(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025029006
(43)【公開日】2025-03-05
(54)【発明の名称】メラノーマの検出
(51)【国際特許分類】
C12N 15/11 20060101AFI20250226BHJP
C12Q 1/6853 20180101ALI20250226BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20250226BHJP
【FI】
C12N15/11 Z ZNA
C12Q1/6853 Z
C12Q1/686 Z
C12N15/11 Z
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024207179
(22)【出願日】2024-11-28
(62)【分割の表示】P 2022567144の分割
【原出願日】2021-05-04
(31)【優先権主張番号】63/019,753
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VISUAL BASIC
2.JAVA
3.PYTHON
4.UNIX
5.Linux
6.JAVASCRIPT
7.macOS
(71)【出願人】
【識別番号】513195570
【氏名又は名称】マヨ ファウンデーション フォア メディカル エデュケーション アンド リサーチ
【氏名又は名称原語表記】Mayo Foundation for Medical Education and Research
【住所又は居所原語表記】200 First Street SW,Rochester,Minnesota 55905,United States of America
(71)【出願人】
【識別番号】518065773
【氏名又は名称】エグザクト サイエンシーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アルクイスト,デヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】キシェル,ジョン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,ウィリアム アール.
(72)【発明者】
【氏名】マホーニー,ダグラス ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】バーガー,カリーセ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】アラーウィ,ハティム ティー.
(72)【発明者】
【氏名】カテロフ,ヴャチェスラフ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】原発性皮膚メラノーマスクリーニングのための技術であり、原発性皮膚メラノーマの存在を検出するための方法、組成物、及び関連する用途を提供する。
【解決手段】ヒト個体の生体試料における1つ以上の遺伝子のメチル化レベルを測定することを、前記生体試料中のゲノムDNAを、メチル化特異的な形でDNAを修飾する試薬で処理すること;選択された前記1つ以上の遺伝子に対するプライマーのセットを使用して、前記処理したゲノムDNAを増幅すること;ならびにポリメラーゼ連鎖反応、核酸シーケンシング、質量分析、メチル化特異的ヌクレアーゼ、質量ベースの分離、及び標的捕捉によって、前記1つ以上の遺伝子のメチル化レベルを判定すること、を通じて行うことを含む、方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト個体の生体試料における1つ以上の遺伝子のメチル化レベルを測定することを、
前記生体試料中のゲノムDNAを、メチル化特異的な形でDNAを修飾する試薬で処理すること;
選択された前記1つ以上の遺伝子に対するプライマーのセットを使用して、前記処理したゲノムDNAを増幅すること;ならびに
ポリメラーゼ連鎖反応、核酸シーケンシング、質量分析、メチル化特異的ヌクレアーゼ、質量ベースの分離、及び標的捕捉によって、前記1つ以上の遺伝子のメチル化レベルを判定すること、を通じて行うことを含む、方法であって;
前記1つ以上の遺伝子が以下の群:
●c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33;または
●AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73;または
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763;または
●MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A;または
●表8Aに列挙されている1つ以上のマーカー、
から選択される、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2020年5月4日に出願された米国仮特許出願第63/019,753号に対する優先権を主張するものであり、この仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本明細書で提供されるのは、原発性皮膚メラノーマのスクリーニングのための技術であり、限定するものではないが、特に、原発性皮膚メラノーマの存在を検出するための方法、組成物、及び関連する用途に関する。
【0003】
〔背景技術〕
メラノーマは、ヒトの皮膚癌での重篤な形態である。これは、色素細胞(メラニン細胞)、通常は、皮膚から発生する。メラノーマの発生率は、米国でのすべてのがんの中で最も高い割合で増えており、生涯リスクは68名に1名である。メラノーマは、すべての皮膚癌のわずか4%でしかないが、皮膚癌に起因する全死亡例の80%を占めている。メラノーマの識別及び診断は、それが初期段階の疾患であれば、その治癒に向けて重要であることが長らく認識されていた。メラノーマには幾つかの種類があり、皮膚、及び眼のメラノーマ、そして、稀に消化管またはリンパ節など、最初に出現する箇所で定義される。
【0004】
原発性皮膚メラノーマ(PCM)は、皮膚癌関連死の80%に関係する一般的に致命的な悪性腫瘍である(Miller,A.J.and M.C.Mihm Jr,New England Journal of Medicine,2006.355(1):p.51-65を参照されたい)。PCM診断数は、2017年に150,000超の症例数(インサイチュ及び侵襲性)であると予測されており(American Cancer Society,2017)、予後は診断時の疾患段階に関係しており、5年全生存率は、局所性疾患の患者で98.1%、領域性疾患の患者で63.6%、そして、遠隔転移のある患者で16.1%である(American Cancer Society,2017)。
【0005】
非転移PCM患者の現在の疾病監視には、医療提供者への外来訪問と、定期的なPET/CT画像が必要である。この措置のための経費は、数多くの患者が拠出した資金をすでに凌いでおり、PET/CTの還付を受けることができない、または、還付に懐疑的な負担者もいる。Medicaid保険が証明しているように、社会経済的地位(SES)が低下すると、メラノーマの処置が大幅に遅延していることが示されている(Adamson,A.S.,et al.,JAMA Dermatol,2017.153(11):p.1106-1113を参照されたい)。
【0006】
病院をベースとした高度化した画像化アプローチは、時間の経過と共に経費が上昇するだけなので、本出願に記載されているような新規の手頃な価格の外来患者監視ソリューションが必要である。実際、重篤なメラノーマ患者を減らすために、実効性のあるスクリーニング手法が至急に必要とされている。正確で、手頃な価格であり、しかも、安全である、メラノーマの初期段階、及び進行性メラノーマの発症前検出のためのスクリーニングツールを提供する技術革新が不可欠である。
【0007】
本発明は、このような要望に応えるものである。実際に、本発明は、様々な生体試料(例えば、組織、血液)中のメラノーマ、及びその様々なサブタイプ(例えば、転移性メラノーマ、原発性メラノーマ)の症例を区別する新規メチル化DNAマーカーを提供する。
【0008】
〔発明の概要〕
メラノーマスクリーニングのための血液検査は、典型的には、血液の透明な部分(血漿または血清)におけるマーカー検出に基づいており、また、初期段階の疾患に対して非感受性または非特異的であった。これらの歴史的欠陥に対処するために、本明細書で実施された実験は、判別的メチル化DNAマーカーに基づいた合理的な新しいアプローチを探求した。
【0009】
マーカーの発見と検証は、高品質フラッシュ凍結バイオバンク組織の利用を通じて行われた。血液区画におけるマーカー検出の実現可能性は、絶妙に敏感な分析プラットフォーム(例えば、定量的メチル化特異的PCR;qMSP)の使用によって確立された。このような結果は、この血液検査アプローチが、腫瘍部位を正確に予測し、頻繁な偽陽性を回避しながら、治療可能なステージのがんを検出する上で必要な分析感度を確立していることを示している。
【0010】
メチル化DNAは、大部分の腫瘍タイプの組織におけるバイオマーカーの有力なクラスとして研究されている。多くの場合、DNAメチルトランスフェラーゼは、遺伝子発現のエピジェネティック制御として、シトシン-リン酸-グアニン(CpG)アイランド部位でDNAにメチル基を付加する。生物学的に興味深い機序において、腫瘍抑制遺伝子のプロモーター領域における後天的なメチル化事象は、発現をサイレンシングし、それにより発がんの一因となると考えられている。DNAメチル化は、RNAまたはタンパク質発現よりも、より化学的及び生物学的に安定した診断ツールである可能性がある(Laird(2010)Nat Rev Genet 11:191-203)。さらに、散発性結腸癌などの他のがんでは、メチル化マーカーは、優れた特異性を提供し、個別のDNA変異よりも、より広範な情報を有し、かつ感度が高い(Zou et al(2007)Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 16:2686-96)。
【0011】
CpGアイランドの分析により、動物モデル及びヒト細胞株に適用された際の重要な知見がもたらされた。例えば、Zhang及び同僚らは、同じCpGアイランドの異なる部分からのアンプリコンが、異なるレベルのメチル化を有する可能性があることを見出した(Zhang et al.(2009)PLoS Genet 5:e1000438)。さらに、メチル化レベルは、高度にメチル化された配列と非メチル化配列との間で二峰性に分布し、DNAメチルトランスフェラーゼ活性のバイナリースイッチ様パターンをさらに裏付けた(Zhang et al.(2009)PLoS Genet 5:e1000438)。in vivoのマウス組織及びin vitroの細胞株の分析により、高CpG密度のプロモーター(HCP、300塩基対領域内で7%超のCpG配列を有すると定義される)の約0.3%のみがメチル化されたのに対して、低CpG密度の領域(LCP、300塩基対領域内で5%未満のCpG配列を有すると定義される)は、動的組織特異的パターンにおいて高頻度でメチル化される傾向があることが実証された(Meissner et al.(2008)Nature 454:766-70)。HCPには、遍在性ハウスキーピング遺伝子及び高度に調節された発生遺伝子のためのプロモーターが含まれる。50%超でメチル化されたHCP部位には、Wnt2、NDRG2、SFRP2、及びBMP3などのいくつかの確立されたマーカーが存在した(Meissner et al.(2008)Nature 454:766-70)。
【0012】
DNAメチルトランスフェラーゼによるシトシン-リン酸-グアニン(CpG)アイランド部位でのDNAのエピジェネティックメチル化は、大部分の腫瘍タイプの組織におけるバイオマーカーの有力なクラスとして研究されている。
【0013】
新規メチル化マーカーを探索するためのいくつかの方法が利用可能である。CpGメチル化のマイクロアレイベースの照合は、合理的で高スループットなアプローチであるが、この方策は、既知の目的の領域、主に確立された腫瘍抑制プロモーターに偏っている。DNAメチル化のゲノムワイド解析の代替方法が、この10年間に開発されてきた。4つの基本的なアプローチが存在する。1つ目は、特定のメチル化部位を認識する制限酵素によるDNAの消化を用い、続いて、定量化ステップ(メチル化特異的PCR(MSP)など)においてDNAを増幅するために使用される酵素認識部位またはプライマーに限定されたメチル化データを提供する、幾つかの可能な分析技術を用いる。第2のアプローチは、メチル-シトシンまたは他のメチル化特異的結合ドメインを対象とする抗体を使用してゲノムDNAのメチル化画分を濃縮し、続いてマイクロアレイ分析またはシーケンシングを行って、断片を参照ゲノムにマッピングする。このアプローチは、断片内の全てのメチル化部位の単一ヌクレオチド分解能を提供しない。第3のアプローチは、全ての非メチル化シトシンをウラシルに変換するためのDNAのバイサルファイト処理から始まり、続いて制限酵素消化を行い、アダプターリガンドへの結合後に全ての断片の完全シーケンシングを行う。制限酵素の選択により、CpG高密度領域の断片を濃縮することができ、分析中に複数の遺伝子位置にマッピングされる可能性のある冗長配列の数が低減される。第4のアプローチは、未修飾シトシンに影響を与えずに、5-メチルシトシン及び5-ヒドロキシメチルシトシンの非破壊的かつ直接的な検出をするためのバイサルファイト不含及び塩基分解能シーケンシング法、TET支援ピリジンボランシーケンシング(TAPS)を特徴とするDNAのバイサルファイトフリー処理を含む(Liu et al.,2019,Nat Biotechnol.37,pp.424-429を参照されたい)。いくつかの実施形態では、特異的酵素変換アプローチにかかわらず、メチル化シトシンのみが変換される。
【0014】
簡約表示(Reduced Representation)バイサルファイトシーケンシング(RRBS)は、中程度~高いリードカバレッジで、全てのCpGアイランド及び大部分の腫瘍抑制プロモーターの80~90%の、単一ヌクレオチド分解能でのCpGメチル化状況データをもたらす。がん症例対照研究では、これらのリードの分析により、可変メチル化領域(DMR)が同定される。膵癌標本のこれまでのRRBS分析により、何百ものDMRが明らかとなったが、その多くは発がんとは全く関連せず、その多くはアノテーションされなかった。独立した組織試料セットに対するさらなる検証試験により、性能の点で100%の感度及び特異性であったマーカーCpGが確認された。
【0015】
本明細書で提供されるのは、メラノーマ及び種々のメラノーマサブタイプ(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)スクリーニングのための技術であり、限定するものではないが、特に、メラノーマ及び種々のメラノーマサブタイプ(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)の存在を検出するための方法、組成物、及び関連する用途に関する。
【0016】
実際、実施例I及びIIに記載されるように、本発明に関する実施形態を明らかにする過程中に実施された実験では、1)メラノーマDNAを非腫瘍性対照組織由来のものと識別する、2)転移性メラノーマ組織由来DNAを非腫瘍性対照DNAと識別する、及び3)原発性皮膚メラノーマ組織由来のDNAを非腫瘍性対照DNAと識別するための可変メチル化領域(DMR)の新規セットが同定された。
【0017】
そのような実験によって、メラノーマ組織と良性組織とを区別する(表1A、1B、4、5A、5B、5C、7A、及び7B;実施例I及びIIを参照されたい)、転移性メラノーマ組織と良性組織とを区別する(表5C;実施例Iを参照されたい)、原発性皮膚メラノーマ組織と良性組織とを区別する(表5C;実施例Iを参照されたい)、及び、血液試料中のメラノーマを検出する(表2A、2B、4、5A、6、及び8A;実施例I及びII)、331個の新規DNAメチル化マーカーが列挙され記載されている。
【0018】
これらの331個の新規DNAメチル化マーカーから、さらなる実験により、メラノーマ組織と良性皮膚組織とを区別することができる以下のマーカー及び/またはマーカーのパネルが同定された:
●c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33(表4、5A、5B;実施例Iを参照されたい);
●AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73(表7A及び7B;実施例IIを参照されたい);
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11;実施例IIを参照されたい)。
【0019】
これらの331個の新規DNAメチル化マーカーから、さらなる実験により、転移性メラノーマ組織と良性組織を区別することができる以下のマーカー及び/またはマーカーのパネルが同定された:
●MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A(表5C、実施例Iを参照されたい)、及び
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11;実施例IIを参照されたい)。
【0020】
これらの331個の新規DNAメチル化マーカーから、さらなる実験により、原発性皮膚メラノーマ組織と良性組織とを区別することができる以下のマーカー及び/またはマーカーのパネルが同定された:
●MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A(表5C、実施例Iを参照されたい)、及び
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11;実施例IIを参照されたい)。
【0021】
これらの331個の新規DNAメチル化マーカーから、さらなる実験により、血液試料(例えば、血漿試料、全血試料、白血球試料、血清試料)中でメラノーマを検出するための以下のマーカー及び/またはマーカーのパネルが同定された:
●c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33(表4、5A、5B;実施例Iを参照されたい);
●表8A及び8Bに列挙された1つ以上のマーカー;及び
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11;実施例IIを参照されたい)。
【0022】
本明細書に記載されるように、本技術は、メラノーマ全体及び様々なタイプのメラノーマ(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)を高度に識別する、多数のメチル化DNAマーカー及びそのサブセット(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つのマーカーのセット)を提供する。実験は、選択フィルターを候補マーカーに適用し、メラノーマスクリーニングまたは診断を目的とした高い特異性を提供するために、高いシグナル対ノイズ比及び低いバックグラウンドレベルをもたらすマーカーを同定した。
【0023】
いくつかの実施形態では、本技術は、生体試料(例えば、メラノーマ組織、血漿試料)中の本明細書で同定されるマーカーのうちの1つ以上の存在及びメチル化状態を評価することに関する。これらのマーカーは、本明細書において考察される、例えば、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りの1箇所以上の可変メチル化領域(DMR)を含む。メチル化状態は、本技術の実施形態で評価される。したがって、本明細書で提供される技術は、遺伝子のメチル化状態が測定される方法において制限されない。例えば、いくつかの実施形態では、メチル化状態は、ゲノムスキャニング法によって測定される。例えば、1つの方法は、制限酵素ランドマークゲノムスキャニング(Kawai et al.(1994)Mol.Cell. Biol.14:7421-7427)を含み、別の例は、メチル化感受性任意プライムPCR(Gonzalgo et al.(1997)Cancer Res.57:594-599)を含む。いくつかの実施形態では、特定のCpG部位でのメチル化パターンの変化は、メチル化感受性制限酵素によるゲノムDNAの消化と、それに続く目的領域のサザン分析(消化-サザン法)によってモニタリングされる。いくつかの実施形態では、メチル化パターンの変化を分析することは、PCR増幅前のメチル化感受性制限酵素またはメチル化依存性制限酵素によるゲノムDNAの消化を含む、PCRベースのプロセスを含む(Singer-Sam et al.(1990)Nucl.Acids Res.18:687)。さらに、メチル化分析の出発点としてDNAのバイサルファイト処理を利用する他の技術が報告されている。これらとしては、メチル化特異的PCR(MSP)(Herman et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821-9826)ならびにバイサルファイト変換DNAから増幅されたPCR産物の制限酵素消化(Sadri and
Hornsby(1996)Nucl.Acids Res.24:5058-5059、及びXiong and Laird(1997)Nucl.Acids Res.25:2532-2534)が挙げられる。PCR技術は、遺伝子突然変異の検出(Kuppuswamy et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1143-1147)、ならびに対立遺伝子特異的発現の定量化(Szabo and Mann(1995)Genes Dev.9:3097-3108、及びSinger-Sam et al.(1992)PCR Methods Appl.1:160-163)のために開発されてきた。そのような技術は、PCRにより生成された鋳型にアニーリングし、アッセイ対象の単一ヌクレオチドの5’のすぐ隣で終結する、内部プライマーを使用する。米国特許第7,037,650号に記載されている「定量的Ms-SNuPEアッセイ」を使用する方法が、いくつかの実施形態において使用される。
【0024】
メチル化状態を評価する際、メチル化状態は、多くの場合、特定の部位を含む試料中のDNA母集団と比較して、その特定の部位で(例えば、単一ヌクレオチドにおいて、特定の領域または遺伝子座において、比較的長い目的配列において、例えば、DNAの最大約100bp、200bp、500bp、1000bpの部分配列またはそれを上回って)メチル化される個々のDNA鎖の割合またはパーセンテージとして表される。従来、非メチル化核酸の量は、較正物質を使用するPCRによって判定される。次いで、既知のDNA量がバイサルファイト処理(または、非バイサルファイト処理(Liu et al.,2019,Nat Biotechnol.37,pp.424-429を参照))され、得られたメチル化特異的配列が、リアルタイムPCRまたは他の指数関数的増幅、例えば、QuARTSアッセイ(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,361,720号、第8,715,937号、第8,916,344号、及び第9,212,392号により提供されるもの)のいずれかを使用して判定される。
【0025】
例えば、いくつかの実施形態では、方法は、外部標準物質を使用することにより非メチル化標的の標準曲線を生成することを含む。標準曲線は、少なくとも2点から構成され、既知の定量標準物質に対する非メチル化DNAのリアルタイムCt値に関する。次いで、メチル化標的の第2の標準曲線は、少なくとも2点及び外部標準物質から構成される。この第2の標準曲線は、既知の定量標準物質に対するメチル化DNAのCtに関する。次に、試験試料のCt値が、メチル化集団及び非メチル化集団について判定され、DNAのゲノム当量が、最初の2つのステップによって生成された標準曲線から算出される。目的部位におけるメチル化のパーセンテージは、集団中のDNAの総量に対するメチル化DNA量、例えば、(メチル化DNA数)/(メチル化DNA数+非メチル化DNA数)×100から算出される。
【0026】
いくつかの実施形態では、複数の異なる標的領域は、参照標的領域を含み、及び特定の好ましい実施形態では、参照標的領域は、β-アクチン、及び/またはZDHHC1、及び/またはB3GALT6を含む。
【0027】
本明細書では、方法を実施するための組成物及びキットもまた提供される。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のMDMに特異的な試薬(例えば、プライマー、プローブ)が、単独で、またはセット(例えば、複数のマーカーを増幅するためのプライマー対のセット)で提供される。検出アッセイを実施するためのさらなる試薬(例えば、QuARTS、PCR、シーケンシング、バイサルファイト、Ten-Eleven転座(TET)酵素(例えば、ヒトTET1、ヒトTET2、ヒトTET3、マウスTET1、マウスTET2、マウスTET3、Naegleria TET(NgTET)、Coprinopsis cinerea(CcTET))、またはそのバリアント)、有機ボラン、または他のアッセイを実施するための酵素、緩衝剤、陽性及び陰性対照)もまた提供され得る。いくつかの実施形態では、キットは、メチル化特異的な形でDNAを修飾することができる試薬(例えば、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、Ten-Eleven転座(TET)酵素(例えば、ヒトTET1、ヒトTET2、ヒトTET3、マウスTET1、マウスTET2、マウスTET3、Naegleria TET(NgTET)、Coprinopsis cinerea(CcTET))、またはそのバリアント)、有機ボラン)、及び/または本明細書に記載されるタンパク質マーカーのレベルの増加を検出することができる作用物質を含有する。いくつかの実施形態では、方法を実施するのに必要な、十分な、または有用な1つ以上の試薬を含有するキットが提供される。試薬を含有する反応混合物もまた、提供される。さらに提供されるのは、互いに、及び/または試験試料に添加して反応混合物を完成させることができる複数の試薬を含有する、マスターミックス試薬セットである。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、本明細書に記載される方法によって提供される一連の算術演算または論理演算を実施するように設計されたプログラム可能な機械に関連する。例えば、本技術のいくつかの実施形態は、コンピュータソフトウェア及び/またはコンピュータハードウェアに関連する(例えば、これらに実装される)。一態様では、本技術は、メモリの形態、算術演算及び論理演算を実施するための要素、ならびにデータを読み取り、操作し、保存するための一連の命令(例えば、本明細書で提供される方法)を実行するための処理要素(例えば、マイクロプロセッサ)を含むコンピュータに関する。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサは、全て本明細書に記載の通りの、(例えば、1箇所以上のDMR、例えば、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りのDMR1~331の)メチル化状態の判定;(例えば、1箇所以上のDMR、例えば、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りのDMR1~331の)メチル化状態の比較;標準曲線の生成;Ct値の判定;(例えば、1箇所以上のDMR、例えば、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りのDMR1~331の)メチル化の割合、頻度、またはパーセンテージの算出;CpGアイランドの同定;アッセイまたはマーカーの特異性及び/または感度の判定;ROC曲線及び関連するAUCの算出;配列分析;のためのシステムの一部であるか、あるいは当該技術分野において公知である。
【0029】
いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサまたはコンピュータは、がんの部位を予測するためのアルゴリズムにおいて、メチル化状態のデータを使用する。
【0030】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアまたはハードウェアコンポーネントは、複数のアッセイの結果を受信し、複数のアッセイの結果に基づいてがんリスクを示す単一の値の結果を判定しユーザーに報告する(例えば複数のDMR(例えば、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りの)メチル化状態を判定する)。関連実施形態は、例えば、複数のマーカー(例えば、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りの複数のDMRなど)のメチル化状態を判定する、複数のアッセイからの結果の数学的組み合わせ(例えば、加重組み合わせ、線形組み合わせ)に基づいてリスク因子を算出する。いくつかの実施形態では、DMRのメチル化状態は次元を規定し、かつ多次元空間における値を有する可能性があり、複数のDMRのメチル化状態によって規定される座標は、例えば、ユーザーに報告するための、例えば、がんリスクに関連する結果である。
【0031】
いくつかの実施形態は、記憶媒体及びメモリコンポーネントを含む。メモリコンポーネント(例えば、揮発性及び/または不揮発性メモリ)は、命令(例えば、本明細書で提供されるプロセスの実施形態)及び/またはデータ(例えば、メチル化測定値、配列、及びそれらと関連する統計的記述などのワークピース)の保存に使用される。いくつかの実施形態は、また、CPU、グラフィックスカード、及びユーザーインターフェース(例えば、ディスプレイなどの出力デバイス及びキーボードなどの入力デバイスを含む)のうちの1つ以上を含むシステムにも関する。
【0032】
本技術と関連するプログラム可能な機械は、従来の現存技術及び開発中またはまだ開発されていない技術(例えば、量子コンピュータ、化学コンピュータ、DNAコンピュータ、光コンピュータ、スピントロニクスに基づくコンピュータなど)を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、本技術は、データを伝送するための有線(例えば、金属ケーブル、光ファイバー)または無線伝送媒体を含む。例えば、いくつかの実施形態は、ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、アドホックネットワーク、インターネットなど)によるデータ伝送に関する。いくつかの実施形態では、プログラム可能な機械はピアなどのネットワーク上に存在し、いくつかの実施形態では、プログラム可能な機械はクライアント/サーバ関係を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、データは、ハードディスク、フラッシュメモリ、光学媒体、フロッピーディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体に保存される。
【0035】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される技術は、共に動作して本明細書に記載の方法を実施する、複数のプログラム可能なデバイスに関連する。例えば、いくつかの実施形態では、複数のコンピュータ(例えば、ネットワークによって接続される)は、例えば、イーサネット、光ファイバーなどの従来のネットワークインターフェースによって、または無線ネットワーク技術によって、ネットワーク(プライベート、パブリック、またはインターネット)に接続される完全なコンピュータ(オンボードCPU、記憶装置、電源、ネットワークインターフェースなどを備える)に依存するクラスタコンピューティングまたはグリッドコンピューティングまたは何らかの他の分散コンピュータアーキテクチャの実装において、並行して動作し、データを収集して処理することができる。
【0036】
例えば、いくつかの実施形態は、コンピュータ可読媒体を含むコンピュータを提供する。実施形態は、プロセッサに連結されるランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。プロセッサは、メモリに保存されているコンピュータ実行可能プログラム命令を実行する。そのようなプロセッサは、マイクロプロセッサ、ASIC、状態機械、または他のプロセッサを含み得、Santa Clara,CaliforniaのIntel Corporation及びSchaumburg,IllinoisのMotorola Corporationのプロセッサなどの多数のコンピュータプロセッサのいずれかであり得る。そのようなプロセッサは、媒体、例えば、コンピュータ可読媒体を含むか、または媒体と通信することができ、この媒体は、プロセッサによって実行される場合、プロセッサに本明細書に記載のステップを実行させる命令を保存する。
【0037】
コンピュータ可読媒体の実施形態としては、プロセッサにコンピュータ可読命令を与えることができる電子的、光学的、磁気的、または他の記憶デバイスまたは伝送デバイスが挙げられるが、これらに限定されない。好適な媒体の他の例としては、フロッピーディスク、CD-ROM、DVD、磁気ディスク、メモリチップ、ROM、RAM、ASIC、構成済みプロセッサ、全ての光学媒体、全ての磁気テープもしくは他の磁気媒体、またはコンピュータプロセッサが命令を読み取ることができる任意の他の媒体が挙げられるが、これらに限定されない。また、コンピュータ可読媒体の様々な他の形態は、コンピュータに命令を伝送するか、または伝達することができ、有線及び無線の両方のルーター、プライベートもしくはパブリックネットワーク、または他の伝送デバイスもしくはチャネルを含む。命令は、例えば、C、C++、C#、Visual Basic、Java、Python、Perl、及びJavaScriptを含む、任意の好適なコンピュータプログラミング言語からのコードを含み得る。
【0038】
コンピュータは、いくつかの実施形態ではネットワークに接続されている。コンピュータはまた、いくつかの外部または内部デバイス、例えば、マウス、CD-ROM、DVD、キーボード、ディスプレイ、または他の入力もしくは出力デバイスなども含み得る。コンピュータの例は、パーソナルコンピュータ、デジタルアシスタント、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話(cellular phone)、携帯電話(mobile
phone)、スマートフォン、ポケットベル、デジタルタブレット、ラップトップコンピュータ、インターネットアプライアンス、及び他のプロセッサベースのデバイスである。概して、本明細書で提供される技術の態様に関連するコンピュータは、本明細書で提供される技術を含む1つ以上のプログラムをサポートすることができる任意のオペレーティングシステム、例えば、Microsoft Windows、Linux、UNIX、Mac OS Xなどで動作する、任意のタイプのプロセッサベースのプラットフォームであってよい。いくつかの実施形態は、他のアプリケーションプログラム(例えば、アプリケーション)を実行するパーソナルコンピュータを含む。アプリケーションはメモリに格納することができ、これらとしては、例えば、ワードプロセッシングアプリケーション、スプレッドシートアプリケーション、電子メールアプリケーション、インスタントメッセンジャーアプリケーション、プレゼンテーションアプリケーション、インターネットブラウザアプリケーション、カレンダー/オーガナイザーアプリケーション、及びクライアントデバイスによって実行可能な任意の他のアプリケーションを挙げることができる。
【0039】
本技術に関連するものとして本明細書に記載されるそのような全てのコンポーネント、コンピュータ、及びシステムは、論理的または仮想的であり得る。
【0040】
