(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002836
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】貨幣出金装置、貨幣入金装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
G07D 11/26 20190101AFI20241226BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241226BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G07D11/26
G07G1/00 331A
G07G1/01 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103203
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【弁理士】
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】金川 正幸
【テーマコード(参考)】
3E141
3E142
【Fターム(参考)】
3E141BA12
3E141DA06
3E141FJ05
3E141FJ08
3E141FJ09
3E142DA09
3E142GA24
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】エラー解除中に自動貨幣処理機の処理状況を表示可能とすることができる、新たな貨幣出金装置、貨幣入金装置およびシステムを提供する。
【解決手段】貨幣出金装置(貨幣釣銭機1)は、貨幣の出金処理を行う貨幣出金装置1であって、出金処理、および前記出金処理のエラー解除処理を行う制御部(紙幣釣銭機制御部50、硬貨釣銭機制御部130)と、表示部(操作表示部112)と、を備え、前記制御部は、前記エラー解除処理中に、エラー発生時の貨幣出金装置1からの金種毎の出金済み枚数を前記表示部に表示させるよう前記表示部の制御を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣の出金処理を行う貨幣出金装置であって、
出金処理、および前記出金処理のエラー解除処理を行う制御部と、
表示部と、
を備え、
前記制御部は、前記エラー解除処理中に、エラー発生時の貨幣出金装置からの金種毎の出金済み枚数を前記表示部に表示させるよう前記表示部の制御を行う、
ことを特徴とする貨幣出金装置。
【請求項2】
前記貨幣出金装置は前記貨幣の出金口、搬送路および前記貨幣の収納庫をさらに備え、 前記出金済み枚数は、前記出金口に搬送された貨幣枚数、または前記収納庫から搬出された貨幣枚数である、
請求項1に記載の貨幣出金装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記出金済み枚数を確定できない金種がある場合、確定できない金種の前記出金済み枚数と確定できた金種の前記出金済み枚数の表示態様を異ならせるよう前記表示部を制御する、
請求項1または2に記載の貨幣出金装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記出金済み枚数を確定できない金種がある場合、全金種の前記出金済み枚数を前記表示部に表示させないよう前記表示部を制御する、
請求項1または2に記載の貨幣出金装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記出金済み枚数を前記表示部に表示させる際、取引の種類を前記表示部に併せて表示させるよう前記表示部を制御する、請求項1または2に記載の貨幣出金装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記出金済み枚数に関する情報を外部装置に送信する、請求項1または2に記載の貨幣出金装置。
【請求項7】
貨幣の入金処理を行う貨幣入金装置であって、
入金処理、および前記入金処理のエラー解除処理を行う制御部と、
表示部と、
を備え、
前記制御部は、前記エラー解除処理中に、エラー発生時の貨幣入金装置への金種毎の入金済み枚数を前記表示部に表示させるよう前記表示部の制御を行う、
ことを特徴とする貨幣入金装置。
【請求項8】
前記貨幣入金装置は前記貨幣の入金口、搬送路および前記貨幣の収納庫をさらに備え、 前記入金済み枚数は、前記入金口から搬送された貨幣枚数、または前記収納庫に搬入された貨幣枚数である、
請求項7に記載の貨幣入金装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記入金済み枚数を確定できない金種がある場合、確定できない金種の前記入金済み枚数と確定できた金種の前記入金済み枚数の表示態様を異ならせるよう前記表示部を制御する、
請求項7または8に記載の貨幣入金装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記入金済み枚数を確定できない金種がある場合、全金種の前記入金済み枚数を前記表示部に表示させないよう前記表示部を制御する、
請求項7または8に記載の貨幣入金装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記入金済み枚数を前記表示部に表示させる際、取引の種類を前記表示部に併せて表示させるよう前記表示部を制御する、請求項7または8に記載の貨幣入金装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記入金済み枚数に関する情報を外部装置に送信する、請求項7または8に記載の貨幣入金装置。
【請求項13】
貨幣処理機と表示部を備えたシステムであって、
前記表示部は、前記貨幣処理機における貨幣の入金処理のエラー解除処理中に、エラー発生時の前記貨幣処理機における金種毎の入金済み枚数を表示し、
前記表示部はさらに、前記貨幣処理機における貨幣の出金処理のエラー解除処理中に、エラー発生時の前記貨幣処理機における金種毎の出金済み枚数を表示する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記システムはセルフ式の精算システムであり、
前記貨幣処理機は釣銭機である
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、貨幣出金装置、貨幣入金装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金銭処理装置内部において、紙幣ジャムなどのエラー状態が発生した場合に、エラー状態に対応するエラーコードがPOS端末の表示画面に表示され、レジ担当者に報知される技術が知られている。例えば、特許文献1には、自動釣銭機におけるエラーとして検銭部の詰まりがセンサによって検出された場合に、エラーに対応するエラーコードをPOS端末に出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来より、ユーザ自身で精算処理を行うセルフ型の釣銭機では、ユーザの入出金処理中にエラーが発生した場合、スタッフは処理済の貨幣の数量を把握できなかった。また、スタッフが処理済の貨幣の数量をユーザに問い合わせ、ユーザからの回答の正確性を確認することも困難であった。
【0005】
本開示は、このような点を考慮してなされたものであり、エラー解除中に自動貨幣処理機の処理状況を表示可能とすることができる、新たな貨幣出金装置、貨幣入金装置およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の貨幣出金装置は、貨幣の出金処理を行う貨幣出金装置であって、出金処理、および前記出金処理のエラー解除処理を行う制御部と、表示部と、を備え、前記制御部は、前記エラー解除処理中に、エラー発生時の貨幣出金装置からの金種毎の出金済み枚数を前記表示部に表示させるよう前記表示部の制御を行うようになっている。
【0007】
本開示の貨幣出金装置は、前記貨幣の出金口、搬送路および前記貨幣の収納庫をさらに備え、前記出金済み枚数は、前記出金口に搬送された貨幣枚数、または前記収納庫から搬出された貨幣枚数であってもよい。
【0008】
本開示の貨幣出金装置においては、前記制御部は、前記出金済み枚数を確定できない金種がある場合、確定できない金種の前記出金済み枚数と確定できた金種の前記出金済み枚数の表示態様を異ならせるよう前記表示部を制御するようになっていてもよい。
【0009】
本開示の貨幣出金装置においては、前記制御部は、前記出金済み枚数を確定できない金種がある場合、全金種の前記出金済み枚数を前記表示部に表示させないよう前記表示部を制御するようになっていてもよい。
【0010】
