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特開2025-28026超高速変調垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028026
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】超高速変調垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/026 20060101AFI20250220BHJP
   H01S 5/183 20060101ALI20250220BHJP
   H01S 5/11 20210101ALI20250220BHJP
【FI】
H01S5/026 616
H01S5/183
H01S5/11
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024135408
(22)【出願日】2024-08-14
(31)【優先権主張番号】63/532,778
(32)【優先日】2023-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/575,281
(32)【優先日】2024-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/802,317
(32)【優先日】2024-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519146787
【氏名又は名称】ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】II-VI Delaware,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・テシエ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルフリート・マイノイルト
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AB13
5F173AC52
5F173AC70
5F173AD12
5F173AG20
(57)【要約】
【課題】超高速変調垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)のためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】例示の光学デバイスは、光源と光源の上の電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造とを含む。電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造は、格子構造を含み、格子構造は複数の格子線を含み、格子構造は格子構造内に配置されたポッケルス材料をさらに含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源の上の電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造と
を含む光学デバイスであって、
前記EMLベースの構造は格子構造を含み、
前記格子構造は複数の格子線を含み、
前記格子構造は、前記格子構造内に配置されたポッケルス材料をさらに含む、
光学デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記ポッケルス材料の少なくとも一部は前記複数の格子線内に配置されている、光学デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記ポッケルス材料の少なくとも一部は前記複数の格子線の間の空隙に配置されている、光学デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記複数の格子線のうちの少なくとも1つの格子線は、底部の上にコンタクトを有するポッケルス材料を含む底部を含む、光学デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造と前記光源との両方を担持する基板をさらに含む光学デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記格子構造は高コントラスト格子(HCG)ベースの構造を含む、光学デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記光源は垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの構造を含む、光学デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の光学デバイスであって、前記垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの構造は、上部ミラー層と、下部ミラー層と、前記上部ミラー層と前記下部ミラー層との間に配置された量子井戸層とを少なくとも含む、光学デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記光源はフォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL)ベースの構造を含む、光学デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記光源は高次分布帰還型ポリマー(DFB)ベースの構造を含む、光学デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造は、前記EMLベースの構造に印加される入射ビームまたは入射波に振幅変調を与えるように構成された、光学デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載の光学デバイスであって、前記格子構造は、前記振幅変調を与えるときに、前記入射ビームまたは入射波に対応する出射ビームまたは出射波の強度またはパワーを調整または変更するように構成された1つまたは複数の格子フィーチャまたは特性を含む、光学デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造は、前記EMLベースの構造に印加される入射ビームまたは入射波に波面変調を与えるように構成された、光学デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載の光学デバイスであって、前記電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造は、前記電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造に関連付けられた屈折率(RI)の調整に基づいて前記波面変調を与えるように構成された、光学デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載の光学デバイスであって、前記電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造は、前記ポッケルス材料にわたって印加される電場のバイアス印加または変更に基づいて前記屈折率(RI)を調整することを可能にするように構成された、光学デバイス。
【請求項16】
請求項13に記載の光学デバイスであって、前記格子構造は、前記波面変調を与えるときに前記入射ビームまたは入射波を1つまたは複数の離散的角度に偏向させるように構成された、光学デバイス。
【請求項17】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造は、前記EMLベースの構造に印加される入射ビームまたは入射波に偏光変調を与えるように構成されている、光学デバイス。
【請求項18】
請求項17に記載の光学デバイスであって、前記格子構造は、前記偏光変調を与えるときに、前記入射ビームまたは入射波に対応する出射ビームまたは出射波に偏光回転を加えるように構成された、光学デバイス。
【請求項19】
請求項17に記載の光学デバイスであって、前記格子構造は、前記偏光変調を与える際の使用のために構成された1つまたは複数の格子フィーチャを含み、前記1つまたは複数の格子フィーチャは本質的に直線偏光子である、光学デバイス。
【請求項20】
請求項19に記載の光学デバイスであって、前記1つまたは複数の格子フィーチャは、偏光を有する光ビームを特定の方向に選択的に透過させるように構成された、光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]本出願は、2023年8月15日に出願された米国仮特許出願第63/532,778号および2024年4月5日に出願された米国仮特許出願第63/575,281号の優先権を主張し、利益を主張する。上記出願の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示の態様は、光通信ベースの解決策に関する。より詳細には、本開示のある特定の実装形態は、超高速変調垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)の実装および使用のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]従来の回折格子の限界と欠点は、そのようなシステムを、図面を参照しながら本出願の他の部分に記載されている本開示のいくつかの態様と比較することにより、当業者に明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0004】
[0004]実質的に図のうちの少なくとも1つの図に示され、および/または図に関連して説明され、特許請求の範囲においてより完全に記載されている、超高速変調垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)のためのシステムおよび方法が提供される。
【0005】
[0005]本開示の上記およびその他の利点、態様および新規な特徴と、その例示の実施形態の詳細は、以下の説明および図面からより十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】[0006]本開示による、パフォーマンス向上のために交互嵌合型格子内にポッケルス材料を組み込んだ例示の超高速変調垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を示す図である。
図1B】本開示による、パフォーマンス向上のために交互嵌合型格子内にポッケルス材料を組み込んだ例示の超高速変調垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を示す図である。
図2】[0007]例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を示す図である。
図3】[0008]例示のフォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL)を示す図である。
図4】[0009]例示の高次分布帰還型ポリマー(DFB)を示す図である。
図5A】[0010]本開示による、例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)を示す図である。
