(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027970
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】高度集積電子オイルポンプ
(51)【国際特許分類】
F04C 15/00 20060101AFI20250220BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20250220BHJP
F04C 14/00 20060101ALN20250220BHJP
【FI】
F04C15/00 L
F04C15/00 E
H02K7/14 B
F04C14/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096776
(22)【出願日】2024-06-14
(31)【優先権主張番号】202311034365.1
(32)【優先日】2023-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202311608228.4
(32)【優先日】2023-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524034486
【氏名又は名称】杭州象限科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HANGZHOU QUADRANT TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.55, Xiacheng Road, Tonglu County, Hangzhou, Zhejiang 311500, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王利平
(72)【発明者】
【氏名】張国俊
(72)【発明者】
【氏名】王鋭楠
(72)【発明者】
【氏名】華和照
(72)【発明者】
【氏名】趙毅
【テーマコード(参考)】
3H044
5H607
【Fターム(参考)】
3H044AA02
3H044BB03
3H044CC10
3H044CC14
3H044CC28
3H044DD05
3H044DD08
3H044DD13
3H044DD23
3H044DD28
5H607BB01
5H607BB14
5H607CC01
5H607CC05
5H607DD01
5H607DD02
5H607DD08
5H607DD16
5H607FF08
5H607GG01
5H607GG08
5H607JJ06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】構造設計が合理的で、集積度合いが高く、体積が小さく、重さが軽く、発熱素子に対する冷却効果が優れる高度集積電子オイルポンプを提供する。
【解決手段】内に電機と、電機の内部に取り付けられたローターポンプを設けたポンプケーシングを含み、電機とローターポンプとの間に玉軸受が設けられ、電機がステーターアセンブリ及び電機ローターから構成され、ローターポンプが内歯車、外歯車及びピンから構成され、前記ステーターアセンブリの内側に中空の電機ローターが取り付けられ、前記電機ローターの内部に外歯車が設けられ、外歯車が電機ローターに集積されて一体に圧合されるようにして、システムの体積を低減させ、前記電機ローターの中心にブッシングが取り付けられ、前記ブッシングの内側にピンと、外側に内歯車が設けられ、前記内歯車及びピンがそれぞれブッシングと圧合されなり、内歯車と外歯車とが噛み合う高度集積電子オイルポンプ。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内に電機と、電機の内部に取り付けられたローターポンプとが設けられたポンプケーシング(1)を含み、電機とローターポンプとの間に玉軸受(7)が設けられ、電機がステーターアセンブリ及び電機ローター(2)から構成され、ローターポンプが内歯車(6)、外歯車(3)及びピン(5)から構成される高度集積電子オイルポンプであって、
前記ステーターアセンブリの内側に中空の電機ローター(2)が取り付けられ、前記電機ローター(2)の内部に外歯車(3)が設けられ、外歯車(3)が電機ローター(2)に集積されて一体に圧合されるようにし、前記電機ローター(2)の中心にブッシング(4)が取り付けられ、前記ブッシング(4)の内側にピン(5)が設けられ、前記ブッシング(4)の外側に内歯車(6)が設けられ、前記内歯車(6)及びピン(5)がそれぞれブッシング(4)と圧合されなり、内歯車(6)と外歯車(3)とが噛み合う
ことを特徴とする高度集積電子オイルポンプ。
【請求項2】
