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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028286
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】バルブ装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 41/04 20060101AFI20250220BHJP
【FI】
F16K41/04
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024221974
(22)【出願日】2024-12-18
(62)【分割の表示】P 2021088173の分割
【原出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000113517
【氏名又は名称】BASF INOACポリウレタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187791
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晃志郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勇
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 健
(57)【要約】
【課題】消耗部品であるパッキンを容易に装着できるバルブ装置を提供すること。
【解決手段】バルブ装置1は、流体の流入路21と流出路22との間の内部流路23を開閉して、流体20の流れを制御する。バルブボディー2と、バルブボディー2に着脱可能なステムユニット3を備える。ステムユニット3は、先端部が内部流路23を開閉するためのステム4と、ステムホルダー6と、ステム4に挿入されるパッキン7と、パッキン7を挟んでステムホルダー6に装着される第一ステムガイド8を備える。ステムホルダー6は、下端部にステム4を案内する第二ステムガイド11を備える。第二ステムガイド11の上側にパッキン装着部12を備える。パッキン装着部12の上側に連続して形成され、上側に向かうに従いステム4から離れる傾斜案内面13が形成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流入路と流出路との間の内部流路を開閉して、前記流体の流れを制御するバルブ装置であって、
前記流入路と、前記流出路と、前記内部流路が形成されるバルブボディーと、
前記バルブボディーに着脱可能なステムユニットを備え、
前記ステムユニットは、
先端部が前記内部流路を開閉するためのステムと、
前記バルブボディーに設置され、前記ステムが挿入されるステムホルダーと、
パッキンを備え、
前記ステムホルダーは、パッキン装着部を備え、
前記パッキンは、
円環状に形成され、内周側部材と外周側部材を備え、
前記ステムが延びる方向に所定のパッキン幅を有し、前記ステムが挿入された状態で前記ステムホルダーに装着されるバルブ装置。
【請求項2】
前記内周側部材と前記ステムとの摩擦係数は、前記外周側部材とパッキン装着部内周部との摩擦係数よりも小さく、
前記外周側部材は弾性部材を備え、
パッキン内径は、前記パッキンが挿入される部分におけるステム外径よりも小さく、
パッキン外径は、前記ステムに装着されるとき、パッキン装着部内径よりも大きく、
前記外周側部材は、前記パッキン装着部に装着されるとき、水平方向に沿う方向に弾性変形し、前記パッキン装着部内周部との間をシールし、
前記内周側部材は、前記外周側部材の弾性変形に伴って前記ステムを押圧することにより前記ステムとの間をシールする請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項3】
流体の流入路と流出路との間の内部流路を開閉して、前記流体の流れを制御するバルブ装置に組み込まれるステムユニットであって、
先端部が前記内部流路を開閉するためのステムと、
前記ステムが挿入されるステムホルダーと、
パッキンと、
第一ステムガイドを備え、
前記ステムホルダーは、
下端部に前記ステムを案内する開口孔である第二ステムガイドと、
前記第二ステムガイドの上側に形成されるパッキン装着部を備え、
前記パッキンは、
円環状に形成され、内周側部材と外周側部材を備え、
前記ステムが延びる方向に所定のパッキン幅を有し、前記ステムが挿入された状態で前記ステムホルダーに装着され、
前記第一ステムガイドは、前記ステムが挿入された状態で前記パッキンを挟んで前記ステムホルダーに装着され、
前記パッキンは、前記第一ステムガイドと前記第二ステムガイドとの間に挟まれて装着され、
前記ステムは、前記第一ステムガイド、前記パッキン、及び前記第二ステムガイドに案
内されて作動するステムユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消耗部品であるパッキンの組立、及び交換を容易にするバルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体制御のために種々のバルブ装置が提案されている。例えば、特許文献1の記載によれば、バルブは、バルブボディとアクチュエータとその間のヨーク及びボンネットの4つの構成部分を有している。バルブボディには、流入口、流入通路、流出口および流出通路が設けられ、流入通路および流出通路の間には弁座が備えられている。弁座と当接・離間する接触面を有する弁体が、垂直に備えられ、弁体はステムの下部先端側に形成されている。ステムは、アクチュエータの軸であるシャフトと接続され、アクチュエータによって、上下に駆動される。
【0003】
バルブボディの上部には、ボンネットナットによってボンネットが取り付けられており、ボンネットの上部は、ヨークが取り付けられ、ヨークの上端部には、アクチュエータが取り付けられている。
【0004】
ボンネットの内部は、ステムが貫通する貫通孔が形成されており、その中にステムが挿通するグランドパッキンが備えられている。グランドパッキンの下面側にハメワが備えられ、グランドパッキンの上面側にOリングホルダーが備えられている。このハメワとOリングホルダーは、金属製であり、その表面には、フッ素樹脂系樹脂のコーティング層と同じコーティング層が設けられている。樹脂コーティング層は、ステムの外周面及びボンネットの内部凹部の内周面と密接している。これによって、シール性が確保され、高圧流体の開閉による経年使用によってグランドパッキンの経年劣化が低減される。
【0005】
これによれば、入口流路から出口流路への流体の流通を許容又は遮断することができ、流体制御を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-159479号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示す従来例では、流体の漏れを防止するために、ステムが挿通するグランドパッキンが備えられ、下面側にハメワが備えられ、上面側にOリングホルダーが備えられている。グランドパッキンは、組立時と部品交換時に締め込み量を調整する必要があり、作業性に課題があった。グランドパッキンは消耗部品であり、一定時間バルブ装置を駆動させると交換が必要であり、その度に一定の組立工数が必要となり課題であった。