したがって、本明細書で提供されるのは、対象から得られた試料中のメラノーマ及び/またはメラノーマの様々な形態(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)についてスクリーニングする方法に関する技術であり、本方法は、対象から得られた試料(例えば、メラノーマ組織)(例えば、組織試料、血漿試料)中のマーカーのメチル化状態をアッセイすること、ならびにマーカーのメチル化状態が、そのようながんを有しない対象においてアッセイされたマーカーのメチル化状態と異なる場合にメラノーマ及び/またはメラノーマの様々な形態(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)を有すると対象を特定することを含み、ここで、マーカーは、表1A、2A、7A、8A及び9に示される可変メチル化領域(DMR)1~331からなる群から選択されるDMR中に塩基を含む。
【0041】
対象から得られた試料が皮膚組織であり、以下のマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態が、メラノーマを有しない対象においてアッセイされた1つ以上のマーカーのメチル化状態と異なるいくつかの実施形態では、対象がメラノーマを有することを示す:c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33(表4、5A、5Bを参照されたい)。
【0042】
対象から得られた試料が皮膚組織であり、以下のマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態が、メラノーマを有しない対象においてアッセイされた1つ以上のマーカーのメチル化状態と異なるいくつかの実施形態では、対象がメラノーマを有することを示す:MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11を参照されたい)。
【0043】
対象から得られた試料が皮膚組織であり、以下のマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態が、メラノーマを有しない対象においてアッセイされた1つ以上のマーカーのメチル化状態と異なるいくつかの実施形態では、対象がメラノーマを有することを示す:AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73(表7A及び7Bを参照されたい)。
【0044】
対象から得られた試料が皮膚組織であり、以下のマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態が、転移性メラノーマを有しない対象においてアッセイされた1つ以上のマーカーのメチル化状態と異なるいくつかの実施形態では、対象が転移性メラノーマを有することを示す:MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A(表5C、実施例Iを参照されたい)。
【0045】
対象から得られた試料が皮膚組織であり、以下のマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態が、転移性メラノーマを有しない対象においてアッセイされた1つ以上のマーカーのメチル化状態と異なるいくつかの実施形態では、対象が転移性メラノーマを有することを示す:MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10及び11を参照されたい)。
【0046】
対象から得られた試料が皮膚組織であり、以下のマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態が、原発性皮膚メラノーマを有しない対象においてアッセイされた1つ以上のマーカーのメチル化状態と異なるいくつかの実施形態では、対象が原発性皮膚メラノーマを有することを示す:MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A(表5C、実施例Iを参照されたい)。
【0047】
対象から得られた試料が皮膚組織であり、以下のマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態が、原発性皮膚メラノーマを有しない対象においてアッセイされた1つ以上のマーカーのメチル化状態と異なるいくつかの実施形態では、対象が原発性皮膚メラノーマを有することを示す:MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10及び11を参照されたい)。
【0048】
対象から得られた試料が血液試料(例えば、血漿試料、全血試料、白血球試料、血清試料)であり、以下のマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態が、メラノーマを有しない対象においてアッセイされた1つ以上のマーカーのメチル化状態と異なるいくつかの実施形態では、対象がメラノーマを有することを示す:c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33(表4、5A、5B、6;実施例Iを参照されたい)。
【0049】
対象から得られた試料が血液試料(例えば、血漿試料、全血試料、白血球試料、血清試料)であり、以下のマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態が、メラノーマを有しない対象においてアッセイされた1つ以上のマーカーのメチル化状態と異なるいくつかの実施形態では、対象がメラノーマを有することを示す:MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10及び11を参照されたい)。
【0050】
対象から得られた試料が血液試料(例えば、血漿試料、全血試料、白血球試料、血清試料)であり、以下のマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態が、メラノーマを有しない対象においてアッセイされた1つ以上のマーカーのメチル化状態と異なるいくつかの実施形態では、対象がメラノーマを有することを示す:表8Aに列挙した1つ以上のマーカー。
【0051】
本技術は、メラノーマ及び/または様々な形態のメラノーマ(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)の同定及び識別に関連する。いくつかの実施形態は、複数のマーカー、例えば、1、2、3、2~11~100または120または331個のマーカー(例えば、1~4、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~11、1~12、1~13、1~14、1~15、1~16、1~17、1~18、1~19、1~20、1~25、1~50、1~75、1~100、1~200、1~300、1~331個)(例えば、2~4、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、2~11、2~12、2~13、2~14、2~15、2~16、2~17、2~18、2~19、2~20、2~25、2~50、2~75、2~100、2~200、2~300、2~331個)(例えば、3~4、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、3~11、3~12、3~13、3~14、3~15、3~16、3~17、3~18、3~19、3~20、3~25、3~50、3~75、3~100、3~200、3~300、3~331個)(例えば、4~5、4~6、4~7、4~8、4~9、4~10、4~11、4~12、4~13、4~14、4~15、4~16、4~17、4~18、4~19、4~20、4~25、4~50、4~75、4~100、4~200、4~300、4~331個)(例えば、5~6、5~7、5~8、5~9、5~10、5~11、5~12、5~13、5~14、5~15、5~16、5~17、5~18、5~19、5~20、5~25、5~50、5~75、5~100、5~200、5~300、5~331個)をアッセイすることを含む方法を提供する。
【0052】
本技術は、評価されるメチル化状態に限定されない。いくつかの実施形態では、試料中のマーカーのメチル化状態を評価することは、1塩基のメチル化状態を判定することを含む。いくつかの実施形態では、試料中のマーカーのメチル化状態をアッセイすることは、複数の塩基におけるメチル化の程度を判定することを含む。さらに、いくつかの実施形態では、マーカーのメチル化状態は、マーカーの正常なメチル化状態と比較したマーカーのメチル化の増加を含む。いくつかの実施形態では、マーカーのメチル化状態は、マーカーの正常なメチル化状態と比較したマーカーのメチル化の低下を含む。いくつかの実施形態では、マーカーのメチル化状態は、マーカーの正常なメチル化状態と比較したマーカーのメチル化の異なるパターンを含む。
【0053】
さらに、いくつかの実施形態では、マーカーは100以下の塩基の領域であるか、マーカーは500以下の塩基の領域であるか、マーカーは1000以下の塩基の領域であるか、マーカーは5000以下の塩基の領域であるか、またはいくつかの実施形態では、マーカーは1塩基である。いくつかの実施形態では、マーカーは、高CpG密度プロモーター中に存在する。
【0054】
本技術は、試料のタイプによって限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、試料は、糞便試料、組織試料(例えば、皮膚組織試料)、リンパ組織、深部組織生検、血液試料(例えば、血漿、血清、全血)、排泄物、または、尿試料である。いくつかの実施形態では、試料は、細針吸引物である。いくつかの実施形態では、試料は、皮膚表面上の細胞を収集するために接着剤付き綿棒またはテープなどのサンプリング機器を用いて採取される。悪性メラノーマは、他の器官及び深部組織タイプ、特に、リンパ節、ならびに肺、肝臓、骨または脳などの他の器官に拡散することを特徴とする。
【0055】
さらに、本技術は、メチル化状態を判定するために使用される方法に限定されない。いくつかの実施形態では、アッセイすることは、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応、核酸シーケンシング、質量分析、メチル化特異的ヌクレアーゼ、質量ベースの分離、または標的捕捉を使用することを含む。いくつかの実施形態では、アッセイすることは、メチル化特異的オリゴヌクレオチドの使用を含む。いくつかの実施形態では、本技術は、超並列シーケンシング(例えば、次世代シーケンシング)、例えば、合成によるシーケンシング(sequencing-by-synthesis)、リアルタイム(例えば、単一分子)シーケンシング、ビーズエマルジョンシーケンシング、ナノポアシーケンシングなどを使用して、メチル化状態を判定する。
【0056】
本技術は、DMRを検出するための試薬を提供し、例えば、いくつかの実施形態では、配列番号1~167によって示される配列(表3、10及び11を参照されたい)を含むオリゴヌクレオチドのセットが提供される。いくつかの実施形態では、DMR中に塩基を有する染色体領域に相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド、例えば、DMRのメチル化状態に対する感度が高いオリゴヌクレオチドが提供される。
【0057】
本技術は、メラノーマを同定するために使用される様々なマーカーのパネルを提供し、例えば、いくつかの実施形態では、マーカーは、c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33(表4、5A、5Bを参照されたい)であるアノテーションを有する染色体領域を含む。
【0058】
本技術は、メラノーマを同定するために使用される様々なマーカーのパネルを提供し、例えば、いくつかの実施形態では、マーカーは、MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11を参照されたい)であるアノテーションを有する染色体領域を含む。
【0059】
本技術は、メラノーマを同定するために使用される様々なマーカーのパネルを提供し、例えば、いくつかの実施形態では、マーカーは、AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73(表7A及び7Bを参照されたい)であるアノテーションを有する染色体領域を含む。
【0060】
本技術は、転移性メラノーマを同定するために使用される様々なマーカーのパネルを提供し、例えば、いくつかの実施形態では、マーカーは、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A(表5C、実施例Iを参照されたい)であるアノテーションを有する染色体領域を含む。
【0061】
本技術は、転移性メラノーマを同定するために使用される様々なマーカーのパネルを提供し、例えば、いくつかの実施形態では、マーカーは、MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11を参照されたい)であるアノテーションを有する染色体領域を含む。
【0062】
本技術は、原発性皮膚メラノーマを同定するために使用される様々なマーカーのパネルを提供し、例えば、いくつかの実施形態では、マーカーは、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A(表5C、実施例Iを参照されたい)であるアノテーションを有する染色体領域を含む。
【0063】
本技術は、原発性皮膚メラノーマを同定するために使用される様々なマーカーのパネルを提供し、例えば、いくつかの実施形態では、マーカーは、MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11を参照されたい)であるアノテーションを有する染色体領域を含む。
【0064】
本技術は、メラノーマを同定するために使用される様々なマーカーのパネルを提供し、例えば、いくつかの実施形態では、マーカーは、表8Aに列挙されているアノテーションを有する染色体領域を含む(例えば、実施例IIを参照されたい)。
【0065】
キットの実施形態、例えば、メチル化特異的な形でDNAを修飾することができる試薬(例えば、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、Ten-Eleven転座(TET)酵素(例えば、ヒトTET1、ヒトTET2、ヒトTET3、マウスTET1、マウスTET2、マウスTET3、Naegleria TET(NgTET)、Coprinopsis cinerea(CcTET))、またはそのバリアント)、有機ボラン)と、(表1A、2A、7A、8A及び9の)DMR1~331に由来する1つ以上の配列を含み、かつがんを有しない対象に関連するメチル化状態を有する対照核酸とを含むキットが提供される。いくつかの実施形態では、キットは、バイサルファイト試薬及び本明細書に記載のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、キットは、メチル化特異的な形でDNAを修飾することができる試薬(例えば、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、Ten-Eleven転座(TET)酵素(例えば、ヒトTET1、ヒトTET2、ヒトTET3、マウスTET1、マウスTET2、マウスTET3、Naegleria TET(NgTET)、Coprinopsis cinerea(CcTET))、またはそのバリアント)、有機ボラン)と、(表1A、2A、7A、8A及び9の)DMR1~331に由来する1つ以上の配列を含み、かつ特定のタイプのがんを有する対象に関連するメチル化状態を有する対照核酸を含む。いくつかのキットの実施形態は、対象から試料(例えば、糞便試料、組織試料、血漿試料、血清試料、全血試料)を得るための試料コレクター、メチル化特異的な形でDNAを修飾することができる試薬(例えば、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、Ten Eleven転座(TET)酵素(例えば、ヒトTET1、ヒトTET2、ヒトTET3、マウスTET1、マウスTET2、マウスTET3、Naegleria TET(NgTET)、Coprinopsis cinerea(CcTET))、またはそのバリアント)、有機ボラン)、ならびに本明細書に記載のオリゴヌクレオチドを含む。
【0066】
本技術は、組成物(例えば、反応混合物)の実施形態に関する。いくつかの実施形態では、DMRを含む核酸ならびにメチル化特異的な形でDNAを修飾することができる試薬(例えば、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、Ten Eleven転座(TET)酵素(例えば、ヒトTET1、ヒトTET2、ヒトTET3、マウスTET1、マウスTET2、マウスTET3、Naegleria TET(NgTET)、Coprinopsis cinerea(CcTET))、またはそのバリアント)、有機ボラン)を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態は、DMRを含む核酸と本明細書に記載のオリゴヌクレオチドとを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態は、DMRを含む核酸とメチル化感受性制限酵素とを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態は、DMRを含む核酸とポリメラーゼとを含む組成物を提供する。
【0067】
追加の関連方法の実施形態は、対象から得られた試料(例えば、糞便試料、皮膚組織試料、細針吸引物、深部組織試料、血漿試料、血清試料、全血試料)中のメラノーマ及び/またはメラノーマの様々な形態(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)についてスクリーニングするために提供され、例えば、本方法は、(表1A、2A、7A、8A及び9の)DMR1~331のうちの1箇所以上であるDMR中に塩基を含む試料中のマーカーのメチル化状態を判定すること、対象試料のマーカーのメチル化状態を、メラノーマ(例えば、メラノーマ、及び/またはメラノーマの一形態:転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)を有しない対象からの正常対照試料のマーカーのメチル化状態と比較すること、ならびに対象試料及び正常対照試料のメチル化状態における差の信頼区間及び/またはp値を判定することを含む。いくつかの実施形態では、信頼区間は、90%、95%、97.5%、98%、99%、99.5%、99.9%または99.99%であり、p値は、0.1、0.05、0.025、0.02、0.01、0.005、0.001、または0.0001である。方法のいくつかの実施形態は、DMRを含む核酸を、メチル化特異的な形で核酸を修飾することができる試薬(例えば、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、Ten Eleven転座(TET)酵素(例えば、ヒトTET1、ヒトTET2、ヒトTET3、マウスTET1、マウスTET2、マウスTET3、Naegleria TET(NgTET)、Coprinopsis cinerea(CcTET))、またはそのバリアント)、有機ボラン)と反応させて、例えば、メチル化特異的な形で修飾された核酸を生成するステップ、メチル化特異的な形で修飾された核酸をシーケンシングし、メチル化特異的な形で修飾された核酸のヌクレオチド配列を得るステップ、メチル化特異的な形で修飾された核酸のヌクレオチド配列を、特定のタイプのがんを有しない対象からのDMRを含む核酸のヌクレオチド配列と比較して、2つの配列間の差を同定するステップ、ならびに差が存在する場合、対象がメラノーマ及び/またはメラノーマの一形態(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)を有する対象を同定するステップを提供する。
【0068】
対象から得られた試料中のメラノーマについてスクリーニングするためのシステムが、本技術によって提供される。システムの例示的な実施形態は、例えば、対象から得られた試料(例えば、糞便試料、皮膚組織試料、細針吸引物、深部組織試料、血漿試料、血清試料、全血試料)中のメラノーマ及び/またはメラノーマのタイプ(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)についてスクリーニングするためのシステムを含み、このシステムは、試料のメチル化状態を判定するように構成されている分析コンポーネント、試料のメチル化状態をデータベースに記録されている対照試料または参照試料のメチル化状態と比較するように構成されているソフトウェアコンポーネント、及びメラノーマ関連メチル化状態をユーザーに警告するように構成されている警告コンポーネントを含む。警告は、いくつかの実施形態では、複数のアッセイ(例えば、複数のマーカー、例えば、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りの、例えば、DMRのメチル化状態を判定する)からの結果を受信し、値または結果を算出して複数の結果に基づいて報告するソフトウェアコンポーネントによって判定される。いくつかの実施形態は、値もしくは結果の算出及び/またはユーザー(例えば、医師、看護師、臨床医など)に報告する警告に使用するための、本明細書で提供される各DMRと関連する重み付けパラメータのデータベースを提供する。いくつかの実施形態では、複数のアッセイからの結果全てが報告され、いくつかの実施形態では、1つ以上の結果が、対象におけるがんリスクを示す複数のアッセイからの1つ以上の結果を複合したものに基づいてスコア、値、または結果を提供するために使用される。
【0069】
システムのいくつかの実施形態では、試料は、DMRを含む核酸を含む。いくつかの実施形態では、システムは、核酸を単離するためのコンポーネント、試料を収集するためのコンポーネント、例えば、糞便試料を収集するためのコンポーネントなどをさらに含む。いくつかの実施形態では、システムは、DMRを含む核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、データベースは、メラノーマ及び/または特定のタイプのメラノーマ(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)を有しない対象からの核酸配列を含む。さらに提供されるのは、核酸、例えば、核酸のセットであり、各核酸はDMRを含む配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸のセットであって、各核酸がメラノーマ及び/または特定のタイプのメラノーマを有しない対象からの配列を有する、核酸のセット。関連システムの実施形態は、記載されるような核酸のセット及び核酸のセットに関連する核酸配列のデータベースを含む。いくつかの実施形態は、メチル化特異的な形でDNAを修飾することができる試薬(例えば、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、Ten Eleven転座(TET)酵素(例えば、ヒトTET1、ヒトTET2、ヒトTET3、マウスTET1、マウスTET2、マウスTET3、Naegleria TET(NgTET)、Coprinopsis cinerea(CcTET))、またはそのバリアント)、有機ボラン)をさらに含む。また、いくつかの実施形態は、核酸シーケンサーをさらに含む。
【0070】
特定の実施形態では、ヒト患者からの試料(例えば、糞便試料、皮膚組織試料、細針吸引物、深部組織試料、血漿試料、血清試料、全血試料)を特徴付けるための方法が、提供される。例えば、いくつかの実施形態では、そのような実施形態は、ヒト患者の試料からDNAを得ること、表1A、2A、7A、8A及び9の可変メチル化領域(DMR)1~331からなる群から選択されるDMR中に塩基を含むDNAメチル化マーカーのメチル化状態をアッセイすること、ならびに1つ以上のDNAメチル化マーカーのアッセイされたメチル化状態を、メラノーマ及び/または特定のタイプのメラノーマ(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)を有しないヒト患者の1つ以上のDNAメチル化マーカーのメチル化レベル参照と比較することを含む。
【0071】
そのような方法は、ヒト患者からの特定のタイプの試料に限定されない。いくつかの実施形態では、試料は、皮膚組織試料である。いくつかの実施形態では、試料は、血漿試料である。いくつかの実施形態では、試料は、糞便試料、組織試料、皮膚組織試料、血液試料(例えば、糞便試料、皮膚組織試料、細針吸引物、深部組織試料、血漿試料、血清試料、全血試料)である。
【0072】
いくつかの実施形態では、そのような方法は、複数(例えば、1~4、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~11、1~12、1~13、1~14、1~15、1~16、1~16、1~17、1~18、1~19、1~20、1~25、1~50、1~75、1~100、1~200、1~300、1~331)(例えば、2~4、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、2~11、2~12、2~13、2~14、2~15、2~16、2~17、2~18、2~19、2~20、2~25、2~50、2~75、2~100、2~200、2~300、2~331)(例えば、3~4、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、3~11、3~12、3~13、3~14、3~15、3~16、3~17、3~18、3~19、3~20、3~25、3~50、3~75、3~100、3~200、3~300、3~331)(例えば、4~5、4~6、4~7、4~8、4~9、4~10、4~11、4~12、4~13、4~14、4~15、4~16、4~17、4~18、4~19、4~20、4~25、4~50、4~75、4~100、4~200、4~300、4~331)(例えば、5~6、5~7、5~8、5~9、5~10、5~11、5~12、5~13、5~14、5~15、5~16、5~17、5~18、5~19、5~20、5~25、5~50、5~75、5~100、5~200、5~300、5~331)のDNAメチル化マーカーをアッセイすることを含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、2~11個のDNAメチル化マーカーをアッセイすることを含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、12~120個のDNAメチル化マーカーをアッセイすることを含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、2~331個のDNAメチル化マーカーをアッセイすることを含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、試料中の1つ以上のDNAメチル化マーカーのメチル化状態をアッセイすることを含み、1塩基のメチル化状態を判定することを含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、試料中の1つ以上のDNAメチル化マーカーのメチル化状態をアッセイすることを含み、複数の塩基におけるメチル化の程度を判定することを含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、フォワード鎖のメチル化状態をアッセイすること、またはリバース鎖のメチル化状態をアッセイすることを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、DNAメチル化マーカーは、100以下の塩基の領域である。いくつかの実施形態では、DNAメチル化マーカーは、500以下の塩基の領域である。いくつかの実施形態では、DNAメチル化マーカーは、1000以下の塩基の領域である。いくつかの実施形態では、DNAメチル化マーカーは、5000以下の塩基の領域である。いくつかの実施形態では、DNAメチル化マーカーは、1塩基である。いくつかの実施形態では、DNAメチル化マーカーは、高CpG密度プロモーター中に存在する。
【0074】
いくつかの実施形態では、アッセイすることは、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応、核酸シーケンシング、質量分析、メチル化特異的ヌクレアーゼ、質量ベースの分離、または標的捕捉を使用することを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、アッセイすることは、メチル化特異的オリゴヌクレオチドの使用を含む。いくつかの実施形態では、メチル化特異的オリゴヌクレオチドは、配列番号1~80(表3)からなる群から選択される。
【0076】
いくつかの実施形態では、c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33(表4、5A、5B、及び6を参照されたい)からなる群から選択されるアノテーションを有する染色体領域は、DNAメチル化マーカーを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73(表7A及び7Bを参照されたい)からなる群から選択されるアノテーションを有する染色体領域は、DNAメチル化マーカーを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11を参照されたい)からなる群から選択されるアノテーションを有する染色体領域は、DNAメチル化マーカーを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、表8A(実施例IIを参照されたい)に列挙されているアノテーションを有する染色体領域は、DNAメチル化マーカーを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A(表5C、実施例Iを参照されたい)からなる群から選択されるアノテーションを有する染色体領域は、DNAメチル化マーカーを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、そのような方法は、2つのDNAメチル化マーカーのメチル化状態を判定することを含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、表1A、2A、7A8A、及び/または9に提供されるDNAメチル化マーカー対のメチル化状態を判定することを含む。
【0082】
特定の実施形態では、本技術は、ヒト患者から得られた試料(例えば、糞便試料;皮膚組織試料;細針吸引物、深部組織試料、血漿試料、血清試料、全血試料)を特徴付けるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、そのような方法は、表1A、2A、7A、8A、及び9のDMR1~331からなる群から選択されるDMR中に塩基を含む試料におけるDNAメチル化マーカーのメチル化状態を判定すること、患者試料のDNAメチル化マーカーのメチル化状態を、メラノーマ及び/またはメラノーマの特定の形態(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)を有しないヒト対象からの正常対照試料のDNAメチル化マーカーのメチル化状態と比較すること、ならびにヒト患者及び正常対照試料のメチル化状態における差の信頼区間及び/またはp値を判定することを含む。いくつかの実施形態では、信頼区間は、90%、95%、97.5%、98%、99%、99.5%、99.9%または99.99%であり、p値は、0.1、0.05、0.025、0.02、0.01、0.005、0.001、または0.0001である。
【0083】
特定の実施形態では、本技術は、ヒト対象から得られた試料(例えば、糞便試料;皮膚組織試料;細針吸引物、深部組織試料、血漿試料、血清試料、全血試料)を特徴付けるための方法を提供し、本方法は、DMRを含む核酸を、メチル化特異的な形でDNAを修飾することができる試薬(例えば、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、及びバイサルファイト試薬)と反応させてメチル化特異的な形で修飾された核酸を生成すること、メチル化特異的な形で修飾された核酸をシーケンシングし、メチル化特異的な形で修飾された核酸のヌクレオチド配列を得ること、メチル化特異的な形で修飾された核酸のヌクレオチド配列を、メラノーマを有しない対象からのDMRを含む核酸のヌクレオチド配列と比較して、2つの配列間の差を同定することを含む。
【0084】
特定の実施形態では、本技術は、ヒト対象から得られた試料(例えば、糞便試料;皮膚組織試料;細針吸引物、深部組織試料、血漿試料、血清試料、全血試料)を特徴付けるためのシステムを提供し、このシステムは、試料のメチル化状態を判定するように構成されている分析コンポーネント、試料のメチル化状態をデータベースに記録されている対照試料または参照試料のメチル化状態と比較するように構成されているソフトウェアコンポーネント、及びメチル化状態の組み合わせに基づいて単一値を判定し、メラノーマ関連メチル化状態をユーザーに警告するように構成されている警告コンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、試料は、DMRを含む核酸を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、そのようなシステムは、核酸を単離するためのコンポーネントをさらに含む。いくつかの実施形態では、そのようなシステムは、試料を収集するためのコンポーネントをさらに含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、試料は、糞便試料、組織試料、皮膚組織試料、細針吸引物、深部組織試料、リンパ節試料、血液試料(例えば、血漿試料、全血試料、血清試料)、または尿試料である。
【0087】
いくつかの実施形態では、データベースは、DMRを含む核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、データベースは、メラノーマを有しない対象からの核酸配列を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、試料は、糞便試料、組織試料(例えば、皮膚組織)、血液試料(例えば、血漿試料、全血試料、血清試料)、または尿試料である。いくつかの実施形態では、試料は、血液、血清、血漿、胃分泌物、膵液、脳脊髄液(CSF)試料、胃腸生検試料、及び/または糞便から回収された細胞を含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。試料は、リンパ腺、乳房、肝臓、胆管、膵臓、胃、結腸、直腸、食道、小腸、虫垂、十二指腸、ポリープ、胆嚢、肛門、及び/または腹膜からの細胞、分泌物、または組織を含み得る。いくつかの実施形態では、試料は、細胞液、腹水、尿、糞便、胃切片、膵液、内視鏡検査中に得られる体液、血液を含む。
【0089】
さらなる実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて、関連分野の当業者には明らかとなる。
【0090】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【0091】
〔定義〕
本技術の理解を促進するために、いくつかの用語及び語句が以下に定義される。さらなる定義は、詳細な説明の全体にわたって記載される。