本開示の貨幣出金装置においては、前記制御部は、前記出金済み枚数を前記表示部に表示させる際、取引の種類を前記表示部に併せて表示させるよう前記表示部を制御するようになっていてもよい。
【0011】
本開示の貨幣出金装置においては、前記制御部は、前記出金済み枚数に関する情報を外部装置に送信するようになっていてもよい。
【0012】
本開示の貨幣入金装置は、貨幣の入金処理を行う貨幣入金装置であって、入金処理、および前記入金処理のエラー解除処理を行う制御部と、表示部と、を備え、前記制御部は、前記エラー解除処理中に、エラー発生時の貨幣入金装置への金種毎の入金済み枚数を前記表示部に表示させるよう前記表示部の制御を行うようになっている。
【0013】
本開示の貨幣入金装置においては、前記貨幣の入金口、搬送路および前記貨幣の収納庫をさらに備え、前記入金済み枚数は、前記入金口から搬送された貨幣枚数、または前記収納庫に搬入された貨幣枚数であってもよい。
【0014】
本開示の貨幣入金装置においては、前記制御部は、前記入金済み枚数を確定できない金種がある場合、確定できない金種の前記入金済み枚数と確定できた金種の前記入金済み枚数の表示態様を異ならせるよう前記表示部を制御するようになっていてもよい。
【0015】
本開示の貨幣入金装置においては、前記制御部は、前記入金済み枚数を確定できない金種がある場合、全金種の前記入金済み枚数を前記表示部に表示させないよう前記表示部を制御するようになっていてもよい。
【0016】
本開示の貨幣入金装置においては、前記制御部は、前記入金済み枚数を前記表示部に表示させる際、取引の種類を前記表示部に併せて表示させるよう前記表示部を制御するようになっていてもよい。
【0017】
本開示の貨幣入金装置においては、前記制御部は、前記入金済み枚数に関する情報を外部装置に送信するようになっていてもよい。
【0018】
本開示のシステムは、貨幣処理機と表示部を備えたシステムであって、前記表示部は、前記貨幣処理機における貨幣の入金処理のエラー解除処理中に、エラー発生時の前記貨幣処理機における金種毎の入金済み枚数を表示し、前記表示部はさらに、前記貨幣処理機における貨幣の出金処理のエラー解除処理中に、エラー発生時の前記貨幣処理機における金種毎の出金済み枚数を表示する。
【0019】
本開示のシステムにおいては、前記システムはセルフ式の精算システムであり、前記貨幣処理機は釣銭機であってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本開示の貨幣出金装置、貨幣入金装置およびシステムによれば、エラー解除中に自動貨幣処理機の処理状況を表示可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態による貨幣釣銭機およびPOSレジスタにより形成されるシステムの外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す貨幣釣銭機における紙幣釣銭機の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示す紙幣釣銭機の内部の構成の概略を示す概略構成図である。
【
図4】入金エラー情報に基づいて次操作指示を含む情報が表示された表示画面である。
【
図5】
図4に示す表示画面の遷移後の表示画面である。
【
図6】
図1に示す貨幣釣銭機における硬貨釣銭機の内部の構成の概略を示す概略構成図である。
【
図7】
図1等に示す貨幣釣銭機の制御系の構成を示す機能ブロック図である。
【
図10】硬貨の入金エラー時の処理フロー図である。
【
図11】硬貨の出金エラー時の処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
図1乃至
図11は、本実施の形態に係るシステムおよび処理フローを示す図である。このうち、
図1は、本実施の形態によるシステムの貨幣釣銭機およびPOSレジスタの外観を示す斜視図である。また、
図2および
図3は、
図1に示す貨幣釣銭機における紙幣釣銭機を示す図である。
図4は、入金エラー情報に基づいて次操作指示を含む情報が表示された表示画面であり、
図5は、
図4に示す表示画面の遷移後の表示画面である。また、
図6は、
図1に示す貨幣釣銭機における硬貨釣銭機を示す図である。また、
図7は、
図1等に示す貨幣釣銭機の制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、
図8および
図9は、紙幣の入出金エラー時の処理フロー図である。また、
図10および
図11は、硬貨の入出金エラー時の処理フロー図である。
【0023】
まず、本実施の形態によるシステム400について
図1を用いて説明する。
図1に示すように、本実施の形態によるシステム400は、貨幣釣銭機(貨幣出金装置および貨幣入金装置、貨幣処理機に含まれる)1および外部装置(販売時点情報管理装置、店舗の管理装置、券売機の表示画面やキオスクの表示画面等を含む注文端末、スマートフォン等の別個の表示端末を含み得る)を備える。貨幣釣銭機1は、上下に並べて配置された硬貨釣銭機100および棒金収納装置180と、これらの硬貨釣銭機100や棒金収納装置180の隣に並べて配置された紙幣釣銭機10とを備えている。紙幣釣銭機10および硬貨釣銭機100は、それぞれ紙幣および硬貨の入出金処理を行うようになっている。また、棒金収納装置180は、各金種の棒金硬貨(同一金種の硬貨を一定枚数だけ棒状にまとめてフィルムや包装紙等の包装媒体により包装したもの)や貨幣以外の物品(例えば、売上伝票やレシート等)を取り出し可能に収納するようになっている。また、販売時点情報管理装置(POSレジスタ300)を含み得る外部装置は、紙幣釣銭機10、硬貨釣銭機100および棒金収納装置180の管理を行う管理装置として用いられるようになっている。
【0024】
次に、紙幣釣銭機10の構成の詳細について説明する。
図2に示すように、本実施の形態による紙幣釣銭機10は、その前面に開口が設けられた略直方体形状のケーシング12と、ケーシング12の内部から手前側に引き出し可能となっている本体部14とを備えている。具体的には、本体部14の下部には左右一対の引き出しレール16が設けられており、各引き出しレール16に沿って本体部14をケーシング12の内部から手前側に引き出すことができるようになっている。なお、
図2では本体部14がケーシング12の内部から引き出されたときの状態が示されているが、紙幣釣銭機10が実際に使用される際には本体部14はケーシング12の内部に収容された状態で紙幣の入出金処理等の様々な処理が行われるようになっている。
【0025】
図3に示すように、本体部14には紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部30が設けられている。搬送部30は本体部14の中央位置に配置された周回搬送部30aおよび複数の接続搬送部30bから構成されている。また、紙幣受入部20、紙幣払出部22、出金リジェクト部24、紙幣収納カセット26および3つの紙幣収納部34、36、38が、それぞれ、周回搬送部30aを外側から取り囲むように配置されている。また、
図3に示すように、複数の接続搬送部30bの各々により、紙幣受入部20、紙幣払出部22、出金リジェクト部24、紙幣収納カセット26および各紙幣収納部(収納庫)34、36、38と、周回搬送部30aとの間をそれぞれ接続するようになっている。また、周回搬送部30aには識別部32が設けられており、この識別部32は、周回搬送部30aにより搬送される紙幣の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行うようになっている。
【0026】
周回搬送部30aは、
図3における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に紙幣を1枚ずつ搬送することができるようになっている。また、搬送部30において、周回搬送部30aと各接続搬送部30bとの間で紙幣の搬送経路を切り換える経路切換部(図示せず)が、周回搬送部30aに沿って配置されている。
【0027】
図2および
図3に示すように、本体部14の前面には、紙幣受入部20の紙幣受入口(入金口)20aと、紙幣払出部22の紙幣払出口(出金口)22aと、がそれぞれ設けられている。また、紙幣収納カセット26は本体部14に対して着脱可能に設置されている。
【0028】
紙幣受入部20には繰出機構21が設けられており、紙幣受入口20aに1枚あるいは複数枚の紙幣が投入されたことが検知されると繰出機構21が駆動されることにより紙幣が接続搬送部30bを介して周回搬送部30a側へ1枚ずつ繰り出されるようになっている。
【0029】
