(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028046
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】一体型電子オイルポンプ及びその作動方法
(51)【国際特許分類】
F04C 15/00 20060101AFI20250220BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
F04C15/00 H
H02K7/14 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024137466
(22)【出願日】2024-08-16
(31)【優先権主張番号】202311034365.1
(32)【優先日】2023-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202311608228.4
(32)【優先日】2023-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524034486
【氏名又は名称】杭州象限科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HANGZHOU QUADRANT TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.55, Xiacheng Road, Tonglu County, Hangzhou, Zhejiang 311500, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王利平
(72)【発明者】
【氏名】張国俊
(72)【発明者】
【氏名】王鋭楠
(72)【発明者】
【氏名】華和照
(72)【発明者】
【氏名】趙毅
(72)【発明者】
【氏名】盧志学
【テーマコード(参考)】
3H044
5H607
【Fターム(参考)】
3H044AA02
3H044BB03
3H044CC05
3H044DD05
3H044DD06
3H044DD12
3H044DD18
5H607AA12
5H607BB01
5H607CC05
5H607FF06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】冷却効率及び潤滑効率を向上させることのできる電子オイルポンプを提供する。
【解決手段】冷却油が通過する流路が内に設けられる固定シャフトと、固定シャフトに対して偏心し、回動可能に接続される内歯車と、固定シャフトに同軸接続され、ポンプケーシング内に回動可能に接続され、内歯車の外周に位置しており、内歯車に噛み合う外歯車と、外歯車の外周に固定的に接続されるモータロータと、ロータの外周に位置しており、ポンプケーシングに固定的に接続されるモータステータと、さらに備え、流路は一端が給油孔に連通し、冷却油は流路を介して内部循環を実現する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプケーシング(1)、給油孔(11)及び排油孔(12)を備える一体型電子オイルポンプであって、
前記ポンプケーシング(1)に設けられるおものであって、冷却油が通過する流路(21)が内に設けられる固定シャフト(2)と、
前記固定シャフト(2)に対して偏心し、回動可能に接続される内歯車(3)と、
前記固定シャフト(2)に同軸接続され、前記ポンプケーシング(1)内に回動可能に接続され、前記内歯車(3)の外周に位置しており、前記内歯車(3)に噛み合う外歯車(4)と、
前記外歯車(4)の外周に固定的に接続されるモータロータ(5)と、
前記ロータの外周に位置しており、前記ポンプケーシング(1)に固定的に接続されるモータステータ(6)と、さらに備え、
前記流路(21)は一端が前記給油孔(11)に連通し、冷却油は前記流路(21)を介して内部循環を実現する
ことを特徴とする一体型電子オイルポンプ。
【請求項2】
前記固定シャフト(2)の軸心を通る平面において、前記モータステータ(6)、前記モータロータ(5)、前記外歯車(4)、前記内歯車(3)及び前記固定シャフト(2)の投影領域は、少なくとも部分的に重なる
ことを特徴とする請求項1に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項3】
前記外歯車(4)は、前記ポンプケーシング(1)に軸受を介して接続される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項4】
上蓋(8)をさらに備え、前記内歯車(3)の両端及び前記外歯車(4)の両端は、それぞれ前記上蓋(8)及び前記ポンプケーシング(1)に接続され、ともに囲んでハフアンドパフオイルチャンバー(41)が形成される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項5】
前記上蓋(8)には貫通孔(81)が設けられ、前記流路(21)は前記貫通孔(81)を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)に連通する
ことを特徴とする請求項4に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項6】
