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特開2025-28882加熱要素安定化フィンを有する電気流体フロー加熱器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028882
(43)【公開日】2025-03-05
(54)【発明の名称】加熱要素安定化フィンを有する電気流体フロー加熱器
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/40 20060101AFI20250226BHJP
【FI】
H05B3/40 A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024196471
(22)【出願日】2024-11-11
(62)【分割の表示】P 2021559453の分割
【原出願日】2020-03-23
(31)【優先権主張番号】19164790.8
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521437688
【氏名又は名称】カンタール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マン, マルクス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガス等の流体の優れた加熱を、ボアまたはチャネルの形状に無関係に提供することができる電気流体フロー加熱器を提供する。
【解決手段】流体のフローを加熱する電気加熱器であって、ガス相媒体の貫通流を可能にするために複数の長手方向ボア8を備えるジャケットブロックを有する、電気加熱器。細長い加熱要素11は、ボアのそれぞれを通して延在し、複数の安定化フィン25によって、ジャケットブロック内で位置的に安定化され、複数の安定化フィンは、ボアのそれぞれのボア内で細長い加熱要素を少なくとも部分的に囲むために半径方向に内方に突出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体のフローを加熱する電気加熱器において、
第1の縦方向端(7a)および第2の縦方向端(7b)を有する軸方向に細長いジャケットブロック(7)を画定する少なくとも1つの軸方向に細長いジャケット要素(6)と、
前記ジャケットブロック(7)を通して内部的に延在し、前記それぞれの第1および第2の縦方向端(7a、7b)のそれぞれにおいて開放する複数の長手方向ボアまたはチャネル(8)であって、ボアまたはチャネルのそれぞれは、前記少なくとも1つのジャケット要素(6)の内向き表面(13)によって画定される、複数の長手方向ボアまたはチャネル(8)と、
前記ボアまたはチャネル(8)を通して軸方向に延在し、それぞれの屈曲軸方向端セクション(11a)を有する少なくとも1つの加熱要素(11)であって、それにより、少なくとも1つの加熱要素(11)は、前記それぞれの第1および第2の縦方向端(7a、7b)の一方または両方において、隣接または近傍ボアまたはチャネル(8)から出て、前記隣接または近傍ボアまたはチャネル(8)内に戻り、前記少なくとも1つの加熱要素(11)および前記ジャケットブロック(7)は、加熱アセンブリ(5)を形成する、少なくとも1つの加熱要素(11)とを備える、電気加熱器であって、
前記ボアまたはチャネル(8)のそれぞれのボアまたはチャネル(8)内で前記少なくとも1つの加熱要素(11)に向かって前記少なくとも1つのジャケット要素(6)から半径方向に内方に突出する少なくとも3つのフィン(25)を特徴とする、電気加熱器。
【請求項2】
前記ジャケットブロックを通る断面平面内で、それぞれのボアまたはチャネル(8)の前記内向き表面(13)と前記少なくとも1つの加熱要素(11)の外向き表面(24)との間の半径方向分離距離は、周方向における隣接フィン(25)の間の中心の位置において最大である、請求項1に記載の電気加熱器。
【請求項3】
周方向の前記フィン(25)のそれぞれの幅は、前記少なくとも1つの加熱要素(11)に向かう方向に減少する、請求項1または2に記載の電気加熱器。
【請求項4】
前記断面平面内で、前記内向き表面(13)は、湾曲領域(30)および直線または平面領域(31)を備える、請求項2または3に記載の電気加熱器。
【請求項5】
前記湾曲領域(30)は、前記隣接フィン(25)の間の中心の前記位置に位置し、前記それぞれの直線または平面領域(31)が両側にある、請求項2に従属する請求項4に記載の電気加熱器。
【請求項6】
前記断面表面積比は0.12~0.72である、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項7】
前記断面平面内で、周方向の前記フィン(25)間の前記内向き表面(13)の形状は、非連続的に湾曲する、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項8】
前記断面平面内で、周方向の前記フィン(25)間の前記内向き表面(13)の形状は、前記少なくとも1つの加熱要素(11)の半径より大きい半径を有する円の弧によって排他的に形成されない、請求項1から7のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項9】
前記フィン(25)は、前記第1および第2の縦方向端(7a、7b)の間の各ボアまたはチャネル(8)の長さの大部分にわたって延在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項10】
前記フィン(25)は、前記第1および第2の縦方向端(7a、7b)の間の前記ボアまたはチャネル(8)のそれぞれの全長にわたって延在する、請求項9に記載の電気加熱器。
【請求項11】
前記断面平面内で、前記フィン(25)のそれぞれはウェッジ形状プロファイルを含み、各ウェッジの最も薄い部分(35)は、前記少なくとも1つの加熱要素(11)に半径方向に最接近して位置決めされる、請求項1から10のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項12】
