(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028937
(43)【公開日】2025-03-05
(54)【発明の名称】電池モジュール、電池パックおよび電力消費装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/242 20210101AFI20250226BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20250226BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20250226BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20250226BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20250226BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/271 Z
H01M50/291
H01M50/211
H01M50/178
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024204063
(22)【出願日】2024-11-22
(31)【優先権主張番号】202311587431.8
(32)【優先日】2023-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524084780
【氏名又は名称】厦門新能達科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Ampack Technology Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李坤龍
(72)【発明者】
【氏名】農文彬
(72)【発明者】
【氏名】王鵬飛
(72)【発明者】
【氏名】李梅
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電池の信頼性を向上させる電池モジュールの提供。
【解決手段】電池モジュールは、筐体と、セルアセンブリと、弾性部材とを備える。筐体は第1の方向に沿って対向配置された第1の壁と第2の壁とを有する。セルアセンブリは筐体に収容され、第1の壁に支持される。弾性部材は、セルアセンブリとともに第2の方向に沿って配列される。第1の方向に沿って、弾性部材と第2の壁との間に隙間が存在し、弾性部材はセルアセンブリを超える。筐体の第1の壁がセルアセンブリを支持し、第1の方向に沿って弾性部材と第2の壁との間に隙間が存在することにより、弾性部材の筐体内への組み立てを容易にし、弾性部材と筐体の壁との干渉のリスクを低減する。第1の方向に沿って、弾性部材はセルアセンブリを超えることで、電池モジュールが衝撃などの外部からの作用力を受けた時に、弾性部材はセルアセンブリより先に外部からの押圧や衝撃などを受けることができる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュールであって、
第1の方向に沿って対向配置された第1の壁と第2の壁とを有する筐体と、
前記筐体に収容され、前記第1の壁に支持されるセルアセンブリと、
前記セルアセンブリとともに前記第1の方向に垂直する第2の方向に沿って配列される弾性部材と、を備え、
前記第1の方向に沿って、前記弾性部材と前記第2の壁との間に隙間が存在し、前記弾性部材は前記セルアセンブリを超える、
ことを特徴とする、電池モジュール。
【請求項2】
前記セルアセンブリは、複数のセルユニットを備え、複数の前記セルユニットは、第2の方向に沿って積層配置され、前記セルユニットは、セルとホルダとを備え、前記ホルダは、第1の延出部を備え、前記第1の延出部は、前記セルの一部を覆い、
少なくとも1つの前記第1の延出部は、前記第1の方向に沿って、前記セルと前記第2の壁との間に位置し、
前記弾性部材は、前記第1の方向に沿って、前記第1の延出部を超える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記ホルダは、第2の延出部を備え、前記第2の延出部は前記セルの一部を覆い、
前記第1の方向に沿って、少なくとも1つの前記第2の延出部は、前記セルと前記第1の壁との間に位置する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記セルは、セルケースと、電極アセンブリと、電極端子とを備え、前記セルケースは、本体部と、第1の封止部とを備え、前記電極アセンブリは前記本体部に設けられ、前記電極端子は、前記第1の封止部から前記セルケースの外に突き出ており、
前記第1の延出部は、前記第1の封止部の一部を覆い、および/または
前記第2の延出部は、前記第1の封止部の一部を覆う、
ことを特徴とする、請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記セルケースは、前記第1の方向に沿って対向配置された2つの第2の封止部を備え、2つの前記第2の封止部は、前記第1の方向に沿って、それぞれ前記本体部の両側に位置し、
前記第1の延出部は、1つの前記第2の封止部の一部と前記本体部の一部とを覆い、および/または
前記第2の延出部は、別の前記第2の封止部の一部と前記本体部の一部とを覆う、
ことを特徴とする、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記ホルダは、接続部を備え、前記接続部は前記第1の延出部と前記第2の延出部とを接続する、
ことを特徴とする、請求項3~5のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記ホルダは、前記セルに一体成形される、
ことを特徴とする、請求項2~5のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記弾性部材は、基部と、第2の接続部と、少なくとも1つの緩衝部とを備え、前記基部は前記セルアセンブリに接続され、前記緩衝部は前記基部と前記第2の接続部とを接続し、
前記第1の方向に沿って、前記第2の接続部は、前記セルアセンブリを超え、および/または、前記緩衝部は、前記セルアセンブリを超える、
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記緩衝部は、少なくとも1つの第1の折曲手段を備え、前記第1の折曲手段は相互に接続された第1のセグメントと第2のセグメントとを備え、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の角度はBであり、0°<B<90°である、
ことを特徴とする、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記弾性部材は前記筐体に収容され、前記第2の接続部は前記筐体に固定される、
ことを特徴とする、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記弾性部材は、第3の方向に沿って前記基部の両端を超える2つの延在部を備え、2つの前記延在部は、前記筐体に固定され、前記第1の方向、前記第2の方向、及び前記第3の方向は互いに垂直である、
ことを特徴とする、請求項10に記載の電池モジュール。
【請求項12】
電池パックであって、
請求項1~5のいずれか1項に記載の電池モジュールと、
前記筐体に接続されるフロントカバーと、を備える、
ことを特徴とする、電池パック。
【請求項13】
電力消費装置であって、
少なくとも1つの請求項12に記載の電池パックを備える、
ことを特徴とする、電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術の分野に関し、特に、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、携帯型電子機器、電動車両、電動工具、ドローン、エネルギー貯蔵装置などの分野で広く活用されている。応用環境や条件がますます複雑になるにつれて、電池の信頼性に対する要求がより高くなる。
【発明の概要】
【0003】
本願の実施形態は、電池の信頼性を高めるために、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置を提供する。
【0004】
本願の実施形態は、筐体と、セルアセンブリと、弾性部材とを備える電池モジュールを提供する。筐体は第1の方向に沿って対向配置された第1の壁と第2の壁とを有する。セルアセンブリは筐体に収容され、第1の壁に支持される。弾性部材は、セルアセンブリとともに第2の方向に沿って配列される。第1の方向に沿って、弾性部材と第2の壁との間に隙間が存在し、弾性部材はセルアセンブリを超える。
【0005】
上記技術案において、筐体の第1の壁がセルアセンブリを支持し、第1の方向に沿って、弾性部材と第2の壁との間に隙間が存在することにより、弾性部材の筐体内への組み立てを容易にし、弾性部材と筐体の壁との干渉のリスクを低減する。第1の方向に沿って、弾性部材はセルアセンブリを超えることにより、電池モジュールが押圧や衝撃などの外部からの作用力を受けた時に、弾性部材はセルアセンブリより先に外部からの押圧や衝撃を受けることができ、外部の作用力によるセルアセンブリへの損傷を低減し、電池モジュールの信頼性を高めることができる。
