(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025029357
(43)【公開日】2025-03-06
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20250227BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133939
(22)【出願日】2023-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】723011264
【氏名又は名称】株式会社TIMEWELL
(72)【発明者】
【氏名】濱本 隆太、太谷 成秀、内藤 一樹、安藤 義紀、 安藤 晃規、あべ木 緑
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
(57)【要約】
【課題】より速く、より質の高い作業代行の実施を可能とする。
【解決手段】入力情報よりタスク情報を生成するタスク生成部20と、タスク情報を基に、タスクを処理し、タスク処理の進捗情報と成果物を生成するタスク処理部40と、タスク情報と作業者の進捗情報と成果物の少なくとも1つを用いて、タスクの公開とマッチングを行うタスク管理部30と、成果物の評価を行い、納品物の品質を担保するタスク評価部50と、を備える情報処理システム1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力情報よりタスク情報を生成するタスク生成部と、
前記タスク情報を基に、タスクを処理し、タスク処理の進捗情報と成果物を生成するタスク処理部と、
前記タスク情報と前記進捗情報と前記成果物の少なくとも1つを用いて、タスクの公開とマッチングを行うタスク管理部と、
前記成果物の評価を行うタスク評価部と、を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記タスク生成部は、入力情報に不足がある場合、前記タスク情報を生成するために必要な情報を得られるまで追加質問を繰り返す、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記タスク処理部は、少なくとも1つ以上のタスク処理デバイスを備え、
前記タスク処理デバイスは、AIによるタスク処理機能を有する、請求項1または2いずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記タスク評価部は、任意のタイミングで前記成果物の評価を実施し、フィードバックを行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記タスク管理部は、入手したタスク処理の進捗情報を表示する進捗表示部を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はAIを活用した業務補助システムに関する。たとえば、各種業務に含まれる作業項目(以降、単に「タスク」と言う)を細分化し、作業者を支援するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ビジネスのデジタル化が急速に進展している。AI技術の活用により、調査業務、マーケティングコンテンツ作成・投稿業務、事務作業等の時間・工数を要する作業を効率的に実行する手段が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術においては作業内容や作業量に応じて最適な作業者を選択し、効率的にタスクを分割することが困難である等の課題が存在する。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決し、様々な作業の代行を高品質かつ効率的に行うことを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、入力情報よりタスク情報を生成するタスク生成部と、前記タスク情報を基に、タスクを処理し、タスク処理の進捗情報と成果物を生成するタスク処理部と、前記タスク情報と前記進捗情報と前記成果物の少なくとも1つを用いて、タスクの公開とマッチングを行うタスク管理部と、前記成果物の評価を行うタスク評価部と、を備える。
【0007】
本発明に係る情報処理システムによれば、入力情報に基づくタスク情報の生成機能により、作業を具体的なタスクに細分化し、そのタスクを適切な作業者あるいはAIアシスタントに割り振ることが可能となる。これにより、作業の効率性と成果物の品質が向上する。
さらに、タスク処理部による進捗情報および成果物の生成機能と、タスク管理部による公開・マッチング機能を有することで、作業の進行状況をリアルタイムで把握し、納期管理および品質管理をより詳細に行うことができる。
【0008】
また、前記タスク生成部は、入力情報に不足がある場合、前記タスク情報を生成するために必要な情報を得られるまで追加質問を繰り返す、という構成であってもよい。
【0009】
これにより、より精度よくタスクの細分化およびタスクの割り振りを行うことができる。
【0010】