前記加熱要素(11)を備え、各ボアを画定する前記加熱要素と前記内向き表面との間の最大内部間隔は0.5mmと20mmとの間である、請求項1から11のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項13】
前記少なくとも1つのジャケット要素(6)は非電気伝導性材料を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項14】
前記加熱アセンブリ(5)を少なくとも部分的に囲むために位置決めされたケーシング(2)をさらに備え、前記ケーシングは、外側シース(3)および前記外側シース(3)と前記ジャケットブロック(7)との間に半径方向に延在する複数のスペーサ(9a、9b)を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項15】
一体型本体として共に組み立てられ、前記スペーサ(9a、9b)によって少なくとも部分的に囲まれた複数の前記ジャケット要素(6)を備える、請求項11から14のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項16】
前記細長いジャケットブロック(7)は、前記ジャケットブロック(7)を通して延在する前記複数の長手方向ボアまたはチャネル(8)を有する単一の細長いジャケット要素(6)を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体のフローを加熱する電気加熱器に関し、特に、排他的ではないが、加熱要素を位置的に安定化しかつ中心化するフィンを含む加熱要素を収容するジャケットブロックを有する電気加熱器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスを高温に加熱するための電気加熱器は、典型的には、ガスの貫通流のために適合する管および流動性ガスを加熱する電気加熱要素(管内に位置決めされる)を含む。
【0003】
慣例的に、比較的細いワイヤが、管内で、スパイラル構成で巻かれ、それにより、加熱効果は、ガスが管を通って流れるときに、ワイヤを通して電流を流すことによって達成される。したがって、電気エネルギーの(加熱ワイヤを介した)熱への変換有効性は、例えば、利用可能な印可電圧およびワイヤの抵抗に依存する。特に、熱エネルギーへのこの変換は、ワイヤによって達成可能な最大温度、流れ抵抗、および熱交換のために利用可能な表面積に依存する。典型的には、従来の電気プロセス加熱器が達成することができる最大ガス温度は、700℃~900℃のオーダーまたは約700℃~900℃であるとすることができる。しかしながら、温度が高くなればなるほど、ワイヤの破断および故障についての傾向が大きくなる。
【0004】
ごく最近、欧州特許出願公開第2926623号は、ロッドがそこを通って延在する管状ボアとの所望の断面比を提供するために、加熱ワイヤがより大きい断面表面積を有する電気フロー加熱器を開示している。単一加熱要素は、複数の屈曲(またはループ状)端を介して複数のボア(細長い管状要素内に形成される)を通って延在する。最大1200℃のガス加熱温度が記載されている。
【0005】
従来の電気フロー加熱器は、1100℃のオーダーの高温を達成することが可能であるとすることができるが、速いガス速度および大きい圧力差は、加熱要素、ならびに、要素がそこを通って延在する周囲管またはジャケットブロックの張力および移動または振動を引き起こす。加熱要素は、不可避的に破壊をもたらす機械的衝撃および応力を受け易い。この現象は、細長い管(ジャケットブロック)が垂直に配向するときにさらに一層顕著であり、重力は加熱要素に対する応力および物理的要求にさらに寄与する。
【0006】
さらに、効率を最大にするために、加熱要素は、典型的には、周囲の細長いジャケットブロック内で複数のボアを通過する。U形状屈曲軸方向端セクションを有する要素は、ジャケットブロックのそれぞれの軸方向端において、隣接ボアから出て、隣接ボア内に戻る。例えば、ボア内の局在化した温度変動に起因する、加熱要素の小さい位置的偏位は、屈曲端セクションの変位を引き起こし、それは、要素が(屈曲端において)それ自身に接触することにつながる可能性がある。これは、次に、電気加熱器の短絡及び故障を引き起こす。短絡のリスクは、ごく最近の加熱器の一部について、それらの非常に小さい許容誤差のせいでさらに大きい。したがって、必要とされるものは、これらの問題に対処する電気流体フロー加熱器である。
【発明の概要】
【0007】
ガス等の流体の優れた加熱を、ボアまたはチャネルの形状に無関係に提供することになる電気流体フロー加熱器を提供することが本発明の目的である。さらに、(流体フローの)縦方向に伸長することになるまっすぐなロッドを備えるフロー加熱器を提供することが本発明の目的であり、そのフロー加熱器は、環状ギャップに依存することなく、制御されかつ効率的な熱伝達を有する流体フロー加熱器を提供することになる。さらに、流体に対する均一な熱伝達を維持しながら、低い圧力降下を有するフロー加熱器を提供することが目的である。
【0008】
加熱器使用可能寿命を高めるために、加熱要素に対する物理的応力、疲労、および損傷を最小化した状態で、中程度温度から、700℃のオーダーの、最大900℃まで等、最大1100℃まで等、およびおそらくは最大1300℃までの高温を達成することが可能である、流体および特にガス(ガス相媒体)を加熱する電気流体フロー加熱器を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0009】
ジャケットブロックのジャケット要素に対する加熱要素の独立した移動が最小化され、そして好ましくはなくされるように、少なくとも1つのジャケット要素(次に、細長いジャケットブロックを形成する)内で延在する加熱要素を安定化させ中心化することがさらなる目的である。