【0006】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、セルアセンブリは、複数のセルユニットを備え、複数のセルユニットは第2の方向に沿って積層配置される。セルユニットは、セルとホルダとを備える。ホルダは、第1の延出部を備え、第1の延出部は、セルの一部を覆う。少なくとも1つの第1の延出部は、第1の方向に沿って、セルと第2の壁との間に位置する。弾性部材は、第1の方向に沿って、第1の延出部を超える。
【0007】
上記技術案において、第1の延出部は、セルの一部を覆うことにより、セルを保護する役割を果たすことができ、セルへの損傷のリスクを低減することができる。第1の方向に沿って、第1の延出部はセルと第2の壁との間に位置し、弾性部材は第1の延出部を超えることにより、電池モジュールが押圧や衝撃などの外部からの作用力を受けた時に、弾性部材は第1の延出部より先に外部からの作用力を受けることができ、外部の作用力によるセルへの損傷を低減し、それにより電池モジュールの信頼性を高めることができる。
【0008】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、ホルダは、第2の延出部を備える。第2の延出部はセルの一部を覆う。前記第1の方向に沿って、少なくとも1つの第2の延出部は、セルと第1の壁との間に位置する。
【0009】
上記技術案において、第2の延出部は、セルの一部を覆うことにより、セルを保護する役割を果たすことができ、セルへの損傷のリスクを低減することができる。少なくとも1つの第2の延出部はセルと第1の壁との間に位置することにより、セルと第1の壁とが第2の延出部を介して間接的に接触し、セルと第1の壁との直接接触による摩耗のリスクを回避することができる。
【0010】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、セルは、セルケースと、電極アセンブリと、電極端子とを備える。セルケースは、本体部と、第1の封止部とを備える。電極アセンブリは本体部に設けられる。電極端子は、第1の封止部からセルケースの外に突き出ている。第1の延出部は、第1の封止部の一部を覆い、および/または、第2の延出部は、第1の封止部の一部を覆う。
【0011】
上記技術案において、第1の延出部は第1の封止部の一部を覆い、および/または、第2の延出部は第1の封止部の一部を覆うことにより、第1の封止部を保護する役割を果たすことができ、セルのシール性能を向上させ、それによりセルの信頼性を向上させることができる。
【0012】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、セルケースは、第1の方向に沿って対向配置された2つの第2の封止部を備える。2つの第2の封止部は、第1の方向に沿って、それぞれ本体部の両側に位置する。第1の延出部は、1つの第2の封止部の一部と本体部の一部とを覆い、および/または、第2の延出部は、別の第2の封止部の一部と本体部の一部とを覆う。
【0013】
上記技術案において、セルケースは第1の方向に沿って対向配置された2つの第2の封止部を備えることにより、セルの組立成形を容易にするだけでなく、セルのシール性能を向上させるのにも有利である。第1の延出部は1つの第2の封止部の一部と本体部の一部とを覆うことにより、第2の封止部及び本体部を保護する役割を果たすことができ、押圧や衝撃等の外部からの作用力によるセルへの損傷のリスクを低減することができる。第2の延出部は別の第2の封止部の一部と本体部の一部とを覆うことにより、第2の封止部及び本体部を保護する役割を果たすことができ、押圧や衝撃等の外部からの作用力によるセルへの損傷のリスクを低減することができる。
【0014】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、ホルダは、接続部を備える。接続部は第1の延出部と第2の延出部とを接続する。
【0015】
上記技術案において、接続部が第1の延出部と第2の延出部とを接続することにより、第1の延出部、第2の延出部及び接続部を一体構造とするだけでなく、ホルダとセルとの嵌合の安定性を高めることにも有利である。
【0016】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、ホルダは、セルに一体成形される。
【0017】
上記技術案において、ホルダがセルに一体成形されることにより、ホルダとセルとの接続を容易にするだけでなく、ホルダが比較的に良い構造強度を有すること、およびセルとホルダとの間に比較的に安定した接続関係を持つことにも有利である。
【0018】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、弾性部材は、基部と、第2の接続部と、少なくとも1つの緩衝部とを備える。基部はセルアセンブリに接続される。緩衝部は基部と第2の接続部とを接続する。第1の方向に沿って、第2の接続部は、セルアセンブリを超え、および/または、緩衝部は、セルアセンブリを超える。
【0019】
上記技術案において、第1の方向に沿って、第2の接続部はセルアセンブリを超え、および/または、緩衝部はセルアセンブリを超えることにより、電池モジュールが押圧や衝撃などの外部からの作用力を受けた時に、第2の接続部および/または緩衝部はセルアセンブリより先に外部からの押圧や衝撃を受けることができ、外部の作用力によるセルアセンブリへの損傷を低減し、電池モジュールの信頼性を高めることができる。
【0020】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、緩衝部は、基部と第2の接続部との間に設けられた少なくとも1つの第1の折曲手段を備える。第1の折曲手段は相互に接続された第1のセグメントと第2のセグメントとを備える。第1のセグメントと第2のセグメントとの間の角度はBであり、0°<B<90°である。
【0021】
上記技術案において、緩衝部における第1のセグメントと第2のセグメントとが接続され、且つ角度をなすように設けられることにより、緩衝部の変形が容易になり、セルの膨張による作用力が吸収される。
【0022】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、弾性部材は筐体に収容され、第2の接続部は筐体に固定される。
【0023】
上記技術案において、弾性部材が筐体に収容されることにより、電池モジュールの構造をよりコンパクトにする。第2の接続部が筐体に固定されることにより、筐体内での弾性部材の安定性を高めることができ、遊動のリスクを低減することができる。
【0024】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、弾性部材は、 第3の方向に沿って基部の両端を超える2つの延在部を備える。2つの延在部は、筐体に固定される。第1の方向、第2の方向、及び第3の方向は互いに垂直である。
【0025】
上記技術案において、延在部が筐体に固定されることにより、セルが膨張した場合、第2の接続部は、セルの膨張に適応するように、セルアセンブリから離れる方向に沿って変形し、セルの変形のための空間を提供することができる。
【0026】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、筐体に固定部が設けられ、弾性部材は第2の方向に沿ってセルアセンブリと固定部との間に位置する。
【0027】
上記技術案において、固定部は弾性部材のセルアセンブリから離れる側に設けられることにより、セルアセンブリと弾性部材とが分離するリスクを低減することができ、弾性部材とセルアセンブリとが筐体から離脱するリスクを低減することもでき、筐体、セルアセンブリおよび弾性部材を一体に形成するのに有利であり、筐体、セルアセンブリおよび弾性部材の構造をよりコンパクトにする。
【0028】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、筐体の第2の方向に沿った一端に開口を有する。固定部は筐体の開口を有する一端に設けられる。
【0029】
上記技術案において、固定部が筐体の開口を有する一端に設けられることにより、セルアセンブリと弾性部材を筐体内に制限することができ、筐体、セルアセンブリおよび弾性部材を一体構造とする。フロントカバーが取り外された後、セルアセンブリと弾性部材との相対的な位置関係に影響を与えることなく、フロントカバーの独立した取り外しおよび取り付けを容易にする。
【0030】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、筐体は、第3の方向に沿って対向配置された第3の壁と第4の壁とを備える。第1の方向、第2の方向、および第3の方向は互いに垂直である。固定部は、第3の方向に沿って間隔を隔てて設けられた第1の固定部と第2の固定部とを備える。第1の固定部と第2の固定部はそれぞれ第3の壁と第4の壁に接続される。第2の接続部は第1の固定部および第2の固定部に当接する。
【0031】
上記技術案において、第1の固定部と第2の固定部が、第3の方向に沿って対向配置された第3の壁と第4の壁にそれぞれ接続されることにより、第1の固定部及び第2の固定部と他の構造との干渉のリスクを低減することができる。第1の固定部と第2の固定部とが共同して弾性部材を位置制限することで、弾性部材が固定部とセルアセンブリとの間により安定して当接することができる。
【0032】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、固定部は、第1の方向に沿って間隔を隔てて設けられた第3の固定部と第4の固定部とを備える。第3の固定部と第4の固定部はそれぞれ第1の壁と第2の壁に接続される。第2の接続部は第3の固定部および第4の固定部に当接する。
【0033】