図5B】[0011]本開示による、例示の3コンタクト垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)を示す図である。
図5C】[0012]本開示による、例示の4コンタクト垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)を示す図である。
図6】[0013]本開示による、例示の高コントラスト格子(HCG)構造を示す図である。
図7】[0014]本開示による、反射率変調器としての例示の高コントラスト格子(HCG)構造の使用を示す図である。
図8】[0015]本開示による、波面変調(wavefront modulation)における例示の高コントラスト格子(HCG)構造の使用を示す図である。
図9】[0016]本開示による、強度変調器としてのポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)の使用を示す図である。
図10】[0017]本開示による、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)を製作するための異なるプロセスを示す図である。
図11】[0018]本開示による、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)におけるデフェージングを示す図である。
図12】[0019]本開示による、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)の、波面変調における使用を示す図である。
図13】[0020]本開示による、コンタクトの上にポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)の、波面変調における使用を示す図である。
図14】[0021]本開示による、ポッケルス材料を組み込んだ高コントラスト格子(HCG)構造を有する例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)における入射外部光の処理を示す図である。
図15】[0022]本開示による、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)の、偏光変調における使用を示す図である。
図16】[0023]本開示による、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)構造の例示の変形を示す図である。
図17】[0024]本開示による、交互嵌合型電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造の第1の例示の実装形態を示す図である。
図18】[0025]本開示による、交互嵌合型電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造の第2の例示の実装形態を示す図である。
図19】[0026]本開示による、交互嵌合型電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造の第3の例示の実装形態を示す図である。
図20】[0027]本開示による、交互嵌合型電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造の第4および第5の例示の実装形態を示す図である。
図21】[0028]本開示による、交互嵌合型電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造の第6の例示の実装形態を示す図である。
図22】[0029]本開示による、ポッケルス材料を有し、ゲート用の誘電体を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)を示す図である。
図23】[0030]一方が電界吸収変調レーザ(EML)ベースの設計を組み込んだデバイスである、例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの光学デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0031]図1A図1Bに、本開示による、パフォーマンスを向上させるために交互嵌合型格子内にポッケルス材料を組み込んだ例示の超高速変調垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を示す。図1A図1Bを参照すると、超高速変調を実現するために、交互嵌合型格子を有する垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)100(またはその一部)が示されている。
【0008】
[0032]これに関連して、VCSEL100は、上面から垂直なレーザビーム発光を出射するように構成された半導体レーザダイオードベースの構造を含み得る。たとえば、VCSELは、レーザ光発生のための1つまたは複数の量子井戸を間に含む活性領域を有する、上面に対して平行なミラーとして機能するように構成された分布ブラッグ反射器(DBR)ベースの構造を含むことができる。基板層とヒートシンク層の上に1つのDBR構造が配置され得る。この平面DBRミラーは、高屈折率(RI)と低屈折率とが交互になった材料を有する層を含むことができる。
【0009】
[0033]各層の厚さは、高反射率をもたらすように設定することができる。たとえば、材料におけるレーザ波長の4分の1の厚さは、99%を超える光反射率をもたらすことができる。高反射率の使用は、利得領域の短軸長をバランスさせるために使用することができる。ある実施形態では、p型領域とn型領域をDBRミラーの間に埋め込み、それによってダイオード接合を形成することができる。これは、活性層/領域への電気接触を確実にするためのより複雑な半導体処理を必要とする可能性があるが、DBR構造における電力損失をなくすことができる。図1Aに、VCSEL100の例示の構造を示す。
【0010】
[0034]本開示によると、特にVCSELの変調機能および/または特性に関して、VCSELのパフォーマンスが向上し得る。具体的には、これは、VCSELの構造に対して調整および/または追加を組み込むことによって行うことができ、それによって、過剰なコストおよび/または複雑さを加えることなくパフォーマンス向上をもたらすことができる。
【0011】
[0035]これに関連して、VCSELの動作中、駆動電流を変調することができ、さらにそれによって出射レーザを変調することができる。しかし、VCSELの変調は、VCSELのキャビティ(空洞;共振器)部分からの光子の脱出時間を含む異なる要因によって、場合によって限定されることがある。この利得の低下は役立つ可能性があるが、そのようにする場合でも光子が脱出し得るまでにある程度時間がかかる。これは、VCSELにおける変調の速度を制限する。本開示による解決策は、変調を光子脱出時間より高速にすることを可能にする。これは、たとえば光子脱出時間に打ち克つことを可能にするようにビームを向け直すことによって行うことができる。
【0012】
[0036]たとえば、本開示に基づく様々な実施形態において、図1Aに示すように交互嵌合型格子をVCSELにおいて使用することができる。これに関連して、交互嵌合型格子は、ポッケルス材料、すなわち高ポッケルス係数材料を有する材料(たとえば有機、KTO用Perkinamine(商標)など)で満たされた金属格子を含み得る。ポッケルス材料は、高コントラスト格子が本明細書に記載のようにしてレーザビームにバイアスをかけることを確実に可能にするなど、所定の選択基準に基づいて選択することができる。交互嵌合型格子の使用は、ホイヘンス-フレネル原理に従って遠方場上で相殺的干渉による変調器の上部から出射することができるビームの「サブラムダ」(または「ファイバまでの距離に対して相対的に小さい」)配列の生成を可能にし得る。これは、2つの交互嵌合型格子の間の印加バイアスを変化させるなどによって、ファイバ中に/遠方場に結合される高(建設的)パワーまたは低(相殺的)パワーをもたらすことになる。第2の部分として、この効果は共振効果によって強化可能であり、これをキャビティ中に組み込むことができる。
【0013】
[0037]ある例示の実施形態では、高コントラスト格子(HCG)ベースの手法を使用することができる。これに関連して、HCGを、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)の上部分布ブラッグ反射器(DBR)層を置き換えるために使用することができる。これに関連して、変調速度の必要な向上の実現を可能にする任意の適切な高コントラスト格子(HCG)ベースの設計を使用することができる。具体的には、VCSELの変調パフォーマンスを強化するためにVCSELにおいて使用される高コントラスト格子(HCG)構造を選定し、構成する際の重要な考慮事項は、レーザビームにバイアスを加え、ゲートテンションを加える能力などであり得る。たとえば、図1Aに図示されている実施形態に示すように、高コントラスト格子(HCG)は、「面外」高反射率を実現するために、低屈折率(RI)と高屈折率が交互になった「面内」の周期的または準周期的構造を有するものなど、エッチングされた構造を含むことができる。また、(図1Aに示すように)HCG構造の上にコンタクトを配置することができる。これらのコンタクトは、ミラーとして有効に機能することができる。コンタクトは、金属または任意の適切な材料を含み得る。場合によっては、HCG構造は活性層/領域の上方になんらかのDBR材料を組み込むことができる。
【0014】
[0038]ある例示の実施形態では、それぞれHCGの表面の上のコンタクトを接続するためなどに金属配列を使用することができる。これを、VCSELの上に配置された金属配列の上面図を示す図1Bに示す。金属配列は、ポッケルス材料が充填された穴を有する、VCSELのエッチングされた、充填された高コントラスト格子(HCG)(たとえばDOI:10.1038/srep40348)を有する交互嵌合型ゲートとして使用することができる。これに関連して、ポッケルス材料は特定の充填基準を満たす必要はない(たとえば、穴を完全に充填するように使用されてもよいが、これは必須でなくてもよい)。むしろ、2つの異なる経路間の重なり、および使用される材料の選定など、他の要因が重要となり得る。これに関連して、材料のポッケルス係数は、本明細書に記載されているように相殺的干渉と建設的干渉とを確実に生じさせるなどのために、レーザビームにバイアスをかけることを可能にする必要がある。金属配列の金属ワイヤ(すなわちHCGの上のコンタクト)は相互とV2とに接続することができ、薄い絶縁層によって絶縁可能である。同様に、HCG構造の穴を充填するポッケルス材料(経路)を相互とV1とに接続することができる。次に、V2にバイアスをかけることによって、経路の半分を後半に対してデフェージングさせることができ、それによって相殺的干渉を生じさせることができる。
【0015】
[0039]上記にもかかわらず、本開示はこのような設計には限定されず、本開示に基づく解決策は、格子の任意の適切な形状、格子において使用するのに適した任意の材料、ポッケルス効果を強化するための共振効果の使用(または不使用)などについて一般化することができる。
【0016】
[0040]また、実装形態に基づいてVCSELに基づく本開示の様々な態様および特徴を図示し、説明するが、本開示はVCSELには限定されず、本明細書に記載されている同様の設計を、フォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL)および高次分布帰還型ポリマー(DFB)など、他の種類の発光デバイスにおいて使用することができる。本開示に基づく構造的および/または機能的修正を組み込むように構成可能な例示のVCSEL、PCSELおよび高次DFBを、図2図4に関して示し、説明する。