紙幣払出部22は、各紙幣収納部34、36、38から周回搬送部30aに繰り出された紙幣を紙幣払出口22aにより本体部14の外部へ放出するようになっている。より詳細には、紙幣払出部22は、各紙幣収納部34、36、38から周回搬送部30aに繰り出された紙幣が集積されるステージ22bと、ステージ22bを支持するアーム部材22dと、ステージ22b上の紙幣を繰り出す繰出ベルト22cとを有している。また、紙幣釣銭機10には、アーム部材22dおよび繰出ベルト22cを駆動する駆動部23が設けられている。アーム部材22dは、ステージ22bを昇降させるよう移動可能となっており、アーム部材22dが移動することによりステージ22bは繰出ベルト22cに向かって進退可能となっている。そして、ステージ22bが繰出ベルト22cに向かって接近し、ステージ22b上に集積された紙幣がステージ22bと繰出ベルト22cとの間に挟まれている状態で駆動部23により繰出ベルト22cが駆動されることにより、ステージ22b上に集積された紙幣が一括して繰り出されて紙幣払出口22aから本体部14の外部に紙幣が束状態で放出される。本実施の形態では、このようなステージ22b、繰出ベルト22cおよびアーム部材22dにより、紙幣を排出する排出機構22eが構成されている。
【0030】
本実施の形態では、紙幣払出部22の排出機構22eは紙幣をその長手方向に沿って払い出すようになっている。なお、本実施の形態はこのような態様に限定されることはなく、他の例として紙幣払出部22の排出機構22eは紙幣をその短手方向に沿って払い出すようになっていてもよい。
【0031】
出金リジェクト部24は、出金処理時において各紙幣収納部34、36、38から繰り出された紙幣のうち、重送や斜行等の搬送異常により識別部32で識別することができない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納するようになっている。また、本実施の形態の紙幣釣銭機10では、入金処理時において紙幣受入部20から紙幣釣銭機10の筐体内に取り込まれた紙幣のうち、汚損等により識別部32で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部22から本体部14の外部に返却されるようになっている。ここで、入金処理における貨幣は、いわゆる預かり金として扱われる。また、出金処理における貨幣は、いわゆる釣銭として扱われる。
【0032】
また、識別部32は、出金処理時において各紙幣収納部34、36、38から繰り出された紙幣をダブルカウント、機内における紙幣の詰まり、その他の原因に起因して明確に判別できなかった(出金エラー)場合、通常の出金処理を停止させるための停止信号を出金エラー情報とともに紙幣釣銭機制御部50に送る。ここで、出金エラー情報とは、エラーコード、貨幣異常の発生(紙幣異常あり)、取引の種類(入金、出金)、紙幣の所在(機内、機外)、紙幣払出口22aに搬送された紙幣の枚数、または紙幣収納部34、36、38から搬出された紙幣の枚数を表す出金済み枚数(出金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の出金済み枚数、および確定できた金種の出金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報をいう。また、紙幣釣銭機制御部50は、識別部32から送られた停止信号に基づいて出金処理を停止させる。また、紙幣釣銭機制御部50は、出金エラー情報に基づいて表示部303や操作表示部112に少なくともエラーコード、貨幣異常の発生(紙幣異常あり)、取引の種類(入金、出金)、紙幣の所在(機内、機外)、紙幣払出口22aに搬送された紙幣の枚数、または紙幣収納部34、36、38から搬出された紙幣の枚数を表す出金済み枚数(出金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の出金済み枚数、および確定できた金種の出金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報を表示させる。
【0033】
また、識別部32は、入金処理時において、紙幣受入部20から紙幣釣銭機10の筐体内に取り込まれた紙幣をダブルカウント、機内における紙幣の詰まり、その他の原因に起因して明確に判別できなかった(入金エラー)場合、通常の入金処理を停止させるための停止信号を入金エラー情報とともに紙幣釣銭機制御部50に送る。ここで、入金エラー情報とは、エラーコード、貨幣異常の発生(紙幣異常あり)、取引の種類(入金、出金)、紙幣の所在(機内、機外)、紙幣受入口20aから搬送された紙幣の枚数、または紙幣収納部34、36、38に搬入された紙幣の枚数を表す入金済み枚数(入金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の入金済み枚数、および確定できた金種の入金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報をいう。また、紙幣釣銭機制御部50は、識別部32から送られた停止信号に基づいて入金処理を停止させる。
【0034】
本体部14の前面下部にはカセット収容部が設けられており、このカセット収容部に紙幣収納カセット26が着脱可能に収容されるようになっている。紙幣収納カセット26は本体部14の前面から手前側に引き出すことにより当該本体部14の外部に取り出すことができるようになっている。紙幣収納カセット26を着脱する際に、本体部14をケーシング12から引き出す必要がないためセキュリティ性が高くなる。
【0035】
各紙幣収納部34、36、38は、識別部32の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納するようになっている。具体的には、例えば紙幣収納部34には千円札が収納され、紙幣収納部36には二千円札および五千円札が混合状態で収納され、紙幣収納部38には一万円札が収納されるようになっている。また、各紙幣収納部34、36、38にはそれぞれ繰出機構35、37、39が設けられており、これらの紙幣収納部34、36、38に収納されている紙幣は各繰出機構35、37、39により接続搬送部30bを介して周回搬送部30a側へ1枚ずつ繰り出されるようになっている。
【0036】
本実施の形態では、紙幣釣銭機10から紙幣を回収するための紙幣回収具(図示せず)が当該紙幣釣銭機10に着脱可能に装着されるようになっている。また、紙幣釣銭機10は、紙幣回収具が当該紙幣釣銭機10に装着されたことを検知するための検知部28を備えている。
【0037】
次に、硬貨釣銭機100の構成について
図1および
図6を用いて簡単に説明する。
図1に示すように、硬貨釣銭機100は、前部上面にタッチパネル等の操作表示部112が設けられた筐体110を備えている。筐体110の前部には硬貨受入部(入金口)114および硬貨払出部(出金口)116が設けられている。
【0038】
硬貨受入部114は、硬貨投入口を介して受け入れた硬貨を繰出ベルトにより、1層1列状態で1枚ずつ筐体110内に取り込むようになっている。また、
図1に示すように、硬貨受入部114の硬貨投入口には当該硬貨投入口の開閉を行うシャッタ118が設けられており、シャッタ118が開かれたときに硬貨受入部114に硬貨を投入することができるようになっている。また、
図6に示すように、硬貨受入部114には、当該硬貨受入部114により筐体110内に取り込まれた硬貨を搬送する入金搬送部(搬送路)103が接続されている。
【0039】
図6に示すように、入金搬送部103の途中には、硬貨の識別を行う硬貨識別部101と、分岐部104とがそれぞれ設けられている。分岐部104は、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部116から払い出されるべき硬貨を入金搬送部103から出金搬送部108へ分岐させるようになっている。
【0040】
一方、正常硬貨等の筐体110内に収納されるべき硬貨は入金搬送部103により硬貨収納部(収納庫)106へ搬送されるようになっている。硬貨収納部106は硬貨を金種別に収納するようになっている。具体的には、例えば日本国で流通している硬貨の6つの金種(500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨および1円硬貨)に対応して6つの硬貨収納部106が設けられており、入金搬送部103の上流側(すなわち、
図6における下側)から低額順に各硬貨収納部106に硬貨が金種毎に収納されるようになっている。また、硬貨収納部106には、当該硬貨収納部106に収納された硬貨を1枚ずつ出金搬送部108に繰り出す繰出機構(図示せず)が設けられている。
【0041】
出金搬送部(搬送路)108は、硬貨収納部106から繰り出された硬貨を硬貨払出部116へ搬送するようになっている。また、出金搬送部108は、分岐部104により入金搬送部103から分岐されたリジェクト硬貨等を硬貨払出部116へ搬送するようになっている。
