(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028783
(43)【公開日】2025-03-03
(54)【発明の名称】画素定義層の製造方法
(51)【国際特許分類】
H10K 71/20 20230101AFI20250221BHJP
G03F 7/38 20060101ALI20250221BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20250221BHJP
H10K 59/173 20230101ALI20250221BHJP
H10K 71/12 20230101ALI20250221BHJP
H10K 71/40 20230101ALI20250221BHJP
H10K 50/86 20230101ALI20250221BHJP
H10K 85/10 20230101ALI20250221BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20250221BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20250221BHJP
G03F 1/00 20120101ALI20250221BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20250221BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20250221BHJP
【FI】
H10K71/20
G03F7/38
H10K59/122
H10K59/173
H10K71/12
H10K71/40
H10K50/86 865
H10K85/10
H10K85/60
G03F7/20 502
G03F7/20 501
G03F1/00 Z
G09F9/00 338
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024137870
(22)【出願日】2024-08-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0108644
(32)【優先日】2023-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2024-0110185
(32)【優先日】2024-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515127979
【氏名又は名称】ドク サン ネオルクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヘ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン ス
【テーマコード(参考)】
2H195
2H196
2H197
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H195BA07
2H196AA27
2H196AA28
2H196BA01
2H196BA05
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2H196EA02
2H196GA08
2H197BA11
2H197CA01
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2H197CA05
2H197CA06
2H197HA04
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
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3K107CC45
3K107DD89
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3K107FF15
3K107GG06
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3K107GG26
3K107GG28
5C094AA02
5C094AA37
5C094AA43
5C094BA27
5C094EC04
5C094FB01
5C094FB20
5C094JA08
5C094JA20
5G435AA04
5G435AA14
5G435AA17
5G435BB05
5G435FF14
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一度のコーティング;プリベーク;露光;現像工程を介して1つ以上の層を作って、工程時間を減らすことができる着色パターンを電極基板上に実現して、色が鮮明なだけでなくディスプレイ信頼性及び寿命を高める。
【解決手段】有機発光ダイオードパネルのPDLとCSの二層の工程を1つに統一して工程時間を短縮させ、half-toneの厚さを1.25ないし2.20μm、full-toneの厚さを3.20ないし3.40μmに管理して、蒸着時にメタルマスクによるスクラッチを減らすことができ、本発明による着色剤を含むとともに、現像工程まで終わった後のパターンの段差を作るためにフォトマスクのuv活性線透過率を0%(非露光部)、15~60%(Half-tone)、100%(Full-tone)の3つの区間に調節してパターンを形成することである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光性組成物を塗布及びコーティング;プリベーク;露光;現像;段階を含む画素定義層の製造方法であって、露光段階でフォトマスク透過率を0%(非露光部)、15~60%(Half-tone)及び100%(Full-tone)の3つの区間に分けて、1つ以上の層を作ることを特徴とする画素定義層の製造方法。
【請求項2】
前記露光及び現像段階を一度に行うことを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項3】
前記現像段階の後、Half-toneの厚さが1.25μm~2.20μmであることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項4】
前記現像段階の後、Full-toneの厚さが3.20μm~3.42μmであることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項5】
Full-toneの厚さに比べてHalf-toneの厚さの比率が30%以上80%以下であることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項6】
前記プリベーク段階のホットプレート温度が80℃~150℃であることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項7】
前記プリベーク段階が60秒~180秒間行われることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項8】
前記感光性組成物が着色剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項9】
前記感光性組成物がアクリル系バインダー樹脂、カルド系バインダー樹脂またはこれらの組み合わせを含むパターニング用樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項10】
前記感光性組成物が反応性不飽和化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項11】
前記感光性組成物が光開始剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項12】
請求項1により製造された画素定義層。
【請求項13】
請求項12による画素定義層を含む有機発光表示装置。
【請求項14】
前記画素定義層が画素電極上に形成される請求項13に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
請求項14の表示装置及び前記表示装置を駆動する制御部;を含む電子装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、感光性組成物を利用して発光表示装置の画素定義層を製造する方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
平板表示装置には液晶表示装置(LCD:Liquid crystal display device)、有機発光表示装置(OLED:Organic light emitting display device)などが広く使用されている。このうち、有機発光表示装置は低電力消費と速い応答速度、そして高色再現率、高輝度及び広い視野角などの長所を有している。
【0003】
前記有機発光表示装置の場合、外光が入射されてパネルから反射される光を遮断するために偏光フィルムを使用するが、前記偏光フィルムをフレキシブルデバイスに適用するには曲げ特性の不足により適していないという短所がある。
【0004】
前記問題点を解決するための方法として、カラーフィルタとブラックマトリックスだけでなく上部基板に光の遮断のための無機膜を形成する方法などが提案されている。しかしながら、前記方法は所望のレベルの反射防止効果を得るに限界があり、偏光フィルムを代替するための方法を具体的に提示していない。
【0005】
一方、着色パターンが赤色、緑色、青色カラーフィルタであって、液晶ディスプレイだけでなく、有機発光ディスプレイでも使用されている。
【0006】
前記着色パターンの製造の時、着色剤として色々な種類の有機顔料等だけでなくカーボンブラック及び無機顔料が使用され、これらが分散されている顔料分散液が他の組成物と混合されてパターンを形成するようになる。この場合、有機発光層が蒸着される前、蒸着用金属マスクを支持するためにフォトリソグラフィ工程が追加された後、蒸着工程が進まれる。
【0007】
このように形成された画素により作られた有機発光ディスプレイはより鮮明な色を実現することができる。しかし、着色パターンの上にまた他の支持層が形成されて工程時間(Tack time)が増加し、コーティング、露光、現像、熱硬化工程の追加によりパネルが損傷するため、アウトガス、ピクセル収縮(pixel shrinkage)と暗点(dark spot)、電極酸化などの問題が生じ、有機発光ディスプレイの寿命及び輝度が低下することになる。
【0008】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来技術の問題点を解決しようとして、本発明の一実現例は、パネルの損傷を減らすために、2つの層を作るための工程を1つの工程に統合して、工程時間が短い着色パターンを電極基板上に実現し、色相が鮮明なだけでなく、ディスプレイの信頼性及び寿命を高めるためのものである。
【0009】
すなわち、光を透過して硬化させるネガティブタイプのフォトマスクに一部区間の透過率を低めて照射量を異なるようにすると、現像後、照射量による硬化度に差が出ながらパターンに段差が形成され、一回の工程で2つの層を実現することが目的である。
【0010】
さらに他の一実現例は、前記方法で製造された画素定義層を含む有機発光表示装置を提供するためのものである。
【0011】
さらに他の一実現例は、前記有機発光表示装置を含む電子装置を提供するためのものである。
【0012】
〔課題の解決手段〕
本発明に係る画素定義層の製造方法は、感光性組成物を塗布及びコーティング;プリベーク;露光;現像;及び後熱処理;する段階を含み、露光段階でフォトマスク透過率が0%(非露光部)、15~60%(Half-tone)、及び100%(Full-tone)の3つの区間に分けて、1つ以上の層を作ることが好ましい。
【0013】
前記フォトマスト透過率は0%(非露光部)、20~50%(Half-tone)及び100%(Full-tone)であることがより好ましい。
【0014】
前記露光及び現像段階は、一度に行われることがより好ましい。
【0015】
前記露光段階で20mJ/cm2~400mJ/cm2の活性線を照射することが好ましい。
【0016】
前記露光段階で90ないし300mJ/cm2の活性線を照射することがより好ましい。
【0017】
前記プリベーク段階のホットプレート温度が80℃~150℃であることが好ましい。
【0018】
前記プリベーク段階のホットプレート温度が90℃~120℃であることがより好ましい。
【0019】
前記プリベーク段階が60秒~180秒間行われることが好ましい。
【0020】
前記プリベーク段階が100秒~150秒間行われることがより好ましい。