【0017】
[0041]図2に、例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を示す。図2を参照すると、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)200(またはその一部)が示されている。
【0018】
[0042]VCSELは、特に送受信器(たとえばデータセンターにおいて使用される光学送受信器)などの実装において、光(たとえばレーザ)源として一般的に使用される。従来、VCSELは、直流(Idc)と交流(Iac)の一方または両方を使用して駆動される。
【0019】
[0043]図2に示すように、VCSEL200は、2つのミラー(たとえば分布ブラッグ反射器(DBR)層)の間に挟まれた利得媒体として機能する多重量子井戸(MQW)層を含む。また、VCSEL200は、上部ミラー層の上面および/またはVCSEL200の底面上などにコンタクトを含む。コンタクトは、たとえば金属材料などを含むことができる。
【0020】
[0044]図3に、例示のフォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL)を示す。図3を参照すると、フォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL)300(またはその一部)が示されている。
【0021】
[0045]PCSELは、光(たとえばレーザ)源として一般的に使用され、従来、直流(Idc)と交流(Iac)の一方または両方を使用して駆動される。
[0046]図3に示すように、PCSEL300は、底面上のミラー(たとえば分布ブラッグ反射器(DBR))層とMQW層の上のフォトニック結晶層との間に挟まれた利得媒体として機能する多重量子井戸(MQW)層を含む。また、PCSEL300は、上部ミラー層の上面および/またはPCSEL300の底面などにコンタクトを含む。コンタクトは、たとえば金属材料などを含むことができる。
【0022】
[0047]図4に、例示の高次分布帰還型ポリマー(DFB)を示す。図4を参照すると、高次分布帰還型ポリマー(DFB)400(またはその一部)が示されている。
[0048]高次DFBは、光(たとえばレーザ)源として一般的に使用され、従来、直流(Idc)と交流(Iac)の一方または両方を使用して駆動される。
【0023】
[0049]図4に示すように、高次DFB400は、底面上のミラー(たとえば分布ブラッグ反射器(DBR))層とMQW層の上の高次格子層との間に挟まれた利得媒体として機能する多重量子井戸(MQW)層を含む。また、高次DFB400は、上部ミラー層の上面および/または高次DFB400の底面などにコンタクトを含む。コンタクトは、たとえば金属材料などを含むことができる。
【0024】
[0050]本開示に基づく解決策は底面発光にも適用可能であるため、図2図4に示す3つの異なる種類の光学デバイス(VCSEL、PCSELおよび高次DFB)の各々を、底面発光により示す。
【0025】
[0051]図5Aに、本開示による例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)を示す。図5Aを参照すると、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)500(またはその一部)が示されている。
【0026】
[0052]VCSEL-EML500は、2つのミラー(たとえば分布ブラッグ反射器(DBR)層)の間に挟まれた利得媒体として機能する多重量子井戸(MQW)層を含み、上部ミラー層の上面に電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造を有する。また、VCSEL-EML500は、EMLベースの構造の上面上、上部ミラー層の上面上、および/またはVCSEL-EML500の底面などにコンタクトを含むことができる。コンタクトは、たとえば金属材料などを含むことができる。
【0027】
[0053]VCSELは、特に送受信器(たとえばデータセンターにおいて使用される光学送受信器)などの実装において、光(たとえばレーザ)源として一般的に使用される。従来、直接駆動またはDAC/DCベースのVCSELが使用される。しかし、そのような直接変調VCSELは、電気的帯域幅と光学的帯域幅との間の帯域幅(BW)ボトルネックにきわめて近づきつつある。
【0028】
[0054]したがって、VCSELにおいて行われる変調の少なくとも一部を処理する際の使用のためにEMLベースの構造が追加された、VCSEL-EMLデバイスが使用される。これに関連して、VCSEL-EMLの例示の動作時に、EMLベースの構造にわたって変調電圧を印加することができ、次にデバイス全体を駆動するために電流が供給される。たとえば、デバイスは、出力光信号を変調するデジタル信号など、(たとえば電圧のオンまたはオフに基づく)デジタル化ベースの駆動を可能にする、時間変動電圧を使用して駆動可能である。あるいは、デバイスは常時オンであるように、直流電流(DC)によって駆動することができる。たとえば、図5Aに示すように、VCSEL-EML500ではEMLベースの構造を駆動するためにVacが使用され、一方、デバイス(全体として)を駆動するためにIdcが使用される。
【0029】
[0055]本開示によると、VCSEL-EML(たとえばVCSEL-EML500)のパフォーマンスは、具体的には本明細書で使用されているEMLベースの構造を修正することによって向上および/または最適化することができる。たとえば、ポッケルス効果を使用および/または利用する垂直EMLを組み込むなどによって、新たな変調方式を実装するようにVCSEL-EMLを修正することができる。これに関連して、そのような実装形態では、VCSELを、本提案のEMLベースの構造がVCSELの上部ミラー(たとえばDBR)層の上にモノリシックに実装された連続波形(CW)光源として使用することができる。また、EMLは、具体的にはポッケルス効果を利用するようにポッケルス材料を組み込むことによって、EMLとデバイス全体のパフォーマンスを向上させるように修正することができる。
【0030】
[0056]これに関連して、ポッケルス効果は、電場の印加に応答して発生する光媒体の屈折率(RI)の方向依存線系変動である。光媒体の屈折率は、その媒体の光を曲げる能力の指標を与える無次元数である。言い換えると、屈折率は、材料中の光の速度の指標である。したがって、様々な実装形態において、(たとえばポッケルス材料にわたる電圧の印加を制御することによって)材料の屈折率(RI)に基づいて光を変調することを可能にし、さらにそれによってEMLベースの構造に適用されると光ビームの挙動に影響を与えるように、EMLベースの構造にポッケルス材料が加えられる。
【0031】
[0057]このような手法は、たとえば代わりにEMLベースの構造の上にバイアス方式の適応化を使用して、材料に依存しないものとすることができる。これに関連して、EMLにおいて使用されるポッケルス材料は、本明細書に記載のように、(たとえば所望または必要なRIの観点で決定された)特定のパフォーマンス基準が満たされるように保証するために適応的に選定および/または適用することができる。また、多くの場合、加えられるポッケルス材料は、バイアス方式(EMLベースの構造に適用可能)とともに使用することができ、バイアス方式は所望の変調機能のために適応化される。
【0032】
[0058]たとえば、図5Aに示すようにVCSEL-EML500は、変調駆動とは分離されたレーザDC駆動を有する集積3コンタクトVCSELとして実装されている。これは、変調部の直接駆動によるEML電子方式の使用を可能にする。EMLベースの構造にポッケルス材料を組み込むことにより、ポッケルス効果の適応利用に基づくパフォーマンス向上が可能になる。具体的には、ポッケルス材料を、ポッケルス効果を強化するためのサブ波長パターンの形成および/または使用を可能にするために使用することができる。
【0033】
[0059]様々な例示の実装形態において、EMLは変調機能をサポートするように構成された格子を組み込むことができ、これらの格子はポッケルス効果を利用するためにポッケルス材料を組み込んでいる。たとえば、ある実装形態では、ポッケルス材料の組み込みは、高コントラスト格子(HCG)と併用して行うことができる。これに関連して、高コントラスト格子(HCG)の使用は、限定された光学的損失(たとえば<<3dB)、高ポッケルス材料を使用することができること、HCGの容易に利用可能なシミュレーション能力を使用することができることなど、様々な利点を提供することができるために、望ましい可能性がある。場合によっては、高屈折率材料におけるエッチング構造(たとえば幅50nm~100nm、深さ200nm~400nm)が使用されてもよい。
【0034】
[0060]構成によっては、様々な変調機能をもたせるために本提案のEMLベースの構造が使用されてもよい。たとえば、EMLは、ビームの偏向、たとえばファイバ中への出射結合を変調(波面変調)するように、および/またはビームの偏光を変調(偏光変調)するように、出射パワーを変調(強度変調または振幅変調)するために使用することができる。
【0035】
[0061]場合によっては、本提案のEMLベースの構造は、特定のパフォーマンス基準を満たすように構成可能である。たとえば、EMLは目標VΠ<<5Vを有する場合がある。このようなパフォーマンス基準を満たすには、EMLベースの構造をそれに応じて設計および/または構成する必要がある可能性がある。たとえば、そのような目標VΠを確実に満たすには、たとえばポッケルス材料における光場増強を必要とし得る。
【0036】
[0062]場合によっては、本提案のEMLベースの構造は、ビームステアリング(たとえば超高速空間光変調器として)などのために、100Gbpsコンポーネント(たとえば、(ファイバチップ、垂直変調器/カップラ上などの)受動光ネットワーク(passive optical network(PON))要素、MUX/DEMUX機能など)を設けるためなど、他の用途で使用することも可能である。
【0037】
[0063]ある実装形態では、本提案のEMLベースの構造は、(VCSELではなく)フォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL)光源とともに使用可能である。光源としてのPCSELの使用は有利な場合があり、たとえばHCG設計の可能性の利点を最適化する。これに関連して、PCSELは本質的に単一モードデバイスであるため最適光源である場合があり、HCGの高Q共振の全潜在能力を利用することを可能にすることができ、および/またはHCGの均一な照射を可能にし得る(それによってHCGの好ましくない有限サイズ効果の回避を可能にする)。
【0038】
[0064]図5Bに、本開示による、例示の3コンタクト垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)を示す。図5Bを参照すると、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)520(またはその一部)が示されている。
【0039】
