(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027960
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】スライドレール組立体及びそのスライドレールを開ける方法
(51)【国際特許分類】
A47B 88/463 20170101AFI20250220BHJP
A47B 88/457 20170101ALI20250220BHJP
A47B 88/43 20170101ALI20250220BHJP
A47B 88/427 20170101ALI20250220BHJP
【FI】
A47B88/463
A47B88/457
A47B88/43
A47B88/427
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024071007
(22)【出願日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】112131047
(32)【優先日】2023-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】劉 駿達
(72)【発明者】
【氏名】蘇 信誠
(72)【発明者】
【氏名】張 智原
(72)【発明者】
【氏名】林 淑珍
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA03
3B160AB42
3B160AC00
3B160EB02
3B160EB22
3B160EB32
3B160EB33
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気駆動により開けられるように構成されているスライドレールを有するスライドレール組立体及びそのスライドレールを開ける方法を提供する。
【解決手段】スライドレール組立体22は、第1レール30と、第2レール32と、弾性部材と、可動部材42と、電子モジュール48とを備えている。第2レールは、第1レールに対して可動である。第2レールが第1レールに対して後退位置にあり、かつ、可動部材がロック状態にある場合に、弾性部材は、弾性力を蓄積するためにロックされるように構成されている。電子モジュールは、駆動装置51を含み、駆動装置は、弾性部材の弾性力を解放するように、可動部材をロック状態からロック解除状態に切り替えるために駆動するように構成されている。これにより、弾性部材の弾性力に応答して、第2レールは、第1レールに対して後退位置から開放方向に移動される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レールと、
前記第1レールに対して可動である第2レールと、
前記第2レールが前記第1レールに対して後退位置になることに応答して、弾性力を発生するように構成されている弾性部材と、
可動部材とを備え、
前記第2レールが前記第1レールに対して前記後退位置にあり、かつ、前記可動部材がロック状態にある場合に、前記弾性部材は、前記弾性力を蓄積するためにロックされるように構成され、
駆動装置を含む電子モジュールを備え、
前記駆動装置は、前記弾性部材の前記弾性力を解放するように、前記可動部材を前記ロック状態からロック解除状態に切り替えるために駆動するように構成され、これにより、前記弾性部材の前記弾性力に応答して、前記第2レールは、前記第1レールに対して前記後退位置から開放方向に移動される、スライドレール組立体。
【請求項2】
前記可動部材は、前記第2レールに回転可能に取り付けられ、前記電子モジュールは、前記第1レールに着脱可能に取り付けられ、
前記電子モジュールはさらに、前記第2レールが前記第1レールに対して前記後退位置にあるか否かを検出するように構成されている位置センサを含み、
前記可動部材は、同期ロッドに接続されるように構成され、前記同期ロッドは、他のスライドレール組立体の第2レールに接続されている、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
前記電子モジュールはさらに、制御回路基板を含み、前記駆動装置は、前記制御回路基板に電気的に接続され、
前記駆動装置は、モータを含み、前記モータの回転軸は、駆動部材を伴って構成され、
前記弾性部材の前記弾性力を解放するように、前記可動部材をさらに駆動して回転させ、前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えるために、前記回転軸は、前記駆動部材を駆動して回転させるように構成されている、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
前記電子モジュールはさらに、制御回路基板を含み、前記駆動装置は、前記制御回路基板に電気的に接続され、前記駆動装置は、モータを含み、前記モータの回転軸は、第1駆動部材を伴って構成され、前記第1駆動部材は、第2駆動部材に接続され、
前記第1駆動部材と前記第2駆動部材とのうちの一方は、延長スロットが形成され、前記第1駆動部材と前記第2駆動部材とのうちの他方は、前記延長スロットの中へ延びた接続ピンを伴って構成され、前記回転軸は、前記第1駆動部材を駆動して回転させるように構成され、
これにより、前記第1駆動部材と前記第2駆動部材とは同じ方向に回転され、前記可動部材をさらに駆動して回転させて、前記第2駆動部材を介して前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替え、前記弾性部材の前記弾性力を解放し、
前記電子モジュールはさらに、前記モータの位置を検出するように構成されているモータ原点スイッチとモータ停止スイッチとを含む、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
スライドレール組立体のスライドレールを開ける方法であって、
第1レールと、第2レールと、弾性部材とを含む前記スライドレール組立体を提供するステップと、
前記弾性部材の弾性力を蓄積するために、前記弾性部材をロックするように前記第2レールに配置されている、ロック状態の可動部材を提供するステップと、
