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  • 特開-包装おしぼり 図1
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  • 特開-包装おしぼり 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025029343
(43)【公開日】2025-03-06
(54)【発明の名称】包装おしぼり
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/00 20060101AFI20250227BHJP
   B65D 83/08 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
A47K7/00 101
B65D83/08 G
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133900
(22)【出願日】2023-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】523315991
【氏名又は名称】株式会社ハルタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】治田 博行
【テーマコード(参考)】
2D134
3E014
【Fターム(参考)】
2D134AD01
3E014MC08
(57)【要約】
【課題】 包装袋を容易に破くことができ、且つ、包装袋を破いたときに、包装袋が2つに破断されることを防止することができる包装おしぼりを提供する。
【解決手段】 包装おしぼり100は、長手方向に延びるように畳まれたおしぼり1と、前記おしぼり1を包装する包装袋2とを有し、前記包装袋2は、直進カット性を有する材質であり、前記直進カット性を有する方向が前記おしぼり1の前記長手方向と交差するように配置された第1包装シート21と、直進カット性を有しない材質の部材を含み、前記第1包装シート21に対峙して配置された第2包装シート22と、を有し、前記第1包装シート21と前記第2包装シート22とは、袋を形成するようにシールされている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びるように畳まれたおしぼりと、前記おしぼりを包装する包装袋とを有し、
前記包装袋は、
直進カット性を有する材質である第1包装シートと、
直進カット性を有しない材質の部材を含み、前記第1包装シートに対峙して配置された第2包装シートと、を有し、
前記第1包装シートと前記第2包装シートとは、袋を形成するようにシールされている、包装おしぼり。
【請求項2】
前記第1包装シートは、直進カット性を有する方向が前記おしぼりの前記長手方向と交差するように配置されている、請求項1に記載の包装おしぼり。
【請求項3】
前記第1包装シートは、高密度ポリエチレン又は延伸ポリプロピレンからなる直進カット性フィルムである、請求項1又は2に記載の包装おしぼり。
【請求項4】
前記第2包装シートは、樹脂製のフィルムであり、
前記シールは、ヒートシールである、請求項3に記載の包装おしぼり。
【請求項5】
前記第2包装シートは、前記第1包装シートと同じ材質の第1部材と、前記第1部材の外側面に貼着された直進カット性を有しない材質の第2部材とを有する、請求項1又は2に記載の包装おしぼり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装おしぼりに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から包装材により包装した包装おしぼりが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この包装おしぼりは、二つ折りにしたおしぼりを包装できる四角状の包装材を形成し、二つ折りにしたおしぼりを包装したときに表面あるいは裏面を形成するいずれかの面に、縦辺または横辺に平行して二分するように、包装材を貫通しないミシン目を設け、二つ折りにしたおしぼりを包装した状態の包装材の周囲を熱圧着あるいは圧着により咬合した接合部を設けたものである。これによって、ミシン目を左右に引っ張って包装材を破ることにより、包装材が分断することなくおしぼりを取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-285419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の包装おしぼりは、開封時にミシン目の両側をつまんで引っ張る必要があり、ミシン目を探したり、つまんだりすることに手間取る場合があった。また、畳んだ布おしぼりのような厚みのあるおしぼりを包装すると、使用前の運搬時に、かごの中で捩れてミシン目周辺に応力が集中し、ミシン目から裂けるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る包装おしぼりは、長手方向に延びるように畳まれたおしぼりと、前記おしぼりを包装する包装袋とを有し、前記包装袋は、直進カット性を有する材質である第1包装シートと、直進カット性を有しない材質の部材を含み、前記第1包装シートに対峙して配置された第2包装シートと、を有し、前記第1包装シートと前記第2包装シートとは、袋を形成するようにシールされている。
【0007】