【0008】
本発明の目的は、従来の課題を解決すべくなされたものであり、消耗部品であるパッキンを容易に装着できるバルブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様に係るバルブ装置は、流体の流入路と流出路との間の内部流路を開閉して、前記流体の流れを制御するバルブ装置であって、前記流入路と、前記流出路と、前記内部流路が形成されるバルブボディーと、前記バルブボディーに着脱可能なステムユニットを備え、前記バルブボディーの底面を水平方向に設置するとき、前記ステムユニットが前記バルブボディーに対して鉛直方向の上側方向に向かって装着される状態において、前記ステムユニットは、先端部が前記内部流路を開閉するためのステムと、前記バルブボディーに設置され、前記ステムが挿入されるステムホルダーと、前記ステムに挿入され、該ステムが延びる方向に所定のパッキン幅を有し、前記ステムホルダーに装着されるパッキンと、前記ステムに挿入され、前記パッキンを挟んで前記ステムホルダーに装着される第一ステムガイドを備え、前記ステムホルダーは、下端部に前記ステムを案内する開口孔である第二ステムガイドと、前記第二ステムガイドの上側に形成されるパッキン装着部と、前記パッキン装着部の上側に連続して形成され、上側に向かうに従い前記ステムから離れる傾斜案内面が形成され、前記パッキンは、前記第一ステムガイドと前記第二ステムガイドとの間に挟まれて装着され、前記ステムは、前記第一ステムガイド、前記パッキン、及び前記第二ステムガイドに案内されて作動する。
【0010】
これによれば、バルブ装置は、ステムホルダーの内部において、ステムが第一ステムガイド、パッキン、及び第二ステムガイドに案内されて作動する。よって、流体が漏れることを防止するシール効果を有し、安定して作動することができる。また、パッキンは、ステムホルダーに装着するときに傾斜案内面に案内されるので、容易に装着することができる。また、パッキンは、ステムホルダーの内部で、第一ステムガイドとステムホルダーとに挟まれるので、パッキンが破損したときにパッキンの破片がバルブ装置内に拡散することを防止できる。
【0011】
また、前記バルブ装置は、前記ステムを作動させるためのエアシリンダーと、前記エアシリンダーに接続し、前記バルブボディーに着脱可能なバルブホルダーを備え、前記ステムホルダーは、外周に鍔部が形成され、前記ステムユニットを鉛直方向に沿う方向にするとき、前記ステムユニットは、前記ステムホルダーの前記鍔部の下側面と前記バルブボディーとの間にガスケットを挟んで設置され、前記バルブホルダーは、前記ステムホルダーの前記鍔部における上側面に接触した状態で前記バルブボディーに取り付けられる装置でもよい。
【0012】
この場合、ステムユニットは、ステムホルダーの鍔部の下側面とバルブボディーとの間にガスケットを挟んで設置されるので、ステムホルダーとバルブボディーとの隙間から流体が漏れ出ることを防止できる。
【0013】
また、前記バルブ装置は、前記パッキン装着部が、前記第二ステムガイドとの境界に、前記ステムが挿入される方向と交差する方向に形成されるパッキン棚部を備え、前記傾斜案内面は、前記パッキンが、前記ステムに挿入された状態で前記ステムホルダーに装着されるとき、前記パッキンを案内することによって該パッキンを前記パッキン装着部へ装着可能とし、前記パッキン棚部は、前記パッキンが前記パッキン装着部に装着された状態で前記ステムを該ステムの先端部側へ抜くときに、前記パッキンを係止し、前記ステム及び前記パッキン装着部から前記パッキンを分離可能でもよい。
【0014】
この場合、傾斜案内面は、パッキンがステムに挿入された状態でステムホルダーに装着されるとき、パッキンを案内するので、パッキンを容易にパッキン装着部へ装着可能である。また、パッキン棚部は、パッキン装着部に装着された状態からステムをステムの先端部側へ抜くときに、パッキン棚部がパッキンを係止し、ステム及びパッキン装着部からパッキンを分離可能である。よって、パッキンは、ステムホルダーに容易に着脱できるので、交換作業が容易である。
【0015】
また前記バルブ装置は、前記ステムユニットが、鉛直方向に沿う方向にあって、前記ステムの先端部側を下側とし、反対側を上側とし、前記ステムが延びる方向と直交する方向が水平方向である状態において、前記パッキン装着部は、上下方向が一定の上下間隔に形成され、前記パッキンは、前記ステムホルダーに装着された状態で、前記パッキン幅が前記パッキン装着部の前記上下間隔よりも小さくてもよい。
【0016】
この場合、バルブ装置は、ステムユニットにおけるパッキン装着部の上下間隔が一定となり、パッキン幅は該上下間隔よりも小さい。よって、パッキンはステム及びステムホルダーに装着するときに位置調整することなく容易に組立ができる。パッキンは上下方向からの圧力を受けないので、上下方向からの圧力による変形によってパッキンとステムとの間に局部的な応力の発生を防止できる。よって、パッキンとステムとの間に局部的な摺動抵抗が発生することが防止されるので、パッキンの耐久性を高めることができる。
【0017】
また、前記ステムホルダーは、前記傾斜案内面の上端部につながり、水平方向に形成されるステムホルダー棚部を備え、前記第一ステムガイドは、水平方向に突出する第一ステムガイド凸部を備え、前記第一ステムガイドが前記ステムホルダーに装着されるとき、前記第一ステムガイド凸部の下側面が前記ステムホルダー棚部に載置され、前記第一ステムガイドの下端部が前記パッキン装着部に臨み、前記パッキン装着部における前記上下間隔は、前記第一ステムガイドの下端部によって所定の位置に固定されて形成される前記パッキン装着部の天面部と、前記第二ステムガイドの上端部に形成される底面部との間に一定の間隔で形成されてもよい。
【0018】
この場合、パッキン装着部の上下間隔は、第一ステムガイド凸部の下側面がステムホルダー棚部に載置された状態で、一定の間隔に形成される。パッキン幅は該上下間隔よりも小さい。よって、パッキンはステム及びステムホルダーに装着するときに位置調整することなく容易に組立ができる。
【0019】
また前記バルブ装置は、前記パッキンが、円環状に形成され、内周側部材と外周側部材を備え、前記内周側部材と前記ステムとの摩擦係数は、前記外周側部材とパッキン装着部内周部との摩擦係数よりも小さく、前記外周側部材は弾性部材を備え、パッキン内径は、前記パッキンが挿入される部分におけるステム外径よりも小さく、パッキン外径は、前記ステムに装着されるとき、パッキン装着部内径よりも大きく、前記外周側部材は、前記パッキン装着部に装着されるとき、水平方向に沿う方向に弾性変形し、前記パッキン装着部内周部との間をシールし、前記内周側部材は、前記外周側部材の弾性変形に伴って前記ステムを押圧することにより前記ステムとの間をシールしてもよい。
【0020】
この場合、パッキンは外周側部材とパッキン装着部との間は摩擦力によって上下方向のズレが低減され、シール効果を高めることができる。内周側部材とステムとの間の摩擦係数は、外周側部材とパッキン装着部との間に比べて小さいので、ステムが上下方向に作動する場合でもスムーズに作動してシール効果を維持できる。
【0021】
また前記バルブ装置は、前記パッキンの前記パッキン幅が、前記ステムの最大可動量よりも短くてもよい。この場合、パッキン幅はステムの最大可動量よりも短いので、バルブ装置の上下方向のサイズを小さくすることができる。よって、バルブ装置は上下方向において小型化を実現できる。
【0022】