前記第1レールに配置されている電子モジュールを提供するステップであって、前記電子モジュールは駆動装置を含む、提供するステップと、
通信装置を前記電子モジュールにリンクするステップであり、前記弾性部材の前記弾性力を解放するように、前記可動部材をロック解除状態に切り替えるために駆動するように、前記駆動装置を制御し、前記第2レールは、前記弾性部材の前記弾性力に応答して、前記第1レールに対して後退位置から移動される、リンクするステップとを備えている方法。
【請求項6】
前記第1レールは、キャビネット本体に取り付けられるように構成され、前記第2レールは、引き出しを搬送するように構成され、
前記通信装置と前記電子モジュールとは、通信のために無線で互いにリンク可能であり、
前記可動部材は、前記第2レールに回転可能に取り付けられ、前記電子モジュールは、前記第1レールに着脱可能に取り付けられている、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記電子モジュールはさらに、位置センサを含み、
方法はさらに、前記第2レールが前記第1レールに対して前記後退位置にあるか否かを、前記位置センサが検出するステップを備えている、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記電子モジュールはさらに、制御回路基板とモータとを含み、
前記駆動装置は、前記モータを含み、前記モータの回転軸は、駆動部材を伴って構成され、
方法はさらに、前記弾性部材の前記弾性力を解放するように、前記可動部材をさらに駆動して回転させ、前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えるために、前記回転軸が、前記駆動部材を駆動して回転させるステップを備えている、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記電子モジュールはさらに、制御回路基板とモータとを含み、前記駆動装置は、前記モータを含み、前記モータの回転軸は、第1駆動部材を伴って構成され、前記第1駆動部材は、第2駆動部材に接続され、
前記第1駆動部材と前記第2駆動部材とのうちの一方は、延長スロットが形成され、前記第1駆動部材と前記第2駆動部材とのうちの他方は、前記延長スロットの中へ延びた接続ピンを伴って構成され、
方法はさらに、前記回転軸が、前記第1駆動部材を駆動して回転させるステップを備え、
これにより、前記第1駆動部材と前記第2駆動部材とは同じ方向に回転され、前記可動部材をさらに駆動して回転させて、前記第2駆動部材を介して前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替え、前記弾性部材の前記弾性力を解放する、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記電子モジュールはさらに、モータ原点スイッチとモータ停止スイッチとを含み、
方法はさらに、前記モータ原点スイッチと前記モータ停止スイッチとが、前記モータの位置を検出するステップを備えている、請求項9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレール組立体に関し、さらに詳細には、電気駆動により開けられるように構成されているスライドレールを有するスライドレール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
キャビネットなどの家具システムで、引き出しは、一対のスライドレール組立体を介してキャビネット本体に対して開閉可能である。現在、弾性部材(バネなど)の弾性力を解放することにより、キャビネット本体に対して引き出しが後退位置から開けることができる、いわゆるプッシュオープン式の製品がある。米国特許US10172459B2号には、前述のプッシュオープン機能を備えたスライドレール組立体が開示されている。スライドレール組立体の可動レールには、可動レールを他のスライドレール組立体の可動レールと同期して移動させるための同期ロッドに接続されるように構成された同期装置が配置されている。
【0003】
さらに、国際公開WO2021/043756A1号には、家具の枠組みと少なくとも1つの可動家具部品とを備えている家具が開示されている。可動家具部品は、閉鎖位置と開放位置との間で、移動フィッティングを介して可動である。ロック装置は、家具の枠組みでの永久磁石を介して、可動家具部品を閉鎖位置に保持するように構成されている。トリガー装置が設けられ、このトリガー装置によって、可動家具部品を開放方向に移動させるために、ロック装置を無効にする可能性がある。トリガー装置は電磁石を有し、この電磁石は、可動家具部品を閉鎖位置から開くために、制御装置を介して切り替えられる可能性がある。その結果、可動家具部品は小さな力でトリガーされる可能性がある。
【0004】
さまざまな市場の要求に対して、スライドレール組立体や家具部品(引き出しやドアパネルなど)が、前述の方法で開けることが要求されない場合もある。従って、さまざまなスライドレール製品を開発することが重要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、電気駆動により開けられるように構成されているスライドレールを有するスライドレール組立体を提供する。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、スライドレール組立体が提供され、スライドレール組立体は、第1レールと;第1レールに対して可動である第2レールと;第2レールが第1レールに対して後退位置になることに応答して、弾性力を発生するように構成されている弾性部材と;可動部材とを備え;第2レールが第1レールに対して後退位置にあり、かつ、可動部材がロック状態にある場合に、弾性部材は、弾性力を蓄積するためにロックされるように構成され;駆動装置を含む電子モジュールを備え;駆動装置は、弾性部材の弾性力を解放するように、可動部材をロック状態からロック解除状態に切り替えるために駆動するように構成され、これにより、弾性部材の弾性力に応答して、第2レールは、第1レールに対して後退位置から開放方向に移動される。