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特開2025-27895フォトマスクのパターン検査装置及びパターン検査方法
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  • 特開-フォトマスクのパターン検査装置及びパターン検査方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027895
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】フォトマスクのパターン検査装置及びパターン検査方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/84 20120101AFI20250220BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
G03F1/84
H01L21/66 J
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133127
(22)【出願日】2023-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】302003244
【氏名又は名称】株式会社エスケーエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】堀川 清史
【テーマコード(参考)】
2H195
4M106
【Fターム(参考)】
2H195BA01
2H195BA12
2H195BD04
2H195BD28
4M106AA09
4M106CA39
4M106DB04
4M106DJ18
4M106DJ27
4M106DJ28
(57)【要約】
【課題】 フォトマスクの製造保証外であるパターンに対応する領域の欠陥の検出(又は認識)を防止するフォトマスクのパターン検査装置及びパターン検査方法の提供を課題とする。
【解決手段】
フォトマスクのパターンを検査する装置は、フォトマスクの保証外パターンから生成されたマスクパターンを指定するマスクパターンデータを保持し、フォトマスクのパターン検査を実行して欠陥データを取得し、欠陥信号からマスクパターンに対応する領域を、欠陥を認識する欠陥認識領域から除外する。


【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトマスクの欠陥を検査する装置であって、
保証外の設計パターンが含まれる前記フォトマスクのマスクパターンデータと、
前記フォトマスクに対してパターン検査により取得される欠陥の位置及び形状を含む欠陥データと、を用いて、
前記欠陥データから前記保証外の設計パターンに対応する領域を、真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外する、パターン検査装置。
【請求項2】
前記保証外の設計パターンに対応する領域を前記欠陥認識領域から削除する又は疑似欠陥として前記真の欠陥とは区別して分類する、請求項1記載のパターン検査装置。
【請求項3】
前記保証外の設計パターンに対応する領域を前記パターン検査を実行する領域から除外する、請求項1記載のパターン検査装置。
【請求項4】
フォトマスクのパターンを形成するための設計パターンを基に前記フォトマスクの保証外の設計パターンを抽出する保証外パターン抽出工程と、
前記保証外の設計パターンが含まれるマスクパターンを生成するマスクパターン生成工程と、
前記フォトマスク上の真の欠陥を検出するためにパターン検査を実行するパターン検査工程とを含み、
前記マスクパターンに対応する領域を、前記真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とするフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項5】
前記マスクパターンは前記保証外の設計パターンを所定量拡張することにより生成される請求項4記載のフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項6】
前記パターン検査工程において取得された欠陥データから前記マスクパターンに対応する領域の欠陥を削除又は疑似欠陥として分類することにより、前記マスクパターンに対応する領域を、前記欠陥認識領域から除外する請求項4記載のフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項7】
前記パターン検査工程において前記マスクパターンに対応する領域を検査領域から除外することにより、前記マスクパターンに対応する領域を、前記欠陥認識領域から除外する請求項4記載のフォトマスクのパターン検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトマスクのパターン検査装置及びパターン検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイなどの電子デバイス等の製品の製造工程において、フォトマスクが使用される。フォトマスクの品質管理、品質保証のため、フォトマスクの製造工程においては、フォトマスク上に形成されたパターンを検査するパターン検査が行われている。
しかし、パターン検査によって検出された欠陥の中には、不良や故障などの製品への影響がある真の欠陥のほか、製品への影響が無い疑似欠陥が含まれていることもある。オペレータは、パターン検査装置による欠陥検査の出力結果が、真の欠陥であるか、疑似欠陥であるかの確認作業(欠陥レビュー)を行う必要がある。オペレータの作業負担を軽減するため、パターン検査装置による疑似欠陥の検出を低減する方法が提案されている。従来の疑似欠陥の検出を防止する方法は、設計されたパターンからの所定の寸法変化(又は形状変化)による疑似欠陥を検出することを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-198641号公報
【特許文献2】特開2000-258352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子デバイスの回路等を構成する設計パターンには、フォトマスクの製造工程において、パターン形成の保証外の設計パターンが含まれることがある。このような製造上の保証外となる設計パターンに関しては、製造されたフォトマスクにおいて、解像又は未解像状態が混在し、パターン検査装置によって検出される欠陥が多発することになる。
しかし、デバイスの性能や信頼性に影響がない場合、このような製造上の保証外となる特定のパターンを修正することは、設計者の作業負担を増大させることになる。設計者の作業負担軽減のため、このような保証外のパターンを許容すると、フォトマスク製造工程のパターン検査工程において検出される欠陥が増大し、この保証外のパターンに起因する欠陥を疑似欠陥として分類する作業負担が増大する。
