(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002794
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】端末装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/166 20200101AFI20241226BHJP
【FI】
G06F40/166
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103149
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】717005132
【氏名又は名称】株式会社LegalOn Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】駒ヶ嶺 亮一
(72)【発明者】
【氏名】山越 祐希
(72)【発明者】
【氏名】高木 勇気
(72)【発明者】
【氏名】米屋 孝貢
(72)【発明者】
【氏名】中野 学
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109SA14
(57)【要約】
【課題】ウェブブラウザ上で文書作成を支援する際に、従来に比してユーザの操作負担が軽い技術を提供すること。
【解決手段】本実施形態に係る端末装置は、少なくとも1つのプロセッサを備える。前記少なくとも一つのプロセッサは、文書情報に名義情報を含む編集情報を付与し、前記名義情報を前記文書情報の編集画面において切り替える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
文書情報に名義情報を含む編集情報を付与し、
前記名義情報を前記文書情報の編集画面において切り替える、
端末装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記編集画面を操作するユーザとは異なる編集者名を、前記ユーザの指示により選択、編集、削除および/または追加可能である、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記名義情報を、ユーザの名称から編集者名に切り替える、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記編集情報は、前記編集画面における編集対象の文書に対する前記ユーザの指示により前記編集画面において編集された編集内容と、前記編集内容の入力時における前記編集者名とを関連付けて生成される、
請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記編集画面において、以前の編集操作で用いられた編集者名または前記ユーザの名称を、デフォルトでの名義情報としてディスプレイ装置に表示させる、
請求項3に記載の端末装置。
【請求項6】
前記文書情報は、契約に関する法的文書データ、または法的文書に関する文書データであり、
前記編集画面は、前記文書情報に関するレビューを入力可能な画面である、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項7】
前記編集情報は、文書情報の変更履歴またはコメントである、
請求項1から6のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項8】
コンピュータに、
文書情報に名義情報を含む編集情報を付与する機能と、
前記名義情報を前記文書情報の編集画面において切り替える機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【請求項9】
文書情報に名義情報を含む編集情報を付与し、
前記名義情報を前記文書情報の編集画面において切り替えること、
を備えた情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、端末装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、文書作成ソフト等において、文書中の任意の位置に修正履歴またはコメント等の編集情報を付与する技術がある。この編集情報には誰が編集したかに関する名義情報が含まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Microsoft、 ”コメントを挿入、削除、または変更する”、[online]、[令和5年6月22日検索]、インターネット<https://support.microsoft.com/ja-jp/office/insert-delete-or-change-a-comment-5cb1af25-4dfe-4484-9713-2c80391ecf12>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
文書のレビュー時において、名義情報を種々の理由で変更したい場合がある。しかし、従来の文書作成ソフトでは、名義情報を変更するために環境設定等からの各種操作が必要となる場合がある。すなわち、従前の文書作成ソフトなどにおいては、柔軟に名義情報を変更することが困難な場合がある。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、従来に比してユーザの操作負担が軽い技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態にかかる端末装置は、少なくとも1つのプロセッサを備える。前記少なくとも一つのプロセッサは、文書情報に名義情報を含む編集情報を付与し、前記名義情報を前記文書情報の編集画面において切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る文書作成支援システムの概要を説明するための概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態の情報処理装置のプロセッサにおける機能ブロックの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る端末装置のプロセッサにおける機能ブロックの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る文書レビュー処理において端末装置のディスプレイに表示される文書レビュー画面の一例を示した図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る文書編集処理において端末装置のディスプレイに表示される文書編集画面の一例を示した図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る文書作成支援処理の流れを示したフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係り、名義情報の表示領域上に配置されたカーソルに対するクリック操作によりプルダウンされた編集者名の一覧の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係り、文書編集画面において、
図9における「+編集者名を編集・追加」を押下された場合の編集者名の入力領域の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係り、文書編集画面において、
図7に示す編集者名「Taro Henshu」から、「LegalOn 法務部」へ、名義情報が変更された一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係り、文書編集画面において、文字列がカーソルによりドラッグされた場所に関するコメントの入力領域の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係り、文書編集画面において、コメントが入力された場合における文書レビュー領域の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係り、文書編集領域において、追記部分にカーソルが移動された時点における表示例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態の第3変形例に係る文書作成支援処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、説明は必要な場合に行う。また、実施形態は、他の実施形態、変形例、従来技術との組み合わせが可能である。
【0009】
図1は、本実施形態に係る文書作成支援システムSの概要を説明するための概略図である。
図1に示した様に、文書作成支援システムSは、文書作成支援システムとして機能するものであり、例えば、実施形態に係る情報処理装置10、情報処理装置10とネットワークNを介して通信可能である少なくとも一つの端末装置T1~TNを備える。端末装置T1~TNは、例えば、それぞれユーザP1~PNによって操作される。なお、端末装置T1~TNについては、端末装置T1の構成を例として説明する。
【0010】
文書作成支援システムSは、例えば、ブラウザ上での文書作成を支援するシステムである。本明細書において、文書とは、例えば、ある規則、法律、慣習、など一定のルールまたは基準に沿うように作成されるあらゆる言語の文書を意味する。本明細書において、文書データとは、例えば、データ形式は問わないが、文書を編集可能にデータ化した情報を意味する。文書データは、典型的にはテキストデータであるが、画像データ、表形式のデータ等のデータを含むこともできる。また、文書又は文書データは、必要に応じて、文書作成ソフトによって作成されるメタ情報(バージョン、作成日、更新日、作成者、更新者(編集者と称されてもよい))、書式情報(下線やマーカ等の装飾、フォント、インデント等)、変更履歴情報、コメント情報、チャット情報等を含む。また、文書又は文書データは、文書情報と称されてもよい。
【0011】
以下においては説明を具体的にするため、文書作成支援システムSが取り扱う文書(支援対象文書という場合がある)が日本語による法的文書(例えば契約書)である場合を例とする。しかしながら、文書作成支援システムSが取り扱う文書は、契約書以外であってもよく、また、日本語以外の言語であってもよい。例えば、英語の社内規程であってもよい。