【0092】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたって、以下の用語は、文脈により別途明確に指示されない限り、本明細書に明示的に関連する意味を持つ。「一実施形態では」という語句は、本明細書で使用される場合、同じ実施形態を指す場合もあるが、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、「別の実施形態では」という語句は、本明細書で使用される場合、異なる実施形態を指す場合もあるが、必ずしも異なる実施形態を指すとは限らない。したがって、以下に記載の通りに、本発明の様々な実施形態は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、容易に組み合わせることができる。
【0093】
さらに、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、包括的「または」演算子であり、文脈により別途明確に指示されない限り、「及び/または」という用語と同等である。「に基づく」という用語は、文脈により別途明確に指示されない限り、排他的なものではなく、記載されていない追加の因子に基づくことを可能にする。さらに、本明細書全体にわたって、「a」、「an」、及び「the」の意味には、複数の言及物が含まれる。「中に(in)」の意味には、「中に(in)」及び「上に(on)」が含まれる。
【0094】
「から本質的になる」という移行句は、本出願の特許請求の範囲において使用する場合、In re Herz,537 F.2d 549,551-52,190 USPQ
461,463(CCPA 1976)に述べられているように、特許請求の範囲を、特許請求された発明の特定の物質またはステップ「及び基本的かつ新規の特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼすことのないもの」に限定する。例えば、列挙された要素「から本質的になる」組成物は、列挙されていない混入物を、純粋な組成物、すなわち列挙された成分「からなる」組成物と比較した場合に、存在はするが、列挙された組成物の機能を変化させないようなレベルで含有する場合がある。
【0095】
本明細書で使用される場合、「核酸」または「核酸分子」は、一般に任意のリボ核酸またはデオキシリボ核酸を指し、これは非修飾または修飾DNAまたはRNAであってよい。「核酸」には、一本鎖及び二本鎖核酸が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「核酸」という用語はまた、1つ以上の修飾塩基を含有する、前述のようなDNAも含む。したがって、安定性または他の理由のために修飾された骨格を有するDNAは、「核酸」である。「核酸」という用語は、本明細書で使用される場合、核酸のそのような化学的、酵素的、または代謝的修飾形態に加えて、ウイルスならびに細胞(例えば、単純型及び複合型細胞を含む)に特徴的なDNAの化学的形態を包含する。
【0096】
「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」または「ヌクレオチド」または「核酸」という用語は、2つ以上、好ましくは3つを超える、及び通常は10個を超えるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを有する分子を指す。正確なサイズは、多くの因子に依存することになり、そして次に、オリゴヌクレオチドの最終的な機能または使用に依存する。オリゴヌクレオチドは、化学合成、DNA複製、逆転写、またはそれらの組み合わせを含む任意の手法で生成することができる。DNAの典型的なデオキシリボヌクレオチドは、チミン、アデニン、シトシン、及びグアニンである。RNAの典型的なリボヌクレオチドは、ウラシル、アデニン、シトシン、及びグアニンである。
【0097】
本明細書で使用される場合、核酸の「遺伝子座」または「領域」という用語は、核酸の小領域、例えば、染色体上の遺伝子、単一ヌクレオチド、CpGアイランドなどを指す。
【0098】
「相補的な」及び「相補性」という用語は、塩基対合則によって関連付けられるヌクレオチド(例えば、1つのヌクレオチド)またはポリヌクレオチド(例えば、ヌクレオチドの配列)を指す。例えば、配列5’-A-G-T-3’は、配列3’-T-C-A-5’に相補的である。相補性は「部分的」であってもよく、その場合、核酸塩基の一部のみが塩基対合則に従って一致する。あるいは、核酸間で「完全な」または「全体的な」相補性が存在してもよい。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率及び強度をもたらす。これは、増幅反応において、及び核酸間の結合に依存する検出方法において特に重要である。
【0099】
「遺伝子」という用語は、RNAの、またはポリペプチドもしくはその前駆体の産生に必要なコード配列を含む核酸(例えば、DNAまたはRNA)配列を指す。機能的ポリペプチドは、ポリペプチドの所望の活性または機能特性(例えば、酵素活性、リガンド結合、シグナル伝達など)が保持される限り、完全長コード配列によって、またはコード配列の任意の部分によってコードされ得る。「部分」という用語は、遺伝子に関して使用される場合、その遺伝子の断片を指す。断片は、数個のヌクレオチドから、遺伝子全体の配列から1つのヌクレオチドを除いたサイズの範囲であり得る。したがって、「遺伝子の少なくとも一部分を含むヌクレオチド」は、遺伝子の断片または遺伝子全体を含み得る。
【0100】
「遺伝子」という用語はまた、構造遺伝子のコード領域を包含し、5’末端及び3’末端の両方で、例えば、いずれかの末端上で約1kbの距離でコード領域に隣接して位置する配列を含み、これにより、遺伝子が完全長mRNA(例えば、コード配列、制御配列、構造配列及び他の配列を含む)の長さに対応する。コード領域の5’に位置し、かつmRNA上に存在する配列は、5’非翻訳(non-translated)または5’非翻訳(untranslated)配列と称される。コード領域の3’または下流に位置し、かつmRNA上に存在する配列は、3’非翻訳(non-translated)または3’非翻訳(untranslated)配列と称される。「遺伝子」という用語は、遺伝子のcDNA及びゲノム形態の両方を包含する。一部の生物(例えば、真核生物)では、遺伝子のゲノム形態またはクローンは、「イントロン」または「介在領域」または「介在配列」と称される、非コード配列によって分断されるコード領域を含有する。イントロンは、核RNA(hnRNA)に転写される遺伝子のセグメントであり、イントロンは、エンハンサーなどの調節エレメントを含有し得る。イントロンは、核または一次転写物から除去または「スプライシングにより除去」され、そのため、イントロンはメッセンジャーRNA(mRNA)転写物中には存在しない。mRNAは、新生ポリペプチド中でアミノ酸の配列または順序を規定するように翻訳中に機能する。
【0101】
イントロンの含有に加えて、遺伝子のゲノム形態はまた、RNA転写物上に存在する配列の5’末端及び3’末端の両方に位置する配列を含み得る。これらの配列は、「隣接」配列または領域と称される(これらの隣接配列は、mRNA転写物上に存在する非翻訳配列の5’または3’に位置する)。5’隣接領域は、遺伝子の転写を制御するかまたはそれに影響を及ぼすプロモーター及びエンハンサーなどの調節配列を含有し得る。3’隣接領域は、転写終結、転写後切断、及びポリアデニル化を指示する配列を含有し得る。
【0102】
「野生型」という用語は、遺伝子に関して言及する場合、天然に存在する供給源から単離された遺伝子の特徴を有する遺伝子を指す。「野生型」という用語は、遺伝子産物に関して言及する場合、天然に存在する供給源から単離された遺伝子産物の特徴を有する遺伝子産物を指す。「天然に存在する」という用語は、物体に使用される場合、物体が天然に見出され得るという事実を指す。例えば、天然の供給源から単離することができ、かつ実験室で人の手により意図的に修飾されていない生物(ウイルスを含む)中に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然に存在する。野生型遺伝子は、多くの場合、集団中で最も高頻度で観察されるその遺伝子または対立遺伝子であり、そのため、その遺伝子の「正常」または「野生型」形態と任意に称される。対照的に、「修飾された」または「突然変異体」という用語は、遺伝子または遺伝子産物に関して言及する場合、野生型遺伝子または遺伝子産物と比較した場合に、配列及び/または機能特性に修飾(例えば、変化した特徴)を示す遺伝子または遺伝子産物をそれぞれ指す。天然に存在する突然変異体は単離することができ、これらは、それらが野生型遺伝子または遺伝子産物と比較した場合に変化した特徴を有するという事実によって同定されることに留意する。
【0103】
「対立遺伝子」という用語は、遺伝子の多様性を指し、多様性としては、バリアント及び突然変異体、多型遺伝子座、ならびに一塩基多型遺伝子座、フレームシフト、及びスプライス突然変異が挙げられるが、これらに限定されない。対立遺伝子は、集団中に天然に存在する場合もあれば、または集団における任意の特定個体の寿命の間に生じる場合がある。
【0104】
したがって、「バリアント」及び「突然変異体」という用語は、ヌクレオチド配列に関して使用される場合、別の、通常関連するヌクレオチド酸配列とは1つ以上のヌクレオチドで異なる核酸配列を指す。「多様性」は、2つの異なるヌクレオチド配列間の差であり、通常、一方の配列は参照配列である。
【0105】
「増幅」は、鋳型特異性に関与する核酸複製の特殊な事例である。これは、非特異的鋳型複製(例えば、鋳型依存的であるが、特定の鋳型には依存しない複製)とは対照的である。鋳型特異性は、本明細書では、複製の忠実度(例えば、適切なポリヌクレオチド配列の合成)及びヌクレオチド(リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチド)特異性とは区別される。鋳型特異性は、「標的」特異性の点でしばしば説明される。標的配列は、それらが他の核酸からの選別が求められるという意味において「標的」である。増幅技術は、主にこの選別のために設計されている。
【0106】
核酸との関連における「増幅すること」または「増幅」という用語は、通常は少量のポリヌクレオチド(例えば、単一ポリヌクレオチド分子)から開始するポリヌクレオチド、またはポリヌクレオチドの一部分の複数コピーの生成を指し、増幅産物またはアンプリコンは、概して検出可能である。ポリヌクレオチドの増幅は、様々な化学的及び酵素的プロセスを包含する。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはリガーゼ連鎖反応(LCR、例えば、米国特許第5,494,810号を参照されたく、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)中の、標的または鋳型DNA分子の1つまたは少数のコピーからの複数のDNAコピーの生成が、増幅の形態である。増幅のさらなるタイプとしては、対立遺伝子特異的PCR(例えば、米国特許第5,639,611号を参照されたく、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、アセンブリPCR(例えば、米国特許第5,965,408号を参照されたく、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、ヘリカーゼ依存性増幅(例えば、米国特許第7,662,594号を参照されたく、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、ホットスタートPCR(例えば、米国特許第5,773,258号及び同第5,338,671号を参照されたく、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、配列間特異的PCR、逆PCR(例えば、Triglia,et al.(1988)Nucleic Acids Res.,16:8186を参照されたく、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、ライゲーション媒介PCR(例えば、Guilfoyle,R.et al.,Nucleic Acids Research,25:1854-1858(1997)、米国特許第5,508,169号を参照されたく、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、メチル化特異的PCR(例えば、Herman,et al.,(1996)PNAS 93(13)9821-9826を参照されたく、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、ミニプライマーPCR、マルチプレックスライゲーション依存性プローブ増幅(例えば、Schouten,et al.,(2002)Nucleic Acids Research 30(12):e57を参照されたく、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、マルチプレックスPCR(例えば、Chamberlain,et al.,(1988)Nucleic Acids Research 16(23)11141-11156、Ballabio,et al.,(1990)Human Genetics 84(6)571-573、Hayden,et al.,(2008)BMC Genetics 9:80を参照されたく、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、ネステッドPCR、オーバーラップエクステンションPCR(例えば、Higuchi,et al.,(1988)Nucleic Acids Research 16(15)7351-7367を参照されたく、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、リアルタイムPCR(例えば、Higuchi,et al.,(1992)Biotechnology 10:413-417、Higuchi,et al.,(1993)Biotechnology 11:1026-1030を参照されたく、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、逆転写PCR(例えば、Bustin,S.A.(2000)J.Molecular Endocrinology 25:169-193を参照されたく、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、固相PCR、熱非対称インターレースPCR、ならびにタッチダウンPCR(例えば、Don,et al.,Nucleic Acids Research(1991)19(14)4008、Roux,K.(1994)Biotechniques 16(5)812-814、Hecker,et al.,(1996)Biotechniques 20(3)478-485を参照されたく、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)が挙げられるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチド増幅はまた、デジタルPCRを使用して行うことができる(例えば、Kalinina,et al.,Nucleic Acids Research.25;1999-2004,(1997)、Vogelstein and Kinzler,Proc Natl Acad Sci USA.96;9236-41,(1999)、国際特許公開第WO05023091A2号、米国特許出願公開第20070202525号を参照されたく、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0107】
「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)という用語は、クローニングまたは精製することなく、ゲノムまたは他のDNAもしくはRNAの混合物中で標的配列のセグメント濃度を増加させるための方法を記載しているK.B.Mullisの米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、及び同第4,965,188号の方法を指す。標的配列を増幅させるためのこのプロセスは、大過剰の2つのオリゴヌクレオチドプライマーを、所望の標的配列を含有するDNA混合物に導入し、続いてDNAポリメラーゼの存在下で熱サイクルを正確な順序で行うことからなる。2つのプライマーは、二本鎖標的配列のそれらの個々の鎖に相補的である。増幅をもたらすために、混合物を変性させ、次いでプライマーを標的分子内のそれらの相補的配列にアニーリングさせる。アニーリング後、プライマーを、新たな相補鎖の対を形成するようにポリメラーゼで伸長させる。変性、プライマーアニーリング、及びポリメラーゼ伸長のステップを何度も反復して(すなわち、変性、アニーリング及び伸長が1回の「サイクル」を構成し、多数の「サイクル」が存在し得る)、高濃度の、所望の標的配列の増幅セグメントを得ることができる。所望の標的配列の増幅されたセグメントの長さは、互いに対するプライマーの相対的な位置によって判定され、したがって、この長さは制御可能なパラメータである。プロセスの反復の側面から、この方法は、「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)と称される。標的配列の所望の増幅セグメントは、混合物中で(濃度に関して)優勢配列となることから、それらは「PCR増幅された」と言われ、それらは「PCR産物」または「アンプリコン」である。当業者は、「PCR」という用語が、例えば、リアルタイムPCR、ネステッドPCR、逆転写PCR(RT-PCR)、単一プライマー及び任意プライムPCRなどを使用する、当初説明された方法の多くの変形を包含すると理解するであろう。
【0108】
鋳型特異性は、大半の増幅技術において酵素の選択により達成される。増幅酵素は、それらが使用される条件下で、核酸の不均質混合物中で核酸の特定の配列のみを処理する酵素である。例えば、Q-ベータレプリカーゼの場合、MDV-1 RNAは、レプリカーゼの特異的鋳型である(Kacian et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69:3038[1972])。他の核酸が、この増幅酵素によって複製されることはない。同様に、T7 RNAポリメラーゼの場合、この増幅酵素は、それ自体のプロモーターに対してストリンジェントな特異性を有する(Chamberlin
et al,Nature,228:227[1970])。T4 DNAリガーゼの場合、酵素は、ライゲーション結合部においてオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの基質と鋳型との間にミスマッチがある場合、2つのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドをライゲーションすることはない(Wu and Wallace(1989)Genomics 4:560)。最後に、耐熱性鋳型依存性DNAポリメラーゼ(例えば、Taq及びPfu DNAポリメラーゼ)は、高温で機能するそれらの能力によって、プライマーが結合しそれによりプライマーによって規定される配列に対して高度な特異性を示すことが見出され、高温によって、標的配列とのプライマーハイブリダイゼーションには有利であるが非標的配列とはハイブリダイズしない、熱力学的条件がもたらされる(H.A.Erlich(ed.),PCR Technology,Stockton Press[1989])。
【0109】
本明細書で使用される場合、「核酸検出アッセイ」という用語は、目的の核酸のヌクレオチド組成を判定する任意の方法を指す。核酸検出アッセイとしては、DNAシーケンシング法、プローブハイブリダイゼーション法、構造特異的切断アッセイ(例えば、INVADERアッセイ(Hologic,Inc.)、ならびに例えば、米国特許第5,846,717号、同第5,985,557号、同第5,994,069号、同第6,001,567号、同第6,090,543号、及び同第6,872,816号、Lyamichev et al.,Nat.Biotech.,17:292(1999)、Hall et al.,PNAS,USA,97:8272(2000)、ならびに米国特許第9,096,893号に記載されているものであり、これらの各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる);酵素ミスマッチ切断法(例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、Variagenics、米国特許第6,110,684号、同第5,958,692号、同第5,851,770号);前述のポリメラーゼ連鎖反応(PCR);分枝ハイブリダイゼーション法(例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、Chiron、米国特許第5,849,481号、同第5,710,264号、同第5,124,246号、及び同第5,624,802号);ローリングサークル複製(例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,210,884号、同第6,183,960号及び同第6,235,502号);NASBA(例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,409,818号);分子ビーコン技術(例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,150,097号);Eセンサー技術(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Motorola、米国特許第6,248,229号、同第6,221,583号、同第6,013,170号、及び同第6,063,573号);サイクリングプローブ技術(例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,403,711号、同第5,011,769号、及び同第5,660,988号);Dade Behringシグナル増幅法(例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,121,001号、同第6,110,677号、同第5,914,230号、同第5,882,867号、及び同第5,792,614号);リガーゼ連鎖反応(例えば、Baranay Proc.Natl.Acad.Sci USA 88,189-93(1991));ならびにサンドイッチハイブリダイゼーション法(例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,288,609号)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
「増幅可能な核酸」という用語は、任意の増幅方法によって増幅することができる核酸を指す。「増幅可能な核酸」は、通常「試料鋳型」を含むことが企図される。
【0111】
「試料鋳型」という用語は、「標的」(以下に定義される)の存在について分析される試料に由来する核酸を指す。対照的に、「バックグラウンド鋳型」は、試料中に存在する場合もあれば、存在しない場合もある試料鋳型以外の核酸に関して使用される。バックグラウンド鋳型は、ほとんどの場合不注意によるものである。バックグラウンド鋳型はキャリーオーバーの結果であり得るか、またはそれは、試料から精製除去されることが求められる核酸混入物の存在によるものであり得る。例えば、検出対象以外の生物からの核酸が、試験試料中にバックグラウンドとして存在する可能性がある。
【0112】
「プライマー」という用語は、例えば、制限消化物からの核酸断片として天然に生じるか、または合成により生成されるかのいずれかであるオリゴヌクレオチドを指し、これは、核酸鋳型鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下に(例えば、ヌクレオチド、及びDNAポリメラーゼなどの誘導物質の存在下に、かつ好適な温度及びpHに)置かれる場合、合成の開始点として機能することができる。プライマーは、増幅の効率を最大にするために一本鎖であることが好ましいが、代わりに二本鎖であってもよい。二本鎖の場合、プライマーは、まずその鎖を分離するために処理され、その後伸長産物の調製に使用される。好ましくは、プライマーは、オリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、誘導物質の存在下で伸長産物の合成をプライムするのに十分な長さでなければならない。プライマーの厳密な長さは、温度、プライマー供給源、及び方法の使用をはじめとする、多数の因子に依存することになる。
【0113】
「プローブ」という用語は、精製された制限消化物と同様に天然に生じるか、または合成により、組換えにより、もしくはPCR増幅により生成されるかのいずれかであるオリゴヌクレオチド(例えば、ヌクレオチドの配列)を指し、これは目的の別のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる。プローブは、一本鎖または二本鎖であってよい。プローブは、特定の遺伝子配列の検出、同定、及び単離に有用である(例えば、「捕捉プローブ」)。本発明で使用されるいずれのプローブも、いくつかの実施形態において、任意の「レポーター分子」で標識することができ、その結果、酵素(例えば、ELISA、及び酵素ベースの組織化学アッセイ)、蛍光、放射性、ならびに発光システムを含むがこれらに限定されない任意の検出システムで検出可能であることが企図される。これは、本発明がいずれかの特定の検出システムまたは標識に限定されることを意図するものではない。
【0114】
「標的」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、プローブ結合、増幅、単離、捕捉などによって他の核酸から選別されることが求められる核酸を指す。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応に関して使用される場合、「標的」は、ポリメラーゼ連鎖反応に使用されるプライマーによって結合された核酸の領域を指す一方で、標的DNAが増幅されないアッセイに使用される場合、例えば、侵入切断アッセイのいくつかの実施形態では、標的は、プローブ及び侵入オリゴヌクレオチド(例えば、INVADERオリゴヌクレオチド)が結合して侵入切断構造を形成する部位を含み、これにより、標的核酸の存在を検出することができる。「セグメント」は、標的配列内の核酸の領域として定義される。
【0115】
したがって、本明細書で使用される場合、「非標的」は、例えば、DNAなどの核酸を説明するために使用される場合、反応中に存在し得るが、反応による検出または特徴付けの対象ではない核酸を指す。いくつかの実施形態では、非標的核酸は、例えば、標的配列を含まない試料中に存在する核酸を指し得る、一方で、いくつかの実施形態では、非標的核酸は、外因性核酸、すなわち、標的核酸を含む、または含む疑いのある試料に由来しない核酸、及び反応に付加して、例えば、酵素(例えば、ポリメラーゼ)の活性を正常化して、反応における酵素の性能の変動性を低減する核酸を指し得る。本明細書で使用される場合、「メチル化」は、シトシンのC5位もしくはN4位でのシトシンメチル化、アデニンのN6位、または他のタイプの核酸メチル化を指す。in vitro増幅DNAは、典型的なin vitro DNA増幅法が増幅鋳型のメチル化パターンを保持しないため、通常メチル化されない。ただし、「非メチル化DNA」または「メチル化DNA」はまた、元の鋳型がメチル化されていなかった増幅DNA、または元の鋳型がメチル化されていた増幅DNAもそれぞれ指し得る。
【0116】
本明細書において、「増幅試薬」とは、プライマー、核酸鋳型、及び増幅酵素以外の増幅に必要な試薬(デオキシリボヌクレオシド三リン酸、緩衝剤など)のことを指す。典型的には、増幅試薬は、他の反応成分と共に、反応容器に入れられ、そして、収容される。
【0117】
本明細書において使用される場合、核酸検出または分析に関して使用される用語「対照」は、既知の特徴(例えば、既知の配列、細胞当たりの既知のコピー数)を有する核酸のことを指し、実験標的(例えば、未知の濃度の核酸)との比較のために使用する。対照は、内因性、好ましくは、アッセイにおける試験または標的核酸を正規化することができる不変遺伝子であり得る。このような正規化対照は、例えば、試料処理、アッセイ効率などにおいて生じ得る試料間の変動に対して、正確な試料間データ比較を可能にする。ヒト試料に関する核酸検出アッセイを正規化するために使用可能な遺伝子として、例えば、β-アクチン、ZDHHC1、及びB3GALT6がある(例えば、米国特許出願第14/966,617号及び第62/364,082号を参照されたい、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
対象は、外因性であり得る。例えば、qPCR、QuARTSなどの定量アッセイにおいて、「キャリブレーター」または「キャリブレーション対照」は、既知の配列の核酸、例えば、実験標的核酸の一部と同じ配列を有する核酸、及び既知の濃度または一連の濃度(例えば、定量的PCRにおける検量線の生成のための段階的に希釈された対照標的)である。典型的には、キャリブレーション対照は、実験DNAに使用されるのと同じ試薬及び反応条件を用いて分析される。特定の実施形態では、キャリブレーターの測定は、実験アッセイと同時に、例えば、同じサーマルサイクラー内で行われる。好ましい実施形態では、複数のキャリブレーターが、単一のプラスミドに含まれてもよく、その結果、異なるキャリブレーター配列が等モル量で容易に提供される。特に好ましい実施形態では、プラスミドキャリブレーターは、例えば、1つ以上の制限酵素で消化され、キャリブレーター部分を、プラスミドベクターから放出する。例えば、参照により本明細書に含まれるWO2015/066695を参照されたい。
【0119】
本明細書において「ZDHHC1」とは、Chr 16(16q22.1)上のヒトDNAに位置し、DHHCパルミトイルトランスフェラーゼファミリーに属するジンクフィンガーDHHC型含有1として特徴付けられるタンパク質をコードする遺伝子のことを指す。本明細書において、「メチル化」とは、シトシンのC5位またはN4位におけるシトシンメチル化、アデニンのN6位、または他のタイプの核酸メチル化を指す。典型的なin vitro DNA増幅法は、増幅鋳型のメチル化パターンを保持しないため、in
vitro 増幅DNAは、通常、非メチル化される。しかしながら、「非メチル化DNA」または「メチル化DNA」は、元の鋳型が、それぞれ、非メチル化またはメチル化されていた増幅DNAを指すこともできる。
【0120】
したがって、本明細書で使用される場合、「メチル化ヌクレオチド」または「メチル化ヌクレオチド塩基」は、ヌクレオチド塩基上のメチル部分の存在を指し、メチル部分は、認識されている典型的なヌクレオチド塩基中には存在しない。例えば、シトシンは、そのピリミジン環上にメチル部分を含有しないが、5-メチルシトシンは、そのピリミジン環の5位にメチル部分を含有する。したがって、シトシンはメチル化ヌクレオチドではなく、5-メチルシトシンはメチル化ヌクレオチドである。別の例では、チミンは、そのピリミジン環の5位にメチル部分を含有するが、チミンはDNAの典型的なヌクレオチド塩基であるため、本明細書の目的において、DNA中に存在する場合にチミンはメチル化ヌクレオチドであるとは見なされない。
【0121】
本明細書で使用される場合、「メチル化核酸分子」は、1つ以上のメチル化ヌクレオチドを含有する核酸分子を指す。
【0122】
本明細書で使用される場合、核酸分子の「メチル化状態」、「メチル化プロファイル」、及び「メチル化状況」は、核酸分子中の1つ以上のメチル化ヌクレオチド塩基の存在または欠如を指す。例えば、メチル化シトシンを含有する核酸分子は、メチル化されていると見なされる(例えば、核酸分子のメチル化状態は、メチル化されている)。メチル化ヌクレオチドを一切含有しない核酸分子は、メチル化されていないと見なされる。
【0123】
いくつかの実施形態では、試料は、糞便試料、組織試料(例えば、皮膚組織)、血液試料(例えば、血漿試料、全血試料、血清試料)、または尿試料である。いくつかの実施形態では、試料は、血液、血清、血漿、胃分泌物、膵液、脳脊髄液(CSF)試料、胃腸生検試料、及び/または糞便から回収された細胞を含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。試料は、リンパ腺、乳房、肝臓、胆管、膵臓、胃、結腸、直腸、食道、小腸、虫垂、十二指腸、ポリープ、胆嚢、肛門、及び/または腹膜からの細胞、分泌物、または組織を含み得る。いくつかの実施形態では、試料は、細胞液、腹水、尿、糞便、胃切片、膵液、内視鏡検査中に得られる体液、血液を含む。
【0124】
本明細書で使用される場合、「メチル化頻度」または「メチル化パーセント(%)」は、分子または遺伝子座がメチル化されていない事例の数と比較した、分子または遺伝子座がメチル化されている事例の数を指す。
【0125】
したがって、メチル化状態は、核酸(例えば、ゲノム配列)のメチル化の状態を表す。さらに、メチル化状態は、メチル化に関連する特定のゲノム遺伝子座における核酸セグメントの特徴を指す。そのような特徴としては、このDNA配列内のシトシン(C)残基のいずれかがメチル化されるか否か、メチル化C残基(複数可)の位置、核酸の任意の特定領域全体にわたるメチル化Cの頻度またはパーセンテージ、及び例えば、対立遺伝子の起源の差に起因するメチル化の対立遺伝子差が挙げられるが、これらに限定されない。「メチル化状態」、「メチル化プロファイル」、及び「メチル化状況」という用語はまた、生体試料中の核酸の任意の特定領域全体にわたるメチル化Cまたは非メチル化Cの相対濃度、絶対濃度、またはパターンを指す。例えば、核酸配列内のシトシン(C)残基(複数可)がメチル化されている場合、それは「高メチル化」または「メチル化の増加」を有すると称される場合があり、一方、DNA配列内のシトシン(C)残基(複数可)がメチル化されていない場合、それは「低メチル化」または「メチル化の低下」を有すると称される場合がある。同様に、核酸配列内のシトシン(C)残基(複数可)が、別の核酸配列(例えば、異なる領域の、または異なる個体からなどの)と比較してメチル化されている場合、その配列は、他の核酸配列と比較して高メチル化またはメチル化の増加を有すると見なされる。あるいは、DNA配列内のシトシン(C)残基(複数可)が、別の核酸配列(例えば、異なる領域の、または異なる個体からなどの)と比較してメチル化されていない場合、その配列は、他の核酸配列と比較して低メチル化またはメチル化の低下を有すると見なされる。さらに、本明細書で使用される場合、「メチル化パターン」という用語は、核酸のある領域にわたるメチル化及び非メチル化ヌクレオチドの集合部位を指す。2つの核酸は、メチル化及び非メチル化ヌクレオチドの数が領域全体にわたって同じまたは類似しているがメチル化及び非メチル化ヌクレオチドの位置が異なる場合、同じまたは類似したメチル化頻度またはメチル化パーセントを有し得るが、異なるメチル化パターンを有し得る。配列は、それらがメチル化の程度(例えば、一方が他方と比較してメチル化の増加または低下を有する)、頻度、またはパターンが異なる場合、「可変メチル化」であると、または「メチル化の差」を有すると、または「異なるメチル化状態」を有すると言われる。「可変メチル化」という用語は、がん陰性試料中の核酸メチル化のレベルまたはパターンと比較した場合の、がん陽性試料中の核酸メチル化のレベルまたはパターンの差を指す。それはまた、手術後にがんが再発した患者と再発していない患者との間のレベルまたはパターンの差を指す場合もある。可変メチル化及びDNAメチル化の特定のレベルまたはパターンは、例えば、正確なカットオフまたは予測特性が定義された後は、予後及び予測バイオマーカーである。
【0126】