【0042】
また、硬貨識別部101は、出金処理時において硬貨収納部106から繰り出された金種毎の硬貨をダブルカウント、機内における硬貨の詰まり、その他の原因に起因して明確に判別できなかった(出金エラー)場合、通常の出金処理を停止させるための停止信号を出金エラー情報とともに硬貨釣銭機制御部130に送る。ここで、出金エラー情報とは、エラーコード、貨幣異常の発生(硬貨異常あり)、取引の種類(入金、出金)、硬貨の所在(機内、機外)、硬貨払出部116に搬送された硬貨の枚数、または硬貨収納部106から搬出された硬貨の枚数を表す出金済み枚数(出金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の出金済み枚数、および確定できた金種の出金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報をいう。また、硬貨釣銭機制御部130は、硬貨識別部101から送られた停止信号に基づいて出金処理を停止させる。また、硬貨釣銭機制御部130は、出金エラー情報に基づいて表示部303や操作表示部112に少なくともエラーコード、貨幣異常の発生(硬貨異常あり)、取引の種類(入金、出金)、硬貨の所在(機内、機外)、硬貨払出部116に搬送された硬貨の枚数、または硬貨収納部106から搬出された硬貨の枚数を表す出金済み枚数(出金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の出金済み枚数、および確定できた金種の出金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報を表示させる。
【0043】
また、硬貨識別部101は、入金処理時において、硬貨収納部106に収納される硬貨をダブルカウント、機内における硬貨の詰まり、その他の原因に起因して明確に判別できなかった(入金エラー)場合、通常の入金処理を停止させるための停止信号を入金エラー情報とともに硬貨釣銭機制御部130に送る。ここで、入金エラー情報とは、エラーコード、貨幣異常の発生(硬貨異常あり)、取引の種類(入金、出金)、硬貨の所在(機内、機外)、硬貨受入部114から搬送された硬貨の枚数、または硬貨収納部106に搬送された硬貨の枚数を表す入金済み枚数(入金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の入金済み枚数、および確定できた金種の入金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報をいう。また、硬貨釣銭機制御部130は、硬貨識別部101から送られた停止信号に基づいて入金処理を停止させる。また、硬貨釣銭機制御部130は、入金エラー情報に基づいて表示部303や操作表示部112に少なくともエラーコード、貨幣異常の発生(硬貨異常あり)、取引の種類(入金、出金)、硬貨の所在(機内、機外)、硬貨受入部114から搬送された硬貨の枚数、または硬貨収納部106に搬送された硬貨の枚数を表す入金済み枚数(入金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の入金済み枚数、および確定できた金種の入金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報を表示させる。
【0044】
硬貨払出部116には、出金搬送部108から硬貨払出部116に送られて当該硬貨払出部116に集積された硬貨を検知する硬貨残留検知センサ(図示せず)が設けられている。このような硬貨残留検知センサにより、出金搬送部108から硬貨払出部116に送られた硬貨が当該硬貨払出部116から操作者によって全て抜き取られたときにこのことが検知されるようになる。
【0045】
次に、本実施の形態による貨幣釣銭機1を備えたシステム400の制御系の構成について
図7を用いて説明する。
図7は、
図1等に示す貨幣釣銭機1における紙幣釣銭機10、硬貨釣銭機100およびPOSレジスタ300等の制御系の構成を示す機能ブロック図である。
【0046】
図7に示すように、紙幣釣銭機10、硬貨釣銭機100およびPOSレジスタ300にはそれぞれ紙幣釣銭機制御部50、硬貨釣銭機制御部130およびPOS制御部302がそれぞれ設けられている。また、POSレジスタ300には表示部303が設けられている。ここで、紙幣釣銭機10の紙幣釣銭機制御部50および硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130は互いに通信可能となるよう接続されている。また、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130およびPOSレジスタ300のPOS制御部302は互いに通信可能となるよう接続されている。
【0047】
紙幣釣銭機10において、紙幣釣銭機制御部50には、インターフェース51、紙幣受入部20に設けられた繰出機構21、紙幣払出部22に設けられた排出機構22eを駆動する駆動部23、搬送部30、紙幣回収具が紙幣釣銭機10に装着されたことを検知するための検知部28、識別部32、各紙幣収納部34、36、38に設けられた繰出機構35、37、39、がそれぞれ接続されている。ここで、識別部32による紙幣の識別結果に係る情報や入出金処理時に発生したエラーに係る情報、検知部28による検知結果に係る情報等は紙幣釣銭機制御部50に送られるようになっている。また、紙幣釣銭機制御部50は、繰出機構21、駆動部23、搬送部30、識別部32、各繰出機構35、37、39等にそれぞれ指令を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うようになっている。また、紙幣釣銭機制御部50はインターフェース51により硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130に対して信号の送受信を行うようになっている。
【0048】
硬貨釣銭機100において、硬貨釣銭機制御部130には、インターフェース131、硬貨受入部114、入金搬送部103、硬貨識別部101、分岐部104、硬貨収納部106、出金搬送部108、硬貨払出部116等がそれぞれ通信可能に接続されている。このような硬貨釣銭機制御部130には、硬貨識別部101から硬貨の識別結果に係る情報や入出金処理時に発生したエラーに係る情報が送られるようになっている。また、硬貨釣銭機制御部130から硬貨識別部101、硬貨受入部114、入金搬送部103、分岐部104、硬貨収納部106、出金搬送部108、硬貨払出部116等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。また、硬貨釣銭機制御部130はインターフェース131により紙幣釣銭機10の紙幣釣銭機制御部50やPOSレジスタ300のPOS制御部302に対して信号の送受信を行うようになっている。
【0049】
次に、このような構成からなる紙幣釣銭機10による入出金処理等の様々な処理内容について以下に説明する。なお、以下に示すような紙幣の処理方法は、紙幣釣銭機制御部50が紙幣釣銭機10の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
【0050】
まず、紙幣釣銭機10において入金処理が行われる際の動作について説明する。紙幣釣銭機10の紙幣受入口20aに紙幣が投入されると、紙幣受入部20は、紙幣受入口20aに投入された入金紙幣を一括で取り込んで、接続搬送部30bを介して周回搬送部30aに紙幣を1枚ずつ繰り出す。そして、周回搬送部30aに繰り出された紙幣は当該周回搬送部30aにより搬送され、この際に識別部32により紙幣の識別が行われる。
【0051】
識別部32により識別が行われた紙幣のうち正常な紙幣であると判別された紙幣は、その金種に対応する各紙幣収納部34、36、38に送られ、これらの紙幣収納部34、36、38に収納される。具体的には、紙幣収納部34には千円札が収納され、紙幣収納部36には二千円札および五千円札が混合状態で収納され、紙幣収納部38には一万円札が収納される。一方、識別部32による識別結果により正常な紙幣ではないと判別された紙幣は入金リジェクト紙幣として搬送部30により紙幣払出部22に搬送され、この紙幣払出部22に集積される。そして、紙幣受入口20aに投入された入金紙幣が全て各紙幣収納部34、36、38または紙幣払出部22に送られた後、紙幣払出部22に集積された入金リジェクト紙幣が排出機構22eにより紙幣払出口22aに送られる。このことにより、操作者は、入金リジェクト紙幣を紙幣払出口22aから取り出して紙幣受入部20の紙幣受入口20aに再投入することができるようになる。
