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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028540
(43)【公開日】2025-03-03
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/04 20060101AFI20250221BHJP
【FI】
A61B1/04 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133414
(22)【出願日】2023-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】杉▲崎▼ 誠
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161BB02
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF40
4C161JJ13
4C161LL02
4C161NN01
4C161PP08
(57)【要約】
【課題】挿入部の内部の空間を有効活用することのできる内視鏡を提供する。
【解決手段】挿入部2は、撮像光学系70を支持する支持部材71と、支持部材71に支持された撮像素子72と、撮像素子72の端面72Bに対向する第1回路基板73と、第1回路基板73に対して直交配置された第2回路基板74と、第2回路基板74に接続されたケーブル75と、被覆部材76と、支持部材71及び撮像光学系70が挿通される孔部781を有する先端部材78と、を有し、支持部材71は、円筒部711と角筒部712とを含み、円筒部711が孔部781に支持され、先端部材78と被覆部材76との間には隙間CLが設けられ、角筒部712の外接円712Eの直径は、円筒部711の外径Da以上となっている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に挿入される挿入部を備え、
前記挿入部は、
撮像光学系と、
前記撮像光学系を内部にて支持する筒状の支持部材と、
前記撮像光学系に対して前記挿入部の基端側に設けられ且つ前記支持部材に支持された撮像素子と、
前記撮像素子における前記挿入部の基端側の面に対向する第1基板面と前記第1基板面とは反対側の第2基板面を含み、前記第1基板面において前記撮像素子と接続された第1回路基板と、
前記第1回路基板に対して前記挿入部の基端側に設けられ、前記第1基板面に交差する第3基板面及び前記第3基板面とは反対側の第4基板面を含み、前記第3基板面と前記第4基板面の少なくとも一方において前記第2基板面に接続された第2回路基板と、
前記第2回路基板の前記第3基板面と前記第4基板面の少なくとも一方に接続されたケーブルと、
前記支持部材の一部、前記撮像素子、前記第1回路基板、前記第2回路基板、及び前記ケーブルを覆う被覆部材と、
前記支持部材及び前記撮像光学系が挿通される孔部を有する先端部材と、を有し、
前記支持部材は、前記撮像光学系を支持する円筒状の円筒部と、前記撮像素子を支持する角筒状の角筒部と、を含み、
前記円筒部が前記先端部材の前記孔部に支持され、
前記先端部材と、前記被覆部材又は前記支持部材の前記角筒部との間には隙間が設けられ、
前記被覆部材は、前記角筒部の少なくとも一部を覆い、
前記角筒部の外接円の直径は、前記円筒部の外径以上となっている、内視鏡。
【請求項2】
請求項1に記載の内視鏡であって、
前記撮像光学系の外径は、前記円筒部の外径よりも小さくなっている、内視鏡。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の内視鏡であって、
前記撮像素子は、前記支持部材における前記挿入部の基端側の端面に支持され、
前記第1回路基板の側面は、前記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の内視鏡であって、
前記挿入部の軸線方向にみた場合に、前記第1回路基板のサイズは、前記撮像光学系における前記支持部材に支持されている部分のサイズよりも大きくなっている、内視鏡。
【請求項5】
請求項4に記載の内視鏡であって、
前記第1回路基板の側面は、前記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の内視鏡であって、
前記挿入部の軸線方向にみた場合に、前記第1回路基板のサイズは、前記撮像素子のサイズよりも大きくなっている、内視鏡。
【請求項7】
請求項6に記載の内視鏡であって、
前記第1回路基板の側面は、前記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の内視鏡であって、
前記支持部材における前記挿入部の基端側の端面と前記第1回路基板の前記第1基板面との間の距離は、前記撮像素子と前記第1基板面との間の距離よりも小さい、内視鏡。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の内視鏡であって、
前記挿入部の軸線方向にみた場合に、前記被覆部材の外径は、前記撮像光学系の外径よりも大きくなっている、内視鏡。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の内視鏡であって、
前記第1回路基板の厚みと前記第2回路基板の厚みは異なる、内視鏡。
【請求項11】
請求項10に記載の内視鏡であって、
前記第2回路基板の厚みは、前記第1回路基板の厚みよりも小さい、内視鏡。
内視鏡。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の内視鏡であって、
前記第1回路基板の前記第1基板面及び前記第2基板面に沿う方向の第1長さと、前記第2回路基板の前記第3基板面及び前記第4基板面に沿う方向の第2長さは異なる、内視鏡。
【請求項13】
請求項12に記載の内視鏡であって、
前記第2長さは、前記第1長さよりも大きい、内視鏡。
【請求項14】
請求項1又は2に記載の内視鏡であって、
前記第1基板面には、前記撮像素子と電気的に接続された複数の端子が設けられ、
