(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028459
(43)【公開日】2025-03-03
(54)【発明の名称】支持トレイ
(51)【国際特許分類】
B65D 5/50 20060101AFI20250221BHJP
B65D 5/42 20060101ALI20250221BHJP
B65D 77/26 20060101ALI20250221BHJP
【FI】
B65D5/50 101B
B65D5/42 Z
B65D77/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133283
(22)【出願日】2023-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000106885
【氏名又は名称】シグマ紙業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 好春
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB32
3E060AC07
3E060BA02
3E060BC04
3E060CC12
3E060CC14
3E060CC17
3E060CC18
3E060CC33
3E060CC52
3E060CC54
3E060DA01
3E060DA25
3E060DA30
3E060EA09
3E060EA14
3E067AB81
3E067AC04
3E067BA06A
3E067BB01A
3E067BC02A
3E067BC06A
3E067EB27
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】輸送効率の向上を図るとともに、廃棄時に嵩張るのを抑制しながら、形状を変更する際の作業性を改善することが可能な支持トレイを提供する。
【解決手段】支持トレイ100は、下面部1と、下面部1の上側に積層される上面部2と、下面部1の一方端部と上面部2の一方端部との間に設けられた一方側部3と、下面部1の他方端部と上面部2の他方端部との間に設けられた他方側部4とを備える。支持トレイ100は、上面部2が下面部1に対して一方側にスライドされることにより、一方側部3および他方側部4が倒伏されるとともに、上面部2が下面部1に対して他方側にスライドされることにより、一方側部3および他方側部4が起立されるように構成されている。一方側部3は、起立されているときに、キャップ付きチューブの一方端部を支持可能に構成され、他方側部4は、起立されているときに、キャップ付きチューブの他方端部を支持可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を所定の間隔を隔てた状態で支持可能に構成された支持トレイであって、
下面部と、
前記下面部の上側に積層される上面部と、
前記下面部の一方端部と前記上面部の一方端部との間に設けられた一方側部と、
前記下面部の他方端部と前記上面部の他方端部との間に設けられた他方側部とを備え、
前記上面部が前記下面部に対して一方側にスライドされることにより、前記一方側部および前記他方側部が倒伏されるとともに、前記上面部が前記下面部に対して他方側にスライドされることにより、前記一方側部および前記他方側部が起立されるように構成されており、
前記一方側部は、起立されているときに、前記物品の一方端部を支持可能に構成され、
前記他方側部は、起立されているときに、前記物品の他方端部を支持可能に構成されていることを特徴とする支持トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の支持トレイにおいて、
前記一方側部は、起立された場合に、内側に配置される一方側内側面部と、外側に配置される一方側外側面部とを有しており、前記物品の一方端部が配置される空間が形成されるように構成され、
前記他方側部は、起立された場合に、内側に配置される他方側内側面部と、外側に配置される他方側外側面部とを有しており、前記物品の他方端部が配置される空間が形成されるように構成されていることを特徴とする支持トレイ。
【請求項3】
請求項2に記載の支持トレイにおいて、
前記一方側内側面部は、折り目を介して前記上面部と接続され、
前記一方側外側面部は、折り目を介して前記下面部と接続され、
前記一方側内側面部および前記一方側外側面部は、折り目を介して接続され、
前記一方側部が倒伏状態のときに、前記一方側外側面部が前記下面部と面一になるとともに、前記一方側内側面部が前記上面部と面一になり、前記一方側内側面部が前記一方側外側面部の上側に積層されるように構成され、
前記他方側内側面部は、折り目を介して前記上面部と接続され、
前記他方側外側面部は、折り目を介して前記下面部と接続され、
前記他方側内側面部および前記他方側外側面部は、折り目を介して接続され、
