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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028467
(43)【公開日】2025-03-03
(54)【発明の名称】電動三輪自転車
(51)【国際特許分類】
   B62K 5/10 20130101AFI20250221BHJP
   B62K 5/05 20130101ALI20250221BHJP
   B62K 5/027 20130101ALI20250221BHJP
   B62J 45/413 20200101ALI20250221BHJP
   B62J 45/412 20200101ALI20250221BHJP
【FI】
B62K5/10
B62K5/05
B62K5/027
B62J45/413
B62J45/412
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133302
(22)【出願日】2023-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】520462713
【氏名又は名称】産業機電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 善光
(72)【発明者】
【氏名】武田 軍三
【テーマコード(参考)】
3D011
【Fターム(参考)】
3D011AA02
3D011AD01
(57)【要約】
【課題】簡単な操作で、押し歩き時の電動モータ制御に変えることができる電動三輪自転車を提供することを課題とする。
【解決手段】ハンドルポストから絶縁部材を挟入させて突設された突起状の導電性ゴムと、ハンドルポストに上下方向に回動自在に一端部を連結された、導電性ゴムとの当接範囲に導電性被膜が被覆された横アームと、ハンドルバーの端部に設けた、前方向及び後方向に回転可能で後方向に回すと出力増となる補助出力調整グリップと、補助出力調整グリップの回転角を検出する回転角検出器と、車速を検出する車速センサとを備え、制御部が、導電性ゴムに電流が流れたことを検知し、車速センサが所定の車速以下であることを検出したときに、回転角検出器の回転角に基づいて電動モータの出力トルクを制御して押し歩き速度を所定速度以下で可変させて出力させる電動三輪自転車により課題解決できた。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータを備えた前二輪の電動三輪自転車であって、
ハンドルポストに固定された横設部材の左右方向先端部近傍の下面に絶縁部材を挟入させて突設された突起状の導電性ゴムと、
前記ハンドルポストの前記横設部材より下方に上下方向に回動自在に一端部を連結され、前二輪の左前車輪又は右前車輪と連結した縦アームに上下方向に回動自在に他端部を連結された、前記導電性ゴムとの当接範囲に導電性被膜が被覆された横アームと、
左側のハンドルバーの端部に設けた、前方向及び後方向に回転可能で後方向に回すと出力増となる補助出力調整グリップと、
前記補助出力調整グリップの回転角を検出する回転角検出器と、
車速を検出する車速センサと、
少なくとも前記導電性ゴム、前記回転角検出器、前記車速センサ及び前記電動モータと接続された制御部と、を備え、
前記制御部が、前記導電性ゴムに電流が流れていることを検知し、前記車速センサが所定の車速以下であることを検出している状態で、前記回転角検出器の回転角に応じて、押し歩き速度を前記回転角小時の低速から前記回転角最大時の所定限度速度にまで可変させるように前記電動モータの出力トルクを制御することを特徴とする電動三輪自転車。
【請求項2】
前記制御部が、前記導電性ゴムに電流が流れたことを最初に検知した後は、一定時間間隔で所定回数連続してオフ検知をしない限り、前記導電性ゴムに電流が流れている状態を制御的に維持させることを特徴とする請求項1に記載の電動三輪自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行時のペダルを踏む力を軽減でき、押し歩き時の押す力を軽減できる前二輪の電動三輪自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動モータを備える電動自転車であって、ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に、前記電動モータによる第1補助駆動力を付加して走行する第1モードと、車体に、前記電動モータによる第2補助駆動力を付加して押し歩く、又は前記第2補助駆動力を付加して自走させる第2モードとを切り替えて実行する制御部と、前記電動自転車を操作する人を検知する人検知センサとを備え、前記制御部は、前記第2モードが実行中の場合に、前記人検知センサによって検知された人と前記電動自転車との位置関係に基づいて、前記第2補助駆動力を調整する電動自転車が開示されている。