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレール組立体のスライドレールを開ける方法が提供され、方法は、第1レールと、第2レールと、弾性部材とを含むスライドレール組立体を提供するステップと;弾性部材の弾性力を蓄積するために、弾性部材をロックするように第2レールに配置されている、ロック状態の可動部材を提供するステップと;第1レールに配置されている電子モジュールを提供するステップであって、電子モジュールは駆動装置を含む、提供するステップと;通信装置を電子モジュールにリンクするステップであり、弾性部材の弾性力を解放するように、可動部材をロック解除状態に切り替えるために駆動するように、駆動装置を制御し、第2レールは、弾性部材の弾性力に応答して、第1レールに対して後退位置から移動される、リンクするステップとを備えている。
【0008】
本発明のこれらの目的及び他の目的は、様々な図及び図面に示される好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には疑いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係り、少なくとも1つの引き出しとキャビネット本体とを含む家具システムを示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係り、キャビネット本体での2つのスライドレール組立体の間に配置された同期装置を含む家具システムを示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るスライドレール組立体と電子モジュールとの分解図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係り、スライドレール組立体の第1レールに対して後退位置にある第2レールを示す図である。
【
図5】スライドレール組立体の第1レールに対して後退位置にある第2レールと、本発明の第1実施形態に従って第2レールを後退位置から移動させるように電子モジュールを制御するために通信装置を操作しようとするユーザとを示す図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係り、スライドレール組立体の第1レールに対して、後退位置から所定の開放位置へ移動される第2レールを示す図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る家具システムの動作プロセスを示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第1実施形態に係り、スライドレール組立体の第2レールを開ける方法を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の第2実施形態に係り、スライドレール組立体の第1レールに対して後退位置にある第2レールを示す図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る駆動装置での少なくとも1つの駆動部材と、同期装置の可動部材とを示す図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係り、同期装置の可動部材を駆動して移動させる駆動装置での少なくとも1つの駆動部材を示す図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係り、スライドレール組立体の第1レールに対して、後退位置から所定の開放位置へ移動される第2レールを示す図である。
【
図14】本発明の第2実施形態に係る家具システムの動作プロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び
図2に示すように、家具システム20は、第1スライドレール組立体22と、第2スライドレール組立体24と、引き出し26と、キャビネット本体28とを含む。第1スライドレール組立体22と第2スライドレール組立体24とは、引き出し26をキャビネット本体28に取り付けるように構成され、第1スライドレール組立体22と第2スライドレール組立体24とを介して、引き出し26がキャビネット本体28に対して可動であることを可能にする。
【0011】
第1スライドレール組立体22と第2スライドレール組立体24とは、実質的に同一の構造構成を有する。さらに詳細には、第1スライドレール組立体22と第2スライドレール組立体24とのそれぞれは、第1レール30と、第1レール30に対して長手方向に可動な第2レール32とを備えている。好ましくは、第1スライドレール組立体22と第2スライドレール組立体24とのそれぞれはさらに、第3レール34を備えている。第3レール34は、第1レール30と第2レール32との間に可動に取り付けられ、第1レール30に対する第2レール32の移動距離を延長するように構成されている。第1レール30は、キャビネット本体28に固定的に取り付けられ、第2レール32は、引き出し26を搬送するように構成されている。家具システム20はさらに、同期機構35を含む。同期機構35は、第1同期装置36と第2同期装置(視野角の都合により図示せず)とを含む。第1同期装置36と第2同期装置とは、実質的に同一の構造構成を有する。さらに、第1同期装置36は、第1スライドレール組立体22の第2レール32に配置され、第2同期装置は、第2スライドレール組立体24の第2レール32に配置されている。これにより、第1スライドレール組立体22の第2レール32と第2スライドレール組立体24の第2レール32とは、同期して移動されることが可能であり、2つの第2レール32の移動安定性を高める。同期機構35はさらに、第1同期装置36と第2同期装置との間に着脱自在に取り付けられている同期ロッド38を含む。同期ロッド38の第1端部38aは、第1接続基部40aを介して第1同期装置36の第1可動部材42に着脱自在に接続されている。同様に、同期ロッド38の第2端部38bは、第2接続基部を介して第2同期装置の第2可動部材(視野角の都合により図示せず)に着脱自在に接続されている。
