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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002913
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】スコップ補助具及び固定ユニット
(51)【国際特許分類】
   E01H 5/02 20060101AFI20241226BHJP
   E02F 3/02 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
E01H5/02
E02F3/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103294
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】523241357
【氏名又は名称】徳永 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【弁理士】
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100135530
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 智代
(72)【発明者】
【氏名】徳永 直也
【テーマコード(参考)】
2D026
【Fターム(参考)】
2D026CA03
(57)【要約】
【課題】スコップによる作業の負荷を軽減することを目的とする。
【解決手段】スコップの握り柄部に着脱可能に取り付けられる取付部と、取付部から延びる補助握り柄部と、補助握り柄部の先端に設けられた補助握り部と、を備え、補助握り柄部はスコップの握り柄部とのなす角が90度未満に設けられている。補助握り柄部は、スコップの握り柄部とのなす角が90度未満の範囲で回動可能に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スコップの握り柄部に着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記取付部から延びる補助握り柄部と、
前記補助握り柄部の先端に設けられた補助握り部と、
を備え、
前記補助握り柄部は、前記スコップの前記握り柄部とのなす角が90度未満に設けられている、スコップ補助具。
【請求項2】
スコップの握り柄部に着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記取付部から延びる補助握り柄部と、
前記補助握り柄部の先端に設けられた補助握り部と、
を備え、
前記補助握り柄部は、前記スコップの前記握り柄部との間で回動可能に設けられている、スコップ補助具。
【請求項3】
前記補助握り柄部は、さらに、前記スコップの前記握り柄部と前記補助握り柄部を含む面に対して垂直な方向に回動可能に設けられている、請求項2に記載のスコップ補助具。
【請求項4】
前記補助握り柄部は、長手方向の長さが調整可能である、請求項1又は2に記載のスコップ補助具。
【請求項5】
前記取付部の長手方向の端部に、前記スコップの掬い部のうち前記握り柄部側の縁部に接する接面が設けられている、請求項1又は2に記載のスコップ補助具。
【請求項6】
スコップの握り柄部に着脱可能に取り付けられる取付部と、前記取付部から延びる補助握り柄部と、前記補助握り柄部の先端に設けられた補助握り部と、を備えたスコップ補助具を固定する固定ユニットであって、
前記スコップの掬い部のうち前記握り柄部側の縁部と前記取付部の間を所定の長さに固定する固定ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スコップ補助具及び固定ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
スコップを用いた従来の除雪作業においては、作業者は前かがみになって、重い雪を掬い上げて、他の場所に移動させる必要がある。除雪作業は、重労働であり、このような作業負荷を軽減する技術として、特許文献1には、軸部の上面に、補助ハンドルが設けられたスコップが開示されている。これにより、作業者は、前傾しないで作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-47618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているようなスコップではなく、通常のスコップに簡単な工夫を加えることで、より手軽に、除雪作業における作業負荷を軽減したいという要望がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、スコップにおける作業の負荷を軽減するための、スコップ補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スコップ補助具であって、スコップの握り柄部に着脱可能に取り付けられる取付部と、前記取付部から延びる補助握り柄部と、前記補助握り柄部の先端に設けられた補助握り部と、を備え、前記補助握り柄部は、前記スコップの前記握り柄部とのなす角が90度未満に設けられている。