【0003】
特許文献2には、電動モータを備える電動自転車であって、ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に、前記電動モータによる第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、前記電動モータによる第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は前記第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部と、 前記第二モードを実行するための操作を受け付ける操作部と、ユーザが着座するサドルであって、当該サドルの座面が正規の位置にある正規姿勢と、前記サドルの座面が正規の位置から離れた非正規姿勢とで切替可能なサドルと、を備え、前記制御部は、前記操作部が前記操作を受け付けると前記第二モードを実行し、前記操作部は、前記サドルが前記正規姿勢である場合には隠れており、前記サドルが前記非正規姿勢である場合には露出する箇所に配置されている電動自転車が開示されている。
【0004】
特許文献3には、左右両端部が略後方に延びるように形成されたハンドルバーと、このハンドルバーの左右両端部の軸方向に沿ってスライド可能に設けられたスライドグリップと、上記各スライドグリップの軸方向前方への押圧力を検出する押圧力検出手段と、上記押圧力検出手段から入力されるスライドグリップの押圧力に基づいて人力による車体の押し歩き駆動力を算出し、この押し歩き駆動力の大きさに対応した押し歩き補助力を電動モーターに出力させる押し歩きモーター制御を実行するようにプログラムされたコントローラーとを備えて構成したことを特徴とする電動補助自転車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-123474号公報
【特許文献2】特開2020-82978号公報
【特許文献3】特開平11-59557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1~3の発明は、前二輪の三輪電動自転車を通常走行モードから押し歩きモードにするには、手動スイッチとサドルを上下方向に傾けたか否かを検出するセンサーとがONしたときに切り替えたり、手動スイッチとサドルと人の頭の前後方向の位置関係をセンサーとがONしたときに切り替えたり、ペダル踏力センサ、左右グリップ押圧力センサ、車速センサ及びサドルスイッチとがONしたときに切り替えたりするシステムであるので、制御が複雑であり、操作するのが煩わしいという問題があった。
【0007】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、簡単な操作で、通常走行時の電動モータ制御状態から押し歩き時の電動モータ制御状態に変えることができる電動三輪自転車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の電動三輪自転車は、電動モータを備えた前二輪の電動三輪自転車であって、ハンドルポストに固定された横設部材の左右方向先端部近傍の下面に絶縁部材を挟入させて突設された突起状の導電性ゴムと、前記ハンドルポストの前記横設部材より下方に上下方向に回動自在に一端部を連結され、前二輪の左前車輪又は右前車輪と連結した縦アームに上下方向に回動自在に他端部を連結された、前記導電性ゴムとの当接範囲に導電性被膜が被覆された横アームと、左側のハンドルバーの端部に設けた、前方向及び後方向に回転可能で後方向に回すと出力増となる補助出力調整グリップと、前記補助出力調整グリップの回転角を検出する回転角検出器と、車速を検出する車速センサと、少なくとも前記導電性ゴム、前記回転角検出器、前記車速センサ及び前記電動モータと接続された制御部と、を備え、前記制御部が、前記導電性ゴムに電流が流れていることを検知し、前記車速センサが所定の車速以下であることを検出している状態で、前記回転角検出器の回転角に応じて、