【0012】
本実施形態の文書作成支援サービスとは、例えば、ウェブブラウザ上において、支援対象文書に対し文書レビュー処理を実行しその結果をユーザに提供すること、ユーザからの指示に応答して文書編集を実行すること、編集後の文書を保存すること又はユーザに提供すること、支援対象文書に関連付けされた付加情報(例えば、メタ情報、コメント情報、チャット情報、書式情報等)を編集すること、新たな文書(複製も含む)を作成すること、複数の文書を比較すること(例えば差分情報を明示すること)、支援対象文書を自動校正すること、の少なくともいずれかを含むことができる。
【0013】
なお、本明細書において、文書レビュー処理とは、ある基準に基づいて支援対象文書に含まれる情報を解析ないし評価しその結果を出力する処理である。例えば、文書レビュー処理は、ある基準に基づいて支援対象文書に含まれる情報が適切か否かをチェック、審査することを含む処理である。具体的には、例えば、文書中の文言と予め準備されたチェックリストとの突合せと、突合せの結果またはチェックリストに含まれる指摘を出力すること等が含まれる。また、編集とは、編集対象に含まれる情報を追加、削除、変更することを意味する。
【0014】
支援対象文書に関連付けされたメタ情報とは、例えば、文書ID、文書の類型(例えば取引基本契約、秘密保持契約、業務委託契約等の類型)、バージョン、作成日時、更新日時、アップロード日時、作成者、更新者、期限、関連文書の文書IDのうちの少なくとも一つを含む。
【0015】
本実施形態の支援対象文書に関連付けされたコメント情報は、例えば、当該文書の作成に関わる少なくとも一人のユーザによって作成される付加情報であり、例えば支援対象文書のバージョン毎に関連付けされ管理される。支援対象文書に関連付けされたコメント情報は、文書作成ソフトによって作成されるコメントとは別の情報であってもよく必要に応じて文書作成ソフトによって作成されるコメントを含むこともできる。
【0016】
本実施形態のチャット情報とは、例えば、支援対象文書の作成に関わる複数のユーザ間において、当該支援対象文書についてチャット機能を利用して生成される付加情報であり、例えば支援対象文書の複数のバージョンに関連付けして管理される。これらの付加情報は、テキストデータであってもよく、画像、音声等の他のデータ形式を含んでもよい。
【0017】
本実施形態の支援対象文書は、端末装置T1からアップロードされた文書ファイルであってもよく、オンラインエディタ上で新規に作成されたファイルであってもよく、またはすでにアップロードされて保存または・及び編集されたファイルであってもよい。
【0018】
端末装置T1は、例えば、文書作成支援サービスを利用するユーザP1によって管理されるクライアント装置である。本実施形態の端末装置T1は、情報処理装置10からの情報に基づいて、ディスプレイ装置30の画面上において、文書レビュー結果と編集用データとを表示する。本実施形態において、ユーザは、端末装置T1のディスプレイ装置30の画面に表示された文書レビュー結果、編集画面を利用して、支援対象文書に対する文書レビュー参照、コメント入力、コメント参照、チャット情報入力、チャット情報参照、文書編集処理、文書保存、編集者名の追加・変更等の操作を行うことができる。
【0019】
次に、本実施形態の情報処理装置10及び端末装置T1の具体的な構成について説明する。
【0020】
(情報処理装置10)
本実施形態の情報処理装置10は、クライアント装置と通信で接続され、クライアント装置からの要求に応じて各種の処理を行う装置である。例えば、文書作成支援サービスを提供する事業者によって管理されるサーバ装置である。情報処理装置10は、例えばクライアント装置としての端末装置T1からネットワークNを介して受け取る文書作成支援依頼に応答して、端末装置T1に対して文書作成支援サービスを提供する。具体的には、本実施形態の情報処理装置10は、文書作成支援サービスにおいて、文書編集処理を実行、または実行するための情報をクライアント装置に提供する。
【0021】
図2は、実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示した様に、情報処理装置10は、コンピュータであり、一例として、プロセッサ11、主記憶装置(メモリ)13、補助記憶装置(メモリ)15、ネットワークインタフェース17、デバイスインタフェース18、各構成要素を接続するバス19を備える。
【0022】
図2に示した情報処理装置10は、各構成要素を一つ備えているが、同じ構成要素を複数備えていてもよい。また、
図2では、1台の情報処理装置10が示されているが、例えば、ソフトウェアが複数台のコンピュータにインストールされて、当該複数台のコンピュータそれぞれがソフトウェアの同一の又は異なる一部の処理を実行してもよい。この場合、コンピュータそれぞれがネットワークインタフェース17等を介して通信して処理を実行する分散コンピューティングの形態であってもよい。つまり、本実施形態における情報処理装置10は、1又は複数の記憶装置に記憶された命令を1台又は複数台のコンピュータが実行することで後述の各種機能を実現するシステムとして構成されてもよい。また、一部の処理が端末装置T1において行われてもよい。
【0023】
情報処理装置10の各種演算は、1又は複数のプロセッサを用いて、又は、ネットワークを介した複数台のコンピュータを用いて、並列処理で実行されてもよい。また、各種演算が、プロセッサ内に複数ある演算コアに振り分けられて、並列処理で実行されてもよい。また、本開示の処理、手段等の一部又は全部は、ネットワークを介して情報処理装置10と通信可能なクラウド上に設けられたプロセッサ及び記憶装置の少なくとも一方により実行されてもよい。このように、本実施形態における文書作成支援システムSの処理は、は、1台又は複数台のコンピュータによる並列コンピューティングの形態であってもよい。
【0024】
プロセッサ11は、情報処理装置10の制御装置及び演算装置を含む電子回路(処理回路、Processing circuit、Processing circuitry、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等)であってもよい。また、プロセッサ11は、専用の処理回路を含む半導体装置等であってもよい。プロセッサ11は、電子論理素子を用いた電子回路に限定されるものではなく、光論理素子を用いた光回路により実現されてもよい。また、プロセッサ11は、量子コンピューティングに基づく演算機能を含むものであってもよい。
【0025】
プロセッサ11は、情報処理装置10の内部構成の各装置等から入力されたデータやソフトウェア(プログラム)に基づいて演算処理を行い、演算結果や制御信号を各装置等に出力することができる。プロセッサ11は、情報処理装置10のOS(Operating System)や、アプリケーション等を実行することにより、情報処理装置10を構成する各構成要素を制御してもよい。
【0026】
本実施形態における情報処理装置10は、1又は複数のプロセッサ11により実現されてもよい。ここで、プロセッサ11は、1チップ上に配置された1又は複数の電子回路を指してもよいし、2つ以上のチップあるいは2つ以上のデバイス上に配置された1又は複数の電子回路を指してもよい。複数の電子回路を用いる場合、各電子回路は有線又は無線により通信してもよい。
【0027】
主記憶装置13は、プロセッサ11が実行する命令及び各種データ等を記憶する記憶装置であり、主記憶装置13に記憶された情報がプロセッサ11により読み出される。補助記憶装置15は、主記憶装置13以外の記憶装置である。なお、これらの記憶装置は、電子情報を格納可能な任意の電子部品を意味するものとし、半導体のメモリでもよい。半導体のメモリは、揮発性メモリ、不揮発性メモリのいずれでもよい。本実施形態に係る情報処理装置10において用いられる各種データを保存するための記憶装置は、主記憶装置13又は補助記憶装置15により実現されてもよく、プロセッサ11に内蔵される内蔵メモリにより実現されてもよい。例えば、本実施形態における記憶部109は、主記憶装置13又は補助記憶装置15により実現されてもよい。
【0028】
記憶装置(メモリ)1つに対して、複数のプロセッサが接続(結合)されてもよいし、単数のプロセッサ11が接続されてもよい。プロセッサ1つに対して、複数の記憶装置(メモリ)が接続(結合)されてもよい。本実施形態における情報処理装置10が、少なくとも1つの記憶装置(メモリ)とこの少なくとも1つの記憶装置(メモリ)に接続(結合)される複数のプロセッサで構成される場合、複数のプロセッサのうち少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの記憶装置(メモリ)に接続(結合)される構成を含んでもよい。また、複数台のコンピュータに含まれる記憶装置(メモリ)とプロセッサ11とによって、この構成が実現されてもよい。さらに、記憶装置(メモリ)がプロセッサ11と一体になっている構成(例えば、L1キャッシュ、L2キャッシュを含むキャッシュメモリ)を含んでもよい。
【0029】
ネットワークインタフェース17は、無線又は有線により、ネットワークNに接続するためのインタフェースである。ネットワークインタフェース17は、既存の通信規格に適合したもの等、適切なインタフェースを用いればよい。ネットワークインタフェース17により、ネットワークNを介して接続された外部装置と情報のやり取りが行われてもよい。なお、ネットワークNは、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、PAN(Personal Area Network)等の何れか、又は、それらの組み合わせであってよく、情報処理装置10と外部装置との間で情報のやり取りが行われるものであればよい。WANの一例としてインターネット等があり、LANの一例としてIEEE802.11やイーサネット(登録商標)等があり、PANの一例としてBluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)等がある。
【0030】