【0007】
本発明の他の形態は、スコップ補助具であって、スコップの握り柄部に着脱可能に取り付けられる取付部と、前記取付部から延びる補助握り柄部と、前記補助握り柄部の先端に設けられた補助握り部と、を備え、前記補助握り柄部は、前記スコップの前記握り柄部との間で回動可能に設けられている。
【0008】
本発明の他の形態は、固定ユニットであって、スコップの握り柄部に着脱可能に取り付けられる取付部と、前記取付部から延びる補助握り柄部と、前記補助握り柄部の先端に設けられた補助握り部と、を備えたスコップ補助具を固定する固定ユニットであって、前記スコップの掬い部のうち前記握り柄部側の縁部と前記取付部の間を所定の長さに固定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スコップによる作業の負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係るスコップ補助具が取り付けられたスコップを示す図である。
図2】スコップ補助具が取り付けられていないスコップと作業者を示す図である。
図3】スコップ補助具の取付部の拡大図である。
図4】第2の実施形態に係るスコップ補助具を示す図である。
図5】取付部の拡大図である。
図6】第2の実施形態に係るスコップ補助具の使用例の説明図である。
図7】第4の実施形態に係るスコップ補助具の斜視図である。
図8】第5の実施形態に係るスコップ補助具を示す図である。
図9】第6の実施形態に係るスコップ補助具を示す図である。
図10】第7の実施形態に係る固定ユニットを示す図である。
図11】第1の変形例に係る取付部の構成を示す図である。
図12】第2の変形例に係るスコップ補助具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るスコップ補助具2が取り付けられた状態のスコップ1の斜視図である。スコップ補助具2は、スコップ1を用いた除雪等の作業における作業者の作業負荷を軽減するための器具である。スコップ補助具2は、様々な形、サイズのスコップ1に取り付けることができる。図2は、スコップ補助具2が取り付けられていないスコップ1の斜視図である。図1及び図2においては、作業者Aがスコップ1で雪を掬う状態を示している。スコップ1は、掬い部11と、握り柄部12と、握り部13と、を有している。スコップ補助具2は、握り柄部12の一部に取り付けられている。スコップ補助具2は、スコップ1に着脱可能に取り付けられる器具である。スコップ補助具2は、取付部21と、補助握り柄部22と、補助握り部23と、を有している。
【0012】
図1に示すように、スコップ1の長手方向をX方向とする。掬い部11の面の横方向(長手方向に垂直な方向)をY方向とする。X方向、Y方向に垂直な方向をZ方向とする。スコップ補助具2は、補助握り部23が握り部13よりもZ方向側に位置するようにスコップ1に取り付けられる。すなわち、図1に示すように、掬い部11の表面を鉛直上方向に向けた状態において、補助握り部23が握り部13よりも鉛直上側に位置するようにスコップ1に取り付けられる。補助握り柄部22は、スコップ1の握り柄部12と補助握り柄部22のなす角が90度未満になるように接続される。
【0013】
作業者Aは、スコップ補助具2が取り付けられたスコップ1で雪を掬う場合には、図1に示すように、利き手で補助握り部23をつかみ、反対側の手で握り部13をつかむ。この状態において、補助握り部23は、握り部13よりも上側に位置しているので、図2に示すように、スコップ補助具2が取り付けられていないスコップ1で作業する場合に比べて、作業者Aは、背中を屈めることなく作業を行うことができる。すなわち、除雪作業における作業負荷を軽減することができる。
【0014】
図3は、スコップ補助具2の取付部21の拡大図である。取付部21は、スコップ補助具2を握り柄部12に取り付けるための部材である。取付部21は、上部ユニット211と、下部ユニット212と、で構成される。上部ユニット211には、補助握り柄部22との接続部213が設けられている。上部ユニット211は、握り柄部12の上側(Z方向側)に配置され、下部ユニット212は、握り柄部12の下側(Z方向の反対側)に配置される。そして、上部ユニット211と下部ユニット212は、ネジ214a~214dで取り付けられて固定される。これにより、取付部21が、握り柄部12の長手方向(X方向又はその反対方向)に移動するのを防ぐことができる。