また前記バルブ装置は、前記第一ステムガイド、前記パッキン、及び前記第二ステムガイドが前記ステムを案内する長さの合計であるステム支持長さは、前記ステムの前記最大可動量の3倍以上でもよい。この場合、ステム支持長さはステムの最大可動量の3倍以上の長さなので、ステムはより安定して作動することができる。
【0023】
また前記バルブ装置は、前記ステムの先端部が前記内部流路を閉じた状態において、前記ステムホルダーにおける前記ステムの先端部側の端部と前記ステムの先端部との距離は、前記ステム支持長さの2倍以下でもよい。
【0024】
この場合、ステムホルダーにおけるステムチップの側の端部とステムチップの先端との距離は、ステム支持長さの2倍以下なので、ステムの先端にあるステムチップがブレること無く内部流路を開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】バルブ装置1の全体を示した図であり、ステムチップ5が内部流路23を閉じた状態を示す。
図2】バルブ装置1の全体を示した図であり、ステムチップ5が内部流路23を開き、流体20が流入路21から内部流路23を通り、流出路22から流出する状態を示す。
図3】バルブ装置1の要部を示した断面図である。
図4】第一ステムユニット3aの構成と装着手順を示した図であり、(a)は各構成要素を装着する前の状態を示し、(b)は各構成要素を装着した状態を示し、(c)は固定手段9が一体で形成された第一ステムガイド8を示す。
図5】第一ステムユニット3aをバルブボディー2に装着する状態を示した図である。
図6】第一ステムユニット3aの状態から構成要素を分解する手順を示した図であり、(a)は第一ステムユニット3aからステム4を下側へ引き抜いた状態を示し、(b)はさらに固定部材9a(9)、先端部が内部流路23を開閉するステム4と第一ステムガイド8、及びパッキン7を取り外す状態を示す。
図7】パッキン7の構成を説明した断面図であり、(a)はパッキン7単体の状態を示した図であり、(b)はステムに装着した状態を示した図であり、(c)はリップパッキン7cを示す。
図8図3におけるA部詳細図である。
図9】第二ステムユニット3bの構成と装着手順を示した図であり、(a)は各構成要素を装着する前の状態を示し、(b)は各構成要素を装着した状態を示す。
図10】第三ステムユニット3cの構成と装着手順を示した図であり、(a)は各構成要素を装着する前の状態を示し、(b)は各構成要素を装着した状態を示す。
図11】従来の装置である、ダイヤフラム式バルブ装置40であって、本発明との比較評価を行った評価機を示した図であり、(a)は内部流路23が閉じられた状態を示し、(b)は内部流路23が開かれた状態を示す。
図12】従来の装置である、ベローズシールバルブ装置50であって、本発明との比較評価を行った評価機を示した図であり、(a)は内部流路23が閉じられた状態を示し、(b)は内部流路23が開かれた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照し、本発明を具現化したバルブ装置1を説明する。なお、発明を実施するための形態、及び参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。本発明はこれらに限定されるものではない。図面に記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0027】
<バルブ装置1の全体構成>
図1から図3までを参照して、本発明の態様に係るバルブ装置1の全体構成を説明する。図1及び図2に示すように、バルブ装置1は、ステムユニット3におけるステム4がエアシリンダー31の作用によって上下方向に作動し、ステム4の先端部が流体20の流入路21と流出路22との間の内部流路23を開閉して、流体20の流れを制御する。バルブ装置1は、流入路21と、流出路22と、内部流路23が形成されるバルブボディー2と、バルブボディー2に着脱可能なステムユニット3を備える。
【0028】
次に、バルブ装置1の要部における各構成要素を説明する。図3に示すように、各構成要素の位置関係は、バルブボディー2の底面2aを水平方向に設置し、ステムユニット3がバルブボディー2に対して鉛直方向の上側方向に向かって装着される状態にするときの構成として説明する。
【0029】
<第一ステムユニット3aの構成>
以下の説明において、ステムユニット3は、第一の例である第一ステムユニット3aを例にして説明する。図3に示すように、第一ステムユニット3aが以下の構成要素を備える。第一ステムユニット3aは、流体20の流入路21と流出路22との間の内部流路23を開閉して、流体20の流れを制御するバルブ装置1に組み込まれる。先端部が内部流路23を開閉するためのステム4を備える。バルブボディー2に設置され、ステム4が挿入されるステムホルダー6を備える。ステム4に挿入され、ステム4が延びる方向に所定のパッキン幅W1を有し、ステムホルダー6に装着されるパッキン7を備える。第一ステムユニット3aは、ステム4に挿入され、パッキン7を挟んでステムホルダー6に装着される第一ステムガイド8を備える。なお、第一ステムユニット3aは、第一ステムガイド8と一体で形成されるか、或いは別体で形成され、第一ステムガイド8をステムホルダー6に固定する固定手段9を備えてもよい。また、ステム4は、先端部にステムチップ5を備え、ステムチップ5が流体20の流入路21と流出路22との間の内部流路23に接離して開閉し、流体20の流れを制御してもよい。ステムチップ5の材質は、主にポリイミド、或いはPCTFE等のフッ素樹脂が使用されるが、その他の材質でもよい。
【0030】
第一ステムユニット3aは、ステム4の先端部を下側とし、ステム4を鉛直方向に沿う方向にするとき、以下の構成である。ステムホルダー6は、下端部にステム4を案内する開口孔である第二ステムガイド11を備える。第二ステムガイド11の上側に形成されパッキン装着部12を備える。さらに、パッキン装着部12の上側に連続して形成され、上側に向かうに従いステム4から離れる傾斜案内面13が形成される。図3等に示すように、第一ステムガイド8の下側の一部がパッキン装着部12に挿入されてもよく、その構成の場合は、パッキン装着部12の内径は、第一ステムガイド8の外形に対応して形成される。
【0031】
図4(b)に示すように、パッキン7は、第一ステムガイド8と第二ステムガイド11との間に挟まれて装着され、ステム4は、第一ステムガイド8、パッキン7、及び第二ステムガイド11に案内されて上下方向に作動する。
【0032】
さらに、以下の構成を備えてもよい。図8に示すように、パッキン装着部12の上下方向は、一定の上下間隔W2である。パッキン幅W1は、第一ステムガイド8がステムホルダー6に装着された状態で、パッキン装着部12の上下間隔W2よりも小さく形成される。
【0033】
<バルブ装置1の全体構成による効果>
以上説明したように、本発明の態様に係るバルブ装置1は、以下の効果を奏する。図3等に示すように、バルブ装置1は、ステムホルダー6の内部において、ステム4が第一ステムガイド8、パッキン7、及び第二ステムガイド11に案内されて作動する。よって、流体20が漏れることを防止するシール効果を有し、安定して作動することができる。また、パッキン7は、ステムホルダー6に装着するときに傾斜案内面13に案内されるので、容易に装着することができる。また、パッキン7は、ステムホルダー6の内部で、第一ステムガイド8とステムホルダー6とに挟まれるので、パッキン7が破損したときにパッキン7の破片がバルブ装置1内に拡散することを防止できる。