前記他方側部が倒伏状態のときに、前記他方側内側面部および前記他方側外側面部が前記上面部と面一になり、前記他方側内側面部および前記他方側外側面部が前記下面部の上側に積層されるように構成されていることを特徴とする支持トレイ。
【請求項4】
請求項3に記載の支持トレイにおいて、
前記他方側外側面部と前記下面部とを接続するための糊代部を備えることを特徴とする支持トレイ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の支持トレイにおいて、
前記下面部を前記上面部との間で挟持する挟持片を備え、
前記下面部には、長孔が形成され、
前記挟持片は、折り目を介して前記上面部と接続され、前記長孔を介して前記上面部に接着されていることを特徴とする支持トレイ。
【請求項6】
請求項5に記載の支持トレイにおいて、
前記上面部には、前記挟持片と接着される接着部が設けられ、
前記挟持片には、前記上面部と接着される接着部が設けられ、
前記上面部の接着部は、下方に突出するように形成され、
前記挟持片の接着部は、上方に突出するように形成されていることを特徴とする支持トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持トレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アンプルを箱に収容する際に用いられるアンプルホルダが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
アンプルホルダは、複数のアンプルを所定の間隔を隔てた状態で支持可能に構成されている。アンプルホルダは、底面部と、一方側部と、他方側部とを備えている。
【0004】
一方側部は、折り目を介して底面部と接続される保持部と、折り目を介して保持部と接続される傾斜部と、折り目を介して傾斜部と接続される摺動部とを有する。摺動部が折り目で折り返されており、摺動部が保持部および傾斜部の下方に配置されている。
【0005】
そして、摺動部が内側に摺動され、保持部および傾斜部が起立されることにより、アンプルの一方端部が配置される空間が形成されるようになっている。また、摺動部が外側に摺動され、保持部および傾斜部が倒伏されることにより、一方側部を平板状にすることが可能である。なお、他方側部は、一方側部とほぼ同様に構成されている。
【0006】
たとえば、一方側部および他方側部が倒伏されて平板状のアンプルホルダがホルダ製造メーカーからアンプル製造メーカーに輸送され、アンプル製造メーカーにおいて一方側部および他方側部を起立させてアンプルホルダが利用されることにより、アンプル製造メーカーへのアンプルホルダの輸送効率の向上を図ることが可能である。さらに、起立方法と逆の動作を行えば元の扁平状に戻り、嵩張らずに廃棄することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した従来のアンプルホルダ(支持トレイ)では、一方側部と他方側部とをそれぞれ個別に起立させる必要があり、形状を変更する際の作業が煩雑であるという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、輸送効率の向上を図るとともに、廃棄時に嵩張るのを抑制しながら、形状を変更する際の作業性を改善することが可能な支持トレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による支持トレイは、複数の物品を所定の間隔を隔てた状態で支持可能に構成されている。支持トレイは、下面部と、下面部の上側に積層される上面部と、下面部の一方端部と上面部の一方端部との間に設けられた一方側部と、下面部の他方端部と上面部の他方端部との間に設けられた他方側部とを備える。支持トレイは、上面部が下面部に対して一方側にスライドされることにより、一方側部および他方側部が倒伏されるとともに、上面部が下面部に対して他方側にスライドされることにより、一方側部および他方側部が起立されるように構成されている。一方側部は、起立されているときに、物品の一方端部を支持可能に構成され、他方側部は、起立されているときに、物品の他方端部を支持可能に構成されている。
【0011】
このように構成することによって、下面部に対する上面部のスライドにより、一方側部および他方側部が連動されるので、形状を変更する際の作業を簡易にすることができる。
【0012】
上記支持トレイにおいて、一方側部は、起立された場合に、内側に配置される一方側内側面部と、外側に配置される一方側外側面部とを有しており、物品の一方端部が配置される空間が形成されるように構成され、他方側部は、起立された場合に、内側に配置される他方側内側面部と、外側に配置される他方側外側面部とを有しており、物品の他方端部が配置される空間が形成されるように構成されていてもよい。
