(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028723
(43)【公開日】2025-03-03
(54)【発明の名称】塗料等液体の流下時間を測定する静電容量式マットセンサーの製造方法及びその方法を用いた塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー並びに静電容量式測定器。
(51)【国際特許分類】
G01L 1/14 20060101AFI20250221BHJP
【FI】
G01L1/14 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023144015
(22)【出願日】2023-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】514215103
【氏名又は名称】株式会社細田
(72)【発明者】
【氏名】細田 哲郎
(57)【要約】
【課題】フローカップに基づく、塗料等液体の流下時間の測定を可能とする、塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー及び静電容量式測定器を提供する。
【解決手段】弾性材料からなる絶縁体外周5mm幅を不導体とし、パネル電極S2面とパネル電極Eの各々1面に導電体を一体形成し、前記パネル電極Sとパネル電極Eの各電極面に誘電体シートを両面接着テープで密着し、一体形成された構造体のパネル電極S・E間に弾性体角スペーサを内角4隅と対角線上の中央部に配置し、その積層間の空気層が密閉していない空気の流動的機能を有した構造体と、パネル電極Eの底面にシールド電極Gとを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外皮カバーに覆われた弾性材料からなる樹脂板正方形の外周5mm幅を不導体としたパネル電極S2面とパネル電極Eの各面に導電体を被覆し、前記パネル電極Sとパネル電極E1・パネル電極E2の電極全面に誘電体シートを両面接着テープで密着し、一体形成された構造体のパネル電極S・パネル電極E1・パネル電極E2との間に弾性体角スペーサを内角の4隅と対角線上の中央部に配置し、その積層間の空気層が密閉されていない流動性機能を有した構造体と、パネル電極Eの底面にシールド電極Gが配置されていることを特徴とする塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー。
【請求項2】
請求項1に記載の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式重量センサーと、フローカップによる塗料等液体の微量の流出量の加重変動を0.1秒ごとに0.1pfの変化する単位を高精度且つ正確に塗料等液体の流下時間を検出する電気信号を外部機器へ送信する静電容量式測定器(回路)を備えたことを特徴とする塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー。
【請求項3】
前記のパネル電極Sとパネル電極E1・パネル電極E2それぞれの樹脂板は耐衝撃性、耐候性、帯電防止性、吸収性に加え弾性を有するポリカーボネート板等を用いて、正方形内側全周5mm巾は不導体で形成し、電極面の導電体は導電印刷、導電塗装等で被覆していることを特徴とする請求項1に記載の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー。
【請求項4】
前記のパネル電極Sとパネル電極E1・パネル電極E2のそれぞれの電極面全体に両面接着テープを用いて誘電体シートが完全密着の一体型構造体で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー。
【請求項5】
前記パネル電極Sの両面に対向して配置する一対のパネル電極E1・パネル電極E2との間に、内角四隅の4ケ所に配置の弾性体正方形の角スペーサと対角線上中央部の1ケ所に配置されたセンター角スペーサと、その角スペーサ間の空気層が密閉されていない構造体を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー。
【請求項6】
前記のパネル電極Eの底部にアルミ板、銅板等を備えたシールド電極Gと、パネル電極の外周5mm幅を不導体と誘電体シートとの一体構造型や空気層の非密閉型、その外周をポリエステルシートやターポリンシート又は軟質塩ビニールシート等で覆う外皮カバー(絶縁体)の構造体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希釈した比較的低粘度の塗料等液体の流下時間をフローカップ法により、流下する流出量の僅かな加重変動を前記静電容量式マットセンサーからの出力によって、0.1秒ごとに0.1pfの変化する単位を高精度で正確に流下時間を測定した電気信号を外部機器へ送信する静電容量式測定器を備えたことを特徴とする塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサーシステムの測定に関する。