【0034】
また、図4に示すように、バルブ装置1はステムユニット3の一例である第一ステムユニット3aの構成により、パッキン7をステムホルダー6に装着するときに調整が不要である。パッキン7は、ステムホルダー6に傾斜案内面13が形成されるので、ステム4に装着した状態でパッキン装着部12に挿入するのみで装着可能に構成される。よって、第一ステムユニット3aは組立が容易である、パッキン7を組み立てる際の作業工数を少なくすることができる。
【0035】
すでに説明したように、従来例ではグランドパッキンを使用するため、組立時と部品交換時に締め込み量を調整する必要があり、作業性に課題があった。これに対して、本発明のバルブ装置1は、この課題を解決し、組立を容易にすることができる。
【0036】
図8に示すように、第一ステムユニット3aにおいて、パッキン幅W1は、第一ステムガイド8がステムホルダー6に装着された状態で、パッキン装着部12の上下間隔W2よりも小さく形成されてもよい。この場合、パッキン7は上下方向からの圧力を受けないので、上下方向からの圧力による変形によってパッキン7とステム4との間に局部的な応力の発生を防止できる。パッキン7とステム4との間のシール効果を高めることができる。
【0037】
さらに、第一ステムユニット3aは、バルブボディー2に対してユニットとして着脱可能である。よって、第一ステムユニット3aはバルブ装置1に対して組立性及び交換性に優れた効果を奏する。なお、後述する第二ステムユニット3b及び第三ステムユニット3cも同様にこの効果を奏する。
【0038】
<バルブ装置1の要部に付随する構成要素>
次に、図1から図3までを参照して、バルブ装置1の要部に付随する構成要素を説明する。バルブ装置1は、ステム4を作動させるためのエアシリンダー31と、エアシリンダー31に接続し、バルブボディー2に着脱可能なバルブホルダー32を備える。
【0039】
ステムホルダー6は、上下方向の略中央部における外周に鍔部16が形成される。
第一ステムユニット3aを鉛直方向に沿う方向にするとき、第一ステムユニット3aは、ステムホルダー6の鍔部16の下側面16aとバルブボディー2との間にガスケット17を挟んで設置される。バルブホルダー32は、ステムホルダー6の鍔部16における上側面16bに接触した状態でバルブボディー2に取り付けられる。
【0040】
図3に示すように、バルブボディー2は、上下方向の上側における外周の一部に雄ネジが形成され、バルブホルダー32に形成される雌ネジ部と螺合することにより、互いが結合される。図3において、バルブホルダー32は二点鎖線で示しており、複数の部材によって構成しているが、一体で形成してもよい。
【0041】
以上説明したように、バルブ装置1の要部に付随する構成要素は、以下の効果を奏する。図3図5等に示す第一ステムユニット3aを例とするステムユニット3は、ステムホルダー6の鍔部16の下側面16aとバルブボディー2との間にガスケット17を挟んで設置されるので、ステムホルダー6とバルブボディー2との隙間から流体20が漏れ出ることを防止できる。
【0042】
<パッキン7の取付け及び交換に関する構成>
次に、図3図4図6、及び図8を参照して、パッキン7が、ステムホルダー6に対して取付け及び交換可能であるための構成を説明する。パッキン装着部12にパッキン7を装着するための構成を説明する。パッキン装着部12は、第二ステムガイド11との境界に、ステム4が挿入される方向と交差する方向に形成されるパッキン棚部12aを備える。図4(a)及び図8に示すように、傾斜案内面13は、パッキン7がステム4に挿入された状態でステムホルダー6に装着されるとき、パッキン7を案内することによってパッキン7をパッキン装着部12へ装着可能とする。
【0043】
パッキン装着部12からパッキン7を取り外すための構成を説明する。図6(a)に示すように、パッキン棚部12aは、パッキン7がパッキン装着部12に装着された状態でステム4をステム4の先端部側(ステムチップ5の側)へ抜くときに、パッキン7を係止し、ステム4及びパッキン装着部12からパッキン7を分離可能とする。
【0044】
図4(a)に示すように、第一ステムガイド8が固定手段9と別体で形成される場合、第一ステムガイド凸部8cは円筒形状でもよいし多角柱形状でもよい。いずれの形状においても、第一ステムガイド凸部8cは、ステムホルダー棚部18に載置可能に形成される。ステムホルダー6において、第一ステムガイド凸部8cが挿入される部分は、第一ステムガイド凸部8cが挿入可能な形状及び寸法で形成される。
【0045】
以上説明した傾斜案内面13により、以下の効果を奏する。図3図4、及び図8に示すように、ステムホルダー6の傾斜案内面13は、パッキン7がステム4に挿入された状態でステムホルダー6に装着されるとき、パッキン7を案内するので、パッキン7を容易にパッキン装着部12へ装着可能である。さらに、図6(a)に示すように、パッキン棚部12aは、パッキン装着部12に装着された状態からステム4をステム4の先端部側(ステムチップ5の側)へ抜くときに、パッキン棚部12aがパッキン7を係止し、ステム4及びパッキン装着部12からパッキン7を分離可能である。
【0046】
よって、パッキン7は、ステムホルダー6に容易に着脱できるので、交換作業が容易である。バルブ装置1は、消耗品であるパッキン7を容易に交換できるので、作業工数に伴うメンテナンス費用を低く抑えることができる。合わせて、バルブ装置1の稼働停止期間を短くすることで、生産性を高めることができる。
【0047】
<パッキン7とパッキン7に関連する要素との関係>
次に、図3図4、及び図8を参照して、パッキン7とパッキン7に関連する要素との関係を詳細に説明する。以下の説明は、第一ステムユニット3aが、鉛直方向に沿う方向にあって、ステム4の先端部側(ステムチップ5の側)を下側とし、反対側を上側とし、ステム4が延びる方向と直交する方向が水平方向である状態であることを前提とする。
【0048】
図8に示すように、パッキン装着部12は、上下方向が一定の上下間隔W2に形成される。パッキン7は、ステムホルダー6に装着された状態で、パッキン幅W1がパッキン装着部12の上下間隔W2よりも小さい。
【0049】
以上説明したように、第一ステムユニット3aは、パッキン装着部12の上下間隔W2が一定となり、パッキン幅W1は該上下間隔W2よりも小さい。よって、パッキン7はステム4及びステムホルダー6に装着するときに位置調整することなく容易に組立ができる。パッキン7は上下方向からの圧力を受けないので、上下方向からの圧力による変形によってパッキン7とステム4との間に局部的な応力の発生を防止できる。よって、パッキン7とステム4との間に局部的な摺動抵抗が発生することが防止されるので、パッキン7の耐久性を高めることができる。
【0050】
以下に、第一ステムユニット3aが、パッキン幅W1とパッキン装着部12の上下間隔W2との関係を形成する構成を説明する。ステム4は、少なくとも第一ステムガイド8、パッキン7、及び第二ステムガイド11に案内されて作動する部分において、外径寸法が一定の円筒形状である。ステムホルダー6は、傾斜案内面13の上端部につながり、水平方向に形成されるステムホルダー棚部18を備える。
【0051】
