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▶ 原 隆雄の特許一覧

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  • 特開-発電装置、貯留タンクおよび発電方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027846
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】発電装置、貯留タンクおよび発電方法
(51)【国際特許分類】
   F03B 17/06 20060101AFI20250220BHJP
【FI】
F03B17/06
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133014
(22)【出願日】2023-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】597015081
【氏名又は名称】原 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100144886
【弁理士】
【氏名又は名称】大坪 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】原 隆雄
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA13
3H074BB10
3H074CC11
3H074CC38
(57)【要約】
【課題】従来の発電システムとは全く異なるシステムを用い、優れた発電効率を有する発電装置および発電方法を提供する。
【解決手段】発電装置1は、液体Lを加圧して送り出す圧力ポンプ2A、2Bと、圧力ポンプ2A、2Bから送り出された水L(液体)を貯留する貯留タンク4と、貯留タンク4内に窒素(気体)を導入し、貯留タンク4内の水Lを加圧する気体導入ユニット5と、貯留タンク4から排出された水L(液体)との衝突によって駆動する駆動ユニット6と、駆動ユニット6の駆動により発電する発電ユニット9と、を有する。そして、貯留タンク4は、水Lを貯留するタンク本体41と、タンク本体41の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管43と、を有し、圧力ポンプ2A、2Bから送り出された水Lは、螺旋状管43を通ってタンク本体41内に導入される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を加圧して送り出す圧力ポンプと、
前記圧力ポンプから送り出された前記液体を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンク内に気体を導入し、前記貯留タンク内の前記液体を加圧する気体導入ユニットと、
前記貯留タンクから排出された前記液体との衝突によって駆動する駆動ユニットと、
前記駆動ユニットの駆動により発電する発電ユニットと、を有し、
前記貯留タンクは、前記液体を貯留するタンク本体と、前記タンク本体の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管と、を有し、
前記圧力ポンプから送り出された前記液体は、前記螺旋状管を通って前記タンク本体内に導入されることを特徴とする発電装置。
【請求項2】
前記螺旋状管内において前記液体の分子がスピン振動回転する請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記タンク本体内では、前記液体の旋回流が生じる請求項2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記タンク本体の底部の中央部に接続され、前記タンク本体内の前記液体を排出する配管を有し、
前記配管から排出された前記液体が前記駆動ユニットに供給される請求項3に記載の発電装置。
【請求項5】
前記発電ユニットは、前記液体との衝突により回転する被回転体を有する請求項1に記載の発電装置。
【請求項6】
前記被回転体に衝突した前記液体は、回収されて前記圧力ポンプに導入される請求項5に記載の発電装置。
【請求項7】
前記液体は、水である請求項1に記載の発電装置。
【請求項8】