【0005】
上記課題を鑑み、本発明は、フォトマスクの製造上の保証外であるパターンに対応する領域の欠陥の検出(又は認識)を防止するフォトマスクのパターン検査方法及びパターン検査装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るパターン検査装置は、
フォトマスクの欠陥を検査する装置であって、
保証外の設計パターンが含まれる前記フォトマスクのマスクパターンデータと、
前記フォトマスクに対してパターン検査により取得される欠陥の位置及び形状を含む欠陥データと、を用いて、
前記欠陥データから前記保証外の設計パターンに対応する領域を、真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とする。
【0007】
このようなパターン検査装置とすることにより、フォトマスクの製造保証外であるパターンに起因した欠陥を許容し、フォトマスクの製造工場での欠陥レビューの作業負担のみならず、設計者のパターン設計の作業負担を軽減することができる。
【0008】
また、上記構成において、
前記保証外の設計パターンに対応する領域を前記欠陥認識領域から削除する又は疑似欠陥として前記真の欠陥とは区別して分類してもよい。
【0009】
このようなパターン検査装置とすることにより、従来のパターン検査の欠陥データを活用することが可能となる。
【0010】
また、上記構成において、
前記保証外の設計パターンに対応する領域を前記パターン検査を実行する領域から除外してもよい。
【0011】
このようなパターン検査装置とすることにより、パターン検査装置の負担を軽減することができる。
【0012】
本発明に係るフォトマスクのパターン検査方法は、
フォトマスクのパターンを形成するための設計パターンを基に前記フォトマスクの保証外の設計パターンを抽出する保証外パターン抽出工程と、
前記保証外の設計パターンが含まれるマスクパターンを生成するマスクパターン生成工程と、
前記フォトマスク上の真の欠陥を検出するためにパターン検査を実行するパターン検査工程とを含み、
前記マスクパターンに対応する領域を、前記真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とする。
【0013】
このようなフォトマスクのパターン検査方法とすることにより、フォトマスクの製造保証外であるパターンに起因した欠陥を許容し、製造工場での欠陥レビューの作業負担のみならず設計者のパターン設計の作業負担を軽減することができる。
【0014】
また、上記構成において、
前記マスクパターンは前記保証外の設計パターンを所定量拡張することにより生成されるように構成してもよい。
【0015】
このようなフォトマスクのパターン検査方法とすることにより、パターンを正確に生成できる。
【0016】
また、上記構成において、
前記パターン検査工程において取得された欠陥データから前記マスクパターンに対応する領域の欠陥を削除又は疑似欠陥として分類することにより、前記マスクパターンに対応する領域を、前記欠陥認識領域から除外してもよい。
【0017】
このようなフォトマスクのパターン検査方法とすることにより、従来のパターン検査の欠陥データを活用することが可能となる。
【0018】
また、上記構成において、
前記パターン検査工程において前記マスクパターンに対応する領域を検査領域から除外することにより、前記マスクパターンに対応する領域を、前記欠陥認識領域から除外してもよい。
【0019】
このようなフォトマスクのパターン検査方法とすることにより、パターン検査装置の負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、フォトマスクの製造保証外であるパターンに対応する領域の欠陥の検出(又は認識)を防止するフォトマスクのパターン検査装置及びパターン検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1(A)はマスクパターンの設計パターン(設計データ)の例を模式的に示す平面図、図1(B)、(C)は図1(A)に示す設計パターンを用いてフォトマスク100上に作成したパターンの例を模式的に示す平面図である。
図2図2は、保証外領域において、欠陥を検出(又は認識)しない方法を説明するための平面図である。図2(A)は設計パターンを模式的に示す平面図、図2(B)は解像限界以下の保証外パターンを模式的に示す平面図、図2(C)はパターン検査時に、検査対象から除外するためのマスクパターンを示す平面図、図2(D)は保証外パターンとマスクパターンの位置関係を示す拡大平面図である。
図3図3は、パターン検査装置による欠陥抽出過程を模式的に説明する平面図である。図3(A)、図3(B)は透明基板1上に第1のパターン2と第2のパターン3を有するフォトマスク100平面図を示す。図3(C)はパターン検査装置によって検出される欠陥とマスクパターン領域MAとの位置関係を模式的に示す平面図、図3(D)は、パターン検査装置によって、認識された欠陥を示す。
図4図4は、設計パターンPT1及び設計パターンPT2に対して、保証外領域の有無を判定する方法の例を説明する平面図である。図4(A)は判定パターンの例を示す平面図であり、図4(B)は保証領域の例を示す平面図、図4(C)は保証領域及び保証外領域の例を示す平面図である。
図5図5は、種々の保証外領域の形状の例を非限定的に示す平面図であり、図5(A)は、先端部が鋭角なコーナを有する保証外領域の例、図5(B)は、ホール形状を有する保証外領域の例、図5(C)は自由形状(任意形状)を有する保証外領域の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付して、説明を省略することがある。
【0023】
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0024】
(実施形態1)
以下、図面を参照し、フォトマスク100のパターン検査方法について説明する。
図1(A)はフォトマスク100に形成するパターン(各種の光学膜のパターン)を形成(パターニング)するための設計パターン(設計データ)の例を模式的に示す平面図である。図1(A)において、第1の設計パターンPT1及び第2の設計パターンPT2以外の領域は、透明基板1が露出する領域に対応するブランク(スペース)領域である。
図中点線は、第1の設計パターンPT1と第2の設計パターンPT2との間隔が最小値dとなる領域Aである。領域Aの幅dは、フォトマスク100にパターンを形成するためのリソグラフィー工程の解像限界D以下(d≦D)である。領域Aのパターン幅dは、解像限界以下であるため、フォトマスク100を製造するためのリソグラフィー工程において、解像は保証されない。そのため、領域Aにより確定するパターンは、製造上パターニングは保証されないため、開口される保証はない。このように、製造上パターニングが保証されない領域によって確定するパターンを、便宜的に、保証外パターンと称す。具体的には、保証外パターンは、フォトマスクの製造工程であるリソグラフィー工程の解像限界以下のサイズを有することにより製造上の保証外となる領域を確定することになる。保証外パターンは例えば、図1に示す例のように2つの設計パターンの配置に依存して、2つの設計パターン配置間の一部の領域に発生したり、設計パターンの一部などに発生(又は存在)することがある。