前記挿入部の軸線方向にみた場合に、前記複数の端子の総面積は、前記撮像素子における前記挿入部の先端側の端面の面積の30%以下となっている、内視鏡。
【請求項15】
請求項1又は2に記載の内視鏡であって、
前記撮像素子は、前記支持部材に接着によって支持されており、
前記撮像素子における前記支持部材と接着されている領域の面積は、前記撮像素子における前記挿入部の先端側の端面の面積の50%以下となっている、内視鏡。
【請求項16】
被検体内に挿入される挿入部を備え、
前記挿入部は、
撮像光学系と、
前記撮像光学系を内部にて支持する筒状の支持部材と、
前記撮像光学系に対して前記挿入部の基端側に設けられ且つ前記支持部材に支持された撮像素子と、
前記撮像素子における前記挿入部の基端側の面に対向する第1基板面と前記第1基板面とは反対側の第2基板面を含み、前記第1基板面において前記撮像素子と接続された第1回路基板と、
前記第1回路基板に対して前記挿入部の基端側に設けられ且つ前記第1回路基板と電気的に接続されたケーブルと、
前記支持部材の一部、前記撮像素子、前記第1回路基板、及び前記ケーブルを覆う被覆部材と、
前記支持部材及び前記撮像光学系が挿通される孔部を有する先端部材と、を有し、
前記支持部材は、前記撮像光学系を支持する円筒状の円筒部と、前記撮像素子を支持する角筒状の角筒部と、を含み、
前記円筒部が前記先端部材の前記孔部に支持され、
前記先端部材と、前記被覆部材又は前記支持部材の前記角筒部との間には隙間が設けられており、
前記第1基板面には、前記撮像素子と電気的に接続された複数の端子が設けられ、
前記挿入部の軸線方向にみた場合に、前記複数の端子の総面積は、前記撮像素子における前記挿入部の先端側の端面の面積の30%以下となっている、内視鏡。
【請求項17】
請求項16に記載の内視鏡であって、
前記撮像素子は、前記支持部材に接着によって支持されており、
前記撮像素子における前記支持部材と接着されている領域の面積は、前記撮像素子における前記挿入部の先端側の端面の面積の50%以下となっている、内視鏡。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の内視鏡であって、
前記第1回路基板に対して前記挿入部の基端側に設けられ、前記第1基板面に交差する第3基板面及び前記第3基板面とは反対側の第4基板面を含み、前記第3基板面と前記第4基板面の少なくとも一方において前記第2基板面に接続された第2回路基板を備え、
前記ケーブルは、前記第2回路基板の前記第3基板面と前記第4基板面の少なくとも一方に接続されており、
前記被覆部材は、前記支持部材の一部、前記撮像素子、前記第1回路基板、前記第2回路基板、及び前記ケーブルを覆っている、内視鏡。
【請求項19】
請求項18に記載の内視鏡であって、
前記被覆部材は、前記角筒部の少なくとも一部を覆う、内視鏡。
【請求項20】
請求項19に記載の内視鏡であって、
前記角筒部の外接円の直径は、前記円筒部の外径以上となっている、内視鏡。
【請求項21】
請求項20に記載の内視鏡であって、
前記撮像光学系の外径は、前記円筒部の外径よりも小さくなっている、内視鏡。
【請求項22】
請求項18に記載の内視鏡であって、
前記撮像素子は、前記支持部材における前記挿入部の基端側の端面に支持され、
前記第1回路基板の側面は、前記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【請求項23】
請求項18に記載の内視鏡であって、
前記挿入部の軸線方向にみた場合に、前記第1回路基板のサイズは、前記撮像光学系における前記支持部材に支持されている部分のサイズよりも大きくなっている、内視鏡。
【請求項24】
請求項23に記載の内視鏡であって、
前記第1回路基板の側面は、前記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【請求項25】
請求項18に記載の内視鏡であって、
前記挿入部の軸線方向にみた場合に、前記第1回路基板のサイズは、前記撮像素子のサイズよりも大きくなっている、内視鏡。
【請求項26】
請求項25に記載の内視鏡であって、
前記第1回路基板の側面は、前記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、撮像素子の受光部の裏面側に複数の接続ランドが配置されたチップサイズパッケージと、複数の接続電極が上記チップサイズパッケージの上記接続ランドとバンプを介して電気的および機械的に接続される回路基板と、上記チップサイズパッケージと上記回路基板との隙間に充填されたアンダーフィル剤と、を備える撮像モジュールが記載されている。
【0003】
特許文献2には、表面に撮像素子を実装可能として回路基板の表面上における前列側のランド群に第1の信号ケーブルが接続され、上記前列側のランド群に接続されて軸方向の後方に向けて延出する上記第1の信号ケーブルと、これに軸方向に縦列に配設される、後列側のランド群に接続された第2の信号ケーブルとが、上記回路基板の表面に対して垂直方向に重なるよう配置される回路基板ユニットが記載されている。
【0004】
特許文献3には、固体撮像素子と、上記固体撮像素子に被写体像を結像させるための対物レンズユニットと、上記固体撮像素子及び上記対物レンズユニットを保持するホルダとを備え、上記固体撮像素子の受光部領域と略平行の関係にある受光部領域以外の領域を上記ホルダに当接させ、上記受光部領域と上記対物レンズユニットの光軸中心とを略垂直に配置させた撮像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6038424号公報
【特許文献2】特許第6697244号公報
