(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027908
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】報知システム、サーバ、及び冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20250220BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20250220BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
F25D23/00 301G
G08B25/00 510A
G08B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133170
(22)【出願日】2023-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003926
【氏名又は名称】弁理士法人イノベンティア
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 円香
【テーマコード(参考)】
3L345
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA26
3L345EE13
3L345EE45
3L345HH22
3L345HH38
3L345KK02
3L345KK03
5C086AA29
5C086BA14
5C086CA01
5C086CB01
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA11
5C086FA18
5C087AA11
5C087AA19
5C087AA32
5C087AA37
5C087DD37
5C087EE05
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG07
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG70
(57)【要約】
【課題】異常などのイベントが人に検知される確率を高める報知システムを提供する。
【解決手段】報知システム100Aは、複数の機器からなる機器群(例えば第1の冷蔵庫1A、第2の冷蔵庫1Bからなる冷蔵庫群)と、これら複数の機器と通信可能なコントローラ(サーバ3)と、を備える。コントローラは、所定の条件を用いて冷蔵庫群の中から少なくとも1台の機器を報知用機器と決定し、第1の冷蔵庫から得られた第1の冷蔵庫における予め規定されたイベントの発生を示す情報に基づいて、第1の冷蔵庫におけるイベントの発生を報知用機器に報知させる、ように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器からなる機器群と、
前記複数の機器と通信可能なコントローラと、を備え、
前記機器群は冷蔵庫を含み、
前記コントローラは、所定の条件を用いて前記機器群の中から少なくとも1台の機器を報知用機器と決定し、前記冷蔵庫から得られた前記冷蔵庫における予め規定されたイベントの発生を示す情報に基づいて、前記冷蔵庫における前記イベントの発生を前記報知用機器に報知させる、ように構成されている
報知システム。
【請求項2】
前記コントローラは、さらに、前記冷蔵庫から得られた前記冷蔵庫における前記イベントの解消を示す情報に基づいて、前記報知用機器に前記報知を終了させる、ように構成されている
請求項1に記載の報知システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記冷蔵庫において前記イベントが規定時間、継続すると、前記イベントの発生を前記報知用機器に報知させる、ように構成されている
請求項1に記載の報知システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記報知用機器の近傍に人の存在が検出されると、前記イベントの発生を前記報知用機器に報知させる、ように構成されている
請求項1に記載の報知システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記報知用機器の近傍に人の存在が検出されない場合に、前記冷蔵庫に前記イベントに対応付けて予め規定された動作を行わせる、ように構成されている
請求項4に記載の報知システム。
【請求項6】
前記所定の条件は、近傍に人の存在が検出された機器である
請求項1に記載の報知システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記機器群のうちの複数の機器を前記報知用機器と決定し、前記冷蔵庫から前記冷蔵庫における前記イベントの解消を示す情報が得られるまで、複数の前記報知用機器に予め規定された優先順位に従って順に前記イベントの発生を報知させる
請求項1に記載の報知システム。
【請求項8】
機器群を構成する複数の機器と通信可能なサーバであって、
前記機器群は冷蔵庫を含み、
コントローラを備え、
前記コントローラは、所定の条件を用いて前記機器群の中から少なくとも1台の機器を報知用機器と決定し、前記冷蔵庫から得られた前記冷蔵庫における予め規定されたイベントの発生を示す情報に基づいて、前記冷蔵庫における前記イベントの発生を前記報知用機器に報知させる、ように構成されている
サーバ。
【請求項9】
外部の装置と通信可能な通信部と、
報知部と、
コントローラと、を備えた冷蔵庫であって、
前記外部の装置が他の冷蔵庫であり、
前記コントローラは、前記他の冷蔵庫における予め規定されたイベントの発生を示す情報に基づいて、前記他の冷蔵庫における前記イベントの発生を前記報知部に報知させる、ように構成されている
冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、報知システム、サーバ、及び冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
扉が完全に閉まっていない、などのイベントの発生を報知する冷蔵庫が知られている。例えば、特開2023-44773号公報(以下、特許文献1)は、異常が発生したときに、冷蔵庫が、冷蔵庫本体に設けたLED点灯や音声によって報知することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
特許文献1のように冷蔵庫がイベントの発生を報知しても、冷蔵庫の周囲に人がいない場合や、人が常駐しない場所に冷蔵庫が配置されている場合では異常などのイベントの発見が遅れる。そのため、異常などのイベントが人に検知される確率を高める報知システム、サーバ、及び冷蔵庫が望まれる。
【0005】