【0025】
なお、設計パターンは、フォトマスク100を用いて製造される製品(デバイス)の回路図を構成するパターンであり、一般にCAD(設計支援ツール)を用いて設計者により作成される。以下、設計パターンのサイズは、フォトマスク100に対応したものとする。例えば、デバイスを縮小投影の露光装置により製造する場合、設計パターンのサイズは、縮小率を適宜考慮し、フォトマスク100上のパターンサイズに対応した値に変換されたサイズであるとする。
【0026】
設計パターンは、透明基板1上に形成される光学膜をパターニングするための設計パターンに限定するものではなく、透明基板1に形成された下層膜上、例えば半透過膜上や位相シフト膜上に形成される他の光学膜(例えば、遮光性膜等)をパターニングするための設計パターンであってもよい。設計パターンに基づいてパターニングされる、フォトマスク100上の光学膜のパターン及びそのパターンの下層の構成については限定されない。以下同様である。
【0027】
図1(B)、(C)は、フォトマスク100上に形成されたフォトレジスト膜を、図1(A)に示す設計パターンに基づいて描画装置等により露光し、露光されたフォトレジスト膜を用いて、透明基板1上の光学膜をパターニングしたパターンの例を模式的に示す平面図である。
なお、パターン検査装置の検査対象は、形成された光学膜のパターンに限定するものではなく、レジストパターンであってもよい。
【0028】
図1(B)、(C)に示すように、フォトマスク100上には、第1の設計パターンPT1に対応する第1のパターン2と、第2の設計パターンPT2に対応する第2のパターン3とが形成されている。
図1(B)に示すように、保証外領域Aのフォトレジスト膜が解像され、領域Bの光学膜が開口している例を示す。
一方、図1(C)に示すように、保証外領域Aのフォトレジスト膜が未解像であり、領域Cの光学膜が開口されていない例を示す。このように、保証外領域Aに対応するパターンは、解像されパターン形成される場合と、解像されずパターン形成されない場合がある。
なお、第1のパターン2、第2のパターン3の光学膜の材料は限定されず、遮光性を有する材料であってもよく、半透過性を有する材料であってもよく、位相シフト効果を有する材料であってもよい。
【0029】
上記のように保証外領域Aは、解像される場合や、解像されない場合があるため、例えば、異なるダイの画像を比較してパターン検査するダイ-ダイ比較のパターン検査装置の場合、領域B及び領域Cは、パターン欠陥としてその位置及び形状が検出される。また、設計パターンを基に検査するダイ-データベース比較のパターン検査装置においても、領域Cはパターン欠陥としてその位置及び形状が検出される。
【0030】
しかしながら、フォトマスクの製造工程における保証外領域であっても、フォトマスクを用いて製造された実製品(電子デバイス等)において、保証外領域Aに対応する欠陥(図1(C)の領域C参照)が実製品の性能や品質等に影響を与えない場合には、この欠陥(領域C)を許容することにより、設計者が設計パターンを修正(再作成)する作業負担を軽減させることができる。すなわち、設計者は、このような保証外領域のパターン(保証外パターン)を修正することなく、フォトマスク100の製造を依頼することができる。
なお、実製品の回路の設計者であるため、保証外領域Aが実製品の性能等に影響を与えるか否かを判断することは可能である。
【0031】
一方、フォトマスク100の製造工程に含まれるパターン検査工程において、パターン検査装置は、保証外領域Aに対応する領域Cを検出し、欠陥(以下、検出欠陥と称す)として出力することになる。フォトマスク100の製造工場の作業者は、(回路設計者からの情報に基づき、)領域Cの検出欠陥は修正不要であると判断し、欠陥(真の欠陥)ではなく疑似欠陥として分類する作業が増大することになる。
なお、本明細書において「疑似欠陥」とは、パターン検査装置による検出欠陥であるが、製品の性能、信頼性等へ悪影響がある「欠陥」(真の欠陥)とは異なり、実製品(電子デバイス等)の性能、信頼性等への影響が無く、修正等の対処の必要がないと判断される検出欠陥であると定義する。
【0032】
図2は、保証外領域において、欠陥を検出(又は認識)しない方法を説明するための平面図である。図2(A)は設計パターンを模式的に示す平面図、図2(B)は解像限界以下の領域である保証外パターンを模式的に示す平面図、図2(C)はパターン検査時に、欠陥の検査対象領域(又は欠陥を認識する対象となる領域)から除外する領域を指定するマスクパターンを示す平面図、図2(D)は保証外パターンとマスクパターンの位置関係を示す拡大平面図である。従って、マスクパターンによって確定する領域以外が、パターン検査において欠陥を認識する対象となる領域(以下、欠陥認識領域と称することがある)となる。
【0033】
図2(A)は、第1の設計パターンPT1及び第2の設計パターンPT2を有する設計パターンの平面図を示す。なお、デバイスの回路を構成する各設計パターンを指定する設計データは、第1の設計パターンPT1及び第2の設計パターンPT2の配置及び形状を指定するデータを有している。
【0034】
図2(B)は、保証外領域に対応する保証外パターンPT3(第3の設計パターンPT3)を示す平面図である。
図2(A)に示す例においては第1の設計パターンPT1及び第2の設計パターンPT2の間隔が所定の値D(パターン形成のためのリソグラフィー工程の解像限界)以下となる箇所が存在する。そのため、図2(B)に示すように、第1の設計パターンPT1及び第2の設計パターンPT2との間に、幅d(d≦D)の保証外パターンPT3が抽出されている。保証外パターンPT3の抽出は、演算処理装置により実行することができ、例えばCAD(設計支援ツール)のデザインルールチェック(DRC)等を利用し、第1の設計パターンPT1及び第2の設計パターンPT2の間隔dが所定の値D以下となる領域、すなわち保証外パターンPT3を抽出することが可能である。例えば、デザイン(設計)ルールとして、最小ライン幅及び最小スペース幅として解像限界の値Dを指定することができる。
なお、保証外パターンは図2に示す例に限定されない。設計パターンに関するデータ(設計パターン間のレイアウトのデータ等を含む)を基に、CAD等を用いた演算処理装置により抽出されるが、設計者自身がマニュアル操作で抽出してもよい。
【0035】
図2(C)は、抽出された保証外パターンPT3を基に生成されたマスクパターンMTの平面図を示す。フォトマスク100上の各ダイ(Die)において、マスクパターンMTにより指定される領域(マスクパターン領域MA)は、パターン検査対象(又は欠陥を認識する欠陥認識領域)から除外される。