デバイスインタフェース18は、例えば、表示装置等の出力装置、入力装置、および外部装置と直接接続するUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースである。また、外部装置は、記憶装置(メモリ)、ネットワークストレージ、HDD等のストレージであってもよい。また、外部装置は、本実施形態における情報処理装置10の構成要素の一部の機能を有する装置でもよい。つまり、情報処理装置10は、外部装置の処理結果の一部又は全部を、送信又は受信してもよい。
【0031】
図3は、プロセッサ11における機能ブロックの一例を示す図である。プロセッサ11は、当該プロセッサ11により実現される機能として、例えば、解析部103、編集処理部105、第1制御部107、記憶部109を備える。解析部103、編集処理部105、第1制御部107、記憶部109により実現される機能は、それぞれプログラムとして、例えば、主記憶装置13または補助記憶装置15などに格納される。プロセッサ11は、主記憶装置13または補助記憶装置15などに格納されたプログラムを読み出し、実行することで、解析部103、編集処理部105、第1制御部107、記憶部109に関する機能を実現することができる。
【0032】
本実施形態の解析部103は、端末装置T1から受け取った支援対象文書の文書データ(第1の文書データの一例)を用いて文書レビュー処理を実行する。すなわち、本実施形態の解析部103は、文書レビュー処理として、文書データに関して後述する文書レビュー情報を生成する。
【0033】
解析部103は、例えば、文書(文書データ)に含まれる情報、例えば文書レビュー情報の生成に必要な情報を抽出する。文書データから情報を抽出する方法は、種々の技術を採用することができる。例えば、文書データのキーワード検索を行い、キーワード付近に含まれる文字数字等を抽出するものであっても良い。また、形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析により情報を抽出することもできる。さらに、機械学習を用いた自然言語処理により情報を抽出するものであっても良い。また、これらの処理に先立って、受信した文書データからテキストデータ等の文書レビューに必要な情報を抽出してもよく、OCR等の処理で画像データからテキストデータを抽出する処理を行ってもよい。なお、受信した文書に対し、上述のような文書レビュー情報の生成に必要な情報の抽出等を行わずに、文書レビュー処理を行ってもよい。
【0034】
本実施形態の解析部103は、文書レビュー処理を行い、文書レビュー情報を生成する。文書レビュー情報は、例えば、文書に適用されるルールまたは基準に基づいて(例えば、ある規則、法律、慣習)、文書を解析して得られた情報に基づく。本実施形態の様な契約書のレビュー情報としては、(1)文書(本実施形態では契約書)に含まれている条項が、ユーザ(当事者)にとって有利なものであるか、不利なものであるかの指摘、(2)契約書に含まれている条項に対する修正、削除に関する助言(3)その契約書に通常含まれるべき項目が欠落していることの指摘、及び追加すべき項目の提案、(4)各レビュー結果の項目の重要度や推奨される度合の情報等を挙げることができる。上記の情報を用いることで、ユーザは契約書に含まれる法的リスクの把握や修正提案を含む契約レビュー対応を容易に行うことが可能となる。また、文章の体裁が基準に合致しているか等の書式情報、定められた用語が使用されているかも含まれてもよい。
【0035】
なお、解析部103が実行する文書レビュー情報の生成は、種々の技術を採用することができる。例えば、抽出した情報を用いてルールベースにより文書レビュー情報を生成してもよい。また、文書の情報や抽出した情報を入力とし、対応する文書レビュー情報を出力する学習済モデルを用いることもできる。さらに、ルールベースによる手法と学習済モデルとを組み合わせを採用することもできる。また、文書レビュー情報の生成の前に、文書を条・項・号等に単位で分割してもよい。
【0036】
また、解析部103は、支援対象文書に関連付けされたメタ情報を利用することで、ユーザ(当事者)の立場に応じた文書レビュー情報を生成することも可能である。さらに、解析部103は、他の文書(当該支援対象文書の他のバージョン、当該支援対象文書と関連性のある他の契約書等)の内容も参照して、文書レビュー情報を生成することもできる。メタ情報は、文書の作成者などの文書のファイル自体に付与されているものもファイルとは別途入力されるなどしてユーザ等により付与されたものも含む。
【0037】
本実施形態の編集処理部105は、第1制御部107を介して受け取った支援対象文書(文書データ)のデータ形式を変換し編集用データを生成する。編集用データは、編集情報と称されてもよい。例えば、編集処理部105は、第1制御部107を介して受け取った「DOCX」形式の文書データを「JSON」形式に変換し編集用データを生成する。
【0038】
また、本実施形態の編集処理部105は、第1制御部107を介して端末装置T1から受け取る編集指示に応答して、編集用データに対し編集処理を実行する。ここで、編集処理部105が実行する編集処理には、例えば、編集用データに含まれる情報を追加、削除、変更することが含まれる。より具体的には、編集用データに対する単語、文章、文字装飾(例えば、フォント、文字の色、文字の大きさ、文字の太さ、下線、取り消し線等)の追加、修正、削除を含む。
【0039】
また、編集処理部105が実行する編集処理は、書式編集処理、単語入力補助処理、文案サジェスト処理、指摘事項抽出処理、差分情報抽出処理を含むことができる。
【0040】
ここで、書式編集処理とは、編集用データの文書としての書式を修正する処理である。例えば、書式編集処理により、インデント、箇条書きの行先頭、右寄せ・左寄せ、条項番号のずれ等が、システムにより、好ましくは自動的に修正される。編集処理部105は、例えば編集用データに対応する支援対象文書の書式情報を参照し、これに基づいて編集用データに対する書式編集処理を実行する。また、文書としての書式の設定は、契約書など支援対象文書の類型に基づいてあらかじめ、情報処理装置10または端末装置T1等に保存されていることが好ましい。例えば、契約書や社内規程等の法的文書の場合には、条、項、号の順で、条項の番号が小さい順に並び、条、項、号の順にインデントが大きくなるよう設定されてもよい。また、編集処理部105は、支援対象文書のメタ情報に基づいて類型に応じた書式編集処理を実行することができる。なお、この書式設定は、ユーザにより作成されてもよく、文書作成支援サービスの一部として提供されてもよく、また提供された設定がユーザによりカスタマイズして作成されてもよい。また、支援対象文書の書式設定を解釈し、それに基づいて作成されてもよい。
【0041】
本実施形態の単語入力補助処理とは、文書データの編集時に、次に入力する候補の単語や文節を提示するなどして、入力を補助する処理である。これにより、ユーザの編集時における入力操作を支援し作業負担を軽減することができる。例えば、支援対象文書の類型に応じて頻出する単語等を入力候補として提示することができる。また、ユーザやユーザの所属する団体が保管する支援対象文書を解析し、よく用いられている単語等を提示してもよい。また、ユーザが単語や文節を設定してもよい。編集処理部105は、支援対象文書のメタ情報に基づいて類型に応じた入力候補単語を決定することができる。この入力補助処理で提示される単語等は、例えば、後述する画面の左ウインドウ(文書編集窓内)に表示される。
【0042】
本実施形態の文案サジェスト処理とは、編集時において、入力候補の文案を表示する処理である。例えば、文書が契約書である場合には、条文案文例を蓄積したデータベースから、契約書の少なくとも一部の修正内容に基づく修正文例を読み出して文案候補として提示することが挙げられる。これにより、ユーザの編集時における入力操作を支援し作業負担を軽減することができる。
【0043】
編集処理部105は、所定の文案候補を提示してもよく、ユーザ又は文書作成支援サービスの提供者により定められた文案候補を提示してもよく、大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)等を用いた本システム内またはシステム外部の文章生成サービスが生成した文案候補を提示してもよく、支援対象文書の類型に応じて頻出する文案候補を提示することもできる。また、ユーザやユーザの所属する団体が保管する支援対象文書を解析し、他の文書よりもよく用いられている文案候補を提示してもよい。複数の文例候補が存在する場合には、さらに過去の文書作成支援サービスにおける条文の採択率(提案された条文がユーザに選択された割合)や採択頻度に基づき文案候補を少なくとも一つ選択し、採択率の高い候補から優先的にユーザに提示することができる。なお、提示される文案候補は、例えば文書レビュー情報として、或いは他の情報として提示することもできる。
【0044】
編集処理部105は、提示された文案候補に基づいた編集指示、例えばドラッグアンドドロップ操作による指示に応答して、編集用データを編集することもできる。この提案される文案は、後述する文書レビュー領域等において、文書の対応部分と相互に位置対応付けして表示されてもよい。例えば、文案候補は、文書の対応部分に近接して表示されてもよい。この様な表示により、文案候補と文書の対応部分とを少ない視線移動によって様に見比べることができ、ユーザの負担を軽減することができる。
【0045】
本実施形態の指摘事項抽出処理とは、例えば、編集用データ及び当該編集用データに対応する文書データの少なくとも一方に関する指摘事項(例えば、編集用データに対応する文書データについての文書レビュー情報、コメント情報、チャット情報、当該編集用データに対する修正履歴、文書作成ソフトの機能により作成された文書データのコメント等)を抽出し、ユーザに提示するものである。本実施形態の編集処理部105は、抽出した指摘事項を、所定の表示形態にてユーザに提示する。指摘事項は、指摘事項が指摘する文書の部分と重ならない領域、例えば編集領域と並んだ文書レビュー領域62、ポップアップウインドウ等の独立した(個別の)ウインドウに一覧で表示されることが好ましい。
【0046】
また、指摘事項抽出処理と文案サジェスト処理との組み合わせにより、指摘事項と当該指摘事項を解消可能な文案候補の提案が行われてもよい。この時、指摘事項、文案候補は、文書の指摘部分と相互に位置対応付けして表示されることが好ましい。例えば、指摘事項、文案候補は、対応する指摘事項に近接して表示されることが好ましい。この様な表示により、指摘事項、文案候補と文書の対応部分とを少ない視線移動によって見比べることができ、ユーザの負担を軽減することができる。