ある実施の形態に従うと、報知システムは、複数の機器からなる機器群と、複数の機器と通信可能なコントローラと、を備える。機器群は冷蔵庫を含む。コントローラは、所定の条件を用いて機器群の中から少なくとも1台の機器を報知用機器と決定し、冷蔵庫から得られた、冷蔵庫における予め規定されたイベントの発生を示す情報に基づいて、冷蔵庫におけるイベントの発生を報知用機器に報知させる、ように構成されている。
【0006】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態に係る報知システムの構成、及び、報知システムに含まれる各装置の機能的な概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態に係る報知システムでの、第1の冷蔵庫の動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態に係る報知システムでの、サーバ及び第2の冷蔵庫の動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態の第1の変形例に係る第1の冷蔵庫の動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態の第2の変形例に係る第1の冷蔵庫の動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態の第3の変形例に係る第1の冷蔵庫の動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1の実施の形態の第4の変形例に係る第1の冷蔵庫の動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2の実施の形態に係る報知システムの構成、及び、報知システムに含まれる各装置の機能的な概略構成を示す図である。
【
図9】
図9は、第2の実施の形態に係る報知システムでの、サーバ及び第2の冷蔵庫の動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図10】
図10は、第2の実施の形態の変形例に係るサーバの動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図11】
図11は、第2の実施の形態の変形例に係る第1の冷蔵庫の動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図12】
図12は、第3の実施の形態に係る報知システムの構成、及び、報知システムに含まれる各装置の機能的な概略構成を示す図である。
【
図13】
図13は、第3の実施の形態に係るサーバの動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図14】
図14は、第3の実施の形態の変形例に係るサーバの動作の流れの一例を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<1.報知システム、サーバ、及び冷蔵庫の概要>
(1)実施の形態に係る報知システムは、複数の機器からなる機器群と、複数の機器と通信可能なコントローラと、を備える。機器群は冷蔵庫を含む。コントローラは、所定の条件を用いて機器群の中から少なくとも1台の機器を報知用機器と決定し、冷蔵庫から得られた、冷蔵庫における予め規定されたイベントの発生を示す情報に基づいて、冷蔵庫におけるイベントの発生を報知用機器に報知させる、ように構成されている。ここでのイベントは、解消するために人による対処が必要となる異常などを指す。
【0009】
実施の形態に係る報知システムにおいては、コントローラが、少なくとも1台の冷蔵庫を含む複数の機器からなる機器群の中から少なくとも1台の機器を報知用機器と決定し、冷蔵庫におけるイベントの発生を報知用機器に報知させる。この場合、報知用機器は、イベントが発生した冷蔵庫であってもよいし、冷蔵庫と異なる機器であってもよく、所定の条件を用いて機器群の中から選択される。一例として、近傍に人が存在する機器が報知用機器とされてもよい。複数の機器から報知用機器を決定することにより、イベントが発生した冷蔵庫のみがイベント発生を報知する場合よりも報知が柔軟に行われる。これにより、冷蔵庫での異常などのイベントが人に検知される確率を高めることができる。
【0010】
(2)(1)又は(2)に記載の報知システムであって、好ましくは、コントローラは、さらに、冷蔵庫から得られた冷蔵庫におけるイベントの解消を示す情報に基づいて、報知用機器に報知を終了させる、ように構成されている。これにより、不要な報知を抑えることができる。
【0011】
(3)(1)又は(2)に記載の報知システムであって、好ましくは、コントローラは、冷蔵庫においてイベントが規定時間、継続すると、イベントの発生を報知用機器に報知させる、ように構成されている。イベントが解消せず、規定時間、継続している場合、冷蔵庫の近傍に人がいないことが想定される。この場合にイベントの発生が報知用機器から報知されることにより、冷蔵庫でのイベントが人に検知される確率を高めることができる。
【0012】
(4)(1)~(3)に記載の報知システムであって、好ましくは、コントローラは、報知用機器の近傍に人の存在が検出されると、イベントの発生を報知用機器に報知させる、ように構成されている。これにより、冷蔵庫でのイベントが、報知用機器の近傍に人の存在が検出されるタイミングで報知される。そのため、人の存在が検出されていない機器による不要な報知が抑えられるとともに、冷蔵庫でのイベントが人に検知される確率を高めることができる。
【0013】
(5)(4)に記載の報知システムであって、好ましくは、コントローラは、報知用機器の近傍に人の存在が検出されない場合に、冷蔵庫にイベントに対応付けて予め規定された動作を行わせる、ように構成されている。イベントに対応付けて予め規定された動作は、一例として、イベントによって生じた状態を改善させる動作、又は、イベントによって生じた状態の進行を遅らせる動作、である保護モードが挙げられる。この場合、冷蔵庫では、規定時間を経過してもイベントが継続している場合、動作モードが保護モードに切り替わる。これにより、報知用機器による報知によって冷蔵庫でのイベント知った人が冷蔵庫まで到達するのに時間を要する場合であっても、冷蔵庫では保護モードに切り替わっているため、イベントによる影響が抑えられる。
【0014】
(6)(1)~(5)に記載の報知システムであって、好ましくは、上記の所定の条件は、近傍に人の存在が検出された機器である。これにより、冷蔵庫でのイベントが、近傍に人の存在が検出された1以上の機器によって報知される。そのため、人の存在が検出されていない機器による不要な報知が抑えられるとともに、冷蔵庫でのイベントが人に検知される確率を高めることができる。