【0013】
この場合において、一方側内側面部は、折り目を介して上面部と接続され、一方側外側面部は、折り目を介して下面部と接続され、一方側内側面部および一方側外側面部は、折り目を介して接続され、一方側部が倒伏状態のときに、一方側外側面部が下面部と面一になるとともに、一方側内側面部が上面部と面一になり、一方側内側面部が一方側外側面部の上側に積層されるように構成され、他方側内側面部は、折り目を介して上面部と接続され、他方側外側面部は、折り目を介して下面部と接続され、他方側内側面部および他方側外側面部は、折り目を介して接続され、他方側部が倒伏状態のときに、他方側内側面部および他方側外側面部が上面部と面一になり、他方側内側面部および他方側外側面部が下面部の上側に積層されるように構成されていてもよい。
【0014】
この場合において、他方側外側面部と下面部とを接続するための糊代部を備えていてもよい。
【0015】
上記支持トレイにおいて、下面部を上面部との間で挟持する挟持片を備え、下面部には、長孔が形成され、挟持片は、折り目を介して上面部と接続され、長孔を介して上面部に接着されていてもよい。
【0016】
この場合において、上面部には、挟持片と接着される接着部が設けられ、挟持片には、上面部と接着される接着部が設けられ、上面部の接着部は、下方に突出するように形成され、挟持片の接着部は、上方に突出するように形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の支持トレイによれば、輸送効率の向上を図るとともに、廃棄時に嵩張るのを抑制しながら、形状を変更する際の作業性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態による支持トレイの一方側部および他方側部が起立された状態を示した斜視図である。
【
図2】
図1の支持トレイを反対側から見た斜視図である。
【
図5】
図1の支持トレイを下側から見た斜視図である。
【
図6】
図1の支持トレイの使用例を説明するための斜視図である。
【
図7】
図1の支持トレイの一方側部および他方側部が倒伏された状態を示した斜視図である。
【
図10】
図7の支持トレイを下側から見た斜視図である。
【
図11】本実施形態の支持トレイの組立前のシート材を示した平面図である。
【
図12】
図11のシート材の下面部が糊代部に貼り付けられた状態を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0020】
まず、
図6を参照して、本実施形態による支持トレイ100の概要について説明する。
【0021】
図6に示すように、支持トレイ100は、キャップ付きチューブ200を箱150に収容する際に用いられるものである。支持トレイ100は、複数のキャップ付きチューブ200を所定の間隔を隔てた状態で支持可能に構成されている。そして、複数のキャップ付きチューブ200を支持する支持トレイ100が箱150に挿入されることにより、箱150の内部でキャップ付きチューブ200が互いに干渉されないようになっている。なお、キャップ付きチューブ200は、本発明の「物品」の一例である。
【0022】
-支持トレイの組立方法-
次に、
図7~
図15を参照して、本実施形態の支持トレイ100の組立方法について説明する。
【0023】
まず、板紙(たとえば、コートボール)を打ち抜くことにより、
図11に示すようなシート材100aが形成される。シート材100aは、打ち抜く際に形成された長孔11、支持用孔33および43を有する。また、シート材100aには、折り目L1~L7が形成される。さらに、シート材100aには、溝部12、22、32aおよび42aが形成されるとともに、接着部21および51が形成される。
【0024】
なお、シート材100aは、表面が上方(Z1方向)を向くように配置されており、溝部12、22、32a、42a、接着部21および51は、表面が下方(Z2方向)に窪むように形成されている。すなわち、溝部12、22、32a、42a、接着部21および51は、裏面が下方に突出するように形成されている。
【0025】
このシート材100aは、下面部1と、上面部2と、一方側部3と、他方側部4と、挟持片5と、糊代部6とを備えている。下面部1は折り目L3によって区切られ、糊代部6は折り目L6によって区切られ、挟持片5は折り目L7によって区切られている。一方側部3は、折り目L1およびL3によって区切られ、他方側部4は、折り目L4およびL6によって区切られている。上面部2は、折り目L1、L4およびL7によって区切られている。下面部1、上面部2、一方側部3、他方側部4および糊代部6は、平面的に見て矩形状であり、Y方向の長さが同じになるように設定されている。
【0026】