前記玉軸受(7)は、ローターポンプの端部に取り付けられるように、電機ローター(2)と外歯車(3)との間に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の高度集積電子オイルポンプ。
【請求項3】
前記玉軸受(7)は、ポンプケーシング(1)と同じ機械治具により加工される
ことを特徴とする請求項1に記載の高度集積電子オイルポンプ。
【請求項4】
電機のステーターとローターポンプのポンプ本体とは、熱膨張係数が一致する
ことを特徴とする請求項2に記載の高度集積電子オイルポンプ。
【請求項5】
前記ポンプケーシング(1)には、オイル入口(101)及びオイル出口(102)が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の高度集積電子オイルポンプ。
【請求項6】
前記電機ローター(2)及び外歯車(3)は、内歯車(6)がブッシング(4)の周りに回転するように駆動して、オイル入口(101)から流入される冷却油を加圧することによって、加圧された一方の冷却油がピン(5)を介してステーターアセンブリまで流れ、ステーターアセンブリを冷却させ、熱交換された冷却油が再びに低気圧領域まで流れるようにし、加圧された他方の冷却油が高気圧領域を介してオイル出口(102)からそのまま排出される
ことを特徴とする請求項5に記載の高度集積電子オイルポンプ。
【請求項7】
前記ピン(5)の内部には、冷却油が流れる流路が設けられる
ことを特徴とする請求項1または6に記載の高度集積電子オイルポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新エネルギー車用電子オイルポンプ技術分野に関し、具体的に高度集積電子オイルポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の電動化と新エネルギー車の急速な発展に伴い、集積式電子オイルポンプは、高効率、省エネ、柔軟な制御のため、適用が増えており、集積式電子オイルポンプは主にローターポンプ、電機、コントローラー等の部材という三部分から構成される。
【0003】
現在、大部分の電子オイルポンプ本体は、体積が大く、占める空間が大きく、製造コストが高く、大部分の電機とローターポンプとの間の軸受は、軸受ブラケットに取り付けられ、よって、電子オイルポンプが高くなり、多数のポンプケーシングとローターポンプとの間には空洞があり、ローターポンプの端面の摩擦が大く、よって、ローターポンプの損失が大きくなり、駆動電機ステーターの温度が高すぎると、駆動電機におけるステーターが損害し、ギアボックス内のオイルが駆動電機におけるステーターに対して温度低下し冷却する必要があるが、現在、ほとんどの潤滑油がステーターを流れる経路が高く、冷却効果が影響される。
【0004】
本発明は、構造設計が合理的で、体積が小さく、冷却効果が優れ、製造コストが低い高度集積電子オイルポンプを提供することを主旨とする。
【発明の概要】
【0005】
従来技術に存在する問題に鑑みて、本発明は、体積が小さく、ステーターに対する冷却の所要時間が短く、ローターポンプの端面の摩擦が小さく、電子オイルポンプシステムの効率を効果的に向上できる高度集積電子オイルポンプを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の技術的解決策は下記の通りである。
【0007】
内に電機と、電機の内部に取り付けられたローターポンプとが設けられたポンプケーシングを含み、電機とローターポンプとの間に玉軸受が設けられ、電機がステーターアセンブリ及び電機ローターから構成され、ローターポンプが内歯車、外歯車及びピンから構成される高度集積電子オイルポンプであって、前記ステーターアセンブリの内側に中空の電機ローターが取り付けられ、前記電機ローターの内部に外歯車が設けられ、外歯車が電機ローターに集積されて一体に圧合されるようにして、システムの体積を大幅に低減させ、前記電機ローターの中心にブッシングが取り付けられ、前記ブッシングの内側にピンが設けられ、前記ブッシングの外側に内歯車が設けられ、前記内歯車及びピンがそれぞれブッシングと圧合されなり、内歯車と外歯車とが噛み合う。
【0008】
更には、玉軸受がローターポンプの端部に取り付けられ、電機とローターポンプとの間に空洞がなくするように、前記玉軸受は電機ローターと外歯車との間に設けられ、電子オイルポンプの高さを低減させ、ローターポンプの重さを大幅に低減させ、ローターポンプの体積を小さくする。
【0009】
更には、前記玉軸受は、ポンプケーシングと同じ機械治具により加工され、電機のステーター・ローターの隙間の均一さを保証する。
【0010】
更には、電機のステーターとローターポンプのポンプ本体とは、熱膨張係数が一致し、温度によるオイルポンプの隙間への影響を大幅に低減させる。