【0015】
(7)(1)~(6)に記載の報知システムであって、好ましくは、コントローラは、機器群のうちの複数の機器を報知用機器とし、冷蔵庫から冷蔵庫におけるイベントの解消を示す情報が得られるまで、複数の報知用機器に予め規定された優先順位に従って順にイベントの発生を報知させる。これにより、報知の時点で報知用機器の近傍に人がいなくなった場合でも、次に優先順位の高い報知用機器で報知がされる。その結果、冷蔵庫でのイベントが人に検知される確率をより高めることができる。
【0016】
(8)実施の形態に係るサーバは、機器群を構成する複数の機器と通信可能なサーバであって、コントローラを備える。機器群は冷蔵庫を含む。コントローラは、所定の条件を用いて機器群の中から少なくとも1台の機器を報知用機器と決定し、冷蔵庫から得られた冷蔵庫における予め規定されたイベントの発生を示す情報に基づいて、冷蔵庫におけるイベントの発生を報知用機器に報知させる、ように構成されている。サーバは、報知用機器を、イベントが発生した冷蔵庫としてもよいし、冷蔵庫と異なる機器としてもよく、所定の条件を用いて機器群の中から選択する。一例として、近傍に人が存在する機器を報知用機器としてもよい。複数の機器から報知用機器を決定することにより、イベントが発生した冷蔵庫のみがイベント発生を報知する場合よりも報知が柔軟に行われる。これにより、冷蔵庫での異常などのイベントが人に検知される確率を高めることができる。
【0017】
(9)実施の形態に係る冷蔵庫は、他の装置と通信可能な通信部と、報知部と、コントローラと、を備える。コントローラは、他の冷蔵庫における予め規定されたイベントの発生を示す情報に基づいて、他の冷蔵庫におけるイベントの発生を報知部に報知させる、ように構成されている。この冷蔵庫を用いることによって、他の冷蔵庫でのイベントを報知することができる。これにより、実施の形態に係る冷蔵庫を用いることによって、他の冷蔵庫でのイベントが人に検知される確率を高めることができる。
【0018】
<2.報知システム、サーバ、及び冷蔵庫の例>
【0019】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る報知システム100Aの構成、及び、報知システム100Aに含まれる各装置の機能的な概略構成を示す図である。報知システム100Aは、複数の機器からなる機器群と、機器群に含まれる複数の機器それぞれと通信可能なサーバ3と、を備える。機器群は、第1の冷蔵庫1Aと、第1の冷蔵庫1Aとは異なる機器とからなる。第1の冷蔵庫1Aとは異なる機器は、常時電源に接続されて給電状態にあり、かつ、サーバ3と通信可能な機器であり、さらに、報知部を有する機器である。第1の冷蔵庫1Aとは異なる機器は、いわゆる家電と呼ばれる機器であって、例えば、第1の冷蔵庫1Aとは異なる他の冷蔵庫、空気調整機(エアコン)、空気清浄機、自動調理機、自動掃除機、洗濯機、などである。第1の冷蔵庫1Aとは異なる機器は、家電以外であってもよく、例えば、スマートフォンやウェアラブルウォッチなどの端末装置、テレビジョン受像機(テレビ)、ホワイトボード、などであってもよい。
【0020】
報知システム100Aは、第1の冷蔵庫1Aとは異なる機器の一例として、1台の第2の冷蔵庫1Bを備える。第2の冷蔵庫1Bは、第1の冷蔵庫1Aとは異なる場所に設置されていることが想定される。以降の例において、後述のイベントの発生を報知させる側の冷蔵庫である第1の冷蔵庫1Aは、寝室や書斎や別棟などの近傍に人がいる可能性が低い場所に設置されているものとする。これに対して、第2の冷蔵庫1Bは、台所やリビングなどの近傍に人がいる可能性が高い場所に設置されているものとする。
【0021】
サーバ3は、コントローラ30を有する。コントローラ30は、第1の冷蔵庫1A及び他の機器からなる機器群の中から第1の冷蔵庫1Aでのイベントの発生を報知させる機器(以下、報知用機器とも称する)を決定し、第1の冷蔵庫1Aにおけるイベントの発生を報知用機器に報知させる、ように構成されている。この例においては、コントローラ30は、第1の冷蔵庫1A及び第2の冷蔵庫1Bからなる冷蔵庫群の中から、第1の冷蔵庫1A又は第2の冷蔵庫1Bを報知用機器と決定する。
【0022】
ここでのイベントは、解消するために人による対処が必要となる異常などを指す。以降の例では、イベントは、図示しない扉が完全には閉まっていない状態が所定期間、継続している異常であることとする。扉が完全には閉まっていない状態を解消するためには、人が扉を閉める必要があるためである。この場合の異常は、扉が閉まっていない状態が所定期間、継続したことによって検知される。なお、イベントは、他の例として、所定部分の故障や、製氷部の水などの供給品の不足、交換部品の交換時期、などであってもよい。
【0023】
冷蔵庫1A,1Bとサーバ3との通信は、例えばインターネットなどの通信網5を介した通信である。冷蔵庫1A,1Bとサーバ3との通信は、他の例として、冷蔵庫1A,1Bとサーバ3と接続した通信線を介した通信、直接の無線通信、又はこれらの組み合わせであってもよい。また、
図1の例では、サーバ3が冷蔵庫1A,1Bと異なる装置であることが示されているが、サーバ3は、冷蔵庫1A,1Bのいずれかに含まれていてもよい。
【0024】
第1の冷蔵庫1Aは、コントローラ10を含む。コントローラ10はプロセッサ11とメモリ12とを有する。プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。メモリ12は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、プロセッサ11によって実行されるプログラム121を記憶している。
【0025】
第1の冷蔵庫1Aは、通信部13を備える。通信部13は、通信網5を介して外部の装置と通信するための通信モジュールなどである。通信部13は、コントローラ10から渡されたデータを、コントローラ10の制御に従って送信する。通信部13は、通信網5を介して外部の装置から受信したデータを、コントローラ10に入力する。
【0026】
第1の冷蔵庫1Aは、ドアセンサ14を備える。ドアセンサ14は、図示しない扉の開閉を検知するセンサである。ドアセンサ14は、扉の開閉を検知すると、開閉を示すセンサ信号をコントローラ10に入力する。
【0027】
第1の冷蔵庫1Aは、予め規定されたイベントの一例である異常の発生を検知する。ドアセンサ14は、イベントを検知するために用いられるものの一例である。一例として、コントローラ10は、ドアセンサ14から図示しない扉が開状態となったことを示すセンシング信号を受信してから、閾値として予め規定されている時間、扉が閉状態となったことを示すセンシング信号を受信しない場合に、扉が完全には閉まっていない状態が所定期間、継続している、という異常を検知する。