【背景の技術】
【0002】
従来の静電容量式重量センサーは、パネル電極Sの両面に誘電体シートで覆ったパネル電極Sを挟み、パネル電極Sの両面にそれぞれ対向して配置の一対のパネル電極Eとの外周に複数の帯状スペーサと電極間に誘電体シートと複数の角スペーサをそれぞれ設けて一対のコンデンサ電極を設けた静電容量式重量センサーとしては、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載の静電容量重量センサーは、電極を構成している絶縁体(硬質塩ビ)上下2枚の間に誘電体シート及びスペーサを取り付け外装カバー(絶縁体)で覆った構造体である。スペーサによってパネル電極に加わる重量変化をパネル電極間の静電容量の変化として呼吸や体動などの変化を検出する静電容量式重量センサーに使用するものである。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の静電容量式重量センサーは、人の現呼吸、多呼吸、過呼吸、無呼吸などに起因する動きや体動による荷重の変化は検出することは可能であるが、JIS規格によるK5600-2-2のフローカップ法に於ける塗料等液体の流下時間は0.2秒の正確さでの測定や破断点は100秒を超える流下時間の材料については流下速度が減速するため判定が難しく、再現しにくいなどの問題もあり現在では、塗料等液体の流下時間を検出する静電容量式重量センサーは存在していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題はこのような事情に鑑みてなされたものであり、フローカップのオリフィスから指を離すと同時にストップウォッチを押し、試験液の流れが途切れた瞬間にストップウォッチを停めるまで人手によって流下時間の測定がなされている。そこで静電容量式マットセンサーによる塗料等液体の流下時間の測定は、測定スタートボタンを押下しオリフィスから指を離した以降の自動化ついては、パネル電極S・E1・E2の電極全面に誘電体シートを両面接着テープで密着した一体形成の構造体と、パネル電極Sとパネル電極E1・E2の積層間の空気層が密閉されていない構造体は、容量変化(増減)させない構造体を構成し、唯一角スペーサの容量変化(増減)に限定した構造体によって、微少の流出量(加重)を0.1秒ごとに0.1pfの変化を高精度で正確な流下時間を検出できる塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー及び静電容量式測定器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、外皮カバーに覆われた弾性材料からなる正方形樹脂板の内側5mm巾全周をマスキング等により不導体とし、他の面を導電体で被覆した電極面に誘電体シートを両面接着テープで密着し、一体形成されたパネル電極S・パネル電極E1・パネル電極E2と前記のパネル電極S2面と対向するパネル電極E1・パネル電極E2間に弾性体角スペーサを内角4隅4個所と対角線上中央部1カ所に配置した構成と積層間の空気層が密閉されていない構造体と、パネル電極Eの底面にシールド電極Gを備えたことを特徴とする塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサーである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式重量センサーと、塗料等液体の流下時間の測定は、フローカップの下に設置の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサーを設置し、センサー上に受け容器を置き、フローカップのオリフィスから指を離すと同時にストップウォッチを押し、塗料の流れが途切れた瞬間にストップウォッチを停める作業によって測定が行われている。