【特許文献3】特開2005-95432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の技術では、挿入部の内部の空間を有効活用することのできる内視鏡を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の技術の一態様の内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部を備え、上記挿入部は、撮像光学系と、上記撮像光学系を内部にて支持する筒状の支持部材と、上記撮像光学系に対して上記挿入部の基端側に設けられ且つ上記支持部材に支持された撮像素子と、上記撮像素子における上記挿入部の基端側の面に対向する第1基板面と上記第1基板面とは反対側の第2基板面を含み、上記第1基板面において上記撮像素子と接続された第1回路基板と、上記第1回路基板に対して上記挿入部の基端側に設けられ、上記第1基板面に交差する第3基板面及び上記第3基板面とは反対側の第4基板面を含み、上記第3基板面と上記第4基板面の少なくとも一方において上記第2基板面に接続された第2回路基板と、上記第2回路基板の上記第3基板面と上記第4基板面の少なくとも一方に接続されたケーブルと、上記支持部材の一部、上記撮像素子、上記第1回路基板、上記第2回路基板、及び上記ケーブルを覆う被覆部材と、上記支持部材及び上記撮像光学系が挿通される孔部を有する先端部材と、を有し、上記支持部材は、上記撮像光学系を支持する円筒状の円筒部と、上記撮像素子を支持する角筒状の角筒部と、を含み、上記円筒部が上記先端部材の上記孔部に支持され、上記先端部材と、上記被覆部材又は上記支持部材の上記角筒部との間には隙間が設けられ、上記被覆部材は、上記角筒部の少なくとも一部を覆い、上記角筒部の外接円の直径は、上記円筒部の外径以上となっているものである。
【0008】
本開示の技術の一態様の内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部を備え、上記挿入部は、撮像光学系と、上記撮像光学系を内部にて支持する筒状の支持部材と、上記撮像光学系に対して上記挿入部の基端側に設けられ且つ上記支持部材に支持された撮像素子と、上記撮像素子における上記挿入部の基端側の面に対向する第1基板面と上記第1基板面とは反対側の第2基板面を含み、上記第1基板面において上記撮像素子と接続された第1回路基板と、上記第1回路基板に対して上記挿入部の基端側に設けられ且つ上記第1回路基板と電気的に接続されたケーブルと、上記支持部材の一部、上記撮像素子、上記第1回路基板、及び上記ケーブルを覆う被覆部材と、上記支持部材及び上記撮像光学系が挿通される孔部を有する先端部材と、を有し、上記支持部材は、上記撮像光学系を支持する円筒状の円筒部と、上記撮像素子を支持する角筒状の角筒部と、を含み、上記円筒部が上記先端部材の上記孔部に支持され、上記先端部材と、上記被覆部材又は上記支持部材の上記角筒部との間には隙間が設けられており、上記第1基板面には、上記撮像素子と電気的に接続された複数の端子が設けられ、上記挿入部の軸線方向にみた場合に、上記複数の端子の総面積は、上記撮像素子における上記挿入部の先端側の端面の面積の30%以下となっているものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の技術によれば、内視鏡の挿入部の内部の空間を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の技術の一実施形態である内視鏡1を示す模式図である。
図2図2は、図1に示す内視鏡1の先端部7の内部構成を示す断面模式図である。
図3図3は、図2のA-A線の断面模式図である。
図4図4は、図2のB-B線の断面模式図である。
図5図5は、撮像素子72を先端側から軸線方向に見た模式図である。
図6図6は、撮像素子72及び第1回路基板73を先端側から軸線方向に見た模式図である。
図7図7は、図2のB-B断面の変形例を示す模式図である。
図8図8は、図2のC-C線の断面模式図である。
図9図9は、被覆部材76の変形例を示す模式図であり、図4に対応する図である。
図10図10は、先端部7の第一変形例を示す断面模式図である。
図11図11は、先端部7の第二変形例を示す断面模式図である。
図12図12は、先端部7の第三変形例を示す断面模式図である。
図13図13は、先端部7の第四変形例を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本開示の技術の一実施形態である内視鏡1を示す模式図である。同図における内視鏡1は、被検体内に挿入される長尺状の挿入部2と、挿入部2の基端に連設され、内視鏡1の把持及び操作等に用いられる操作部3と、内視鏡1を不図示の光源装置及びプロセッサ装置等のシステム構成機器に接続するユニバーサルコード4と、を備える。内視鏡1は、特に限定されるものではないが、例えば、胃又は十二指腸等を観察する上部内視鏡、大腸等を観察する下部内視鏡(大腸内視鏡)、或いは、気管支鏡等である。
【0012】
挿入部2は、基端から先端に向かって順に連設される軟性部5、湾曲部6、及び先端部7から構成される。軟性部5は、可撓性を有し、挿入部2の挿入経路に沿って任意の方向に湾曲する。操作部3には、アングルノブ8、9と、処置具導入口12と、送気送水ボタン10と、吸引ボタン11等が設けられる。
【0013】
湾曲部6は、アングルノブ8、9の各々の操作により上下と左右の各々の方向に湾曲する。鉗子等の処置具は処置具導入口12から挿入され、先端部7に設けられた鉗子口(図示省略)から導出される。また、先端部7には、体内の被観察部位を撮影する観察窓(図示省略)と、被観察部位に照明光を照射する照明窓(図示省略)とが設けられている。
【0014】
挿入部2は、その軸線方向に沿って移動して被検体内に挿入され、操作部3のアングルノブ8、9を回転操作することで、挿入部2の湾曲部6が上下左右方向に湾曲する。これにより、挿入部2の先端部7を体内の所望の方向に向けることができ、先端部7に設けられた観察窓により観察画像を取得できる。以下では、挿入部2の軸線方向を単に軸線方向と記載する。また、軸線方向における操作部3側を基端側と記載し、軸線方向における先端部7側を先端側と記載する。
【0015】
図2は、図1に示す内視鏡1の先端部7の内部構成を示す断面模式図である。
図2に示すように、先端部7は、最も先端側に設けられた先端部材78と、先端部材78よりも基端側に設けられた円筒状の外装部材77と、を有する。先端部材78及び外装部材77は、外形が円柱状となっており、その内部に、撮像に必要な構成要素、ライトガイド、及び処置具チャンネル等が設けられる。先端部材78には、基端側の端面から先端側の端面にまで至る円柱状の孔部781が設けられている。