【0021】
前記現像段階後、Half-toneの厚さが1.25~2.20μmであることが好ましい。
【0022】
前記現像段階後、Half-toneの厚さが1.40~2.00μmであることがより好ましい。
【0023】
前記現像段階後、Full-toneの厚さが3.20~3.42μmであることが好ましい。
【0024】
前記現像段階後、Full-toneの厚さが3.25~3.35μmであることがより好ましい。
【0025】
前記感光城組成物は、着色剤を含むことが好ましい。
【0026】
前記着色剤は、無機染料、有機染料、無機顔料、及び有機顔料のうち、1つ以上を含むことが好ましい。
【0027】
前記着色剤は、感光性組成物総量に対して1~40重量%で含まれることが好ましい。
【0028】
前記着色剤は、分散剤;または水溶性無機塩及び湿潤剤;を用いて前処理されることが好ましい。
【0029】
前記着色剤の平均粒径は20nmないし110nmであることが好ましい。
【0030】
前記感光性組成物は、アクリル系バインダー樹脂、カルド系バインダー樹脂、またはこれらの組み合わせを含むパターニング用樹脂を含むことが好ましい。
【0031】
前記アクリル系バインダー樹脂の重量平均分子量は、3,000g/mol~150,000g/molであることが好ましい。
【0032】
前記カルド系バインダー樹脂は、下記の化学式1の繰り返し構造を含むことが好ましい。
【0033】
【0034】
前記化学式1において、
【0035】
1)R1及びR2は互いに独立的に、水素;重水素;ハロゲン;C6~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C1~C20のアルキル基;C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基:C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0036】
2)R1及びR2は隣接した基同士で環を形成することができ、
【0037】
3)m又はnは互いに独立的に0~4の整数であり、
【0038】
4)A1及びA2は互いに独立的に下記の化学式2又は化学式3であり、
【0039】
【0040】
【0041】
前記化学式2及び化学式3において、
【0042】
4-1)*は連結部位を示し、
【0043】
4-2)R3~R6は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C6~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30の脂肪族環と芳香族環の融合環基;C1~C20のアルキル基;C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基:C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0044】
4-3)R3~R6は隣接する基同士で環を形成することができ、
【0045】
4-4)Y1及びY2は互いに独立的に下記の化学式6又は化学式7であり、
【0046】
【0047】
【0048】
前記化学式6及び化学式7において、
【0049】
4-4-1)*は結合位置を示し、
【0050】
4-4-2)R9は水素またはメチルであり、
【0051】
4-4-3)R10~R13は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C6~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C1~C20のアルキル基;C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基;C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0052】
4-4-4)L1~L3は互いに独立的に単一結合;フルオレニレン基;C2~C30のアリレン;C2~C30のヘテロ環;C1~C30のアルコキシレン;C2~C30のアルキレンオキシ;C6~C30アリールオキシ基;C2~C30のポリエチレンオキシ基であり、
【0053】
4-4-5)q及びrは互いに独立的に0~3の整数であり;ただし、q+r=3であり、
【0054】
5)化学式1で表示される繰り返し単位を含む樹脂の高分子鎖内にA1とA2の比率は9:1~1:9であり、
【0055】
6)X1は単一結合;O;CO;SO2;CR’R”;SiR’R”;下記の化学式4;または化学式5であり、
【0056】
6-1)R’及びR”は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C6~C30のアリール基、O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環の融合環基;C1~C20のアルキル基;C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基:C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0057】
(6-2)R’及びR”は隣接した基同士で環を形成することができ、
【0058】
【0059】
【0060】
前記化学式4及び化学式5において、
【0061】
6-3)*は結合位置を示し、
【0062】
6-4)R7~R8は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C6~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環の融合環基;C1~C20のアルキル基;C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基;C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0063】
6-5)o及びpは互いに独立的に0~4の整数であり、
【0064】
7)X2は、C6~C30のアリール基、O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基、C6~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基、C1~C20のアルキル基、C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基;C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0065】
8)前記R’、R”、X2、L1~L3、R1~R8及びR10~R13は、それぞれ重水素;ハロゲン;C1~C30のアルキル基又はC6~C30のアリール基で置換又は非置換シラン基;シロキサン基;ホウ素基;ゲルマニウム基;シアノ基;アミノ基;ニトロ基;C1~C30のアルキルチオ基;C1~C30のアルコキシ基;C6~C30のアリールアルコキシ基;C1~C30のアルキル基、C2~C30のアルケニル基;C2~C30のアルキニル基;C1~C30のアリール基;重水素で置換されたC6~C30のアリール基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPからなる群から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C3~C30の脂肪族環基;C7~C30のアリールアルキル基;C8~C30のアリールアルケニル基;及びこれらの組み合わせからなる群から選択された1つ以上の置換基でさらに置換されることができ、隣接した置換基同士で環を形成することができる。
【0066】
前記カルド系樹脂の重量平均分子量は1,000~100,000g/molであることが好ましい。
【0067】
前記カルド系樹脂は、前記感光性組成物の総量に対して1~30重量%で含まれることが好ましい。
【0068】
前記感光性組成物は、その総量に対して1~40重量%の反応性不飽和化合物を含むことが好ましい。
【0069】
前記感光性組成物は、その総量に対して0.01~10重量%の光開始剤を含むことが好ましい。
【0070】
また他の具体例として、本発明は前記製造方法により製造された画素定義層を提供することが好ましい。
【0071】
また他の具体例として、本発明は前記画素定義層を含む有機発光表示装置を提供することが好ましい。
【0072】
前記画素定義層は、有機発光表示装置に含まれる画素電極の上に形成されることが好ましい。
【0073】
また他の具体例として、本発明は前記表示装置及び前記表示装置を駆動する制御部;を含む電子装置を提供することが好ましい。
【0074】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、本発明による有機発光表示装置を概略的に示した図である。
【0075】
〔発明の効果〕
本発明は、2つのパターニング工程を1つに統合して段差を形成する着色パターンを電極基板上に実現して、色相が鮮明なだけでなく、ディスプレイの信頼性及び寿命を高めるためのものである。すなわち、露光及び現像工程後、画素分離層とメタルマスク支持層とを一度に形成して、工程時間短縮及び追加の現像工程及び後熱処理工程によるパネルの損傷を最小化し、画素収縮(pixel shrinkage)を防止して輝度減少と寿命減少を最小化するものである。
【0076】
〔発明を実施するための形態〕
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加する時、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示されていてもできる限り同一の符号を有する。
【0077】
本発明に関する説明において、関連した公知構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明は省略してもよい。本明細書において言及された「含む」、「有する」、「成る」などが使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が追加されてもよい。構成要素を単数で表現した場合に特別な明示的な記載事項がない限り、複数を含む。
【0078】
また、本発明の構成要素に関する説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により当該構成要素の本質、順番、順序又は個数などが限定されない。
【0079】
構成要素の位置関係の説明において、2つ以上の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されると記載されている場合、2つ以上の構成要素が直接的に「連結」、「結合」または「接続」されることもあるが、2つ以上の構成要素と他の構成要素がさらに「介在」されて「連結」または「接続」されることもあると理解しなければならない。ここで、他の構成要素は互いに「連結」、「結合」または「接続」される2つ以上の構成要素の1つ以上に含まれてもよい。
【0080】
また、層、膜、領域、板などの構成要素が他の構成要素「の上に」または「上に」あるとする場合、これは他の構成要素の「真上に」ある場合だけでなく、その中間に別の構成要素がある場合も含むと理解されるべきである。逆に、ある構成要素が他の部分の「真上に」あるという場合には、中間にまた別の部分がないことを意味すると理解されるべきである。
【0081】
構成要素や、動作方法や製作方法などに関連した時間的な流れ関係の説明において、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などと時間的な前後関係または流れ的な前後関係が説明される場合、「直ちに」または「直接」が使用されない限り連続的でない場合も含まれる。
【0082】
一方、構成要素に対する数値又はその対応情報が言及された場合、別途の明示的記載がなくても、数値又はその対応情報は各種要因(例:工程上の要因、内部又は外部衝撃、ノイズなど)により発生しうる誤差範囲を含むものと解釈できる。
【0083】
本明細書及び添付の請求の範囲において使用された用語は、本発明の思想を逸脱しない範囲内で、他に言及しない限り下記の通りである。
【0084】
本出願において使用された用語「ハロ」または「ハロゲン」は、別の説明がない限りフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、及びヨウ素(I)を含む。
【0085】