具体的に、上面部2には、接着部21および溝部22が形成されている。上面部2の幅方向の一方端部(X1方向側の端部)には、折り目L1を介して一方側部3が接続されている。一方側部3は、内側面部31および外側面部32を有し、内側面部31および外側面部32が折り目L2を介して接続されている。一方側部3には、支持用孔33および溝部32aが形成されている。
【0027】
一方側部3の上面部2とは反対側(X1方向側)には、折り目L3を介して下面部1が接続されている。一方側部3では、内側面部31が上面部2側に配置され、外側面部32が下面部1側に配置されている。下面部1には、長孔11および溝部12が形成されている。
【0028】
また、上面部2の幅方向の他方端部(X2方向側の端部)には、折り目L4を介して他方側部4が接続されている。他方側部4は、内側面部41および外側面部42を有し、内側面部41および外側面部42が折り目L5を介して接続されている。他方側部4には、支持用孔43および溝部42aが形成されている。
【0029】
他方側部4の上面部2とは反対側(X2方向側)には、折り目L6を介して糊代部6が接続されている。他方側部4では、内側面部41が上面部2側に配置され、外側面部42が糊代部6側に配置されている。
【0030】
また、上面部2の長手方向(Y方向)の両端部には、それぞれ、折り目L7を介して挟持片5が接続されている。すなわち、挟持片5は、上面部2からY方向における外側に張り出すように形成されている。挟持片5には、接着部51が形成されている。
【0031】
そして、シート材100aが折り目L6に沿って折り曲げられることにより、糊代部6が他方側部4の下方に移動され、糊代部6の裏面が他方側部4の裏面に当接される。すなわち、糊代部6が他方側部4の下側に積層される。
【0032】
次に、シート材100aが折り目L2に沿って折り曲げられることにより、下面部1および外側面部32が上面部2などの下方に移動され、下面部1の裏面が上面部2の裏面などに当接されるとともに、外側面部32の裏面が内側面部31の裏面に当接される。すなわち、
図12に示すように、下面部1および外側面部32が上面部2などの下側に積層される。
【0033】
このとき、下面部1のX2方向側の端部(一方側部3側とは反対側の端部)が糊代部6に貼り合わされる。これにより、
図12~
図15に示すようなシート材100bが形成される。糊代部6は、他方側部4と下面部1とを連結するために設けられている。なお、下面部1の裏面(上面)が糊代部6の表面(下面)に貼り合わされている。
【0034】
このシート材100bでは、下面部1と上面部2と一方側部3と他方側部4とによって扁平な筒状体が形成されている。
図14に示すように、上面部2の接着部21は、下面部1の長孔11の内側に配置されている。なお、下面部1の幅方向寸法と外側面部32の幅方向寸法との合計は、他方側部4の幅方向寸法と上面部2の幅方向寸法と内側面部31の幅方向寸法との合計とほぼ同じになるように設定されている。上面部2の幅方向寸法は、下面部1の幅方向寸法よりも小さい。
【0035】
その後、シート材100bが折り目L7に沿って折り曲げられることにより、挟持片5が下面部1の下方に移動され、挟持片5の裏面が下面部1の表面に当接される。すなわち、挟持片5が下面部1の下側に積層される。このとき、挟持片5の接着部51が上面部2の接着部21に貼り合わされる。これにより、
図7~
図10に示すような支持トレイ100が製造される。
【0036】
支持トレイ100では、接着部21および51が長孔11に配置されていることから、上面部2および挟持片5によって下面部1を挟持しながら、上面部2および挟持片5を下面部1に対してスライド移動させることが可能である。なお、挟持片5の接着部51の裏面(上面)が上面部2の接着部21の裏面(下面)に貼り合わされている。
【0037】
-支持トレイの構造-
次に、
図1~
図10を参照して、本実施形態の支持トレイ100の構造について説明する。
【0038】
支持トレイ100は、下面部1と、上面部2と、一方側部3と、他方側部4と、挟持片5と、糊代部6とを備えている。支持トレイ100は、上面部2および挟持片5を下面部1に対してスライドさせることにより、一方側部3および他方側部4を倒伏および起立させることが可能なように構成されている。すなわち、支持トレイ100は、形状を変更可能に構成されている。
【0039】
図10に示すように、下面部1には、長手方向(Y方向)の両端部に長孔11が形成されている。長孔11は、トラック状(角丸長方形状)であり、幅方向(X1およびX2方向)に延びるように形成されている。また、下面部1には、複数の溝部12が形成されている。複数の溝部12は、下面部1の強度を向上させるために設けられている。複数の溝部12は、長手方向に間隔を隔てて配置され、幅方向に延びるように形成されている。なお、下面部1は、表面が下方(Z2方向)を向いている。
【0040】