[0065]これに関連して、VCSEL-EML520は、図5AのVCSEL-EML500と実質的に類似し、実質的に同様に動作し得る。具体的には、VCSEL-EML520は、汎用垂直発光レーザ構造の上に電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造を含む。汎用垂直発光レーザ構造は、レーザを垂直方向に発光することを可能にするように構成可能な任意の適切な構造を含み得る。たとえば、汎用垂直発光レーザ構造は、図5AのVCSEL-EML500における対応する構造と類似した構造を有してもよく、したがって、2つのミラー(たとえば分布ブラッグ反射器(DBR)層)に挟まれた利得媒体として機能する多重量子井戸(MQW)層を含み得る。
【0040】
[0066]また、VCSEL-EML520は、EMLベースの構造の上面上、汎用垂直発光レーザ構造の上面上、および/または汎用垂直発光レーザ構造の底面上などに、コンタクトを含むことができる。コンタクトは、たとえば金属材料などを含むことができる。
【0041】
[0067]VCSEL-EML520は、3つのコンタクトを使用する代替設計に相当する。たとえば、図3Bに示す実施形態において、3つのコンタクトは、それぞれ、EMLベースの構造の上面上のコンタクト、汎用垂直発光レーザ構造の上面上のコンタクト、および汎用垂直発光レーザ構造の底面上のコンタクトに対応し得る。これらの3つのコンタクトは、Idcおよび/またはVacを使用して駆動される。
【0042】
[0068]図5Cに、本開示による例示の4コンタクト垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)を示す。図5Bを参照すると、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)540(またはその一部)が示されている。
【0043】
[0069]これに関連して、VCSEL-EML540は、実質的に図5AのVCSEL-EML500に類似し得、実質的に同様に動作可能である。具体的には、VCSEL-EML540は、汎用垂直発光レーザ構造の上に、電気絶縁層を間に挟んで電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造を含む。汎用垂直発光レーザ構造は、レーザを垂直に出射するように構成可能な任意の適切な構造を含み得る。たとえば、汎用垂直発光レーザ構造は、図5AのVCSEL-EML500の対応する構造に類似した構造を有してもよく、したがって、2つのミラー(たとえば分布ブラッグ反射器(DBR)層)の間に挟まれた利得媒体として機能する多重量子井戸(MQW)層を含むことができる。
【0044】
[0070]また、VCSEL-EML540は、EMLベースの構造の上面上、汎用垂直発光レーザ構造の上面上、および/または汎用垂直発光レーザ構造の底面上などに、コンタクトを含むことができる。コンタクトは、たとえば金属材料などを含むことができる。
【0045】
[0071]VCSEL-EML540は、4つのコンタクトを使用する代替設計に相当する。たとえば、図5Cに示す実装形態において、4つのコンタクトは、それぞれ、EMLベースの構造の上面上のコンタクト、汎用垂直発光レーザ構造の上面上のコンタクト、および汎用垂直発光レーザ構造の底面上のコンタクトに対応し得、図5に示すように、EMLベースの構造の上のコンタクトは2つの別個のグループのコンタクトに構成される。これらの4つのコンタクトは、Idcおよび/またはVacを使用して駆動される。
【0046】
[0072]図6に、本開示による例示の高コントラスト格子(HCG)構造を示す。図6を参照すると、高コントラスト格子(HCG)610を組み込んだ垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)600が示されている。
【0047】
[0073]VCSEL600は、活性層(たとえばMQW)が間に挟まれた2つのミラーを含み、上部ミラーがHCG610を組み込んでいる。下部ミラーと上部ミラーは、格子構造とともに活性層と組み合わさってレーザ共振器を形成する。
【0048】
[0074]上述のように、場合によっては、本開示に基づいて実装される垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)において高コントラスト格子(たとえばHCG610)が使用されてもよく、HCGは本提案のEMLベースの構造においてEMLベースの構造によって行われる変調機能を促進および/またはサポートするために特に使用される。これに関連して、格子は間に間隙を有する格子フィーチャを組み込んでおり、格子フィーチャの高さ(寸法h)、格子フィーチャの幅(寸法a)、格子フィーチャの上のコンタクトの厚さ(寸法h)、格子フィーチャの周期、すなわち連続した格子フィーチャにおける同一点間の距離(寸法d)、および間隙の合計深さ(図6に示す格子フィーチャの上にコンタクトが配置されたときの寸法hとhの組み合わせ)などのパラメータによって特徴付けられ得る。
【0049】
[0075]HCG610などの高コントラスト格子は、サブ波長寸法を有する格子フィーチャを組み込むことができ、強い屈折率コントラスト(たとえば格子の空気屈折率>1.7)を有し得る。高コントラストは、(たとえばきわめて低いRIを有する空気によって)満たされ得る間隙によって実現することが可能であり、その結果として間隙と格子構造フィーチャとの間に高いコントラストが生じる。これに関連して、格子フィーチャは丈が高い(したがって間隙が深い)。言い換えると、間隙は典型的には、鏡面反射効果を観察するように幅よりも深くすることができる。
【0050】
[0076]HCG610などの高コントラスト格子は、反射(モード0)と透過(モード2)の2つのモードを示すことができ、図6に(グラフ620に)示すように、モード0では(デバイス内から、すなわち、下層の基板を通って伝播した後、HCGに対して下から加えられる)入射波が反射され、モード2では(出射波として)通過する。これに関連して、反射モード/透過モードは互いと平面波とに結合し得る。透過モード(モード2)は、格子フィーチャ間の相殺的干渉によって求めることができる。たとえば、50/50で形成された結合(たとえばHCGの幾何形状)では、相殺的干渉はΔβ/λ=Πによって求めることができる。
【0051】
[0077]様々な場合において、高コントラスト格子は2つの基本的特徴を有し得る。すなわち、1)少数のモードのみを励起させることができ、外部から「平面波」として取り出すことができることと、2)モードが空間内でスクイーズされ、より高い横運動量が得られ得ることである。特徴1で、HCGは高空間周波数成分を遮断する。したがって、一般挙動を予測するのにHCGの2または3モード記述で十分であり、他のモードは通常、エバネッセントである。これに関連して、そのような他のモードは光円錐の下に存在可能であり、空気とのHCG界面における反射/透過特性を推定するときに二次に入り得る。特徴2で、伝搬定数が低減され、モード間の相殺的干渉が得られ得る(たとえば<~波長における構造の場合)。
【0052】
[0078]高コントラスト格子は、異なる波長範囲において異なるパフォーマンス特性を示し得る。たとえば、サブ波長寸法の場合、構造において1つのモードのみが存在することができ、HCGの厚さが増すにつれてファブリ-ペロー(FP)ノード/アンチノードが見られ得る。超波長寸法の場合、多くのモードが存在することができ、タルボット効果と類似した方式/パターンで入力信号の周期的回復がある。これら2つの範囲の間にはモードがわずかしか存在し得ない。また、特定の位置において、2つのモードはHCG内で同時共振し得る。たとえば、2nΠ位相差でエネルギーがHCG内部にトラップされ、大きな電場増強(たとえば1e3)が存在可能であり、反交差として現れる。(2n+1)Π位相差で、このエネルギーの一部がHCGから反射され得る。
【0053】
[0079]VCSELなどのデバイスにおいて光学共振をもたらす際の使用に加えて、高コントラスト格子は、ビーム操作(たとえば、レンズ、偏光、回折素子)、導波(たとえばMMI、スポットサイズ変換器など)、高広帯域反射、広帯域反射防止膜、非線形光学系、バイオセンシング、化学センシングなどの他の用途でも使用可能である。
【0054】
[0080]本開示に基づく実装形態において、たとえば、格子フィーチャの間の間隙の少なくとも一部に充填するため、および/または(たとえば上にコンタクトを有する)格子フィーチャを形成するたにポッケルス材料を使用することによって、HCG構造にポッケルス材料を組み込むことができる。これに関連して、ポッケルス材料の使用は、HCG構造の作用、特にHCG構造の変調機能に関する作用を向上させることができる。これについて以下でさらに詳述する。
【0055】
[0081]図7に、本開示による、反射率変調器としての例示の高コントラスト格子(HCG)構造の使用を示す。図7を参照すると、高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)700が示されている。
【0056】
[0082]VCSEL700は、本開示に基づいて実装された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)に相当し得、EMLによって行われる変調機能を促進および/またはサポートするために、本提案のEMLベースの構造においてHCGが使用されている。図7には、HCGの適用例、すなわち、反射率変調器として動作するEMLベースの構造におけるHCGの使用が示されている。
【0057】
[0083]このような反射率変調器は、高い電場増強を示し得る。たとえば、シリコンを使用した格子により、2Vの「VΠ」で30倍の電場増強があり得る。また、場合によっては、パフォーマンスをさらに増強するために様々な態様または特徴を修正することができる。たとえば、場合によっては、より良好な制御のために(通常のHCGではなく)二量化HCGを使用することができる。また、シリコンの代わりにより高い調整可能性をもたらし得るBaTiO3または有機材料を使用するなどによって、格子構造に異なる材料が使用されてもよい。
【0058】
[0084]このような反射率変調器の例示の動作では、HCG(格子)を通って伝播するビームについて、ビームが適切な波長を有する場合(および/または格子が適正に設計されている場合)、光場の大幅な増強がある。格子間の入射ビームの電場は、格子を通過する前の入射ビームの電場と比較してより大きい。同様に、適正な波長を有するビームの場合、構造は反射型になる。共振周波数(ビームが通過変調されずに反射される)は、格子に印加される電圧を調整することによって制御可能である。これをVCSEL700の例示の使用シナリオ710に示し、透過率を波長の関数として示すグラフ720で表す。
【0059】
[0085]本開示に基づく実装形態において、HCG構造内、たとえばフィーチャ(エッチング)間の間隙内にポッケルス材料を組み込むこと、(コンタクトを上に有する)フィーチャを形成するためにポッケルス材料を使用することなどによって、反射率変調をさらに増強することができる。
【0060】
[0086]図8に、本開示による波面変調における例示の高コントラスト格子(HCG)構造の使用を示す。図8を参照すると、高コントラスト格子(HCG)800が示されている。
【0061】
[0087]HCG800は、本開示に基づいて実装された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)とともに使用可能であり、EMLによって行われる変調機能を促進および/またはサポートするために本提案のEMLベースの構造においてHCGが使用される。図8は、HCGの適用例、すなわち、波面変調器として動作するEMLベースの構造におけるHCG800の使用である。