上記技術案において、第3の固定部と第4の固定部がそれぞれ第1の壁と第2の壁に接続されることにより、第3の固定部および第4の固定部と他の構造との干渉のリスクを低減する。第3の固定部と第4の固定部とが共同してセルアセンブリおよび弾性部材を筐体内に制限することにより、セルアセンブリと弾性部材が筐体から離脱するリスクを低減し、それにより弾性部材が固定部とセルアセンブリとの間により安定して当接することができる。
【0034】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、弾性部材は、複数の緩衝部と複数の第2の接続部とを備える。複数の緩衝部は第1の方向に沿って間隔を隔てて配置される。各第2の接続部は1つの緩衝部を介して基部に接続される。
【0035】
上記技術案において、緩衝部と第2の接続部の数は複数であってもよく、セルの膨張変形による作用力を吸収することを容易にする。
【0036】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、弾性部材は、2つの緩衝部と2つの第2の接続部とを備える。2つの緩衝部は第1の方向に沿って間隔を隔てて配置される。2つの第2の接続部は第1の方向に沿って間隔を隔てて配置される。2つの緩衝部はそれぞれ基部の第1の方向に沿った両端に接続される。
【0037】
上記技術案において、緩衝部と第2の接続部の数はいずれも2つであり、2つの緩衝部は第1の方向に沿って間隔を隔てて配置されることにより、組み立て空間を合理的に利用することができる。
【0038】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、基部に補強リブが設けられている。
【0039】
上記技術案において、基部が高い強度を有し、損傷しにくくなるように、基部に補強リブが設けられている。
【0040】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、基部、緩衝部及び第2の接続部は、板材を折り曲げ成形してなる。
【0041】
上記技術案において、基部、緩衝部及び第2の接続部は板材を折り曲げ成形してなることにより、構造が簡単になり、加工製造が容易になり、基部と緩衝部との接続が強固になり、緩衝部と第2の接続部との接続も強固になる。
【0042】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、セルは、ソフトパックセルである。
【0043】
上記の1つまたは複数の選択的な実施形態において、本願の実施形態は、電池パックを提供する。電池パックは、筐体に接続されるフロントカバーと、上記のいずれか1つの実施形態に記載の電池モジュールと、を備える。
【0044】
上記技術案において、フロントカバーは筐体に接続されることにより、筐体内の構造を保護する役割を果たすだけでなく、電池パックのシール性能を向上させるにも有利であり、それにより電池パックの信頼性を向上させることができる。
【0045】
本願の実施形態は、電力消費装置をさらに提供する。電力消費装置は、少なくとも1つの上記のいずれか1つの実施形態に記載の電池パックを備える。
【0046】
上記技術案において、上記のいずれか1つの実施形態に記載の電池モジュールと電池パックの信頼性は良好であるので、この電池モジュールと電池パックによって電力が供給される電力消費装置の信頼性を向上させるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
以下、本願の実施形態の技術案をより明確に説明するために、実施形態に必要な図面を簡単に説明する。なお、下記図面は本願の一部の実施形態のみを示していることを理解すべきである。
【
図1】
図1は、本願のいくつかの実施形態にかかる電池パックの模式図である。
【
図2】
図2は、本願のいくつかの実施形態にかかる電池パックの分解図である。
【
図3】
図3は、本願のいくつかの実施形態にかかる筐体の分解図である。
【
図4】
図4は、本願のいくつかの実施形態にかかる第2の壁の構造模式図である。
【
図5】
図5は、本願のいくつかの実施形態にかかる電池モジュールの一部の構造模式図である。
【
図6】
図6は、本願のいくつかの実施形態にかかるセルの構造模式図である。
【
図7】
図7は、本願のいくつかの実施形態にかかるセルの分解図である。
【
図8】
図8は、本願のいくつかの実施形態にかかる電池パックの断面図である。
【
図10】
図10は、本願のいくつかの実施形態にかかるセルユニットの構造模式図である。
【
図12】
図12は、本願のいくつかの実施形態にかかる別の視点でのセルユニットの構造模式図である。
【
図14】
図14は、本願のいくつかの実施形態にかかるセルアセンブリの構造模式図である。
【
図15】
図15は、筐体の一部と弾性部材との嵌合の模式図である。
【
図16】
図16は、本願の他の実施形態にかかる電池モジュールの一部の構造模式図である。
【
図17】
図17は、本願のいくつかの実施形態にかかる弾性部材の構造模式図である。
【
図18】
図18は、本願のいくつかの実施形態にかかる別の視点での弾性部材の構造模式図である。
【
図19】
図19は、本願のいくつかの実施形態にかかる弾性部材を第2の方向に沿って見た図である。
【
図20】
図20は、本願のいくつかの実施形態にかかる弾性部材を第2の方向と反対方向に沿って見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施形態の目的、技術案および利点をより明確にするために、本願の実施形態の図面を参照しながら、本願の実施形態にかかる技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施形態が、すべての実施形態ではなく、単に本発明の一部の実施形態にすぎないことは、明らかである。一般的に、図面に示される本願の実施形態の構成要素は、様々な異なる構成で配置および設計することができる。
【0049】
したがって、図面に係る本願の実施形態に対する以下の詳細な説明は、本願の保護範囲を限定することを意図するものではなく、本願の選択された実施形態を示すにすぎない。なお、本願における実施形態及び実施形態における特徴は、矛盾しないかぎり、互いに組み合わせることができる。
【0050】
同様の符号およびアルファベットは下記図面において同様の項を表すので、ある項が1つの図において定義されると、次の図において更なる定義および説明を必要としないことに留意すべきである。
【0051】
なお、本願の実施形態の説明において、示される方向や位置関係は、図面に示される方向や位置関係、または当該出願にかかる製品が使用される時に通常配置される方向や位置関係、または当業者が一般的に理解できる方向や位置関係に基づくものである。これは、単に本願の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、言及される装置又は素子が必ず特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されることを明示又は暗示するものではないため、本願を限定するものとして理解できない。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明を区別するためにのみ使用され、相対的な重要性を明示又は暗示するものとして理解できない。
【0052】
現在、市場情勢の発展に伴い、電池モジュールの応用はますます広くなっている。電池モジュールは、電動自転車、電動バイク、電気自動車などの電動車両、及び電動工具、ドローン、エネルギー貯蔵装置などの多くの分野で広く使用されている。電池モジュールの応用分野の漸次拡大に伴い、その市場の需要も拡大し続けている。
【0053】
電池モジュール技術の開発は、例えばエネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータような複数の設計要素を同時に考慮する必要がある。また、環境条件及び/又は電池モジュールの内部条件の変化に伴い、電池モジュールの信頼性も重要な考慮要素の一つとなる。
【0054】
電池モジュールの使用環境がますます複雑になるにつれて、電池モジュールは、押圧や衝撃などの外部からの作用力を受ける可能性がある。これらの外部の作用力が筐体を介して電池モジュールの内部のセルに伝達されると、セルが損傷する可能性があり、その結果、電池モジュールの信頼性が低下する。
【0055】
上記の考慮に基づいて、外部の作用力によって電池モジュールの信頼性が低下するという問題を解決するために、本願の実施形態は、電池モジュールを提供する。当該電池モジュールは、筐体と、セルアセンブリと、弾性部材とを備える。筐体は第1の方向に沿って対向配置された第1の壁と第2の壁とを有する。セルアセンブリは筐体内に収容され、第1の壁に支持される。弾性部材は筐体内に設けられ、セルアセンブリとともに第2の方向に沿って配列される。第1の方向に沿って、弾性部材と第2の壁との間に隙間が存在し、弾性部材はセルアセンブリを超える。
【0056】
筐体の第1の壁はセルアセンブリを支持しており、第1の方向に沿って弾性部材と第2の壁との間に隙間が存在することにより、弾性部材の筐体内への組み立てを容易にし、弾性部材と筐体の壁との干渉のリスクを低減する。第1の方向に沿って、弾性部材がセルアセンブリを超えることにより、電池モジュールが押圧や衝撃などの外部からの作用力を受けた時に、弾性部材はセルアセンブリより先に外部からの押圧や衝撃を受けることができ、外部の作用力によるセルアセンブリへの損傷を低減し、電池モジュールの信頼性を高めることができる。
【0057】