【0011】
更には、前記ポンプケーシングには、オイル入口及びオイル出口が設けられる。
【0012】
更には、前記電機ローター及び外歯車は、内歯車がブッシングの周りに回転するように駆動して、オイル入口から流入される冷却油を加圧することによって、加圧された一方の冷却油がピンを介してステーターアセンブリまで流れ、ステーターアセンブリを冷却させ、熱交換された冷却油が再びに低気圧領域まで流れるようにし、加圧された他方の冷却油が高気圧領域を介してオイル出口からそのまま排出される。
【0013】
更には、前記ピンの内部には、冷却油が流れる流路が設けられる。
【発明の効果】
【0014】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1)本発明の技術的手段を採用し、電機のローターの内部に外歯車を設けることによって、外歯車が電機ローターに集積されて一体に圧合され、一方で、システムの体積を大幅に低減させ、システムの重さを低減させ、システム材料及び製造のコストを顕著に低減させ、他方で、ローターポンプ空洞の摩擦を効果的に低減させ、システムの効率の向上に寄与し、
2)本発明の玉軸受は、ローターポンプの端部に取り付けられ、電機とローターポンプとの間に空洞がなくするように、電機ローターと外歯車との間に設けられ、電子オイルポンプの高さを低減させ、ローターポンプの重さを大幅に低減させ、ローターポンプの体積を小さくし、
3)従来の電子オイルポンプの電機ローターが玉軸受ブラケットに圧入されてから、玉軸受及びポンプ歯車に圧入される場合よりも、本発明では、玉軸受ブラケットが設置されず、一方で、電子オイルポンプの全体の高さを短くし、ステーターアセンブリへの加圧される冷却油の経路が短くなり、かかる時間が短くなり、温度低下効果がよりよくなり、他方で、累積的な取付誤差が避けられ、エアギャップの偏心という隠れたリスクもなく、
4)本発明のローターポンプの外歯車及び電機ローターは、玉軸受に直接的に取り付けられ、ローターポンプの端面の隙間を直接的に制御し、外歯車は、シャーシが同期して回動するように駆動し、ポンプの端面の摩擦を大幅に低減させ、システムの効率を効果的に向上させ、
5)本発明では、外歯車が電機ローターに集積され、電機のステーター及びポンプ本体の熱膨張係数が一致するため、温度によるオイルポンプ隙間への影響を大幅に低減させ、ポンプの端面の隙間を正確的に保証し、温度によるシステムの流量効率への影響を効果的に低減、または回避し、
6)本発明の玉軸受は、ポンプケーシングと同じ機械治具により加工され、よって、両者が非常に精密な同軸度及び同心度を持ち、エアギャップの偏心を精密に制御することができ、
7)本発明の玉軸受の外径及びポンプケーシングの内径の精密なエアギャップ制御は、軸受ブラケットがない玉軸受がポンプの端面の隙間を直接的に制御し、玉軸受とポンプの歯車との接続時のエアギャップの偏心の隠れたリスクを効果的に低減、解消し、
8)本発明では、電機ローター及び外歯車は、一緒に内歯車がブッシングの周りに回転するように駆動して、オイル入口から流入される冷却油を加圧することによって、加圧された一方の冷却油がピンを介してステーターアセンブリまで流れ、ステーターアセンブリを冷却させ、発熱素子の温度を効果的に低減させ、
9)本発明のピンについて、静的固定設計が行われ、ブッシングはそのままピンに圧入され取り付けられ、内歯車が回動し、外歯車の駆動で内歯車がブッシングに対して回動し、互いに潤滑し摩擦が低下し、ポンプのシステムの損失を低減させるとともに、ポンプの回転安定性を効果的に向上させ、
10)従来の電子オイルポンプに比べて、本発明では加圧された冷却油がステーターアセンブリまで流れる時間が短く、温度低下効果がより優れ、
11)本発明の高度集積電子オイルポンプは、構造設計が合理的で、集積度合いが高く、体積が小さく、重さが軽く、発熱素子に対する冷却効果が優れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は本発明の高度集積電子オイルポンプの全体構造概略図である。
【
図2】
図2は本発明の高度集積電子オイルポンプの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明をさらに説明するが、本発明の保護する範囲は、前記範囲に限定されない。
【0017】
図1に示すように、高度集積電子オイルポンプであって、ポンプケーシング1を含み、ポンプケーシング1の底部にオイル入口101が設けられ、オイル出口102がポンプケーシング1の側部に設けられ、オイル入口101に、潤滑油をフィルタリングするフィルター14が設けられる。
【0018】
本実施例において、ポンプケーシング1としては、アルミニウムシャーシが用いられる。
【0019】