メチル化状態頻度を使用して、個体集団または単一個体に由来する試料を記述することができる。例えば、50%のメチル化状態頻度を有するヌクレオチド遺伝子座は、50%の事例においてメチル化されており、50%の事例においてメチル化されていない。そのような頻度は、例えば、ヌクレオチド遺伝子座または核酸領域が、個体集団または核酸集合体中でメチル化される程度について記述するために使用することができる。したがって、核酸分子の第1集団またはプール中のメチル化が、核酸分子の第2集団またはプール中のメチル化とは異なる場合、第1集団またはプールのメチル化状態頻度は、第2集団またはプールのメチル化状態頻度とは異なることになる。そのような頻度はまた、例えば、ヌクレオチド遺伝子座または核酸領域が単一個体中でメチル化される程度を記述するために使用することができる。例えば、そのような頻度を使用して、組織試料からの細胞群がヌクレオチド遺伝子座または核酸領域でメチル化されている程度、またはメチル化されていない程度を記述することができる。
【0127】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド遺伝子座」は、核酸分子中のヌクレオチドの位置を指す。メチル化ヌクレオチドのヌクレオチド遺伝子座は、核酸分子中のメチル化ヌクレオチドの位置を指す。
【0128】
通常、ヒトDNAのメチル化は、シトシンがグアニンの5’に位置している、隣接するグアニン及びシトシンを含むジヌクレオチド配列(CpGジヌクレオチド配列とも称される)上で生じる。CpGジヌクレオチド内のシトシンの多くはヒトゲノム中でメチル化されているが、いくつかは、CpGアイランドとして知られる特定のCpGジヌクレオチドリッチゲノム領域中でメチル化されないままである(例えば、Antequera et
al.(1990)Cell 62:503-514を参照されたい)。
【0129】
本明細書で使用される場合、「CpGアイランド」は、全ゲノムDNAと比較して増加した数のCpGジヌクレオチドを含有するゲノムDNAのG:Cリッチ領域を指す。CpGアイランドは、少なくとも100、200、またはそれを超える塩基対長であり得、この場合、領域のG:C含量は少なくとも50%であり、予測頻度に対する観測CpG頻度の比は0.6であり、場合によっては、CpGアイランドは、少なくとも500塩基対長であり得、この場合、領域のG:C含量は少なくとも55%であり、予測頻度に対する観測CpG頻度の比は0.65である。予測頻度に対する観測CpG頻度は、Gardiner-Garden et al(1987)J.Mol.Biol.196:261-281で提供される方法に従って算出することができる。例えば、予測頻度に対する観測CpG頻度は、式R=(A×B)/(C×D)に従って算出することができ、式中、Rは、予測頻度に対する観測CpG頻度の比であり、Aは、分析された配列中のCpGジヌクレオチド数であり、Bは、分析された配列中のヌクレオチドの総数であり、Cは、分析された配列中のCヌクレオチドの総数であり、Dは、分析された配列中のGヌクレオチドの総数である。メチル化状態は通常、CpGアイランド中で、例えば、プロモーター領域で判定される。しかしながら、ヒトゲノム中の他の配列が、CpA及びCpTなどのDNAメチル化の傾向があることが理解されるであろう(Ramsahoye(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:5237-5242、Salmon
and Kaye(1970)Biochim.Biophys.Acta.204:340-351、Grafstrom(1985)Nucleic Acids Res.13:2827-2842、Nyce(1986)Nucleic Acids Res.14:4353-4367、Woodcock(1987)Biochem.Biophys.Res.Commun.145:888-894を参照されたい)。
【0130】
本明細書で使用される場合、「メチル化特異的試薬」は、核酸分子のメチル化状態に応じて核酸分子のヌクレオチドを修飾する試薬を指すか、またはメチル化特異的試薬は、核酸分子のメチル化状態を反映する形で核酸分子のヌクレオチド配列を変化させ得る化合物もしくは組成物もしくは他の薬剤を指す。核酸分子をそのような試薬で処理する方法は、核酸分子を試薬と接触させ、所望であれば追加のステップに連結させて、ヌクレオチド配列の所望の変化を達成することを含み得る。そのような方法は、非メチル化ヌクレオチド(例えば、各非メチル化シトシン)が、異なるヌクレオチドへと修飾される形で適用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、そのような試薬は、非メチル化シトシンヌクレオチドを脱アミノ化してデオキシウラシル残基を生成することができる。そのような試薬の例には、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、及びバイサルファイト試薬が含まれるが、これらに限定されない。
【0131】
メチル化特異的試薬による核酸ヌクレオチド配列の変化はまた、各メチル化ヌクレオチドが異なるヌクレオチドへと修飾される核酸分子をもたらし得る。
【0132】
本明細書で使用される場合、「化学選択的基で修飾されたUDPグルコース」という用語は、特に、6-ヒドロキシル位置において、クリックケミストリーを介して親和性タグと反応することができる官能基で官能化されたウリジンジホスホグルコース分子を指す。
【0133】
用語「酸化5-メチルシトシン」は、5位を酸化した酸化された5-メチルシトシン残基を指す。したがって、酸化5-メチルシトシン残基は、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ホルミルシトシン、及び5-カルボキシメチルシトシンを含む。本発明の一実施形態に係る有機ボランとの反応を受ける酸化5-メチルシトシン残基は、5-ホルミルシトシン及び5-カルボキシメチルシトシンである。
【0134】
「メチル化アッセイ」という用語は、核酸配列内の1つ以上のCpGジヌクレオチド配列のメチル化状態を判定するための任意のアッセイを指す。
【0135】
「MS AP-PCR」(メチル化感受性任意プライムポリメラーゼ連鎖反応)という用語は、CGリッチプライマーを使用してゲノムを全スキャンし、CpGジヌクレオチドを含有する可能性が最も高い領域に集中することを可能にする、当該技術分野において認識されている技術を指し、Gonzalgo et al.(1997)Cancer Research 57:594-599によって記載されている。
【0136】
「MethyLight(商標)」という用語は、Eads et al.(1999)Cancer Res.59:2302-2306によって記載されている、当該技術分野において認識されている蛍光ベースのリアルタイムPCR技術を指す。
【0137】
「HeavyMethyl(商標)」という用語は、アッセイであって、増幅プライマー間のCpG位置をカバーする、または増幅プライマーによってカバーされるメチル化特異的ブロッキングプローブ(本明細書ではブロッカーとも称される)が、核酸試料のメチル化特異的選択的増幅を可能にするアッセイを指す。
【0138】
「HeavyMethyl(商標)MethyLight(商標)」アッセイという用語は、HeavyMethyl(商標)MethyLight(商標)アッセイを指し、これはMethyLight(商標)アッセイの変形であり、MethyLight(商標)アッセイが、増幅プライマー間のCpG位置をカバーするメチル化特異的ブロッキングプローブと組み合わされる。
【0139】
「Ms-SNuPE」(メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長)という用語は、Gonzalgo & Jones(1997)Nucleic Acids Res.25:2529-2531によって記載されている当該技術分野において認識されているアッセイを指す。
【0140】
「MSP」(メチル化特異的PCR)という用語は、Herman et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821-9826によって、及び米国特許第5,786,146号によって記載されている当該技術分野において認識されているメチル化アッセイを指す。
【0141】
「COBRA」(複合バイサルファイト制限分析)という用語は、Xiong & Laird(1997)Nucleic Acids Res.25:2532-2534によって記載されている当該技術分野において認識されているメチル化アッセイを指す。
【0142】
「MCA」(メチル化CpGアイランド増幅)という用語は、Toyota et al.(1999)Cancer Res.59:2307-12によって、及びWO00/26401A1に記載されているメチル化アッセイを指す。
【0143】
本明細書で使用される場合、「選択されたヌクレオチド」は、核酸分子(DNAについてはC、G、T、及びA、RNAについてはC、G、U、及びA)において通常存在する4つのヌクレオチドのうちの1つのヌクレオチドを指し、通常存在するヌクレオチドのメチル化誘導体を含み得(例えば、Cが選択されたヌクレオチドである場合、メチル化C及び非メチル化Cの両方が、選択されたヌクレオチドの意味に含まれる)、一方、メチル化された選択されたヌクレオチドは、メチル化された通常存在するヌクレオチドを特に指し、メチル化されていない選択されたヌクレオチドは、メチル化されていない通常存在するヌクレオチドを特に指す。
【0144】
「メチル化特異的制限酵素」という用語は、その認識部位のメチル化状態に依存する核酸を選択的に消化する制限酵素を指す。認識部位がメチル化されていないかまたはヘミメチル化されている場合に特異的に切断する制限酵素(メチル化感受性酵素)の場合、認識部位が一方または両方の鎖上でメチル化されている場合、切断は行われない(または著しく低下した効率で行われる)。認識部位がメチル化されている場合に限り特異的に切断する制限酵素(メチル化依存性酵素)の場合、認識部位がメチル化されていない場合、切断は行われない(または著しく低下した効率で行われることになる)。メチル化特異的制限酵素が好ましく、その認識配列は、CGジヌクレオチド(例えば、CGCGまたはCCCGGGなどの認識配列)を含有する。いくつかの実施形態にさらに好ましいのは、このジヌクレオチド中のシトシンが炭素原子C5でメチル化される場合には切断しない制限酵素である。
【0145】
本明細書で使用される場合、「異なるヌクレオチド」は、選択されたヌクレオチドとは化学的に異なるヌクレオチドを指し、通常、その結果、異なるヌクレオチドが、選択されたヌクレオチドとは異なるワトソン-クリック塩基対合特性を有するため、選択されたヌクレオチドに相補的な通常存在するヌクレオチドは、異なるヌクレオチドに相補的な通常存在するヌクレオチドと同じではない。例えば、Cが選択されたヌクレオチドである場合、UまたはTは異なるヌクレオチドであり得、これはCのGに対する相補性及びUまたはTのAに対する相補性によって例示される。本明細書で使用される場合、選択されたヌクレオチドに相補的な、または異なるヌクレオチドに相補的なヌクレオチドは、高ストリンジェンシー条件下で、4つの通常存在するヌクレオチドのうちの3つとの相補的ヌクレオチドの塩基対合よりも高い親和性で、選択されたヌクレオチドまたは異なるヌクレオチドと塩基対合するヌクレオチドを指す。相補性の一例は、DNA(例えば、A-T及びC-G)ならびにRNA(例えば、A-U及びC-G)のワトソン-クリック塩基対合である。したがって、例えば、Gは、高ストリンジェンシー条件下で、GがG、A、またはTと塩基対合するよりも高い親和性でCと塩基対合し、このため、Cが選択されたヌクレオチドである場合、Gは、選択されたヌクレオチドに相補的なヌクレオチドである。
【0146】
本明細書で使用される場合、所与のマーカー(または共に使用されるマーカーのセット)の「感度」は、腫瘍性試料と非腫瘍性試料とを区別する閾値を超えるDNAメチル化値を報告する試料のパーセンテージを指す。いくつかの実施形態では、陽性は、閾値を超えるDNAメチル化値(例えば、疾患と関連する範囲)を報告する組織学的に確認された新生物形成として定義され、偽陰性は、閾値未満のDNAメチル化値(例えば、疾患と関連しない範囲)を報告する組織学的に確認された新生物形成として定義される。したがって、感度の値は、既知の罹患試料から得られた所与のマーカーのDNAメチル化測定値が、疾患関連測定値の範囲内にあるであろう確率を反映する。本明細書で定義される場合、算出された感度値の臨床的関連性は、所与のマーカーが臨床状態を有する対象に適用される場合、その臨床状態の存在を検出する確率の推定を表す。
【0147】
本明細書で使用される場合、所与のマーカー(または共に使用されるマーカーのセット)の「特異性」は、腫瘍性試料と非腫瘍性試料とを区別する閾値未満のDNAメチル化値を報告する非腫瘍性試料のパーセンテージを指す。いくつかの実施形態では、陰性は、閾値未満のDNAメチル化値(例えば、疾患と関連しない範囲)を報告する組織学的に確認された非腫瘍性試料として定義され、偽陽性は、閾値を超えるDNAメチル化値(例えば、疾患と関連する範囲)を報告する組織学的に確認された非腫瘍性試料として定義される。したがって、特異性の値は、既知の非腫瘍性試料から得られた所与のマーカーのDNAメチル化測定値が、非疾患関連測定値の範囲内にあるであろう確率を反映する。本明細書で定義される場合、算出された特異性値の臨床的関連性は、所与のマーカーが臨床状態を有しない患者に適用される場合、その臨床状態の欠如を検出する確率の推定を表す。
【0148】
「AUC」という用語は、本明細書で使用される場合、「曲線下面積」の略称である。特に、AUCは、受信者動作特性(ROC)曲線下面積を指す。ROC曲線は、診断試験の考えられる様々なカットポイントの、偽陽性率に対する真陽性率のプロットである。ROC曲線は、選択されたカットポイントに応じた感度と特異性との間のトレードオフを示す(感度のあらゆる上昇は、特異性の低下を伴うことになる)。ROC曲線下面積(AUC)は、診断試験の精度の尺度である(面積が大きいほどより良好であり、1が最適であり、ランダム試験は対角線上に位置するROC曲線を有し、面積は0.5である。参照:J.P.Egan.(1975)Signal Detection Theory and ROC Analysis,Academic Press,New York)。
【0149】
「新生物」という用語は、本明細書で使用される場合、組織のあらゆる新規の異常増殖を指す。したがって、新生物は、前悪性新生物または悪性新生物であり得る。
【0150】
「新生物特異的マーカー」という用語は、本明細書で使用される場合、新生物の存在を示すために使用され得る任意の生体物質または要素を指す。生体物質の例としては、核酸、ポリペプチド、炭水化物、脂肪酸、細胞成分(例えば、細胞膜及びミトコンドリア)、ならびに全細胞が挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、マーカーは、特定の核酸領域(例えば、遺伝子、遺伝子内領域、特定の遺伝子座など)である。マーカーである核酸の領域は、例えば、「マーカー遺伝子」、「マーカー領域」、「マーカー配列」、「マーカー遺伝子座」などと称される場合がある。
【0151】
本明細書で使用される場合、「腺腫」という用語は、腺起源の良性腫瘍を指す。これらの増殖は良性であるが、経時的にそれらは進行して悪性となるおそれがある。
【0152】
「前癌性」または「前腫瘍性」という用語及びそれらの等価物は、悪性転換を経ている任意の細胞増殖性障害を指す。
【0153】
新生物、腺腫、がんなどの「部位」は、新生物、腺腫、がんなどが位置している対象の身体中の組織、器官、細胞タイプ、解剖学的領域、身体部位などである。
【0154】
本明細書で使用される場合、「診断」試験の適用には、対象の疾患状態(state)または状態(condition)の検出または同定、対象が所与の疾患または状態に罹患する可能性を判定すること、疾患または状態を有する対象が療法に応答する可能性を判定すること、疾患または状態を有する対象の予後(またはその進行もしくは後退の可能性)を判定すること、及び疾患または状態を有する対象に対する治療の効果を判定することが含まれる。例えば、診断は、新生物に罹患している対象の存在もしくは可能性、またはそのような対象が化合物(例えば、医薬、例えば、薬物)もしくは他の治療に好都合に応答する可能性を検出するために使用され得る。
【0155】
「単離された」という用語は、「単離されたオリゴヌクレオチド」のように核酸に関して使用される場合、その天然源中で通常付随する少なくとも1つの混入核酸から同定され分離される核酸配列を指す。単離された核酸は、それが天然に見出されるものとは異なる形態または状況で存在する。対照的に、DNA及びRNAなどの単離されていない核酸は、それらが天然に存在する状態で見出される。単離されていない核酸の例としては、隣接する遺伝子に近接する宿主細胞染色体上で見出される所与のDNA配列(例えば、遺伝子)、RNA配列、例えば、多数のタンパク質をコードする多数の他のmRNAとの混合物として細胞中に見出される、特定のタンパク質をコードする特定のmRNA配列などが挙げられる。しかしながら、特定のタンパク質をコードする単離された核酸としては、例として、そのタンパク質を通常発現する細胞中のそのような核酸が挙げられ、この場合、核酸は、天然細胞の染色体位置とは異なる染色体位置に存在するか、またはさもなければ、天然に見出されるものとは異なる核酸配列に隣接している。単離された核酸またはオリゴヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖形態で存在し得る。単離された核酸またはオリゴヌクレオチドがタンパク質を発現するために利用される場合、このオリゴヌクレオチドは、センス鎖またはコード鎖を最低限含む(すなわち、オリゴヌクレオチドは一本鎖であってよい)が、センス鎖及びアンチセンス鎖の両方を含んでもよい(すなわち、オリゴヌクレオチドは二本鎖であってもよい)。単離された核酸は、その天然の、または通常の環境からの単離後、他の核酸または分子と組み合わされる。例えば、単離された核酸は、宿主細胞中に存在する場合があり、例えば、異種発現のためにそこに配置されている。
【0156】
「精製された」という用語は、核酸またはアミノ酸配列のいずれかの分子であって、これらの自然環境から除去されたか、単離されたか、または分離された分子を指す。したがって、「単離された核酸配列」は、精製された核酸配列であり得る。「実質的に精製された」分子は、それらが自然に付随している他の成分を少なくとも60%含まず、好ましくは少なくとも75%含まず、より好ましくは少なくとも90%含まない。本明細書で使用される場合、「精製された」または「精製するための」という用語はまた、試料からの混入物の除去も指す。混入タンパク質の除去により、試料中の目的のポリペプチドまたは核酸のパーセントが上昇する。別の例では、組換えポリペプチドが、植物、細菌、酵母、または哺乳動物宿主細胞中で発現され、このポリペプチドが、宿主細胞タンパク質の除去により精製され、それにより組換えポリペプチドのパーセントが試料中で上昇する。
【0157】
所与のポリヌクレオチド配列またはポリペプチド「を含む組成物」という用語は、所与のポリヌクレオチド配列またはポリペプチドを含有する任意の組成物を広く指す。組成物は、塩(例えば、NaCl)、界面活性剤(例えば、SDS)、及び他の成分(例えば、デンハルト液、粉乳、サケ精子DNAなど)を含有する水溶液を含み得る。
【0158】
「試料」という用語は、その最も広義に使用される。ある意味では、試料は動物細胞または組織を指し得る。別の意味では、試料は、任意の供給源から得られた標本または培養物、ならびに生体試料及び環境試料を指す。生体試料は、植物または動物(ヒトを含む)から得ることができ、流体、固体、組織、及び気体を包含する。環境試料には、表面物質、土壌、水、及び工業試料などの環境物質が含まれる。これらの例は、本発明に適用可能な試料のタイプを限定すると解釈されるべきではない。
【0159】
本明細書で使用される場合、「遠隔試料」は、いくつかの文脈で使用される場合、試料の細胞、組織、または器官の供給源ではない部位から回収される試料に関する。
【0160】
本明細書で使用される場合、「患者」または「対象」という用語は、本技術によって提供される様々な試験に供される生物を指す。「対象」という用語は、動物、好ましくはヒトを含む哺乳動物を含む。好ましい実施形態では、対象は霊長類である。より一層好ましい実施形態では、対象はヒトである。さらに診断方法に関して、好ましい対象は、脊椎動物対象である。好ましい脊椎動物は温血であり、好ましい温血脊椎動物は哺乳動物である。好ましい哺乳動物は、最も好ましくはヒトである。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト及び動物対象の両方を含む。したがって、獣医学的な治療的使用が本明細書で提供される。したがって、本技術により、ヒトなどの哺乳動物、加えてアムールトラなどの絶滅の危機に瀕しているために重要である哺乳動物、ヒトによる消費のために農場で飼育されている動物などの経済的に重要である哺乳動物、及び/またはペットとして、もしくは動物園で飼育されている動物などのヒトにとって社会的に重要である動物などの診断が可能となる。そのような動物の例としては、ネコ及びイヌなどの肉食動物;ブタ(pig)、雄ブタ、及びイノシシを含むブタ(swine);ウシ、雄ウシ、ヒツジ、キリン、シカ、ヤギ、バイソン、及びラクダなどの反芻動物及び/または有蹄動物;鰭脚類;ならびにウマが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、家畜化されたブタ、反芻動物、有蹄動物、ウマ(競走馬を含む)などを含むがこれらに限定されない家畜の診断及び治療が、さらに提供される。本明細書で開示される主題は、対象の肺癌を診断するためのシステムをさらに含む。このシステムは、例えば、生体試料が回収されている対象における肺癌リスクについてスクリーニングするために、または肺癌を診断するために使用され得る、市販のキットとして提供され得る。本技術に従って提供される例示的なシステムは、本明細書に記載のマーカーのメチル化状態を評価することを含む。
【0161】
本明細書で使用される場合、「キット」という用語は、物質を送達するための任意の送達システムを指す。反応アッセイとの関連において、そのような送達システムは、ある位置から別の位置への反応試薬(例えば、適切な容器中のオリゴヌクレオチド、酵素など)及び/または支持物質(例えば、緩衝液、アッセイを実施するための書面による説明書など)の保管、輸送、または送達を可能にするシステムを含む。例えば、キットには、関連する反応試薬及び/または支持物質を含有する1つ以上の封入容器(例えば、箱)が含まれる。本明細書で使用される場合、「細分化キット」という用語は、2つ以上の別個の容器を含み、その各々がキットの全構成要素の小部分を含有する、送達システムを指す。この容器は、一緒にまたは別々に目的のレシピエントに送達されてもよい。例えば、第1の容器は、アッセイで使用するための酵素を含有し得、一方で第2の容器は、オリゴヌクレオチドを含有する。「細分化キット」という用語は、連邦食品医薬品化粧品法のセクション520(e)の下で規制される分析物特異的試薬(ASR)を含有するキットを包含することを意図するが、これに限定されない。実際、2つ以上の別個の容器を含み、その各々がキットの全構成要素の小部分を含有する任意の送達システムが、「細分化キット」という用語に含まれる。対照的に、「複合キット」は、反応アッセイの全ての構成要素を単一容器中に(例えば、所望の構成要素の各々を収容する単一の箱中に)含有する送達システムを指す。「キット」という用語は、細分化キット及び複合キットの両方を含む。
【0162】
本明細書で使用される場合、用語「母斑」または「ホクロ」とは、典型的には、色(色素)を産生する細胞(メラニン細胞または母斑細胞)からなる非がん性の皮膚増殖を指す。ホクロは、単独で、またはグループで、皮膚のどこにでも出現する。
【0163】
本明細書で使用される場合、用語「病変」は、検査中(例えば、がん性であると疑われる、またはがん性であると診断された)のものであり、かつ、がん性であり得る、または、がん性であり得ないホクロのことを指す。いくつかの実施形態では、「病変」は、「ホクロ」または「母斑」と互換可能に使用される。
【0164】
本明細書で使用される場合、「メラノーマ」または「悪性メラノーマ」という用語は、皮膚だけに影響を及ぼし得る、または血液またはリンパ系を介して器官及び骨に拡散(転移)し得る重篤な形態の皮膚癌のことを指す。メラノーマは、既存のホクロ、または皮膚上の別の痣または痣の無い皮膚で発症する。
【0165】
本明細書で使用される場合、用語「転移性メラノーマ」は、他の組織または器官にまで拡散したメラノーマのことを指す。
【0166】
本明細書で使用される場合、「情報」という用語は、事実またはデータの任意の集合を指す。インターネットを含むがこれに限定されないコンピュータシステム(複数可)を使用して保存または処理される情報に関して、この用語は、任意の形式(例えば、アナログ、デジタル、光学的など)で保存される任意のデータを指す。本明細書で使用される場合、「対象に関連する情報」という用語は、対象(例えば、ヒト、植物、または動物)に関する事実またはデータを指す。「ゲノム情報」という用語は、核酸配列、遺伝子、メチル化パーセンテージ、対立遺伝子頻度、RNA発現レベル、タンパク質発現、遺伝子型に関連する表現型などを含むがこれらに限定されない、ゲノムに関する情報を指す。「対立遺伝子頻度情報」は、対立遺伝子識別情報、対立遺伝子の存在と対象(例えば、ヒト対象)の特徴との間の統計的相関、個体または集団における対立遺伝子の存在または欠如、1つ以上の特定の特徴を有する個体中に存在する対立遺伝子のパーセンテージ尤度などを含むがこれらに限定されない、対立遺伝子頻度に関する事実またはデータを指す。
【0167】
詳細な説明
様々な実施形態のこの詳細な説明において、説明のために、多数の具体的な詳細が、開示される実施形態の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、当業者は、これらの様々な実施形態が、これらの具体的な詳細の有無にかかわらず実施され得ることを理解するであろう。他の場合では、構造及び機構は、ブロック図形式で示される。さらに、当業者は、方法が提示かつ実施される特定の順序は例示的なものであると容易に理解することができ、また、順序は変更することができるが、依然として本明細書に開示される様々な実施形態の趣旨及び範囲内であることが企図される。
【0168】
本明細書で提供されるのは、メラノーマスクリーニングのための技術であり、限定するものではないが、特に、メラノーマ及び/またはメラノーマの特定の形態(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)の存在を検出するための方法、組成物、及び関連用途である。本技術が本明細書に記載される場合、使用されるセクションの見出しは構成目的のみのものであり、いかなる意味においても主題を限定すると解釈されるべきではない。
【0169】
実際、実施例I及びIIに記載されるように、本発明に関する実施形態を明らかにする過程中に実施された実験により、メラノーマ由来のDNAのがんを非腫瘍性対照DNAと識別するための331箇所の可変メチル化領域(DMR)の新規セットが同定された。これらの331個の新規DNAメチル化マーカーから、さらなる実験により、様々なタイプのメラノーマと正常組織とを区別することができるマーカーが同定された。例えば、1)転移性メラノーマ組織と正常組織、及び2)原発性皮膚メラノーマ組織と正常組織を区別することができるDMRの個々のセットが同定された。
【0170】
本明細書における開示は、ある特定の例示された実施形態を指すが、これらの実施形態は例として提示されているものであり、限定のためではないと理解されるべきである。
【0171】
特定の態様では、本技術は、メラノーマ及び/またはメラノーマのサブタイプ(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)などのがんを同定、判定、及び/または分類するための組成物及び方法を提供する。この方法は、対象から単離された生体試料(例えば、糞便試料;皮膚組織試料;細針吸引物、深部組織試料、血漿試料、血清試料、全血試料)中の少なくとも1つのメチル化マーカーのメチル化状況を判定することを含み、マーカーのメチル化状態の変化は、メラノーマ及び/またはそのサブタイプの存在、クラス、または部位を示している。特定の実施形態は、メラノーマ及び様々なタイプのメラノーマ(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)の診断(例えば、スクリーニング)に使用される可変メチル化領域(DMR、例えば、DMR1~331、表1A、2A、7A、8A及び9を参照されたい)を含むマーカーに関する。
【0172】
本明細書で提供され、表1A、2A、7A、8A及び9に示されるDMR(例えば、DMR1~331)を含む少なくとも1つのマーカー、マーカーの領域、またはマーカーの塩基のメチル化分析が分析される実施形態に加えて、本技術はまた、がん、特にメラノーマの検出に有用なDMRを含む少なくとも1つのマーカー、マーカーの領域、またはマーカーの塩基を含むマーカーのパネルも提供する。
【0173】
本技術のいくつかの実施形態は、DMRを含む少なくとも1つのマーカー、マーカーの領域、またはマーカーの塩基のCpGメチル化状況の分析に基づく。
【0174】
いくつかの実施形態では、本技術は、メチル化特異的な形でDNAを修飾する試薬(例えば、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、及びバイサルファイト試薬)を1つ以上のメチル化アッセイと組み合わせて使用して、DMR(例えば、DMR1~331、表1A、2A、7A、8A及び9を参照されたい)を含む少なくとも1つのマーカー内のCpGジヌクレオチド配列のメチル化状況を判定することを可能にする。ゲノムCpGジヌクレオチドは、メチル化または非メチル化され得る(あるいは、それぞれ上方メチル化(up-methylated)及び下方メチル化(down-methylated)として知られている)。しかしながら、本発明の方法は、遠隔試料(例えば、血液、器官排出物、または糞便)のバックグラウンド内の、不均質な性質の生体試料、例えば、低濃度の腫瘍細胞、またはそれらからの生体物質の分析に適する。したがって、そのような試料内のCpG位置のメチル化状況を分析する場合、特定のCpG位置におけるメチル化のレベル(例えば、パーセント、割合、比、比率、または程度)を判定するための定量アッセイを使用することができる。
【0175】
本技術によれば、DMRを含むマーカー中のCpGジヌクレオチド配列のメチル化状況の判定は、メラノーマなどのがんの診断及び特徴付けの両方に有用である。
【0176】
マーカーの組み合わせ
5-メチルシトシンの存在について核酸を分析するために頻繁に使用される方法は、DNA中の5ーメチルシトシンの検出(Frommer et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1827-31、その全体があらゆる目的のために参照より本明細書に明示的に組み込まれる)またはそれらの多様性の検出に関する、Frommer,et al.によって記載されているバイサルファイト法に基づく。5-メチルシトシンをマッピングするバイサルファイト法は、シトシンがバイサルファイトイオン(バイサルファイトとしても知られる)と反応するが、5-メチルシトシンは反応しないという知見に基づく。反応は通常、以下のステップに従って実施される:最初に、シトシンがバイサルファイト塩と反応し、スルホン化シトシンを形成する。次に、スルホン化反応中間体の自発的脱アミノ化が、スルホン化ウラシルを生じさせる。最後に、スルホン化ウラシルが、アルカリ条件下で脱スルホン化され、ウラシルを形成する。ウラシルがアデニンと塩基対合する(このため、チミンのように挙動する)のに対して、5-メチルシトシンはグアニンと塩基対合する(したがって、シトシンのように挙動する)ことから、検出が可能である。これにより、例えば、バイサルファイトゲノムシーケンシング(Grigg G,& Clark S,Bioessays(1994)16:431-36、Grigg G,DNA Seq.(1996)6:189-98)、例えば、米国特許第5,786,146号に開示されているメチル化特異的PCR(MSP)によって、または配列特異的プローブ切断を含むアッセイ、例えば、QuARTSフラップエンドヌクレアーゼアッセイ(例えば、Zou et al.(2010)“Sensitive quantification of methylated markers with a novel methylation specific technology”Clin Chem 56:A199、ならびに米国特許第8,361,720号、同第8,715,937号、同第8,916,344号、及び同第9,212,392号を参照されたい)を使用することによって、メチル化シトシンと非メチル化シトシンとの識別が可能となる。
【0177】
いくつかの従来技術は、分析対象のDNAをアガロースマトリックスに封入し、それによりDNAの拡散及び復元を防止し(バイサルファイトは一本鎖DNAのみと反応する)、高速透析により沈殿及び精製ステップを代替することを含む方法に関する(Olek A,et al.(1996)“A modified and improved method for bisulfite based cytosine methylation analysis” Nucleic Acids Res.24:5064-6)。したがって、メチル化状況について個々の細胞を分析し、方法の有用性及び感度を示すことが可能である。5-メチルシトシンを検出するための従来の方法の概要は、Rein,T.,et al.(1998)Nucleic Acids Res.26:2255により提供される。
【0178】
バイサルファイト技術は通常、バイサルファイト処理後に既知の核酸の短い特定の断片を増幅し、次いでシーケンシング(Olek & Walter(1997)Nat.Genet.17:275-6)またはプライマー伸長反応(Gonzalgo & Jones(1997)Nucleic Acids Res.25:2529-31、WO95/00669、米国特許第6,251,594号)のいずれかによって産物をアッセイし、個々のシトシン位置を分析することを含む。いくつかの方法は、酵素消化を使用する(Xiong & Laird(1997)Nucleic Acids Res.25:2532-4)。ハイブリダイゼーションによる検出もまた、当該技術分野において記載されている(Olek et al.,WO99/28498)。さらに、個々の遺伝子に関するメチル化検出のためのバイサルファイト技術の使用が記載されている(Grigg & Clark(1994)Bioessays 16:431-6、Zeschnigk et al.(1997)Hum Mol Genet.6:387-95、Feil et al.(1994)Nucleic Acids Res.22:695、Martin et al.(1995)Gene 157:261-4、WO9746705、WO9515373)。
【0179】
様々なメチル化アッセイ手順を、本技術によるバイサルファイト処理と併用することができる。これらのアッセイにより、核酸配列内の1つまたは複数のCpGジヌクレオチド(例えば、CpGアイランド)のメチル化状態を判定することができる。そのようなアッセイは、他の技術の中でも、バイサルファイト処理核酸のシーケンシング、PCR(配列特異的増幅に関して)、サザンブロット分析、及びメチル化特異的制限酵素、例えば、メチル化感受性またはメチル化依存性酵素の使用を含む。
【0180】
例えば、ゲノムシーケンシングは、バイサルファイト処理を使用することによって、メチル化パターン及び5-メチルシトシン分布の分析用に簡略化されている(Frommer et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1827-1831)。さらに、バイサルファイト変換DNAから増幅されたPCR産物の制限酵素消化は、例えば、Sadri & Hornsby(1997)Nucl.Acids Res.24:5058-5059により記載されているような、またはCOBRA(複合バイサルファイト制限分析)(Xiong & Laird(1997)Nucleic Acids Res.25:2532-2534)として知られる方法で具体化されているような、メチル化状態の評価に使用される。
【0181】