【0028】
上記異常を検知するために、ドアセンサ14以外のものが用いられてもよい。ドアセンサ14以外のものは、例えば、庫内温度を計測する温度センサや、ドアセンサ14と温度センサとの組み合わせ、などであってもよい。
【0029】
第1の冷蔵庫1Aは、ブザー15を備える。ブザー15は、コントローラ10の制御に従って音声を出力する。一例として、コントローラ10は、上記の異常を検知すると、ブザー15を鳴動させる。これにより、イベントの発生が報知される。ブザー15は報知部の一例である。報知部は、他の例として、ランプやディスプレイやそれらの組み合わせなどであってもよい。
【0030】
第2の冷蔵庫1Bは、少なくともコントローラ10と通信部13とブザー15とを有する。第2の冷蔵庫1Bは、その他の構成については、第1の冷蔵庫1Aと共通であってよい。
【0031】
サーバ3は、一例として、コントローラ30を有するコンピュータ、又は、1つのコンピュータ及びその周辺装置で構成されている。サーバ3は、複数のコンピュータが協働して実現されてもよい。コントローラ30は、プロセッサ31とメモリ32とを含む。プロセッサ31は、例えば、CPUである。メモリ32は、例えばROM、RAMなどを含む。メモリ32は、プロセッサ11で実行されるプログラム321を記憶している。プロセッサ31はプログラム321を実行することによって、後述する処理を実行する。プログラム321は、インターネットなどの通信網を介してのダウンロードや、記録させた記録媒体の譲渡などによって提供され得る。
【0032】
メモリ32は、機器群の一例としての冷蔵庫群を記憶するための記憶領域の一例である、機器群データベース322を有する。機器群は、第1の冷蔵庫1Aを含む複数の機器からなる。第1の実施の形態に係る報知システム100Aでは、冷蔵庫群は、第1の冷蔵庫1Aと、第1の冷蔵庫1Aに対応付けられた1台の第2の冷蔵庫1Bとからなる。報知システム100Aに第1の冷蔵庫1Aが複数台、含まれる場合、機器群データベース322は、第1の冷蔵庫1Aごとに冷蔵庫群を記憶している。
【0033】
図2は、第1の実施の形態に係る報知システム100Aでの、第1の冷蔵庫1Aの動作の流れの一例を表したフローチャートである。第1の冷蔵庫1Aのプロセッサ11は、プログラム121に従って
図2の動作を繰り返し実行している。
【0034】
すなわち、第1の冷蔵庫1Aのプロセッサ11は、ドアセンサ14からのセンシング信号に基づいて、扉の異常を監視する。第1の冷蔵庫1Aにおける異常を検知すると(ステップS101でYES)、プロセッサ11はブザー15を鳴動させる(ステップS103)。これにより、第1の冷蔵庫1Aにおける異常が、第1の冷蔵庫1Aによって報知される。プロセッサ11は、予め規定された時間内に異常が解消されるまで(ステップS105でYES、かつステップS109でNO)、ブザー15の鳴動を継続する。報知するイベントが扉が完全に閉まっていない、などの、ユーザの操作に起因した異常である場合、異常が発生した直後には第1の冷蔵庫1Aの近傍に人がいる可能性がある。その場合、規定時間、第1の冷蔵庫1Aから異常が報知されることにより、異常が人に検知される確率を高めることができる。
【0035】
規定時間内に異常が解消されると(ステップS105でNO)、すなわち、規定時間内に扉が閉状態であることを示すセンシング信号が入力されると、プロセッサ11はブザー15の鳴動を終了させ、報知を終了させる(ステップS107)。
【0036】
規定時間を経過しても異常が継続している場合(ステップS105でYES、かつステップS109でYES)、第1の冷蔵庫1Aの近傍に人がいないことが想定される。この場合、プロセッサ11はサーバ3に異常を通知する(ステップS111)。ステップS111では、一例として、プロセッサ11は通信部13に、異常の発生を示す信号をサーバ3に対して送信させる。また、プロセッサ11は、ブザー15の鳴動を終了させる(ステップS113)。これにより、不要な鳴動を抑えることができる。
【0037】
その後、異常が解消したことを検知すると(ステップS115でYES)、すなわち、規定時間内に扉が閉状態であることを示すセンシング信号が入力されると、プロセッサ11はサーバ3に異常の解消を通知する(ステップS117)。ステップS117では、一例として、プロセッサ11は通信部13に、異常の解消を示す信号をサーバ3に対して送信させる。
【0038】
図3は、第1の実施の形態に係る報知システム100Aでの、サーバ3及び第2の冷蔵庫1Bの動作の流れの一例を表したフローチャートである。サーバ3のプロセッサ31は、プログラム321に従って
図3の動作を繰り返し実行している。また、第2の冷蔵庫1Bのプロセッサ11は、サーバ3からの指示に従って
図3の動作を実行する。
【0039】
すなわち、サーバ3のプロセッサ31は、第1の冷蔵庫1AからステップS111での異常の通知を受けると(ステップS201でYES)、機器群データベース322を参照して、複数の機器からなる機器群の中から、所定の条件を用いて報知用機器を決定する(ステップS203)。第1の実施の形態に係る報知システム100Aにおいて、所定の条件は第1の冷蔵庫1Aと異なる機器である。すなわち、報知システム100Aにおいて、サーバ3のプロセッサ31は、機器群のうちの、第1の冷蔵庫1Aと異なる機器を報知用機器に決定する。この例では、プロセッサ31は、冷蔵庫群のうちの第1の冷蔵庫1Aと異なる第2の冷蔵庫1Bを報知用機器に決定する。
【0040】
プロセッサ31は、報知用機器に対して第1の冷蔵庫1Aの異常の報知を指示する(ステップS205)。ステップS205では、一例としてプロセッサ31は、通信部33に、予め規定された、報知を指示する信号を第2の冷蔵庫1Bに対して送信させる。通信部13によって指示信号を受信した報知用機器(第2の冷蔵庫1B)では、プロセッサ11が指示信号に従って、予め規定された報知を実行する(ステップS301)。ステップS301では一例として、第2の冷蔵庫1Bのプロセッサ11は、ブザー15を鳴動させる。これにより、第1の冷蔵庫1Aでの異常が第2の冷蔵庫1Bのブザー15の鳴動によって報知される。
【0041】
プロセッサ31は、報知用機器に報知を指示した後に、第1の冷蔵庫1AからステップS117での異常の解消の通知を受けると(ステップS207でYES)、報知用機器に対して、報知の終了を指示する(ステップS209)。ステップS209では、一例としてプロセッサ31は、通信部33に、予め規定された、報知の終了を指示する信号を第2の冷蔵庫1Bに対して送信させる。通信部13によって指示信号を受信した第2の冷蔵庫1Bでは、プロセッサ11が指示信号に従って、実行中の報知を終了する(ステップS303)。ステップS303では一例として、第2の冷蔵庫1Bのプロセッサ11は、ブザー15の鳴動を停止させる。これにより、第1の冷蔵庫1Aでの異常の発生の第2の冷蔵庫1Bのブザー15での報知が終了する。