【0062】
[0088]これに関連して、このような波面変調器の例示の動作において、図8に示すように、HCGにグループ別に、すなわちHCG構造における格子のセット別に、バイアスをかけることができる。このようなバイアス印加は、ビームを離散的角度に偏向させることを可能にする。角度は、たとえばHCG構造の離散幾何形状によって画定可能である。場合によっては、偏向(または外部入射ビームの回折)の角度は、図8(810)に示し、例示の本提案のEMLベースの構造の使用に基づく正規化角度強度分布を示すグラフ820で表すように、調節可能とすることができる。
【0063】
[0089]本開示に基づく実装形態において、HCG構造に、たとえばフィーチャ(エッチング)間の間隙内にポッケルス材料を組み込むこと、(上にコンタクトを有する)フィーチャを形成するためにポッケルス材料を使用すること、などによって、波面変調をさらに増強することができる。
【0064】
[0090]図9に、本開示による、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)の、強度変調器としての使用を示す。図9を参照すると、高コントラスト格子(HCG)900が示されている。
【0065】
[0091]上述のように、場合によっては、本開示に基づいて実装される垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)において高コントラスト格子を使用することができ、HCG900は、EMLベースの構造によって行われる変調機能を促進および/またはサポートするために本提案のEMLベースの構造におけるそのような使用のために構成される。
【0066】
[0092]図9に示すように、HCG900は、(平面図、すなわち構造の最上部を見下ろす図に示すように)交互に配置可能であり、それによってゲートの交互嵌合型格子を形成する、2つのコンタクトを組み込むことができる。HCG900は、ポッケルス材料も含み得る。これに関連して、図9に示す実施形態では、ポッケルス材料は2つのコンタクトの間の間隙を充填するために使用されている。しかし、本開示はこのような手法には限定されず、したがってコンタクトの配置および/またはポッケルス材料の配置は、任意の適切な方式で行われてもよい。たとえば、コンタクトがポッケルス材料の上に位置付けられた代替設計を図13に示す。
【0067】
[0093]HCGにおいて特定のバイアスを生じさせるために2つのコンタクトに別個の電圧(V1およびV2)を印加することができる。これに関連して、交互嵌合型格子は、(コンタクトのV1およびV2が印加される位置に対応する)2つの異なる格子要素の間のポッケルス材料を通した電場を生じさせることを可能にする。2つのコンタクトは、(必ずしも)異なる材料で形成されておらず、むしろ、コンタクトへの異なる電圧の印加が異なる電場を生じさせる。
【0068】
[0094]交互嵌合型バイアス格子は、図9に示すように横電場を生じさせ、すなわち、交互配置に起因して、ポッケルス材料にわたる電場の方向が(図のように)交互になり得る。交互嵌合型バイアス格子は、HCG構造全体の屈折率(RI)も周期的に変更することができる。これに関連して、RIは、ポッケルス材料にわたって印加される電場を変えることによって格子内で変更することができる。RIは光の速さを左右するため、RIを変更すると格子を通過する光の位相が変わる。
【0069】
[0095]ポッケルス材料の使用は、パフォーマンスをさらに増強することができる。たとえば、低いVΠを維持するために、ポッケルス材料(およびそれに対応するポッケルス効果)を(格子フィーチャからの)共振増強とともに使用することができる。これに関連して、ポッケルス効果自体は、所望のΠ位相変化を実現するには小さすぎる可能性があり、したがって、必要な光場増強を実現するために共振も使用されてもよい。したがって、所望のポッケルス効果の実現は、電圧を高くすることによるのではなく、共振場増強を与えることによって実現することができる。言い換えると、光場の強度を増すために格子構造からの共振を使用することができ、それによって(格子に印加される電圧を高くせずに)ポッケルス効果を増強することができる。
【0070】
[0096]上述のように、本提案のEMLベースの構造におけるHCGの使用は、低い目標VΠ(たとえば<<5V)の実現を可能にし得る。これに関連して、キャビティまたは共振効果がない場合、傾斜角(θ)は以下の式を使用して求めることができる。
【0071】
【数1】
【0072】
ここで、hは材料の高さ、dは格子周期である。電場増強がない場合、効果は小さすぎる可能性がある。
[0097]たとえば、n=2、ΔV=5V、γ33=700pm/V、h=1um、およびd=100nmの場合、sin(Θ)=1.4e-2である。約10~100倍増強するには、垂直DBRキャビティ、格子からのプラズモン共振、および高コントラスト格子(HCG)などの他の手段が必要となり得る。これに関連して、HCGは局所的×10電場増強をもたらし得る。光マイクロキャビティと比較すると、HCGにおいて使用される電場(E)は類似しているが、(電極間の距離がきわめて小さいため)印加バイアスがはるかに低い。それにもかかわらず、場合によっては、さらに高い非線形効果のためにHCGをDBRキャビティと組み合わせることができる。
【0073】
[0098]図6に示すように、HCG900を組み込んだ(たとえばVCSEL-EMLデバイスで使用される)EMLベースの構造は、強度(振幅)変調器として機能することができる。しかし、EMLベースの構造は、波面変調、反射率変調など、他の機能を提供するためにも使用することができる。
【0074】
[0099]ある実装形態では、ポッケルス材料を組み込んだHCGを有する(たとえばVCSEL-EMLデバイスで使用される)EMLベースの構造は、偏光回転を与える際に使用することができる。これに関連して、格子フィーチャは本質的に直線偏光子であり、したがって特定の方向(たとえばx方向)に偏光を有する光ビームを選択的に透過させることになる。この構造は、たとえばビームを遮断する際に使用可能な偏光回転を与えるように構成可能である。このような偏光回転の使用は、屈折率に関係するフィーチャの使用と併用して、またはその代わりに使用することができる。
【0075】
[0100]図10に、本開示による、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)を製作する異なるプロセスを示す。図10を参照すると、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)構造を有するVCSEL-EMLを製作するための2つの異なる製作プロセス1000および1010が示されている。
【0076】
[0101]これに関連して、ポッケルス材料を有するHCGを組み込んだEMLベースの構造を有する光学デバイス(たとえばVCSEL)の製作において、異なる方法(プロセス)を使用することができ、本開示は特定の方法または手法に限定されない。製作方法は、ポッケルス材料を加える際に使用される堆積技術に関して異なり得る。製作方法は、HCGの設計(たとえばHCGにおいて使用されるコンタクトの配置に関する)によっても影響され得る。たとえば、交互嵌合型コンタクトを使用する場合、以下でさらに詳述するように使用可能ないくつかの物理的実装形態があり得、製作方法はそのような構成の使用を考慮に入れるように適応化する必要がある場合がある。したがって、製作方法は、使用される特定の格子(HCG)構造においてポッケルス材料が加えられる方式の点で異なり得る。
【0077】
[0102]たとえば、プロセスは、図10に示すようにポッケルス材料の堆積技術に応じて、「トップボトム」または「ボトムアップ」とすることができる。これに関連して、プロセス1000において、最初に絶縁層上にポッケルス材料層が配置される。次に、コンタクト用の空間を形成するためにポッケルス材料層がエッチングされ、次にコンタクトが付加される。プロセス1010では、最初にコンタクトが絶縁層上に付加され、その間の空隙はコンタクトの間に空隙を含む所定の交互配置に基づく。次に、コンタクト間の空隙内にポッケルス材料層が堆積または形成される。
【0078】
[0103]場合によっては、VCSEL-EMLの製作に使用されるプロセスは、所定の基準(たとえば、約250nmの深さ、50nm~100nmの範囲の開口など、最終的な構造における寸法)を満たすように構成可能である。したがって、HCG構造の製作は、HCGを、特定の領域(ボトムアッププロセスにおける空隙)内にのみ形成するように、または表面全体に形成し、付加された層の一部が後で(エッチングストップにより)除去されるように、上に約250nmの追加および/または堆積を必要とする。
【0079】
[0104]ポッケルス材料の実装、すなわちポッケルス材料を格子構造に加えることは、様々な方法で行うことができ、本開示はいずれの特定の手法にも限定されず、したがって任意の適切な手法を使用することができる。たとえば、ポッケルス材料は(たとえばBTO、Li.Nb.、BaTiO3などを使用した)処理によりウエハボンディングレベルで実装されてもよい。ポッケルス材料は、プロセスの終了時、または終了近くに(たとえば有機、BTOベースの懸濁液などを使用して)実装されてもよい。
【0080】
[0105]図11に、本開示による、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)におけるデフェージングを示す。図11を参照すると、コンタクト間の間隙内にポッケルス材料を有するHCG構造を組み込んだVCSEL-EML1100が示されている。VCSEL-EML1100は、図9に関して説明したVCSEL-EML900と実質的に類似し得る。
【0081】
[0106]図11には、VCSEL-EML1100などのVCSELにおけるデフェージングが示されている。これに関連して、デフェージングは、交互嵌合型ゲート間の電圧差の結果として生じ得るものであり、それにより構造内の屈折率(RI)の周期的変化を生じさせることができる。たとえば、RIはポッケルス材料にわたって印加される電場を制御する(設定および/または変化させる)ことによって変更することができる。RIは光の速さを左右するため、RIを変更すると格子を通過する光の位相が変わる。
【0082】
[0107]2つのコンタクトを組み込んだVCSEL(たとえばVCSEL-EML1100)において、デフェージングは2つのコンタクトに印加される電圧を調整することによって行うことができる。これに関連して、2つのコンタクトにおいて電圧が同じであるとき(すなわち、V1=V2の場合)、コンタクトは同相となり、したがって干渉は垂直方向に建設的となり、一方、電圧が同じでないとき(すなわちV1≠V2)、屈折率の周期的変化を生じさせることができ、その結果として垂直方向に相殺的干渉が生じ、したがってコンタクト(ゲート)のデフェージングとなる。
【0083】
[0108]図12に、本開示による、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)の、波面変調における使用を示す。図12を参照すると、コンタクト間の間隙内にポッケルス材料を有するHCG構造を組み込んだVCSEL-EML1200が示されている。
【0084】