ポンプケーシング1の内部には、電機と、電機に取り付けられたローターポンプとが設けられ、電機とローターポンプとの間には玉軸受7が設けられ、玉軸受がローターポンプの端部に設けられるようにし、電機がステーターアセンブリ及び電機ローター2から構成され、ローターポンプが内歯車6、外歯車3及びピン5から構成される。
【0020】
図2に示すように、ステーターアセンブリの内側には電機ローター2が取り付けられ、電機ローター2の内部には外歯車3が設けられ、外歯車3が電機ローター2に集積して一体に圧合されるようにし、電機ローター2の中心にはブッシング4が取り付けられ、ブッシング4の内側にはピン5が設けられ、ブッシング4の外側には内歯車6が設けられ、内歯車6及びピン5はそれぞれブッシング4と圧合されてなり、内歯車6と外歯車3とが噛み合う。
【0021】
本発明の外歯車は、電機ローター2に集積されて一体に圧合され、一方で、システムの体積を大幅に低減させ、システムの重さを低減させ、システム材料及び製造のコストを顕著に低減させ、他方で、ローターポンプ空洞の摩擦を効果的に低減させ、システムの効率の向上に寄与する。
【0022】
本発明の玉軸受7は、電機ローター2と外歯車3との間に設けられ、玉軸受7は電機ローター2を支持し、ローターポンプにおいて外歯車3の回転を保証し、玉軸受7は、電機とローターポンプとの間に空洞がなくするように、ローターポンプの端部に設けられ、電子オイルポンプの高さを低減させ、ローターポンプの重さを大幅に低減させ、ローターポンプの体積を小さくする。
【0023】
従来の電子オイルポンプの電機ローターが玉軸受ブラケットに圧入されてから、玉軸受及びポンプ歯車に圧入される場合よりも、本発明では、玉軸受ブラケットが設置されず、一方で、電子オイルポンプの全体の高さを短くし、ステーターアセンブリへの加圧される冷却油の経路が短くなり、かかる時間が短くなり、温度低下効果がよりよくなり、他方で、累積的な取付誤差が避けられ、エアギャップの偏心という隠れたリスクもない。
【0024】
実施例において、玉軸受7は、ポンプケーシング1と同じ機械治具により加工され、よって、両者が非常に精密な同軸度及び同心度を持ち、エアギャップの偏心を精密に制御することができる。
【0025】
本発明では、外歯車が電機ローターに集積され、電機のステーター8及びポンプ本体の熱膨張係数が一致するため、温度によるオイルポンプ隙間への影響を大幅に低減させ、ポンプの端面の隙間を正確的に保証し、温度によるシステムの流量効率への影響を効果的に低減、または回避する。
【0026】
本発明の冷却油がステーターアセンブリを冷却するアルゴリズムは下記の通りである。
【0027】
電機ローター2は、外歯車3とともに、内歯車6がブッシング4の周りに回転するように駆動して、オイル入口101から流入される冷却油を加圧することによって、加圧された一方の冷却油がピン5を介してステーターアセンブリまで流れ、ステーターアセンブリを冷却させ、熱交換された冷却油が再びに低気圧領域まで流れるようにする。
【0028】
また、加圧された他方の冷却油が高気圧領域を介してオイル出口102からそのまま排出される。
【0029】
本実施例において、ピン5の内部には、冷却油が流れる流路が設けられる。
【0030】
また、ピン5は、中空構造または実心構造である。
【0031】
ここで特に説明するが、本発明のピン5については静的固定設計が行われ、ブッシング4はそのままピン5に圧入され取り付けられ、内歯車6が回動し、外歯車3の駆動でポンプの内歯車6がブッシング4に対して回動し、互いに潤滑し摩擦が低下し、ローターポンプのシステムの損失を低減させるとともに、ローターポンプの回転安定性を効果的に向上させる。
【0032】
電子オイルポンプの全体の高さが低くなるため、従来の電子オイルポンプに比べて、本発明では加圧された冷却油がステーターアセンブリまで流れる時間が短く、温度低下効果がより優れる。
【0033】
本実施例において、ステーターアセンブリは、ステーター8と、ステーター8に取り付けられたステーター巻線9とを含み、本実施例において、ステーター8としては珪素鋼板材質から作製され、製造コストを低下させ、回転部材の摩擦力を低減させ、ステーター巻線9の線径が1.8mmであり、従来の1.6mmに比べて、ローターポンプの性能が大幅に向上する。
【0034】
本実施例において、軟磁合金ローター2には、その位置を監視するラジアルマグネット10が取り付けられる。
【0035】
電子制御部品の設計を簡単化するために、従来の巻線を簡単化し、ステーターアセンブリの上方にハブ11が設けられる。ステーター巻線10のピンは、ハブ6に接続されている。
【0036】
ハブ11の上方にはコントローラ12が設けられ、本発明のコントローラ12は、素早い対応を実現し、回路逆接続保護、信号干渉防止、油温監視、過熱防止、独立した通信チャネル、電機角度位置の検出、電機の回転速度比較の受信及び計算、実際のローター回転速度の合理性の調整などの特徴を持っている。