図2(D)に示すようにマスクパターンMTは、保証外パターンPT3に対して、所定量w(以下、拡張幅と称することがある)拡張した形状を有する。
拡張幅wは、例えば、設計パターンと光学膜のパターンとの重ね合わせずれ等の要素を考慮して、決定することができる。なお、設計パターンと光学膜のパターンとのずれは光学シミュレーションや実測等により取得できる。また、設計パターンと光学膜のパターンの寸法差を考慮して拡張幅wを決定してもよい。
また、パターン検査を、光学膜のパターン形成後に実行する場合、さらに、エッチング加工によるパターン変動を考慮して拡張幅wを決定してもよい。
例えば、拡張幅wとして、非限定的に、パターン検査装置の検査画像において1~5ピクセルと設定することができる。
【0036】
マスクパターンMTは、パターン検査装置の検査画像において、マスクパターンMTに対応する領域(マスクパターン領域MA)を定義することができる。マスクパターン領域MAとマスクパターンMTとは実質的に同じであるが、マスクパターン領域MAは、パターン検査装置の検査画像の領域として定義されたものである。
【0037】
このように、抽出された保証外パターンPT3と所定の拡張幅wとを基に、マスクパターンMTの配置等を指定するデータを生成することができる。マスクパターンMTは、演算処理装置により自動生成することができ、演算処理装置はCADツールを利用してもよい。演算処理装置は、設計パターンの配置及び領域等を示す設計パターンデータが保存された記憶装置から設計パターンデータを読み込み、保証外パターンを抽出し、拡張幅wを用いて演算処理し、マスクパターンの配置及び領域(形状)等を指定するデータ(マスクパターンデータ)を生成することができる。
【0038】
生成されたマスクパターンデータは、パターン検査装置に転送され、パターン検査装置の記憶装置に保存され、保持される。マスクパターンデータの転送は有線通信、無線通信を使用することができ、また記憶媒体を介してマスクパターンデータを転送してもよい。
パターン検査装置は、マスクパターンデータが保存されている記憶装置からマスクパターンデータを読み込み、フォトマスク100上に形成されたパターンの検査を実行し、検査結果を出力することができる。
なお、演算処理装置は、パターン検査装置に内蔵されてもよく、パターン検査装置の一部であってもよく、またパターン検査装置に内蔵せず別個に設けてもよい。
【0039】
以下、図3を参照し、パターン検査装置による、パターン検査の方法を説明する。
パターン検査装置は、公知のパターン検査機構を有し、光学的にフォトマスク100上のパターンを検出し、欠陥の有無、欠陥の位置等を検知することができる。
なお、検査対象となるパターンは、レジストパターンであってもよく、光学膜から構成されたパターンであってもよい。
【0040】
パターン検査装置として、設計パターン、詳細には設計パターンを基に生成された参照画像と、パターン検査装置により検出されたパターン(撮像画像)とを比較し、パターン間の差を検出する方法(ダイ-データベース(Die To Database)比較検査)を採用する装置と、フォトマスク100上の異なる場所に配置された同形状のパターン(撮像画像)同士を比較する方法(ダイ-ダイ(Die To Die)比較検査)を採用する装置が公知であるが、如何なるパターン検査装置であってもよい。
【0041】
図3は、パターン検査装置による欠陥抽出過程を模式的に説明する平面図である。
図3(A)、図3(B)は透明基板1上に第1のパターン2と第2のパターン3を有するフォトマスク100を模式的に示す平面図を示す。
図3(B)はパターン検査装置によって検出される欠陥(検出欠陥)の例を示す。
図3(C)はパターン検査装置によって検出される欠陥とマスクパターン領域MAとの位置関係を模式的に示す平面図、図3(D)は、パターン検査装置によって、認識された欠陥を示す。
パターン検査装置においては、図3に対応する画像が検出又は撮像され、得られた画像(検査画像)に対して演算処理される。
なお、図3に示すパターンは光学膜のパターンの例を示すが、光学膜上に形成されたレジストパターンであってもよい。
【0042】
図3(A)に示す例においては、欠陥は存在しないが、図3(B)に示す例においては、第1のパターン2に第1のパターン欠陥Df1、第2のパターン3に第2のパターン欠陥Df2が存在し、さらに第1のパターン2と第2のパターン3間に第3のパターン欠陥Df3が存在する。
ここで第3のパターン欠陥Df3は、第1のパターン2と第2のパターン3との距離が解像限界D以下である保証外領域(図1(A)の領域Aに対応する領域)に存在する。
【0043】
パターン検査装置は、フォトマスク100上のパターンを検査し、図3(B)に示す例においては、第1のパターン欠陥Df1、第2のパターン欠陥Df2及び第3のパターン欠陥Df3を検出する。パターン検査装置は、パターン検査を実行し、各欠陥に関するデータ(欠陥データ又は欠陥信号と称す)、例えばフォトマスク100上の位置(座標)や欠陥領域(形状)についての情報(データ)を取得し、パターン検査装置の記憶装置に保存する。
【0044】
図3(C)に示すように、パターン検査装置はマスクパターンデータを照合し、第3のパターン欠陥Df3のデータ(位置及び領域)がマスクパターン領域MA内に位置することを認識する。一方、第1のパターン欠陥Df1及び第2のパターン欠陥Df2は、マスクパターン領域MA内に位置しないため、パターン検査装置は第1のパターン欠陥Df1及び第2のパターン欠陥Df2を欠陥(真の欠陥)として認識する。
パターン検査装置は、欠陥信号の中でマスクパターン領域MA内に位置する欠陥(第3のパターン欠陥Df3)を欠陥(真の欠陥)として認識しない(欠陥の認識対象外とする)か、又は削除(無視)することができる。例えば、パターン検査装置は、第1のパターン欠陥Df1及び第2のパターン欠陥Df2を欠陥(真の欠陥)として認識し、第3のパターン欠陥Df3は欠陥として認識しないか、又は第3のパターン欠陥Df3のデータが欠陥信号から削除される。
【0045】
このようにマスクパターン領域MAは、検出された欠陥は欠陥(真の欠陥)として認識されないように構成されるか又は削除されるため、欠陥を認識する領域から除外されることにより、保証外領域の第3のパターン欠陥Df3は欠陥として認識されることが回避される。
【0046】
パターン検査装置を用いた欠陥のレビュー作業において、保証外の領域であるマスクパターン領域MAのレビューは不要となり、作業者の作業負担を軽減でき、またフォトマスク100の工期短縮に寄与することができる。
【0047】
なお、パターン検査装置は、マスクパターン領域MA内の検出欠陥である第3のパターン欠陥Df3を疑似欠陥(欠陥ではなく)であると分類し、欠陥信号に疑似欠陥として登録してもよい。なお、第1のパターン欠陥Df1及び第2のパターン欠陥Df2は欠陥信号において、欠陥としての登録(認識)が維持される。