【0010】
ジャケットブロックおよびジャケットブロックを通して延在する長手方向ボアまたはチャネルを超えて軸方向に延在する屈曲軸方向端セクションにおいて加熱要素がそれ自身に接触することを回避するために、ジャケットブロック内に位置決めされる加熱要素を安定化させることがさらなる特定の目的である。
【0011】
電気加熱器の効率を最大にするために、ジャケット要素(ジャケットブロックおよび細長いボアまたはチャネル)を通して流れるガスと、加熱要素との間の熱伝達効率を上げることがなおさらなる特定の目的である。
【0012】
したがって、安定化させると共に中心化するフィンのセットによって、加熱要素(ジャケット要素/ジャケットブロック内に少なくとも部分的に収容される)が、加熱要素(ジャケットブロック)内で内部的に位置的に安定化される電気流体フロー加熱器が提供される。そのようなフィンは、加熱要素の周りに載置するために、各ボアまたはチャネル(そこを加熱要素が通過する)内に半径方向に突出し、それぞれの各ボア内での横移動を防止する。さらに、フィンは、各チャネルまたはボアが芯出しされることになるため、均一温度分布を提供することになる。
【0013】
したがって、十分な安定化および特に各ボアまたはチャネルの軸方向中心上への加熱要素の心出しを達成する最小数である、少なくとも3つの安定化フィンが、各ボアまたはチャネル内に内部的に設けられる。したがって、加熱要素は、各ボアまたはチャネル内で半径方向(横方向)偏位を防止され、それは、次に、加熱要素のU形状ループ状端(ジャケット要素、ジャケットブロックを超えて軸方向に延在する)が互いに接触することを防止する。互いに接触することは、普通なら電気加熱器の短絡および故障をもたらすことになる。
【0014】
本電気流体フロー加熱器は、フィンによって、正方形外側形状を典型的には有する、より大きいフリーフロー断面積を、流体フロー加熱器ジャケット要素および/またはジャケットブロック内に有することになり、これは、電気流体フロー加熱器内のより大きい面積を流体の加熱のために使用することができ、また同様に、熱が放射によって伝達されることになるため、フローの間接的加熱が可能であることになることを意味する。さらに、フィンはまた、ジャケット要素および/またはジャケットブロックの適切な芯出しを提供することになり、特に周期的動作における故障に対する少ない曝露につながる。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、流体のフローを加熱する電気加熱器において、第1および第2の縦方向端を有する軸方向に細長いジャケットブロックを画定する少なくとも1つの軸方向に細長いジャケット要素と;ジャケットブロックを通して内部的に延在し、それぞれの第1および第2の縦方向端のそれぞれにおいて開放する複数の長手方向ボアまたはチャネルであって、ボアまたはチャネルのそれぞれは、少なくとも1つのジャケット要素の内向き表面によって画定される、複数の長手方向ボアまたはチャネルと;ボアまたはチャネルを通して軸方向に延在し、そして特に、軸方向にまっすぐに延在し、それぞれの屈曲軸方向端セクションを有する少なくとも1つの加熱要素であって、それにより、少なくとも1つの加熱要素は、それぞれの第1および第2の縦方向端の一方または両方において、隣接または近傍ボアまたはチャネルから出て、隣接または近傍ボアまたはチャネル内に戻り、少なくとも1つの加熱要素およびジャケットブロックは、加熱アセンブリを形成する、少なくとも1つの加熱要素とを備える、電気加熱器であって、ボアまたはチャネルのそれぞれのボアまたはチャネル内で少なくとも1つの加熱要素に向かって少なくとも1つのジャケット要素から半径方向に内方に突出する少なくとも3つのフィンを特徴とする、電気加熱器が提供される。そのため、本電気加熱器は、自由形状であることになり、フィンによって、ボアまたはチャネルが任意の形状を有し、それにより、以下で述べるように、断面積比限界を達成することができることを意味する。
【0016】
1つの実施形態によれば、軸方向に伸長したジャケット要素はロッドまたはワイヤであるとすることができる。別の態様によれば、軸方向に伸長したジャケット要素は、その長さの少なくとも75%の軸方向にまっすぐな位置合わせ(straight alignment)を有する。別の実施形態によれば、伸長したジャケット要素全体は、まっすぐな位置合わせを有する。
【0017】
各ボアを画定するジャケット要素の安定化および芯出しフィンおよび特に断面プロファイルは、加熱要素から流動性ガスへの熱エネルギー伝達の効率を最大にするように適合される。これは、心出しフィンによって部分的に画定される「ローブ(lobe)」を備えると考えることができる各ボアまたはチャネルの内部形状プロファイルによって達成される。特に、ジャケット要素/ジャケットブロックの断面平面内で、ボアまたはチャネルの内向き表面は、十分な分離距離だけ加熱要素の外向き表面から遠ざかって、加熱要素の周りでの均等かつ均一な十分なガス容積のフローを可能にする。1つの実施形態によれば、加熱要素の断面積をボアまたはチャネルあるいはキャビティの断面積で割った値として規定される表面積比は0.12~0.72の範囲内にある。
【0018】
したがって、心出しフィンは、加熱要素の周りでガスのフローを均一に方向付けるまたは通すことを可能にする。これは、普通なら加熱要素の応力および特に屈曲またはひずみをもたらす加熱要素に沿って軸方向へのおよび加熱要素の周りに半径方向への局在化温度差を回避するために有利である。認識されるように、これは、次に、U形状端セクションの横方向変位を提供するまたはそれに寄与し、短絡のリスクを増加させる。
【0019】
さらに、加熱要素の周りの利用可能なフリーフロー表面積は、加熱要素の断面積に沿って均一かつ制御された加熱および冷却を提供することになる。
【0020】