[0109]VCSEL-EML1200は、図9に関して説明したVCSEL-EML900と実質的に類似し得る。図12に示すように、VCSEL-EML1200は、波面変調器として機能することができる。これに関連して、ポッケルス材料にわたって異なるコンタクトに印加される電場を変化させることに基づいて屈折率(RI)を変更することができる。上述のように、RIは光の速さを左右し、したがってRIを変更すると格子を通過する光の位相が変わる。したがって、コンタクトは、図12に示すように、ポッケルス材料が同じ電圧を受けると同相となり、電圧が異なるときには位相不一致となる。
【0085】
[0110]様々な実装形態において、いくつかのサブ波長格子が同じバイアスを共有することができる。これは、出射波が光円錐内に留まることを可能にするとともに、グループまたは格子間にデフェージングを生じさせる。しかし、(たとえば図12のVCSEL-EML1200などの)ポッケルスベースのEMLを波面変調器として使用することは、特定の種類のポッケルス材料にのみ限定され得る。たとえば、強いr42を有するポッケルス材料のみが使用可能である。
【0086】
[0111]図13に、本開示による、ポッケルス材料の上にコンタクトを有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)の、波面変調における使用を示す。図13を参照すると、ポッケルス材料を有するHCG構造を組み込んだVCSEL-EML1300が示されている。
【0087】
[0112]VCSEL-EML1300は、図9に関して説明したVCSEL-EMLと実質的に類似し得る。しかし、VCSEL-EML1300は、図13に示すようにポッケルス材料の上にコンタクトが配置されている点が異なり得る。図13に示すように、VCSEL-EML1300は、波面変調器として機能することができる。これに関連して、VCSEL-EML1300は、波面変調器として使用されると、図12に関して説明したVCSEL-EML1200と実質的に同様に動作することができる。具体的には、ポッケルス材料にわたって印加される電場を変化させることに基づいてVCSEL-EML1300において屈折率(RI)を変更することもできるが、電場はこの場合は基板からポッケルス材料を通してポッケルス材料の上のコンタクトに印加される。上述のように、RIを変更すると格子を通過する光の位相が変わり、図13に示すように、コンタクトは同じ電圧を受けると同相となり、電圧が異なるときには位相不一致となる。
【0088】
[0113]図14に、本開示による、ポッケルス材料を組み込んだ高コントラスト格子(HCG)構造を有する例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)における入射外部光の処理を示す。図14を参照すると、コンタクト間の間隙内にポッケルス材料を有するHCG構造を組み込んだVCSEL-EML1400が示されている。
【0089】
[0114]VCSEL-EML1400は、図9に関して説明したVCSEL-EML900と実質的に類似し得る。しかし、VCSEL-EML1400における高コントラスト格子(HCG)構造は、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)などの異なる材料を含み得る。このような設計(手法)は、小さいこと、超高速であること、低損失であること、材料ではなく格子による波長調整(たとえば、同じ配列上の低密度波長分割多重(CWDM)または高密度波長分割多重(DWDM))を可能にすることなど、様々な利点を有し得る。外部レーザ源(たとえばコムレーザ)の使用により、高温/低電力消費データ伝送を可能にし得る。
【0090】
[0115]図14には、(底部から基板を介してではなく)外部からVCSEL-EML1400に投射される入射ビーム(光)の処理が示されている。これに関連して、デフェージングに起因して、VCSEL-EML1400におけるHCGの吸収共振が微調整可能であり、それによって反射率の変化を生じさせることができる。したがって、コンタクトに印加される電圧が異なる場合、コンタクトは位相不一致となり、その結果、図14に示すように入射光が特定の角度で反射される。
【0091】
[0116]図15に、本開示による、偏光変調におけるポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)の使用を示す。図15を参照すると、VCSEL-EML1500が示されている。
【0092】
[0117]VCSEL-EML1500は、図9に関して説明したVCSEL-EMLと実質的に類似し得る。しかし、VCSEL-EML1500は、図15に示すように、ポッケルス材料の上にコンタクト(たとえば金属コンタクト)が配置されている点が異なり得る。図15に示すように、VCSEL-EML1500は、偏光変調器として機能することができる。それにもかかわらず、本明細書に記載の偏光変調は、VCSEL-EML1500に対応するこの特定の実装形態には限定されず、このような偏光変調は本明細書で開示されている本提案のEMLベースの構造のいずれにも適用可能であり、および/または、EMLベースの構造のいずれによっても提供され得る。
【0093】
[0118]これに関連して、HCGは、横電場(TE)モードと横磁場(TM)モードとの強い複屈折を有し得る。したがって、デバイスの設計および/または実装を、(ポッケルス材料を組み込んだ)本提案のEMLベースの構造を介して偏光変調を与える際にこのような特性を使用するようになすことができる。これは、本明細書で開示されている実装形態のいずれにも行うことができる。偏光変調は、たとえば本提案のEML構造における交互嵌合型コンタクト配置を利用することによって実現可能である。したがって、たとえばHCGのすべての歯を同じバイアス源に接続することによって、波面変調で使用される同じ原理および手法を偏光変調において使用することができる。偏光変調は、振幅変調方式のサブセットとみなすことができる。
【0094】
[0119]たとえば、偏光変調は、HCG内部でモードを可能にし、または抑止するように変調を加えることによって実現可能である。これに関連して、TE反射率の場合の急変およびTM反射率の場合の急変と、重なり領域とを示す、グラフ1510および1520に示すように、HCG特性がモードカットオフの近傍で鏡面的に変化し得る。これに関連して、重なり合った遷移周波数(たとえばTM6/TE6の)において、屈折率変化に対する両方の偏光の強い感知性があり得る。EML構造は、偏光変調を最適化するように修正することができる。たとえば、HCGの適切な厚さは、バイアスを変更するときにTM反射率が低下するにつれてTE反射率が増大する(またはその逆の)スポットを特定することを可能にし得る。
【0095】
[0120]図16に、本開示による、ポッケルス材料を有する高コントラスト格子(HCG)構造の例示の変形を示す。図16を参照すると、ポッケルス材料を有するHCGの様々な変形が示されている。具体的には、図16には、HCG1600、1610、1620、1630、1640および1650が示されている。これに関連して、HCG1600は、基本実装形態を表し、HCG1610、1620、1630、1640および1650は、基本実装形態の代替変形を表す。
【0096】
[0121]基本実装形態(HCG1600)の変形は、HCGの二量化変形を含み得る。これに関連して、このような変形により、より低い共振周波数が可能となり得る。このような変形は、異なるフレーバのものとすることができる。たとえば、これは、HCG1640(変形1)に示すように、高屈折率または低屈折率材料の幅などの幾何形状パラメータを変更することによって、またはHCG1640(変形2)に示すように1つおきに歯の材料を変えることによって、またはHCG1640(変形3)に示すように歯を1つおきに接続することによって、行うことができる。
【0097】
[0122]HCGのパターンも、たとえばxまたはy方向のパターンの変化に基づいて、空間的に変動させることができる。これには、空間による共振の低速シフト、たとえば、HCG1640(変形4)に示すようにラムダにわたる1%未満の変動、または、HCGパラメータの急激なシフト、たとえば、HCG1640(変形5)に示すように、1つまたは複数のパラメータがモチーフの1つの反復と次の反復との間に1%の変動を有するが、幾何形状は10ラムダを超えるラムダにわたって安定しているシフトが含まれ得る。
【0098】
[0123]図17に、本開示による、交互嵌合型電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造の第1の例示の実装形態を示す。図17を参照すると、EMLベースの構造1700が示されている。具体的には、図17には、EMLベースの構造1700の上面図1710と、構造における特定の断面(線)に対応する側面図1720が示されている。
【0099】
[0124]側面図1720に示すように、EMLベースの構造1700は、汎用垂直発光層と、その後に(z方向に)続く、すなわちその上にある絶縁層と、その次の、上に金属を有する半導体材料(たとえばドープ半導体)を含む2つのコンタクト(V1およびV2)を含む高コントラスト格子(HCG)とを含み、ポッケルス材料がコンタクトの間に配置されている。コンタクトは、(任意により)キャップ層(上面図1710には図示されていない)によって被覆されている。
【0100】
[0125]汎用垂直発光層は、レーザを垂直方向に放出するように構成可能な任意の適切な構造を含み得る。例示の一実装形態では、汎用垂直発光層は基板を含むことができ、基板は任意により2つの垂直発光エピスタック層に挟まれていてもよい。これに関連して、エピスタックはVCSELまたはPCSEL(または二次、三次、...n次分布帰還型レーザ(DFB))を含み得る。基板は、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)などの適切な材料を含み得る。
【0101】
[0126]絶縁層は、半導体(ドープまたは非ドープ電流遮断層)、またはセラミック(酸化アルミニウムAlO、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO2)など)を含み得る。ポッケルス材料は大きなr33の材料を含み得る。
【0102】
[0127]コンタクトに使用される材料は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、または(たとえばインジウムスズ酸化物(ITO)などのような)透明導電性材料を含み得る。
[0128]この実装形態において使用されるポッケルス材料は、ポリマーなど、低屈折率(たとえばIR<2)を有することを必要とし得る。上面図1710に示すように、図17に示す例示の実装形態では、y方向に(コンタクトの)ドープ半導体の部分的または完全な被覆があってもよい。光学損失とRF電気損失とのバランスは、具体的な用途に依存する。上述のように、垂直発光エピスタック層は、基板とEMLとの間または基板の下に含まれても含まれなくてもよい。
【0103】
[0129]図18に、本開示による、交互嵌合型電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造の第2の例示の実装形態を示す。図18を参照すると、EMLベースの構造1800が示されている。具体的には、図18には、EMLベースの構造1800の上面図1810と、構造における特定の断面(線)に対応する側面図1820が示されている。
【0104】
[0130]側面図1820に示すように、EMLベースの構造1800は、汎用垂直発光層と、その後に(z方向に)続く、すなわちその上にある絶縁層と、その次の、2つのコンタクト(V1およびV2)を含む高コントラスト格子(HCG)とを含み、ポッケルス材料がコンタクトの間に配置されている。コンタクトは、(任意により)キャップ層(上面図1810には図示されていない)によって被覆されている。
