残価、第1の時期から第2の時期まで第1の車両を利用し続けると仮定した場合に発生する所定の費用、第1の時期における第1の車両の残債、第2の時期における第1の車両の残債、第1の車両の月額保険料、及び第2の車両の車種を含む情報の入力を受け付ける。制御部は、受け付けた情報に基づいて、第1の時期に第1の車両から第2の車両へ乗り換えると仮定した場合の第1の支払額、及び第2の時期に第1の車両から第2の車両へ乗り換えると仮定した場合の第2の支払額を演算する。制御部は、第1の支払額と第2の支払額を比較する情報を出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用している第1の車両の第1の時期における残価、前記第1の時期よりも将来の第2の時期における前記第1の車両の残価、前記第1の時期から前記第2の時期まで前記第1の車両を利用し続けると仮定した場合に発生する所定の費用、前記第1の時期における前記第1の車両の残債、前記第2の時期における前記第1の車両の残債、前記第1の車両の月額保険料、及び前記ユーザが乗換えを希望している第2の車両の車種を含む情報の入力を受け付けることと、
前記入力の受け付けに応じて、前記第1の時期に前記第1の車両から前記第2の車両へ乗り換えると仮定した場合の第1の支払額、及び前記第2の時期に前記第1の車両から前記第2の車両へ乗り換えると仮定した場合の第2の支払額を演算することと、
前記第1の支払額及び前記第2の支払額を比較する情報を出力することと、
実行するように構成される制御部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の支払額を演算することは、
前記第1の時期から前記第2の時期までの月数に前記第1の車両の前記月額保険料を乗算して、第1の金額を演算すること、
前記第1の時期における前記第1の車両の前記残価に、前記第1の金額及び前記所定の費用を加算して、第2の金額を演算することと、
前記第2の金額から前記第1の時期における第1の車両の前記残債を減算して、第3の金額を演算することと、
前記第2の車両に関する支払額から前記第3の金額を減算して、前記第1の支払額を演算することと、
を含み、
前記第2の支払額を演算することは、
前記第2の時期における前記第1の車両の前記残価から、前記第2の時期における第1の車両の前記残債を減算して、第4の金額を演算することと、
前記第2の車両に関する支払額から前記第4の金額を減算して、前記第2の支払額を演算することと、
を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の支払額及び前記第2の支払額を比較する情報を出力することは、前記第1の支払額、前記第2の支払額、及び前記第1の支払額と前記第2の支払額との差を含むユーザインターフェース画面を出力することを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記入力を受け付けることは、前記第1の時期における前記第1の車両の前記残価の入力欄、前記第2の時期における第1の車両の前記残価の入力欄、前記所定の費用の入力欄、前記第1の時期における前記第1の車両の前記残債の入力欄、前記第2の時期における前記第1の車両の前記残債の入力欄、前記第1の車両の前記月額保険料の入力欄、及び前記第2の車両の前記車種の入力欄を含むユーザインターフェース画面を出力することを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の時期は、前記第2の金額が前記第1の車両の残債を上回る時期である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の販売を促進する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-227977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、ユーザの車両の乗換えを促進する上で有効な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の1つは、情報処理装置である。その場合の情報処理装置は、例えば、