任意選択で、ジャケットブロックを通る断面平面内で、各ボアまたはチャネルの内向き表面と少なくとも1つの加熱要素の外向き表面との間の半径方向分離距離は、少なくとも1つの加熱要素の周りで周方向にフィンのそれぞれの間で不均一である。好ましくは、上記断面平面内で、上記分離距離は、周方向における隣接フィンの間の中心の位置において最大である。そのような配置構成は、ボアまたはチャネルを通るガスフローの容量およびレートを最大にし、望ましくない局在化加熱を回避するために有利である。
【0021】
「フィン(fins)」および「安定化フィン(stabilising fins)」および「芯出しフィン(centering fins)」、ならびに「安定化および芯出しフィン(stabilising and centering fins)」に対する本明細書内での参照は、ジャケット要素/ジャケットブロックの本体から加熱要素に向かって半径方向に内方に延在するリブ、リッジ、スパイン、および突出部を包含し、リブ、リッジ、スパイン、および突出部は、軸方向にその形状を変更するまたはさらに部分的に消失することができる。
【0022】
フィンは、直線状であるとすることができる、または、それらの長手方向に湾曲または屈曲しているとすることができる。任意選択で、フィンは、それらの長さに沿ってヘリカルまたは部分的なヘリカルであるとすることができる。そのような配置構成は、加熱アセンブリを通るガスのフローの制御を支援し、加熱要素に沿いかつその周りの局所化加熱変動についての傾向を低減することができる。
【0023】
「少なくとも1つの軸方向に細長いジャケット要素(at least one axially elongate jacket element)」および「軸方向に細長いジャケットブロック(axially elongate jacket block)」に対する本明細書内での参照は、加熱器の軸方向に「細長い(elongate)」ために、対応する幅または厚さより大きい長さを有する、カバー、スリーブ、および他のジャケットタイプ要素を包含する。そのような「細長い」要素およびブロックに対する参照は、本体であって、それらのそれぞれの縦方向端の間で実質的に連続して中実であり、縦方向端の間に、ギャップ、ボイド、間隔、または他の分離部を含まない、本体を包含する。
【0024】
好ましくは、細長いジャケット要素および細長いジャケットブロックは、加熱要素のまっすぐなまたは直線状のセクションを収納するために、少なくとも1つのそれぞれの内部ボアまたはチャネルを備える実質的にまっすぐな/直線状の本体である。したがって、本ジャケット要素およびジャケットブロックは、加熱要素のU形状屈曲または湾曲端セクションの間で、まっすぐな/直線状のセクションの長さに実質的に沿って、加熱要素のまっすぐな/直線状のセクションを、実質的に、包む、囲む、覆う、収容する、または含むように構成される。したがって、加熱要素の屈曲または湾曲セクションが、加熱要素/ジャケットブロックからのみ突出し、加熱要素/ジャケットブロックによって覆われないまたは収容されないことが好ましい。
【0025】
したがって、「ジャケット(jackert)」要素およびおよび「ジャケット」ブロックに対する本明細書における参照は、ジャケット要素/ブロックのそれぞれの縦方向端から突出する加熱要素の屈曲または湾曲端セクションの間で実質的に連続して加熱要素を含む、収容する、囲む、または覆うそれぞれの中空本体を包含する。
【0026】
相応して軸方向に細長い内部ボアまたはチャネルを有する細長いジャケット要素およびジャケットブロックの効果は、加熱要素と、加熱要素の周りの密接閉じ込め部(close confinement)内のボアまたはチャネルを通って流れる流体との間の熱エネルギー伝達の効率を最大にすることである。加熱要素およびブロックの縦方向の細長い構成は、流動性流体が、加熱要素のまっすぐな/直線状のセクションの実質的に全長にわたって加熱要素の周りのボアまたはチャネル内に適切に含まれることを可能にする。
【0027】
本明細書内で、細長い加熱要素/ジャケットブロック内のボアまたはチャネルから出る加熱要素のそれぞれの第1および第2の縦方向端に対する参照は、要素/ブロックのボアまたはチャネル内に連続して収容される加熱要素のまっすぐな/直線状のセクションと区別されると考えることができる。認識されるように、加熱要素と流体との間の熱伝達のほぼ全ては、細長いボア(複数可)またはチャネル(複数可)内で起こる。
【0028】
好ましくは、少なくとも1つのジャケット要素(ジャケットブロック)は、非電気伝導性材料を含む。任意選択で、ジャケット要素(ジャケットブロック)は、耐熱またはセラミック材料から排他的に形成される。任意選択で、ジャケット要素は、ジャケット要素の外部領域においてかつそれぞれの細長いボアまたはチャネル内でコーティングとして形成される耐熱またはセラミック(すなわち、非電気伝導性)材料によって、少なくとも部分的に囲まれるまたは包まれるコア材料を含むことができる。したがって、ジャケット要素(ジャケットブロック)は、耐熱性でありかつ電気絶縁性であるように構成される。
【0029】
好ましくは、加熱器は、一体型本体として共に組み立てられ、スペーサ(周囲ケーシングとジャケットブロックとの間に延在する)によって少なくとも部分的に囲まれた複数のジャケット要素を備える。ジャケット要素は、任意選択で、ジャケットブロックの長さに沿って異なる領域に位置決めされたスペーサおよび/または他の支持部材によって、アセンブリとして共に組み立てられ結合されて、電気加熱器のケーシングおよび他のコンポーネントに対してジャケットブロックを位置的に固定する。
【0030】
任意選択で、ケーシング(代替的には、シースと呼ぶ)は、加熱アセンブリを封止するほぼ中空円柱または中空立方体形状を含む。好ましくは、スペーサは、ケーシングの半径方向内側表面に取り付けられる。任意選択で、スペーサは、加熱器を製造するのを容易にするためにまた加熱器の構造的強度を与えるために、ケーシングの内側表面に溶接することができる。したがって、スペーサは、ケーシングの一部を形成すると考えることができる。
【0031】