前記外歯車(4)、及び前記内歯車(3)が囲んで複数のハフアンドパフオイルチャンバー(41)が形成され、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)は、体積が外歯車(4)の回動方向に沿ってまず段階的に増大してから段階的に減小し、前記ポンプケーシング(1)には給油孔(11)及び排油孔(12)が設けられ、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に増大する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)の給油口は前記給油孔(11)と対応し、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に減小する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)の排油口は前記排油孔(12)と対応する
ことを特徴とする請求項5に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項7】
前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に増大する場合に、冷却油は前記給油孔(11)を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)に流入し、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に減小する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)内の冷却油は加圧されて前記排油孔(12)から排出される
ことを特徴とする請求項6に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項8】
前記流路(21)は前記給油孔(11)に連通し、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に増大する場合に、冷却油は前記流路(21)及び前記貫通孔(81)を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)に流入し、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に減小する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)内の冷却油は加圧されて前記貫通孔(81)から前記流路(21)に流入する
ことを特徴とする請求項6に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項9】
請求項1に記載の一体型電子オイルポンプに適用する一体型電子オイルポンプの作動方法であって、
モータロータ(5)及び外歯車(4)が回転することによって、内歯車(3)が回転するように駆動するステップと、
前記内歯車(3)及び前記外歯車(4)が冷却油を加圧するステップと、
加圧された冷却油は、一方が流路(21)を通ってモータステータ(6)まで流れ、加圧された冷却油は、他方がポンプケーシング(1)外まで排出されるステップと、を含む
ことを特徴とする一体型電子オイルポンプの作動方法。
【請求項10】
請求項6乃至8のいずれか一項に記載の一体型電子オイルポンプに適用する一体型電子オイルポンプの作動方法であって、
モータロータ(5)及び外歯車(4)が回転することによって、内歯車(3)が回転するように駆動するステップと、
前記内歯車(3)及び前記外歯車(4)が、ハフアンドパフオイルチャンバー(41)内で、冷却油を循環させて加圧したり降圧したりするステップと、
冷却油の圧力が増大または減小するにつれて、ハフアンドパフオイルチャンバー(41)内の冷却油の一部が前記貫通孔(81)を介して前記流路(21)に入り、或いは、冷却油が前記流路(21)から前記貫通孔(81)を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)に入り、前記ポンプケーシング(1)内の熱が冷却油の循環によって運び去られるステップと、
ハフアンドパフオイルチャンバー(41)内の冷却油の他方部分が排油孔(12)から排出されるステップと、を含む
ことを特徴とする一体型電子オイルポンプの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、新エネルギー自動車電子オイルポンプの技術分野に関し、特に一体型電子オイルポンプ及びその作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車エレクトロニクスと新エネルギー自動車の急速な発展に伴い、集積式高精度設計された電子オイルポンプは、高効率、省エネ、柔軟な制御などの特徴により適用が広がっている。
【0003】
現在、電子オイルポンプは、主にロータポンプ、モータ、コントローラ等の部材の三部分から構成され、コントローラによってモータの作動を制御し、さらにロータポンプの回転を駆動し、電子オイルポンプの作動を実現する。
【0004】
しかしながら、従来の電子オイルポンプは、構造が複雑、冷却油の循環効率が低い欠点があり、一定の改良余裕がある。
【発明の概要】
【0005】
これに鑑みて、本出願は、一体型電子オイルポンプ及びその作動方法を提供することを一目的とする。該電子オイルポンプは、設計が簡単、構造がコンパクト、作動効率が高いなどの利点を有する。
【0006】
第1態様では、本出願は、ポンプケーシング、給油孔及び排油孔を備える一体型電子オイルポンプであって、前記ポンプケーシングに設けられるおものであって、冷却油が通過する流路が内に設けられる固定シャフトと、前記固定シャフトに対して偏心し、回動可能に接続される内歯車と、前記固定シャフトに同軸接続され、前記ポンプケーシング内に回動可能に接続され、前記内歯車の外周に位置しており、前記内歯車に噛み合う外歯車と、前記外歯車の外周に固定的に接続されるモータロータと、前記ロータの外周に位置しており、前記ポンプケーシングに固定的に接続されるモータステータと、さらに備え、前記流路は一端が前記給油孔に連通し、冷却油は前記流路を介して内部循環を実現する一体型電子オイルポンプが提供される。