本願の実施形態は、電池パックまたは電池モジュールを電源として使用する電力消費装置を提供する。電力消費装置は、電子機器、電動工具、電動車両、ドローン、エネルギー貯蔵装置であってもよいが、これらに限定されない。ここで、電子機器は、携帯電話、タブレット、ノートパソコンなどを含んでもよい。電動工具は、電動ドリル、電動ノコギリなどを含んでもよい。電動車両は、電気自動車、電動バイク、電動自転車などを含んでもよい。
【0058】
説明の便宜上、図面において、一部の電極端子は折り曲げ状態を示していない。
【0059】
図1および
図2に示すように、本願の実施形態は、フロントカバー10と電池モジュール20とを備える電池パック100を提供する。
【0060】
電池モジュール20は、筐体21と、セルアセンブリ22とを備える。セルアセンブリ22は、筐体21内に設けられる。筐体21は、第1の方向Xに沿って対向配置された第1の壁213と第2の壁214とを有する。第1の壁213は、セルアセンブリ22を支持する。
【0061】
筐体21に、収容空間211が形成されている。セルアセンブリ22は、収容空間211内に収容される。
【0062】
いくつかの実施形態において、筐体21は一体成形構造であってもよい。収容空間211の第2の方向Yに沿った一端に開口212が形成されており、フロントカバー10は開口212をカバーする。フロントカバー10は電池モジュール20の筐体21の開口212をカバーすることにより、筐体21内の構造を保護する役割を果たすだけでなく、電池パック100のシール性能を向上させるのにも有利であり、それにより電池パック100の信頼性を向上させることができる。第2の方向Yは、第1の方向Xに垂直する。
【0063】
フロントカバー10は、筐体21に接続されることにより、開口212をカバーする。フロントカバー10と筐体21は、フロントカバー10の取り外しを容易にし、筐体21とフロントカバー10の独立したメンテナンスを容易にするために、例えばボルト接続やスナップ接続などの取り外し可能な接続であってもよい。フロントカバー10と筐体21は、フロントカバー10と筐体21との接続安定性及び筐体21とフロントカバー10との間のシール性能を向上させるために、例えば溶接接続や接着接続などの固定接続であってもよい。
【0064】
他の実施形態において、筐体21は、互いに独立したいくつかの部材が一定の接続方向に接続されることによって形成されてもよい。
【0065】
フロントカバー10に入力端子10aと出力端子10bが設けられており、入力端子10aと出力端子10bはそれぞれセルアセンブリ22の総正極と総負極に電気的に接続される。入力端子10aと出力端子10bは、電池パック100を充電したり、電池パック100の電気エネルギーを放出したりするように、外部機器と電気的に接続されるためのものである。
【0066】
電池パック100は、回路基板30をさらに備える。回路基板30は、第2の方向Yに沿って、フロントカバー10とセルアセンブリ22との間に設けられる。選択的に、回路基板30は、BMS(Battery Management System,電池管理システム)ボードを含むことができる。回路基板30に、例えば情報収集部品などの回路素子を設けることができる。
【0067】
筐体21は、
図2および
図3に示すように、収容空間211を共に形成する複数の壁部を備える。複数の壁部は、一体成形によって筐体21を形成してもよい。筐体21は、例えば鋳造、射出成形、プレス加工などの一体成形方法を用いて形成してもよい。
【0068】
複数の壁部は、収容空間211を有する筐体21を形成するように、一部の壁部が一体成形され、一定の接続関係で他の一部の壁部と連結されて全体として形成してもよい。
【0069】
他の実施形態において、筐体21の各壁部は、別体に設けられ、一定の接続方法によって接続されて、筐体21を形成することができる。各壁部の間の接続方法は、溶接接続、接着接続などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0070】
図2および
図3に示すように、筐体21は、第1の壁213と、第2の壁214と、第3の壁215と、第4の壁216と、第5の壁217とを備える。第1の壁213と第2の壁214は、第1の方向Xに沿って対向配置される。第3の壁215と第4の壁216は、第3の方向Zに沿って対向配置される。開口212と第5の壁217は、第2の方向Yに沿って対向配置される。第1の方向X、第2の方向Y、第3の方向Zは互いに垂直である。
【0071】
第1の壁213は、セルアセンブリ22を支持するためにセルアセンブリ22の重力を受ける。第3の壁215と第4の壁216は、第1の壁213の第3の方向Zに沿った両端にそれぞれ接続される。第1の壁213、第3の壁215及び第4の壁216は、一体成形することができる。
【0072】
第2の壁214は、第3の壁215の第1の壁213と反対側の一端、および第4の壁216の第1の壁213と反対側の一端に接続される。第2の壁214と第3の壁215は、第2の壁214と第3の壁215のメンテナンスおよび交換を容易にするために、取り外し可能な接続であってもよい。取り外し可能な接続は、ボルト接続やスナップ接続などであってもよい。
【0073】
第2の壁214と第3の壁215は、第2の壁214と第3の壁215の製造成形を容易にするために、固定接続であってもよい。固定接続は、溶接接続や接着接続などであってもよい。
【0074】
第2の壁214と第4の壁216は、第2の壁214と第4の壁216のメンテナンスおよび交換を容易にするために、取り外し可能な接続であってもよい。取り外し可能な接続は、ボルト接続やスナップ接続などであってもよい。
【0075】
第2の壁214と第4の壁216は、第2の壁214と第4の壁216の製造成形を容易にするために、固定接続であってもよい。固定接続は、溶接接続や接着接続などであってもよい。
【0076】
第1の壁213、第2の壁214、第3の壁215及び第4の壁216はいずれも第5の壁217に接続される。第5の壁217と開口212は第2の方向Yに沿って対向配置される。
【0077】
第1の壁213、第2の壁214、第3の壁215、第4の壁216、および第5の壁217は、例えば溶接接続や接着接続などの固定接続であってもよい。
【0078】
第1の壁213、第2の壁214、第3の壁215、第4の壁216、および第5の壁217は、筐体21の各部のメンテナンス及び交換を容易にするために、取り外し可能な接続であってもよい。取り外し可能な接続は、ボルト接続やスナップ接続などであってもよい。
【0079】
他の実施形態において、第1の壁213、第2の壁214、第3の壁215、第4の壁216、および第5の壁217は、筐体21の製造成形を容易にするために、一体成形されてもよく、それにより、筐体21により良好な構造強度を持たせる。
【0080】
図2および
図3に示すように、第1の壁213に2つの第1の位置制限部材2131が設けられ、2つの第1の位置制限部材2131は第3の方向Zに沿って間隔を隔てて配置される。
【0081】
第1の位置制限部材2131は、第1の壁213の内面に突出している。セルアセンブリ22が第1の壁213に支持される時に、2つの第1の位置制限部材2131は、第3の方向Zおよび第3の方向Zと反対方向に沿ったセルアセンブリ22の移動を制限することができる。それにより、筐体21内でのセルアセンブリ22の安定性を高めることができる。
【0082】
第1の位置制限部材2131は、第1の壁213の外面からプレス加工することにより形成してよい。プレス加工のプロセスにおいて、第1の壁213の外面に凹みを形成し、第1の壁213の内面に突出した第1の位置制限部材2131を形成する。
【0083】
第1の壁213の内面とは、第1の方向Xに沿ってセルアセンブリ22に面する第1の壁213の表面を指す。第1の壁213の外面とは、第1の方向Xと反対方向に沿ってセルアセンブリ22から離れた第1の壁213の表面を指す。
【0084】
図4に示すように、第2の壁214に2つの第2の位置制限部材2141が設けられる。2つの第2の位置制限部材2141は第3の方向Zに沿って間隔を隔てて配置される。
【0085】
第2の位置制限部材2141は、第2の壁214の内面に突出している。2つの第2の位置制限部材2141は、第3の方向Zおよび第3の方向Zと反対方向に沿ったセルアセンブリ22の移動を制限することができる。それにより、筐体21内でのセルアセンブリ22の安定性を高めることができる。
【0086】
第2の位置制限部材2141は、第2の壁214の外面からプレス加工することにより形成することができる。プレス加工のプロセスにおいて、第2の壁214の外面に凹みを形成し、第2の壁214の内面に突出した第2の位置制限部材2141を形成する。
【0087】
第2の壁214の内面とは、第1の方向Xと反対方向に沿ってセルアセンブリ22に面する第2の壁214の表面を指す。第2の壁214の外面とは、第1の方向Xに沿ってセルアセンブリ22から離れた第2の壁214の表面を指す。
【0088】
図5および
図6に示すように、セルアセンブリ22は、複数のセルユニット221を備え、複数のセルユニット221は第2の方向Yに沿って積層配置される。複数とは、2つ以上の数を指す。各セルユニット221は、セル2211を備える。セル2211は、ハードシェルセルであってもよいし、ソフトパックセルであってもよい。
【0089】
図6および
図7において、セル2211がソフトパックセルである場合を示している。
図6および
図7に示すように、セル2211は、セルケース22111と、電極アセンブリ22112と、電極端子22113とを備える。電極アセンブリ22112は、セルケース22111内に収容される。セルケース22111の材質は、アルミニウムプラスチック フィルムやメタルプラスチックフィルムなどであってもよい。