また、前記タスク処理部は、少なくとも1つ以上のタスク処理デバイスを備え、前記タスク処理デバイスは、AIによるタスク処理機能を有する、という構成であってもよい。
【0011】
これにより、繁雑な作業やスキルの要る作業をAIアシスタントと人間の作業者が協力して行うことが可能となり、高品質の成果物を短時間で提供しやすくなる。その結果、企業は事務作業にかかる時間とコストを削減し、より重要な業務に注力しやすくなる。
【0012】
また、前記タスク評価部は、任意のタイミングで前記成果物の評価を実施し、フィードバックを行う、という構成であってもよい。
【0013】
これにより、タスク評価部が任意のタイミングで成果物の評価を行い、誤作業を検出し改善する機能を有することにより、一貫性のある高品質の成果物が確保しやすくなる。また、依頼者と作業者間の認識ズレを解消し、作業の適正化を図ることが可能となる。さらに、フィードバック機能により、作業者が自己改善を行うことが可能となり、個々の成果物の品質が向上する。
【0014】
また、前記タスク管理部は、入手したタスク処理の進捗情報を表示する進捗表示部を備える、という構成であってもよい。
【0015】
これにより、タスク管理部の進捗表示部により、タスクの進行状況が視覚的に把握しやすくなり、スケジュール管理が容易となる。また、本発明のシステムは、リモートワークやフレキシブルな働き方が求められる現代の労働環境にも適している。タスクの進捗状況をリアルタイムで確認することができるため、リーダーやマネージャーがリモートでのプロジェクト管理を効果的に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、調査業務、マーケティングコンテンツ作成・投稿業務、事務作業等の単純だが時間を要する作業を、より速く、より質の高い作業代行の実施が可能となる。これにより、企業や個人が作業の効率を向上させ、時間とコストの節約を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係るタスク生成部のシステム構成を示す図である。
【
図3】実施形態に係るタスク管理部のシステム構成を示す図である。
【
図4】実施形態に係るタスク処理部のシステム構成を示す図である。
【
図5】実施形態に係るタスク評価部のシステム構成を示す図である。
【
図6】実施形態に係るタスク処理デバイスの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る情報処理システムについて、図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。情報処理システム1は、
図1に示すように、タスク生成部20と、タスク処理部40と、タスク管理部30と、タスク評価部50と、を有する。
【0020】
(1)タスク生成部20
図2は、本実施の形態に係るタスク生成部20のシステム構成を示す図である。
図2に示すように、タスク生成部20は、タスク種別判定部21と、追加質問実施部22と、を有する。
【0021】
タスク種別判定部21で、依頼者からの入力情報に基づき、タスクの種類を判定する。
タスク生成部20は、依頼者からの入力情報を受け取り、入力情報を元にタスク情報を生成する。入力情報に不足がある場合は、追加質問実施部22にて、タスク情報の生成に必要な情報を得られるまで依頼者に対し、追加の質問を繰り返す。これにより、細分化されたタスクの生成が可能となり、効率的なタスク分配と進行が実現できる。
【0022】
また、タスク生成部20は、AIアシスタントを利用して依頼内容を解析し、解析結果をもとに具体的なタスクに分解する構成であってもよい。
【0023】
(2)タスク管理部30
図3に示すように、タスク管理部30は、マッチング判定部31を備える。
【0024】
タスク管理部30では、タスク生成部20で生成されたタスク情報はタスクデータベース33で管理され、作業状況や作業者のスキル情報、過去のアプトプット情報は作業者データベース34で管理されている。
【0025】
マッチング判定部31はタスク情報の公開を全作業者分実施して、マッチングを行ってもよい。また、タスク処理部の進捗情報、及び蓄積された成果物情報、タスク情報と作業者のスキル情報を基に、適した作業者へのタスクの公開を行うことで、より適切な作業者とのマッチングを行う形式をとってもよい。
【0026】
また、タスク管理部30は、入手したタスク処理の進捗情報を表示する進捗表示部32を備えていてもよい。これにより、作業者の進捗状況がリアルタイムで確認でき、納品までに有する時間も表示可能となる。
【0027】
(3)タスク処理部40
図4に示すように、タスク処理部40は、少なくとも1つ以上のタスク処理デバイス41を備える。
【0028】
タスク処理部40では、タスク生成部20で生成されたタスク情報を基に、作業者がタスクを具体的に処理する。タスク処理デバイス41は、例えばパーソナルコンピューターまたはタブレット端末を含むが、これらに限られない。
【0029】
タスク処理デバイス41は、作業支援部42を有し、AIによるタスク処理機能等を有していてもよい。作業者のインプットまたは依頼者からの作業を直接インプットすることにより、AIアシスタントは納品物を自動で作成する。これにより、作業者の手間が軽減され、より早い納品が可能となる。
