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特開2025-28903映像コーディングにおける参照ピクチャリサンプリングの起動
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028903
(43)【公開日】2025-03-05
(54)【発明の名称】映像コーディングにおける参照ピクチャリサンプリングの起動
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/132 20140101AFI20250226BHJP
   H04N 19/70 20140101ALI20250226BHJP
   H04N 19/174 20140101ALI20250226BHJP
   H04N 19/157 20140101ALI20250226BHJP
   H04N 19/52 20140101ALI20250226BHJP
   H04N 19/59 20140101ALI20250226BHJP
【FI】
H04N19/132
H04N19/70
H04N19/174
H04N19/157
H04N19/52
H04N19/59
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024200903
(22)【出願日】2024-11-18
(62)【分割の表示】P 2022548755の分割
【原出願日】2021-02-10
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/075194
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520476341
【氏名又は名称】北京字節跳動網絡技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Bytedance Network Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room B-0035, 2/F, No.3 Building, No.30, Shixing Road, Shijingshan District Beijing 100041 China
(71)【出願人】
【識別番号】520477474
【氏名又は名称】バイトダンス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BYTEDANCE INC.
【住所又は居所原語表記】12655 West Jefferson Boulevard, Sixth Floor, Suite No. 137 Los Angeles, California 90066 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドン ジピン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン リー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン カイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン イェクイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン クイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】映像符号化または映像復号を含む映像処理の方法、装置及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、映像スライスを含む映像ピクチャを含む映像とこの映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。このビットストリームは、映像スライスのスライスタイプがタイプPであり、かつ、時間的動きベクトル予測が有効化されている場合に、同一位置に配置された参照ピクチャリストにおける参照ピクチャのための参照ピクチャリサンプリング(RPR)の使用を無効化することを規定するフォーマット規則に準拠する。参照ピクチャは、時間的動きベクトル予測に使用される映像スライスの同一位置に配置さ
れたピクチャの参照インデックスによって示される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像処理方法であって、
映像スライスを含む映像ピクチャを含む映像と前記映像のビットストリームとの変換を
行うことを含み、
前記ビットストリームは、フォーマット規則に準拠し、
前記フォーマット規則は、前記映像スライスのスライスタイプがタイプPであり、時間
的動きベクトル予測が有効化されている場合、同一位置に配置された参照ピクチャリスト
における参照ピクチャのための参照ピクチャリサンプリング(RPR)の使用を無効化す
ることを規定し、
前記参照ピクチャは、前記時間的動きベクトル予測に使用される前記映像スライスの同
一位置に配置されたピクチャの参照インデックスによって示される、
方法。
【請求項2】
前記同一位置に配置された参照ピクチャリストは、映像スライスヘッダにおける構文要
素に基づいて決定され、
前記構文要素は、前記映像スライスが参照ピクチャリスト0と同一位置に配置されてい
るかどうかを示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記映像スライスの前記スライスタイプがPであり、かつ前記時間的動きベクトル予測
が有効化されている場合、前記構文要素は1に等しいと推論される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記同一位置に配置された参照ピクチャリストは、参照ピクチャリスト0である、
請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
映像処理方法であって、
映像スライスを含む映像ピクチャを含む映像と前記映像のビットストリームとの変換を
行うことを含み、
前記ビットストリームは、フォーマット規則に準拠し、
前記フォーマット規則は、映像スライスヘッダにおける構文要素が、前記映像スライス
が参照ピクチャリスト0と同一位置に配置されていないことを示す場合、前記映像スライ
スのスライスタイプがタイプPを排除することを規定する、
方法。
【請求項6】
前記フォーマット規則は、さらに、
(1)参照ピクチャリストの情報が前記ビットストリームの映像ピクチャヘッダにあ
り、
(2)時間的動きベクトル予測が前記映像ピクチャに対して有効化され、
(3)前記映像ピクチャのすべてのコーディングされた映像スライスがタイプBまた
はタイプPのスライスタイプを持ち、且つ、
(4)前記映像ピクチャが参照ピクチャリスト0と同一位置に配置されていない場合

前記ビットストリームにおいて前記スライスタイプの信号通知が省かれる
ことを規定する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記映像スライスの前記スライスタイプは、タイプBであると推論される、
請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記変換は、前記映像を前記ビットストリームに符号化することを含む、
請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記変換は、前記ビットストリームから前記映像を復号することを含む、
請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
映像のビットストリームを記憶する方法であって、
映像スライスを含む映像ピクチャから前記映像のビットストリームを生成することであ
って、
前記ビットストリームは、前記映像スライスのスライスタイプがタイプPであり、時
間的動きベクトル予測が有効化されている場合、同一位置に配置された参照ピクチャリス
トにおける参照ピクチャのための参照ピクチャリサンプリング(RPR)のアクティブ使
用を無効化することを規定するフォーマット規則に準拠し、
前記参照ピクチャは、前記時間的動きベクトル予測に使用される前記映像スライスの
同一位置に配置されたピクチャの参照インデックスによって示される、
生成することと、
前記ビットストリームを非一時的なコンピュータ可読記録媒体に記憶することと、を含
む、
方法。
【請求項11】
映像のビットストリームを記憶する方法であって、
映像スライスを含む映像ピクチャから前記映像ピクチャのビットストリームを生成する
ことであって、
前記ビットストリームは、映像スライスヘッダにおける構文要素が、映像スライスが
参照ピクチャリスト0と同一位置に配置されていないことを示す場合に、前記映像スライ
スのスライスタイプがタイプPを排除することを規定するフォーマット規則に準拠してい
る、
生成することと、
前記ビットストリームを非一時的なコンピュータ可読記録媒体に記憶することと、を含
む、
方法。
【請求項12】
請求項1~11の1項以上に記載の方法を実装するように構成される処理装置を備える
、映像復号化装置。
【請求項13】
請求項1~11の1項以上に記載の方法を実装するように構成される処理装置を備える
、映像符号化装置。
【請求項14】
コンピュータコードが記憶されたコンピュータプログラム製品であって、
前記コードは、処理装置により実行されると、前記処理装置に、請求項1~11のいず
れかに記載の方法を実装させる、
コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
映像処理装置により実行される方法で生成される映像のビットストリームを記憶する非
一時的なコンピュータ可読記録媒体であって、
前記方法は、
映像スライスを含む映像ピクチャから前記映像のビットストリームを生成することを含
み、
前記ビットストリームは、前記映像スライスのスライスタイプがタイプPであり、時間
的動きベクトル予測が有効化されている場合に、同一位置に配置された参照ピクチャリス
トにおける参照ピクチャのための参照ピクチャリサンプリング(RPR)のアクティブ使
用を無効化することを規定するフォーマット規則に準拠し、
前記参照ピクチャは、前記時間的動きベクトル予測に使用される前記映像スライスの同
一位置に配置されたピクチャの参照インデックスによって示される、
非一時的なコンピュータ可読記録媒体。
【請求項16】
映像処理装置で行われる方法で生成される映像のビットストリームを記憶する非一時的
なコンピュータ可読記録媒体であって、
前記方法は、
映像スライスを含む映像ピクチャから前記映像のビットストリームを生成することを含
み、
前記ビットストリームは、映像スライスヘッダにおける構文要素が、映像スライスが参
照ピクチャリスト0と同一位置に配置されていないことを示す場合に、前記映像スライス
のスライスタイプがタイプPを排除することを規定するフォーマット規則に準拠する、
非一時的なコンピュータ可読記録媒体。
【請求項17】
本明細書に記載の方法、装置、方法に従って生成されたビットストリーム、またはシス
テム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
パリ条約に基づく適用可能な特許法および/または規則に基づいて、本願は、2020
年2月14日出願の国際特許出願第PCT/CN2020/075194号の優先権およ
び利益を適時に主張することを目的とする。法に基づくすべての目的のために、上記出願
の開示全体は、本明細書の開示の一部として参照により援用される。
【0002】
この特許明細書は、画像および映像の符号化および復号化に関する。
【背景技術】
【0003】
デジタル映像は、インターネット及び他のデジタル通信ネットワークにおいて最大の帯
域幅の使用量を占めている。映像を受信及び表示することが可能である接続されたユーザ
機器の数が増加するにつれ、デジタル映像の使用に対する帯域幅需要は増大し続けること
が予測される。
【発明の概要】
【0004】
本明細書は、映像のコーディング表現と映像の画素値との変換を行う映像処理のために
、映像エンコーダおよびデコーダによって使用できる技術を開示する。
【0005】
1つの例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像スライス
を含む映像ピクチャと映像のビットストリーム表現との変換を行うことを含む。このビッ
トストリームは、映像スライスのスライスタイプが、この映像ピクチャのピクチャヘッダ
からの特定の情報をこの映像スライスのスライスヘッダに継承させる方法を決定すること
を規定するフォーマット規則に準拠する。
【0006】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像スライスを
含む映像ピクチャと映像のビットストリーム表現との変換を行うことを含む。このビット
ストリームは、映像スライスのスライスタイプが映像スライスヘッダにおける第1の構文
要素の値を決定することを規定するフォーマット規則に準拠する。第1の構文要素は、時
間的動きベクトル予測に使用される同一位置に配置された(Collocated)ピク
チャの参照インデックスを規定する。
【0007】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像スライスを
含む映像ピクチャと映像のビットストリーム表現との変換を行うことを含む。このビット
ストリームは、映像スライスのスライスタイプがタイプPであり、時間的動きベクトル予
測が有効化されている場合、同一位置に配置された参照ピクチャリストにおける参照ピク
チャのための参照ピクチャリサンプリング(RPR)の使用を無効化することを規定する
フォーマット規則に準拠する。参照ピクチャは、時間的動きベクトル予測に使用される映
像スライスの同一位置に配置されたピクチャの参照インデックスによって示される。
【0008】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像スライスを
含む映像ピクチャと映像のビットストリーム表現との変換を行うことを含む。このビット
ストリームは、映像スライスヘッダにおける構文要素が、この映像スライスが参照ピクチ
ャリスト0と同一位置に配置されていないことを示す場合、この映像スライスのスライス
タイプはタイプPを排除することを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0009】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上のサブ
ピクチャを含む映像ピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの変換を行う
ことを含む。このビットストリームは、映像ピクチャにおけるサブピクチャの数に応答し
て、コーディングされたレイヤ映像シーケンスにおける1つのサブピクチャの境界をまた
いで演算を行うかどうかを示す第1の構文要素を選択的に含めることを規定するフォーマ
ット規則に準拠する。
【0010】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上のサブ
ピクチャを含む映像ピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの変換を行う
ことを含む。このビットストリームは、ビットストリームにおける映像ピクチャのサブピ
クチャの数が、ビットストリームにおける制約フラグによって制約されることを規定する
フォーマット規則に準拠する。
【0011】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上のサブ
ピクチャを含む映像ピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの変換を行う
ことを含む。このビットストリームは、1つのサブピクチャにおけるスライスの数によっ
て、スライスの幅を示す構文要素を信号通知する方法が決定されることを規定するフォー
マット規則に準拠し、このスライスの幅は複数のタイル列として規定される。
【0012】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像ピクチャに
おける1つ以上のサブピクチャの各々が単一のスライスを含むかどうかを、制約フラグに
基づいて決定することを規定するフォーマット規則に従って、1つ以上のサブピクチャを
含む映像ピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの変換を行うことを含む
【0013】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像ピクチャを
含む映像とこの映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。映像ピクチャのうち
の少なくとも1つは、1つ以上のサブピクチャを含む。このビットストリームは、変換の
サブピクチャサブビットストリーム抽出処理中に、1つ以上の対象となるサブピクチャの
出力サブビットストリームを決定するために、異なる映像ピクチャにわたる各対象となる
サブピクチャは、同じサブピクチャインデックスを使用することを規定するフォーマット
規則に準拠する。
【0014】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像ピクチャを
含む映像のビットストリームから1つ以上の対象となるサブピクチャのサブビットストリ
ームを抽出することによって、出力サブビットストリームを決定することを含む。映像ピ
クチャのうちの少なくとも1つは、1つ以上のサブピクチャを含み、出力サブビットスト
リームは、1つ以上の対象となるサブピクチャが出力サブビットストリームにおける単一
のサブピクチャとして表現されることを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0015】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、瞬時復号更新(
IDR)ピクチャを含む映像とこの映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。
このビットストリームは、IDRピクチャのスライスヘッダに参照ピクチャリストに関連
付けられた1つ以上の構文要素が存在することを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0016】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、輝度映像ブロッ
クおよびクロマ映像ブロックを含む映像と、この映像のビットストリームとの変換を行う
ことを含む。輝度映像ブロックは輝度分割ツリーに従って分割され、クロマ映像ブロック
はクロマ分割ツリーに従って分割される。このビットストリームは、輝度分割ツリーを示
す輝度ブロック分割情報と、クロマ分割ツリーを示すクロマブロック分割情報とを含む。
このビットストリームは、クロマブロック分割情報と輝度ブロック分割情報とを異なるよ
うにすることを規定する規則に準拠している。
【0017】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、1つ以上のサブ
ピクチャを含む映像ピクチャを含む映像と、この映像のビットストリームとの変換を行う
ことを含む。このビットストリームは、一般的な制約情報を含む構文要素の制約フラグに
基づいて、1つ以上の構文構造を制約することを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0018】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像スライスを
含む映像ピクチャと映像のビットストリーム表現との変換を行うことを含む。このビット
ストリームは、映像スライスのスライスタイプが、この映像ピクチャのピクチャヘッダか
らの特定の情報をこの映像スライスのスライスヘッダに継承させる方法を決定することを
規定するフォーマット規則に準拠する。
【0019】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像の映像領域
における映像ユニットとこの映像のコーディング表現との変換を行うことを含み、コーデ
ィング表現は構文規則に準拠する。この規則は、映像ピクチャレベルの第1のインジケー
タと映像領域レベルの第2のインジケータとが、変換中に時間的動きベクトル予測コーデ
ィングツールを使用することを示すことを規定する。この規則は、コーディング表現にお
いて第1の標識および/または第2の標識を省略する条件を規定する。
【0020】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、映像の映像領域
における映像ユニットとこの映像のコーディング表現との変換を行うことを含み、このコ
ーディング表現は、構文規則に準拠し、この構文規則は、映像領域レベルのヘッダの情報
を映像ユニットレベルのヘッダの情報として推論することを規定する。
【0021】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、レイヤ毎の映像
シーケンスとして編成された複数のピクチャを含む映像の映像領域における映像ユニット
と、この映像のコーディング表現との変換を行うことを含み、コーディング表現における
1つ以上のフィールドは、この映像ユニットにおけるサブピクチャの数を示す。
【0022】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、レイヤ毎の映像
シーケンスとして編成された複数のピクチャを含む映像の映像領域における映像ユニット
と、この映像のコーディング表現との変換を行うことを含み、このコーディング表現は、
映像ユニットにおけるサブピクチャの数を示す第2のフィールドの値が、この変換に対す
るクロスサブピクチャコーディングツールの適用可能性を示す第2のフィールドを制御す
るかどうかを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0023】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、レイヤ毎の映像
シーケンスとして編成された複数のピクチャを含む映像の映像領域における映像ユニット
と、この映像のコーディング表現との変換を行うことを含み、このコーディング表現は、
1つの映像ユニット当たりのサブピクチャの数がこのコーディング表現における構文要素
の値を制御することを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0024】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、レイヤ毎の映像
シーケンスとして編成された複数のピクチャを含む映像の映像領域における映像ユニット
と、この映像のコーディング表現との変換を行うことを含み、このコーディング表現は、
1つの映像ユニット内に単一の映像スライスが発生するかどうかを示すフィールドの値が
この映像の矩形スライスのコーディング特性を制御することを規定するフォーマット規則
に準拠する。
【0025】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、レイヤ毎の映像
シーケンスとして編成された複数のピクチャを含む映像の映像領域における映像ユニット
とこの映像のコーディング表現との変換を行うことを含み、このコーディング表現は、こ
のレイヤ毎の映像シーケンスのコーディング表現における異なるピクチャにまたがる抽出
されたサブピクチャが同じサブピクチャインデックスを有する構文規則に準拠する。
【0026】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、レイヤ毎の映像
シーケンスとして編成された複数のピクチャを含む映像の映像領域における映像ユニット
と、この映像のコーディング表現との変換を行うことを含み、このコーディング表現は、
サブピクチャサブビットストリームのために抽出されたサブビットストリームが単一のサ
ブピクチャのフォーマットに準拠するという構文規則に準拠する。
【0027】
別の例示的な態様において、映像処理方法が開示される。この方法は、レイヤ毎の映像
シーケンスとして編成された複数のピクチャを含む映像の映像領域における映像ユニット
と、この映像のコーディング表現との変換を行うことを含み、このコーディング表現は、
このコーディング表現における構文構造における1つ以上の構文要素の発生を制御する1
つ以上の制約フラグを含めることを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0028】
さらに別の例示的な態様において、映像エンコーダ装置が開示される。この映像エンコ
ーダは、上述した方法を実装するように構成された処理装置を備える。
【0029】
さらに別の例示的な態様において、映像デコーダ装置が開示される。この映像デコーダ
は、上述した方法を実装するように構成された処理装置を備える。
【0030】
さらに別の例示的な態様では、コードが記憶されたコンピュータ可読媒体が開示される
。このコードは、本明細書に記載の方法の1つを処理装置が実行可能なコードの形式で実
施する。
【0031】
これらの及び他の特徴は、本文書全体にわたって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】映像処理システム例を示すブロック図である。
図2】映像処理装置のブロック図である。
図3】映像処理方法の一例を示すフローチャートである。
図4】本開示のいくつかの実施形態による映像コーディングシステムを示すブロック図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態によるエンコーダを示すブロック図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態によるデコーダを示すブロック図である。
図7】本技術に従った映像処理方法を示すフローチャートである。
図8】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図9】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図10】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図11】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図12】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図13】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図14】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図15】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図16】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図17】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図18】本技術に従った別の映像処理方法を示すフローチャートである。
図19】本技術に従ったさらに別の映像処理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書では、理解を容易にするために章の見出しを使用しており、その技術および各
章に記載された実施形態の適用可能性をその章のみに限定するものではない。さらに、H
.266という用語は、ある説明において、理解を容易にするためだけに用いられ、開示
される技術の範囲を限定するために用いられたものではない。このように、本明細書で説
明される技術は、他の映像コーデックプロトコル及び設計にも適用可能である。さらに、
いくつかの技法を、新しいテキストを挿入する(強調表示)ことによって、または現在の
テキストを削除する(取り消し線)ことによって、VVC規格の現在のバージョンをどの
ように修正し得るかの例を使用して説明する。
【0034】
本明細書は、映像コーディング技術に関する。具体的には、これは、映像コーディング
におけるハイレベル構文(HLS)および関連技術に関する。HEVCのような既存の映
像コーディング規格に適用してもよいし、規格(Versatile Video Co
ding)を確定させるために適用してもよい。本発明は、将来の映像コーディング規格
または映像コーデックにも適用可能である。
【0035】
映像コーディング規格は、主に周知のITU-TおよびISO/IEC規格の開発によ
って発展してきた。ITU-TはH.261とH.263を作り、ISO/IECはMP
EG-1とMPEG-4Visualを作り、両団体はH.262/MPEG-2Vid
eoとH.264/MPEG-4AVC(Advanced Video Coding
)とH.265/HEVC規格を共同で作った。H.262以来、映像コーディング規格
は、時間予測と変換コーディングが利用されるハイブリッド映像コーディング構造に基づ
く。HEVCを超えた将来の映像コーディング技術を探索するため、2015年には、V
CEGとMPEGが共同でJVET(Joint Video Exploration
Team)を設立した。それ以来、多くの新しい方法がJVETによって採用され、J
EM(Joint Exploration Mode)と呼ばれる参照ソフトウェアに
組み込まれてきた。JVETは四半期に1回開催され、新しいコーディング規格はHEV
Cに比べて50%のビットレート低減を目指している。2018年4月のJVET会議に
おいて、新しい映像コーディング規格を「汎用映像コーディング(Versatile
Video Coding:VVC)」と正式に命名し、その時、第1版のVVCテスト
モデル(VTM)をリリースした。VVCの標準化に寄与する努力が続けられているので
、すべてのJVET会議において、VVC標準に新しいコーディング技術が採用されてい
る。
【0036】
定義例
【0037】
本明細書では以下の定義を使用する。
【0038】
アクセスユニット(AU):異なるレイヤに属し、かつDPBからの出力のために同時に関連付けられたコーディングされたピクチャを含むPUのセット。
【0039】
適応ループフィルタ(ALF):本復号処理の一部として適用され、APSにおいて伝達されるパラメータによって制御されるフィルタリング処理。
【0040】
AC変換係数:2つの寸法のうちの少なくとも1つにおける周波数インデックスが非ゼロである任意の変換係数。
【0041】
ALF_APS:ALF処理を制御するAPS。
【0042】
適応パラメータセット(APS):スライスヘッダに見出される構文要素が0以上であ
ることにより決定される、スライスが0以上である場合に適用される構文要素を含む構文
構造。
【0043】
(特定のピクチャの)関連付けられたIRAPピクチャ。復号順における前のIRAP
ピクチャ(存在する場合)は、特定のピクチャと同じ値nuh_layer_idを有す
る。
【0044】
関連付けられた非VCL NALユニット:VCL NALユニットが非VCL NA
Lユニットの関連付けられたVCL NALユニットである場合の、VCL NALユニ
ットのための非VCL NALユニット(存在する場合)。
【0045】
関連付けられたVCL NALユニット:nal_unit_typeがEOS_NU
T,EOB_NUT,SUFFIX_APS_NUT,SUFFIX_SEI_NUT,
FD_NUT,RSV_NVCL_27と等しい、またはUNSPEC_30..UNS
PEC_31の範囲内にある、非VCL NALユニットに対して復号化順序で先行する
VCL NALユニット、そうでない場合、復号順で次のVCL NALユニット。
【0046】
2進法:1ビットの2値列。
【0047】
2値化:1つの構文要素の考えられるすべての値に対する2値列のセット。
【0048】
2値化処理:ある構文要素の取り得るすべての値を2値列の集合に一意に対応付ける処
理。
【0049】
2値分割:1つの長方形のM×N個のサンプルブロックを2つのブロックに分割するこ
とであって、垂直に分割すると、第1の(M/2)×Nブロックおよび第2の(M/2)
×Nのブロックが得られ、水平に分割すると、第1のM×(N/2)のブロックおよび第
2のM×(N/2)のブロックが得られる。
【0050】
バイナリ文字列:構文要素の2値化からの構文要素の値の中間2進表現。
【0051】
双方向予測(B)スライス:最大2つの動きベクトルおよび参照インデックスを有する
イントラ予測、またはインター予測を使用して復号されて、それぞれのブロックのサンプ
ル値を予測するスライス。
【0052】
ビットストリーム:1つ以上のコーディングされた映像シーケンス(CVS)を形成す
るAUシーケンスの表現を形成する、NALユニットストリームまたはバイトストリーム
の形式の1つのビットシーケンス。
【0053】
ブロック:サンプルのM×N(M列×N行)個の配列、または変換係数のM×N個の配
【0054】
ブロックベクトル:現在のコーディングするブロックの座標から予測ブロックの同じ復
号ピクチャの中の予測ブロックの座標までのオフセットを提供する、IBC予測に使用さ
れる2次元ベクトル。
【0055】
バイト:ビット値のシーケンスとして書き込みまたは読み取りを行う場合、最も左のビ
ットが最上位ビット、最も右のビットが最下位ビットをそれぞれ表す8ビットのビット列
【0056】
バイトアライン:ビットストリームにおける位置は、その位置がビットストリームにお
ける第1のビットの位置から8ビットの整数倍である場合、バイトアラインされ、ビット
またはバイトまたは構文要素は、そのビットストリームで現れる位置がバイトアラインさ
れている場合に、バイトアラインされていると言う。
【0057】
バイトストリーム:開始コードのプレフィクスおよびNALユニットを含むNALユニ
ットストリームのカプセル化。
【0058】
できる(can):許可されているが、必ずしも要求されていない挙動を参照するため
に使用される用語。
【0059】
クロマ:記号CbおよびCrで表される形容詞は、1つのサンプル配列または単一のサ
ンプルが原色に関する2つの色差信号の1つを表すことを規定する。なお、クロミナンス
という用語に関連付けられたことが多い線形光伝達特性を使用することを回避するために
、クロミナンスという用語ではなくクロマという用語を使用することに留意されたい。
【0060】
クリーンなランダムアクセス(CRA)PU:コーディングされたピクチャがCRAピ
クチャであるPU。
【0061】
クリーンなランダムアクセス(CRA)ピクチャ:それぞれのVCL NALユニット
のnal_unit_typeがCRA_NUTであるIRAPピクチャ。なお、CRA
ピクチャは、その復号処理において、自分以外のピクチャをインター予測に参照すること
なく、ビットストリーム中の復号順で最初のピクチャであってもよいし、ビットストリー
ム中に遅れて現れてもよいことに留意されたい。CRAピクチャは、RADLまたはRA
SLピクチャに関連付けられてもよい。1つのCRAピクチャのNoOutputBef
oreRecoveryFlagが1に等しい場合は、関連付けられたRASLピクチャ
は、ビットストリームに存在しないピクチャへの参照を含む可能性があるため、復号可能
でない場合があるので、デコーダはRASLピクチャを出力しない。
【0062】
コーディングされたレイヤ映像シーケンス(CLVS):復号順に、CLVSS PU
、CLVSS PUでない0以上のPU、CLVSS PUである後続のPUまで(ただ
し後続のPUは含まない)のすべてのPUから構成される、nuh_layer_idが
同じ値のPUのシーケンス。なお、CLVSS PUは、IDR PU、CRA PU、
またはGDR PUであってもよいことに留意されたい。NoOutputBefore
RecoveryFlagの値は、各IDR PU、およびHandleCraAsCV
SStartFlagが1に等しい各CRA PU、および復号順でビットストリームの
レイヤの最初のPUまたはEOS NALユニットに続く復号順のレイヤの最初のPUで
ある各CRAまたはGDR PUについて1となる。
【0063】
コーディングされたレイヤ映像シーケンス開始(CLVSS)PU:コーディングされ
たピクチャがCLVSSピクチャであるPU。
【0064】
コーディングされたレイヤ映像シーケンス開始(CLVSS)ピクチャ:NoOutputBeforeRecoveryFlagが1に等しいIRAPピクチャであるか、またはNoOutputBeforeRecoveryFlagが1に等しいGDRピクチャであるコーディングされたピクチャ。
【0065】
コーディングピクチャ:1つのAU内に特定の値のnuh_layer_idを有し、
且つこのピクチャのすべてのCTUを含むVCL NALユニットを含むピクチャのコー
ディング表現。
【0066】
コーディングピクチャバッファ(CPB):仮想参照デコーダで規定された復号順のD
Uを含む先入れ先出しバッファ。
【0067】
コーディング表現1つのデータエレメントは、そのコーディングされた形式で表現され
る。
【0068】
コーディング映像シーケンス(CVS):復号順に、CVSS AUに続き、CVSS
AUである後続のAUまで(ただし後続のAUは含まない)のすべてのAUを含む、C
VSS AUでない0以上のAUから構成される、AUのシーケンス。
【0069】
コーディング映像シーケンス開始(CVSS)AU:CVSの各レイヤにPUがあり、
各PUのコーディングされたピクチャがCLVSSピクチャであるAU。
【0070】
コーディングブロック:1つのCTBをコーディングブロックに仕切ることが分割であ
るような、MおよびNのいくつかの値に対するサンプルのM×Nブロック。
【0071】
コーディングツリーブロック(CTB):あるモジュールをCTBに仕切ることが分割
であるような、あるNの値に対するサンプルのN×Nブロック。
【0072】
コーディングツリーユニット(CTU):輝度サンプルの1つのCTB、3つのサンプ
ル配列を有する1つのピクチャのクロマサンプルの2つの対応するCTB、または3つの
別個の色平面を使用してコーディングされたモノクロピクチャまたはピクチャのサンプル
のCTB、およびこれらのサンプルをコーディングするために使用される構文構造。
【0073】
コーディングユニット(CU):輝度サンプルのコーディングブロック、3つのサンプ
ル配列を持つピクチャのクロマサンプルの対応する2つのコーディングブロック、または
モノクロピクチャのサンプルのコーディングブロック、またはサンプルをコーディングす
るために使用する3つの別個の色平面と構文構造を使用してコーディングされているピク
チャのコーディングブロック。
【0074】
成分:4:2:0,4:2:2,4:4:4のカラーフォーマットのピクチャを構成す
る3つの配列(輝度と2つのクロマ)のうちの1つの配列または単一サンプル、またはモ
ノクロフォーマットのピクチャを構成する配列または単一サンプル。
【0075】
コンテキスト変数:直近に復号された2値を含む式で2値の適応二値算術復号処理で規
定される変数。
【0076】
デブロッキングフィルタ:ブロック間の境界での視覚的アーチファクトの出現を最小限
に抑えるために、復号処理の一部として適用されるフィルタリング処理。
【0077】
復号ピクチャ:コーディングされたピクチャに復号処理を適用して作成したピクチャ。
【0078】
復号ピクチャバッファ(DPB):仮想参照デコーダで規定された参照、出力の並び替
え、出力の遅れを調整するためのバッファ保持復号ピクチャ。
【0079】
デコーダ:復号処理の実施形態。
【0080】
復号順:復号処理が構文要素を処理する順番。
【0081】
復号処理:ビットストリームを読み取り、そこから復号ピクチャを導出する本明細書に
記載の処理。
【0082】
復号ユニット(DU):DecodingUnitHrdFlagが0に等しい場合は
AU、そうでない場合、AUのサブセットで、AU内の1つ以上のVCL NALユニッ
トと関連付けられた非VCL NALユニットで構成される。
【0083】
エミュレーション防止バイト:ビットストリームの構文要素が、NALユニットにおけ
る連続したバイトアラインされたバイトのシーケンスが開始コードプレフィクスを含むこ
とができないことを保証するように、バイト値の一定のパターンを形成する場合、NAL
ユニット内に存在する0x03に等しいバイト。
【0084】
エンコーダ:符号化処理の実施形態。
【0085】
符号化処理:本明細書に準拠したビットストリームを生成する、本明細書で規定されて
いない処理。
【0086】
フィラーデータNALユニット:nal_unit_typeがFD_NUTであるNALユニット。
【0087】
フラグ:2つの可能値のうち1つをとることができる可変または単一ビットの構文要素
:0および1。
【0088】
周波数インデックス:復号処理に変換を与える前に変換係数に関連付けられた1次元ま
たは2次元のインデックス。
【0089】
漸次的復号更新(GDR)AU:本PU各々のコーディングされたピクチャがGDRピ
クチャであるAU。
【0090】
漸次的復号更新(GDR)PU:コーディングされたピクチャがGDRピクチャである
PU。
【0091】
漸次的復号更新(GDR)ピクチャ:NALユニットのnal_unit_typeが
GDR_NUTであるピクチャ。
【0092】
仮想参照デコーダ(HRD):符号化処理が生成し得る適合NALユニットストリーム
または適合バイトストリームのばらつきに関する制約を規定する仮想的なデコーダモデル
【0093】
仮想ストリームスケジューラ(HSS):仮想参照デコーダへのビットストリームの入
力タイミングとデータフローに関して、ビットストリームまたはデコーダの適合性をチェ
ックするために使用される仮想配信メカニズム。
【0094】
参考情報:本明細書に提供される本明細書への適合性のための如何なる必須の要件も確
立していない、コンテンツを参照するために使用される用語は、本明細書の不可欠な部分
とは見なされない。
【0095】
瞬時復号更新(IDR)PU:コーディングされたピクチャがIDRピクチャであるP
U。
【0096】
瞬時復号更新(IDR)ピクチャ:それぞれのVCL NALユニットのnal_un
it_typeがIDR_W_RADLまたはIDR_N_LPであるIRAPピクチャ
。なお、IDRピクチャは、その復号処理において、自分以外のピクチャをインター予測
に参照することなく、ビットストリーム中の復号順で最初のピクチャであってもよいし、
ビットストリーム中に遅れて現れてもよいことに留意されたい。各IDRピクチャは、復
号順にCVSの1つ目のピクチャである。各VCL NALユニットがIDR_W_RA
DLであるnal_unit_typeを有するIDRピクチャの場合、関連付けられた
RADLピクチャを有していてもよい。各VCL NALユニットのnal_unit_
typeがIDR_N_LPであるIDRピクチャの場合、関連付けられた先頭ピクチャ
がない。IDRピクチャは、関連付けられたRASLピクチャを有していない。
【0097】
インターレイヤ(レイヤ間)参照ピクチャ(ILDR):現在のピクチャと同じAUに
あり、nuh_layer_idが現在のピクチャのnuh_layer_idより小さ
いピクチャであって、「長期参照に使用される」と記されている。
【0098】
インターコーディング:インター予測を使用するコーディングブロック、スライス、ピ
クチャのコーディング
【0099】
インター予測:1つ以上の参照ピクチャのデータエレメント(例えば、サンプル値また
は動きベクトル)に依存する方法で導出された予測。
【0100】
イントラブロックコピー(IBC)予測:参照ピクチャを参照することなく、同じ復号
スライスのデータエレメント(例えば、サンプル値やブロックベクトルなど)に依存する方法で導出される予測。
【0101】
イントラコーディング:イントラ予測を使用するコーディングブロック、スライスまた
はピクチャのコーディング。
【0102】
イントラ予測:参照ピクチャを参照することなく、同じ復号スライスのデータエレメン
ト(例えば、サンプル値など)のみから導出される予測値。
【0103】
イントラランダムアクセスポイント(IRAP)AU:CVSの各レイヤにPUが存在
し、各PUのコーディングされたピクチャがIRAPピクチャであるAU。
【0104】
イントラランダムアクセスポイント(IRAP)PU:コーディングされたピクチャが
IRAPピクチャであるPU。
【0105】
イントラランダムアクセスポイント(IRAP)ピクチャ:IDR_W_RADLから
CRA_NUTの範囲内で、すべてのVCL NALユニットのnal_unit_ty
peが同じ値であるコーディングされたピクチャ。なお、IRAPピクチャは、その復号
処理において、インター予測を行うピクチャ以外のものを参照することなく、CRAピク
チャまたはIDRピクチャであってもよいことに留意されたい。ビットストリームにおけ
る復号順の第1のピクチャは、IRAPまたはGDRピクチャでなければならない。必要
なパラメータセットは参照されることが必要な場合、利用可能であれば、IRAPピクチ
ャに先行するピクチャの復号順序で復号処理を行わずに、CVSにおける復号順序のIR
APピクチャおよびすべての後続の非RASLピクチャを正しく復号することができる。
なお、IRAPピクチャのmixed_nalu_types_in_pic_flag
の値は0に等しい。1つのピクチャに対してmixed_nalu_types_in_
pic_flagが0に等しく、且つこのピクチャの任意のスライスがIDR_W_RA
DLからCRA_NUTの範囲内(両端を含む)のnal_unit_typeを有する
場合、このピクチャの他のスライスはすべてnal_unit_typeと同じ値を有し
、このピクチャは、IRAPピクチャとして知られている。
【0106】
イントラ(I)スライス:イントラ予測のみを使用して復号されるスライス。
【0107】
レイヤ:すべてnuh_layer_idという特定の値を持ち、関連付けられた非V
CL NALユニットを持つVCL NALユニットのセット。
【0108】
先頭(leading)ピクチャ:関連付けられたIRAPピクチャと同じレイヤにあ
り、関連付けられたIRAPピクチャに出力順で先行するピクチャ。
【0109】
リーフ:深さ0のツリーの根ノードであるツリーの終端ノード。
【0110】
レベル:本明細書の構文要素や変数が取り得る値、またはスケーリング前の変換係数の
値に関する、定義された制約のセット。なお、同じレベルのセットがすべてのプロファイ
ルに対して定義され、各レベルの定義のほとんどの態様は、異なるプロファイルにわたっ
て共通であることに留意されたい。個々の実装は、規定された制約条件内で、サポートさ
れる各プロファイルごとに異なるレベルをサポートしてもよい。
【0111】
リスト0(リスト1)動きベクトル:参照ピクチャリスト0(リスト1)を参照する参
照インデックスに関連付けられた動きベクトル。
【0112】
リスト0(リスト1)の予測:参照ピクチャリスト0(リスト1)を参照する参照イン
デックスを使用したスライスのコンテンツのインター予測。
【0113】
LMCS APS:LMCS処理を制御するAPS。
【0114】
長期参照ピクチャ(LTRP):現在のピクチャのnuh_layer_idに等しい
with nuh_layer_idを有し、「長期参照に使用される」とマークされた
ピクチャ。
【0115】
輝度:YまたはLの記号または下付き文字で表され、1つのサンプル配列または単一の
サンプルが原色に関連するモノクロ信号を表すことを規定する形容詞。なお、ルミナンス
という用語に関連付けられることが多い線形光伝達特性を使用することを回避するために
、ルミナンスという用語ではなく輝度という用語を使用することに留意されたい。記号Y
の代わりに記号Lを使用することもあり、これは、垂直位置のために使用されるような記
号yとの混同を回避するためである。
【0116】
クロマスケーリングを伴う輝度マッピング(LMCS):本復号処理の一部として適用
され、輝度サンプルを特定の値にマッピングする処理であって、クロマサンプルの値にス
ケーリング演算を適用してもよい。
【0117】
してもよい(し得る)(may):許可されているが、必ずしも要求されていない挙動
を参照するために使用される用語。なお、記載された挙動の選択可能な性質が強調される
ことが意図されるいくつかの場所において、「してもよいし、しなくてもよい」というフ
レーズは、強調するために使用されることに留意されたい。この用語は、本明細書におい
て、その要件がコーディングする規格に採用された例示的な実施形態を強調するためにの
み使用され、開示される技術の範囲を限定するものではない。
【0118】
動きベクトル:復号ピクチャの座標から参照ピクチャの座標へのオフセットを規定する
インター予測に使用する2次元ベクトル。
【0119】
マルチタイプツリー:2値分割を使用して親ノードを2つの子ノードに分割するか、3
値分割を使用して3つの子ノードに分割することができ、その各々が、子ノードが親ノー
ドになり、別の子ノードを2つまたは3つの子ノードに分割することができる親ノードに
なり得るツリー。
【0120】
~なければならない(Must):本明細書の他の箇所(参考情報のコンテキストでの
み排他的に使用される)で規定された要件または要件の含意に関する考察を表すために使
用される用語。この用語は、本明細書において、その要件がコーディングする規格に採用
された例示的な実施形態を強調するためにのみ使用され、開示される技術の範囲を限定す
るものではない。
【0121】
ネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニット:後続するデータのタイプを示す指示と
、必要に応じてエミュレーション防止バイトを散在させたRBSPの形式のデータを含む
バイトと、を含む、構文構造。
【0122】
ネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットストリーム:NALユニットのシーケン
ス。
【0123】
注:参考となる備考のプレフィクスに付けられる用語(参考情報のコンテキストにおい
てのみ排他的に使用される)。
【0124】
演算点(OP):OLSインデックスおよびTemporalIdの最高値によって識
別される、OLSの時間的サブセット。
【0125】
出力レイヤ:出力される出力レイヤセットのレイヤ。
【0126】
出力レイヤセット(OLS):規定されたレイヤのセットで構成されるレイヤのセット
であり、このレイヤのセットにおける1つ以上のレイヤが出力レイヤとして規定される。
【0127】
出力レイヤセット(OLS)レイヤインデックス:OLSにおけるレイヤのリストに対
する、OLSにおけるレイヤのインデックス。
【0128】
出力順:復号ピクチャがDPBから出力される順番(DPBから出力される復号ピクチ
ャの場合)。
【0129】
出力時間:出力タイミングDPB動作に従って、HRDが規定したDPB(DPBから
出力される復号ピクチャ)から復号ピクチャを出力する時間。
【0130】
パラメータ:シーケンスパラメータセット(SPS)、ピクチャパラメータセット(P
PS)、または定義された用語の量子化パラメータの第2単語の構文要素。
【0131】
分割:セットの各要素が正確にサブセットの1つになるように、セットをサブセットに
仕切ること。
【0132】
ピクチャ:モノクロ形式の輝度サンプルの配列、または輝度サンプルの配列、および4
:2:0、4:2:2、4:4:4のカラーフォーマットの2つの対応するクロマサンプ
ルの配列。なお、ピクチャは、フレームであってもよいし、フィールドであってもよいこ
とに留意されたい。しかし、1つのCVSにおいて、すべてのピクチャがフレームである
か、またはすべてのピクチャがフィールドである。
【0133】
ピクチャヘッダ(PH):コーディングされたピクチャのすべてのスライスに適用され
る構文要素を含む構文構造。
【0134】
ピクチャーレベルスライスインデックス:rect_slice_flagが1に等し
い場合、PPSで信号通知される順番で、ピクチャにおけるスライスのリストに対するス
ライスのインデックスを示す。
【0135】
ピクチャオーダカウント(POC):各ピクチャに関連付けられ、CLVS内の全ピク
チャの中から関連付けられたピクチャを一意に識別し、関連付けられたピクチャがDPB
から出力される場合、DPBから出力される同じCLVS内の他のピクチャの出力順位置
に対する関連ピクチャの出力順位置を示す変数。
【0136】
ピクチャパラメータセット(PPS):それぞれのスライスヘッダに見出される構文要
素で決定され、0以上のコーディングされたピクチャ全体に適用される構文要素を含む構
文構造。
【0137】
ピクチャユニット(PU):規定された分類規則に従って互いに関連付けられた1つの
NALユニットのセットは、復号順に連続しており、正確に1つのコーディングされたピ
クチャを含む。
【0138】
予測:予測処理の実施形態。
【0139】
予測処理:現在復号されているデータエレメント(例えば、サンプル値または動きベク
トル)の推定を提供するための予測子の使用。
【0140】
予測(P)スライス:最大1つの動きベクトルおよび参照インデックスを有するイント
ラ予測、またはインター予測を使用して復号されて、それぞれのブロックのサンプル値を
予測するスライス。
【0141】
予測子:後続のデータエレメントの復号処理に使用される、規定された値または前に復
号されたデータエレメント(例えば、サンプル値または動きベクトル)の組み合わせ。
【0142】
プロファイル:本明細書の構文の規定されたサブセット。
【0143】
4分木:親ノードを4つの子ノードに分けることができ、各々が子ノードがさらに4つ
の子ノードに分割できる親ノードになり得るツリー。
【0144】
量子化パラメータ:復号処理が変換係数レベルのスケーリングに使用する変数。
【0145】
ランダムアクセス:流れの始まり以外の点でビットストリームの復号処理を開始する動
作。
【0146】
ランダムアクセス復号可能先頭(RADL)PU:コーディングされたピクチャがRA
DLピクチャであるPU。
【0147】
ランダムアクセス復号可能先頭(RADL)ピクチャ:それぞれのVCL NALユニ
ットのnal_unit_typeがRADL_NUTであるコーディングされたピクチ
ャ。なお、RADLピクチャはすべて先頭ピクチャであることに留意されたい。RADL
ピクチャは、同じ関連付けられたIRAPピクチャのトレーリングピクチャの復号処理の
ための参照ピクチャとして使用されない。field_seq_flagが0に等しい場
合(存在する場合)、すべてのRADLピクチャは、同じ関連付けられたIRAPピクチ
ャのすべての非先頭ピクチャに復号順で先行する。
【0148】
ランダムアクセススキップ先頭(RASL)PU:コーディングされたピクチャが、R
ASLピクチャであるPU。
【0149】
ランダムアクセススキップ先頭(RASL)ピクチャ:それぞれのVCL NALユニ
ットのnal_unit_typeがRASL_NUTであるコーディングされたピクチ
ャ。なお、すべてのRASLピクチャは、関連付けられたCRAピクチャの先頭ピクチャ
であることに留意されたい。関連付けられたCRAピクチャのNoOutputBefo
reRecoveryFlagが1に等しい場合は、RASLピクチャは出力されず、ビ
ットストリームに存在しないピクチャへの参照を含む可能性があるため、RASLピクチ
ャは正しく復号可能ではない場合がある。RASLピクチャは、非RASLピクチャの復
号処理のための参照ピクチャとして使用されない。field_seq_flagが0に
等しい場合(存在する場合)、すべてのRASLピクチャは、同じ関連付けられたCRA
ピクチャのすべての非先頭ピクチャに復号順で先行する。
【0150】
ラスタスキャン:1次元パターンの最初のエントリは2次元パターンの左から右へスキ
ャンした最上行からとなり、同様に左から右へスキャンした2番目、3番目などの行が続
くようにする、長方形の2次元パターンを1次元パターンへマッピングするもの。
【0151】
生バイトシーケンスペイロード(RBSP):1つのNALユニットにカプセル化され
た整数個のバイトを含み、空であるか、または構文要素の後にRBSP停止ビットおよび
0に等しい0個以上の後続のビットを含むデータビットのストリングの形をとる構文構造
【0152】
生バイトシーケンスペイロード(RBSP)ストップビット:データビット列の後の生
バイトシーケンスペイロード(RBSP)内に存在する、1に等しいビットであって、R
BSP内の終端の位置は、RBSPの終端からRBSPストップビット(RBSP内の最
後の非ゼロビット)を検索することによって特定することが可能である。
【0153】
参照インデックス:参照ピクチャリストへのインデックス。
【0154】
参照ピクチャ:短期参照ピクチャであるピクチャ、長期参照ピクチャ、または、インタ
ーレイヤ参照ピクチャ。なお、参照ピクチャは、後続のピクチャの復号処理において復号
順にインター予測に使用してもよいサンプルを含むことに留意されたい。
【0155】
参照ピクチャリスト:PまたはBスライスのインター予測に使用される参照ピクチャの
リスト。なお、非IDRピクチャの各スライスごとに、参照ピクチャリスト0および参照
ピクチャリスト1という2つの参照ピクチャリストが生成されることに留意されたい。1
つのピクチャに関連付けられた2つの参照ピクチャリストにおけるすべてのエントリによ
って参照される固有のピクチャのセットは、関連付けられたピクチャまたは関連付けられ
たピクチャに続く任意のピクチャの復号順でインター予測に使用され得るすべての参照ピ
クチャで構成される。Pスライスの復号処理において、インター予測には参照ピクチャリ
スト0のみを使用する。Bスライスの復号処理において、インター予測には、ピクチャリ
スト0および参照ピクチャリスト1の両方を使用する。Iスライスのスライスデータを復
号する場合、インター予測には参照ピクチャリストは使用されない。
【0156】
参照ピクチャリスト0:Pのインター予測に使用される参照ピクチャリスト、またはB
スライスのインター予測に使用される第1の参照ピクチャリスト。
【0157】
参照ピクチャリスト1:Bスライスのインター予測に使用される第2の参照ピクチャリ
スト。
【0158】
予約(reserved):特定の構文要素の一部の値は、ITU-T|ISO/IE
Cで将来使用されるものであり、本明細書の本バージョンに準拠したビットストリームに
は使用されないが、ITU-T|ISO/IECによる本明細書の将来の拡大に準拠した
ビットストリームに使用してもよいことを規定するために使用できる用語。
【0159】
残差:1つのサンプルまたはデータエレメントの予測とその復号値との復号された差分
【0160】
スケーリング:変換係数のレベルに係数を乗算し、変換係数を得る処理。
【0161】
スケーリングリスト:周波数インデックスごとにスケーリング処理の倍率を関連付けた
リスト。
【0162】
スケーリングリストAPS:スケーリングリストを構築するために使用される構文要素
を持つAPS。
【0163】
シーケンスパラメータセット(SPS):各ピクチャヘッダに見出される構文要素が参
照するPPSにある構文要素のコンテンツによって決定する、0以上のCLVS全体に適
用される構文要素を含む構文構造。
【0164】
ものとする(shall):本明細書に適合させるために必須の要件を表すために使用
される用語。なお、構文要素の値または規定された復号処理の演算によって得られた結果
に対する必須の制約を表すために使用される場合は、この制約が満たされていることを保
証することは、エンコーダの責任であることに留意されたい。復号処理において行われる
演算を参照する際に使用されるとき、本明細書に記載の復号処理において出力されたもの
と同一のトリミングされた復号ピクチャを生成する復号処理は、本明細書の復号処理要件
に準拠する。この用語は、本明細書において、その要件がコーディングする規格に採用さ
れた例示的な実施形態を強調するためにのみ使用され、開示される技術の範囲を限定する
ものではない。
【0165】
短期参照画像(STRP):nuh_layer_idが現在のピクチャのnuh_l
ayer_idに等しく、「短期参照に使用される」とマークされたピクチャ。
【0166】
はずである、べきである(should):予想される通常の状況下で従うことが推奨
されるが、本明細書への適合性のための必須の要件ではない実装形態の挙動を参照するた
めに使用される用語。この用語は、本明細書において、その要件がコーディングする規格
に採用された例示的な実施形態を強調するためにのみ使用され、開示される技術の範囲を
限定するものではない。
【0167】
スライス:1つのピクチャのタイル内の整数個の完全なタイルまたは、単一のNALユ
ニットに排他的に含まれる連続した完全なCTU行。
【0168】
スライスヘッダ:スライスで表現されるタイル内のすべてのタイルまたはCTU行を含
むデータエレメントを含むコーディングされたスライスの一部。
【0169】
ソース:符号化前の映像素材またはその属性の一部を記述するために使用される用語。
【0170】
開始コードプレフィクス:それぞれのNALユニットのプレフィクスとしてバイトスト
リームに埋め込まれた、0x000001に等しい3つのバイトの固有のシーケンス。な
お、デコーダは、開始コードプレフィクスの位置を使用でき、新しいNALユニットの始
まりと前のNALユニットの終わりとを特定することができることに留意されたい。NA
Lユニット内での開始コードプレフィクスのエミュレーションは、エミュレーション防止
バイトを含めることによって防止される。
【0171】
ステップワイズ時間サブレイヤアクセス(STSA)PU:コーディングされたピクチ
ャがSTSAピクチャであるPU。
【0172】
ステップワイズ時間サブレイヤアクセス(STSA)ピクチャ:それぞれのVCL N
ALユニットのnal_unit_typeがSTSA_NUTであるコーディングされ
たピクチャ。なお、STSAピクチャは、インター予測参照に対してSTSAピクチャと
同じTemporalIdを有するピクチャを使用しないことに留意されたい。STSA
ピクチャと同じTemporalIdを有する復号順序でSTSAピクチャの後続のピク
チャは、STSAピクチャと同じTemporalIdを有する復号順序でインター予測
参照にはSTSAピクチャの前のピクチャを使用しない。STSAピクチャは、STSA
ピクチャにおいて、STSAピクチャを含むサブレイヤーに対して、直下のサブレイヤー
からのアップスイッチを有効化する。STSAピクチャのTemporalIdは0より
大きくなければならない。
【0173】
データビットのストリング(SODB):生バイトシーケンスペイロード停止ビット前
の生バイトシーケンスペイロード内に存在する構文要素を表すいくつかのビットのシーケ
ンスで、左端のビットを1つ目の最上位ビットと見なし、右端のビットを最後の最下位ビ
ットと見なす。
【0174】
サブビットストリーム抽出処理:対象のOLSインデックスと対象の最高位のTemp
oralIdによって決定される対象のセットに属さないビットストリーム中のNALユ
ニットをビットストリームから削除して、対象のセットに属するビットストリーム中のN
ALユニットで構成されるサブビットストリームを出力することを示す特定の処理。
【0175】
サブレイヤー:TemporalId変数の特定の値を有するVCL NALユニット
および関連付けられた非VCL NALユニットで構成される、時間的にスケーラブルな
ビットストリームの時間的にスケーラブルなレイヤ。
【0176】
サブレイヤー表現:特定のサブレイヤーと下位サブレイヤーとのNALユニットで構成
される、ビットストリームのサブセット。
【0177】
サブピクチャ:1つのピクチャ内の1つ以上のスライスの矩形領域。
【0178】
サブピクチャーレベルスライスインデックス:rect_slice_flagが1に
等しい場合、PPSで信号通知される順番にサブピクチャにおけるスライスのリストへの
スライスのインデックスを示す。
【0179】
補足強化情報(SEI)メッセージ:復号ピクチャにおけるサンプルの値を決定するた
めに、復号処理において必要とされない情報を伝達する、規定された意味論を有する構文
構造。
【0180】
構文要素:ビットストリームで表現されるデータの要素。
【0181】
構文構造:規定した順でビットストリームに共に存在する0以上の構文要素。
【0182】
一時分割:長方形のM×N個のサンプルブロックを3つのブロックに分割すること。垂
直の分割の結果、第1の(M/4)×Nブロック、第2の(M/2)×Nブロック、第3
の(M/4)×Nブロックとなり、水平の分割の結果、第1のM×(N/4)ブロック、
第2のM×(N/2)ブロック、第3のM×(N/4)ブロックが得られる。
【0183】
層:ビットストリームの構文要素の値に課されるレベル制約の規定されたカテゴリ。レ
ベル制約は階層内にネストされ、ある階層とレベルに適合するデコーダは、同じ階層また
はそのレベルの下位階層またはそれ以下のレベルに適合するすべてのビットストリームを
復号することができることになる。
【0184】
タイル:ピクチャにおける特定のタイル列および特定のタイル行内のCTUの矩形領域
【0185】
タイル列:ピクチャの高さに等しい高さと、ピクチャパラメータセット中の構文要素で
規定された幅を有するCTUの矩形領域。
【0186】
タイル行:ピクチャパラメータセットの構文要素で規定した高さと、ピクチャの幅と等
しい幅を有するCTUの矩形領域。
【0187】
タイルスキャン:ピクチャのタイルがピクチャのタイルのラスタスキャンで連続的に順
序付けられ、CTUはタイルのCTUラスタスキャンで連続的に順序付けられるピクチャ
を分割するCTUの特定の順番。
【0188】
末尾のピクチャ:出力順の関連付けられたIRAPピクチャに続くnon-IRAPピ
クチャで、STSAピクチャではない。なお、IRAPピクチャに関連付けられたトレー
リングピクチャも、IRAPピクチャの復号順に従うことに留意されたい。関連付けられ
たIRAPピクチャの出力順に続き、関連付けられたIRAPピクチャに復号順で先行す
るピクチャは、許可されない。
【0189】
変換:変換係数のブロックを空間的ドメイン値のブロックに変換する復号処理の一部。
【0190】
変換ブロック:復号処理内の変換から得られる矩形のM×N個のサンプルブロック。
【0191】
変換係数:周波数ドメインとみなされるスカラー量であり、復号処理における変換にお
いて特定の1次元または2次元の周波数インデックスに関連付けられる。
【0192】
変換係数レベル:変換係数値の計算をスケーリングする前の、復号処理における特定の
2次元周波数インデックスに関連付けられた値を表す整数の量。
【0193】
変換ユニット(TU):輝度およびクロマに対して単一のコーディングユニットツリー
を使用する場合のピクチャの輝度サンプルの変換ブロックおよびクロマサンプルの対応す
る2つの変換ブロック;または、輝度およびクロマに対して2つの別個のコーディングユ
ニットツリーとを使用する場合の輝度サンプルの変換ブロック、および変換ブロックサン
プルを変換するために使用する構文構造。
【0194】
ツリー:ツリーとは、固有の根ノードを有するノードの有限セットである。
【0195】
規定されていない:特定の構文要素のある値を規定するために使用してもよく、本明細
書においてその値が特定の意味を有しておらず、将来も、本明細書の将来のバージョンの
不可欠な部分として特定の意味を有していない用語。
【0196】
映像コーディングレイヤ(VCL)NALユニット:コーディングされたスライスNA
Lユニットの総称であり、NALユニットのサブセットは、nal_unit_type
の予約済み値を有し、本明細書ではこれはVCL_NALユニットに分類される。
【0197】
ビットストリームおよびピクチャのフォーマット、分割、スキャン処理、および近傍関
係の例を以下に説明する。
【0198】
6.3 ピクチャ、サブピクチャ、スライス、タイル、CTUの分割
【0199】
6.3.2 ブロック、4分木およびマルチタイプツリー構造
【0200】
サンプルはCTB単位で処理される。各輝度CTBの幅および高さの両配列サイズは、
サンプル単位でCtbSizeYである。各クロマCTBの配列の幅および高さは、それ
ぞれ、サンプル単位でCtbWidthCおよびCtbHeightCである。
各CTBは、イントラまたはインター予測のためのブロックサイズを特定し、且つ変換
コーディングのために、パーティション信号通知が割り当てられる。この分割は、再帰的
4分木分割である。4分木の根はCTBに関連付けられる。この4分木は、1つのリーフ
に達するまで分割され、これを4分木リーフと呼ぶ。モジュール幅がCTBサイズの整数
でない場合、右側のモジュール境界におけるCTBは不完全である。モジュールの高さが
CTBサイズの整数倍でない場合、下部のモジュール境界におけるCTBは不完全である