【0105】
[0131]汎用垂直発光層は、レーザを垂直方向に放出するように構成可能な任意の適切な構造を含み得る。例示の一実装形態では、汎用垂直発光層は基板を含むことができ、基板は任意により2つの垂直発光エピスタック層に挟まれていてもよい。エピスタックはVCSELまたはPCSEL(または二次、三次、...n次分布帰還型レーザ(DFB))を含み得る。基板は、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)などの適切な材料を含み得る。
【0106】
[0132]絶縁層は、半導体(ドープまたは非ドープ電流遮断層)、またはセラミック(酸化アルミニウムAlOx、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO2)など)を含み得る。
【0107】
[0133]ポッケルス材料は大きなr33の材料を含み得る。実装形態1800では、コンタクト(V1およびV2)は低屈折率n<1.6の透明金属(たとえば、銀ナノワイヤ(AgNW)、CN、ハイブリッドなど)を含み得る。
【0108】
[0134]この実装形態で使用されるポッケルス材料は、高屈折率>2を有する必要がある可能性がある(たとえばSBN60、BaTi03など)。また、前の実装形態と同様に、基板とEMLの間または基板の下に配置された垂直発光エピスタック層が含まれても含まれていなくてもよい。
【0109】
[0135]図19に、本開示による、交互嵌合型電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造の第3の例示の実装形態を示す。図19を参照すると、EMLベースの構造1900が示されている。具体的には、図19には、EMLベースの構造1900の上面図1910と、構造内における特定の断面(線)に対応する側面図1920が示されている。
【0110】
[0136]側面図1920に示すように、EMLベースの構造1900は、汎用垂直発光層と、その後に(z方向に)続く、すなわちその上にある横方向コンタクト層と、その次の、上に金属を有する半導体(たとえばドープ半導体)材料を含む2つのコンタクト(V1およびV2)を含む高コントラスト格子(HCG)とを含み、ポッケルス材料がポッケルス材料の上のコンタクト金属の間に配置され、非ドープ半導体材料がコンタクト、具体的には図のようにポッケルス材料の間に配置されている。コンタクトは、(任意により)キャップ層(上面図1910には図示されていない)によって被覆されている。
【0111】
[0137]汎用垂直発光層は、レーザを垂直方向に放出するように構成可能な任意の適切な構造を含み得る。例示の一実装形態では、汎用垂直発光層は基板を含むことができ、基板は任意により2つの垂直発光エピスタック層に挟まれていてもよい。エピスタックはVCSELまたはPCSEL(または二次、三次、...n次分布帰還型レーザ(DFB))を含み得る。基板は、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)などの適切な材料を含み得る。
【0112】
[0138]横方向コンタクト層は、透明な導電性材料を含み得る。ポッケルス材料は、大きなr42、63などのポッケルス材料を含み得る。コンタクトの材料は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、または透明導電性材料(たとえばインジウムスズ酸化物(ITO)など)を含み得る。
【0113】
[0139]この実装形態で使用されるポッケルス材料は、KDP、ポリマーなど、低屈折率(たとえばIR<2)を有することを必要とし得る。場合によっては、この実装形態において、横方向コンタクト層にバイアスがかけられてもよく、その結果として3つの異なるバイアスがかけられてもよい。それにもかかわらず、多くの場合、横方向コンタクト層にかけられるバイアスは、コンタクトの1つにかけられるバイアスと同じであってもよい(たとえばV=V=0)。また、前の実装形態と同様、垂直発光エピスタック層は、基板とEMLとの間または基板の下に含まれても含まれなくてもよい。
【0114】
[0140]図20に、本開示による、交互嵌合型電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造の第4および第5の例示の実装形態を示す。図20を参照すると、EMLベースの構造2000および2010(それぞれ側方から見た図)が示されている。
【0115】
[0141]図20に示すように、EMLベースの構造2000および2010の各々は、汎用垂直発光層と、その後に(z方向に)続く、すなわちその上にある横方向コンタクト層と、その次の、上に金属を有する半導体(たとえばドープ半導体)材料を含む2つのコンタクト(V1およびV2)を含む高コントラスト格子(HCG)とを含み、ポッケルス材料の上にコンタクト金属があり、図のように、非ドープ半導体材料がコンタクトの間、具体的にはそのポッケルス材料の間に配置されている。コンタクトは、(任意により)キャップ層(上面図2010には図示されていない)によって被覆されている。
【0116】
[0142]汎用垂直発光層は、レーザを垂直方向に放出するように構成可能な任意の適切な構造を含み得る。例示の一実装形態では、汎用垂直発光層は基板を含むことができ、基板は基板のいずれの面にも発光エピスタック層を含み得る。エピスタックはVCSELまたはPCSEL(または二次、三次、...n次分布帰還型レーザ(DFB))を含み得る。基板は、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)などの適切な材料を含み得る。
【0117】
[0143]横方向コンタクト層は、透明な導電性材料を含み得る。ポッケルス材料は、大きなr42、63などのポッケルス材料を含み得る。コンタクトの材料は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、または透明導電性材料(たとえばインジウムスズ酸化物(ITO)など)を含み得る。
【0118】
[0144]EMLベースの構造2000および2010は、図19に関して説明したEMLベースの構造1900と実質的に類似し得る。しかし、EMLベースの構造2000および2010は、これらの構造の各々におけるHCGにいくつかの変形がある点で互いに(およびEMLベースの構造1900と)異なる。具体的には、EMLベースの構造2000のHCGは、EMLベースの構造2000ではコンタクト(V1およびV2)が異なる大きさであり(たとえば図20に示すようにV1がV2より大きい)、一方、EMLベースの構造1900ではこれらのコンタクトが同じ大きさであるという点で、EMLベースの構造2000のHCGとは異なる。
【0119】
[0145]EMLベースの構造2010の場合は、使用されているHCGが、図20に示すようにコンタクトの間に(非ドープ半導体材料に加えて)キャップ層材料を組み込んでいる点が異なる。また、EMLベースの構造2000および2010は、バイアスが異なる(たとえばV=V≠V)という点でEMLベースの構造1900とは異なる。しかし、これら2つの実装形態は、各二量体において有効屈折率が異なる方式で変動するため、交互嵌合型EMLベースの実装形態と類似した物理的効果を示し得る。これに関連して、図20に示すように、たとえばHCGグローブの約2分の1のみにポッケルス材料を充填することによって同様の効果が得られる。
【0120】
[0146]図21に、本開示による、交互嵌合型電界吸収変調レーザ(EML)ベースの構造の第6の例示の実装形態を示す。
[0147]図21を参照すると、EMLベースの構造2100が示されている。具体的には、図21には、EMLベースの構造2100の上面図2110と、構造の特定の断面(線)に対応する側面図2120が示されている。
【0121】
[0148]側面図2120に示すように、EMLベースの構造2100は、汎用垂直発光層と、その後に(z方向に)続く、すなわちその上にある横方向コンタクト層と、その次の、半導体(たとえばドープ半導体)材料を含む2つのコンタクト(V1およびV2)を含む高コントラスト格子(HCG)とを含み、ポッケルス材料の上に金属がある。コンタクトは、(任意により)キャップ層(上面図2110には図示されていない)によって被覆されている。図のように、キャップ材料は、コンタクトの間、具体的には、そのポッケルス材料の間にも配置されている。
【0122】
[0149]汎用垂直発光層は、レーザを垂直方向に放出するように構成可能な任意の適切な構造を含み得る。例示の一実装形態では、汎用垂直発光層は基板を含むことができ、基板はいずれの面にも発光エピスタック層を含むことができる。エピスタックはVCSELまたはPCSEL(または二次、三次、...n次分布帰還型レーザ(DFB))を含み得る。基板は、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)などの適切な材料を含み得る。
【0123】
[0150]横方向コンタクト層は、透明な導電性材料を含み得る。ポッケルス材料は、大きなr42、63などのポッケルス材料を含み得る。コンタクトの材料は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、または透明導電性材料(たとえばインジウムスズ酸化物(ITO)など)を含み得る。
【0124】
[0151]EMLベースの構造1900と同様に、この実装形態で使用されるポッケルス材料は、KDP、ポリマーなど低屈折率(たとえばIR<2)を有する必要があることがあり、場合によっては、横方向コンタクト層にバイアスがかけられてもよく、その結果として3つの異なるバイアスがかけられてもよい(しかし、多くの場合、横方向コンタクト層にかけられるバイアスは、コンタクトのうちの1つにかけられるバイアスと同じであってもよい(たとえばV=V=0)。また、前の実装形態と同様、垂直発光エピスタック層は、基板とEMLとの間または基板の下に含まれても含まれなくてもよい。図示されていないが、EMLベースの構造1900と同様、図20に関して説明したように、EMLベースの構造2000および2010においてHCGがEMLベースの構造1900と比較して変更されているのと同様にしてHCG構造を変更することによって、代替実装形態が使用されてもよい。
【0125】
[0152]図22に、本開示による、ポッケルス材料を有し、ゲート用誘電体を有する高コントラスト格子(HCG)を組み込んだ例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの電界吸収変調レーザ(EML)を示す。図22を参照すると、VCSEL2200が示されている。
【0126】
[0153]VCSEL2200は、格子構造内の間隙を充填するポッケルス材料を有する格子(たとえばHCG)構造を上に有し、格子構造の表面上にコンタクトを有するVCSELエピ層(上部対がないかまたはわずかしかない)を含むことができる。コンタクトの一部は(ゲート用)誘電体を組み込むことができる。したがって、コンタクトの一部(たとえば誘電体のないコンタクト)が接地を形成し、および/または接地として機能することができ、残りのコンタクト(たとえば誘電体を組み込んだコンタクト)がVCSEL2200におけるRF素子として機能することができる。
【0127】