【0007】
上記技術案を用いることによって、モータロータの内部に外歯車を設け、外歯車をモータロータに集積させ一体に合わせ、構造がより簡単でコンパクトになる。固定シャフト内の流は、冷却油が通過する時に、固定シャフトを冷却することができ、同時に、冷却油は、流路を介して電子オイルポンプの上下空間を連通し、冷却油が流路の下から流入し、内歯車、外歯車、モータロータ及びモータステータを冷却し、冷却油の循環効率を向上させるようにする。
【0008】
第1態様のいくつかの実施形態において、前記固定シャフトの軸心を通る平面において、前記モータステータ、前記モータロータ、前記外歯車、前記内歯車及び前記固定シャフトの投影領域は、少なくとも部分的に重なる。
【0009】
上記技術案を用いることによって、下記の技術効果を奏する。第一に、電子オイルポンプの高さを低減させ、システム体積を大幅に小さくし、システム重量を低減させ、システム材料及び生産コストを顕著に低減させる。第二に、オイルポンプの高さが低くなり、加圧された冷却油の経路を短縮し、ロータポンプチャンバーの摩擦を効果的に減少させ、システム効率の向上に有利である。第三に、構造が簡単、累積された取り付け誤差を低減させ、モータロータ、モータステータ及び外歯車の同軸度を向上させ、エアギャップの偏心のリスクを回避する。第四に、構造がより安定になり、ポンプ本体の作動時の振動ノイズを効果的に低減させ、ポンプ本体の性能を向上させ、ポンプ本体の確実性を向上させ、ポンプ本体の作動寿命を延ばす。第五に、このミニマルな構造設計は、ポンプ的作動振動及びノイズを効果的に低減させ、電子オイルポンプのNVH性能を向上し、よってオイルポンプの確実性及び耐用年数を向上する。
【0010】
第1態様のいくつかの実施形態において、前記電子オイルポンプは軸受をさらに備え、前記固定シャフトの一端は前記ポンプケーシングに固定的に接続され、前記固定シャフトは軸受を介して前記内歯車に接続される。
【0011】
上記技術案を用いることによって、軸受が固定シャフトと内歯車との間に設けられ、内歯車を固定シャフトに対してよりスムーズに回動させると同時に、内歯車と固定シャフトとの間の組み立て位置の精度及び確実性を向上することができる。
【0012】
第1態様のいくつかの実施形態において、前記外歯車は前記ポンプケーシングに軸受を介して接続される。
【0013】
上記技術案を用いることによって、外歯車の回転中の安定性を向上させ、電子オイルポンプの端面隙間、径方向隙間及モータのエアギャップを効果的に改良し、さらに電子オイルポンプの性能、効率を明らかに向上させることができる。
【0014】
第1態様のいくつかの実施形態において、前記電子オイルポンプは、上蓋をさらに備え、前記内歯車の両端及び前記外歯車の両端は、それぞれ前記上蓋及び前記ポンプケーシングに接続され、ともに囲んでハフアンドパフオイルチャンバーが形成される。
【0015】
第1態様のいくつかの実施形態において、前記上蓋には貫通孔が設けられ、前記流路は前記貫通孔を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバーに連通する。
【0016】
上記技術案を用いることによって、内歯車と外歯車とが相対的に回動してハフアンドパフオイルチャンバー内の冷却油を循環させ、流路が貫通孔を介してハフアンドパフオイルチャンバーに連通し、よって冷却油が繰り返してハフアンドパフオイルチャンバーに流入したり流出したりする。この方案は、冷却油の循環効率を向上させ、電子オイルポンプの冷却効率及び潤滑効率をさらに向上させることができる。
【0017】
第1態様のいくつかの実施形態において、前記外歯車、及び前記内歯車が囲んで複数のハフアンドパフオイルチャンバーが形成され、前記ハフアンドパフオイルチャンバーは、体積が外歯車の回動方向に沿ってまず段階的に増大してから段階的に減小する。前記ポンプケーシングには給油孔及び排油孔が設けられ、前記ハフアンドパフオイルチャンバーが段階的に増大する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバーの給油口は前記給油孔と対応し、前記ハフアンドパフオイルチャンバーが段階的に減小する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバーの排油口は前記排油孔と対応する。
【0018】
第1態様のいくつかの実施形態において、前記ハフアンドパフオイルチャンバーが段階的に増大する場合に、冷却油は前記給油孔を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバーに流入し、前記ハフアンドパフオイルチャンバーが段階的に減小する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバー内の冷却油は加圧されて排油孔から排出される。
【0019】
第1態様のいくつかの実施形態において、前記流路は前記給油孔に連通し、前記ハフアンドパフオイルチャンバーが段階的に増大する場合に、冷却油は前記流路及び前記貫通孔を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバーに流入し、前記ハフアンドパフオイルチャンバーが段階的に減小する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバー内の冷却油は加圧されて前記貫通孔から前記流路に流入する。
【0020】