【0012】
好ましくは、第1レール30は延長部44を含み、第2レール32は搬送部46を含む。
【0013】
図3に示すように、第1スライドレール組立体22は後退状態にある。さらに詳細には、第2レール32は、第1レール30に対して後退位置Rにある。第2レール32が後退位置Rにある場合に、第2レール32の搬送部46は、第1レール30の延長部44に対応する。例えば、第2レール32の搬送部46は、第1レール30の延長部44の上方に位置する。
【0014】
第1スライドレール組立体22はさらに、電子モジュール48を備えている。好ましくは、電子モジュール48は第1レール30に配置されている。本実施形態では、ユーザが要件に応じて電子モジュール48を追加的に取り付けることができるように、電子モジュール48は、第1レール30に着脱可能に取り付けられている。好ましくは、電子モジュール48は、ベース50とカバー体52とを含む。ベース50は、関連する電子コンポーネント又は電子装置を支持するように構成されている。カバー体52は、前述の電子コンポーネント又は電子装置を覆って保護するように構成されている。
【0015】
電子モジュール48はさらに、第1可動部材42と協働するように構成された駆動装置51を含む。
【0016】
好ましくは、第1同期装置36はさらに、第1フィッティング部材53を含み、第1可動部材42は、第1フィッティング部材53を介して第2レール32の搬送部46に着脱可能に取り付けられている。例えば、第2レール32の搬送部46は、少なくとも1つの第1接続特徴部54を含み、第1フィッティング部材53は、少なくとも1つの第2接続特徴部56を含む。本実施形態では、第1接続特徴部54と第2接続特徴部56とはそれぞれ、互いに着脱可能に係合する突起とスロットとであるが、本発明はこれに限定されない。
【0017】
好ましくは、第1可動部材42は、第2レール32に回転可能に取り付けられている。本実施形態では、第1可動部材42は、第2レール32の搬送部46での第1フィッティング部材53に回転可能に取り付けられている。
【0018】
好ましくは、電子モジュール48は、ベース50の第1取付特徴部58を介して、第1レール30の延長部44の側壁60の第2取付特徴部62に、着脱可能に取り付けられている。本実施形態では、第1取付特徴部58と第2取付特徴部62とはそれぞれ、互いに着脱可能に係合する延長物品と挿入スロットとであるが、本発明はこれに限定されない。
【0019】
好ましくは、電子モジュール48はさらに、制御回路基板64と位置センサ66とを含む。駆動装置51と位置センサ66とは、制御回路基板64に電気的に接続され、駆動装置51はモータMを含む。第1実施形態で、モータMはサーボモータである。
【0020】
好ましくは、電子モジュール48はさらに、信号トランシーバユニット(図示せず)と電源ユニット(図示せず)とを含む。信号トランシーバユニットは、無線信号を受信及び/又は送信するように構成され、電源ユニットは、電力を供給するように構成されている。
【0021】
図4に示すように(
図4で、電子モジュール48の第1接続基部40aとカバー体52とは省略)、第1スライドレール組立体22はさらに、バネなどの弾性部材68を備えている。弾性部材68は、第2レール32が第1レール30に対して後退位置Rにあることに応じて、開放方向D1に弾性力Fを発生するように構成されている。第2レール32は、弾性部材68の弾性力Fによって第1レール30に対して開くように構成されている。換言すれば、第2レール32(引き出し26)は、第1レール30(キャビネット本体28)に対して開けられるように、取り出されてよい(can be ejected)。好ましくは、弾性部材68は、第2レール32の搬送部46の下部に配置されてよい。
【0022】
さらに、第2レール32が第1レール30に対して後退位置Rにあり、かつ第1可動部材42がロック状態K1にある場合に、弾性部材68は、弾性力Fを蓄積するためにロックされるように構成されている。例えば、第2レール32が第1レール30に対して後退位置Rにある場合に、弾性部材68は、弾性力Fを蓄積するために第1可動部材42によって直接ロックされるように構成されている。あるいは、第2レール32が第1レール30に対して後退位置Rにある場合に、弾性部材68は、弾性力Fを蓄積するために、第2レール32の搬送部46の下部に配置されたロック部材によってロックされるように構成されている。第1可動部材42は、弾性部材68の弾性力Fを解放するために、ロック部材を駆動するようにさらに移動することができる。このような構成は当業者に周知であり、簡略化のために、これ以上の図示は省略する。
【0023】
また、第1実施形態では、駆動装置51の回転軸69(モータMの回転軸など)には、カムなどの駆動部材70が配置されているが、本発明はこれに限定されない。さらに、第2レール32が第1レール30に対して後退位置Rにある場合に、回転軸69は、原点位置にあり、
図4での駆動部材70は、回転軸69に対して初期位置J1にある。第1可動部材42がロック状態K1にあり、かつ駆動部材70が初期位置J1にある場合に、駆動部材70は、第1可動部材42の作動部分71に隣接する。
【0024】
好ましくは、位置センサ66は、第2レール32が第1レール30に対して後退位置Rにあるか否かを検出するように構成されている。例えば、第2レール32は所定部分72を含み、第2レール32の所定部分72は、第2レール32が後退位置Rにある場合に位置センサ66に対応する。位置センサ66は、第2レール32の所定部分72と協働する接触式又は非接触式のセンサであってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0025】
好ましくは、第1スライドレール組立体22はさらに、第2フィッティング部材73を備え、第2フィッティング部材73は、第2レール32の搬送部46に着脱自在に取り付けられている。第2フィッティング部材73は、所定部分72を含む。あるいは、所定部分72は、第2レール32の搬送部46に直接一体化されてよいが、本発明はこれに限定されない。
【0026】
図5及び