[0154]図23に、一方が電界吸収変調レーザ(EML)ベースの設計を組み込んだデバイスである、例示の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)ベースの光学デバイスを示す。図23には、光学デバイス2300および2310が示されており、その両方がVCSELベースのデバイスである。これに関連して、図23には光学デバイス2300および2310の上面図が示されている。
【0128】
[0155]図23に示すように、光学デバイス2300は、基板エッチングの上に(たとえば図2に関連して説明したような)VCSELベースの構造を含み、VCSEL構造の上にコンタクト(配線)を有する。光学デバイス2300は、一端におけるコンタクト配線への入力としてRFin信号の印加と、コンタクト配線の他端における出力として対応するRFout/dump信号の出力に応答して、光(たとえばレーザ)を放出するように構成可能である。
【0129】
[0156]光学デバイス2310は、本開示に基づく例示の実装形態による、光学デバイス2300の例示の変更態様に相当する。これに関連して、光学デバイス2310は、光学デバイス2300と実質的に類似し得るが、本明細書に記載の変調機能および/またはその特性を与えることを可能にするように、変更を組み込むことができる。たとえば、光学デバイス2310は、図23に示すようにコンタクト配線の一部を接地する(たとえば接地信号を印加する)ことなどによって、上述のように、コンタクトのバイアス印加を可能にする交互嵌合型格子ベースの設計を形成するために、図23に示すように複数の別個のコンタクト配線を使用するなどによるコンタクト配線の変更を組み込むことができる。
【0130】
[0157]本明細書で使用されている「および/または」は、「および/または」によって接続されている列挙の中の項目のうちの任意の1つまたは複数を意味する。一例として、「xおよび/またはy」は、3要素の組{(x)、(y)、(x、y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えると、「xおよび/またはy」は「xとyのうちの一方または両方」を意味する。別の例として、「x、yおよび/またはz」は、7要素の組{(x)、(y)、(z)、(x、y)、(x、z)、(y、z)、(x、y、z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えると、「x、yおよび/またはz」は、「x、yおよびzのうちの1つまたは複数」を意味する。本明細書で使用されている「例示の」という用語は、非限定的な例、事例または例示となることを意味する。本明細書で使用されている「たとえば」および「e.g.」という用語は、1つまたは複数の非限定的な例、事例または例示の記載の出だしとなる。
【0131】
[0158]本明細書で使用されている「回路」および「回路網」という用語は、物理電子コンポーネント(たとえばハードウェア)、および、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアによって実行可能であり、および/またはその他によりハードウェアと関連付けられ得る任意のソフトウエアおよび/またはファームウェア(「コード」)を指す。本明細書で使用されている、たとえば特定のプロセッサおよびメモリ(たとえば揮発性または不揮発性メモリデバイス、汎用コンピュータ可読媒体など)は、コードの第1の1つまたは複数の行を実行する場合に第1の「回路」を含み、コードの第2の1つまたは複数の行を実行する場合に第2の「回路」を含み得る。さらに、回路はアナログおよび/またはデジタル回路を含み得る。このような回路網は、たとえば、アナログおよび/またはデジタル信号で動作し得る。回路は、単一のデバイスまたはチップ内、単一のマザーボード上、単一のシャーシ内、単一の地理的場所における複数の筐体内、複数の地理的場所にわたって分散された複数の筐体内などにあり得ることを理解されたい。同様に、「モジュール」という用語は、たとえば、物理電子コンポーネント(たとえばハードウェア)、および、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアによって実行可能であり、および/またはその他によりハードウェアに関連付けられ得る任意のソフトウエアおよび/またはファームウェア(「コード」)を指す場合がある。
【0132】
[0159]本明細書で使用されている、回路網またはモジュールは、(たとえばユーザ構成可能設定、工場出荷時などにより)機能の実行が無効化されているかまたは有効化されていないかにかかわりなく、その回路またはモジュールが機能を実行するために必要なハードウェアおよびコード(いずれかが必要な場合)を含むときにその機能を実行するように「動作可能」である。
【0133】
[0160]本発明の他の実施形態は、機械および/またはコンピュータによって実行可能な少なくとも1つのコード区分を有し、それによって機械および/またはコンピュータに本明細書に記載のプロセスを行わせる、マシンコードおよび/またはコンピュータプログラムが記憶された、非一過性のコンピュータ可読媒体および/または記憶媒体、および/または非一過性の機械可読媒体および/または記憶媒体を提供することができる。
【0134】
[0161]本発明による様々な実施形態は、本明細書に記載の方法の実装を可能にするすべての特徴を含み、コンピュータシステムにロードされるとそれらの方法を実施することができる、コンピュータプログラム製品に組み込むことも可能である。この文脈におけるコンピュータプログラムは、情報処理能力を有するシステムに特定の機能を、直接、または、a)別の言語、コードまたは表記法への変換、b)異なる具体的形態での再現のうちのいずれかまたは両方の後で実行させることが意図された命令のセットの、任意の言語、コードまたは表記法での任意の表現を意味する。
【0135】
[0162]本提示の方法および/またはシステムについてある特定の実装形態を参照しながら説明したが、当業者には、本提示の方法および/またはシステムの範囲から逸脱することなく様々な変更を加えることができ、同等物に置き換えることができることがわかるであろう。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本開示の教示に適応させるために多くの修正を加えることができる。したがって、本提示の方法および/またはシステムは、開示されている特定の実装形態に限定されず、本提示の方法および/またはシステムは添付の特許請求の範囲に含まれるすべての実装形態を含むことが意図されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2024-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源に関する変調器と
を含む光学デバイスであって、
前記変調器は、複数の格子線を含む高コントラスト格子構造を含み、
前記格子線はポッケルス材料を含む、
光学デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記複数の格子線のうちの少なくとも1つの格子線はコンタクトを含む、光学デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の光学デバイスであって、前記変調器は、前記コンタクトに電圧が印加されたときに、前記光源からの光信号を前記光源へと反射して戻すように動作可能である、光学デバイス。
【請求項4】
請求項2に記載の光学デバイスであって、前記変調器は、前記コンタクトに印加された電圧に基づき、前記変調器の表面に対して垂直から調節可能な角度で、前記光源から受けた光信号を偏向するように動作可能である、光学デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記複数の格子線は、少なくとも1つの寸法においてサブ波長寸法を含む、光学デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記光源は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)、フォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL)、または、高次分布帰還型(DFB)レーザを含む、光学デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記変調器に関連した屈折率は、前記格子線の幅と、前記格子線の間隔と、前記格子線の周期性とのうちの1つまたは複数によって構成された、光学デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の光学デバイスであって、前記変調器は、前記変調器に関連した前記屈折率(RI)に対する調整に基づいて前記変調器に結合された入射ビームまたは入射波に位相変調を与えるように構成された、光学デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記変調器は、前記変調器に結合された入射ビームまたは入射波に偏光変調を与えるように構成された、光学デバイス。
【請求項10】
光源と、
前記光源に関する変調器と
を含む光学デバイスであって、前記変調器は、
第1の材料を含む複数の格子線を含む高コントラスト格子構造と、
前記第1の材料間または前記第1の材料上のポッケルス材料と
を含む、光学デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の光学デバイスであって、前記第1の材料は半導体を含む、光学デバイス。
【請求項12】
請求項10に記載の光学デバイスであって、前記第1の材料は誘電体を含む、光学デバイス。
【請求項13】
請求項10に記載の光学デバイスであって、前記複数の格子線のうちの少なくとも1つの格子線はコンタクトを含む、光学デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載の光学デバイスであって、前記変調器は、前記コンタクトに電圧が印加されたときに、前記光源からの光信号を前記光源へと反射して戻すように動作可能である、光学デバイス。
【請求項15】
請求項13に記載の光学デバイスであって、前記変調器は、前記コンタクトに印加された電圧に基づき、前記変調器の表面に対して垂直から調節可能な角度で、前記光源から受けた光信号を偏向するように動作可能である、光学デバイス。
【請求項16】
請求項10に記載の光学デバイスであって、前記複数の格子線は、少なくとも1つの寸法においてサブ波長寸法を含む、光学デバイス。
【請求項17】
請求項10に記載の光学デバイスであって、前記光源は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)、フォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL)、または、高次分布帰還型(DFB)レーザを含む、光学デバイス。
【請求項18】
請求項10に記載の光学デバイスであって、前記変調器に関連した屈折率は、前記格子線の幅と、前記格子線の間隔と、前記格子線の周期性とのうちの1つまたは複数によって構成された、光学デバイス。
【請求項19】
請求項18に記載の光学デバイスであって、前記変調器は、前記変調器に関連した前記屈折率の調整に基づいて前記変調器に結合された入射ビームまたは入射波に位相変調を与えるように構成された、光学デバイス。
【請求項20】
請求項10に記載の光学デバイスであって、前記変調器は、前記変調器に結合された入射ビームまたは入射波に偏光変調を与えるように構成された、光学デバイス。
【外国語明細書】