上記技術案を用いることによって、油が給油孔によって吸引された後、内外歯車の偏心構造が回転して形成された圧力環境で、油の一部が流路に沿って通孔に直接的に流入し、貫通孔で、歯車及び外歯車の偏心構造の設計によって形成されたハフアンドパフオイルチャンバーに伴って、圧力が段階的に増大してから段階的に減小し、よって、冷却油が繰り返してハフアンドパフオイルチャンバーに流入したり流出したりし、モータ及びポンプ本体で生じた熱が冷却油の循環に伴って連れ去られ、排油孔から流出される。双給油口の設計は、油の循環を加速し、油の循環効率を顕著に向上させ、さらに電子オイルポンプの適用中の冷却効率及び潤滑効率を向上させる。
【0021】
第2態様では、本出願は、
モータロータ及び外歯車が回転することによって、内歯車が回転するように駆動するステップと、
前記内歯車及び前記外歯車が冷却油を加圧するステップと、
加圧された冷却油は、一方が流路を通ってモータステータまで流れ、加圧された冷却油は、他方がポンプケーシング外まで排出されるステップと、を含む第1態様に記載の一体型電子オイルポンプに適用する一体型電子オイルポンプの作動方法が提供される。
【0022】
第3態様では、本出願は、
モータロータ及び外歯車が回転することによって、内歯車が回転するように駆動するステップと、
前記内歯車及び前記外歯車が、ハフアンドパフオイルチャンバー内で、冷却油を循環させて加圧したり降圧したりするステップと、
冷却油の圧力が増大または減小するにつれて、ハフアンドパフオイルチャンバー内の冷却油の一部が前記貫通孔を介して前記流路に入り、或いは、冷却油が前記流路から前記貫通孔を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバーに入り、前記ポンプケーシング内の熱が冷却油の循環によって運び去られるステップと、
ハフアンドパフオイルチャンバー内の冷却油の他方部分が排油孔から排出されるステップと、を含む第1態様に記載の一体型電子オイルポンプに適用する別の一体型電子オイルポンプの作動方法が提供される。
【0023】
上記技術案を用いることによって、デュアルオイル回路設計は、ポンプの機能を実現すると同時に、自体の冷却を行い、効率及び寿命を向上させる。
【0024】
要するに、本出願は下記の少なくとも一つの有益技術効果を有する。
【0025】
1、電子オイルポンプの高さを低減させ、システム体積を小さくし、重量を低減させ、コストを低減させる。構造が簡単、組み立て精度が高く、作動効率が高く、製品の作動寿命を延ばす。本出願の電子オイルポンプが小さいアスペクト比を呈し、ポンプ本体の構造がより安定になり、温度による異なる材料の熱膨張のポンプ本体の軸方向及び径方向の端面隙間への影響を低減させ、電子オイルポンプ効率を向上させる。本出願の電子オイルポンプの作動方法により、ポンプの機能を実現すると同時に、自体の冷却を行い、効率及び寿命を向上させる。
【0026】
2、本出願の電子オイルポンプで、軸受またはナットがなく、偏心校正ピースを使用せず、シャフトの頂部がそのまま上蓋に挿入され固定され、シャフトの底部はポンプのシャーシ底部に直接的に挿入され、他の部材の接続または固定がない。このミニマルな高集積構造は、複数の加工部品の加工誤差を回避し、複数の部品の組み合わせ中に生じた公差総計を効果的に低減させ、よって、電子オイルポンプの精密性を効果的に向上させ、電子オイルポンプの作動効率を向上する。
【0027】
3、このミニマルな高集積構造設計によって、シャーシ、シャフト及びポンプギアを高度かつコンパクトに一体に接続し、電子オイルポンプの端面隙間、径方向隙間及びモータのエアギャップを非常に効果的に改良し、さらに電子オイルポンプの性能及び効率を明らかに向上させる。
【0028】
4、このミニマルな高集積構造は、異なる部材(例えばシャーシ、シャフト及びポンプギア等)が異なる材料温度熱膨張係数によって引き起こすポンプ本体の端面隙間及び径方向隙間が温度に伴って変化することを効果的に回避し、電子オイルポンプの精密構造の向上に非常に有益である。
【0029】
5、このミニマルな高集積構造設計は、複数の部材を節約し、材料コストを削減し、生産組立コストを簡略化し、よってオイルポンプコストを削減する。同時に、このミニマルな構造設計は、ポンプ作動時の振動及びノイズを効果的に低減させ、電子オイルポンプのNVH性能を向上し、オイルポンプの確実性及び利用寿命を大幅に向上させる。
【0030】
6、該設計において、2つの給油口があり、下給油口は一般的な電子オイルポンプに類似し、ポンプシャーシ底部に位置しており、他方の上給油口が上蓋に位置している。中空シャフトとの協力作用により、このような双給油口は、油循環の機能を実現することができる。油液が下給油口によって吸引された後、内外歯車の偏心構造が回転して形成された圧力環境で、油の一部分は中空シャフトに沿って上給油口に直接的に流入する。上給油口で、内外ロータの偏心構造の設計によって形成されたオイルキャビティに伴って、圧力は段階的に増大してから段階的に減小し、よって、油が繰り返してキャビティに流入したり流出したりして、モータ及びポンプ本体で生じる熱が油循環に伴って連れ去られ、排油口から流出される。双給油口の設計は、油の循環を加速し、油の循環効率を顕著に向上させ、さらに電子オイルポンプの適用中の冷却効率及び潤滑効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は本出願の一体型電子オイルポンプの第1実施例の外観構造概略図である。
【
図2】
図2は本出願の一体型電子オイルポンプの第1実施例の斜視断面概略図である。
【
図3】
図3は本出願の一体型電子オイルポンプの第1実施例の内部平面構造断面図である。
【
図4】
図4は本出願の一体型電子オイルポンプの第1実施例の内部底面構造概略図である。
【
図5】
図5は本出願の一体型電子オイルポンプの第1実施例のポンプケーシングの底部の構造概略図である。
【
図6】
図6は本出願の一体型電子オイルポンプの第2実施例の斜視断面構造概略図である。
【
図7】
図7は本出願の一体型電子オイルポンプの第3実施例の内部底面構造概略図である。
【
図8】