液体を加圧して送り出す圧力ポンプと、前記圧力ポンプから送り出された前記液体との衝突によって駆動する駆動ユニットと、前記駆動ユニットの駆動により発電する発電ユニットと、を有する発電装置の、前記圧力ポンプと前記駆動ユニットとの間に配置される貯留タンクであって、
前記液体を貯留するタンク本体と、
前記タンク本体の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管と、を有し、
前記圧力ポンプから送り出された前記液体は、前記螺旋状管を通って前記タンク本体内に導入されることを特徴とする貯留タンク。
【請求項9】
圧力ポンプで液体を加圧して送り出し、
前記圧力ポンプから送り出された前記液体を貯留タンクで貯留し、
前記貯留タンク内に気体を導入して前記貯留タンク内の前記液体を加圧し、
前記貯留タンクから排出した前記液体との衝突によって駆動ユニットを駆動し、
前記駆動ユニットの駆動により発電ユニットを駆動させて発電する発電方法であって、
前記貯留タンクは、前記液体を貯留するタンク本体と、前記タンク本体の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管と、を有し、前記圧力ポンプから送り出された前記液体を、前記螺旋状管を介して前記タンク本体内に導入することを特徴とする発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置、貯留タンクおよび発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から発電方法として、水の流れる力を利用して水車を回し、この水車に連結された発電機を作動させて発電する水力発電、燃料を燃やす際に発生する蒸気でタービンを回し、このタービンに連結された発電機を作動させて発電する火力発電、核分裂の際に放出される熱を利用して水を蒸気に変え、この蒸気によってタービンを回し、このタービンに連結された発電機を作動させて発電する原子力発電、風のエネルギーで風車を回し、この風車に連結された発電機を作動させて発電する風力発電、太陽光を受けて電気エネルギーを発生させる太陽電池を用いて発電する太陽光発電等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-163711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら水力発電、火力発電、原子力発電、風力発電、太陽光発電は、例えば、大気汚染、地球温暖化、放射能漏れの危険等といった問題や、発電効率が高くないといった問題を抱えている。
【0005】
本発明は、水(液体)の流れる力を利用することは水力発電と共通するものの、このような従来の発電システムとは全く異なるシステムを用い、優れた発電効率を有する発電装置、貯留タンクおよび発電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的は、以下(1)~(9)の本発明により達成される。
【0007】
(1) 液体を加圧して送り出す圧力ポンプと、
前記圧力ポンプから送り出された前記液体を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンク内に気体を導入し、前記貯留タンク内の前記液体を加圧する気体導入ユニットと、
前記貯留タンクから排出された前記液体との衝突によって駆動する駆動ユニットと、
前記駆動ユニットの駆動により発電する発電ユニットと、を有し、
前記貯留タンクは、前記液体を貯留するタンク本体と、前記タンク本体の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管と、を有し、
前記圧力ポンプから送り出された前記液体は、前記螺旋状管を通って前記タンク本体内に導入されることを特徴とする発電装置。
【0008】
(2) 前記螺旋状管内において前記液体の分子がスピン振動回転する上記(1)に記載の発電装置。
【0009】
(3) 前記タンク本体内では、前記液体の旋回流が生じる上記(2)に記載の発電装置。
【0010】
(4) 前記タンク本体の底部の中央部に接続され、前記タンク本体内の前記液体を排出する配管を有し、
前記配管から排出された前記液体が前記駆動ユニットに供給される上記(3)に記載の発電装置。
【0011】
(5) 前記発電ユニットは、前記液体との衝突により回転する被回転体を有する上記(1)に記載の発電装置。
【0012】