ユーザが使用している第1の車両の第1の時期における残価、前記第1の時期よりも将来の第2の時期における前記第1の車両の残価、前記第1の時期から前記第2の時期まで前記第1の車両を利用し続けると仮定した場合に発生する所定の費用、前記第1の時期における前記第1の車両の残債、前記第2の時期における前記第1の車両の残債、前記第1の車両の月額保険料、及び前記ユーザが乗換えを希望している第2の車両の車種を含む情報の入力を受け付けることと、
前記入力の受け付けに応じて、前記第1の時期に前記第1の車両から前記第2の車両へ乗り換えると仮定した場合の第1の支払額、及び前記第2の時期に前記第1の車両から前記第2の車両へ乗り換えると仮定した場合の第2の支払額を演算することと、
前記第1の支払額及び前記第2の支払額を比較する情報を出力することと、
実行するように構成される制御部を備える。
【0006】
本開示は、上記情報処理装置の処理をコンピュータが実行する情報処理方法として捉えることもできる。また、本開示は、上記情報処理方法をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム又は該情報処理プログラムを格納する非一時的記憶媒体として捉えることもできる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザの車両の乗換えを促進する上で有効な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態におけるシステムの構成例を概略的に示すブロック図である。
図2】サポート用Webページの第1の例を示す図である。
図3】サポート用Webページの第2の例を示す図である。
図4】実施形態におけるサーバで実行される処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
車両の販売サービス又はリースサービスでは、ユーザが現在使用している車両(第1の
車両)を下取りに出して、別の車両(第2の車両)を購入又はリースする形態、所謂乗換えがある。ところで、第1の車両の下取り価格は、経時的に低下する傾向がある。そのため、ユーザが割賦で第1の車両を使用している場合、乗換え時期によっては、第1の車両の下取り価格より残債の方が大きくなる。そのような場合、ユーザは、第2の車両の支払額に加え、第1の車両の残債を支払う必要がある。よって、第1の車両の下取り価格が残債を上回るタイミングで、ユーザの乗換え意欲を喚起する手立てが必要となる。
【0010】
そこで、本開示に係る情報処理装置では、制御部が、ユーザが使用している第1の車両の第1の時期における残価、第1の時期よりも将来の第2の時期における第1の車両の残価、第1の時期から第2の時期まで第1の車両を利用し続けると仮定した場合に発生する所定の費用、第1の時期における第1の車両の残債、第2の時期における第1の車両の残債、第1の車両の月額保険料、及びユーザが乗換えを希望している第2の車両の車種を含む情報の入力を受け付ける。その際、制御部は、第1の時期における第1の車両の残価の入力欄、第2の時期における第1の車両の残価の入力欄、所定の費用の入力欄、第1の時期における第1の車両の残債の入力欄、第2の時期における第1の車両の残債の入力欄、第1の車両の月額保険料の入力欄、及び第2の車両の車種の入力欄を含むユーザインターフェース画面を出力してもよい。
【0011】
ここで、第1の時期は、第1の車両の下取り価格が第1の車両の残債を上回る時期である。一例として、第1の時期は、第1の車両の下取り価格が第1の車両の残債を上回る期間のうち、ユーザが所定の拠点に来店するタイミングであってよい。所定の拠点は、例えば、車両の販売サービスおよびまたはリースサービスを提供する事業者の店舗(例えば、カーディーラー等)又は当該事業者から委託を受けた事業者等が運営する整備工場である。また、第2の時期は、第1の時期より将来の時期であって、ユーザが乗換えを検討し易い時期(例えば、第1の車両の法定点検又は車検等の時期)である。
【0012】
制御部は、上記した情報の入力を受け付けると、第1の支払額及び第2の支払額を演算する。第1の支払額は、第1の時期に第1の車両から第2の車両へ乗り換えると仮定した場合のユーザの支払額である。第2の支払額は、第2の時期に第1の車両から第2の車両へ乗り換えると仮定した場合のユーザの支払額である。
【0013】
一例として、第1の支払額は、以下の手順で演算されてよい。
(1)第1の時期から第2の時期までの月数に第1の車両の月額保険料を乗算して、第1の金額を演算
(2)第1の時期における第1の車両の残価に、第1の金額及び所定の費用を加算して、第2の金額を演算
(3)第2の金額から第1の時期における第1の車両の残債を減算して、第3の金額を演算