図6に示すように、駆動装置51は、弾性部材68の弾性力Fを解放するために、第1可動部材42をロック状態K1からロック解除状態K2(
図5に示す)に切り替えるために駆動するように構成されている。これにより、第2レール32は、弾性部材68の弾性力Fに応答して、第1レール30に対して後退位置R(
図5に示す)から開放方向D1に移動され、さらに所定の開放位置E(
図6に示す)へ移動される。そのため、第2レール32の所定部分72は、位置センサ66に対応しなくなる(第2レール32の所定部分72は、位置センサ66から離れる)。従って、位置センサ66は、第2レール32(引き出し26)が後退位置Rから離れるように移動されることを検出することができる。
【0027】
さらに、ユーザは、駆動装置51のモータMを制御して、第1可動部材42をロック状態K1からロック解除状態K2に切り替えるために駆動するように、通信装置74を操作して電子モジュール48にリンクさせることができる(
図5に示す)。これにより、第2レール32(引き出し26)は、弾性部材68の弾性力Fに応答して、駆動され、第1レール30(キャビネット本体28)に対して後退位置Rから開放方向D1(
図6に示す)に移動する。
【0028】
好ましくは、通信装置74は、携帯電話、タブレット又はスマートウェアラブル装置であってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0029】
好ましくは、モータMの回転軸69が駆動部材70を、初期位置J1から第1回転方向R1に所定角度位置J2へ駆動して回転することによって、駆動部材70は、これに対応して所定角度位置J2へ移動して、第1可動部材42の作動部分71に当接する。これにより、駆動部材70は、第1可動部材42をロック状態K1から第2回転方向R2にロック解除状態K2に切り替えるように駆動して回転して、弾性部材68の弾性力Fを解放するように構成されている。第1回転方向R1は、第2回転方向R2と逆方向である(
図5に示す)。例えば、第1回転方向R1は時計方向であり、第2回転方向R2は反時計方向であるが、本発明はこれに限定されない。
【0030】
好ましくは、第1同期装置36の第1フィッティング部材53には、復帰弾性コンポーネント(図示せず)が配置されている。第2レール32が第1レール30に対して所定の開放位置Eにある場合に(
図6に示す)、第1可動部材42は、復帰弾性コンポーネントによって与えられる復帰弾性力に応答して、ロック解除状態K2からロック状態K1へ復帰するように構成されている(
図6に示す)。一方、位置センサ66は、第1レール30に対する第2レール32の位置に応じて、第1信号又は第2信号を発生するように構成されている。例えば、位置センサ66は、第2レール32(引き出し26)が第1レール30(キャビネット本体28)に対して後退位置Rにある場合に、第1信号を発生するように構成され、第2レール32(引き出し26)が第1レール30(キャビネット本体28)に対して後退位置Rから離れる方向に移動した場合に、第2信号を発生するように構成されている。駆動装置51の回転軸69は、位置センサ66が発生する第2信号(第2レール32が第1レール30に対して後退位置Rから移動したことを示すための信号)に応答して原点位置へ復帰するように構成され、これに対応して駆動部材70は、所定角度位置J2から初期位置J1(
図6に示す)へ逆に移動されるようになっている。
【0031】
好ましくは、通信装置74と電子モジュール48とは無線で互いにリンク可能であるが、本発明はこれに限定されない。
【0032】
さらに詳細には、第2レール32(引き出し26)が、第1レール30(キャビネット本体28)に対して所定の開放位置Eから後退方向D2(
図6に示す)に移動されて後退位置Rへ復帰した場合に、弾性部材68は、再び弾性力Fを蓄積するためにロックされるように構成されている。このような構成は当業者に周知であり、簡略化のために、これ以上の図示は省略する。
【0033】
図7は、本発明の第1実施形態に係る家具システム20の動作プロセスを示すフローチャートである。
【0034】
ステップS100:通信装置は、引き出しのステータスを開放状態に設定する。
【0035】
ステップS100では、通信装置74に、電子モジュール48(電子モジュール48の制御回路基板64)と無線通信でリンクするためのアプリケーション(アプリ)をインストールすることができる。ユーザは、通信装置74のアプリケーションを介して、電子モジュール48に所定の信号を送信することができる(
図5を参照する)。このように、第2レール32(引き出し26)のステータスを開放状態に設定してよい。本実施形態では、通信装置74は、アプリケーションを介して電子モジュール48と無線でリンクするように構成されている。アプリケーションは、音声認識、近距離無線通信(NFC,Near-Field Communication)又は指紋認識などの機能を有してよいが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
ステップS110:位置センサが第1信号を発生したか否かを決定する。
【0037】
ステップS110では、電子モジュール48の制御回路基板64は、位置センサ66が第1信号を発生したか否かを決定するように構成されている(
図4に示す)。例えば、第2レール32の所定部分72が位置センサ66の弾性検知部66aを押圧した場合に(
図3を参照する)、位置センサ66は、第2レール32(引き出し26)が現在、第1レール30(キャビネット本体28)に対して後退位置Rにあることを示す第1信号を、制御回路基板64へ発生させるように構成されている。
【0038】
電子モジュール48の制御回路基板64が、この位置センサ66が第1信号を発生したと決定した場合に、ステップS120に進む。駆動装置は、駆動部材70を所定の角度位置へ回転させるために第1電力信号を受領する。ステップS120では、第2レール32(引き出し26)が第1レール30(キャビネット本体28)に対して後退位置Rにあり、電子モジュール48が通信装置74から所定の信号を受領した場合に(