コーディングブロックは、2つのツリー、すなわち予測ツリーおよび変換ツリーの根ノ
ードである。予測ツリーは、予測ブロックの位置およびサイズを規定する。変換ツリーは
、変換ブロックの位置およびサイズを規定する。輝度およびクロマの分割情報は、予測ツ
リーと同一であり、変換ツリーと同一であってもなくてもよい。
【0201】
ブロックおよび関連付けられた構文構造は、以下のように「ユニット」構造にグループ
分けされる。
- 1つの変換ブロック(モノクロピクチャまたはseparate_colour_p
lane_flagが1に等しい)または3つの変換ブロック(4:2:0、4:2:2
、または4:4:4のカラーフォーマットのピクチャの輝度およびクロマ成分)および関
連付けられた変換構文構造ユニットは、変換ユニットに関連付けられる。
-1つのコーディングブロック(モノクロピクチャまたはseparate_colou
r_plane_flagが1に等しい)または3つのコーディングブロック(輝度およ
びクロマ)、関連付けられたコーディングする構文構造および関連付けられた変換ユニッ
トは、コーディングユニットに関連付けられる。
- 1つのCTB(モノクロピクチャまたはseparate_colour_plan
e_flagが1に等しい)または3つのCTB(輝度およびクロマ)、関連付けられた
コーディングツリー構文構造および関連付けられたコーディングユニットは、CTUに関
連付けられる。
【0202】
7 構文および意味論
【0203】
7.3 表形式の構文
【0204】
7.3.1.NALユニット構文
【0205】
7.3.1.1.一般NALユニット構文
【0206】
【表1】
【0207】
7.3.1.2 NALユニットヘッダ構文
【表2】
【0208】
7.3.2 生バイトシーケンスペイロード、後続ビット、およびバイト整列構文
【0209】
7.3.2.1 復号能力情報RBSP構文
【0210】
【表3】
【0211】
7.3.2.2 映像パラメータセットRBSP構文
【0212】
【表4】

【表5】

【表6】
【0213】
7.3.2.3 シーケンスパラメータセットRBSP構文
【0214】
【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】
【0215】
7.3.2.4 ピクチャパラメータセットRBSP構文
【0216】
【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】
【0217】
7.3.2.5 適応パラメータセットRBSP構文
【0218】
【表20】
【0219】
7.3.2.6 ピクチャヘッダRBSP構文
【0220】
【表21】
【0221】
7.3.2.7 ピクチャヘッダ構造構文
【0222】
【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】
【0223】
7.3.2.8 補足強化情報RBSP構文
【0224】
【表28】
【0225】
7.3.2.9 AU区切り文字RBSP構文
【0226】
【表29】
【0227】
7.3.2.10 シーケンスの末尾のRBSP構文
【0228】
【表30】
【0229】
7.3.2.11 ビットストリームRBSP構文の末尾
【0230】
【表31】
【0231】
7.3.2.11 フィラーデータRBSP構文
【0232】
【表32】
【0233】
7.4 意味論
【0234】
7.4.1 一般
【0235】
この項では、構文構造およびこれらの構造内の構文要素に関連付けられた意味論を規定
する。表または表のセットを使用して構文要素の意味論を規定する場合、本明細書で特に
明記しない限り、表で規定されていない値はビットストリームに含まれていてはならない
【0236】
7.4.2 NALユニット構文
【0237】
7.4.2.1 一般NALユニット構文
【0238】
NumBytesInNalUnitはNALユニットのサイズをバイトで規定する。
この値はNALユニットの復号に必要である。NumBytesInNalUnitの推
論を有効化するために、NALユニットの境界をある形式で区分することが要求される。
バイトストリームフォーマットのためのそのような境界画定方法の1つ。本明細書の範囲
外において、他の区分方法を規定してもよい。
【0239】
注1-映像コーディングレイヤ(VCL)は、映像データのコンテンツを効率的に表
すように規定される。NALは、そのデータをフォーマットするように規定され、様々な
通信チャネルまたは記憶媒体での伝送に適切な方法でヘッダ情報を提供する。すべてのデ
ータはNALユニットに含まれ、NALユニットの各々は整数バイトを含む。NALユニ
ットは、パケット指向システムおよびビットストリームシステムの両方で使用される一般
的なフォーマットを規定する。パケット指向トランスポートおよびバイトストリームの両
方のためのNALユニットのフォーマットは、各NALユニットが、バイトストリームフ
ォーマットで開始コードプレフィクスおよび追加のパディングバイトにより先行し得るこ
とを除いて同一である。
【0240】
RBSP_byte[i]は、RBSPのi番目のバイトである。RBSPは、バイト
の順序付けられたシーケンスとして以下のように規定される。
RBSPは、次のようなデータビット列(SODB)を含む。
-SODBが空である(すなわち、長さが0ビットである)場合、RBSPもまた空であ
る。
-そうでない場合、RBSPは、SODBを以下のように含む。
1) RBSPの第1バイトはSODBの第1(最上位、左端)の8ビットを含み、R
BSPの次のバイトはSODBの次の8ビット等を含み、SODBの残りが8ビット未満
になるまで続く。
2) SODBの後には、rbsp_trailing_bits()構文構造が以下
のように存在する。
i) 最後のRBSPバイトの第1(最上位、左端)のビットは、SODBの残りの
ビット(もしあれば)を含む。
ii) 次のビットは、1に等しい1つのビット(すなわち、rbsp_stop_
one_bit)で構成される。
iii) rbsp_stop_one_bitがバイトアラインされたバイトの最
後のビットでない場合、1つ以上のゼロ値ビット(すなわち、RBSP_alignme
nt_zero_bitのインスタンス)が存在し、バイトアラインメントされたが行わ
れる。
3) RBSPの末端のRBSP_trailing_bits()の後に、いくつか
のRBSPにおいて、0x0000に等しい1つ以上のcabac_zero_word
16ビット構文要素が存在してもよい。
【0241】
これらのRBSPプロパティを有する構文構造は、構文テーブルにおいて、「_rbs
p」サフィックスを使用して表される。これらの構造は、RBSP_byte[i]デー
タバイトのコンテンツとしてNALユニット内で実行される。RBSP構文構造のNAL
ユニットへの関連付けは、表5で規定されるとおりである。
【0242】
注2-RBSPの境界が既知である場合、デコーダは、RBSPのバイトのビットを
連結し、1に等しい最後の(最下位、右端)ビットであるrbsp_stop_one_
bitを廃棄し、それに続く(下位、右端)ビットであって0に等しいビットを廃棄する
ことによって、RBSPからSODBを抽出することができる。復号処理に必要なデータ
は、RBSPのSODB部に含まれる。
【0243】
emulation_prevention_three_byteは、0x03に等
しいバイトである。NALユニットにemulation_prevention_3_
byteが存在する場合、復号処理により廃棄される。
NALユニットの最後のバイトは0x00に等しくない。
【0244】
NALユニット内において、バイトアラインされたどの位置においても、以下の3バイ
トのシーケンスは発生しない。
-0x000000
-0x000001
-0x000002
【0245】
NALユニット内において、0x000003で始まる4バイトのシーケンスであって
、バイトアラインされた位置に次のシーケンス以外のシーケンスは発生しない。
-0x00000300
-0x00000301
-0x00000302
-0x00000303
【0246】
7.4.2.2 NALユニットヘッダの意味論
【0247】
forbidden_zero_bitは、0に等しいものとする。
【0248】
nuh_reserved_zero_bitは、0に等しいものとする。nuh_r
eserved_zero_bitの値1は、将来、ITU-T|ISO/IECにより
規定してもよい。デコーダは、nuh_reserved_zero_bitが1に等し
いNALユニットを無視する(すなわち、ビットストリームから削除し、廃棄する)。
【0249】
nuh_layer_idは、VCL NALユニットが属するレイヤの識別子、また
は非VCL NALユニットが適用されるレイヤの識別子を規定する。nuh_laye
r_idの値は、0から55までの範囲内(両端含む)にあるものとする。nuh_la
yer_idの他の値は、ITU-T|ISO/IECで将来使用されるよう、予約され
ている。
nuh_layer_idの値は、1つのコーディングされたピクチャのすべてのVC
L NALユニットに対して同じであるものとする。コーディングされたピクチャまたは
PUのnuh_layer_idの値は、コーディングされたピクチャまたはPUのVC
L NALユニットのnuh_layer_idの値である。
【0250】
AUD、PH、EOS、FD NALユニットのnuh_layer_idの値は、以
下のように制約される。
- nal_unit_typeがAUD_NUTに等しい場合、nuh_layer_
idはvps_layer_id[0]に等しいものとする。
- そうでない場合、nal_unit_typeがPH_NUT、EOS_NUT、FD_NUTに等しい場合、nuh_layer_idは関連付けられたVCL NALユニットのnuh_layer_idであるものとする。
【0251】
注1-DCI、VPS、およびEOB NALユニットのnuh_layer_id
の値は制約されていない。
【0252】
nal_unit_typeの値は、1つのCVSS AUのすべてのピクチャについ
て同じものとする。
nal_unit_typeは、表5で規定されているように、NALユニットタイプ
、すなわちNALユニットに含まれるRBSPデータ構造のタイプを規定する。
NALユニットのnal_unit_typeがUNSPEC_28..UNSPEC
_31の範囲内にあり、意味論が規定されていない場合、このNALユニットは、本明細
書で規定される復号処理に影響を及ぼさないものとする。
【0253】
注2-NALユニットタイプは、UNSPEC_28...UNSPEC_31の範
囲内にある場合、アプリケーションにより決定されたとおりに使用されてもよい。本明細
書では、nal_unit_typeのこれらの値の復号処理は規定されていない。異な
るアプリケーションはこれらのNALユニットタイプを異なる目的で使用してもよいので
、これらのnal_unit_type値を有するNALユニットを生成するエンコーダ
の設計、およびこれらのnal_unit_type値を有するNALユニットのコンテ
ンツを解釈するデコーダの設計にあたり、特に注意しなければならない。本明細書は、こ
れらの値の管理を定義していない。これらのnal_unit_type値は、使用の「
衝突」(すなわち、同じnal_unit_type値に対するNALユニットのコンテ
ンツの意味の異なる定義)が重要でない、または可能でない、または管理された状況、例
えば、制御アプリケーションまたはトランスポート仕様において、またはビットストリー
ムが分散される環境を制御することによって定義または管理されるコンテキストでの使用
にのみ適している場合がある。
【0254】
ビットストリームデコーダのDUにおけるデータの数を決定すること以外の目的のため
に、nal_unit_typeの予約された値を使用するすべてのNALユニットのコ
ンテンツを無視する(ビットストリームから取り除き、廃棄する)ものとする。
【0255】
注3-この要件は、本明細書に適合する拡張モジュールを将来的に定義することを可
能にする。
【0256】
【表33】

【表34】
【0257】
注4-クリーンランダムアクセス(CRA)ピクチャは、ビットストリームに存在す
るRASLまたはRADLピクチャに関連付けられてもよい。
【0258】
注5-IDR_N_LPに等しいnal_unit_typeを有する瞬時復号更新
(IDR)ピクチャは、ビットストリームに存在する関連付けられた先頭ピクチャを有さ
ない。nal_unit_typeがIDR_W_RADLに等しいIDRピクチャは、
ビットストリームに存在するRASLピクチャに関連付けられていないが、ビットストリ
ームに関連付けられたRADLピクチャを有していてもよい。
【0259】
任意の特定のピクチャのVCL NALユニットに対して、以下が適用される。
-mixed_nalu_types_in_pic_flagが0に等しい場合、n
al_unit_typeの値は、ピクチャのすべてのコーディングされたスライスNA
Lユニットについて同じとなるものとする。1つのピクチャまたはPUは、このピクチャ
またはPUのコーディングされたスライスNALユニットと同じNALユニットタイプを
有すると見なされている。
-そうでない場合(mixed_nalu_types_in_pic_flagが1
に等しい)、ピクチャの1つ以上のサブピクチャのVCL NALユニットは、すべて、
nal_unit_typeの特定の値がSTSA_NUT、RADL_NUT、RAS
L_NUT、IDR_W_RADL、IDR_N_LP、またはCRA_NUTに等しい
一方、ピクチャの他のVCL NALユニットは、すべて、nal_unit_type
の異なる特定の値が、TRAIL_NUT、RADL_NUT、RASL_NUTと等し
い。
【0260】
単レイヤビットストリームの場合、以下の制約が適用される。
-各ピクチャは、復号順においてビットストリームの第1のピクチャを除き、復号順に
おいて前のIRAPピクチャに関連付けられていると考えられる。
-ピクチャがIRAPピクチャの先頭ピクチャである場合、RADLまたはRASLピ
クチャとする。
-ピクチャがIRAPピクチャの末端ピクチャである場合、RADLまたはRASLピ
クチャではないものとする。
-IDRピクチャに関連付けられたRASLピクチャは、ビットストリームに含まれて
いないものとする。
-nal_unit_typeがIDR_N_LPであるIDRピクチャに関連付けら
れたRADLピクチャは、ビットストリームに含まれていないものとする。
【0261】
注6-各パラメータセットが参照されるときに(ビットストリームにおいて、または
本明細書で規定されていない外部手段によって)利用可能である限り、IRAP PUの
前にあるすべてのPUを廃棄することで(且つIRAPピクチャおよび後続のすべての非
RASLピクチャを復号順に正しく復号することで)、IRAP PUの位置でランダム
アクセスを行うことができる。
【0262】
-IRAPピクチャに復号順で先行するピクチャは、IRAPピクチャに出力順で先行
し、IRAPピクチャに関連付けられたRADLピクチャを出力順で先行するものとする

-CRAピクチャに関連付けられたRASLピクチャは、出力順でCRAピクチャに関
連付けられたRADLピクチャに先行するものとする。
-CRAピクチャに関連付けられたRASLピクチャは、復号順でCRAピクチャに先
行するIRAPピクチャの出力順に従うものとする。
-field_seq_flagが0に等しく、現在のピクチャがIRAPピクチャに
関連付けられた先頭ピクチャに等しい場合、同じIRAPピクチャに関連付けられたすべ
ての非先頭ピクチャに復号順で先行するものとする。そうでない場合、picAおよびp
icBを、それぞれ、1つのIRAPピクチャに関連付けられた、復号順序において、最
初のおよび最後の先頭ピクチャとすると、復号順において、復号順でpicAに先行する
非先頭ピクチャが最大1つ存在し、復号順でpicAおよびpicBの間に非先頭ピクチ
ャはないものとする。
【0263】
nuh_temporal_id_plus1-1は、NALユニットの時間的識別子
を規定する。
nuh_temporal_id_plus1の値は0に等しくないものとする。
【0264】
変数TemporalIdは、以下のように導出される。
TemporalId=nuh_temporal_id_plus1-1 (
36)
nal_unit_typeがIDR_W_RADL~RSV_IRAP_12の範囲
内にある場合、TemporalIdは0に等しいものとする。
nal_unit_typeがSTSA_NUTであり、vps_independe
nt_layer_flag[GeneralLayerIdx[nuh_layer_
id]]が1に等しい場合は、TemporalIdは0でないものとする。
TemporalIdの値は、1つのAUのすべてのVCL NALユニットに対して
同じであるものとする。コーディングされたピクチャ、PU、またはAUのTempor
alIdの値は、コーディングされたピクチャ、PU、またはAUのVCL NALユニ
ットのTemporalIdの値である。サブレイヤー表現のTemporalIdの値
は、サブレイヤー表現におけるすべてのVCL NALユニットのTemporalId
の最大値である。
【0265】
非VCL NALユニットのTemporalIdの値は、以下のように制約される。
-nal_unit_typeがDCI_NUT、VPS_NUT、VPS_NUT、
またはSPS_NUTに等しい場合、TemporalIdは0に等しく、NALユニッ
トを含むAUのTemporalIdは0に等しいものとする。
-そうでない場合、nal_unit_typeがPH_NUTに等しい場合、Tem
poralIdはNALユニットを含むPUのTemporalIdであるものとする。
-そうでない場合、nal_unit_typeがEOS_NUTまたはEOB_NU
Tに等しい場合、TemporalIdは0に等しいものとする。
-そうでない場合、nal_unit_typeがAUD_NUT、FD_NUT、P
REFIX_SEI_NUT、またはSUFFIX_SEI_NUTに等しい場合、Te
mporalIdはNALユニットを含むAUのTemporalIdであるものとする

-そうでない場合、nal_unit_typeがPPS_NUT、PREFIX_A
PS_NUT、またはSUFFIX_APS_NUTに等しい場合、TemporalI
dはNALユニットを含むPUのTemporalId以上であるものとする。
【0266】
注7-NALユニットが非VCL NALユニットに等しい場合、Temporal
Idの値は、その非VCL NALユニットが適用されるすべてのAUのTempora
lId値の最小値である。nal_unit_typeがPPS_NUT、PREFIX
_APS_NUT、またはSUFFIX_APS_NUTに等しい場合、Tempora
lIdは、AUを含むTemporalId以上であってもよく、すべてのPPSおよび
APSがビットストリームの始まりに含まれてもよく(例えば、それらが帯域外に輸送さ
れている場合、受信機はそれらをビットストリームの先頭に配置する)、第1のコーディ
ングされたピクチャは、0に等しいTemporalIdを有する。
【0267】
7.4.2.3 RBSP内へのSODBのカプセル化(参考情報)
【0268】
この項は、本明細書の不可欠な部分を構成するものではない。
RBSP内でのSODBのカプセル化の形式およびNALユニット内でのRBSPのカ
プセル化のためのemulation_prevention_three_byteの
使用について、以下の目的のために説明する。
-NALユニット内で任意のSODBを表現されるようにしつつ、NALユニット内で
開始コードがエミュレートされないようにするため、
-RBSPの末端で始まるRBSP_stop_one_bitのためにRBSPを検
索することで、NALユニット内のSODBの末端の特定を有効化するため、
-状況によっては、NALユニットのサイズをSODBのサイズより大きくすることを
有効化するため(cabac_zero_word構文要素を1つ以上使用する)。
【0269】
エンコーダは、RBSPから次の手順でNALユニットを生成することができる。
1. RBSPデータに対して、以下の2値パターンのバイトアラインされたビットを検
索する。
‘00000000 00000000 000000xx’(ここで、‘xx’は、
任意の2ビットパターン:‘00’、‘01’、‘10’、または‘11’を表す)、
ビットパターンをパターンに置き換えるために、0x03であるバイトを挿入する。
‘00000000 00000000 00000011 000000xx’,
最後に、RBSPデータの最後のバイトが0x00に等しい場合(RBSPがcabac
_zero_wordで終わる場合にのみ発生し得る)、0x03に等しい最後のバイト
がデータの末端に付加される。RBSPにおけるバイトアラインされた3バイトのシーケ
ンス0x000000(4バイトのシーケンス0x00000300に置き換えられる)
の最後の0バイトは、上記で規定された2値パターンを有するバイトアラインされたビッ
トの次の発生に対してRBSPデータを検索するときに考慮される。
2. 結果として得られるバイトのシーケンスの前にはNALユニットヘッダがプレフィ
クスされ、その中でnal_unit_typeはNALユニットにおけるRBSPデー
タ構造のタイプを示す。
【0270】
以上の処理により、NALユニット全体が構築される。
この処理は、任意のSODBをNALユニットに表すことを可能にし、且つ以下の両方
を保証することができる。
-NALユニット内では、バイトアラインされた開始コードプレフィクスはエミュレー
トされない。
-NALユニット内では、バイトアラインメントに関わらず、開始コードプレフィクス
が続く、8つのゼロ値ビットのシーケンスは、エミュレートされない。
【0271】
7.4.2.4 ビットストリームにおけるNALユニットの順番
【0272】
7.4.2.4.1 一般
【0273】
7.4.2.4項の従属節は、ビットストリームにおけるNALユニットの順序に関す
る制約を規定する。
これらの制約に従うビットストリームにおけるNALユニットの任意の順序は、本明細
書ではNALユニットの復号順と呼ばれる。
NALユニット内で、項目7.3及びD.2における構文は、構文要素の復号順を規定
する。本明細書に規定されるNALユニットに、ITU-T H.SEI|ISO/IE
C23002-7に規定されるVUIパラメータ又はSEIメッセージが含まれている場
合、ITU-T H.SEI|ISO/IEC23002-7に規定されるVUIパラメ
ータ又はSEIメッセージの構文は、これらの構文要素の復号順を規定する。デコーダは
、NALユニット及びそれらの構文要素をデコード順に受信することができる。
【0274】
7.4.2.4.2 AUの順序及びそれらのCVSへの関連付け
【0275】
ビットストリームは、1つ以上のCVSからなる。
CVSは、1つ以上のAUからなる。PUの順番及びAUとの関連付けは、項目7.4
.2.4.3に記載されている。
CVSの最初のAUは、CVSS AUであり、現在の各PUは、CLVSS PUで
あり、NoOutputBeforeRecoveryFlagが1に等しいIRAP
PU、又はNoOutputBeforeRecoveryFlagが1に等しいGDR
PUのいずれかである。
各CVSS AUは、CVSに存在する各レイヤに1つのPUを有する。
EOS NALユニットを含むAUの後に次のAUがある場合、ビットストリーム適合
性の要件は、存在する場合、CVSS AUとする。
【0276】
7.4.2.4.3 PUの順番及びAUとの関連付け
【0277】
1つのAUは、nuh_layer_idの昇順に1つ以上のPUを含む。NALユニ
ットの順番及びコーディングされたピクチャ、並びにそれらのPUとの関連付けは、7.
4.2.4.4項に記載されている。
1つのAUには、最大1つのAUD NALユニットがあってもよい。AUD NAL
ユニットがAUに存在する場合、AUの最初のNALユニットとなり、その結果、AUの
最初のPUの最初のNALユニットとなる。
1つのAUには、最大1つのEOB NALユニットが存在してもよい。1つのAUに
1つのEOB NALユニットが存在する場合、このユニットはこのAUの最後のNAL
ユニットとなり、その結果、このAUの最後のPUの最後のNALユニットとなる。
1つのVCL NALユニットがPH NALユニットに続く最初のVCL NALユ
ニットであり、以下の条件が1つ以上真である場合、VCL NALユニットはAUの最
初のVCL NALユニットとなる(その結果、VCL NALユニットを含むPUは、
AUの最初のPUとなる)。
【0278】
-VCL NALユニットのnuh_layer_idの値は、復号順で前のピクチャ
のnuh_layer_idよりも小さい。
-VCL NALユニットのph_pic_order_cnt_lsbの値は、復号
順で前のピクチャのph_pic_order_cnt_lsbの値と異なる。
-VCL NALユニットに対して導出されたPicOrderCntValは、復号
順で前のピクチャのPicOrderCntValと異なる。
【0279】
firstVclNalUnitInAuをAUの最初のVCL NALユニットとす
る。firstVclNalUnitInAuに先行し、firstVclNalUni
tInAuに先行する最後のVCL NALユニットに続く、以下のNALユニットのう
ちいずれか最初のものがある場合、新しいAUの開始を規定する。
【0280】
-AUD NAL ユニット (存在する場合)、
-DCI NAL ユニット (存在する場合)、
-VPS NAL ユニット (存在する場合)、
-SPS NAL ユニット (存在する場合)、
-PPS NAL ユニット(存在する場合)、
-Prefix APS NAL ユニット(存在する場合)、
-PH NAL ユニット (存在する場合)、
-Prefix SEI NAL ユニット(存在する場合)、
-nal_unit_typeがRSV_NVCL_26に等しいNALユニット(存
在する場合)、
-nal_unit_typeがUNSPEC28..UNSPEC29(存在する場
合)の範囲にあるNALユニット。
【0281】
注:firstVclNalUnitInAuに先行し、firstVclNalU
nitInAuに先行する最後のVCL NALユニットに続く最初のNALユニットが
あれば、それのみが上に列記したNALユニットのうちの1つになり得る。
【0282】
ビットストリーム適合性の要件がある場合、それは同じレイヤに属し、EOS NAL
ユニットを含むPUの後の規定のレイヤの次のPUが、NoOutputBeforeR
ecoveryFlagが1に等しいIRAP PU、またはNoOutputBefo
reRecoveryFlagが1に等しいGDR PUのいずれかのCLVSS PU
であるとする。
【0283】
7.4.2.4.4 NALユニットおよびコーディングされたピクチャの順序、並びに
、それらのPUとの関連付け
【0284】
1つのPUは、0または1つのPH NALユニットと、1つ以上のVCL NALユ
ニットを備える1つのコーディングされたピクチャと、ゼロ以上の他の非VCL NAL
ユニットを含む。VCL NALユニットのコーディングされたピクチャへの関連付けは
、7.4.2.4.5項に記載されている。
1つのピクチャが2つ以上のVCL NALユニットで構成される場合、1つのPH
NALユニットがPUに存在するものとする。
1つのPUに1つのPH NALユニットが存在する場合、1つのピクチャの第1のV
CL NALユニットは、このピクチャの復号順でこのPH NALユニットに続く第1
のVCL NALユニットである。そうでない場合(PUにPH NALユニットが存在
しない)、1つのピクチャの第1のVCL NALユニットは、このピクチャの唯一のV
CL NALユニットである。
PU内の前記非VCL NALユニット(前記AUD及びEOB NALユニットを除
く)の順番は、以下の制約に従うものとする。
【0285】
-1つのPH NALユニットが1つのPUに存在する場合、そのPUの第1のVCL
NALユニットに先行するものとする。
-PU内に、DCI NALユニット、VPS NALユニット、SPS NALユニ
ット、PPS NALユニット、プレフィクスAPS NALユニット、プレフィクスS
EI NALユニット、nal_unit_typeがRSV_NVCL_26に等しい
NALユニット、又は、NALユニットがUNSPEC_28..UNSPEC_29の
範囲にあるNALユニットが存在する場合、それらはPUの最後のVCL NALユニッ
トを追従しないものとする。
-1つのPU内に1つのDCI NALユニット、VPS NALユニット、SPS
NALユニット、またはPPS NALユニットが存在する場合、それらはPUのPH
NALユニット(存在する場合)に先行し、且つPUの第1のVCL NALユニットに
先行するものとする。
-PUにおけるnal_unit_typeがSUFFIX_APS_NUT、SUF
FIX_SEI_NUT、FD_NUT、又はRSV_NVCL_27に等しい、又は、
UNSPEC_30...UNSPEC_31の範囲内にあるNALユニットは、PUの
最初のVCL NALユニットより先行することはないものとする。
-EOS NALユニットが1つのPU内に存在する場合、EOB NALユニット(
存在する場合)以外のPU内にあるすべてのNALユニットのうち、最後のNALユニッ
トとする。
【0286】
7.4.2.4.5 VCL NALユニットの順序およびそのコーディングされたピク
チャへの関連付け
【0287】
コーディングされたピクチャにおけるVCL NALユニットの順序は、以下のように
制約される。
-1つのコーディングされたピクチャの任意の2つのコーディングされたスライスNA
LユニットA及びBについて、subpicIdxA及びsubpicIdxBをそれら
のサブピクチャレベルインデックス値とし、sliceAddrA及びsliceddr
Bをそれらのslice_address値とする。
-以下の条件のいずれかが真である場合、コーディングされたスライスNALユニット
Aは、コーディングされたスライスNALユニットBに先行するものとする。
-subpicIdxAは、subpicIdxB未満である。
-subpicIdxAはsubpicIdxBに等しく、sliceAddrAは
sliceAddrB未満である。
【0288】
7.4.3. 生バイトシーケンスペイロード、トレーリングビット、およびバイトアラ
インメントの意味論
【0289】
7.4.3.1 復号能力情報RBSP意味論
【0290】
DCI RBSPは、ビットストリームに存在すること、ビットストリームの少なくと
も第1のAUに含まれること、または外部手段によって提供されることのいずれかによっ
て、デコーダに対して利用可能とすることができる。
注1-DCI RBSPに含まれる情報は、復号処理の演算に必要ではない。
存在する場合、ビットストリームにおけるすべてのDCI NALユニットは、同じコ
ンテンツを有するものとする。
【0291】
dci_max_sublayers_minus1+1は、ビットストリームの各C
VSにおけるレイヤに存在し得る時間的サブレイヤーの最大数を規定する。dci_ma
x_sublayers_minus1の値は、0から6までの範囲内にあるべきである
【0292】
本明細書のこのバージョンに準拠するビットストリームにおいて、dci_reser
ved_zero_bitは0に等しいものとする。dci_reserved_zer
o_bitの値1は、ITU-T|ISO/IECによる将来の使用のために予約される
【0293】
dci_num_ptls_minus1+1は、DCI NALユニットにおけるp
rofile_tier_level()構文構造の数を規定する。
ビットストリームにおけるCVSにおける各OLSは、DCI NALユニットにおけ
るprofile_tier_level()構文構造のうち少なくとも1つに準拠する
ものとすることが、ビットストリーム適合性の要件である。
【0294】
注2-DCI NALユニットは、複数のOLSに集合的に適用される、複数のpr
ofile_tier_level()構文構造で搬送される可能性があるPTL情報を
含んでいてもよく、各OLSの各々にPTL情報を個別に含む必要がない。
【0295】
0に等しいdci_extension_flagは、DCI RBSP構文構造にd
ci_extension_data_flag構文要素が含まれていないことを規定す
る。1に等しいdci_extension_flagは、DCI RBSP構文構造に
dci_extension_data_flag構文要素が存在することを規定する。
【0296】
dci_extension_data_flagは任意の値を有することができる。
その存在および値は、デコーダのプロファイルへの適合性に影響を及ぼさない。本明細書
バージョンに準拠するデコーダは、すべてのdci_extension_data_f
lag構文要素を無視しなければならない。
【0297】
7.4.3.2 映像パラメータセットRBSP意味論
【0298】
VPS RBSPは、それが参照される前に、復号処理に利用可能であり、Tempo
r alIdが0に等しい、又は外部手段によって提供される少なくとも1つのAUに含
まれる。
CVSにおけるvps_video_parameter_set_idの特定の値を
有するすべてのVPS NALユニットは、同じコンテンツを有するものとする。
【0299】
vps_video_parameter_set_idは、他の構文要素が参照する
VPSの識別子を提供する。vps_video_parameter_set_idの
値は0より大きいものとする。
【0300】
vps_max_layers_minus1+1は、各CVSがVPSを参照すると
きに最大許容レイヤ数を規定する。
【0301】
vps_max_sublayers_minus1+1は、VPSを参照する各CV
Sのレイヤに存在し得る時間的サブレイヤーの数の最大数を規定する。vps_max_
sublayers_minus1の値は、0から6までの範囲内にあるべきである。
【0302】
1に等しいvps_all_layers_same_num_sublayers_
flagは、VPSを参照する各CVSにおけるすべてのレイヤにおいて時間的サブレイ
ヤーの数が同じであることを規定する。0に等しいvps_all_layers_sa
me_num_sublayers_flagは、VPSを参照する各CVSのレイヤが
同じ数の時間的サブレイヤーを有していてもいなくてもよいことを規定する。存在しない
場合、vps_all_layers_same_num_sublayers_fla
gの値は1に等しいと推測される。
【0303】
1に等しいvps_all_independent_layers_flagは、C
VSにおけるすべてのレイヤがインターレイヤ予測を使用せずに独立してコーディングさ
れることを規定する。0に等しいvps_all_independent_layer
s_flagは、CVSの1つ以上のレイヤがインターレイヤ予測を使用してもよいこと
を規定する。存在しない場合、vps_all_independent_layers
_flagの値は1に等しいと推測される。
【0304】
vps_layer_id[i]は、i番目のレイヤのnuh_layer_idの値
を規定する。mおよびnの任意の2つの非負整数値の場合、mがn未満であるとき、vp
s_layer_id[m]の値は、vps_layer_id[n]未満であるものと
する。
【0305】
1に等しいvps_independent_layer_flag[i]は、インデ
ックスiのレイヤがインターレイヤ予測を使用しないことを規定する。0に等しいvps
_independent_layer_flag[i]は、インデックスiのレイヤが
インターレイヤ予測を使用でき、かつ、jの構文要素vps_direct_ref_l
ayer_flag[i][j]が0~i-1の範囲内にある場合には(両端を含む)、
VPSに存在することを規定する。存在しない場合、vps_independent_
layer_flag[i]の値は1に等しいと推測される。
【0306】
0に等しいvps_direct_ref_layer_flag[i][j]は、イ
ンデックスjを有するレイヤがインデックスiを有するレイヤの直接参照レイヤでないこ
とを規定する。1に等しいvps_direct_ref_layer_flag[i]
[j]は、インデックスjを有するレイヤがインデックスiを有するレイヤの直接参照レ
イヤであることを規定する。iおよびjが0~vps_max_layer_minus
1の範囲内にあるとき、vps_direct_ref_layer_flag[i][
j]が存在しない場合、それは0に等しいと推論される。vps_independen
t_layer_flag[i]が0に等しい場合、vps_direct_ref_l
ayer_flag[i][j]の値が1となるように、0~i-1の範囲内にあるjの
値が少なくとも1つあるものとする。
変数NumDirectRefLayers[i]、DirectRefLayerI
dx[i][d]、NumRefLayers[i]、RefLayerIdx[i][
r]、およびLayerUsedAsdRefLayerFlag[j]は次のように導
出される:
【0307】
for(i=0;i<=vps_max_layers_minus1;i++){
for(j=0;j<=vps_max_layers_minus1;j++){
dependencyFlag[i][j]=vps_direct_ref_la
yer_flag[i][j]
for(k=0;k<i;k++)
if(vps_direct_ref_layer_flag[i][k]&&d
ependencyFlag[k][j])
dependencyFlag[i][j]=1

LayerUsedAsRefLayerFlag[i]=0

for(i=0;i<=vps_max_layers_minus1;i++){
for(j=0,d=0,r=0;j<=vps_max_layers_minus
1;j++){ (37)
if(direct_ref_layer_flag[i][j]){
DirectRefLayerIdx[i][d++]=j
LayerUsedAsRefLayerFlag[j]=1

if(dependencyFlag[i][j])
RefLayerIdx[i][r++]=j

NumDirectRefLayers[i]=d
NumRefLayers[i]=r
【0308】
vps_layer_id[i]であるnuh_layer_idを有するレイヤのレ
イヤインデックスを規定する変数GeneralLayerIdx[i]は、以下のよう
に導出される。
for(i=0;i<=vps_max_layers_minus1;i++) (
38)
GeneralLayerIdx[vps_layer_id[i]]=i
【0309】
iおよびjの、両方とも0~vps_max_layers_minus1の範囲内に
ある任意の2つの異なる値について、dependencyFlag[i][j]が1に
等しい場合、i番目のレイヤに適用されるchroma_format_idcとbit
_depth_minus8は、j番目のレイヤに適用されるchroma_forma
t_idcとbit_depth_minus8とそれぞれ等しいとすることが、ビット
ストリーム適合性の要件である。
【0310】
max_tid_ref_present_flag[i]が1に等しい場合は、構文
要素max_tid_il_ref_pics_plus1[i]が存在することを規定
する。max_tid_ref_present_flag[i]が0に等しい場合は、
構文要素max_tid_il_ref_pics_plus1[i]が存在しないこと
を規定する。
【0311】
max_tid_il_ref_pics_plus1[i]が0に等しい場合は、i
番目のレイヤの非IRAPピクチャでインターレイヤ予測を使用しないことを規定する。
max_tid_il_ref_pics_plus1[i]>0は、i番目のレイヤの
ピクチャを復号するために、max_tid_il_ref_pics_plus1[i
]-1より大きいTemporalIdを有するピクチャをILRPとして使用しないこ
とを規定する。存在しない場合、max_tid_il_ref_pics_plus1
[i]の値は7に等しいと推測される。
【0312】
each_layer_is_an_ols_flagが1に等しい場合は、各OLS
が1つのレイヤのみを含み、VPSを参照するCVSにおける各レイヤ自体が1つのOL
Sであり、単一の含まれたレイヤが唯一の出力レイヤであることを規定する。OLSであ
るeach_layer_is_an_ols_flagが0に等しい場合は、2つ以上
のレイヤを含んでいてもよい。vps_max_layers_minus1が0に等し
い場合、each_layer_is_an_ols_flagの値は1に等しいと推論
される。そうでない場合、vps_all_independent_layers_f
lagが0に等しい場合、each_layer_is_an_ols_flagの値は
0に等しいと推論される。
【0313】
0に等しいols_mode_idcは、VPSで規定されたOLSの総数がvps_
max_layers_minus1+1に等しいことを規定し、i番目のOLSは、レ
イヤインデックスが0からiまでのレイヤを含み、各OLSにおいて、OLSにおける最
上位レイヤのみを出力する。
1に等しいols_mode_idcは、VPSで規定されたOLSの総数がvps_
max_layers_minus1+1に等しいことを規定し、i番目のOLSは、レ
イヤインデックスが0からiまでのレイヤを含み、各OLSにおいて、OLSにおけるす
べてのレイヤを出力する。
ols_mode_idcが2に等しい場合は、VPSによって規定されたOLSの総
数が明示的に信号通知されることを規定し、各OLSにおいて、出力レイヤは明示的に信
号通知され、他のレイヤがOLSの出力レイヤの直接または間接参照レイヤであるレイヤ
であることを規定する。
ols_mode_idcの値は、0から2までの範囲内にあるべきである。ols_
mode_idcの値3は、ITU-T|ISO/IECが将来使用するために予約され
ている。
vps_all_independent_layers_flagが1に等しく、e
ach_layer_is_an_ols_flagが0に等しい場合、ols_mod
e_idcの値は2に等しいと推論される。
【0314】
num_output_layer_sets_minus1+1は、ols_mod
e_idcが2に等しいときには、VPSで規定されるOLSの総数を規定する。
VPSで規定されたOLSの総数を規定する変数TotalNumOlssは、以下の
ように導出される。
【0315】
if(vps_max_layers_minus1==0)
TotalNumOlss=1
else if(each_layer_is_an_ols_flag||ols_m
ode_idc==0||ols_mode_idc==1)
TotalNumOlss=vps_max_layers_minus1+1(39

else if(ols_mode_idc==2)
TotalNumOlss=num_output_layer_sets_minu
s1+1
【0316】
1に等しいols_output_layer_flag[i][j]は、ols_m
ode_idcが2に等しい場合、nuh_layer_idがvps_layer_i
d[j]に等しいレイヤがi番目のOLSの出力レイヤであることを規定する。0に等し
いols_output_layer_flag[i][j]は、ols_mode_i
dが2に等しい場合、nuh_layer_idがvps_layer_id[j]に等
しいレイヤがi番目のOLSの出力レイヤでないことを規定する。
i番目のOLSにおける出力レイヤの数を規定する変数NumOutputLayer
sInOls[i]、i番目のOLSにおけるj番目のレイヤのサブレイヤーの数を規定
する変数NumSubLayersInLayerInOls[i][j]、i番目のO
LSにおけるj番目の出力レイヤのnuh_layer_id値を規定する変数Outp
utLayerIdInOls[i][j]、および少なくとも1つのOLSにおいてk
番目のレイヤを出力レイヤとして使用するかどうかを規定する変数LayerUsedA
sOutputLayerFlag[k]、を以下のように導出する。
【0317】
NumOutputLayersInOls[0]=1
OutputLayerIdInOls[0][0]=vps_layer_id[0]
NumSubLayersInLayerInOLS[0][0]=vps_max_s
ub_layers_minus1+1
LayerUsedAsOutputLayerFlag[0]=1
for(i=1,i<=vps_max_layers_minus1;i++) {
if(each_layer_is_an_ols_flag||ols_mode_
idc<2)
LayerUsedAsOutputLayerFlag[i]=1
else/*(!each_layer_is_an_ols_flag&&ols_
mode_idc==2)*/
LayerUsedAsOutputLayerFlag[i]=0

for(i=1;i<TotalNumOlss;i++)
if(each_layer_is_an_ols_flag||ols_mode_
idc==0){
NumOutputLayersInOls[i]=1
OutputLayerIdInOls[i][0]=vps_layer_id[
i]
for(j=0;j<i&&(ols_mode_idc==0);j++)
NumSubLayersInLayerInOLS[i][j]=max_ti
d_il_ref_pics_plus1[i]
NumSubLayersInLayerInOLS[i][i]=vps_max
_sub_layers_minus1+1
} else if(ols_mode_idc==1){
NumOutputLayersInOls[i]=i+1
for(j=0;j<NumOutputLayersInOls[i];j++)

OutputLayerIdInOls[i][j]=vps_layer_id
[j]
NumSubLayersInLayerInOLS[i][j]=vps_ma
x_sub_layers_minus1+1

} else if(ols_mode_idc==2) {
for(j=0;j<=vps_max_layers_minus1;j++){
layerIncludedInOlsFlag[i][j]=0
NumSubLayersInLayerInOLS[i][j]=0

for(k=0,j=0;k<=vps_max_layers_minus1;k
++) (40)
if(ols_output_layer_flag[i][k]){
layerIncludedInOlsFlag[i][k]=1
LayerUsedAsOutputLayerFlag[k]=1
OutputLayerIdx[i][j]=k
OutputLayerIdInOls[i][j++]=vps_layer
_id[k]
NumSubLayersInLayerInOLS[i][j]=vps_m
ax_sub_layers_minus1+1

NumOutputLayersInOls[i]=j
for(j=0;j<NumOutputLayersInOls[i];j++)

idx=OutputLayerIdx[i][j]
for(k=0;k<NumRefLayers[idx];k++){
layerIncludedInOlsFlag[i][RefLayerId
x[idx][k]]=1
if(NumSubLayersInLayerInOLS[i][RefLa
yerIdx[idx][k]] <
max_tid_il_ref_pics_plus1[OutputL
ayerIdInOls[i][j]])
NumSubLayersInLayerInOLS[i][RefLaye
rIdx[idx][k]]=
max_tid_il_ref_pics_plus1[OutputLay
erIdInOls[i][j]]


【0318】
0~vps_max_layer_minus1の範囲内にあるiの各値について、L
ayerUsedAsRefLayerFlag[i]およびLayerUsedAsO
utputLayerFlag[i]の値は、両方とも0に等しくないものとする。言い
換えれば、少なくとも1つのOLSの出力レイヤでも、他のレイヤの直接参照レイヤでも
ないレイヤが存在しないものとする。
各OLSに対して、出力レイヤである少なくとも1つのレイヤが存在するものとする。
すなわち、iの値が0~TotalNumOlss-1の範囲内(両端を含む)にある場
合、NumOutputLayersInOls[i]の値は1以上であるものとする。
i番目のOLSにおけるレイヤの数を規定する変数NumLayersInOls[i]
、およびi番目のOLSにおけるj番目のレイヤのnuh_layer_id値を規定す
る。
変数LayerIdInOls[i][j]は、以下のように導出する。
【0319】
NumLayersInOls[0]=1
LayerIdInOls[0][0]=vps_layer_id[0]
for(i=1;i<TotalNumOlss;i++){
if(each_layer_is_an_ols_flag){
NumLayersInOls[i]=1
LayerIdInOls[i][0]=vps_layer_id[i] (4
1)
} else if(ols_mode_idc=0||ols_mode_idc=
=1){
NumLayersInOls[i]=i+1
for(j=0;j<NumLayersInOls[i];j++)
LayerIdInOls[i][j]=vps_layer_id[j]
} else if(ols_mode_idc==2) {
for(k=0,j=0;k<=vps_max_layers_minus1;k
++)
if(layerIncludedInOlsFlag[i][k])
LayerIdInOls[i][j++]=vps_layer_id[k]
NumLayersInOls[i]=j