本出願において使用された用語「アルキル」または「アルキル基」は、別の説明がない限り単一結合で連結された1~60の炭素を有し、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環族)基、アルキル-置換されたシクロアルキル基、シクロアルキル-置換されたアルキル基をはじめとする飽和脂肪族作用基のラジカルを意味する。
【0086】
本出願において使用された用語「ハロアルキル基」または「ハロゲンアルキル基」は、別の説明がない限りハロゲンが置換されたアルキル基を意味する。
【0087】
本出願において使用された用語「アルケニル」または「アルキニル」は、別の説明がない限りそれぞれ二重結合または三重結合を有し、直鎖型または側鎖型鎖基を含み、2~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。
【0088】
本出願において使用された用語「シクロアルキル」は別の説明がない限り3~60の炭素数を有する環を形成するアルキルを意味し、これに限定されるものではない。
【0089】
本出願において使用された用語「アルコキシ基」または「アルキルオキシ基」は酸素ラジカルが結合されたアルキル基を意味し、別の説明がない限り1~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。
【0090】
本出願において使用された用語「アルケンオキシル基」、「アルケンオキシ基」、「アルケニルオキシル基」、または「アルケニルオキシ基」は酸素ラジカルが付着したアルケニル基を意味し、別の説明がない限り2~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。
【0091】
本出願において使用された用語「アリール基」及び「アリーレン基」は、別の説明がない限りそれぞれ6~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。本出願においてアリール基またはアリーレン基は単一環形、環集合体、接合された複数の環系化合物などを含む。例えば、前記アリール基はフェニル基、ビフェニルの1価作用基、ナフタレンの1価作用基、フルオレニル基、置換されたフルオレニル基を含み、アリーレン基はフルオレニレン基、置換されたフルオレニレン基を含む。
【0092】
本出願において使用された用語「環集合体(ring assemblies)」は、2つ又はそれ以上の環系(単一環または接合された環系)が単一結合または二重結合により互いに直接連結されており、このような環間の直接連結の数がその化合物に入っている環系の総数より1つ少ないことを意味する。環集合体は同一または異なる環系が単一結合や二重結合により互いに直接連結されることができる。
【0093】
本出願においてアリール基は環集合体を含むので、アリール基は単一芳香族環であるベンゼン環が単一結合により連結されたビフェニル、ターフェニルを含む。また、アリール基は芳香族単一環と接合された芳香族環系が単一結合により連結された化合物も含むので、例えば、芳香族単一環であるベンゼン環と接合された芳香族環系であるフルオレンが単一結合により連結された化合物も含む。
【0094】
本出願において使用された用語「接合された複数の環系」は、少なくとも2つの原子を共有する接合された(fused)環形態を意味し、2つ以上の炭化水素類の環系が接合された形態及び少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環系が少なくとも1つ接合された形態などを含む。このような接合された複数の環系は、芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環またはこれらの環の組み合わせであってもよい。例えば、アリール基の場合、ナフタレニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基などになるが、これに限定されるものではない。
【0095】
本出願において使用された用語「スピロ化合物」は「スピロ連結(spiro union)」を有し、スピロ連結は2つの環が1つの原子のみを共有することにより成る連結を意味する。この時、2つの環に共有された原子を「スピロ原子」といい、1つの化合物に入っているスピロ原子の数に応じてこれらをそれぞれ「モノスピロ-」、「ダイスピロ-」、「トライスピロ-」化合物という。
【0096】
本出願において使用された用語「フルオレニル基」、「フルオレニレン基」、「フルオレントリイル基」は、別の説明がない限り、それぞれ下記の構造においてR、R’、R”及びR’”が全て水素である1価、2価または3価の作用基を意味し、「置換されたフルオレニル基」、「置換されたフルオレニレン基」または「置換されたフルオレントリイル基」は置換基R、R’、R”及びR’”のうち少なくとも1つが水素以外の置換基であることを意味し、RとR’が互いに結合されてこれらが結合された炭素とともにスピロ化合物を形成した場合を含む。本明細書においては、1価、2価、3価などの価数と関係なく、フルオレニル基、フルオレニレン基、フルオレントリイル基を全てフルオレン基と命名することもできる。
【0097】
【0098】
また、前記R、R’、R”及びR’”はそれぞれ独立的に、1~20の炭素数を有するアルキル基、1~20の炭素数を有するアルケニル基、6~30の炭素数を有するアリール基、2~30の炭素数を有するヘテロ環基であり、例えば、前記アリール基は、フェニル、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン又はフェナントレンであり、前記ヘテロ環基は、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール,イミダゾール、トリアゾール、ピリジン,ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、インドール、ベンゾフランキナゾリン、キノキサリンであり得る。例えば、前記置換されたフルオレニル基及びフルオレニレン基は、それぞれ9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジフェニルフルオレン及び9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]の1価作用基または2価作用基であり得る。
【0099】
本出願において使用された用語「ヘテロ環基」は「ヘテロアリール基」または「ヘテロアリーレン基」のような芳香族環だけでなく非芳香族環も含み、別の説明がない限りそれぞれ1つ以上のヘテロ原子を含む炭素数2~60の環を意味するが、これに限定されるものではない。本出願において使用された用語「ヘテロ原子」は別の説明がない限りN、O、S、PまたはSiを示し、ヘテロ環基はヘテロ原子を含む単一環形、環集合体、接合された複数の環系、スピロ化合物などを意味する。
【0100】
例えば、「ヘテロ環基」は環を形成する炭素の代わりに、下記化合物のようにSO2、P=Oなどのヘテロ原子団を含む化合物も含んでもよい。
【0101】
【0102】
本出願において使用された用語「環」は単一環及び多環を含み、炭化水素環はもちろん少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環を含み、芳香族及び非芳香族環を含む。
【0103】
本出願において使用された用語「多環」はビフェニル、ターフェニルなどの環集合体(ring assemblies)、接合された(fused)複数の環系及びスピロ化合物を含み、芳香族だけでなく非芳香族も含み、炭化水素環はもちろん少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環を含む。
【0104】
本出願において使用された用語「脂肪族環基」は芳香族炭化水素を除いた環状炭化水素を意味し、単一環形、環集合体、接合された複数の環系、スピロ化合物などを含み、別の説明がない限り炭素数3~60の環を意味するが、これに限定されるものではない。例えば、芳香族環であるベンゼンと非芳香族環であるシクロヘキサンが融合した場合にも脂肪族環に該当する。
【0105】
また、接頭辞が連続して命名される場合、記載された順で置換基が羅列されることを意味する。例えば、アリールアルコキシ基の場合、アリール基で置換されたアルコキシ基を意味し、アルコキシカルボニル基の場合、アルコキシ基で置換されたカルボニル基を意味し、また、アリールカルボニルアルケニル基の場合、アリールカルボニル基で置換されたアルケニル基を意味し、ここで、アリールカルボニル基はアリール基で置換されたカルボニル基である。
【0106】
また、明示的な説明がない限り、本出願において使用された用語「置換または非置換された」において「置換」は重水素、ハロゲン、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C1~C30のアルキル基、C1~C30のアルコキシ基、C1~C30のアルキルアミン基、C1~C30のアルキルチオフェン基、C6~C30のアリールチオフェン基、C2~C30のアルケニル基、C2~C30のアルキニル基、C3~C30のシクロアルキル基、C6~C30のアリール基、重水素で置換されたC6~C30のアリール基、C8~C30のアリールアルケニル基、シラン基、ホウ素基、ゲルマニウム基、及びO、N、S、Si及びPからなる群から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されることを意味し、これらの置換基に限定されるものではない。
【0107】
本出願において各記号及びその置換基の例として例示されるアリール基、アリーレン基、ヘテロ環基などに該当する「作用基名称」は、「価数を反映した作用基の名称」を記載することもできるが、「母体化合物名称」として記載することもできる。例えば、アリール基の一種である「フェナントレン」の場合、1価の「基」は「フェナントリル(基)」、2価の基は「フェナントリレン(基)」などのように価数を区分して基の名前を記載することもできるが、価数と関係なく母体化合物名称である「フェナントレン」と記載することもできる。
【0108】
同様に、ピリミジンの場合も、価数に関係なく「ピリミジン」と記載するか、1価の場合はピリミジニル(基)と、2価の場合にはピリミジニレン(基)などのように当該価数の「基の名前」として記載することもできる。従って、本出願において置換基の種類を母体化合物名称に記載する場合、母体化合物の炭素原子及び/又はヘテロ原子と結合している水素原子が脱離されて形成されるn価の「基」を意味し得る。
【0109】
また、本明細書においては化合物名称や置換基名称を記載するにおいて、位置を表示する数字やアルファベットなどは省略する場合もある。例えば、ピリド[4,3-d]ピリミジンをピリドピリミジンに、ベンゾフロ[2,3-d]ピリミジンをベンゾフロピリミジンに、9,9-ジメチル-9H-フルオレンをジメチルフルオレンなどのように記載することもできる。従って、ベンゾ[g]キノキサリンやベンゾ[f]キノキサリンを両方ともベンゾキノキサリンと記載することができる。
【0110】
また、明示的な説明がない限り、本出願において使用される化学式は下記化学式の指数定義による置換基定義と同様に適用される。
【0111】
【0112】
ここで、aが0の整数である場合、置換基R1は存在しないことを意味するが、すなわち、aが0である場合はベンゼン環を形成する炭素に全て水素が結合されたことを意味し、この時、炭素に結合された水素の表示を省略し、化学式や化合物を記載してもよい。また、aが1の整数である場合、1つの置換基R1はベンゼン環を形成する炭素のうちいずれか1つの炭素に結合し、aが2または3の整数である場合、例えば、以下のように結合でき、aが4~6の整数である場合も、これと類似した方式でベンゼン環の炭素に結合し、aが2以上の整数である場合、R1は互いに同一であるか異なることもある。
【0113】
【0114】
本出願において別の説明がない限り、環を形成するということは、隣接する基が互いに結合して単一環または接合された複数の環を形成することを意味し、単一環及び形成された接合された複数の環は、炭化水素環はもちろん少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環を含み、芳香族及び非芳香族環を含む。
【0115】
また、本明細書において別の説明がない限り、縮合環を表示する時、「数字-縮合環」において数字は縮合される環の個数を示す。例えば、アントラセン、フェナントレン、ベンゾキナゾリンなどのように3つの環が互いに縮合した形態は3-縮合環と表記できる。
【0116】
一方、本出願において使用された用語「架橋環化合物(bridged bicyclic compound)」は別の説明がない限り、2つの環が3つ以上の原子を共有して環を形成した化合物をいう。この時、共有する原子は炭素またはヘテロ原子を含む。
【0117】