この構成によれば、包装袋を容易に破くことができる。そして、包装袋を破いたときに、包装袋が2つに破断されることを防止することができる。これによって、破断された包装袋が散乱することを防止することができる。また、運搬中の包装袋の破損を効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、包装袋を容易に破くことができ、且つ、包装袋を破いたときに、包装袋が2つに破断されることを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る包装おしぼりの構成例を示す斜視図である。
図2図1の包装おしぼりの構成例を示す縦断面図である。
図3図1の包装おしぼりの使用例を示す平面図である。
図4】実施の形態2に係る包装おしぼりの構成例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る包装おしぼり100の構成例を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る包装おしぼり100の構成例を示す縦断面図である。
【0012】
図1に示すように、包装おしぼり100は、おしぼり1と、包装袋2と、を備え、布製のおしぼり1が包装袋2により包装されたものである。布製の包装おしぼり100は、例えばレンタルの形態でレンタル事業者から飲食店等に提供される。そして、レンタル事業者は、飲食店において使用されたおしぼり1を回収し、洗濯、包装し、包装おしぼり100として再生する。このように包装おしぼり100は、リユースされるおしぼりである。
【0013】
おしぼり1は、長手方向D1に延びるように畳まれたおしぼりである。おしぼり1は、例えば、広げた状態において、布製の矩形のおしぼりである。このおしぼり1は、広げた状態から二つ折りにして、二つ折りにした状態における長手方向一方側の端部から他方側の端部に向って巻く。これによって、おしぼり1は円柱状の形態に畳まれる。円柱状の形態に畳まれたおしぼり1の軸方向がおしぼり1の長手方向D1を成す。
【0014】
包装袋2は、おしぼり1を包装する袋である。包装袋2は、第1包装シート21と、第2包装シート22と、シール部23とを含む。
【0015】
第1包装シート21は、直進カット性を有する材質の略長方形のシートであり、例えば、高密度ポリエチレン又は延伸ポリプロピレンからなる直進カット性を有する樹脂製のフィルムである。第1包装シート21は、短手方向D2に直進カット性を有する。直進カット性を有する短手方向D2がおしぼり1の長手方向D1と交差、より具体的には直交するように配置されている。直進カット性とは、フィルム等を引き裂いたときに所定方向に略一直線に引裂ける性能を意味する。
【0016】
第2包装シート22は、直進カット性を有しない材質の部材を含む略長方形のシートであり、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンからなる直進カット性を有しない樹脂製のフィルムである。第2包装シート22は、第1包装シート21に対峙して配置され、第1包装シート21と略同一の大きさに形成されている。
【0017】
シール部23は、第1包装シート21と第2包装シート22とを袋を形成するようにシールした、包装袋2の部位である。第1包装シート21及び第2包装シート22の長手方向の一対の側縁がヒートシールにより接合された一対の長手方向シール部41を成している。また、第1包装シート21及び第2包装シート22の短手方向の一対の側縁がヒートシールにより接合された一対の短手方向シール部42を成している。そして、第1包装シート21と第2包装シート22との間の空間であって、一対の長手方向シール部41及び一対の短手方向シール部42によって囲まれた空間が収容空間24を成している。
【0018】
そして、おしぼり1を包装するときは、第1包装シート21と第2包装シート22とを対峙させる。そして、第1包装シート21及び第2包装シート22の長手方向の一対の側縁のうち一方にあたる部位をヒータで加熱し、一方の長手方向シール部41を形成する。
【0019】
そして、第1包装シート21と第2包装シート22との間に畳んだおしぼり1を配置し、第1包装シート21及び第2包装シート22の長手方向の一対の側縁のうち他方にあたる部位をヒータで加熱し、他方の長手方向シール部41を形成する。
【0020】
そして、第1包装シート21及び第2包装シート22の短手方向の一対の側縁をヒータで加熱し、一対の短手方向シール部42を形成する。
【0021】
これにより、おしぼり1は、包装袋2により包装され、使用前のおしぼり1の汚れ及び乾燥を防止することができる。また、畳まれたおしぼり1の形状を保持することができる。
【0022】
このように、おしぼり1は、第1包装シート21及び第2包装シート22を用いて、ヒートシールにより包装袋2を形成しているので、おしぼり1を簡易な構成で包装することができる。
【0023】
図3は包装おしぼり100の使用例を示す平面図である。
【0024】
そして、図3に示すように、使用者がおしぼり1を使用するときは、第1包装シート21のうち、おしぼり1の長手方向D1に離れた任意の2箇所の部位P1、P2を摘み、摘んだ部分を引き離すように引っ張る。これにより、第1包装シート21が引き裂かれ、包装袋2に開口部61が形成される。このように、包装おしぼり100は、第1包装シート21のうち、長手方向に離れた任意の2箇所の部位を摘んで引き裂くことができるので、包装袋2を容易に破くことができる。また、第1包装シート21は、直進カット性を有する方向D2がおしぼり1の長手方向D1と交差するように配置されているので、包装袋2を容易に摘んで引き裂くことができる。
【0025】