(4)第2の車両に関する支払額から第3の金額を減算して、第1の支払額を演算
【0014】
また、一例として、第2の支払額は、以下の手順で演算されてよい。
(5)第2の時期における第1の車両の残価から、第2の時期における第1の車両の残債を減算して、第4の金額を演算
(6)第2の車両に関する支払額から第4の金額を減算して、第2の支払額を演算
【0015】
ここで、所定の費用は、例えば、第1の時期から第2の時期までの期間中に第1の車両が受ける必要があるメンテナンス(例えば、法定点検、およびまたは車検整備等)にかかる費用、及び第1の時期から第2の時期までの期間中に第1の車両に課せられる税金等を含む。
【0016】
なお、第1の支払額及び第2の支払額の演算において、第1の金額及び所定の費用は、第1の支払額の演算に使用されることに代えて、第2の支払額の演算に使用されてもよい。その場合、第1の時期における第1の車両の残価から第1の時期における第1の車両の残債を減算した金額を、第3の金額とすればよい(この場合、第2の金額の演算は不要。)。これに伴い、第2の時期における第1の車両の残価から第2の時期における第1の車両の残債及び所定の費用を減算した金額を、第4の金額とすればよい。
【0017】
上記した手順で第1の支払額及び第2の支払額が演算されると、制御部は、演算された第1の支払額と第2の支払額を比較する情報を出力する。ここで、本開示に係る情報処理装置が車両の販売サービスおよびまたはリースサービスを提供する事業者が使用する端末である場合、第1の支払額と第2の支払額を比較する情報を出力することは、第1の支払額と第2の支払額を比較する情報を含むユーザインターフェース画面を出力することを含んでよい。また、本開示に係る情報処理装置が上記事業者の端末とネットワークを通じて接続されるWebサーバである場合、第1の支払額と第2の支払額を比較する情報を出力することは、第1の支払額と第2の支払額を比較する情報を含むユーザインターフェース画面(Webページ)を、上記端末のブラウザに出力させることを含んでよい。
【0018】
本開示に係る情報処理装置によれば、事業者は、第2の時期に乗り換えるよりも第1の時期に乗り換える方がお得であること(ユーザの金銭的負担が少ないこと)を、ユーザにアピールすることができる。これにより、ユーザの乗換えを促進することができる。
【0019】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。以下の実施形態に記載されるハードウェア構成、モジュール構成、機能構成等は、特に記載がない限りは開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0020】
<実施形態>
本開示の実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態では、本開示に係る情報処理装置を、車両の販売サービス及びリースサービスを提供するシステムに適用する例について述べる。
【0021】
(システム構成)
図1は、本実施形態におけるシステム1の構成例を概略的に示すブロック図である。本実施形態におけるシステム1は、車両の販売サービスおよびまたはリースサービスを提供するものであり、端末100とサーバ200を含んで構成される。図1に示す例では、端末100が1つのみ図示されているが、複数の端末100がシステム1に含まれ得る。
【0022】
端末100は、所定の拠点で使用される端末である。所定の拠点は、車両の販売サービスおよびまたはリースサービスを提供する事業者が運営する店舗(例えば、カーディーラー等)又は整備工場等である。端末100は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、又は、パーソナルコンピュータ等のように、ブラウザのアプリケーション・プログラムがインストールされているコンピュータである。本実施形態では、所定の拠点では、従業員等が、端末100を通じてサーバ200にアクセスすることで、サポート情報の提供を受けることができる。サポート情報は、所定の拠点に来店するユーザに対し、従業員等が行う提案をサポートする情報である。本実施形態における「提案」には、車両の乗換え時期に関する提案が含まれる。
【0023】