(6) 前記被回転体に衝突した前記液体は、回収されて前記圧力ポンプに導入される上記(1)に記載の発電装置。
【0013】
(7) 前記液体は、水である上記(1)に記載の発電装置。
【0014】
(8) 液体を加圧して送り出す圧力ポンプと、前記圧力ポンプから送り出された前記液体との衝突によって駆動する駆動ユニットと、前記駆動ユニットの駆動により発電する発電ユニットと、を有する発電装置の、前記圧力ポンプと前記駆動ユニットとの間に配置される貯留タンクであって、
前記液体を貯留するタンク本体と、
前記タンク本体の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管と、を有し、
前記圧力ポンプから送り出された前記液体は、前記螺旋状管を通って前記タンク本体内に導入されることを特徴とする貯留タンク。
【0015】
(9) 圧力ポンプで液体を加圧して送り出し、
前記圧力ポンプから送り出された前記液体を貯留タンクで貯留し、
前記貯留タンク内に気体を導入して前記貯留タンク内の前記液体を加圧し、
前記貯留タンクから排出した前記液体との衝突によって駆動ユニットを駆動し、
前記駆動ユニットの駆動により発電ユニットを駆動させて発電する発電方法であって、
前記貯留タンクは、前記液体を貯留するタンク本体と、前記タンク本体の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管と、を有し、前記圧力ポンプから送り出された前記液体を、前記螺旋状管を介して前記タンク本体内に導入することを特徴とする発電方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る発電装置によれば、圧力ポンプから送り出された液体は、螺旋状管を通ってタンク本体内に導入され、タンク本体から排出された液体が駆動ユニットに供給される。この際、螺旋状管内において液体の分子がスピン振動回転し、分子がスピン振動回転した状態の液体が駆動ユニットに供給される。そのため、高効率の発電が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、発電装置の全体構成を示す図である。
図2図2は、貯留タンクの内部構造を示す図である。
図3図3は、螺旋状管の断面図である。
図4図4は、駆動ユニットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に、好適な実施形態に係る発電装置の構成を示す。図1に示す発電装置1は、水Lを加圧して送り出す圧力ポンプユニット2と、圧力ポンプユニット2から送り出された水Lを冷却する冷却装置ユニット3と、冷却装置ユニット3で冷却された水Lを貯留する貯留タンク4と、貯留タンク4内に気体を充填して貯留タンク4内の水Lを加圧する気体導入ユニット5と、貯留タンク4から排出された水Lとの衝突によって駆動する駆動ユニット6と、これら各部を接続し、内部を水Lが循環する配管7と、配管7の途中に数カ所設置され、当該部分を通る水Lの流量を調整する調整弁8と、駆動ユニット6に接続された発電ユニット9と、を有する。このような発電装置1では、圧力ポンプユニット2を駆動することにより、水Lが配管7内を矢印Aの方向に循環し、水Lとの衝突により駆動ユニット6が駆動し、駆動ユニット6の駆動力を利用して発電ユニット9による発電が行われる。このように、発電装置1内で水Lを循環させることにより、使用する水Lを量が少なくなる。
【0019】
なお、配管7を循環させる液体としては、水Lに限定されない。ただし、水Lを用いることにより、材料コストを削減することができる。
【0020】
また、圧力ポンプユニット2は、並列に配置された2つの圧力ポンプ2A、2Bを有する。このように、2つの圧力ポンプ2A、2Bを並列接続することにより、圧力ポンプユニット2のメンテナンスが容易となる。例えば、平時には圧力ポンプ2A、2Bをそれぞれ50%程度の出力で駆動させ、圧力ポンプ2Aのメンテナンス、交換時には圧力ポンプ2Bを100%で駆動すれば、メンテナンス時においても平時と変わらない駆動が可能となる。そのため、圧力ポンプ2A、2Bとして、50%程度の駆動で必要な圧力まで水Lを加圧できる能力を有するものを使用するのが好ましい。
【0021】
このような圧力ポンプ2A、2Bは、それぞれ、インペラーと呼ばれる羽根車の回転による遠心力を用いて水Lを加圧する多段渦巻ポンプである。ただし、圧力ポンプ2A、2Bとしては、特に限定されない。また、圧力ポンプユニット2に含まれる圧力ポンプの数としては、2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0022】