COBRA(商標)分析は、少量のゲノムDNAで特定の遺伝子座におけるDNAメチル化レベルを判定するのに有用な、定量メチル化アッセイである(Xiong & Laird,Nucleic Acids Res.25:2532-2534,1997)。簡潔に述べると、制限酵素消化は、ナトリウムバイサルファイト処理DNAのPCR産物中のメチル化依存性配列差を明らかにするために使用される。メチル化依存性配列差は、まず、Frommer et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1827-1831,1992)により記載されている手順に従って、標準的なバイサルファイト処理によりゲノムDNA中に導入される。次いで、バイサルファイト変換DNAのPCR増幅を、目的のCpGアイランドに特異的なプライマーを使用して実施し、続いて制限エンドヌクレアーゼ消化、ゲル電気泳動、及び特異的標識ハイブリダイゼーションプローブを使用した検出を行う。元のDNA試料中のメチル化レベルは、DNAメチル化レベルの広範囲にわたる直線的な定量手法で、消化されたPCR産物及び未消化のPCR産物の相対量によって表される。さらに、本技術は、顕微解剖されたパラフィン包埋組織試料から得られたDNAに確実に適用され得る。
【0182】
COBRA(商標)分析のための典型的な試薬(例えば、典型的なCOBRA(商標)ベースのキットに見られ得るもの)としては、特定の遺伝子座(例えば、特定の遺伝子、マーカー、DMR、遺伝子の領域、マーカーの領域、バイサルファイト処理DNA配列、CpGアイランドなど)に対するPCRプライマー、制限酵素及び適切な緩衝液、遺伝子ハイブリダイゼーションオリゴヌクレオチド、対照ハイブリダイゼーションオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプローブ用のキナーゼ標識キット、及び標識ヌクレオチドを挙げることができるが、これらに限定されない。さらに、バイサルファイト変換試薬としては、DNA変性緩衝液;スルホン化緩衝液;DNA回収試薬またはキット(例えば、沈殿、限外濾過、アフィニティーカラム);脱スルホン化緩衝液;及びDNA回収成分を挙げることができる。
【0183】
アッセイ、例えば、「MethyLight(商標)」(蛍光ベースリアルタイムPCR技術)(Eads et al.,Cancer Res.59:2302-2306,1999)、Ms-SNuPE(商標)(メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長)反応(Gonzalgo & Jones,Nucleic Acids Res.25:2529-2531,1997)、メチル化特異的PCR(「MSP」、Herman et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821-9826,1996、米国特許第5,786,146号)、及びメチル化CpGアイランド増幅(「MCA」、Toyota et al.,Cancer Res.59:2307-12,1999)が、単独でまたはこれらの方法のうち1つ以上と組み合わせて使用される。
【0184】
「HeavyMethyl(商標)」アッセイ技術は、バイサルファイト処理DNAのメチル化特異的増幅に基づいてメチル化の差を評価する定量法である。増幅プライマー間のCpG位置をカバーする、または増幅プライマーによってカバーされるメチル化特異的ブロッキングプローブ(「ブロッカー」)は、核酸試料のメチル化特異的選択的増幅を可能にする。
【0185】
「HeavyMethyl(商標)MethyLight(商標)」アッセイという用語は、HeavyMethyl(商標)MethyLight(商標)アッセイを指し、これはMethyLight(商標)アッセイの変形であり、MethyLight(商標)アッセイが、増幅プライマー間のCpG位置をカバーするメチル化特異的ブロッキングプローブと組み合わされる。HeavyMethyl(商標)アッセイはまた、メチル化特異的増幅プライマーと組み合わせて使用することができる。
【0186】
HeavyMethyl(商標)分析のための典型的な試薬(例えば、典型的なMethyLight(商標)ベースのキットに見られ得るもの)としては、特定の遺伝子座(例えば、特定の遺伝子、マーカー、遺伝子の領域、マーカーの領域、バイサルファイト処理DNA配列、CpGアイランド、またはバイサルファイト処理DNA配列もしくはCpGアイランドなど)に対するPCRプライマー;ブロッキングオリゴヌクレオチド;最適化されたPCR緩衝液及びデオキシヌクレオチド;ならびにTaqポリメラーゼを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0187】
MSP(メチル化特異的PCR)により、メチル化感受性制限酵素の使用とは無関係に、CpGアイランド内のCpG部位の実質的に任意の群のメチル化状況を評価することができる(Herman et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821-9826,1996、米国特許第5,786,146号)。簡潔に述べると、DNAはナトリウムバイサルファイトによって修飾され、これは非メチル化シトシンをウラシルに変換し(ただし、メチル化シトシンは変換しない)、続いて産物が、非メチル化DNAと比べてメチル化DNAに特異的なプライマーで増幅される。MSPは、少量のDNAのみを必要とし、所与のCpGアイランド遺伝子座の0.1%のメチル化対立遺伝子に対して感受性があり、パラフィン包埋試料から抽出されたDNAで実施することができる。MSP分析のための典型的な試薬(例えば、典型的なMSPベースのキットに見られ得るもの)としては、特定の遺伝子座(例えば、特定の遺伝子、マーカー、遺伝子の領域、マーカーの領域、バイサルファイト処理DNA配列、CpGアイランドなど)に対するメチル化及び非メチル化PCRプライマー;最適化されたPCR緩衝液及びデオキシヌクレオチド、ならびに特異的プローブを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0188】
MethyLight(商標)アッセイは、PCRステップ後にさらなる操作を必要としない、蛍光ベースのリアルタイムPCR(例えば、TaqMan(登録商標))を利用する高スループット定量メチル化アッセイである(Eads et al.,Cancer Res.59:2302-2306,1999)。簡潔に述べると、MethyLight(商標)プロセスは、標準的な手順によって、ナトリウムバイサルファイト反応中にメチル化依存性配列差の混合プールに変換されるゲノムDNAの混合試料から始まる(バイサルファイトプロセスは、非メチル化シトシン残基をウラシルに変換する)。次いで、蛍光ベースのPCRは、例えば、既知のCpGジヌクレオチドにオーバーラップするPCRプライマーを用いて「偏った」反応で実施される。配列の識別は、増幅プロセスのレベル及び蛍光検出プロセスのレベルの両方で行われる。
【0189】
MethyLight(商標)アッセイは、核酸、例えば、ゲノムDNA試料中のメチル化パターンの定量試験として使用され、配列の識別は、プローブハイブリダイゼーションのレベルで行われる。定量版では、PCR反応により、特定の推定メチル化部位にオーバーラップする蛍光プローブの存在下でメチル化特異的増幅がもたらされる。インプットDNA量に偏りのない対照は、プライマーもプローブも一切のCpGジヌクレオチドに重なることのない反応によってもたらされる。あるいは、ゲノムメチル化の定性試験は、既知のメチル化部位をカバーしない対照オリゴヌクレオチド(例えば、HeavyMethyl(商標)及びMSP技術の蛍光ベース版)または潜在的なメチル化部位をカバーするオリゴヌクレオチドのいずれかを用いて、偏ったPCRプールをプロービングすることによって行われる。
【0190】
MethyLight(商標)プロセスは、任意の適切なプローブ(例えば、「TaqMan(登録商標)」プローブ、Lightcycler(登録商標)プローブなど)とともに使用される。例えば、いくつかの用途では、二本鎖ゲノムDNAは、ナトリウムバイサルファイトで処理され、TaqMan(登録商標)プローブを使用した、例えば、MSPプライマー及び/またはHeavyMethylブロッカーオリゴヌクレオチドならびにTaqMan(登録商標)プローブを用いたPCR反応の2セットのうちの1セットに供される。TaqMan(登録商標)プローブは、蛍光「レポーター」及び「クエンチャー」分子で二重標識され、PCRサイクルにおいてこのプローブがフォワードまたはリバースプライマーよりも約10℃高い温度で融解するように、比較的高いGC含量領域に特異的となるように設計されている。このことにより、TaqMan(登録商標)プローブは、PCRアニーリング/伸長ステップ中、十分にハイブリダイズし続けることができる。Taqポリメラーゼは、PCR中に新規鎖を酵素的に合成するため、アニーリングしたTaqMan(登録商標)プローブに最終的に達することになる。次いで、Taqポリメラーゼの5’から3’のエンドヌクレアーゼ活性が、リアルタイム蛍光検出システムを使用して蛍光レポーター分子の現在クエンチされていないシグナルを定量的に検出するために、TaqMan(登録商標)プローブを消化して蛍光レポーター分子を放出することによりこのプローブを取り除く。
【0191】
MethyLight(商標)分析のための典型的な試薬(例えば、典型的なMethyLight(商標)ベースのキットに見られ得るもの)としては、特定の遺伝子座(例えば、特定の遺伝子、マーカー、遺伝子の領域、マーカーの領域、バイサルファイト処理DNA配列、CpGアイランドなど)に対するPCRプライマー;TaqMan(登録商標)またはLightcycler(登録商標)プローブ;最適化されたPCR緩衝液及びデオキシヌクレオチド;ならびにTaqポリメラーゼを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0192】
QM(商標)(定量メチル化)アッセイは、ゲノムDNA試料中のメチル化パターンの代替定量試験であり、配列の識別は、プローブハイブリダイゼーションのレベルで行われる。この定量版では、PCR反応により、特定の推定メチル化部位にオーバーラップする蛍光プローブの存在下で偏りのない増幅がもたらされる。インプットDNA量に偏りのない対照は、プライマーもプローブも一切のCpGジヌクレオチドに重なることのない反応によってもたらされる。あるいは、ゲノムメチル化の定性試験は、既知のメチル化部位をカバーしない対照オリゴヌクレオチド(例えば、HeavyMethyl(商標)及びMSP技術の蛍光ベース版)または潜在的なメチル化部位をカバーするオリゴヌクレオチドのいずれかを用いて、偏ったPCRプールをプロービングすることによって行われる。
【0193】
QM(商標)プロセスは、増幅プロセスにおいて任意の好適なプローブ、例えば、「TaqMan(登録商標)」プローブ、Lightcycler(登録商標)プローブとともに使用され得る。例えば、二本鎖ゲノムDNAは、ナトリウムバイサルファイトで処理され、偏りのないプライマー及びTaqMan(登録商標)プローブに供される。TaqMan(登録商標)プローブは、蛍光「レポーター」及び「クエンチャー」分子で二重標識され、PCRサイクルにおいてこのプローブがフォワードまたはリバースプライマーよりも約10℃高い温度で融解するように、比較的高いGC含量領域に特異的となるように設計されている。このことにより、TaqMan(登録商標)プローブは、PCRアニーリング/伸長ステップ中、十分にハイブリダイズし続けることができる。Taqポリメラーゼは、PCR中に新規鎖を酵素的に合成するため、アニーリングしたTaqMan(登録商標)プローブに最終的に達することになる。次いで、Taqポリメラーゼの5’から3’のエンドヌクレアーゼ活性が、リアルタイム蛍光検出システムを使用して蛍光レポーター分子の現在クエンチされていないシグナルを定量的に検出するために、TaqMan(登録商標)プローブを消化して蛍光レポーター分子を放出することによりこのプローブを取り除く。QM(商標)分析のための典型的な試薬(例えば、典型的なQM(商標)ベースのキットに見られ得るもの)としては、特定の遺伝子座(例えば、特定の遺伝子、マーカー、遺伝子の領域、マーカーの領域、バイサルファイト処理DNA配列、CpGアイランドなど)に対するPCRプライマー;TaqMan(登録商標)またはLightcycler(登録商標)プローブ;最適化されたPCR緩衝液及びデオキシヌクレオチド;ならびにTaqポリメラーゼを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0194】
Ms-SNuPE(商標)技術は、DNAのバイサルファイト処理、その後の単一ヌクレオチドプライマー伸長に基づき、特定のCpG部位においてメチル化の差を評価するための定量法である(Gonzalgo & Jones,Nucleic Acids Res.25:2529-2531,1997)。簡潔に述べると、5-メチルシトシンを変化させないまま、ゲノムDNAをナトリウムバイサルファイトと反応させて非メチル化シトシンをウラシルに変換する。次いで、所望の標的配列の増幅が、バイサルファイト変換DNAに特異的なPCRプライマーを使用して実施され、得られた産物は単離され、目的のCpG部位におけるメチル化分析用の鋳型として使用される。少量のDNAを分析することができ(例えば、顕微解剖病理切片)、これによりCpG部位でメチル化状況を判定するための制限酵素の利用が回避される。
【0195】
Ms-SNuPE(商標)分析のための典型的な試薬(例えば、典型的なMs-SNuPE(商標)ベースのキットに見られ得るもの)としては、特定の遺伝子座(例えば、特定の遺伝子、マーカー、遺伝子の領域、マーカーの領域、バイサルファイト処理DNA配列、CpGアイランドなど)に対するPCRプライマー;最適化されたPCR緩衝液及びデオキシヌクレオチド;ゲル抽出キット;陽性対照プライマー;特定の遺伝子座に対するMs-SNuPE(商標)プライマー;反応緩衝液(Ms-SNuPE反応に関する);ならびに標識ヌクレオチドを挙げることができるが、これらに限定されない。さらに、バイサルファイト変換試薬としては、DNA変性緩衝液;スルホン化緩衝液;DNA回収試薬またはキット(例えば、沈殿、限外濾過、アフィニティーカラム);脱スルホン化緩衝液;及びDNA回収成分を挙げることができる。
【0196】
簡約表示(Reduced Representation)バイサルファイトシーケンシング(RRBS)は、全ての非メチル化シトシンをウラシルに変換するための核酸のバイサルファイト処理から始まり、続いて制限酵素消化(例えば、MsplなどのCG配列を含む部位を認識する酵素による)を行い、アダプターリガンドへの結合後に断片の完全シーケンシングを行う。制限酵素の選択により、CpG高密度領域の断片が濃縮され、分析中に複数の遺伝子位置にマッピングされる可能性のある冗長配列の数が低減される。したがって、RRBSは、シーケンシングのための制限断片サブセットを選択することにより(例えば、調製用ゲル電気泳動を使用したサイズ選択により)、核酸試料の複雑性を低減させる。全ゲノムバイサルファイトシーケンシングとは対照的に、制限酵素消化によって生成される全ての断片は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのDNAメチル化情報を含有する。したがって、RRBSは、プロモーター、CpGアイランド、及びこれらの領域において高頻度の制限酵素切断部位を有する他のゲノム形質の試料を濃縮し、これにより1つ以上のゲノム遺伝子座のメチル化状態を評価するためのアッセイを提供する。
【0197】
RRBSの典型的なプロトコルは、MspIなどの制限酵素を用いて核酸試料を消化するステップ、オーバーハングを充填するステップ、及びAテーリングステップ、アダプターをライゲーションするステップ、バイサルファイト変換ステップ、ならびにPCRステップを含む。例えば、et al.(2005)“Genome-scale DNA methylation mapping of clinical samples at single-nucleotide resolution” Nat Methods 7:133-6、Meissner et al.(2005)“Reduced representation bisulfite sequencing for comparative high-resolution DNA methylation analysis” Nucleic Acids Res.33:5868-77を参照されたい。
【0198】
いくつかの実施形態では、定量的対立遺伝子特異的リアルタイム標的及びシグナル増幅(QuARTS)アッセイは、メチル化状態を評価するために使用される。各QuARTSアッセイでは3つの反応が連続して生じ、一次反応には増幅(反応1)及び標的プローブ切断(反応2)が、二次反応にはFRET切断及び蛍光シグナル生成(反応3)が含まれる。標的核酸が特定のプライマーで増幅される場合、フラップ配列を有する特定の検出プローブが、アンプリコンに緩く結合する。標的結合部位における特定の侵入オリゴヌクレオチドの存在により、5’ヌクレアーゼ、例えば、FEN-1エンドヌクレアーゼが検出プローブとフラップ配列との間を切断することによって、フラップ配列が放出される。フラップ配列は、対応するFRETカセットの非ヘアピン部分に相補的である。したがって、フラップ配列は、FRETカセット上で侵入オリゴヌクレオチドとして機能し、FRETカセットフルオロフォアとクエンチャーとの間に切断をもたらし、蛍光シグナルを生成する。切断反応は、標的ごとに複数のプローブを切断することができ、それによりフラップごとに複数のフルオロフォアを放出して指数関数的なシグナル増幅をもたらす。QuARTSは、異なる色素を有するFRETカセットを使用することにより、単一反応ウェル中で複数の標的を検出することができる。例えば、Zou et al.(2010) “Sensitive quantification of methylated
markers with a novel methylation specific technology” Clin Chem 56:A199、ならびに米国特許第8,361,720号、同第8,715,937号、同第8,916,344号、及び同第9,212,392号中を参照されたく、これらの各々は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0199】
「バイサルファイト試薬」という用語は、バイサルファイト、二亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、またはこれらの組み合わせを含む試薬を指し、本明細書で開示されるように、メチル化CpGジヌクレオチド配列と非メチル化CpGジヌクレオチド配列とを区別するのに有用である。該処理の方法は、当該技術分野において公知である(例えば、PCT/EP2004/011715及びWO2013/116375、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、バイサルファイト処理は、変性溶媒、例えばこれらに限定されないが、n-アルキレングリコールもしくはジエチレングリコールジメチルエーテル(DME)存在下で、またはジオキサンもしくはジオキサン誘導体の存在下で実施される。いくつかの実施形態では、変性溶媒は、1%~35%(v/v)の濃度で使用される。いくつかの実施形態では、バイサルファイト反応は、スカベンジャー、例えば限定されないが、クロマン誘導体、例えば、6-ヒドロキシ-2,5,7,8,-テトラメチルクロマン2-カルボン酸またはトリヒドロキシ安息香酸及びそれらの誘導体、例えば、没食子酸などの存在下で実施される(PCT/EP2004/011715を参照されたく、これはその全体が参照により組み込まれる)。特定の好ましい実施形態では、バイサルファイト反応は、例えば、WO2013/116375に記載の通りに、亜硫酸水素アンモニウムによる処理を含む。
【0200】
いくつかの実施形態では、処理されたDNAの断片は、本発明によるプライマーオリゴヌクレオチドのセット(例えば、表Vを参照されたい)ならびに増幅酵素を使用して増幅される。いくつかのDNAセグメントの増幅は、1つの同じ反応容器中で同時に実施され得る。通常、増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して実施される。アンプリコンは、通常100~2000塩基対長である。
【0201】
いくつかの実施形態では、本技術は、表1A、2A、7A、8A、及び9のDMRを含むマーカー(例えば、DMR番号1~331)のメチル化状態を評価することに関する。いくつかの実施形態では、複数のマーカーのメチル化状態を評価することは、対象における新生物(例えば、メラノーマ)を同定するためのスクリーニングまたは診断の特異性及び/または感度を高める。
【0202】
別の実施形態では、本発明は、無細胞DNA中の酸化5-メチルシトシン残基をジヒドロウラシル残基に変換する方法を提供する(Liu et al., 2019, Nat Biotechnol.37,pp.424-429;米国特許出願公開第202000370114号を参照されたい)。本方法は、5-ホルミルシトシン(5fC)、5-カルボキシメチルシトシン(5caC)、及びそれらの組み合わせから選択される酸化5mC残基を有機ボランと反応させることを含む。酸化5mC残基は、天然に存在するものであり得る、または、より典型的には、5mCまたは5hmC残基の事前酸化の結果のもの、例えば、TETファミリー酵素(例えば、TET1、TET2、またはTET3)による5mCまたは5hmCの酸化、または5mCまたは5hmCの化学酸化、例えば、過ルテニウム酸カリウム(KRuO4)またはペルオキソタングステン酸などの無機ペルオキソ化合物または組成物(例えば、Okamoto et al(2011)Chem
Commun.47:11231-33を参照されたい)と過塩素酸銅(II)/2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)の組み合わせ(Matsushita et al.(2017)Chem.Commun.53:5756-59を参照されたい)による化学酸化の結果のものであり得る。
【0203】
有機ボランは、ボランと窒素複素環及び第3級アミンから選択される窒素含有化合物との錯体として特徴付け得る。窒素複素環は、単環、二環、または多環とし得るが、典型的には単環であり、窒素ヘテロ原子及び、任意に、N、O、及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含む5員環または6員環の形態である。窒素複素環は、芳香族または脂環とし得る。本明細書における好ましい窒素複素環は、2-ピロリン、2H-ピロール、1H-ピロール、ピラゾリジン、イミダゾリジン、2-ピラゾリン、2-イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,4-トリアジン、及び1,3,5-トリアジンを含み、これらはいずれも非置換とし得る、または1つ以上の非水素置換基で置換し得る。典型的な非水素置換基として、アルキル基、特に低級アルキル基であり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチルなどがある。例示化合物には、ピリジンボラン、2-メチルピリジンボラン(別名、2-ピコリンボラン)、及び5-エチル-2-ピリジンがある。
【0204】
無細胞DNA中の有機ボランと酸化5mC残基との反応は、無毒な試薬及び温和な反応条件が利用できる限りは有利である;バイサルファイトも、他の潜在的にDNAを分解する試薬も必要ない。さらに、有機ボランで酸化5mC残基をジヒドロウラシルへ変換することは、「ワンポット」または「ワンチューブ」反応において、あらゆる中間体の単離を経ずとも行うことができる。この変換が、複数のステップ、すなわち、(1)酸化された5mC中のC-4及びC-5を連結するアルケン結合の還元、(2)脱アミノ化、及び(3)酸化された5mCが5caCである場合の脱炭酸、または酸化された5mCが5fCである場合の脱ホルミル化のいずれかに関係するので、当該変換は非常に重要である。
【0205】
無細胞DNA中の酸化5-メチルシトシン残基をジヒドロウラシル残基に変換する方法に加えて、本発明はまた、前述した方法に関する反応混合物を提供する。反応混合物は、5caC、5fC、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの酸化5-メチルシトシン残基を含む無細胞DNAの試料と、少なくとも1つの酸化5-メチルシトシン残基を還元、脱アミノ化、及び脱炭酸または脱ホルミル化させるのに有効な有機ボランとを含む。有機ボランとは、先に説明したように、ボランと窒素複素環及び3級アミンから選ばれる含窒素化合物との錯体である。好ましい実施形態では、反応混合物は、バイサルファイトを実質的に含まず、バイサルファイトイオン及びバイサルファイト塩を実質的に含まないことを意味する。理想的には、反応混合物はバイサルファイトを含まない。
【0206】
本発明の関連する態様では、無細胞DNA中の5mC残基をジヒドロウラシル残基に変換するためのキットが提供され、ここで、キットは、5hmC残基をブロックするための試薬、ヒドロキシメチル化の域を越えるまで5mC残基を酸化して酸化5mC残基を提供するための試薬、及び酸化5mC残基を還元、脱アミノ化、及び脱炭酸または脱ホルミル化させるのに有効な有機ボランを含む。キットはまた、上記した方法を実施するための構成要素を使用するための説明書を含み得る。
【0207】
別の実施形態では、上記した酸化反応を利用する方法が提供される。この方法は、無細胞DNA中の5-メチルシトシン残基の存在及び位置を検出することを可能にする、かつ、以下のステップを含む:
(a)断片化された、アダプターでライゲーションされた無細胞DNA中の5hmC残基を修飾して、それらに関するアフィニティータグを提供し、ここで、当該アフィニティータグは、当該無細胞DNAに由来する修飾された5hmC-含有DNAの除去を可能にする;
(b)当該修飾された5hmC含有DNAを無細胞DNAから除去する、未修飾5mC残基を含むDNAを残す;
(c)未修飾5mC残基を酸化して、5caC、5fC、及びそれらの組み合わせから選択される酸化5mC残基を含むDNAを得る;
(d)酸化5mC残基を含むDNAを、酸化5mC残基を還元、脱アミノ化、及び脱炭酸または脱ホルミル化のいずれかに有効な有機ボランと接触させ、それにより、酸化5mC残基の代わりに、ジヒドロウラシル残基を含むDNAを提供する;及び
(e)ジヒドロウラシル残基を含むDNAを増幅及びシークエンシングをする;
(f)(e)のシークエンシング結果から5-メチル化パターンを決定する。
【0208】
無細胞DNAは、対象由来の身体試料から抽出され、身体試料は、典型的には、全血、血漿、または血清、最も典型的には、血漿であるが、試料は、尿、唾液、粘膜排泄物、喀痰、糞便、または涙液でもよい。いくつかの実施形態では、無細胞DNAは腫瘍に由来する。他の実施形態において、無細胞DNAは、疾患または他の病原性状態を有する患者由来のものである。無細胞DNAは、腫瘍に由来し得る、または、由来し得ない。ステップ(a)において、5hmC残基が修飾される無細胞DNAは、精製され、断片化された形態であり、かつアダプターでライゲーションされていることに留意されたい。この文脈におけるDNA精製は、当業者に公知である、及び/または関連文献に記載されている任意の適切な方法を用いて実施することができる、そして、無細胞DNA自体を高度に断片化することができるが、例えば、米国特許公開第2017/0253924号に記載されているように、時には、さらなる断片化が望ましい場合がある。無細胞DNA断片は、一般に、約20ヌクレオチド~約500ヌクレオチドのサイズ範囲、より典型的には約20ヌクレオチド~約250ヌクレオチドの範囲にある。ステップ(a)で修飾された精製された無細胞DNA断片は、断片が、それぞれ3’末端及び5’末端に平滑末端を有するように、従来の手段(例えば、制限酵素)を用いて末端修復されている。好ましい方法では、WO2017/176630に記載されているように、平滑化した断片は、Taqポリメラーゼなどのポリメラーゼを用いて、単一のアデニン残基を含む3’突出も提供されている。これは、選択されたユニバーサルアダプター、すなわち、無細胞DNA断片の両端にライゲーションし、少なくとも1つの分子バーコードを含むYアダプターまたはヘアピンアダプターなどのアダプターのその後のライゲーションを容易にする。アダプターを使用すると、アダプターライゲーションDNAフラグメントの選択的PCR濃縮も可能になる。
【0209】
ステップ(a)において、次いで、「精製された、断片化された無細胞DNA」は、アダプターライゲーションDNA断片を含む。アフィニティータグによるこれらの無細胞DNA断片中の5hmC残基の修飾は、ステップ(a)に記載されるように、その後の無細胞DNAからの修飾5hmC含有DNAの除去を可能ならしめるように行われる。一実施形態において、親和性タグは、ビオチン部分、例えば、ビオチン、デスチオビオチン、オキシビオチン、2-イミノビオチン、ジアミノビオチン、ビオチンスルホキシド、ビオシチンなどを含む。親和性タグとしてのビオチン部分の使用は、ストレプトアビジン、例えば、ストレプトアビジンビーズ、磁気ストレプトアビジンビーズなどを使用した除去を容易ならしめる。
【0210】
ビオチン部分または他のアフィニティータグによる5hmC残基のタグ付けは、DNA断片中の5hmC残基への化学選択性基の共有結合によって達成され、化学選択性基は、アフィニティータグを5hmC残基に連結するように官能化されたアフィニティータグとの反応を受けることができる。一実施形態において、化学選択的基は、UDPグルコース-6-アジドであり、これは、Robertson et al.(2011)Biochem.Biophys.Res.Comm.411(l):40-3、米国特許第8,741,567号、及びWO2017/176630に記載されているように、アルキン官能化ビオチン部分との自発的な1,3-環化付加反応を受ける。したがって、アルキン官能化ビオチン部分の付加は、各5hmC残基へのビオチン部分の共有結合をもたらす。
【0211】
次いで、アフィニティータグが付いたDNA断片を、一実施形態では、ストレプトアビジンを、ストレプトアビジンビーズ、磁気ストレプトアビジンビーズ等の形態で使用してステップ(b)へと送り込み、そして、必要に応じて、後の分析のために取り置くことができる。アフィニティータグが付いた断片を除去した後に残った上清は、修飾されていない5mC残基と、5hmC残基を持たないDNAが含まれている。
【0212】
ステップ(c)において、非修飾5mC残基は、任意の適切な手段を用いて、5caC残基及び/または5fC残基を提供するために酸化される。酸化剤は、ヒドロキシメチル化の域を越えるまでに5mC残基を酸化する、すなわち、5caC及び/または5fC残基を提供するために選択される。酸化は、触媒的に活性なTETファミリー酵素を用いて、酵素的に行うことができる。本明細書で使用される用語としての「TETファミリー酵素」または「TET酵素」とは、その開示内容が本明細書に参照として組み込まれる、米国特許第9,115,386号明細書で定義される触媒活性な「TETファミリータンパク質」または「TET触媒活性フラグメント」のことを指す。この文脈において好ましいTET酵素は、TET2である;Ito et al.,(2011)Science 333(6047):1300-1303を参照されたい。
【0213】
酸化は、化学的にも行い得るが、前節で説明したように、化学酸化剤を用いて行い得る。適切な酸化剤の例には、限定をするものではないが:無機または有機の過ルテニウム酸塩の形態の過ルテニウム酸アニオン、例えば、過ルテニウム酸カリウム(KRuO4)、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(TPAP)及び過ルテニウム酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)などの過ルテニウム酸テトラアルキルアンモニウム、ならびにポリマー担持過ルテニウム酸(PSP)など;及び、無機ペルオキソ化合物、及びペルオキソタングステン酸塩または銅(II)過塩素酸塩/TEMPOの組み合わせなどの組成物がある。この時点では、5fC含有フラグメントを5caC含有フラグメントから分離する必要はなく、プロセスの次のステップにおいて、ステップ(e)は、5fC残基及び5caC残基の両方を、ジヒドロウラシル(DHU)に変換する。
【0214】
いくつかの実施形態では、5-ヒドロキシメチルシトシン残基は、β-グルコシルトランスフェラーゼ(β3GT)でブロックされるが、5-メチルシトシン残基は、5-ホルミルシトシン及び5-カルボキシメチルシトシンの混合物を提供するのに有効なTET酵素で酸化される。これらの酸化種の両方を含む混合物を、2-ピコリンボランまたは別の有機ボランと反応させて、ジヒドロウラシルを得ることができる。本実施形態に関する変形例では、5hmC-含有断片は、ステップ(b)で除去されない。むしろ、「TET-支援型ピコリンボランシークエンシング(TAPS)」、5mC含有フラグメント及び5hmC含有フラグメントは、一緒に、酵素的に酸化され、5fC及び5caC含有フラグメントを提供する。2-ピコリンボランとの反応は、5mC及び5hmC残基が当初から存在していた箇所にDHU残基をもたらす。「化学的支援型ピコリンボランシークエンシング(CAPS)」は、5hmC含有断片を、過ルテニウム酸カリウムで選択的に酸化し、5mC残基を変化させないようにする。
【0215】
本実施形態の方法には多くの利点がある:バイサルファイトは不要であり、無毒な試薬及び反応物が使用される;そして、プロセスは穏やかな条件下で進行する。さらに、あらゆる中間体の単離を必要としないままに、プロセス全体を単一チューブで実行できる。
【0216】
関連する実施形態において、上記した方法は、さらなるステップを含む:(g)ステップ(b)において無細胞DNAから除去された5hmC含有DNA中のヒドロキシメチル化パターンを同定する。これは、WO2017/176630に詳細に記載されている技術を使用して行うことができる。このプロセスは、中間体の除去または単離をせずに、1チューブ法で行うことができる。例えば、最初に、無細胞DNA断片、好ましくは、アダプターライゲーションしたDNA断片は、βGTで触媒されるウリジンジホスホグルコース6-アジドによる官能化を受け、続いて、化学選択的アジド基を介したビオチン化が行われる。この手順は、各5hmC部位にビオチンを共有結合で結合させる結果を招く。次のステップでは、ビオチン化鎖と未修飾(ネイティブ)5mCを含む鎖とを同時に送り込んで、さらなる処理を行う。ネイティブの5mC含有鎖が、当該技術分野で公知の通り、抗5mC抗体またはメチル-CpG結合ドメイン(MBD)タンパク質を用いて送り込まれる。次いで、5hmC残基をブロックすると、本明細書の他の箇所に記載されるように、5mCを5fC及び/または5caCに変換するための任意の適切な技術を用いて、未修飾の5mC残基が選択的に酸化される。
【0217】
増幅によって得られた断片は、直接または間接的に検出可能な標識を保持し得る。いくつかの実施形態では、標識は、質量分析計で検出され得る典型的な質量を有する蛍光標識、放射性核種、または脱離可能な分子断片である。該標識が質量標識である場合、いくつかの実施形態は、標識アンプリコンが単一の正または負の正味電荷を有することにより、質量分析計における良好な検出性を可能にする。検出は、例えば、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI)によって、または電子スプレー質量分析(ESI)を使用して、実施かつ可視化することができる。
【0218】