押し歩き速度を前記回転角小時の低速から前記回転角最大時の所定限度速度にまで可変させるように前記電動モータの出力トルクを制御することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の電動三輪自転車は、請求項1において、前記制御部が、前記導電性ゴムに電流が流れたことを最初に検知した後は、一定時間間隔で所定回数連続してオフ検知をしない限り、前記導電性ゴムに電流が流れている状態を制御的に維持させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明は、使用者が、ハンドルバーを両手で掴んでハンドルポストを傾斜させて、補助出力調整グリップを使用者の意思で後方向に回転させるという簡易な動きだけで容易に電動三輪自転車を押し歩きすることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、導電性ゴムと横アームとの間で道路が凸凹のときにチャタリングが発生することが懸念されるが、一定時間間隔で所定回数連続してオフ検知をしたときのみ前記電動モータをオフにするので、道路が凸凹であっても安定した補助出力を出させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の電動三輪自転車の左側面視概要説明図である。
図2】本発明の電動三輪自転車の正面視概要説明図である。
図3】ハンドルポストを左側に傾斜させたときの正面視概要説明図である。
図4】導電性ゴムと横アームとの関連の説明図で、(a)は図2におけるA部拡大図でハンドルポストが直立状態で非接触時の説明図で、(b)は図3におけるB部拡大図でハンドルポストが左側に傾斜されて当接した時の説明図である。
図5】本発明の電動三輪自転車の押し歩きモードに関連する部位のブロック図である。
図6】本発明の電動三輪自転車の押し歩きモードの制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の電動三輪自転車1は、図1又は図5に示すように、電源スイッチ61をオンさせて、使用者がサドル71に着座してペダル72を回転させてペダル踏力トルクセンサ63のトルクの大きさや車速センサ12の速さに応じて電動モータ2の出力を調整して走行する通常走行時のアシシトモードの電動モータ制御と、使用者がサドル71に着座せず電動三輪自転車1を押しながら歩くときの押し歩きモードの補助的な電動モータ制御をすることができる。前記アシストモードは、例えば上り坂等で使用する強モード、平坦路で使用する弱モードを操作釦62で設定する等でき、最大走行速度を16km/h以上ではアシストモードを使用できないように設定することもできる。車速等の必要な表示は表示部64に表示される。
【0014】
本発明の電動三輪自転車1は、図1に示すように、前二輪の電動三輪自転車1であり、車体フレーム9、前記車体フレーム9の中央部上端に設けたサドル71、前記車体フレーム9の中央部下端に設けたクランクギア部73及びペダル72、クランクギア部73と後輪を連結するチェーン74、前記車体フレーム9の中央部又はハンドルポスト20側に着脱自在に取り付けられるバッテリー28、クランク周りや前輪又は後輪等に取り付けられる電動モータ2、前記車体フレーム9の前端部に取り付けられた筒状の金属製のハンドルポスト20、前記ハンドルポスト20の中に挿入された金属製の操向軸21、前記操向軸21の上端に固定したハンドルバー22、前記ハンドルバー22の端部に設けたハンドルグリップ23及びブレーキレバー24等を備えている。左側の前記ハンドルバー22の端部のハンドルグリップ23は、前方向又は後方向に手動で回転自在の補助出力調整グリップ6にしている。
【0015】
そして、本発明の電動三輪自転車1は、車体の傾斜に影響されることなく最適な操舵性を有するために、図2に示すように、右前車輪31の車輪軸に固定された右縦アーム51a、左前車輪32の車輪軸に固定された左縦アーム51b、ハンドルポスト20に上下方向に回動自在に一端部を連結され、右縦アーム51aの上端部に上下方向に回動自在に他端部を連結された右横アーム5a、ハンドルポスト20に上下方向に回動自在に一端部を連結され、左縦アーム51bの上端部に上下方向に回動自在に他端部を連結された左横アーム5b、ハンドルポスト20に上下方向に回動自在に中央部を連結され、左縦アーム51bの下端部及び右縦アーム51aの下端部に上下方向に回動自在に左右端部を連結された下横設アーム52を有する略リンク部50を備えている。