圧力ポンプユニット2から送り出された水Lは、冷却装置ユニット3に導入され、冷却される。圧力ポンプユニット2による加圧で昇温した水Lを冷却装置ユニット3によって冷却することにより水Lの蒸発を防ぎ、発電装置1の発電能力の低下を防ぐことができる。
【0023】
冷却装置ユニット3は、並列に配置された2つの冷却装置(脱熱装置)3A、3Bを有する。冷却装置(脱熱装置)3Aは、圧力ポンプ2Aに接続されており、圧力ポンプ2Aから吐出された高圧の水Lが導入され、その水Lを冷却(脱熱)する。同様に、冷却装置(脱熱装置)3Bは、圧力ポンプ2Bに接続されており、圧力ポンプ2Bから吐出された高圧の水Lが導入され、その水Lを冷却(脱熱)する。冷却装置3A、3Bとしては、水Lを冷却することができれば、特に限定されないが、例えば、冷媒との熱交換により水Lを冷却する構成とすることができる。なお、冷却装置ユニット3は、省略してもよい。
【0024】
貯留タンク4は、冷却装置ユニット3によって冷却された水Lを貯留する。貯留タンク4は、タンク本体41と、タンク本体41内に昇降自在に配置された浮蓋42と、を有する。そのため、貯留タンク4の内部は、浮蓋42によって、浮蓋42の下方に位置する下側空間S1と、浮蓋42の上方に位置する上側空間S2とに仕切られている。そして、下側空間S1に冷却装置ユニット3によって冷却された水Lが導入、貯留され、上側空間S2に気体導入ユニット5から気体が導入される。なお、タンク本体41には、300~500リットル程度の水Lが貯留される。また、タンク本体41は、上端部および下端部が閉じた円筒状である。そして、タンク本体41の底部の中央部には、下側空間S1に貯留された水Lを排出するための配管7が接続されている。配管7のタンク本体41との接続部分は、下方に向けて漏斗状(テーパ状)に縮径しており、さらに当該部分には螺旋状の突起で構成されたガイド73が設けられている。ただし、ガイド73は、溝であってもよい。
【0025】
また、貯留タンク4は、図2に示すように、下側空間S1に配置され、タンク本体41の内周面に螺旋状に旋回(左旋回)して設けられた螺旋状管43を有する。そして、螺旋状管43の上端側開口に配管7が接続されている。そのため、冷却装置ユニット3によって冷却された水Lは、配管7を介して螺旋状管43に導入され、螺旋状管43の下端側開口からタンク本体41内に排出される。
【0026】
螺旋状管43は、例えば、80mm程度の内径を有する直管を捩じりながら螺旋状に巻いて形成することができる。直管を捩じることにより、図3に示すように、螺旋状管43の内壁に傾斜した溝431が形成される。この溝431は、下流側に向かって旋回(左旋回)しながら進むように形成される。さらには、直管を螺旋状に巻くことにより、螺旋の外側(螺旋状管43の外周側)においては全体として長さ方向へ引っ張られ、溝431のピッチが広がり、これとは反対に、螺旋の内側(螺旋状管43の内周側)においては全体として長さ方向へ圧縮され、溝431のピッチが狭まる。
【0027】
このような螺旋状管43に水Lが導入されると、螺旋状管43内で水分子がスピン振動回転する。なお、スピン振動回転とは、水分子同士に摩擦が生じ、水分子同士がぶつかったり離れたりを繰り返して分子が振動および回転する現象である。螺旋状管43内に導入された当初は、各分子が互いに異なる方向に振動回転するが、水Lが溝431に沿って小さく旋回(左旋回)しつつ、螺旋状管43に沿って大きく旋回(左旋回)することにより、次第に振動回転の方向が揃い、スピン振動回転、つまり、水Lの流れに対してバックスピンする振動回転が支配的となる。このように、螺旋状管43内で水分子をスピン振動回転させることにより螺旋状管43内で水Lにブレーキがかかる。そして、水Lに、水自身の質量以上の重さが付加される。つまり、水Lが1kg/1L以上に重くなる。
【0028】
気体導入ユニット5は、気体の窒素(N)を生成する窒素発生装置51と、窒素発生装置51で生成された窒素を貯留タンク4の上側空間S2に導入するコンプレッサ52と、を有する。コンプレッサ52によって上側空間S2に窒素を導入することにより、浮蓋42を下方へ付勢し、下側空間S1に貯留された水Lを加圧する。水Lを加圧するのに窒素を用いることにより、発電装置1の安全性が増すと共に、コストの削減を図ることができる。ただし、貯留タンク4内に導入する気体としては、窒素に限定されず、例えば、大気(空気)であってもよい。この場合は、実質的にコンプレッサ52だけで気体導入ユニット5が構成されるため、発電装置1の小型化および低コスト化を図ることができる。また、例えば、窒素を用いる場合、窒素発生装置51に替えて窒素が充填されたボンベを用いることもできる。