【0052】
次に、紙幣釣銭機10において出金処理が行われる際の動作について以下に説明する。出金される紙幣の合計金額あるいは金種別の枚数等を含む出金処理の開始指令が紙幣釣銭機制御部50に入力されると、各紙幣収納部34、36、38に収納されている紙幣が、各紙幣収納部34、36、38に対応する各繰出機構35、37、39により1枚ずつ接続搬送部30bに繰り出され、この接続搬送部30bから周回搬送部30aに紙幣が受け渡される。周回搬送部30aに送られた紙幣は当該周回搬送部30aで
図3における時計回りの方向に少なくとも1周回るよう搬送され、この際に識別部32により紙幣の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別が行われる。識別部32により識別が行われた紙幣のうち正常な紙幣であると判別された紙幣は紙幣払出部22に搬送され、この紙幣払出部22のステージ22b上に集積される。
【0053】
一方、識別部32による識別結果により正常な紙幣ではないと判別された紙幣(例えば、重送や斜行等の搬送異常の紙幣)は出金リジェクト紙幣として搬送部30により出金リジェクト部24に搬送され、この出金リジェクト部24に集積される。出金リジェクト部24に集積された出金リジェクト紙幣は、管理者等の所定の権限を有する者が紙幣釣銭機10のケーシング12から本体部14を手前側に引き出すことにより取り出すことができるようになる。
【0054】
そして、出金されるべき紙幣が各紙幣収納部34、36、38から紙幣払出部22に送られた後、駆動部23が排出機構22eを駆動することにより、紙幣払出口22aから本体部14の外部に紙幣が束状態で放出される。具体的には、ステージ22bが繰出ベルト22cに向かって接近し、ステージ22b上に集積された紙幣がステージ22bと繰出ベルト22cとの間に挟まれている状態で駆動部23により繰出ベルト22cが駆動されることにより、ステージ22b上に集積された紙幣が一括して繰り出されて紙幣払出口22aから本体部14の外部に紙幣が束状態で放出される。このことにより、操作者は、出金紙幣を紙幣払出口22aから取り出すことができるようになる。
【0055】
-入出金エラー発生時の処理-
入出金エラーが発生した場合の処理について、入金時と出金時に分けて説明する。
【0056】
-入金エラー発生時の処理-
図8に示すように、紙幣受入口20aから紙幣釣銭機10に入金された紙幣は、紙幣受入部20によって接続搬送部30bを介して周回搬送部30aに1枚ずつ繰り出される(ステップS10)。
【0057】
周回搬送部30aに繰り出された紙幣は、周回搬送部30aにより搬送され、この際に識別部32により紙幣の識別およびカウントが行われる(ステップS11)。
【0058】
次に、紙幣釣銭機制御部50は、識別部32によりカウントされた繰り出された紙幣について、正確にカウントされたか否か(入金エラーの有無)を判別する(ステップS12)。このとき、紙幣が正確にカウントされた場合には、紙幣釣銭機制御部50は、入金エラーの発生はなかったと判別し、通常の入金処理が継続する。一方、識別部32が繰り出された紙幣の詰まりや折れ、その他の原因に起因してダブルカウント等をすることにより、紙幣が明確にカウントされなかったと紙幣釣銭機制御部50が判定した場合には、紙幣釣銭機制御部50は、入金エラーが発生したと判別する。
【0059】
入金エラーが発生した場合、紙幣釣銭機制御部50は、識別部32から、エラーコード、貨幣異常の発生(紙幣異常あり)、取引の種類(入金、出金)、紙幣の所在(機内、機外)、紙幣受入口20aから搬送された紙幣の枚数、または紙幣収納部34、36、38に搬入された紙幣の枚数を表す入金済み枚数(入金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の入金済み枚数、および確定できた金種の入金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報である入金エラー情報を、入金処理の停止信号と併せて受信する(ステップS13)。
【0060】
紙幣釣銭機制御部50が入金エラー情報および入金処理の停止信号を受信すると、紙幣釣銭機制御部50は、入金処理を停止させるため、入金処理の停止信号に基づいて、紙幣の周回搬送部30aへの1枚ずつ繰り出す作業を停止させ、入金処理を停止させる(ステップS14)。
【0061】
また、紙幣釣銭機制御部50は、入金エラー情報に基づいて、表示部303や操作表示部112に、少なくともエラーコード、貨幣異常の発生(紙幣異常あり)、取引の種類(入金、出金)、紙幣の所在(機内、機外)、紙幣受入口20aから搬送された紙幣の枚数、または紙幣収納部34、36、38に搬入された紙幣の枚数を表す入金済み枚数(入金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の入金済み枚数、および確定できた金種の入金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む入金エラー情報に基づく表示をさせる(ステップS15)。また、
図4に示すように、紙幣釣銭機制御部50は、入金エラー情報に基づいて表示部303や操作表示部112に少なくともエラーコード、貨幣異常の発生(紙幣異常あり)、取引の種類(入金、出金)、紙幣の所在(機内、機外)、紙幣受入口20aから搬送された紙幣の枚数、または紙幣収納部34、36、38に搬入された紙幣の枚数を表す入金済み枚数(入金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の入金済み枚数、および確定できた金種の入金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報を表示させる。
【0062】
硬貨異常がなく、紙幣異常(入金エラー)が発生している場合に表示部303、操作表示部112に表示される画面として、
図4を例示する。
図4で例示するように、例えば、紙幣の入金処理時にエラーが発生した際、まず表示部303や操作表示部112に表示される次操作指示としては、紙幣釣銭機10の筐体のイメージ画像が矢印等と併せて表示され、操作者がどのような操作を行えばよいのかがわかりやすく表示されるようになっている。また、例えば、次操作として操作者が計数枚数という表示をタップすると、表示部303や操作表示部112に表示された画面が遷移し、
図5に示すような画面が表示される。
図5では入金エラー発生時の表示画面を例示している。ここで、表示画面には、入金エラーが発生したとの表示とともに、入金された金種毎の紙幣の枚数、入金処理が確定していない金種が存在する旨および存在する場所、操作者が行うべき作業等が表示される。なお、紙幣の出金エラー発生時、硬貨の入出金エラー発生時においても、本例示される表示をベースとして各エラー発生時に対応した表示がされ、処理フローが進むため、説明を割愛する。
【0063】
このとき、紙幣釣銭機制御部50は、入金済み枚数を確定できない金種の入金済み枚数および入金済み枚数を確定できた金種の入金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させるのみならず、入金済み枚数を確定できない金種の入金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させず、入金済み枚数を確定できた金種の入金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させる制御を行ってもよい。すなわち、確定できない金種の入金済み枚数と確定できた金種の入金済み枚数の表示態様を異ならせるよう表示部303や操作表示部112の制御を行ってもよい。また、入金処理が停止した時において、紙幣釣銭機制御部50は、既に紙幣収納部34、36、38に収納された紙幣を機内(紙幣の所有は紙幣釣銭機10の所有者に帰属)にある紙幣として判定する。一方で、紙幣釣銭機制御部50は、未だ紙幣収納部34、36、38に収納されておらず、搬送路上にある紙幣を機外(紙幣の所有は消費者に帰属)にある紙幣として判定する。
【0064】
例えば、店舗の店員等は、表示部303や操作表示部112の表示に従い、入金エラー発生時に紙幣釣銭機10を操作していた操作者に詳細な事情を問い合わせることなく入金エラー解除作業を行う(ステップS16)。
【0065】
入金エラー解除作業の終了の後、紙幣釣銭機制御部50は通常の入金処理を再開し、入金エラー解除処理は完了する(ステップS17)。
【0066】
-出金エラー発生時の処理-
図9に示すように、紙幣収納部34、36、38から接続搬送部30bに繰り出された紙幣は、周回搬送部30aに受け渡される(ステップS20)。
【0067】