図7に示すように、上面部2は、下面部1の上側に積層されている。上面部2は、下面部1に対して幅方向(X1およびX2方向)にスライド可能に構成されている。上面部2には、長手方向(Y方向)の両端部に接着部21が形成されている。接着部21は、平面的に見て円形であり、下方(Z2方向)に突出するように形成されている。接着部21は、下面部1の長孔11に配置されている。また、上面部2には、複数の溝部22が形成されている。複数の溝部22は、上面部2の強度を向上させるために設けられている。複数の溝部22は、長手方向に間隔を隔てて配置され、幅方向に延びるように形成されている。なお、上面部2は、表面が上方(Z1方向)を向いている。
【0041】
一方側部3は、下面部1の幅方向の一方端部(X1方向側の端部)と、上面部2の幅方向の一方端部(X1方向側の端部)との間に設けられている。一方側部3は、内側面部31と、外側面部32と、複数の支持用孔33とを有する。なお、内側面部31および外側面部32は、それぞれ、本発明の「一方側内側面部」および「一方側外側面部」の一例である。
【0042】
内側面部31は、折り目L1を介して上面部2と接続されている。
図10に示すように、外側面部32は、折り目L3を介して下面部1と接続されている。外側面部32には、複数の溝部32aが形成されている。複数の溝部32aは、外側面部32の強度を向上させるために設けられている。複数の溝部32aは、長手方向(Y方向)に間隔を隔てて配置され、幅方向(X1およびX2方向)に延びるように形成されている。
図8に示すように、複数の支持用孔33は、長手方向に間隔を隔てて配置されている。各支持用孔33は、少なくとも内側面部31の一部を切り欠いて形成されている。
【0043】
他方側部4は、下面部1の幅方向の他方端部(X2方向側の端部)と、上面部2の幅方向の他方端部(X2方向側の端部)との間に設けられている。他方側部4は、内側面部41と、外側面部42と、複数の支持用孔43とを有する。なお、内側面部41および外側面部42は、それぞれ、本発明の「他方側内側面部」および「他方側外側面部」の一例である。
【0044】
内側面部41は、折り目L4を介して上面部2と接続されている。外側面部42は、折り目L6を介して糊代部6と接続されている。外側面部42には、複数の溝部42aが形成されている。複数の溝部42aは、外側面部42の強度を向上させるために設けられている。複数の溝部42aは、長手方向(Y方向)に間隔を隔てて配置され、幅方向(X1およびX2方向)に延びるように形成されている。複数の支持用孔43は、長手方向に間隔を隔てて配置されている。各支持用孔43は、少なくとも内側面部41の一部を切り欠いて形成されている。
【0045】
図9に示すように、糊代部6には、下面部1のX2方向側の端部が貼り合わされている。糊代部6は、外側面部42と下面部1とを接続するために設けられ、外側面部42と下面部1との間に配置されている。すなわち、外側面部42と下面部1とが折り目L6を介して接続されている。この糊代部6は、上面部2のX2方向側への移動を規制するストッパとしても機能する。
【0046】
図10に示すように、挟持片5は、上面部2の長手方向(Y方向)の両端部にそれぞれ設けられ、下面部1の下方側に折り返されることにより、下面部1を上面部2との間で挟持するように構成されている。挟持片5は、下面部1の長孔11を介して上面部2に接着されている。具体的に、挟持片5には接着部51が形成され、接着部51は接着部21と対応する位置に配置され、接着部51が接着部21に接着されている。接着部51は、平面的に見て円形であり、上方(Z1方向)に突出するように形成されている。なお、挟持片5は、表面が下方(Z2方向)を向いている。
【0047】
ここで、接着部21が下方に突出するように形成されるとともに、接着部51が上方に突出するように形成されていることから、上面部2と挟持片5との間にクリアランス(隙間)が設定されており、そのクリアランスに下面部1が配置されている。なお、長孔11の長さは、上面部2および挟持片5の移動ストロークよりも若干大きくされている。
【0048】
図1~
図5に示すように、下面部1に対して上面部2および挟持片5が幅方向の他方側(X2方向側)に移動された場合には、一方側部3および他方側部4が連動して起立される。すなわち、一方側部3では、折り目L1が内側(X2方向側)に引っ張られることにより、折り目L2が上方に移動されるように折り目L1~L3が屈曲される。また、他方側部4では、折り目L4が外側(X2方向側)に押し出されることにより、折り目L5が上方に移動されるように折り目L4~L6が屈曲される。
【0049】
このため、
図4に示すように、一方側部3は、正面から見た場合に三角形状になり、内側面部31が内側に配置されるとともに、外側面部32が外側に配置される。すなわち、折り目L2が折り目L1およびL3の間に移動され、内側面部31および外側面部32が傾斜面になる。同様に、他方側部4は、正面から見た場合に三角形状になり、内側面部41が内側に配置されるとともに、外側面部42が外側に配置される。すなわち、折り目L5が隆起され、内側面部41および外側面部42が傾斜面になる。