図5に示す)、制御回路基板64は、駆動装置51を制御して第1電力信号を受領する。これにより、駆動装置51のモータMの回転軸69は、駆動部材70を駆動して、所定角度位置J2へ回転させ、さらに、第1可動部材42を駆動して、ロック解除状態K2に切り替え、弾性部材68の弾性力Fを解放する。
【0039】
電子モジュール48の制御回路基板64が、この位置センサ66が第1信号を発生しないと決定した場合に、ステップS130に進む。通信装置は、引き出しが完全に閉じていないことを警告する。ステップS130では、位置センサ66が第1信号を発生しない場合に、制御回路基板64は、アプリケーションを介して警告音及び/又は電子メッセージを発生するように通信装置74に通知するように構成され、第2レール32(引き出し26)が現在、第1レール30(キャビネット本体28)に対して後退位置Rにないことをユーザに知らせる。
【0040】
ステップS120の後、ステップS140に進む。位置センサが第2信号を発生したか否かを決定する。ステップS140では、電子モジュール48の制御回路基板64は、位置センサ66が第2信号を発生したか否かを決定するように構成されている(
図6に示す)。例えば、第2レール32の所定部分72が位置センサ66の弾性検知部66aを押圧しない場合には、弾性部材68の弾性力Fに応答して、第2レール32(引き出し26)が現在、第1レール30(キャビネット本体28)に対して後退位置Rから移動中であることを示す第2信号を制御回路基板64へ発生させるように、位置センサ66は構成されている。即ち、第2レール32(引き出し26)は、開放方向D1に所定の開放位置Eへ移動される。
【0041】
電子モジュール48の制御回路基板64が、この位置センサ66が第2信号を発生したと決定した場合に、ステップS150に進む。駆動装置は、駆動部材70を初期位置J1へ回転させるために第2電力信号を受領する。ステップS150では、位置センサ66が第2信号を発生した場合に、制御回路基板64は、駆動装置51のモータMの回転軸69が駆動部材70を駆動して初期位置J1へ回転させるために、駆動装置51が第2電力信号を受領するように制御する(
図6を参照する)。即ち、位置センサ66が第2信号を発生することは、第2レール32(引き出し26)が現在、所定の開放位置Eにあることを意味する。
【0042】
電子モジュール48の制御回路基板64が、この位置センサ66が第2信号を発生しないと決定した場合に、ステップS160に進む。通信装置は、警告のためのシステムエラーメッセージを発生する。ステップS160では、位置センサ66が第2信号を発生しない場合は、第2レール32(引き出し26)が後退位置Rから移動されないことを意味する。制御回路基板64は、アプリケーションを介して警告音及び/又は電子メッセージなどのシステムエラーメッセージを発生するように通信装置74に通知するように構成され、第2レール32(引き出し26)が現在、第1レール30(キャビネット本体28)に対して後退位置Rから移動されないことをユーザに知らせる。
【0043】
図8は、本発明の第1実施形態に係るスライドレール組立体22の第1レール30に対して第2レール32を開ける方法を示すフローチャートである。この方法は、以下のステップを備えている。
【0044】
ステップS10:第1レール30と、第2レール32と、弾性部材68とを備えているスライドレール組立体22を提供する(
図4を参照する)。
【0045】
ステップS12:弾性部材68の弾性力Fを蓄積するために、弾性部材68をロックするように、第2レール32に配置されたロック状態K1の可動部材42を提供する(
図4を参照する)。
【0046】
ステップS14:第1レール30に配置された電子モジュール48を提供し、電子モジュール48は駆動装置51を含む(
図4を参照する)。
【0047】
ステップS16:通信装置74を電子モジュール48にリンクして、弾性部材68の弾性力Fを解放するために、可動部材42をロック解除状態K2(
図5を参照する)に切り替えるために駆動するように、駆動装置51を制御し、これにより、第2レール32は、弾性部材68の弾性力Fに応答して、第1レール30に対して後退位置Rから移動される(
図5及び
図6を参照する)。
【0048】
方法の詳細は上記に開示したが、簡略化のために、これ以上の図示はしない。
【0049】
図9及び
図10は、本発明の第2実施形態に係る家具システムの第1スライドレール組立体202などのスライドレール組立体を示す図である。第1実施形態の第1スライドレール組立体22と対照的に、第1スライドレール組立体202の駆動装置204は、異なる構造構成を有する。これに加えて、第1スライドレール組立体202の電子モジュール206にはさらに、制御回路基板212に電気的に接続されたモータ原点スイッチ208とモータ停止スイッチ210とが配置されている。
【0050】
図9ないし13に示すように、駆動装置204は、モータM’(
図10に示す)を含む。第2実施形態では、モータM’は直流モータ、例えば直流ギヤモータであるが、本発明はこれに限定されない。モータM’の回転軸214には、カムなどの第1駆動部材216が配置されているが(
図10及び
図11に示す)、本発明はこれに限定されない。第1駆動部材216は、第2駆動部材218に接続されている。第2駆動部材218は、(
図10及び
図11に示す)レバーであってよいが、本発明はこれに限定されない。第1駆動部材216と第2駆動部材218とのうちの一方には、延長スロット220が形成され、第1駆動部材216と第2駆動部材218とのうちの他方には、延長スロット220の中へ延びた接続ピン222が配置され、互いに協働する(
図10及び
図11に示す)。
【0051】
駆動装置204は、弾性部材226の弾性力F’を解放するために、第1可動部材224をロック状態K1’(
図11に示す)からロック解除状態K2’(
図12に示す)に切り替えるために駆動するように構成されている。これにより、第2レール228は、弾性部材226の弾性力F’に応答して、第1レール230に対して後退位置R’から開放方向D1に移動される。
【0052】
さらに、ユーザは、第1可動部材224をロック状態K1’(
図11に示す)からロック解除状態K2(