周回搬送部30aに送られた紙幣は、識別部32により紙幣の識別およびカウントが行われる(ステップS21)。
【0068】
次に、紙幣釣銭機制御部50は、識別部32によりカウントされた繰り出された紙幣について、正確にカウントされたか否か(出金エラーの有無)を判別する(ステップS22)。このとき、紙幣が正確にカウントされた場合には、紙幣釣銭機制御部50は、出金エラーの発生はなかったと判別し、通常の出金処理が継続する。一方、識別部32が繰り出された紙幣の詰まりや折れ、その他の原因に起因してダブルカウント等をすることにより、紙幣が明確にカウントされなかったと紙幣釣銭機制御部50が判定した場合には、紙幣釣銭機制御部50は、出金エラーが発生したと判別する。
【0069】
出金エラーが発生した場合、紙幣釣銭機制御部50は、識別部32から、エラーコード、貨幣異常の発生(紙幣異常あり)、取引の種類(入金、出金)、紙幣の所在(機内、機外)、紙幣払出口22aに搬送された紙幣の枚数、または紙幣収納部34、36、38から搬出された紙幣の枚数を表す出金済み枚数(出金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の出金済み枚数、および確定できた金種の出金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報である出金エラー情報を、出金処理の停止信号と併せて受信する(ステップS23)。
【0070】
紙幣釣銭機制御部50が出金エラー情報および出金処理の停止信号を受信すると、紙幣釣銭機制御部50は、出金処理を停止させるため、出金処理の停止信号に基づいて、紙幣の周回搬送部30aへの1枚ずつ繰り出す作業を停止させ、出金処理を停止させる(ステップS24)。
【0071】
また、紙幣釣銭機制御部50は、出金エラー情報に基づいて、表示部303や操作表示部112に、少なくともエラーコード、貨幣異常の発生(紙幣異常あり)、取引の種類(入金、出金)、紙幣の所在(機内、機外)、紙幣払出口22aに搬送された紙幣の枚数、または紙幣収納部34、36、38から搬出された紙幣の枚数を表す出金済み枚数、アラーム停止等の次操作指示を含む出金エラー情報に基づく表示をさせる(ステップS25)。このとき、紙幣釣銭機制御部50は、出金済み枚数を確定できない金種の出金済み枚数および出金済み枚数を確定できた金種の出金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させるのみならず、出金済み枚数を確定できない金種の出金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させず、出金済み枚数を確定できた金種の出金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させるように、表示態様を異ならせるよう制御を行ってもよい。また、出金処理が停止した時において、紙幣釣銭機制御部50は、既に紙幣収納部34、36、38に収納されておらず、搬送路上にある紙幣を機内(紙幣の所有は紙幣釣銭機10の所有者に帰属)にある紙幣として判定する。一方で、紙幣釣銭機制御部50は、紙幣払出口22aから露出した紙幣を機外(紙幣の所有は消費者に帰属)にある紙幣として判定する。
【0072】
例えば、店舗の店員等は、表示部303や操作表示部112の表示に従い、出金エラー発生時に紙幣釣銭機10を操作していた操作者に詳細な事情を問い合わせることなく出金エラー解除作業を行う(ステップS26)。
【0073】
出金エラー解除作業の終了の後、紙幣釣銭機制御部50は通常の出金処理を再開し、出金エラー解除処理は完了する(ステップS27)。
【0074】
次に、硬貨釣銭機100による入出金処理等の様々な処理内容について簡単に説明する。なお、以下に示すような紙幣の処理方法は、硬貨釣銭機制御部130が硬貨釣銭機100の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
【0075】
まず、硬貨釣銭機100において硬貨の入金処理を行う場合の動作について以下に説明する。硬貨釣銭機100の硬貨受入部114に硬貨が受け入れられると、硬貨受入部114は、受け入れた硬貨を繰出ベルトにより1層1列状態で1枚ずつ機体内に取り込み、取り込まれた硬貨は入金搬送部103により搬送される。そして、入金搬送部103により搬送される硬貨は硬貨識別部101により硬貨の識別が行われる。硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部116から払い出されるべき硬貨であると識別された硬貨は、分岐部104により出金搬送部108へ案内(搬送)され、出金搬送部108により硬貨払出部116に搬送される。一方、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、正常硬貨等の機体内に収納されるべき硬貨であると識別された硬貨は、入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送され、当該硬貨収納部106に金種別に収納される。
【0076】
次に、硬貨釣銭機100において硬貨の出金処理を行う場合の動作について以下に説明する。硬貨釣銭機100から釣銭としての硬貨を出金する場合には、操作者は操作表示部112により出金されるべき硬貨の金種別の枚数や合計金額等を入力する。あるいは、POSレジスタ300のPOS制御部302から出金指令が硬貨釣銭機制御部130に送られることにより、硬貨釣銭機100から釣銭としての硬貨が出金されるようになる。硬貨釣銭機制御部130に対して出金指令が与えられると、硬貨収納部106に収納されている硬貨が当該硬貨収納部106から繰り出され、繰り出された硬貨は出金搬送部108により硬貨払出部116へ搬送される。このようにして、操作者は、硬貨払出部116から硬貨を取り出すことができるようになる。
【0077】
-入出金エラー発生時の処理-
入出金エラーが発生した場合の処理について、入金時と出金時に分けて説明する。
【0078】
-入金エラー発生時の処理-
図10に示すように、硬貨受入部114から硬貨釣銭機100に入金された硬貨は、入金搬送部103によって、金種毎に硬貨収納部106に搬送される(ステップS30)。
【0079】
入金搬送部103に搬送された硬貨は、硬貨識別部101により硬貨の識別およびカウントが行われる(ステップS31)。
【0080】
次に、硬貨釣銭機制御部130は、硬貨識別部101によりカウントされた繰り出された硬貨について、正確にカウントされたか否か(入金エラーの有無)を判別する(ステップS32)。このとき、硬貨が正確にカウントされた場合には、硬貨釣銭機制御部130は、入金エラーの発生はなかったと判別し、通常の入金処理が継続する。一方、硬貨識別部101が繰り出された硬貨の詰まり、折れ、欠損、その他の原因に起因してダブルカウント等をすることにより、硬貨が明確にカウントされなかったと硬貨釣銭機制御部130が判定した場合には、硬貨釣銭機制御部130は、入金エラーが発生したと判別する。
【0081】
入金エラーが発生した場合、硬貨釣銭機制御部130は、硬貨識別部101から、エラーコード、貨幣異常の発生(硬貨異常あり)、取引の種類(入金、出金)、硬貨の所在(機内、機外)、硬貨受入部114から搬送された硬貨の枚数、または硬貨収納部106に搬出された硬貨の枚数を表す入金済み枚数(入金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の入金済み枚数、および確定できた金種の入金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報である入金エラー情報を、入金処理の停止信号と併せて受信する(ステップS33)。
【0082】
硬貨釣銭機制御部130が入金エラー情報および入金処理の停止信号を受信すると、硬貨釣銭機制御部130は、入金処理を停止させるため、入金処理の停止信号に基づいて、入金搬送部103への硬貨の搬送作業を停止させ、入金処理を停止させる(ステップS34)。
【0083】
また、硬貨釣銭機制御部130は、入金エラー情報に基づいて、表示部303や操作表示部112に、少なくともエラーコード、貨幣異常の発生(硬貨異常あり)、取引の種類(入金、出金)、硬貨の所在(機内、機外)、硬貨受入部114から搬送された硬貨の枚数、または硬貨収納部106に搬送された硬貨の枚数を表す入金済み枚数、アラーム停止等の次操作指示を含む入金エラー情報に基づく表示をさせる(ステップS35)。このとき、硬貨釣銭機制御部130は、入金済み枚数を確定できない金種の入金済み枚数および入金済み枚数を確定できた金種の入金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させるのみならず、入金済み枚数を確定できない金種の入金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させず、入金済み枚数を確定できた金種の入金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させるように、表示態様を異ならせるよう制御を行ってもよい。また、入金処理が停止した時において、硬貨釣銭機制御部130は、既に硬貨収納部106に収納された硬貨を機内(硬貨の所有は硬貨釣銭機100の所有者に帰属)にある硬貨として判定する。一方で、硬貨釣銭機制御部130は、未だ硬貨収納部106に収納されておらず、搬送路上にある硬貨を機外(硬貨の所有は消費者に帰属)にある硬貨として判定する。