【0047】
また、指摘事項や文案候補が表示される文書レビュー領域62やポップアップウインドウ等に対しては、折り畳み表示、最小化表示、表示サイズの変更等を実行することができる。これにより、ユーザは、大きさが限られた文書編集画面を自身が見やすいように、例えば文書の指摘する部分と相互に位置合わせをして配置することができる。また、指摘事項又は文案候補の高さに基づいて、編集領域側において各条文の間隔を広げて表示してもよい。この様な表示により、指摘事項、文案候補と文書の指摘部分との対応関係をより明示的に分かり易く示すことができる。
【0048】
本実施形態の差分情報抽出処理とは、二つの文書データ、例えば、修正前の支援対象文書データと修正後の文書データとの差分情報をユーザに提示するものである。本実施形態の編集処理部105は、例えば、修正前の編集用データと修正後の編集用データとから差分情報を抽出し、例えば、差分とそれ以外の部分(つまり同じ部分)とを異なる表示とする、例えば強調表示やハイライトをする等、所定の表示形態にてユーザに提示してもよい。
【0049】
本実施形態の編集処理部105は、例えば、端末装置T1から受け取った編集指示に応答して、上述した各種編集処理を実行する。また、本実施形態の編集処理部105は、端末装置T1から受け取った保存指示に応答して編集用データのデータ形式を変換し、支援対象文書の次のバージョンとなる文書データを生成する。例えば、編集処理部105は、端末装置T1から受け取った保存指示に応答して編集用データのデータ形式を「JSON」形式に変換し、支援対象文書の次のバージョンとなる「DOCX」形式の文書データ(第2の文書データの一例)を生成する。
【0050】
第1制御部107は、例えば、ネットワークNを介して端末装置T1と情報通信を行う。具体的には、第1制御部107は、端末装置T1から送信される文書データ、文書レビュー指示、編集指示、保存指示等の各種指示を受信する。また、第1制御部107は、端末装置T1へ編集画面情報(端末装置T1側において文書編集処理を実行するための情報を含む)を送信する。第1制御部107は、端末装置T1から編集処理後の文書データを含む情報を受信する。
【0051】
本実施形態の第1制御部107は、文書レビュー処理、文書編集処理においてレイアウト情報を生成する。ここで、文書レビュー処理におけるレイアウト情報とは、例えば、端末装置T1のブラウザ画面上において、文書レビュー処理によって生成された文書レビュー情報と支援対象文書とを、相互の位置を対応付けして所定の形態で表示するための情報である。また、文書編集処理におけるレイアウト情報とは、例えば、端末装置T1のブラウザ画面上において、文書レビュー処理によって生成された文書レビュー情報と文書編集処理によって生成された編集用データとを、相互に位置対応付けして所定の形態で表示するための情報である。
【0052】
なお、相互に位置対応付けとは、例えば、ユーザの閲覧に資するよう、表示される位置を対応付けることを指し、具体的には、画面上において、例えば条項単位、段落単位、文単位で、位置を対応付けることを意味する。位置を対応付けるとは、例えば、画面上において、対応する部分が他の部分よりも高さまたは幅方向に近接して表示される、より好ましくは横並びに表示されることを含む。また、付加情報を併せて表示する場合には、レイアウト情報は、付加情報と文書レビュー情報及び編集用データとを、相互に位置対応付けするための情報を含む。レイアウト情報に含まれる付加情報のうち、メタ情報における編集者の名称(編集者名)は、名義情報の一例である。
【0053】
レイアウト情報の生成は、どの様な手法であってもよい。レイアウト情報は、文書レビュー情報に含まれる単語、文節について、検索機能により編集用データにおける位置毎(例えば、条項単位の位置又は段落単位の位置毎)に合致度をスコアリングし、最も高いスコアの位置に対応して文書レビュー情報が表示されるように、生成されてもよい。また、例えば、編集用データの条項単位又は段落単位で座標を割り当て、当該座標を該当する文書レビュー情報に関連付けすることで、条項、段落と文書レビュー情報との表示位置の対応付けを行うこともできる。
【0054】
本実施形態の第1制御部107は、解析部103において生成される文書レビュー情報、編集処理部105において生成される編集用データ、第1制御部107において生成されるレイアウト情報等の各種情報を、端末装置T1からの要求に応答して送信する。また、本実施形態の第1制御部107は、端末装置T1へ編集画面情報(端末装置T1側において編集処理を実行するための情報を含む)を送信し、端末装置T1から編集処理後の文書データを含む情報を受信する。
【0055】
記憶部109は、端末装置T1からアップロードされた文書データ、文書編集処理によって編集用データから生成された新たなバージョンの文書データ、各文書データに関連付けされた付加情報等を記憶する。
【0056】
(端末装置T1)
本実施形態の端末装置T1は、文書作成支援サービスにおいて、文書の表示および文書編集に関する情報を、情報処理装置10と送受信する。なお、本実施形態において情報処理装置10が行う処理の一部または全部は端末装置T1において行われてもよい。
【0057】
図4は、実施形態に係る端末装置T1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4に示した様に、端末装置T1は、コンピュータであり、一例として、プロセッサ21、主記憶装置(メモリ)23、補助記憶装置(メモリ)25、ネットワークインタフェース27、デバイスインタフェース28、各構成要素を接続するバス29、デバイスインタフェース28に接続されたディスプレイ装置30、デバイスインタフェース28に接続された入力装置31を備える。なお、プロセッサ21、主記憶装置23、補助記憶装置25、ネットワークインタフェース27、デバイスインタフェース28、バス29の具体的なハードウェア構成は、それぞれプロセッサ11、主記憶装置13、補助記憶装置15、ネットワークインタフェース17、デバイスインタフェース18、バス19と同様であるため、その説明は省略する。
【0058】
ディスプレイ装置30は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示装置である。ディスプレイ装置30は、プロセッサ21からの指示に基づいて、例えば後述する文書レビュー画面、文書編集画面を表示する。なお、文章編集画面は、単に、編集画面と称されてもよい。
【0059】
入力装置31は、キーボード、マウス、タッチパネル等のデバイスである。ユーザは、入力装置31を用いて、例えば後述する文書編集処理において種々の編集指示を入力することができる。入力装置31は、から入力された指示はプロセッサ21へ送り出される。
【0060】
なお、端末装置T1は、文書データの操作や編集を行うため、デバイスインタフェース18を介して接続された他の外部装置(例えば、カメラ、マイクロフォン、モーションキャプチャ、各種センサ等)を備えてもよい。
【0061】
図5は、プロセッサ21における機能ブロックの一例を示す図である。プロセッサ21は、当該プロセッサ21により実現される機能として、例えば、第2制御部40、ブラウザ部42を備える。第2制御部40、ブラウザ部42により実現される機能は、例えば、それぞれプログラムとして、例えば、主記憶装置23または補助記憶装置25などに格納される。プロセッサ21は、主記憶装置23または補助記憶装置25などに格納されたプログラムを読み出し、実行することで、第2制御部40、ブラウザ部42に関する機能を実現することができる。
【0062】
第2制御部40は、例えば、ユーザからの指示に応答してブラウザ部42を起動する。本実施形態においてはブラウザ部42により文書の閲覧または編集を行う。
【0063】
ブラウザ部42は、例えば、一般的なWebブラウザであり、HTML(Hyper Text Markup Language)データやスクリプト(例えば、JavaScript(登録商標))等に従った処理を実行する。ブラウザ部42は、例えば、起動すると、情報処理装置10に初期アクセスURLを送信しアクセスする。
【0064】
本実施形態のブラウザ部42は、情報処理装置10から受け取ったテキストデータ、画像データを含むデータを所定の形態で端末装置T1のディスプレイ装置30に表示する。より具体的には、本実施形態のブラウザ部42は、文書レビュー処理において、情報処理装置10から受け取った文書レビュー情報、文書データ、付加情報等をレイアウト情報に基づいて所定の形態で端末装置T1のディスプレイ装置30に表示し、第1制御部107から編集画面情報(文書編集処理を実行するための情報を含む)を受信する。また、本実施形態のブラウザ部42は、第1制御部107から編集画面情報(編集処理を実行するための情報を含む)を受信し、編集処理を実行する。これにより、ブラウザ部42は、編集画面における編集対象の文書に対するユーザの指示により編集画面において編集された編集内容と、編集内容の入力時における編集者名(名義情報)とを関連付けて、編集情報(編集用データ)を生成することができる。本実施形態のブラウザ部42は、文書編集処理において、情報処理装置10から受け取った文書レビュー情報、編集用データ、付加情報等をレイアウト情報に基づいて所定の形態で端末装置T1のディスプレイ装置30に表示する。
【0065】
図6は、文書レビュー処理において端末装置T1のディスプレイ装置30にウェブブラウザ画面として表示される文書レビュー画面60の一例を示した図である。
図6に示した様に、本実施形態の文書レビュー画面60では、支援対象文書は文書表示領域61に、変更履歴、コメント等の付加情報は付加情報領域67に、文書レビュー情報は文書レビュー領域62にそれぞれ表示される。
【0066】
例えば、文書表示領域61には、付加情報が表示される付加情報領域67の隣には、文書表示領域61に表示された支援対象文書及び付加情報領域67に表示された付加情報を上下方向にスクロールするためのスクロールバー64が表示される。
【0067】
また例えば、文書レビュー情報が表示される文書レビュー領域62においては、付加情報としてのコメント入力を指示するコメントボタン620、文書レビュー情報としてのコメント621、623が支援対象文書の対象とする条項と位置が対応するように表示される。