これらのアッセイ技術に好適なDNAを単離するための方法は、当該技術分野において公知である。特に、いくつかの実施形態は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/470,251号(“Isolation of Nucleic Acids”)に記載されている核酸の単離を含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のマーカーは、糞便試料で実施されるQUARTSアッセイに使用される。いくつかの実施形態では、DNA試料を生成するための方法、特に、高度に精製された低存在量の核酸を少量(例えば、100マイクロリットル未満、60マイクロリットル未満)含み、DNA試料を試験するために使用されるアッセイ(例えば、PCR、INVADER、QuARTSアッセイなど)を阻害する物質を実質的に及び/または効果的に含まないDNA試料を生成するための方法が、提供される。そのようなDNA試料は、患者から採取した試料中に存在する遺伝子、遺伝子バリアント(例えば、対立遺伝子)、または遺伝子修飾(例えば、メチル化)の存在を定性的に検出するか、またはその活性、発現、もしくは量を定量的に測定する診断アッセイに使用される。例えば、一部のがんは、特定の突然変異対立遺伝子または特定のメチル化状態の存在と相関しており、したがって、そのような突然変異対立遺伝子またはメチル化状態の検出及び/または定量は、がんの診断及び治療において予測的価値を有する。
【0220】
多くの有益な遺伝子マーカーは、試料中に極めて少量で存在し、そのようなマーカーを生成する事象の多くは稀なものである。結果として、PCRなどの高感度の検出方法でさえ、アッセイの検出閾値を満たすか、またはそれを無効にするように低存在量の標的を十分に提供するには、多量のDNAを必要とする。さらに、少量であっても阻害物質の存在は、そのような少量の標的の検出を目的としたこれらのアッセイの正確度及び精度を損なう。したがって、本明細書で提供されるのは、そのようなDNA試料を生成するための、体積及び濃度の必要な管理を提供する方法である。
【0221】
いくつかの実施形態では、試料は、糞便、組織試料(例えば、皮膚組織)、器官分泌物、CSF、唾液、血液、または尿を含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。そのような試料は、当業者には明らかとなるものなどの当該技術分野において公知の、任意数の手段によって得ることができる。無細胞または実質的に無細胞の試料は、遠心分離及び濾過を含むがこれらに限定されない、当業者に公知の様々な技術に試料を供することによって得ることができる。非侵襲的技術を使用して試料を得ることが一般的に好ましいが、組織ホモジネート、組織切片、及び生検標本などの試料を得ることが依然として好ましい場合もある。本技術は、試料を調製するため、及び試験用の核酸を提供するために使用される方法に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、DNAは、直接的遺伝子捕捉、例えば、米国特許第8,808,990号及び同第9,169,511号に、ならびにWO2012/155072に詳述されているものを使用して、または関連する方法によって糞便試料から、または血液から、または血漿試料から単離される。
【0222】
マーカーの分析は、1つの試験試料内で追加のマーカーと別個にまたは同時に実施され得る。例えば、いくつかのマーカーは、複数の試料を効率的に処理するために、かつ診断及び/または予後のより高い精度を提供する可能性のために、1つの試験に組み合わされ得る。さらに、当業者は、同じ対象からの複数の試料を(例えば、連続的な時点で)試験する価値を認識するであろう。一連の試料のそのような試験により、マーカーのメチル化状態の経時的な変化を同定することが可能になる。メチル化状態の変化に加えて、メチル化状態の変化の欠如は、事象開始からのおおよその時間の同定、回復可能な組織の存在及び量、薬物療法の妥当性、様々な療法の有効性、ならびに将来の事象のリスクを含む対象の転帰の同定が挙げられるがこれらに限定されない、疾患状態に関する有用な情報を提供し得る。
【0223】
バイオマーカーの分析は、様々な物理的形式で実施され得る。例えば、マイクロタイタープレートまたは自動化の使用は、多数の試験試料の処理を容易にするために使用され得る。あるいは、単一の試料形式は、適時に、例えば、外来搬送または緊急救命室の状況において即時の治療及び診断を容易にするために開発され得る。
【0224】
本技術の実施形態は、キットの形態で提供されることが企図される。キットは、本明細書に記載の組成物、デバイス、装置など、及びキットの使用に関する説明書の実施形態を含む。そのような説明書は、試料から分析物を調製するための適切な方法、例えば、試料を回収し、その試料から核酸を調製するための方法について記載する。キットの個々の構成要素は、適切な容器及びパッケージング(例えば、バイアル、箱、ブリスターパック、アンプル、瓶、ボトル、チューブなど)に包装され、構成要素は、簡便な保存、輸送、及び/またはキットのユーザーによる使用のために適切な容器(例えば、箱(複数可))中に一緒に包装される。液体構成要素(例えば、緩衝液)は、ユーザーによって再構成される凍結乾燥形態で提供されてもよいことが理解される。キットは、キットの性能を評価、検証、及び/または保証するための対照または参照を含んでよい。例えば、試料中に存在する核酸の量をアッセイするためのキットは、既知濃度の同じまたは別の核酸を比較のために含む対照を含んでよく、いくつかの実施形態では、対照核酸に特異的な検出試薬(例えば、プライマー)を含んでよい。キットは、臨床現場での使用に、及びいくつかの実施形態では、ユーザーの自宅での使用に適している。キットの構成要素は、いくつかの実施形態では、試料から核酸溶液を調製するためのシステムの機能を提供する。いくつかの実施形態では、システムの特定の構成要素は、ユーザーによって提供される。
【0225】
様々ながんは、例えば、予測の特異性及び感度に関する統計的技術によって同定されるように、マーカーの様々な組み合わせによって予測される。本技術は、いくつかのがんに関する予測組み合わせ及び検証された予測組み合わせを同定するための方法を提供する。
【0226】
〔方法〕
本技術のいくつかの実施形態では、以下のステップ:
1)対象から得られた核酸(例えば、血液または血漿などの体液、細針吸引物、深部組織、または皮膚組織などから単離したゲノムDNA)を、DMR(例えば、DMR1~331、例えば、表1A、2A、7A、8A、及び9に示したもの)を含む少なくとも1つのマーカー内のメチル化CpGジヌクレオチドと非メチル化CpGジヌクレオチドとを区別する少なくとも1つの試薬または一連の試薬に接触させること、及び、
2)メラノーマ、転移性メラノーマ、または、原発性皮膚メラノーマを(例えば、80%以上の感度、及び80%以上の特異度で)検出すること、を含む方法が提供される。
【0227】
本技術のいくつかの実施形態では、以下のステップ:
1)対象から得られた核酸(例えば、血液または血漿などの体液、細針吸引物、深部組織、または皮膚組織などから単離したゲノムDNA)を、c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33からなる群より選択されるアノテーションを有する染色体領域を含む少なくとも1つのマーカー内のメチル化CpGジヌクレオチドと非メチル化CpGジヌクレオチドとを区別する少なくとも1つの試薬または一連の試薬に接触させること、及び、
2)メラノーマを(例えば、80%以上の感度、及び80%以上の特異度で)検出すること、を含む方法が提供される:
本技術のいくつかの実施形態では、以下のステップ:
1)対象から得られた核酸(例えば、血液または血漿などの体液、細針吸引物、深部組織、または皮膚組織などから単離したゲノムDNA)を、MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763からなる群より選択されるアノテーションを有する染色体領域を含む少なくとも1つのマーカー内のメチル化CpGジヌクレオチドと非メチル化CpGジヌクレオチドとを区別する少なくとも1つの試薬または一連の試薬に接触させること、及び、
2)メラノーマを(例えば、80%以上の感度、及び80%以上の特異度で)検出すること、を含む方法が提供される
本技術のいくつかの実施形態では、以下のステップ:
1)対象から得られた核酸(例えば、血液または血漿などの体液、細針吸引物、深部組織、または皮膚組織などから単離したゲノムDNA)を、AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73からなる群より選択されるアノテーションを有する染色体領域を含む少なくとも1つのマーカー内のメチル化CpGジヌクレオチドと非メチル化CpGジヌクレオチドとを区別する少なくとも1つの試薬または一連の試薬に接触させること、及び、
2)メラノーマを(例えば、80%以上の感度、及び80%以上の特異度で)検出すること、を含む方法が提供される
本技術のいくつかの実施形態では、以下のステップ:
1)対象から得られた核酸(例えば、血液または血漿などの体液、細針吸引物、深部組織、または皮膚組織などから単離したゲノムDNA)を、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_Aからなる群より選択されるアノテーションを有する染色体領域を含む少なくとも1つのマーカー内のメチル化CpGジヌクレオチドと非メチル化CpGジヌクレオチドとを区別する少なくとも1つの試薬または一連の試薬に接触させること、及び、
2)転移性メラノーマを(例えば、80%以上の感度、及び80%以上の特異度で)検出すること、を含む方法が提供される。
【0228】
本技術のいくつかの実施形態では、以下のステップ:
1)対象から得られた核酸(例えば、血液または血漿などの体液、細針吸引物、深部組織、または皮膚組織などから単離したゲノムDNA)を、MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763からなる群より選択されるアノテーションを有する染色体領域を含む少なくとも1つのマーカー内のメチル化CpGジヌクレオチドと非メチル化CpGジヌクレオチドとを区別する少なくとも1つの試薬または一連の試薬に接触させること、及び、
2)転移性メラノーマを(例えば、80%以上の感度、及び80%以上の特異度で)検出すること、を含む方法が提供される
本技術のいくつかの実施形態では、以下のステップを含む方法が提供される:
1)生体試料中のゲノムDNAをメチル化特異的な形でDNAを修飾する試薬(例えば、ここで試薬は、バイサルファイト試薬、メチル化感受性制限酵素、またはメチル化依存性制限酵素である)で処理することを通じて、ヒト個体の生体試料における1つ以上の遺伝子のメチル化レベルを測定するステップであって、1つ以上の遺伝子が以下の群のうちの1つから選択されるステップ:
●c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33(表4、5A、5B及び6;実施例Iを参照されたい);
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11を参照されたい);
●AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73(表7A及び7B;実施例IIを参照されたい);
●表8A及び8Bに列挙された1つ以上のマーカー(実施例II);及び
●MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A(表5C、実施例Iを参照されたい)、
2)選択された1つ以上の遺伝子に対するプライマーのセットを使用して、処理したゲノムDNAを増幅するステップ;ならびに
3)ポリメラーゼ連鎖反応、核酸シーケンシング、質量分析、メチル化特異的ヌクレアーゼ、質量ベースの分離、及び標的捕捉によって、1つ以上の遺伝子のメチル化レベルを判定するステップ。
【0229】
本技術のいくつかの実施形態では、以下のステップを含む方法が提供される:
1)試料からのDNA中の少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子の量を測定するステップであって、1つ以上の遺伝子が以下の群のうちの1つから選択されるステップ:
●c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33(表4、5A、5B及び6;実施例Iを参照されたい);
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11を参照されたい);
●AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73(表7A及び7B;実施例IIを参照されたい);
●表8A及び8Bに列挙された1つ以上のマーカー(実施例II);及び
●MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A(表5C、実施例Iを参照されたい)、
2)DNA中の少なくとも1つの参照マーカーの量を測定するステップ;ならびに
3)DNA中で測定された少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子の量の値を、DNA中で測定された参照マーカー遺伝子の量のパーセンテージとして算出するステップであって、この値が、試料中で測定された少なくとも1つのメチル化マーカーDNAの量を示すステップ。
【0230】
本技術のいくつかの実施形態では、以下のステップを含む方法が提供される:
1)生体試料中のゲノムDNAを、メチル化特異的な形でDNAを修飾することができるバイサルファイト試薬(例えば、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、及びバイサルファイト試薬)で処理することを通じて、ヒト個体の生体試料における1つ以上の遺伝子のCpG部位のメチル化レベルを測定するステップ;
2)選択された1つ以上の遺伝子に対するプライマーのセットを使用して、修飾したゲノムDNAを増幅するステップ;ならびに
3)メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化感受性DNA制限酵素分析、定量的バイサルファイトパイロシークエンシング、またはバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRによって、CpG部位のメチル化レベルを判定するステップであって、
1つ以上の遺伝子が以下の群のうちの1つから選択されるステップ:
●c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33(表4、5A、5B及び6;実施例Iを参照されたい;
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763(表9、10、11を参照されたい);
●AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73(表7A及び7B;実施例IIを参照されたい);
●表8A及び8Bに列挙された1つ以上のマーカー(実施例II);及び
●MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A(表5C、実施例Iを参照されたい)。
【0231】
これら方法のいずれでも、そのようなマーカーのいずれかに関するメチル化レベルを決定することは、表3に列挙されたプライマーを用いて達成される。
【0232】
好ましくは、そのような方法の感度は、約70%~約100%、または約80%~約90%、または約80%~約85%である。好ましくは、特異性は、約70%~約100%、または約80%~約90%、または約80%~約85%である。
【0233】
ゲノムDNAは、市販のキットの使用を含む、任意の手段によって単離することができる。簡潔に述べると、目的のDNAが細胞膜によって被包されている場合、生体試料を酵素的、化学的または機械的手段によって破壊し溶解しなければならない。次いで、例えば、プロテイナーゼKで消化することにより、タンパク質及び他の混入物をDNA溶液から除去することができる。次いで、ゲノムDNAを溶液から回収する。これは、塩析、有機抽出、または固相支持体へのDNAの結合を含む、様々な方法によって実施することができる。方法の選択は、時間、費用、及びDNAの必要量を含む、いくつかの要因に影響される。腫瘍性物質または前腫瘍性物質を含む全ての臨床試料タイプ、例えば、細胞株、組織学的スライド、生検、パラフィン包埋組織、体液、糞便、皮膚組織、リンパ組織または吸引物、脳、肺、肝臓、骨または他の深部器官組織、結腸排出物、尿、血漿、血清、全血、単離された血液細胞、血液から単離された細胞、及びこれらの組み合わせが、本方法における使用に好適である。
【0234】
本技術は、試料を調製するため、及び試験用の核酸を提供するために使用される方法に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、DNAは、直接的遺伝子捕捉、例えば、米国特許出願第61/485386号に詳述されているものを使用して、または関連方法によって、皮膚組織試料または糞便試料から、または血液から、または血漿試料から単離される。
【0235】
次いで、ゲノムDNA試料を、DMR(例えば、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りの、例えば、DMR1~331)を含む少なくとも1つのマーカー内のメチル化CpGジヌクレオチドと非メチル化CpGジヌクレオチドとを区別する、少なくとも1つの試薬、または一連の試薬で処理する。
【0236】
いくつかの実施形態では、試薬は、5’位でメチル化されていないシトシン塩基を、ウラシル、チミン、またはハイブリダイゼーション挙動に関してシトシンとは異なる別の塩基に変換する。しかしながら、いくつかの実施形態では、試薬は、メチル化感受性制限酵素であり得る。
【0237】
いくつかの実施形態では、ゲノムDNA試料を、5’位でメチル化されていないシトシン塩基が、ウラシル、チミン、またはハイブリダイゼーション挙動に関してシトシンとは異なる別の塩基に変換されるような形で処理する。いくつかの実施形態では、この処理は、バイサルファイト(亜硫酸水素塩、二亜硫酸塩)、続いてアルカリ加水分解で実施される。
【0238】
次いで、処理した核酸を分析し、標的遺伝子配列(DMR、例えば、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りの、例えば、DMR1~331から選択される少なくとも1箇所のDMRを含むマーカーからの少なくとも1つの遺伝子、ゲノム配列、またはヌクレオチド)のメチル化状態を判定する。分析の方法は、本明細書に示されるもの、例えば、本明細書に記載のQuARTS及びMSPを含む、当該技術分野において公知のものから選択することができる。
【0239】
異常なメチル化、より具体的には、DMR(例えば、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りの、例えば、DMR1~331)を含むマーカーの高メチル化は、メラノーマに関連している。
【0240】
本技術は、メラノーマに関連するあらゆる試料の分析に関する。例えば、いくつかの実施形態では、試料は、患者から得られた組織(例えば、皮膚組織)及び/または体液を含む。いくつかの実施形態では、試料は、分泌物を含む。いくつかの実施形態では、試料は、血液、血清、血漿、胃分泌物、膵液、胃腸生検試料、皮膚組織生検、深部組織生検、細針吸引物からの顕微解剖細胞、及び/または糞便から回収した細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料は、皮膚組織を含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。試料には、卵巣、乳房、肝臓、胆管、膵臓、胃、結腸、皮膚、直腸、食道、小腸、虫垂、十二指腸、ポリープ、胆嚢、肛門、リンパ節、脳、骨、及び/または腹膜からの細胞、分泌物、または組織が含まれ得る。いくつかの実施形態では、試料は、細胞液、腹水、尿、糞便、膵液、内視鏡検査中に得られた液体、血液、粘液、または唾液を含む。いくつかの実施形態では、試料は、糞便試料である。いくつかの実施形態では、皮膚細胞は、粘着テープまたは他の粘着表面を用いて収集される。
【0241】
そのような試料は、当業者には明らかとなるものなどの当該技術分野において公知の、任意数の手段によって得ることができる。例えば、尿及び糞便試料は、容易に入手可能であるが、血液、腹水、血清、または膵液試料は、例えば、ニードル及びシリンジを使用することによって非経口的に得ることができる。無細胞または実質的に無細胞の試料は、遠心分離及び濾過を含むがこれらに限定されない、当業者に公知の様々な技術に試料を供することによって得ることができる。非侵襲的技術を使用して試料を得ることが一般的に好ましいが、組織ホモジネート、組織切片、及び生検標本などの試料を得ることが依然として好ましい場合もある。
【0242】
いくつかの実施形態では、本技術は、患者(例えば、メラノーマを有する患者)(例えば、1種以上の転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマを有する患者)を治療する方法に関し、本方法は、本明細書で提供される1箇所以上のDMRのメチル化状態を判定すること、及びメチル化状態を判定する結果に基づいて患者に治療を施すことを含む。治療は、医薬化合物の投与、ワクチンの投与、免疫療法の投与、外科手術の実施、患者のイメージング、別の試験の実施であり得る。好ましくは、該使用は、臨床スクリーニングの方法、予後評価の方法、療法の結果をモニタリングする方法、特定の治療的処置に応答する可能性が最も高い患者を同定する方法、患者または対象をイメージングする方法、ならびに薬物のスクリーニング及び開発のための方法におけるものである。
【0243】
本技術のいくつかの実施形態では、対象のメラノーマを診断するための方法が提供される。「診断する」及び「診断」という用語は、本明細書で使用される場合、対象が所与の疾患もしくは状態に罹患しているか否か、または将来的に所与の疾患もしくは状態を発症する可能性があるか否かを、当業者が推定し、さらに判定することができる方法を指す。当業者は多くの場合、1つ以上の診断指標、例えば、バイオマーカー(例えば、本明細書で開示されるDMR)などに基づいて診断を行い、そのメチル化状態は、状態の存在、重症度、または欠如を示している。
【0244】
診断に加えて、臨床的ながん予後は、がんの攻撃性及び腫瘍再発の可能性を判定し、最も効果的な療法を計画することに関する。より正確な予後を行うことができるか、またはさらにはがんを発症する潜在的リスクを評価することができる場合、適切な療法、及び場合によっては、患者にとって比較的苛酷ではない療法を選択することができる。がんバイオマーカーの評価(例えば、メチル化状態を判定すること)は、良好な予後を有し、及び/またはがんを発症するリスクが低く、療法を必要としないかまたは限定的な療法を必要とする対象と、がんを発症するかまたはがんを再発する可能性がより高く、より強力な治療から恩恵を受ける可能性がある対象とを分けるのに有用である。
【0245】
したがって、「診断を行う」または「診断する」は、本明細書で使用される場合、がんを発症するリスクを判定すること、または予後を判定することをさらに含み、これは、本明細書に開示される診断バイオマーカー(例えば、DMR)の尺度に基づいて、臨床転帰(医学的治療の有無にかかわらず)を予測すること、適切な治療(もしくは治療が効果的であるかどうか)を選択すること、または現在の治療をモニタリングし、場合により治療を変更することを可能にし得る。さらに、本明細書に開示される主題のいくつかの実施形態では、診断及び/または予後を容易にするために、経時的なバイオマーカーの複数の判定を行うことができる。バイオマーカーの時間的変化を使用して、臨床転帰を予測し、メラノーマの進行をモニタリングし、及び/またはがんを対象とする適切な療法の有効性をモニタリングすることができる。そのような実施形態では、例えば、効果的な療法の過程において経時的に、生体試料中の本明細書に開示される1つ以上のバイオマーカー(例えば、DMR)(及びモニタリングされる場合、場合により1つ以上の追加のバイオマーカー(複数可))のメチル化状態の変化を確認することが予期され得る。
【0246】
本明細書で開示される主題は、いくつかの実施形態では、対象のがんの予防または治療を開始または継続するか否かを判定するための方法をさらに提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、ある期間にわたって対象から一連の生体試料を得ること、一連の生体試料を分析し、生体試料の各々において本明細書に開示される少なくとも1つのバイオマーカーのメチル化状態を判定すること、及び生体試料の各々においてバイオマーカーのうちの1つ以上のメチル化状態における任意の測定可能な変化を比較することを含む。ある期間にわたるバイオマーカーのメチル化状態におけるいずれの変化も、がんを発症するリスクを予測するため、臨床転帰を予測するため、がんの予防または療法を開始または継続するか否か、及び現在の療法ががんを効果的に治療しているか否かを判定するために使用することができる。例えば、第1の時点は、治療の開始前に選択することができ、第2の時点は、治療開始後のある時点で選択することができる。メチル化状態は、異なる時点で採取された試料の各々で測定することができ、定性的及び/または定量的な差を記録する。異なる試料からのバイオマーカーレベルのメチル化状態における変化は、対象におけるメラノーマリスク、予後、治療有効性の判定、及び/またはがんの進行と相関し得る。
【0247】
好ましい実施形態では、本発明の方法及び組成物は、早期での、例えば、疾患の症状が現れる前の疾患の治療または診断のためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の方法及び組成物は、臨床病期における疾患の治療または診断のためのものである。
【0248】
既に述べたように、いくつかの実施形態では、1つ以上の診断または予後バイオマーカーの複数の判定を行うことができ、マーカーの時間的変化を使用して、診断または予後を判定することができる。例えば、診断マーカーは、初回に判定することができ、2回目に再度判定することができる。そのような実施形態では、初回から2回目でのマーカーの増加は、がんの特定のタイプもしくは重症度、または所与の予後を診断し得る。同様に、初回から2回目でのマーカーの減少は、がんの特定のタイプもしくは重症度、または所与の予後を示し得る。さらに、1つ以上のマーカーの変化の程度は、がんの重症度及び将来の有害事象に関連し得る。当業者は、特定の実施形態では、同じバイオマーカーの比較測定が複数の時点で行われ得るが、所与のバイオマーカーをある時点で、及び第2のバイオマーカーを第2の時点で測定することもでき、これらのマーカーの比較により診断情報がもたらされ得ることを理解するであろう。
【0249】
本明細書で使用される場合、「予後を判定する」という語句は、当業者が対象の状態の経過または転帰を予測することができる方法を指す。「予後」という用語は、100%の精度で状態の経過または転帰を予測する能力、またはさらには所与の経過または転帰が、バイオマーカー(例えば、DMR)のメチル化状態に基づいて生じる可能性が予想通りに高い、もしくは低いことを予測する能力を指すわけではない。その代わりに、当業者は、「予後」という用語が、ある特定の経過または転帰が生じる確率、すなわち、経過または転帰が、所与の状態を呈する対象において、その状態を呈さないそれらの個体と比較した場合に生じる可能性がより高いという確率の上昇を指すと理解するであろう。例えば、状態を呈さない(例えば、1箇所以上のDMRの正常なメチル化状態を有する)個体では、所与の転帰(例えば、メラノーマに罹患すること)の可能性が極めて低い場合がある。
【0250】
いくつかの実施形態では、統計分析は、予後指標を有害転帰に対する素因と関連付ける。例えば、いくつかの実施形態では、がんを有しない患者から得られた正常対照試料におけるものとは異なるメチル化状態は、統計的有意性のレベルによって判定した場合、対象が、対照試料におけるメチル化状態により類似したレベルを有する対象よりも、がんに罹患する可能性が高いことを示し得る。さらに、ベースライン(例えば、「正常」)レベルからのメチル化状態の変化は、対象の予後を反映し得、メチル化状態における変化の程度は、有害事象の重症度に関連し得る。統計的有意性は、多くの場合に2つ以上の集団を比較して、信頼区間及び/またはp値を判定することによって判定される。例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、Dowdy and Wearden,Statistics for Research,John Wiley & Sons,New
York,1983を参照されたい。本主題の例示的な信頼区間は、90%、95%、97.5%、98%、99%、99.5%、99.9%及び99.99%であり、一方、例示的なp値は、0.1、0.05、0.025、0.02、0.01、0.005、0.001、及び0.0001である。
【0251】
他の実施形態では、本明細書に開示される予後または診断バイオマーカー(例えば、DMR)のメチル化状態における変化の閾値の程度を確立することができ、生体試料中のバイオマーカーのメチル化状態における変化の程度は、メチル化状態における変化の閾値の程度と単に比較される。本明細書で提供されるバイオマーカーのメチル化状態における好ましい閾値の変化は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約50%、約75%、約100%、及び約150%である。さらに他の実施形態では、「ノモグラム」を確立することができ、これにより予後または診断指標(バイオマーカーまたはバイオマーカーの組み合わせ)のメチル化状態が、所与の転帰に対して関連付けられる素因に直接関連する。集団平均値ではなく個々の試料測定値が参照されるため、当業者は、そのようなノモグラムを使用して、この測定値の不確実性がマーカー濃度の不確実性と同じであることを理解した上で、2つの数値を関連付けることに精通している。
【0252】
いくつかの実施形態では、対照試料は生体試料と同時に分析され、それにより、生体試料から得られた結果は対照試料から得られた結果と比較され得る。さらに、標準曲線を提供することができ、標準曲線と生体試料のアッセイ結果を比較することができることが企図される。そのような標準曲線は、アッセイ単位に応じたバイオマーカーのメチル化状態、例えば、蛍光標識が使用される場合、蛍光シグナル強度を提示する。複数のドナーから採取した試料を使用して、正常組織における1つ以上のバイオマーカーの対照メチル化状態について、及び異形成を有するドナーから、またはメラノーマを有するドナーから採取した組織における1つ以上のバイオマーカーの「リスクがある」レベルについて、標準曲線を得ることができる。本方法の特定の実施形態では、対象は、対象から得られた生体試料において、本明細書で提供される1箇所以上のDMRの異常なメチル化状態が同定されると、異形成を有すると同定される。本方法の他の実施形態では、対象から得られた生体試料におけるそのようなバイオマーカーのうちの1つ以上の異常なメチル化状態の検出により、対象はがんを有すると同定されることになる。
【0253】
マーカーの分析は、1つの試験試料内で追加のマーカーと別個にまたは同時に実施され得る。例えば、いくつかのマーカーは、複数の試料を効率的に処理するために、かつ診断及び/または予後のより高い精度を提供する可能性のために、1つの試験に組み合わされ得る。さらに、当業者は、同じ対象からの複数の試料を(例えば、連続的な時点で)試験する価値を認識するであろう。一連の試料のそのような試験により、マーカーのメチル化状態の経時的な変化を同定することが可能になる。メチル化状態の変化に加えて、メチル化状態の変化の欠如は、事象開始からのおおよその時間の同定、回復可能な組織の存在及び量、薬物療法の妥当性、様々な療法の有効性、ならびに将来の事象のリスクを含む対象の転帰の同定が挙げられるがこれらに限定されない、疾患状態に関する有用な情報を提供し得る。
【0254】
バイオマーカーの分析は、様々な物理的形式で実施され得る。例えば、マイクロタイタープレートまたは自動化の使用は、多数の試験試料の処理を容易にするために使用され得る。あるいは、単一の試料形式は、適時に、例えば、外来搬送または緊急救命室の状況において即時の治療及び診断を容易にするために開発され得る。
【0255】
いくつかの実施形態では、対象は、対照メチル化状態と比較した場合、試料中の少なくとも1つのバイオマーカーのメチル化状態に測定可能な差が存在する場合にメラノーマを有すると診断される。逆に、生体試料中のメチル化状態に変化がないと同定される場合、対象は、メラノーマを有していないか、がんのリスクがないか、またはがんのリスクが低いと同定され得る。これに関して、がんまたはそのリスクを有する対象は、がんまたはそのリスクが低い対象からそれらを実質的に有しない対象までとは区別され得る。メラノーマを発症するリスクを有するそれらの対象は、内視鏡サーベイランスを含む、より集中的及び/または定期的なスクリーニングスケジュールに置かれ得る。他方、リスクが低い対象から実質的にリスクを有しない対象は、将来のスクリーニング、例えば、本技術に従って実施されるスクリーニングによりメラノーマのリスクがそれらの対象に現れたことが示されるまで、メラノーマに関する追加試験(例えば、侵襲的手順)に供されるのを回避することができる。
【0256】
前述の通り、本技術の方法の実施形態に応じて、1つ以上のバイオマーカーのメチル化状態における変化を検出することは、定性的判定であり得るか、またはそれは定量的判定であり得る。したがって、メラノーマを有するか、またはメラノーマを発症するリスクがあると対象を診断するステップは、ある特定の閾値測定が行われること、例えば、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのメチル化状態が、所定の対照メチル化状態とは異なることを示す。本方法のいくつかの実施形態では、対照メチル化状態は、バイオマーカーの任意の検出可能なメチル化状態である。対照試料が生体試料と同時に試験される方法の他の実施形態では、所定のメチル化状態は、対照試料におけるメチル化状態である。本方法の他の実施形態では、所定のメチル化状態は、標準曲線に基づいている、及び/または標準曲線によって同定される。本方法の他の実施形態では、所定のメチル化状態は、特異的な状態または状態の範囲である。したがって、所定のメチル化状態は、当業者には明らかとなる許容可能な限度内で、実施される方法の実施形態及び所望の特異性などに一部基づいて選択され得る。
【0257】
さらに診断方法に関して、好ましい対象は、脊椎動物対象である。好ましい脊椎動物は温血であり、好ましい温血脊椎動物は、哺乳動物である。好ましい哺乳動物は、最も好ましくはヒトである。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト及び動物対象の両方を含む。したがって、獣医学的な治療的使用が本明細書で提供される。したがって、本技術により、ヒトなどの哺乳動物、加えてアムールトラなどの絶滅の危機に瀕しているために重要である哺乳動物、ヒトによる消費のために農場で飼育されている動物などの経済的に重要である哺乳動物、及び/またはペットとして、もしくは動物園で飼育されている動物などのヒトにとって社会的に重要である動物などの診断が可能となる。そのような動物の例としては、ネコ及びイヌなどの肉食動物;ブタ(pig)、雄ブタ、及びイノシシを含むブタ(swine);ウシ、雄ウシ、ヒツジ、キリン、シカ、ヤギ、バイソン、及びラクダなどの反芻動物及び/または有蹄動物;ならびにウマが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、家畜化されたブタ、反芻動物、有蹄動物、ウマ(競走馬を含む)などを含むがこれらに限定されない家畜の診断及び治療が、さらに提供される。
【0258】
本明細書で開示される主題は、対象におけるメラノーマ及び/またはメラノーマの特定の形態(例えば、転移性メラノーマ、原発性皮膚メラノーマ)を診断するためのシステムをさらに含む。このシステムは、例えば、生体試料が回収されている対象におけるメラノーマリスクについてスクリーニングするために、またはメラノーマを診断するために使用され得る、市販のキットとして提供され得る。本技術に従って提供される例示的なシステムは、表1A、2A、7A、8A及び9に示される通りのDMRのメチル化状態を評価することを含む。
【0259】
〔実施例〕
実施例I.