【0090】
いくつかの実施形態において、セルケース22111は、本体部22111aと第1の封止部22111bとを備え、第1の封止部22111bは本体部22111aの第3の方向Zに沿った第1の端面2211aに接続される。電極アセンブリ22112は、本体部22111a内に収容される。電極端子22113は、電極アセンブリ22112に接続され、第1の封止部22111bからセルケース22111の外に突き出ている。
【0091】
セル2211は2つの電極端子22113を備え、2つの電極端子22113はいずれも電極アセンブリ22112に接続され、2つの電極端子22113の極性が反対である。すなわち、一方の電極端子22113は正極端子であり、他方の電極端子22113は負極端子である。
【0092】
いくつかの実施形態において、2つの電極端子22113は、セル2211の第3の方向Zに沿った同一端に位置してよい。2つの電極端子22113は、同じ第1の封止部22111bからセルケース22111の外に延出することにより、セルアセンブリ22を筐体21内に合理的に配置することが容易になり、筐体21の内部空間を十分に利用することができ、他の構造と2つの電極端子22113との電気的接続も容易になる。この場合、セルケース22111は、第1の封止部22111bを1つ備えてよい。
【0093】
図5~
図7に示すように、他の実施形態において、2つの電極端子22113は、それぞれセル2211の対向する両端に位置してもよい。セルケース22111は、2つの第1の封止部22111bを備える。2つの第1の封止部22111bは、第3の方向Zに沿って、それぞれ本体部22111aの両側に位置する。一方の第1の封止部22111bは本体部22111aの第1の端面2211aに接続され、他方の第1の封止部22111bは本体部22111aの第2の端面2211bに接続される。第1の端面2211aと第2の端面2211bは第3の方向Zに沿って対向配置される。2つの電極端子22113は、それぞれセル2211の対向する両端に位置することにより、セルアセンブリ22の短絡のリスクを低減することができる。
【0094】
いくつかの実施形態において、セルケース22111は、第1の方向Xに沿って対向配置された2つの第2の封止部22111cを備える。2つの第2の封止部22111cは、第1の方向Xに沿って、それぞれ本体部22111aの両側に位置する。それにより、セル2211の組立成形を容易にするだけでなく、セル22211のシール性能の向上にも有利である。
【0095】
複数のセル2211は、直列または並列に接続されてもよく、または、複数のセル2211における一部のセル2211は直列に接続され、他の一部のセル2211は並列に接続されてもよい。
【0096】
図5に示すように、セルアセンブリ22は、第1の導電部材222と第2の導電部材223とをさらに備える。第1の導電部材222は、セルアセンブリ22の総正極を形成するように、セル2211の一方の電極端子22113に電気的に接続される。第2の導電部材223は、セルアセンブリ22の総負極を形成するように、セル2211の他方の電極端子22113に電気的に接続される。総正極と総負極は、それぞれ入力端10aと出力端10bに電気的に接続される。
【0097】
いくつかの実施形態において、
図2、
図8および
図9に示すように、電池モジュール20は弾性部材23をさらに備える。弾性部材23は、セルアセンブリ22とともに第2の方向Yに沿って配列される。ここで、第1の方向Xに沿って、弾性部材23と第2の壁214との間に隙間Q1が存在し、弾性部材23はセルアセンブリ22を超える。
【0098】
筐体21の第1の壁213はセルアセンブリ22を支持しており、第1の方向Xに沿って弾性部材と第2の壁との間に隙間が存在することにより、弾性部材23の筐体21内への組み立てを容易にし、弾性部材23と筐体21の壁との干渉のリスクを低減する。第1の方向Xに沿って、弾性部材23はセルアセンブリ22を超えることにより、電池モジュール20が押圧や衝撃などの外部からの作用力を受けた時に、弾性部材23はセルアセンブリ22より先に外部からの押圧や衝撃を受けることができ、外部の作用力によるセルアセンブリ22への損傷を低減し、電池モジュール20の信頼性を高めることができる。
【0099】
いくつかの実施形態において、弾性部材23は、セルアセンブリ22に膨張空間を提供するように構成される。弾性部材23は、第2の方向Yに圧縮又は伸張可能である。セル2211が膨張すると、セルアセンブリ22は弾性部材23を押圧し、弾性部材23は第2の方向Yに沿って圧縮され、それにより、セル2211の膨張量を吸収し、セル2211の膨張のための空間を提供する。弾性部材23は、各セルユニット221を当接状態に維持させることもでき、これにより、セルアセンブリ22の構造がよりコンパクトになり、筐体21内でのセルユニット221の遊動のリスクを低減することができる。
【0100】
第1の方向Xに沿って、セルアセンブリ22は第2の壁214に最も近い第1の端部22aを有し、弾性部材23は第1の端部22aを超える。すなわち、弾性部材23はセルアセンブリ22の第2の壁214に最も近い端部を超える。このように、第1の方向Xにおいて、電池モジュール20が外部の作用力を受けたとき、弾性部材23は常にセルアセンブリ22よりも先に外部の作用力を受けることができ、セルアセンブリ22への損傷を低減することができ、それにより、電池モジュール20の信頼性を向上させる。
【0101】
弾性部材23の材質は、金属、プラスチックなどを含むが、これらに限定されない。
【0102】
電池パック100が回路基板30を備える実施形態において、弾性部材23は、第2の方向Yに沿って、セルアセンブリ22と回路基板30との間に設けられる。
【0103】
図10~
図13に示すように、いくつかの実施形態において、セルユニット221は、ホルダ2212を備える。ホルダ2212は、セル2211に設けられる。
【0104】
いくつかの実施形態において、隣接する2つのセルユニット221のホルダ2212は、第2の方向Yに沿って当接してよい。隣接する2つのセルユニット221は、ホルダ2212が当接することにより、隣接するセル2211間の接触摩擦による損傷の問題を緩和し、セル2211の信頼性を高め、セル2211の使用寿命を延長することができる。
【0105】
勿論、他の実施形態において、隣接する2つのセルユニット221のセルケース22111の本体部22111aが接触してもよい。
【0106】
ホルダ2212は、第1の方向Xに沿って、セル2211よりも第2の壁214に近い。ホルダ2212の第2の壁214に面する一端は第1の端部22aである。弾性部材23はホルダ2212の第2の壁214に面する一端を超えることにより、電池モジュール20が押圧や衝撃などの外部からの作用力を受けた時に、弾性部材23はホルダ2212より先に外部からの作用力を受けることができ、外部の作用力によるセル2211への損傷を低減し、それにより、電池モジュール20の信頼性を高めることができる。
【0107】
いくつかの実施形態において、ホルダ2212は、セル2211の一部を覆う第1の延出部22121を備える。
【0108】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第1の延出部22121は、第1の方向Xに沿って、セル2211と第2の壁214との間に位置する。第1の方向Xに沿って、弾性部材23は、第1の延出部22121を超える。
【0109】
第1の方向Xに沿って、第1の延出部22121の第2の壁214に面する一端は、セルアセンブリ22の第1の端部22aである。電池モジュール20が押圧や衝撃などの外部からの作用力を受けた時に、弾性部材23はホルダ2212より先に外部からの押圧や衝撃を受けることができ、外部の作用力によるセル2211への損傷を低減し、電池モジュール20の信頼性を高めることができる。
【0110】
第1の延出部22121はセルケース22111の一部を覆うことにより、セル2211をよく保護する役割を果たし、電池モジュール20が押圧や衝撃などの外部からの作用力を受けたときにセル2211が損傷するリスクを低減する。
【0111】
いくつかの実施形態において、第1の延出部22121は第1の封止部22111bの一部を覆うことにより、第1の封止部22111bを保護する役割を果たし、押圧や衝撃等の外部からの作用力によるセル2211への損傷のリスクを低減することができる。
【0112】
いくつかの実施形態において、第1の延出部22121は1つの第2の封止部22111cの一部と本体部22111aの一部とを覆うことにより、第2の封止部22111c及び本体部2111aを保護する役割を果たし、押圧や衝撃等の外部からの作用力によるセル2211への損傷のリスクを低減することができる。
【0113】
第1の延出部22121の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。
図10および
図11に示すように、第1の延出部22121の数は2つである。2つの第1の延出部22121は、第3の方向Zに沿って間隔を隔てて配置され、各第1の延出部22121はいずれも第1の封止部22111bの一部、本体部22111aの一部、および第2の封止部22111cの一部を覆う。セル2211をより良く保護する役割を果たすことができ、セルユニット221の重量を軽減することもできる。
【0114】
いくつかの実施形態において、ホルダ2212は、
図12および
図13に示すように、第2の延出部22122を備える。第2の延出部22122は、セル2211の一部を覆う。