図8は本出願の一体型電子オイルポンプの第3実施例の偏心校正ピースの嵌合構造概略図である。
【
図9】
図9は本出願の一体型電子オイルポンプの第3実施例の固定シャフトと内歯車の組み立て部分分解構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確化するために、以下、図面を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。一般的に、ここで本明細書に記載及び表示された本発明の実施例のアセンブリは様々な異なる構成で配置され設計されることができる。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な作業を要さずに取得する他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0033】
注意すべきこととして、以下の図面において同様の符号及び文字は同様の項目を表すため、ある図で項目を定義したら、後の図でそれ以上の定義及び説明を必要としない。
【0034】
本発明の説明において、説明すべきこととして、明確な規定及び限定がない限り、「取付」、「繋がる」、「接続」等の用語は広く理解されるべきであり、例えば、固定的に接続されてもよいし、取り外し可能に接続されてもよいし、又は一体に接続されてもよく、機械的に接続されてもよいし、電気的に接続されてもよく、直接的に接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解してもよい。
【0035】
本出願の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」等の技術用語に指示される向き又は位置関係は、添付図面に示すものに基づく向き又は位置関係で、本出願の説明を容易にし簡略化するためのものに過ぎなく、言及された装置又は素子が特定の向きを有し、特定の向きで構築され操作しなければならないことを指示又は示唆するものではないので、本出願を限定すると理解されることができない。
【0036】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳しく説明する。矛盾がない場合、以下の実施例の特徴は相互に組み合わせることができる。
実施例1
【0037】
図1~
図5を参照すると、一体型電子オイルポンプを公開する。
【0038】
図1を参照すると、一体型電子オイルポンプは、ポンプケーシング1、給油孔11及び排油孔12を備える。
【0039】
図2を参照すると、ポンプケーシング1内には、回路制御モジュール7、固定シャフト2、内歯車3、外歯車4、モータロータ5及びモータステータ6が設けられる。ポンプケーシング1には固定孔131が設けられ、固定シャフト2は固定孔131内に設けられる。固定シャフト2内には、冷却油が通過する流路21が設けられ、内歯車3は固定シャフト2に対して偏心し、回動可能に接続され、固定シャフト2と内歯車3との間には、回動抵抗を低減させ、作動安定性を向上させるためのブッシング22が接続される。外歯車4は前記固定シャフト2に同軸接続され、ポンプケーシング1内に回動可能に接続され、外歯車4は内歯車3の外周に位置しており、内歯車3に噛み合い、流路21は一端が給油孔11に連通し、冷却油は流路21を介して内部循環を実現する。モータロータ5は前記外歯車4の外周に固定的に接続され、モータステータ6は前記ロータの外周に位置しており、前記ポンプケーシング1に固定的に接続され、モータロータ5とモータステータとの間にはエアギャップ16が保留される。
【0040】
給油孔11は、一端に冷却油を濾過するためのフィルター14が接続される。冷却油は、フィルター14を介してオイル吸入口132から内歯車3と外歯車4との間のハフアンドパフオイルチャンバー41に入り、その後、ポンプケーシング1の底部の排油孔12から排出される。
【0041】
回路制御モジュール7は、ポンプケーシング1内に設けられ、モータの上方に位置しているハブ72と、ハブ72の上方に位置しているコントローラ71とを備える。ハブ72の役割としては、ステータ巻線61の入出力線を収集し、糸くずの配布を規則的かつ明確にし、ハブ72に糸くずを溶接することであり、工程が簡単で簡潔である。ハブ92の他の役割としては、コントローラ71とモータ部分とを分け、このようにして油はモータ部分のみを流通し、冷却及び潤滑の回路が形成され、油がコントローラ71に入ることを避ける。
【0042】
ステータアセンブリの上方にはハブ72が設けられる。ステータ巻線61のピンはハブ72を貫通し、電気制御アセンブリの設計を簡略化し、従来の巻線構造を簡略化する。
【0043】
コントローラ71は、素早い対応を実現し、回路逆接続保護、信号干渉防止、油温監視、過熱防止、独立した通信チャネル、モータ角度位置の検出、モータの回転速度比較の受信及び計算、実際のロータ回転速度の比較及び調整などの特徴を持っている。
【0044】
外歯車がモータロータに集積され、モータステータ6及びポンプ本体の熱膨張係数が一致するため、温度によるオイルポンプ隙間への影響を大幅に低減させ、ポンプの端面の隙間を正確的に保証し、温度によるシステムの流量効率への影響を効果的に低減、または回避することができる。
【0045】
操作中に、回路制御モジュール7は、複数のステータ巻線61が通電されるように制御し、その後生じる磁界とモータロータ5の磁石の永久磁界とは互いに作用して、モータロータ5が回動するように駆動する。モータロータ5と外歯車4とは固定され、即ちモータステータ6とモータロータ5の磁石とは互いに作用して外歯車4が回動するように駆動し、さらに外歯車4は内歯車3が回動するように駆動し、内歯車3と外歯車4との相対的な回動が実現される。
【0046】