【0320】
注1-0番目のOLSは、最下位レイヤ(すなわち、nuh_layer_idがvps_layer_id[0]であるレイヤ)のみを含み、0番目のOLSの場合、含まれているレイヤのみが出力される。
【0321】
nuh_layer_idがLayerIdInOls[i][j]であるレイヤのO
LSレイヤインデックスを規定する変数OlsLayerIdx[i][j]は、以下の
ように導出される。
for(i=0;i<TotalNumOlss;i++)
for j=0;j<NumLayersInOls[i];j++) (42)
OlsLayerIdx[i][LayerIdInOls[i][j]]=j
【0322】
各OLSにおける最下位レイヤは独立レイヤであるものとする。すなわち、0~Tot
alNumOlss-1の範囲内にある各iについて、vps_independent
_layer_flag[GeneralLayerIdx[LayerIdInOls
[i][0]]]の値は、1に等しいものとする。
各レイヤは、VPSによって規定される少なくとも1つのOLSに含まれるものとする
。言い換えれば、0からvps_max_layers_minus1の範囲内にあるk
について、nuh_layer_idの特定の値nuhLayerIdがvps_lay
er_id[k]の1つと等しい各レイヤについて、少なくとも1対の値、iとjが存在
するものとする。ここで、iは0からTotalNumOlss-1の範囲にあり、jは
NumLayersInOls[i]-1の範囲にあり、LayerIdInOls[i
][j]の値がnuhLayerIdと等しくなる。
【0323】
vps_num_ptls_minus1+1は、VPSにおけるprofile_t
ier_level()構文構造の数を規定する。vps_num_ptls_minu
s1の値はTotalNumOlssより小さいものとする。
【0324】
pt_present_flag[i]が1に等しい場合は、VPSのi番目のpro
file_tier_level()構文構造にプロファイル、層、一般的な制約情報が
含まれていることを規定し、pt_present_flag[i]が0に等しい場合は
、VPSのi番目のprofile_tier_level()syntax stru
ctureに存在しないことを規定する。pt_present_flag[0]の値は
1に等しいと推論される。pt_present_flag[i]が0に等しい場合は、
VPS内i番目のprofile_tier_level()構文構造のプロファイル、
層、一般的な制約情報は、VPS内(i-1)番目のprofile_tier_lev
el()構文構造のものと同じと推論される。
【0325】
ptl_max_temporal_id[i]は、VPSのi番目のprofile
_tier_level()構文構造においてレベル情報が存在する最も高いサブレイヤ
ー表現のTemporalIdを規定する。ptl_max_temporal_id[
i]の値は、0~vps_max_sublayers_minus1の範囲内にあるも
のとする。vps_max_sublayers_minus1=0に等しい場合、pt
l_max_temporal_id[i]の値は0に等しいと推論される。vps_m
ax_sublayers_minus1が0より大きく、vps_all_layer
s_same_num_sublayers_flagが1に等しい場合、ptl_ma
x_temporal_id[i]の値は、vps_max_sublayers_mi
nus1に等しいと推論される。
【0326】
vps_ptl_alignment_zero_bit=0に等しいものとする。
【0327】
ols_ptl_idx[i]は、第i番目のOLSに適用されるprofile_t
ier_level()構文構造の、VPSにおけるprofile_tier_lev
el()構文構造のリストに対するインデックスを規定する。存在する場合、ols_p
tl_idx[i]の値は、0~vps_num_ptls_minus1の範囲内にあ
るものとする。vps_num_ptls_minus1が0に等しい場合、ols_p
tl_idx[i]の値は0に等しいと推論される。
NumLayersInOls[i]=1に等しい場合、i番目のOLSに適用される
profile_tier_level()構文構造は、i番目のOLSのレイヤが参照
するSPSにも存在する。NumLayersInOLS[i]が1に等しい場合は、V
PSおよびi番目のOLSのSPSにおいて信号通知されるprofile_tier_
level()構文構造は同一であるものとすることが、ビットストリーム適合性の要件
である。
【0328】
vps_num_dpb_paramsは、VPSにおけるdpb_paramete
rs()構文構造の数を規定する。vps_num_dpb_paramsの値は、0~
16の範囲内である。存在しない場合、vps_num_dpb_paramsの値は0
に等しいと推測される。
【0329】
vps_sublayer_dpb_params_present_flagは、V
PSのdpb_parameters()構文構造において、max_dec_pic_
buffering_minus1[]、max_num_reorder_pics[
]、およびmax_latency_increase_plus1[]構文要素の存在
を制御するのに使用する。存在しない場合、vps_sub_dpb_params_i
nfo_present_flagは0に等しいと推論される。
【0330】
dpb_max_temporal_id[i]は、VPSのi番目のdpb_par
ameters()構文構造にDPBパラメータが含まれている可能性がある、最も高い
サブレイヤー表現のTemporalIdを規定する。dpb_max_tempora
l_id[i]の値は、0~vps_max_sublayers_minus1の範囲
内にあるものとする。vps_max_sublayers_minus1=0に等しい
場合、dpb_max_temporal_id[i]の値は0に等しいと推論される。
vps_max_sublayers_minus1が0より大きく、vps_all_
layers_same_num_sublayers_flag=1に等しい場合、d
pb_max_temporal_id[i]の値は、vps_max_sublaye
rs_minus1に等しいと推論される。
【0331】
ols_dpb_pic_width[i]は、i番目のOLSのための各ピクチャ記
憶バッファの輝度サンプル(luma sample)の単位での幅を規定する。
【0332】
ols_dpb_pic_height[i]は、i番目のOLSの各ピクチャ記憶バ
ッファの高さを、輝度サンプル単位で規定する。
【0333】
ols_dpb_params_idx[i]は、NumLayersInOls[i
]が1より大きい場合、i番目のOLSに適用されるdpb_parameters()
構文構造の、VPSにおけるdpb_parameters()構文構造のリストにイン
デックスを規定する。存在する場合、ols_dpb_params_idx[i]の値
は、0~vps_num_dpb_params-1の範囲内にあるものとする。ols
_dpb_params_idx[i]が存在しない場合、ols_dpb_param
s_idx[i]の値は0に等しいと推論される。
NumLayersInOls[i]が1に等しい場合は、i番目のOLSに適用され
るdpb_parameters()構文構造は、i番目のOLSにおけるレイヤが参照
するSPSに存在する。
【0334】
1に等しいvps_general_hrd_params_present_fla
gは、構文構造general_hrd_parameters()および他のHRDパ
ラメータがVPS RBSP構文構造に存在することを規定する。0に等しいvps_g
eneral_hrd_params_present_flagは、構文構造gene
ral_hrd_parameters()および他のHRDパラメータがVPS RB
SP構文構造に存在しないことを規定する。存在しない場合、vps_general_
hrd_params_present_flagの値は0と推測される。
NumLayersInOls[i]が1に等しい場合は、i番目のOLSに適用され
るgeneral_hrd_parameters()構文構造は、i番目のOLSにお
けるレイヤが参照するSPSに存在する。
【0335】
1に等しいvps_sublayer_cpb_params_present_fl
agは、VPSにおけるi番目のols_hrd_parameters()構文構造が
、TemporalIdが0~hrd_max_tid[i]の範囲内にあるサブレイヤ
ー表現のためのHRDパラメータを含むことを規定する。0に等しいvps_subla
yer_cpb_params_present_flagは、VPSにおけるi番目の
ols_hrd_parameters()構文構造が、hrd_max_tid[i]
に等しいサブレイヤの表現に対するHRDパラメータのみを含むことを規定する。vps
_max_sublayers_minus1=0のとき、vps_sublayer_
cpb_params_present_flagの値は0に等しいと推論される。
vps_sublayer_cpb_params_present_flagが0に
等しい場合、TemporalIdが0からhrd_max_tid[i]-1の範囲内
にあるサブレイヤー表現のHRDパラメータは、TemporalIdがhrd_max
_tid[i]-1に等しいサブレイヤー表現のHRDパラメータと同じに等しいと推論
される。これには、fixed_pic_rate_general_flag[i]構
文要素から始まり、sublayer_hrd_parameters(i)構文構造に
至るまでのHRDパラメータが、ols_hrd_parameters構文構造におけ
る条件“if(general_vcl_hrd_params_present_fl
ag)”のすぐ下に含まれる。
【0336】
num_ols_hrd_params_minus1+1は、vps_genera
l_hrd_params_present_flagが1に等しいとき、genera
l_hrd_parameters()に存在するols_hrd_parameter
s()構文構造の数を規定する。num_ols_hrd_params_minus1
の値は、0からTotalNumOlss-1までの範囲内にあるものとする。
【0337】
hrd_max_tid[i]は、i番目のols_hrd_parameters(
)構文構造にHRDパラメータが含まれる最も高いサブレイヤー表現のTemporal
Idを規定する。hrd_max_tid[i]の値は、0~vps_max_subl
ayers_minus1の範囲内にあるものとする。vps_max_sublaye
rs_minus1が0に等しい場合、hrd_max_tid[i]の値は0に等しい
と推論される。vps_max_sublayers_minus1が0より大きく、v
ps_all_layers_same_num_sublayers_flag=1に
等しい場合、hrd_max_tid[i]の値は、vps_max_sublayer
s_minus1に等しいと推論される。
【0338】
ols_hrd_idx[i]は、NumLayersInOls[i]が1より大き
い場合、i番目のOLSに適用されるols_hrd_parameters()構文構
造の、VPSにおけるols_hrd_parameters()構文構造のリストにイ
ンデックスを規定する。ols_hrd_idx[[i]の値は、0からnum_ols
_hrd_params_minus1までの範囲内にあるものとする。
NumLayersInOls[i]が1に等しい場合は、i番目のOLSに適用され
るols_hrd_parameters()構文構造は、i番目のOLSにおけるレイ
ヤが参照するSPSに存在する。
num_ols_hrd_param_minus1+1の値がTotalNumOL
Sに等しい場合、ols_hrd_idx[i]の値はiに等しいと推論される。そうで
ない場合、NumLayersInOls[i]が1より大きく、num_ols_hr
d_params_minus1が0に等しい場合、ols_hrd_idx[[i]の
値は0に等しいと推論される。
【0339】
vps_extension_flagが0に等しい場合、VPS RBSP構文構造
にvps_extension_data_flag構文要素が含まれていないことを規
定する。vps_extension_flagが1に等しい場合、VPS RBSP構
文構造にvps_extension_data_flag構文要素が存在することを規
定する。
【0340】
vps_extension_data_flagは任意の値を有することができる。
その存在および値は、本明細書バージョンで特定された特徴に対するのデコーダの適合性
に影響を与えない。本明細書バージョンに準拠するデコーダは、すべてのvps_ext
ension_data_flag構文要素を無視しなければならない。
【0341】
7.4.3.3 シーケンスパラメータセットRBSP意味論
【0342】
SPS RBSPは、それが参照される前に、復号処理に利用可能であり、Tempo
ralIdが0に等しい、又は外部手段によって提供される少なくとも1つのAUに含ま
れる。
1つのCVSにおいて特定の値sps_seq_parameter_set_idを
有するすべてのSPS NALユニットは、同じコンテンツを有するものとする。
【0343】
sps_seq_parameter_set_idは、他の構文要素が参照するSP
Sの識別子を提供する。
SPS NALユニットは、nuh_layer_idの値に関わらず、sps_se
q_parameter_set_idの同じ値空間を共有する。
spsLayerIdを特定のSPS NALユニットのnuh_layer_idの
値とし、vclLayerIdを特定のVCL NALユニットのnuh_layer_
idの値とする。特定のVCL NALユニットは、spsLayerIdがvclLa
yerId以下であり、nuh_layer_idがspsLayerIdであるレイヤ
が、vclLayerIdであるnuh_layer_idを有するレイヤを含む少なく
とも1つのOLSに含まれていない限り、特定のSPS NALユニットを参照しないも
のとする。
【0344】
sps_video_parameter_set_id(0より大きい場合)は、S
PSが参照するVPSのvps_video_parameter_set_idの値を
規定する。
sps_video_parameter_set_idが0に等しい場合は、以下が
適用される。
-SPSはVPSを参照しない。
-SPSを参照する各CLVSを復号するとき、VPSは参照されない。
-vps_max_layers_minus1の値は0に等しいと推論される。
-CVSは1つのレイヤのみを含むものとする(すなわち、CVSにおけるすべての
VCL NALユニットはnuh_layer_idの同じ値を有するものとする)。
-GeneralLayerIdx[nuh_layer_id]の値は0に等しい
と推論される。
-vps_independent_layer_flag[GeneralLay
erIdx[nuh_layer_id]]の値は1に等しいと推論される。
vps_independent_layer_flag[GeneralLayer
Idx[nuh_layer_id]]が1に等しい場合は、特別のnuh_layer
_idの値、nuhLayerIdを有するCLVSが参照するSPSのnuh_lay
er_idは、nuhLayerIdと等しいものとする。
sps_video_parameter_set_idの値は、1つのCVS内のC
LVSによって参照されるすべてのSPSにおいて同じであるものとする。
【0345】
sps_max_sublayers_minus1+1は、各CLVSに存在し得る
時間的サブレイヤーの最大数をSPSを参照して規定する。sps_max_subla
yers_minus1の値は、0からvps_max_sublayers_minu
s1までの範囲内にあるものとする。
【0346】
sps_reserved_zero_4bitsは、本明細書のこのバージョンに準
拠するビットストリームにおいて0に等しいものとする。sps_reserved_z
ero_4bitsの他の値は、ITU-T|ISO/IECが将来使用するために予約
されている。
【0347】
1に等しいsps_ptl_dpb_hrd_params_present_fla
gは、profile_tier_level()構文構造およびdpb_parame
ters()構文構造がSPSに存在し、general_hrd_parameter
s()構文構造およびols_hrd_parameters()構文構造もまたSPS
に存在してもよいことを規定する。0に等しいsps_ptl_dpb_hrd_par
ams_present_flagは、これらの4つの構文構造のいずれもSPSに存在
しないことを規定する。sps_ptl_dpb_hrd_params_presen
t_flagの値は、vps_independent_layer_flag[Gen
eralLayerIdx[nuh_layer_id]]に等しいものとする。
【0348】
1に等しいgdr_enabled_flagは、SPSを参照しているCLVSにお
いてGDRピクチャが存在し得ることを規定する。0に等しいgdr_enabled_
flagは、SPSを参照しているCLVSにおいてGDRピクチャが存在しないことを
規定する。
【0349】
chroma_format_idcは、6.2項に規定されるように、輝度サンプリ
ングに対するクロマサンプリングを示す。
【0350】
separate_colour_plane_flag=1は、4:4:4のクロマ
フォーマットの3つの色成分を別々に符号化することを示し、separate_col
our_plane_flag=0は、色成分が別々に符号化されないことを示す。se
parate_colour_plane_flagが存在しない場合、これは0に等し
いと推測される。separate_colour_plane_flagが1に等しい
場合、符号化ピクチャは、3つの別個のコンポーネントからなり、各コンポーネントは、
1つの色平面(Y、Cb、又はCr)の符号化サンプルからなり、モノクロ符号化構文を
使用する。この場合、各色平面は、特定のcolour_plane_id値に関連付け
られる。
注1- colour_plane_id値が異なる色平面間での復号処理には依存
性がない。例えば、colour_plane_idの値が1つのモノクロ画像の復号処
理は、colour_plane_idの値が異なるモノクロ画像からのデータをインタ
ー予測に使用しない。
separate_colour_plane_flagの値に基づいて、変数Chr
omaArrayTypeの値は、以下のように割り当てられる。
- separate_colour_plane_flagが0に等しい場合、Ch
romaArrayTypeはchroma_format_idcに等しく設定される

- そうでない場合(separate_colour_plane_flagが1に
等しい)、ChromaArrayTypeは0に等しく設定される。
【0351】
1に等しいres_change_in_clvs_allowed_flagは、S
PSを参照するCLVS内でピクチャの空間的解像度が変化する可能性があることを規定
する。0に等しいres_change_in_clvs_allowed_flagは
、SPSを参照するいかなるCLVS内でもピクチャの空間的解像度が変化しない可能性
があることを規定する。
【0352】
pic_width_max_in_luma_samplesは、輝度サンプルの単
位でSPSを参照する各復号ピクチャの最大幅を規定する。pic_width_max
_in_luma_samplesは、0に等しくないものとし、Max(8,MinC
bSizeY)の整数倍であるとする。
SPSを参照する1つ以上のレイヤを含むOLSインデックスiを有する任意のOLS
において、pic_width_max_in_luma_samplesの値は、ol
s_dpb_pic_width[i]以下であるものとすることが、ビットストリーム
適合性の要件である。
【0353】
pic_height_max_in_luma_samplesは、輝度サンプルの
単位でSPSを参照する各復号ピクチャの最大高さを規定する。pic_height_
max_in_luma_samplesは、0に等しくないものとし、Max(8,M
inCbSizeY)の整数倍であるとする。
SPSを参照する1つ以上のレイヤを含むOLSインデックスiを有する任意のOLS
において、pic_height_max_in_luma_samplesの値は、O
LS_DPB_pic_height[i]以下であるものとすることが、ビットストリ
ーム適合性の要件である。
【0354】
1に等しいsps_conformance_window_flagは、SPSにお
ける次の適合性クロッピングウィンドウのオフセットパラメータがSPSで次に続くこと
を示す。0に等しいsps_conformance_window_flagは、適合
性クロッピングウィンドウのオフセットパラメータがSPSに存在しないことを示す。
【0355】
sps_conf_win_left_offset、sps_conf_win_r
ight_offset、sps_conf_win_top_offset、およびs
ps_conf_win_bottom_offsetは、pic_width_max
_in_luma_samplesと等しいpic_width_in_luma_sa
mplesと、pic_height_max_in_luma_samplesと等し
いpic_height_in_luma_samplesを有するピクチャに適用され
るクロッピングウィンドウを規定する。sps_conformance_window
_flagが0に等しい場合、sps_conf_win_left_offset、s
ps_conf_win_right_offset、sps_conf_win_to
p_offset、およびsps_conf_win_bottom_offsetの値
は、0に等しいと推論される。
適合性クロッピングウィンドウは、SubWidthC*sps_conf_win_
left_offsetからpic_width_max_in_luma_sampl
es-(SubWidthC*sps_conf_win_right_offset+
1)への水平ピクチャ座標、およびSubHeightC*sps_conf_win_
top_offsetからpic_height_max_in_luma_sampl
es-(SubHeightC*sps_conf_win_bottom_offse
t+1)への垂直ピクチャ座標を有する輝度サンプルを含む。
SubWidthC*(sps_conf_win_left_offset+sps
_conf_win_right_offset)の値は、pic_width_max
_in_luma_samplesよりも小さいものとし、SubHeightC*(s
ps_conf_win_top_offset+sps_conf_win_bott
om_offset)の値は、pic_height_max_in_luma_sam
plesより小さいものとする。
ChromaArrayTypeが0に等しくない場合、2つのクロマ配列の対応する
規定されたサンプルは、ピクチャ座標(x/SubWidthC,y/SubHeigh
tC)を有するサンプルであり、(x,y)は、規定された輝度サンプルのピクチャ座標
である。
注2- 適合性クロッピングウィンドウのオフセットパラメータは、出力側でのみ適
用される。アンクロップされたピクチャサイズに対しては、すべての内部復号処理が適用
される。
【0356】
sps_log2_ctu_size_minus5+5は、各CTUの輝度コーディ
ングツリーブロックのサイズを規定する。sps_log2_ctu_size_min
us5の値は、0~2の範囲内である。sps_log2_CTU_size_minu
s5の値3は、ITU-T|ISO/IECが将来使用するために予約されている。
変数CtbLog2SizeYおよびCtbSizeYは、以下のように導出される。
CtbLog2SizeY=sps_log2_ctu_size_minus5
+5 (43)
CtbSizeY=1<<CtbLog2SizeY (44)
【0357】
1に等しいsubpic_info_present_flagは、CLVSのための
サブピクチャ情報が存在し、CLVSの各ピクチャに1つ以上のサブピクチャが存在し得
ることを規定する。0に等しいsubpic_info_present_flagは、
CLVSのためのサブピクチャ情報が存在せず、CLVSの各ピクチャにはサブピクチャ
が1つだけ存在することを規定する。
res_change_in_clvs_allowed_flagが1に等しい場合
は、subpic_info_present_flagの値は0に等しいものとする。
注3-ビットストリームがサブビットストリーム抽出処理の結果であり、サブビット
ストリーム抽出処理への入力ビットストリームのサブピクチャのサブセットのみを含む場
合、SPSのRBSPにおいて、subpic_info_present_flagの
値を1に設定することが必要となる場合がある。
【0358】
sps_num_subpics_minus1+1は、CLVS内の各ピクチャのサ
ブピクチャの数を規定する。sps_num_subpics_minus1の値は、0
~Ceil(pic_width_max_in_luma_samples÷CtbS
izeY)*Ceil(pic_height_max_in_luma_sample
s÷CtbSizeY)-1のの範囲内にあるものとする。存在しない場合、sps_n
um_subpics_minus1の値は0に等しいと推測される。
【0359】
1に等しいsps_independent_subpics_flagは、CLVS
における任意のサブピクチャの境界にわたるイントラ予測、インター予測、およびインル
ープフィルタリング動作を行うことができないことを規定する。0に等しいsps_in
dependent_subpics_flagは、CLVSにおけるサブピクチャの境
界にわたるインター予測、およびインループフィルタリング動作が可能であることを規定
する。存在しない場合、sps_independent_subpics_flagの
値は0と推測される。
【0360】
subpic_ctu_top_left_x[i]は、i番目のサブピクチャの左上
のCTUの水平位置を、CtbSizeY単位で規定する。構文要素の長さはCeil(
Log2((pic_width_max_in_luma_samples+CtbS
izeY-1)>>CtbLog2SizeY))ビットである。存在しない場合、su
bpic_ctu_top_left_x[i]の値は0に等しいと推測される。
【0361】
subpic_ctu_top_left_y[i]は、i番目のサブピクチャの左上
のCTUの垂直位置を、CtbSizeY単位で規定する。構文要素の長さはCeil(
Log2((pic_height_max_in_luma_samples+Ctb
SizeY-1)>>CtbLog2SizeY))ビットである。存在しない場合、s
ubpic_ctu_top_left_y[i]の値は0に等しいと推測される。
【0362】
subpic_width_minus1[i]+1は、i番目のサブピクチャの幅を
CtbSizeY単位で規定する。構文要素の長さはCeil(Log2((pic_w
idth_max_in_luma_samples+CtbSizeY-1)>>Ct
bLog2SizeY))ビットである。存在しない場合、subpic_width_
minus1[i]の値は、((pic_width_max_in_luma_sam
ples+CtbSizeY-1)>>CtbLog2SizeY)-subpic_c
tu_top_left_x[i]-1に等しいと推論される。
【0363】
subpic_height_minus1[i]+1は、i番目のサブピクチャの高
さをCtbSizeY単位で規定する。構文要素の長さはCeil(Log2((pic
_height_max_in_luma_samples+CtbSizeY-1)>
>CtbLog2SizeY))ビットである。存在しない場合、subpic_hei
ght_minus1[i]の値は、((pic_height_max_in_lum
a_samples+CtbSizeY-1)>>CtbLog2SizeY)-sub
pic_ctu_top_left_y[i]-1に等しいと推論される。
【0364】
1に等しいsubpic_treated_as_pic_flag[i]は、CLV
Sにおける各コーディングされたピクチャのi番目のサブピクチャを、インループフィル
タリング動作(演算)を除く復号する処理においてピクチャとして扱うことを規定する。
0に等しいsubpic_treated_pic_flag[i]は、CLVSにおけ
る各コーディングされたピクチャのi番目のサブピクチャを、インループフィルタリング
動作を除く復号処理においてピクチャとして扱わないことを規定する。存在しない場合、
subpic_treated_as_pic_flag[i]の値はsps_inde
pendent_subpics_flagに等しいと推論される。
subpic_treated_as_pic_flag[i]が1に等しい場合、出
力レイヤとしてi番目のサブピクチャを包含するレイヤを含むOLSにおける各出力レイ
ヤおよびその参照レイヤについて、以下のすべての条件が真であることが、ビットストリ
ーム適合性の要件である。
-出力レイヤおよびその参照レイヤにおけるすべてのピクチャは、pic_width
_in_luma_samplesの値が同じであり、pic_height_in_l
uma_samplesの値が同じであるものとする。
-出力レイヤおよびその参照レイヤが参照するすべてのSPSは、同じsps_num
_subpics_minus1の値を有し、かつ0~sps_num_subpics
_minus1の範囲内にある各値jについて、それぞれ同じsubpic_ctu_t
op_left_x[j]、subpic_ctu_top_left_y[j]、su
bpic_width_minus1[j]、およびloop_filter_acro
ss_subpic_enabled_flag[j]の値を有するものとする。
-出力レイヤの各アクセスユニットにおけるすべてのピクチャは、その参照レイヤとと
もに、0~sps_num_subpics_minus1の範囲内にあるjの値につい
て、同じSubpicIdVal[j]の値を有するものとする。
【0365】
1に等しいloop_filter_across_subpic_enabled_
flag[i]は、CLVSにおける各コーディングされたピクチャのi番目のサブピク
チャの境界にわたってインループフィルタリング動作を行うことができることを規定する
【0366】
0に等しいloop_filter_across_subpic_enabled_
flag[i]は、CLVSにおける各コーディングされたピクチャのi番目のサブピク
チャの境界にわたってインタループフィルタリング動作が行われないことを規定する。存
在しない場合、loop_filter_across_subpic_enabled
_pic_flag[i]の値は、1-sps_independent_subpic
s_flagと等しくなると推論される。
サブピクチャの形状は、各サブピクチャとし、復号される時に、その左側境界全体、お
よび最上の境界全体が、ピクチャの境界、又は以前に復号されたサブピクチャの境界で構
成されるものとすることが、ビットストリーム適合性の要件である。
【0367】
sps_subpic_id_len_minus1+1は、構文要素sps_sub
pic_id[i]、構文要素pps_subpic_id[i](存在する場合)、お
よび構文要素slice_subpic_id(存在する場合)を表すために使用される
ビット数を規定する。sps_subpic_id_len_minus1の値は、0~
15の範囲内である。1<(sps_subpic_id_len_minus1+1)
の値は、sps_num_subpics_minus1+1以上とする。
【0368】
1に等しいsubpic_id_mapping_explicitly_signa
lled_flagは、SPSまたはCLVSのコーディングされたピクチャによって参
照されるPPSのいずれかにおいて、サブピクチャのIDマッピングが明示的に信号通知
されることを規定する。0に等しいsubpic_id_mapping_explic
itly_signalled_flagは、CLVSに対して、サブピクチャのIDマ
ッピングが明示的に信号通知されないことを規定する。存在しない場合、subpic_
id_mapping_explicitly_signalled_flagの値は0
と推測される。
【0369】
1に等しいsubpic_id_mapping_in_sps_flagは、sub
pic_id_mapping_explicitly_signalled_flag
が1に等しい場合、サブピクチャのIDマッピングがSPSにおいて信号通知されること
を規定する。0に等しいsubpic_id_mapping_in_sps_flag
は、subpic_id_mapping_explicitly_signalled
_flagが1に等しい場合、CLVSのコーディングされたピクチャによって参照され
るPPSにおいて、サブピクチャのIDマッピングが信号通知されることを規定する。
【0370】
sps_subpic_id[i]は、i番目のサブピクチャのサブピクチャIDを規
定する。sps_subpic_id[i]の構文要素の長さは、sps_subpic
_id_len_minus1+1ビットである。
【0371】
bit_depth_minus8は、輝度およびクロマ配列BitDepthのサン
プルのビット深度及びクロマ量子化パラメータレンジオフセットQpBdOffsetの
値を以下のように規定する。
BitDepth=8+bit_depth_minus8 (45)
QpBdOffset=6*bit_depth_minus8 (46)
bit_depth_minus8は、0から8までの範囲内にある。
【0372】
1に等しいsps_entropy_coding_sync_enabled_fl
agは、各ピクチャにおける各タイルのCTBの行の第1のCTBをSPSを参照して復
号する前に、コンテキスト変数の規定の同期処理を呼び出すことを規定し、SPSを参照
して各ピクチャにおける各タイルのCTBの行の第1のCTBを含むCTUを復号した後
、コンテキスト変数のための特定の記憶処理を呼び出すことを規定する。0に等しいsp
s_entropy_coding_sync_enabled_flagは、SPSを
参照する各ピクチャの各タイルのCTB列の最初のCTBを含むCTUを復号する前にコ
ンテキスト変数の規定の同期処理を起動する必要がなく、SPSを参照する各ピクチャの
各タイルのCTBの行の最初のCTBを含むCTUを復号した後にコンテキスト変数の規
定の格納処理を起動する必要がないことを規定する。
【0373】
1に等しいsps_wpp_entry_point_offsets_presen
t_flagは、sps_entropy_coding_sync_enabled_
flagが1に等しい場合、CTUの行のエントリポイントオフセットのための信号通知
がSPSを参照するピクチャのスライスヘッダに存在し得ることを規定する。0に等しい
sps_wpp_entry_point_offsets_present_flag
は、SPSを参照するピクチャのスライスヘッダにCTU行のエントリポイントオフセッ
トに関する信号通知が存在しないことを規定する。存在しない場合、sps_wpp_e
ntry_point_offsets_present_flagの値は0と推測され
る。
【0374】
1に等しいsps_weighted_pred_flagは、SPSを参照している
Pスライスに対して重み付け予測を適用してもよいことを規定する。0に等しいsps_
weighted_pred_flagは、SPSを参照しているPスライスに対して重
み付け予測が適用されないことを規定する。
【0375】
1に等しいsps_weighted_bipred_flagは、SPSを参照して
いるBスライスに対して明示的な重み付け予測を適用してもよいことを規定する。0に等
しいsps_weighted_bipred_flagは、SPSを参照しているBス
ライスに対して明示的な重み付け予測が適用されないことを規定する。
【0376】
log2_max_pic_order_cnt_lsb_minus4は、ピクチャ
オーダカウントの復号処理に使用する変数MaxPicOrderCntLsbの値を以
下のように規定する。
MaxPicOrderCntLsb=2(log2_max_pic_orde
r_cnt_lsb_minus4+4) (47)
log2_max_pic_order_cnt_lsb_minus4の値は、0~
12の範囲内にあるものとする。
【0377】
1に等しいsps_poc_msb_flagは、ph_poc_msb_prese
nt_flag構文要素がSPSを参照するPHに存在することを規定する。0に等しい
sps_poc_msb_flagは、ph_poc_msb_present_fla
g構文要素がSPSを参照するPHに存在しないことを規定する。
【0378】
poc_msb_len_minus1+1である場合、SPSを参照するPHに含ま
れているときには、poc_msb_val構文要素の長さをビット単位で規定する。p
oc_msb_len_minus1の値は、0~32-log2_max_pic_o
rder_cnt_lsb_minus4-5の範囲内にあるものとする。
【0379】
num_extra_ph_bits_bytesは、SPSを参照するコーディング
されたピクチャのPH構文構造における余分なビットのバイト数を規定する。本明細書の
このバージョンに準拠するビットストリームにおいて、num_extra_ph_bi
ts_bytesの値は0に等しいものとする。本明細書のこのバージョンにおいて、n
um_extra_ph_bits_bytesの値は0に等しいことが要求されるが、
本明細書のこのバージョンに適合するデコーダは、num_extra_ph_bits
_bytesの値が1または2であることを構文に含めることを許可するものとする。
【0380】
num_extra_sh_bits_bytesは、SPSを参照するコーディング
されたピクチャのスライスヘッダにおける余分なビットのバイト数を規定する。本明細書
のこのバージョンに準拠するビットストリームにおいて、num_extra_sh_b
its_bytesの値は0に等しいものとする。本明細書のこのバージョンにおいて、
num_extra_sh_bits_bytesの値は0に等しいことが要求されるが
、本明細書のこのバージョンに適合するデコーダは、num_extra_sh_bit
s_bytesの値が1または2であることを構文に含めることを許可するものとする。
【0381】
sps_sublayer_dpb_params_flagは、SPSのdpb_p
arameters()構文構造において、max_dec_pic_bufferin
g_minus1[i]、max_num_reorder_pics[i]、およびm
ax_latency_increase_plus1[i]構文要素の存在を制御する
のに使用する。存在しない場合、sps_sub_dpb_params_info_p
resent_flagの値は0と推測される。
【0382】
0に等しいlong_term_ref_pics_flagは、CLVSにおける任
意のコーディングされたピクチャのインター予測にLTRPを使用しないことを規定する
。1に等しいlong_term_ref_pics_flagは、LTRPがCLVS
における1つ以上のコーディングされたピクチャのインター予測にLTRPを使用しても
よいことを規定する。
【0383】
0に等しいinter_layer_ref_pics_present_flagは
、CLVSにおける任意のコーディングされたピクチャのインター予測にILRPを使用
しないことを規定する。1に等しいinter_layer_ref_pic_flag
は、CLVSにおける1つ以上のコーディングされたピクチャのインター予測にILRP
を使用してもよいことを規定する。sps_video_parameter_set_
idが0に等しい場合、inter_layer_ref_pics_present_
flagの値は0に等しいと推論される。vps_independent_layer
_flag[GeneralLayerIdx[nuh_layer_id]]が1に等
しい場合は、inter_layer_ref_pics_present_flagの
値は0に等しいものとする。
【0384】
1に等しいsps_idr_rpl_present_flagは、参照ピクチャリス
ト構文要素がIDRピクチャのスライスヘッダに存在することを規定する。0に等しいs
ps_idr_rpl_present_flagは、参照ピクチャリスト構文要素がI
DRピクチャのスライスヘッダに存在しないことを規定する。
【0385】
1に等しいrpl1_same_as_rpl0_flagは、構文要素num_re
f_pic_lists_in_sps[1]および構文構造ref_pic_list
_struct(1,rplsIdx)が存在しないことを規定し、下記が適用される。
- num_ref_pic_lists_in_sps[1]の値は、num_r
ef_pic_lists_in_sps[0]の値に等しいと推論される。
- ref_pic_list_struct(1,rplsIdx)の各々の構成
要素の値は,0からnum_ref_pic_lists_in_sps[0]-1まで
のrplsIdxに対してref_pic_list_struct(0,rplsId
x)の対応する構文要素の値に等しいと推論される。
【0386】
num_ref_pic_lists_in_sps[i]は、SPSに含まれるli
stIdxがiであるref_pic_list_struct(listIdx,rp
lsIdx)構文構造の数を規定する。num_ref_pic_lists_in_s
ps[i]の値は、0~64の範囲内である。
注4-listIdxの各値(0または1に等しい)に対して、listIdxの各
値(0または1に等しい)に対して、デコーダは、現在のピクチャのスライスヘッダにお
いて1つのref_pic_list_struct(listIdx,rplsIdx
)構文構造が直接信号通知されてもよいので、num_ref_pic_lists_i
n_sps[i]+1ref_pic_list_struct(listIdx,rp
lsIdx)構文構造の総数のためにメモリを予約しなければならない。
【0387】
1に等しいqtbtt_dual_tree_intra_flagは、Iスライスに
対して、各CTUを、暗示的な4分木分割を使用して、64×64輝度サンプルを有する
コーディングユニットに分割することを規定し、これらのコーディングユニットは、輝度
およびクロマの2つの別個のcoding_tree構文構造の根である。0に等しいq
tbtt_dual_tree_intra_flagは、Iスライスに別のcodin
g_tree構文を使用しないことを規定する。qtbtt_dual_tree_in
tra_flagが存在しない場合、0に等しいと推測される。
【0388】
log2_min_luma_coding_block_size_minus2+
2は、最小輝度コーディングブロックサイズを規定する。log2_min_luma_
coding_block_size_minus2の値は、0~Min(4,sps_
log2_CTU_size_minus5+3)の範囲内にあるものとする。
変数MinCbLog2SizeY、MinCbSizeY、IbcBufWidth
Y、IbcBufWidthC、およびVsizeは、以下のように導出される。
MinCbLog2SizeY=log2_min_luma_coding_b
lock_size_minus2+2 (48)
MinCbSizeY=1<<MinCbLog2SizeY (49)
IbcBufWidthY=256*128/CtbSizeY (50)
IbcBufWidthC=IbcBufWidthY/SubWidthC
(51)
VSize=Min(64,CtbSizeY) (52)
MinCbSizeYの値はVSize以下であるものとする。
各クロマCTBの配列の幅および高さをそれぞれ規定する変数CtbWidthCおよ
びCtbHeightCは、以下のように導出される。
- chroma_format_idcが0(モノクロ)である、またはsepa
rate_colour_plane_flagが1に等しい場合は、CtbWidth
CおよびCtbHeightCはいずれも0に等しい。
- そうでない場合、CtbWidthCおよびCtbHeightCは、以下のよ
うに導出される。
CtbWidthC=CtbSizeY/SubWidthC (53)
CtbHeightC=CtbSizeY/SubHeightC (54)
log2BlockWidthが0から4、log2BlockHeightが0から
4の場合、1<<log2BlockWidthと1<<log2BlockHeigh
tを入力として、6.5.2項で規定された右上がり対角スキャン順序配列初期化処理を
呼び出し、出力は、DiagScanOrder[log2BlockWidth][l
og2BlockHeight]に割り当てられる。
log2BlockWidthが0から6、log2BlockHeightが0から
6の場合、1<<log2BlockWidthと1<<log2BlockHeigh
tを入力として、6.5.3項に規定された水平・垂直スキャン順序配列初期化処理を呼
び出し、出力はHorTravScanOrder[log2BlockWidth][
log2BlockHeight]とVerTravScanOrder[log2Bl
ockWidth][log2BlockHeight]に割り当てられる。
【0389】
1に等しいpartition_constraints_override_ena
bled_flagは、SPSを参照して、PHにおけるpartition_cons
traints_override_flagの存在を規定する。0に等しいparti
tion_constraints_override_enabled_flagは、
SPSを参照するPHにpartition_constraints_overrid
e_flagが存在しないことを規定する。
【0390】
sps_log2_diff_min_qt_min_cb_intra_slice
_lumaは、CTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロックの輝度サンプルの最小
サイズの底2対数と、SPSを参照するslice_typeが2(I)であるスライス
における輝度CUの輝度サンプルの最小コーディングブロックサイズの底2対数と、のデ
フォルトの差を規定する。partition_constraints_overri
de_enabled_flagが1に等しい場合、デフォルトの差は、SPSを参照す
るPHに存在するph_log2_diff_min_qt_min_cb_lumaに
よって上書きすることができる。sps_log2_diff_min_qt_min_
cb_intra_slice_lumaの値は、0~CtbLog2SizeY-Mi
nCbLog2SizeYの範囲内にあるものとする。CTUの4分木分割に起因する輝
度リーフブロックの輝度サンプルにおける最小サイズの底2対数は、以下のように導出さ
れる。
MinQtLog2SizeIntraY=sps_log2_diff_min
_qt_min_cb_intra_slice_luma+MinCbLog2Siz
eY (55)
【0391】
sps_max_mtt_hierarchy_depth_intra_slice
_lumaは、SPSを参照するslice_typeが2(I)であるスライスにおけ
る4分木のマルチタイプツリー分割に起因するコーディングユニットのデフォルトの最大
階層深さを規定する。partition_constraints_override
_enabled_flagが1に等しい場合は、デフォルトの最大階層深さがSPSを
参照するPHに存在するph_max_mtt_hierarchy_depth_in
tra_slice_lumaによって上書きすることができる。sps_max_mt
t_hierarchy_depth_intra_slice_lumaの値は、0~
2*(CtbLog2SizeY-MinCbLog2SizeY)の範囲内にあるもの
とする。
【0392】
sps_log2_diff_max_bt_min_qt_intra_slice
_luma、SPSを参照する2値分割を使用して分割され得る輝度コーディングブロッ
クの輝度サンプルの最大サイズ(幅または高さ)の底2対数と、2(I)であるslic
e_typeを有するスライスのCTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロックの輝
度サンプルの最小サイズ(幅または高さ)と、のデフォルトの差を規定する。parti
tion_constraints_override_enabled_flagが1
に等しい場合、デフォルトの差は、SPSを参照するPHに存在するph_log2_d
iff_max_bt_min_qt_lumaによって上書きすることができる。sp
s_log2_diff_max_bt_min_qt_intra_slice_lu
maの値は、0~CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeIntraY
の範囲内にあるものとする。sps_log2_diff_max_bt_min_qt
_intra_slice_lumaが存在しない場合、sps_log2_diff_
max_bt_min_qt_intra_slice_lumaの値が0になると推論
される。
【0393】
sps_log2_diff_max_tt_min_qt_intra_slice
_lumaは、SPSを参照する3進法分割を使用して分割され得る輝度コーディングブ
ロックの輝度サンプルの最大サイズ(幅または高さ)の底2対数と、2(I)であるsl
ice_typeを有するスライスのCTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロック
の輝度サンプルの最小サイズ(幅または高さ)とのデフォルトの差を規定する。part
ition_constraints_override_enabled_flagが
1に等しい場合、デフォルトの差は、SPSを参照するPHに存在するph_log2_
diff_max_tt_min_qt_lumaによって上書きすることができる。s
ps_log2_diff_max_tt_min_qt_intra_slice_l
umaの値は、0~CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeIntra
Yの範囲内にあるものとする。sps_log2_diff_max_tt_min_q
t_intra_slice_lumaが存在しない場合、sps_log2_diff
_max_tt_min_qt_intra_slice_lumaの値は、0に等しい
と推論される。
【0394】
sps_log2_diff_min_qt_min_cb_inter_slice
は、CTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロックの輝度サンプルの最小サイズの底
2対数と、SPSを参照するslice_typeが0(B)または1(P)に等しいス
ライスにおける輝度CUの輝度サンプルの最小輝度コーディングブロックサイズの底2対
数と、のデフォルトの差を規定する。partition_constraints_o
verride_enabled_flagが1に等しい場合、デフォルトの差は、SP
Sを参照するPHに存在するph_log2_diff_min_qt_min_cb_
lumaによって上書きすることができる。sps_log2_diff_min_qt
_min_cb_inter_sliceの値は、0~CtbLog2SizeY-Mi
nCbLog2SizeYの範囲内にあるものとする。CTUの4分木分割に起因する輝
度リーフブロックの輝度サンプルにおける最小サイズの底2対数は、以下のように導出さ
れる。
MinQtLog2SizeInterY=sps_log2_diff_min
_qt_min_cb_inter_slice+MinCbLog2SizeY (
56)
【0395】
sps_max_mtt_hierarchy_depth_inter_slice
は、SPSを参照するslice_typeが0(B)または1(P)であるスライスに
おける4分木のマルチタイプツリー分割に起因するコーディングユニットのデフォルトの
最大階層深さを規定する。partition_constraints_overri
de_enabled_flagが1に等しい場合は、デフォルトの最大階層深さは、S
PSを参照するPHに存在するph_max_mtt_hierarchy_depth
_inter_sliceによって上書きすることができる。sps_max_mtt_
hierarchy_depth_inter_sliceの値は、0~2*(CtbL
og2SizeY-MinCbLog2SizeY)の範囲内にあるものとする。
【0396】
sps_log2_diff_max_min_qt_inter_sliceは、2
値分割を使用して分割され得る輝度コーディングブロックの輝度サンプルの最大サイズ(
幅または高さ)の底2対数と、SPSを参照する0(B)または1(P)と等しいsli
ce_typeを有するスライスのCTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロックの
輝度サンプルの最小サイズ(幅または高さ)と、のデフォルトの差を規定する。part
ition_constraints_override_enabled_flagが
1に等しい場合、デフォルトの差は、SPSを参照するPHに存在するph_log2_
diff_max_bt_min_qt_lumaによって上書きすることができる。s
ps_log2_diff_max_bt_min_qt_inter_sliceの値
は、0~CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeInterYの範囲内
にあるものとする。sps_log2_diff_max_bt_min_qt_int
er_sliceが存在しない場合、sps_log2_diff_max_bt_mi
n_qt_inter_sliceの値が0になると推論される。
【0397】
sps_log2_diff_max_tt_min_qt_inter_slice
は、3進法分割を使用して分割され得る輝度コーディングブロックの輝度サンプルの最大
サイズ(幅または高さ)の底2対数と、SPSを参照する0(B)または1(P)に等し
いslice_typeを有するスライスのCTUの4分木分割に起因する輝度リーフブ
ロックの輝度サンプルの最小サイズ(幅または高さ)と、のデフォルトの差を規定する。
partition_constraints_override_enabled_f
lagが1に等しい場合、デフォルトの差は、SPSを参照するPHに存在するph_l
og2_diff_max_tt_min_qt_lumaによって上書きすることがで
きる。sps_log2_diff_max_tt_min_qt_inter_sli
ceの値は、0~CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeInterY
の範囲内にあるものとする。sps_log2_diff_max_tt_min_qt
_inter_sliceが存在しない場合、sps_log2_diff_max_t
t_min_qt_inter_sliceの値が0になると推論される。
【0398】
sps_log2_diff_min_qt_min_cb_intra_slice
_chromaは、DUAL_TREE_CHROMAに等しいtreeTypeを持つ
クロマCTUの4分木分割によるクロマリーフブロックの輝度サンプルにおける最小サイ
ズの底2対数と、SPSを参照してslice_typeが2(I)のスライスにおける
DUAL_TREE_CHROMAに等しいtreeTypeを持つクロマCUの輝度サ
ンプルの最小コーディングブロックサイズの底2対数と、のデフォルトの差を規定する。
partition_constraints_override_enabled_f
lagが1に等しい場合、デフォルトの差は、SPSを参照してPHに存在するph_l
og2_diff_min_qt_min_cb_chromaによって上書きされる。
sps_log2_diff_min_qt_min_cb_intra_slice_
chromaの値は、0~CtbLog2SizeY-MinCbLog2SizeYの
範囲内にあるものとする。存在しない場合、sps_log2_diff_min_qt
_min_cb_intra_slice_chromaの値は0に等しいと推論される
。treeTypeがDUAL_TREE_CHROMAであるCTUを4分木分割した
結果得られたクロマリーフブロックの輝度サンプルの最小サイズの底2対数は、以下のよ
うに導出される。
MinQtLog2SizeIntraC=sps_log2_diff_min
_qt_min_cb_intra_slice_chroma+MinCbLog2S
izeY (57)
【0399】
sps_max_mtt_hierarchy_depth_intra_slice
_chromaは、SPSを参照するtreeType=DUAL_TREE_CHRO
MA、slice_type=2(I)のクロマ4分木のマルチタイプツリー分割に起因
するクロマコーディングユニットのデフォルトの最大階層深度を規定する。partit
ion_constraints_override_enabled_flagが1に
等しい場合は、デフォルトの最大階層進度は、SPSを参照するPHに存在するph_m
ax_mtt_hierarchy_depth_chromaによって上書きすること
ができる。sps_max_mtt_hierarchy_depth_intra_s
lice_chromaの値は、0~2*(CtbLog2SizeY-MinCbLo
g2SizeY)の範囲内にあるものとする。存在しない場合、sps_max_mtt
_hierarchy_depth_intra_slice_chromaの値は0に
等しいと推論される。
【0400】
sps_log2_diff_max_bt_min_qt_intra_slice
_chromaは、2値分割を使用して分割され得るクロマコーディングブロックの輝度
サンプルの最大サイズ(幅または高さ)の底2対数と、SPSを参照するslice_t
ypeが2(I)であるスライスにおけるDUAL_TREE_CHROMAと等しいt
reeTypeを有するクロマCTUの4分木分割に起因するクロマリーフブロックの輝
度サンプルの最小サイズ(幅または高さ)と、のデフォルトの差を規定する。parti
tion_constraints_override_enabled_flagが1
に等しい場合、デフォルトの差は、SPSを参照するPHに存在するph_log2_d
iff_max_bt_min_qt_chromaによって上書きすることができる。
sps_log2_diff_max_bt_min_qt_intra_slice_
chromaの値は、0~CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeIn
traCの範囲内にあるものとする。sps_log2_diff_max_bt_mi
n_qt_intra_slice_chromaが存在しない場合、sps_log2
_diff_max_bt_min_qt_intra_slice_chromaの値
が0になると推論される。
【0401】
log2_diff_max_tt_min_qt_intra_slice_chr
omaは、3進法分割を使用して分割され得るクロマコーディングブロックの輝度サンプ
ルの最大サイズ(幅または高さ)の底2対数と、SPSを参照するslice_type
が2(I)であるスライスにおけるDUAL_TREE_CHROMAと等しいtree
Typeを有するクロマCTUの4分木分割に起因するクロマリーフブロックの輝度サン
プルの最小サイズ(幅または高さ)と、のデフォルトの差を規定する。partitio
n_constraints_override_enabled_flagが1に等し
い場合、デフォルトの差は、SPSを参照するPHに存在するph_log2_diff
_max_tt_min_qt_chromaによって上書きすることができる。sps
_log2_diff_max_tt_min_qt_intra_slice_chr
omaの値は、0~CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeIntra
Cの範囲内にあるものとする。sps_log2_diff_max_tt_min_q
t_intra_slice_chromaが存在しない場合、sps_log2_di
ff_max_tt_min_qt_intra_slice_chromaの値は、0
に等しくなると推論される。
【0402】
1に等しいsps_max_luma_transform_size_64_fla
gは、輝度サンプルの最大変換サイズが64に等しいことを規定する。0に等しいsps
_max_luma_transformation_size_64_flagは、輝
度サンプルの最大変換サイズが32に等しいことを規定する。
CtbSizeYが64未満である場合、sps_max_luma_transfo
rm_size_64_flagの値は0に等しい。
変数MinTbLog2SizeY、MaxTbLog2SizeY、MinTbSi
zeY、およびMaxTbSizeYは、以下のように導出される。
MinTbLog2SizeY=2 (58)
MaxTbLog2SizeY=sps_max_luma_transform
_size_64_flag?6:5 (59)
MinTbSizeY=1<<MinTbLog2SizeY (60)
MaxTbSizeY=1<<MaxTbLog2SizeY (61)
【0403】
0に等しいsps_joint_cbcr_enabled_flagは、クロマ残差
の共同コーディングが無効化されることを規定する。1に等しいsps_joint_c
bcr_enabled_flagは、クロマ残差の共同コーディングが有効化されるこ
とを規定する。存在しない場合、sps_joint_cbcr_enabled_fl
agの値は0に等しいと推測される。
【0404】
1に等しいsame_qp_table_for_chromaは、1つのクロマQP
マッピングテーブルのみが信号通知され、このテーブルが、CbおよびCr残差に適用さ
れ、且つsps_joint_cbcr_enabled_flagが1に等しい場合に
共同Cb-Cr残差にも適用されることを規定する。0に等しいsame_qp_tab
le_for_chromaは、sps_joint_cbcr_enabled_fl
agが1に等しい場合、クロマQPマッピングテーブル、CbとCrの2つと、共同Cb
-Crに対して追加の1つとがSPSにおいて信号通知されることを規定する。same
_qp_table_for_chromaがビットストリームに存在しない場合、sa
me_qp_table_for_chromaの値は1に等しいと推論される。
【0405】
qp_table_start_minus26[i]+26は、i番目のクロマQP
マッピングテーブルを説明するために使用される開始輝度およびクロマQPを規定する。
qp_table_start_minus26[i]の値は、-26-QpBdOff
set~36の範囲内にあるものとする。qp_table_start_minus2
6[i]がビットストリームに存在しない場合、qp_table_start_min
us26[i]の値は0に等しいと推論される。
【0406】
num_points_in_qp_table_minus1[i]+1は、i番目
のクロマQPマッピングテーブルを説明するために使用される点の数を規定する。num
_points_in_qp_table_minus1[i]の値は、0~63+Qp
BdOffsetの範囲内にあるものとする。num_points_in_qp_ta
ble_minus1[0]がビットストリームに存在しない場合、num_point
s_in_qp_table_minus1[0]の値は0に等しいと推論される。
【0407】
delta_qp_in_val_minus1[i][j]は、i番目のクロマQP
マッピングテーブルのj番目のピボット点の入力座標を導出するために使用するデルタ値
を規定する。delta_qp_in_val_minus1[0][j]がビットスト
リームに存在しない場合、delta_qp_in_val_minus1[0][j]
の値は0に等しいと推論される。
【0408】
delta_qp_diff_val[i][j]第iクロマQPマッピングテーブル
のj番目のピボット点の出力座標を導出するために使用するデルタ値を規定する。
i=0...numQpTables-1のi番目のクロマQPマッピングテーブルC
hromaQpTable[i]は、以下のように導出される。
【0409】
qpInVal[i][0]=qp_table_start_minus26[i]+
26
qpOutVal[i][0]=qpInVal[i][0]
for(j=0;j<=num_points_in_qp_table_minus1
[i];j++){
qpInVal[i][j+1]=qpInVal[i][j]+delta_qp_
in_val_minus1[i][j]+1
qpOutVal[i][j+1]=qpOutVal[i][j]+(delta_
qp_in_val_minus1[i][j]^delta_qp_diff_val
[i][j])

ChromaQpTable[i][qpInVal[i][0]]=qpOutVal
[i][0]
for(k=qpInVal[i][0]-1;k>=-QpBdOffset;k--