フローカップによる塗料等の微少の流出量の加重変化(増減)を0.1秒ごとに0.1pfの変化する単位を高精度で正確に検出した電気信号を外部機器へ送信する静電容量式測定器を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサーであって、前記のそれぞれの樹脂板は耐衝撃性、耐候性、帯電防止性、吸収性に加え弾性を有するポリカーボネート板等を用いて、100mmの正方形内側5mm巾全周を不導体とし、他の樹脂面を導電塗装等で形成されたパネル電極S・パネル電極E1・パネル電極E2が配備されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサーであって、前記のパネル電極S・パネル電極E1・パネル電極E2の5mm巾不導体部と電極面に誘電体シートを両面接着テープ0.01mm~0.03mm厚で完全密着することで、樹脂板不導体部、電極面、誘電体シート間の隙間や気泡等を排除することにより、パネル電極S・パネル電極E1・パネル電極E2を構成する樹脂板不導体部、電極面、誘電体シート間で起きる容量変化を一体型の構造体を形成することで防止することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサーであって、前記パネル電極Sを挟み、パネル電極Sの両面に対向して配置する一対のパネル電極E1・パネル電極E2との間に、内角四隅4ヶ所の不導体部に配置の弾性体正方形の角スペーサと対角線上の中央部1ヶ所に配置されたセンター角スペーサと、その角スペーサ間の空気層を密閉させない一体型構造体によって、微量で絶えず流出量の変化が伴う加重の変化を正確に検出する構造体を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサーであって、前記のフローカップの測定機器が金属製であることから外部からのノイズ等による容量変化の防止策として、パネル電極S・Eの外周5mm巾の不導体、パネル電極と誘電体シートとの一体型構造体やパネル電極Eの底部にアルミ板、銅板等でシールド電極Gとその外周をポリエステルシートやターポリンシート又は軟質塩ビニールシート等で覆う外皮カバー等を備えたことでノイズ等に強い構造体が具備されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
塗料等液体の流下時間の測定は、フローカップのオリフィスから指を離すと同時にストップウォッチを押し、試験液の流れが途切れた瞬間にストップウォッチを停めた間の流下時間の測定である。本発明によって、パネル電極S・Eに誘電体シートを両面接着テープで密着した一体型構造体と、電極間で唯一検出機能を有する弾性体角スペーサの配置と、角スペーサ間の空気層が密閉されていない構造体によって、微少な流量でも均一に圧縮変形する感知性、加重解除後の迅速な復元力や微少の流出量の加重変動を0.1秒ごとに0.1pf以上の変化する単位を高精度で正確に検出した電気信号を外部機器へ送信する静電容量式測定器によって、フローカップによる塗料等液体の流下時間を高精度に測定できる塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサーシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施の形態である塗料等液体の流下時間測定静電容量式マットセンサー10の平面図と、部材を構成する状態を示した図である。
【
図2】本発明の一実施の形態である塗料等液体の流下時間測定静電容量式マットセンサー10の断面図である。
【
図3】本発明の一実施の形態である塗料等液体の流下時間測定静電容量式マットセンサー10の各電極部と誘電体シートを両面粘着シートで密着した部材の構造体を示した図である。
【
図4】本発明の一実施の形態である流下時間を測定した塗料粘度47、開始判定閾値コマンド05(0.5pf)、終了判定閾値コマンド04で設定の測定時間65.2秒の測定データのグラフ図である。
【
図5】本発明の一実施の形態である静電容量の変化量81.6pf、と流下測定時間65.2秒の測定データのグラフ図である。
【
図6】本発明の一実施の形態である流下時間を測定した測定開始値326.8pfから開始判定閾値コマンド05(0.5pf)設定により、測定開始から0.5pf上昇の注入開始値327.3pfと注入停止値408.9pfを決定した終了判定閾値コマンド04による同一値409pfが4個以上の値により停止判定を示した測定データの値である。
【
図7】本発明の一実施の形態である流下時間を測定した塗料粘度100、終了判定閾値コマンド08で設定の測定時間108.2秒の測定データのグラフ図である。
【
図8】本発明の一実施の形態である静電容量の変化量93.8pf、流下測定時間108.2秒の測定データのグラフ図である。
【
図9】本発明の一実施の形態である流下時間を測定した測定開始値312.5pfから開始判定閾値コマンド05(0.5pf)の設定により、測定開始から0.5pf上昇の注入開始値313pfと注入停止値406.8pfを決定した終了判定閾値コマンド08による同一値406.9pfが8個以上の値により停止判定を示した測定データの値である。
【
図10】本発明の一実施の形態である流下時間を測定した塗料粘度100、終了判定閾値コマンド08で設定の測定時間109.5秒の計測データのグラフ図である。
【