【0016】
先端部7は、撮像に必要な構成要素として、撮像光学系70と、撮像光学系70を内部にて支持する筒状の支持部材71と、撮像光学系70に対して基端側に設けられ且つ支持部材71に支持された撮像素子72と、第1回路基板73と、第2回路基板74と、ケーブル75と、支持部材71の一部、撮像素子72、第1回路基板73、第2回路基板74、及びケーブル75を覆う被覆部材76と、を備える。
【0017】
撮像光学系70は、図示の例では先端側が基端側よりも大径に構成された円筒状のレンズ枠70Bと、レンズ枠70Bの内部に支持されたレンズ群(図示の例では4つのレンズ70A)と、を含む。図2には、撮像光学系70の最大径Dbが示されている。本明細書では、この最大径Dbを撮像光学系70の外径と定義する。
【0018】
支持部材71は、レンズ枠70Bにおける基端側の小径部分を内部にて支持する円筒状の円筒部711と、撮像素子72を支持する角筒状の角筒部712と、を含む。円筒部711は、角筒部712より先端側に配置されている。
【0019】
図3は、図2のA-A線の断面模式図である。図3において、撮像光学系70と先端部材78の図示は省略されている。
図3に示すように、円筒部711は、軸線方向に垂直な断面が円形に構成された外周面711Aと、軸線方向に垂直な断面が円形に構成された内周面711Bと、を有する。この内周面711Bにおいて、撮像光学系70を構成するレンズ枠70Bの基端側の小径部分が支持されている。図2には、内周面711Bに支持されている撮像光学系70の部分(レンズ枠70Bの小径部分)の外径Dfが示されている。
【0020】
図2に示すように、撮像光学系70における支持部材71よりも外側の部分及び支持部材71の円筒部711は、先端部材78の孔部781に挿通されており、この孔部781の内周面において、円筒部711が支持されている。円筒部711の外径Da(図3中の外周面711Aの直径、図2参照)は、撮像光学系70の最大径Dbよりも大きくなっている。これにより、撮像光学系70は、先端部材78の孔部781によって直接支持されない構成となっている。
【0021】
円筒部711と孔部781との支持形態と、撮像光学系70と円筒部711との支持形態は、それぞれ、特に限定されるものではないが、例えば、嵌合と接着とネジ止めのいずれか1つ又はこれら2以上の組み合わせ等の支持形態を採用できる。
【0022】
図4は、図2のB-B線の断面模式図である。図4において、撮像光学系70と先端部材78の図示は省略されている。図3及び図4に示すように、角筒部712の外周面712Aは、軸線方向に垂直な断面が四角形以上の多角形(図3及び図4の例では、正方形における4つの角部が面取りされた八角形)を成している。なお、外周面712Aは、四角形以上の多角形の角部が直線状ではなく曲線状(R状)に面取りされた形状となっていてもよい。
【0023】
図4に示すように、角筒部712の基端側の端面には、矩形板状の凹部712Bが設けられている。凹部712Bの底面には、円筒部711の内部空間SPと連通する開口712Cが形成されている。
【0024】
図5は、撮像素子72を先端側から軸線方向に見た模式図である。撮像素子72は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等がパッケージ化されたものである。図5に示すように、撮像素子72は、軸線方向に見て長方形状を成している。撮像素子72は、図4に示す凹部712Bにおいて、角筒部712によって支持されている。
【0025】
図4に示すように、凹部712Bの底面には、撮像素子72が接着される接着領域712D(図中の一点鎖線の矩形枠と凹部712Bの外周縁との間の領域)が設けられている。撮像素子72は、接着領域712Dにおいて、凹部712Bに接着されることで、角筒部712に支持されている。撮像素子72は、凹部712Bに嵌合することで、角筒部712に支持されていてもよい。撮像素子72は、凹部712Bに嵌合し、更に、接着領域712Dに接着されることで、角筒部712に支持されていてもよい。撮像素子72は、その側面が凹部712Bの側壁に接着されることで、角筒部712に支持されていてもよい。
【0026】
撮像素子72は、先端側の端面72Aの矩形枠状の周辺領域72a(図5参照)が、図4に示した接着領域712Dと接着されている。周辺領域72aの面積は、挿入部2の細径化を実現しつつ、撮像素子72の受光面積を大きくする観点から、端面72Aの面積の50%以下となっていることが好ましい。
【0027】
図2に示すように、第1回路基板73は、撮像素子72の基端側の端面72Bに対向する第1基板面731と、第1基板面731とは反対側(基端側)の第2基板面732と、を含み、第1基板面731において撮像素子72と接続されている。第1回路基板73は、曲げ剛性が撮像素子72よりも大きいリジッド基板であり、例えば、第1基板面731から第2基板面732に向かって、配線が絶縁層を介して複数積層された板状をなしている。第1回路基板73は、例えば、セラミック基板、ガラス基板、又はシリコン基板等が用いられる。第1回路基板73は、第1基板面731と第2基板面732が軸線方向に交差した状態(図2の例では軸線方向に垂直な状態)で配置されている。
【0028】
撮像素子72の端面72Bには、複数の端子が二次元状に配置されている。また、第1回路基板73の第1基板面731には、撮像素子72の上記複数の端子のそれぞれと対応する端子73T(図6参照)が二次元状に配置されている。そして、撮像素子72の端面72Bの各端子と、第1回路基板73の第1基板面731におけるこの各端子に対応する端子73Tとが、半田ボールHによって電気的及び機械的に接続されている。撮像素子72と第1回路基板73の間には、これらの接続を強固なものとするために、アンダーフィル剤が設けられることが好ましい。
【0029】
図6は、撮像素子72及び第1回路基板73を先端側から軸線方向に見た模式図である。第1回路基板73の第1基板面731には、複数(図の例では、35個)の端子73Tが二次元状に配置されている。軸線方向にみたときの複数の端子73Tの総面積は、一例として、撮像素子72の先端側の端面72Aの面積の30%以下となっている。このようにすることで、第1回路基板73に形成する回路が複雑となるのを防ぐことができる。複数の端子73Tの総面積が、撮像素子72の端面72Aの面積の30%を超えている場合には、撮像素子72と第1回路基板73との機械的な接続をより強固に行うことができる。