材料及び方法
組織及び血液を、施設のIRBの監視下でMayo Clinicの生物標本リポジトリより得た。試料を、対象研究承認及び組み入れ/除外基準に厳格に準拠して選択した。がんは、21個の転移性メラノーマから構成されていた。対照群には、15個の非腫瘍性皮膚表皮試料、16個の良性メラニン白血球性母斑、及び36個の全血由来白血球が含まれていた。組織はマクロ解剖され、専門の病理学者が組織構造を精査した。試料は、年齢を一致させ、ランダム化し、盲検化した。DNAを、それぞれ、QIAamp DNA Tissue Miniキット、及びQIAamp DNA Blood Miniキット(Qiagen,Valencia CA)を使用して精製した。DNAをAMPure XPビーズ(Beckman-Coulter,Brea CA)で再精製し、PicoGreen(Thermo-Fisher,Waltham MA)で定量した。DNAの完全性をqPCRを使用して評価した。
【0260】
RRBSシーケンシングライブラリーを、変更を加えたMeissnerプロトコル(Gu et al. Nature Protocols 2011 Apr;6(4):468-81を参照されたい)に従って調製した。試料を、4プレックス形式に合わせ、Mayo Genomics FacilityによりIllumina HiSeq
2500機器(Illumina,San Diego CA)でシーケンシングした。リードを、画像分析及びベースコールのためにIlluminaパイプラインモジュールにより処理した。二次分析を、Mayoが開発したバイオインフォマティクススイートであるSAAP-RRBSを使用して実施した。簡潔に述べると、Trim-Galoreを使用してリードをクリーンアップし、BSMAPで構築したGRCh37/hg19参照ゲノムにアラインメントさせた。カバレッジ10倍以上、塩基品質スコア20以上のCpGについて、C/(C+T)、または逆に、逆鎖へのリードマッピングの場合はG/(G+A)を算出することによりメチル化率を判定した。
【0261】
個々のCpGを、高メチル化率、すなわち、所与の遺伝子座における、その場所の総シトシン数に対するメチル化シトシンの数によってランク付けした。症例の場合、比率は≧0.20(20%);組織対照の場合、≦0.05(5%)組織対組織分析;≧0.20(20%)組織対バフィーコート;バフィーコート対照の場合、≦0.01(1%)である必要があった。これらの基準を満たさなかったCpGを廃棄した。続いて候補CpGを、ゲノム位置によって、1領域あたり5CpGの最小カットオフで約40~220bpの範囲のDMR(可変メチル化領域)にビニングした。検証段階におけるGC関連の増幅問題を回避するために、CpG密度が過度に高い(>30%)DMRを除外した。各候補領域について、症例と対照の両方に対して個々のCpGを試料ごとに比較する2Dマトリックスを作成した。次いで、これらのCpGマトリックスを参照配列と比較して、ゲノム的に連続するメチル化部位が最初のフィルタリングの際に廃棄されたか否かを評価した。この領域のサブセットから、最終的な選択には、試料ごとのレベルで、DMR配列全体の個々のCpGの協調的かつ連続的な(症例における)高メチル化が必要であった。逆に、対照試料は、症例の少なくとも10分の1のメチル化が必要であり、CpGパターンはよりランダムで協調性が低くなければならなかった。がん試料の少なくとも10%は、DMR内の全てのCpG部位に少なくとも50%の高メチル化率を有している必要があった。
【0262】
別の分析では、独自のDMR同定パイプライン及び回帰パッケージを利用して、CpGの平均メチル化値に基づいてDMRを導出した。平均メチル化パーセンテージの差を、悪性メラノーマ症例、組織対照、及びバフィーコート対照の間で比較し、マッピングしたCpGの各々の100塩基対内のタイル状に並べたリーディングフレームを使用して、対照のメチル化が5%未満のDMRを同定した。カバレッジ深度の合計が1対象あたり平均10リードであり、サブグループ間の分散が0を超える場合にのみDMRを分析した。生物学的に関連するオッズ比の増加が3倍を超え、かつカバレッジ深度が10リードであると仮定すると、有意水準5%の両側検定で80%の検出力を達成し、二項分散拡大係数(binomial variance inflation factor)を1と仮定するには、1群あたり18個以上の試料が必要であった。
【0263】
回帰後、DMRを、症例と全ての対照との間のp値、受信者動作特性曲線下の面積(AUC)、及び倍率変化の差によってランク付けした。独立した検証を事前に計画していたことから、この段階において誤検出の調整は行わなかった。
【0264】
DMRのサブセットを、さらなる展開のために選択した。基準は主に、領域の判別可能性の性能評価を提供する、ロジスティックに導出された(logistic-derived)ROC曲線下面積尺度であった。AUC0.85をカットオフとして選択した。さらに、メチル化倍率変化率(平均がん高メチル化率/平均対照高メチル化率)を算出し、組織対組織の比較には下限10を使用し、組織対バフィーコートの比較には下限20を使用した。P値は0.01未満である必要があった。DMRは、平均及び個別のCpG選択プロセスの両方に記載しなければならなかった。定量的メチル化特異的PCR(qMSP)プライマーを、MethPrimer(Li LC and Dahiya R.Bioinformatics 2002 Nov;18(11):1427-31)を使用して候補領域用に設計し、20ng(6250当量)の陽性及び陰性のゲノムメチル化対照をQC検査した。最適な識別のために、複数のアニーリング温度を試験した。検証を2段階のqMSPで実施した。第1段階を、シーケンシングしたDNA試料の再試験で構成した。これは、DMRが実際に判別性が高く、極めて大規模な次世代シーケンシング(NGS)データセットの過剰適合の結果ではないことを立証するために行った。第2段階は、さらに大きな独立試料のセット:35名の患者からの転移性メラノーマ、26名の患者からの原発性メラノーマ、及び73個の対照試料(47個の良性前駆体病変または正常な皮膚、及び26個の健康なバフィーコート試料)を利用した。
【0265】
組織を、専門家の臨床的及び病理学的精査により、前と同様に同定した。DNA精製を、Qiagen QIAmp FFPE組織キットを使用して実施した。バイサルファイト変換ステップには、EZ-96 DNA Methylationキット(Zymo Research,Irvine CA)を使用した。Roche 480 LightCycler(Roche,Basel Switzerland)でSYBR Green検出を使用して、10ngの変換したDNA(マーカーあたり)を増幅した。段階希釈したユニバーサルメチル化ゲノムDNA(Zymo Research)を、定量標準物質として使用した。CpGに依存しないACTB(β-アクチン)アッセイをインプット参照及び正規化対照として使用した。結果を、メチル化されたコピー(特異的マーカー)/ACTBのコピーとして表した。
【0266】
結果を、個々のMDM(メチル化DNAマーカー)の性能についてロジスティックに分析した。マーカーの組み合わせには、2つの技術を使用した。まず、rPart技術をMDMセット全体に適用し、3つのMDMの組み合わせに限定してから、rPartで予測したがんの確率を算出した。2番目のアプローチでは、元のデータのブートストラップ試料(トレーニング用のデータのおよそ2/3)に適合する500個の個別のrPartモデルを生成して、MDMパネル全体の交差検証誤差(試験用のデータの1/3)を推定するために使用するランダムフォレスト回帰(rForest)を使用し、これを、真の交差検定尺度を過小評価または過大評価する偽のスプリット(spurious split)を回避するため500回繰り返した。次いで、500回の繰り返しにわたって結果を平均した。
【0267】
結果
試料調製、シーケンシング、分析、フィルターの独自の方法論を利用して、皮膚癌を正確に特定し、なおかつ、臨床検査環境で卓越している可変メチル化領域(DMR)を同定及び限定した。組織間分析から、124個の高メチル化悪性メラノーマ(MM)DMRが同定された(表1A及びIB)。それらは、MM特異的領域、ならびに、より普遍的ながんスペクトルを標的とする領域を含んでいた。組織対白血球(バフィーコート)分析では、WBCで1%未満のノイズを有する38個の高メチル化MM+表皮組織DMRが得られた(表2A及び2B)。
【0268】
組織及びバフィーマーカー群から、当初のパイロットのための40個の候補マーカーが選択された。メチル化特異的PCRアッセイを開発し、そして、組織試料を2度試験した;配列決定された(凍結された)ものと、より大きな独立コホート(FFPE)。短いアンプリコンプライマー(<150bp)は、DMR内で最も判別性の高いCpGを標的とするように設計されており、対照に関して試験を行って、完全にメチル化された断片が、確実に、かつ直線的に増幅されること:すなわち、非メチル化及び/または未変換断片を増幅しないことを確認した。80個のプライマー配列を表3に列挙する。
【0269】
ステージ1の検証結果をロジスティックに分析し、AUCと倍率変化を決定した。組織対照及びバフィーコート対照の分析は、別々に実行した。結果は、表4で強調表示している。赤色の濃淡の程度は、マーカーアッセイの判別強度を示す。多くのアッセイは、バフィーコート試料からMMを100%判別しており、また、MM対対照組織分析では1つのアッセイで100%であった。
【0270】
これらの結果は、独立した試料試験を考慮する高性能候補の豊富な情報源を提供した。当初の40のアッセイの内、32を選択した。大半は、AUCが0.90~1.00の範囲内に収まっていたが、その他のものは、倍率変化(FC)数が非常に大きく(バックグラウンドがほとんど無かった)、及び/または、他のメチル化DNAマーカー(MDMS)と相補性を示していた。すべてのアッセイは、直線性、効率、配列特異性(融解曲線分析を使用して評価した)、及び強力な増幅などの高い分析性能を示した。
【0271】
2度目の検証では、前回のステップと同様に、試料とマーカーセットの全部を1つのバッチで行った。約10ngのFFPE由来試料DNAを、合計で約350個のマーカーごとに実施した。個々のMDMに関するMM対正常組織とバフィーコートの結果を、表5Aに列挙する。個々のマーカー候補のレシーバーオペレーター特性分析では、MM対対照組織比較の曲線下面積(AUC)は、0.43~0.97の範囲であった(表5B);AUCの中央値は、0.835であった。100%の特異性で、5つのMDM(MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763(プライマー配列番号47及び48を使用)、MAX.chr7.155259597-155259763(プライマー配列番号49及び50を使用)、FOXL2NB、及びHOXA9_A)の相互検証パネルは、転移性メラノーマに関して33/35例(94.3%(95%CI、86.6~100%))、原発性メラノーマに関して22/26例(84.6%(95%CI、70.7~98.5%))の感受性をもたらした(表5C)。MM対バフィーコートの比較に関しては、AUCの範囲は、0.80~0.98であり、メチル化倍率変化比は、>20、中央値は64であった(表6)。
【0272】
全メチロームシーケンシング、ストリンジェントなフィルタリング基準、及び生物学的検証により、悪性メラノーマに対する優れた候補MDMが得られた。組織でアッセイを行ったところ、正常なバフィーコートでは検出できない5つの新規MDM(MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763(プライマー配列番号47及び48を使用)、MAX.chr7.155259597-155259763(プライマー配列番号49及び50を使用)、FOXL2NB、及びHOXA9_A)のパネルが、メラノーマと良性対照組織との間で非常に高い判別を達成する。
【0273】
【0274】
【0275】
【0276】
【0277】
【0278】
【0279】
【0280】
【0281】
【0282】
【0283】
【0284】
【0285】
【0286】
【0287】
【0288】
【0289】
【0290】
【0291】
【0292】
【0293】
【0294】
【0295】
【0296】
実施例II.
材料及び方法
全ゲノムバイサルファイトシーケンシング(WGBS)は、ヒトゲノム全体がシーケンシングされるという点で通常のRRBS法とは異なるNGSアプローチである。RRBSは、CpGリッチ切断部位に特異的な制限エンドヌクレアーゼを使用して、ゲノムの転写調節領域からフラグメントを生成する濃縮法である。これらのCpGアイランドは、多くの臨床状態、特に、がんにおいて、異なるまたは変化したメチル化プロファイルを示すことが報告されている。RRBSの利点は、ゲノムのサイズを全32億個のヌクレオチドの1~2%にまで縮小し、プロモーターおよびCpGアイランドの大部分を捕捉しながら、コストを大幅に削減することにある。欠点は、CpGが豊富であるが、エンドヌクレアーゼ結合配列を含んでいない、またはCpGアイランドの一部ではない調節領域が潜在的にかなりの数で見逃されてしまうことにある。さらに、結果は、試料によって異なる酵素の性能と効率によって、多少偏りがある。WGBSは、物理的な剪断を使用して、ゲノムを、NGSに適した200~300bpの断片へと切り分ける。その利点は、CpG含有量に関係なく、すべてのフラグメントが理論的に配列決定されるので、腫瘍特異的バイオマーカーの数が増える可能性があることにある。欠点は、ほとんどのゲノムが調節されていない、または、バイオマーカーの発見に適していないので、廃棄されることにある。また、WGBSを、垂直方向のカバレッジを同等の深さにして実行するとコストが高くなる。高性能シーケンサーとフローセルの出現、及び一般的なNGS技術の進歩により、コストはある程度軽減されたが、RRBSや、その他の濃縮シーケンシングプロトコルほど手頃な価格ではない。
【0297】
試料は、RRBS研究で使用されたものと同じであり、直接比較を可能にする。組織及び血液を、施設のIRBの監視下でMayo Clinicの生物標本リポジトリより得た。試料を、対象研究承認及び組み入れ/除外基準に厳格に準拠して選択した。がんは、21個の転移性メラノーマから構成されていた。対照群には、15個の非腫瘍性皮膚表皮試料、16個の良性メラニン白血球性母斑、及び36個の全血由来白血球が含まれていた。組織はマクロ解剖され、専門の病理学者が組織構造を精査した。試料は、年齢を一致させ、ランダム化し、盲検化した。DNAを、それぞれ、QIAamp DNA Tissue Miniキット、及びQIAamp DNA Blood Miniキット(Qiagen,Valencia CA)を使用して精製した。DNAをAMPure XPビーズ(Beckman-Coulter,Brea CA)で再精製し、PicoGreen(Thermo-Fisher,Waltham MA)で定量した。DNAの完全性をqPCRを使用して評価した。
【0298】
シーケンシングライブラリーを、変更を加えたUlrich et alの方法(Nature Protocols.10,473-483(2015)を参照されたい)に従って調製した。簡潔に述べると、100ngのDNAを、Covaris超音波装置で剪断して、200bpの標的サイズにした。>600bpの断片を、0.6Xアンピュアビーズ(Beckman)を使用して、大きさを分別した。次いで、上清を1.4Xにまで増やして、残余の断片を、下限を100bpとして精製した。末端は、End-It DNA末端修復キット(Epicentre)で修復され、1.4Xアンピュアビーズで精製され、続いて、Klenow(3’-5’エクソ-(NEB)を使用してa-テーリングが行われ、その後、1.4X精製が行われた。メチル化アダプター(NEXTflex Bisulfite-Seq Barcodes-Bioo Scientific)を、T4 DNAリガーゼ(NEB)でライゲーションし、Epitect 96 Kit(Qiagen)を使用してバイサルファイト処理を2回行い、そして、ビーズ精製した。その後、ライブラリーを、SYBR Green qPCRで試験して、最適な濃縮サイクルを決定し、その後、KAPA HiFi HotStart Uracil+ReadyMix Kit(Kapa Biosystems)を使用して、10、13、16または18サイクルのいずれかで濃縮した。濃縮ライブラリーを、1:1の比率でビーズ精製し、24の群で一緒にインデックスを付与し、再精製し、Bioanalyzer 2100(Agilent)、及びqPCR(Kapa)を使用して定量した。濃度は、5~80nMの範囲であった。
【0299】
ペアエンド150サイクルシークエンシングを、24試料あたり1 S4フローセル(Illumina)を使用するNova-Seqで行った。リードを、画像分析及びベースコールのためにIlluminaパイプラインモジュールにより処理した。二次分析を、Mayoが開発したバイオインフォマティクススイートであるSAAP-RRBSを使用して実施した。簡潔に述べると、Trim-Galoreを使用してリードをクリーンアップし、BSMAPで構築したGRCh37/hg19参照ゲノムにアラインメントさせた。カバレッジ5倍以上、塩基品質スコア20以上のCpGについて、C/(C+T)、または逆に、逆鎖へのリードマッピングの場合はG/(G+A)を算出することにより、メチル化率を判定した。
【0300】
独自のDMR同定パイプライン及び回帰パッケージを利用して、CpGの平均メチル化値に基づいてDMRを導出した。平均メチル化パーセンテージの差を、悪性メラノーマ症例、組織対照、及びバフィーコート対照の間で比較し、マッピングしたCpGの各々の100塩基対内のタイル状に並べたリーディングフレームを使用して、対照のメチル化が5%未満のDMRを同定した;カバレッジ深度の合計が1対象あたり平均5リードであり、サブグループ間の分散が0を超える場合にのみDMRを分析した。
【0301】
回帰後、DMRを、症例と全ての対照との間のp値、受信者動作特性曲線下の面積(AUC)、及び倍率変化の差によってランク付けした。独立した検証を事前に計画していたことから、この段階において誤検出の調整は行わなかった。
【0302】
個々のCpGを、高メチル化率、すなわち、所与の遺伝子座における、その場所の総シトシン数に対するメチル化シトシンの数によってランク付けした。症例の場合、比率は≧0.20(20%);組織対照の場合、≦0.05(5%)組織対組織分析;≧0.30(30%)組織対バフィーコート;バフィーコート対照の場合、≦0.01(1%)である必要があった。これらの基準を満たさなかったCpGを廃棄した。続いて候補CpGを、ゲノム位置によって、1領域あたり5CpGの最小カットオフで約30~300bpの範囲のDMR(可変メチル化領域)にビニングした。検証段階におけるGC関連の増幅問題を回避するために、CpG密度が過度に高い(>30%)DMRを除外した。各候補領域について、症例と対照の両方に対して個々のCpGを試料ごとに比較する2Dマトリックスを作成した。次いで、これらのCpGマトリックスを参照配列と比較して、ゲノム的に連続するメチル化部位が最初のフィルタリングの際に廃棄されたか否かを評価した。この領域のサブセットから、最終的な選択には、試料ごとのレベルで、DMR配列全体の個々のCpGの協調的かつ連続的な(症例における)高メチル化が必要であった。逆に、対照試料は、症例の少なくとも10分の1のメチル化が必要であり、CpGパターンはよりランダムで協調性が低くなければならなかった。
【0303】
結果
試料調製、シーケンシングに関する変更を加えたWGBS方法論を、独自の分析パイプライン及びフィルター(方法で概説したもの)と組み合わせて使用して、皮膚癌を正確に特定し、なおかつ、臨床検査環境で卓越している可変メチル化領域(DMR)を同定及び限定した。WGBS DMRは、RRBS DMRと相当な(約50%)重複を示し、2つの研究間の性能は非常によく相関していた。しかしながら、RRBSデータでは見られなかった高性能バイオマーカーが多数存在した。組織間分析から、48個の高メチル化悪性メラノーマ(MM)DMRが同定された(表7A)。AUCは、すべて>0.90であり、また、FC比は>10であった(表7B)。組織対白血球(バフィーコート)分析により、WBCにおいて1%未満のノイズを有する111個の高メチル化MM+表皮組織DMRが得られた(表8A)。111個すべてのAUCは、>0.95であり、また、FC比は>50であった(表8B)。これらの表に含まれるDMRは、RRBS研究では現れなかった。
【0304】
【0305】
【0306】
【0307】
【0308】
【0309】
【0310】
【0311】
【0312】
【0313】
【0314】
TELQASオリゴヌクレオチド
標的濃縮ロングプローブ定量的増幅シグナル(TELQAS)(Kisiel JB,
et al.,Hepatology.2018 Aug 31を参照されたい)オリゴ(フォワード侵襲的プライマー、リバースプライマー、フラッププローブ)を、例えば、組織及び血漿試料中のそのようなマーカーの有無を検出するために、
図1及び表9に示すように、幾つかのマーカー内のCpGモチーフに設計した。表10は、プライマーを指しており、表11は、TELQASアッセイで使用するために構成されたプローブを指す。
【0315】
【0316】
【0317】
【0318】
【0319】
【0320】
【0321】
【0322】
〔参照による組み込み〕
本明細書で言及される特許文書及び科学論文のそれぞれの開示全体が、あらゆる目的のために参照により組み込まれる。
【0323】
〔等価物〕
本発明は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施され得る。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載の本発明を限定するのではなく、あらゆる点で例示と見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の等価の意味及び範囲内にある全ての変更が、そこに包含されることが意図される。
〔その他〕
[項目1]
ヒト個体の生体試料における1つ以上の遺伝子のメチル化レベルを測定することを、
前記生体試料中のゲノムDNAを、メチル化特異的な形でDNAを修飾する試薬で処理すること;
選択された前記1つ以上の遺伝子に対するプライマーのセットを使用して、前記処理したゲノムDNAを増幅すること;ならびに
ポリメラーゼ連鎖反応、核酸シーケンシング、質量分析、メチル化特異的ヌクレアーゼ、質量ベースの分離、及び標的捕捉によって、前記1つ以上の遺伝子のメチル化レベルを判定すること、を通じて行うことを含む、方法であって;
前記1つ以上の遺伝子が以下の群:
●c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33;または
●AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73;または
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763;または
●MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A;または
●表8Aに列挙されている1つ以上のマーカー、
から選択される、前記方法。
[項目2]
前記DNAが、メチル化特異的な形でDNAを修飾する試薬で処理される、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記試薬が、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、及びバイサルファイト試薬のうちの1つ以上を含む、項目2に記載の方法。
[項目4]
前記DNAがバイサルファイト試薬で処理され、バイサルファイト処理DNAを生成する、項目3に記載の方法。
[項目5]
前記測定することが、マルチプレックス増幅を含む、項目1に記載の方法。
[項目6]
少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子の量を測定することが、メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化特異的DNA制限酵素分析、定量的バイサルファイトパイロシークエンシング、フラップエンドヌクレアーゼアッセイ、PCR-フラップアッセイ、及びバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRからなる群から選択される1つ以上の方法を使用することを含む、項目1に記載の方法。
[項目7]
前記試料が、血漿試料、血液試料、細針吸引試料、または組織試料(例えば、皮膚組織)のうちの1つ以上を含む、項目1に記載の方法。
[項目8]
前記選択された1つ以上の遺伝子に対するプライマーのセットが、表3または表10に列挙されている、項目1に記載の方法。
[項目9]
前記方法が、前記ヒト由来の生体試料中のメラノーマの有無を検出するために使用される、項目1に記載の方法。
[項目10]
試料を特徴付ける方法であって、
a)前記試料からのDNA中の少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子の量を測定することであって、前記少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子が、以下の群:
●c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33;または
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763;または
●AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73;または
●MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A;または
●表8Aに列挙されている1つ以上のマーカー
から選択される1つ以上の遺伝子である、前記測定すること;
b)前記DNA中の少なくとも1つの参照マーカーの量を測定すること;ならびに
c)前記DNA中で測定された前記少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子の量の値を、前記DNA中で測定された前記参照マーカー遺伝子の量のパーセンテージとして算出することであって、前記値が、前記試料中で測定された前記少なくとも1つのメチル化マーカーDNAの量を示す、前記算出すること、
を含む、前記方法。
[項目11]
前記少なくとも1つの参照マーカーが、B3GALT6 DNA、ZDHHC1 DNA、及びβ-アクチンDNA、及び非がん性DNAから選択される1つ以上の参照マーカーを含む、項目10に記載の方法。
[項目12]
前記試料が、血漿試料、血液試料、細針吸引試料、または組織試料(例えば、皮膚組織)のうちの1つ以上を含む、項目10に記載の方法。
[項目13]
前記DNAが、前記試料から抽出される、項目10に記載の方法。
[項目14]
前記DNAが、メチル化特異的な形でDNAを修飾する試薬で処理される、項目10に記載の方法。
[項目15]
前記試薬が、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、及びバイサルファイト試薬のうちの1つ以上を含む、項目14に記載の方法。
[項目16]
前記DNAがバイサルファイト試薬で処理され、バイサルファイト処理DNAを生成する、項目15に記載の方法。
[項目17]
前記修飾されたDNAが、前記選択された1つ以上の遺伝子に対するプライマーのセットを使用して増幅される、項目15に記載の方法。
[項目18]
前記選択された1つ以上の遺伝子に対する前記プライマーのセットが、表3または表10に列挙されている、項目17に記載の方法。
[項目19]
メチル化マーカー遺伝子の量を測定することが、ポリメラーゼ連鎖反応、核酸シーケンシング、質量分析、メチル化特異的ヌクレアーゼ、質量ベースの分離、及び標的捕捉のうちの1つ以上を使用することを含む、項目10に記載の方法。
[項目20]
前記測定することが、マルチプレックス増幅を含む、項目19に記載の方法。
[項目21]
前記少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子の量を測定することが、メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化特異的DNA制限酵素分析、定量的バイサルファイトパイロシークエンシング、フラップエンドヌクレアーゼアッセイ、PCR-フラップアッセイ、及びバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRからなる群から選択される1つ以上の方法を使用することを含む、項目19に記載の方法。
[項目22]
前記方法が、前記ヒト由来の前記生体試料中のメラノーマの有無を検出するために使用される、項目10に記載の方法。
[項目23]
生体試料を特徴付けるための方法であって、
(a)前記試料からのDNA中の少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子の量を測定することであって、前記少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子が;
MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A、または
MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763から選択される1つ以上の遺伝子である、前記測定すること;
b)前記DNA中の少なくとも1つの参照マーカーの量を測定すること;ならびに
c)前記DNA中で測定された前記少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子の量の値を、前記DNA中で測定された前記参照マーカー遺伝子の量のパーセンテージとして算出することであって、前記値が、前記試料中で測定された少なくとも1つのメチル化マーカーDNAの量を示す、前記算出すること、
を含む、前記方法。
[項目24]
前記少なくとも1つの参照マーカーが、B3GALT6 DNA、ZDHHC1 DNA、及びβ-アクチンDNA、及び非がん性DNAから選択される1つ以上の参照マーカーを含む、項目23に記載の方法。
[項目25]
前記試料が、血漿試料、血液試料、細針吸引試料、または組織試料(例えば、皮膚組織)のうちの1つ以上を含む、項目23に記載の方法。
[項目26]
前記DNAが、前記試料から抽出される、項目23に記載の方法。
[項目27]
前記DNAが、メチル化特異的な形でDNAを修飾する試薬で処理される、項目23に記載の方法。
[項目28]
前記試薬が、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、及びバイサルファイト試薬のうちの1つ以上を含む、項目27に記載の方法。
[項目29]
前記DNAがバイサルファイト試薬で処理され、バイサルファイト処理DNAを生成する、項目28に記載の方法。
[項目30]
前記修飾されたDNAが、前記選択された1つ以上の遺伝子に対するプライマーのセットを使用して増幅される、項目27に記載の方法。
[項目31]
前記選択された1つ以上の遺伝子に対する前記プライマーのセットが、表3または表10に列挙されている、項目30に記載の方法。
[項目32]
メチル化マーカー遺伝子の量を測定することが、ポリメラーゼ連鎖反応、核酸シーケンシング、質量分析、メチル化特異的ヌクレアーゼ、質量ベースの分離、及び標的捕捉のうちの1つ以上を使用することを含む、項目10に記載の方法。
[項目33]
前記測定することが、マルチプレックス増幅を含む、項目32に記載の方法。
[項目34]
少なくとも1つのメチル化マーカー遺伝子の量を測定することが、メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化特異的DNA制限酵素分析、定量的バイサルファイトパイロシークエンシング、フラップエンドヌクレアーゼアッセイ、PCR-フラップアッセイ、及びバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRからなる群から選択される1つ以上の方法を使用することを含む、項目32に記載の方法。
[項目35]
前記方法が、前記ヒト由来の前記生体試料中の転移性メラノーマの有無を検出するために使用される、項目23に記載の方法。
[項目36]
生体試料を特徴付けるための方法であって、
(a)ヒト個体の生体試料中の以下の群:
●c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33;または
●MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763;または
●AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73;または
●MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_A;または
●表8Aに列挙されている1つ以上のマーカー
から選択される1つ以上の遺伝子のCpG部位のメチル化レベルを、
前記生体試料中のゲノムDNAをバイサルファイトで処理すること;
前記選択された1つ以上の遺伝子に対するプライマーのセットを使用して、前記バイサルファイト処理したゲノムDNAを増幅すること;ならびに
メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化感受性DNA制限酵素分析、定量的バイサルファイトパイロシークエンシング、またはバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRによって、前記CpG部位のメチル化レベルを判定すること;
を通じて測定すること;
(b)前記メチル化レベルを、メラノーマを有しない対照試料中の対応する遺伝子のセットのメチル化レベルと比較すること;ならびに
(c)前記1つ以上の遺伝子中で測定されたメチル化レベルが前記対照試料のそれぞれにおいて測定されたメチル化レベルよりも高い場合、前記個体がメラノーマを有すると判定すること、
を含む、前記方法。
[項目37]