【0048】
なお、マスクパターン領域MAを、保証外領域に対して不必要に大きく設定すると(例えば、d=1μm以下の幅を有する保証外領域に対して、数mmの辺を有する矩形領域に設定すると)、保証外領域の欠陥の認識を回避(排除)できるが、保証外領域近傍の欠陥(真の欠陥)が検出できなくなる。上記のように、保証外領域の形状に合わせたマスクパターン領域MAとすることにより、保証外領域の欠陥の認識を回避しながら、検出する必要がある欠陥(第1のパターン欠陥Df1及び第2のパターン欠陥Df2)を検出することができる。
【0049】
パターン検査装置は、マスクパターン領域MAにおいて欠陥の認識を回避するために、マスクパターン領域MAを含む全ての領域の検査を終了した後に、検出データ(検査結果)とマスクパターン領域MAとの照合を実行し、マスクパターン領域MAでの欠陥の認識を回避してもよい。
この場合、マスクパターン領域MAと欠陥信号(欠陥データ)との照合は、パターン検査装置自体(パターン検査装置内の演算処理装置)が実行することも可能であるが、パターン検査装置とは独立して設けられた検査補助装置(又は演算処理装置)によって実行してもよい。検査補助装置は、パターン検査装置からフォトマスク100の検査データを入力し、検査データとマスクパターンデータベースのマスクパターン領域MAの情報とを比較し、マスクパターン領域MAに位置する検出欠陥を、欠陥と認識しない(無視し)、または疑似欠陥として認識(分類)し、その他の真の欠陥とともに検査補助装置の記憶装置に修正された検出データとして記憶してもよい。修正された検出データはパターン検査装置に送信され、パターン検査装置の記憶装置に修正された欠陥信号(欠陥データ)として記憶されてもよい。
作業者は、修正された欠陥信号を基に、パターン検査装置を用いて、各欠陥のレビューを実行してもよい。
【0050】
また、パターン検査装置は、マスクパターン領域MAにおいて欠陥の認識を回避するために、フォトマスク100の検査領域(パターン検査の対象領域)から、マスクパターン領域MAを除外してもよい。この場合、パターン検査装置は、フォトマスク100において、マスクパターン領域MAの欠陥検査を実行しないため、第3のパターン欠陥Df3は検出されず、第1のパターン欠陥Df1及び第2のパターン欠陥Df2が検出される。例えば、マスクパターン領域MAにおいては欠陥検出のための画像処理を実行しないか、マスクパターン領域MAの画像データを取得しないように構成する。
マスクパターン領域MAは、欠陥を検査する領域から除外されるため、欠陥を認識する領域から除外されることになり、例えば、保証外領域の第3のパターン欠陥Df3は欠陥として認識することが回避される。
パターン検査装置はマスクパターン領域MAにおいてパターン検査を実行しないように構成することにより、パターン検査装置の画像処理等の負担を軽減することが可能となる。
【0051】
図3(D)に示すように、第3のパターン欠陥Df3は欠陥として認識されず、パターン検査装置は、第1のパターン欠陥Df1及び第2のパターン欠陥Df2を欠陥として認識する。認識されたパターン欠陥の位置、領域等がパターン検査装置に、欠陥として登録され、記憶される。作業者は、欠陥のレビュー作業において、第3のパターン欠陥Df3を検査する必要がなく、作業負担が軽減される。
【0052】
なお、上記のマスクパターン領域MAを欠陥を認識しないよう構成する方法は、パターン検査装置の検査方式に依存せず、採用し得る。例えば、ダイ-データベース比較検査や、ダイ-ダイ比較検査を採用するいずれのパターン検査装置においても、本方法は採用可能である。
【0053】
以下、図4を参照し、設計パターン又はその一部が、保証外のパターンであるか否かを判定する方法の例を示す。
図4において、設計パターンPT1の領域及び設計パターンPT2の領域は、パターン形成のための設計パターンデータを有する領域であり、それ以外の領域はブランク領域であり、例えば透明基板1が露出する領域である。
なお、「設計パターンデータを有する」とは、設計パターンPT1等の設計パターンを構成するデータを有することを意味し、例えば、設計パターンで囲まれる領域内は設計パターンデータを有することになる。
また、ブランク領域は、透明基板1が露出する領域である場合に限定されず、例えば透明基板1上に形成された下層膜が露出する領域であり、設計パターンは下層膜上に形成された上層膜をパターニングするためのパターンであってもよい。
【0054】
図4(A)中点線で示すように、辺の長さが解像限界D(例えば1μm)の正方形の形状を有する判定パターンCTを準備する。
なお、判定パターンは、正方形に限定されず、例えば円形の判定パターンCT’であってもよい。判定パターンは、設計パターンに依存して適宜設定してもよい。
【0055】
図4(B)に示す例の場合、判定パターンCT1は設計パターンPT1により囲まれることが可能であり、判定パターンCT1内は全て設計パターンデータを有する。全て設計パターンデータを有する判定パターンCT1は保証外領域ではないと判断される。なお、保証外領域ではない領域は、解像可能領域であり、以下保証領域と称することがある。
同様に判定パターンCT2は保証領域である(保証外領域ではない)と判断される。
また、判定パターンCT3の内部は全てブランクであり、この場合も保証領域であると判断される。
【0056】
図4(C)に示す例の場合、設計パターンPT1に囲まれる判定パターンCT1は保証領域であり、設計パターンPT1は保証領域であると判断される。
しかし、設計パターンPT2と重なる判定パターンCT2は、部分的にのみ設計パターンPT2と重なり、設計パターンを有する部分とブランクの部分とが存在し、設計パターンのみからなる領域、又はブランクのみからなる領域になり得ない。この場合、判定パターンCT2により、設計パターンPT2は、保証外領域である(解像可能領域ではない)と判断される。
また、設計パターンPT1と設計パターンPT2との間のスペース領域と重なる判定パターンCT3は、部分的に設計パターンPT1及び設計パターンPT2と重なり、設計パターンを有する部分とブランクの部分が存在する。判定パターンCT3については、設計パターンデータのみを有する領域、又はブランク領域のみとなり得ない。この場合、判定パターンCT3により、設計パターンPT1と設計パターンPT2との間のスペース領域は保証外領域である(解像可能領域ではない)と判断される。
これらの保証外領域であると判断された領域に対しては、それぞれマスクパターン領域が設定される。なお、図4(C)に示す例の場合、2つのマスクパターン領域は、部分的に重なることになるが、重なる領域も欠陥を認識する領域から除外される。
【0057】
保証外領域は、図4に示すような直線的領域に限定するものではなく、種々の形状を有する。図5は、その他の保証外領域の形状の例を非限定的に示す平面図であり、図5(A)は、先端部が鋭角なコーナを有する保証外領域の例、図5(B)は、ホール形状を有する保証外領域の例、図5(C)は自由形状(任意形状)を有する保証外領域の例を示す。図5において、(I)は設計パターンを示し、(II)は抽出された保証外領域を示す。