図12に示す)に切り替えるように駆動装置204を制御するために、通信装置232を操作して電子モジュール206にリンクさせることができる(
図9及び
図10に示す)。これにより、弾性部材226の弾性力F’に応答して、第2レール228は駆動されて、第1レール230に対して後退位置R’から開放方向D1に移動する。例えば、第2レール228は、それに対応して所定の開放位置E’(
図13に示す)へ移動される。さらに詳細には、第1駆動部材216を駆動して回転するために回転軸214が原点位置から停止位置へ回転された場合に、第1駆動部材216と第2駆動部材218とは同じ方向に回転され、例えば、第2駆動部材218は、初期位置J1’(
図11に示す)から第1回転方向R1’に所定の角度位置J2’(
図12に示す)へ回転される。このような回転プロセスの中で、第2駆動部材218は、第1可動部材224の作動部分233(
図12に示す)に当接するように構成され、これにより、弾性部材226の弾性力F’を解放するために、第1可動部材224は第2駆動部材218を介して駆動されて、ロック状態K1’(
図11に示す)からロック解除状態K2’(
図12に示す)に切り替わるように回転する。このように、第2レール228は、弾性部材226の弾性力F’に応答して、第1レール230に対して、退避位置R’(
図9に示す)から開放方向D1に所定の開放位置E’(
図13に示す)へ移動される。第1実施形態と対照的に、第2実施形態の第1駆動部材216は、モーメントアームを大きくするために、第2駆動部材218(レバーなど)と協働するように構成され、これにより、駆動装置204のモータM’は、第1可動部材224を駆動するために回転軸214から一層小さな力を出力することしか必要とされないため、駆動装置204の消費電力を節約することができる。
【0053】
さらに、モータ原点スイッチ208とモータ停止スイッチ210とは、モータM’の位置を検出するように構成されている。例えば、モータ原点スイッチ208は、第3信号と第4信号とを発生するように構成されている。モータM’の回転軸214が原点位置にある場合に、第2駆動部材218は回転軸214に対して初期位置J1’にあり、モータ原点スイッチ208は、第3信号を発生するように構成されている。モータM’の回転軸214が原点位置から移動された場合に、モータ原点スイッチ208は、第4信号を発生するように構成されている。一方、モータ停止スイッチ210は、第5信号と第6信号とを発生するように構成されている。モータM’の回転軸214が停止位置にある場合に、第2駆動部材218は回転軸214に対して所定の角度位置J2’にあり、モータ停止スイッチ210は、第5信号を発生するように構成されている。モータM’の回転軸214が停止位置から移動された場合に、モータ停止スイッチ210は、第6信号を発生するように構成されている。
【0054】
図14は、本発明の第2実施形態に係る家具システムの動作プロセスを示すフローチャートである。動作プロセスは、以下のステップを備えている。
【0055】
ステップS200:通信装置は、引き出しのステータスを開放状態に設定する。
【0056】
ステップS200では、通信装置232に、電子モジュール206(電子モジュール206の制御回路基板212)と無線通信でリンクするためのアプリケーションをインストールすることができる。ユーザは、通信装置232を介して電子モジュール206に所定の信号を送信してよい。そのため、第2レール228(引き出し)のステータスを開放状態に設定することができる。
【0057】
ステップS210:位置センサが第1信号を発生したか否かを決定する。
【0058】
ステップS210では、電子モジュール206の制御回路基板212は、位置センサ234が第1信号を発生したか否かを決定するように構成されている(
図9に示す)。例えば、第2レール228の所定部分236が位置センサ234の弾性検知部234aを押圧した場合に、位置センサ234は、第2レール228(引き出し)が現在、第1レール230(キャビネット本体)に対して後退位置R’にあることを示す第1信号を制御回路基板212へ発生するように構成されている。
【0059】
電子モジュール206の制御回路基板212が、この位置センサ234が第1信号を発生したと決定した場合に、ステップS220に進む。駆動装置は、第1電力信号を受領する。ステップS220では、第2レール228(引き出し26)が第1レール230(キャビネット本体)に対して後退位置R’にあり、かつ電子モジュール206が通信装置232から所定の信号を受領した場合に(
図9に示す)、制御回路基板212は、第1電力信号を受領するように駆動装置204を制御する。これにより、駆動装置204のモータM’の回転軸214を停止位置へ回転させて、第2駆動部材218を駆動して所定の角度位置J2’(
図12に示す)へ回転させ、さらに第1可動部材224をロック解除状態K2’(
図12に示す)に切り替えるために駆動し、弾性部材226の弾性力F’を解放する。
【0060】
電子モジュール206の制御回路基板212が、この位置センサ234が第1信号を発生しないと決定した場合に、ステップS230に進む。通信装置は、引き出しが完全に閉じていないことを警告する。ステップS230では、位置センサ234が第1信号を発生しない場合に、制御回路基板212は、アプリケーションを介して警告音及び/又は電子メッセージを発生するように通信装置232に通知するように構成され、第2レール228(引き出し)が現在、第1レール230(キャビネット本体)に対して後退位置R’にないことをユーザに知らせる。
【0061】
好ましくは、ステップS220の後、ステップS240に進む。モータ停止スイッチが第5信号を発生したか否かを決定する。ステップ240では、電子モジュール206の制御回路基板212は、駆動装置204のモータM’の回転軸214が、
図12に示す停止位置にあるか否か(又は、第2駆動部材218が所定角度位置J2’にあるか否か)を決定するために、モータ停止スイッチ210が第5信号を発生したか否かを決定するように構成されている。
【0062】