ChromaQpTable[i][k]=Clip3(-QpBdOffset,6
3,ChromaQpTable[i][k+1]-1) (62)
for(j=0;j<=num_points_in_qp_table_minus1
[i];j++){
sh=(delta_qp_in_val_minus1[i][j]+1)>>1
for(k=qpInVal[i][j]+1,m=1;k<=qpInval[i]
[j+1];k++,m++)
ChromaQpTable[i][k]=ChromaQpTable[i][q
pInVal[i][j]]+
((qpOutVal[i][j+1]-qpOutVal[i][j])*m+
sh)/(delta_qp_in_val_minus1[i][j]+1)

for(k=qpInVal[i][num_points_in_qp_table_
minus1[i]+1]+1;k<=63;k++)
ChromaQpTable[i][k]=Clip3(-QpBdOffset,6
3,ChromaQpTable[i][k-1]+1)
【0410】
same_qp_table_for_chromaが1に等しい場合、Chroma
QpTable[1][k]およびChromaQpTable[2][k]は、-Qp
BdOffsetから63までの範囲内にあるkについて、ChromaQpTable
[0][k]に等しく設定される。
qpInVal[i][j]、qpOutVal[i][j]の値は、-QpBdOf
fset~63の範囲内にあり、iが0~numQpTables-1の範囲内にあり、
jが0~num_points_in_qp_table_minus1[i]+1の範
囲内にあるものとすることが、ビットストリーム適合性の要件である。
【0411】
1に等しいsps_sao_enabled_flagは、デブロッキングフィルタリ
ング処理後の再構成ピクチャに対してサンプル適応オフセット処理を適用することを規定
する。0に等しいsps_sao_enabled_flagは、デブロッキングフィル
タリング処理後の再構成ピクチャに対してサンプル適応オフセット処理を適用しないこと
を規定する。
【0412】
0に等しいsps_alf_enabled_flagは、適応ループフィルタが無効
化されることを規定する。1に等しいsps_alf_enabled_flagは、適
応ループフィルタが有効化されることを規定する。
【0413】
0に等しいsps_ccalf_enabled_flagは、クロスコンポーネント
適応ループフィルタが無効化されることを規定する。1に等しいsps_ccalf_e
nabled_flagは、クロスコンポーネント適応ループフィルタが有効化されるこ
とを規定する。
【0414】
1に等しいsps_transform_skip_enabled_flagは、t
ransform_skip_flagが変換ユニット構文に存在してもよいことを規定
する。0に等しいsps_transform_skip_enabled_flagは
、transform_skip_flagが変換ユニット構文に存在しないことを規定
する。
【0415】
log2_transform_skip_max_size_minus2は、変換
スキップに使用する最大ブロックサイズを規定し、0~3の範囲内にあるものとすること
を規定する。
変数MaxTsSizeは、1<<(log2_transform_skip_ma
x_size_minus2+2)に等しく設定される。
【0416】
1に等しいsps_bdpcm_enabled_flagは、intra_bdpc
m_luma_flagおよびintra_bdpcm_chroma_flagがイン
トラコーディングユニットのコーディングユニット構文に存在し得ることを規定する。0
に等しいsps_bdpcm_enabled_flagは、intra_bdpcm_
luma_flagおよびintra_bdpcm_chroma_flagがイントラ
コーディングユニット構文に存在しないことを規定する。存在しない場合、sps_bd
pcm_enabled_flagの値は0に等しいと推論される。
【0417】
1に等しいsps_ref_wraparound_enabled_flagは、イ
ンター予測において水平ラップアラウンド動き補償を適用することを規定する。0に等し
いsps_ref_wraparound_enabled_flagは、水平ラップア
ラウンド動き補償を適用することを規定する。(CtbSizeY/MinCbSize
Y+1)の値が(pic_width_in_luma_samples/MinCbS
izeY-1)よりも大きく、pic_width_in_luma_samplesが
、SPSを参照する任意のPPSにおけるpic_width_in_luma_sam
plesの値である場合、sps_ref_wraparound_enabled_f
lagの値は0に等しいものとする。
【0418】
1に等しいsps_temporal_mvp_enabled_flagは、CLV
Sにおいて時間的動きベクトル予測子を使用してもよいことを規定する。0に等しいsp
s_temporal_mvp_enabled_flagは、時間的動きベクトル予測
子がCLVSで使用されないことを規定する。
【0419】
1に等しいsps_sbtmvp_enabled_flagは、CLVSにおけるs
lice_typeがIでないすべてのスライスを有するピクチャの復号にサブブロック
に基づく時間的動きベクトル予測子を使用してもよいことを規定する。0に等しいsps
_sbtmvp_enabled_flagは、サブブロックに基づく時間的動きベクト
ル予測子はCLVSでは使用されないことを規定する。sps_sbtmvp_enab
led_flagが存在しない場合、0に等しいと推測される。
【0420】
1に等しいsps_amvr_enabled_flagは、動きベクトル符号化に適
応型動きベクトル差解像度を使用することを規定する。0に等しいamvr_affin
e_amvr_enabled_flagは、動きベクトル符号化に適応型きベクトル差
分解像度を用いないことを規定する。
【0421】
0に等しいsps_bdof_enabled_flagは、双方向オプティカルフロ
ーインター予測が無効化されることを規定する。1に等しいsps_bdof_enab
led_flagは、双方向オプティカルフローインター予測が有効化されることを規定
する。
【0422】
1に等しいsps_bdof_pic_present_flagは、SPSを参照し
ているPHにph_disable_bdof_flagが存在することを規定する。0
に等しいsps_bdof_pic_present_flagは、SPSを参照してい
るPHにph_disable_bdof_flagが存在しないことを規定する。sp
s_bdof_pic_present_flagが存在しない場合、sps_bdof
_pic_present_flagの値は0と推測される。
【0423】
1に等しいsps_smvd_enabled_flagは、動きベクトルの復号に対
称動きベクトル差を使用してもよいことを規定する。0に等しいsps_smvd_en
abled_flagは、対称動きベクトル差が動きベクトルコーディングに使用されな
いことを規定する。
【0424】
1に等しいsps_dmvr_enabled_flagは、デコーダ動きベクトル微
調整に基づくインター双方向予測が有効化されることを規定する。0に等しいsps_d
mvr_enabled_flagは、デコーダ動きベクトル微調整に基づくインター双
方向予測が無効化されることを規定する。
【0425】
1に等しいsps_dmvr_pic_present_flagは、SPSを参照す
るPHにおいてph_disable_dmvr_flagが存在することを規定する。
0に等しいsps_dmvr_pic_present_flagは、SPSを参照する
PHにおいてph_disable_dmvr_flagが存在しないことを規定する。
sps_dmvr_pic_present_flagが存在しない場合、sps_dm
vr_pic_present_flagの値は0と推測される。
【0426】
1に等しいsps_mmvd_enabled_flagは、動きベクトルの差を伴う
マージモードが有効化されることを規定する。0に等しいsps_mmvd_enabl
ed_flagは、動きベクトルの差を伴うマージモードが無効化されることを規定する
【0427】
1に等しいsps_isp_enabled_flagは、サブパーティションによる
イントラ予測を有効化することを規定する。0に等しいsps_isp_enabled
_flagは、サブパーティションによるイントラ予測を無効化することを規定する。
【0428】
1に等しいsps_mrl_enabled_flagは、複数の参照線を有するイン
トラ予測が有効化されることを規定する。0に等しいsps_mrl_enabled_
flagは、複数の参照線を有するイントラ予測が無効化されることを規定する。
【0429】
1に等しいsps_mip_enabled_flagとは、行列ベースのイントラ予
測が有効化されることを規定する。0に等しいsps_mip_enabled_fla
gは、行列ベースのイントラ予測が無効化されることを規定する。
【0430】
0に等しいsps_cclm_enabled_flagは、輝度成分から色度成分へ
のクロスコンポーネント線形モデルイントラ予測が無効化されることを規定する。1に等
しいsps_cclm_enabled_flagは、輝度成分から色度成分へのクロス
コンポーネント線形モデルイントラ予測が有効化されることを規定する。sps_ccl
m_enabled_flagが存在しない場合、0に等しいと推測される。
【0431】
1に等しいsps_chroma_horizontal_collocated_f
lagは、予測処理が、対応する輝度サンプル位置に対して水平方向にシフトされていな
いクロマサンプル位置に対して設計された方法で動作することを規定する。0に等しいs
ps_chroma_horizontal_collocated_flagは、予測
処理が、対応する輝度サンプル位置に対して輝度サンプル単位で0.5だけ右側にシフト
したクロマサンプル位置に対して設計された方法で動作することを規定する。sps_c
hroma_horizontal_collocated_flagが存在しない場合
、0に等しいと推測される。
【0432】
1に等しいsps_chroma_vertical_collocated_fla
gは、予測処理が、対応する輝度サンプル位置に対して垂直方向にシフトされていないク
ロマサンプル位置に対して設計された方法で動作することを規定する。0に等しいsps
_chroma_vertical_collocated_flagは、予測処理が、
対応する輝度サンプル位置に対して輝度サンプル単位で0.5だけ右側にシフトしたクロ
マサンプル位置に対して設計された方法で動作することを規定する。sps_chrom
a_vertical_collocated_flagが存在しない場合、1に等しい
と推測される。
【0433】
1に等しいsps_mts_enabled_flagは、シーケンスパラメータセッ
トRBSPの構文にsps_explicit_mts_intra_enabled_
flagが存在し、シーケンスパラメータセットRBSPの構文にsps_explic
it_mts_inter_enabled_flagが存在することを示す。0に等し
いsps_mts_enabled_flagは、シーケンスパラメータセットRBSP
の構文にsps_explicit_mts_intra_enabled_flagが
存在しないこと、および、シーケンスパラメータセットRBSPの構文にsps_exp
licit_mts_inter_enabled_flagが存在しないことを示す。
【0434】
1に等しいsps_explicit_mts_intra_enabled_fla
gは、イントラコーディングユニット構文にmts_idxが存在する可能性があること
を規定する。0に等しいsps_explicit_mts_intra_enable
d_flagは、イントラコーディングユニット構文にmts_idxが存在しないこと
を規定する。存在しない場合、sps_explicit_mts_intra_ena
bled_flagの値は0と推測される。
【0435】
1に等しいsps_explicit_mts_inter_enabled_fla
gは、mts_idxがインターコーディングユニット構文に存在する場合があることを
規定する。0に等しいsps_explicit_mts_inter_enabled
_flagは、mts_idxがインターコーディングユニット構文に存在しないことを
規定する。存在しない場合、sps_explicit_mts_inter_enab
led_flagの値は0と推測される。
【0436】
six_minus_max_num_merge_candは、SPSでサポートさ
れるマージ動きベクトル予測(MVP)候補の最大数を6から減算することを規定する。
MVP候補をマージする最大数MaxNumMergeCandは、以下のように導出さ
れる。
MaxNumMergeCand=6-six_minus_max_num_m
erge_cand (63)
MaxNumMergeCandの値は、1~6の範囲内である。
【0437】
0に等しいsps_sbt_enabled_flagは、相互予測CUのためのサブ
ブロック変換が無効化されることを規定する。1に等しいsps_sbt_enable
d_flagは、インター予測CUのためのサブブロック変換が有効化されることを規定
する。
【0438】
sps_affine_enabled_flagアフィンモデルに基づく動き補償を
インター予測に使用できるかどうかを規定する。sps_affine_enabled
_flagが0に等しい場合、構文は、CLVSにおいてアフィンモデルに基づく動き補
償が使用されず、inter_affine_flagおよびcu_affine_ty
pe_flagがCLVSのコーディングユニット構文に存在しないように制約されるも
のとする。そうでない場合(sps_affine_enabled_flagが1に等
しい)、アフィンモデルに基づく動き補償をCLVSにおいて使用してもよい。
【0439】
five_minus_max_num_subblock_merge_candは
、SPSでサポートされるサブブロックベースマージ動きベクトル予測候補の最大数を5
から減算することを規定する。
【0440】
sps_affine_type_flag6パラメータアフィンモデルに基づく動き
補償をインター予測に使用できるかどうかを規定する。sps_affine_type
_flagが0に等しい場合、構文は、CLVSにおいて6パラメータアフィンモデルに
基づく動き補償が使用されず、CLVSにおけるコーディングユニット構文においてcu
_affine_type_flagが存在しないように制約されるものとする。そうで
ない場合(sps_affine_type_flagが1に等しい)、6パラメータア
フィンモデルに基づく動き補償をCLVSにおいて使用してもよい。存在しない場合、s
ps_affine_type_flagの値は0に等しいと推測される。
【0441】
1に等しいsps_affine_amvr_enabled_flagは、アフィン
インターモードの動きベクトル符号化に適応型動きベクトル差解像度を使用することを規
定する。0に等しいsps_amvr_affine_amvr_enabled_fl
agは、アフィンインターモードの動きベクトル符号化に適応型動きベクトル差解像度を
用いないことを規定する。存在しない場合、sps_affine_amvr_enab
led_flagの値は0と推測される。
【0442】
sps_affine_prof_enabled_flagオプティカルフローによ
る予測微調整をアフィン動き補償に使用できるかどうかを規定する。sps_affin
e_prof_enabled_flagが0に等しい場合、アフィン動き補償は、オプ
ティカルフローによって微調整されないものとする。そうでない場合(sps_affi
ne_prof_enabled_flagが1に等しい)、オプティカルフローを使用
してアフィン動き補償を微調整することができる。存在しない場合、sps_affin
e_prof_enabled_flagの値は0と推測される。
【0443】
1に等しいsps_prof_pic_present_flagは、SPSを参照し
ているPHにph_disable_prof_flagが存在することを規定する。0
に等しいsps_prof_pic_present_flagは、SPSを参照してい
るPHにph_disable_prof_flagが存在しないことを規定する。sp
s_prof_pic_present_flagが存在しない場合、sps_prof
_pic_present_flagの値は0と推測される。
【0444】
1に等しいsps_palette_enabled_flagは、pred_mod
e_plt_flagがコーディングユニット構文に含まれていることを規定する。0に
等しいsps_palette_enabled_flagは、pred_mode_p
lt_flagがコーディングユニット構文に含まれていないことを規定する。sps_
palette_enabled_flagが存在しない場合、0に等しいと推測される
【0445】
1に等しいsps_act_enabled_flagは、適応型色変換を使用しても
よく、cu_act_enabled_flagがコーディングユニット構文に存在して
もよいことを規定する。0に等しいsps_act_enabled_flagは、適応
型色変換を使用せず、cu_act_enabled_flagがコーディングユニット
構文に存在しないことを規定する。sps_act_enabled_flagが存在し
ない場合、0に等しいと推測される。
【0446】
min_qp_prime_ts_minus4は、変換スキップモードにおける最小
許容量子化パラメータを以下のように規定する。
QpPrimeTsMin=4+min_qp_prime_ts_minus4
(64)
min_qp_prime_ts_minus4の値は、0~48の範囲内である。
【0447】
sps_bcw_enabled_flagは、CUが、重み付き双方向予測をインタ
ー予測に使用できるかどうかを規定する。sps_bcw_enabled_flagが
0に等しい場合、構文は、CU重みを有する双方向予測がCLVSにおいて使用されず、
bcw_idxがCLVSのコーディングユニット構文に存在しないように制約されるも
のとする。そうでない場合(sps_bcw_enabled_flagが1に等しい)
、CU重みを有する双方向予測をCLVSにおいて使用できる。
【0448】
1に等しいsps_ibc_enabled_flagは、IBC予測モードがCLV
Sにおけるピクチャの復号に使用してもよいことを規定する。0に等しいsps_ibc
_enabled_flagは、IBC予測モードがCLVSにおいて使用されないこと
を規定する。sps_ibc_enabled_flagが存在しない場合、0に等しい
と推測される。
【0449】
six_minus_max_num_ibc_merge_candは、SPSでサ
ポートされるIBCマージブロックベクトル予測(BVP)候補の最大数を6から減算す
ることを規定する。
IBCマージBVP候補の最大数MaxNumIbcMergeCandは、以下のよ
うに導出される。
if(sps_ibc_enabled_flag)
MaxNumIbcMergeCand=6-six_minus_max_num_
ibc_merge_cand (65)
else
MaxNumIbcMergeCand=0
【0450】
sps_ciip_enabled_flagは、ciip_flagがインター符号
化ユニットの残差符号化構文に存在する可能性があることを示す。sps_ciip_e
nabled_flagが0の場合は、ciip_flagはインター符号化ユニットの
コーディング構文内に存在しないことを示す。
【0451】
1に等しいsps_fpel_mmvd_enabled_flagは、動きベクトル
差を有するマージモードが整数サンプル精度を使用することを規定する。0に等しいsp
s_fpel_mmvd_enabled_flagは、動きベクトル差を有するマージ
モードが端数サンプル精度を使用できることを規定する。
【0452】
sps_gpm_enabled_flagは、形状パーティションに基づく動き補償
をインター予測に使用できるかどうかを規定する。0に等しいsps_gpm_enab
led_flagは、CLVSで形状パーティションに基づく動き補償を使用せず、me
rge_gpm_partition_idx、merge_gpm_idx0、mer
ge_gpm_idx1がCLVSのコーディングユニット構文に含まれないように構文
を制約するものとすることを規定する。1に等しいsps_gpm_enabled_f
lagは、形状パーティションに基づく動き補償はCLVSで使用できることを規定する
。存在しない場合、sps_gpm_enabled_flagの値は0に等しいと推測
される。
【0453】
max_num_merge_cand_minus_max_num_gpm_ca
ndは、SPSでサポートされる幾何学的分割マージモード候補の最大数をMaxNum
MergeCandから減算することを規定する。
sps_gpm_enabled_flagが1に等しく、MaxNumMergeC
andが3以上に等しい場合、幾何学的分割マージモード候補の最大数MaxNumGe
oMergeCandは、以下のように導出される。
if(sps_gpm_enabled_flag&&MaxNumMergeCand
>=3)
MaxNumGpmMergeCand=MaxNumMergeCand -
max_num_merge_cand_minus_max_num_gpm_
cand (66)
else if(sps_gpm_enabled_flag&&MaxNumMerg
eCand==2)
MaxNumMergeCand=2
else
MaxNumGeoMergeCand=0
MaxNumGeoMergeCandの値は、2~MaxNumMergeCand
の範囲内である。
【0454】
1に等しいsps_lmcs_enabled_flagは、CLVSにおいてクロマ
スケーリングを伴う輝度マッピングを用いることを示す。0に等しいsps_lmcs_
enabled_flagは、CLVSにおいてクロマスケーリングを伴う輝度マッピン
グを用いないことを示す。
【0455】
1に等しいsps_lfnst_enabled_flagは、lfnst_idxが
イントラコーディングユニット構文に存在する場合があることを規定する。0に等しいs
ps_lfnst_enabled_flagは、lfnst_idxがイントラコーデ
ィングユニット構文に存在しないことを規定する。
【0456】
1に等しいsps_ladf_enabled_flagは、sps_num_lad
f_intervals_minus2、sps_ladf_lowest_inter
val_qp_offset、sps_ladf_qp_offset[i]およびsp
s_ladf_delta_threshold_minus1[i]がSPSに存在す
ることを規定する。
【0457】
sps_num_ladf_intervals_minus2+1は、SPSに存在
するsps_ladf_delta_threshold_minus1[i]およびs
ps_ladf_qp_offset[i]構文要素の数を規定する。sps_num_
ladf_intervals_minus2の値は、0~3の範囲内にあるものとする
【0458】
sps_ladf_lowest_interval_qp_offsetは、8.8
.3.6.1項で規定されるように、変数qPを導出するために使用するオフセットを規
定する。sps_ladf_lowest_interval_qp_offsetの値
は、-63以上+63以下とする。
【0459】
sps_ladf_qp_offset[i]8.8.3.6.1項で規定されるよう
に、変数qPを導出するために使用するオフセット配列を規定する。sps_ladf_
qp_offset[i]の値は、-63以上+63以下とする。
【0460】
sps_ladf_delta_threshold_minus1[i]は、Sps
LadfIntervalLowerBound[i]の値を計算するために使用するも
ので、i番目の輝度強度レベル間隔の下限を規定する。sps_ladf_delta_
threshold_minus1[i]の値は、0~2BitDepth-3の範囲内
にあるものとする
SpsLadfIntervalLowerBound[0]の値は0に等しく設定さ
れる。
0~sps_num_ladf_intervals_minus2の範囲内にあるiの
各値について、変数SpsLadfIntervalLowerBound[i+1]は
、以下のように導出される。
SpsLadfIntervalLowerBound[i+1]=SpsLad
fIntervalLowerBound[i] (67)
+sps_ladf_delta_threshold_minus1[i]+1
【0461】
log2_parallel_merge_level_minus2+2は、8.5
.2.3項で規定されるような、空間的マージ候補の導出処理、8.5.5.2項で規定
するようなサブブロックマージモードにおける動きベクトルおよび参照インデックスの導
出処理に使用される変数Log2ParMrgLevelの値を規定し、8.5.2.1
項の履歴に基づく動きベクトル予測子リストの更新処理の呼び出しを制御する。log2
_parallel_merge_level_minus2の値は、0~CtbLog
2SizeY-2を含む範囲内とする。変数Log2ParMrgLevelは、以下の
ように導出される。
Log2ParMrgLevel=log2_parallel_merge_l
evel_minus2+2 (68)
【0462】
1に等しいsps_scaling_list_enabled_flagは、変換係
数のスケーリング処理にスケーリングリストを使用することを規定する。0に等しいsp
s_scaling_list_enabled_flagは、変換係数のスケーリング
処理に対してスケーリングリストを使用しないことを規定する。
【0463】
0に等しいsps_dep_quant_enabled_flagは、SPSを参照
するピクチャに対して依存量子化が無効化されることを規定する。1に等しいsps_d
ep_quant_enabled_flagは、従属量子化がSPSを参照するピクチ
ャに対して有効化されてもよいことを規定する。
【0464】
0に等しいsps_sign_data_hiding_enabled_flagは
、SPSを参照するピクチャに対して符号ビットの非表示を無効化することを規定する。
1に等しいsps_sign_data_hiding_enabled_flagは、
SPSを参照するピクチャに対して符号ビットの非表示を有効化してもよいことを規定す
る。sps_sign_data_hiding_enabled_flagが存在しな
い場合、0に等しいと推測される。
【0465】
1に等しいsps_virtual_boundaries_enabled_fla
gは、CLVSにおけるコーディングされたピクチャにおいて、仮想境界をまたぐインル
ープフィルタリングの無効化を適用してもよいことを規定する。0に等しいsps_vi
rtual_boundaries_enabled_flagは、CLVSにおけるコ
ーディングされたピクチャにおいて、仮想境界を跨ぐインループフィルタリングの無効化
を適用しないことを規定する。インループフィルタリング動作は、デブロッキングフィル
タ、サンプル適応オフセットフィルタ、および適応ループフィルタ動作を含む。
【0466】
1に等しいsps_virtual_boundaries_present_fla
gは、SPSで仮想境界の情報を信号通知することを規定する。0に等しいsps_vi
rtual_boundaries_present_flagは、SPSで仮想境界の
情報を信号通知しないことを規定する。SPSにおいて信号通知される仮想境界が1つ以
上ある場合、SPSを参照するピクチャにおいて、仮想境界を跨ぐインループフィルタリ
ング動作は無効化される。インループフィルタリング動作は、デブロッキングフィルタ、
サンプル適応オフセットフィルタ、および適応ループフィルタ動作を含む。
res_change_in_clvs_allowed_flagの値が1に等しい
場合、sps_virtual_boundaries_present_flagの値
が0に等しいものとすることは、ビットストリーム適合性の要件である。
【0467】
sps_num_ver_virtual_boundaries SPSに存在する
sps_virtual_boundaries_pos_x[i]構文要素の数を規定
する。sps_num_ver_virtual_boundariesが存在しない場
合、0に等しいと推測される。
【0468】
sps_virtual_boundaries_pos_x[i]i番目の垂直仮想
境界の位置を、輝度サンプルを8で割った単位で規定する。sps_virtual_b
oundaries_pos_x[i]の値は、1からCeil(pic_width_
in_luma_samples÷8)-1の範囲内にあるものとする。
【0469】
sps_num_hor_virtual_boundariesは、SPSに存在す
るsps_virtual_boundaries_pos_y[i]の構文要素の数を
規定する。sps_num_hor_virtual_boundariesが存在しな
い場合、0に等しいと推測される。
sps_virtual_boundaries_enabled_flagが1に等
しく、sps_virtual_boundaries_present_flagが1
に等しい場合、sps_num_ver_virtual_boundariesとsp
s_num_hor_virtual_boundariesの合計は、0より大きいも
のとする。
【0470】
sps_virtual_boundaries_pos_y[i]は、i番目の水平
方向の仮想境界の位置を、輝度サンプルを8で割った単位で規定する。sps_virt
ual_boundaries_pos_y[i]の値は、1からCeil(pic_h
eight_in_luma_samples÷8)-1の範囲内にあるものとする。
【0471】
1に等しいsps_general_hrd_params_present_fla
gは、構文構造general_hrd_parameters()がSPS RBS
P構文構造に存在することを規定する。0に等しいsps_general_hrd_p
arams_present_flagは、構文構造general_hrd_para
meters()がSPS RBSP構文構造に存在しないことを規定する。
【0472】
1に等しいsps_sublayer_cpb_params_present_fl
agは、SPS RBSPにおける構文構造old_hrd_parameters()
が、0~sps_max_sublayer_minus1の範囲内にあるTempor
alIdを有するサブレイヤー表現のためのHRDパラメータを含むことを規定する。0
に等しいsps_sublayer_cpb_params_present_flag
は、SPS RBSPにおける構文構造ols_hrd_parameters()が、
sps_max_sublayers_minus1のTemporalIdのみを有す
るサブレイヤー表現のためのHRDパラメータを含むことを規定する。sps_max_
sublayers_minus1=0のとき、sps_sublayer_cpb_p
arams_present_flagの値は0に等しいと推論される。
sps_sublayer_cpb_params_present_flagが0に
等しい場合、TemporalIdが0からsps_max_sublayers_mu
nus1-1の範囲内にあるサブレイヤー表現のHRDパラメータは、Temporal
Idがsps_max_sublayers_munus1に等しいサブレイヤー表現の
HRDパラメータと同じに等しいと推論される。これには、fixed_pic_rat
e_general_flag[i]構文要素から始まり、sublayer_hrd_
parameters(i)構文構造に至るまでのHRDパラメータが、ols_hrd
_parameters構文構造における条件“if(general_vcl_hrd
_params_present_flag)”のすぐ下に含まれる。
【0473】
1に等しいfield_seq_flagは、CLVSがfieldを表すピクチャを
伝達することを示す。0に等しいfield_seq_flagは、CLVSがフレーム
を表すピクチャを伝達することを示す。general_frame_only_con
straint_flagが1に等しいとき、field_seq_flagの値は0に
等しいものとする。
field_seq_flagが1に等しい場合は、CLVSにおけるすべてのコーデ
ィングされたピクチャごとに1つのフレームフィールド情報SEIメッセージが存在する
ものとする。
注5-規定された復号処理は、フィールドまたはフレームを表すピクチャを別に扱う
ことはない。従って、フィールドを表すピクチャのシーケンスは、個々のフィールドのピ
クチャ寸法を使用してコーディングされる。例えば、1080iフィールドを表すピクチ
ャは、共通して、1920x540のトリミングされた出力寸法を有することになり、シ
ーケンスピクチャレートは、通常、ソースフレームレート(一般的に、25Hzと30H
zとの間)の代わりに、ソースフィールドのレート(一般的に、50Hzと60Hzとの間)を表すことになる。
【0474】
1に等しいvui_parameters_present_flagは、構文構造v
ui_parameters()がSPS RBSP構文構造に存在することを規定する
。0に等しいvui_parameters_present_flagは、構文構造v
ui_parameters()がSPS RBSP構文構造に存在しないことを規定す
る。
【0475】
0に等しいsps_extension_flagは、SPS RBSP構文構造にs
ps_extension_data_flag構文要素が含まれていないことを規定す
る。1に等しいsps_extension_flagは、SPS RBSP構文構造に
sps_extension_data_flag構文要素が存在することを規定する。
【0476】
sps_extension_data_flagは任意の値を有することができる。
その存在および値は、本明細書バージョンで特定された特徴に対するのデコーダの適合性
に影響を与えない。本明細書バージョンに準拠するデコーダは、すべてのsps_ext
ension_data_flag構文要素を無視しなければならない。
【0477】
7.4.3.4 ピクチャーパラメータセットRBSP意味論
【0478】
PPS RBSPは、それが参照される前に復号化処理で利用できるか、それを参照す
るPPS NALユニットのTemporalId以下のTemporalIdを持つ少
なくとも一つのAU内に含まれるか、外部手段を通じて提供されるものとする。
1つのPU内の特定の値がpps_pic_parameter_set_idである
すべてのPPS NALユニットは、同じコンテンツを有するものとする。
【0479】
pps_pic_parameter_set_idは、他の構文要素が参照するPP
Sを示す。pps_pic_parameter_set_idの値は、0~63の範囲
内である。
PPS NALユニットは、nuh_layer_id値に関わらず、pps_pic
_parameter_set_idの同じ値空間を共有する。
ppsLayerIdを特定のPPS NALユニットのnuh_layer_idの
値とし、vclLayerIdを特定のVCL NALユニットのnuh_layer_
idの値とする。特定のVCL NALユニットは、ppsLayerIdがvclLa
yerId以下であり、nuh_layer_idがppsLayerIdであるレイヤ
が、vclLayerIdであるnuh_layer_idを有するレイヤを含む少なく
とも1つのOLSに含まれていない限り、特定のPPS NALユニットを参照しないも
のとする。
【0480】
pps_seq_parameter_set_idはSPSのsps_seq_pa
rameter_set_idの値を規定する。pps_seq_parameter_
set_idの値は、0~15の範囲内である。pps_seq_parameter_
set_idの値は、1つのCLVSにおけるコーディングされたピクチャが参照するす
べてのPPSにおいて同じであるものとする。
【0481】
1に等しいmixed_nalu_types_nalu_pic_flagは、PP
Sを参照する各ピクチャが2つ以上のVCL NALユニットを有し、VCL NALユ
ニットがnal_unit_typeの同じ値を有さず、ピクチャがIRAPピクチャで
ないことを規定する。0に等しいmixed_nalu_types_in_pic_f
lagは、PPSを参照する各ピクチャが1つ以上のVCL NALユニットを有し、P
PSを参照する各ピクチャのVCL NALがnal__unit_typeの同じ値を
有することを規定する。
no_mixed_nalu_types_in_pic_constraint_f
lagが1に等しい場合は、mixed_nalu_types_in_pic_fla
gの値は0に等しいものとする。
nal_unit_typeの値nalUnitTypeAがIDR_W_RADL~
CRA_NUTの範囲内にある各スライスで、nal_unit_typeの別の値を有
する1つ以上のスライスをも含むpicA(すなわち、ピクチャpicAのmixed_
nalu_types_in_pic_flagの値が1に等しい)において、下記が適
用される。
-このスライスは、対応するsubpic_treated_as_pic_fla
g[i]の値が1に等しいサブピクチャsubpicAに属するものとする。
-このスライスは、nal_unit_typeがnalUnitTypeAに等し
くないVCL NALユニットを含むpicAのサブピクチャに属さないものとする。
-nalUnitTypeAがCRAに等しい場合、復号順序および出力順序でCL
VSにおける現在のピクチャに後続するすべてのPUのために、それらのPUにおけるs
ubpicAにおけるスライスのRefPicList[0]およびRefPicLis
t[1]は、アクティブエントリにおける復号順でpicAに先行するいずれのピクチャ
も含まないとする。
-そうでない場合(すなわち、nalUnitTypeAがIDR_W_RADLま
たはIDR_N_LPである)、復号順に現在のピクチャに続くCLVSにおけるすべて
のPUについて、これらのPUにおけるsubpicAにおけるスライスのRefPic
List[0]もRefPicList[1]のいずれも、アクティブエントリにおいて
復号順でpicAに先行する任意のピクチャを含まないものとする。
注1- 1に等しいmixed_nalu_types_in_pic_flag
は、PPSを参照するピクチャが、異なるNALユニットタイプを有するスライスを含み
、例えば、サブピクチャビットストリームマージ演算に由来するコーディングされたピク
チャであり、ビットストリーム構造のマッチングと更に元のビットストリームのパラメー
タのアラインメントとを確実にしなければならないことを示す。このようなアラインメン
トの一例は、以下のようである。sps_idr_rpl_flagの値が0に等しく、
mixed_nalu_types_in_pic_flagが1に等しい場合は、PP
Sを参照するピクチャは、nal_unit_typeがIDR_W_RADLまたはI
DR_N__LPと等しいスライスを有することはできない。
【0482】
pic_width_in_luma_samplesは、PPSを参照して復号され
た各ピクチャの幅を輝度サンプルの単位で規定する。pic_width_in_lum
a_samplesは、0に等しくないものとし、Max(8,MinCbSizeY)
の整数倍であるものとし、pic_width_max_in_luma_sample
s以下であるものとする。
res_change_in_clvs_allowed_flagが0に等しい場合
、pic_width_in_luma_samplesの値はpic_width_m
ax_in_luma_samplesと等しいものとする。
【0483】
pic_height_in_luma_samplesは、PPSを参照して復号さ
れた各ピクチャの高さを輝度サンプルの単位で規定する。pic_height_in_
luma_samplesは、0に等しくないものとし、Max(8,MinCbSiz
eY)の整数倍であるものとし、pic_height_max_in_luma_sa
mples以下であるものとする。
res_change_in_clvs_allowed_flagが0に等しい場合
、pic_height_in_luma_samplesの値は、pic_heigh
t_max_in_luma_samplesに等しいものとする。
変数PicWidthInCtbsY,PicHeightInCtbsY,PicS
izeInCtbsY,PicWidthInMinCbsY,PicHeightIn
MinCbsY,PicSizeInMinCbsY,PicSizeInSample
sY,PicWidthInSamplesCおよびPicHeightInSampl
esCは、以下のように導出される。
PicWidthInCtbsY=Ceil(pic_width_in_lum
a_samples÷CtbSizeY) (69)
PicHeightInCtbsY=Ceil(pic_height_in_l
uma_samples÷CtbSizeY) (70)
PicSizeInCtbsY=PicWidthInCtbsY*PicHei
ghtInCtbsY (71)
PicWidthInMinCbsY=pic_width_in_luma_s
amples/MinCbSizeY (72)
PicHeightInMinCbsY=pic_height_in_luma
_samples/MinCbSizeY (73)
PicSizeInMinCbsY=PicWidthInMinCbsY*Pi
cHeightInMinCbsY (74)
PicSizeInSamplesY=pic_width_in_luma_s
amples*pic_height_in_luma_samples (75)
PicWidthInSamplesC=pic_width_in_luma_
samples/SubWidthC (76)
PicHeightInSamplesC=pic_height_in_lum
a_samples/SubHeightC (77)
【0484】
1に等しいpps_conformance_window_flagは、SPSにお
ける次の適合性クロッピングウィンドウのオフセットパラメータがPPSで次に続くこと
を示す。0に等しいpps_conformance_window_flagは、適合
性クロッピングウィンドウのオフセットパラメータがPPSに存在しないことを示す。
【0485】
pps_conf_win_left_offset、pps_conf_win_r
ight_offset、pps_conf_win_top_offset、およびa
nd pps_conf_win_bottom_offsetは、出力用のピクチャ座
標で設定された矩形領域に関し、復号処理から出力されるCLVSのピクチャのサンプル
を規定する。pps_conformance_window_flagが0に等しい場
合、pps_conf_win_left_offset、pps_conf_win_
right_offset、pps_conf_win_top_offset、pps
_conf_win_bottom_offsetの値は、0に等しいと推論される。
適合性クロッピングウィンドウは、SubWidthC*pps_conf_win_
left_offsetからpic_width_in_luma_samples-(
SubWidthC*pps_conf_win_right_offset+1)への
水平ピクチャ座標、およびSubHeightC*pps_conf_win_top_
offsetからpic_height_in_luma_samples-(SubH
eightC*pps_conf_win_bottom_offset+1)への垂直
ピクチャ座標を有する輝度サンプルを含む。
SubWidthC*(pps_conf_win_left_offset+pps
_conf_win_right_offset)の値は、pic_width_in_
luma_samplesよりも小さいものとし、SubHeightC*(pps_c
onf_win_top_offset+pps_conf_win_bottom_o
ffset)の値は、pic_height_in_luma_samplesより小さ
いものとする。
ChromaArrayTypeが0に等しくない場合、2つのクロマ配列の対応する
規定されたサンプルは、ピクチャ座標(x/SubWidthC,y/SubHeigh
tC)を有するサンプルであり、(x,y)は、規定された輝度サンプルのピクチャ座標
である。
注2- 適合性クロッピングウィンドウのオフセットパラメータは、出力側でのみ
適用される。アンクロップされたピクチャサイズに対しては、すべての内部復号処理が適
用される。
ppsAおよびppsBを、同じSPSを参照する任意の2つのPPSとする。pps
AおよびppsBがそれぞれpic_width_in_luma_samplesおよ
びpic_height_in_luma_samplesの同じ値を有する場合、pp
sAおよびppsBは、それぞれpps_conf_win_left_offset、
pps_conf_win_right_offset、pps_conf_win_t
op_offset、およびpps_conf_win_bottom_offsetと
同じ値を有するものとすることが、ビットストリーム適合性の要件である。
pic_width_in_luma_samplesがpic_width_max
_in_luma_samples、およびpic_height_in_luma_s
amplesがpic_height_max_in_luma_samplesに等し
い場合、pps_conf_win_left_offset、pps_conf_wi
n_right_offset、pps_conf_win_top_offset、お
よびpps_conf_win_bottom_offsetは、それぞれ、sps_c
onf_win_left_offset、sps_conf_win_right_o
ffset、sps_conf_win_top_offset、およびsps_con
f_win_bottom_offsetと等しいことがビットストリーム適合性の要件
である。
【0486】
1に等しいscaling_window_explicit_signalling
_flagは、スケーリングウィンドウオフセットパラメータがPPSに存在することを
規定する。0に等しいscaling_window_explicit_signal
ling_flagは、スケーリングウィンドウオフセットパラメータがPPSに存在し
ないことを規定する。res_change_in_clvs_allowed_fla
gが0に等しい場合、scaling_window_explicit_signal
ling_flagの値は0に等しいものとする。
【0487】
scaling_win_left_offset、scaling_win_rig
ht_offset、scaling_win_top_offset、およびscal
ing_win_bottom_offsetは、スケーリング比の計算のためのピクチ
ャサイズに適用されるオフセットを規定する。存在しない場合、scaling_win
_left_offset、scaling_win_right_offset、sc
aling_win_top_offset、scaling_win_bottom_
offsetの値は、それぞれSubWidthC*conf_win_left_of
fset、SubWidthC*conf_win_right_offset、Sub
HeightC*conf_win_top_offset、およびSubHeight
C*conf_win_bottom_offsetと等しいと推論される。
SubWidthC*(scaling_win_left_offset+scal
ing_win_right_offset)の値は、pic_width_in_lu
ma_samplesより小さいものとし、SubHeightC*(scaling_
win_top_offset+scaling_win_bottom_offset
)の値は、pic_height_in_luma_samplesより小さいものとす
る。
PicOutputWidthLおよびPicOutputHeightLの変数は以
下のように導出される。
PicOutputWidthL=pic_width_in_luma_sam
ples- (78)
SubWidthC*(scaling_win_right_offset+s
caling_win_left_offset)
PicOutputHeightL=pic_height_in_luma_s
amples- (79)
SubWidthC*(scaling_win_bottom_offset+
scaling_win_top_offset)
このPPSを参照する現在のピクチャの参照ピクチャのPicOutputWidth
L、refPicOutputHeightLを、それぞれ、PicOutputWid
thL、PicOutputHeightLとする。ビットストリーム適合性の要件は、
以下のすべての条件を満たすことである。
-PicOutputWidthL*2はrefPicWidthInLumaSa
mples以上であるものとする。
-PicOutputHeightL*2はrefPicHeightInLuma
Samples以上であるものとする。
-PicOutputWidthLがrefPicWidthInLumaSamp
les*8以下であるものとする。
-PicOutputHeightLがrefPicHeightInLumaSa
mples*8以下であるものとする。
-PicOutputWidthL*pic_width_max_in_luma
_samplesはrefPicOutputWidthL*(pic_width_i
n_luma_samples-Max(8,MinCbSizeY)以上であるものと
する。
-PicOutputHeightL*pic_height_max_in_lu
ma_samplesはrefPicOutputHeightL*(pic_heig
ht_in_luma_samples-Max(8,MinCbSizeY))以上で
あるものとする。
【0488】
1に等しいoutput_flag_present_flagは、PPSを参照する
スライスヘッダにpic_output_flag構文要素が存在することを示す。0に
等しいoutput_flag_present_flagは、PPSを参照するスライ
スヘッダにpic_output_flag構文要素が存在しないことを示す。
【0489】
1に等しいsubpic_id_mapping_in_pps_flagは、PPS
においてサブピクチャのIDマッピングが信号通知されることを規定する。0に等しいs
ubpic_id_mapping_in_pps_flagは、PPSにおいてサブピ
クチャのIDマッピングが信号通知されないことを規定する。subpic_id_ma
pping_explicitly_signalled_flagが0に等しく、su
bpic_id_mapping_in_sps_flagが1に等しい場合は、sub
pic_id_mapping_in_pps_flagの値は0に等しいとする。そう
でない場合(subpic_id_mapping_explicitly_signa
lled_flagが1に等しく、subpic_id_mapping_in_sps
_flagが0に等しい)、subpic_id_mapping_in_pps_fl
agの値は1に等しいとする。
【0490】
pps_num_subpics_minus1はsps_num_subpics_
minus1に等しいものとする。
【0491】
pps_subpic_id_len_minus1はsps_subpic_id_
len_minus1に等しいものとする。
【0492】
pps_subpic_id[i]は、i番目のサブピクチャのサブピクチャIDを規
定する。pps_subpic_id[i]の構文要素の長さは、pps_subpic
_id_len_minus1+1ビットである。
変数SubpicIdVal[i]は、0~sps_num_subpics_min
us1の範囲内にあるiの各値について、以下のように導出される。
for(i=0;i<=sps_num_subpics_minus1;i++)
if(subpic_id_mapping_explicitly_signall
ed_flag)
SubpicIdVal[i]=subpic_id_mapping_in_pps
_flag?pps_subpic_id[i]:sps_subpic_id[i]
(80)
else
SubpicIdVal[i]=i
ビットストリーム適合性の要件は、以下の制約の双方が適用されることである。
-0~sps_num_subpics_minus1の範囲内にあるiおよびjの
任意の2つの異なる値の場合、SubpicIdVal[i]はSubpicIdVal
[j]に等しくないものとする。
-現在のピクチャがCLVSの第1のピクチャでない場合、0~sps_num_s
ubpics_minus1の範囲内にあるiの各値について、SubpicIdVal
[i]の値が、同じレイヤにおいて復号順に前のピクチャのSubpicIdVal[i
]の値に等しくない場合、サブピクチャインデックスiを有する現在のピクチャにおける
サブピクチャのすべてのコーディングされたスライスNALユニットのnal_unit
_typeは、IDR_W_RADLからCRA_NUTの範囲内にある特定の値と等し
いものとする。
【0493】
1に等しいno_pic_partition_flagは、PPSを参照する各ピク
チャに対してピクチャ分割が適用されないことを規定する。0に等しいno_pic_p
artition_flagは、PPSを参照する各ピクチャを2つ以上のタイルまたは
スライスに分割することができることを規定する。
1つのCLVS内のコーディングされたピクチャによって参照されるすべてのPPSに
ついて、no_pic_partition_flagの値が同じであるものとすること
が、ビットストリーム適合性の要件である。
sps_num_subpics_minus1+1の値が1よりも大きい場合、no
_pic_partition_flagの値が1でないものとすることが、ビットスト
リーム適合性の要件である。
【0494】
pps_log2_ctu_size_minus5+5は、各CTUの輝度コーディ
ングツリーブロックのブロックサイズを規定する。
pps_log2_ctu_size_minus5はsps_log2_ctu_s
ize_minus5に等しいものとする。
【0495】
num_exp_tile_columns_minus1+1は明示的に提供される
タイルの列の幅の数を規定する。num_exp_tile_columns_minu
s1の値は、0からPicWidthInCtbsY-1までの範囲内にあるものとする
no_pic_partition_flagが1に等しい場合は、num_exp_t
ile_columns_minus1の値は0に等しいと推論される。
【0496】
num_exp_tile_rows_minus1+ 1は明示的に提供されるタイ
ルの行の高さの数を規定する。num_exp_tile_rows_minus1の値
は、0からPicHeightInCtbsY-1までの範囲内にあるものとする。no
_pic_partition_flagが1に等しい場合は、num_tile_ro
ws_minus1の値は0に等しいと推論される。
【0497】
tile_column_width_minus1[i]+1は、i番目のタイル列
の幅を、0~num_exp_tile_columns_minus1-1の範囲内に
あるi番目のタイル列のCTB単位で規定する。
tile_column_width_minus1[num_exp_tile_c
olumns_minus1]は、6.5.1項で規定されたようにnum_exp_t
ile_columns_minus1以上であるインデックスでタイル列の幅を導出す
るのに使用される。tile_column_width_minus1[i]の値は、
0~PicWidthInCtbsY-1の範囲内にあるものとする。存在しない場合、
tile_column_width_minus1[0]の値は、PicWidthI
nCtbsY-1に等しいと推論される。
【0498】
tile_row_height_minus1[i]+1は、i番目のタイル列の高
さを、0~num_exp_tile_rows_minus1-1の範囲内にあるi番
目のタイル行のCTB単位で規定する。tile_row_height_minus1
[num_exp_tile_rows_minus1]は、6.5.1項で規定された
ようにnum_exp_tile_rows_minus1以上であるインデックスでタ
イル行の高さを導出するのに使用される。tile_row_height_minus
1[i]の値は、0~PicHeightInCtbsY-1の範囲内にあるものとする
存在しない場合、tile_row_height_minus1[0]の値はPicH
eightInCtbsY-1に等しいと推論される。
【0499】
0に等しいrect_slice_flagは、各スライス内のタイルがラスタスキャ
ン順に配列されており、且つスライス情報がPPSで信号通知されないことを規定する。
1に等しいrect_slice_flagは、各スライス内のタイルがピクチャの矩形
領域を覆い、且つスライス情報がPPSで信号通知されることを規定する。存在しない場
合、rect_slice_flagは1に等しいと推測される。subpic_inf
o_present_flagが1に等しいとき、rect_slice_flagの値
は1に等しいものとする。
【0500】
1に等しいsingle_slice_per_subpic_flagは、各サブピ
クチャが1つの唯一の矩形スライスで構成されることを規定する。0に等しいsingl
e_slice_per_subpic_flagは、各サブピクチャが1つ以上の矩形
スライスで構成され得ることを規定する。single_slice_per_subp
ic_flagが1に等しい場合は、num_slices_in_pic_minus
1はsps_num_subpics_minus1に等しいと推論される。存在しない
場合、single_slice_per_subpic_flagの値は0に等しいと
推測される。
【0501】
num_slices_in_pic_minus1+1は、PPSを参照する各ピク
チャの矩形スライスの数を規定する。num_slices_in_pic_minus
1の値は、0~MaxSlicesPerpicture-1の範囲内にあるものとし、
ここで、MaxSlicesPerpictureを含むものとする。no_pic_p
artition_flagが1に等しい場合は、num_slices_in_pic
_minus1の値は0に等しいと推論される。
【0502】
0に等しいtile_idx_delta_present_flagは、PPSにt
ile_idx_delta値が存在しないことを規定し、6.5.1項に定義された処
理に従って、PPSを参照するピクチャにおけるすべての矩形スライスをラスタ順に規定
する。1に等しいtile_idx_delta_present_flagは、PPS
にtile_idx_delta値が存在してもよいことを規定し、PPSを参照するピ
クチャのすべての矩形スライスが、tile_idx_deltaの値によって示された
順で規定される。存在しない場合、tile_idx_delta_present_f
lagの値は0と推測される。
【0503】
slice_width_in_tiles_minus1[i]+1は、i番目の矩
形スライスの幅をタイルの列単位で規定する。slice_width_in_tile
s_minus1[i]の値は、0からNumTileColumns-1までの範囲内
にあるものとする。
slice_width_in_tiles_minus1[i]が存在しない場合、
以下が適用される。
-NumTileColumnsが1に等しい場合は、slice_width_i
n_tiles_minus1[i]の値は0に等しいと推論される。
-そうでない場合、6.5.1項で規定されるように、slice_width_i
n_tiles_minus1[i]の値を推論する。
【0504】
slice_height_in_tiles_minus1[i]+1は、i番目の
矩形スライスの高さをタイル行単位で規定する。slice_height_in_ti
les_minus1[i]の値は、0からNumTileRows-1までの範囲内に
あるものとする。
slice_height_in_tiles_minus1[i]が存在しない場合
、以下が適用される。
-NumTileRowsが1に等しい、またはtile_idx_delta_p
resent_flagが0に等しく、且つtileIdx%NumTileColum
nsが0より大きい場合、slice_height_in_tiles_minus1
[i]の値は0に等しいと推論される。
-そうでない場合(NumTileRowsが1に等しくなく、tile_idx_
delta_present_flagが1に等しい、またはtileIdx% Num
TileColumnsが0に等しい)、tile_idx_delta_presen
t_flagが1に等しい、またはtileIdx% NumTileColumnsが
0に等しい場合は、slice_height_in_tiles_minus1[i]
の値は、slice_height_in_tiles_minus1[i-1]と等し
いと推論される。
【0505】
num_exp_slices_in_tile[i]は、2つ以上の矩形スライスを
含む、現在のタイルに明示的に提供されるスライスの高さの数を規定する。num_ex
p_slices_in_tile[i]の値は、0~RowHeight[tileY
]-1の範囲内にあるものとする。ここで、tileYは、i番目のスライスを含むタイ
ル行インデックスである。存在しない場合、num_exp_slices_in_ti
le[i]の値は0に等しいと推測される。num_exp_slices_in_ti
le[i]が0に等しい場合、変数NumSlicesInTile[i]の値は1に等
しいと導出される。
【0506】
exp_slice_height_in_ctus_minus1[j]+1は、現
在のタイルにおけるj番目の矩形スライスの高さをCTU行単位で規定する。exp_s
lice_height_in_CTUs_minus1[j]の値は、0~RowHe
ight[tileY]-1の範囲内にあるものとする。ここで、tileYは、現在の
タイルのタイル行インデックスである。
num_exp_slices_in_tile[i]が0より大きいとき、変数Nu
mSliceSInTile[i]および0からNumSliceSinTile[i]
-1の範囲内にあるkに対するSliceHeightInCtusMinus1[i+
k]は、以下のように導出される。
【0507】
remainingHeightInCtbsY=RowHeight[SliceTo
pLeftTileIdx[i]/NumTileColumns]
numExpSliceInTile=num_exp_slices_in_tile
[i]
for(j=0;j<numExpSliceInTile-1;j++){
SliceHeightInCtusMinus1[i++]=exp_slice_
height_in_ctu_minus1[j]
remainingHeightInCtbsY-=SliceHeightInCt
usMinus1[j]

uniformSliceHeightMinus1=SliceHeightInCt
usMinus1[i-1] (81)
while(remainingHeightInCtbsY>=(uniformSl
iceHeightMinus1+1)){
SliceHeightInCtusMinus1[i++]=uniformSli
ceHeightMinus1
remainingHeightInCtbsY-=(uniformSliceHe
ightMinus1+1)
j++

if(remainingHeightInCtbsY>0){
SliceHeightInCtusMinus1[i++]=remainingH
eightInCtbsY
j++