ポンプケーシング1には、前記コントローラ71とハブ72を仕切るためのシャーシ15が設けられ、シャーシ15は、油路と電気制御部分を仕切り、密閉性を向上させ、コントローラ71が適宜な温度で作動することを保証することができる。シャーシ15には、冷却油温度を検出してフィードバックするためのPTC温度センサ82(図示なし)が取り付けられ、PTC温度センサ82はコントローラ71に電気的に接続される。本発明におけるPTC温度センサ82は、油温を0.1℃まで正確に検知することを実現できる。
【0047】
特に、固定シャフト2の軸心を通る平面において、モータステータ6、モータロータ、外歯車4、内歯車3及び固定シャフト2の投影領域は、少なくとも部分的に重なる。従って、本出願の技術案は、従来の電子オイルポンプにおけるモータ及びポンプの直列接続構造とは異なって、本出願の技術案は、構造上でよりコンパクト、油路が短くなり、効率が高くなり、取り付け簡単性、作動確実性及び作動効率の面で、大幅に向上する。
【0048】
図3及び
図4を参照すると、モータステータ6は、自体の周方向に複数のステータ巻線61が設けられ、モータロータ5は外歯車4の周方向外円に外嵌され、モータロータ5の周向外壁はモータステータ6の周方向内壁と対応する。固定シャフト2には上蓋8がさらに接続され、内歯車3の両端及び外歯車4の両端は、それぞれ上蓋8及びポンプケーシング1に接続され、ともに囲んでハフアンドパフオイルチャンバー41が形成され、ハフアンドパフオイルチャンバー41は、体積が外歯車4の回動方向に沿ってまず段階的に増大してから段階的に減小する。上蓋8には、ハフアンドパフオイルチャンバー41に連通する貫通孔81が開けられ、流路21は、給油孔11の冷却油を貫通孔81により内歯車3と外歯車4との間のハフアンドパフオイルチャンバー41に導入して、冷却及び潤滑効率を向上することができる。流路21も給油孔11の冷却油をモータステータ6、モータロータ5等の部材に導入して冷却し、内部の多重循環を実現し、冷却効率を向上させる。
【0049】
図4及び
図5を参照すると、ポンプケーシング1の底部には、給油孔11が一体成形され、周方向外壁には排油孔12が一体成形される。ポンプケーシング1の底部には、給油孔11及び排油孔12を覆うポンプケーシング1の底部が一体成形され、ポンプケーシング1の底部の端面軸方向には、固定シャフト2の一端に固定的に接続される固定孔131が開けられる。固定シャフト2は固定孔131内に挿入され、固定シャフト2の周方向外壁と固定孔131の孔壁とは強固的に嵌合される。ポンプケーシング1の底部の端面には、給油孔11と連通するオイル吸入口132と、排油孔12と連通するオイル排出口133とが開けられる。ポンプケーシング1の底部は、オイル吸入口132及びオイル排出口133が開けられた後、オイル吸入口132とオイル排出口133とを仕切るための仕切り部134が形成され、仕切り部134は一側が内歯車3の一側に貼り合って、オイル吸入口132とオイル排出口133との間の密閉性を向上させる。
【0050】
ハフアンドパフオイルチャンバー41が段階的に増大する場合に、負圧が形成され、ハフアンドパフオイルチャンバー41が給油孔11に対応し、冷却油が給油孔11を介してハフアンドパフオイルチャンバー41に流入し、ハフアンドパフオイルチャンバー41が段階的に減小する場合に、圧力が大きくなり、ハフアンドパフオイルチャンバー41が排油孔12に対応し、ハフアンドパフオイルチャンバー41内の冷却油は加圧されて排油孔12から排出される。
【0051】
本発明の冷却油がステータアセンブリを冷却するアルゴリズムは下記の通りである。
【0052】
モータロータ5は、外歯車4とともに、内歯車3が回転するように駆動して、給油孔11から流入される冷却油を加圧することによって、加圧された一方の冷却油が固定シャフト2の中空流路21を介してステータアセンブリまで流れ、ステータアセンブリを冷却させ、熱交換された冷却油が再びに低気圧領域まで流れるようにする。
【0053】
また、加圧された他方の冷却油が高気圧領域を介して排油孔12からそのまま排出される。
【0054】
本発明では、ステータアセンブリを冷却する具体的なプロセスは下記の通りである。
【0055】
1)まず、機器をオンにし、この際に、コントローラ71が通電し、コントローラ71は電気を三相電に変換し、ステータ巻線61へ給電し、電磁力によりモータロータ5及び外歯車4が回転駆動され、モータロータ5及び外歯車4の回転によって給油孔11から流入される冷却油がフィルター14を介した後、低気圧領域に入るようにする。
【0056】
2)モータロータ5は、外歯車4とともに、内歯車3が固定シャフト2のまわりに回転するように駆動して、給油孔11から流入される冷却油を加圧することによって、加圧された一方の冷却油が固定シャフト2を介してステータアセンブリまで流れ、ステータアセンブリを冷却させ、熱交換された冷却油が再びに低気圧領域まで流れるようにし、内歯車3と外歯車4との間の偏心差による圧力差により冷却油を加圧する。この場合に、PTC温度センサ82は、油の現在温度値を検出し、この温度値をコントローラ71にフィードバックし、コントローラ71は、現在油温度値を外部の制御システムにフィードバックする。
【0057】
3)加圧された他方の冷却油は、高気圧領域を経過した後、そのまま排油孔12から排出される。
【0058】
電子オイルポンプの全体の高さが低くなるため、従来の電子オイルポンプに比べて、本実施例では加圧された冷却油がステータアセンブリまで流れる時間が短く、温度低下効果がより優れる。本実施例では、モータステータ6は、珪素鋼板素材を用いて製造され、製造コスト及び回転部材の摩擦力を低減させ、ステータ巻線61の線径は1.8mmであり、従来の1.6mmに比べて、ロータポンプの性能は大幅に向上する。
【0059】
ポンプケーシング1の外周にはO型シールリングがさらに設けられ、本実施例でO型シールリング素材はゴムである。O型シールリングは、水平及び軸方向の変形に用いられ、シール、油漏れの低減、高圧の形成に役立ち、経済的で効率的、組み立てが容易になり、耐用年数が長く、メンテナンスが容易になる。