【0068】
より具体的には、本実施形態においては、支援対象文書のある条項、
図6の例においては「第1条(秘密情報の定義)」を対象とする文書レビュー情報としてのコメント621は、支援対象文書の「第1条(秘密情報の定義)」と画面高さ方向の位置が、他の条項よりも近接するように表示される。また、付加情報(
図6では変更履歴、コメント)も、支援対象文書の対象箇所「本目的」と画面高さ方向の位置が対応するように表示される。
【0069】
なお、文書表示領域61において表示された支援対象文書、付加情報領域67において表示された付加情報、文書レビュー領域62において表示された文書レビュー情報の間の位置の対応付けは、一時的なものであってもよい。例えば、支援対象文書、付加情報、文書レビュー情報が相互に位置対応付けされておらず、それぞれ文書表示領域61、付加情報領域67、文書レビュー領域62のそれぞれにおいて表示された状態において、例えば支援対象文書に対して条文にカーソルを挿入し条文付近をクリックする等の所定の操作に応答して、当該条文位置を基準として、支援対象文書、付加情報、文書レビュー情報の間の位置対応付け表示が実行されるようにしてもよい。また、支援対象文書、付加情報、文書レビュー情報の間の位置対応付け表示は、所定の操作により解除することもできる。
【0070】
また、
図6に示した本実施形態の文書レビュー画面60において、例えばスクロールバー64により文書表示領域61に表示された支援対象文書(及び付加情報領域67に表示された付加情報)を上下方向にスクロールした場合には、これに連動して、文書レビュー領域62に表示された文書レビュー情報も支援対象文書との表示位置関係を維持しながら上下方向にスクロールされる。逆に、例えばスクロールバー65により文書レビュー領域62に表示された文書レビュー情報を上下方向にスクロールした場合には、これに連動して、文書表示領域61に表示された支援対象文書(及び付加情報領域67に表示された付加情報)も文書レビュー情報との表示位置関係を維持しながら上下方向にスクロールされる。
【0071】
また、文書レビュー情報は、レビュー結果の重要度のレベルを段階的に示す情報を含んでもよい。また、例えば、文書レビュー領域62の上段において「重要度」という文字と数字が表示されているように、重要度別に指摘の結果の件数を示してもよい。
【0072】
ユーザは、文書レビュー画面上において表示された文書レビュー情報、付加情報を参照しながら、支援対象文書にどのような指摘事項があるか、どのように修正等すべきか等を容易に検討することができる。
【0073】
また、
図6に示した様に、本実施形態の文書レビュー画面においては、文書編集処理の開始を指示する編集ボタン68が表示される。ユーザは、当該編集ボタン68を操作することで、文書編集処理を開始することができる。また、
図6に示すように、文章レビュー画面では、変更履歴、コメント等を入力した編集者名(名義情報)が、名義情報の表示領域(以下、名義表示領域と呼ぶ)80に表示される。名義表示領域80に対する入力操作により、編集者名(名義情報)は、適宜、追加および/選択可能である。名義表示領域80に対する入力操作により編集者名(名義情報)が変更して選択されると、選択された編集者名に応じて、当該編集者名に対応付けられた付加情報が切り替わって表示される。なお、文書編集処理は、文書表示領域61を表示させた状態で開始されてもよい。すなわち、文書レビュー画面の表示に応答して、文書編集処理が実行可能な状態が実現されてもよい。
【0074】
図7は、本実施形態の文書編集処理において端末装置T1のディスプレイ装置30にウェブブラウザ画面として表示される文書編集画面70の一例を示した図である。
図7に示した文書編集画面70は、例えば、
図6に示した文書レビュー画面60において編集ボタン68を操作することで、ウェブブラウザ画面が切り替わり表示される。
【0075】
図7に示した様に、本実施形態の文書編集画面70において、編集用データは文書編集領域71に、文書レビュー情報は文書レビュー領域72にそれぞれ表示される。
図7の文書編集領域71に表示された編集用データは、支援対象文書のデータ形式を変換したものであるため、内容は、
図6の文書表示領域61に表示された支援対象文書と同じものとなっている。また、文書レビュー領域72に含まれるコメントボタン720、文書レビュー情報としてのコメント721、723、スクロールバー75についても、文書の内容が同様であることから、
図6の文書レビュー領域62に含まれるコメントボタン620等と同じものとなっている。なお、
図7は付加情報を非表示とした場合を例示しているが、文書編集画面70の設定により、例えば
図6と同様の形態にて付加情報を表示することもできる。また、
図7に示すように、本実施形態の文章編集画面では、文書レビュー画面と同様に、コメント等を入力した編集者名(名義情報)が、名義表示領域80に表示される。名義表示領域80に対する入力操作により編集者名(名義情報)が変更して選択されると、選択された編集者名で、各種編集作業が可能となる。
【0076】
ユーザは、例えば、文書編集領域71に表示された編集用データに対し直接文字を打ち込む、削除する、貼り付ける等の処理により、編集用データを編集することができる。また、文書編集画面70において、編集用データが表示される文書編集領域71には、各種編集指示を入力するためのボタンを含むツールバー73A、73Bが表示されてもよい。ユーザは、例えば、ツールバー73A、73Bの所望の編集指示ボタンを操作して、編集用データの書式の編集、文字装飾、コメント挿入を実行することができる。
【0077】
本実施形態の文書編集画面70の文書レビュー領域72において、文書レビュー情報として修正を支援する文案候補が表示された場合には、ユーザは、当該文案候補をカットアンドペースト処理或いはドラッグアンドドロップ処理等により文書編集領域71の編集用データに追加することで、編集用データを編集することもできる。また、修正を支援する文案候補が別途表示されず、直接文書編集領域71の編集用データが修正された文案に置換される、または書き換えられてもよい。
【0078】
また、本実施形態の文書編集画面70において、編集用データが表示される文書編集領域71には、保存ボタン76が表示される。ユーザは、保存ボタン76を操作して、編集された編集用データの保存を指示することができる。なお、保存は、ユーザの保存指示によるものの他、自動やユーザの指示によらず保存が行われてもよい。また、保存されたデータは、支援対象文書の新しい別のバージョンとして保存されてもよく、支援対象文書と同じバージョンとして上書き保存されてもよい。
【0079】
(文書作成支援処理の流れ)
次に、実施形態に係る情報処理装置10によって実現される文書作成支援処理の一例について説明する。本文書作成支援処理は、複数の計算アルゴリズムを状況に応じて切り替えて使用する構造最適化処理を含むものである。
図8は、本実施形態に係る文書作成支援処理の流れを示したフローチャートである。
【0080】
(ステップS1)
本実施形態の端末装置T1の第2制御部40は、ユーザからの指示に応答してブラウザ部42を起動する。端末装置T1のブラウザ部42は、例えば、初期アクセスURL、登録ID等のログイン情報を情報処理装置10に送信する。
【0081】
(ステップS2)
本実施形態の情報処理装置10の第1制御部107は、端末装置T1からのログイン情報に応答して認証処理を実行する。また、第1制御部107は、第1制御部107において生成された文書作成支援画面情報を送信する。
【0082】
(ステップS3)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、情報処理装置10から受け取った文書作成支援画面情報に基づいて、ディスプレイ装置30に文書作成支援画面を表示する。
【0083】
(ステップS4)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、ユーザからの文書アップロード指示に応答して、支援対象文書データを情報処理装置10へ送信する。このアップロード指示は、レビュー指示を行うユーザによって行われてもよく、異なるユーザまたは/および端末装置によって行われてもよい。例えば、契約書の審査を法務部門に依頼する別部門のユーザの端末装置によって行われてもよい。また、支援対象文書データは、ブラウザ部42を介せずアップロードされてもよい。
【0084】
(ステップS5)
本実施形態の情報処理装置10の第1制御部107は、端末装置T1から受信した文書データを記憶部109に保存し、受信した文書データに基づいて文書プレビュー画面情報を生成する。本実施形態の情報処理装置10の第1制御部107は、生成した文書プレビュー画面情報を端末装置T1へ送信する。なお、文書アップロード指示及び文書データの記憶部109への保存は、編集処理の事前に、例えば、契約書の審査を法務部門に依頼する別部門の別のユーザまたは/および別の端末装置によって行われてもよい。本実施形態の情報処理装置10の解析部103は、記憶部109に保存した文書データを解析し、後述する文書レビュー処理に必要な情報等を抽出してもよい。
【0085】
(ステップS6)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、情報処理装置10から受け取った文書プレビュー画面情報に基づいて、文書プレビュー画面を表示する。なお、この段階では、文書レビュー処理前であるため、文書プレビュー画面においては例えば支援対象文書のみが表示される。なお、本実施形態の文書作成支援システムSは、このステップS6を実行することにより、文書の編集のみならず、文書の閲覧にも利用することができる。
【0086】
(ステップS7)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、ユーザから入力された文書レビュー指示を情報処理装置10に送信する。
【0087】
(ステップS8)
本実施形態の情報処理装置10の解析部103は、端末装置T1からの文書レビュー指示に応答して文書レビュー処理を実行し、文書レビュー情報を生成する。なお、この文書レビュー処理は、端末装置T1から受信した文書データを記憶部109に保存した(ステップS5)後、文書データの表示の前に行われてもよい。また、端末装置T1からの文書レビュー指示によらずレビュー処理が実行されてもよい。