NumSlicesInTile[i]=j
【0508】
tile_idx_delta[i]i番目の矩形スライスにおける第1のタイルのタ
イルインデックスと、(i+1)番目の矩形スライスにおける第1のタイルのタイルイン
デックスと、の差を規定する。tile_idx_delta[i]の値は、-NumT
ilesInPic+1~NumTilesInPic-1の範囲内にあるものとする。
存在しない場合、tile_idx_delta[i]の値は0に等しいと推測される。
存在する場合、tile_idx_delta[i]の値は0に等しいと推測される。
【0509】
1に等しいloop_filter_across_tiles_enabled_f
lagは、PPSを参照しているピクチャにおいて、タイルの境界をまたいでインループ
フィルタリング動作を行うことができることを規定する。0に等しいloop_filt
er_across_tiles_enabled_flagは、PPSを参照している
ピクチャにおいて、タイルの境界をまたいでインループフィルタリング動作を行わないこ
とを規定する。インループフィルタリング動作は、デブロッキングフィルタ、サンプル適
応オフセットフィルタ、および適応ループフィルタ動作を含む。存在しない場合、loo
p_filter_across_tiles_enabled_flagの値は1に等
しいと推測される。
【0510】
1に等しいloop_filter_across_slices_enabled_
flagは、PPSを参照しているピクチャにおいて、スライスの境界をまたいでインル
ープフィルタリング動作を行うことができることを規定する。0に等しいloop_fi
lter_across_slice_enabled_flagは、PPSを参照して
いるピクチャにおいて、スライスの境界をまたいでインループフィルタリング動作を行わ
ないことを規定する。インループフィルタリング動作は、デブロッキングフィルタ、サン
プル適応オフセットフィルタ、および適応ループフィルタ動作を含む。存在しない場合、
loop_filter_across_slices_enabled_flagの値
は0に等しいと推測される。
【0511】
1に等しいcabac_init_present_flagは、PPSを参照するス
ライスヘッダにcabac_init_flagが存在することを規定する。0に等しい
cabac_init_present_flagは、cabac_init_flag
がPPSを参照するスライスヘッダにcabac_init_flagが存在しないこと
を規定する。
【0512】
0に等しいnum_ref_idx_active_minus1[i]は、iが0に
等しい場合、PまたはBスライスの変数NumRefIdxActive[0]の推論値
をnum_ref_idx_active_override_flag=0で規定し、
0に等しいnum_ref_idx_active_override_flagは、i
が1に等しい場合、Bスライスの変数NumRefIdxActive[1]の推論値を
num_ref_idx_active_override_flag=0で規定する。
num_ref_idx_default_active_minus1[i]の値は、
0~14の範囲内にあるものとする。
【0513】
0に等しいrpl1_idx_present_flagは、PPSを参照するピクチ
ャのPH構文構造またはスライスヘッダにref_pic_list_sps_flag
[1]およびref_pic_list_idx[1]が存在しないことを規定する。1
に等しいrpl1_idx_present_flagは、PPSを参照するピクチャの
PH構文構造またはスライスヘッダにref_pic_list_sps_flag[1
]およびref_pic_list_idx[1]が存在する場合があることを規定する
【0514】
init_qp_minus26+26PPSを参照するスライスごとにSliceQ
の初期値を規定する。SliceQpの最初の値は、ph_qp_deltaの非
ゼロ値が復号されるときにはピクチャレベルで、またはslice_qp_deltaの
非ゼロ値が復号されるときにはスライスレベルで、修正される。init_qp_min
us26の値は、-(26+QpBdOffset)~+37の範囲内にあるものとする
【0515】
cu_qp_delta_enabled_flagが1に等しいことは、ph_cu
_qp_delta_subdiv_intra_sliceおよびph_cu_qp_
delta_subdiv_inter_slice構文要素がPPSを参照するPHに
存在し、cu_qp_delta_absが変換ユニット構文に存在してもよいことを規
定する。cu_qp_delta_flagが0に等しいことは、ph_cu_qp_s
ubdiv_intra_sliceおよびph_cu_qp_subdiv_inte
r_slice構文要素がPPSを参照するPHに存在せず、cu_qp_delta_
absが変換ユニット構文に存在しないことを規定する。
【0516】
1に等しいpps_chroma_tool_offsets_present_fl
agは、クロマツールオフセット関連の構文要素がPPS RBSP構文構造に存在する
ことを規定する。0に等しいpps_chroma_tool_offsets_pre
sent_flagは、クロマツールオフセット関連構文要素がPPS RBSP構文構
造に存在することを規定する。ChromaArrayTypeが0に等しい場合、pp
s_chroma_tool_offsets_present_flagの値は0に等
しくなる。
【0517】
pps_cb_qp_offset、pps_cr_qp_offsetは、Qp’
、Qp’Crの導出に用いられる輝度量子化パラメータQp’へのオフセットをそれ
ぞれ規定する。pps_cb_qp_offset及びpps_cr_qp_offse
tの値は、-12~+12の範囲内となる。ChromaArrayTypeが0に等し
い場合、pps_cb_qp_offsetとpps_cr_qp_offsetは復号
処理には使用されず、デコーダはその数値を無視するものとする。存在しない場合、pp
s_cb_qp_offsetおよびpps_cr_qp_offsetの値は0に等し
いと推論される。
【0518】
1に等しいpps_joint_cbcr_qp_offset_present_f
lagは、pps_joint_cbcr_qp_offset_valueおよびjo
int_cbcr_qp_offset_list[i]がPPS RBSP構文構造に
含まれていることを規定する。0に等しいpps_joint_cbcr_qp_off
set_present_flagは、pps_joint_cbcr_qp_offs
et_valueおよびjoint_cbcr_qp_offset_list[i]が
PPS RBSP構文構造に含まれていないことを規定する。ChromaArrayT
ypeが0またはsps_joint_cbcr_enabled_flagが0に等し
い場合、pps_joint_cbcr_qp_offset_present_fla
gの値は0に等しいものとする。存在しない場合、pps_joint_cbcr_qp
_offset_present_flagの値は0に等しいと推測される。
【0519】
pps_joint_cbcr_qp_offset_valueは、Qp’CbCr
を導出するために用いられる輝度量子化パラメータQp’へのオフセットを示す。pp
s_joint_cbcr_qp_offset_valueの値は、-12~12の範
囲内とする。ChromaArrayTypeが0に等しいか、またはsps_join
t_cbcr_enabled_flagが0に等しい場合、pps_joint_cb
cr_qp_offset_valueは復号処理に使用されず、復号モジュールはその
値を無視するものとする。pps_joint_cbcr_qp_offset_pre
sent_flagが0に等しい場合、pps_joint_cbcr_qp_offs
et_valueは存在せず、0に等しいと推論される。
【0520】
pps_slice_chroma_qp_offsets_present_fla
gが1に等しい場合は、slice_cb_qp_offsetおよびslice_cr
_qp_offset構文要素が関連付けられたスライスヘッダに存在することを規定す
る。pps_slice_slice_chroma_qp_offsets_pres
ent_flagが0に等しい場合は、slice_cb_qp_offsetおよびs
lice_cr_qp_offset構文要素が関連付けられたスライスヘッダに存在し
ないことを規定する。存在しない場合、pps_slice_chroma_qp_of
fsets_present_flagの値は0に等しいと推測される。
【0521】
1に等しいpps_cu_chroma_qp_offset_list_enabl
ed_flagは、PPSを参照するPHにph_cu_chroma_qp_offs
et_subdiv_intra_sliceおよびph_cu_chroma_qp_
offset_subdiv_inter_slice構文要素が存在し、cu_chr
oma_qp_offset_flagが変換ユニット構文およびパレットコーディング
する構文に存在する場合もあることを規定する。0に等しいpps_cu_chroma
_qp_list_enabled_flagは、ph_cu_chroma_qp_o
ffset_subdiv_intra_sliceおよびph_cu_chroma_
qp_offset_subdiv_inter_slice構文要素は、PPSを参照
するPHに存在せず、cu_chroma_qp_offset_flagは、変換ユニ
ット構文およびパレットコーディングする構文に存在しないことを規定する。存在しない
場合、pps_cu_chroma_qp_offset_list_enabled_
flagの値は0に等しいと推測される。
【0522】
chroma_qp_offset_list_len_minus1+1は、PPS
RBSP構文構造に含まれるcb_qp_offset_list[i]、cr_qp
_offset_list[i]およびjoint_cbcr_qp_offset_l
ist[i]の構文要素の数を規定する。chroma_qp_offset_list
_len_minus1の値は、0から5までの範囲内にあるべきである。
【0523】
cb_qp_offset_list[i]、cr_qp_offset_list[
i]、およびjoint_cbcr_qp_offset_list[i]は、cb_q
p_offset_list[i],cr_qp_offset_list[i],jo
int_cbcr_qp_offset_list[i]はそれぞれQp’Cb、Qp’
Cr、Qp’CbCrの導出で使用するオフセットを規定する。cb_qp_offse
t_list[i]、cr_qp_offset_list[i]、joint_cbc
r_qp_offset_list[i]の値は、-12~+12の範囲内にあるものと
する。pps_joint_cbcr_qp_offset_present_flag
が0に等しい場合、joint_cbcr_qp_offset_list[i]は存在
せず、0に等しいと推論される。
【0524】
0に等しいpps_weighted_pred_flagは、PPSを参照している
Pスライスに対して重み付け予測が適用されないことを規定する。1に等しいpps_w
eighted_pred_flagは、PPSを参照しているPスライスに対して重み
付け予測が適用されることを規定する。sps_weighted_pred_flag
が0に等しい場合、pps_weighted_pred_flagの値は0に等しいも
のとする。
【0525】
0に等しいpps_weighted_bipred_flagは、PPSを参照して
いるBスライスに対して明示的な重み付け予測が適用されないことを規定する。1に等し
いpps_weighted_bipred_flagは、PPSを参照しているBスラ
イスに対して明示的な重み付け予測が適用されることを規定する。sps_weight
ed_bipred_flagが0に等しい場合、pps_weighted_bipr
ed_flagの値は0に等しいものとする。
【0526】
1に等しいdeblocking_filter_control_present_
flagは、PPSにおけるデブロッキングフィルタ制御構文要素の存在を規定する。0
に等しいdeblocking_filter_control_present_fl
agは、PPSにおけるデブロッキングフィルタ制御構文要素の不在を規定する。
【0527】
1に等しいdeblocking_filter_override_enabled
_flagは、PPSを参照するPHにおけるph_deblocking_filte
r_override_flagの存在を規定し、PPSを参照するスライスヘッダにお
けるslice_deblocking_filter_override_flagの
存在を規定する。0に等しいdeblocking_filter_override_
enabled_flagは、PPSを参照するPHにおけるph_deblockin
g_filter_override_flagの不在を規定し、PPSを参照するスラ
イスヘッダにおけるslice_deblocking_filter_overrid
e_flagの不在を規定する。存在しない場合、deblocking_filter
_override_enabled_flagの値は0に等しいと推測される。
【0528】
1に等しいpps_deblocking_filter_disabled_fla
gは、デブロッキングフィルタの演算は、slice_deblocking_filt
er_disabled_flagが存在しないPPSを参照するスライスに対して適用
されないことを規定する。
0に等しいpps_deblocking_filter_disabled_fla
gは、デブロッキングフィルタの演算は、slice_deblocking_filt
er_disabled_flagが存在しないPPSを参照するスライスに対して適用
されることを規定する。存在しない場合、pps_deblocking_filter
_disabled_flagの値は0に等しいと推測される。
【0529】
pps_beta_offset_div2およびpps_tc_offset_di
v2は、デフォルトのデブロッキングパラメータオフセットが、PPSを参照するスライ
スのピクチャヘッダまたはスライスヘッダに存在するデブロッキングパラメータオフセッ
トによって上書きされない限り、PPSを参照するスライスの輝度成分に適用されるβお
よびtCのデフォルトのデブロッキングパラメータオフセットを規定する(2で割る)。
pps_beta_offset_div2およびpps_tc_offset_div
2の値は、いずれも-12~12の範囲内にあるものとする。存在しない場合、pps_
beta_offset_div2およびpps_tc_offset_div2の値は
いずれも0に等しいと推論される。
【0530】
pps_cb_beta_offset_div2およびpps_cb_tc_off
set_div2は、デフォルトのデブロッキングパラメータオフセットが、PPSを参
照するスライスのピクチャヘッダまたはスライスヘッダに存在するデブロッキングパラメ
ータオフセットによって上書きされない限り、PPSを参照するスライスのCb成分に適
用されるβおよびtCのデフォルトのデブロッキングパラメータオフセットを規定する(
2で割る)。pps_cb_beta_offset_div2およびpps_cb_t
c_offset_div2の値は、共に-12~+12の範囲内となる。存在しない場
合、pps_cb_offset_div2およびpps_cb_offset_div
2の値はいずれも0に等しいと推論される。
【0531】
pps_cr_beta_offset_div2およびpps_cr_tc_off
set_div2は、デフォルトのデブロッキングパラメータオフセットが、PPSを参
照するスライスのピクチャヘッダまたはスライスヘッダに存在するデブロッキングパラメ
ータオフセットによって上書きされない限り、PPSを参照するスライスのCr成分に適
用されるβおよびtCのデフォルトのデブロッキングパラメータオフセットを規定する(
2で割る)。pps_cr_beta_offset_div2及びpps_cr_tc
_offset_div2の値は、共に-12~+12の範囲内となる。存在しない場合
、pps_cr_offset_div2およびpps_cr_offset_div2
の値はいずれも0に等しいと推論される。
【0532】
1に等しいrpl_info_in_ph_flagは、参照ピクチャリスト情報がP
H構文構造に含まれており、PH構文構造を含まないPPSを参照するスライスヘッダに
含まれていないことを規定する。0に等しいrpl_info_in_ph_flagは
、参照ピクチャリスト情報がPH構文構造に含まれておらず、PH構文構造を包含しない
PPSを参照するスライスヘッダに存在する場合があることを規定する。
【0533】
1に等しいdbf_info_in_ph_flagは、PH構文構造にデブロッキン
グフィルタ情報が存在し、PH構文構造を含まないPPSを参照するスライスヘッダには
存在しないことを規定する。0に等しいdbf_info_in_ph_flagは、P
H構文構造にデブロッキングフィルタ情報が存在せず、PH構文構造を含まないPPSを
参照するスライスヘッダに存在する場合があることを規定する。存在しない場合、dbf
_info_in_ph_flagの値は0に等しいと推測される。
【0534】
1に等しいsao_info_in_ph_flagは、PH構文構造にSAOフィル
タ情報が存在し、PH構文構造を含まないPPSを参照するスライスヘッダには存在しな
いことを規定する。0に等しいsao_info_in_ph_flagは、PH構文構
造にSAOフィルタ情報が存在せず、PH構文構造を含まないPPSを参照するスライス
ヘッダに存在する場合があることを規定する。
【0535】
1に等しいalf_info_in_ph_flagは、PH構文構造にALF情報が
存在し、PH構文構造を含まないPPSを参照するスライスヘッダには存在しないことを
規定する。0に等しいalf_info_in_ph_flagは、PH構文構造にAL
F情報が存在せず、PH構文構造を含まないPPSを参照するスライスヘッダに存在する
場合があることを規定する。
【0536】
1に等しいwp_info_in_ph_flagは、PH構文構造に重み付け予測情
報が存在している場合があり、PH構文構造を含まないPPSを参照するスライスヘッダ
には存在しないことを規定する。0に等しいwp_info_in_ph_flagは、
PH構文構造に重み付け予測情報が存在せず、PH構文構造を含まないPPSを参照する
スライスヘッダに存在する場合があることを規定する。存在しない場合、wp_info
_in_ph_flagの値は0に等しいと推測される。
【0537】
1に等しいqp_delta_info_in_ph_flagは、PH構文構造にQ
Pデルタ情報が存在し、PH構文構造を含まないPPSを参照するスライスヘッダには存
在しないことを規定する。0に等しいqp_delta_info_in_ph_fla
gは、PH構文構造にQPデルタ情報が存在せず、PH構文構造を含まないPPSを参照
するスライスヘッダに存在する場合があることを規定する。
【0538】
1に等しいpps_ref_wraparound_enabled_flagは、イ
ンター予測において水平ラップアラウンド動き補償を適用することを規定する。0に等し
いpps_ref_wraparound_enabled_flagは、水平ラップア
ラウンド動き補償を適用することを規定する。CtbSizeY/MinCbSizeY
+1の値がpic_width_in_luma_samples/MinCbSize
Y-1より大きい場合pps_ref_wraparound_enabled_fla
gの値は0に等しいものとする。sps_ref_wraparound_enable
d_flagが0に等しい場合、pps_ref_wraparound_enable
d_flagの値は0に等しいものとする。
【0539】
pps_ref_wraparound_offset+(CtbSizeY/Min
CbSizeY)+2は、水平ラップアラウンド位置を計算するために使用されるオフセ
ットを、MinCbSizeY輝度サンプルの単位で規定する。pps_ref_wra
paround_offsetの値は、0~(pic_width_in_luma_s
amples/MinCbSizeY)-(CtbSizeY/MinCbSizeY)
-2の範囲内にあるものとする。
変数PpsRefWraparoundOffsetは、pps_ref_wrapa
round_offset+(CtbSizeY/MinCbSizeY)+2に等しく
設定される。
【0540】
0に等しいpicture_header_extension_present_f
lagは、PPSを参照するPHsにおいてPH拡張構文要素が存在しないことを規定す
る。1に等しいpicture_header_extension_present_
flagは、PPSを参照するPHにおいてPH拡張構文要素が存在することを規定する
。picture_header_extension_present_flagは、
本明細書のこのバージョンに準拠するビットストリームにおいて0に等しいものとする。
【0541】
0に等しいslice_header_extension_present_fla
gは、PPSを参照するコーディングされたピクチャのスライスヘッダにスライスヘッダ
拡張構文要素が存在しないことを規定する。1に等しいslice_header_ex
tension_flagは、PPSを参照するコーディングされたピクチャのスライス
ヘッダにスライスヘッダ拡張構文要素が存在することを規定する。slice_head
er_extension_present_flagは、本明細書のこのバージョンに
準拠するビットストリームにおいて0に等しいものとする。
【0542】
0に等しいpps_extension_flagは、PPS RBSP構文構造にp
ps_extension_data_flag構文要素が含まれていないことを規定す
る。1に等しいpps_extension_flagは、PPS RBSP構文構造に
pps_extension_data_flag構文要素が存在することを規定する。
【0543】
pps_extension_data_flagは任意の値を有することができる。
その存在および値は、本明細書バージョンで特定された特徴に対するのデコーダの適合性
に影響を与えない。本明細書バージョンに準拠するデコーダは、すべてのpps_ext
ension_data_flag構文要素を無視しなければならない。
【0544】
7.4.3.5 適応パラメータセット意味論
【0545】
各APS RBSPは、それが参照される前に復号化処理で利用できるか、それを参照
する符号化スライスNALユニットのTemporalId以下のTemporalId
を持つ少なくとも一つのAU内に含まれるか、外部手段を通じて提供されるものとする。
adaptation_parameter_set_idの特定の値を有し、かつP
U内のaps_params_typeの特定の値を有するすべてのAPS NALユニ
ットは、それらがプレフィクスであるかサフィックスAPS NALユニットであるかど
うかに関わらず、同じコンテンツを有するものとする。
【0546】
adaptation_parameter_set_idは、他の構文要素が参照す
るAPSの識別子を提供する。
aps_params_typeがALF_APSまたはSCALING_APSに等
しい場合、adaptation_parameter_set_idの値は0~7の範
囲に含まれるものとする。
aps_params_typeがLMCS_APSに等しい場合、adaptati
on_parameter_set_idの値は0~3の範囲にあるものとする。
apsLayerIdを特定のAPS NALユニットのnuh_layer_idの
値とし、vclLayerIdを特定のVCL NALユニットのnuh_layer_
idの値とする。特定のVCL NALユニットは、apsLayerIdがvclLa
yerId以下であり、nuh_layer_idがapsLayerIdであるレイヤ
が、vclLayerIdであるnuh_layer_idを有するレイヤを含む少なく
とも1つのOLSに含まれていない限り、特定のAPS NALユニットを参照しないも
のとする。
【0547】
aps_params_typeは、表6に示されるように、APSにおいて実行され
るAPSパラメータのタイプを規定する。
【0548】
【表35】
【0549】
aps_params_typeの特定の値を有するすべてのAPS NALユニット
は、nuh_layer_idの値に関わらず、adaptation_paramet
er_set_idのために同じ値空間を共有する。aps_params_typeの
値が異なるAPS NALユニットは、adaptation_parameter_s
et_idに別個の値空間を使用する。
【0550】
注1-APS NALユニット(adaption_parameter_set_
idの特定の値とaps_params_typeの特定の値を有する)は、ピクチャ間
で共有することができ、ピクチャ内の異なるスライスは、異なるALF APSを参照す
ることができる。
注2-特定のVCL NALユニットに関連付けられたサフィックスAPS NAL
ユニット(このVCL NALユニットは、復号順でサフィックスAPS NALユニッ
トに先行する)は、特定のVCL NALユニットによって使用されるものではなく、サ
フィックスAPS NALユニットに続くVCL NALユニットによって復号順で使用
されるものである。
【0551】
0に等しいaps_extension_flagは、APS RBSP構文構造にa
ps_extension_data_flag構文要素が含まれていないことを規定す
る。1に等しいaps_extension_flagは、APS RBSP構文構造に
aps_extension_data_flag構文要素が存在することを規定する。
【0552】
aps_extension_data_flagは任意の値を有することができる。
その存在および値は、本明細書バージョンで特定された特徴に対するのデコーダの適合性
に影響を与えない。本明細書バージョンに準拠するデコーダは、すべてのaps_ext
ension_data_flag構文要素を無視しなければならない。
【0553】
7.4.3.6 ピクチャヘッダRBSP意味論
【0554】
PH RBSPは、PH構文構造、即ち、picture_header_struc
ture()を含む。
【0555】
7.4.3.7 ピクチャヘッダ構造意味論
【0556】
PH構文構造は、PH構文構造に関連付けられたコーディングされたピクチャのすべて
のスライスに共通の情報を含む。
【0557】
1に等しいgdr_or_irap_pic_flagは、現在のピクチャがGDRま
たはIRAPピクチャであることを規定する。0に等しいgdr_or_irap_pi
c_flagは、現在のピクチャがGDRまたはIRAPピクチャであってもなくてもよ
いことを規定する。
【0558】
1に等しいgdr_pic_flagは、PHに関連付けられたピクチャがGDRピク
チャであることを規定する。0に等しいgdr_pic_flagは、PHに関連付けら
れたピクチャがGDRピクチャでないことを規定する。存在しない場合、gdr_pic
_flagの値は0に等しいと推測される。gdr_enabled_flagが0に等
しい場合、gdr_pic_flagの値は0に等しいものとする。
【0559】
0に等しいph_inter_slice_allowed_flagは、ピクチャの
すべてのコーディングされたスライスのslice_typeが2であることを規定する
。1に等しいph_inter_slice_allowed_flagは、slice
_typeが0または1に等しいピクチャに1つ以上のコーディングされたスライスがあ
ってもなくてもよいことを規定する。
【0560】
0に等しいph_intra_slice_allowed_flagは、ピクチャの
すべてのコーディングされたスライスのslice_typeが0または1に等しいこと
を規定する。1に等しいph_intra_slice_allowed_flagは、
ピクチャ内にslice_typeが2に等しい1つ以上のコーディングされたスライス
があってもなくてもよいことを規定する。存在しない場合は、ph_intra_sli
ce_allowed_flagの値が1に等しいと推論される。
注1-PH NALユニットを変更することなく、サブピクチャに基づくビットスト
リームのマージを実行するように意図されたビットストリームの場合、エンコーダは、p
h_inter_slice_allowed_flagおよびph_intra_sl
ice_allowed_flagの両方の値を1に等しく設定することが予想される。
【0561】
1に等しいnon_reference_picture_flagは、PHに関連付
けられたピクチャを参照ピクチャとして使用することができないことを規定する。0に等
しいnon_reference_picture_flagは、PHに関連付けられた
ピクチャを参照ピクチャとして使用してもしなくてもよいことを規定する。
【0562】
ph_pic_parameter_set_idは、使用中のPPSのpps_pi
c_parameter_set_idの値を規定する。ph_pic_paramet
er_set_idの値は、0~63の範囲内である。
PHのTemporalIdの値が、pps_pic_parameter_set_
idがph_pic_parameter_set_idであるPPSのTempora
lIdの値以上であるものとすることが、ビットストリーム適合性の要件である。
【0563】
ph_pic_order_cnt_lsbは、現在のピクチャのピクチャオーダカウ
ントmodulo MaxPicOrderCntLsbを規定する。ph_pic_o
rder_cnt_lsb構文要素の長さは、log2_max_pic_order_
cnt_lsb_minus4+4ビットである。ph_pic_order_cnt_
lsbの値は、0~MaxPicOrderCntLsb-1の範囲内にあるものとする
【0564】
no_output_of_prior_pics_flagは、ビットストリームの
最初のピクチャでないCLVSSピクチャの復号後の、DPBにおける前回復号されたピ
クチャの出力に影響を及ぼす。
【0565】
recovery_poc_cntは、復号ピクチャの出力順のリカバリポイントを規
定する。現在のピクチャがPHに関連付けられたGDRピクチャであり、現在のGDRピ
クチャのPicOrderCntValにrecovery_poc_cntの値を加え
たものであるPicOrderCntValを有するCLVSにおいて、復号順で現在の
GDRピクチャに後続するピクチャが存在する場合、このピクチャpicAをリカバリポ
イントピクチャと呼ぶ。そうでない場合、現在のピクチャのPicOrderCntVa
lにrecovery_poc_cntの値を加えたものよりも大きいPicOrder
CntValを有する出力順の第1のピクチャを、リカバリポイントピクチャと呼ぶ。リ
カバリポイントピクチャは、現在のGDRピクチャに復号順で先行しないものとする。r
ecovery_poc_cntの値は、0~MaxPicOrderCntLsb-1
の範囲内にあるものとする。
現在のピクチャがGDRピクチャである場合、変数RpPicOrderCntVal
は、以下のように導出される。
RpPicOrderCntVal=PicOrderCntVal+recov
ery_poc_cnt (82)
注2-gdr_enabled_flagが1に等しく、現在のピクチャのPicO
rderCntValが関連付けられたGDRピクチャのRpPicOrderCntV
al以上である場合、出力順で現在及び後続の復号ピクチャが、復号順で関連付けられた
GDRピクチャに先行する前のIRAPピクチャ(存在する場合)から復号処理を開始す
ることによって生成された対応するピクチャに完全に一致する。
【0566】
ph_extra_bit[i]は1又は0に等しくてもよい。本明細書バージョンに
準拠するデコーダは、ph_extra_bit[i]の値を無視しなければならない。
その値は、本明細書のバージョンで特定された特徴に対するデコーダの適合性に影響を与
えない。
【0567】
1に等しいph_poc_msb_present_flagは、構文要素poc_m
sb_valがPHに存在することを規定する。0に等しいph_poc_msb_pr
esent_flagは、構文要素ph_msb_valがPHに存在しないことを規定
する。vps_independent_layer_flag[GeneralLay
erIdx[nuh_layer_id]]が0に等しく、現在のレイヤの参照レイヤの
現在のAUにピクチャがある場合、ph_poc_msb_present_flagの
値は0に等しいものとする。
【0568】
poc_msb_valは、現在のピクチャのPOC MSB値を規定する。構文要素
poc_msb_valの長さは、poc_msb_len_minus1+1ビットで
ある。
【0569】
1に等しいph_alf_enabled_flagは、PHに関連付けられたすべて
のスライスに対して適応ループフィルタを有効化し、スライスにおけるY、Cb、または
Cr色成分に適用してもよいことを規定する。0に等しいph_alf_enabled
_flagは、PHに関連付けられた1つ以上またはすべてのスライスに対して適応ルー
プフィルタを無効化することができることを規定する。存在しない場合、ph_alf_
enabled_flagは0に等しいと推測される。
【0570】
ph_num_alf_aps_ids_lumaは、PHに関連付けられたスライス
が参照するALF APSの数を規定する。
【0571】
ph_alf_aps_id_luma[i]は、PHに関連付けられたスライスの輝
度成分が参照するi番目のALF APSのadaptation_parameter
_set_idを規定する。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがph_alf_aps_id_luma[i]に等
しいAPS NALユニットのalf_luma_filter_signal_fla
gの値は、1に等しいものとする。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがph_alf_aps_id_luma[i]であ
るAPS NALユニットのTemporalIdは、PHに関連付けられたピクチャの
TemporalId以下であるものとする。
【0572】
0に等しいph_alf_chroma_idcは、適応ループフィルタがCb及びC
r色成分に適用されないことを示す。
1に等しいph_alf_chroma_idcは、適応ループフィルタがCb色成分
に適用されることを示す。
2に等しいph_alf_chroma_idcは、適応ループフィルタがCr色成分
に適用されることを示す。
3に等しいph_alf_chroma_idcは、適応ループフィルタがCbと色成
分に適用されることを示す。
ph_alf_chroma_idcが存在しない場合、それは0に等しいと推論され
る。
【0573】
ph_alf_aps_id_chroma PHに関連付けられたスライスのクロマ
成分が参照するALF APSのadaptation_parameter_set_
idを規定する。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがph_alf_aps_id_chroma[i]
に等しいAPS NALユニットのalf_chroma_filter_signal
_flagの値は1に等しいものとする。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがph_alf_aps_id_chroma[i]
であるAPS NALユニットのTemporalIdは、PHに関連付けられたピクチ
ャのTemporalId以下であるものとする。
【0574】
1に等しいph_cc_alf_cb_enabled_flagは、Cb色成分のた
めのクロスコンポーネントフィルタがPHに関連付けられたすべてのスライスに対して有
効化され、スライスにおけるCb色成分に適用してもよいことを規定する。
0に等しいph_cc_alf_cb_enabled_flagは、Cb色成分のた
めのクロスコンポーネントフィルタがPHに関連付けられた1つ以上またはすべてのスラ
イスに対して無効化されてもよいことを規定する。存在しない場合、ph_cc_alf
_cb_enabled_flagは0に等しいと推測される。
【0575】
ph_cc_alf_cb_aps_idは、PHに関連付けられたスライスのCb色
成分が参照するALF APSのadaptation_parameter_set_
idを規定する。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがph_cc_alf_cb_aps_idに等しい
APS NALユニットのalf_cc_cb_filter_signal_flag
の値は、1に等しいものとする。
【0576】
1に等しいph_cc_alf_cr_enabled_flagは、Cb色成分のた
めのクロスコンポーネントフィルタがPHに関連付けられたすべてのスライスに対して有
効化され、スライスにおけるCr色成分に適用してもよいことを規定する。
0に等しいph_cc_alf_cr_enabled_flagは、Cr色成分のた
めのクロスコンポーネントフィルタがPHに関連付けられた1つ以上またはすべてのスラ
イスに対して無効化されてもよいことを規定する。存在しない場合、ph_cc_alf
_cr_enabled_flagは0に等しいと推測される。
【0577】
ph_cc_alf_cr_aps_idは、PHに関連付けられたスライスのCr色
成分が参照するALF APSのadaptation_parameter_set_
idを規定する。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがph_cc_alf_cr_aps_idに等しい
APS NALユニットのalf_cc_cr_filter_signal_flag
の値は、1に等しいものとする。
【0578】
1に等しいph_lmcs_enabled_flagは、PHに関連付けられたすべ
てのスライスに対してクロマスケーリングを伴う輝度マッピングが有効化されることを規
定する。0に等しいph_lmcs_enabled_flagは、PHに関連付けられ
た1つ以上またはすべてのスライスに対してクロマスケーリングを伴う輝度マッピングが
無効化されることを規定する。存在しない場合、ph_lmcs_enabled_fl
agの値は0に等しいと推測される。
【0579】
ph_lmcs_aps_idは、PHに関連付けられたスライスが参照するLMCS
APSのadaptation_parameter_set_idを規定する。ap
s_params_typeがLMCS_APSに等しく、adaptation_pa
rameter_set_idがph_lmcs_aps_idであるAPS NALユ
ニットのTemporalIdは、PHに関連付けられたピクチャのTemporalI
d以下であるものとする。
【0580】
1に等しいph_chroma_residual_scale_flagは、PHに
関連付けられたすべてのスライスに対してクロマ残差スケーリングが有効化されることを
規定する。0に等しいph_chroma_residual_scale_flagは
、PHに関連付けられた1つ以上、またはすべてのスライスに対してクロマ残差スケーリ
ングが無効化されることを規定する。ph_chroma_residual_scal
e_flagが存在しない場合、これは0に等しいと推論される。
【0581】
1に等しいph_scaling_list_present_flagは、参照スケ
ーリングリストAPSに含まれるスケーリングリストデータに基づいて、PHに関連付け
られたスライスに使用されるスケーリングリストデータを導出することを規定する。0に
等しいph_scaling_list_present_flagは、PHに関連付け
られたスライスに対して使用されるスケーリングリストが16になるように設定されるこ
とを規定する。存在しない場合、ph_scaling_list_present_f
lagの値は0と推測される。
【0582】
ph_scaling_list_aps_idは、スケーリングリストAPSのad
aptation_parameter_set_idを規定する。aps_param
s_typeがSCALING_APSに等しく、adaptation_parame
ter_set_idがph_scaling_list_aps_idであるAPS
NALユニットのTemporalIdは、PHに関連付けられたピクチャのTempo
ralId以下であるものとする。
【0583】
1に等しいph_virtual_boundaries_present_flag
は、PHで仮想境界の情報を信号通知することを規定する。0に等しいph_virtu
al_boundaries_present_flagは、PHで仮想境界の情報を信
号通知しないことを規定する。PHにおいて信号通知される仮想境界が1つ以上ある場合
、ピクチャにおいて、仮想境界を跨ぐインループフィルタリング動作は無効化される。イ
ンループフィルタリング動作は、デブロッキングフィルタ、サンプル適応オフセットフィ
ルタ、および適応ループフィルタ動作を含む。存在しない場合、ph_virtual_
boundaries_present_flagの値は1と推測される。
subpic_info_present_flagが1に等しい場合は、ph_vi
rtual_boundaries_present_flagの値が0に等しいものと
することが、ビットストリーム適合性の要件である。
変数VirtualBoundariesPresentFlagは、以下のように導
出される。
【0584】
VirtualBoundariesPresentFlag=0
if(sps_virtual_boundaries_enabled_fla
g)
VirtualBoundariesPresentFlag=sps_vir
tual_boundaries_present_flag||
ph_virtual_boundaries_present_flag
(83)
【0585】
ph_num_ver_virtual_boundariesは、PHに存在するp
h_virtual_boundaries_pos_x[i]構文要素の数を規定する
。ph_num_ver_virtual_boundariesが存在しない場合、0
に等しいと推測される。
変数NumVerVirtualBoundariesは、以下のように導出される。
【0586】
NumVerVirtualBoundaries=0
if(sps_virtual_boundaries_enabled_fla
g)
NumVerVirtualBoundaries=sps_virtual_
boundaries_present_flag?
sps_num_ver_virtual_boundaries:ph_
num_ver_virtual_boundaries (84)
【0587】
ph_virtual_boundaries_pos_x[i]i番目の垂直仮想境
界の位置を、輝度サンプルを8で割った単位で規定する。ph_virtual_bou
ndaries_pos_x[i]の値は、1からCeil(pic_width_in
_luma_samples÷8)-1の範囲内にあるものとする。
iが0からNumVerVirtualBoundaries-1までのリストVir
tualBoundariesPosX[i]を、輝度サンプル単位で、垂直仮想境界の
位置を規定することにより、以下のように導出する。
for(i=0;i<NumVerVirtualBoundaries;i++

VirtualBoundariesPosX[i]=(sps_virtua
l_boundaries_present_flag?
sps_virtual_boundaries_pos_x[i]:ph
_virtual_boundaries_pos_x[i])*8 (85)
任意の2つの垂直仮想境界間の距離は、CtbSizeY輝度サンプル以上であるもの
とする。
【0588】
ph_num_hor_virtual_boundariesは、PHに存在するp
h_virtual_boundaries_pos_y[i]構文要素の数を規定する
。ph_num_hor_virtual_boundariesが存在しない場合、0
に等しいと推測される。
パラメータNumHorVirtualBoundariesは、以下のように導出さ
れる。
【0589】
NumHorVirtualBoundaries=0
if(sps_virtual_boundaries_enabled_flag)
NumHorVirtualBoundaries=sps_virtual_bou
ndaries_present_flag?
sps_num_hor_virtual_boundaries:ph_num
_hor_virtual_boundaries (86)
【0590】
sps_virtual_boundaries_enabled_flagが1に等
しく、ph_virtual_boundaries_present_flagが1に
等しい場合は、ph_num_ver_virtual_boundariesとph_
num_hor_virtual_boundariesの合計は、0より大きいものと
する。
【0591】
ph_virtual_boundaries_pos_y[i]は、i番目の水平方
向の仮想境界の位置を、輝度サンプルを8で割った単位で規定する。ph_virtua
l_boundaries_pos_y[i]の値は、1からCeil(pic_hei
ght_in_luma_samples÷8)-1の範囲内にあるものとする。
iが0からNumHorVirtualBoundaries-1までのリストVir
tualBoundariesPosY[i]を、輝度サンプル単位で、水平仮想境界の
位置を規定することにより、以下のように導出する。
【0592】
for(i=0;i<NumHorVirtualBoundaries;i++)
VirtualBoundariesPosY[i]=(sps_virtual_b
oundaries_present_flag?
sps_virtual_boundaries_pos_y[i]:ph_vi
rtual_boundaries_pos_y[i])*8 (87)
任意の2つの水平仮想境界間の距離は、CtbSizeY輝度サンプル以上であるもの
とする。
【0593】
pic_output_flagは、復号されたピクチャの出力および削除処理に影響
を及ぼす。pic_output_flagが存在しない場合、1に等しいと推測される
【0594】
1に等しいpartition_constraints_override_fla
gは、パーティション制約パラメータがPHに存在することを規定する。0に等しいpa
rtition_constraints_override_flagは、パーティシ
ョン制約パラメータがPHに存在しないことを規定する。存在しない場合、partit
ion_constraints_override_flagの値は0に等しいと推測
される。
【0595】
ph_log2_diff_min_qt_min_cb_intra_slice_
lumaは、CTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロックの輝度サンプルの最小サ
イズの底2対数と、PHに関連付けられたslice_typeが2(I)であるスライ
スにおける輝度CUの輝度サンプルの最小コーディングブロックサイズの底2対数と、の
差を規定する。ph_log2_diff_min_qt_min_cb_intra_
slice_lumaの値は、0~CtbLog2SizeY-MinCbLog2Si
zeYの範囲内にあるものとする。存在しない場合、ph_log2_diff_min
_qt_min_cb_lumaの値はsps_log2_diff_min_qt_m
in_cb_lumaに等しいと推論される。
【0596】
ph_max_mtt_hierarchy_depth_intra_slice_
lumaは、PHに関連付けられたslice_typeが2(I)であるスライスにお
ける4分木のマルチタイプツリー分割に起因するコーディングユニットの最大階層深さを
規定する。ph_max_mtt_hierarchy_depth_intra_sl
ice_lumaの値は、0~2*(CtbLog2SizeY-MinCbLog2S
izeY)の範囲内にあるものとする。存在しない場合、ph_max_mtt_hie
rarchy_depth_intra_slice_lumaの値は、sps_max
_mtt_hierarchy_depth__intra_slice_lumaと等
しくなると推論される。
【0597】
ph_log2_diff_max_bt_min_qt_intra_slice_
lumaは、2値分割を使用して分割され得る輝度コーディングブロックの輝度サンプル
の最大サイズ(幅または高さ)の底2対数と、PHに関連付けられた2(I)であるsl
ice_typeを有するスライスのCTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロック
の輝度サンプルの最小サイズ(幅または高さ)と、の差を規定する。ph_log2_d
iff_max_bt_min_qt_intra_slice_lumaの値は、0~
CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeIntraYの範囲内にあるも
のとする。存在しない場合、ph_log2_diff_max_bt_min_qt_
intra_slice_lumaの値は、sps_log2_diff_max_bt
_min_qt_intra_slice_lumaと等しくなると推論される。
【0598】
ph_log2_diff_max_tt_min_qt_intra_slice_
lumaは、3進法の分割を使用して分割され得る輝度コーディングブロックの輝度サン
プルの最大サイズ(幅または高さ)の底2対数と、PHに関連付けられた2(I)である
slice_typeを有するスライスのCTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロ
ックの輝度サンプルの最小サイズ(幅または高さ)と、の差を規定する。ph_log2
_diff_max_tt_min_qt_intra_slice_lumaの値は、
0~CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeIntraYの範囲内にあ
るものとする。存在しない場合、ph_log2_diff_max_tt_min_q
t_intra_slice_lumaの値は、sps_log2_diff_max_
tt_min_qt_intra_slice_lumaと等しくなると推論される。
【0599】
ph_log2_diff_min_qt_min_cb_intra_slice_
chromaは、DUAL_TREE_CHROMAに等しいtreeTypeを持つク
ロマCTUの4分木分割によるクロマリーフブロックの輝度サンプルにおける最小サイズ
の底2対数と、PHに関連付けられたslice_typeが2(I)のスライスにおけ
るDUAL_TREE_CHROMAに等しいtreeTypeを持つクロマCUの輝度
サンプルの最小コーディングブロックサイズの底2対数と、の間の差を規定する。ph_
log2_diff_min_qt_min_cb_intra_slice_chro
maの値は、0~CtbLog2SizeY-MinCbLog2SizeYの範囲内に
あるものとする。存在しない場合、ph_log2_diff_min_qt_min_
cb_intra_slice_chromaの値はsps_log2_diff_mi
n_qt_min_cb_chromaに等しいと推論される。
【0600】
ph_max_mtt_hierarchy_depth_intra_slice_
chromaは、PHに関連付けられたslice_typeが2(I)のtreeTy
pe=DUAL_TREE_CHROMAであるtreeTypeを有するクロマ4分木
のマルチタイプツリー分割に起因するクロマコーディングユニットの最大階層深度を規定
する。ph_max_mtt_hierarchy_depth_intra_slic
e_chromaの値は、0~2*(CtbLog2SizeY-MinCbLog2S
izeY)の範囲内にあるものとする。存在しない場合、ph_max_mtt_hie
rarchy_depth_intra_slice_chromaの値は、sps_m
ax_mtt_hierarchy_depth_intra_slice_chrom
aと等しいと推論される。
【0601】
ph_log2_diff_max_bt_min_qt_intra_slice_
chromaは、2値分割を使用して分割され得るクロマコーディングブロックの輝度サ
ンプルの最大サイズ(幅または高さ)の底2対数と、PHに関連付けられたslice_
typeが2(I)であるスライスにおけるDUAL_TREE_CHROMAと等しい
treeTypeを有するクロマCTUの4分木分割に起因するクロマリーフブロックの
輝度サンプルの最小サイズ(幅または高さ)との差を規定する。ph_log2_dif
f_max_bt_min_qt_intra_slice_chromaの値は、0~
CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeIntraCの範囲内にあるも
のとする。存在しない場合、ph_log2_diff_max_bt_min_qt_
intra_slice_chromaの値は、sps_log2_diff_max_
bt_min_qt_intra_slice_chromaと等しくなると推論される
【0602】
ph_log2_diff_max_tt_min_qt_intra_slice_
chromaは、3進法分割を使用して分割され得るクロマコーディングブロックの輝度
サンプルの最大サイズ(幅または高さ)の底2対数と、PHに関連付けられたslice
_typeが2(I)であるスライスにおけるDUAL_TREE_CHROMAと等し
いtreeTypeを有するクロマCTUの4分木分割に起因するクロマリーフブロック
の輝度サンプルの最小サイズ(幅または高さ)との差を規定する。ph_log2_di
ff_max_tt_min_qt_intra_slice_chromaの値は、0
~CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeIntraCの範囲内にある
ものとする。存在しない場合、ph_log2_diff_max_tt_min_qt
_intra_slice_chromaの値は、sps_log2_diff_max
_tt_min_qt_intra_slice_chromaと等しくなると推論され
る。
【0603】
ph_cu_qp_delta_subdiv_intra_sliceは、cu_q
p_delta_absおよびcu_qp_delta_sign_flagを伝達する
イントラスライス内のコーディングユニットの最大のcbSubdiv値を規定する。p
h_cu_qp_delta_subdiv_intra_sliceの値は、0~2*
(CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeIntraY+ph_max
_mtt_hierarchy_depth_intra_slice_luma)の範
囲内にあるものとする。
存在しない場合、ph_cu_qp_delta_subdiv_intra_sli
ceの値は0に等しいと推測される。
【0604】
ph_cu_chroma_qp_offset_subdiv_intra_sli
ceは、cu_chroma_qp_offset_flagを伝達するイントラスライ
ス内のコーディングユニットの最大cbSubdiv値を規定する。ph_cu_qp_
offset_subdiv_intra_sliceの値は、0~2*(CtbLog
2SizeY-MinQtLog2SizeIntraY+ph_max_mtt_hi
erarchy_depth_intra_slice_luma)の範囲内にあるもの
とする。
存在しない場合、ph_cu_chroma_qp_offset_subdiv_i
ntra_sliceの値は0に等しいと推測される。
【0605】
ph_log2_diff_min_qt_min_cb_inter_sliceは
、CTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロックの輝度サンプルの最小サイズの底2
対数と、PHに関連付けられたslice_typeが0(B)または1(P)と等しい
スライスにおける輝度CUに対する輝度サンプルの最小輝度コーディングブロックサイズ
の底2対数と、の差を規定する。ph_log2_diff_min_qt_min_c
b_inter_sliceの値は、0~CtbLog2SizeY-MinCbLog
2SizeYの範囲内にあるものとする。存在しない場合、ph_log2_diff_
min_qt_min_cb_lumaの値は、sps_log2_diff_min_
qt_min_cb_inter_sliceに等しいと推論される。
【0606】
ph_max_mtt_hierarchy_depth_inter_sliceは
、PHに関連付けられたslice_typeが0(B)または1(P)のスライスにお
いて、4分木リーフのマルチタイプツリー分割によるコーディングユニットの最大階層深
さを規定する。ph_max_mtt_hierarchy_depth_inter_
sliceの値は、0~2*(CtbLog2SizeY-MinCbLog2Size
Y)の範囲内にあるものとする。存在しない場合、ph_max_mtt_hierar
chy_depth_inter_sliceの値は、sps_max_mtt_hie
rarchy_depth_inter_sliceに等しいと推論される。
【0607】
ph_log2_diff_max_bt_min_qt_inter_sliceは
、2値分割を使用して分割されることができる輝度コーディングブロックの輝度サンプル
の最大サイズ(幅または高さ)の底2対数と、PHに関連付けられた0(B)または1(
P)であるスライスにおけるCTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロックの輝度サ
ンプルの最小サイズ(幅または高さ)と、の差を規定する。ph_log2_diff_
max_bt_min_qt_inter_sliceの値は、0~CtbLog2Si
zeY-MinQtLog2SizeInterYの範囲内にあるものとする。存在しな
い場合、ph_log2_diff_max_bt_min_qt_inter_sli
ceの値はsps_log2_diff_max_bt_min_qt_inter_s
liceに等しいと推論される。
【0608】
ph_log2_diff_max_tt_min_qt_inter_sliceは
、3進法分割を使用して分割されることができる輝度コーディングブロックの輝度サンプ
ルの最大サイズ(幅または高さ)の底2対数と、PHに関連付けられた0(B)または1
(P)であるスライスにおけるCTUの4分木分割に起因する輝度リーフブロックの輝度
サンプルの最小サイズ(幅または高さ)と、の差を規定する。ph_log2_diff
_max_tt_min_qt_inter_sliceの値は、0~CtbLog2S
izeY-MinQtLog2SizeInterYの範囲内にあるものとする。存在し
ない場合、ph_log2_diff_max_tt_min_qt_inter_sl
iceの値はsps_log2_diff_max_tt_min_qt_inter_
sliceに等しいと推論される。
【0609】
ph_cu_qp_delta_subdiv_inter_sliceは、cu_q
p_delta_absおよびcu_qp_delta_sign_flagを伝達する
インタースライス内のコーディングユニットの最大のcbSubdiv値を規定する。p
h_cu_qp_delta_subdiv_inter_sliceの値は、0~2*
(CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeInterY+ph_max
_mtt_hierarchy_depth_inter_slice)の範囲内にある
ものとする。
存在しない場合、ph_cu_qp_delta_subdiv_inter_sli
ceの値は0に等しいと推測される。
【0610】
ph_cu_chroma_qp_offset_subdiv_inter_sli
ceは、cu_chroma_qp_offset_flagを伝達するインタースライ
ス内のコーディングユニットの最大cbSubdiv値を規定する。ph_cu_chr
oma_qp_offset_subdiv_inter_sliceの値は、0~2*
(CtbLog2SizeY-MinQtLog2SizeInterY+ph_max
_mtt_hierarchy_depth_inter_slice)の範囲内にある
ものとする。
存在しない場合、ph_cu_chroma_qp_offset_subdiv_i
nter_sliceの値は0に等しいと推測される。
【0611】
ph_temporal_mvp_enabled_flagは、PHに関連付けられ
たスライスのインター予測に時間的動きベクトル予測子を使用できるかどうかを規定する
。ph_temporal_mvp_enabled_flagが0に等しい場合、PH
に関連付けられたスライスの構文要素は、時間的動きベクトル予測子がスライスの復号に
使用されないように制約されるものとする。そうでない場合(ph_temporal_
mvp_enabled_flagが1に等しい場合)、PHに関連付けられたスライス
の復号に時間的動きベクトル予測子を使用してもよい。存在しない場合、ph_temp
oral_mvp_enabled_flagの値は0に等しいと推測される。DPBに
おける参照ピクチャの空間的解像度が現在のピクチャと同じでない場合、ph_temp
oral_mvp_enabled_flagの値は0に等しいものとする。
サブブロックベースのマージMVP候補の最大数、MaxNumSubblockMe
rgeCandは以下のように導出される。
【0612】
if(sps_affine_enabled_flag)
MaxNumSubblockMergeCand=5-five_minus_ma
x_num_subblock_merge_cand (88)
else
MaxNumSubblockMergeCand=sps_sbtmvp_enab
led_flag&&ph_temporal_mvp_enable_flag
MaxNumSubblockMergeCandの値は、0~5の範囲内である。
【0613】
1に等しいph_collocated_from_l0_flagは、時間的動きベ
クトル予測に使用される同一位置に配置されたピクチャが参照ピクチャリスト0から導出
されることを規定する。0に等しいph_collocated_from_l0_fl
agは、時間的動きベクトル予測に使用される同一位置に配置されたピクチャが参照ピク
チャリスト1から導出されることを規定する。
【0614】
ph_collocated_ref_idxは、時間的動きベクトル予測に使用され
る同一位置に配置されたピクチャの参照インデックスを規定する。
ph_collocated_from_l0_flagが1に等しいとき、ph_c
ollocated_ref_idxは参照ピクチャリスト0のエントリを参照し、ph
_collocated_ref_idxの値は0からnum_ref_entries
[0][PicRplsIdx[0]]-1の範囲内にあるものとする。
ph_collocated_from_l0_flagが0に等しい場合、ph_c
ollocated_ref_idxは参照ピクチャリスト1のエントリを参照し、ph
_collocated_ref_idxの値は0からnum_ref_entries
[0][PicRplsIdx[1]]-1の範囲内にあるものとする。
存在しない場合、ph_collocated_ref_idxの値は0に等しいと推
測される。
【0615】
1に等しいmvd_l1_zero_flagは、mvd_coding(x0,y0
,1)構文構造が構文解析されず、MvdL1[x0][y0][compIdx]およ
びMvdCpL1[x0][y0][cpIdx][compIdx]がcompIdx
=0..1およびcpIdx=0..2の場合、0に設定されることを示す。0に等しい
mvd_l1_zero_flagは、mvd_coding(x0,y0,1)構文構
造が構文解析されたことを示す。
【0616】
1に等しいph_fpel_mmvd_enabled_flagは、動きベクトル差
を有するマージモードは、PHに関連付けられたスライスの整数サンプル精度を使用する
ことを規定する。0に等しいph_fpel_mmvd_enabled_flagは、
動きベクトル差を有するマージモードは、PHに関連付けられたスライスの分数サンプル
精度を使用することを規定する。存在しない場合、ph_fpel_mmvd_enab
led_flagの値は0であると推測される。
【0617】
1に等しいph_disable_bdof_flagは、PHに関連付けられたスラ
イスにおいて、双方向オプティカルフローインター予測に基づくインター双方向予測が無
効化されることを規定する。0に等しいph_disable_bdof_flagは、
PHに関連付けられたスライスにおいて、双方向オプティカルフローインター予測に基づ
くインター双方向予測が有効化されてもされなくてもよいことを規定する。
ph_disable_bdof_flagが存在しない場合、以下が適用される。
- sps_bdof_enabled_flagが1に等しい場合は、ph_di
sable_bdof_flagの値は0に等しいと推論される。
- そうでない場合(sps_bdof_enabled_flagが0に等しい場
合)、ph_disable_bdof_flagの値は1に等しいと推論される。
【0618】
1に等しいph_disable_dmvr_flagは、PHに関連付けられたスラ
イスにおいて、デコーダ動きベクトル微調整に基づくインター双方向予測が無効化される
ことを規定する。0に等しいph_disable_dmvr_flagは、PHに関連
付けられたスライスにおいて、デコーダ動きベクトル微調整に基づく相互雄双方向予測が
有効化してもしなくてもよいことを規定する。
ph_disable_dmvr_flagが存在しない場合、以下が適用される。
-sps_dmvr_enabled_flagが1に等しい場合は、ph_dis
able_dmvr_flagの値は0に等しいと推論される。
-そうでない場合(sps_dmvr_enable_flagが0に等しい場合)
、ph_disable_dmvr_flagの値は1に等しいと推論される。
【0619】
1に等しいph_disable_prof_flagは、PHに関連付けられたスラ
イスにおいて、オプティカルフローによる予測微調整が無効化されることを規定する。0
に等しいph_disable_prof_flagは、PHに関連付けられたスライス
において、オプティカルフローによる予測微調整が有効化されてもされなくてもよいこと
を規定する。
ph_disable_prof_flagが存在しない場合、以下が適用される。
-sps_affine_prof_enabled_flagが1に等しい場合は
、ph_disable_prof_flagの値は0に等しいと推論される。
-そうでない場合(sps_affine_prof_enabled_flagが
0に等しい場合)、ph_disable_prof_flagの値は1に等しいと推論
される。
【0620】
ph_qp_deltaは、コーディングユニットレイヤにおけるCuQpDelta
Valの値によって修正されるまで、ピクチャにおけるコーディングブロックに使用され
るQpの初期値を規定する。
qp_delta_info_in_ph_flagが1に等しい場合は、ピクチャの
すべてのスライスに対するQp量子化パラメータであるSliceQpの最初の値は
、以下のように導出される。
SliceQp=26+init_qp_minus26+ph_qp_del
ta (89)
SliceQpの値は、-QpBdOffset~63の範囲内である。
【0621】
ph_joint_cbcr_sign_flagは、tu_joint_cbcr_
residual_flag[x0][y0]が1に等しい変換ユニットにおいて、両方
のクロマ成分の同一位置に配置された残差サンプルは、符号が逆になるかどうかを規定す
る。1つの変換ユニットに対してtu_joint_cbcr_residual_fl
ag[x0][y0]が1に等しいとき、0に等しいph_joint_cbcr_si
gn_flagは、Cr(またはCb)成分の各残差サンプルの符号が、同一位置に配置
されたCb(またはCr)残差サンプルの符号と同一であることを規定し、1に等しいp
h_joint_cbcr_sign_flagは、Cr(またはCb)成分の各残差サ
ンプルの符号は、同一位置に配置されたCb(またはCr)の残差サンプルの逆の符号で
表されることを規定する。
【0622】
1に等しいph_sao_luma_enabled_flagは、PHに関連付けら
れたすべてのスライスの中の輝度成分に対してSAOが有効化されることを規定し、0に
等しいph_sao_luma_enabled_flagは、輝度成分のSAOがPH
に関連付けられた1つ以上またはすべてのスライスに対して無効化される場合もあること
を規定する。ph_sao_luma_enabled_flagが存在しない場合、0
に等しいと推測される。
【0623】
1に等しいph_sao_chroma_enabled_flagは、PHに関連付
けられたすべてのスライスの中のクロマ成分に対してSAOが有効化されることを規定し
、0に等しいph_sao_chroma_enabled_flagは、輝度成分のS
AOがPHに関連付けられた1つ以上またはすべてのスライスに対して無効化される場合
もあることを規定する。ph_sao_chroma_enabled_flagが存在
しない場合、0に等しいと推測される。
【0624】
0に等しいph_dep_quant_enabled_flagは、現在のピクチャ
に対して依存量子化が無効化されることを規定する。1に等しいph_dep_quan
t_enabled_flagは、現在のピクチャに対して従属量子化が有効化されるこ
とを規定する。ph_dep_quant_enabled_flagが存在しない場合
、0に等しいと推測される。
【0625】
0に等しいpic_sign_data_hiding_enabled_flagは
、現在のピクチャに対し、符号ビットの非表示が無効化されることを規定する。1に等し
いpic_sign_data_hiding_enabled_flagは、現在のピ
クチャに対し、符号ビットの非表示が有効化されることを規定する。pic_sign_
data_hiding_enabled_flagが存在しない場合、0に等しいと推
測される。
【0626】
1に等しいph_deblocking_filter_override_flag
は、PHにデブロッキングパラメータが存在することを規定する。0に等しいph_de
blocking_filter_override_flagは、デブロッキングパラ
メータがPHに存在しないことを規定する。存在しない場合、ph_deblockin
g_filter_override_flagの値は0に等しいと推測される。
【0627】
1に等しいph_deblocking_filter_disabled_flag
は、PHに関連付けられたスライスに対してデブロッキングフィルタの演算を適用しない
ことを規定する。0に等しいph_deblocking_filter_disabl
ed_flagは、PHに関連付けられたスライスに対してデブロッキングフィルタの演
算を適用することを規定する。ph_deblocking_filter_disab
led_flagが存在しない場合、pps_deblocking_filter_d
isabled_flagに等しいと推論される。
【0628】
ph_beta_offset_div2およびph_tc_offset_div2
は、PHに関連付けられたスライスの輝度成分に適用されるβおよびtCのデブロッキン
グパラメータのオフセット(2で除算)を規定する。ph_beta_offset_d
iv2およびph_tc_offset_div2の値は、いずれも-12~12の範囲
内にあるものとする。存在しない場合、ph_beta_offset_div2および
ph_tc_offset_div2の値は、それぞれpps_beta_offset
_div2およびpps_tc_offset_div2に等しいと推論される。
【0629】
ph_cb_beta_offset_div2およびph_cb_tc_offse
t_div2は、PHに関連付けられたスライスのCb成分に適用されるβおよびtCの
デブロッキングパラメータのオフセット(2で除算)を規定する。ph_cb_beta
_offset_div2およびph_cb_tc_offset_div2の値は、い
ずれも-12~12の範囲内にあるものとする。存在しない場合、ph_cb_beta
_offset_div2およびph_cb_tc_offset_div2の値は、そ
れぞれpps_cb_beta_offset_div2およびpps_cb_tc_o
ffset_div2に等しいと推論される。
【0630】
ph_cr_beta_offset_div2およびph_cr_tc_offse
t_div2は、PHに関連付けられたスライスのCr コ成分に適用されるβおよびt
Cのデブロッキングパラメータのオフセット(2で除算)を規定する。ph_cr_be
ta_offset_div2およびph_cr_tc_offset_div2の値は
、いずれも-12~12の範囲内にあるものとする。存在しない場合、ph_cr_be
ta_offset_div2およびph_cr_tc_offset_div2の値は
、それぞれpps_cr_beta_offset_div2およびpps_cr_tc
_offset_div2に等しいと推論される。
【0631】
ph_extension_lengthは、PH拡張データの長さをバイトで規定し
、ph_extension_length自体の信号通知に使用されるビットは含まな
い。ph_extension_lengthの値は、0~256の範囲内である。存在
しない場合、ph_extension_lengthの値は0に等しいと推論される。
【0632】
ph_extension_data_byteは任意の値を有することができる。本
明細書バージョンに準拠するデコーダは、ph_extension_data_byt
eの値を無視しなければならない。その値は、本明細書のバージョンで特定された特徴に
対するデコーダの適合性に影響を与えない。
【0633】
7.4.8 スライスヘッダ意味論
【0634】
7.4.8.1 一般スライスヘッダ意味論
【0635】
cu_qp_delta_absを含むコーディングユニットの輝度量子化パラメータ
とその予測との差を規定する変数CuQpDeltaValは、0に設定される。cu_
chroma_qp_offset_flagを含むコーディングユニットのQp’cb
、Qp’cr、Qp’CbCr量子化パラメータのそれぞれの値を決定するときに使用さ
れる値を規定する変数CuQpOffsetcb、CuQpOffsetcr、およびC
uQpOffsetCbCrは、すべて0に等しく設定される。
【0636】
1に等しいpicture_header_in_slice_header_fla
gは、スライスヘッダにPH構文構造が存在することを規定する。0に等しいpictu
re_header_in_slice_header_flagは、PH構文構造が存
在しないことを規定する。
CLVS内のすべてのコーディングされたスライスにおいて、picture_hea
der_in_slice_header_flagの値が同じであるものとすることが
、ビットストリーム適合性の要件である。
1つのコーディングされたスライスに対してpicture_header_in_s
lice_header_flagが1に等しい場合は、PH_NUTであるnal_u
nit_typeを有するVCL NALユニットがCLVSに存在しないものとするこ
とが、ビットストリーム適合性の要件である。
picture_header_in_slice_header_flagが0に等
しい場合、現在のピクチャにおけるすべてのコーディングされたスライスは、pictu
re_header_in_slice_header_flagが0に等しいものとし
、現在のPUはPH NALユニットを有するものとする。
【0637】
slice_subpic_idは、スライスを含むサブピクチャのサブピクチャID
を規定する。slice_subpic_idが存在する場合、変数CurrSubpi
cIdxの値は、SubpicIdVal[CurrSubpicIdx]がslice
_subpic_idに等しくなるように導出される。そうでない場合(slice_s
ubpic_idが存在しない)、CurrSubpicIdxは0に等しくなるように
導出される。slice_subpic_idの長さは、sps_subpic_id_
len_minus1+1ビットである。
【0638】
slice_addressは、スライスのスライスアドレスを規定する。存在しない
場合、slice_addressの値は0に等しいと推測される。rect_slic
e_flagが1に等しく、NumSlicesInSubpic[CurrSubpi
cIdx]が1に等しい場合は、slice_addressの値は0に等しいと推論さ
れる。
rect_slice_flagが0に等しい場合、以下が適用される。
-スライスアドレスは、ラスタスキャンタイルインデックスである。
-slice_addressの長さは、Ceil(Log2(NumTilesI
nPic))ビットである。
-slice_addressの値は、0からNumTilesInPic-1まで
の範囲内にあるべきである。
そうでない場合(rect_slice_flagが1に等しい場合)、以下が適用さ
れる。
-スライスアドレスは、スライスのサブピクチャレベルスライスインデックスである