パッキン装着部12における上下間隔W2は以下の構成により一定に形成される。図4等に示すように、第一ステムガイド8は、水平方向に突出する第一ステムガイド凸部8cが形成される。第一ステムガイド8は、ステムホルダー6に装着されるとき、第一ステムガイド凸部8cの下側面8bがステムホルダー棚部18に載置され、第一ステムガイド8の下端部8aがパッキン装着部12に臨む(図4(b)等を参照)。パッキン装着部12における上下間隔W2は、第一ステムガイド8の下端部8aによって所定の位置に固定されるパッキン装着部12の天面部と、第二ステムガイド11の上端部に形成される底面部との間に一定の間隔で形成される。パッキン幅W1は、パッキン装着部12の上下間隔W2よりも小さく形成される。なお、パッキン装着部12の底面部はパッキン棚部12aであり、上下間隔W2は第一ステムガイド8の下端部8aとパッキン棚部12aとの上下方向の間隔である。
【0052】
パッキン装着部12は、ステムホルダー6に形成される円筒状の凹みである。傾斜案内面13は、パッキン装着部12の円筒状の凹みの上端部から上側に向かうに従いステム4から離れるよう円錐台状に形成される。傾斜案内面13の上端部は、ステムホルダー棚部18に繋がる。第一ステムガイド8は、第一ステムガイド凸部8cよりも下側の部分は円筒形状であり、外径はパッキン装着部12の内径に対して隙間嵌めの関係に形成される。なお、パッキン装着部12の内径寸法と第一ステムガイド8が対応する部分の外形寸法とは、水平方向のガタを抑えるために寸法調整してもよい。
【0053】
図4を参照して、固定手段9の構成を説明する。図4(a)は、固定手段9が第一ステムガイド8と別体で構成される場合を示す。固定手段9は、外周に雄ネジが形成され、ステムホルダー6は、固定手段9が取付けられる部分の内周に雌ネジが形成される。図4(c)は、固定手段9が第一ステムガイド8と一体で形成される場合を示す。この場合、第一ステムガイド8の外周の一部に雄ネジが形成される。ステムホルダー6は、図4(a)の場合と同様に雌ネジが形成される。第一ステムユニット3aの組立手順は後述する。なお、後述するように、固定手段9は必ずしも備えなくてもよい。
【0054】
以上説明したパッキン幅W1とパッキン装着部12の上下間隔W2との関係により、バルブ装置1は以下の効果を奏する。図3及び図4に示すように、第一ステムガイド8は、第一ステムガイド凸部8cが形成され、ステムホルダー6に装着されるとき、第一ステムガイド凸部8cの下側面8bがステムホルダー棚部18に載置される。第一ステムガイド8の下端部8aがパッキン装着部12に臨み、第一ステムガイド8の下端部8aによってパッキン装着部12の天面部が形成される。よって、パッキン装着部12の上下間隔W2は、第一ステムガイド8がステムホルダー6に装着された状態で、第一ステムガイド8の下端部8aとパッキン棚部12aとの間に一定の間隔で形成される。パッキン幅W1は上下間隔W2よりも小さい。よって、パッキン7はステム4及びステムホルダー6に装着するときに位置調整することなく容易に組立ができる。バルブ装置1は、パッキン7の組立て工数をより少なくすることができる。
【0055】
さらに、パッキン7は、第一ステムガイド8がステムホルダー6に装着された状態で、パッキン幅W1がパッキン装着部12の上下間隔W2よりも小さく形成される。パッキン7は上下方向からの圧力を受けないので、上下方向からの圧力による変形によってパッキン7とステム4との間に局部的な応力の発生を防止できる。よって、パッキン7とステム4との間に局部的な摺動抵抗が発生することが防止されるので、パッキン7の耐久性を高めることができる。合わせて、パッキン7とステム4との間のシール効果を高めることができる。
【0056】
次に、図7(a)、(b)、及び図8を参照して、パッキン7、及びパッキン7が関連する構成要素との関係を詳細に説明する。パッキン7は円環状に形成され、内周側部材7aと外周側部材7bを備える。内周側部材7aとステム4との摩擦係数は、外周側部材7bとパッキン装着部内周部12bとの摩擦係数よりも小さい。外周側部材7bは弾性部材を備える。例として、内周側部材7aは、フッ素樹脂を含むシート状の部材が環状に形成され、外周側部材7bの弾性部材は、ニトリルゴム又はフッ素ゴムを含みリング状に形成される。内周側部材7aと外周側部材7bは別々に形成され、外周側部材7bを内周側部材7aに嵌め込むことで組合わされる。
【0057】
パッキン内径D3は、パッキン7が挿入される部分におけるステム外径D1よりも小さい。パッキン外径D4は、ステム4に装着されるとき、パッキン装着部内径D2よりも大きい。外周側部材7bは、パッキン装着部12に装着されるとき、水平方向に沿う方向に弾性変形し、パッキン装着部内周部12bとの間をシールする。
【0058】
内周側部材7aは、外周側部材7bの弾性変形に伴ってステム4を押圧することによりステム4との間をシールする。さらに、パッキン7は、第一ステムガイド8がステムホルダー6に装着された状態で、パッキン装着部12における上下方向に隙間が形成される。
【0059】
次に、図7(c)を参照して、パッキン7の別の例であるリップパッキン7cを説明する。リップパッキン7cは、ステム4に装着された状態で、下側にある先端部7dにU字状に凹んだ溝7eが形成される。リップパッキン7cは一体で形成され、単体の状態では先端部7dの溝7eがV字状に広がった状態である。ステム4に装着され、ステムホルダー6に挿入されると、先端部7dが内側に変形するときに発生する弾性力により、リップパッキン7cとステム4及びステムホルダー6とに密着する。
【0060】
以上説明したパッキン7、及びパッキン7が関連する構成要素により、以下の効果を奏する。図7及び図8に示すように、外周側部材7bは弾性部材によって形成されるので、パッキン7の外形寸法にばらつきがあっても、弾性変形することでパッキン装着部内周部12bとの間の隙間を埋めることができる。バルブ装置1は、稼働状態においてバルブボディー2の内部は、流体20によって流入路21及び流出路22に圧力が生じている。パッキン7は、バルブボディー2の内部圧力によって第一ステムガイド8の下端部8aの面へ押し上げられる。よって、パッキン7は、鉛直方向において圧縮され、外径方向及び内径方向へ延びるように歪み、第二ステムガイド11との間のシール効果を高めることができる。
【0061】
また、内周側部材7aは、外周側部材7bが弾性変形することに伴ってステム4に対して圧力を加えるので、パッキン7とステム4との隙間が生じることがない。内周側部材7aとステム4との間の摩擦係数は、外周側部材7bとパッキン装着部12との間に比べて小さいので、ステム4が上下方向に作動する場合でもスムーズに作動してシール効果を維持できる。
【0062】
また、リップパッキン7cは、先端部7dが弾性変形することによってステム4とステムホルダー6とに密着するので、ステム4が上下方向に作動する場合でもスムーズに作動してシール効果を維持できる。リップパッキン7cは、稼働状態では、下側から流体の圧力が作用することで先端部7dが拡がる方向に(内径側はステム4側に、外径側はステムホルダー6側に拡がる方向に)変形し、シール効果を高める。
【0063】
<ステム4の最大可動量L2とパッキン7のパッキン幅W1との関係>
次に、ステム4の最大可動量L2とパッキン7のパッキン幅W1との関係を説明する。パッキン7のパッキン幅W1は、ステム4の最大可動量L2よりも短い。図3に示すように、ステム4の最大可動範囲は、ステム先端部(ステムチップ5)が内部流路23を閉じた状態において、ステムホルダー6におけるステムチップ5の側の端部6aと、ステム4における段部4aの上端部との間であり、最大可動量L2である。パッキン幅W1は、最大可動量L2よりも短く形成される。