「加熱要素(heating element)」に対する本明細書における参照は、比較的薄いワイヤおよびより大きい断面の加熱要素を包含する。そのような加熱要素、ロッド、バー、またはワイヤは、鉄クロムアルミニウム(Fe-Cr-Al)合金またはニッケルクロム鉄(Ni-Cr-Fe)合金を含むことができるが、他の適切な合金または材料を使用することもできる。多くの実施事例において、加熱要素と、各ボアまたはチャネルを画定する内向き表面との間の最大内部間隔は0.5mm~20mmであるが、0.2mmと20mmとの間のより広い範囲内に入ることもできる。任意選択で、特に、より肉厚の加熱要素は、次に、任意選択で共に撚り合わされるまたはねじられる個々のロッドまたはワイヤの束を備えることができる。そのような構成によって、上記で述べた内部間隔は、ロッドまたはワイヤの束と、加熱要素からさらに分離されるそれぞれの長手方向ボアまたはチャネルを画定する内向き表面の領域との間の内部間隔によって規定される。
【0032】
任意選択で、周方向のフィンのそれぞれの幅は、少なくとも1つの加熱要素に向かう方向に減少する。任意選択で、フィンのそれぞれは、ボスまたはチャネルの断面平面内でほぼウェッジ形状であるとすることができる。任意選択で、ボスまたはチャネルの断面平面内で、各フィンは、多角形、長方形、正方形、三角形、または半円断面形状プロファイルを含むことができる。
【0033】
好ましくは、上記断面平面内で、内向き表面は、湾曲領域および直線状または平面領域を含む。特に、周方向のフィン間のボアまたはチャネルの内向き表面は、連続して湾曲しない。安定化フィン間で周方向に位置決めされるボアまたはチャネルは、加熱要素(各ボアまたはチャネル内に位置決めされる)を中心としかつ加熱要素の周りに延在する仮想円を超えて半径方向に外方に突出する。この仮想円に対して、各チャネルは、ガスの貫通流のための利用可能な容積を増加させるために、(仮想円を超えて半径方向に外方に延在することによって)より大きい断面積を有して拡大されると考えることができる。この構成は、加熱要素の長さに沿う局在化温度偏差を低減しながら、主題の発明のエネルギー伝達および加熱容量を共に高めるために有益である。
【0034】
任意選択で、内向き表面の直線状または平面領域は、少なくとも1つの加熱要素を囲む仮想多角形の領域を示し、仮想多角形は、フィンによって周方向に中断される。任意選択で、周方向に、湾曲領域は、隣接フィンの間の中心の位置に位置し、それぞれの直線または平面領域が両側にある。好ましくは、上記断面平面内で、周方向のフィン間の内向き表面の形状は、非連続的に湾曲する。好ましくは、上記断面平面内で、周方向のフィン間の内向き表面の形状は、少なくとも1つの加熱要素の半径より大きい半径を有する円の弧によって排他的に形成されない。加熱要素の周りのボアまたはチャネルのリーフまたは花弁形状構成は、ガスのフローを制御し、望ましくない局在化加熱変動を防止する。
【0035】
好ましくは、フィンは、第1および第2の縦方向端の間の各ボアまたはチャネルの長さの大部分にわたって延在する。好ましくは、フィンは、第1および第2の縦方向端の間のボアまたはチャネルのそれぞれの全長にわたって延在する。好ましくは、フィンのそれぞれは、少なくとも1つの加熱要素に向かって半径方向に同じ深さを備える。任意選択で、フィンのそれぞれは、内向き表面の平面領域から半径方向に内方に突出する。好ましくは、断面平面内で、フィンのそれぞれは、ウェッジ形状プロファイルを含み、各ウェッジの最も薄い部分は、少なくとも1つの加熱要素に半径方向に最接近して位置決めされる。
【0036】
任意選択で、加熱器は、それぞれの各ボアまたはチャネルにおいて半径方向に内方に突出する3つ、4つ、5つ、または6つのフィンを備えることができる。しかしながら、フィンの数は設計に依存することになるため、7つ以上のフィンを有することが可能であることになる。そのため、認識されるように、任意の数のフィンが設けられて、加熱器を通って流れるガスのフローの所望の方向付けを達成し、加熱要素を中心化し、加熱要素の周りの望ましくない温度勾配を防止することができる。フィンは、それらの長さに沿って直線状であるとすることができる、あるいは、屈曲する、湾曲する、または、ボアまたはチャネルの長さに沿って非直線方向に追従することができる。任意選択で、フィンは、加熱要素/ジャケットブロックのそれぞれの端の間でそれらの長さに沿ってヘリカルまたは部分的ヘリカルであるとすることができる。
【0037】
任意選択で、電気加熱器は、加熱アセンブリを少なくとも部分的に囲むために位置決めされたケーシングをさらに備えることができ、ケーシングは、外側シース、および、外側シースとジャケットブロックとの間で半径方向に延在する複数のスペーサを備える。任意選択で、スペーサは、ジャケットブロックの一部がそこを通って延在する中心アパーチャを有する部分的ディスク形状部材を備える。好ましくは、加熱器は、一体型本体として共に組み立てられ、スペーサによって少なくとも部分的に囲まれた複数のジャケット要素をさらに備えることができる。任意選択で、細長いジャケットブロックは、ジャケットブロックを通って延在する複数の長手方向ボアまたはチャネルを有する単一の細長いジャケット要素を備えることができる。
【0038】
本発明の特定の実装態様が、ここで、単に例として、また、添付図面を参照して述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の1つの態様による電気加熱器内の加熱アセンブリの断面側面図である。
図2図1の加熱アセンブリを組み込む電気加熱器のさらなる断面側面図である。
図3】本発明の1つの態様による加熱要素/ワイヤを囲むジャケット要素の一部の断面斜視図である。
図4】加熱要素なしの状態の、図3のジャケット要素の断面斜視図である。
図5】加熱要素なしの状態の、図4のジャケット要素の端面図である。