-slice_addressの長さは、Ceil(Log2(NumSlices
InSubpic[CurrSubpicIdx]))ビットである。
-slice_addressの値は、0~NumSlicesInSubpic[
CurrSubpicIdx]-1までの範囲内とする。
ビットストリーム適合性の要件は、以下の制約が適用されることである。
-rect_slice_flagが0に等しい、又はsubpic_info_p
resent_flagが0に等しい場合、slice_addressの値は、同じコ
ーディングされたピクチャにおいて任意の他のコーディングされたスライスNALユニッ
トのslice_addressの値に等しくてはならない。
-そうでない場合、slice_subpic_id及びslice_addres
s値の組は、同じコーディングされたピクチャにおいて任意の他のコーディングされたス
ライスNALユニットのslice_subpic_id及びslice_addres
s値の組に等しくてはならない。
-ピクチャのスライスの形状は、各CTUが復号された場合、その左側境界全体及び
最上の境界全体が1つのピクチャの境界、又は、以前に復号されたCTUの境界を含むも
のでなければならない。
【0639】
sh_extra_bit[i]は、1または0に等しくてもよい。本明細書バージョ
ンに準拠するデコーダは、sh_extra_bit[i]の値を無視しなければならな
い。その値は、本明細書のバージョンで特定された特徴に対するデコーダの適合性に影響
を与えない。
【0640】
num_tiles_in_slice_minus1+1(存在する場合)は、スラ
イスにおけるタイルの数を規定する。num_tiles_in_slice_minu
s1の値は、0からNumTilesInPic-1までの範囲内にあるべきである。
現在のスライスにおけるCTUの数を規定する変数NumCtusInCurrSli
ceと、スライス内のi番目のCTBのピクチャラスタスキャンアドレスを規定しiが0
からNumCTUsInCurrSlice-1までの範囲であるリストCtbAddr
InCurrSlice[i]とは、以下のように導出される。
【0641】
if(rect_slice_flag){
picLevelSliceIdx=slice_address
for(j=0;j<CurrSubpicIdx;j++)
picLevelSliceIdx+=NumSlicesInSubpic[j]
NumCtusInCurrSlice=NumCtusInSlice[picLe
velSliceIdx]
for(i=0;i<NumCtusInCurrSlice;i++)
CtbAddrInCurrSlice[i]=CtbAddrInSlice[p
icLevelSliceIdx][i] (117)
} else{
NumCtusInCurrSlice=0
for(tileIdx=slice_address;tileIdx<=slic
e_address+num_tiles_in_slice_minus1;tile
Idx++){
tileX=tileIdx%NumTileColumns
tileY=tileIdx/NumTileColumns
for(ctbY=tileRowBd[tileY];ctbY<tileRow
Bd[tileY+1];ctbY++){
for(ctbX=tileColBd[tileX];ctbX<tileCo
lBd[tileX+1];ctbX++){
CtbAddrInCurrSlice[NumCtusInCurrSlic
e]=ctbY*PicWidthInCtb+ctbX
NumCtusInCurrSlice++



【0642】
変数SubpicLeftBoundaryPos、SubpicTopBounda
ryPos、SubpicRightBoundaryPos、およびSubpicBo
tBoundaryPosは、以下のように導出される。
【0643】
if(subpic_treated_as_pic_flag[CurrSubpic
Idx]){
SubpicLeftBoundaryPos=subpic_ctu_top_le
ft_x[CurrSubpicIdx]*CtbSizeY
SubpicRightBoundaryPos=Min(pic_width_ma
x_in_luma_samples-1,
(subpic_ctu_top_left_x[CurrSubpicIdx]

subpic_width_minus1[CurrSubpicIdx]+1)
*CtbSizeY-1)
SubpicTopBoundaryPos=subpic_ctu_top_lef
t_y[CurrSubpicIdx]*CtbSizeY (118)
SubpicBotBoundaryPos=Min(pic_height_max
_in_luma_samples-1,
(subpic_ctu_top_left_y[CurrSubpicIdx]

subpic_height_minus1[CurrSubpicIdx]+1
)*CtbSizeY-1)
【0644】
slice_typeは、表9に従って、スライスのコーディングするタイプを規定する
【0645】
【表36】
【0646】
存在しない場合、slice_typeの値は2に等しいと推測される。
ph_intra_slice_allowed_flagが0に等しい場合、sli
ce_typeの値は0または1に等しいものとする。nal_unit_typeがI
DR_W_RADL~CRA_NUTの範囲内にあり、かつvps_independe
nt_layer_flag[GeneralLayerIdx[nuh_layer_
id]]が1に等しい場合は、slice_typeは2に等しいものとする。
変数MinQtLog2SizeY、MinQtLog2SizeC、MinQtSi
zeY、MinQtSizeC、MaxBtSizeY、MaxBtSizeC、Min
BtSizeY、MaxTtSizeY、MaxTtSizeC、MinTtSizeY
、MaxMttDepthYおよびMaxMttDepthCは、次のように導出される
【0647】
If slice_type equal to 2(I),
MinQtLog2SizeY=MinCbLog2SizeY+ph_log2
_diff_min_qt_min_cb_intra_slice_luma (11
9)
MinQtLog2SizeC=MinCbLog2SizeY+ph_log2
_diff_min_qt_min_cb_intra_slice_chroma (
120)
MaxBtSizeY=1<<(MinQtLog2SizeY+ph_log2
_diff_max_bt_min_qt_intra_slice_luma) (1
21)
MaxBtSizeC=1<<(MinQtLog2SizeC+ph_log2
_diff_max_bt_min_qt_intra_slice_chroma)
(122)
MaxTtSizeY=1<<(MinQtLog2SizeY+ph_log2
_diff_max_tt_min_qt_intra_slice_luma) (1
23)
MaxTtSizeC=1<<(MinQtLog2SizeC+ph_log2
_diff_max_tt_min_qt_intra_slice_chroma)
(124)
MaxMttDepthY=ph_max_mtt_hierarchy_dep
th_intra_slice_luma (125)
MaxMttDepthC=ph_max_mtt_hierarchy_dep
th_intra_slice_chroma (126)
CuQpDeltaSubdiv=ph_cu_qp_delta_subdiv
_intra_slice (127)
CuChromaQpOffsetSubdiv=ph_cu_chroma_q
p_offset_subdiv_intra_slice (128)
Otherwise(slice_type equal to0(B)or1(P))

MinQtLog2SizeY=MinCbLog2SizeY+ph_log2
_diff_min_qt_min_cb_inter_slice (129)
MinQtLog2SizeC=MinCbLog2SizeY+ph_log2
_diff_min_qt_min_cb_inter_slice (130)
MaxBtSizeY=1<<(MinQtLog2SizeY+ph_log2
_diff_max_bt_min_qt_inter_slice) (131)
MaxBtSizeC=1<<(MinQtLog2SizeC+ph_log2
_diff_max_bt_min_qt_inter_slice) (132)
MaxTtSizeY=1<<(MinQtLog2SizeY+ph_log2
_diff_max_tt_min_qt_inter_slice) (133)
MaxTtSizeC=1<<(MinQtLog2SizeC+ph_log2
_diff_max_tt_min_qt_inter_slice) (134)
MaxMttDepthY=ph_max_mtt_hierarchy_dep
th_inter_slice (135)
MaxMttDepthC=ph_max_mtt_hierarchy_dep
th_inter_slice (136)
CuQpDeltaSubdiv=ph_cu_qp_delta_subdiv
_inter_slice (137)
CuChromaQpOffsetSubdiv=ph_cu_chroma_q
p_offset_subdiv_inter_slice (138)
MinQtSizeY=1<<MinQtLog2SizeY (139)
MinQtSizeC=1<<MinQtLog2SizeC (140)
MinBtSizeY=1<<MinCbLog2SizeY (141)
MinTtSizeY=1<<MinCbLog2SizeY (142)
【0648】
1に等しいslice_alf_enabled_flagは、適応ループフィルタが
有効化され、かつ1つのスライスにおけるY、Cb、またはCr色成分に適用され得るこ
とを規定する。0に等しいslice_alf_enabled_flagは、スライス
内のすべての色成分が無効化されることを規定する。存在しない場合、slice_al
f_enabled_flagの値はph_alf_enabled_flagと推測さ
れる。
【0649】
slice_num_alf_aps_ids_lumaは、スライスが参照するAL
F APSの数を規定する。slice_alf_enabled_flagが1に等し
く、かつ、slice_num_alf_aps_ids_lumaが存在しない場合、
slice_num_alf_aps_ids_lumaの値は、ph_num_alf
_aps_ids_lumaの値に等しくなると推論される。
【0650】
slice_alf_aps_id_luma[i]は、スライスの輝度成分が参照す
るi番目のALF APSのadaptation_parameter_set_id
を規定する。aps_params_typeがALF_APSに等しく、adapta
tion_parameter_set_idがslice_alf_aps_id_l
uma[i]であるAPS NALユニットのTemporalIdは、コーディングさ
れたスライスNALユニットのTemporalId以下であるものとする。slice
_alf_enabled_flagが1に等しく、かつ、slice_alf_aps
_id_luma[i]が存在しない場合、slice_alf_aps_id_lum
a[i]の値は、ph_alf_aps_id_luma[i]の値に等しいと推論され
る。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがslice_alf_aps_id_luma[i
]に等しいAPS NALユニットのalf_luma_filter_signal_
flagの値は1に等しいものとする。
【0651】
0に等しいslice_alf_chroma_idcは、適応ループフィルタがCb
及びCr色成分に適用されないことを示す。1に等しいslice_alf_chrom
a_idcは、適応ループフィルタがCb色成分に適用されることを示す。2に等しいs
lice_alf_chroma_idcは、適応ループフィルタがCr色成分に適用さ
れることを示す。3に等しいslice_alf_chroma_idcは、適応ループ
フィルタがCbと色成分に適用されることを示す。slice_alf_chroma_
idcが存在しない場合、それはph_alf_chroma_idcに等しいと推論さ
れる。
【0652】
slice_alf_aps_id_chromaは、スライスのクロマ成分が参照す
るALF APSのadaptation_parameter_set_idを規定す
る。aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation
_parameter_set_idがslice_alf_aps_id_chrom
aであるAPS NALユニットのTemporalIdは、コーディングされたスライ
スNALユニットのTemporalId以下であるものとする。slice_alf_
enabled_flagが1に等しく、かつ、slice_alf_aps_id_c
hromaが存在しない場合、slice_alf_aps_id_chromaの値は
、ph_alf_aps_id_chromaの値に等しいと推論される。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがslice_alf_aps_id_chroma
[i]に等しいAPS NALユニットのalf_chroma_filter_sig
nal_flagの値は、1に等しいものとする。
【0653】
0に等しいslice_cc_alf_cb_enabled_flagは、クロスコ
ンポーネントフィルタがCb色成分に適用されていないことを規定する。1に等しいsl
ice_cc_alf_cb_enabled_flagは、クロスコンポーネントフィ
ルタが有効であり、Cb色成分に適用されてもされなくてもよいことを規定する。sli
ce_cc_alf_cb_enabled_flagが存在しない場合、ph_cc_
alf_cb_enabled_flagに等しいと推論される。
【0654】
slice_cc_alf_cb_aps_idは、スライスのCb色成分が参照する
adaptation_parameter_set_idを規定する。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがslice_cc_alf_cb_aps_idで
あるAPS NALユニットのTemporalIdは、コーディングされたスライスN
ALユニットのTemporalId以下であるものとする。slice_cc_alf
_cb_enabled_flagが1に等しく、かつ、slice_cc_alf_c
b_aps_idが存在しない場合、slice_cc_alf_cb_aps_idの
値は、ph_cc_alf_cb_aps_idの値に等しいと推論される。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがslice_cc_alf_cb_aps_idに
等しいAPS NALユニットのalf_cc_cb_filter_signal_f
lagの値は、1に等しいものとする。
【0655】
0に等しいslice_cc_alf_cr_enabled_flagは、クロスコ
ンポーネントフィルタがCr色成分に適用されていないことを規定する。1に等しいsl
ice_cc_alf_cb_enabled_flagは、クロスコンポーネント適応
ループフィルタが有効であり、Cr色成分に適用されてもされなくてもよいことを規定す
る。slice_cc_alf_cr_enabled_flagが存在しない場合、p
h_cc_alf_cr_enabled_flagに等しいと推論される。
【0656】
slice_cc_alf_cr_aps_idは、スライスのCr色成分が参照する
adaptation_parameter_set_idを規定する。aps_par
ams_typeがALF_APSに等しく、adaptation_paramete
r_set_idがslice_cc_alf_cr_aps_idであるAPS NA
LユニットのTemporalIdは、コーディングされたスライスNALユニットのT
emporalId以下であるものとする。slice_cc_alf_cr_enab
led_flagが1に等しく、かつ、slice_cc_alf_cr_aps_id
が存在しない場合、slice_cc_alf_cr_aps_idの値は、ph_cc
_alf_cr_aps_idの値に等しいと推論される。
aps_params_typeがALF_APSに等しく、adaptation_
parameter_set_idがslice_cc_alf_cr_aps_idに
等しいAPS NALユニットのalf_cc_cr_filter_signal_f
lagの値は、1に等しいものとする。
【0657】
colour_plane_idは、separate_colour_plane_
flagが1に等しい場合は、現在のスライスに関連付けられた色平面を識別する。co
lour_plane_idの値は、0~2の範囲内にあるものとし、colour_p
lane_idの値0、1、2は、それぞれY、Cb、Cr平面に対応する。colou
r_plane_idの値3は、ITU-T|ISO/IECで将来使用されるように予
約されている。
注1- 1つのピクチャの異なる色平面の復号処理間には依存性がない。
【0658】
1に等しいnum_idx_active_override_flagは、構文要素
num_ref_idx_active_minus1[0]がPスライスおよびBスラ
イスに存在し、構文要素num_ref_idx_active_minus1[1]が
Bスライスに存在することを規定する。0に等しいnum_ref_idx_activ
e_override_flagは、構文要素num_ref_idx_active_
minus1[0]およびnum_ref_idx_active_minus1[1]
が存在しないことを規定する。存在しない場合、num_ref_idx_active
_override_flagの値は0に等しいと推測される。
【0659】
num_ref_idx_active_minus1[i]は、式143に規定する
ように、変数NumRefIdxActive[i]の導出に使用される。num_re
f_idx_active_minus1[i]の値は、0から14までの範囲内にある
べきである。
iが0または1に等しい場合、現在のスライスがBスライスであるとき、num_re
f_idx_active_override_flagが1に等しく、num_ref
_idx_active_minus1[i]が存在しない場合、num_ref_id
x_active_minus1[i]が0ではないと推論する。
現在のスライスがPスライスであるとき、num_ref_idx_active_o
verride_flagが1に等しく、num_ref_idx_active_mi
nus1[0]が存在しない場合、num_ref_idx_active_minus
1[0]が0ではないと推論する。
変数NumRefIdxActive[i]は、以下のように導出される。
【0660】
for(i=0;i<2;i++){
if(slice_type==B||(slice_type==P&&i==0)
){
if(num_ref_idx_active_override_flag)
NumRefIdxActive[i]=num_ref_idx_active
_minus1[i]+1 (143)
else{
if(num_ref_entries[i][RplsIdx[i]]>=nu
m_ref_idx_default_active_minus1[i]+1)
NumRefIdxActive[i]=num_ref_idx_defau
lt_active_minus1[i]+1
else
NumRefIdxActive[i]=num_ref_entries[i
][RplsIdx[i]]

}else/*slice_type==I||(slice_type==P&&i
==1)*/
NumRefIdxActive[i]=0
【0661】
NumRefIdxActive[i]-1の値は、スライスを復号するために使用さ
れ得る参照ピクチャリストiの最大参照インデックスを規定する。NumRefIdxA
ctive[i]の値が0に等しい場合、参照ピクチャリストiの参照インデックスを使
用せずにスライスを復号することができる。
現在のスライスがPスライスであるとき、NumRefIdxActive[0]の値
は0より大きいものとする。
現在のスライスがBスライスである場合、NumRefIdxActive[0]およ
びNumRefIdxActive[1]の両方が0よりも大きいものとする。
【0662】
cabac_init_flagコンテキスト変数の初期化処理で使用される初期化テ
ーブルを決定する方法を規定する。cabac_init_flagが存在しない場合、
0に等しいと推測される。
【0663】
1に等しいslice_collocated_from_l0_flagは、時間的
動きベクトル予測に使用される同一位置に配置されたピクチャが参照ピクチャリスト0か
ら導出されることを規定する。0に等しいslice_collocated_from
_l0_flagは、時間的動きベクトル予測に使用される同一位置に配置されたピクチ
ャが参照ピクチャリスト1から導出されることを規定する。
slice_typeがBまたはPであり、ph_temporal_mvp_ena
bled_flagが1に等しく、slice_collocated_from_l0
_flagが存在しない場合、以下が適用される。
-rpl_info_in_ph_flagが1に等しい場合は、slice_co
llocated_from_l0_flagはph_collocated_from
_l0_flagに等しいと推論される。
-そうでない場合(rpl_info_in_ph_flagが0に等しく、sli
ce_typeがPに等しい場合、slice_collocated_from_l0
_flagの値は1に等しいと推論される)。
【0664】
slice_collocated_ref_idx、時間的動きベクトル予測に使用
される同一位置に配置されたピクチャの参照インデックスを規定する。
slice_typeがPであるか、またはslice_typeがBに等しく、co
llocated_from_l0_flagが1に等しい場合は、slice_col
located_ref_idxは、参照ピクチャリスト0のエントリを参照するsli
ce_collocated_ref_idxの数値は、0からNumRefIdxAc
tive[0]-1の範囲内にあるものとする。
slice_typeがBに等しく、slice_collocated_from_
l0_flagが0に等しい場合、slice_collocated_ref_idx
の値は、参照ピクチャリスト1のエントリを参照し、slice_collocated
_ref_idxは、0からNumRefIdxActive[1]-1の範囲内にある
ものとする。
slice_collocated_ref_idxが存在しない場合、以下が適用さ
れる。
-rpl_info_in_ph_flagが1に等しい場合は、slice_co
llocated_ref_idxの値はph_collocated_ref_idx
に等しいと推論される。
-そうでない場合(rpl_info_in_ph_flagが0に等しい)、sl
ice_collocated_ref_idxの値は0に等しいと推論される。
slice_collocated_ref_idxが参照するピクチャは、コーディン
グされたピクチャのすべてのスライスで同じであるものとすることが、ビットストリーム
適合性の要件である。
slice_collocated_ref_idxで参照される参照ピクチャのpi
c_width_in_luma_samplesとpic_height_in_lu
ma_samplesの値が、それぞれ現在のピクチャのpic_width_in_l
uma_samplesとpic_height_in_luma_samplesと同
じであるものとし、RprConstraintsActive[slice_coll
ocated_from_l0_flag? 0:1][slice_collocated_ref_idx]は0に等しいものとすることが、ビットストリーム適合性の要件である。
【0665】
slice_qp_deltaは、スライスにおけるコーディングブロックに使用され
るQpの最初の値を、コーディングユニットレイヤにおけるCuQpDeltaVal
の値で修正されるまで規定する。
qp_delta_info_in_ph_flagが0に等しい場合、スライスのQ
量子化パラメータSliceQpの初期値は、以下のように導出される。
SliceQp=26+init_qp_minus26+slice_qp_
delta (144)
SliceQpの値は、-QpBdOffset~63の範囲内である。
以下の条件のいずれかが真であるとき、
-wp_info_in_ph_flagの値は1に等しく、pps_weight
ed_pred_flagは1に等しく、slice_typeはPである。
-wp_info_in_ph_flagの値は1に等しく、pps_weight
ed_bipred_flagは1に等しく、slice_typeはBである。
以下が適用される
-NumRefIdxActive[0]の値は、NumWeightsL0の値以
下であるものとする。
-0~NumRefIdxActive[0]-1の範囲内にあるiの各参照ピクチ
ャインデックスRefPicList[0][i]について、参照ピクチャインデックス
に適用される輝度重み、Cb重み、およびCr重みは、それぞれ、LumaWeight
L0[i]、ChromaWeightL0[0][i]、およびChromaWeig
htL0[1][i]に適用される。
wp_info_in_ph_flagが1に等しく、pps_weighted_b
ipred_flagが1に等しく、slice_typeがBに等しい場合、以下が適
用される。
-NumRefIdxActive[1]の値は、NumWeightsL1の値以
下であるものとする。
-0~NumRefIdxActive[1]-1の範囲内にあるiの各参照ピクチ
ャインデックスRefPicList[1][i]について、参照ピクチャインデックス
に適用される輝度重み、Cb重み、およびCr重みは、それぞれ、LumaWeight
L1[i]、ChromaWeightL1[0][i]、およびChromaWeig
htL1[1][i]に適用される。
【0666】
slice_cb_qp_offset Qp’cb量子化パラメータの値を決定する
ときに、pps_cb_qp_offsetの値に加える差分を規定する。slice_
cb_qp_offsetの値は、-12以上+12以下とする。slice_cb_q
p_offsetが存在しない場合、これは0に等しいと推測される。pps_cb_q
p_offset+slice_cb_qp_offsetの値は、-12~+12の範
囲内となる。
【0667】
slice_cr_qp_offset Qp’cr量子化パラメータの値を決定する
ときに、pps_cr_qp_offsetの値に加える差分を規定する。slice_
cr_qp_offsetの値は、-12以上+12以下とする。slice_cr_q
p_offsetが存在しない場合、これは0に等しいと推測される。pps_cr_q
p_offset+slice_cr_qp_offsetの値は、-12~+12の範
囲内となる。
【0668】
slice_joint_cbcr_qp_offset Qp’CbCrの値を決定
するときに、pps_joint_cbcr_qp_offsetの値に加える差分を規
定する。slice_joint_cbcr_qp_offsetの値は、-12以上+
12以下とする。slice_joint_cbcr_qp_offsetが存在しない
場合、これは0に等しいと推測される。pps_joint_cbcr_qp_offs
et_value+slice_joint_cbcr_qp_offsetの値は、-
12以上+12以下とする。
【0669】
1に等しいcu_chroma_qp_offset_enabled_flagは、
cu_chroma_qp_offset_flagが変換ユニットおよびパレットコー
ディングする構文に存在し得ることを規定する。0に等しいcu_chroma_qp_
offset_enabled_flagは、cu_chroma_qp_offset
_flagが変換ユニットまたはパレットコーディングする構文に存在しないことを規定
する。存在しない場合、cu_chroma_qp_offset_enabled_f
lagの値は0に等しいと推測される。
【0670】
1に等しいslice_sao_luma_flagは、現在のスライスにおける輝度
成分に対してSAOが有効化されることを規定する。0に等しいslice_sao_l
uma_flagは、現在のスライスにおける輝度成分に対してSAOが無効化されるこ
とを規定する。slice_sao_luma_flagが存在しない場合、ph_sa
o_luma_enabled_flagに等しいと推論される。
【0671】
1に等しいslice_sao_chroma_flagは、現在のスライスにおける
クロマ成分に対してSAOが有効化されることを規定する。0に等しいslice_sa
o_chroma_flagは、現在のスライスにおけるクロマ成分に対してSAOが無
効化されることを規定する。slice_sao_chroma_flagが存在しない
場合、ph_sao_chroma_enabled_flagに等しいと推論される。
【0672】
1に等しいslice_deblocking_filter_override_f
lagは、スライスヘッダにデブロッキングパラメータが存在することを規定する。0に
等しいslice_deblocking_filter_override_flag
は、デブロッキングパラメータがスライスヘッダに存在しないことを規定する。存在しな
い場合、slice_deblocking_filter_override_fla
gの値はph_deblocking_filter_override_flagに等
しいと推論される。
【0673】
1に等しいslice_deblocking_filter_disabled_f
lagは、現在のスライスに対してデブロッキングフィルタの演算が適用されないことを
規定する。0に等しいslice_deblocking_filter_disabl
ed_flagは、現在のスライスに対してデブロッキングフィルタの演算が適用される
ことを規定する。slice_deblocking_filter_disabled
_flagが存在しない場合、ph_deblocking_filter_disab
led_flagに等しいと推論される。
【0674】
slice_beta_offset_div2およびslice_tc_offse
t_div2は、現在のスライスの輝度成分に適用されるβおよびtCのデブロッキング
パラメータオフセット(2で除算)を規定する。slice_cr_beta_offs
et_div2およびslice_tc_offset_div2の値は、いずれも-1
2~12の範囲内にあるものとする。存在しない場合、slice_beta_offs
et_div2およびslice_tc_offset_div2の値は、それぞれph
_beta_offset_div2およびph_tc_offset_div2に等し
いと推論される。
【0675】
slice_cb_beta_offset_div2およびslice_cb_tc
_offset_div2は、現在のスライスのCb成分に適用されるβおよびtCのデ
ブロッキングパラメータオフセット(2で除算)を規定する。slice_cb_bet
a_offset_div2およびslice_cb_tc_offset_div2の
値は、いずれも-12~12の範囲内にあるものとする。存在しない場合、slice_
cb_beta_offset_div2およびslice_cb_tc_offset
_div2の値は、それぞれph_cb_beta_offset_div2およびph
_cb_tc_offset_div2に等しいと推論される。
【0676】
slice_cb_beta_offset_div2およびslice_cb_tc
_offset_div2は、現在のスライスのCr成分に適用されるβおよびtCのデ
ブロッキングパラメータオフセット(2で除算)を規定する。slice_cr_bet
a_offset_div2およびslice_cr_tc_offset_div2の
値は、いずれも-12~12の範囲内にあるものとする。存在しない場合、slice_
cr_beta_offset_div2およびslice_cr_tc_offset
_div2の値は、それぞれph_cr_beta_offset_div2およびph
_cr_tc_offset_div2に等しいと推論される。
【0677】
1に等しいslice_ts_residual_coding_disabled_
flagは、residual_coding()構文構造を使用して、現在のスライス
のための変換スキップブロックの残差サンプルを構文解析することを規定する。0に等し
いslice_ts_residual_coding_disabled_flagは
、residual_ts_coding()構文構造を使用して、現在のスライスのた
めの変換スキップブロックの残差サンプルを構文解析することを規定する。slice_
ts_residual_coding_disabled_flaggが存在しない場
合、これは0に等しいと推論される。
【0678】
1に等しいslice_lmcs_enabled_flagは、現在のスライスに対
して、クロマスケーリングを伴う輝度マップピングを有効にすることを規定する。0に等
しいslice_lmcs_enabled_flagは、現在のスライスに対して、ク
ロマスケーリングを伴う輝度マッピングが有効でないことを規定する。slice_lm
cs_enabled_flagが存在しない場合、0に等しいと推論される。
【0679】
1に等しいslice_scaling_list_present_flagは、S
CALING_APSに等しいaps_params_typeとph_scaling
_list_aps_idに等しいadaptation_parameter_set
_idを有する参照スケーリングリストAPSに含まれるスケーリングリストデータに基
づいて、現在のスライスに使用されるスケーリングリストデータを導出することを規定す
る。0に等しいslice_scaling_list_present_flagは、
現在のピクチャに対して使用したスケーリングリストデータが、7.4.3.21項に規
定された、導出されたデフォルトのスケーリングリストデータであることを規定する。存
在しない場合、slice_scaling_list_present_flagの値
は0と推測される。
現在のスライスにおけるエントリ点の数を規定する変数NumEntryPoints
は、以下のように導出される。
【0680】
NumEntryPoints=0
for(i=1;i<NumCtusInCurrSlice;i++){
ctbAddrX=CtbAddrInCurrSlice[i]%PicWidth
InCtbsY
ctbAddrY=CtbAddrInCurrSlice[i]/PicWidth
InCtbsY (145)
prevCtbAddrX=CtbAddrInCurrSlice[i-1]%Pi
cWidthInCtbsY
prevCtbAddrY=CtbAddrInCurrSlice[i-1]/Pi
cWidthInCtbsY
if(CtbToTileRowBd[ctbAddrY]!=CtbToTileR
owBd[prevCtbAddrY]||
CtbToTileColBd[ctbAddrX]!=CtbToTileCo
lBd[prevCtbAddrX]||
(ctbAddrY!=prevCtbAddrY&&sps_entry_po
int_offsets_present_flag))
NumEntryPoints++
【0681】
offset_len_minus1+1は、entry_point_offset
_minus1[i]構文要素の長さをビット単位で規定する。offset_len_
minus1の値は、0~31の範囲内にあるものとする。
【0682】
entry_point_offset_minus1[i]+1は、i番目のエント
リポイントのオフセットをバイトで規定し、offset_len_minus1プラス
1ビットで表現される。スライスヘッダの後に続くスライスデータは、NumEntry
Points+1個のサブセットで構成され、サブセットインデックス値は0からNum
EntryPointsまでの範囲内にある。スライスデータの第1バイトをバイト0と
する。存在する場合、コーディングされたスライスNALユニットのスライスデータ部分
に現れるエミュレーション防止バイトは、サブセット特定のために、スライスデータの一
部としてカウントされる。サブセット0は、コーディングされたスライスデータ、サブセ
ットkのバイト0からentry_point_offset_minus1[0]まで
で構成され、1からNumEntryPoints-1の範囲内にあるkは、コーディン
グされたスライスデータのバイト、firstByte[k]からlastByte[k
]までで構成され、firstByte[k]とlastByte[k]は次のように定
義する。
【0683】
【数1】
【0684】
最後のサブセット(サブセットインデックスがNumEntryPointsに等しい
)は、コーディングされたスライスデータの残りのバイトで構成される。
sps_entropy_coding_sync_enabled_flagが0に
等しく、スライスが1つ以上の完全なタイルを含む場合、各サブセットは、同じタイル内
にあるスライス内のすべてのCTUのすべてのコーディングされたビットからなるものと
し、サブセットの数(即ち、NumEntryPointsの値+1)は、スライス内の
タイルの数と等しいものとする。
sps_entropy_coding_sync_enabled_flagが0に
等しく、且つスライスが単一のタイルからのCTU行のサブセットを含む場合、NumE
ntryPointsは0に等しく、且つサブセットの数は1に等しいものとする。サブ
セットは、スライスにおけるすべてのCTUのすべてのコーディングされたビットで構成
されるものとする。
sps_entropy_coding_sync_enabled_flagが1に
等しい場合は、kが0からNumEntryPointsまでの範囲内にある各サブセッ
トは、1つのタイル内のCTU行におけるすべてのCTUのコーディングされたビットか
ら構成されるものとし、サブセットの数(すなわち、NumEntryPoints+1
の値)は、スライスにおけるタイル固有のCTU行の総数に等しいものとする。
【0685】
slice_header_extension_lengthは、スライスヘッダの
拡張データの長さをバイトで規定する。slice_header_extension
_length自体の信号通知に使用されるビットは含まない。slice_heade
r_extension_lengthの値は、0から256までの範囲内にあるべきで
ある。存在しない場合、slice_header_extension_length
の値は0に等しいと推測される。
【0686】
slice_header_extension_data_byte[i]は、任意
の値を有していてもよい。本明細書バージョンに準拠するデコーダは、すべてのslic
e_header_extension_data_byte[i]構文要素の値を無視
しなければならない。その値は、本明細書のバージョンで特定された特徴に対するデコー
ダの適合性に影響を与えない。
【0687】
開示される技術的解決策によって対処する例示的な技術的問題
【0688】
現在のHLSの設計には、いくつかの潜在的な問題があり、それらについて以下に説明
する。
【0689】
(1) SPS、ピクチャヘッダ、およびスライスヘッダにおける時間的予測フラグの
制御は、Pスライスおよび/またはBスライスの問題を引き起こす。
a) 時間的予測フラグのピクチャヘッダおよびスライスレベル制御は、Pスライス
のために、初期化されていない同一位置に配置されたピクチャおよび/または同一位置に
配置された参照インデックスをもたらすことができる。
b) 参照ピクチャリスト1におけるエントリを参照するSlice_colloc
ated_ref_idxは、Pスライスのために使用してもよい。
c) Pスライスの場合、slice_collocated_ref_idxの値
は、参照ピクチャリスト0における1つのエントリがoからNumRefIdxActi
ve[0]-1の範囲を超えてもよいことを参照する。
d) ピクチャレベルおよびスライスレベル時間的予測フラグは、同一位置に配置さ
れたピクチャがL0からのものであるかどうかまたはL1からのものであるか、且つどの
参照ピクチャが参照しているかどうかに関するものであるが、時間的予測が許可されるか
等の高レベル制御が行われておらず、十分に明瞭ではない場合がある。
【0690】
(2) 関連する構文要素の相互作用を考慮してより正確な解釈をするために、サブピ
クチャ関連構文要素の意味論を修正する必要がある場合がある。
a) sps_independent_subpics_flagは、1つのサブ
ピクチャのみが存在する場合、0に等しくてもよい。
b) サブピクチャ内に1つのスライスしかない場合、slice_width_i
n_tiles_minus1の値は、推論ではなく計算する必要がある。
c) ピクチャ内に1つのスライスおよび/または1つのタイルしかない場合、si
ngle_slice_per_subpic_flagは0に等しくてもよい。
d) no_pic_partition_flagが1に等しい場合など、存在し
ない場合、single_slice_per_subpic_flagは0に等しいと
推論される。sps_num_subpics_minus1+1の値が1よりも大きい
場合、no_pic_partition_flagの値が1でないものとすることが、
ビットストリーム適合性の要件である。そのため、1つのピクチャには1つのサブピクチ
ャしかない。そして、サブピクチャには1つのスライスしかないので、single_s
lice_per_subpic_flagは1に等しいべきである。
【0691】
(3) サブピクチャサブビットストリーム抽出処理において、構文要素の一部が正し
く設定されていない場合がある。
a) サブビットストリーム抽出処理から抽出されたサブピクチャに対するsps_
independent_subpics_flag、subpic_treated_
as_pic_flag、loop_filter_across_subpic_en
abled_flag、no_pic_partition_flagなどの構文要素は
書かれておらず、好ましくない場合もある。
b) サブピクチャサブビットストリーム抽出処理は、サブピクチャIDに依存し、
サブピクチャIDはピクチャごとに変更されてもよい。その結果、異なるピクチャから異
なるサブピクチャインデックスを抽出することになり、望ましくない場合がある。
c) サブピクチャサブビットストリーム抽出処理における出力バイストリームのs
ps_num_subpics_minus1、pps_num_subpics_mi
nus1に1を書き込むことにより、2つのサブピクチャを一度に抽出するべきであるこ
とを示し、望ましくない場合がある。
【0692】
(4) 参照ピクチャリストにおける構文要素は、何ら使用されずにIDRピクチャに
存在してもよい。
【0693】
(5) この分割情報は、予測ツリーの輝度およびクロマについて同一であると言われ
るが、真ではない。
【0694】
(6) コーディングツールの構文要素は、対応する一般制約フラグによって条件付け
られたり制約されたりせず、また、いくつかの一般制約フラグの値は、関連する制約によ
って条件付けられたりせず、いくつかの競合を引き起こす可能性がある。
a) res_change_in_clvs_allowed_flagは、一般
的な制約フラグno_res_change_in_clvs_constraint_
flagの値によって制約されない。
b) window_explicit_signalling_flagは、no
_res_change_in_clvs_constraint_flagによって制
約されない。
c) window_explicit_signalling_flagは、re
s_change_in_clvs_allowed_flagによって制約されない。
d) sps_num_subpics_minus1の値は、one_subpi
c_per_pic_constraint_flagによって制約されない。
e) subpic_treated_as_pic_flagは、one_sub
pic_per_pic_constraint_flagおよび/またはsps_nu
m_subpics_minus1および/またはpps_num_subpics_m
inus1に制約されない。
f) loop_filter_across_subpic_enabled_f
lagは、one_subpic_per_pic_constraint_flagお
よび/またはsps_num_subpics_minus1および/またはpps_n
um_subpics_minus1に制約されることはない。
g) one_subpic_per_pic_constraint_flagは
、one_slice_per_pic_constraint_flagによって制約
されることはない。
h) no_bdpcm_constraint_flagは、no_transf
orm_skip_constraint_flagによって制約されることはない。
i) num_slices_in_pic_minus1は、one_slice
_per_pic_constraint_flagによって制約されることはない。
j) num_tiles_in_slice_minus1は、one_slic
e_per_pic_constraint_flagによって制約されることはない。
【0695】
例示的な技術および実施形態
【0696】
【化1】
【0697】
時間的予測関連HLS
【0698】
1. TMVPの2つのレベル制御を利用することができ、一方はピクチャレベルにあ
り、他方はスライス/タイル/サブピクチャ/ブリックレベルにある。
a)一例において、このフラグを参照する少なくとも1つのインターコーディングさ
れたスライスが存在するかどうかを示す第1の構文要素は、TMVPを有効化し、ピクチ
ャレベル(例えば、ph_temporal_mvp_allowed_flagによっ
て表される)で信号通知してもよい。
i. 一例において、それは、ピクチャヘッダまたはPPSにおいて信号通知され
てもよい。
ii. 一例において、SPSにおいてTMVPが有効化されること、および/ま
たは現在のピクチャが少なくとも1つのインターコーディングされたスライスを含むこと
、および/またはRPLが現在のピクチャヘッダに存在すること、等の条件付きで信号通
知されてもよい。
b) 一例において、現在のスライスがTMVPを有効化するかどうかを示す第2の
構文要素は、第1の構文要素に依存し得るスライスレベル(例えば、sh_tempor
al_mvp_allowed_flagと表される)で信号通知されてもよい。
i. 一例において、sh_temporal_mvp_allowed_fla
gは、ph_temporal_mvp_allowed_flagが1に等しい場合に
のみ信号通知されてもよい。そうでない場合、0に等しいと推論される。
ii. 一例において、sh_temporal_mvp_allowed_fl
agは、ph_temporal_mvp_allowed_flagが0に等しい場合
にのみ信号通知されてもよい。そうでない場合、1に等しいと推論される。
c)一例において、現在のスライスがTMVPを有効化するかどうかを示す第2の構
文要素は、スライスレベルで信号通知されてもよく(例えば、sh_temporal_
mvp_allowed_flagで示される)、これは、現在のスライスヘッダにRP
Lが存在すること、および/またはSPSでTMVPが有効化されていること、および/
または現在のスライスがインターコーディングされたスライスであること、に依存し得る
ものである。
d)一例において、TMVP情報がピクチャヘッダまたはスライスヘッダにおいて信
号通知されるかどうかを示すために、第3の構文要素(例えば、tmvp_info_i
n_ph_flag)が信号通知される。
i. TMVP情報は、TMVPを有効化されるかどうかの情報を含んでもよい。
ii. TMVP情報は、同一位置に配置された参照ピクチャの情報を含んでもよ
い。
iii. 一例において、tmvp_info_in_ph_flagは、TMV
Pがシーケンスレベルで有効化されている場合にのみ信号通知される。(例えば、sps
_temporal_mvp_enabled_flagは1に等しい)。
e) 一例において、第2の構文要素が存在しない場合、この第2の構文要素はデフ
ォルト値(例えば、第1の構文要素の値)に等しいと推論される。例えば、sh_tem
poral_mvp_allowed_flagは、存在しない場合、ph_tempo
ral_mvp_allowed_flagに等しいと推論される。
【0699】
2. PHからSHへの同一位置に配置されたピクチャ情報(例えば、同一位置に配置
されたピクチャはリスト0からのものであり、同一位置に配置されたピクチャの参照ピク
チャインデックス)を継承するかどうかおよび/またはどのように継承するかは、スライ
スタイプおよび参照ピクチャリスト情報がPH構文構造に存在するかどうか(例えば、r
pl_info_in_ph_flag=1)に少なくとも依存する。
a)一例において、slice_typeがPに等しい場合、rpl_info_i
n_ph_flagが1に等しい(および/またはph_temporal_mvp_e
nabled_flagが1に等しい)場合、slice_collocated_fr
om_l0_flagは、ph_collocated_from_l0_flagの値
に関わらず1に等しく設定される。
i. あるいは、slice_typeがPに等しい場合、slice_coll
ocated_from_l0_flagは、他の条件に関わらず、1に等しいと推論し
てもよい。
b)別の例では、slice_typeがBに等しく、slice_colloca
ted_from_l0_flagが1に等しい場合は、slice_collocat
ed_ref_idxの値は、参照ピクチャリスト0のエントリを参照するslice_
collocated_ref_idxは、0からNumRefIdxActive[0
]-1の範囲内にあるものとする。
c)一例において、slice_typeがPに等しい場合、TMVPが有効化され
ているとき、slice_collocated_from_l0_flagは1に等し
いと推論されてもよい。
d)一例において、slice_typeがPに等しく、TMVPが有効化されてお
り、かつslice_collocated_ref_idxが0~NumRefIdx
Active[0]-1の範囲内にある場合、以下である。
e)一例において、slice_typeがPに等しく、TMVPが有効化されてい
る場合、Pスライスに対するRprConstraintsActive[0][<sl
ice_collocated_ref_idx]は0に等しいことが要求される場合も
ある。
f)一例において、以下の例示的な修正を導入することができる。
slice_collocated_ref_idx、時間的動きベクトル予測に使用さ
れる同一位置に配置されたピクチャの参照インデックスを規定する。
【0700】
【化2】
【0701】
slice_typeがBに等しく、slice_collocated_from_
l0_flagが0に等しい場合、slice_collocated_ref_idx
の値は、参照ピクチャリスト1のエントリを参照し、slice_collocated
_ref_idxは、0からNumRefIdxActive[1]-1の範囲内にある
ものとする。
slice_collocated_ref_idxが存在しない場合、以下が適用さ
れる。
-rpl_info_in_ph_flagが1に等しい場合は、slice_col
located_ref_idxの値はph_collocated_ref_idxに
等しいと推論される。
-そうでない場合(rpl_info_in_ph_flagが0に等しい)、sli
ce_collocated_ref_idxの値は0に等しいと推論される。
slice_collocated_ref_idxが参照するピクチャは、コーディ
ングされたピクチャのすべてのスライスで同じであるものとすることが、ビットストリー
ム適合性の要件である。
slice_collocated_ref_idxで参照される参照ピクチャのpi
c_width_in_luma_samplesとpic_height_in_lu
ma_samplesの値が、それぞれ現在のピクチャのpic_width_in_l
uma_samplesとpic_height_in_luma_samplesと同
じであるものとし、RprConstraintsActive[slice_coll
ocated_from_l0_flag?0:1][slice_collocate
d_ref_idx]は0に等しいものとすることが、ビットストリーム適合性の要件で
ある。
g)一例において、ph_collocated_from_l0_flagが0に
等しい場合、ピクチャはPスライスを含まないことが要求されてもよい。
i. 一例において、以下の例示的な修正を導入することができる。
slice_typeは、表9に従って、スライスのコーディングするタイプを規定する
【0702】
【表37】
【0703】
存在しない場合、slice_typeの値は2に等しいと推測される。
ph_intra_slice_allowed_flagが0に等しい場合、sli
ce_typeの値は0または1に等しいものとする。nal_unit_typeがI
DR_W_RADL~CRA_NUTの範囲内にあり、かつvps_independe
nt_layer_flag[GeneralLayerIdx[nuh_layer_
id]]が1に等しい場合は、slice_typeは2に等しいものとする。
【0704】
【化3】
【0705】
ii. あるいは、スライスタイプを信号通知するかどうかは、同一位置に配置さ
れたピクチャがリスト0からのものであるかどうかに依存してもよい。
1. 一例において、以下の条件のすべてが真である場合、現在のピクチャヘッ
ダを参照するスライスタイプの信号通知はスキップされてもよい。
-rpl_info_in_ph_flagは1に等しい。
-ph_temporal_mvp_enabled_flagは1に等しい。
-ph_intra_slice_allowed_flagは0に等しい。
-ph_collocated_from_l0_flagは0に等しい。
あるいは、さらに、スライスタイプをBスライスと推論してもよい。
h)一例において、ph_temporal_mvp_enabled_flagの
値が1に等しく、rpl_info_in_ph_flagが1に等しい場合は、Pスラ
イスのslice_collocated_from_l0_flagの値は常に1に等
しいと推論してもよい。以下の例示的な修正形態を導入することができる。
1に等しいslice_collocated_from_l0_flagは、時間的
動きベクトル予測に使用される同一位置に配置されたピクチャが参照ピクチャリスト0か
ら導出されることを規定する。0に等しいslice_collocated_from
_l0_flagは、時間的動きベクトル予測に使用される同一位置に配置されたピクチ
ャが参照ピクチャリスト1から導出されることを規定する。
[[slice_typeがBまたはPに等しく、ph_temporal_mvp_e
nabled_flagが1に等しく、かつslice_collocated_fro
m_l0_flagが存在しない場合、以下が適用される。
-rpl_info_in_ph_flagが1に等しい場合は、slice_col
located_from_l0_flagはph_collocated_from_
l0_flagに等しいと推論される。
-そうでない場合(rpl_info_in_ph_flagが0に等しく、slic
e_typeがPに等しい場合)、slice_collocated_from_l0
_flagの値は1に等しいと推論される。]]
【0706】
【化4】
【0707】
i)一例において、slice_typeがPに等しく、slice_colloc
ated_from_l0_flagが0に等しい場合、slice_collocat
ed_ref_idxは、参照ピクチャリスト1の非アクティブエントリを参照するとい
えるとともに、参照ピクチャリスト1のその非アクティブエントリによって参照される参
照ピクチャは、参照ピクチャリスト0のアクティブなエントリによって参照されてもよい
ものとすることが要求される。以下の例示的な修正形態を導入することができる。
【0708】
【化5】
【0709】
slice_collocated_ref_idxが存在しない場合、以下が適用さ
れる。
-rpl_info_in_ph_flagが1に等しい場合は、slice_co
llocated_ref_idxの値はph_collocated_ref_idx
に等しいと推論される。
-そうでない場合(rpl_info_in_ph_flagが0に等しい)、sl
ice_collocated_ref_idxの値は0に等しいと推論される。
slice_collocated_ref_idxが参照するピクチャは、コーディ
ングされたピクチャのすべてのスライスで同じであるものとすることが、ビットストリー
ム適合性の要件である。
slice_collocated_ref_idxで参照される参照ピクチャのpi
c_width_in_luma_samplesとpic_height_in_lu
ma_samplesの値が、それぞれ現在のピクチャのpic_width_in_l
uma_samplesとpic_height_in_luma_samplesと同
じであるものとし、RprConstraintsActive[slice_coll
ocated_from_l0_flag?0:1][slice_collocated_ref_idx]は0に等しいものとすることが、ビットストリーム適合性の要件である。
【0710】
j)あるいは、同じピクチャヘッダを参照するBスライスとPスライスとは、異なる
同一位置に配置されたピクチャを使用してもよい。
i.一例において、RPLがピクチャヘッダにおいて信号通知されても、同一位置
に配置されたピクチャの参照ピクチャインデックスは、スライスヘッダにおいてさらに信
号通知されてもよい。
1.一例において、現在のスライスがPスライスに等しい場合、RPLがピクチ
ャヘッダにおいて信号通知され、時間的動きベクトル予測(例えば、ph_tempor
al_mvp_enabled_flagがtrueである)が有効化され、ph_co
llocated_from_l0_flagが0に等しい場合、同一位置に配置された
ピクチャの参照ピクチャインデックスがさらに信号通知されてもよい。
a)あるいは、参照ピクチャリスト0をさらに指している。
ii.一例において、2つの同一位置に配置された参照ピクチャインデックスを信
号通知または導出することができ、1つはBスライス用であり、他方はPスライス用であ
り、同じピクチャヘッダを参照する。
1. 一例において、2つのインデックスは、ph_collocated_
from_l0_flagが0に等しい場合にのみ信号通知されてもよい。
k)一例において、同じピクチャヘッダを参照するBスライスおよびPスライスの両
方が存在するかどうかの指示を信号通知することができる。
i. あるいは、同じピクチャヘッダを参照するスライスのタイプの指示をピクチ
ャヘッダに信号通知してもよい。
ii. あるいは、同じピクチャヘッダを参照するBスライス(Pスライスを除く
)のみが存在するかどうかの指示を信号通知してもよい。
iii. あるいは、同じピクチャヘッダを参照するPスライス(Bスライスを除
く)のみが存在するかどうかの指示を信号通知してもよい。
iv. あるいは、同じピクチャヘッダを参照するBスライスおよびIスライスの
みが存在するかどうかの指示を信号通知してもよい。
v. あるいは、同じピクチャヘッダを参照するPスライスおよびIスライスのみ
が存在するかどうかの指示を信号通知してもよい。
vi. あるいは、同じピクチャヘッダを参照するスライスのタイプの指示は、ピ
クチャヘッダにおいてRPLが信号通知される場合にのみ、ピクチャヘッダに信号通知さ
れてもよい。
vii. あるいは、RPLは、同じピクチャヘッダを参照するスライスのタイプ
の指示がピクチャヘッダにおいて信号通知される場合にのみ、ピクチャヘッダにおいて信
号通知される。
l)あるいは、slice_typeがPに等しく、slice_collocat
ed_from_l0_flagが0に等しい場合、slice_collocated
_ref_idxは使用前に修正されてもよく、0からNumRefIdxActive
[0]-1の範囲内にあるインデックスにマッピングされている。
i. 一例において、slice_typeがPであり、slice_collo
cated_from_l0_flagが0に等しい場合、slice_colloca
ted_ref_idxは参照ピクチャリスト0内のエントリを指し、slice_co
llocated_ref_idxは(slice_collocated_ref_i
dx>(NumRefIdxActive[0]-1)?default_col_re
f_idx:slice_collocated_ref_idx)に設定され、変数d
efault_col_ref_idxは0からNumRefIdxActive[0]
-1の範囲内である。
1.一例において、変数default_col_ref_idxは、0に設定
される。
2.一例において、この変数は、信号通知されてもよい。
m)適合ビットストリームにおいて、1つのピクチャヘッダに関連付けられた2つの
スライスは、Pスライスであり、他方はBスライスであることは許可されなくてもよい。
n)適合ビットストリームにおいて、RPLが信号通知される1つのピクチャヘッダ
に関連付けられた2つのスライスは、Pスライスであり、他方はBスライスであることは
許可されなくてもよい。
o)適合ビットストリームにおいて、RPLが2つの参照ピクチャリストで信号通知
される1つのピクチャヘッダに関連付けられたスライスではなく、このスライスがPスラ
イスであることが許可されなくてもよい。
【0711】
サブピクチャ関連HLS
【0712】
3.CLVSにおける各ピクチャのサブピクチャの数(例えば、sps_num_su
bpics_minus1および/またはpps_num_subpics_minus
1)は、one_subpic_per_pic_constraint_flagのよ
うな一般的な制約フラグによって条件づけられてもよい。
a)一例において、one_subpic_per_pic_constraint
_flag等の一般的な制約フラグが1に等しい場合は、sps_num_subpic
s_minus1および/またはpps_num_subpics_minus1の値は
、0に等しいことが要求されてもよい。
【0713】
【化6】
【0714】
4. 「イントラ予測なし、インター予測なし、およびCLVSにおける任意のサブピ
クチャの境界にわたって行われるインループフィルタリング動作なし」を規定する構文要
素(例えば、sps_independent_subpics_flag)が信号通知
されるかどうかは、CLVSにおける各ピクチャのサブピクチャの数に依存してもよい(
例えば、sps_num_subpics_minus1)。
a)一例において、CLVSにおける各ピクチャ内に1つのサブピクチャしかない場
合、構文要素sps_independent_subpics_flagは、信号通知
されず、1に等しいと推論されてもよい。
【0715】
【化7】
【0716】
5.subpic_treated_as_pic_flagの値は、ピクチャ内に1
つのサブピクチャしか存在しないかどうかに依存してもよい。
a)一例において、one_subpic_per_pic_constraint
_flagが1に等しい場合は、subpic_treated_as_pic_fla
gの値は、1に等しいことが要求されても、あるいは、1に等しいと推論されてもよい。
b)一例において、sps_num_subpics_minus1が0に等しい場
合、subpic_treated_as_pic_flagの値は1に等しいことが要
求されても、または1に等しいと推論されてもよい。
c)一例において、pps_num_subpics_minus1が0に等しい場
合、subpic_treated_as_pic_flagの値は1に等しいことが要
求されてもよい。
【0717】
6.loop_filter_across_subpic_enabled_fla
gの値は、ピクチャ内に1つのサブピクチャしか存在しないかどうかに依存してもよい。
a)一例において、one_subpic_per_pic_constraint
_flagが1に等しい場合は、loop_filter_across_subpic
_enabled_flagの値は0に等しいことが要求されても、または、0に等しい
と推論されてもよい。
b)一例において、sps_num_subpics_minus1が0に等しい場
合、loop_filter_across_subpic_enabled_flag
の値は0に等しいことが要求されても、または0に等しいと推論されてもよい。
c)一例において、pps_num_subpics_minus1が0に等しい場
合、loop_filter_across_subpic_enabled_flag
の値は0に等しいことが要求されてもよい。
【0718】
7.i番目の矩形スライスのタイル列単位の幅(例えば、slice_width_i
n_tiles_minus1)を規定するかどうかは、single_slice_p
er_subpic_flagに依存してもよい。
a)一例において、slice_width_in_tiles_minus1が存
在しないが、single_slice_per_subpic_flagが1に等しい
場合は、slice_width_in_tiles_minus1の値は設定されなく
てもよい。
【0719】
【化8】
【0720】
8.各サブピクチャが唯一の矩形スライス(例えば、single_slice_pe
r_subpic_flag)で構成されるかどうかは、one_slice_per_
pic_constraint_flagのような一般的な制約フラグによって条件を付
けられてもよい。
a)別の例において、構文要素single_slice_per_subpic_
flagが存在しない場合、single_slice_per_subpic_fla
gの値は1に等しいと推論されてもよい。
b)別の例において、構文要素single_slice_per_subpic_
flagが存在しない場合、single_slice_per_subpic_fla
gの値は、現在のピクチャが分割されているかどうか(例えば、no_pic_part
ition_flag)に従って推論されてもよい。
c)一例において、以下の例示的な修正を導入することができる。
1に等しいsingle_slice_per_subpic_flagは、各サブピク
チャが1つの唯一の矩形スライスで構成されることを規定する。0に等しいsingle
_slice_per_subpic_flagは、各サブピクチャが1つ以上の矩形ス
ライスで構成され得ることを規定する。single_slice_per_subpi
c_flagが1に等しい場合は、num_slices_in_pic_minus1
はsps_num_subpics_minus1に等しいと推論される。[[存在しな
い場合、single_slice_per_subpic_flagの値は0に等しい
と推論される。]]
【0721】
【化9】
【0722】
【化10】
【0723】
【化11】
【0724】
【化12】
【0725】
9.一例において、サブピクチャサブビットストリーム抽出中の出力サブビットストリ
ームの導出に関して、CLVSにおける異なるピクチャにまたがる抽出されたサブピクチ
ャは、同じサブピクチャインデックスを有することが要求されてもよい。
a)例えば、抽出されたサブピクチャの対象となるサブピクチャIDは、CLVSに
おける異なるピクチャ間で同じサブピクチャインデックスを参照することができることが
要求されてもよい。
b)例えば、subpic_id_mapping_explicitly_sig
nalled_flagが1に等しい場合、そして、サブピクチャサブビットストリーム
抽出が処理されるとき、サブピクチャIDマッピングがPPSに信号通知されないことが
要求されてもよい(例えば、subpic_id_mapping_in_pps_fl
agが0に等しい)。
i.一例において、subpic_id_mapping_explicitly
_signalled_flagが1に等しい場合、そして、サブピクチャサブビットス
トリーム抽出が処理されるとき、サブピクチャIDマッピングがSPSに信号通知される
ことが要求されてもよい(例えば、subpic_id_mapping_in_sps
_flagが1に等しい)。
c)例えば、サブピクチャサブビットストリーム抽出処理においてどのサブピクチャ
を抽出するかは、サブピクチャインデックスに依存してもよい。
d)例えば、サブピクチャサブビットストリーム抽出処理においてどの構文要素を書
き換えおよび/または削除するかは、サブピクチャインデックスに依存してもよい。
e)一例において、以下の例示的な修正を導入することができる。
【0726】
C.7 サブピクチャサブビットストリーム抽出処理
【0727】
【化13】
【0728】
この処理の出力は、サブビットストリームoutBitstreamである。
入力ビットストリームに対するビットストリーム適合性の要件は、以下の条件のすべて
を満たす任意の出力サブビットストリームが適合ビットストリームであるものとする。
【0729】
【化14】
【0730】
出力サブビットストリームoutBitstreamは、以下のように導出される。
-添付C.6で規定されたブビットストリーム抽出処理は、inBitstream、
targetolsIdx、およびtIdTargetを入力として呼び出され、この処
理の出力はoutBitstreamに割り当てられる。
-サブビットストリームoutBitstreamに置換パラメータセットを提供する
ために、本明細書で規定されていない外部手段が利用可能である場合、すべてのパラメー
タセットを置換パラメータセットに置き換える。
-そうでない場合、サブピクチャレベル情報SEIメッセージがinBitstrea
mに存在するときは、以下が適用される。
【0731】
【化15】
【0732】
【化16】
【0733】
【化17】
【0734】
【化18】
【0735】
-outBitstreamが、outBitstreamに適用可能な、nesti
ng_ols_flagが1でnesting_subpic_flagが1に等しいス
ケーラブルネストSEIメッセージを含むSEI NALユニットを含むときは、pay
loadTypeが1に等しい(ピクチャタイミング)適切な非スケーラブルネストSE
Iメッセージ、または130(復号ユニット情報)をスケーラブルネストSEIメッセー
ジから抽出し、抽出されたSEIメッセージをoutBitstream内に配置する。
【0736】
10.一例において、サブピクチャサブビットストリーム抽出中の出力サブビットスト
リームの導出に関して、抽出されたサブビットストリームは、出力ビットストリームにお
ける単一のサブピクチャとして扱われてもよい。
a)一例において、構文要素sps_independent_subpics_f
lagは、抽出されたサブピクチャを有する出力サブビットストリームを参照する構文構
造の場合、1に等しくなるように書き換えられてもよい。
b)一例において、すべての出力レイヤで抽出されたサブピクチャに参照される構文
要素subpic_treated_as_pic_flagおよび/またはloop_
filter_across_subpic_enabled_flagは、出力サブビ
ットストリームの構文構造から信号通知されなくてもよい(例えば、削除されてもよい)