図11】本発明の一実施の形態である変化量151.7pfで測定したデータの流下測定時間109.5秒の測定データのグラフ図である。
【
図12】本発明の一実施の形態である流下時間を測定した測定開始値266pfから開始判定閾値コマンド05(0.5pf)の設定により、測定開始から0.5pf上昇の注入開始値266.5pfと注入停止値418.1pfを決定した終了判定閾値コマンド08による同一値418.2pfが8個以上の値により停止判定を示した測定デーの値である。
【
図13】本発明の一実施の形態である流下時間を測定した塗料粘度、定閾値コマンド06で設定の測定時間111.9秒の計測データのグラフ図である。
【
図14】本発明の一実施の形態である変化量71.4pfで測定したデータの流下測定時間111.9秒の測定データのグラフ図である。
【
図15】本発明の一実施の形態である流下時間を測定した注入開始値314.2pfと注入停止値385.6pfを決定した終了判定閾値コマンド06による同一値385.7pfが6個以上の値により停止判定を示した測定データの値である。
【
図16】本発明の一実施の形態である流下時間の測定で、塗料等の流下時間測定用静電容量式マットセンサー値とストップウォッチ値との測定時間の差異について検証した測定データのグラフ図で、流下時間はマットセンサー測定値111.9秒に対し、ストップウォッチ測定値は、112.41秒で誤差は0.51秒であった。
【
図17】本発明の一実施の形態で使用したフローカップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施例の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明の一実施の形態である塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー10の平面図であり、
図2はその断面図である。
図3はパネル電極13S、パネル電極13E1、パネル電極13E2の電極面に誘電体シートを両面接着テープで完全密着し一体形成された断面図である。塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー10は、パネル電極13Sを挟み、パネル電極13E1(上側)、パネル電極13E2(下側)との間に取り付けられた角スペーサ16、17とパネル電極13E2の底面にシールド電極G18を備え、これらを覆う外皮カバー11等で構成されている。
【0015】
図2において、パネル電極13Sを挟み、パネル電極13Sとパネル電極13E1、E2の各電極面に誘電体シート14を両面接着テープ21で完全密着し、一体形成された構造体のパネル電極13S・パネル電極E1、パネル電極E2のリード線接続部20から引き出されたリード線19S、19E、19Gが外部側機器(図示していない)に接続される。
【0016】
図3は、パネル電極S・パネル電極E1、パネル電極E2は、各電極面に誘電体シートを両面接着テープ21で密着した構造体は、パネル電極13、誘電体シート14が一体形成された積層図である。パネル電極S・E間に弾性体角スペーサを内角4隅と対角線上の中央部に配置し、その積層間の空気層が密閉していない空気の流動的機能を有した構造体を形成している。この構造体にあって、角スペーサは、一片の長さによって感度(高低)の選択と唯一、加重による容量変化を角スペーサの配置と面積比によって、流下する塗料等液体の僅かな加重の変動を正確に測定可能な構造体が構築された。
【0020】
図4は、粘度47の塗料をフローカップによる流下時間の測定図である。
開始判定閾値コマンドは01~10(0.1pf~1.0pf)及び終了判定閾値コマンド01~10(0.1秒~1.0秒)の設定閾値に基づき、開始コマンド05(0.5pf)、終了コマンド04(0.4秒)の設定基準で流下時間を測定したデータ図である。
測定時間は0.1秒毎(100ms)で、測定開始ボタンを押下した時点の静電容量測定開始値(326.8pf)で開始値から0.5pf増加した時点が流下時間の測定開始値(注入開始)327.3pfである。終了コマンド04の設定値では、0.4秒間に4個以上の同一容量値が測定された時の前値の測定終了値(注入停止)408.9pf後に、修了ボタンを押下することで測定秒数65.2秒がディスプレイに表示され外部機器へ送信する。
【0021】
図5は、
図4の測定時間は0.1秒(100ms)毎に計測した流下時間の測定データで、注入開始時(327.3pf)から注入停止まで(408.9pf「変化量81.6pf」)の流下秒数の確定(65.2秒)した部分の測定データ図である。
【0022】
図6は、