【0115】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の延出部22122は、第1の方向Xに沿って、セル2211と第1の壁213との間に位置することにより、セル2211を保護する役割を果たすことができる。
【0116】
第2の延出部22122はセルケース22111の一部を覆うことにより、セル2211をよく保護する役割を果たし、電池モジュール20が押圧や衝撃などの外部からの作用力を受けたときにセル2211が損傷するリスクを低減する。
【0117】
いくつかの実施形態において、セル2211は、直列に接続され、第2の方向Yに沿って、第1の延出部22121と第2の延出部22122とが順に交互に配置される(
図14に示す)。
【0118】
いくつかの実施形態において、第2の延出部22122は第1の封止部22111bの一部を覆うことにより、第1の封止部22111bを保護する役割を果たし、押圧や衝撃等の外部からの作用力によるセル2211への損傷のリスクを低減することができる。
【0119】
いくつかの実施形態において、第1の延出部22121は第1の封止部22111bの一部を覆い、第2の延出部22122は第1の封止部22111bの一部を覆う。
【0120】
いくつかの実施形態において、第2の延出部22122は別の第2の封止部22111cの一部と本体部22111aの一部とを覆うことにより、第2の封止部22111c及び本体部22111aを保護する役割を果たし、押圧や衝撃等の外部からの作用力によるセル2211への損傷のリスクを低減することができる。
【0121】
第2の延出部22122の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。
図10、
図11、
図12、および
図13に示すように、第2の延出部22122の数は2つである。2つの第2の延出部22122は、第3の方向Zに沿って間隔を隔てて配置される。各第2の延出部22122はいずれも第1の封止部22111bの一部、本体部22111aの一部、および第2の封止部22111cの一部を覆う。セル2211をより良く保護する役割を果たすことができ、セルユニット221の重量を軽減することもできる。
【0122】
いくつかの実施形態において、ホルダ2212は、接続部22123を備え、接続部22123は第1の延出部22121と第2の延出部22122とを接続する。第1の延出部22121、第2の延出部22122及び接続部22123を全体構造とするだけでなく、ホルダ2212とセル2211との嵌合の安定性を高めることにも有利である。
【0123】
第1の延出部22121と第2の延出部22122の数がそれぞれ2つである実施形態において、接続部22123は2つであってもよい。一方の接続部22123は一方の第1の延出部22121と一方の第2の延出部22122とを接続し、他方の接続部22123は他方の第1の延出部22121と他方の第2の延出部22122とを接続する。
【0124】
接続部22123は、第1の封止部22111bの一部と本体部22111aの一部とを覆ってもよい。これにより、セル2211をより良く保護する役割を果たすことができ、セル2211のシール性能の向上にも有利である。
【0125】
いくつかの実施形態において、接続部22123は、第1の端面2211aの少なくとも一部を覆い、これにより本体部22111aの変形を制限し、第1の端面2211aにおける膨らみ変形のリスクを低減し、電池モジュール20の信頼性を高めることができる。
【0126】
いくつかの実施形態において、接続部22123は第1の封止部22111bの一部を覆い、これにより第1の封止部22111bへの保護を強化するのに有利である。
【0127】
ホルダ2212がセル2211に設けられる方法は、様々な方法がある。例えば、ホルダ2212がセル2211に接着されたり、ホルダ2212がセル2211に溶接されたりするなどの方法がある。
【0128】
いくつかの実施形態において、ホルダ2212はセル2211に一体成形され、これにより、ホルダ2212とセル2211の接続を容易にするだけでなく、ホルダ2212が良い構造強度を有すること、およびセル2211とホルダ2212との間に安定な接続関係を持つことにも有利である。ここで、一体成形とは、ホルダ2212とセル2211とが直接固定されることを意味する。一体成形の方法は、注入プロセスや射出成形プロセスを含むが、これらに限定されない。
【0129】
いくつかの実施形態において、注入プロセスによって絶縁材料がセル2211の周辺に設けられた後、絶縁材料が硬化してホルダ2212を形成し、ホルダ2212とセル2211とが接着固定される。例えば、セル2211を金型に入れ、絶縁材料を金型に流し込み、絶縁材料が硬化してホルダ2212を形成し、そしてセル2211と接着固定された後、ホルダ2212とセル2211を金型から取り出す。
【0130】
いくつかの実施形態において、絶縁材料は、密封剤、発泡性ガムを含むが、これらに限定されない。
【0131】
いくつかの実施形態において、射出成形プロセスは、以下のことを含む。即ち、セル2211を金型に入れ、射出成形装置が絶縁材料を加熱溶融し、溶融した絶縁材料が金型内に流し込み、絶縁材料が硬化してホルダ2212を形成し、そしてセル2211と接着固定された後に、ホルダ2212とセル2211を金型から取り出す。選択的に、絶縁材料はポリアミドを含む。
【0132】
いくつかの実施形態において、ホルダ2212は絶縁ホルダであり、ホルダ2212とセル2211との短絡のリスクを低減することができる。
【0133】
いくつかの実施形態において、
図15および
図16に示すように、筐体21に固定部24が設けられている。弾性部材23は第2の方向Yに沿ってセルアセンブリ22と固定部24との間に位置する。固定部24は弾性部材23のセルアセンブリ22から離れた側に設けられ、これにより、セルアセンブリ22と弾性部材23とが分離するリスクを低減することができ、弾性部材23とセルアセンブリ22が筐体21から離脱するリスクを低減することもでき、筐体21、セルアセンブリ22および弾性部材23を一体形成するのに有利であり、筐体21、セルアセンブリ22および弾性部材23の構造をよりコンパクトにする。
【0134】
第2の方向Yに沿って、弾性部材23の一端がセルアセンブリ22に当接する。弾性部材23とセルアセンブリ22は、直接当接してよく、即ち弾性部材23とセルアセンブリ22は直接接触する。弾性部材23とセルアセンブリ22は、間接当接してもよい。例えば、弾性部材23とセルアセンブリ22との間に緩衝部材Q2が設けられ、弾性部材23とセルアセンブリ22は緩衝部材Q2を介して間接当接する。緩衝部材Q2は、発泡体であってもよい。
【0135】
第2の方向Yに沿って、弾性部材23の他端が固定部24に当接する。弾性部材23と固定部24は直接当接してもよく、即ち弾性部材23と固定部24は直接接触してもよい。弾性部材23と固定部24は、間接当接してもよい。例えば、弾性部材23と固定部24との間に緩衝部材Q2が設けられ、弾性部材23と固定部24は緩衝部材Q2を介して間接当接する。緩衝部材Q2は、発泡体であってもよい。
【0136】
図17~
図20に示すように、いくつかの実施形態において、弾性部材23は、基部231と、第2の接続部232と、少なくとも1つの緩衝部233とを備え、基部231は、セルアセンブリ22に接続され、緩衝部233は、基部231と第2の接続部232とを接続する。
【0137】
いくつかの実施形態において、第1の方向Xに沿って、第2の接続部232はセルアセンブリ22を超え、および/または緩衝部233はセルアセンブリ22を超える。
【0138】
基部231は、セルアセンブリ22に接続される。いくつかの実施形態において、基部231は、セルアセンブリ22における弾性部材23に最も近いセルユニット221に接続される。選択的に、基部231はセルユニット221に接触して接続される。選択的に、基部231とセルユニット221は、他の部品と接続するために用いられてもよい。基部231は、セルユニット221に圧力を加えるように配置される。
【0139】
いくつかの実施形態において、本体部22111aの投影は、第1の方向Xに沿って、基部231内に位置し、基部231が本体部22111aに圧力を加えるのに有利である。
【0140】
第2の接続部232は、固定部24に接続されてもよい。選択的に、第2の接続部232は固定部24に接触して接続される。選択的に、第2の接続部232と固定部24は、他の部品と接続するために用いられてもよい。
【0141】
セル2211が膨張すると、基部231と第2の接続部232との間の第2の方向Yに沿った距離が変化し、緩衝部233は基部231と第2の接続部232との間の距離の変化に適応でき、それにより、セル2211の膨張に適応できる。
【0142】
基部231はセルアセンブリ22に当接し、第2の接続部232は固定部24に当接し、それにより、セルアセンブリ22および固定部24と弾性部材23との相互作用を容易にし、緩衝部233は基部231と第2の接続部232との間の距離の変化に適応でき、セル2211の膨張のための空間を提供する。
【0143】
緩衝部233の構造は様々である。例えば、緩衝部233が半円弧構造、S字構造、Z字形構造である。
図17~
図20に示すように、いくつかの実施形態において、緩衝部233は、基部231と第2の接続部232との間に設けられた折り曲げ構造である。構造が簡単になり、加工製造が容易になり、基部231と第2の接続部232との間の距離の変化によく適応することができる。
【0144】
図17および