【0042】
第1の実施の形態に係る報知システム100Aにおいて以上の動作が行われることによって、報知システム100Aでは、第1の冷蔵庫1Aで発生した異常が、第1の冷蔵庫1Aに対応付けられている他の機器である、第1の冷蔵庫1Aとは異なる第2の冷蔵庫1Bで報知される。上記のように第2の冷蔵庫1Bが第1の冷蔵庫1Aとは異なる場所に設置されている場合、第1の冷蔵庫1Aとは異なる機器にて第1の冷蔵庫1Aでの異常が報知されることによって、第1の冷蔵庫1Aでの異常が第1の冷蔵庫1Aとは異なる場所において報知される。そのため、第1の冷蔵庫1Aの周囲に人がいない場合や、人が常駐しない場所に第1の冷蔵庫1Aが配置されている場合であっても、第2の冷蔵庫1Bの近傍に人がいる場合には、第1の冷蔵庫1Aでの異常が人に検知される。これにより、第1の実施の形態に係る報知システム100Aでは、第1の冷蔵庫1Aでの異常が人に検知される確率を高めることができる。
【0043】
なお、以上の説明では、報知システム100Aに第1の冷蔵庫1Aとは異なる機器として第2の冷蔵庫1Bが含まれるものとしているが、第1の冷蔵庫1Aとは異なる機器が冷蔵庫以外の機器、例えば、エアコン、空気清浄機、自動調理機、自動掃除機、洗濯機、端末装置、テレビ、ホワイトボード、などであっても同様である。
【0044】
[変形例1]
上の例では、第1の冷蔵庫1Aはサーバ3に異常を通知した後に報知を終了している。他の例として、第1の冷蔵庫1Aでの報知は継続されてもよい。
【0045】
図4は、第1の実施の形態の第1の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作の流れの一例を表したフローチャートである。第1の実施の形態の第1の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作は、第1の実施の形態に係る第1の冷蔵庫1Aの動作(
図2)のステップS113に替えてステップS113Aを有する点が異なる。すなわち、第1の実施の形態の第1の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aでは、プロセッサ11は、発生した異常をサーバ3に通知した後(ステップS111)、異常が解消するまで報知を継続する(ステップS115でNO)。異常が解消したことを検知すると(ステップS115でYES)、プロセッサ11はサーバ3に異常の解消を通知する(ステップS117)とともに、報知を終了させる(ステップS113A)。
【0046】
これにより、第1の冷蔵庫1Aでの異常が、第1の冷蔵庫1Aと第2の冷蔵庫1Bとの両方で報知される。そのため、第1の冷蔵庫1Aでの異常が人に検知される確率をより高めることができる。
【0047】
[変形例2]
上の例では、第1の冷蔵庫1Aのプロセッサ11は、異常を検知した後、規定時間内に異常が解消されない場合にサーバ3に異常を通知している。他の例として、異常が検知されると、規定時間を経ずにサーバ3に異常が通知されてもよい。
【0048】
図5は、第1の実施の形態の第2の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作の流れの一例を表したフローチャートである。第1の実施の形態の第2の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作は、第1の実施の形態に係る第1の冷蔵庫1Aの動作(
図2)のステップS105~S109,S113に替えてステップS113Aを有する点が異なる。すなわち、第1の実施の形態の第2の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aでは、プロセッサ11は、異常を検知すると(ステップS101でYES)、ブザー15を鳴動させるとともに(ステップS103)、発生した異常をサーバ3に通知する(ステップS111)。
【0049】
プロセッサ11は、異常が解消するまで報知を継続する(ステップS115でNO)。異常が解消したことを検知すると(ステップS115でYES)、プロセッサ11はサーバ3に異常の解消を通知する(ステップS117)とともに、報知を終了させる(ステップS113A)。
【0050】
これにより、異常が発生すると第1の冷蔵庫1Aにおいて報知されるとともに、直ちに第2の冷蔵庫1Bにおいても報知される。報知するイベントが所定部分の故障などのユーザの操作に起因しないものである場合、第1の冷蔵庫1Aの近傍に人がいない場合もある。その場合、直ちに第2の冷蔵庫1Bで第1の冷蔵庫1Aの異常が報知されることにより、異常が人に検知される確率を高めることができる。
【0051】
[変形例3]
上の例では、第1の冷蔵庫1Aのプロセッサ11は、異常を検知すると第1の冷蔵庫1Aで報知する。他の例として、第1の冷蔵庫1Aでは報知されず、第2の冷蔵庫1Bのみで報知されてもよい。
【0052】
図6は、第1の実施の形態の第3の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作の流れの一例を表したフローチャートである。第1の実施の形態の第3の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作は、第1の実施の形態に係る第1の冷蔵庫1Aの動作(
図2)のステップS103~S109,S113を有しない点が異なる。すなわち、第1の実施の形態の第3の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aでは、プロセッサ11は、異常を検知すると(ステップS101でYES)、発生した異常をサーバ3に通知する(ステップS111)。このとき、プロセッサ11は、ブザー15を鳴動させるなどの報知を行わない。プロセッサ11は、異常が解消したことを検知すると(ステップS115でYES)、サーバ3に異常の解消を通知する(ステップS117)。
【0053】
これにより、異常が発生すると直ちに第2の冷蔵庫1Bにおいて報知される。第2の変形例と同様に、報知するイベントが所定部分の故障などのユーザの操作に起因しないものである場合、第1の冷蔵庫1Aの近傍に人がいない場合もある。その場合、第1の冷蔵庫1Aでの不要な報知を抑えることができる。
【0054】
[変形例4]
上の例では、第1の冷蔵庫1Aのプロセッサ11は、規定時間を経過しても異常が継続している場合、サーバ3に異常を通知した後に異常の解消を監視している。他の例として、規定時間を経過しても異常が継続している場合、第1の冷蔵庫1Aは保護モードに切り替わってもよい。保護モードは、異常に対応付けて予め規定された動作を行う動作モードを指す。異常に対応付けて予め規定された動作は、異常によって生じた状態を改善させる動作、又は、異常によって生じた状態の進行を遅らせる動作、である。第1の冷蔵庫1Aの扉が完全に閉まっていない場合、庫内温度が上昇する。そのため、一例として、この場合の保護モードは、庫内温度の上昇を抑制するために、コンプレッサを動作させたり、ダンパを動作させたりするモードである。