図4に示した粘度47の塗料に於ける測定時間(0.1秒「100ms」毎の測定)の測定開始326.8pfより開始コマンド0.5(0.5pf)上昇値の注入開始値327.3pfから終了コマンド04(0.4pf)により、注入停止値408,9pfまでの測定時間65.2秒の測定データ値で、変化量は81.6pfである。
【0023】
図7は、粘度100の塗料をフローカップによる流下時間の測定図である。
開始コマンドは01~10(0.1pf~1.0pf)及び終了コマンド01~10(0.1秒~1.0秒)の設定閾値に基づき、開始コマンド05(0.5pf)、終了コマンド08(0.8秒)の設定基準で流下時間を測定したデータ図である。
測定時間は0.1秒(100ms)毎で、測定開始ボタンを押下した時点の静電容量測定開始値(312.5pf)で開始値から0.5pf増加した時点が流下時間の測定開始値(注入開始)313pfである。終了コマンド08の設定値では、0.8秒間に8個以上の同一容量値が測定された時の前値の測定終了値(注入停止)406.8pf後に、修了ボタンを押下することで測定秒数108.2秒がディスプレイに表示され外部機器へ送信する。
【0024】
図8は、
図7の測定時間は0.1秒(100ms)毎に測定した流下時間の測定データで、注入開始時(313pf)から注入停止まで(406.8pf「変化量93.8pf」)の流下秒数の確定(108.2秒)した部分の測定データ図である。
【0025】
図9は、
図8に示した粘度100の塗料に於ける測定時間(0.1秒「100ms」毎の測定)の測定開始312.5pfより開始コマンド05(0.5pf)上昇値の注入開始313pfから終了コマンド08(0.8pf)により、注入停止値406.8pfまでの測定時間108.2秒の開始コマンド及び終了コマンドの測定時のデータ値で、変化量は93.8pfある。
【0026】
図10は、開始コマンドは01~10(0.1pf~1.0pf)及び終了コマンド01~10(0.1秒~1.0秒)の設定閾値に基づき、開始コマンド05(0.5pf)、終了コマンド08(0.8秒)の設定基準で流下時間を測定したデータ図である。
測定時間は0.1秒(100ms)毎で、測定開始ボタンを押下した時点の静電容量測定開始値(266pf)で開始値から0.5pf増加した時点が流下時間の注入開始値266.5pfである。終了コマンド08の設定値では、0.8秒間に8個以上の同一容量値が測定された時の前値418.2pfの測定終了値(注入停止)418.1pf後に、修了ボタンを押下することで測定秒数109.5秒がディスプレイに表示され外部機器へ送信する。
【0027】
図11は、
図10の測定時間は0.1秒(100ms)毎に測定した流下時間の測定データで、注入開始時(266.5pf)から注入停止まで(418.1pf「変化量151.7pf」)の流下秒数の確定(109.5秒)した部分の測定データ図である。
【0028】
図12は、
図11に示した粘度100の塗料に於ける測定時間(0.1秒「100ms」毎の測定)の測定開始266pfより開始コマンド05(0.5pf)上昇値の注入開始266.5pfから終了コマンド08(0.8pf)により、注入停止値418.1pfまでの測定時間109.5秒の開始コマンド及び終了コマンドの計測時のデータ値で、変化量は151.7pfである。
【0029】
図13~
図16は、塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー測定値とストップウォッチ測定値との測定時間の差異について検証した測定データのグラフ図等である。
図13は、粘度?である塗料をフローカップによる流下時間の測定図で、開始コマンド05(0.5pf)、終了コマンド06(0.6秒)の設定基準で流下時間を測定したデータ図である。
測定時間は0.1秒(100ms)毎で、注入開始値314.2pfで、終了コマンド06の設定値で、0.6秒間に6個以上の同一容量値が計測された時の前値418.2pfの測定終了値(注入停止)385.6pf後に、修了ボタンを押下することで測定秒数111.9秒がディスプレイに表示され外部機器へ送信する。
【0027】
図14は、
図13の測定時間は0.1秒(100ms)毎に測定した流下時間の測定データで、注入開始時(314.2pf)から注入停止まで(385.6pf「変化量71.4pf」)の流下秒数の確定(111.9秒)した部分の測定データ図である。
【0028】
図15は、
図14に示した粘度100の塗料に於ける測定時間(0.1秒「100ms」毎の測定)の注入開始314.2pfから終了コマンド06(0.6pf)により、注入停止値385.6pfまでの測定時間111.9秒の開始コマンド及び終了コマンドの測定時のデータ値で、変化量は71.4pfである。
【0029】
図16は、マットセンサーとストップウォッチによる測定値の流下時間の対比写真で、マットセンサーのディスプレイの表示値は、111.9秒でストップウォッチの表示値は、0.01:52.