【0029】
駆動ユニット6は、貯留タンク4から排出された水Lとの衝突によって回転する水車61(被回転体)と、水車61を覆うカバー62と、水車61の回転を出力する出力軸63と、を有する。このように、水車61を用いる構成によれば、水Lの力を効率的に受け止めて回転運動に変換することができるためエネルギーロスを少なくすることができる。また、カバー62で水車61を覆うことにより、水Lが外部に飛散せず、装置内の水Lの減少を防ぐことができる。また、カバー62は、水車61の下方に位置し、水車61に衝突した水Lを回収する回収タンク621を有する。そして、回収タンク621に回収された水Lは、配管7を介して圧力ポンプユニット2に導入される。なお、本実施形態では、図4に示すように、カバー62に光透過性を有する窓部622が形成されており、この窓部622を介して水車61を視認することができる。そのため、ユーザーは、発電装置1の駆動中、窓部622から水車61の様子を監視することができる。
【0030】
ここで、図4に示すように、配管7は、水車61の上流側に配置されたヘッダ71と、ヘッダ71から延出する3本の排出管721、722、723と、を有する。そして、各排出管721、722、723から排出された水Lが水車61に衝突することにより、水車61が回転する。水車61に衝突した水Lは、自重により落下して回収タンク621に回収される。なお、各排出管721、722、723の内径としては、特に限定されないが、例えば、20mm~60mm程度である。
【0031】
発電ユニット9は、発電機91と、発電機91と出力軸63とを連結する連結機構92と、を有する。そのため、水車61が回転することにより発電機91が稼働し、発電が行われる。連結機構92は、減速機を備え、減速機によって出力軸63の回転数を発電機91用の回転数に変換する。なお、減速機を省略して、出力軸63と発電機91とを直結してもよい。
【0032】
また、発電機91の構成としては、その機能を発揮することができれば、特に限定されない。例えば、一対のコイルと、これら一対のコイルの間に配置され、出力軸63に繋がった磁石と、を有し、出力軸63の回転によって磁石を一対のコイルの間で回転させる交流発電機であってもよいし、これとは逆に、一対の磁石と、これら一対の磁石の間に配置され、出力軸63に繋がったコイルと、を有し、出力軸63の回転によってコイルを一対の磁石の間で回転させる直流発電機であってもよい。また、これらとは別の如何なる構造の発電機であってもよい。
【0033】
以上のような構成の発電装置1は、次のように駆動する。発電装置1では、圧力ポンプユニット2の駆動によって、圧力ポンプユニット2から3~7気圧程度の水Lが5000~10000cc/秒の流量で送り出される。圧力ポンプユニット2から送り出された水Lは、冷却装置ユニット3に導入されて10℃程度に冷却された後、螺旋状管43に導入される。そして、水Lが螺旋状管43内に導入されると、前述したように、螺旋状管43内で水Lの分子がスピン振動回転し、水Lが重くなる。そして、水Lは、分子がスピン振動回転した状態(重い状態)を維持したまま、タンク本体41内に導入される。
【0034】
螺旋状管43からタンク本体41内に導入された水Lは、タンク本体41の内周に沿うように流れる。そのため、タンク本体41内の水Lは、渦を巻くように流動する。加えて、水Lが上側空間S2に導入された窒素によって下方(排出口側)に押圧され、タンク本体41の底部に接続された配管7からガイド73に沿って排出されることにより、中心部の圧力が周囲に対して下がり、その渦(旋回流)が増幅される。そして、この圧力差Δによって、水Lは、勢いよく配管7から排出される。上側空間S2に充填される窒素の圧力は、特に限定されないが、圧力差Δが0.5気圧~0.7気圧程度に維持されるように調整される。なお、螺旋状管43によってタンク本体41の内周面に螺旋状の凹凸が形成され、この凹凸も渦を維持、増幅するのに役立っている。同様に、ガイド73も渦を維持、増幅するのに役立っている。このように、タンク本体41内において水Lを加圧し、かつ、渦を巻くように旋回させることにより、螺旋状管43から排出された後も、水分子がスピン振動回転する状態を維持することができる。