前記選択された1つ以上の遺伝子に対する前記プライマーのセットが、表3または表10に列挙されている、項目36に記載の方法。
[項目38]
前記生体試料が、血漿試料、血液試料、針吸引試料、または組織試料(例えば、皮膚組織)である、項目36に記載の方法。
[項目39]
前記1つ以上の遺伝子が、表1A、2A、7A、8A、及び/または9に示されるゲノム座標によって記述される、項目36に記載の方法。
[項目40]
前記CpG部位が、コード領域または調節領域に存在する、項目36に記載の方法。
[項目41]
前記1つ以上の遺伝子のCpG部位のメチル化レベルを測定することが、前記CpG部位のメチル化スコアを判定すること及び前記CpG部位のメチル化頻度を判定することからなる群から選択される判定を含む、項目36に記載の方法。
[項目42]
生体試料を特徴付けるための方法であって、
(a)ヒト個体の生体試料中の以下の群:
MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_Aから選択される1つ以上の遺伝子のCpG部位のメチル化レベルを、
前記生体試料中のゲノムDNAを、バイサルファイトで処理すること;
前記選択された1つ以上の遺伝子に対するプライマーのセットを使用して、前記バイサルファイト処理したゲノムDNAを増幅すること;ならびに
メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化感受性DNA制限酵素分析、定量的バイサルファイトパイロシークエンシング、またはバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRによって、前記CpG部位のメチル化レベルを判定すること;
を通じて測定すること;
(b)前記メチル化レベルを、明細胞メラノーマを有しない対照試料中の対応する遺伝子のセットのメチル化レベルと比較すること;ならびに
(c)前記1つ以上の遺伝子中で測定されたメチル化レベルが前記対照試料のそれぞれにおいて測定されたメチル化レベルよりも高い場合、前記個体が転移性メラノーマを有すると判定すること、
を含む、前記方法。
[項目43]
前記選択された1つ以上の遺伝子に対する前記プライマーのセットが、表3に列挙されている、項目42に記載の方法。
[項目44]
前記生体試料が、血漿試料、血液試料、針吸引試料、または組織試料(例えば、皮膚組織)である、項目42に記載の方法。
[項目45]
前記1つ以上の遺伝子が、表1A及び/または2Aに示されるゲノム座標によって記述される、項目42に記載の方法。
[項目46]
前記CpG部位が、コード領域または調節領域に存在する、項目42に記載の方法。
[項目47]
前記1つ以上の遺伝子のCpG部位のメチル化レベルを測定することが、前記CpG部位のメチル化スコアを判定すること及び前記CpG部位のメチル化頻度を判定することからなる群から選択される判定を含む、項目42に記載の方法。
[項目48]
ヒト対象から得られた試料を特徴付けるためのシステムであって、
試料のメチル化状態を判定するように構成されている分析コンポーネント、
前記試料のメチル化状態を、対照試料またはデータベースに記録されている参照試料のメチル化状態と比較するように構成されているソフトウェアコンポーネント、及び
メチル化状態の組み合わせに基づいて単一値を判定し、メラノーマ関連メチル化状態をユーザーに警告するように構成されている警告コンポーネント
を含む、前記システム。
[項目49]
前記試料が、DMRを含む核酸を含む、項目48に記載のシステム。
[項目50]
核酸を単離するためのコンポーネントをさらに含む、項目48に記載のシステム。
[項目51]
試料を収集するためのコンポーネントをさらに含む、項目48に記載のシステム。
[項目52]
前記試料が、糞便試料、組織試料、皮膚組織試料、細針吸引試料、血液試料、血清試料、血漿試料、または尿試料である、項目48に記載のシステム。
[項目53]
前記データベースが、DMRを含む核酸配列を含む、項目48に記載のシステム。
[項目54]
前記データベースが、メラノーマを有していない対象からの核酸配列を含む、項目48に記載のシステム。
[項目55]
1)バイサルファイト試薬と、
2)表1A、2A、7A、8A及び9のDMR1~331からなる群から選択されるDMRの配列を含み、かつメラノーマを有しない対象に関連するメチル化状態を有する対照核酸と
を含む、キット。
[項目56]
バイサルファイト試薬と、配列番号1~80に従うオリゴヌクレオチドとを含む、キット。
[項目57]
対象から試料を得るための試料コレクターと、核酸を前記試料から単離するための試薬と、バイサルファイト試薬と、配列番号1~80に従うオリゴヌクレオチドとを含む、キット。
[項目58]
前記試料が、糞便試料、組織試料、皮膚組織試料、細針吸引試料、血液試料、血清試料、血漿試料、または尿試料である、項目57に記載のキット。
[項目59]
DMRを含む核酸と、バイサルファイト試薬とを含む、組成物。
[項目60]
DMRを含む核酸と、配列番号1~167に従うオリゴヌクレオチドとを含む、組成物。
[項目61]
DMRを含む核酸と、メチル化感受性制限酵素とを含む、組成物。
[項目62]
DMRを含む核酸と、ポリメラーゼとを含む、組成物。
[項目63]
対象から得られた試料中のメラノーマについてスクリーニングするための方法であって、
1)対象から得られた試料中のマーカーのメチル化状態をアッセイすること;及び
2)前記マーカーのメチル化状態が、新生物を有しない対象においてアッセイされた前記マーカーのメチル化状態と異なる場合、前記対象を、メラノーマを有するものとして同定すること、を含み、
前記マーカーが、表1A、2A、7A、8A、及び9に提供されるような可変メチル化領域(DMR)に塩基を含む、前記方法。
[項目64]
複数のマーカーをアッセイすることを含む、項目63に記載の方法。
[項目65]
2~11個のマーカーをアッセイすることを含む、項目63に記載の方法。
[項目66]
12~560個のマーカーをアッセイすることを含む、項目63に記載の方法。
[項目67]
前記試料中のマーカーのメチル化状態をアッセイすることが、1塩基のメチル化状態を決定することを含む、項目63に記載の方法。
[項目68]
前記試料中のマーカーのメチル化状態をアッセイすることが、複数の塩基でのメチル化の程度を決定することを含む、項目63に記載の方法。
[項目69]
前記マーカーのメチル化状態が、前記マーカーの正常なメチル化状態に対する前記マーカーのメチル化の増加または減少を含む、項目63に記載の方法。
[項目70]
前記マーカーのメチル化状態が、前記マーカーの正常なメチル化状態に対して異なるパターンの前記マーカーのメチル化を含む、項目63に記載の方法。
[項目71]
フォワード鎖のメチル化状態をアッセイすること、またはリバース鎖のメチル化状態をアッセイすることを含む、項目63に記載の方法。
[項目72]
前記マーカーが、100塩基以下の領域である、項目63に記載の方法。
[項目73]
前記マーカーが、500塩基以下の領域である、項目63に記載の方法。
[項目74]
前記マーカーが、1000塩基以下の領域である、項目63に記載の方法。
[項目75]
前記マーカーが、5000塩基以下の領域である、項目63に記載の方法。
[項目76]
前記マーカーが、1塩基である、項目63に記載の方法。
[項目77]
前記マーカーが、高CpG密度プロモーターである、項目63に記載の方法。
[項目78]
前記試料が、糞便試料、組織試料、皮膚組織試料、血液試料、細針吸引試料、または尿試料である、項目63に記載の方法。
[項目79]
前記アッセイすることが、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応、核酸シーケンシング、質量分析、メチル化特異的ヌクレアーゼ、質量ベースの分離、または標的捕捉を使用することを含む、項目63に記載の方法。
[項目80]
前記アッセイすることが、メチル化特異的オリゴヌクレオチドの使用を含む、項目63に記載の方法。
[項目81]
生体試料を特徴付けるための方法であって、
前記生体試料中のゲノムDNAをバイサルファイトで処理すること、
MAX.chr20.21080958-21081038についてのCpG部位に特異的なプライマー、MAX.chr7.155259597-155259763についてのCpG部位に特異的なプライマー、FOXL2NBについてのCpG部位に特異的なプライマー、及びHOXA9_AについてのCpG部位に特異的なプライマーを使用して、バイサルファイトで処理したゲノムDNAを増幅すること、
ここで、MAX.chr7.155259597-155259763について特異的なプライマーは、配列番号47及び48または49及び50によって結合したアンプリコンと結合することができ、配列番号47及び48または49及び50によって結合したアンプリコンは、第7染色体座標155259597-155259763を含む遺伝子領域の少なくとも一部であり、
また、MAX.chr20.21080958-21081038について特異的なプライマーは、配列番号39及び40によって結合したアンプリコンと結合することができ、配列番号39及び40によって結合したアンプリコンは、第20染色体座標21080958-21081038を含む遺伝子領域の少なくとも一部であり、
また、FOXL2NBについて特異的なプライマーは、配列番号5及び6によって結合したアンプリコンと結合することができ、配列番号5及び6によって結合したアンプリコンは、第3染色体座標138663981-138664076を含む遺伝子領域の少なくとも一部であり、及び
HOXA9_Aについて特異的なプライマーは、配列番号19及び20によって結合したアンプリコンと結合することができ、配列番号19及び20によって結合したアンプリコンは、第7染色体座標27209628-27209739を含む遺伝子領域の少なくとも一部であり、
メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化感受性DNA制限酵素分析、定量的バイサルファイトパイロシークエンシング、またはバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRによって、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_Aの1つ以上についてのCpG部位のメチル化レベルを測定すること、
を介して、ヒト個体の生体試料中のMAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_Aの1つ以上についてのCpG部位のメチル化レベルを測定することを含む、前記方法。
[項目82]
前記生体試料が、血液試料、組織試料、細針吸引試料、または、皮膚組織試料である、項目81に記載の方法。
[項目83]
前記CpG部位が、コード領域または調節領域に存在する、項目81に記載の方法。
[項目84]
MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_Aの1つ以上についてのCpG部位のメチル化レベルを測定することが、前記CpG部位のメチル化スコアを決定すること、及び前記CpG部位のメチル化頻度を決定することからなる群より選択される決定を含む、項目81に記載の方法。
[項目85]
生体試料を特徴付けるための方法であって、
前記生体試料中のゲノムDNAをバイサルファイトで処理すること、
前記1つ以上のマーカーについてのCpG部位に特異的なプライマーを使用して前記バイサルファイトで処理したゲノムDNAを増幅すること、
ここで、前記各マーカーに特異的なプライマーは、表3に列挙されている各プライマー配列によって結合されたアンプリコンと結合可能であり、前記各プライマー配列によって結合されたアンプリコンは、表1Aまたは表2Aに列挙されている各染色体領域を含む遺伝子領域の少なくとも一部であり;
メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化感受性DNA制限酵素分析、定量的バイサルファイトパイロシークエンシング、またはバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRによって、1つ以上のマーカーについてのCpG部位のメチル化レベルを決定すること、
を介して、
c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33から選択されるヒト個体の生体試料での1つ以上のマーカーについてのCpG部位のメチル化レベルを測定することを含む、前記方法。
[項目86]
前記生体試料が、血液試料、組織試料、細針吸引試料、または、皮膚組織試料である、項目85に記載の方法。
[項目87]
前記CpG部位が、コード領域または調節領域に存在する、項目85に記載の方法。
[項目88]
前記1つ以上のマーカーについてのCpG部位のメチル化レベルを測定することが、前記CpG部位のメチル化スコアを決定すること、及び前記CpG部位のメチル化頻度を決定することからなる群より選択される決定を含む、項目85に記載の方法。
[項目89]
生体試料を特徴付けるための方法であって、
前記生体試料中のゲノムDNAをバイサルファイトで処理すること、
前記1つ以上のマーカーについてのCpG部位に特異的なプライマーを使用して前記バイサルファイトで処理したゲノムDNAを増幅すること、
ここで、前記各マーカーに特異的なプライマーは、表3に列挙されている各プライマー配列によって結合されたアンプリコンと結合可能であり、前記各プライマー配列によって結合されたアンプリコンは、表8Aに列挙されている各染色体領域を含む遺伝子領域の少なくとも一部であり;
メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化感受性DNA制限酵素分析、定量的バイサルファイトパイロシークエンシング、またはバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRによって、1つ以上のマーカーについてのCpG部位のメチル化レベルを決定すること、
を介して、ヒト個体の生体試料での表8Aに列挙されている1つ以上のマーカーについてのCpG部位のメチル化レベルを測定することを含む、前記方法。
[項目90]
前記生体試料が、血液試料、組織試料、細針吸引試料、または、皮膚組織試料である、項目89に記載の方法。
[項目91]
前記CpG部位が、コード領域または調節領域に存在する、項目89に記載の方法。
[項目92]
前記1つ以上のマーカーについてのCpG部位のメチル化レベルを測定することが、前記CpG部位のメチル化スコアを決定すること、及び前記CpG部位のメチル化頻度を決定することからなる群より選択される決定を含む、項目89に記載の方法。
[項目93]
1つ以上の染色体異常に関与する1つ以上の遺伝子座を分析する上で有用な、ヒト個体の生体試料からデオキシリボ核酸(DNA)画分を調製するための方法であって、
(a)ヒト個体の生体試料からゲノムDNAを抽出すること、
(b)
(i)抽出したゲノムDNAをバイサルファイトで処理すること;
(ii)表1A、2A、7A、8A、及び9に列挙されている1つ以上のマーカーについてのCpG部位に特異的な別個のプライマーを使用して前記バイサルファイト処理ゲノムDNAを増幅すること;
により、抽出されたゲノムDNAの画分を製造すること、
(c)前記1つ以上のマーカーの各々についての前記CpG部位のメチル化レベルを測定することによって、前記抽出されたゲノムDNAの産生画分中の1つ以上の遺伝子座を分析すること、
を含む、前記方法。
[項目94]
前記1つ以上のマーカーの各々についてのCpG部位のメチル化レベルを測定することが、メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化感受性DNA制限酵素分析、またはバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRによって決定される、項目93に記載の方法。
[項目95]
前記1つ以上のマーカーのそれぞれについてのCpG部位に特異的なプライマーを使用して前記バイサルファイト処理ゲノムDNAを増幅することが、表1A、2A、7A、8A、及び/または9に示した前記マーカーについての遺伝子領域の少なくとも一部に特異的に結合するプライマーのセットである、項目93に記載の方法。
[項目96]
前記生体試料が、糞便試料、組織試料、器官分泌物試料、CSF試料、唾液試料、血液試料、血漿試料、または、尿試料である、項目93に記載の方法。
[項目97]
前記分析された1つ以上の遺伝子座の各々が、メラノーマ、及び/またはメラノーマのサブタイプと関連している、項目93に記載の方法。
[項目98]
前記1つ以上のマーカーが、c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33から選択される、項目93に記載の方法。
[項目99]
前記1つ以上のマーカーが、AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73から選択される、項目93に記載の方法。
[項目100]
前記1つ以上のマーカーが、MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763から選択される、項目93に記載の方法。
[項目101]
前記1つ以上のマーカーが、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_Aから選択される、項目93に記載の方法。
[項目102]
1つ以上の染色体異常に関与する1つ以上のDNA断片を分析する上で有用な、ヒト個体の生体試料からデオキシリボ核酸(DNA)画分を調製するための方法であって、
(a)ヒト個体の生体試料からゲノムDNAを抽出すること、
(b)
(i)抽出したゲノムDNAをバイサルファイトで処理すること、
(ii)表1A及び2Aに列挙されている1つ以上のマーカーについてのCpG部位に特異的な別個のプライマーを使用して、前記バイサルファイト処理ゲノムDNAを増幅すること、
を介して、抽出されたゲノムDNAの画分を生成すること:
(c)前記1つ以上のマーカーの各々についての前記CpG部位のメチル化レベルを測定することによって、前記抽出されたゲノムDNAの産生画分中の1つ以上のDNA断片を分析すること、
を含む、前記方法。
[項目103]
前記1つ以上のマーカーの各々についての前記CpG部位のメチル化レベルを測定することが、メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化感受性DNA制限酵素分析、またはバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRによって決定される、項目102に記載の方法。
[項目104]
前記1つ以上のマーカーのそれぞれについてのCpG部位に特異的なプライマーを使用して、前記バイサルファイト処理ゲノムDNAを増幅することが、表1A及び/または2Aに示した前記マーカーについての遺伝子領域の少なくとも一部に特異的に結合するプライマーのセットである、項目102に記載の方法。
[項目105]
前記生体試料が、糞便試料、組織試料、器官分泌物試料、CSF試料、唾液試料、血液試料、血漿試料、または、尿試料である、項目102に記載の方法。
[項目106]
前記分析されたDNA断片の各々が、メラノーマ、及び/またはメラノーマのサブタイプと関連している、項目102に記載の方法。
[項目107]
前記1つ以上のマーカーが、c10orf55、c2orf82、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B_B、FLJ22536_A、FOXP1、GALNT3_A、HOPX、HOXA9_A、ITPKA、KCNQ4_A、LMX1B、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2_A、OCA2、OXT、RNF207_A、RUNX2、SIX4_A、STX16、TAL1、TMEM30B、及びTSPAN33から選択される、項目102に記載の方法。
[項目108]
前記1つ以上のマーカーが、AGRN、BMP8B、c17orf46_B、c17orf57_B、C2CD4A、C2CD4D_B、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ22536_B、FLJ45983、FOXF2、GALNT3_B、HCG4P6、HOXA9_B、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC_A、PROM1_B、PTGER4_A、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、及びTRIM73から選択される、項目102に記載の方法。
[項目109]
前記1つ以上のマーカーが、MAX.chr10.62492680-62492822、TMEM30B_B、MAX.chr11:14926602-14926831、HOXA9_9650、C10orf55_B、MAX.chr17.73073682-73073830、TSPAN33、FAM174B_C、MAX.chr5.60921627-60921853、SIX4_A、KCNQ4_A、FOXP1、C2orf82_B、TAL1_B、BTBD19_B、MAX.chr10.22541874-22541948、ME3、HOPX、MAX.chr20.3229151-3229791、CLIC5、MAX.chr13.29106812-29106917、FOXL2NB、FLJ22536_A、MAX.chr1.110627096-110627364、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、及びMAX.chr7.155259597-155259763から選択される、項目102に記載の方法。
[項目110]
前記1つ以上のマーカーが、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr7.155259597-155259763、FOXL2NB、及びHOXA9_Aから選択される、項目102に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0324】
【
図1-1】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-2】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-3】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-4】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-5】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-6】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-7】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-8】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-9】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-10】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-11】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-12】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-13】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-14】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-15】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-16】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-17】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【
図1-18】
図1は、表9に列挙したメチル化DNAマーカーに使用されるマーカー染色体領域、ならびに関連するプライマー及びプローブの情報である(表10及び11)。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2025-02-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象由来の試料における1つ以上の遺伝子のメチル化レベルを判定する方法であって、
前記方法は、
前記試料からのDNAを、メチル化特異的な形でDNAを修飾する試薬で処理すること;
前記1つ以上の遺伝子から少なくとも1つの可変メチル化領域(DMR)に特異的なプライマーのセットを使用して、前記処理したDNAを増幅すること;ならびに
ポリメラーゼ連鎖反応、核酸シーケンシング、質量分析、メチル化特異的ヌクレアーゼ、質量ベースの分離、及び/又は標的捕捉を用いて、前記1つ以上の遺伝子から前記少なくとも1つのDMRのメチル化レベルを判定すること、を含み、
前記1つ以上の遺伝子は、MAX.chr1.110627096-110627364及び/又はFLJ22536を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の遺伝子は、c2orf82、c10orf55、FOXL2NB、CLIC5、FAM174B、FOXP1、GALNT3、HOPX、HOXA9、ITPKA、KCNQ4、LMX1B、MAX.chr10.22541869-22541953、MAX.chr10.62492690-62492812、MAX.chr13.29106812-29106917、MAX.chr17.73073682-73073830、MAX.chr2.71116033-71116122、MAX.chr20.21080958-21081038、MAX.chr5.42992655-42992768、MAX.chr5.60921627-60921853、MAX.chr6.29521537-29521696、MAX.chr7.155259597-155259763、ME3、MIR155HG、NFATC2、OCA2、OXT、RNF207、RUNX2、SIX4、STX16、TAL1、TMEM30B、TSPAN33、AGRN、BMP8B、c17orf46、c17orf57、C2CD4A、C2CD4D、CDYL、CMAH、DENND2D、DLEU2、DSCR6、FLJ45983、FOXF2、HCG4P6、KIFC2、LDLRAD2、LY75、LYL1、LYN、MAPK13、MAX.chr1.1072486-1072508、MAX.chr1.32237693-32237785、MAX.chr10.62492374-62492793、MAX.chr11.14926535-14926715、MAX.chr16.54970444-54970469、MAX.chr19.16439332-16439390、MAX.chr20.21080670-21081280、MAX.chr4.113432264-113432298、MAX.chr7.129425668-129425719、MAX.chr8.82543163-82543213、PARP15、PRKAG2、PROC、PROM1、PTGER4、PTP4A3、SDCCAG8、SH3PXD2A、SLC2A2、SLC35D3、TBR1、TBX2、TCP11、TFAP2A、TRIM73、MAX.chr10.62492680-62492822、MAX.chr11:14926602-14926831、BTBD19、MAX.chr10.22541874-22541948、MAX.chr20.3229151-3229791、ABHD15、ACAP1、ACTB、ADRBK1、ANO9、ATP6V1B1、BEST4、C1orf177、CCDC140、CCND3、CD69、CDC42EP1、CHRM1、CSK、CYTH1、DDN、DEDD2、DGKZ、DHH、DLG5、DNM2、DNMT3A、DUSP2、ESRRG、FBRSL1、FOXP4、FRZB、GATA2、GJB2、GNG7、GP5、GPR132、GPR135、HAAO、HOXB5、HSF5、ICAM2、IFFO2、KCNH3、KIAA0182、KLHDC7B、KREMEN1、LHFPL2、LIMD1、LOC440925、MAP3K5、MAX.chr1.203256204-203256316、MAX.chr1.203258714-203258909、MAX.chr1.22366401-22366546、MAX.chr1.54941184-54941237、MAX.chr11.14927004-14927275、MAX.chr12.30976208-30976253、MAX.chr15.31556237-31556534、MAX.chr19.41834559-41834634、MAX.chr19.50003691-50003720、MAX.chr2.69135655-69135781、MAX.chr21.37670549-37670625、MAX.chr22.36848164-36848205、MAX.chr4.186050036-186050085、MAX.chr5.42992599-42992772、MAX.chr8.101822019-101822077、MAX.chr8.80695857-80695919、MAX.chr8.80803443-80803495、MAX.chr9.139595896-139596026、MORN3、MPZ、NDRG4、OTX1、PAMR1、PDLIM2、PHF20、PPFIA4、PRR15、PSTPIP1、PTK2B、PTPN6、RGS3、RIN2、RNF220、RNF44、RPS6KA1、RPTOR、SELPLG、SGK1、SLC2A1、SMARCA4、SPTBN1、SYN3、SYTL1、TFAP2E、TFEB、THAP4、TOX、TRABD、TRH、TXNRD2、UST及び/又はWDR66から選ばれる少なくとも1つの追加の遺伝子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記試薬が、メチル化感受性制限酵素、メチル化依存性制限酵素、及び/又はバイサルファイト試薬のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記DNAがバイサルファイト試薬で処理されて、バイサルファイト処理DNAを生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の遺伝子から前記少なくとも1つのDMRのメチル化レベルを判定することが、マルチプレックス増幅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の遺伝子から前記少なくとも1つのDMRのメチル化レベルを判定することが、メチル化特異的PCR、定量的メチル化特異的PCR、メチル化特異的DNA制限酵素分析、定量的バイサルファイトパイロシークエンシング、フラップエンドヌクレアーゼアッセイ、PCR-フラップアッセイ、及び/又はバイサルファイトゲノムシーケンシングPCRを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記試料が、糞便試料、尿試料、血漿試料、血液試料、細針吸引試料、または組織試料である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
FLJ22536のためのプライマーのセットは、配列番号11及び12、又は配列番号127及び128を含む;及び
MAX.chr1.110627096-110627364のためのプライマーのセットは、配列番号27及び28、又は配列番号129及び130を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の遺伝子から前記少なくとも1つのDMRのメチル化レベルを判定することが、B3GALT6、ZDHHC1、β-アクチン、及び/又は非がん性DNAから選ばれる少なくとも1つの参照マーカーを測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の遺伝子から前記少なくとも1つのDMRのメチル化レベルを判定することが、前記1つ以上の遺伝子から少なくとも1つのDMRにおける少なくとも1つのCpG部位のメチル化レベルを測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのCpG部位は、前記1つ以上の遺伝子からの前記DMRのコード領域または調節領域に存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのCPG部位の前記メチル化レベルを判定することが、メチル化スコアを判定すること及び/又はメチル化頻度を判定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒト対象は、メラノーマ及び/又はメラノーマのサブタイプを有する又は有する疑いがある、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
キットであって、前記キットは、
1)バイサルファイト試薬;及び
2)MAX.chr1.110627096-110627364及び/又はFLJ22536のそれぞれから少なくとも1つのDMRのためのプライマーのセット、
を含む、キット。
【請求項15】
FLJ22536のためのプライマーのセットは、配列番号11及び12、又は配列番号127及び128を含む;及び
MAX.chr1.110627096-110627364のためのプライマーのセットは、配列番号27及び28、又は配列番号129及び130を含む、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
前記キットは、さらに、対象由来の試料を得るための試料コレクターを含む、請求項14に記載のキット。
【請求項17】
前記キットは、さらに、前記試料から核酸を単離するための試薬を含む、請求項16に記載のキット。