41(112.41秒)で誤差は、0.51秒である。
【0030】
図17は、流下時間測定で使用したフローカップの断面図である。
【0030】
(検証実験)
塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサーは、
図17の断面図に示すフローカップから流下する塗料等液体の流出開始と流出終了までの流下時間の測定は、正確に0.1秒「100ms」毎に0.1pfの変化を検出可能な静電容量式マットセンサーと静電容量式測定器の構築を目的に、静電容量式マットセンサーの感度を基本的に超高感度の構造体として、
図3で示すように各パネル電極S、E1、E2は誘電体シート14と一体型の構造体で、パネル電極13Sと13E間の積層間の空気層が密閉されていないことから、加重による空気の抵抗を受けない構造体である。依って、角スペーサのみが加重による唯一容量の変化を具備する機能を形成した塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサーでの性能を検証した。
フローカップ測定器を用いた塗料等液体の流下時間の検証は、
図4~6に於いては、開始判定閾値コマンド0.5、終了判定閾値コマンド04の設定値で、アクローゼ粘土47では測定時間は65.2秒であった。
図7~9は、開始判定閾値コマンド0.5、終了判定閾値コマンド10の設定値で、Vフロン粘土100の計測時間は108.2秒で、その差は、1.66倍であった。
図13~
図16は、塗料等の液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー測定値とストップウォッチ測定値との測定時間の差異について検証した測定データのグラフ図である。
図13は、アクローゼ塗料の保管時間が長かったことで、47より粘度が高くなっていたことで正規な粘度値は不明である。開始コマンド05(0.5pf)、終了コマンド06(0.6秒)の設定基準で流下時間を測定したデータで、測定時間は0.1秒毎(100ms)で、注入開始値314.2pfで、終了コマンド06の設定値で、0.6秒間に6個以上の同一容量値が計測された時の前値は385.7pfで、測定終了値(流出停止)385.6pfであった。
図4~6及び
図7~9についてはストップウォッチとの測定時間差は略同一であったが、ストップウォッチ記録が存在しなかったことから、改めて、
図13~
図16の流下時間の検証結果として、
図16に示すように、マットセンサーの流下時間は111.9秒に対し、ストップウォッチの流下時間は1.52
.41(112.41秒)で0.51秒差であったことが検証された。
【0031】
(比較実験)
角スペーサの体表面積比凡そ15.8mm
2と13mm
2によるセンサー感度の違いによる流下時間の相違について検証する。この比較実験において
図7~
図9と
図10~
図12に示すように、粘度100の塗料で開始判定閾値コマンド0.5、終了判定閾値コマンド08の同一測定条件で、変化量
図8が93.8pf、
図11は151.7pfでその差は、57.9pf/1.61倍の変化量の差異の条件下での測定である。
図8は、312.5pfが測定開始値で注入開始値は(測定開始)313pf、注入停止値は(計測停止)406.8pfで変化量は93.8pfで測定時間が108.2秒であった。
図11は、266pfが測定開始値で注入開始値は(測定開始)266.5pf、注入停止値は(計測停止)418.1pfで変化量は151.7pfで測定時間が109.5秒で、比較検証としては、
図8の変化量は、93.8pf、
図11の変化量は、151.7pfで1.61倍に対し、流下時間の差は1.3秒であった。
【符号の説明】
【0032】
10 塗料等液体の流下時間測定用静電容量式マットセンサー
11 外皮カバー(絶縁体)
12 絶縁体
13 13S、13E1、13E2、パネル電極
14 誘電体シート
15 15S 15E 電極部
16 内角スペーサ
17 センター角スペーサ
18 シールド電極G
19 リード線19S、19E、19G、
20 リード線接続部
21 両面接着テープ層
22 空気層
23 不導電体