【0055】
図7は、第1の実施の形態の第4の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作の流れの一例を表したフローチャートである。第1の実施の形態の第4の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作は、第1の実施の形態に係る第1の冷蔵庫1Aの動作(
図2)に対して、さらにステップS112,S118を有する点が異なる。すなわち、第1の実施の形態の第4の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aでは、プロセッサ11は、発生した異常をサーバ3に通知した後(ステップS111)、動作モードを保護モードに切り替える(ステップS112)。この例の場合、プロセッサ11は、保護モードとして予め規定されたコンプレッサの動作やダンパの動作を行わせるよう、それぞれの駆動部に制御信号を出力する。これにより、庫内が急冷され、扉が完全に閉まっていないことによる庫内温度の上昇が抑えられる。
【0056】
異常が解消したことを検知すると(ステップS115でYES)、プロセッサ11はサーバ3に異常の解消を通知する(ステップS117)とともに、動作モードを保護モードから通常モードに復帰させる(ステップS118)。
【0057】
これにより、第1の冷蔵庫1Aでは、規定時間を経過しても異常が継続している場合、動作モードが保護モードに切り替わる。第1の冷蔵庫1Aの異常は第2の冷蔵庫1Bで報知されることによって、第2の冷蔵庫1Bの近傍の人が異常の発生を検知することができる。しかしながら、第2の冷蔵庫1Bが第1の冷蔵庫1Aから離れた場所に設置されている、などの場合には、異常の発生を知った人が第1の冷蔵庫1Aまで到達するのに時間を要する。このような場合であっても、第1の冷蔵庫1Aでは保護モードに切り替わっているため、異常による影響が抑えられる。
【0058】
なお、第1の実施の形態の第1の変形例~第4の変形例は、2以上が組み合わされてもよい。
【0059】
[第2の実施の形態]
図8は、第2の実施の形態に係る報知システム100Bの構成、及び、報知システム100Bに含まれる各装置の機能的な概略構成を示す図である。報知システム100Bは、第1の実施の形態に係る報知システム100Aの構成(
図1)に対して、他の機器の一例である第2の冷蔵庫1Bが人感センサ16をさらに備える点が異なる。また、報知システム100Bは、第1の実施の形態に係る報知システム100Aの構成(
図1)に対して、サーバ3のメモリ32が、センシング結果データベース323をさらに含む点が異なる。
【0060】
人感センサ16は、所定範囲内である近傍の人の存在を検出する手段を指す。人感センサ16は、一例として、赤外線を利用し、人の表面から放射された熱を検知することで人の存在を検出するセンサである。他の例として、人感センサ16は、超音波、可視光などを用いるものであってもよい。また、人感センサ16は、人の表面からの光の反射を検知することで人の存在を検出するセンサであってもよいし、発光部と受光部との間の遮光を検知することで人の存在を検出するセンサであってもよい。また、人感センサ16は、ドアセンサ14などの人の操作を検知するものであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
【0061】
人感センサ16は、所定範囲内である近傍に人が存在することを示すセンサ信号SGbをプロセッサ11に入力する。第2の冷蔵庫1Bのプロセッサ11は、センサ信号SGbをサーバ3に送信する。センサ信号SGbは、人が存在しないことを示す信号であってもよいし、人の存在の有無を示す信号であってもよい。
【0062】
人感センサ16は近傍の人の存在を検出する手段の一例である。近傍の人の存在を検出する手段はセンサに限定されない。近傍の人の存在を検出する手段は、他の例として、直前にユーザ操作があったことを検知するものであってもよい。例えば、近傍の人の存在は、操作ボタンの操作やリモコン操作などによっても検出され得る。この場合、第2の冷蔵庫1Bのプロセッサ11は、センサ信号SGbに替えて操作信号をサーバ3に送信してもよい。
【0063】
センシング結果データベース323は、第2の冷蔵庫1Bの人感センサ16でのセンシング結果を記憶するための記憶領域の一例である。サーバ3のプロセッサ31は、第2の冷蔵庫1Bから送信されたセンサ信号SGbを通信部33によって受信すると、センシング結果をセンシング結果データベース323に書き込む。センシング結果データベース323には、第2の冷蔵庫1Bの最新のセンシング結果が判定可能なようにセンシング結果が書き込まれる。一例として、プロセッサ31は、最新のセンシング結果を、すでに記憶されているセンシング結果に上書きする。これにより、最新のセンシング結果のみがセンシング結果データベース323に書き込まれる。
【0064】
図9は、第2の実施の形態に係る報知システム100Bでの、サーバ3及び第2の冷蔵庫1Bの動作の流れの一例を表したフローチャートである。第2の実施の形態に係る報知システム100Bでのサーバ3の動作は、第1の実施の形態に係る報知システム100Aでのサーバ3の動作(
図3)に対して、ステップS204をさらに有する点が異なる。第1の冷蔵庫1Aの動作の流れは、第1の実施の形態に係る報知システム100Aでの第1の冷蔵庫1Aの動作の流れ(
図2)、又は、第1の実施の形態の第1~第4の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作の流れ(
図4~
図7)と同じである。
【0065】
第2の実施の形態に係るサーバ3のプロセッサ31は、第1の冷蔵庫1AからステップS111での異常の通知を受けると(ステップS201でYES)、複数の機器からなる機器群の中から、所定の条件を用いて報知用機器を決定する(ステップS203)。第2の実施の形態に係る報知システム100Bにおいても、所定の条件は第1の冷蔵庫1Aと異なる機器である。すなわち、サーバ3のプロセッサ31は、機器群のうちの、第1の冷蔵庫1Aと異なる機器を報知用機器に決定する。この例では、プロセッサ31は、冷蔵庫群のうちの第1の冷蔵庫1Aと異なる第2の冷蔵庫1Bを報知用機器に決定する。
【0066】