【0030】
(4)タスク評価部50
図5に示すように、タスク評価部50は、作業中データベース51と、成果物データベース52を備える。
【0031】
タスク評価部50では、タスク処理部40で生成された成果物の評価を行う。任意のタイミングで、作業中データベース51に格納された情報または成果物データベース52に格納された成果物の評価を実施し、フィードバックを行う。これにより、誤作業の検知と改善が可能となる。さらに、AIアシスタントが作成した納品物を作業者が確認し、最終納品物として納品する機能を有していてもよい。これにより、品質を担保しつつ納品物の認識ずれを減らし、依頼者の満足度を高めることが可能となる。
【0032】
図6は、タスク処理デバイス41のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
タスク処理デバイス41は、一般的なコンピュータと同様のハードウェア構成を有する。
例えば、
図6に示すようにタスク処理デバイス41は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)105、通信部106、及び、入出力インタフェース(入出力I/F)107を有している。
【0033】
CPU101、ROM102、RAM103、HDD105、通信部106および入出力I/F107は、それぞれバスライン104を介して相互に接続されている。入出力I/F107には、カーソル制御デバイス108、キーボード109、ディスプレイ110が接続されている。
【0034】
CPU101は、プロセッサを含み、タスク処理デバイス41全体の動作を制御する。
ROM102、RAM103又はHDD104等の記憶部には、タスク処理デバイス41側の情報処理プログラムが記憶されている。
【0035】
HDD104の記憶部は、本発明の実施形態に関連する特定の機能、方法、およびプロセスを実行するためにCPU101によって実行または使用される命令および情報を格納するように構成された1つ以上の高速記憶デバイスとすることができる。
【0036】
情報処理システムの具体的な操作は以下のように行われる。
【0037】
まず、依頼者が入力情報として、依頼したい事象および依頼内容をシステムに入力する。次に、タスク生成部20のタスク種別判定部21で入力情報すなわち依頼された事象および依頼内容の情報を解析し、具体的なタスクに分解する。分解したタスクはタスク管理部30に送られ、作業者への割り振りが行われる。
【0038】
次に、タスク管理部30は、生成されたタスクを所有スキル、経歴、過去の作業履歴などの情報をもとに最適な作業者とのマッチングを図る。タスク管理部30がタスクの公開とマッチングを行うことで、タスクに適した作業者が選ばれやすくなる。
【0039】
タスクを割り当てられた作業者は、タスク処理デバイス41を使用して割り当てられたタスクを処理し、その結果をタスク処理部40に報告する。作業者からの報告は進捗情報としてタスク管理部30に送られ、進捗表示部32にリアルタイムで表示される。ここで、依頼者はいつでも作業進捗を確認することが可能となる。
【0040】
作業者はタスクが完了すると、成果物を生成する。タスク評価部50は、任意のタイミングで成果物を評価し、フィードバックを作業者に対して提供する。これにより、作業の誤作業の検知と改善が可能となり、作業の品質が向上する。
【0041】
また、情報処理システム1は、AIアシスタントがタスクを完了させ成果物を生成し、AIアシスタントが生成した納品物を作業者が最終確認し、最終納品物として納品する形態であってもよい。これは、作業者がAIアシスタントの動作を監視し、必要に応じて手動で修正することを可能とする。このプロセスにより、作業者の専門知識とAIアシスタントの自動化能力を組み合わせることで、納品物の品質をさらに向上させることが可能となる。
【0042】
このように、本発明に係る情報処理システムによれば、作業者とAIアシスタントが連携して作業を実施することで、効率性と作業品質を向上させることができる。そして、リアルタイムでの進捗確認とフィードバック機能により、より質の高い納品物を提供し、依頼者の満足度を向上させることが可能となる。
【0043】
以上、本発明に係る情報処理システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1 情報処理システム
20 タスク生成部
21 タスク種別判定部
22 追加質問実施部
30 タスク管理部
31 マッチング判定部
32 進捗表示部
33 タスクデータベース
34 作業者データベース
40 タスク処理部
41 タスク処理デバイス
42 作業支援部
50 タスク評価部
51 作業中データベース
52 成果物データベース
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 バスライン
105 HDD
106 通信部
107 入出力インターフェース
108 カーソル制御デバイス
109 キーボード
110 ディスプレイ