【0058】
図5(A)中(I)に示す例の場合、判定パターンCT1及び判定パターンCT2の内部は全てブランク領域であり、保証領域である。判定パターンCT2が図中X方向にずれると、判定パターンCT3に示すように、その内部は設計パターンPT1の設計パターンデータを有する領域とブランク領域との両方を含むことになり、保証外領域を含むと判断される。判定パターンCT2がX方向の保証領域と保証外領域の境界を決定する。判定パターンCTを移動させることで、保証領域と保証外領域の境界を探索し、決定することができる。以下、同様である。
図5(A)中(II)は、抽出された保証外パターンPT3を示す。
【0059】
図5(B)中(I)に示す例の場合、判定パターンCT1及び判定パターンCT2の内部は全て設計パターンデータを有する領域であり、保証領域であると判断されるが、判定パターンCT3の内部は設計パターンデータを有する領域とブランク領域とが混在し、判定パターンCT3は保証外領域を含む。
図5(B)中(II)は、抽出された保証外パターンPT3を示す。
【0060】
図5(C)中(I)に示す例の場合、判定パターンCT1及び判定パターンCT2の内部は全てブランクであり、保証領域であると判断されるが、判定パターンCT3の内部は設計パターンデータを有する領域とブランク領域とが混在し、判定パターンCT3は保証外領域を含む。
判定パターンCT1及び判定パターンCT2はXに平行な方向の保証領域と保証外領域の境界を決定する。
図5(C)中(II)は、抽出された保証外パターンPT3を示す。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明によれば、フォトマスクの製造工程において解像限界以下のパターンについて、製品の特性等に悪影響を生じさせないパターンに起因した欠陥を、パターン検査装置が欠陥として認識しないように構成するとともに、その他の欠陥の検出を可能とすることができる。パターンを設計する設計者の負担を軽減するとともに、フォトマスク製造工程のパターン検査の作業者の作業負担を軽減することができ、産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0062】
100 フォトマスク
1 透明基板
2 第1のパターン
3 第2のパターン
CT1、CT2、CT3 判定パターン
D 解像限界
Df1 第1のパターン欠陥
Df2 第2のパターン欠陥
Df3 第3のパターン欠陥
MA マスクパターン領域
MT マスクパターン
PT1 第1の設計パターン
PT2 第2の設計パターン
PT3 第3の設計パターン(保証外パターン)
w 拡張幅
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイスの回路を構成する設計パターン中に含まれるフォトマスクの欠陥を検査する装置であって、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータと、
前記フォトマスクに対してパターン検査により取得される欠陥の位置及び形状を含む欠陥データと、を用いて、
前記欠陥データから前記マスクパターンデータによって指定される領域を、真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外する、パターン検査装置。
【請求項2】
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界以下のサイズを有することを特徴とする、請求項1記載のパターン検査装置。
【請求項3】
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界の長さを有する判定パターンを用いて、保証外であることを判定されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項4】
前記マスクパターンデータによって指定される領域を前記欠陥認識領域から削除する又は前記マスクパターンデータによって指定される領域の欠陥を疑似欠陥として前記真の欠陥とは区別して分類する、請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項5】
前記マスクパターンデータによって指定される領域を前記パターン検査を実行する領域から除外する、請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項6】
製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイスの回路を構成する設計パターン中に含まれるフォトマスクのパターンを形成するための前記設計パターンを基に前記保外パターンを抽出する保証外パターン抽出工程と、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータを生成するマスクパターンデータ生成工程と、
前記フォトマスク上の真の欠陥を検出するためにパターン検査を実行するパターン検査工程とを含み、
前記マスクパターンデータによって指定される領域を、前記真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とするフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項7】
製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイスの回路を構成する設計パターン中に含まれるフォトマスクのパターンを形成するための前記設計パターンを基に、解像限界以下のサイズを有する前記保証外パターンを抽出する保証外パターン抽出工程と、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータを生成するマスクパターンデータ生成工程と、
前記フォトマスク上の真の欠陥を検出するためにパターン検査を実行するパターン検査工程とを含み、
前記マスクパターンデータによって指定される領域を、前記真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とするフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項8】
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界の長さを有する判定パターンを用いて、保証外であることを判定されたものであることを特徴とする請求項6又は7記載のパターン検査方法。
【請求項9】
前記マスクパターンは前記保証外パターンを所定量拡張することにより生成される請求項6又は7記載のフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項10】