【0030】
図6には、撮像素子72の長辺の長さ72Xと、第1回路基板73の4辺のうちのこの長辺に沿う2辺の長さ73Xと、撮像素子72の短辺の長さ72Yと、第1回路基板73の4辺のうちのこの短辺に沿う2辺の長さ73Yと、が示されている。
【0031】
軸線方向にみた場合に、第1回路基板73のサイズは、撮像素子72のサイズよりも大きくなっている。第1回路基板73のサイズが撮像素子72のサイズよりも大きいとは、長さ73Xが長さ72Xよりも大きく且つ長さ73Yが長さ72Yよりも大きい構成と、長さ73Xが長さ72Xと同じ且つ長さ73Yが長さ72Yよりも大きい構成と、長さ73Xが長さ72Xよりも大きく且つ長さ73Yが長さ72Yと同じ構成と、のいずれかの構成を言う。
【0032】
図6の例では、長さ73Xが長さ72Xよりも大きく且つ長さ73Yが長さ72Yよりも大きくなっており、軸線方向に見て、撮像素子72の全体が第1回路基板73と重なっている。
【0033】
また、軸線方向に見た場合に、第1回路基板73のサイズは、図2に示した外径Dfよりも大きくなっている。ここで言う第1回路基板73のサイズとは、長さ73X及び長さ73Yのことを言う。
【0034】
図3には、角筒部712の外周面712Aの外接円712Eが示されている。図3に示すように、外接円712Eの直径は、円筒部711の外径Da(図3中の外周面711Aの直径、図2参照)より大きくなっている。ただし、図7に示すように、外接円712Eの直径は、円筒部711の外径と同じであってもよい。図7は、図2のB-B断面の変形例を示す模式図である。
【0035】
第2回路基板74は、第1回路基板73に対して基端側に設けられ、第1基板面731に交差する(図2の例では直交する)第3基板面741及び第3基板面741とは反対側の第4基板面742(図2の例では第1基板面731に直交する基板面)を含む。
【0036】
第2回路基板74は、第3基板面741と第4基板面742のそれぞれにおいて、第1回路基板73の第2基板面732に接続されている。第2回路基板74は、曲げ剛性が撮像素子72よりも大きいリジッド基板であり、例えば、第3基板面741から第4基板面742に向かって、配線が絶縁層を介して複数積層された板状をなしている。第2回路基板74は、例えば、セラミック基板、ガラス基板、又はシリコン基板等が用いられる。
【0037】
第1回路基板73の第2基板面732には、複数の端子73tが設けられている。また、第2回路基板74の第3基板面741と第4基板面742のそれぞれには、端子74tが設けられている。そして、端子73tと端子74tとが、半田Hbによって電気的及び機械的に接続されている。
【0038】
第2回路基板74の第3基板面741には、端子74tと電気的に接続されている図示省略の端子が設けられ、この端子には、配線が接続されている。第2回路基板74の第4基板面742には、端子74tと電気的に接続されている図示省略の端子が設けられ、この端子には、配線が接続されている。第3基板面741と第4基板面742のそれぞれの端子に接続された配線は束ねられてケーブル75を構成し、ユニバーサルコード4まで延びている。
【0039】
なお、第2回路基板74は、第3基板面741と第4基板面742のいずれか一方のみにおいて、第1回路基板73の第2基板面732に接続される構成であってもよい。また、第2回路基板74は、第3基板面741及び第4基板面742のいずれか一方のみにおいて、ケーブル75と接続される構成であってもよい。
【0040】
第1回路基板73の長さ73X及び長さ73Yの少なくとも一方は、第2回路基板74の軸線方向の長さ74L(第3基板面741及び第4基板面742に沿う方向の長さ。図2参照)と同じでもよいが、異なっていることが好ましい。例えば、長さ74Lが、長さ73X及び長さ73Yの少なくとも一方よりも大きくなっていることで、ケーブル75と第2回路基板74との接続が容易となる。また、長さ74Lが、長さ73X及び長さ73Yの少なくとも一方より小さい場合には、第1回路基板73に対する第2回路基板74の姿勢を容易に安定させることができる。
【0041】
第1回路基板73の厚み73D(図2参照)と第2回路基板74の厚み74D(図2参照)は同じであってもよいが、異なっていることが好ましい。例えば、第2回路基板74の厚み74Dが、第1回路基板73の厚み73Dよりも小さいことで、第2回路基板74の周囲の空間を有効活用することができる。また、第2回路基板74の厚み74Dが、第1回路基板73の厚み73Dよりも大きい場合には、第1回路基板73と第2回路基板74との接続体の剛性を高めて、耐久性を向上させることができる。
【0042】
図8は、図2のC-C線の断面模式図である。図8に示すように、第2回路基板74は、第1回路基板73における撮像素子72の短辺に沿う方向の略中央に配置されている。このような配置に限らず、例えば、第2回路基板74は、第1回路基板73における撮像素子72の短辺に沿う方向の一端部に配置される構成であってもよい。
【0043】
図4及び図8に示すように、被覆部材76は、例えば、軸線方向に垂直な断面形状が正方形枠となる角筒状を成している。被覆部材76は、例えば金属によって構成される。図2に示すように、被覆部材76は、支持部材71における角筒部712、撮像素子72、第1回路基板73、第2回路基板74、及びケーブル75を取り囲んでおり、これらを覆っている。
【0044】
図4に示すように、被覆部材76の内周面76Bは、角筒部712の外周面712Aに直接又は間接的に接触している。例えば、角筒部712が被覆部材76の内部に嵌合することで、外周面712Aが内周面76Bに直接接触する構成とすることができる。または、角筒部712の外周面712Aが内周面76Bに接着剤によって接着されることで、外周面712Aが内周面76Bに間接的に接触する構成とすることができる。このように、角筒部712の外周面712Aが被覆部材76の内周面76Bに直接又は間接的に接触することで、角筒部712の補強を行うことができる。