【0064】
以上説明した、ステム4の最大可動量L2とパッキン7のパッキン幅W1との関係によって以下の効果を奏する。図3及び図8に示すように、パッキン幅W1は、ステム4の最大可動量L2よりも短いので、バルブ装置1の上下方向のサイズを小さくすることができる。仮にパッキン幅W1が長いとステム4を長くする必要があり、上下方向におけるバルブ装置1の大型化を招くことになる。これに対して、バルブ装置1は上下方向において小型化を実現できる。
【0065】
<ステム支持長さL1とステム4の最大可動量L2との関係>
次に、図3を参照して、ステム支持長さL1とステム4の最大可動量L2との関係を説明する。ステム支持長さL1は、第一ステムガイド8、パッキン7、及び第二ステムガイド11がステム4を案内する長さの合計である。ステム支持長さL1は、ステム4の最大可動量L2の3倍以上である。ステム支持長さL1は、第一ステムガイド8、パッキン7、及び第二ステムガイド11がステム4を案内する長さの合計であればよく、第一ステムガイド8、パッキン7、及び第二ステムガイド11のそれぞれの長さは変えてもよい。図3等に示す例では、第一ステムガイド8がステム4を案内する長さが最も長いが、これに限定するものではなく例えば第二ステムガイド11がステム4を案内する長さが最も長くてもよい。
【0066】
ステム支持長さL1とステム4の最大可動量L2との関係は、ステム4が安定して稼働するか否かの指標となる。ステム4が可動する範囲に対して、ステム支持長さL1が長いほど、ステム4は安定して稼働する。
【0067】
以上説明したステム支持長さL1とステム4の最大可動量L2との関係により、以下の効果を奏する。図3に示すように、バルブ装置1は、ステム支持長さL1がステム4の最大可動量L2の3倍以上の長さである。従来は、一般的にL1の長さはL2の2倍程度であった。L1の長さはL2の長さに比べて長ければ長いほどステム4が安定して作動するので、L1はL2に比べて長いほど好ましい。よって、ステム4はより安定して作動することができる。
【0068】
<ステム支持長さL1と距離L3との関係>
次に、図3を参照して、ステム支持長さL1と、ステムホルダー6におけるステム4の先端部側(ステムチップ5の側)の端部6aとステム4の先端部(ステムチップ5の先端)との距離L3との関係を説明する。ステム4の先端部(ステムチップ5)が内部流路23を閉じた状態において、ステムホルダー6におけるステム4の先端部側の端部6aとステム4の先端部との距離L3は、ステム支持長さL1の2倍以下である。
【0069】
距離L3は、ステム4がいわゆる片持ちの構造となる部材の長さを示す。距離L3は、ステム支持長さL1に対して短いほど安定した状態となる。従来は、距離L3はL1の長さの2倍を超えるのが一般的であった。距離L3の長さは、L1に比べて小さいほどステム4がいわゆる片持ち構造となる長さが短くなる。
【0070】
以上説明したステム支持長さL1と距離L3との関係により、以下の効果を奏する。ステム4は、片持ち構造となる長さが長いほど、先端部(ステムチップ5)がブレやすくなる。すると、先端部が押下する位置と内部流路23との位置がずれることにより、流体20が漏れることになる。ステム4は、片持ち構造となる長さL3が短いほど好ましい。バルブ装置1の構成によれば、ステム4が片持ち構造となる長さL3はステム支持長さL1に対して短く形成されるので、先端部(ステムチップ5)のブレが低減され、内部流路23をより確実に開閉することができる。
【0071】
<第二ステムユニット3bの構成>
次に、ステムユニット3の他の例を説明する。ステムユニット3は以下の構成でもよい。なお、第一ステムユニット3aと同様の機能の要素は同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。図9にステムユニット3の第二の例である第二ステムユニット3bを示す。第二ステムユニット3bは、以下の構成を除いて第一ステムユニット3aと同様である。第一ステムユニット3aは、図4に示すように、ステムホルダー6においてパッキン装着部12の上側に連続して形成され、上側に向かうに従いステム4から離れる傾斜案内面13が形成される。これに対して、第二ステムユニット3bは、図9に示すように、ステムホルダー26において傾斜案内面13が形成されず、パッキン棚部12aからステムホルダー棚部18までは連続する円筒形状である。
【0072】
また、図4に示すように、第一ステムユニット3aはステム4の先端部にステムチップ5を備える。これに対して、第二ステムユニット3bは、図9に示すように、ステム24の先端部24bが直接内部流路23に接離する構成である。段部24aの上側端部は、第一ステムユニット3aの段部4aの上側端部と同様に、ステム4の上側への移動を制限する。つまり、ステム4が上側へ移動すると、段部24aの上端部がステムホルダー6の下側端部と接触することで、移動が制限される。さらに、第一ステムユニット3aは固定手段9を備えるが、第二ステムユニット3bは第一ステムガイド8が固定手段を兼ねるので、第一ステムガイド8とは別構成による固定手段を備えない。図9に示すように、第一ステムガイド8は、第一ステムガイド凸部8cとステムホルダー26の凸部19とが圧入関係となって固定される。なお、第一ステムガイド8が必ずしも固定手段を兼ねなくてもよい。例えば、図示しないが、バルブホルダー32が第一ステムガイド8を押さえる部材を備え、第一ステムガイド8が上側への移動することを停止してもよい。
【0073】
図9に示すように、第二ステムユニット3bの構成は、第一ステムユニット3aとの共通の構成を含めて以下の構成である。第二ステムユニット3bは、流体20の流入路21と流出路22との間の内部流路23を開閉して、流体20の流れを制御するバルブ装置1に組み込まれる。先端部が内部流路23を開閉するためステム24と、バルブボディー2に設置され、ステム24が挿入されるステムホルダー26を備える。第二ステムユニット3bは、ステム24に挿入され、ステム24が延びる方向に所定のパッキン幅W1を有し、ステムホルダー26に装着されるパッキン7を備える。さらに、ステム24に挿入され、パッキン7を挟んでステムホルダー26に装着される第一ステムガイド8を備える。
【0074】
先端部24bを下側とし、ステム24を鉛直方向に沿う方向にするとき、ステムホルダー26は、下端部にステム24を案内する開口孔である第二ステムガイド11と、第二ステムガイド11の上側に形成されるパッキン装着部12を備える。パッキン7は、第二ステムガイド11と第一ステムガイド8との間に挟まれて装着され、パッキン装着部12の上下方向は、一定の上下間隔W2である。パッキン7は、第一ステムガイド8がステムホルダー26に装着された状態で、パッキン幅W1がパッキン装着部12の上下間隔W2よりも小さく形成される。
【0075】
以上説明した第二ステムユニット3bの構成は以下の効果を奏する。図9に示すように、第二ステムユニット3bは、パッキン装着部12の上下間隔W2が一定となり、パッキン幅W1は上下間隔W2よりも小さい。よって、パッキン7はステム4及びステムホルダー26に装着するときに位置調整することなく容易に組立ができる。パッキン7は上下方向からの圧力を受けないので、上下方向からの圧力による変形によってパッキン7とステム4との間に局部的な応力の発生を防止できる。よって、パッキン7とステム4との間に局部的な摺動抵抗が発生することが防止されるので、パッキン7の耐久性を高めることができる。さらに、第一ステムユニット3aと同様に、バルブボディー2に対してユニットとして着脱可能である。よって、第二ステムユニット3bはバルブ装置1に対して組立性及び交換性に優れた効果を奏する。