図18に示すように、いくつかの実施形態において、緩衝部233は、基部231と第2の接続部232との間に設けられた少なくとも1つの第1の折曲手段233aを備える。第1の折曲手段233aは、相互に接続された第1のセグメント2331と第2のセグメント2332とを備える。第1のセグメント2331と第2のセグメント2332は角度をなすように設けられる。
【0145】
緩衝部233は、第1のセグメント2331と第2のセグメント2332とが接続され、且つ角度をなすように設けられることにより、緩衝部233の変形を容易にし、セル2211の膨張による作用力を吸収する。
【0146】
第1のセグメント2331と第2のセグメント2332との間の角度はBであり、0°<B<90°である。つまり、第1のセグメント2331と第2のセグメント2332は鋭角をなすように配置されてもよい。
【0147】
緩衝部233は、1つの第1の折曲手段233aを備えてもよいし、複数の第1の折曲手段233aを備えてもよい。緩衝部233が複数の第1の折曲手段233aを備える実施形態において、複数の第1の折曲手段233aが第2の方向Yに沿って順に接続され、基部231と第2の接続部232との間の距離の調整範囲を増大させるのに有利であり、それによりセル2211の膨張により良く適応することができる。
【0148】
複数の第1の折曲手段233aにおける一方の第1の折曲手段233aは基部231に接続され、複数の第1の折曲手段233aにおける他方の第1の折曲手段233aは第2の接続部232に接続される。
【0149】
図18に、緩衝部233が1つの第1の折曲手段233aを備える場合を示している。この第1の折曲手段233aにおける第1のセグメント2331の第2のセグメント2332から離れた一端は、基部231に接続され、第2のセグメント2332の第1のセグメント2331から離れた一端は、第2の接続部232に接続される。第1のセグメント2331と基部231との角度は鋭角に設けられ、第2のセグメント2332と第2の接続部232との角度は鋭角に設けられる。1つの第1の折曲手段233aを備える緩衝部233、基部231及び第2の接続部232は、M字状の弾性部材23を形成している。
【0150】
セル2211が膨張すると、基部231と第2の接続部232との間の第2の方向Yに沿った距離が減少し、第1のセグメント2331と第2のセグメント2332との角度が減少し、基部231と第1のセグメント2331との角度が減少し、第2の接続部232と第2のセグメント2332との角度が減少する。
【0151】
弾性部材23は、1つの緩衝部233を備えてもよいし、複数の緩衝部233を備えてもよい。弾性部材23が複数の緩衝部233を備える実施形態において、第1の方向Xに沿って、少なくとも1つの緩衝部233はセルアセンブリ22を超える。
【0152】
図17~
図20に示すように、複数の緩衝部233は、第1の方向Xに沿って間隔を隔てて配置される。各緩衝部233は、いずれも基部231と第2の接続部232とを接続する。複数の緩衝部233が基部231と第2の接続部232との間に接続されることにより、基部231と第2の接続部232との距離の変化によく適応することができる。
【0153】
図17~
図20に示すように、弾性部材23が複数の緩衝部233を備える実施形態において、弾性部材23は複数の第2の接続部232をさらに備える。各緩衝部233に対応して、1つの第2の接続部232が設けられる。各第2の接続部232は1つの緩衝部233を介して基部231に接続される。緩衝部233と第2の接続部232の数は複数であってもよい。それにより、セル2211の膨張変形による作用力を吸収するのに有利である。
【0154】
例示的には、
図17~
図20に示すように、弾性部材23は、2つの緩衝部233と2つの第2の接続部232とを備える。2つの緩衝部233は第1の方向Xに沿って間隔を隔てて配置される。2つの第2の接続部232は第1の方向Xに沿って間隔を隔てて配置される。2つの緩衝部233はそれぞれ基部231の第1の方向Xに沿った両端に接続される。緩衝部233と第2の接続部232の数はいずれも2つであり、2つの緩衝部233は第1の方向Xに沿って間隔を隔てて配置されることにより、組み立て空間を合理的に利用することができる。
【0155】
図17~
図20に示すように、いくつかの実施形態において、基部231が高い強度を有し、損傷しにくくなるように、基部231に補強リブ2311が設けられている。
【0156】
補強リブ2311の形状は、第1の方向Xに沿って延びる長条状構造であってもよい。補強リブ2311の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。補強リブ2311の数が複数である実施形態において、複数の補強リブ2311が第3の方向Zに沿って間隔を隔てて配置される。
図17、
図19および
図20において、補強リブ2311の数が4つである場合を示している。
【0157】
弾性部材23の成形方法は様々である。例えば、基部231、第2の接続部232、及び緩衝部233は、互いに独立した部品であり、着脱可能な接続又は固定接続によって一体として接続され、弾性部材23を形成している。他の実施形態において、弾性部材23は一体成形されてもよい。例えば、基部231、緩衝部233及び第2の接続部232は、板材を折り曲げ成形してなる。構造が簡単になり、加工製造が容易になり、基部231と緩衝部233との接続が強固になり、緩衝部233と第2の接続部232との接続も強固になる。
【0158】
いくつかの実施形態において、弾性部材23は筐体21に収容され、第2の接続部232は筐体21に固定される。
【0159】
いくつかの実施形態において、固定は、当接、接着、溶接、締結具によるロック固定、スナップ接続などを含むが、これらに限定されない。
【0160】
いくつかの実施形態において、弾性部材23は筐体21によって固定される。フロントカバー10が取り外された後、弾性部材23は筐体21に固定されている。これにより、電池パック100のメンテナンスと交換を容易にする。
【0161】
いくつかの実施形態において、基部231は第2の壁214に面する第2の端部2312を有し、第2の接続部232は第2の壁214に面する第3の端部2321を有する。少なくとも1つの緩衝部233のうちの1つは第2の端部2312と第3の端部2321とを接続する。第2の端部2312および/または第3の端部2321は弾性部材23の第2の壁214に最も近い端部である(
図9を参照)。
【0162】
第3の端部2321と第2の端部2312は、第2の方向Yにおいて同じ高さに位置してもよい。第3の端部2321と第2の壁214との距離は、第2の端部2312と第2の壁214との距離と同じである。この場合、電池モジュール20が外部からの作用力を受けたときに、第3の端部2321と第2の端部2312は、共同して外部からの作用力に抵抗することができ、それにより、弾性部材23が外部からのより大きな押圧力や衝撃力に耐えることができ、外部からの作用力によって弾性部材23が潰れるリスクを低減し、それによってセルアセンブリ22への損傷を低減する。
【0163】
いくつかの実施形態において、第3の端部2321と第2の壁214は、異なる高さに位置してもよい。即ち、第3の端部2321は、第2の端部2312よりも第2の壁214に近く、または第2の端部2312は、第3の端部2321よりも第2の壁214に近い。
【0164】
いくつかの実施形態において、固定部24は筐体21の開口212を有する一端に設けられる。これにより、セルアセンブリ22と弾性部材23を筐体21内に制限することができ、筐体21、セルアセンブリ22および弾性部材23を一体構造とする。フロントカバー10が取り外された後、セルアセンブリ22と弾性部材23との相対的な位置関係に影響を与えることなく、フロントカバー10の独立した取り外しおよび取り付けが容易になる。
【0165】
図2、
図3、
図15および
図16に示すように、固定部24は、第3の方向Zに沿って間隔を隔てて設けられた第1の固定部241と第2の固定部242とを備える。第1の固定部241と第2の固定部242はそれぞれ第3の壁215と第4の壁216に接続される。第2の接続部232は第1の固定部241および第2の固定部242に当接する。
【0166】
第1の固定部241と第2の固定部242は、第3の方向Zに沿って対向配置された第3の壁215及び第4の壁216にそれぞれ接続されることにより、第1の固定部241及び第2の固定部242と他の構造との干渉のリスクを低減することができる。第1の固定部241と第2の固定部242は共同して弾性部材23を位置制限することにより、弾性部材23が固定部24とセルアセンブリ22との間により安定して当接することができる。
【0167】
いくつかの実施形態において、固定部24は、第1の固定部241を備える。第1の固定部241は第3の壁215の筐体21の開口212に位置する一端に接続される。第1の固定部241と第3の壁215は、別体に設けられて、一体に接続されてもよい。第1の固定部241と第3の壁215は、第1の固定部241と第3の壁215との接続安定性を高めるために、例えば溶接接続、接着接続などの固定接続であってもよい。第1の固定部241と第3の壁215は、第1の固定部241のメンテナンスと交換を容易にするために、例えばボルト接続などの取り外し可能な接続であってもよい。第3の壁215と第1の固定部241のいずれかが破損した場合、破損した方のみを交換すればよく、コストを節約する。
【0168】
他の実施形態において、第1の固定部241と第3の壁215は、一体成形されてもよい。第1の固定部241は、第3の壁215の端部に設けられた折り返し構造であってもよく、第1の固定部241の製造成形が容易になる。
【0169】