【0045】
図8に示すように、被覆部材76の内周面76Bは、第1回路基板73の4つの側面のそれぞれに直接又は間接的に接触している。例えば、第1回路基板73が被覆部材76の内部に嵌合することで、第1回路基板73の側面が内周面76Bに直接接触する構成とすることができる。また、第1回路基板73の側面が内周面76Bに接着剤によって接着されることで、第1回路基板73の側面が内周面76Bに間接的に接触する構成とすることができる。このように、第1回路基板73の側面が被覆部材76の内周面76Bに直接又は間接的に接触することで、第1回路基板73の補強を行うことができる。
【0046】
なお、図6に示した長さ73Xが長さ72Xと同じ場合には、被覆部材76の内周面76Bは、第1回路基板73の2つの側面(撮像素子72の長辺に沿う側面)のそれぞれに直接又は間接的に接触することになる。図6に示した長さ73Yが長さ72Yと同じ場合には、被覆部材76の内周面76Bは、第1回路基板73の2つの側面(撮像素子72の短辺に沿う側面)のそれぞれに直接又は間接的に接触することになる。このような場合でも、第1回路基板73の補強を行うことができる。
【0047】
図4には、被覆部材76の外径Dcが示されている。外径Dcは、撮像光学系70の最大径Db(図2参照)よりも大きくなっている。また、角筒部712の外接円712E(図3参照)は円筒部711の外径Daよりも大きくなっている。この結果、図2に示すように、被覆部材76及び角筒部712と先端部材78との間には、隙間CLが設けられている。
【0048】
図9は、被覆部材76の変形例を示す模式図であり、図4に対応する図である。図9に示すように、被覆部材76は、外周面76Aの断面形状が矩形ではなく、円形であってもよい。
【0049】
以上のように構成された内視鏡1の先端部7は、例えば次のようにして製造される。まず、支持部材71、撮像素子72、第1回路基板73、第2回路基板74、ケーブル75、及び被覆部材76を組み付けたアセンブリが製造される。次に、このアセンブリの支持部材71の円筒部711に撮像光学系70を挿通し、撮像素子72の撮像画像を用いることで、撮像素子72と撮像光学系70との光学的な位置を調整して、撮像光学系70を円筒部711に固定する。次に、撮像光学系70が固定されたアセンブリを先端部材78の孔部781に挿通し、撮像光学系70の先端面と先端部材78の先端面とを一致させた状態で、円筒部711と先端部材78とを固定する。
【0050】
撮像素子72と撮像光学系70との光学的な位置は、アセンブリの組み立て誤差や、撮像素子72と撮像光学系70の個体差等によって、ばらつきが生じ得る。例えば、図2において、撮像光学系70が撮像素子72により近い位置にある場合を想定すると、被覆部材76及び角筒部712の先端側の端面を先端部材78により近づけた状態で、円筒部711と先端部材78とを固定する必要がある。先端部7には、隙間CLが設けられているため、撮像素子72と撮像光学系70との光学的な位置のばらつきが生じる場合でも、撮像光学系70の先端面と先端部材78の先端面とを一致させることができる。
【0051】
また、内視鏡1では、角筒部712の外周面712Aが被覆部材76の内周面76Bに接触している。このため、支持部材71、撮像素子72、第1回路基板73、第2回路基板74、及びケーブル75を含むユニットを保護することができ、耐久性を高めることができる。この支持部材71の内部は、絶縁性のエポキシ系樹脂等の接着剤を充填し、撮像素子72等の水密性を確保している。
【0052】
また、内視鏡1では、第1回路基板73の側面が被覆部材76の内周面76Bに接触している。また、撮像素子72が被覆部材76には非接触となっている。このため、支持部材71と第1回路基板73の間の撮像素子72をより強固に保護することができる。特に、複数の端子73Tの総面積が撮像素子72の端面72Aの面積の30%以下となっている場合には、撮像素子72と第1回路基板73との機械的な接続強度が低くなるため、角筒部712及び第1回路基板73と被覆部材76との接触による保護効果を高めることができる。また、撮像素子72の周辺領域72aの面積が、端面72Aの面積の50%以下となっている場合には、撮像素子72と角筒部712との機械的な接続強度が低くなるため、角筒部712と被覆部材76との接触による保護効果を高めることができる。
【0053】
また、内視鏡1では、被覆部材76が第2回路基板74の全体を覆っている。このため、第2回路基板74の長さ74Lが大きい場合や、第2回路基板74の厚み74Dが小さい場合等、第2回路基板74の強度が低下する場合でも、被覆部材76によって第2回路基板74を補強できる。
【0054】
図10は、先端部7の第一変形例を示す断面模式図である。図10において、図2と相違する点は、円筒部711の外径Daと角筒部712の外接円712Eの直径とが同じ点と、角筒部712の基端側の端面712Sに撮像素子72が支持されている点である。
【0055】
図10に示す変形例では、角筒部712の厚みが薄いため、角筒部712の基端側の端面712Sにて撮像素子72を支持する構成となっている。例えば、撮像素子72は、角筒部712の基端側の端面712Sに接着剤によって接着されている。図10に示す変形例では、被覆部材76と先端部材78との間に、隙間CLが設けられる。図10に示す変形例では、図2の構成と比較して、被覆部材76の外径を小さくできるため、挿入部2の細径化が可能になる。
【0056】
図10に示す変形例では、撮像素子72の側面が被覆部材76に非接触となっていることが好ましい。これにより、撮像素子72に対し、被覆部材76から、直接、力がかかるのを防ぐことができる。
【0057】
図11は、先端部7の第二変形例を示す断面模式図である。図11において、図2と相違する点は、角筒部712の基端側且つ外周側の端部に凹部712aが追加された点と、この凹部712aに、被覆部材76の先端部が直接又は間接的に接触している点である。つまり、図11に示す変形例では、被覆部材76が角筒部712の一部を覆っており、被覆部材76と先端部材78の間には隙間がなく、角筒部712と先端部材78との間に隙間CLが設けられている。図11に示す変形例によれば、図2に示す構成と比べて、被覆部材76の外径を小さくできるため、先端部7の細径化が可能となる。