【0088】
(ステップS9)
本実施形態の情報処理装置10の第1制御部107は、文書レビュー情報を支援対象文書と対応付けて表示するためのレイアウト情報を生成する。本実施形態の情報処理装置10の第1制御部107は、支援対象文書の文書データ、解析部103において生成された文書レビュー情報、第1制御部107において生成されたレイアウト情報を端末装置T1に送信する。
【0089】
(ステップS10)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、情報処理装置10から受け取った文書データ、文書レビュー情報、レイアウト情報に基づいて、文書レビュー画面を表示する。なお、この文書レビュー画面では、例えば
図6に示した様な文書レビュー情報、文書が相互に位置対応付けされた形態で表示されてもよい。このとき、本実施形態において、
図6に示すように、ログイン時のユーザ名が、編集者名として名義表示領域80に表示される。なお、名義表示領域80には、文書データに関して以前に編集した時点における編集者名が表示されてもよい。このように、端末装置T1の第2制御部40は、編集画面において、以前の編集操作で用いられた編集者名またはユーザの名称を、デフォルトでの名義情報としてディスプレイ装置30に表示させてもよい。
【0090】
(ステップS11)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、ユーザから入力された編集開始指示(例えば、
図7に示した編集ボタン68の操作による指示)を情報処理装置10へ送信する。
【0091】
(ステップS12)
本実施形態の情報処理装置10の編集処理部105は、端末装置T1からの編集開始指示に応答して文書データのデータ形式を変換し、編集用データを生成する。なお、編集用データの生成は端末装置T1からの編集開始指示より前に生成されて保存されていてもよい。
【0092】
(ステップS13)
端末装置T1からの情報処理装置10の第1制御部107は、編集用データと文書レビュー情報とを対応付けて表示するためのレイアウト情報を生成する。情報処理装置10の第1制御部107は、編集用データ、文書レビュー情報、レイアウト情報、文書編集処理を実行するための情報を端末装置T1に送信する。
【0093】
(ステップS14)
本実施形態の情報処理装置10の第1制御部107は、名義情報を、端末装置T1に送信する。そして、第1制御部107は、例えば、ログイン時のユーザ名を、名義情報として端末装置T1に送信する。なお、「ユーザ名」と個人を示す「名義情報」とは関連していなくてもよい。例えば、端末装置T1のブラウザ部42のローカルストレージは、登録された名義情報において複数の編集者名のうち何番目が選択されているかという情報を保持する。第2制御部40は、例えば、情報処理装置10から送信され、登録された名義情報の一覧と、端末装置T1のブラウザ部42のローカルストレージに保存されている何番目の名義情報かというデータを用いることで、選択されている名義情報を切り換える。これにより、ブラウザ部42は、例えば、名義情報における編集者名の切り替えを実行することができる。なお、第1制御部107は、以前の編集操作で用いられた編集者名を、名義情報として端末装置T1に送信してもよい。以降の処理において、本実施形態の端末装置T1は、情報処理装置10から送信された名義情報のデータを使用する。
【0094】
(ステップS15)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、情報処理装置10から受け取った編集用データ、文書レビュー情報、レイアウト情報、文書編集処理を実行するための情報、および名義情報に基づいて、文書編集画面70を表示する。なお、本実施形態の文書編集画面70においては、例えば
図7に示した様な文書レビュー情報、編集用データが相互に位置対応付けされた形態で表示される。また、
図6および
図7では、名義情報は、ログインしたユーザ名として、「Taro Henshu」と表示されている。
【0095】
(ステップS16)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、入力装置31を介したユーザの指示により、名義情報に含まれる編集者名に関して、選択、追加、編集、削除に関する処理(編集者名変更処理と呼ぶことがある)を、実行することができる。名義情報に対して追加・編集・削除の処理が実行されると、端末装置T1は、追加・編集・削除が実施された第2の名義情報を、情報処理装置10に送信する。
【0096】
本実施形態のブラウザ部42により実行される「選択」は、例えば、予め名義情報に登録された編集者名または元のユーザ名のいずれかを、入力装置31を介したユーザの指示により、ユーザが利用する編集者名として選択する処理である。選択後、ブラウザ部42は、以降の編集指示の実行に関する編集者名として、文章編集画面における編集者名を、選択された編集者名に変更する。例えば、「選択」の操作が実施された編集処理部105は、メモリに記憶された名義情報において、「何番目の編集者名を使用しているか」という情報を更新する。
【0097】
本実施形態のブラウザ部42により実行される「編集」は、例えば、予め名義情報に登録された登録された編集者名を、入力装置31を介したユーザの指示により変更する処理である。すなわち、「編集」は、編集者名をユーザの所望に応じて変更する処理である。
【0098】
本実施形態のブラウザ部42により実行される「追加」は、入力装置31を介したユーザの指示により、編集者名を新規に名義情報に追加する処理である。編集者名の追加は、入力装置31を介したユーザの指示により新たな編集者名を入力することで実現される。
【0099】
本実施形態のブラウザ部42により実行される「削除」は、入力装置31を介したユーザの指示により、名義情報に登録された編集者名を削除する処理である。
【0100】
なお、このような編集者名の追加・編集・削除を含む編集者名に関する情報の設定を、編集者名編集処理と呼ぶことがある。また、上記4つの操作(選択・追加・編集・削除)のうち、「選択」のみ異なるユーザーインターフェースによって実現されてもよい。異なるユーザーインターフェースは、例えば、名義情報における「複数の編集者名の一覧に表示させ、(例えば、プルダウンリストの表示)などに対する選択可能とするな表示などである。これにより、複数の編集者名が登録されていた場合でも、編集者名の選択を容易とすることができる。
【0101】
なお、編集者名は、ユーザの指示によらず選択、変更されてもよい。例えば、社内向けと社外向けの編集情報を区別可能なようユーザが設定する、または文書編集支援システムが識別することで、編集者名が切り替えられてもよい。また、端末装置T1を利用するユーザの役割によって編集者名が切り替えられてもよい。例えば、一次レビュワーまたは文書の作成者である場合と、審査または作成された文書を承認する二次レビュワーである場合とによって切り替えられてもよい。これは、例えば、文書を表示するハイパーリンクが設定されており、当該リンクが二次レビュー依頼を示すものであるか等に判別、または設定されることで実現出来る。
【0102】
また、すでに設定された編集情報の編集者名を名義情報に含まれる編集者名に変更する機能を有していてもよい。これにより、別の文書編集ソフト等で編集者名を有する編集情報を付与した場合であっても、適切な編集者名とすることができる。
【0103】
図9は、名義情報の表示領域80上に配置されたカーソル81に対するクリック操作によりプルダウンされた編集者名の一覧82の一例を示す図である。例えば、
図9に示す編集者名の一覧82において+印の「編集者名を編集・追加」がカーソル81により押下されると、編集者名の編集・追加・削除が可能となる。
図9に示す例の編集者名の一覧82におけるチェック記号は、現在選択されている編集者名を示している。
【0104】
図10は、本実施形態の文書編集画面70において、
図9における「+編集者名を編集・追加」を押下された場合の編集者名の入力領域83の一例を示す図である。本実施形態では、
図10に示すように、例えば、最大5つまで、編集者名を追加することができる。このとき、予め設定されている編集者名を削除または編集することで、最大の数の編集者名を適宜利用することができる。なお、追加可能な編集者名の数は、5つの他任意に設定可能であり、数の制限なく設定されてもよい。
【0105】
なお、編集者名は、端末装置T1のユーザが個別に設定してもよいし、ユーザ以外が設定してもよい。例えば、文書編集支援システムを提供するベンダーにより追加・編集されてもよい。例えば、「校正者」「一次レビュー者」「承認者」、ユーザが所属している組織名(例えば社名、社名と部署名)等、文書作成において用いられることが多いと考えられる編集者名を予め設定しておくことができる。また、組織のルールとして編集者名を統一又は設定することができるよう、文書編集支援システムに、例えば、管理者権限を持つユーザが同一組織内の他のユーザの編集者名を一括でまたは個別に設定または追加可能とする機能が設けられていてもよい。
【0106】
(ステップS17)
本実施形態の情報処理装置10の編集処理部105は、主記憶装置13または補助記憶装置15などのメモリに記憶されている名義情報を、ステップS16において編集された名義情報に更新する。例えば、削除の指示では、ユーザにより選択された編集者名が名義情報から削除される。このとき、例えば、編集処理部105は、ユーザにより選択された編集者名を元のユーザ名や登録されている別の編集者名に変更する。また、例えば、追加の指示では、編集処理部105は、ユーザにより追加された編集者名を、名義情報に追加する。また、例えば、編集の指示では、編集処理部105は、ユーザにより編集された編集者名を、名義情報において更新する。
【0107】
(ステップS18)
本実施形態の端末装置T1の第2制御部40は、情報処理装置10から送信され、主記憶装置23または補助記憶装置25などのメモリに記憶された名義情報を、ステップS16での操作(追加・編集・削除)後の名義情報に切り替える。具体的には、例えば、端末装置T1のブラウザ部42のローカルストレージは、名義情報において複数の編集者名のうち何番目が選択されているかという情報を保持する。第2制御部40は、例えば、情報処理装置10から送信され、登録された名義情報の一覧と、端末装置T1のブラウザ部42のローカルストレージに保存されている何番目の名義情報かというデータを用いることで、選択されている名義情報を切り換える。これにより、ブラウザ部42は、例えば、名義情報における編集者名の切り替えを実行することができる。本ステップにより、編集指示の主体となる編集者名が確定することができる。