【0035】
タンク本体41から配管7に勢いよく排出された水Lは、分子がスピン振動回転した状態を維持したまま、ヘッダ71を介して3本の排出管721、722、723からバランスよく排出される。排出管721、722、723から排出された水Lは、スピン振動回転の作用によって速度を増して水車61に衝突する。そのため、速度が速く、かつ、重い水Lが水車61に衝突し、水車61が勢いよく回転する。つまり、駆動ユニット6が駆動売る。そして、水車61が回転することにより発電機91が発電する。このように、発電装置1では、分子がスピン振動回転した水Lを水車61に衝突させることにより、水車61に膨大なエネルギーを与え、大きな力で勢いよく回転させることができる。そのため、優れた発電効率を有する発電装置1となる。
【0036】
なお、当然であるが、分子がスピン振動回転していないただの水Lに圧力をかけて排出管721、722、723から排出するだけの構成では、排出管721、722、723から排出された瞬間に水Lの圧力が大気圧に戻り、本実施形態のような作用は、生じない。
【0037】
そして、水車61に衝突した水は、大気圧に戻り、回収タンク621に回収される。回収タンク621に回収された水Lは、配管7を通って、圧力ポンプユニット2に導入され、圧力ポンプユニット2によって再び加圧されて送り出される。発電装置1では、このようにして水Lを循環させることにより発電を継続することができる。なお、発電装置1では、圧力ポンプユニット2、冷却装置ユニット3および気体導入ユニット5の駆動電力しか消費しない。そして、その発電量は、発電装置1の消費電力量を大きく上回る。理論上、消費電力の1000倍以上の発電が可能である。さらには、水Lは、実質的にただ同然である。したがって、発電装置1は、極めて優れた発電性能を有する。
【0038】
さらに、発電装置1は、20ftコンテナ(ISO規格)内に設置できるサイズである。そのため、20ftコンテナに設置することにより、陸路、海路、空路いかなる手段によっても、発電装置1を遠方へ簡単に搬送することができる。そのため、例えば、天災、人災等により発生した停電地域、電気の通っていない過疎地等に容易に発電装置1を導入することができる。したがって、極めて利便性の高い発電装置1となる。
【0039】
以上、発電装置1の駆動について説明したが、上記は一例であり、例えば、各部における水Lの温度および気圧、貯留タンク4の容量等は、特に限定されない。
【0040】
このような発電装置1は、前述したように、水L(液体)を加圧して送り出す圧力ポンプ2A、2Bと、圧力ポンプ2A、2Bから送り出された水Lを貯留する貯留タンク4と、貯留タンク4内に窒素(気体)を導入し、貯留タンク4内の水Lを加圧する気体導入ユニット5と、貯留タンク4から排出された水Lとの衝突によって駆動する駆動ユニット6と、駆動ユニット6の駆動により発電する発電ユニット9と、を有する。また、貯留タンク4は、水Lを貯留するタンク本体41と、タンク本体41の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管43と、を有する。そして、圧力ポンプ2A、2Bから送り出された水Lは、螺旋状管43を通ってタンク本体41内に導入される。このような構成によれば、螺旋状管43内で水Lの分子をスピン振動回転させることができ、分子がスピン振動回転したままの水Lを駆動ユニット6に供給することにより、駆動ユニット6を大きな力で駆動させることができる。そのため、優れた発電効率を有する発電装置1となる。
【0041】
また、前述したように、螺旋状管43内において水Lの分子がスピン振動回転する。駆動ユニット6を大きな力で駆動させることができる。そのため、優れた発電効率を有する発電装置1となる。
【0042】
また、前述したように、タンク本体41内では、水Lの旋回流が生じる。そのため、分子がスピン振動回転した状態を維持することができる。
【0043】
また、前述したように、タンク本体41の底部の中央部に接続され、タンク本体41内の水Lを排出する配管7を有し、配管7から排出された水Lが駆動ユニット6に供給される。このように、タンク本体41の底部の中央部に配管7を接続することにより、タンク本体41内に容易に水Lの旋回流を発生させることができる。
【0044】