また、第2包装シート22は直進カット性を有しない材質であるので、第1包装シート21を引き裂いたときに、第2包装シート22までもが引き裂かれることを防止することができる。これによって、包装袋2が2つに破断されることを防止することができる。よって、破断された包装袋2が散乱することを防止することができる。
【0026】
そして、使用者は、開口部61を介して、包装袋2からおしぼり1を取り出す。
【0027】
なお、第1包装シート21の材質に直進カット性を持たせているので、包装シートにミシン目を形成したような場合と比較して、多数の包装おしぼり100を箱に積み重ねるように収容して運搬したときに、第1包装シート21に引張力が作用しても、一部の箇所に応力が集中することを避けることができる。これにより、第1包装シート21が裂けることを適切に防止することができる。
【0028】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2に係る包装おしぼり200の構成例を示す縦断面図である。
【0029】
包装おしぼり200は、上記実施の形態1に係る包装おしぼり100と比較して、第2包装シートの構成において異なり、他の構成は同様である。
【0030】
図4に示すように、包装おしぼり200の第2包装シート222は、第1部材31と、第2部材32とを含む。
【0031】
第1部材31は、第1包装シート21と同じ材質の部材である。また、第2部材32は、第1部材31の外側面に貼着された直進カット性を有しない材質の部材である。
【0032】
このように構成された、包装おしぼり200は、第2部材32が直進カット性を有しないので、第2包装シート222全体として、上記実施の形態1の第2包装シート22と同様の性能を有する。したがって、包装おしぼり200は、上記実施の形態1の包装おしぼり100と同様に、第1包装シート21を引き裂いたときに、包装袋2が2つに破断されることを防止することができる。これによって、破断された包装袋2が散乱することを防止することができる。
【0033】
また、第1包装シート21及び第2包装シート22が共に直進カット性を有する包装袋2の第2包装シート22に非直進カット性を容易に付与することができる。
【0034】
<変形例>
上記実施の形態においては、おしぼり1は布製のおしぼりであるがこれに限られるものではない。これに代えて、おしぼり1は紙製のおしぼりであってもよい。
【0035】
また、上記実施の形態においては、おしぼり1は、二つ折りにした上で巻いて畳んだ形態のものを例示したがこれに限られるものではない。これに代えて、おしぼり1は、三つ折りや四つ折りにした上で巻いて畳んだものであってもよく、また、折らずに巻いて畳んでもよい。更に、巻かずに折って畳んだものであってもよい。
【0036】
また、上記実施の形態においては、シール部23はヒートシールによりシールされているがこれに限られるものではない。これに代えて、シール部23は接着剤を用いたコールドシールであってもよい。
【0037】
更に、上記実施の形態においては、第1包装シート21と第2包装シート22とは直接接合されているが、これに限られるものではない。これに代えて、第1包装シート21と第2包装シート22との間にマチを介在させてもよい。マチは、第1包装シート21及び第2包装シート22の一部であってもよく、また、第1包装シート21及び第2包装シート22とは異なる部材であってもよい。
【0038】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【0039】
(実施形態の列挙)
実施形態1: 長手方向に延びるように畳まれたおしぼりと、前記おしぼりを包装する包装袋とを有し、
前記包装袋は、
直進カット性を有する材質である第1包装シートと、
直進カット性を有しない材質の部材を含み、前記第1包装シートに対峙して配置された第2包装シートと、を有し、
前記第1包装シートと前記第2包装シートとは、袋を形成するようにシールされている、包装おしぼり。
【0040】
この構成によれば、包装袋を容易に破くことができる。そして、包装袋を破いたときに、包装袋が2つに破断されることを防止することができる。これによって、破断された包装袋が散乱することを防止することができる。また、運搬中の包装袋の破損を効果的に防止することができる。
【0041】
実施形態2: 前記第1包装シートは、直進カット性を有する方向が前記おしぼりの前記長手方向と交差するように配置されている、実施形態1に記載の包装おしぼり。
【0042】
この構成によれば、包装袋を容易に摘んで引き裂くことができる。
【0043】
実施形態3: 前記第1包装シートは、高密度ポリエチレン又は延伸ポリプロピレンからなる直進カット性フィルムである、実施形態1又は2に記載の包装おしぼり。
【0044】
この構成によれば、包装袋に直進カット性を適切に付与することができる。
【0045】
実施形態4: 前記第2包装シートは、樹脂製のフィルムであり、
前記シールは、ヒートシールである、実施形態3に記載の包装おしぼり。
【0046】
この構成によれば、おしぼりを簡易な構成で包装することができる。
【0047】
実施形態5: 前記第2包装シートは、前記第1包装シートと同じ材質の第1部材と、前記第1部材の外側面に貼着された直進カット性を有しない材質の第2部材とを有する、実施形態1又は2に記載の包装おしぼり。
【0048】
この構成によれば、第1包装シート及び第2包装シートが共に直進カット性を有する包装袋の第2包装シートを直進カット性を有しないものとすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 おしぼり
2 包装袋
21 第1包装シート
22 第2包装シート
23 シール部
31 第1部材
32 第2部材
100 包装おしぼり
図1
図2
図3
図4