【0108】
(ステップS19)
本実施形態の端末装置T1は、ブラウザ部42により、ステップS16において選択された名義情報(編集者名)を文章編集画面に表示する。これにより、名義情報が切り替えられた編集画面が、ディスプレイ装置30に表示される。表示された編集画面は、例えば、文書情報に関するレビューを入力可能な画面である。
図11は、文書編集画面70において、
図7に示す、ユーザの個人の名前を示す編集者名「Taro Henshu」から、組織の名前を示す「LegalOn 法務部」へ、名義情報が変更された一例を示す図である。
図11に示すように、変更された名義情報は、文書編集画面70において明示されてもよい。これにより、ユーザは、現在の編集作業における編集者名を容易に把握することができる。
【0109】
(ステップS20)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、ユーザから入力された各種編集指示(例えば、
図10に示したツールバー73A、73Bの編集ボタンの操作、テキストデータの打ち込みによる指示等)を受け付ける。
図12は、本実施形態の文書編集画面70において、文字列がカーソル81によりドラッグされた場所に関するコメントの入力領域84の一例を示す図である。
図12に示すように、コメントの入力領域84には、編集者名「LegalOn 法務部」が表示されている。
図13は、本実施形態の文書編集画面70において、コメントが入力された場合における文書レビュー領域72の一例を示す図である。
図13に示すように、文書レビュー領域72におけるコメントには、編集者名「LegalOn 法務部」とコメントの入力時刻とが表示されている。
【0110】
図14は、本実施形態の文書編集領域71において、追記部分にカーソル81が移動された時点における表示例を示す図である。
図14に示すように、文書編集領域71の追記部分(
図14の下線箇所)にカーソル81が移動されると、例えば、追記部分に関する編集者名「LegalOn 法務部」とコメントの入力時刻と追記における先頭のテキストなどが表示される。
【0111】
(ステップS21)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、編集指示に応答して編集指示を反映した編集用データを生成する。例えば、ブラウザ部42は、編集画面における編集対象の文書に対するユーザの指示により編集画面において編集された編集内容と、編集内容の入力時における編集者名(名義情報)とを関連付けて、編集情報を生成する。すなわち、編集情報は、名義情報を含む。
【0112】
(ステップS22)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、例えば、文書編集処理後の編集用データ、文書レビュー情報、レイアウト情報に基づいて、文書編集画面70を表示する。
【0113】
(ステップS23)
本実施形態の端末装置T1のブラウザ部42は、ユーザから入力された保存指示(例えば、
図7、
図9乃至
図14などに示した保存ボタン76の操作による指示)を情報処理装置10に送信する。このとき、文書編集処理後の編集用データに関する情報も情報処理装置10に送信される。すなわち、ブラウザ部42は、編集に関する名義情報を含む編集情報を、情報処理装置10に送信する。
【0114】
(ステップS24)
本実施形態の情報処理装置10の編集処理部105は、例えば、端末装置T1からの受信した編集用データに基づいた文書データを保存する。例えば、編集用データのデータ形式を変換し、次のバージョンの文書データ(すなわち、ステップS4においてアップロードした文書と同じ形式の新たなバージョンの文書データ)を生成する。このとき、編集処理部105は、文書情報に、名義情報を含む編集情報を付与する。
【0115】
なお、編集処理が実行された編集用データは、ステップS4においてアップロードされた支援対象文書データに上書きして保存してもよいし、別のデータ(例えばバージョンの異なるデータ)として保存することもできる。また、文書データのダウンロード処理を行わず、編集済みの文書データにアクセス可能なURLを発行してもよい。また、ダウンロードする端末装置は編集を行った端末装置T1と異なる端末装置であってもよく、ダウンロードは契約書の審査を法務部門に依頼する別部門のユーザや契約交渉の相手方によって行われてもよい。
【0116】
(ステップS25)
本実施形態の情報処理装置10の編集処理部105は、保存用の文書データを記憶部109に保存する。このとき、保存用の文書データにおける文章情報には、名義情報を含む編集情報が付与される。すなわち、本実施形態の文章情報には、編集内容と、当該編集内容を編集した編集者名とが対応付けられている。
【0117】
本実施形態に係る端末装置T1は、少なくとも1つのプロセッサ21を備え、少なくとも1つのプロセッサ21は、文書情報に名義情報を含む編集情報を付与し、名義情報を文書情報の編集画面において切り替える。例えば、本実施形態に係る端末装置T1におけるプロセッサ21は、編集画面を操作するユーザとは異なる編集者名を、当該ユーザの指示により選択、編集、削除および/または追加可能である。また、本実施形態に係る端末装置T1におけるプロセッサ21は、名義情報を、ユーザの名称から編集者名に切り替える。なお、「編集画面において」とは、文書を編集する領域と名義情報を切り替える表示とが同時に、例えば並んで表示されることを含む。また、「編集画面において」とは、ポップアップ等で文書を編集する領域と名義情報を切り替える表示とが一部重畳して表示される場合も含んでもよい。
【0118】
これにより、本実施形態によれば、編集画面において、ユーザは、編集内容に応じて、容易に編集者名を変更することができる。このため、本実施形態によれば、ウェブブラウザ上で文書作成を支援する際に、従来に比してユーザの操作負担が軽い技術を実現することができる。これにより、文書作成を柔軟に行うことができるため、作成したコメントが付された文書を用いて、ユーザが所属する組織内や第三者とのやり取り等を適切に行うことができる。
【0119】
また、本実施形態に係る端末装置T1において、編集情報は、編集画面における編集対象の文書に対するユーザの指示により編集画面において編集された編集内容と、編集内容の入力時における編集者名とを関連付けて生成される。これにより、本実施形態に係る情報処理装置10によれば、変更された編者者名を名義情報として編集内容と関連付けられて含まれる編集情報を、文書情報に付与することで、文書作成ソフトにおいても編集者名を残すことができる。このため、本実施形態に係る端末装置T1によれば、ウェブブラウザ上で文書レビュー情報を参照しながら編集した文書を、支援対象文書と同じデータ形式で保存し管理することができる。
【0120】
また、本実施形態に係る端末装置T1において、文書情報は、契約に関する法的文書データ、または法的文書に関する文書データであってもよく、編集画面は、文書情報に関するレビューを入力可能な画面であってもよい。これにより、本実施形態に係る端末装置T1によれば、ユーザは、例えば、編集用データと条項単位又は段落単位で位置対応付けをして表示される文書レビュー情報を参照しながら、編集用データを編集することができる。
【0121】
また、本実施形態に係る端末装置T1において、少なくとも1つのプロセッサ21は、編集画面において、以前の編集操作で用いられた編集者名またはユーザの名称を、デフォルトでの名義情報としてディスプレイ装置30に表示させる。これにより、実施形態に係る端末装置T1によれば、ユーザのログイン時において、前回の編集時の編集者名を引き継いで、編集作業を実行することができる。
【0122】
以上のことから、実施形態に係る端末装置T1によれば、編集する画面をユーザに表示している状態で編集者名を変更することができ、例えば、契約書ではどのような編集者名が登場しており、それを確認しながら任意の編集者名を作成及び設定することができる。加えて、実施形態に係る端末装置T1によれば、ユーザは、修正履歴とコメントとに関連付けられる編集者名を、任意の名前に設定することができる。これらのことから、実施形態に係る端末装置T1によれば、編集者名の変更に関するユーザの手間および変更に関する時間を低減し、かつ編集画面において常に編集者名を表示することで、例えば日付が変わった時の変更忘れ等のミスを事前に防ぐことができる。
【0123】
(第1変形例)
本変形例は、文書作成支援処理におけるステップS23における保存指示の実行後に、編集者名を変えて、再度編集処理を実行する。このとき、文書作成支援処理は、ステップS23の処理に続いて、ステップS16の処理が実行される。ディスプレイ装置30による文書編集画面70の表示において、例えば、ブラウザの終了指示など、編集作業の終了がユーザにより入力されると、文書作成支援処理は終了する。一方、ステップS16において、ディスプレイ装置30に表示された文書編集画面70に対して、編集者名変更処理が実行されると、ステップS17以降の処理が繰り返される。
【0124】
本実施形態の第1変形例に係る情報処理装置10によれば、ユーザは、編集者名を変更することができる。これにより、第1変形例に係る端末装置T1によれば、複数の編集指示各々において、編集者名の変更に関するユーザの手間および変更に関する時間を低減することができる。本実施形態の第1変形例に係る端末装置T1によれば、例えば、あるドキュメントXにおいて編集者名Aで編集し、編集者名Aで編集されたドキュメントXを取引先に送付後、レビューバックを得たドキュメントXに対して編集者名Bで編集することができる。すなわち、本実施形態の第1変形例に係る端末装置T1によれば、前回編集時の編集者名Aと今回編集時の編集者名Bとを共存させることで、ユーザは、契約書レビューのどの段階で修正したかを容易に把握することができる。
【0125】
(第2変形例)
本変形例は、複数の端末装置T1~TNを用いた複数のユーザにより、同一の編集者名で一つの文書情報を同時に編集する。このとき、複数の端末装置T1~TN各々と一つの情報処理装置10との間で、