なお、本実施形態では、ユーザが現在使用している車両を第1の車両と称し、ユーザが第1の車両からの乗換えを希望している車両を第2の車両と称する。なお、第1の車両は、ユーザが割賦で購入しているものとする。また、第2の車両は、販売対象の車両でもよく、又はリース対象の車両でもよい。さらに、第2の車両は、新車でもよく、又は中古車
でもよい。
【0024】
次に、サーバ200は、車両の販売業務およびまたはリース業務を所定の拠点の事業者に委託している企業(例えば、車両のメーカー又はメーカーの関連企業等)が運営する情報処理装置である。サーバ200は、CPU又はGPU等のプロセッサと、RAM及びROM等の主記憶装置と、EPROM、ハードディスクドライブ、又はリムーバブルメディア等の補助記憶装置と、を有するコンピュータとして構成することができる。サーバ200の補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、及び、各種テーブル等が格納される。サーバ200のプロセッサは、補助記憶装置に格納されているプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行することで、後述するような、所定の目的に合致した各機能を実現する。ただし、サーバ200の一部又は全部の機能はASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0025】
本実施形態におけるサーバ200は、端末100とのインタラクションを行うためのWebサーバを実現可能に構成される。サーバ200は、Webサーバの実行を通じて端末100とのインタラクションを行うことで、サポート情報を所定の拠点の従業員等に提供する。なお、サーバ200は、Webサーバ以外の手段によって上記したようなサービスを提供してもよい。例えば、端末100にインストールされた専用のアプリケーションソフトウェアと所定のプロトコルによって対話するサービスをサーバ200において実行してもよい。
【0026】
上記したような機能を実現するサーバ200は、図1に示すように、通信部210と制御部220とを含んで構成される。
【0027】
通信部210は、サーバ200をネットワークN1に接続するための通信インターフェースである。通信部210は、例えば、LAN又はWi-Fi(登録商標)を通じてネットワークN1に接続し、ネットワークN1を通じて端末100と通信する。ネットワークN1は、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN、又はその他の通信網である。
【0028】
制御部220は、サーバ200のプロセッサが補助記憶装置に記憶されているプログラムを実行することにより実現されるソフトウェアモジュールである。制御部220は、Webサーバの実行を通じて端末100とのインタラクションを行う。本実施形態では、制御部220は、サポート用のWebページを、端末100のブラウザに表示させる。図2は、サポート用のWebページの第1の例を示す図である。サポート用のWebページは、図2に示すように、入力欄Aと出力欄Bとを含む。
【0029】
入力欄Aは、ユーザの乗換えに関する情報を入力するための欄であり、第1の車両に関する情報の入力欄及び第2の車両に関する情報の入力欄を含む。第1の車両に関する情報の入力欄は、以下の入力項目を含む。
(入力項目1) 第1の車両の月額保険料(図2中のGUI部品G1)
(入力項目2) 第1の時期における第1の車両の残価(図2中のGUI部品G2)
(入力項目3) 第1の時期における第1の車両の残債(図2中のGUI部品G3)
(入力項目4) 第1の時期から第2の時期までの月数(図2中のGUI部品G4)
(入力項目5) 第2の時期における第1の車両の残価(図2中のGUI部品G5)
(入力項目6) 第2の時期における第1の車両の残債(図2中のGUI部品G6)
(入力項目7) 車検・整備費用(図2中のGUI部品G7)
(入力項目8) 税金額(図2中のGUI部品G8)
【0030】
ここで、第1の時期は、第1の車両の下取り価格(後述の第2の金額)が第1の車両の残債を上回る時期である。一例では、第1の時期は、第1の車両の下取り価格が第1の車両の残債を上回る期間(以下、「乗換え推奨期間」と記す場合もある。)のうち、ユーザが第1の車両の点検、整備、又は修理等のために所定の拠点に来店する時期でよい。第1の車両のユーザが所定の拠点に来店する時期が乗換え推奨期間内であるか否かの判断は、所定の拠点の従業員等が行ってもよい。また、乗換え推奨期間は、第1の車両を特定する情報(例えば、車体番号等の車両ID)に紐付けられる形態でサーバ200の補助記憶装置又はサーバ200とネットワークN1を通じて接続されるデータベース等に保持されるようにしてもよい。その場合、サーバ200の制御部220は、所定の拠点の従業員等による車両IDの入力を端末100のウェブブラウザを通じて受け付けること、受け付けた車両IDを引数として補助記憶装置又はデータベースにアクセスすることで乗換え推奨期間を取得すること、及び取得した乗換え推奨期間を端末100のウェブブラウザを通じて所定の拠点の従業員等に提示することを実行可能に構成されてもよい。