【0016】
本発明の電動三輪自転車1は、使用者が電動三輪自転車1を押しながら歩くときの押す力の補助をする技術である。発明者は、使用者が電動三輪自転車1を押し歩くときにハンドルポスト20を自分側に傾け自分の前に近づけた方がハンドルバー24を前方に押しやすいことに着目して本発明を想到した。
【0017】
本発明の電動三輪自転車1は、図1図4に示すように、電動モータ2を備えた前二輪の電動三輪自転車1であって、ハンドルポスト20に固定された横設部材3の左右方向先端部近傍の下面に絶縁部材19を挟入させて突設された突起状の導電性ゴム4と、前記ハンドルポスト20の前記横設部材3より下方に上下方向に回動自在に一端部を連結され、前二輪の左前車輪31又は右前車輪32と連結した縦アーム51a、51bに上下方向に回動自在に他端部を連結された、前記導電性ゴム4との当接範囲に導電性被膜18が被覆された横アーム5bと、左側のハンドルバー22の端部に設けた、前方向及び後方向に回転可能で後方向に回すと出力増となる補助出力調整グリップ6と、前記補助出力調整グリップ6の回転角を検出する回転角検出器11と、車速を検出する車速センサ12と、少なくとも前記導電性ゴム4、前記回転角検出器11、前記車速センサ12及び前記電動モータ2と接続された制御部10と、を備え、前記制御部10が、前記導電性ゴム4に電流が流れていることを検知し、前記車速センサ12が所定の車速以下であることを検出している状態で、前記回転角検出器11の回転角に応じて、押し歩き速度を前記回転角小時の低速から前記回転角最大時の所定限度速度にまで可変させるように前記電動モータ2の出力トルクを制御する。
【0018】
まず、使用者がハンドルポスト20を使用者側に傾けたことを検知する手段は、ハンドルポスト20に固定された横設部材3の左右方向先端部近傍の下面に絶縁部材19を挟入させて突設された突起状の導電性ゴム4と、前記ハンドルポスト20の前記横設部材3より下方に上下方向に回動自在に一端部を連結され、前二輪の左車輪軸又は右車輪軸と連結した縦アーム51a、51bに上下方向に回動自在に他端部を連結された、前記導電性ゴム4との当接範囲に導電性被膜18が被覆された横アーム5a、5bとが接触することにより電流が流れて検知する。
【0019】
立設されたハンドルポスト20に横方向に長尺状の金属製の横設部材3を締結手段等で固定し、前記横設部材3の左右方向先端部近傍の下面に電気絶縁性を有した絶縁部材19を挟入させて、下方に尖った形状の突起状の導電性ゴム4を突設させる。前記横設部材3と前記導電性ゴム4とは前記絶縁部材19により電気的絶縁状態が維持される。前記導電性ゴム4は制御部10と配線で接続されている。
【0020】
前記導電性ゴム4は、ブラックカーボンや金属などの導電性材料にゴムをマトリックスとして使用した複合導電材料であり柔軟性や振動吸収性を有するので、接点部材として使用した。ゴムとしては、例えばシリコーンゴムが使用される。
【0021】
また、前記ハンドルポスト20の前記横設部材3より下方に上下方向に回動自在に一端部を連結され、前二輪の左前車輪31又は右前車輪32と連結した縦アーム51a、51bに上下方向に回動自在に他端部を連結された、横アーム5a、5bを備える。前記横アーム5a、5bは、前記略リンク部50の構成部品であり、使用者が押し歩くときに傾ける側は左側が多いと仮定し、以下は左横アーム5bが前記導電性ゴム4に当接する場合を記載する。
【0022】
前記横アーム5bは、金属製であり、前記車体フレーム9と連結された前記ハンドルポスト20に導電可能に連結されているので、アースとしての機能を有する。前記アースとしての機能を発揮させるために、図4に示すように、前記導電性ゴム4と接触する範囲には導電性被膜18を施工する。前記導電性被膜18としては、ニッケルめっき、金めっき、銀めっき、銅めっき等の導電性めっき、銀やニッケル銅等の導電性のある金属を使用した導電性塗装などがある。
【0023】
前記ハンドルポスト20が図3に示すように傾斜され、図4(b)に示すように前記導電性ゴム4が前記横アーム5bに当接すると電流が流れ、傾斜が検知される。しかし、凹凸のある地面上を押し歩き時に前記導電性ゴム4と前記横アーム5b間でチャタリング現象が生じて制御が不安定になる可能性がある。よって、制御部10は、前記導電性ゴム4に電流が流れたことを最初に検知した後は、一定時間間隔で所定回数連続してオフ検知をしない限り、前記導電性ゴム4に電流が流れている状態を制御的に維持させる。
【0024】