【0084】
例えば、店舗の店員等は、表示部303や操作表示部112の表示に従い、入金エラー発生時に硬貨釣銭機100を操作していた操作者に詳細な事情を問い合わせることなく入金エラー解除作業を行う(ステップS36)。
【0085】
入金エラー解除作業の終了の後、硬貨釣銭機制御部130は通常の入金処理を再開し、入金エラー解除処理は完了する(ステップS37)。
【0086】
-出金エラー発生時の処理-
図11に示すように、硬貨収納部106から出金搬送部108に搬出された硬貨は、硬貨払出部116に向けて搬送される(ステップS40)。
【0087】
出金搬送部108に搬出された硬貨は、硬貨識別部101により硬貨の識別およびカウントが行われる(ステップS41)。
【0088】
次に、硬貨釣銭機制御部130は、硬貨識別部101によりカウントされた硬貨について、正確にカウントされたか否か(出金エラーの有無)を判別する(ステップS42)。このとき、硬貨が正確にカウントされた場合には、硬貨釣銭機制御部130は、出金エラーの発生はなかったと判別し、通常の出金処理が継続する。一方、硬貨識別部101が硬貨の詰まり、折れ、欠損、その他の原因に起因してダブルカウント等をすることにより、硬貨が明確にカウントされなかったと硬貨釣銭機制御部130が判定した場合には、硬貨釣銭機制御部130は、出金エラーが発生したと判別する。
【0089】
出金エラーが発生した場合、硬貨釣銭機制御部130は、硬貨識別部101から、エラーコード、貨幣異常の発生(硬貨異常あり)、取引の種類(入金、出金)、硬貨の所在(機内、機外)、硬貨払出部116に搬送された硬貨の枚数、または硬貨収納部106から搬出された硬貨の枚数を表す出金済み枚数(出金済み枚数を確定できない金種がある場合における、確定できない金種の出金済み枚数、および確定できた金種の出金済み枚数を含む。)、アラーム停止等の次操作指示を含む情報である出金エラー情報を、出金処理の停止信号と併せて受信する(ステップS43)。
【0090】
硬貨釣銭機制御部130が出金エラー情報および出金処理の停止信号を受信すると、硬貨釣銭機制御部130は、出金処理を停止させるため、出金処理の停止信号に基づいて、硬貨の出金搬送部108への搬出作業を停止させ、出金処理を停止させる(ステップS44)。
【0091】
また、硬貨釣銭機制御部130は、出金エラー情報に基づいて、表示部303や操作表示部112に、少なくともエラーコード、貨幣異常の発生(硬貨異常あり)、取引の種類(入金、出金)、硬貨の所在(機内、機外)、硬貨払出部116に搬送された硬貨の枚数、または硬貨収納部106から搬出された硬貨の枚数を表す出金済み枚数、アラーム停止等の次操作指示を含む出金エラー情報に基づく表示をさせる(ステップS45)。このとき、硬貨釣銭機制御部130は、出金済み枚数を確定できない金種の出金済み枚数および出金済み枚数を確定できた金種の出金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させるのみならず、出金済み枚数を確定できない金種の出金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させず、出金済み枚数を確定できた金種の出金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させるように、表示態様を異ならせるよう制御を行ってもよい。また、出金処理が停止した時において、硬貨釣銭機制御部130は、既に硬貨収納部106に収納されておらず、搬送路上にある硬貨を機内(硬貨の所有は硬貨釣銭機100の所有者に帰属)にある硬貨として判定する。一方で、硬貨釣銭機制御部130は、硬貨払出部116に搬出された硬貨を機外(硬貨の所有は消費者に帰属)にある硬貨として判定する。
【0092】
例えば、店舗の店員等は、表示部303や操作表示部112の表示に従い、出金エラー発生時に硬貨釣銭機100を操作していた操作者に詳細な事情を問い合わせることなく出金エラー解除作業を行う(ステップS46)。
【0093】
出金エラー解除作業の終了の後、硬貨釣銭機制御部130は通常の出金処理を再開し、出金エラー解除処理は完了する(ステップS47)。
【0094】
以上のような構成からなる本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣出金装置)1によれば、出金処理、および出金処理のエラー解除処理を行う制御部(紙幣釣銭機制御部50、硬貨釣銭機制御部130)と、表示部(操作表示部112)と、を備え、制御部は、エラー解除処理中に、エラー発生時の貨幣出金装置からの金種毎の出金済み枚数を表示部に表示させるよう表示部の制御を行うことができる。より詳細に説明すると、従来技術においては、ユーザ自身で精算処理を行うセルフ型の釣銭機では、ユーザの入出金処理中にエラーが発生した場合、スタッフは処理済の貨幣の数量を把握できなかった。また、スタッフが処理済の貨幣の数量をユーザに問い合わせ、ユーザからの回答の正確性を確認することも困難であった。これに対し、本実施の形態の貨幣出金装置では、貨幣(紙幣、硬貨)の出金エラー解除中に自動釣銭機の処理状況を表示可能とすることにより、出金エラー発生時に、店舗で顧客に問い合わせることなく、お店のお金(機内)か、顧客のお金(機外)かを店員が即座に判断することができる。また、出金エラー発生時の現金の取り扱いが明確になり、現金の過不足が発生しにくく、現金の厳正な管理を実現できる。
【0095】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣出金装置)1においては、上述したように、貨幣の出金口(紙幣払出口22a、硬貨払出部116)、搬送路(周回搬送部30a、接続搬送部30b、出金搬送部108)および貨幣の収納庫(紙幣収納部34、36、38、硬貨収納部106)をさらに備え、出金済み枚数は、出金口に搬送された貨幣枚数、または収納庫から搬出された貨幣枚数であってもよい。この場合、出金エラー時に、貨幣の出金済み枚数とともに、貨幣が出金口、搬送路および収納庫のいずれの箇所にあるのかを表示部に表示させることができる。
【0096】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣出金装置)1においては、上述したように、制御部は、出金済み枚数を確定できない金種がある場合、確定できない金種の出金済み枚数は表示部に表示せず、確定できた金種の出金済み枚数を表示部に表示させるように、表示態様を異ならせるよう表示部を制御するようになっていてもよい。この場合、確定できない金種の出金済み枚数のみを表示部に表示させることにより、出金エラーの処理時に、店員が、確定できない金種の出金済み枚数を把握しやすくすることができる。
【0097】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣出金装置)1においては、上述したように、制御部は、出金済み枚数を確定できない金種がある場合、全金種の出金済み枚数を表示部に表示させないよう表示部を制御するようになっていてもよい。この場合、出金済み枚数を確定できない金種がある場合、一律に全ての金種の出金済み枚数を表示部に表示させないようにすることにより、出金エラーの処理時に、店員が、どの金種が確定し、どの金種が確定できないのか混乱する可能性を少なくすることができる。
【0098】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣出金装置)1においては、上述したように、制御部は、出金済み枚数を表示部に表示させる際、取引の種類(入金、出金)を表示部に併せて表示させるよう表示部を制御するようになっていてもよい。この場合、店員は、取引のどの段階でエラーが発生したのかを容易に把握することができるようになる。
【0099】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣出金装置)1においては、上述したように、本開示の貨幣出金装置においては、制御部は、出金済み枚数に関する情報を、販売時点情報管理装置(POSレジスタ300)を含み得る外部装置に送信するようになっていてもよい。この場合、店員は、販売時点情報管理装置を含み得る外部装置の表示部303からでも出金エラーの情報を把握できるようになる。