本出願において有機電気素子は、正極と負極の間の構成物(ら)を意味するか、正極と負極、そしてその間に位置する構成物(ら)を含む有機発光ダイオードまたは有機発光表示装置を意味することもできる。
【0118】
また、場合によっては、本出願においての表示装置は、有機電気素子、有機発光ダイオードとこれを含むパネルを意味するか、パネルと回路を含む電子装置を意味し得る。ここで、例えば、電子装置は、照明装置、太陽電池、携帯またはモバイル端末(例:スマートフォン、タブレット、PDA、電子辞書、PMPなど)、ナビゲーション端末、ゲーム機、各種TV、各種コンピュータモニターなどを全て含んでもよく、これに制限されることなく、前記構成物(ら)を含みさえすればいかなる形態の装置であってもよい。
【0119】
以下、本発明の実現例を詳しく説明する。ただし、これは例として提示されるもので、これにより本発明が制限されることではなく、本発明は後述する請求範囲の範疇により定義されるだけである。
【0120】
本発明の一実現例による着色剤(colorant)を含む組成物は、赤色パターン、緑色パターン、青色パターンまたはブラックマトリックス、画素定義層(PDL)を製造するために使用される。
【0121】
本発明の一実現例によるブラック画素定義層(PDL)は、前述の着色剤に含まれた色材以外の追加色材として有機ブラック顔料またはブラック染料をさらに含んでもよい。例えば、有機顔料を単独で使用するか、有機顔料と着色顔料を混合して使用することができ、この時、遮光性が不足している着色顔料を混合するため、相対的に色材の量が増加しても膜(層)の強度または基板に対する密着性が低下しない長所がある。本発明の一実現例によるネガティブ画素定義層(Negative PDL(Pixel define layer))は、前述の着色剤に含まれた色材の代わりに追加色材としてブラック顔料またはブラック染料を含んでもよい。
【0122】
以下において、各構成要素について具体的に説明する。
【0123】
1.ネガティブ画素定義層の製造工程は次のようである。
【0124】
(1)塗布及びコーティング段階
【0125】
感光性組成物は低粘度液状試料であり、基材に塗布した後に一定厚さでコーティングするためにスピンコーターまたはスリットコーターを使用する。スピンコーターは回転数が速いほど厚さは減るが、面積での平坦度偏差は減少する長所があり、大面積基材にコーティングをするためにはスピンコーターよりスリットコーターが好ましい。コーティングの後、残留している溶媒により表面に流動性を帯びるようになり、これにより、平坦性が悪くなる短所があり、これを克服するためにVCD(vacuum chamber dry)を使用して溶媒の一部を除去することにより表面での流動性をが低くする。
【0126】
(2)プリベーク段階
【0127】
前記コーティングされた基材を一定温度及び時間でホットプレートまたはオーブンで加熱してコーティング膜に含まれた溶媒の一部を除去する工程である。コーティング膜の表面または深部が乾燥しないと、次の工程で露光時にフォトマスクの汚染が発生し、紫外線光照射時に露光部に硬化がうまく行われなくなり、未硬化により現像工程でパターンが形成されずに除去される。
【0128】
(3)露光段階
【0129】
前記プリベーク工程が終了すると、パターンが形成されたフォトマストを利用して活性線(紫外線)を照射して形成された膜を硬化させる工程である。活性線を発生するランプの種類はLEDランプまたは金属(水銀)ランプがあり、波長はg-line(436nm)、h-line(405nm)、i-line(365nm)、Deep UV(<260nm)があり、それぞれまたは混合して使用可能である。
【0130】
(4)現像段階
【0131】
前記露光段階で活性線照射時にフォトマスクにより露光部と非露光部に区分され、ポジティブ型(Positive type)の場合、露光部は現像液により溶けるようになり、非露光部は現像液に耐えてパターンが残る。ネガティブ型(Negative type)の場合、露光部は硬化して現像液に抵抗を有し、非露光部が現像される。本発明の着色剤を含む組成物で製造されるブラック画素定義層(Black PDL)はネガティブ型であり、露光部(硬化)、非露光部(現像)に区分されてパターンが形成される。
【0132】
2.着色剤を含むネガティブ画素定義層を形成する組成物は下記の通りである。
【0133】
(1)パターニング用樹脂
【0134】
本発明の一実施例によるパターニング用樹脂は、アクリル系バインダー樹脂、カルド系バインダー樹脂、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0135】
前記アクリル系バインダー樹脂は、第1エチレン性不飽和単量体及びこれと共重合可能な第2エチレン性不飽和単量体の共重合体であって、1つ以上のアクリル系繰り返し単位を含む樹脂である。
【0136】
前記第1エチレン性不飽和単量体は、1つ以上のカルボキシ基を含むエチレン性不飽和単量体であり、その具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸またはこれらの組み合わせがある。前記第1エチレン性不飽和単量体は、前記アクリル系バインダー樹脂の総量に対して5重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%で含まれてもよい。
【0137】
前記第2エチレン性不飽和単量体は、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルメチルエーテルなどの芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリルレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリルレート、フェニル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボキシ酸エステル化合物;2-アミノエチル(メタ)アクリルレイト、2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボキシ酸アミノアルキルエステル化合物、酢酸ビニルなどのカルボキシ酸ビニルエステル化合物、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボキシ酸グリシジルエステル化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミド化合物;が挙げられ、これらを単独で又は2つ以上混合して使用することができる。
【0138】
前記アクリル系バインダー樹脂の具体的な例としては、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。これらを単独または2種以上を配合して使用してもよい。前記アクリル系バインダー樹脂の重量平均分子量は3,000g/mol~150,000g/mol、例えば、5,000g/mol~50,000g/mol、例えば、20,000g/mol~30,000g/molであり得る。
【0139】
カルド系樹脂は、下記化学式1のような繰り返し構造を含む。
【0140】
【0141】
前記化学式1において、
【0142】
1)R1及びR2は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C6~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C1~C20のアルキル基;C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基;C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基;カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0143】
2)R’及びR”は隣接した基同士で環を形成することができ、
【0144】
3)m又はnは互いに独立的に0~4の整数であり、
【0145】
4)A1及びA2は互いに独立的に下記化学式2又は化学式3であり、
【0146】
【0147】
【0148】
前記化学式2及び化学式3において、
【0149】
4-1)*は連結部位を示し、
【0150】
4-2)R3~R6は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C6~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環の融合環基;C1~C20のアルキル基、C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基;C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0151】
4-3)R3~R6は隣接する基同士で環を形成することができ、
【0152】
4-4)Y1及びY2は互いに独立的に下記化学式6又は化学式7であり、
【0153】
【0154】
【0155】
前記化学式6及び化学式7において、
【0156】
4-4-1)*は結合位置を示し、
【0157】
4-4-2)R9は水素またはメチルであり、
【0158】
4-4-3)R10~R13は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C6~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロを含むC2~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環の融合環基;C1~C20のアルキル基、C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基;C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0159】
4-4-4)L1~L3は、互いに独立的に単一結合;フルオレニレン基;C2~C30のアルキレン;C6~C30のアリレン;C2~C30のヘテロ環;C1~C30のアルコキシレン;C2~C30のアルキレンオキシ;C6~C30のアリールオキシ基;C2~C20のポリエチレンオキシ基であり、
【0160】
4-4-5)q及びrは互いに独立的に0~3の整数であり、ただし、q+r=3であり、
【0161】
5)化学式1で表示される繰り返し単位を含む樹脂の高分子鎖内にA1とA2の比率は9:1~1:9であり、
【0162】
6)X1は単一結合;O;CO;SO2;CR’R”;SiR’R”;下記化学式4;又は化学式5であり、
【0163】
6-1)R’及びR”は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C6~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C1~C20のアルキル基;C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基;C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0164】
6-2)R’及びR”は隣接した基同士で環を形成することができ、
【0165】
【0166】
【0167】
前記化学式4及び5において、
【0168】
6-3)*は結合位置を示し、
【0169】
6-4)R7~R8は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C6~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C1~C20のアルキル基;C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基;C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0170】
6-5)o及びpは互いに独立的に0~4の整数であり、
【0171】
7)X2はC6~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C1~C20のアルキル基;C2~C20のアルケニル基;C2~C20のアルキニル基;C1~C20のアルコキシ基;C6~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC1~C20のアルコキシカルボニル基であり、
【0172】