第2の実施の形態に係る報知システム100Bにおいて、サーバ3のプロセッサ31はセンシング結果データベース323を参照し、第2の冷蔵庫1Bのセンシング結果が人の存在が検出されたものであるか否かを判定する。センシング結果が人の存在が検出されたものである場合(ステップS204でYES)、プロセッサ31は第2の冷蔵庫1Bに対して、第1の冷蔵庫1Aの異常の報知を指示する(ステップS205)。センシング結果が人の存在が検出されたものでない場合(ステップS204でNO)、プロセッサ31はセンシング結果が人の存在が検出されたものとなるまで第2の冷蔵庫1Bに異常の報知を指示しない。
【0067】
第2の実施の形態に係る報知システム100Bにおいて以上の動作が行われることによって、報知システム100Bでは、第1の冷蔵庫1Aで発生した異常が、第1の冷蔵庫1Aに対応付けられている他の機器である第2の冷蔵庫1Bの、近傍に人の存在が検出されるタイミングで報知される。すなわち、第2の冷蔵庫1Bの近傍に人がいないときには報知がなされず、人がいるときに第1の冷蔵庫1Aの異常が報知される。そのため、人の存在が検出されていない機器による不要な報知が抑えられるとともに、第1の冷蔵庫1Aでの異常が人に検知される確率を高めることができる。
【0068】
[変形例]
上の例では、サーバ3のプロセッサ31は、第2の冷蔵庫1Bにおいて近傍に人がいることが検出されるまで第2の冷蔵庫1Bへの報知の指示を待機する。他の例として、サーバ3のプロセッサ31は、第2の冷蔵庫1Bにおいて近傍に人がいることが検出されない場合に、第1の冷蔵庫に通知してもよい。
【0069】
図10は、第2の実施の形態の変形例に係るサーバ3の動作の流れの一例を表したフローチャートである。第2の実施の形態の変形例に係るサーバ3の動作は、第2の実施の形態に係るサーバ3の動作(
図9)に対してステップS206をさらに有する点が異なる。
【0070】
すなわち、第2の実施の形態の変形例に係るサーバ3では、プロセッサ31は、第2の冷蔵庫1Bのセンシング結果が人の存在が検出されたものでない場合(ステップS204でNO)、第1の冷蔵庫1Aに対して、第2の冷蔵庫1Bにおいて報知がされていないことを通知する(ステップS206)。ステップS206では、一例として、プロセッサ31は通信部33に、第2の冷蔵庫1Bにおいて報知がされていないことを示す信号を第1の冷蔵庫1Aに対して送信させる。これにより、第1の冷蔵庫1Aでは、規定の動作を行うことができる。
【0071】
図11は、第2の実施の形態の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作の流れの一例を表したフローチャートである。第2の実施の形態の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作は、第1の実施の形態に係る1の冷蔵庫1Aの動作(
図2)に対してステップS112A,S112,S118をさらに有する点が異なる。すなわち、第2の実施の形態の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aでは、プロセッサ11は、サーバ3からステップS206での第2の冷蔵庫1Bにおいて報知がされていないことの通知を受けると(ステップS112AでYES)、動作モードを保護モードに切り替える(ステップS112)。保護モードは、第1の実施の形態の第4の変形例で説明されたものと同じである。これにより、第1の冷蔵庫1Aでは、規定の動作として、保護モードに規定された動作が行われる。
【0072】
異常が解消したことを検知すると(ステップS115でYES)、プロセッサ11はサーバ3に異常の解消を通知する(ステップS117)とともに、動作モードを保護モードから通常モードに復帰させる(ステップS118)。
【0073】
これにより、第2の実施の形態の変形例に係る報知システム100Bでは、第2の冷蔵庫1Bの近傍に人の存在が検出されるまでの間、第1の冷蔵庫1Aにおいて動作モードが保護モードに切り替わる。このため、第2の冷蔵庫1Bの近傍に直ちに人が庫内場合であっても、第1の冷蔵庫1Aでは保護モードに切り替わっているため、異常による影響が抑えられる。
【0074】
[第3の実施の形態]
図12は、第3の実施の形態に係る報知システム100Bの構成、及び、報知システム100Cに含まれる各装置の機能的な概略構成を示す図である。報知システム100Cは、第1の冷蔵庫1Aと、第1の冷蔵庫1Aとは異なる複数台の機器と、第1の冷蔵庫1A及び複数台の機器と通信可能なサーバ3と、を備える。
図12の例では、報知システム100Cは、複数台の機器として複数台の第2の冷蔵庫1B,1Cを含む。
【0075】
第3の実施の形態に係る報知システム100Cにおいて、サーバ3のコントローラ30は、第1の冷蔵庫1Aを含む複数台の他の機器からなる機器群の中から、所定の条件を用いて報知用機器を決定する。この例においては、コントローラ30は、第1の冷蔵庫1A及び複数台の第2の冷蔵庫1B,1Cからなる冷蔵庫群の中から報知用機器を決定する。
図12の例では、報知システム100Cが2台の第2の冷蔵庫1B,1Cを含む例が示されているが、報知システム100Cは、3台以上の第2の冷蔵庫1B,1C,…を含んでもよい。
【0076】
各冷蔵庫1A,1B,1Cは、それぞれ人感センサ16を備える。人感センサ16は第2の実施の形態において説明されたものと同様である。各冷蔵庫1A,1B,1Cのプロセッサ11は、それぞれ、所定範囲内である近傍に人が存在することを示すセンサ信号SGa,SGb,SGcをサーバ3に送信する。センサ信号SGa,SGb,SGcは、人が存在しないことを示す信号であってもよいし、人の存在の有無を示す信号であってもよい。
【0077】
サーバ3のプロセッサ31は、各冷蔵庫1A,1B,1Cから送信されたセンサ信号SGa,SGb,SGcを通信部33によって受信すると、センシング結果をセンシング結果データベース323に書き込む。センシング結果データベース323には、各冷蔵庫1A,1B,1Cの最新のセンシング結果が判定可能なようにセンシング結果が書き込まれる。
【0078】
図13は、第3の実施の形態に係る報知システム100Cでのサーバ3の動作の流れの一例を表したフローチャートである。第3の実施の形態に係る報知システム100Cでのサーバ3の動作は、第1の実施の形態に係る報知システム100Aでのサーバ3の動作(
図3)に対して、ステップS203に替えてステップS203Aを有する点が異なる。ステップS203Aは、ステップS301,S303をさらに有する。第1の冷蔵庫1Aの動作の流れは、第1の実施の形態に係る報知システム100Aでの第1の冷蔵庫1Aの動作の流れ(
図2)、又は、第1の実施の形態の第1~第4の変形例に係る第1の冷蔵庫1Aの動作の流れ(
図4~
図7)と同じである。また、
図13では省略されているが、第2の冷蔵庫の動作の流れも、第1の実施の形態に係る報知システム100Aでの第2の冷蔵庫1Bの動作の流れ(
図3)と同じである。