【0100】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣入金装置)1は、入金処理、および入金処理のエラー解除処理を行う制御部(紙幣釣銭機制御部50、硬貨釣銭機制御部130)と、表示部(操作表示部112)と、を備え、制御部は、エラー解除処理中に、エラー発生時の貨幣入金装置への金種毎の入金済み枚数を表示部に表示させるよう表示部の制御を行うようになっている。この場合、本実施の形態の貨幣入金装置では、貨幣(紙幣、硬貨)の入金エラー解除中に自動釣銭機の処理状況を表示可能とすることにより、入金エラー発生時に、店舗で顧客に問い合わせることなく、お店のお金(機内)か、顧客のお金(機外)かを店員が即座に判断することができる。また、入金エラー発生時の現金の取り扱いが明確になり、現金の過不足が発生しにくく、現金の厳正な管理を実現できる。
【0101】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣入金装置)1においては、上述したように、貨幣の入金口(紙幣受入口20a、硬貨受入部114)、搬送路(周回搬送部30a、接続搬送部30b、出金搬送部108)および貨幣の収納庫(紙幣収納部34、36、38、硬貨収納部106)をさらに備え、入金済み枚数は、入金口から搬送された貨幣枚数、または収納庫に搬入された貨幣枚数であってもよい。この場合、入金エラー時に、貨幣の入金済み枚数とともに、貨幣が入金口、搬送路および収納庫のいずれの箇所にあるのかを表示部に表示させることができる。
【0102】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣入金装置)1においては、上述したように、制御部は、入金済み枚数を確定できない金種がある場合、確定できない金種の入金済み枚数は表示部に表示せず、確定できた金種の入金済み枚数を表示部に表示させるように、表示態様を異ならせるよう表示部を制御するようになっていてもよい。この場合、確定できない金種の入金済み枚数のみを表示部に表示させることにより、入金エラーの処理時に、店員が、確定できない金種の入金済み枚数を把握しやすくすることができる。
【0103】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣入金装置)1においては、上述したように、制御部は、入金済み枚数を確定できない金種がある場合、全金種の入金済み枚数を表示部に表示させないよう表示部を制御するようになっていてもよい。この場合、入金済み枚数を確定できない金種がある場合、一律に全ての金種の入金済み枚数を表示部に表示させないようにすることにより、入金エラーの処理時に、店員が、どの金種が確定し、どの金種が確定できないのか混乱する可能性を少なくすることができる。
【0104】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣入金装置)1においては、上述したように、制御部は、入金済み枚数を表示部に表示させる際、取引の種類(入金、出金)を表示部に併せて表示させるよう表示部を制御するようになっていてもよい。この場合、店員は、取引のどの段階でエラーが発生したのかを容易に把握することができるようになる。
【0105】
また、本実施の形態の貨幣釣銭機(貨幣入金装置)1においては、上述したように、制御部は、入金済み枚数に関する情報を、販売時点情報管理装置(POSレジスタ300)を含み得る外部装置に送信するようになっていてもよい。この場合、店員は、販売時点情報管理装置を含み得る外部装置の表示部303からでも入金エラーの情報を把握できるようになる。
【0106】
また、本実施の形態のシステム400は、貨幣処理機(貨幣釣銭機1を含む)と表示部(POSレジスタ300、表示部303、操作表示部112を含む)を含む外部装置を備えたシステム400であって、表示部は、貨幣処理装置における貨幣の入金処理のエラー解除処理中に、エラー発生時の貨幣処理機における金種毎の入金済み枚数を表示し、表示部はさらに、貨幣処理機における貨幣の出金処理のエラー解除処理中に、エラー発生時の貨幣処理機における金種毎の出金済み枚数を表示する。この場合、貨幣(紙幣、硬貨)の入出金エラー解除中に貨幣処理機のエラー処理状況を表示可能とすることにより、入出金エラー発生時に、店舗で顧客に問い合わせることなく、お店のお金(機内)か、顧客のお金(機外)かを店員が即座に判断することができる。また、入出金エラー発生時の現金の取り扱いが明確になり、現金の過不足が発生しにくく、現金の厳正な管理を実現できる。
【0107】
また、本実施の形態のシステム400は、上述したように、セルフ式の精算システムであり、貨幣処理機は釣銭機(紙幣釣銭機10および硬貨釣銭機100)であってもよい。この場合、システムの利用者の利便性をより向上させることができ得る。
【0108】
なお、本実施の形態によるシステム400は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0109】
例えば、本実施の形態によるシステム400においては、入出金済み枚数を確定できない金種に関する情報は、色、表示される文字の大きさ、太さ、フォント等を変更して表示部303や操作表示部112に表示できるようにしてもよい。
【0110】
また、入出金済み枚数を確定できない金種と確定できた金種とを表示部303や操作表示部112に表示する場合、それぞれを区別可能に、表示領域を異ならせるように表示してもよい。
【0111】
また、例えば、入出金済み枚数を確定できない金種がある場合、その旨(例えば、「確定できない金種あり!」の文言等)を表す表示を追加で表示部303や操作表示部112に表示するようになっていてもよい。
【0112】
また、入出金済み枚数を確定できない金種がある場合、音による報知態様が異なるようになっていてもよい。例えば、入出金済み枚数を確定できない金種がある場合にのみアラームが鳴るようになっていてもよく、また、入出金済み枚数を確定できない金種がある場合には、異なる音が鳴るようになっていてもよい。
【0113】
また、本開示に係る貨幣出金装置、貨幣入金装置およびシステム400は、貨幣の処理を行うものに限定されない。本開示に係る貨幣出金装置、貨幣入金装置およびシステム400として、商品券や小切手等の貨幣以外の処理を行うものが用いられてもよい。
【0114】
また、本実施の形態では、入出金済み枚数を確定できない金種がある場合、少なくとも入出金済み枚数を確定できた金種の入出金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させる制御が行われる形態を例示して説明したが、これに限定されない。例えば、入出金済み枚数を確定できない金種がある場合、入出金済み枚数を確定できた金種があったとしても、全ての金種の入出金済み枚数を表示部303や操作表示部112に表示させない制御が行われてもよい。
【0115】
また、本実施の形態では、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機10を備えている形態の貨幣釣銭機1を例示して説明したが、これに限定されない。例えば、貨幣釣銭機1は、硬貨釣銭機100のみまたは紙幣釣銭機10のみを備えている形態のものであってもよい。
【0116】
また、貨幣釣銭機1は、本実施の形態における釣銭機だけではなく、様々な貨幣処理機を含んでいてもよい。例えば、貨幣釣銭機1には、セルフレジ等の精算機、券売機、自動券売機、キオスク等を含む釣銭機、出納機、ATM等が含まれてもよい。
【符号の説明】
【0117】
1 貨幣釣銭機
10 紙幣釣銭機
12 ケーシング
14 本体部
16 引き出しレール
20 紙幣受入部
20a 紙幣受入口
21 繰出機構
22 紙幣払出部
22a 紙幣払出口
22b ステージ
22c 繰出ベルト
22d アーム部材
22e 排出機構
23 駆動部
24 出金リジェクト部
26 紙幣収納カセット
28 検知部
30 搬送部
30a 周回搬送部
30b 接続搬送部
32 識別部
34、36、38 紙幣収納部
35、37、39 繰出機構
50 紙幣釣銭機制御部
51 インターフェース
100 硬貨釣銭機
101 硬貨識別部
103 入金搬送部
104 分岐部
106 硬貨収納部
108 出金搬送部
110 筐体
112 操作表示部
114 硬貨受入部
116 硬貨払出部
118 シャッタ
130 硬貨釣銭機制御部
131 インターフェース
180 棒金収納装置
300 POSレジスタ
302 POS制御部
303 表示部
400 システム