【0031】
第2の時期は、第1の時期より将来の時期であって、第1の車両のユーザが乗換えを検討し易い時期である。第1の車両のユーザが乗換えを検討し易い時期としては、第1の車両の次回の車検の年月、第1の車両の次々回の車検の年月、及び第1の車両の割賦契約が終了する年月(第1の車両の購入時における借入金の返済が完了する年月)等を例示することができる。なお、第1の車両のユーザが乗換えを検討し易い時期は、上記した例に限定されず、第1の車両のユーザが過去に乗り換えた時期、およびまたは第1の車両のユーザ以外の複数のユーザが過去に乗り換えた時期等に応じて適宜変更されてよい。
【0032】
第1の時期における第1の車両の残価及び第2の時期における第1の車両の残価は、市場における評価額に基づいて設定される。一例では、車種、グレード、車体色、及び年式等が第1の車両と同じ車両についての、市場における実際の評価額と同等に設定されてもよい。ここでいう「市場」は、例えば、中古車の市場等である。また、第1の車両の残債は、第1の車両の購入時の借入金のうち、現時点で未払の借入金の残額である。
【0033】
入力項目7の「車検・整備費用」は、第1の時期から第2の時期までの期間においてユーザが第1の車両を使用し続けると仮定した場合に、第1の車両が受ける必要があるメンテナンス(例えば、法定点検及び車検整備等)にかかる費用である。入力項目8の「税金額」は、第1の時期から第2の時期までの期間中に第1の車両に課せられる税金(自動車税及び自動車重量税等)の金額である。車検・整備費用と税金額の組合せは、本開示に係る所定の費用の一例である。
【0034】
第2の車両に関する情報の入力欄は、以下の入力項目を含む。
(入力項目9) 第2の車両の車種(図2中のGUI部品G9)
(入力項目10) 第2の車両のグレード(図2中のGUI部品G10)
(入力項目11) 第2の車両のオプション(図2中のGUI部品G11)
【0035】
なお、第2の車両に関する情報の入力欄の構成は、図2に示した例に限定されず、実施の形態に応じて適宜項目の変更、追加、及び省略が行われてよい。例えば、第2の車両がリース対象の車両である場合、リース契約の種類(例えば、リース契約期間の途中で解約金無しで解約(第2の車両を返却)することができる契約、又はリース契約期間の途中で解約すると解約金が発生する契約等)を入力するための項目が追加されてもよい。
【0036】
次に、出力欄Bは、上記入力項目1-11の入力内容に応じたサポート情報を出力する欄であり、以下の出力項目を含む。
(出力項目1) サポート情報(図2中のGUI部品G12)
【0037】
サポート情報は、第1の時期に第1の車両から第2の車両へ乗り換えると仮定した場合の支払額(第1の支払額)と第2の時期に第1の車両から第2の車両へ乗り換えると仮定した場合の支払額(第2の支払額)とを比較する情報を含む。なお、入力欄Aの入力項目1-11の入力が完了するまでは、出力欄Bの出力項目1は、図2に示すように空欄となる。
【0038】
サポート用のWebページにおいて、所定の拠点の従業員等が入力項目1-11の各々に情報を入力すると、制御部220が、出力項目1に出力されるサポート情報を生成する。具体的には、まず、制御部220が、入力項目1(図2中のG1)、入力項目2(図2中のG2)、入力項目3(図2中のG3)、入力項目7(図2中のG7)、及び入力項目8(図2中のG8)に入力された情報に基づいて、第1の支払額を演算する。一例では、制御部220は、以下の手順に従って第1の支払額を演算する。
(手順1) 入力項目1に入力項目された月額保険料に、入力項目4に入力された月数を乗算して、第1の金額を演算
(手順2) 入力項目2に入力された残価(第1の時期における第1の車両の残価)に、第1の金額と入力項目7に入力された車検・点検費用と入力項目8に入力された税金額を加算して、第2の金額を演算
(手順3)第2の金額から、入力項目3に入力項目された残債(第1の時期における第1の車両の残債)を減算して、第3の金額を演算