実施例2
【0060】
図6を参照すると、本実施例は実施例1との相違としては、外歯車4とポンプケーシング1との間に玉軸受9が設けられ、外歯車4が回動する安定性を向上させる。高出力電子オイルポンプのコールドスタートのために、本実施例は、外歯車4に固定的に接続される上蓋8上の頂端にセンサ82が固定的に接続され、本実施例におけるセンサ82は、磁力インダクタである。他の具体的な適用において、センサ82は、固定シャフト2の頂端に固定的に接続されてもよい。
【0061】
従来の電子オイルポンプのモータロータ5が玉軸受9ブラケットに圧入されてから、玉軸受9及びポンプ歯車に圧入される場合よりも、本出願では、玉軸受9ブラケットが設置されず、一方で、電子オイルポンプの全体の高さを短くし、ステータアセンブリへ流入され加圧される冷却油の経路が短くなり、かかる時間が短くなり、温度低下効果がよりよくなり、他方で、累積的な取付誤差が避けられ、エアギャップの偏心という隠れたリスクもない。
実施例3
【0062】
図7から
図9を参照すると、実施例1及び実施例2の相違点としては、固定シャフト2と内歯車3との間に、内歯車3及び固定シャフト2が偏心することを実現するための偏心校正ピース23が設けられ、本実施例の偏心校正ピース23は半月形スリーブであり、半月形スリーブによって内歯車3が固定シャフト2に対する正確な偏心位置決めを実現することができる。固定シャフト2と内歯車3との間には、摺動摩擦力を低減させるように、ブッシング22が設けられる。
【0063】
半月形スリーブの一側には、位置決め孔231が貫通して開けられ、ポンプケーシング1の底部には、位置決め孔231に対応する組立ガイド孔135が開けられ、組立ガイド孔135及び固定孔131(
図5を参照)が偏心して配置され、外歯車4を固定シャフト2に回動可能に接続すると同時に、半月形スリーブも、内歯車3に回動可能に接続され、内歯車3と外歯車4とが同軸で偏心する回動効果を奏することができる。内歯車3と外歯車4とが相対的に回動する過程で、内歯車3と外歯車4との間の複数のハフアンドパフオイルチャンバー41の体積が変化し、体積変化による圧力の変化を生じ、冷却油の循環を実現する。
実施例4
【0064】
本実施例は、
モータロータ5及び外歯車4が回転することによって、内歯車3が回転するように駆動するステップと、
前記内歯車3及び前記外歯車4が冷却油を加圧するステップと、
加圧された冷却油は、一方が流路21を通ってモータステータ6まで流れ、加圧された冷却油は、他方がポンプケーシング1外まで排出されるステップと、を含む上記実施例における電子オイルポンプに適用する電子オイルポンプの作動方法を公開する。
実施例5
【0065】
本実施例は、
モータロータ5及び外歯車4が回転することによって、内歯車3が回転するように駆動するステップと、
内歯車3及び外歯車4が、ハフアンドパフオイルチャンバー41内で、冷却油を循環させて加圧したり降圧したりするステップと、
冷却油の圧力が増大または減小するにつれて、ハフアンドパフオイルチャンバー41内の冷却油の一部が貫通孔81を介して流路21に入り、或いは、冷却油が流路21から貫通孔81を介してハフアンドパフオイルチャンバー41に入り、ポンプケーシング1内の熱が冷却油の循環によって運び去られるステップと、
ハフアンドパフオイルチャンバー41内の冷却油の他方部分が排油孔12から排出されるステップと、を含む実施例1乃至実施例3における電子オイルポンプに適用する別の電子オイルポンプの作動方法を公開する。
【0066】
以上、本発明の基本原理、主な特徴および本発明の利点を示し、説明した。当業者は、本発明が上述の実施例に限定されず、上述の実施例および説明書に記載された内容が、本発明の原理を説明するに過ぎないことを理解すべきである。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明は様々な変更、修正、置換および変形を行うことができ、これらの変更、修正、置換および変形はすべて特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1、ポンプケーシング
11、給油孔
12、排油孔
13、ポンプケーシング底部
131、固定孔
132、オイル吸入口
133、オイル排出口
134、仕切り部
135、組立ガイド孔
14、フィルター
15、シャーシ
16、エアギャップ
2、固定シャフト
21、流路
22、ブッシング
23、偏心校正ピース
231、位置決め孔
3、内歯車
4、外歯車
41、ハフアンドパフオイルチャンバー
5、モータロータ
6、モータステータ
61、ステータ巻線
7、回路制御モジュール
71、コントローラ
72、ハブ
8、上蓋
81、貫通孔
82、センサ
9、玉軸受
【手続補正書】
【提出日】2025-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプケーシング(1)、給油孔(11)及び排油孔(12)を備える一体型電子オイルポンプであって、
前記ポンプケーシング(1)に設けられる固定シャフト(2)であって、前記固定シャフト(2)の内部には冷却油が通過する流路(21)が設けられる、固定シャフト(2)と、
前記固定シャフト(2)に対して偏心し、回動可能に接続される内歯車(3)と、
前記固定シャフト(2)に同軸接続され、前記ポンプケーシング(1)内に回動可能に接続され、前記内歯車(3)の外周に位置しており、前記内歯車(3)に噛み合う外歯車(4)と、
前記外歯車(4)の外周に固定的に接続されるモータロータ(5)と、
前記ロータの外周に位置しており、前記ポンプケーシング(1)に固定的に接続されるモータステータ(6)と、さらに備え、