例えば、1秒間隔でオフ検知を連続して3回検知したときのみ前記電動モータ2をオフ制御するようにすることもでき、0.5秒間隔でオフ検知を連続して2回検知したときのみ前記電動モータ2をオフ制御するようにすることもできる。前記所定の間隔又は所定の連続回数は任意に設定できる。
【0025】
前記補助出力調整グリップ6は、左側のハンドルバー22の端部に設け、使用者が手で握って前方向又は後方向に回転させる。前記補助出力調整グリップ6には、常時前方向に回転させる付勢力を有する弾性体を設け、前記補助出力調整グリップ6の回転角を検出する回転角検出器11を設けている。制御部10は、前方向端に位置するときは前記電動モータ2を駆動させる信号を出さないようにし、後方向に回転させると回転角度によって前記電動モータ2の出力を上げ電動三輪自転車1の走行速度を徐々に上げるように制御する。
【0026】
前記車速センサ12は、例えばホールセンサなどがあり、電動三輪自転車1の車速を測定可能なセンサであればいずれでもよい。前記車速センサ12からの車速信号は制御部10に送られる。
【0027】
前記制御部10は、図5に示すように、少なくとも電源スイッチ61、操作釦62、踏力トルクセンサ63、車速サンサ12、導電性ゴム4、回転角検出器11、バッテリー28、電動モータ2、表示部64と接続されている。
【0028】
前記制御部10は、図6に示すように、電源スイッチオンステップ101で作動し、図2に示すように前記ハンドルポスト20が直立状態のときは導電性ゴム回路ステップ102では前記導電性ゴム4には電流が流れないのでアシストモード制御ステップ107を実行する。
【0029】
図4(a)に示すように、前記導電性ゴム4が前記横アーム5bと離隔状態から、図3に示すように前記ハンドルポスト20が傾けられると、図4(b)に示すように、前記制御部10と接続された前記導電性ゴム4がアース側の前記横アーム5bに当接し、電流が前記導電性ゴム4からアース側の前記横アーム5bに流れる。すると、導電性ゴム回路ステップ102は通電状態になる。
【0030】
次に、車速センサ検出ステップ103では、歩行速度以下か、歩行速度を超える車速かを検出する。例えば、押し歩き時の車速を最大6km/hと設定すると、車速センサ検出ステップ103における判断の基準車速を8km/hに設定する。前記制御部10は、車速が8km/h以上であれば補助出力なしで押し歩きのモードになるように制御し、車速が8km/h未満の場合は補助出力ありの押し歩きのモードになるようにする。
【0031】
次に、回転角検出ステップ104である。回転角検出ステップ104においては、左側のハンドルバー22の端部に設けた、前方向及び後方向に回転可能で後方向に回すと出力増となる補助出力調整グリップ6を使用者が手で回す。前記補助出力調整グリップ6には、常時前方向に回転させる付勢力を有する弾性体が設けられ、手で後方向に回さないときは前記補助出力調整グリップ6の回転角の位置は前端に位置するので前記電動モータ2を作動させる信号をでないようにしている。よって、前記回転角検出器11が検出した角度が0°のときは、前記制御部10は、使用者は自らの押す力のみで電動三輪自転車1を推し進めるという補助出力なし押し歩きモード106になる制御をする。
【0032】
使用者が手で前記補助出力調整グリップ6を後方向に回すと、制御部10は、その回した角度を前記回転角検出器11から読み取り、車速を最大6km/hとして、前記補助出力調整グリップ6の回した回転角に応じて0~6km/hの範囲で少しずる可変させるように電動モータ2を作動させ、補助出力を伴う押し歩きモードの制御が実行される。
【符号の説明】
【0033】
1 電動三輪自転車
2 電動モータ
3 横設部材
4 導電性ゴム
5 横アーム
6 補助出力調整グリップ
9 車体フレーム
10 制御部
11 回転角検出器
12 車速センサ
18 導電性被膜
19 絶縁部材
20 ハンドルポスト
21 操向軸
22 ハンドルバー
23 ハンドルグリップ
24 ブレーキレバー
28 バッテリー
31 右前車輪
32 左前車輪
50 略リンク部
51 縦アーム
52 下横設アーム
61 電源スイッチ
62 操作釦
63 踏力トルクセンサ
64 表示部
71 サドル
72 ペダル
73 クランクギア部
74 チェーン
101 電源スイッチオン
102 導電性ゴム回路
103 車速センサ検出
104 回転角検出
105 補助出力を伴う押し歩き
106 補助出力なし押し歩き
107 アシストモード制御
図1
図2
図3
図4
図5
図6