8)前記R’、R”、X2、L1~L3、R1~R8及びR10~R13はそれぞれ重水素;ハロゲン;C1~C30のアルキル基又はC6~C30のアリール基で置換又は非置換されたシラン基;シロキサン基;ホウ素基;ゲルマニウム紀;シアノ基;アミノ基;ニトロ基;C1~C30のアルキルチオ基;C1~C30のアルコキシ基;C6~C30のアリールアルコキシ基;C1~C30のアルキル基;C2~C30のアルケニル基;C2~C30のアルキニル基;C6~C30のアリール基;重水素で置換されたC6~C30のアリール基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPからなる群から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C30のヘテロ環基;C3~C30の脂肪族環基;C7~C30のアリールアルキル基;C8~C30のアリールアルケニル基;及びこれらの組み合わせからなる群から選択された1つ以上の置換基でさらに置換されることができ、隣接する置換基同士で環を形成することができる。
【0173】
前記R’、R”、X2、L1~L3、R1~R8及びR10~R13がアリール基である場合、好ましくは、C6~C30のアリール基、より好ましくはC6~C18のアリール基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ターフェニルなどであり得る。
【0174】
前記R’、R”、X2、L1~L3、R1~R8及びR10~R13がヘテロ環基である場合、好ましくは、C2~C30のヘテロ環基、より好ましくは、C2~C18のヘテロ環基、例えば、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ナフトベンゾチオフェン、ナプトベンゾフランなどであり得る。
【0175】
前記R’、R”、R1~R8及びR10~R13がフルオレニル基である場合、好ましくは9,9-ジメチル-9H-フルオレン、9,9-ジフェニル-9H-フルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレンなどであり得る。
【0176】
前記L1~L3がアリーレン基である場合、好ましくは、C6~C30のアリーレン基、よりに好ましくは、C6~C18のアリーレン基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ターフェニルなどであってもよい。
【0177】
前記R’、R”、X2、R1~R8及びR10~R13がアルキル基である場合、好ましくは、C1~C10のアルキル基であり、例えば、メチル、t-ブチルなどであり得る。
【0178】
前記R’、R”、X2、R1~R8及びR10~R13がアルコキシ基である場合、好ましくは、C1~C20のアルコキシ基、より好ましくは、C1~C10のアルコキシ基、例えば、メトキシ、t-ブトキシなどであり得る。
【0179】
前記R’、R”、X2、L1~L3、R1~R8及びR10~R13の隣接する基同士が互いに結合して形成された環は、C6~C60の芳香族環基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC2~C60のヘテロ環基;またはC3~C60の脂肪族環基であり、例えば、隣接する基同士が互いに結合して芳香族環を形成する場合、好ましくは、C6~C20の芳香族環、より好ましくは、C6~C14の芳香族環、例えば、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレンなどを形成することができる。
【0180】
前記カルド系樹脂は、例えば、9,9-ビス(4-オキシラニルメトキシフェニル)フルオレンなどのフルオレン含有化合物;ベンゼンテトラカルボキシル酸ジ無水物、ナフタレンテトラカルボキシル酸ジ無水物、ビフェニルテトラカルボキシル酸ジ無水物、ベンゾフェノンテトラカルボキシル酸ジ無水物、ピロメリティックジ無水物、シクロブタンテトラカルボキシル酸ジ無水物、ペリレンテトラカルボキシル酸ジ無水物、テトラヒドロフランテトラカルボキシル酸ジ無水物、テトラヒドロフタル酸無水物などの無水物化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどのアルコール化合物;プロピレングリコールメチルエチルアセテート、N-メチルピロリドンなどの溶媒類化合物;トリフェニルホスフィンなどのリン化合物;及びテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジエチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなどのアミン又はアンモニウム塩化合物のうち2つ以上を混合して製造することができる。
【0181】
前記カルド系樹脂の重量平均分子量は、1,000~100,000g/molであり、好ましくは、1,000~50,000g/mol、より好ましくは、1,000~30,000g/molであり得る。前記樹脂の重量平均分子量が前記範囲内である場合、遮光層製造時に残渣なしにパターン形成がうまく行われ、現像時に膜厚の損失がなく、良好なパターンを得ることができる。前記樹脂は前記感光性樹脂組成物総量に対して1~30重量%、より好ましくは3~20重量%で含まれてもよい。前記樹脂が前記範囲内に含まれる場合、優れた感度、現像性及び付着性(密着性)を得ることができる。
【0182】
(2)反応性不飽和化合物
【0183】
ネガパターンに必ず必要な反応性不飽和化合物はエチレン性不飽和二重結合を有することにより、パターン形成工程において露光時に十分な重合を起こして耐熱性、耐光性及び耐化学性に優れたパターンを形成することができる。
【0184】
前記反応性不飽和化合物の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールAエポキシアクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリペンタエリトリトールオクタアクリレートなどが挙げられる。
【0185】
市販中の前記反応性不飽和化合物の製品の例は、次のようである。
【0186】
前記(メタ)アクリル酸の2官能エステルの例としては、東亞合成化学工業(株)のアロニックスM-210、M-240、M-6200などと;日本化薬(株)のKAYARAD HDDA、HX-220、R-604などと;大阪有機化学工業(株)のV-260、V-312、V-335HPなどが挙げられる。
【0187】
前記(メタ)アクリル酸の3官能エステルの例としては、東亞合成化学工業(株)のアロニックスM-309、M-400、M-405、M-450、M-7100、M-8030、M-8060などと;日本化薬(株)のKAYARAD TMPTA、DPCA-20、DPCA-60、DPCA-120などと;大阪有機化学工業(株)のV-295、V-300、V-360などが挙げられる。
【0188】
前記製品を単独使用または2種以上をともに使用することができる。
【0189】
前記反応性不飽和化合物は、より優れた現像性を付与するために酸無水物で処理して使用することもできる。前記反応性不飽和化合物は、前記感光性樹脂組成物総量に対して1~40重量%、例えば、1~20重量%で含まれてもよい。前記反応性不飽和化合物が前記範囲内で含まれる場合、パターン形成工程において露光時に硬化が十分に起きて信頼性に優れ、パターンの耐熱性、耐光性及び耐化学性に優れ、解像度及び密着性にも優れている。
【0190】
(3)光開始剤
【0191】
フォトリソグラフィでネガパターンを実現するためには、光ラジカル開始剤を使用しなければならない。前記光開始剤は330~380nm領域でのモル吸光係数(molar absorption coefficient)が10,000(L/mol・cm)以上であり、5重量%減量が200℃以下で発生する光開始剤である。ここで、モル吸光係数は、beer-Lambert Lawにより計算できる。また、重量減量はTGAを利用して窒素雰囲気で毎分5℃の速度で300℃まで昇温しながら測定した。
【0192】
前記光重合開始剤は感光性樹脂組成物に一般的に使用される開始剤であり、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾイン系化合物、トリアジン系化合物などを使用することができる。
【0193】
前記アセトフェノン系の化合物の例としては、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2,2’-ジブトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、p-t-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-t-ブチルジクロロアセトフェノン、4-クロロアセトフェノン、2,2’-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-(モルホリノフェニル)-プタン-1-オンなどが挙げられる。
【0194】
前記ベンゾフェノン系化合物の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-2-メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0195】
前記チオキサントン系化合物の例としては、チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロチオクサントンなどが挙げられる。
【0196】
前記ベンゾイン系化合物の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
【0197】
前記トリアジン系化合物の例としては、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル4,6ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3’,4’-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4’-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ビフェニル4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフト1-イル)4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-4-トリクロロメチル(ピぺロニル)-6-トリアジン、2-4-トリクロロメチル(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジンなどが挙げられる。
【0198】
前記光開始剤は、前記化合物以外にもカルバゾール系化合物、ジケトン類化合物、スルホニウムボレート系化合物、ジアゾ系化合物、イミダゾール系化合物、非イミダゾール系化合物などを使用することができる。
【0199】
前記光開始剤は、ラジカル重合開始剤として過酸化物系化合物、アゾビス系化合物などを使用することができる。
【0200】
前記過酸化物系化合物の例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;イソブチリルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o-メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;2,4,4-トリメチルペンチル-2-ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどのヒドロパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-ブチルオキシイソプロピル)ベンゼン、t-ブチルパーオキシ吉草酸n-ブチルエステルなどのジアルキルパーオキサイド類;2,4,4-トリメチルペンチルパーオキシフェノキシアセテート、α-クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシトリメチルアジペートなどのアルキルパーエステル類;ジ-3-メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス-4-t-ブチルシクロへキシルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシアリルカーボネートなどのパーカーボネート類などが挙げられる。
【0201】
前記アゾビス系化合物の例としては、1,1’-アゾビスシクロヘキサン-1-カルボニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、α、α’-アゾビス(イソブチルニトリル)及び4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)などが挙げられる。