【0076】
<第三ステムユニット3cの構成>
また、ステムユニット3は以下の構成でもよい。図10にステムユニット3の第三の例である第三ステムユニット3cを示す。第三ステムユニット3cは、以下の構成を除いて第一ステムユニット3aと同様である。第一ステムユニット3aは、図4に示すように、第一ステムガイド凸部8cの下側面8bがステムホルダー棚部18に載置される。パッキン装着部12は、第一ステムガイド8の下端部8aによってパッキン装着部12の天面部が形成されることにより、パッキン装着部12の上下方向は一定の上下間隔W2となる。パッキン幅W1は、パッキン装着部12の上下間隔W2よりも小さく形成される。
【0077】
これに対し、第三ステムユニット3cは、図10に示すように、ステムホルダー36にはステムホルダー棚部18が形成されない。図10(a)に示すように、パッキン7は、第一ステムガイド8に押下されてステム4に装着されるが、パッキン装着部12の上下間隔W2は第一ステムガイド8が押下したときの下端部8aの位置によって決められる。第一ステムガイド8が、下端部8aとパッキン7との隙間無く押下され、パッキン7の下端部とパッキン棚部12aとが接触する状態にあるとき、上下間隔W2はパッキン幅W1と同じ間隔となる。すなわち、上下間隔W2は、パッキン幅W1に応じて第一ステムガイド8をパッキン棚部12aに向かって押下することによって形成される。
【0078】
図10に示すように、第三ステムユニット3cの構成は、第一ステムユニット3aとの共通の構成を含めて以下の構成である。第三ステムユニット3cは、流体20の流入路21と流出路22との間の内部流路23を開閉して、流体20の流れを制御するバルブ装置1に組み込まれる。先端部が内部流路23を開閉するためステム4と、バルブボディー2に設置され、ステム4が挿入されるステムホルダー36を備える。ステム4に挿入され、ステム4が延びる方向に所定のパッキン幅W1を有し、ステムホルダー36に装着されるパッキン7と、ステム4に挿入され、パッキン7を挟んでステムホルダー36に装着される第一ステムガイド8を備える。
【0079】
先端部を下側とし、ステム4を鉛直方向に沿う方向にするとき、ステムホルダー36は、下端部にステム4を案内する開口孔である第二ステムガイド11と、第二ステムガイド11の上側に形成されるパッキン装着部12を備える。ステムホルダー36は、パッキン装着部12の上側に連続して形成され、上側に向かうに従いステム4から離れる傾斜案内面13が形成される。パッキン7は、第二ステムガイド11と第一ステムガイド8との間に挟まれて装着される。
【0080】
以上説明した第三ステムユニット3cの構成は以下の効果を奏する。図10に示すように、第三ステムユニット3cは、パッキン7がステムホルダー36に装着するときに傾斜案内面13に案内されるので、容易に装着することができる。さらに、第一ステムユニット3aと同様に、バルブボディー2に対してユニットとして着脱可能である。よって、第三ステムユニット3cはバルブ装置1に対して組立性及び交換性に優れた効果を奏する。
【0081】
<バルブ装置1の組立手順>
次に、図4から図6までを参照して、バルブ装置1における要部の組立手順と、分解手順を説明する。図4(a)に示すように、ステムユニット3を鉛直方向に組み立てる場合について説明する。なお、ステムユニット3は第一ステムユニット3aを例に説明する。ステムチップ5は、ステム4の下側から挿入して圧入される。ステムチップ5は、使用状況によって交換が必要なときに交換可能である。
【0082】
次に、ステム4をステムホルダー6の下側から挿入する。パッキン7は、ステム4をステムホルダー6に挿入した状態で、上側から挿入する。図8に示すように、パッキン7は、この時点で必ずしもステムホルダー6のパッキン装着部12まで挿入する必要は無い。第一ステムガイド8は、パッキン7の上側からステム4に挿入する。このとき、第一ステムガイド8は、パッキン7がパッキン装着部12に達するまで下側へ押し込む。
【0083】
固定手段9としての固定部材9aは、第一ステムガイド8の上側からステム4に挿入し、雄ネジ部をステムホルダー6の雌ネジ部に螺合させる。固定部材9aの内径部は、上下方向に六角形状の穴が貫通し、六角レンチを用いてステムホルダー6に締め付けることができる。ステムホルダー6の下側の外径には、スパナ掛けが設けられている。このとき、固定部材9aは、第一ステムガイド凸部8cの下側面8bが、ステムホルダー棚部18に接するまで下側へ移動させ、図4(b)に示す第一ステムユニット3aの状態となる。なお、第一ステムガイド8が固定手段9と一体(図4(c)参照)の場合は、第一ステムガイド8の取付けと、ステムホルダー6への固定が同時に行われる。
【0084】
次に、図5に示すように、第一ステムユニット3aをバルブボディー2に装着する。ステム4は、上側端部の雄ネジ部をエアシリンダー31のロッド(雌ネジ部)に螺合し、第一ステムユニット3aをエアシリンダー31に装着する。第一ステムユニット3aにおけるステムホルダー6の鍔部16の下側面16aが、ガスケット17を介してバルブボディー2の上端面に載置するように装着する。ステムユニット3は、ステムホルダー6の段部6bの外周部とバルブボディー2における内周部2bとによって、水平方向の位置が決められる。さらに、図3に示すように、バルブボディー2にバルブホルダー32を螺合して装着する。
【0085】
図4に示すように、ステム4において段部4aの下側には平面視で外形が六角形状のスパナ掛け15が形成される。スパナ掛け15は、図3に示すように、ステム4の上端部に形成される雄ネジ部をエアシリンダー31へ螺合するときに使用される。後述する第二ステムユニット3bにおいても、図9に示すようにステム24にスパナ掛け15が形成される。
【0086】
次に、パッキン7を交換する手順を説明する。図6(a)に示すように、ステムホルダー6からステム4を下側へ抜き取る。このとき、パッキン7はパッキン棚部12aによってステムホルダー6の内部に保持される。また、第一ステムガイド8は、ステムホルダー棚部18によってステムホルダー6の内部に保持される。固定部材9aは、組立時とは逆方向に回転させながら、ステムホルダー6から上側へ抜き取る。
【0087】
次に、第一ステムガイド8及びパッキン7を順にステムホルダー6から取り出す。図6(b)に示すように、パッキン7は、パッキン装着部12に対して外周側部材7bが弾性変形している場合があるが、ステム4から外れた状態では、内周側部材7aの内径が小さくなっている。パッキン7は、ステムホルダー6の下側からステム4の軸径に相当する治具Jを挿入することで、容易に取り外しができる。なお、パッキン7を取り出す際は、必ずしも治具Jを使用しなくてもよい。パッキン7は外周側部材7bが弾性変形してない場合は、治具Jを使用しなくても容易に取り出すことができる。或いは、治具Jを使用しなくても、マイナスドライバー等で押し出すことができる。
【0088】
次に、ステムユニット3が第二ステムユニット3bを例とする場合について説明する。第一ステムユニット3aと異なるのは以下である。第二ステムユニット3bは、先端部24bが直接内部流路23に挿入されるので、ステム24にステムチップ5を挿入する必要は無い。また、第二ステムユニット3bは、固定部材9aを備える代わりに、第一ステムガイド8をステムホルダー26に挿入すると圧入状態となって固定される。