【0050】
図1に示すように、一方側部3は、起立された場合に、キャップ付きチューブ200の一方端部201(
図6参照)が配置される空間Saが形成されるように構成されている。つまり、一方側部3が起立されることにより、支持用孔33によって空間Saが形成され、その空間Saで一方端部201を支持することが可能である。
【0051】
図2に示すように、他方側部4は、起立された場合に、キャップ付きチューブ200の他方端部202(
図6参照)が配置される空間Sbが形成されるように構成されている。つまり、他方側部4が起立されることにより、支持用孔43によって空間Sbが形成され、その空間Sbで他方端部202を支持することが可能である。
【0052】
なお、このとき、上面部2が糊代部6に当接されており、糊代部6により上面部2のX2方向側への移動が制限されている。また、
図4に示すように、挟持片5のX2方向側の端部は、折り目L6よりも内側(X1方向側)に配置されている。
【0053】
また、
図7~
図10に示すように、下面部1に対して上面部2および挟持片5が幅方向の一方側(X1方向側)に移動された場合には、一方側部3および他方側部4が連動して倒伏される。すなわち、一方側部3では、折り目L1が外側(X1方向側)に押し出されることにより、折り目L2が下方に移動されるように折り目L1~L3が屈曲される。また、他方側部4では、折り目L4が内側(X1方向側)に引っ張られることにより、折り目L5が下方に移動されるように折り目L4~L6が屈曲される。このため、一方側部3および他方側部4が倒伏されることにより、支持トレイ100が平板状になる。
【0054】
具体的に、一方側部3では、外側面部32が下面部1と面一になるとともに、内側面部31が上面部2と面一になり、内側面部31が外側面部32の上側に積層される。他方側部4では、内側面部41および外側面部42が上面部2と面一になり、内側面部41および外側面部42が下面部1の上側に積層される。
【0055】
なお、一方側部3および他方側部4が倒伏された状態の支持トレイ100では、挟持片5の位置する領域および糊代部6の位置する領域でシートが三重にされ、その他の領域でシートが二重にされている。
【0056】
-効果-
本実施形態では、上記のように、一方側部3および他方側部4が倒伏された場合に支持トレイ100が平板状になることによって、輸送効率の向上を図るとともに、廃棄時に嵩張るのを抑制することができる。また、下面部1に対する上面部2のスライドにより、一方側部3および他方側部4が連動されることによって、形状を変更する際の作業を簡易にすることができる。その結果、輸送効率の向上を図るとともに、廃棄時に嵩張るのを抑制しながら、形状を変更する際の作業性を改善することができる。
【0057】
また、本実施形態では、接着部21が下方に突出するように形成されるとともに、接着部51が上方に突出するように形成されることによって、下面部1を挟持する上面部2と挟持片5との間にクリアランスが設定されるので、下面部1に対して上面部2および挟持片5を円滑にスライドさせることができる。
【0058】
-他の実施形態-
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0059】
たとえば、上記実施形態では、キャップ付きチューブ200が支持トレイ100によって支持される例を示したが、これに限らず、キャップ付きチューブ以外の物品(たとえば、アンプルやバイアル)が支持トレイによって支持されるようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、強度の向上を図るための溝部12、22、32aおよび42aが幅方向(X1およびX2方向)に延びるように形成される例を示したが、これに限らず、強度の向上を図るための溝部が長手方向(幅方向と直交する方向)に延びるように形成されていてもよい。
【0061】
また、上記実施形態において、支持用孔33および43の形状は、支持される物品に応じて適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、複数の物品を所定の間隔を隔てた状態で支持可能に構成された支持トレイに利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 下面部
2 上面部
3 一方側部
4 他方側部
5 挟持片
6 糊代部
11 長孔
21 接着部
31 内側面部(一方側内側面部)
32 外側面部(一方側外側面部)
41 内側面部(他方側内側面部)
42 外側面部(他方側外側面部)
51 接着部
100 支持トレイ
200 キャップ付きチューブ(物品)
201 一方端部
202 他方端部