図6】本発明のさらなる特定の実装態様による、加熱要素/ワイヤを囲むジャケット要素の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1および図2を参照すると、電気加熱器1は、両方の軸方向端で開放する内部チャンバ4を画定する管状シースの形態のケーシング2またはハウジング3(内向き表面3bおよび外向き表面3aを有する)を備える。加熱器1は、ガス給送管22、入口管15を有するガス出口ノズル16、および、電流給送フランジ21に取り付けられた固定フランジ20を備える。ガス給送管22は、平行電流接続管18(1つの管のみが示される)がそこを通って延在する円柱キャビティ19内に開放する。電流接続管18は、外部電気接続部23がそこから延在する電気接続フランジ21と嵌合した電気加熱要素11の端を接続するための通路を形成する。芯出し伸長部17(加熱要素の一部であるとすることができる)は、加熱アセンブリ5の安定化を支援するために、管18内に突出する。
【0041】
参照5で全体的に示す加熱アセンブリは、チャンバ4内に取り付けられ、また、縦方向の細長いジャケットブロック7を形成するために共に組み立てられ保持された複数の縦方向の細長いジャケット要素6から形成される。それぞれの細長いジャケット要素6は、ジャケットブロック7の第1および第2の軸方向端7a、7bで開放するために、各ジャケット要素6の全長にわたって延在する、縦方向に延在する長手方向内部ボアまたはチャネル8を備える。ジャケット要素6およびジャケットブロック7は、中空本体として形成され、その中空本体内で、中実の質量および容積が、第1および第2の軸方向端7a、7bの間で連続して延在する。すなわち、ジャケット要素6およびジャケットブロック7は、それぞれの端7a、7bの間で不連続でない。そのような配置構成は、本明細書でさらに詳細に説明するように、それぞれのジャケット要素6内での熱エネルギー伝達の程度および効率を最大にするために有利である。
【0042】
ジャケットブロック7は、各ジャケットブロック軸方向端7a、7bに向かって縦方向に位置決めされた一対のディスク形状スペーサ9a、9bによって(ケーシング2内の)所定位置に取り付けられる。シース3およびスペーサ9a、9bは、金属から形成することができ、それにより、スペーサ9a、9bは、溶接によってシース3の内向き表面3bに固定される。各スペーサ9a、9bは、長方形形状プロファイルを有し、ほぼ立方体の外部形状プロファイルを同様に備えるジャケットブロック7を収容する寸法に作られる中心アパーチャ10を備える。したがって、ジャケットブロック7は、チャンバ4内で懸垂保持され、スリーブ内向き表面3bから空間的に分離されるように、各スペーサアパーチャ10内に取り付けられる。
【0043】
参照11で全体的に示す加熱アセンブリは、ジャケットブロック7の軸方向端の一方から全体的に突出する、それぞれの端11d、11eを有する細長いワイヤ(またはロッド)として形成される。例証のために、ジャケットブロック7の「熱(hot)」端7bから突出する端11d、11eが、図1~3に示される。端11d、11eは、好ましくは、ジャケットブロック7の「冷(cool)」端7aから突出する。加熱要素11は、ほぼ円形断面プロファイルを含み、各ジャケット要素ボアまたはチャネル8の断面積よりわずかに小さい寸法に作られる。単一加熱要素11は、それぞれの屈曲軸方向端セクション11aおよび11bを介してジャケットブロック7のそれぞれの細長いボアまたはチャネル8を通して順次延在するように適合される。特に、加熱要素11は、第1のジャケット要素の1つのボアまたはチャネル8から出て、180°屈曲して(加熱要素端セクション11a)、ジャケットブロックの第1の軸方向端7aにおいて隣接または近傍ボアまたはチャネル8内に戻る。これは、屈曲端セクション11bを介してジャケットブロックの第2の軸方向端7bにおいて反復される。加熱要素端11d、11eは、認識されるように、電流が要素11を通過することを可能にするために、(コネクタ23を介して)電気接続部に結合されることが可能である。
【0044】
図3を参照すると、各ジャケット要素6は、4つの長手方向に延在する側面6a、6b、6c、6dを備え、側面6a、6b、6c、6dは、ジャケット要素6の個々の側面がジャケットブロック7の外向き表面を形成する長方形立方体一体型本体を形成するために、ジャケット要素が密着状態で接触して(in touching contact)共に載置されることを可能にするように適合される、外部のほぼ正方形の断面形状プロファイルを、各ジャケット要素が備えるようにほぼ平面である。小さいギャップが、各スペーサアパーチャ10とジャケットブロック7の外部表面(ジャケット要素側面6a、6b、6c、6dによって画定される)との間に設けられる。そのようなギャップは、スペーサ9a、9b(典型的には金属から形成される)および好ましくは非電気伝導性耐熱材料から形成されるジャケット要素6の熱膨張差に対処した。しかしながら、ジャケットブロック7および加熱要素11の少なくとも一部の構造的支持は、ジャケットブロック7に少なくとも部分的に接触しているスペーサ9a、9bによって(アパーチャ7を介して)提供される。
【0045】
認識されるように、加熱要素11およびボアまたはチャネル8の寸法は、各ボアまたはチャネル8の内向き表面13と加熱要素11の外部表面24との間に所望の小さい分離ギャップを達成するために注意深く制御される。そのような配置構成は、要素11からガス相媒体までの熱エネルギー伝達の有効性および効率を最大にするために有利であり、ガス相媒体は、最初に位置14aにてチャンバ4に導入され、その後、ボアまたはチャネル8のそれぞれを通って流れ、位置14bにて加熱アセンブリ5から出る。熱エネルギー伝達のこの有効性および効率はまた、次に、各端7a、7bの間に連続して縦方向に(軸方向に)延在する加熱要素6によって提供される。特に、加熱要素11は、端7a、7bの間の細長いジャケット要素6によって、完全にかつ連続して、収容され、覆われ、含まれる。電気加熱器1が使用中に垂直に懸垂保持されると、屈曲端セクション11a、11bと、端面6c、特に各ボアまたはチャネル8の入口端および出口端を画定する環状縁との間の望ましくない接触は、加熱要素11に対する疲労および損傷ならびに加熱器1の使用可能寿命における対応する減少に寄与する。