【0202】
前記光開始剤は、光を吸収して励起状態になった後にそのエネルギーを伝達することにより化学反応を起こす光増減剤と共に使用されてもよい。前記光増感剤の例としては、テトラエチレングリコールビス-3-メルカプトプロピオネート、ペンタエリトリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネート、ジペンタエリトリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネートなどが挙げられる。
【0203】
前記光開始剤は、前記感光性組成物総量に対して0.01~10重量%、例えば、0.1~5重量%で含まれてもよい。前記光開始剤が前記範囲内で含まれる場合、パターン形成工程において露光時に硬化が十分に起きて優れた信頼性を得ることができ、パターンの耐熱性、耐光性及び耐化学性に優れ、解像度及び密着性にも優れ、未反応開始剤による透過率の低下を防ぐことができる。
【0204】
(4)着色剤(Colorant)
【0205】
前記着色剤としては、有機顔料及び無機顔料、染料の全てが使用可能である。
【0206】
前記着色剤としては、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、黒色顔料などを使用することができる。
【0207】
前記赤色顔料の例としては、C.I.赤色顔料254、C.I.赤色顔料255、C.I.赤色顔料264、C.I.赤色顔料270、C.I.赤色顔料272、C.I.赤色顔料177、C.I.赤色顔料89などが挙げられる。
【0208】
前記緑色顔料の例としては、C.I.緑色顔料36、C.I.緑色顔料7などのハロゲンが置換された銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
【0209】
前記青色顔料の例としては、C.I.青色顔料15:6、C.I.青色顔料15、C.I.青色顔料15:1、C.I.青色顔料15:2、C.I.青色顔料15:3、C.I.青色顔料15:4、C.I.青色顔料15:5、C.I.青色顔料16などの銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
【0210】
前記黄色顔料の例としては、C.I.黄色顔料139などのイソインドリン系顔料、C.I.黄色顔料138などのキノフタロン系顔料、C.I.黄色顔料150などのニッケルコンプレックス顔料などが挙げられる。
【0211】
前記黒色顔料の例としては、ラクタムブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0212】
また、実現例による感光性樹脂組成物内の着色剤は顔料、染料またはこれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、前記染料はフタロシアニン系化合物を含んでもよい。
【0213】
前記顔料及び染料は、これらを単独でまたは2つ以上混合して使用してもよく、これらの例に限定されるものではない。
【0214】
これらのうち、遮光層の光遮断を効率的に行うために前記黒色顔料を使用することができる。前記黒色顔料を使用する場合、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料などの色補正剤と共に使用することもできる。
【0215】
前記感光性樹脂組成物に前記顔料を分散させるために分散剤をともに使用することができる。具体的には、前記顔料を分散剤で予め表面処理して使用するか、前記感光性樹脂組成物の製造時に前記顔料と共に分散剤を添加して使用することができる。
【0216】
前記分散剤としては、非イオン性分散剤、陰イオン性分散剤、陽イオン性分散剤などを使用することができる。前記分散剤の具体的な例としては、ポリアルキレングリコール及びそのエステル、ポリオキシアルキレン、多価アルコールエステルアルキレンオキサイド付加物、アルコールアルキレンオキサイド付加物、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、アルキルアミドアルキレンオキサイド付加物、アルキルアミンなどが挙げられ、これらを単独で又は2つ以上混合して使用することができる。
【0217】
市販中の前記分散剤の製品の例としては、BYK社のDISPERBYK-101、DISPERBYK-130、DISPERBYK-140、DISPERBYK-160、DISPERBYK-161、DISPERBYK-162、DISPERBYK-163、DISPERBYK-164、DISPERBYK-165、DISPERBYK166、DISPERBYK-170、DISPERBYK-171,DISPERBYK-182、DISPERBYK-2000、DISPERBYK-2001など;EFKAケミカル社のEFKA-47、EFKA-47EA、EFKA-48、EFKA-49、EFKA-100、EFKA-400、EFKA-450など;Zeneka社のSolsperse5000、Solsperse12000、Solsperse13240、Solsperse13940、Solsperse17000、Solsperse20000、Solsperse24000GR、Solsperse27000、Solsperse28000など;又はAjinomoto社のPB711、PB821などがある。
【0218】
前記分散剤は、前記感光性樹脂組成物総量対比0.1重量%~15重量%で含まれることができる。分散剤が前記範囲内に含まれる場合、組成物の分散性に優れていることから遮光層製造時の安定性、現像性及びパターン性に優れている。
【0219】
前記顔料は、水溶性無機塩及び湿潤剤を利用して前処理して使用することもできる。顔料を前記前処理して使用する場合、顔料の平均粒径を微細化することができる。
【0220】
前記前処理は、前記顔料を水溶性無機塩及び湿潤剤と共にニーディング(kneading)する段階、そして、前記ニーディング段階で得られた顔料を濾過及び水洗する段階を経て行われる。
【0221】
前記ニーディングは、40℃~100℃の温度で行われ、前記濾過及び水洗は水などを使用して無機塩を水洗した後に濾過して行われる。
【0222】
前記水溶性無機塩の例としては塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0223】
前記湿潤剤は、前記顔料及び前記水溶性無機塩が均一に混合されて顔料を粉砕しやすくする媒介体としての役割を果たし、その例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのようなアルキレングリコールモノアルキルエーテル;エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンポリエチレングリコールなどのアルコールなどが挙げられ、これらを単独で又は2つ以上を混合して使用することができる。
【0224】
前記ニーディング段階を経た顔料は、20nm~110nmの平均粒径を有することができる。顔料の平均粒径が前記範囲内である場合、耐熱性及び耐光性に優れながらも微細なパターンを効果的に形成することができる。
【0225】
前記顔料は、前記感光性樹脂組成物総量に対して1~40重量%、より詳しくは2~30重量%で含まれてもよい。前記顔料が前記範囲内で含まれる場合、色再現率に優れ、パターンの硬化性及び密着性に優れている。
【0226】
(5)溶媒
【0227】
前記溶媒は、前記カルド系樹脂、前記反応性不飽和化合物、前記顔料、前記カルド系化合物及び前記開始剤との相溶性を有するものの、反応しない物質が使用される。
【0228】
前記溶媒の例としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;ジクロロエチルエーテル、n-ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート類;メチルエチルカルビトール、ジエチルカルビトール、ジエチルグリコールモノメチルエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチル-n-アミルケトン、2-ヘプタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸メチル、乳酸エチルなどの乳酸エステル類;オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチルなどのオキシ酢酸アルキルエステル類;メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチルなどのアルコキシ酢酸アルキルエステル類;3-オキシプロピオン酸メチル、3-オキシプロピオン酸エチルなどの3-オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチルなどの3-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-オキシプロピオン酸メチル、2-オキシプロピオン酸エチル、2-オキシプロピオン酸プロピルなどの2-オキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸メチルなどの2-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-オキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エチルなどの2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エステル類;2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチルなどの2-アルコキシ-2-メチルプロピオン酸アルキル類のモノオキシモノカルボン酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチルなどのエステル類;ピルビン酸エチルなどのケトン酸エステル類などがある。
【0229】
また、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジへキシルエーテル、アセチルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1-ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、オキサル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ-ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどの高沸点溶媒も使用されることができる。
【0230】
前記溶媒のうち相溶性及び反応性を考慮して、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類を使用することができる。
【0231】
前記溶媒は、前記感光性樹脂組成物総量に対して残部量として含まれることができ、具体的には、40~90重量%で含まれる。前記溶媒が前記範囲内で含まれる場合、前記感光性樹脂組成物が適切な粘度を有することによりパターン層の製造時の工程性に優れている。
【0232】
(6)その他の添加剤
【0233】
前記感光性組成物は、塗布時にシミや斑点を防止し、レベリング性能を改善するために、また未現像による残渣の生成を防止するために、マロン酸;3-アミノ-1,2-プロパンジオール;ビニル基または(メタ)アクリルオキシ基を含むシラン系カップリング剤;レベリング剤;フッ素系界面活性剤;シリコン系界面活性剤;ラジカル重合開始剤などの添加剤をさらに含んでもよい。
【0234】
例えば、前記感光性樹脂組成物は、基板との密着性などを改善するためにビニル基、カルボキシル基、メタクリルオキシ基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシラン系カップリング剤をさらに含んでもよい。
【0235】
前記シラン系カップリング剤の例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γイソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、βエポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0236】
前記シラン系カップリング剤は、前記感光性樹脂組成物100重量部に対して0.01重量部~10重量部で含まれてもよい。シラン系カップリング剤が前記範囲内で含まれる場合、密着性、保存性などに優れている。