i.一例において、subpic_treated_as_pic_flagとい
う構文要素は、抽出されたサブピクチャを有する出力サブビットストリームに参照される
構文構造の場合、1に等しいと推論してもよい。
ii.一例において、構文要素loop_filter_across_subp
ic_enabled_flagは、抽出されたサブピクチャを有する出力サブビットス
トリームに参照される構文構造の場合、0に等しいと推論してもよい。
c)一例において、全ての参照されたSPS NALユニットにおけるsps_nu
m_subpics_minus1、および抽出されたサブピクチャを有する、全ての参
照されたPPS NALユニットにおけるpps_num_subpics_minus
1の値は、0に等しくなるように書き換えられてもよい。
d)一例において、構文要素no_pic_partition_flagは、抽出
されたサブピクチャを有する出力サブビットストリームと呼ばれる構文構造に対して書き
換えられてもよい。
i.例えば、構文要素no_pic_partition_flagを書き換える
かどうかは、抽出されたサブピクチャを含む出力ビットストリームにおけるタイル/スラ
イスの数に依存してもよい。
1.一例において、抽出されたサブピクチャにおいて1つのタイルおよび1つの
スライスのみが存在する場合、構文要素no_pic_partition_flagは
、抽出されたサブピクチャを有する出力サブビットストリームを参照する構文構造の場合
、1に等しくなるように書き換えられてもよい。
2.あるいは、抽出されたサブピクチャにおけるタイルおよび/またはスライス
の数が1よりも大きい場合、構文要素no_pic_partition_flagは、
抽出されたサブピクチャを有する出力サブビットストリームを参照する構文構造の場合、
0に等しくてもよい。
e)一例において、以下の例示的な修正を導入することができる。
【0737】
C.7 サブピクチャサブビットストリーム抽出処理
【0738】
出力サブビットストリームoutBitstreamは、以下のように導出される。
-添付C.6で規定されたブビットストリーム抽出処理は、inBitstream、
targetolsIdx、およびtIdTargetを入力として呼び出され、この処
理の出力はoutBitstreamに割り当てられる。
-サブビットストリームoutBitstreamに置換パラメータセットを提供する
ために、本明細書で規定されていない外部手段が利用可能である場合、すべてのパラメー
タセットを置換パラメータセットに置き換える。
-そうでない場合、サブピクチャレベル情報SEIメッセージがinBitstrea
mに存在するときは、以下が適用される。
-参照される全てのVPS NALユニットのprofile_tier_leve
l()構文構造リストのols_ptl_idx[targetOlsIdx]-th
エントリのgeneral_level_idcの値を、subpicIdTarget
[]の全てのエントリと等しいサブピクチャIDのサブピクチャで構成されるサブピクチ
ャのセットについて、D.3.8で導出したSubpicSetLevelIdcと等し
くなるように書き換える。
-参照される全てのVPS NALユニットのols_hrd_parameter
s()構文構造のリスト中のols_hrd_idx[targetOlsIdx]番目
のエントリにあるj番目のCPBのcpb_size_value_minus1[tI
dTarget][j]とbit_rate_value_minus1[tIdTar
get][j]の値を、subpicIdTarget[]のすべてのエントリと等しい
サブピクチャIDおよび、0からhrd_cpb_cnt_minus1の範囲内にある
jを有するサブピクチャで構成されるサブピクチャのセットについて、D.3.8で導出
したようにSubpicSetCpbSizeVcl[0]、SubpicSetCpb
SizeNal[0]、SubpicSetBitrateVcl[0]、Subpic
SetBitrateNal[0]に対応するように、書き換える。
iが0~NumLayersInOls[targetolsIdx]-1の範囲
内にあるi番目のレイヤに対して、以下が適用される。
-subpicIdはsubpicIdTarget[i]の値に等しく設定され
る。
-sps_ptl_dpb_hrd_params_present_flagが
1に等しいSPS NALユニットのprofile_tier_level()構文構
造のgeneral_level_idcの値を、サブピクチャIDがsubpicId
のサブピクチャで構成されるセットについて、D.3.8で導出したSubpicSet
LevelIdcと等しくなるように、書き換える。
-参照される全てのSPS NALユニットのols_hrd_paramete
rs()構文構造のリスト中のols_hrd_idx[targetOlsIdx]番
目のエントリにあるj番目のCPBのcpb_size_value_minus1[t
IdTarget][j]とbit_rate_value_minus1[tIdTa
rget][j]の値を、subpicIdに等しいサブピクチャIDおよび0からhr
d_cpb_cnt_minus1の範囲内にあるjを有するサブピクチャを有するサブ
ピクチャについて、D.3.8で導出したようにSubpicCpbSizeVcl[0
][SubpicIdList[subPicId]]、SubpicCpbSizeN
al[0][SubpicIdList[subPicId]]、SubpicBitr
ateVcl[0][SubpicIdList[subPicId]]、およびSub
picBitrateNal[0][SubpicIdList[subPicId]]
に対応するように、書き換える。
-参照するすべてのSPS NALユニットのpic_width_max_in
_luma_samplesとpic_height_max_in_luma_sam
plesの値と、参照するすべてのPPS NALユニットのpic_width_in
_luma_samplesとpic_width_in_luma_samplesの
値を、subpic_width_minus1[SubpicIdList[subP
icId]]およびsubpic_height_minus1[SubpicIdLi
st[subPicId]]に等しくなるように、書き換える。
-参照したすべてのSPS NALユニットのsps_num_subpics_
minus1および参照したすべてのPPS NALユニットのpps_num_sub
pics_minus1の値を1に書き換える。
-構文要素subpic_ctu_top_left_x[SubpicIdLi
st[subPicId]]、subpic_ctu_top_left_y[Subp
icIdList[subPicId]]がすべての参照するSPS NALユニットに
存在するときには、0に書き換える。
【0739】
【化19】
【0740】
-すべての参照するSPS NALユニットで、かつSubpicIdList[
j]がsubPicIdと等しくない各jに対して、subpic_ctu_top_l
eft_x[j]、subpic_ctu_top_left_y[j]、subpic
_width_minus1[j]、subpic_height_minus1[j]
、subpic_treated_as_pic_flag[j]、loop_filt
er_across_subpic_enabled_flag[j],およびsps_
subpic_id[j]の構文要素を削除する。
-すべての参照したPPSにおいて、タイリングおよびスライス構造に関連する構
文要素を書き換え、サブピクチャIDがsubPicIdに等しいサブピクチャに関連付
けられていないすべてのタイルの行、タイルの列、およびスライスを削除する。
-nuh_layer_idがiレイヤのnuh_layer_idに等しく、s
lice_subpic_idがsubPicIdに等しくないすべてのVCL NAL
ユニットをoutBitstreamから削除する。
-sli_cbr_constraint_flagが1であるときは、subpi
cIdTarget[]内のサブピクチャのVCL NALユニットに関連付けられてい
ないFD_NUTとフィラーペイロードSEIメッセージに等しいnal_unit_t
ypeのNALユニットをすべて削除し、参照されるすべてのVPS NALユニットお
よびSPS NALユニットの、ols_hrd_parameters()構文構造の
リストのols_hrd_idx[targetOlsIdx]-番目のエントリにある
j番目(jは0からhrd_cpb_cnt_minus1の範囲内)のCBPのcbr
_flag[tIdTarget][j]を1に等しく設定する。そうでない場合、(s
li_cbr_constraint_flagが0に等しい場合)、nal_unit
_typeがFD_NUTに等しいすべてのNALユニットとフィラーペイロードSEI
メッセージを削除して、cbr_flag[tIdTarget][j]を0に等しく設
定する。
【0741】
NALユニット関連HLS
【0742】
11.参照ピクチャリスト構文要素は、IDRピクチャのスライスヘッダに存在しても
よい、すなわち、sps_idr_rpl_present_flagは、ビットストリ
ームマージの場合、1に等しくてもよい。
a)一例において、出力バイストリーム(例えば、mixed_nalu_type
s_in_pic_flagが1に等しい)がバイストリームマージ中に2つの入力バイ
ストリームからマージされ、入力バイストリームうちの1つのNALユニットタイプがI
DRなどのIRAP VCL NALユニットタイプであってもよい場合、IDRバイス
トリームのRPLは利用可能でなければならない(すなわち、sps_idr_rpl_
present_flagは、そのIDR入力バイストリームに対して1に等しい)こと
が要求される場合がある。
b)一例において、以下の例示的な修正を導入することができる。
1に等しいsps_idr_rpl_present_flagは、参照ピクチャリスト
構文要素がIDRピクチャのスライスヘッダに存在することを規定する。0に等しいsp
s_idr_rpl_present_flagは、参照ピクチャリスト構文要素がID
Rピクチャのスライスヘッダに存在しないことを規定する。
【0743】
【化20】
【0744】
分割関連
【0745】
12.輝度およびクロマのためのブロック(即ち、CTB、TB、PB、CB等)分割
情報は、予測ツリーごとに異なってもよい。
a)一例において、クロマデュアルツリーの場合、ブロック分割構造、および/また
は輝度およびクロマのための分割構文要素は異なってもよい。
b)一例において、ローカルデュアルツリーの場合、ブロック分割構造、および/ま
たは輝度およびクロマのための分割構文要素は異なってもよい。
c)一例において、以下の例示的な修正を導入することができる。
【0746】
【化21】
【0747】
一般制約フラグ
【0748】
13.パラメータセット(例えば、SPS/VPS/PPS)および/またはピクチャ
ヘッダおよび/またはスライスヘッダにおける構文要素は、一般的な制約フラグによって
調整されてもよい。
a)一例において、コーディングツールのための有効化フラグは、対応する一般制約
フラグによって条件付けられてもよい。
i.一例において、対応する一般制約フラグが1に等しい場合は、有効化フラグは
0に等しいものとする。
ii.一例において、有効化フラグは、対応する一般制約フラグによって上書きさ
れてもよい。例えば、一般制約フラグが1に等しい場合は、対応する有効化フラグを0に
設定してもよい。
b)一例において、有効化フラグが信号通知されるかどうかは、対応する一般制約フ
ラグに依存してもよい。
i.一例において、対応する一般制約フラグが1に等しい場合は、有効化フラグが
存在しなくてもよい。
ii.一例において、有効化フラグは、存在しない場合、0に等しいと推論されて
もよい。
【0749】
14.SPS(例えば、res_change_in_clvs_allowed_f
lag)を参照してCLVS内でピクチャの空間的解像度が変化するかどうかは、no_
res_change_in_clvs_constraint_flagのような一般
的な制約フラグによって調整されてもよい。
a)一例において、構文no_res_change_in_clvs_const
raint_flagが1に等しい場合は、res_change_in_clvs_a
llowed_flagは存在しなくてもよい。
b)一例において、res_change_in_clvs_allowed_fl
agは、構文res_change_in_clvs_allowed_flagが存在
しない場合、0に等しいと推論してもよい。
【0750】
15.スケーリングウィンドウオフセットパラメータがPPSに存在するかどうか(例
えば、scaling_window_explicit_signalling_fl
ag)は、SPSを参照するCLVS内でピクチャの空間的解像度が変化するかどうか(
例えばres_change_in_clvs_allowed_flag)及び/又は
no_res_change_in_clvs_constraint_flagなどの
一般制約フラグに依存してもよい。
a)一例において、scaling_window_explicit_signa
lling_flagは、構文scaling_window_explicit_si
gnalling_flagが存在しないときには、0に等しいと推論してもよい。
b)一例において、res_change_in_clvs_allowed_fl
agが0に等しい場合、scaling_window_explicit_signa
lling_flagが存在しない場合もある。
c)一例において、no_res_change_in_clvs_constra
int_flagが1に等しい場合は、scaling_window_explici
t_signalling_flagが存在しない場合もある。
【0751】
16.one_subpic_per_pic_constraint_flagが存
在するかどうかは、構文one_slice_per_pic_constraint_
flagに依存してもよい。
a)一例において、one_slice_per_pic_constraint_
flagが1に等しい場合は、one_subpic_per_pic_constra
int_flagは存在しなくてもよく、1に等しいと推論してもよい。
b)一例において、one_slice_per_pic_constraint_
flagが0に等しい場合、one_subpic_per_pic_constrai
nt_flagが存在してもよい。
【0752】
17. 一般制約フラグno_bdpcm_constraint_flagは、一般
制約フラグno_transform_skip_constraint_flagによ
って条件付けられてもよい。
a)一例において、一般制約フラグno_bdpcm_constraint_fl
agは、一般制約フラグno_transform_skip_constraint_
flagが1に等しい場合は、1に等しいものとする。
b)一例において、一般制約フラグno_bdpcm_constraint_fl
agが信号通知されるかどうかは、構文no_transform_skip_cons
traint_flagに依存してもよい。
i.一例において、no_transform_skip_constraint
_flagが1に等しい場合は、一般制約フラグno_bdpcm_constrain
t_flagは存在しなくてもよい。
ii. 一例において、no_bdpcm_constraint_flagが存
在しない場合、構文no_bdpcm_constraint_flagは1に等しいと
推論される。
【0753】
18. 1つの一般制約フラグが信号通知されるかどうかは、他の一般制約フラグに依
存してもよい。
a)一例において、いくつかの制約グループフラグを定義することができ、他の一般
的な制約フラグは、これらの制約グループフラグによって条件付けられてもよい。
i.一例において、制約フラグは、ツールのタイプ(予測、変換、量子化、インタ
ー、イントラを含むが、これらに限定されない)またはプロファイルに従ってグループ分
けられてもよい。
ii.一例において、1つのグループに属する制約フラグは、対応する制約グルー
プフラグから導出されてもよい。
iii.一例において、1つのグループに属する制約フラグが信号通知されるかど
うかは、対応する制約グループフラグに依存してもよい。例えば、制約グループフラグが
0に等しい場合、このグループに属する制約フラグを信号通知しなくてもよい。
【0754】
一般制約フラグの意味論
【0755】
【化22】
【0756】
【化23】
【0757】
【化24】
【0758】
図1は、本明細書で開示される様々な技術が実装され得る例示的な映像処理システム1
00を示すブロック図である。様々な実装形態は、システム100のコンポーネントの一
部又は全部を含んでもよい。システム100は、映像コンテンツを受信するための入力1
02を含んでもよい。映像コンテンツは、未加工又は非圧縮フォーマット、例えば、8又
は10ビットのマルチモジュール画素値で受信されてもよく、又は圧縮又は符号化フォー
マットで受信されてもよい。入力102は、ネットワークインターフェース、周辺バスイ
ンターフェース、又は記憶インターフェースを表してもよい。ネットワークインターフェ
ースの例は、イーサネット(登録商標)、PON(登録商標;Passive Opti
cal Network)等の有線インターフェース、およびWi-Fi(登録商標)ま
たはセルラーインターフェース等の無線インターフェースを含む。
【0759】
システム100は、本明細書に記載される様々なコーディング又は符号化方法を実装す
ることができるコーディングコンポーネント104を含んでもよい。コーディングコンポ
ーネント104は、入力102からコーディングコンポーネント104の出力への映像の
平均ビットレートを低減して、映像のコーディング表現を生成してもよい。従って、コー
ディング技術は、映像圧縮または映像コード変換技術と呼ばれることがある。コーディン
グコンポーネント104の出力は、コンポーネント106によって表されるように、記憶
されてもよいし、接続された通信を介して送信されてもよい。入力102において受信さ
れた、記憶された又は通信された映像のビットストリーム(又はコーディング)表現は、
表示インターフェース110に送信される画素値又は表示可能な映像を生成するためのコ
ンポーネント108によって使用されてよい。ビットストリーム表現からユーザが見るこ
とができる映像を生成する処理は、映像展開と呼ばれることがある。さらに、特定の映像
処理演算を「コーディング」演算又はツールと呼ぶが、コーディングツール又は演算は、
エンコーダで使用され、対応する復号化ツール又は演算であり符号化の結果を逆にするも
のは、デコーダによって行われることが理解されよう。
【0760】
周辺バスインターフェースまたは表示インターフェースの例は、USB(登録商標;U
niversal Serial Bus)またはHDMI(登録商標;High De
finiyion Multimedia Interface)またはディスプレイポ
ート等を含んでもよい。ストレージインターフェースの例は、SATA(Serial
Advanced Technology Attachment)、PCI、IDEイ
ンターフェース等を含む。本明細書に記載される技術は、携帯電話、ノートパソコン、ス
マートフォン、又はデジタルデータ処理及び/又は映像表示を実施可能な他のデバイス等
の様々な電子デバイスに実施されてもよい。
【0761】
図2は、映像処理装置3600のブロック図である。装置3600は、本明細書に記載
の方法の1つ以上を実装するために使用してもよい。装置3600は、スマートフォン、
タブレット、コンピュータ、モノのインターネット(IoT)受信機等に実施されてもよ
い。装置3600は、1つ以上の処理装置3602と、1つ以上のメモリ3604と、映
像処理ハードウェア3606と、を含んでもよい。1つまたは複数の処理装置3602は
、本明細書に記載される1つ以上の方法を実装するように構成されてもよい。メモリ(複
数可)3604は、本明細書で説明される方法および技術を実装するために使用されるデ
ータおよびコードを記憶するために使用してもよい。映像処理ハードウェア3606は、
本明細書に記載される技術をハードウェア回路にて実装するために使用してもよい。
【0762】
図4は、本開示の技法を利用し得る例示的な映像コーディングシステム100を示すブ
ロック図である。
【0763】
図4に示すように、映像コーディングシステム100は、送信元装置110と、送信先
装置120と、を備えてもよい。送信元装置110は、符号化された映像データを生成す
るものであり、映像符号化機器とも呼ばれ得る。送信先装置120は、送信元装置110
によって生成された符号化映像データを復号化してよく、映像復号化デバイスと呼ばれ得
る。
【0764】
送信元装置110は、映像ソース112と、映像エンコーダ114と、入出力(I/O
)インターフェース116と、を含んでよい。
【0765】
映像ソース112は、映像キャプチャデバイスなどのソース、映像コンテンツプロバイ
ダからの映像データを受信するためのインターフェース、および/または映像データを生
成するためのコンピュータグラフィックスシステム、またはこれらのソースの組み合わせ
を含んでもよい。映像データは、1または複数のピクチャを含んでもよい。映像エンコー
ダ114は、映像ソース112からの映像データを符号化し、ビットストリームを生成す
る。ビットストリームは、映像データのコーディング表現を形成するビットのシーケンス
を含んでもよい。ビットストリームは、コーディングされたピクチャおよび関連付けられ
たデータを含んでもよい。コーディングされたピクチャは、ピクチャのコーディング表現
である。関連付けられたデータは、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセ
ット、および他の構文構造を含んでもよい。I/Oインターフェース116は、変復調器
(モデム)および/または送信機を含んでもよい。符号化された映像データは、ネットワ
ーク130aを介して、I/Oインターフェース116を介して送信先装置120に直接
送信されてよい。符号化された映像データは、送信先装置120がアクセスするために、
記憶媒体/サーバ130bに記憶してもよい。
【0766】
送信先装置120は、I/Oインターフェース126、映像デコーダ124、および表
示装置122を含んでもよい。
【0767】
I/Oインターフェース126は、受信機および/またはモデムを含んでもよい。I/
Oインターフェース126は、送信元装置110または記憶媒体/サーバ130bから符
号化された映像データを取得してもよい。映像デコーダ124は、符号化された映像デー
タを復号してもよい。表示装置122は、復号化された映像データをユーザに表示しても
よい。表示装置122は、送信先装置120と一体化されてもよく、または外部表示装置
とインターフェースで接続するように構成される送信先装置120の外部にあってもよい
【0768】
映像エンコーダ114および映像デコーダ124は、HEVC(High Effic
iency Video Coding)規格、VVM(Versatile Vide
o Coding)規格、および他の現在のおよび/またはさらなる規格等の映像圧縮規
格に従って動作してもよい。
【0769】
図5は、映像エンコーダ200の一例を示すブロック図であり、この映像エンコーダは
図4に示されるシステム100における映像エンコーダ114であってもよい。
【0770】
映像エンコーダ200は、本開示の技術のいずれか又は全部を実行するように構成され
てもよい。図5の実施例において、映像エンコーダ200は、複数の機能モジュールを含
む。本開示で説明される技法は、映像エンコーダ200の様々なコンポーネント間で共有
されてもよい。いくつかの例では、プロセッサ(処理装置)は、本開示で説明される技術
のいずれかまたはすべてを行うように構成してもよい。
【0771】
映像エンコーダ200の機能コンポーネントは、分割ユニット201と、モード選択ユ
ニット203、動き推定ユニット204、動き補償ユニット205及びイントラ予測ユニ
ット206を含んでもよい予測ユニット202と、残差生成ユニット207と、変換ユニ
ット208と、量子化ユニット209と、逆量子化ユニット210と、逆変換ユニット2
11と、再構成ユニット212と、バッファ213と、エントロピー符号化ユニット21
4と、を含んでもよい。
【0772】
他の例において、映像エンコーダ200は、より多くの、より少ない、又は異なる機能
コンポーネントを含んでもよい。一例において、予測ユニット202は、イントラブロッ
クコピー(IBC)ユニットを含んでもよい。IBCユニットは、少なくとも1つの参照
ピクチャが現在の映像ブロックが位置するピクチャであるIBCモードにおいて予測を行
うことができる。
【0773】
さらに、動き推定ユニット204および動き補償ユニット205などのいくつかのコン
ポーネントは、高度に統合されてもよいが、説明のために、図5の例においては個別に表
現されている。
【0774】
分割ユニット201は、1つのピクチャを1または複数の映像ブロックに分割してよい
。映像エンコーダ200及び映像デコーダ300は、様々な映像ブロックサイズをサポー
トしてもよい。
【0775】
モード選択ユニット203は、例えば、エラー結果に基づいて、イントラ又はインター
のいずれかのコーディングモードの1つを選択し、得られたイントラ又はインターコーデ
ィングブロックを、残差生成ユニット207に供給して残差ブロックデータを生成し、ま
た再構成ユニット212に供給して参照ピクチャとして使用するために符号化ブロックを
再構成してもよい。いくつかの例において、モード選択ユニット203は、インター予測
信号およびイントラ予測信号に基づいて予測を行うCIIP(Combination
of Intra and Inter Prediction)モードを選択してもよ
い。モード選択ユニット203は、インター予測の場合、ブロックのために動きベクトル
の解像度(例えば、サブピクセル又は整数ピクセル精度)を選択してもよい。
【0776】
現在の映像ブロックに対してインター予測を実行するために、動き推定ユニット204
は、バッファ213からの1または複数の参照フレームと現在の映像ブロックとを比較す
ることにより、現在の映像ブロックのために動き情報を生成してもよい。動き補償ユニッ
ト205は、現在の映像ブロックに関連付けられたピクチャ以外のバッファ213からの
ピクチャの動き情報及び復号化サンプルに基づいて、現在の映像ブロックのために予測映
像ブロックを判定してもよい。
【0777】
動き推定ユニット204及び動き補償ユニット205は、例えば、現在の映像ブロック
がIスライスであるか、Pスライスであるか、又はBスライスであるかに基づいて、現在
の映像ブロックに対して異なる演算を実行してもよい。
【0778】
いくつかの例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに対して単方
向予測を実行し、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに対する参照映像ブロ
ックのために、リスト0又はリスト1の参照ピクチャを検索してもよい。そして、動き推
定ユニット204は、参照映像ブロックと、現在の映像ブロックと参照映像ブロックとの
間の空間的変位を示す動きベクトルとを含む、リスト0またはリスト1における参照ピク
チャを示す参照インデックスを生成してもよい。動き推定ユニット204は、参照インデ
ックス、予測方向インジケータ、および動きベクトルを、現在の映像ブロックの動き情報
として出力してもよい。動き補償ユニット205は、現在の映像ブロックの動き情報が示
す参照映像ブロックに基づいて、現在のブロックの予測映像ブロックを生成してもよい。
【0779】
他の例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックを双方向予測しても
よく、動き推定ユニット204は、リスト0における参照ピクチャの中から現在の映像ブ
ロックために参照映像ブロックを検索してもよく、また、リスト1における参照ピクチャ
の中から現在の映像ブロックのために別の参照映像ブロックを検索してもよい。そして、
動き推定ユニット204は、参照映像ブロックを含むリスト0およびリスト1における参
照ピクチャを示す参照インデックスと、参照映像ブロックと現在の映像ブロックとの間の
空間的変位を示す動きベクトルとを生成してもよい。動き推定ユニット204は、現在の
映像ブロックの参照インデックスおよび動きベクトルを、現在の映像ブロックの動き情報
として出力してもよい。動き補償ユニット205は、現在の映像ブロックの動き情報が示
す参照映像ブロックに基づいて、現在の映像ブロックの予測映像ブロックを生成してもよ
い。
【0780】
いくつかの例において、動き推定ユニット204は、デコーダの復号化処理のために、
動き情報のフルセットを出力してもよい。
【0781】
いくつかの例では、動き推定ユニット204は、現在の映像のために動き情報のフルセ
ットを出力しなくてもよい。むしろ、動き推定ユニット204は、別の映像ブロックの動
き情報を参照して、現在の映像ブロックの動き情報を信号通知してもよい。例えば、動き
推定ユニット204は、現在の映像ブロックの動き情報が近傍の映像ブロックの動き情報
に十分に類似していると判定してもよい。
【0782】
一例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに関連付けられた構文
構造において、現在の映像ブロックが別の映像ブロックと同じ動き情報を有することを映
像デコーダ300に示す値を示してもよい。
【0783】
別の例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに関連付けられた構
文構造において、別の映像ブロックと、動きベクトル差(MVD:Motion Vec
tor Difference)と、を識別してもよい。動きベクトル差は、現在の映像
ブロックの動きベクトルと、示された映像ブロックの動きベクトルとの差分を示す。映像
デコーダ300は、指示された映像ブロックの動きベクトルと、動きベクトル差と、を用
いて、現在の映像ブロックの動きベクトルを判定してもよい。
【0784】
上述したように、映像エンコーダ200は、動きベクトルを予測的に信号通知してもよ
い。映像エンコーダ200によって実装され得る予測信号通知技法の2つの例は、AMV
P(Advanced Motion Vector Prediction)およびマ
ージモード信号通知を含む。
【0785】
イントラ予測ユニット206は、現在の映像ブロックに対してイントラ予測を行っても
よい。イントラ予測ユニット206が現在の映像ブロックをイントラ予測する場合、イン
トラ予測ユニット206は、同じピクチャにおける他の映像ブロックの復号されたサンプ
ルに基づいて、現在の映像ブロックのための予測データを生成してもよい。現在の映像ブ
ロックのための予測データは、予測された映像ブロック及び様々な構文要素を含んでもよ
い。
【0786】
残差生成ユニット207は、現在の映像ブロックから現在の映像ブロックの予測された
映像ブロックを減算することによって(例えば、マイナス符号によって示されている)、
現在の映像ブロックのために残差データを生成してもよい。現在の映像ブロックの残差デ
ータは、現在の映像ブロックにおけるサンプルの異なるサンプル成分に対応する残差映像
ブロックを含んでもよい。
【0787】
他の例において、例えば、スキップモードにおいて、現在の映像ブロックのための残差
データがなくてもよく、残差生成ユニット207は、減算演算を実行しなくてもよい。
【0788】
変換処理ユニット208は、現在の映像ブロックに関連付けられた残差映像ブロックに
1または複数の変換を適用することによって、現在の映像ブロックのために1または複数
の変換係数映像ブロックを生成してもよい。
【0789】
変換処理ユニット208が現在の映像ブロックに関連付けられた変換係数映像ブロック
を生成した後、量子化ユニット209は、現在の映像ブロックに関連付けられた1または
複数の量子化パラメータ(QP)の値に基づいて、現在の映像ブロックに関連付けられた
変換係数映像ブロックを量子化してもよい。
【0790】
逆量子化ユニット210および逆変換ユニット211は、変換係数映像ブロックに逆量
子化および逆変換をそれぞれ適用し、変換係数映像ブロックから残差映像ブロックを再構
成してもよい。再構成ユニット212は、予測ユニット202が生成した1または複数の
予測映像ブロックから対応するサンプルに再構成された残差映像ブロックを加え、バッフ
ァ213での記憶のために現在のブロックに関連付けられた再構成された映像ブロックを
生成してよい。
【0791】
再構成ユニット212が映像ブロックを再構成した後、映像ブロックにおける映像ブロ
ッキングアーチファクトを縮小するために、ループフィルタリング動作を行ってもよい。
【0792】
エントロピー符号化ユニット214は、映像エンコーダ200の他の機能コンポーネン
トからデータを受信してもよい。エントロピー符号化ユニット214は、データを受信す
ると、1または複数のエントロピー符号化演算を行い、エントロピー符号化されたデータ
を生成し、エントロピー符号化されたデータを含むビットストリームを出力してもよい。
【0793】
図6は、映像デコーダ300の一例を示すブロック図であり、この映像デコーダは、図
4に示すシステム100における映像デコーダ114であってもよい。
【0794】
映像デコーダ300は、本開示の技術のいずれか又は全部を実行するように構成されて
もよい。図6の実施例において、映像デコーダ300は、複数の機能コンポーネントを含
む。本開示で説明される技法は、映像デコーダ300の様々なコンポーネント間で共有さ
れてもよい。いくつかの例では、処理装置は、本開示で説明される技術のいずれかまたは
すべてを行うように構成してもよい。
【0795】
図6の実施例において、映像デコーダ300は、エントロピー復号化ユニット301、
動き補償ユニット302、イントラ予測ユニット303、逆量子化ユニット304、逆変
換ユニット305、および再構成ユニット306、並びにバッファ307を含む。映像デ
コーダ300は、いくつかの例では、映像エンコーダ200(図5)に関して説明した符
号化パスとほぼ逆の復号化パスを行ってもよい。
【0796】
エントロピー復号化ユニット301は、符号化されたビットストリームを取り出す。符
号化されたビットストリームは、エントロピー符号化された映像データ(例えば、映像デ
ータの符号化されたブロック)を含んでもよい。エントロピー復号化ユニット301は、
エントロピー符号化された映像データを復号化し、エントロピー復号された映像データか
ら、動き補償ユニット302は、動きベクトル、動きベクトル精度、参照ピクチャリスト
インデックス、および他の動き情報を含む動き情報を決定してもよい。動き補償ユニット
302は、例えば、AMVP及びマージモードを実行することにより、このような情報を
判定してもよい。
【0797】
動き補償ユニット302は、動き補償されたブロックを生成してもよく、場合によって
は、補間フィルタに基づいて補間を実行する。サブピクセルの精度で使用される補間フィ
ルタのための識別子が、構文要素に含まれてもよい。
【0798】
動き補償ユニット302は、映像ブロックの符号化の間に映像エンコーダ20によって
使用されるような補間フィルタを使用して、参照ブロックのサブ整数ピクセルのための補
間値を計算してもよい。動き補償ユニット302は、受信した構文情報に基づいて、映像
エンコーダ200が使用する補間フィルタを判定し、この補間フィルタを使用して予測ブ
ロックを生成してもよい。
【0799】
動き補償ユニット302は、符号化された映像シーケンスのフレームおよび/またはス
ライスを符号化するために使用されるブロックのサイズを判定するための構文情報、符号
化された映像シーケンスのピクチャの各マクロブロックがどのように分割されるかを記述
する分割情報、各分割がどのように符号化されるかを示すモード、各インター符号化され
たブロックに対する1または複数の参照フレーム(および参照フレームリスト)、および
符号化された映像シーケンスを復号化するための他の情報のいくつかを使用してもよい。
【0800】
イントラ予測ユニット303は、例えば、ビットストリームにおいて受信したイントラ
予測モードを使用して、空間的に隣接するブロックから予測ブロックを形成してもよい。
逆量子化ユニット303は、ビットストリームに提供され、エントロピー復号化ユニット
301によって復号された量子化された映像ブロック係数を逆量子化(すなわち、逆量子
化)する。逆変換ユニット303は、逆変換を適用する。
【0801】
再構成ユニット306は、残差ブロックと、動き補償ユニット202又はイントラ予測
ユニット303によって生成された対応する予測ブロックとを合計し、復号されたブロッ
クを形成してもよい。所望であれば、ブロックアーチファクトを除去するために、復号さ
れたブロックをフィルタリングするためにデブロッキングフィルタを適用してもよい。復
号された映像ブロックは、バッファ307に記憶され、バッファ307は、後続の動き補
償/イントラ予測のために参照ブロックを提供し、また表示装置に表示するために復号さ
れた映像を生成する。
【0802】
次に、いくつかの実施形態において好適な解決策を列挙する。
【0803】
以下の解決策は、前章(例えば、項目1)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0804】
1.映像処理方法(例えば図3で示した方法3000)であって、映像の映像領域にお
ける映像ユニットとこの映像のコーディング表現との変換を行う(3002)ことを含み
、コーディング表現は、構文規則に準拠する、方法。この規則は、映像ピクチャレベルの
第1のインジケータと映像領域レベルの第2のインジケータとが、変換中に時間的動きベ
クトル予測コーディングツールを使用することを示すことを規定する。この規則は、コー
ディング表現において第1の標識および/または第2の標識を省略する条件を規定する。
【0805】
2.前記第1のインジケータは、前記映像ピクチャ内のいずれかの映像領域に時間的動
きベクトル予測コーディングツールが使用されているかどうかを示す、解決策1に記載の
方法。
【0806】
3.前記第2のインジケータは、前記時間的動きベクトル予測コーディングツールを前
記映像領域レベルで有効化することを示す、解決策1~2のいずれかに記載の方法。
【0807】
4.第2のインジケータがコーディング表現から省略され、デコーダにおいて、第2の
標識が特定の値を有すると推論される、解決策1~3のいずれかに記載の方法。
【0808】
以下の解決策は、前章(例えば、項目2)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0809】
5.映像処理方法であって、映像の映像領域における映像ユニットとこの映像のコーデ
ィング表現との変換を行うことを含み、このコーディング表現は、構文規則に準拠し、こ
の構文規則は、映像領域レベルのヘッダの情報を映像ユニットレベルのヘッダの情報とし
て推論することを規定する、方法。
【0810】
6.前記映像ユニットは映像スライスであり、前記映像領域は映像ピクチャである、解
決策1に記載の情報。
【0811】
以下の解決策は、前章(例えば、項目3)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0812】
7.映像処理方法であって、レイヤ毎の映像シーケンスとして編成された複数のピクチ
ャを含む映像の映像領域における映像ユニットと、この映像のコーディング表現との変換
を行うことを含み、コーディング表現における1つ以上のフィールドは、この映像ユニッ
トにおけるサブピクチャの数を示す、方法。
【0813】
8.前記映像ユニットは1つの映像ピクチャである、解決策7に記載の方法。
【0814】
9.前記1つ以上のフィールドの第1のフィールドは、映像領域レベルにおけるサブピ
クチャの数の制約を示し、前記第1のフィールドが前記制約が有効化されることを示す場
合、第2のフィールドはゼロ値に制限される、解決策7に記載の方法。
【0815】
以下の解決策は、前章(例えば、項目4)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0816】
10.映像処理方法であって、レイヤ毎の映像シーケンスとして編成された複数のピク
チャを含む映像の映像領域における映像ユニットと、この映像のコーディング表現との変
換を行うことを含み、このコーディング表現は、映像ユニットにおけるサブピクチャの数
を示す第2のフィールドの値が、この変換に対するクロスサブピクチャコーディングツー
ルの適用可能性を示す第2のフィールドを制御すること規定するフォーマット規則に準拠
する、方法。
【0817】
11.前記映像ユニットは1つの映像ピクチャである、解決策10に記載の方法。
【0818】
12.前記映像領域は1つの映像シーケンスである、解決策10から11のいずれかに
記載の方法。
【0819】
13.前記クロスサブピクチャコーディングツールは、イントラコーディングツール、
インターコーディングツール、またはインループフィルタリングツールを含む、解決策1
0~12のいずれかに記載の方法。
【0820】
以下の解決策は、前章(例えば、項目5、6)で論じた技術の例示的な実施形態を示す
【0821】
14.映像処理方法であって、レイヤ毎の映像シーケンスとして編成された複数のピク
チャを含む映像の映像領域における映像ユニットと、この映像のコーディング表現との変
換を行うことを含み、このコーディング表現は、1つの映像ユニット当たりのサブピクチ
ャの数がこのコーディング表現における構文要素の値を制御することを規定するフォーマ
ット規則に準拠する、方法。
【0822】
15.前記構文要素の値は、1つのサブピクチャを1つの映像ピクチャとして扱うかど
うかを示す、解決策14に記載の方法。
【0823】
16.構文要素の値は、サブピクチャにわたってループフィルタリングが有効化される
かどうかを示す、解決策14に記載の方法。
【0824】
以下の解決策は、前章(例えば、項目7、8)で論じた技術の例示的な実施形態を示す
【0825】
17.映像処理方法であって、レイヤ毎の映像シーケンスとして編成された複数のピク
チャを含む映像の映像領域における映像ユニットと、この映像のコーディング表現との変
換を行うことを含み、このコーディング表現は、1つの映像ユニット内に1つの映像スラ
イスが発生するかどうかを示すフィールドの値がこの映像の矩形スライスのコーディング
特性を制御することを規定するフォーマット規則に準拠する、方法。
【0826】
18.前記コーディング特性は、1つの矩形スライスの幅が前記映像ユニットにおける
タイル列の単位で規定されるかどうかを含む、解決策17に記載の方法。
【0827】
19.前記コーディング特性は、1つのスライスが前記サブピクチャに含まれるかどう
かを含む、解決策17に記載の方法。
【0828】
以下の解決策は、前章(例えば、項目9)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0829】
20.映像処理方法であって、レイヤ毎の映像シーケンスとして編成された複数のピク
チャを含む映像の映像領域における映像ユニットと、この映像のコーディング表現との変
換を行うことを含み、このコーディング表現は、このレイヤ毎の映像シーケンスのコーデ
ィング表現における異なるピクチャにまたがる抽出されたサブピクチャが同じサブピクチ
ャインデックスを有する構文規則に準拠する、方法。
【0830】
21.前記フォーマット規則は、サブピクチャインデックスに基づいて前記コーディン
グ表現の復号化中にサブピクチャを抽出することを規定する、解決策10に記載の方法。
【0831】
以下の解決策は、前章(例えば、項目10)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0832】
22.映像処理方法であって、レイヤ毎の映像シーケンスとして編成された複数のピク
チャを含む映像の映像領域における映像ユニットと、この映像のコーディング表現との変
換を行うことを含み、このコーディング表現は、サブピクチャサブビットストリームのた
めに抽出されたサブビットストリームが単一のサブピクチャのフォーマットに準拠すると
いう構文規則に準拠する、方法。
【0833】
以下の解決策は、前章(例えば、項目13)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0834】
23.映像処理方法であって、レイヤ毎の映像シーケンスとして編成された複数のピク
チャを含む映像の映像領域における映像ユニットと、この映像のコーディング表現との変
換を行うことを含み、このコーディング表現は、このコーディング表現における構文構造
における1つ以上の構文要素の発生を制御する1つ以上の制約フラグを含めることを規定
するフォーマット規則に準拠する、方法。
【0835】
24.前記構文構造は、シーケンスパラメータセット、映像パラメータセット、または
ピクチャパラメータセット、またはピクチャヘッダ、またはスライスヘッダである、解決
策23に記載の方法。
【0836】
以下の解決策は、前章(例えば、項目14)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0837】
25.前記1つ以上の構文要素は、前記コーディング表現内のピクチャ解像度の変化を
示す、解決策23~24のいずれかに記載の方法。
【0838】
以下の解決策は、前章(例えば、項目15)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0839】
26.前記1つ以上の構文要素は、前記変換のためのスケーリングウィンドウオフセッ
トパラメータを示す、解決策23~24のいずれかに記載の方法。
【0840】
以下の解決策は、前章(例えば、項目16)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0841】
27.前記1つ以上の制約フラグは、ピクチャごとに1つのスライス制約が有効化され
るかどうかを示すフラグを含む、解決策23~24のいずれかに記載の方法。
【0842】
以下の解決策は、前章(例えば、項目17)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0843】
28.前記1つ以上の制約フラグは、変換中に変換をスキップするかどうかを示すフラ
グを含む、解決策23~24のいずれかに記載の方法。
【0844】
以下の解決策は、前章(例えば、項目18)で論じた技術の例示的な実施形態を示す。
【0845】
29.1つ以上の制約フラグからの第1の制約フラグが、コーディング表現における第
2の制約フラグの発生を制御する、解決策23~28のいずれかに記載の方法。
【0846】
30.前記構文規則は、前記1つ以上の制約フラグが、前記映像の変換に使用されるコ
ーディングツールのタイプまたはコーディングするプロファイルに従ってグループ分けさ
れる制約フラグのグループを含むことを規定する、解決策23~29のいずれかに記載の
方法。
【0847】
31.映像ユニットが映像ピクチャに対応する、前記解決策のいずれかに記載の方法。
【0848】
32.映像領域が映像シーケンスに対応する、前記解決策のいずれかに記載の方法。
【0849】
33.前記変換は、前記映像を前記コーディング表現に符号化することを含む、解決策
1~32のいずれかに記載の方法。
【0850】
34.前記変換は、前記映像の画素値を生成すべく前記コーディング表現を復号化する
ことを含む、解決策1~32のいずれかに記載の方法。
【0851】
35.解決策1~34の1つ以上に記載の方法を実装するように構成された処理装置を
備える、映像復号化装置。
【0852】
36.解決策1~34の1つ以上に記載の方法を実装するように構成された処理装置を
備える、映像符号化装置。
【0853】
37.コンピュータコードが記憶されたコンピュータプログラム製品であって、前記コ
ードは、処理装置により実行されると、前記処理装置に、解決策1~34のいずれかに記
載の方法を実装させるコンピュータプログラム製品。
【0854】
38.本明細書に記載の方法、装置またはシステム。
【0855】
図7は、本技術に従った映像処理の方法700を示すフローチャートである。この方法
700は、動作710において、映像スライスを含む映像ピクチャと映像のビットストリ
ーム表現との変換を行うことを含む。このビットストリームは、映像スライスのスライス
タイプが、この映像ピクチャのピクチャヘッダからの特定の情報をこの映像スライスのス
ライスヘッダに継承させる方法を決定することを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0856】
いくつかの実施形態において、前記フォーマット規則は、前記ピクチャヘッダに参照ピ
クチャリスト情報が存在するかどうかに基づいて前記方法をさらに決定することを規定す
る。いくつかの実施形態において、前記特定の情報は、時間的動きベクトル予測に使用さ
れる同一位置に配置されたピクチャが参照リスト0からのものであるかどうか、或いは前
記同一位置に配置されたピクチャの参照ピクチャインデックスからのものであるかどうか
のうちの少なくとも一方を含む。いくつかの実施形態において、前記フォーマット規則は
、前記方法が前記映像スライスに対して時間的動きベクトル予測が有効化されているかど
うかにさらに基づいていることを規定する。いくつかの実施形態において、映像ピクチャ
のピクチャヘッダ内の第1の構文要素は、時間的動きベクトル予測が映像ピクチャに対し
て有効化されているかどうかを示し、映像スライスのスライスタイプがPであり、第1の
構文要素が1に等しい場合、この方法は、映像ピクチャがどの参照ピクチャリストと同一
位置に配置されているかどうかを示す映像ピクチャのピクチャヘッダにおける第3の構文
要素の値に関わらず、映像スライスがどの参照ピクチャリストと同一位置に配置されてい
るかを示す映像スライスのスライスヘッダにおける第2の構文要素の値が1と推論するこ
とを規定する。いくつかの実施形態において、映像スライスのスライスタイプがPである
場合、この方法は、映像スライスがどの参照ピクチャリストに同一位置に配置されている
かを示す映像スライスのスライスヘッダにおける第2の構文要素の値が、他の条件に関わ
らず、1に等しいと推論することを規定する。いくつかの実施形態において、映像スライ
スのスライスタイプがPである場合、この方法は、この映像スライスに対して時間的動き
ベクトル予測が有効化されることに呼応して、この映像スライスがどの参照ピクチャリス
トと同一位置に配置されているかを示す、この映像スライスのスライスヘッダにおける第
2の構文要素の値が1に等しいと推論することを規定する。
【0857】
いくつかの実施形態において、映像ピクチャのピクチャヘッダ内の第1の構文要素は、
時間的動きベクトル予測が映像ピクチャに対して有効化されているかどうかを示し、映像
スライスのスライスタイプがBであり、第1の構文要素が1に等しい場合、前記方法は、
前記映像スライスのスライスヘッダ中の、前記映像スライスがどの参照ピクチャリストと
同一位置に配置されているかどうかを示す第2の構文要素の値が、前記映像ピクチャのピ
クチャヘッダ中の、前記映像ピクチャがどの参照ピクチャリストと同一位置に配置されて
いるかどうかを示す第4の構文要素と等しいと推論されることを規定する。いくつかの実
施形態において、映像ピクチャヘッダにおける構文要素は、時間的動きベクトル予測に使
用される映像ピクチャの同一位置に配置されたピクチャの参照インデックスを規定し、フ
ォーマット規則は、構文要素の値が、参照ピクチャリスト0におけるアクティブな参照エ
ントリの数を示す変数よりも小さいことを規定する。
【0858】
いくつかの実施形態において、映像スライスヘッダにおける構文要素は、時間的動きベ
クトル予測に使用される映像ピクチャの同一位置に配置されたピクチャの参照インデック
スを規定し、フォーマット規則は、この構文要素が参照ピクチャリスト1における非アク