前記流路(21)は一端が前記給油孔(11)に連通し、他端が前記排油孔(12)に間接的に連通し、冷却油は前記流路(21)を介して一体型電子オイルポンプでの内部循環を実現する
ことを特徴とする一体型電子オイルポンプ。
【請求項2】
前記固定シャフト(2)の軸心を通る平面において、前記モータステータ(6)、前記モータロータ(5)、前記外歯車(4)、前記内歯車(3)及び前記固定シャフト(2)の投影領域は、少なくとも部分的に重なる
ことを特徴とする請求項1に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項3】
前記外歯車(4)は、前記ポンプケーシング(1)に軸受を介して接続される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項4】
上蓋(8)をさらに備え、前記内歯車(3)の両端及び前記外歯車(4)の両端は、それぞれ前記上蓋(8)及び前記ポンプケーシング(1)に接続され、ともに囲んでハフアンドパフオイルチャンバー(41)が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項5】
前記上蓋(8)には貫通孔(81)が設けられ、前記流路(21)は前記貫通孔(81)を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)に連通する
ことを特徴とする請求項4に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項6】
前記外歯車(4)、及び前記内歯車(3)が囲んで複数のハフアンドパフオイルチャンバー(41)が形成され、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)は、体積が外歯車(4)の回動方向に沿ってまず段階的に増大してから段階的に減小し、前記ポンプケーシング(1)には給油孔(11)及び排油孔(12)が設けられ、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に増大する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)の給油口は前記給油孔(11)と対応し、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に減小する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)の排油口は前記排油孔(12)と対応する
ことを特徴とする請求項5に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項7】
前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に増大する場合に、冷却油は前記給油孔(11)を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)に流入し、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に減小する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)内の冷却油は加圧されて前記排油孔(12)から排出される
ことを特徴とする請求項6に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項8】
前記流路(21)は前記給油孔(11)に連通し、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に増大する場合に、冷却油は前記流路(21)及び前記貫通孔(81)を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)に流入し、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)が段階的に減小する場合に、前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)内の冷却油は加圧されて前記貫通孔(81)から前記流路(21)に流入する
ことを特徴とする請求項6に記載の一体型電子オイルポンプ。
【請求項9】
請求項1に記載の一体型電子オイルポンプに適用する一体型電子オイルポンプの作動方法であって、
モータロータ(5)及び外歯車(4)が回転することによって、内歯車(3)が回転するように駆動するステップと、
前記内歯車(3)及び前記外歯車(4)が冷却油を加圧するステップと、
加圧された冷却油は、一方が流路(21)を通ってモータステータ(6)まで流れ、加圧された冷却油は、他方がポンプケーシング(1)外まで排出されるステップと、を含む
ことを特徴とする一体型電子オイルポンプの作動方法。
【請求項10】
請求項6乃至8のいずれか一項に記載の一体型電子オイルポンプに適用する一体型電子オイルポンプの作動方法であって、
モータロータ(5)及び外歯車(4)が回転することによって、内歯車(3)が回転するように駆動するステップと、
前記内歯車(3)及び前記外歯車(4)が、ハフアンドパフオイルチャンバー(41)内で、冷却油を循環させて加圧したり降圧したりするステップと、
冷却油の圧力が増大または減小するにつれて、ハフアンドパフオイルチャンバー(41)内の冷却油の一部が前記貫通孔(81)を介して前記流路(21)に入り、或いは、冷却油が前記流路(21)から前記貫通孔(81)を介して前記ハフアンドパフオイルチャンバー(41)に入り、前記ポンプケーシング(1)内の熱が冷却油の循環によって運び去られるステップと、
ハフアンドパフオイルチャンバー(41)内の冷却油の他方部分が排油孔(12)から排出されるステップと、を含む
ことを特徴とする一体型電子オイルポンプの作動方法。