【0237】
また、前記感光性樹脂組成物は、必要に応じてコーティング性向上及び欠点生成防止の効果のために界面活性剤、例えば、フッ素系界面活性剤またはシリコン系界面活性剤をさらに含んでもよい。
【0238】
前記フッ素系界面活性剤としては、BM Chemie社のBM-1000(登録商標)、BM-1100(登録商標)など;大日本インキ化学工業(株)のメガファックF142D(登録商標)、同F172(登録商標)、同F173(登録商標)、同F183(登録商標)など;住友スリーエム(株)のフロラードFC-135(登録商標)、同FC-170C(登録商標)、同FC-430(登録商標)、同FC-431(登録商標)など;旭硝子(株)のサーフロンS-112(登録商標)、同S-113(登録商標)、同S-131、同S-141、同S-145など;ドレイシリコン(株)のSH-28PA(登録商標)、同-190(登録商標)、同-193(登録商標)、SZ-6032(登録商標)、SF-8428(登録商標)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を使用してもよい。
【0239】
前記シリコン系界面活性剤としては、BASF社のEFKA(登録商標)3030、EFKA(登録商標)3034、EFKA(登録商標)3886など;AFCONA社の3030、3085、3236など;BYK社のBYK-379、BYK-3550、BYK-3751、BYK-3754などの名称で市販されているシリコン系界面活性剤を使用してもよい。
【0240】
前記界面活性剤は感光性樹脂組成物100重量部に対して0.001重量部~5重量部で使用されてもよい。界面活性剤が前記範囲内で含まれる場合、コーティング均一性が確保され、シミが発生せず、ガラス基板に対する湿潤性(wetting)に優れている。また、前記感光性樹脂組成物は物性を阻害しない範囲内で酸化防止剤、安定剤などのその他の添加剤が一定量添加されることもできる。
【0241】
他の一実現例は、前述の感光性樹脂組成物を利用して有機発光素子電極の画素分離部にパターニングされた画素定義層を形成することができる。
【0242】
以下、
図1を参照して有機発光表示装置を説明すれば、本発明の実現例による有機発光表示装置は、基板1、基板上のTFT層2、前記TFT層上の平坦層3、前記平坦層上の有機発光素子層6、前記有機発光素子層上に配置される密封層7、密封層上に配置されるタッチパネル8、前記タッチパネル上に配置されるカラーフィルタ9、前記カラーフィルタ上に配置されるOCA層11及び前記OCA層11上に配置されるカーバグラス層12を含んでもよい。
【0243】
本発明による画素定義層5は、前記画素電極4上に形成されることが好ましい。
【0244】
前記画素定義層5は、フォトマスク透過率(0%(非露光部)、15~60%(Half-tone)及び100%(Full-tone))に応じて1つ以上の層で形成されることが好ましく、前記フォトマスク透過率は0%(非露光部)、20~50%(Half-tone)及び100%(Full-tone)であることがより好ましく、Full-tone上のHalf-toneで構成される二重層で形成されることがより好ましい。
【0245】
前記フォトマスク透過率に応じてHalf-toneの厚さはFull-toneの厚さの30%以上ないし80%以下が適し、特に35%以上ないし70%以下がより好ましい。Half-toneの厚さがFull-toneの厚さの30%未満である場合、ピクセルのサイズが大きくなって輝度が増加するが、製造された画素定義層の耐久性が低下する恐れがある。Half-toneの厚さがFull-toneの厚さの80%を超過する場合、素子の輝度及び寿命が減少して非効率的である。
【0246】
前記基板1は可撓性基板であってもよい。基板は、ポリイミド(PI;polyimide)、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;polyethylene naphtalate)、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)、ポリアリレート(PAR;polyarylate)、ポリエーテルイミド(PEI;polyetherimide)、及びポリエーテルスルホン(PES;pollyethersulphone)などの耐熱性及び耐久性に優れたプラスチック素材で作られてもよい。
【0247】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、金属ホイルや薄膜ガラス(thin glass)のような可撓性のある多様な素材が使用されてもよい。一方、基板はリジッド基板であってもよく、この時、基板はSiO2を主成分とするガラス材質で構成されることもできる。
【0248】
画像が基板方向に実現される背面発光型(bottom emissiontype)である場合、基板は透明な材質で形成しなければならない。しかしながら、画像が基板の反対方向に実現される前面発光型(top emission type)である場合、基板は必ず透明な材質で形成する必要はない。この場合、金属で基板を形成してもよい。金属で基板を形成する場合、基板は、炭素、鉄、クロム、マンガン、ニッケル、チタン、モリブデン、及びステンレススチール(SUS)からなる群から選択された1つ以上を含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0249】
前記基板上にはTFT層2が配置されることができる。本明細書で言及されるTFT層という用語は、有機発光素子を駆動するための薄膜トランジスタ(TFT)アレイの通称であり、画像を表示するための駆動部分を意味する。
図1には有機発光素子と有機発光素子を駆動する駆動薄膜トランジスタのみが示されているが、これは説明の便宜のためのものであり、本発明は図示のものに限定されず、多数の薄膜トランジスタ、ストレージキャパシタ及び各種配線がさらに含まれることができるということは本技術分野の当業者に自明である。
【0250】
前記TFT層は、平坦層3で覆われて保護されることができる。前記平坦層は無機絶縁膜及び/又は有機絶縁膜を含んでもよい。前記平坦層に使用できる無機絶縁膜の例としては、シリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiON)、アルミニウム酸化物(Al2O3)、チタン酸化物(TiO2)、タンタル酸化物(Ta2O5)、ハフニウム酸化物(HfO2)、ジルコニウム酸化物(ZrO2)、BST(Barium Strontium Titanate)、PZT(Lead Zirconate-Titanate)などがある。
【0251】
また、平坦層3に使用できる有機絶縁膜の例としては、一般汎用高分子(PMMA、PS)、フェノール系グループを有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アマイド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子及びこれらのブレンドなどを含んでもよい。
【0252】
一方、平坦層は無機絶縁膜と有機絶縁膜の複合積層構造を有してもよい。また、平坦層は本発明の感光性組成物を含んでもよい。前記本発明の感光性組成物に関する事項は、前述の本発明の一実現例による内容と同一であるので、省略する。
【0253】
前記平坦層の上部には有機発光素子層が形成されてもよい。前記有機発光素子層は、平坦層上に形成された画素電極4、これに対向するように配置される対向電極7及びこれらの間に介在される有機物層6を含んでもよい。画素電極と対向電極の間に電圧が印加されると、有機物層は光を放出することができる。有機物層は、赤色光、緑色光、青色光または白色光などを放出することができる。有機物層が白色光を放出する場合、カラーイメージを表現するために、または有機物層が赤色光、緑色光、青色光を放出する場合、色純度と光効率を高めるために、有機発光表示装置は青色、緑色、及び赤色カラーフィルタをさらに含んでもよい。
【0254】
有機発光表示装置は、発光方向に応じて背面発光タイプ(bottom emission type)、前面発光タイプ(top emission type)及び両面発光タイプ(dual emission type)などに区別できる。背面発光タイプの有機発光表示装置においては、画素電極が光透過電極として備えられ、対向電極は反射電極として備えられる。前面発光タイプの有機発光表示装置においては、画素電極が反射電極として備えられ、対向電極が半透過電極として備えられる。本発明では有機発光素子が密封層の方向に発光する前面発光タイプを基準に説明する。
【0255】
画素電極は反射電極であってもよい。画素電極は反射層と仕事関数が高い透明または半透明電極層の積層構造を含んでもよい。反射層はAg、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Crまたはこれらの合金を含んでもよい。透明または半透明電極層は、インジウムスズ酸化物(ITO;indium tin oxide)、インジウム亜鉛酸化物(IZO;indium zinc oxide)、亜鉛酸化物(ZnO;zinc oxide)、インジウム酸化物(In2O3;indium oxide)、インジウムガリウム酸化物(IGO;indium gallium oxide)、及びアルミニウム亜鉛酸化物(AZO;aluminum zinc oxide)などの透明導電性酸化物物質の中から選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。
【0256】
前記画素電極の反射層及び電極層の厚さ調節により反射率を変化させることができる。電極層の厚さは50ないし200Åであることが好ましく、80ないし150Åであることがより好ましい。反射層の厚さは500ないし2000Åであることが好ましく、800ないし1500Åであることがより好ましい。
【0257】
画素電極は、各画素に対応するアイルランド形態でパターニングされて形成されることができる。
【0258】
また、画素電極はアノード(anode)電極として機能することができる。
【0259】
一方、画素電極上には画素電極の縁部を覆って画素電極の中央部を露出する所定の開口部を含む画素定義膜5が配置されることができる。前記開口部によって限定される領域上には光を発光する有機発光層を含む有機物層が配置されることができる。有機物層が配置された領域は発光領域として定義できる。
【0260】
一方、画素定義膜の前記開口部内に発光領域を形成する場合、発光領域の間には画素定義膜によって突出した領域が配置され、この突出した領域には有機発光層が形成されないので、非発光領域として定義されることができる。前記画素定義膜は、本発明の感光性組成物を含んでもよい。前記本発明の感光性組成物に関する事項は、前述の本発明の一実現例による内容と同一であるので、省略する。
【0261】
対向電極は透過型電極で形成されてもよい。対向電極は、仕事関数が小さいLi、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mg、Agなどの金属を薄く形成した半透過膜であってもよい。薄い金属半透過膜の高抵抗問題を補完するために、金属半透過膜上に透明導電性酸化物からなる透明導電膜が積層されることができる。
【0262】
対向電極は共通電極の形態で基板全面にわたって形成されてもよい。
【0263】
また、このような対向電極はカソード(cathode)電極として機能することができる。
【0264】
前記のような画素電極と対向電極は、その極性が互いに反対になってもよい。
【0265】
有機物層は光を発光する有機発光層を含み、有機発光層は低分子有機物または高分子有機物を使用することができる。有機発光層が低分子有機物で形成された低分子有機層である場合は、有機発光層を中心に画素電極の方向に正孔輸送層(hole transport layer:HTL)及び正孔注入層(hole injection layer:HIL)などが配置され、対向電極の方向に電子輸送層(electron transport layer:ETL)及び電子注入層(electron injection layer:EIL)などが配置される。
【0266】
もちろん、これら正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層以外に他の機能層が積層されることもある。
【0267】
前記有機発光素子層を覆うように、有機発光素子層上には密封層7が配置されることができる。有機発光素子層に含まれた有機発光素子は有機物で構成されて外部の水分や酸素によって簡単に劣化することがある。従って、このような有機発光素子を保護するために有機発光素子層を密封しなければならない。密封層は、有機発光素子層を密封する手段として複数の無機膜及び複数の有機膜を交互に積層した構造を有してもよい。