【0037】
オイル回路と電子制御部分を分離するために、コントローラ12とハブ11との間には断熱封止板13が設けられ、封止性が向上し、オイルポンプの内部にボルトによって固定構造を組み立つことを回避するように、断熱封止板13とハブ11とが嵌合して接続され固定される。
【0038】
断熱封止板13には、冷却油温度を検出してフィードバックするためのPTC温度センサ(図示なし)が取り付けられ、PTC温度センサ(図示なし)はコントローラ12に電気的に接続される。本発明におけるPTC温度センサは、油温を0.1℃まで正確に検知することを実現できる。
【0039】
本発明では、ステーターアセンブリを冷却する具体的なプロセスは下記の通りである。
1)まず、機器をオンにし、この際に、コントローラ12が通電し、コントローラ12は電気を三相電に変換し、ハブ11におけるステーター巻線9へ給電し、電磁力により電機ローター2及び外歯車3が回転駆動され、電機ローター2及び外歯車3の回転によってオイル入口101から流入される冷却油がフィルター14を介した後、低気圧領域に入るようにし、
2)電機ローター2は、外歯車3とともに、内歯車6がブッシング4の周りに回転するように駆動して、オイル入口101から流入される冷却油を加圧することによって、加圧された一方の冷却油がピン5を介してステーターアセンブリまで流れ、ステーターアセンブリを冷却させ、熱交換された冷却油が再びに低気圧領域まで流れるようにし、内外歯車の差によって遠心力が生じて冷却油を加圧し、この際に、PTC温度センサは、油の現在温度値をフィードバックするとともに、該温度値をコントローラ12にフィードバックし、コントローラ12は、現在油温度値を外部の制御システムにフィードバックし、
3)加圧された他方の冷却油は、高気圧領域を経過した後、そのままオイル出口102から排出される。
【符号の説明】
【0040】
1 ポンプケーシング
101 オイル入口
102 オイル出口
2 電機ローター
3 外歯車
4 ブッシング
5 ピン
6 内歯車
7 玉軸受
8 ステーター
9 ステーター巻線
10 ラジアルマグネット
11 ハブ
12 コントローラ
13 断熱封止板
14 フィルター。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内に電機と、電機の内部に取り付けられたローターポンプとが設けられたポンプケーシング(1)を含み、玉軸受(7)がローターポンプの端部に取り付けられるように、外歯車(3)とポンプケーシング(1)との間に玉軸受(7)が設けられ、電機がステーターアセンブリ及び電機ローター(2)から構成され、ローターポンプが内歯車(6)、外歯車(3)及びピン(5)から構成される高度集積電子オイルポンプであって、
前記ステーターアセンブリの内側に中空の電機ローター(2)が取り付けられ、前記電機ローター(2)の内部に外歯車(3)が設けられ、外歯車(3)が電機ローター(2)に集積されて一体に圧合されるようにし、前記電機ローター(2)の中心にブッシング(4)が取り付けられ、前記ブッシング(4)の内側にピン(5)が設けられ、前記ブッシング(4)の外側に内歯車(6)が設けられ、前記内歯車(6)及びピン(5)がそれぞれブッシング(4)と圧合されなり、内歯車(6)と外歯車(3)とが噛み合う
ことを特徴とする高度集積電子オイルポンプ。
【請求項2】
前記玉軸受(7)は、ポンプケーシング(1)と同じ機械治具により加工される
ことを特徴とする請求項1に記載の高度集積電子オイルポンプ。
【請求項3】
電機のステーターとローターポンプのポンプ本体とは、熱膨張係数が一致する
ことを特徴とする請求項1に記載の高度集積電子オイルポンプ。
【請求項4】
前記ポンプケーシング(1)には、オイル入口(101)及びオイル出口(102)が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の高度集積電子オイルポンプ。
【請求項5】
前記電機ローター(2)及び外歯車(3)は、内歯車(6)がブッシング(4)の周りに回転するように駆動して、オイル入口(101)から流入される冷却油を加圧することによって、加圧された一方の冷却油がピン(5)を介してステーターアセンブリまで流れ、ステーターアセンブリを冷却させ、熱交換された冷却油が再びに低気圧領域まで流れるようにし、加圧された他方の冷却油が高気圧領域を介してオイル出口(102)からそのまま排出される
ことを特徴とする請求項4に記載の高度集積電子オイルポンプ。
【請求項6】
前記ピン(5)の内部には、冷却油が流れる流路が設けられる
ことを特徴とする請求項1または5に記載の高度集積電子オイルポンプ。