また、前述したように、駆動ユニット6は、水Lとの衝突により回転する水車61(被回転体)を有する。このような構成によれば、水Lの力を効率的に受け止めて回転運動に変換することができるためエネルギーロスを少なくすることができる。
【0045】
また、前述したように、水車61に衝突した水Lは、回収されて圧力ポンプ2A、2Bに導入される。これにより、水Lを装置内で循環させることができる。そのため、使用する水Lを量が少なくなる。
【0046】
また、前述したように、液体は、水Lである。これにより、コストを削減することができる。また、入手が極めて簡単となる。
【0047】
また、前述したように、貯留タンク4は、水L(液体)を加圧して送り出す圧力ポンプ2A、2Bと、圧力ポンプ2A、2Bから送り出された水Lとの衝突によって駆動する駆動ユニット6と、駆動ユニット6の駆動により発電する発電ユニット9と、を有する発電装置1の、圧力ポンプ2A、2Bと駆動ユニット6との間に配置される貯留タンク4であって、水Lを貯留するタンク本体41と、タンク本体41の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管43と、を有する。そして、圧力ポンプ2A、2Bから送り出された水Lは、螺旋状管43を通ってタンク本体41内に導入される。このような構成の貯留タンク4を用いることにより、螺旋状管43内で水Lの分子をスピン振動回転させることができる。そして、分子がスピン振動回転したままの水Lを駆動ユニット6に供給することにより、駆動ユニット6を大きな力で駆動させることができる。そのため、優れた発電効率を有する発電装置1となる。
【0048】
また、前述したように、発電装置1を用いた発電方法は、圧力ポンプ2A、2Bで水L(液体)を加圧して送り出し、圧力ポンプ2A、2Bから送り出された水Lを貯留タンク4で貯留し、貯留タンク4内に窒素(気体)を導入して貯留タンク4内の水Lを加圧し、貯留タンク4から排出した水Lとの衝突によって駆動ユニット6を駆動し、駆動ユニット6の駆動により発電ユニット9を駆動させて発電する発電方法であって、貯留タンク4は、水Lを貯留するタンク本体41と、タンク本体41の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管43と、を有し、圧力ポンプ2A、2Bから送り出された水Lを、螺旋状管43を介してタンク本体41内に導入する。
【0049】
以上、本発明の発電装置、貯留タンクおよび発電方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成や工程は、同様の機能を有する任意の構成や工程に置換することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明に係る発電装置1は、水L(液体)を加圧して送り出す圧力ポンプ2A、2Bと、圧力ポンプ2A、2Bから送り出された水L(液体)を貯留する貯留タンク4と、貯留タンク4内に窒素(気体)を導入し、貯留タンク4内の水Lを加圧する気体導入ユニット5と、貯留タンク4から排出された水L(液体)との衝突によって駆動する駆動ユニット6と、駆動ユニット6の駆動により発電する発電ユニット9と、を有する。そして、貯留タンク4は、水Lを貯留するタンク本体41と、タンク本体41の内周面に螺旋状に旋回して設けられた螺旋状管43と、を有し、圧力ポンプ2A、2Bから送り出された水Lは、螺旋状管43を通ってタンク本体41内に導入される。このような構成によれば、螺旋状管43によって水Lの分子をスピン振動回転させることができるため、駆動ユニット6をより大きい力で駆動させることができる。そのため、優れた発電効率を有する発電装置1となる。したがって、その産業上の利用可能性は大きい。本発明に係る貯留タンクおよび発電方法についても同様である。
【符号の説明】
【0051】
1…発電装置、2…圧力ポンプユニット、2A…圧力ポンプ、2B…圧力ポンプ、3…冷却装置ユニット、3A…冷却装置、3B…冷却装置、4…貯留タンク、41…タンク本体、42…浮蓋、43…螺旋状管、431…溝、5…気体導入ユニット、51…窒素発生装置、52…コンプレッサ、6…駆動ユニット、61…水車、62…カバー、621…回収タンク、622…窓部、63…出力軸、7…配管、71…ヘッダ、721…排出管、722…排出管、723…排出管、8…調整弁、9…発電ユニット、91…発電機、92…連結機構、A…矢印、L…水、S1…下側空間、S2…上側空間
図1
図2
図3
図4