【0046】
有利には、また、図3~5を参照すると、本電気加熱器1そして特に各ジャケット要素6は、各ボアまたはチャネル8内で加熱要素11を位置的に安定化させ芯出しする手段を備える。この芯出しおよび安定化は、各ボアまたはチャネル8の中心領域に沿って長手方向に延在し、中心領域内にかつ中心領域に向かって半径方向に突出する、参照25で全体的に示す安定化フィンのセットによって達成される。フィン25は、各ボアまたはチャネル8の軸方向中心における加熱要素11の芯出しを維持するように特に適合され、次に、加熱要素11そして特に屈曲軸方向端セクション11a、11b(ジャケットブロック7のそれぞれの端面7a、7bを超えて軸方向に突出する)を位置的に安定化させる。認識されるように、電気加熱器1の短絡は、端11a、11bが互いに接触した場合に起こることになり、電気加熱器1の完全故障をもたらす。細長いボアまたはチャネル8内での加熱要素11の屈曲および位置的歪みは、ジャケットブロック端7a、7bの間の領域における加熱要素11の周りの局在化熱から生じる場合がある。本フィン25は、ボアまたはチャネル8内に半径方向に突出し、加熱要素外部表面24に非常に緊密にかつほぼ密着状態で接触して(in very close and almost touching contact)位置決めされる。小さい半径方向ギャップ37は、各フィン25の半径方向に最奥の端面33と加熱要素外部表面24との間に設けられる。もし加熱要素11が半径方向に歪むと、表面24は、表面33に接触して、ボアまたはチャネル8内での要素11のさらなる半径方向変位を防止し、心出しを維持し、それにより、屈曲端セクション11a、11bのそれぞれの予め規定された分離を維持することができる。
【0047】
図3~5の特定の実装態様および同様に図6のさらなる実施形態によれば、各内部ボアまたはチャネル8は、ほぼ正方形または長方形の断面形状を含み、正方形/長方形の角が円形であると考えることができる。フィン25は、円形角の間の中央位置において正方形/長方形の各側面から半径方向に内方に突出する。特に、また、図5を参照すると、各ボアまたはチャネル8は、ほぼ平面の面31(普通なら、正方形または長方形の断面形状を規定することになる)によって画定され、各面31はそれぞれの角29間に延在する。各内部(ボアまたはチャネル)角29は、各加熱要素6の外向き表面に設けられたそれぞれの角28から半径方向に内方に位置決めされる。各角29は、近傍表面31によってボアまたはチャネル8の周りで周方向に両側において境界付けられた、弧状セクションを備える。フィン25は、近傍表面31から内方に突出する。各フィン25は、最奥先端35に設けられた半径方向に最奥の端面33、および、テーパリング側面32であって、端表面33から外方に突出し、湾曲移行面34によって平面表面31につながる、テーパ付き側面32を備える。したがって、各フィン25は、断面平面内でほぼウェッジ形状である。各ジャケット要素6の壁38の領域を示す移行面34は、各フィン25のベース36に位置決めされる。それぞれの特定の実施形態によれば、4つのフィン25は、各ボアまたはチャネル8の軸方向中心に向かって壁38から内方に突出する。各フィン25は、各角29の間のほぼ中央に位置決めされる。各フィン25は、ギャップ37のそれぞれが同じサイズであるように、壁38から半径方向に内方に等距離だけ突出する。1つの実施形態によれば、表面積比は、加熱要素11の断面積をボアまたはチャネルあるいはキャビティ8の断面積で割った値として表される。
【0048】
ガスフローチャネル40のセットは、加熱要素の周りで周方向に各フィン25間に画定される。各チャネル40は、各フィン25のテーパ付き側面32、移行面30、平面31、弧状角表面30、および加熱要素11の外部表面24によって部分的に画定される。各ボアまたはチャネル8のほぼ正方形または長方形断面プロファイルは、(フィン25および角29の円形の存在にもかかわらず)加熱要素11の周りのガスの貫通流のための断面表面積を最大にするのに役立つ。これは、加熱要素11と流動性ガスとの間のエネルギー伝達を最大にするために重要である。安定化フィン25の存在に加えて、この形状プロファイルは、使用中に加熱要素11の屈曲および歪を普通ならもたらすことになる望ましくない加熱差を回避するために、加熱要素11の周りでガスのフローを制御し方向付けるために有益である。安定化フィン25はまた、示したように、各ボアまたはチャネル8内での加熱要素11の大きい位置的シフトを防止する手段を提供する。図5の断面平面内で、チャネル40は、ガスの貫通流の容積を最大にするために、要素11を囲み、それぞれの拡大容積を有するローブ27a、27b、27c、27dを示すことができる。これは、電気加熱器1の加熱容量および効率を改善する。特に、それぞれの表面/面31、30、34、および32による各ボアまたはチャネル8の内向き表面13の特定の形状プロファイルが、加熱要素11の周りに流れるガスの均一加熱、および、ボアまたはチャネル8内の加熱要素11の望ましくない温度勾配の最小化に寄与することを本発明者等は特定した。各ボアまたはチャネルの断面平面内で、ローブ27a、27b、27c、27dのそれぞれは、花弁またはリーフ形状プロファイルを含むことができる。したがって、断面平面内で、加熱要素表面24とボアまたはチャネル表面13との間の分離距離は、加熱要素11の周りで周方向に各フィン25間で不均一である。本配置構成は、加熱器11を通して延在する長手方向軸12に垂直な方向への加熱要素11の横方向安定化の増加を提供するために有利である。位置的に芯出しされかつ安定化された加熱要素を(各ボアまたはチャネル8内に)有する加熱器は、屈曲軸方向端セクション11a、11bの任意の移動を最小化し、次に、電気加熱器1そして特にジャケットブロック7を含む加熱アセンブリ5の稼働寿命を延長するために有利である。
【0049】