いくつかの実施形態において、固定部24は、第2の固定部242を備える。第2の固定部242は第4の壁216の筐体21の開口212に位置する一端に接続される。第2の固定部242と第4の壁216は、別体に設けられて一体に接続されてもよい。第2の固定部242と第4の壁216は、第2の固定部242と第4の壁216との接続安定性を高めるために、例えば溶接接続、接着接続などの固定接続であってもよい。第2の固定部242と第4の壁216は、第2の固定部242のメンテナンスと交換を容易にするために、例えばボルト接続などの取り外し可能な接続であってもよい。第4の壁216と第2の固定部242のいずれかが破損した場合、破損した方のみを交換すればよく、コストを節約する。
【0170】
他の実施形態において、第2の固定部242と第4の壁216は、一体成形されてもよい。第2の固定部242は、第4の壁216の端部に設けられた折り返し構造であってもよく、第2の固定部242の製造成形が容易になる。
【0171】
いくつかの実施形態において、第3の方向Zにおいて、弾性部材23は基部231を超える延在部2322を備える。延在部2322は第2の接続部232に接続される。延在部2322は筐体21に固定される。選択的に、延在部2322は、第3の方向Zと反対方向に沿って基部231を超える。選択的に、延在部2322は、第3の方向Zに沿って基部231を超える。
【0172】
いくつかの実施形態において、弾性部材23は、2つの延在部2322を備える。2つの延在部2322は、第3の方向Zに沿って、それぞれ第2の接続部232の両側に接続される。一方の延在部2322は第1の固定部241に固定される。選択的に、延在部2322は第1の固定部241に当接する。他方の延在部2322は第2の固定部242に固定される。選択的に、延在部2322は第2の固定部242に当接する。
【0173】
いくつかの実施形態において、2つの延在部2322のうちの一方は第3の方向Zに沿って基部231の一端を超え、2つの延在部2322のうちの他方は第3の方向Zと反対方向に沿って基部231の他端を超える。
【0174】
セル2211が膨張すると、2つの延在部2322がそれぞれ第1の固定部241と第2の固定部242に当接し、片持ち構造を形成することに相当する。弾性部材23が第1の固定部241および第2の固定部242から離脱することを制限できるだけでなく、セル2211の膨張に適応することもできる。
【0175】
したがって、各延在部2322はそれぞれ第1の固定部241と第2の固定部242に固定されることにより、セル2211が膨張した場合、第2の接続部232は、セル2211の膨張に適応するように、セルアセンブリ22から離れる方向に変形し、セル2211の変形のための空間を提供することができる。
【0176】
いくつかの実施形態において、固定部24は、第1の方向Xに沿って間隔を隔てて設けられた第3の固定部243と第4の固定部244とを備える。第3の固定部243と第4の固定部244はそれぞれ第1の壁213と第2の壁214に接続される。第2の接続部232は第3の固定部243と第4の固定部244に当接する。
【0177】
第3の固定部243と第4の固定部244はそれぞれ第1の壁213と第2の壁214に接続されることにより、第3の固定部243および第4の固定部244と他の構造との干渉のリスクを低減する。第3の固定部243と第4の固定部244とが共同してセルアセンブリ22および弾性部材23を筐体21内に制限することで、セルアセンブリ22および弾性部材23が筐体21から離脱するリスクを低減し、それにより弾性部材23は固定部24とセルアセンブリ22との間により安定して当接することができる。
【0178】
いくつかの実施形態において、固定部24は、第3の固定部243を備える。第3の固定部243は第1の壁213の筐体21の開口212に位置する一端に接続される。第3の固定部243は、第1の壁213から第2の壁214に近づく方向に向かって第1の壁213の内面に突出している。第3の固定部243と第1の壁213は、別体に設けられて一体に接続されてもよい。第3の固定部243と第1の壁213は、第3の固定部243と第1の壁213との接続安定性を高めるために、例えば溶接接続、接着接続などの固定接続であってもよい。第3の固定部243と第1の壁213は、第3の固定部243のメンテナンスと交換を容易にするために、例えばボルト接続などの取り外し可能な接続であってもよい。第1の壁213と第3の固定部243のいずれかが破損した場合、破損した方のみを交換すればよく、コストを節約する。
【0179】
他の実施形態において、第3の固定部243と第1の壁213は、一体成形されてもよい。第3の固定部243は、第1の壁213の端部に設けられた折り返し構造であってもよく、第3の固定部243の製造成形が容易になる。
【0180】
第3の固定部243の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。第3の固定部243の数が複数である実施形態において、複数の第3の固定部243は第3の方向Zに沿って間隔を隔てて配置される。
図2、
図3、
図15、および
図16において、第3の固定部243の数が2つである場合を示している。
【0181】
いくつかの実施形態において、固定部24は、第4の固定部244を備える。第4の固定部244は第2の壁214の筐体21の開口212に位置する一端に接続される。第4の固定部244は、第2の壁214から第1の壁213に近づく方向に向かって第2の壁214の内面に突出している。第4の固定部244と第2の壁214は、別体に設けられて一体に接続されてもよい。第4の固定部244と第2の壁214は、第4の固定部244と第2の壁214との接続安定性を高めるために、例えば溶接接続、接着接続などの固定接続であってもよい。第4の固定部244と第2の壁214は、第4の固定部244のメンテナンスと交換を容易にするために、例えばボルト接続などの取り外し可能な接続であってもよい。第2の壁214と第4の固定部244のいずれかが破損した場合、破損した方のみを交換すればよく、コストを節約する。他の実施形態において、第4の固定部244と第2の壁214は、一体成形されてもよい。第4の固定部244は、第2の壁214の端部に設けられた折り返し構造であってもよく、第4の固定部244の製造成形が容易になる。
【0182】
第4の固定部244の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。第4の固定部244の数が複数である実施形態において、複数の第4の固定部244は第3の方向Zに沿って間隔を隔てて配置される。
図2、
図3、
図15、および
図16において、第4の固定部244の数が2つである場合を示している。
【0183】
いくつかの実施形態において、電池モジュール20は、第1の絶縁部材25(
図2に示す)をさらに備える。第1の絶縁部材25は、第1の方向Xに沿って第1の壁213とセルアセンブリ22との間に設けられる。第1の絶縁部材25は、第1の壁213とセルアセンブリ22との間を絶縁する役割を果たすことができ、セルアセンブリ22と第1の壁213との摩擦を防止し、筐体21の使用寿命を高めることもできる。第1の方向Xに沿ったセルアセンブリ22の投影は、第1の絶縁部材25の投影内に位置する。このように、セルアセンブリ22が膨張した後、セルアセンブリ22が筐体21内で一定距離を移動しても、第1の絶縁部材25はやはり第1の壁213とセルアセンブリ22との間に位置している。
【0184】
本願の実施形態は、電力消費装置をさらに提供する。この電力消費装置は、上記のいずれか1つの実施形態に記載の電池モジュールおよび/または上記のいずれか1つの実施形態に記載の電池パックを備える。
【0185】
上記のいずれか1つの実施形態に記載の電池モジュール20と電池パック100の信頼性は良好であるので、この電池モジュール20と電池パック100によって電力が供給される電力消費装置の信頼性を向上させるのに有利である。
【0186】
上記は本願の好適な実施形態にすぎず、本願を限定するものではない。本願は、当業者にとって、様々な変更や変化が可能である。本願の精神および原則の範囲内で行われたあらゆる修正、同等の置換、改良などは、本願の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0187】
100 電池パック、
10 フロントカバー、
10a 入力端子、
10b 出力端子、
20 電池モジュール、
21 筐体、
211 収容空間、
212 開口、
213 第1の壁、
2131 第1の位置制限部材、
214 第2の壁、
2141 第2の位置制限部材、
215 第3の壁、
216 第4の壁、
217 第5の壁、
22 セルアセンブリ、
221 セルユニット、
2211 セル、
2211a 第1の端面、
2211b 第2の端面、
2211 セルケース、
22111a 本体部、
22111b 第1の封止部、
22111c 第2の封止部、
22112 電極アセンブリ、
22113 電極端子、
2212 ホルダ、
22121 第1の延出部、
22122 第2の延出部、
22123 接続部、
222 第1の導電部材、
223 第2の導電部材、
22a 第1の端部、
23 弾性部材、
231 基部、
2311 補強リブ、
2312 第2の端部、
232 第2の接続部、
2321 第3の端部、
2322 延在部、
233 緩衝部、
233a 第1の折曲手段、
2331 第1のセグメント、
2332 第2のセグメント、
24 固定部、
241 第1の固定部、
242 第2の固定部、
243 第3の固定部、
244 第4の固定部、
25 第1の絶縁部材、
30 回路基板、
X 第1の方向、
Y 第2の方向、
Z 第3の方向、
Q1 隙間、
Q2 緩衝材。