【0268】
本実現例の有機発光表示装置は、密封基板ではない複数の無機膜及び複数の有機膜を交互に積層した薄膜で密封層を形成することが好ましく、密封手段として薄膜を利用することにより、有機発光表示装置のフレキシブル化及び薄型化を容易に実現することができる。
【0269】
密封層は、複数の無機膜、及び複数の有機膜を含んでもよい。無機膜と有機膜は交互に積層してもよい。
【0270】
前記無機膜は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物またはこれらの組み合わせからなってもよい。例えば、無機膜は、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物またはシリコン窒化物からなってもよい。他の例によれば、無機膜は複数の無機絶縁層の積層構造を含んでもよい。無機膜は外部の水分及び/又は酸素などが有機発光素子層に浸透することを抑制する機能を行うことができる。
【0271】
前記有機膜は、高分子有機化合物であってもよい。例えば、有機膜はエポキシ、アクリレートまたはウレタンアクリレートのいずれか1つを含んでもよい。有機膜は無機膜の内部ストレスを緩和するか、無機膜の欠陥を補完して平坦化する機能を行うことができる。
【0272】
前記密封層を構成する無機膜と有機膜の積層順序は限定されておらず、有機発光素子層上に有機膜または無機膜が積層されることができ、密封層の最上位層も有機膜または無機膜でありうる。
【0273】
前記密封層上にはタッチパネル8が形成されてもよい。前記タッチパネルは、前記密封層上に形成された第1タッチ電極、これに対向するように配置される第2タッチ電極及びこれらの間に介在される絶縁層を含んでもよい。
【0274】
前記第1タッチ電極及び第2タッチ電極は、格子模様または特定パターン形態で形成される。第1タッチ電極は、前記密封層の上部に接して形成され、前記密封層と前記第1タッチ電極の間に無機層がさらに備えられてもよい。
【0275】
前記第1タッチ電極及び第2タッチ電極は、ITOまたはメタルメッシュ(metal mesh)で形成されてもよく、メタルメッシュで形成されることが好ましい。
【0276】
メタルメッシュは不透明な金属(銅、銀、金、アルミニウムなど)を1~7μm厚さの格子形態で印刷して製造した電極であって、伝導性の高い金属を使用するため、抵抗値が非常に低くてタッチ応答速度が速く、大画面実現に容易であり、ITOフィルムに比べて原価が安いという長所を有している。また、メタルメッシュ電極はITO電極に比べて反復的な曲げに対する耐久性に優れているため、フォルダブルディスプレイ用タッチパネル電極としての使用に適している。
【0277】
前記タッチパネルは、使用者がタッチをする時、人の体にある静電容量を利用して電流の量が変更された部分を認識し、サイズを計算して位置を検出する静電容量方式のタッチパネルであることが好ましい。
【0278】
本発明の有機発光表示装置は、図示されたものに限定されず、タッチパネルから伝達されたアナログ信号をデジタル信号に転換し、タッチ領域の座標の判断に必要な座標値などを制御するControl IC、光透明接着剤(Optical ceal adhesive)、伝導及び信号線パターンが形成されて各種信号を電子部品などに伝達する軟性回路基板(FPCB)、その他の各種電子部品及び各種配線がさらに含まれてもよいということは、本技術分野の当業者に自明である。
【0279】
前記タッチパネル上にはカラーフィルタが形成されてもよい。前記カラーフィルタは、前記タッチパネルの上部に位置し、前記有機発光素子層の発光領域と垂直方向に整列されたカラー部10と前記非発光領域と垂直に整列され、前記カラー部を分離するカラー分離部11を含んでもよい。
【0280】
前述の有機発光表示装置の構造のうち、各層の位置は限定されておらず、各層の間に特定目的及び機能を有する色々な機能層が追加で配置されることができるということは、本技術分野の当業者に自明であり、本発明の有機発光表示装置は前述の構造及び図面に限定されない。
【0281】
以下、本発明に係る合成例及び実施例を具体的に記載するが、本発明の合成例及び実施例がこれに限定されるものではない。
【0282】
(黒色感光性組成物の製造)
【0283】
合成例1:(化学式8の9,9-Bis[4-(glycidyloxy)phenyl]fluoreneの製造)
【0284】
9,9’-ビスフェノールフルオレン20g(Sigma aldrich社)、グリシジルクロライド(Sigma aldrich社)8.67g及び無水炭酸カリウム30gをジメチルホルムアミド100mlと蒸留管が設置された300mlの三つ口丸底フラスコに入れ、80℃に昇温して4時間反応させた後、温度を25℃に下げて反応液を濾過後、濾過液を1000mlの水に撹拌して滴加した後、析出した粉末を濾過してから水で洗浄し、40℃で減圧乾燥して、下記化学式8の9,9-Bis[4-(glycidyloxy)phenyl]fluoreneの25gを得ることができた。得られた粉末はHPLCで、純度分析の結果、98%の純度を示した。
【0285】
【0286】
合成例2:カルド系バインダー樹脂の製造
【0287】
合成例1から得られた化合物1を25g(54mmol)、アクリル酸8g(Daejung Chemicals & Metals)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.2g(Daejung Chemicals & Metals)及びヒドロキノン0.2g(Daejung Chemicals & Metals)をプロピレングリコールメチルエーテルアセテート52g(Sigma aldrich社)とともに蒸留管が設置された300mlの三つ口丸底フラスコに入れ、110℃で6時間撹拌した。反応終了後、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8g(Mitsubishi Gas社)及びテトラヒドロフタル酸1.8g(Sigma aldrich社)を追加した後、再び110℃で6時間撹拌した。反応終了後、反応液を回収して分析した結果、分子量4,580の固形分45%であるカルド系バインダー樹脂を得ることができた。
【0288】
製造例1:黒色顔料分散液の製造
【0289】
Irgaphor Black S 100 CF(黒色顔料/BASF社)15g、Disperbyk 163 8.5g(BYK社)、及びSR-3613(SMS社)6.5gをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート70gと共に直径0.5mmのジルコニアビーズ100g(Toray社)のペイントシェーカー(浅田社)を利用して10時間分散させて分散液を得ることができた。
【0290】
下記の表1のような組成で感光性組成液を製造した。
【0291】
具体的に、溶媒に開始剤を溶かした後、常温で攪拌した後、これにバインダー樹脂及び重合性化合物を添加して常温で攪拌した。続いて、得られた前記反応物に着色剤及びその他の添加剤を入れて常温で攪拌した。続いて、前記生成物を3回濾過して不純物を除去することにより、感光性樹脂組成物を製造した。
【0292】
【0293】
前記感光性組成物を利用したネガティブ画素定義層(negative PDL)の製造方法は次の通りである。
【0294】
(1)塗布及びコーティング段階
【0295】
感光性組成物を洗浄した10cm*10cm金属が蒸着された基材にスピンコーターを利用して一定の厚さで塗布した後、VCD(vacuum chamber dry)を使用して溶媒の一部を除去することで塗膜を形成する。前記感光性組成物のコーティング厚さは、VCD後に3.3マイクロメートル~3.5マイクロメートルの厚さで膜を形成する。
【0296】
(2)プリベーク段階
【0297】
前記得られた塗膜内に含有している溶媒を除去するために、ホットプレート(hot plate)の上で80℃~150℃で、好ましくは90℃~120℃で、50秒~200秒、好ましくは60秒~180秒、より好ましくは100秒~150秒間加熱する。該当工程で一定量の溶媒を除去することにより、次の工程(露光)段階時にピクセル形態のマスク汚染を減らし、きれいな形態のパターンを作ることができる。
【0298】
(3)露光段階
【0299】
前記得られた塗膜に必要なパターン形成及び一定の厚さを得るためにピクセル形態のマスクを介在した後、露光機を利用して190nm~600nmの活性線、好ましくは、ghi-lineを有するメタルまたはLEDランプの光源を照射してパターンを形成することができる。パターン形成のために照射される露光量は20~400mJ/cm2、好ましくは90~300mJ/cm2、形成されるネガティブタイプのフォトレジスト材料である。露光の際に使用されるフォトマスクの透過率は、0%(非露光部)、15~60%(Half-tone)及び100%(Full-tone)の3つの区間の透過率を有してパターンを形成した。
【0300】
(4)現像段階
【0301】
前記露光段階に続き、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)2.38wt%現像液により23±2℃で一定時間(分)浸漬(dipping)方法で現像した後、超純水(DI water)を利用して水洗すれば、非露光部分を溶解させて除去することにより露光部分だけを残存させて画像パターンを形成させる。
【0302】
前記現像段階の後、Half-toneの厚さは1.25μm~2.20μmであることが好ましく、1.40ないし2.00μmであることがより好ましい。また、前記現像段階の後、Full-toneの厚さは3.20μm~3.42μmであることが好ましく、3.25ないし3.35μmであることがより好ましい。
【0303】
(5)パターン及び厚さ分析
【0304】
前記現像により得られた画像パターン及び厚さを確認するために走査電子顕微鏡(JEOL社)を利用してパターン断面の形態と厚さを測定し、下部において最も高いパターンの上部をFull-tone、中央部をHalf-toneに定めて露光量に応じる高さを確認した。Blueピクセルのサイズは長軸の長さを基準に測定した。前記Blueピクセルの長軸の長さは21.3μm以上25.0μm以下であることが好ましい。
【0305】
(6)素子信頼性評価
【0306】
感光城組成物で前記の(1)ないし(4)段階を介して基板にパターンを形成及び後熱処理を行って試験片を制作した後、素子信頼性評価のために有機材料を蒸着して輝度(luminance)信頼性検証要素を確認した。評価時の電流値を14.2Jに固定して行った。
【0307】
【0308】
前記露光量を100mJ/cm2の強度で照射した後、60秒現像をした時に得られた基板として、Half-toneの厚さ(μm)及びFull-toneの厚さ(μm)を測定及び比較した。実施例1ないし10を参照すれば、フォトマスクの透過率が15以上60%以下である時、Half-toneとFull-toneの厚さが30%以上ないし80%以下の範囲に含まれ、ピクセルのサイズが21.3μm以上25.0μm以下に含まれて適合したサイズを示す。
【0309】
前記表2の比較例1を参照すれば、フォトマスク透過率を15%未満で照射した時、Half-toneは1.25μm未満、Full-toneは3.20μm未満に厚さが低くなることを確認した。これは、Mask透過率が低くて感光性組成物の光硬化度が低いためであり、ピクセルのサイズが大きくなって輝度が増加するが、製造された画素定義層の耐久性が低下する恐れがある。また、比較例2においてフォトマスク透過率が60%を超過した時、Half-toneは2.20μm超過、Full-toneは3.42μm超過に厚さが高くなることを確認した。この時のピクセルサイズは21.3μmに達しないため、輝度及び寿命が減少する短所を有する。
【0310】
以上の説明は、本発明を例示的に説明したものに過ぎず、本発明に属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で多様な変形が可能である
【0311】
従って、本明細書に開示された実施例は、本発明を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例により本発明の思想と範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は請求範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0312】
【
図1】本発明による有機発光表示装置を概略的に示した図である。