(手順4)第2の車両に関する支払額から、第3の金額を減算して、第1の支払額を演算
【0039】
第2の車両に関する支払額は、入力項目9、入力項目10、及び入力項目11に入力された情報に応じて導出される。その際、第2の車両の車種、グレード、オプション、及び支払額を紐付けた情報が、サーバ200の補助記憶装置又はサーバ200とネットワークN1を通じて接続されるデータベースに格納されていてもよい。そして、サーバ200の制御部220は、入力項目9、入力項目10、及び入力項目11に入力された情報を引数として補助記憶装置又はデータベースにアクセスすることで、第2の車両に関する支払額を導出してもよい。
【0040】
次に、制御部220は、入力項目5(図2中のG5)及び入力項目6(図2中のG6)に入力された情報に基づいて、第2の支払額を演算する。一例では、制御部220は、以下の手順に従って第2の支払額を演算する。
(手順5) 入力項目5に入力項目された残価(第2の時期における第1の車両の残価)から、入力項目6に入力された残債(第2の時期における第1の車両の残債)を減算して、第4の金額を演算
(手順6) 第2の車両に関する支払額から第4の金額を減算して、第2の支払額を演算
【0041】
制御部220は、上記した手順1-6で演算された第1の支払額及び第2の支払額に応じて、サポート情報を生成する。一例では、サポート情報は、第1の支払額、第2の支払額、及び第1の支払額と第2の支払額の差額等を含んでよい。なお、第2の車両がリース対象の車両である場合、サポート情報は、上記した第3の金額を充当することでリースの月額利用料金が無料となる月数、及び上記した第4の金額を充当することでリースの月額利用料金が無料となる月数を含んでもよい。
【0042】
上記した方法で出力欄Bに表示されるサポート情報が生成されると、制御部220は、図3に示すように、出力欄Bの出力項目1(図3中のG12)に、生成されたサポート情報を表示させる。これにより、事業者は、図3に示すようなサポート用のWebページの出力欄Bに表示されたサポート情報を見ることで、第1の時期に第1の車両から第2の車両へ乗り換える場合の金銭的メリットを、第1の車両のユーザにアピールすることができる。よって、第1の時期に第1の車両から第2の車両へ乗り換える意欲を、ユーザに喚起
することができる。
【0043】
なお、サポート用のWebページの構成は、図2及び図3に示した例に限定されず、実施の形態に応じて入力項目及び出力項目を柔軟に変更可能である。一例として、入力欄Aは、入力項目4に代えて、第1の時期の年月を入力するための入力項目及び第2の時期の年月を入力するための入力項目を含むように構成されてもよい。その場合、上記した(手順1)の演算で使用される「第1の時期から第2の時期までの月数」は、第1の時期の年月及び第2の時期の年月に応じて制御部220が演算してもよい。また、入力欄Aと出力欄Bは、同一のWebページに表示される必要はなく、別々のWebページに表示されてもよい。
【0044】
(処理の流れ)
本実施形態におけるサーバ200で実行される処理フローについて図4に基づいて説明する。図4は、事業者が端末100のウェブブラウザを通じてサポート用のWebページのURLにアクセスしたことをトリガにして、サーバ200で実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。なお、図4の処理ルーチンの実行主体は、サーバ200のプロセッサであるが、ここでは、サーバ200のソフトウェアモジュールを実行主体として説明を行う。
【0045】
事業者が端末100のウェブブラウザを通じてサポート用のWebページのURLにアクセスすると、サーバ200の制御部220が、出力欄Bが空欄のサポート用のWebページ(図2を参照)を、端末100のウェブブラウザに表示させる(ステップS101)。制御部220は、ステップS101の処理を実行し終えると、ステップS102の処理を実行する。
【0046】
ステップS102では、制御部220は、サポート用のWebページの入力欄Aにおける入力項目1-11の入力が完了しているかを判定する。入力項目1-11の入力が完了していない場合(ステップS102で否定判定)、制御部220は、入力項目1-11の入力が完了するまで待機する。入力項目1-11の入力が完了している場合(ステップS102で肯定判定)、制御部220は、ステップS103の処理を実行する。
【0047】