【0089】
次に、ステムユニット3が第三ステムユニット3cを例とする場合について説明する。第一ステムユニット3aと異なるのは以下である。第三ステムユニット3cは、図10に示すように、ステムホルダー36にはステムホルダー棚部18が形成されない。図10(a)に示すように、パッキン7は、第一ステムガイド8に押下されてステム4に装着されるが、パッキン装着部12の上下間隔W2は第一ステムガイド8が押下したときの下端部8aの位置によって決められる。第一ステムガイド8が、下端部8aとパッキン7との隙間無く押下され、パッキン7の下端部とパッキン棚部12aとが接触する状態にあるとき、上下間隔W2はパッキン幅W1と同じ間隔となる。すなわち、上下間隔W2は、パッキン幅W1に応じて第一ステムガイド8をパッキン棚部12aに向かって押下することによって形成される。
【0090】
以上説明したように、パッキン7はステムユニット3において容易に組立と交換が可能である。パッキン7は、バルブ装置1を長く使用するために、消耗部品として交換する機会が多い。バルブ装置1の構成であれば、パッキン7の組立及び交換は調整が不要であり、従来に比べて要する工数を少なくすることができる。
【0091】
<バルブ装置1の耐久性に関する説明>
次に、従来技術の方式と比較して、バルブ装置1の耐久性について説明する。図11に示すように、従来、第一の装置としてダイヤフラム式バルブ装置40があった。ダイヤフラム式バルブ装置40は、流入路21と流出路22を有するバルブボディー42と、バルブボディー42の流入路21から流出路22への内部流路23において、流体20の流通を許容又は遮断するダイヤフラム43と、ダイヤフラム43に直結するプランジャー44を作動させるアクチュエータ(図示せず)とを備えている。
【0092】
また、図12に示すように、従来、第二の装置としてベローズシールバルブ装置50があった。ベローズシールバルブ装置50のステム54は、ベローズ53よってシールされている。ステム54は、アクチュエーター(図示せず)によって作動することにより、ステム54先端のステムチップ55がバルブボディー52の流入路21から流出路22への内部流路23において、流体20の流通を許容又は遮断する。ステム54とステムチップ55との関係は、本発明のバルブ装置1と同様である。
【0093】
本発明のバルブ装置1と従来の装置との比較をするため、図3及び図4に示すバルブボディー2を流用し、それぞれバルブボディー42,バルブボディー52とした。図11及び図12に示すように、従来の第一の装置であるダイヤフラム式バルブ装置40と第二の装置であるベローズシールバルブ装置50は、ステムユニット3に相当する部分をそれぞれに置き換えて評価機を作成して評価した。流入路21と流出路22には、それぞれ閉止用バルブ(図示せず)を取付けた。
【0094】
評価は以下の手順で行った。まず、内部流路23を開いた状態でバルブ装置内へウレタンフォームの原料であるポリオールを充填する。バルブ装置内の空気が抜けたところで流出路22の側の閉止用バルブを閉じ、さらに流入路21の側の閉止用バルブを閉じる。バルブ装置内の充填圧力は9~10MPaに調整し、内部流路23を遮断する状態とする。すなわち、ダイヤフラム式バルブ装置40の場合は、ダイヤフラム43を閉じた状態(図11(a)参照)とし、ベローズシールバルブ装置50、及び本発明のバルブ装置1の場合は、ステムチップ55(5)が内部流路23を閉じた状態(図12(a)参照)とする。
【0095】
次に、各バルブ装置において内部流路23の開閉動作を連続して行う。開閉時間は、開いた状態と閉じた状態とがそれぞれ1秒ずつである。1分間あたり、30回の開閉を繰り返す。開いた状態は、ダイヤフラム式バルブ装置40の場合、図11(b)に示すようにダイヤフラム43がプランジャー44からの押圧が解除されて上側に変形し、内部流路23を開いた状態となる。ベローズシールバルブ装置50の場合は、図12(b)に示すように、バルブ装置1と同様にステム54が上側に移動してステムチップ55が開いた状態である。
【0096】
バルブ装置内の流体20の漏れ、及び各ダイヤフラム43、ベローズ53、パッキン7の破損を監視するため以下を指標とした。第一の指標は、バルブ装置内の圧力を監視し、9MPa以下になったときに異常が発生したと判断した。第二の指標は、流入路21の側の圧力と、流出路22の側の圧力を測定し、圧力差が1MPa以下であるか否かによって異常を判断した。第三の指標は、バルブ装置内の流路における液体(ポリオール)の温度を監視した。
【0097】
テスト結果は以下であった。第一の装置であるダイヤフラム式バルブ装置40は、内部流路23への開閉動作を650,000サイクル行った時点でダイヤフラム43が破損し、液体漏れが発生した。第二の装置であるベローズシールバルブ装置50では、内部流路23への開閉動作を39,000~84,000サイクル行った時点でベローズ53が破損し、液体漏れが発生した。これに対して、本発明のバルブ装置1は、内部流路23への開閉動作を1,300,000サイクル行った時点でも異常は検出されなかった。
【0098】
以上より、本発明のバルブ装置1は、従来のダイヤフラム式バルブ装置40、及びベローズシールバルブ装置50と比較したときに耐久性能が高い結果となった。従って、本発明のバルブ装置1は、従来の装置と比較して、信頼性が高い装置であるといえる。
【0099】
なお、ダイヤフラム式バルブ装置40は、ダイヤフラム43が破損することによって以下の問題が生じた。ダイヤフラム43が破損した状態で継続して使用したため、ダイヤフラム43の破片がバルブ装置の内部に当たって欠損が生じ、表面が荒れるという問題が生じた。この場合、従来のダイヤフラム式バルブ装置40は、ダイヤフラム43を交換するのみではなく、バルブ装置の内部部品を修理するか或いは交換する必要が生じる。
【0100】
これに対して、本発明のバルブ装置1は、この問題をも解決するものである。パッキン7は、第一ステムガイド8と第二ステムガイド11との間に挟まれて装着されるので、仮にパッキン7が破損したとしても、バルブ装置1の内部に破片が散らばることが防止され、内部に当たって欠損が生じたり、或いは表面が荒れることを防止できる。
【符号の説明】
【0101】
1 バルブ装置
2 バルブボディー
2a 底面
2b 内周部
3 ステムユニット
4 ステム
5 ステムチップ
6 ステムホルダー
6a 端部
7 パッキン
7a 内周側部材
7b 外周側部材
7d 先端部
8 第一ステムガイド
8a 下端部
8b 下側面
8c 第一ステムガイド凸部
9 固定手段
11 第二ステムガイド
12 パッキン装着部
12a パッキン棚部
12b パッキン装着部内周部
13 傾斜案内面
16 鍔部
16a 下側面
16b 上側面
17 ガスケット
18 ステムホルダー棚部
20 流体
21 流入路
22 流出路
23 内部流路
24 ステム
24b 先端部
26 ステムホルダー
31 エアシリンダー
32 バルブホルダー
36 ステムホルダー
42 バルブボディー
D1 ステム外径
D2 パッキン装着部内径
D3 パッキン内径
D4 パッキン外径
L2 最大可動量
L3 距離
W1 パッキン幅
W2 上下間隔

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12