【0058】
図12は、先端部7の第三変形例を示す断面模式図である。図12において、図2と相違する点は、角筒部712の基端側且つ外周側の端部に凹部712aが追加された点と、この凹部712aに、被覆部材76の先端部が直接又は間接的に接触している点と、角筒部712の基端側の端面712Sに撮像素子72が支持されている点である。図12に示す変形例では、被覆部材76と先端部材78の間には隙間がなく、角筒部712と先端部材78との間に隙間CLが設けられる。図12に示す変形例によれば、図2に示す構成と比べて、先端部7の細径化が可能となる。
【0059】
図13は、先端部7の第四変形例を示す断面模式図である。図13において、図2と相違する点は、角筒部712に形成された凹部712Bがより深く形成されて、撮像素子72、第1回路基板73、及び第2回路基板74が先端側に移動している点である。図13に示す変形例では、支持部材71における基端側の端面712Sと第1回路基板73の第1基板面731との間の距離Lbは、撮像素子72と第1基板面731との間の距離La(換言すると、半田ボールHの厚み)よりも小さくなっている。この構成によれば、例えば、角筒部712の端面712Sと第1基板面731とを接着剤によって接着する場合に、その接着剤の剥がれを抑制できる。
【0060】
ここまで説明した先端部7の構成例において、第2回路基板74は必須ではなく削除されてもよい。この場合には、第1回路基板73の端子73tとケーブル75が接続される構成となる。
【0061】
以上説明してきたように、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。以下では、括弧内に上記実施形態に対応する構成要素を示しているが、これに限定されるものではない。
【0062】
(1)
被検体内に挿入される挿入部(挿入部2)を備え、
上記挿入部は、
撮像光学系(撮像光学系70)と、
上記撮像光学系を内部にて支持する筒状の支持部材(支持部材71)と、
上記撮像光学系に対して上記挿入部の基端側に設けられ且つ上記支持部材に支持された撮像素子(撮像素子72)と、
上記撮像素子における上記挿入部の基端側の面(端面72B)に対向する第1基板面(第1基板面731)と上記第1基板面とは反対側の第2基板面(第2基板面732)を含み、上記第1基板面において上記撮像素子と接続された第1回路基板(第1回路基板73)と、
上記第1回路基板に対して上記挿入部の基端側に設けられ、上記第1基板面に交差する第3基板面(第3基板面741)及び上記第3基板面とは反対側の第4基板面(第4基板面742)を含み、上記第3基板面と上記第4基板面の少なくとも一方において上記第2基板面に接続された第2回路基板(第2回路基板74)と、
上記第2回路基板の上記第3基板面と上記第4基板面の少なくとも一方に接続されたケーブル(ケーブル75)と、
上記支持部材の一部、上記撮像素子、上記第1回路基板、上記第2回路基板、及び上記ケーブルを覆う被覆部材(被覆部材76)と、
上記支持部材及び上記撮像光学系が挿通される孔部(孔部781)を有する先端部材(先端部材78)と、を有し、
上記支持部材は、上記撮像光学系を支持する円筒状の円筒部(円筒部711)と、上記撮像素子を支持する角筒状の角筒部(角筒部712)と、を含み、
上記円筒部が上記先端部材の上記孔部に支持され、
上記先端部材と、上記被覆部材又は上記支持部材の上記角筒部との間には隙間(隙間CL)が設けられ、
上記被覆部材は、上記角筒部の少なくとも一部を覆い、
上記角筒部の外接円(外接円712E)の直径は、上記円筒部の外径(外径Da)以上となっている、内視鏡。
【0063】
(2)
(1)に記載の内視鏡であって、
上記撮像光学系の外径(最大径Db)は、上記円筒部の外径(外径Da)よりも小さくなっている、内視鏡。
【0064】
(3)
(1)又は(2)に記載の内視鏡であって、
上記撮像素子は、上記支持部材における上記挿入部の基端側の端面(端面712S)に支持され、
上記第1回路基板の側面は、上記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【0065】
(4)
(1)又は(2)に記載の内視鏡であって、
上記挿入部の軸線方向にみた場合に、上記第1回路基板のサイズ(長さ73X及び長さ73Y)は、上記撮像光学系における上記支持部材に支持されている部分のサイズ(外径Df)よりも大きくなっている、内視鏡。
【0066】
(5)
(4)に記載の内視鏡であって、
上記第1回路基板の側面は、上記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【0067】
(6)
(1)又は(2)に記載の内視鏡であって、
上記挿入部の軸線方向にみた場合に、上記第1回路基板のサイズは、上記撮像素子のサイズよりも大きくなっている、内視鏡。
【0068】
(7)
(6)に記載の内視鏡であって、
上記第1回路基板の側面は、上記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【0069】
(8)
(1)又は(2)に記載の内視鏡であって、
上記支持部材における上記挿入部の基端側の端面(端面712S)と上記第1回路基板の上記第1基板面との間の距離(距離Lb)は、上記撮像素子と上記第1基板面との間の距離(距離La)よりも小さい、内視鏡。
【0070】
(9)
(1)又は(2)に記載の内視鏡であって、
上記挿入部の軸線方向にみた場合に、上記被覆部材の外径(外径Dc)は、上記撮像光学系の外径(最大径Db)よりも大きくなっている、内視鏡。
【0071】
(10)
(1)又は(2)に記載の内視鏡であって、
上記第1回路基板の厚み(厚み73D)と上記第2回路基板の厚み(厚み74D)は異なる、内視鏡。
【0072】
(11)
(10)に記載の内視鏡であって、
上記第2回路基板の厚みは、上記第1回路基板の厚みよりも小さい、内視鏡。
【0073】
(12)
(1)又は(2)に記載の内視鏡であって、