【0015】
なお、握り柄部12と上部ユニット211の間及び握り柄部12と下部ユニット212の間には、両者を密着させるためのパッキンが挿入されてもよい。これにより、握り柄部12への接続をより強固にすることができる。
【0016】
さらに、取付部21としては、異なる径の握り柄部12に接続可能な複数の取付部が準備されていてもよい。これにより、握り柄部の径に併せた取付部21を用いることにより、スコップ1の径によらず、スコップ補助具2を取り付けることができる。
【0017】
以上のように、本実施形態のスコップ補助具2は、通常のスコップに取り付けることができ、スコップ補助具2を用いることで、スコップによる作業の負荷を軽減することができる。
【0018】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係るスコップ補助具2をY方向から見た図である。第2の実施形態に係るスコップ補助具2は、補助握り柄部22が取付部21を中心に、掬い部11の掬い面に垂直な面でかつ握り柄部12を含む面、すなわちXZ面内を回動可能に設けられている。
【0019】
図5は、第2の実施形態に係るスコップ補助具2の斜視図と、取付部21の拡大図である。本実施形態においては、補助握り柄部22のうち、補助握り部23と反対側の端には、Y方向に沿って、2つの軸受け部221、222が設けられている。また、取付部21には、1つの軸受け部216が設けられている。軸部223は、これらの軸受け部221、222、216に嵌め込まれることで、回動可能に固定される。これにより、補助握り柄部22と取付部21が接続し、軸部223を中心に、補助握り柄部22が回動可能となる。なお、スコップ補助具2を回動可能とするための機構は、実施形態に限定されるものではなく、種々の技術を採用することができる。
【0020】
図6は、第2の実施形態に係るスコップ補助具2の使用例の説明図である。例えば、作業者の目の前に除雪すべき雪Bが積もっている場合を想定する。この場合、雪Bの壁に対して、スコップ補助具2の補助握り部23を押し当て、スコップ1の握り部13を一旦後ろに引いてから、勢いをつけて掬い部11を雪Bに差し込む。このような作業において、補助握り部23が支点になり、スコップ1を支えることができるため、スコップ1による掬いの作業を効率的に行うことができる。
【0021】
(第3の実施形態)
第3の実施形態のスコップ補助具2は、第2の実施形態に係るスコップ補助具2と同様に、取付部21を中心に、XZ面内を回動可能である。ただし、本実施形態のスコップ補助具2は、複数の位置で固定可能に設けられている。本実施形態のスコップ補助具2は、例えば、握り柄部12とのなす角が15°、30°、45°、60°というように、複数の角度に対応した位置で固定可能に設けられている。スコップ補助具2が回動するための機構は、第2の実施形態において図5を参照しつつ説明したものと同様である。さらに、第3の実施形態に係るスコップ補助具2においては、複数の角度に対応した位置でスコップ補助具2が固定されるためのロック機構(不図示)が設けられているものとする。これにより、作業者の身長や作業内容に合わせた適切な角度に、補助握り部23の位置を調整することができる。なお、この場合において、補助握り部23が固定される位置は、握り柄部12とのなす角は、90°未満の角度に対応する位置であるものとする。
【0022】
(第4の実施形態)
図7は、第4の実施形態に係るスコップ補助具2の斜視図である。図7に示すスコップ補助具2は、XZ面内だけでなく、Y方向においても回動可能に設けられている。この場合、取付部21は、例えば、ボールジョイント等のユニバーサルジョイント(自在継手)2101により実現される。このように、Y方向にも回転可能とすることで、例えば、雪かきにおいて、掬い部11に載せられた雪を横(Y方向)に捨てる際に、補助握り部23の位置を固定したままで、スコップ1の握り部13を横に(YZ面内において)捻ることができる。したがって、作業者は、無駄な動きをする必要がなく、作業を効率化することができる。
【0023】
(第5の実施形態)
図8は、第5の実施形態に係るスコップ補助具2の斜視図である。第5の実施形態に係るスコップ補助具2では、補助握り柄部22が長手方向に伸縮することができる。これにより、作業者の身長や腕の長さ、作業内容に合わせた適切な長さに、補助握り柄部22の長さを調整することができる。
【0024】
図8の右下に補助握り柄部22が伸縮する機構の概略を示している。本実施形態においては、補助握り柄部22は、補助握り部23側の第3補助握り柄部225と、掬い部11側の第4補助握り柄部226と、を有する。