図8に示す文書作成支援処理が実行される。本変形例では、複数のユーザにより同じ編集者名が選択されると、選択された同一の編集者名を名義情報として、編集指示に応じた編集内容と関連付けて編集情報が生成される。例えば、編集処理部105は、複数の端末装置T1~TN各々のブラウザ部42において同一の編集者名によりで編集された編集内容を統合する。編集処理部105は、編集された編集内容と、当該同一の編集者名に対応する名義情報とを関連付けて編集情報を生成する。他の処理は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0126】
本実施形態の第2変形例に係る端末装置T1によれば、複数のユーザにより同一の編集者名で同時に編集作業を実行した場合において、複数の編集作業を統合して、一つの編集者名で編集情報を生成することができる。これにより、第2変形例に係る情報処理装置10によれば、一つの編集者名で複数のユーザによる編集作業を実行することができ、編集作業を低減すること、すなわち編集作業の効率を向上させることができる。また、本実施形態の第2変形例に係る端末装置T1によれば、複数の担当者が契約書をレビューする場合(例えば一次レビュー、二次レビュー)でも同じ編集者名を利用することができる。このため、本実施形態の第2変形例に係る端末装置T1によれば、契約交渉の相手方に送付する文書の編集情報の名義を統合または統一する作業の必要性を低減させることができる。また、本実施形態の第2変形例に係る端末装置T1によれば、文書のレビュー担当が変更になった場合においても、編集者名として同じものを用いること等により、他の担当にレビューなどを円滑に引き継がせることができる。これらのことから、本実施形態の第2変形例に係る端末装置T1によれば、文書情報の取り扱いの容易性を向上させることができる。
【0127】
(第3変形例)
本変形例は、文書作成支援処理の流れにおける編集者名の選択・編集・追加・削除に関する名義情報の切り替えを情報処理装置10で実現することにある。
図15は、本実施形態の第3変形例に係る文書作成支援処理の流れを示したフローチャートである。
図15において、
図6に示す文書作成支援処理と同一の処理については、同一のステップ番号で示されている。以下、
図15において、
図8と異なる処理手受任ついて説明する。
【0128】
(ステップS30)
端末装置T1のブラウザ部42は、情報処理装置10から受け取った編集用データ、文書レビュー情報、レイアウト情報、文書編集処理を実行するための情報に基づいて、文書編集画面70を表示する。なお、この文書編集画面70においては、例えば
図7に示した様な文書レビュー情報、編集用データが相互に位置対応付けされた形態で表示される。
【0129】
(ステップS31)
端末装置T1のブラウザ部42は、入力装置31を介したユーザの指示により、編集者名の選択、編集、および/または削除(編集者名変更処理)を実行する。なお、編集者名が選択、編集、および/または削除を選択・追加されない場合、ステップS20の処理が実行されてもよい。このとき、名義情報は、例えば、ログインしたユーザの名称が編集者名として登録されることとなる。
【0130】
(ステップS32)
情報処理装置10の第1制御部107は、編集に関する名義情報を、選択された編集者名に切り替える。例えば、情報処理装置10の第1制御部107は、編集画面を操作するユーザとは異なる編集者名を、当該ユーザの指示により、編集者名の選択、編集、および/または削除する。このとき、情報処理装置10の第1制御部107は、名義情報を、ユーザの名称から編集者名に切り替える。なお、名義情報の切り替えは、情報処理装置10の編集処理部105により実現されてもよい。情報処理装置10の第1制御部107は、記憶部109において、名義情報を、付加情報に追加する。本ステップにより、編集指示の主体となる編集者名が確定する。
【0131】
(ステップS33)
情報処理装置10の第1制御部107は、選択された名義情報を端末装置T1に送信する。これにより、情報処理装置10の第1制御部107は、名義情報を、文書情報の編集画面において切り替える。
【0132】
(ステップS34)
端末装置T1のブラウザ部42は、情報処理装置10から受け取った名義情報に基づいて、編集画面における名義情報を切り換える。これにより、名義情報が切り替えられた編集画面が、ディスプレイ装置30に表示される。表示された編集画面は、例えば、文書情報に関するレビューを入力可能な画面である。
図11は、文書編集画面70において、
図7に示す編集者名が、「Taro Henshu」から、「LegalOn 法務部」へ、名義情報が変更された一例を示す図である。
図11に示すように、変更された名義情報は、文書編集画面70において明示されてもよい。これにより、ユーザは、現在の編集作業における編集者名を容易に把握することができる。
【0133】
本実施形態の第3変形例に係る情報処理装置10は、少なくとも1つのプロセッサ21を備え、少なくとも1つのプロセッサ21は、文書情報に名義情報を含む編集情報を付与し、名義情報を文書情報の編集画面において切り替える。例えば、本実施形態の第3変形例に係る情報処理装置10におけるプロセッサ21は、編集画面を操作するユーザとは異なる編集者名を、ユーザの指示により選択、編集、削除および/または追加可能である。また、本実施形態の第3変形例に係る情報処理装置10におけるプロセッサ21は、名義情報を、ユーザの名称から前記編集者名に切り替える。また、本実施形態の第3変形例に係る情報処理装置10において、編集情報は、編集画面における編集対象の文書に対するユーザの指示により編集画面において編集された編集内容と、編集内容の入力時における編集者名とを関連付けて生成される。また、本実施形態の第3変形例に係る情報処理装置10において、文書情報は、契約に関する法的文書データ、または法的文書に関する文書データであってもよく、編集画面は、文書情報に関するレビューを入力可能な画面であってもよい。また、本実施形態の第3変形例に係る情報処理装置10において、少なくとも1つのプロセッサ21は、編集画面において、以前の編集操作で用いられた編集者名またはユーザの名称を、デフォルトでの名義情報として端末装置T1に表示させる。これにより、実施形態の第3変形例に係る情報処理装置10によれば、ユーザのログイン時において、前回の編集時の編集者名を引き継いで、編集作業を実行することができる。本変形例における効果は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0134】
実施形態における技術的思想を情報処理方法で実現する場合、当該情報処理方法は、文書情報に名義情報を含む編集情報を付与し、名義情報を文書情報の編集画面において切り替える。情報処理方法により実行される文書作成支援処理の手順および効果は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0135】
実施形態における技術的思想を情報処理プログラムで実現する場合、当該情報処理プログラムは、コンピュータに、文書情報に名義情報を含む編集情報を付与する機能と、前記名義情報を前記文書情報の編集画面において切り替える機能と、を実現させる。
【0136】
例えば、複数の端末装置T1~TNに接続可能なサーバ装置(処理装置)などにおけるコンピュータに情報処理プログラムをインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても、情報処理を実現することができる。このとき、コンピュータに当該情報処理を実行させることのできる情報処理プログラムは、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。情報処理プログラムにより実行される文書作成支援処理の手順および効果は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0137】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、従来に比してユーザの操作負担が軽い技術を提供することができる。これにより、以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ウェブブラウザ上で文書作成を支援する際に、従来に比してユーザの操作負担が軽く利便性の高い技術を提供することができる。例えば、以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、名義情報を変更したい場合の具体例や上記説明などにおけるユースケース(会社や部署等組織としてのコメントとしたい場合、個人を特定したくない社外と個人を特定した社内で使い分けたい場合、コメントによって異なる情報(例えば日付や版数)を入れたい場合など)において、名義情報としてユーザ名を用いることなく、名義情報を当該ユーザ名と別にすることで、環境設定や会社のルールにとらわれずに、容易に名義情報を変更することができる。また、以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、例えば、レビューを行う会社によっては、当該会社のルール上、簡単にユーザ名を変更できない場合であっても、容易に名義情報を変更することができる。
【0138】
以上、本開示の実施形態について詳述したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、個々の実施形態に限定することは意図していない。各実施形態は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において種々の追加、変更、置き換え、部分的削除、組み合わせ等による変形が可能である。これら実施形態やその変形は、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0139】
10 情報処理装置
11、21 プロセッサ
13、23 主記憶装置(メモリ)
15、25 補助記憶装置(メモリ)
17、27 ネットワークインタフェース
18、28 デバイスインタフェース
19、29 バス
30 ディスプレイ装置
31 入力装置
40 第2制御部
42 ブラウザ部
103 解析部
105 編集処理部
107 第1制御部
109 記憶部
S 文書作成支援システム
T1~TN 端末装置
P1~PN ユーザ
N ネットワーク