前記パターン検査工程において取得された欠陥データから前記マスクパターンデータより指定される領域の欠陥を削除又は疑似欠陥として分類することにより、前記マスクパターンデータより指定される領域を、前記真の欠陥と認識される前記欠陥認識領域から除外する請求項6又は7記載のフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項11】
前記パターン検査工程において前記マスクパターンデータより指定される領域を検査領域から除外することにより、前記マスクパターンデータより指定される領域を、前記欠陥認識領域から除外する請求項6又は7記載のフォトマスクのパターン検査方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係るパターン検査装置は、
製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイスの回路を構成する設計パターン中に含まれるフォトマスクの欠陥を検査する装置であって、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータと、
前記フォトマスクに対してパターン検査により取得される欠陥の位置及び形状を含む欠陥データと、を用いて、
前記欠陥データから前記マスクパターンデータによって指定される領域を、真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とする。

また、上記構成において、
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界以下のサイズを有してもよい。

また、上記構成において、
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界の長さを有する判定パターンを用いて、保証外であることを判定されたものであってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、上記構成において、
前記マスクパターンデータによって指定される領域を前記欠陥認識領域から削除する又は前記マスクパターンデータによって指定される領域の欠陥を疑似欠陥として前記真の欠陥とは区別して分類してもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、上記構成において、
前記マスクパターンデータによって指定される領域を前記パターン検査を実行する領域から除外してもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明に係るフォトマスクのパターン検査方法は、
製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイスの回路を構成する設計パターン中に含まれるフォトマスクのパターンを形成するための前記設計パターンを基に前記保外パターンを抽出する保証外パターン抽出工程と、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータを生成するマスクパターンデータ生成工程と、
前記フォトマスク上の真の欠陥を検出するためにパターン検査を実行するパターン検査工程とを含み、
前記マスクパターンデータによって指定される領域を、前記真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とする。

また、本発明に係るフォトマスクのパターン検査方法は、
製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイスの回路を構成する設計パターン中に含まれるフォトマスクのパターンを形成するための前記設計パターンを基に、解像限界以下のサイズを有する前記保証外パターンを抽出する保証外パターン抽出工程と、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータを生成するマスクパターンデータ生成工程と、
前記フォトマスク上の真の欠陥を検出するためにパターン検査を実行するパターン検査工程とを含み、
前記マスクパターンデータによって指定される領域を、前記真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とする。

また、上記構成において、
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界の長さを有する判定パターンを用いて、保証外であることを判定されたものであってもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、上記構成において、
前記マスクパターンは前記保証外パターンを所定量拡張することにより生成されるように構成してもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、上記構成において、
前記パターン検査工程において取得された欠陥データから前記マスクパターンデータより指定される領域の欠陥を削除又は疑似欠陥として分類することにより、前記マスクパターンデータより指定される領域を、前記欠陥認識領域から除外してもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、上記構成において、
前記パターン検査工程において前記マスクパターンデータより指定される領域を検査領域から除外することにより、前記マスクパターンデータより指定される領域を、前記欠陥認識領域から除外してもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトマスクの製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイス製品の回路を構成する設計パターン中に含まれる前記フォトマスクの欠陥を検査する装置であって、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータと、
前記フォトマスクに対してパターン検査により取得される欠陥の位置及び形状を含む欠陥データと、を用いて、
前記欠陥データから前記マスクパターンデータによって指定される領域を、真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外する、パターン検査装置。
【請求項2】
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界以下のサイズを有することを特徴とする、請求項1記載のパターン検査装置。
【請求項3】
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界の長さを有する判定パターンを用いて、保証外であることを判定されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項4】