【0025】
第3補助握り柄部225には、長手方向(X方向)に沿って、3つの軸受け部2251、2252、2253が設けられている。また、第4補助握り柄部226には、1つの軸受け部2261が設けられている。第3補助握り柄部225の3つの軸受け部2251、2252、2253のいずれかに第4補助握り柄部226の軸受け部2261が合わさり、軸部227が嵌め込まれることで、軸部227が固定され、長手方向の長さを異ならせることができる。なお、スコップ補助具2の長さを可変とするための機構は、実施形態に限定されるものではなく、種々の技術を採用することができる。
【0026】
(第6の実施形態)
図9は、第6の実施形態に係るスコップ補助具2の斜視図である。第6の実施形態に係るスコップ補助具2は、取付部24の長手方向の長さHが、第1~第5の実施形態に係るスコップ補助具2の取付部21の長手方向の長さに比べて長い。さらに、取付部24のうち、掬い部11側の端部には、縁部111に接する接面25が設けられている。ここで、縁部111は、掬い部11のうち握り柄部12側の縁である。なお、取付部24の長手方向の長さHは、縁部111から補助握り柄部22の端までの距離が雪等を掬う作業が楽になるような長さに調整されている。したがって、スコップ1にスコップ補助具2を取り付ける場合に、取付部24を握り柄部12のどの位置に取り付けるかを作業者等が考える必要がない。すなわち、接面25を縁部111に当接させることで、適切な位置に補助握り柄部22を取り付けることができる。
【0027】
(第7の実施形態)
図10は、第7の実施形態に係る固定ユニット3の斜視図である。第7の実施形態に係る固定ユニット3は、第1~第5の実施形態に係るスコップ補助具2の、握り柄部12における取付位置を、適切な位置になるように位置決めするための器具である。固定ユニット3は、位置決めのための長さに設けられた長軸部31と、凹部32と、接面33と、を有している。凹部32は、長軸部31のうち補助握り部23側の端に設けられた取付部21に嵌る。接面33は、掬い部11の縁部111に当接する。
【0028】
図10に示すように、スコップ補助具2を握り柄部12に仮止めした状態で、凹部32を取付部21に嵌め込み、さらに接面33を縁部111に当接させる。この状態で、スコップ補助具2が握り柄部12に固定される。固定ユニット3は、上部ユニット341と下部ユニット342から構成され、これらがネジで接続されることで、固定ユニット3が、取付部21及び握り柄部12に固定される。
【0029】
さらに、固定ユニット3として、長軸部31の長さが異なるものが複数設けられてもよい。これにより、作業者の身長や腕の長さ、スコップの長さなどに応じて、適切な長さの固定ユニット3を取り付けることで、スコップ補助具2の取付位置を調整することができる。
【0030】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、例えばある実施形態の変形例を他の実施形態に適用するなど、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0031】
そうした第1の変形例としては、取付部21の機構は、実施形態に限定されるものではない。例えば、図11に示すように、取付部21には、凹部401に接続軸402が篏合し、レバー403で締め付けを強くするような機構400が取付部21の両端に設けられてもよい。この場合には、図11(a)に示す凹部401に向けてレバー403をSの方向に引き、その後、図11(b)に示すように、接続軸402を凹部401に嵌めた後で、レバー403を方向Sと反対向きのT方向に引くことで、取付部21に取り付けられてもよい。これにより、ネジを不要とすることができる。したがって、ドライバーなどの工具がなくとも、スコップ補助具2を簡単にスコップ1に取り付けることができる。
【0032】
また、第2の変形例としては、上記各実施形態のスコップ補助具2の機構を適宜組み合わせてもよい。例えば、図12に示すように、スコップ補助具2は、3次元に回動可能で、かつ長さ可変であってもよい。さらに、図12に示すスコップ補助具2は、接面25において、スコップ1の掬い部11の縁部111に固定され、さらに、機構400により握り柄部12に固定されてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 スコップ
2 スコップ補助具
3 固定ユニット
11 掬い部
12 握り柄部
13 握り部
21、24 取付部
22 補助握り柄部
23 補助握り部
25、33 接面
31 長軸部
32 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12