ティブエントリを参照することを規定する。いくつかの実施形態において、前記フォーマ
ット規則は、参照ピクチャリスト1の非アクティブエントリに対応する参照ピクチャが参
照ピクチャリスト0のアクティブエントリによっても参照されることをさらに規定する。
いくつかの実施形態において、映像スライスヘッダにおける構文要素は、時間的動きベク
トル予測に使用される映像ピクチャの同一位置に配置されたピクチャの参照インデックス
を規定し、変換に使用される前に、時間的動きベクトル予測を修正する。いくつかの実施
形態において、構文要素は、0から参照ピクチャリスト0におけるアクティブな参照エン
トリの数から1を減算した数までの範囲内にあるインデックスにマッピングされる。いく
つかの実施形態において、構文要素は参照ピクチャリスト0における1つのエントリを指
し、構文要素の値が参照ピクチャリスト0におけるアクティブな参照エントリの数以上に
等しい場合、デフォルトの同一位置に配置された参照インデックスに設定される。デフォ
ルトの同一位置に配置された参照インデックスは、0と、参照ピクチャリスト0における
アクティブな参照エントリの数から1を減算したものとの間の範囲内にある。いくつかの
実施形態において、デフォルトの同一位置に配置された参照インデックスは、0に設定さ
れるか、またはビットストリームにおいて信号通知される。
【0859】
いくつかの実施形態において、前記フォーマット規則は、同じ映像ピクチャヘッダを参
照する第1のタイプの第1の映像スライスと第2のタイプの第2の映像スライスとは、互
いに異なる同一位置に配置されたピクチャを使用して変換することを示す。いくつかの実
施形態において、第1のタイプはBタイプの映像スライスであり、第2のタイプはPタイ
プの映像スライスである。いくつかの実施形態において、映像ピクチャヘッダに参照ピク
チャリストが信号通知され、映像スライスヘッダに同一位置に配置されたピクチャの参照
ピクチャインデックスは、映像スライスヘッダに信号通知される。いくつかの実施形態に
おいて、フォーマット規則は、(1)スライスのタイプがPである場合、(2)参照ピク
チャリストが映像ピクチャヘッダに信号通知される場合、(3)時間的動きベクトル予測
が有効化されている場合、および(4)映像ピクチャが参照ピクチャリスト0と同一位置
に配置されていないことを示す映像ピクチャヘッダにおける第3の構文要素が0に等しい
場合、同一位置に配置されたピクチャの参照ピクチャインデックスが映像スライスヘッダ
に信号通知されることを規定する。いくつかの実施形態において、参照ピクチャインデッ
クスは参照ピクチャリスト0における参照ピクチャを参照する。
【0860】
いくつかの実施形態において、フォーマット規則は、タイプBの第1の映像スライスに
ついて第1の同一位置に配置された参照ピクチャインデックスが信号化または決定され、
タイプPの第2の映像スライスについて第2の同一位置に配置された参照ピクチャインデ
ックスが信号化または決定されることを規定する。いくつかの実施形態において、映像ピ
クチャヘッダの第3の構文要素が映像画像が参照ピクチャリスト0と同一位置に配置され
ていないことを示す場合にのみ第1の同一位置に配置された参照ピクチャインデックス及
び第2の同一位置に配置された参照ピクチャインデックスが信号通知される。
【0861】
いくつかの実施形態において、前記フォーマット規則は、第1のタイプの第1の映像ス
ライスと第2のタイプの第2の映像スライスとが同じ映像ピクチャヘッダを参照するかど
うかをビットストリームにおいて信号通知することを規定する。いくつかの実施形態にお
いて、同じ映像ピクチャヘッダを参照する映像スライスのタイプは、映像ピクチャヘッダ
に信号通知される。いくつかの実施形態において、前記フォーマット規則は、映像ピクチ
ャヘッダに参照ピクチャリストが信号通知される場合にのみ、同じ映像ピクチャヘッダを
参照する映像スライスのタイプを映像ピクチャヘッダに信号通知することを規定する。い
くつかの実施形態において、前記フォーマット規則は、同じ映像ピクチャヘッダを参照す
る映像スライスのタイプが前記映像ピクチャヘッダに信号通知される場合にのみ、参照ピ
クチャリストを前記映像ピクチャヘッダに信号通知することを規定する。いくつかの実施
形態において、ビットストリームにおいて、同じ映像ピクチャヘッダを参照する映像スラ
イスのタイプがBタイプのみであるかどうかを信号通知する。いくつかの実施形態におい
て、ビットストリームにおいて、同じ映像ピクチャヘッダを参照する映像スライスのタイ
プがPタイプのみであるかどうかを信号通知する。いくつかの実施形態において、ビット
ストリームにおいて、Bタイプの映像スライスのみが存在し、同じ映像ピクチャヘッダを
参照するIタイプの映像スライスのみが信号通知される。いくつかの実施形態において、
ビットストリームにおいて、Pタイプの映像スライスのみが存在し、同じ映像ピクチャヘ
ッダを参照するIタイプの映像スライスのみが信号通知される。
【0862】
図8は、本技術に従った映像処理の方法800を示すフローチャートである。方法80
0は、動作810において、映像スライスを含む映像ピクチャを含む映像とこの映像のビ
ットストリームとの変換を行うことを含む。このビットストリームは、映像スライスのス
ライスタイプが映像スライスヘッダにおける第1の構文要素の値を決定することを規定す
るフォーマット規則に準拠する。第1の構文要素は、時間的動きベクトル予測に使用され
る同一位置に配置されたピクチャの参照インデックスを規定する。
【0863】
いくつかの実施形態において、映像スライスのスライスタイプがBであり、映像スライ
スを示す映像スライスヘッダにおける第2の構文要素の値が参照ピクチャリスト0と同一
位置に配置される場合、第1の構文要素は、参照ピクチャリスト0におけるエントリを参
照する。いくつかの実施形態において、前記第1の構文要素は0から(アクティブ参照ピ
クチャのためのインデックスの数-1)までの範囲内にある。
【0864】
いくつかの実施形態において、映像スライスのスライスタイプがPであり、時間的動き
ベクトル予測が有効化されている場合、第1の構文要素は、0以上(アクティブ参照ピク
チャのインデックスの数-1)の範囲内にある。
【0865】
図9は、本技術に従った映像処理の方法900を示すフローチャートである。方法90
0は、動作910において、映像スライスを含む映像ピクチャを含む映像とこの映像のビ
ットストリームとの変換を行うことを含む。このビットストリームは、映像スライスのス
ライスタイプがタイプPであり、時間的動きベクトル予測が有効化されている場合、同一
位置に配置された参照ピクチャリストにおける参照ピクチャのための参照ピクチャリサン
プリング(RPR)の使用を無効化することを規定するフォーマット規則に準拠する。参
照ピクチャは、時間的動きベクトル予測に使用される同一位置に配置されたピクチャの参
照インデックスによって示される。
【0866】
いくつかの実施形態において、前記同一位置に配置された参照ピクチャリストは、映像
スライスヘッダにおける構文要素に基づいて決定され、この構文要素は、この映像スライ
スが参照ピクチャリスト0と同一位置に配置されているかどうかを示す。いくつかの実施
形態において、映像スライスのスライスタイプがPであり、時間的動きベクトル予測が有
効化されている場合、構文要素は1に等しいと推論される。いくつかの実施形態において
、前記同一位置に配置された参照ピクチャリストは参照ピクチャリスト0である。
【0867】
図10は、本技術に従った映像処理の方法1000を示すフローチャートである。方法
1000は、動作1010において、映像スライスを含む映像ピクチャを含む映像とこの
映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。このビットストリームは、映像スラ
イスヘッダにおける構文要素が、この映像スライスが参照ピクチャリスト0と同一位置に
配置されていないことを示す場合、この映像スライスのスライスタイプはタイプPを排除
することを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0868】
いくつかの実施形態において、フォーマット規則は、さらに、(1)参照ピクチャリス
トの情報がビットストリームの映像ピクチャヘッダにあり、(2)時間的動きベクトル予
測が映像ピクチャに対して有効化され、(3)映像ピクチャのすべてのコーディングされ
た映像スライスがタイプBまたはタイプPのスライスタイプを持ち、(4)映像ピクチャ
が参照ピクチャリスト0と同一位置に配置されていない場合、ビットストリームにおいて
スライスタイプの信号通知が省かれることをさらに規定する。いくつかの実施形態におい
て、前記映像スライスのスライスタイプはタイプBであると推論される。
【0869】
図11は、本技術に従った映像処理の方法1100を示すフローチャートである。方法
1100は、動作1110において、1つ以上のサブピクチャを含む映像ピクチャを含む
映像とこの映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。このビットストリームは
、映像ピクチャにおけるサブピクチャの数に応答して、コーディングされたレイヤ映像シ
ーケンスにおける1つのサブピクチャの境界をまたいで演算を行うかどうかを示す第1の
構文要素を選択的に含めることを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0870】
いくつかの実施形態において、前記フォーマット規則は、前記第1の構文要素が前記コ
ーディングされたレイヤ映像シーケンスにおける前記サブピクチャのすべての境界をピク
チャ境界として扱うことをさらに示すことを規定する。いくつかの実施形態において、前
記動作は、イントラ予測、インター予測またはインループフィルタリング動作のうち少な
くとも1つを含んでもよい。いくつかの実施形態において、前記フォーマット規則は、映
像ピクチャのサブピクチャの数が1に等しいとき、ビットストリームにおいて構文要素を
省略することを規定する。いくつかの実施形態において、前記構文要素の値は1に等しい
と推論され、前記サブピクチャの境界を越えてインループフィルタリング動作が行われな
いことを示す。いくつかの実施形態において、第1の構文要素はシーケンスパラメータセ
ットに含まれる。いくつかの実施形態において、前記第1の構文要素はsps_inde
pendent_subpics_flagを含む。
【0871】
いくつかの実施形態において、前記フォーマット規則は、前記コーディングされたレイ
ヤ映像シーケンスにおける前記映像ピクチャのサブピクチャの数が、前記映像ピクチャの
サブピクチャを前記変換のための1つ以上のピクチャとして扱うかどうかを示す第2の構
文要素を示す方法を決定することをさらに規定し、前記変換においてインループフィルタ
リング動作が適用されない。いくつかの実施形態において、ピクチャのサブピクチャの数
が1に等しいとき、第2の構文要素の値は1に等しいと推論され、映像ピクチャのサブピ
クチャを変換のためのピクチャとして扱うことを示す。いくつかの実施形態において、ピ
クチャにおけるサブピクチャの数が1に等しいとき、第2の構文要素の値は1に等しいこ
とが必要であり、映像ピクチャのサブピクチャを変換のためのピクチャとして扱うことを
示す。
【0872】
いくつかの実施形態において、前記フォーマット規則は、前記コーディングされたレイ
ヤ映像シーケンスにおける前記映像ピクチャのサブピクチャの数により、1つのサブピク
チャの境界を越えてインループフィルタリング動作が有効化されているかどうかを示す第
3の構文要素を示す方法を決定することをさらに規定する。いくつかの実施形態において
、前記第3の構文要素は前記インループフィルタリング動作が前記サブピクチャの境界を
越えて適用可能であるかどうかをさらに示す。いくつかの実施形態において、ピクチャに
おけるサブピクチャの数が1に等しいとき、第3の構文要素の値は0に等しいと推論され
、インループフィルタ動作がサブピクチャの境界を越えて無効化されることを示す。いく
つかの実施形態において、前記第3の構文要素が0に等しいと推論されるとき、前記イン
ループフィルタリング動作は前記サブピクチャの境界を越えて適用できないことをさらに
示す。いくつかの実施形態において、ピクチャにおけるサブピクチャの数が1に等しいと
き、第3の構文要素の値は0に等しいことが要求され、これは前記サブピクチャの境界を
越えてループフィルタ動作が無効化されることを示す。いくつかの実施形態において、前
記第3の構文要素が0に等しいことが要求されたとき、前記インループフィルタリング動
作は前記サブピクチャの境界を越えて適用できないことをさらに示す。
【0873】
いくつかの実施形態において、サブピクチャの数は構文要素sps_num_subp
ics_nimus1により示される。いくつかの実施形態において、サブピクチャの数
は構文要素one_subpic_per_pic_contraint_flagによ
って示される。
【0874】
図12は、本技術に従った映像処理の方法1200を示すフローチャートである。方法
1200は、動作1210において、1つ以上のサブピクチャを含む映像ピクチャを含む
映像とこの映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。このビットストリームは
、ビットストリームにおける映像ピクチャのサブピクチャの数が、ビットストリームにお
ける制約フラグによって制約されることを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0875】
いくつかの実施形態において、前記制約フラグはone_subpic_per_pi
c_contraint_flagを含む。いくつかの実施形態において、制約フラグの
値が1に等しいとき、サブピクチャの数は1に等しいことが要求される。
【0876】
図13は、本技術に従った映像処理の方法1300を示すフローチャートである。方法
1300は、動作1310において、1つ以上のサブピクチャを含む映像ピクチャを含む
映像とこの映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。このビットストリームは
、1つのサブピクチャにおけるスライスの数によって、スライスの幅を示す構文要素を信
号通知する方法が決定されることを規定するフォーマット規則に準拠し、このスライスの
幅は複数のタイル列として規定される。
【0877】
いくつかの実施形態において、ビットストリームにおいて構文要素を省略し、サブピク
チャのスライスの数が1に等しい場合は、スライスの幅を推論する。いくつかの実施形態
において、前記スライスの幅は1個のタイルの列であると推論される。
【0878】
図14は、本技術に従った映像処理の方法1400を示すフローチャートである。この
方法1400は、動作1410において、制約フラグに基づいて、映像ピクチャにおける
1つ以上のサブピクチャの各々が単一のスライスを含むかどうかを規定するフォーマット
規則に従って、1つ以上のサブピクチャを含む映像ピクチャを含む映像と、この映像のビ
ットストリームとの変換を行うことを含む。
【0879】
いくつかの実施形態において、構文要素は、映像ピクチャにおける1つ以上のサブピク
チャの各々が単一のスライスを含むか否かを示し、制約フラグは、映像ピクチャが2つ以
上のタイルまたはスライスに分割されているかどうかを示す。いくつかの実施形態におい
て、1つのスライスは1つの矩形スライスのみを示す。いくつかの実施形態において、制
約フラグが映像ピクチャを2つ以上のタイルまたはスライスに分割しないことを示す場合
、構文要素は1に等しいと推論される。いくつかの実施形態において、前記制約フラグが
前記映像ピクチャにピクチャ分割が適用されないことを示す場合、前記構文要素は1に等
しいと推論される。いくつかの実施形態において、制約フラグが映像ピクチャにピクチャ
分割を適用しないことを示す場合、ビットストリーム中に構文要素が存在せず、構文要素
の値が1に等しいと推論される。いくつかの実施形態において、構文要素は制約フラグに
等しいと推論される。
【0880】
いくつかの実施形態において、1つの構文要素は、映像ピクチャにおける1つ以上のサ
ブピクチャの各々が単一のスライスを含むかどうかを示し、制約フラグは、映像ピクチャ
が単一のスライスを含むかどうかを示し、制約フラグが1に等しい場合は、構文要素は1
に等しい。いくつかの実施形態において、1つの構文要素は、映像ピクチャにおける1つ
以上のサブピクチャの各々が単一のスライスを含むかどうかを示し、制約フラグは、映像
ピクチャが単一のスライスを含むかどうかを示し、制約フラグが1に等しく、かつ単一の
スライスが長方形に等しい場合に、構文要素は1に等しい。いくつかの実施形態において
、構文要素および制約フラグにより制御されるすべての映像ピクチャは同じピクチャパラ
メータセットを参照する。
【0881】
図15は、本技術に従った映像処理の方法1500を示すフローチャートである。方法
1500は、動作1510において、映像ピクチャを含む映像とこの映像のビットストリ
ームとの変換を行うことを含む。映像ピクチャのうちの少なくとも1つは、1つ以上のサ
ブピクチャを含む。このビットストリームは、変換のサブピクチャサブビットストリーム
抽出処理中に、1つ以上の対象となるサブピクチャの出力サブビットストリームを決定す
るために、異なる映像ピクチャにわたる各対象となるサブピクチャは、同じサブピクチャ
インデックスを使用することを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0882】
いくつかの実施形態において、1つ以上の対象となるサブピクチャのための対象となる
サブピクチャインデックス値のリストは、サブピクチャサブビットストリーム抽出処理の
入力として使用され、対象となるサブピクチャインデックス値のリストは異なる映像ピク
チャ間で同じである。いくつかの実施形態において、サブピクチャサブビットストリーム
抽出処理において、異なる映像ピクチャにまたがる1つ以上のサブピクチャ識別子が使用
され、1つ以上のサブピクチャ識別子は、対象となるサブピクチャインデックスの同じリ
ストに対応する。いくつかの実施形態において、サブピクチャサブビットストリーム抽出
処理において出力サブビットストリームを決定するために使用される対象のサブピクチャ
は、サブピクチャインデックスに基づいて決定される。
【0883】
いくつかの実施形態において、サブピクチャサブビットストリーム抽出処理において出
力サブビットストリームを決定するための構文要素を修正する方法は、サブピクチャイン
デックスに基づいて決定される。いくつかの実施形態において、前記構文要素を修正する
方法は、前記構文要素を書き換えおよび/または削除することを含んでもよい。いくつか
の実施形態において、ビットストリームにおいてサブピクチャ識別子マッピングが明示的
に信号通知されることを構文要素が示す場合、ピクチャパラメータセットにおいてサブピ
クチャ識別子マッピングを省略する。いくつかの実施形態において、ビットストリームに
おいてサブピクチャ識別子マッピングが明示的に信号通知されることを構文要素が示す場
合、サブピクチャ識別子マッピングはピクチャパラメータセットにおいて信号通知される
【0884】
図16は、本技術に従った映像処理の方法1600を示すフローチャートである。この
方法1600は、動作1610において、映像ピクチャを含む映像のビットストリームか
ら1つ以上の対象となるサブピクチャのサブビットストリームを抽出することによって、
出力サブビットストリームを決定することを含む。映像ピクチャのうちの少なくとも1つ
は、1つ以上のサブピクチャを含み、出力サブビットストリームは、1つ以上の対象とな
るサブピクチャが出力サブビットストリームにおける単一のサブピクチャとして表現され
ることを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0885】
いくつかの実施形態において、前記出力サブビットストリームの1つ以上の構文要素は
、前記決定のために書き換えられおよび/または削除される。いくつかの実施形態におい
て、すべての出力レイヤにおいて1つ以上の対象となるサブピクチャを参照する1つ以上
の構文要素は、1つ以上の対象となるサブピクチャを出力サブビットストリームにおける
単一のサブピクチャとして表すことに応答して、出力サブビットストリームにおいて省略
される。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の構文要素は、前記サブピクチャを
ピクチャとして扱うかどうかを示す第1の構文要素を含んでもよい。いくつかの実施形態
において、前記第1の構文要素は1に等しいと推論され、前記サブピクチャを1つのピク
チャとして扱うことを示す。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の構文要素は、
前記サブピクチャの境界を越えてループフィルタ動作が有効化されるかどうかを示す第2
の構文要素を含む。いくつかの実施形態において、前記第2の構文要素は0に等しいと推
論され、前記サブピクチャの境界を越えてループフィルタ動作が無効化されることを示す
【0886】
いくつかの実施形態において、1つのシーケンスパラメータセットのすべての参照構文
構造における第3の構文要素および1つのピクチャパラメータセットのすべての参照構文
構造における第4の構文要素を0に修正し、第3の構文要素および第4の構文要素は、1
つの映像ピクチャにおけるサブピクチャの数マイナス1を示す。いくつかの実施形態にお
いて、前記サブピクチャの境界を越えて演算を行うかどうかを示す第5の構文要素を1に
等しく修正する。いくつかの実施形態において、映像ピクチャを分割するかどうかを示す
第6の構文要素は、サブビットストリームにおいて参照される構文構造に修正される。い
くつかの実施形態において、前記第6の構文要素は前記サブピクチャにおけるタイルまた
はスライスの数に基づいて条件付きで修正されてもよい。いくつかの実施形態において、
前記サブピクチャが1つのタイルまたはスライスを含む場合、前記第6の構文要素は1に
等しく修正され、前記映像ピクチャが分割されていないことを示す。いくつかの実施形態
において、サブピクチャにおけるタイルまたはスライスの数が1より大きい場合、第6の
構文要素は0に等しく修正され、映像ピクチャが分割されることを示す。
【0887】
図17は、本技術に従った映像処理の方法1700を示すフローチャートである。この
方法1700は、動作1710において、瞬時復号更新(IDR)ピクチャを含む映像と
この映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。このビットストリームは、ID
Rピクチャのスライスヘッダに参照ピクチャリストに関連付けられた1つ以上の構文要素
が存在することを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0888】
いくつかの実施形態において、構文フラグは、1つ以上の構文要素がIDRピクチャの
スライスヘッダに存在することを示す。いくつかの実施形態において、構文フラグは1に
等しく設定される。
【0889】
いくつかの実施形態において、前記変換は前記映像の2つの入力ビットストリームをマ
ージすることにより出力ビットストリームを決定することを含む。2つの入力ビットスト
リームのうち1つのネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットタイプは、イントララ
ンダムアクセスポイント(IRAP)映像コーディングレイヤ(VCL)NALユニット
タイプであり、IDRピクチャの参照ピクチャリストは変換に利用可能である。
【0890】
図18は、本技術に従った映像処理の方法1800を示すフローチャートである。この
方法1800は、動作1810において、輝度映像ブロックおよびクロマ映像ブロックを
含む映像と、この映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。輝度映像ブロック
は輝度分割ツリーに従って分割され、クロマ映像ブロックはクロマ分割ツリーに従って分
割される。このビットストリームは、輝度分割ツリーを示す輝度ブロック分割情報と、ク
ロマ分割ツリーを示すクロマブロック分割情報と、を含む。このビットストリームは、ク
ロマブロック分割情報と輝度ブロック分割情報とを異なるようにすることを規定する規則
に準拠する。
【0891】
いくつかの実施形態において、前記輝度映像ブロックまたは前記クロマ映像ブロックは
、コーディングツリーブロック、変換ブロック、ピクチャブロックまたはコーディングブ
ロックを含んでもよい。いくつかの実施形態において、クロマ分割ツリーはクロマデュア
ルツリーを含み、クロマ映像ブロックの少なくとも1つの分割構造または分割構文要素は
、輝度映像ブロックの分割構造または分割構文要素とは異なる。いくつかの実施形態にお
いて、前記輝度分割ツリーはローカルデュアルツリーを含むことができ、前記クロマ映像
ブロックの少なくとも1つの分割構造または分割構文要素は前記輝度映像ブロックの分割
構造または分割構文要素とは異なる。
【0892】
図19は、本技術に従った映像処理の方法1900を示すフローチャートである。方法
1900は、動作1910において、1つ以上のサブピクチャを含む映像ピクチャを含む
映像とこの映像のビットストリームとの変換を行うことを含む。このビットストリームは
、一般的な制約情報を含む構文要素の制約フラグに基づいて、1つ以上の構文構造を制約
することを規定するフォーマット規則に準拠する。
【0893】
いくつかの実施形態において、制約フラグは、映像パラメータセットによって規定され
る1つ以上の出力レイヤセット内の各映像ピクチャが単一のタイルを含むかどうかを示す
one_tile_per_pic_constraint_flagを有し、1つ以上
の構文構造は、one_tile_per_constraint_flagが1に等し
い場合に1に制約されるピクチャ内のタイルの数を示す第1の構文構造NumTiles
InPicを有する。いくつかの実施形態において、前記制約フラグは、1つの映像パラ
メータセットで規定される1つ以上の出力レイヤセットにおける各映像ピクチャが1つの
スライスを含むかどうかを示すone_slice_per_pic_constrai
nt_flagを含み、1つ以上の構文構造は、各映像ピクチャにおける矩形スライスの
数から1を減算したものを示す第2の構文要素num_slices_in_pic_m
inus1を含む。いくつかの実施形態において、one_slice_per_pic
_constraint_flagが1に等しく、かつ映像ピクチャにおける矩形スライ
スの使用を示す別の構文要素rect_slice_flagが1に等しいとき、第2の
構文要素num_slices_in_pic_minus1は0に制約される。いくつ
かの実施形態において、one_slice_per_pic_constraint_
flagが1に等しく、映像ピクチャにおける矩形スライスの使用を示す別の構文要素r
ect_slice_flagが0に等しい場合に、ビットストリームの各スライスヘッ
ダの第2の構文要素num_slices_in_pic_minus1は、映像ピクチ
ャのタイルの数から1を除いた数に等しいように制約される。
【0894】
いくつかの実施形態において、制約フラグは、映像ピクチャが単一のサブピクチャを含
むかどうかを示すone_subpic_per_pic_constraintフラグ
を有し、1つ以上の構文要素は、one_subpic_per_pic_constr
aintが1に等しい場合に0に制約される映像ピクチャ内のサブピクチャの数を示す第
3の構文要素sps_num_subpics_minus1を有する。いくつかの実施
形態において、制約フラグは、映像パラメータセットによって規定される1つ以上の出力
レイヤセット内のすべてのピクチャのsps_subpic_info_present
_flagが0に等しいかどうかを示すフラグを含み、1つ以上の構文構造は、one_
subpic_per_pic_constraintが1に等しい場合に0とするよう
に制約される映像ピクチャ内のサブピクチャの数を示す第3の構文要素sps_num_
subpics_minus1をむ。いくつかの実施形態において、sps_subpi
c_info_present_flagが0に等しい場合、各映像ピクチャは1つのサ
ブピクチャを含み、サブピクチャ情報が存在しないことを示す。
【0895】
いくつかの実施形態において、1つ以上の構文要素は、スライスパラメータセット、映
像パラメータセット、ピクチャパラメータセット、ピクチャヘッダまたはスライスヘッダ
内にある。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の構文要素は、コーディングツー
ルが有効化されるかどうかを示す構文フラグを含む。いくつかの実施形態において、構文
フラグは、制約フラグが1に等しい場合は、コーディングツールが無効化されていること
を示す0に制約される。いくつかの実施形態において、構文フラグは制約フラグに基づい
てオーバーライドされる。
【0896】
いくつかの実施形態において、構文フラグがビットストリームに存在するかどうかは、
制約フラグに基づく。いくつかの実施形態において、制約フラグが1に等しいとき、ビッ
トストリームにおいて構文フラグが省略される。いくつかの実施形態において、前記構文
フラグは0に等しいと推論され、前記コーディングツールが無効化されることを示す。
【0897】
いくつかの実施形態において、前記制約フラグは、コーディングされたレイヤ映像シー
ケンス(CLVS)において解像度の変化がないことを意味し、前記1つ以上の構文要素
は、CLVSにおいて解像度の変化が許可されるかどうかを示すシーケンスパラメータセ
ットにおける第1の構文要素を含む。いくつかの実施形態において、制約フラグが1に等
しいとき、ビットストリームにおいて第1の構文要素を省略する。いくつかの実施形態に
おいて、前記第1の構文要素は0に等しいと推論され、前記CLVSにおいて前記解像度
変更が許可されないことを示す。
【0898】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の構文要素は、スケーリングウィンドウオ
フセットパラメータを示す第2の構文要素をさらに含み、前記第2の構文要素が前記ビッ
トストリームに存在するかどうかは、少なくとも前記制約フラグまたは前記第1の構文要
素に基づく。いくつかの実施形態において、CLVSにおいて解像度変更が許可されない
ことを示す、第1の構文要素が0に等しい場合は、ビットストリームにおいて第2の構文
要素を省略する。いくつかの実施形態において、CLVSの解像度が変化しないことを示
す、制約フラグが1に等しい場合、ビットストリームにおいて第2の構文要素を省略する
。いくつかの実施形態において、前記第2の構文要素は0に等しいと推論される。
【0899】
いくつかの実施形態において、制約フラグは、映像ピクチャが単一のスライスを含むか
どうかを示すone_slice_per_pic_constraintフラグを有し
、1つ以上の構文要素は、映像ピクチャが単一のサブピクチャを含むかどうかを示す構文
フラグone_subpic_per_pic_constraint_flagを含む
。いくつかの実施形態において、ビットストリームにおいて、制約フラグが1に等しい場
合は、構文フラグone_subpic_per_pic_constraint_fl
agを省略することができ、構文フラグは1に等しいと推論され、1つの映像ピクチャが
1つのサブピクチャを含むことを示す。いくつかの実施形態において、構文フラグone
_subpic_per_pic_constraint_flagは、制約フラグが0
に等しい場合、ビットストリームに含まれる。いくつかの実施形態において、制約フラグ
は変換スキップが変換に許可されないかどうかを示すno_transform_ski
p_constraint_flagを含み、前記1つ以上の構文要素は、ブロック差動
パルス符号変調(BDPCM)コーディングツールが許可されないかどうかを示す構文フ
ラグno_bdpcm_constraint flagを含む。いくつかの実施形態に
おいて、制約フラグが、変換スキップが許可されないことを示す、1に等しい場合は、構
文フラグは、BDPCMコーディングツールが許可されないことを示す1に制約される。
いくつかの実施形態において、制約フラグが、変換スキップが許可されないことを示す1
に等しい場合、ビットストリームにおいて構文フラグを省略する。いくつかの実施形態に
おいて、構文フラグは、BDPCMコーディングツールが許可されないことを示す1に等
しいと推論される。
【0900】
いくつかの実施形態において、ビットストリーム中に制約フラグが存在するかどうかは
、構文構造中の少なくとも1つの他の制約フラグに基づく。いくつかの実施形態において
、前記少なくとも1つの他の制約フラグは制約グループフラグと定義される。いくつかの
実施形態において、映像のプロファイルのコーディングツールのタイプに基づいて複数の
制約フラグをグループ分けすることができる。いくつかの実施形態において、1つのグル
ープにおける制約フラグの値は、対応する制約グループフラグに基づいて決定される。い
くつかの実施形態において、ビットストリームに制約フラグが存在するかどうかは、対応
する制約グループフラグに基づいて決定される。いくつかの実施形態において、ビットス
トリームにおいて制約フラグが省略されている場合、制約フラグは0に等しいと推論され
る。
【0901】
いくつかの実施形態において、前記変換は、前記映像を前記ビットストリームに符号化
することを含む。いくつかの実施形態において、前記変換は前記ビットストリームから前
記映像を復号することを含む。
【0902】
本明細書では、「映像処理」という用語は、映像符号化、映像復号化、映像圧縮、また
は映像展開を指すことができる。例えば、映像圧縮アルゴリズムは、映像の画素表現から
対応するビットストリーム表現への変換、またはその逆の変換中に適用されてもよい。現
在の映像ブロックのビットストリーム(コーディング)表現は、例えば、構文によって規
定されるように、ビットストリーム内の同じ場所または異なる場所に拡散されるビットに
対応していてもよい。例えば、1つのマクロブロックは、変換およびコーディングされた
誤り残差値の観点から、且つビットストリームにおけるヘッダおよび他のフィールドにお
けるビットを使用して、コーディングされてもよい。さらに、映像エンコーダは、記述さ
れたフォーマット規則に従って、符号化演算によって生成されたコーディング表現がこの
フォーマットに準拠するように符号化演算を行ってもよい。同様に、デコーダは、フォー
マット規則の知識(例えば、フォーマット規則に従って規定のフィールドの有無を予想す
るかどうか)でコーディング表現を構文解析し、復号演算を行って映像画素値を生成して
もよい。
【0903】
本明細書に記載された開示された、およびその他の解決策、実施例、実施形態、モジュ
ール、および機能動作の実装形態は、本明細書に開示された構造およびその構造的等価物
を含め、デジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しく
はハードウェアで実施されてもよく、またはそれらの1つ以上の組み合わせで実施しても
よい。開示された、およびその他の実施形態は、1または複数のコンピュータプログラム
製品、すなわち、データ処理装置によって実装されるため、またはデータ処理装置の動作
を制御するために、コンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令
の1または複数のモジュールとして実施することができる。このコンピュータ可読媒体は
、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号をもた
らす物質の組成物、またはこれらの1または複数の組み合わせであってもよい。「データ
処理装置」という用語は、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複
数のプロセッサ、若しくはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、
デバイス、および機械を含む。この装置は、ハードウェアの他に、当該コンピュータプロ
グラムの実行環境を作るコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタッ
ク、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはこれらの1または複
数の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝播信号は、人工的に生成した信
号、例えば、機械で生成した電気、光、または電磁信号であり、適切な受信装置に送信す
るための情報を符号化するために生成される。
【0904】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション
、スクリプト、またはコードとも呼ばれる)は、コンパイルされた言語または解釈された
言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、また、それは、スタ
ンドアロンプログラムとして、またはコンピューティング環境で使用するのに適したモジ
ュール、コンポーネント、サブルーチン、または他のユニットとして含む任意の形式で展
開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステムにおけるフ
ァイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持する
ファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書に格納された1または複数のスクリプト
)に記録されていてもよいし、当該プログラム専用の単一のファイルに記憶されていても
よいし、複数の調整ファイル(例えば、1または複数のモジュール、サブプログラム、ま
たはコードの一部を格納するファイル)に記憶されていてもよい。1つのコンピュータプ
ログラムを、1つのサイトに位置する1つのコンピュータ、または複数のサイトに分散さ
れ通信ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータで実行させるように展開
することも可能である。
【0905】
本明細書に記載された処理およびロジックフローは、入力データ上で動作し、出力を生
成することによって機能を実行するための1つ以上のコンピュータプログラムを実行する
1つ以上のプログラマブル処理装置によって行うことができる。処理およびロジックフロ
ーはまた、特定用途のロジック回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲー
トアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって行うことができ、装置はま
た、特別目的のロジック回路として実装することができる。
【0906】
コンピュータプログラムの実行に適した処理装置は、例えば、汎用および専用マイクロ
処理装置の両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上の処理装置
を含む。一般的に、処理装置は、リードオンリーメモリまたはランダムアクセスメモリま
たはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの本質的な要素は、命令を
実行するための処理装置と、命令およびデータを記憶するための1または複数のメモリデ
バイスとである。一般的に、コンピュータは、データを記憶するための1または複数の大
容量記憶デバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを含んでもよく、
またはこれらの大容量記憶デバイスからデータを受信するか、またはこれらにデータを転
送するように動作可能に結合されてもよい。しかしながら、コンピュータは、このような
デバイスを有する必要はない。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに
適したコンピュータ可読媒体は、あらゆる形式の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデ
バイスを含み、例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュ記憶装置、磁気ディスク
、例えば内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディスク、およびCD
-ROMおよびDVD-ROMディスク等の半導体記憶装置を含む。処理装置およびメモ
リは、特定用途のロジック回路によって補完されてもよく、または特定用途のロジック回
路に組み込まれてもよい。
【0907】
本特許明細書は多くの詳細を含むが、これらは、任意の主題の範囲または特許請求の範
囲を限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、特定の技術の特定の実施形態に特
有であり得る特徴の説明と解釈されるべきである。本特許文献において別個の実施形態の
コンテキストで説明されている特定の特徴は、1つの例において組み合わせて実装しても
よい。逆に、1つの例のコンテキストで説明された様々な特徴は、複数の実施形態におい
て別個にまたは任意の適切なサブコンビネーションで実装してもよい。さらに、特徴は、
特定の組み合わせで作用するものとして上記に記載され、最初にそのように主張されてい
てもよいが、主張された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わ
せから抜粋されることができ、主張された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサ
ブコンビネーションのバリエーションに向けられてもよい。
【0908】
同様に、動作は図面において特定の順番で示されているが、これは、所望の結果を達成
するために、このような動作が示された特定の順番でまたは連続した順番で行われること
、または示された全ての動作が行われることを必要とするものと理解されるべきではない
。また、本特許明細書に記載されている例における様々なシステムの構成要素の分離は、
全ての実施形態においてこのような分離を必要とするものと理解されるべきではない。
【0909】
いくつかの実装形態および例のみが記載されており、この特許文献に記載され図示され
ているコンテンツに基づいて、他の実施形態、拡張および変形が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを処理する方法であって、
フォーマット規則に従って、1つ以上のサブピクチャを含む映像ピクチャを含む映像と前記映像のビットストリームとの間の変換を行うことを含み、
前記フォーマット規則は、前記映像ピクチャ内の1つ以上のサブピクチャの各々が単一のスライスから構成されるか否かを示す第1の構文要素の値が、ピクチャ分割が前記映像ピクチャに適用されるか否かを示す第2の構文要素に基づいて決定されることを規定する、
方法。
【請求項2】
前記第1の構文要素の前記値は、前記第2の構文要素の値が1に等しい場合に1に等しいと推論され、
前記第1の構文要素の前記値が1に等しいことは、前記映像ピクチャ内の1つ又は複数のサブピクチャの各々が前記単一のスライスを含むことを示し、
前記第2の構文要素の前記値が1に等しいことは、ピクチャ分割が前記映像ピクチャに適用されないことを示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記単一のスライスは、1つの矩形スライスのみを示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記映像は、1つ又は複数のコーディングされた レイヤ映像シーケンス(CLVS)を含み、
前記フォーマット規則は、更に、ターゲットサブピクチャインデックス値のリストがサブピクチャサブビットストリーム抽出処理の入力として使用されることを規定する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サブピクチャサブビットストリーム抽出処理において出力サブビットストリームを決定するための第3の構文要素を修正する方法が、サブピクチャインデックスに基づいて決定され、
前記第3の構文要素を修正する前記方法は、前記第3の構文要素を書き換えること又は削除することを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各ターゲットサブピクチャインデックス値と、第4の構文要素によって示されるサブピクチャ識別子(ID)は、SubpicIdVal[ターゲットサブピクチャインデックス値]が前記サブピクチャIDと等しいことを満たし、
SubpicIdVal[]は、マッピング関数である、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記変換が、サブピクチャサブビットストリーム抽出処理中に、前記ビットストリームから1つ又は複数のターゲットサブピクチャのサブビットストリームを抽出することによって、出力サブビットストリームを決定することを含み、
前記フォーマット規則が、更に、前記出力サブビットストリームにおいて、シーケンスパラメータセットの全ての参照される構文構造における第5の構文要素と、ピクチャパラメータセットの全ての参照される構文構造における第6の構文要素とが、0に等しくなるように変更され、前記第5の構文要素及び前記第6の構文要素が、前記映像ピクチャの各々におけるサブピクチャの数から1を引いた数を示すことを規定する、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記出力サブビットストリームにおいて、全ての出力レイヤにおける前記1つ又は複数のターゲットサブピクチャに参照される第7の構文要素の1つ又は複数の値が第1の特定値に等しく、前記第7の構文要素が、コーディングされたレイヤ映像シーケンス(CLVS)における各映像ピクチャの前記1つ又は複数のターゲットサブピクチャが、インループフィルタリング動作を除く復号処理においてピクチャとして扱われるかどうかを示し、
前記第1の特定値は1に等しく、前記第7の構文要素の前記1つ又は複数の値が1に等しいことは、各映像ピクチャの前記1つ又は複数のターゲットサブピクチャが、前記インループフィルタリング動作を除く前記復号処理においてピクチャとして扱われることを示す、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記出力サブビットストリームにおいて、前記1つ又は複数のターゲットサブピクチャに参照される第8の構文要素の1つ又は複数の値が第2の特定値に等しく、前記第8の構文要素が、前記1つ又は複数のターゲットサブピクチャの境界をまたがるインループフィルタリング動作が有効化されるかどうかを示し、
前記第2の特定値は0であり、前記第8の構文要素の前記1つ又は複数の値が0に等しいことは、前記1つ又は複数のターゲットサブピクチャの前記境界をまたがる前記インループフィルタリング動作が無効化されることを示す、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記出力サブビットストリームにおいて、1つ又は複数のターゲットサブピクチャの前記出力サブビットストリームに参照される前記シーケンスパラメータセットにおける第9の構文要素の1つ又は複数の値が第3の特定値に等しく、前記第9の構文要素が、コーディングされたレイヤ映像シーケンス(CLVS)におけるサブピクチャ境界をまたいでインループフィルタリング動作が実行されることが許可されるかどうか、及び、前記CLVSにおける全ての前記サブピクチャ境界がピクチャ境界として扱われるかどうか、を示し、
前記第3の特定値は1であり、前記第9の構文要素の前記1つ又は複数の値が1に等しいことは、前記1つ又は複数のターゲットサブピクチャのサブピクチャ境界をまたいだインループフィルタリング動作が無効化され、前記1つ又は複数のターゲットサブピクチャの全ての前記サブピクチャ境界が前記ピクチャ境界として扱われることを示す、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ又は複数のターゲットサブピクチャは、前記サブピクチャサブビットストリーム抽出処理の入力として使用されるターゲットサブピクチャインデックス値のリストによって示される、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記映像が少なくとも1つのコーディングブロックを含み、かつ、
前記コーディングブロックは、予測ツリー又は変換ツリーのルートノードであり、前記予測ツリーは、予測ブロックの位置及びサイズを規定し、前記変換ツリーは、変換ブロックの位置及びサイズを規定する、
請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記変換ツリー又は前記予測ツリーに対して、クロマ成分及び輝度映像成分の分割情報が同一であること又は異なることが許容される、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記変換は、前記映像を前記ビットストリームに符号化することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記変換は、前記ビットストリームから前記映像を復号することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項16】
プロセッサと、命令が記憶された非一時的メモリと、を備える映像データを処理する装置であって、
前記命令は、前記プロセッサによる実行時に、前記プロセッサに、
フォーマット規則に従って、1つ以上のサブピクチャを含む映像ピクチャを含む映像と前記映像のビットストリームとの間の変換を行うことを実行させ、
前記フォーマット規則は、前記映像ピクチャ内の1つ以上のサブピクチャの各々が単一のスライスから構成されるか否かを示す第1の構文要素の値が、ピクチャ分割が前記映像ピクチャに適用されるか否かを示す第2の構文要素に基づいて決定されることを規定する、
装置。
【請求項17】
命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記命令は、プロセッサに、
フォーマット規則に従って、1つ以上のサブピクチャを含む映像ピクチャを含む映像と前記映像のビットストリームとの間の変換を行うことを実行させ、
前記フォーマット規則は、前記映像ピクチャ内の1つ以上のサブピクチャの各々が単一のスライスから構成されるか否かを示す第1の構文要素の値が、ピクチャ分割が前記映像ピクチャに適用されるか否かを示す第2の構文要素に基づいて決定されることを規定する、
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
映像のビットストリームを記憶する方法であって、
フォーマット規則に従って、1つ以上のサブピクチャを含む映像ピクチャを含む前記映像のビットストリームを生成することと、
前記ビットストリームを非一時的なコンピュータ可読記録媒体に記憶することと、を含み、
前記フォーマット規則は、前記映像ピクチャ内の1つ以上のサブピクチャの各々が単一のスライスから構成されるか否かを示す第1の構文要素の値が、ピクチャ分割が前記映像ピクチャに適用されるか否かを示す第2の構文要素に基づいて決定されることを規定する、
方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、日本特許出願第2022-548755号の分割出願であり、この日本特許出願は、2021年2月10日出願の国際特許出願第PCT/CN2021/076542号に基づくものであり、この国際特許出願は、2020年2月14日出願の国際特許出願第PCT/CN2020/075194号の優先権および利益を主張する。前述の特許出願は全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【外国語明細書】