前記マスクパターンデータによって指定される領域を前記欠陥認識領域から削除する又は前記マスクパターンデータによって指定される領域の欠陥を疑似欠陥として前記真の欠陥とは区別して分類する、請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項5】
前記マスクパターンデータによって指定される領域を、前記パターン検査を実行する領域から除外する、請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項6】
フォトマスクの製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイス製品の回路を構成する設計パターン中に含まれる前記フォトマスクのパターンを形成するための前記設計パターンを基に前記保証外パターンを抽出する保証外パターン抽出工程と、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータを生成するマスクパターンデータ生成工程と、
前記フォトマスク上の真の欠陥を検出するためにパターン検査を実行するパターン検査工程とを含み、
前記マスクパターンデータによって指定される領域を、前記真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とするフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項7】
フォトマスクの製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイス製品の回路を構成する設計パターン中に含まれる前記フォトマスクのパターンを形成するための前記設計パターンを基に、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界以下のサイズを有する前記保証外パターンを抽出する保証外パターン抽出工程と、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータを生成するマスクパターンデータ生成工程と、
前記フォトマスク上の真の欠陥を検出するためにパターン検査を実行するパターン検査工程とを含み、
前記マスクパターンデータによって指定される領域を、前記真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とするフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項8】
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界の長さを有する判定パターンを用いて、保証外であることを判定されたものであることを特徴とする請求項6又は7記載のパターン検査方法。
【請求項9】
前記マスクパターンは前記保証外パターンを所定量拡張することにより生成される請求項6又は7記載のフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項10】
前記パターン検査工程において取得された欠陥データから前記マスクパターンデータにより指定される領域の欠陥を削除又は疑似欠陥として分類することにより、前記マスクパターンデータにより指定される領域を、前記真の欠陥と認識される前記欠陥認識領域から除外する請求項6又は7記載のフォトマスクのパターン検査方法。
【請求項11】
前記パターン検査工程において前記マスクパターンデータにより指定される領域を検査領域から除外することにより、前記マスクパターンデータにより指定される領域を、前記欠陥認識領域から除外する請求項6又は7記載のフォトマスクのパターン検査方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係るパターン検査装置は、
フォトマスクの製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイス製品の回路を構成する設計パターン中に含まれるフォトマスクの欠陥を検査する装置であって、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータと、
前記フォトマスクに対してパターン検査により取得される欠陥の位置及び形状を含む欠陥データと、を用いて、
前記欠陥データから前記マスクパターンデータによって指定される領域を、真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とする。

また、上記構成において、
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界以下のサイズを有してもよい。

また、上記構成において、
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界の長さを有する判定パターンを用いて、保証外であることを判定されたものであってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明に係るフォトマスクのパターン検査方法は、
フォトマスクの製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイス製品の回路を構成する設計パターン中に含まれるフォトマスクのパターンを形成するための前記設計パターンを基に前記保証外パターンを抽出する保証外パターン抽出工程と、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータを生成するマスクパターンデータ生成工程と、
前記フォトマスク上の真の欠陥を検出するためにパターン検査を実行するパターン検査工程とを含み、
前記マスクパターンデータによって指定される領域を、前記真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とする。

また、本発明に係るフォトマスクのパターン検査方法は、
フォトマスクの製造上の保証外である保証外パターンが電子デバイス製品の回路を構成する設計パターン中に含まれるフォトマスクのパターンを形成するための前記設計パターンを基に、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界以下のサイズを有する前記保証外パターンを抽出する保証外パターン抽出工程と、
前記保証外パターンを基に生成されたマスクパターンから構成されるマスクパターンデータを生成するマスクパターンデータ生成工程と、
前記フォトマスク上の真の欠陥を検出するためにパターン検査を実行するパターン検査工程とを含み、
前記マスクパターンデータによって指定される領域を、前記真の欠陥と認識される欠陥認識領域から除外することを特徴とする。

また、上記構成において、
前記保証外パターンは、前記フォトマスクの製造工程におけるリソグラフィー工程の解像限界の長さを有する判定パターンを用いて、保証外であることを判定されたものであってもよい。