認識されるように、主題の発明は、一体型本体として共に組み立てられた加熱要素6の集合体を参照して述べられるが、ジャケットブロック7は、述べた形状プロファイルおよび安定化フィン25をそれぞれが備える複数の内部ボアまたはチャネル8を有する単一本体を備えることができる。そのような任意のさらなる実装態様による単一ジャケットブロック7を、適切なサイズに作られたアパーチャ10を有する対応する安定化空間9a、9bによってケーシング2内で位置的に安定化することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体のフローを加熱する電気加熱器において、
第1の縦方向端(7a)および第2の縦方向端(7b)を有する軸方向に細長いジャケットブロック(7)を画定する少なくとも1つの軸方向に細長いジャケット要素(6)と、
前記ジャケットブロック(7)を通して内部的に延在し、前記第1および第2の縦方向端(7a、7b)のそれぞれにおいて開放する複数の長手方向ボアまたはチャネル(8)であって、ボアまたはチャネルのそれぞれは、前記少なくとも1つのジャケット要素(6)の内向き表面(13)によって画定される、複数の長手方向ボアまたはチャネル(8)と、
前記ボアまたはチャネル(8)を通して軸方向に延在し、それぞれの屈曲軸方向端セクション(11a)を有する少なくとも1つの加熱要素(11)であって、それにより、少なくとも1つの加熱要素(11)は、前記第1および第2の縦方向端(7a、7b)の一方または両方において、隣接または近傍ボアまたはチャネル(8)から出て、前記隣接または近傍ボアまたはチャネル(8)内に戻り、前記少なくとも1つの加熱要素(11)および前記ジャケットブロック(7)は、加熱アセンブリ(5)を形成する、少なくとも1つの加熱要素(11)と、
前記ボアまたはチャネル(8)のそれぞれのボアまたはチャネル(8)内で前記少なくとも1つの加熱要素(11)に向かって前記少なくとも1つのジャケット要素(6)から半径方向に内方に突出する少なくとも3つのフィン(25)とを備え、
前記ジャケットブロックを通る断面平面内で、それぞれのボアまたはチャネル(8)の前記内向き表面(13)と前記少なくとも1つの加熱要素(11)の外向き表面(24)との間の半径方向分離距離は、周方向における隣接フィン(25)の間の中心の位置において最大であり、
前記断面平面内で、前記内向き表面(13)は、湾曲領域(30)および直線または平面領域(31)を備える、電気加熱器。
【請求項2】
周方向の前記フィン(25)のそれぞれの幅は、前記少なくとも1つの加熱要素(11)に向かう方向に減少する、請求項に記載の電気加熱器。
【請求項3】
前記湾曲領域(30)は、前記隣接フィン(25)の間の中心の前記位置に位置し、それぞれの前記直線または平面領域(31)が両側にある、請求項1に記載の電気加熱器。
【請求項4】
前記断面表面積比は0.12~0.72である、請求項1からのいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項5】
前記断面平面内で、周方向の前記フィン(25)間の前記内向き表面(13)の形状は、非連続的に湾曲する、請求項1からのいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項6】
前記断面平面内で、周方向の前記フィン(25)間の前記内向き表面(13)の形状は、前記少なくとも1つの加熱要素(11)の半径より大きい半径を有する円の弧によって排他的に形成されたものではない、請求項1からのいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項7】
前記フィン(25)は、前記第1および第2の縦方向端(7a、7b)の間の各ボアまたはチャネル(8)の長さの大部分にわたって延在する、請求項1からのいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項8】
前記フィン(25)は、前記第1および第2の縦方向端(7a、7b)の間の前記ボアまたはチャネル(8)のそれぞれの全長にわたって延在する、請求項に記載の電気加熱器。
【請求項9】
前記断面平面内で、前記フィン(25)のそれぞれはウェッジ形状プロファイルを含み、各ウェッジの最も薄い部分(35)は、前記少なくとも1つの加熱要素(11)に半径方向に最接近して位置決めされる、請求項1からのいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項10】
前記加熱要素(11)を備え、各ボアを画定する前記加熱要素と前記内向き表面との間の最大内部間隔は0.5mm20mmである、請求項1からのいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項11】
前記少なくとも1つのジャケット要素(6)は非電気伝導性材料を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項12】
前記加熱アセンブリ(5)を少なくとも部分的に囲むために位置決めされたケーシング(2)をさらに備え、前記ケーシングは、外側シース(3)および前記外側シース(3)と前記ジャケットブロック(7)との間に半径方向に延在する複数のスペーサ(9a、9b)を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項13】
一体型本体として共に組み立てられ、前記スペーサ(9a、9b)によって少なくとも部分的に囲まれた複数の前記ジャケット要素(6)を備える、請求項から12のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【請求項14】
前記細長いジャケットブロック(7)は、前記ジャケットブロック(7)を通して延在する前記複数の長手方向ボアまたはチャネル(8)を有する単一の細長いジャケット要素(6)を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の電気加熱器。
【外国語明細書】