【0079】
第3の実施の形態に係るサーバ3のプロセッサ31は、第1の冷蔵庫1AからステップS111での異常の通知を受けると(ステップS201でYES)、複数の機器からなる機器群の中から、所定の条件を用いて報知用機器を決定する(ステップS203A)。第3の実施の形態に係る報知システム100Cにおいて、所定の条件は近傍に人の存在が検出された機器である。
【0080】
詳しくは、プロセッサ31は、センシング結果データベース323から冷蔵庫群の各冷蔵庫1A,1B,1Cのセンシング結果を読み出す(ステップS301)。プロセッサ31は、冷蔵庫群の各冷蔵庫1A,1B,1Cの中のセンシング結果が人の存在が検出されたものである冷蔵庫をすべて、報知用機器に決定する(ステップS303)。そのため、第3の実施の形態に係る報知システム100Cでは、複数台の冷蔵庫が報知用機器となり得る。一例として、近傍の人の存在が操作信号などに基づいてユーザ操作によって検出される場合、直近で使用された機器が報知用機器に決定される。
【0081】
第3の実施の形態に係る報知システム100Cにおいて以上の動作が行われることによって、報知システム100Cでは、第1の冷蔵庫1Aで発生した異常が、第1の冷蔵庫1Aに対応して登録されている機器群のうちの、近傍に人の存在が検出された機器全てによって報知される。一例として、冷蔵庫群の各冷蔵庫1A,1B,1Cのうち、複数台の冷蔵庫において人の存在が検出された場合、複数台の冷蔵庫によって第1の冷蔵庫1Aで発生した異常が報知される。そのため、人の存在が検出されていない冷蔵庫による不要な報知が抑えられるとともに、第1の冷蔵庫1Aでの異常が人に検知される確率を高めることができる。
【0082】
上記の例では、冷蔵庫群に第1の冷蔵庫1Aも含まれる。すなわち、この例では、第1の冷蔵庫1Aと、第1の冷蔵庫1A以外の機器(例えば第2の冷蔵庫1B)とからなる機器群中から報知用機器を決定する処理が行われる。そのため、センシング結果によっては、第1の冷蔵庫1A自身も報知用機器となり得る。他の例として、ステップS203Aでは、冷蔵庫群のうちの第1の冷蔵庫1A以外の、複数台の第2の冷蔵庫1B,1Cのうちからセンシング結果に応じて報知用機器が決定されてもよい。第1の冷蔵庫1Aを複数の機器群の中から報知用機器が決定されることによって、第1の冷蔵庫1Aのみが報知する場合よりも報知が柔軟に行われる。すなわち、この例の場合では、近傍に人が存在する機器を報知用機器とすることで、人の存在が検出されていない機器による不要な報知が抑えられるとともに、第1の冷蔵庫1Aでの異常が人に検知される確率を高めることができる。
【0083】
[変形例]
上の例では、冷蔵庫群の各冷蔵庫1A,1B,1Cのうち、複数台の冷蔵庫において人の存在が検出された場合、複数台の冷蔵庫によって一斉に第1の冷蔵庫1Aで発生した異常が報知される。他の例として、人の存在が検出された複数台の冷蔵庫が、順に第1の冷蔵庫1Aで発生した異常を報知してもよい。報知する順は、一例として、予め規定されている優先順位である。優先順位は、所定の操作によってサーバ3に設定されてもよい。又は、優先順位は、冷蔵庫の設置時期など規定のパラメータに従ってサーバ3が自動的に設定してもよい。例えば、近傍に人が存在することが検出された順、などに応じてサーバ3が優先順位を設定してもよい。
【0084】
図14は、第3の実施の形態の変形例に係る報知システム100Cでのサーバ3の動作の流れの一例を表したフローチャートである。第3の実施の形態の変形例に係るサーバ3の動作は、第3の実施の形態に係るサーバ3の動作(
図13)に対して、ステップS205~S207に替えてステップS305~S313を有する点が異なる。
【0085】
すなわち、第3の実施の形態の変形例に係るサーバ3では、複数台の冷蔵庫が報知用機器と決定された場合、プロセッサ31は、複数台の報知用機器のうちの予め規定されている優先順位の最も高い冷蔵庫に対して、第1の冷蔵庫1Aの異常の発生の報知を指示する(ステップS305)。ステップS305で報知を指示してから規定時間内に第1の冷蔵庫1AからステップS111での異常の通知を受け付けなかった場合(ステップS307でNO)、ステップS305で報知が指示された報知用機器からの報知によっては、異常が解消されていない。この場合、プロセッサ31は、ステップS305で報知を指示した報知用機器に対して報知の終了を指示するとともに、次に優先順位の高い冷蔵庫に対して、第1の冷蔵庫1Aの異常の発生の報知を指示する(ステップS309)。すなわち、ステップS309でプロセッサ31は、報知を行わせる冷蔵庫を切り替える。
【0086】
ステップS309で報知を指示してから規定時間内に第1の冷蔵庫1AからステップS111での異常の通知を受け付けなかった場合(ステップS311でNO)、複数台の報知用機器の中に次に優先順位の高い報知用機器がある場合には(ステップS313でYES)、プロセッサ31は、ステップS309の動作を再度行う。複数台の報知用機器の中に次に優先順位の高い報知用機器がない場合には(ステップS313でNO)、プロセッサ31は、ステップS305からの動作を繰り返す。
【0087】
これにより、第3の実施の形態の変形例に係る報知システム100Cでは、冷蔵庫群の複数台の冷蔵庫において近傍に人の存在が検出されていると、これら複数台の冷蔵庫で順に報知がなされる。そのため、報知の時点で報知用機器の近傍に人がいなくなった場合でも、次に優先順位の高い報知用機器で報知がされる。その結果、第1の冷蔵庫1Aでの異常が人に検知される確率をより高めることができる。
【0088】
[変形例]
以上の第1~第3の実施の形態に係る報知システム100A,100B,100Cでは、第1の冷蔵庫1Aでの異常が報知用機器によって報知される。他の例として、サーバ3は、報知用機器に加えて、特定の他の機器(例えば他の装置9(
図1、
図8、
図12))に報知を指示してもよい。又は、報知用機器による報知の後、規定時間内に異常が解消されない場合に、サーバ3は他の装置9に報知を指示してもよい。他の装置9は、常時電源に接続されて給電状態にあり、かつ、サーバ3と通信可能な機器であり、さらに、報知部を有する機器である。他の装置9は、例えば、第1の冷蔵庫1Aとは異なる他の冷蔵庫、エアコン、空気清浄機、自動調理機、自動掃除機、洗濯機、スマートフォンやウェアラブルウォッチなどの端末装置、テレビ、ホワイトボード、などであってもよい。これにより、異常が人に検知される確率を高めることができる。
【0089】
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0090】
1A:第1の冷蔵庫,1B,1C:第2の冷蔵庫、3:サーバ、14:ドアセンサ、15:ブザー(報知部)、16:人感センサ、30:コントローラ、100A,100B,100C:報知システム