上記第1回路基板の上記第1基板面及び上記第2基板面に沿う方向の第1長さ(長さ73X及び長さ74Xの少なくとも一方)と、上記第2回路基板の上記第3基板面及び上記第4基板面に沿う方向の第2長さ(長さ74L)は異なる、内視鏡。
【0074】
(13)
(12)に記載の内視鏡であって、
上記第2長さは、上記第1長さよりも大きい、内視鏡。
【0075】
(14)
(1)又は(2)に記載の内視鏡であって、
上記第1基板面には、上記撮像素子と電気的に接続された複数の端子(端子73T)が設けられ、
上記挿入部の軸線方向にみた場合に、上記複数の端子の総面積は、上記撮像素子における上記挿入部の先端側の端面(端面72A)の面積の30%以下となっている、内視鏡。
【0076】
(15)
(1)又は(2)に記載の内視鏡であって、
上記撮像素子は、上記支持部材に接着によって支持されており、
上記撮像素子における上記支持部材と接着されている領域(周辺領域72a)の面積は、上記撮像素子における上記挿入部の先端側の端面(端面72A)の面積の50%以下となっている、内視鏡。
【0077】
(16)
被検体内に挿入される挿入部(挿入部2)を備え、
上記挿入部は、
撮像光学系(撮像光学系70)と、
上記撮像光学系を内部にて支持する筒状の支持部材(支持部材71)と、
上記撮像光学系に対して上記挿入部の基端側に設けられ且つ上記支持部材に支持された撮像素子(撮像素子72)と、
上記撮像素子における上記挿入部の基端側の面(端面72B)に対向する第1基板面(第1基板面731)と上記第1基板面とは反対側の第2基板面(第2基板面732)を含み、上記第1基板面において上記撮像素子と接続された第1回路基板(第1回路基板73)と、
上記第1回路基板に対して上記挿入部の基端側に設けられ且つ上記第1回路基板と電気的に接続されたケーブル(ケーブル75)と、
上記支持部材の一部、上記撮像素子、上記第1回路基板、及び上記ケーブルを覆う被覆部材(被覆部材76)と、
上記支持部材及び上記撮像光学系が挿通される孔部(孔部781)を有する先端部材(先端部材78)と、を有し、
上記支持部材は、上記撮像光学系を支持する円筒状の円筒部(円筒部711)と、上記撮像素子を支持する角筒状の角筒部(角筒部712)と、を含み、
上記円筒部が上記先端部材の上記孔部に支持され、
上記先端部材と、上記被覆部材又は上記支持部材の上記角筒部との間には隙間(隙間CL)が設けられており、
上記第1基板面には、上記撮像素子と電気的に接続された複数の端子(端子73T)が設けられ、
上記挿入部の軸線方向にみた場合に、上記複数の端子の総面積は、上記撮像素子における上記挿入部の先端側の端面(端面72A)の面積の30%以下となっている、内視鏡。
【0078】
(17)
(16)に記載の内視鏡であって、
上記撮像素子は、上記支持部材に接着によって支持されており、
上記撮像素子における上記支持部材と接着されている領域(周辺領域72a)の面積は、上記撮像素子における上記挿入部の先端側の端面(端面72A)の面積の50%以下となっている、内視鏡。
【0079】
(18)
(16)又は(17)に記載の内視鏡であって、
上記第1回路基板に対して上記挿入部の基端側に設けられ、上記第1基板面に交差する第3基板面(第3基板面741)及び上記第3基板面とは反対側の第4基板面(第4基板面742)を含み、上記第3基板面と上記第4基板面の少なくとも一方において上記第2基板面に接続された第2回路基板(第2回路基板74)を備え、
上記ケーブルは、上記第2回路基板の上記第3基板面と上記第4基板面の少なくとも一方に接続されており、
上記被覆部材は、上記支持部材の一部、上記撮像素子、上記第1回路基板、上記第2回路基板、及び上記ケーブルを覆っている、内視鏡。
【0080】
(19)
(18)に記載の内視鏡であって、
上記被覆部材は、上記角筒部の少なくとも一部を覆う、内視鏡。
【0081】
(20)
(19)に記載の内視鏡であって、
上記角筒部の外接円(外接円712E)の直径は、上記円筒部の外径(外径Da)以上となっている、内視鏡。
【0082】
(21)
(20)に記載の内視鏡であって、
上記撮像光学系の外径(最大径Db)は、上記円筒部の外径(外径Da)よりも小さくなっている、内視鏡。
【0083】
(22)
(18)に記載の内視鏡であって、
上記撮像素子は、上記支持部材における上記挿入部の基端側の端面(端面712S)に支持され、
上記第1回路基板の側面は、上記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【0084】
(23)
(18)に記載の内視鏡であって、
上記挿入部の軸線方向にみた場合に、上記第1回路基板のサイズ(長さ73X及び長さ73Y)は、上記撮像光学系における上記支持部材に支持されている部分のサイズ(外径Df)よりも大きくなっている、内視鏡。
【0085】
(24)
(23)に記載の内視鏡であって、
上記第1回路基板の側面は、上記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【0086】
(25)
(18)に記載の内視鏡であって、
上記挿入部の軸線方向にみた場合に、上記第1回路基板のサイズは、上記撮像素子のサイズよりも大きくなっている、内視鏡。
【0087】
(26)
(25)に記載の内視鏡であって、
上記第1回路基板の側面は、上記被覆部材に直接又は間接的に接触している、内視鏡。
【符号の説明】
【0088】
1 内視鏡
2 挿入部
3 操作部
4 ユニバーサルコード
5 軟性部
6 湾曲部
7 先端部
8,9 アングルノブ
10 送気送水ボタン
12 処置具導入口
70 撮像光学系
70B レンズ枠
71 支持部材
72 撮像素子
72A,72B,712S 端面
72a 周辺領域
73 第1回路基板
73T,73t,74t 端子
74 第2回路基板
75 ケーブル
76 被覆部材
76A,711A,712A 外周面
76B,711B 内周面
77 外装部材
78 先端部材
711 円筒部
712 角筒部
712B,712a 凹部
712C 開口
712D 接着領域
712E 外接円
731 第1基板面
732 第2基板面
741 第3基板面
742 第4基板面
781 孔部
図1
図2
図3
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図13