電子モジュール206の制御回路基板212が、このモータ停止スイッチ210が第5信号を発生したと決定した場合に、ステップS250に進む。駆動装置のモータの回転軸は、回転を停止する。ステップS250では、電子モジュール206の制御回路基板212が、このモータ停止スイッチ210が第5信号を発生したと決定した場合に、駆動装置204のモータM’の回転軸214は、停止位置で停止する(第2駆動部材218は、
図12に示す所定角度位置J2’で停止する)。電子モジュール206の制御回路基板212が、このモータ停止スイッチ210が第5信号を発生しないと決定した場合には、ステップS220に復帰する。
【0063】
さらに、ステップS250の後、ステップS260に進む。位置センサが第2信号を発生したか否かを決定する。ステップS260では、電子モジュール206の制御回路基板212は、位置センサ234が第2信号を発生したか否かを決定するように構成されている(
図13に示す)。例えば、第2レール228の所定部分236が位置センサ234の弾性検知部234aを押圧しない場合に、位置センサ234は、弾性部材226の弾性力F’に応答して、第2レール228(引き出し)が現在、第1レール230(キャビネット本体)に対して後退位置R’から移動した(又は所定の開放位置E’にある)ことを示す第2信号を制御回路基板212へ発生するように構成されている。
【0064】
電子モジュール206の制御回路基板212が、この位置センサ234が第2信号を発生したと決定した場合に、ステップS270に進む。駆動装置は、第2電力信号を受領する。ステップS270では、位置センサ234が第2信号を発生した場合に、制御回路基板212は、駆動装置204のモータM’の回転軸214が原点位置に回転して復帰するように、第2電力信号を受領するように駆動装置204を制御する。それに対応して、第2駆動部材218を初期位置J1’(
図11を参照する)へ回転するように駆動する。
【0065】
電子モジュール206の制御回路基板212が、この位置センサ234が第2信号を発生しないと決定した場合に、ステップS280に進む。通信装置は、警告のためのシステムエラーメッセージを発生する。ステップS280では、位置センサ234が第2信号を発生しない場合に、第2レール228(引き出し)が後退位置R’から移動されないことを意味する。制御回路基板212は、アプリケーションを介して警告音及び/又は電子メッセージなどのシステムエラーメッセージを発生するように通信装置232に通知するように構成され、第2レール228(引き出し)が現在、後退位置R’から移動されないことをユーザに知らせる。
【0066】
好ましくは、ステップS270の後、ステップS290に進む。モータ原点スイッチが第3信号を発生したか否かを決定する。ステップS290では、電子モジュール206の制御回路基板212は、モータ原点スイッチ208が第3信号を発生したか否かを決定するように構成され、さらに、駆動装置204のモータM’の回転軸214が、
図11に示す原点位置にあるか否か(又は、第2駆動部材218が初期位置J1’にあるか否か)を決定する。
【0067】
電子モジュール206の制御回路基板212が、このモータ原点スイッチ208が第3信号を発生したと決定した場合に、ステップS292に進む。駆動装置のモータの回転軸は、回転を停止する。ステップS292では、電子モジュール206の制御回路基板212が、このモータ原点スイッチ208が第3信号を発生したと決定した場合に、駆動装置204のモータM’の回転軸214は、原点位置で停止し、これに対応して第2駆動部材218は、初期位置J1’(
図11に示す)で停止する。一方、これは、引き出しが開放されたことを意味する。さらに、位置センサ234が第2信号を発生し、モータ原点スイッチ208が第3信号を発生した場合に、家具システムが第2レール228(引き出し)を開ける動作を完了したことを意味する。電子モジュール206の制御回路基板212が、このモータ原点スイッチ208が第3信号を発生しないと決定した場合は、ステップS270に復帰する。
【0068】
従って、本発明の実施形態に係るスライドレール組立体は、以下の技術的特徴を有する。
【0069】
1.電子モジュール(48,206)の駆動装置(51,204)は、弾性部材(68,226)の弾性力(F,F’)を解放するために、可動部材(42,224)をロック解除状態(K1,K1’)に切り替えるために駆動するように構成されている。これにより、第2レール(32,228)は、弾性部材(68,226)の弾性力(F,F’)に応答して、第1レール(30,230)に対して、後退位置(R,R’)から開放方向D1に所定の開放位置(E,E’)へ移動することができる。
【0070】
2.家具システムの第2レール(32,228)又は引き出し(26)は、(背景技術のように手動で押すのではなく)電気駆動によって開けることができる。ユーザは、通信装置(74,232)を操作して、第2レール(32,228)又は引き出し(26)を自動的に開けるために、無線通信のために電子モジュール(48,206)にリンクさせることができ、ユーザが引き出し(26)の中の物品を管理することを容易にする。
【0071】
3.電子モジュール(48,206)は、第1レール(32,230)に着脱可能に取り付けられている。従って、電子モジュール(48,206)は、要件に応じて家具システム(20)に追加的に取り付けられてよく、その結果、家具システム(20)は、電気駆動によって第2レール(32,228)又は引き出し(26)を自動的に開く機能を有する。
【0072】
4.第1実施形態と対照的に、第2実施形態の駆動装置204の第1駆動部材216は、モーメントアームを大きくするために、第2駆動部材218(レバーなど)と協働するように構成されている。これにより、駆動装置204のモータM’は、第1可動部材224を駆動するために回転軸214から一層小さな力を出力することしか必要とされないため、駆動装置204の消費電力を節約することができる。
【0073】
本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多数の修正及び変更がなされてよいことを、当業者であれば容易に理解することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。