ステップS103では、制御部220は、第1の支払額及び第2の支払額を演算する。第1の支払額及び第2の支払額の演算は、前述したように、以下の手順1-6に従って実行される。
(手順1) 入力項目1に入力項目された月額保険料に、入力項目4に入力された月数を乗算して、第1の金額を演算
(手順2) 入力項目2に入力された残価(第1の時期における第1の車両の残価)に、第1の金額と入力項目7に入力された車検・点検費用と入力項目8に入力された税金額を加算して、第2の金額(第1の車両の下取り価格に相当。)を演算
(手順3)第2の金額から、入力項目3に入力項目された残債(第1の時期における第1の車両の残債)を減算して、第3の金額を演算
(手順4)第2の車両に関する支払額から、第3の金額を減算して、第1の支払額を演算(手順5) 入力項目5に入力項目された残価(第2の時期における第1の車両の残価)から、入力項目6に入力された残債(第2の時期における第1の車両の残債)を減算して、第4の金額を演算
(手順6) 第2の車両に関する支払額から第4の金額を減算して、第2の支払額を演算
【0048】
制御部220は、ステップS103の処理を実行し終えると、ステップS104の処理を実行する。ステップS104では、出力欄Bの出力項目1に表示されるサポート情報を生成する。一例では、制御部220は、第1の支払額、第2の支払額、及び第1の支払額
と第2の支払額の差額を含む情報を、サポート情報として生成する。なお、第2の車両がリース対象の車両である場合、制御部220は、上記した第3の金額を充当することでリースの月額利用料金が無料となる月数、及び上記した第4の金額を充当することでリースの月額利用料金が無料となる月数を含む情報を、サポート情報として生成してもよい。制御部220は、ステップS104の処理を実行し終えると、ステップS105の処理を実行する。
【0049】
ステップS105では、制御部220は、ステップS104で生成されたサポート情報が出力欄Bの出力項目1に表示されたサポート用Webページ(図3を参照)を、端末100のウェブブラウザを通じて表示させる。制御部220は、ステップS105の処理を実行し終えると、本処理ルーチンの実行を終了する。
【0050】
(実施形態の作用及び効果)
以上述べた実施形態では、第1の車両のユーザが乗換え推奨期間中に所定の拠点に来店する場合に、所定の拠点の従業員等は、端末100のウェブブラウザを通じてサーバ200にアクセスすることで、サポート情報の提示を受けることができる。これにより、所定の拠点の従業員等は、サーバ200から提示されたサポート情報に基づいて、第1の時期に乗り換える方が第2の時期に乗り換えるよりも金銭的負担が少ないことを、ユーザにアピールすることができる。その結果、第1の時期に乗り換える意欲を、ユーザに喚起することができる。よって、ユーザによる車両の乗換えを促進させることが可能になる。
【0051】
なお、本実施形態では、サーバ200が本開示に係る「情報処理装置」に相当する。また、サーバ200の制御部220が本開示に係る「制御部」に相当する。さらに、本開示に係るサポート用Webページが本開示に係る「インターフェース画面」に相当する。
【0052】
<他の実施形態>
上記した実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。例えば、サーバ200で行われる処理が端末100で行われてもよい。すなわち、端末100が専用のアプリケーション・プログラムの実行を通じて、入力欄A及び出力欄Bを含むインターフェース画面の出力、第1の支払額の演算、第2の支払額の演算、及びサポート情報の生成を行ってもよい。その場合、端末100が本開示に係る「情報処理装置」に相当する。また、端末100のプロセッサが専用のアプリケーション・プログラムを実行することによって本開示に係る「制御部」が達成される。
【0053】
また、本開示において説明した処理及び構成は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。さらに、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。また、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成で実現するかは柔軟に変更可能である。
【符号の説明】
【0054】
100・・・端末、200・・・サーバ、210・・・通信部、220・・・制御部
図1
図2
図3
図4