(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025029412
(43)【公開日】2025-03-06
(54)【発明の名称】冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置及びそれを備えた穿孔装置アッセンブリ
(51)【国際特許分類】
B28D 7/02 20060101AFI20250227BHJP
B28D 1/14 20060101ALI20250227BHJP
B23B 47/00 20060101ALI20250227BHJP
B23B 49/00 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
B28D7/02
B28D1/14
B23B47/00 B
B23B49/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134035
(22)【出願日】2023-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】000137845
【氏名又は名称】株式会社ミヤナガ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 典英
(72)【発明者】
【氏名】藤本 大生
【テーマコード(参考)】
3C036
3C069
【Fターム(参考)】
3C036BB12
3C036LL05
3C069AA04
3C069BA09
3C069BB01
3C069BC01
3C069BC04
3C069CA01
3C069CA07
3C069DA06
3C069EA01
(57)【要約】
【課題】冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置において、ドリルビットの先端部の刃先を上方に向けて穿孔作業を行った場合でも、排出流路を通じて正しく冷却液を排出させて冷却液の漏れ落ちを防止する。
【解決手段】位置決めガイド装置は、穿孔対象の被穿孔箇所の周囲の面に当接するための前面と、前面の反対側の背面と、被穿孔箇所に臨むように前面から背面に延びた貫通穴と、ドリルビットの先端部から吐出される冷却液を排出するように、貫通穴を画定する内面から外面に延びた排出流路と、を有する位置決めガイドと、位置決めガイドとドリルビットとの間の隙間を封止するように位置決めガイドに取り付けられた止水リングと、を備え、貫通穴の延在方向から見て、止水リングの内側空間は貫通穴よりも小さく、止水リングは、排出流路のうち貫通穴に臨む入口よりも前面から離れて配置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔対象の被穿孔箇所を囲繞した状態で穿孔装置のドリルビットを位置決めして前記被穿孔箇所に前記ドリルビットの先端部の刃先を案内する位置決めガイド装置であって、
前記穿孔対象の前記被穿孔箇所の周囲の面に当接するための前面と、前記前面の反対側の背面と、前記被穿孔箇所に臨むように前記前面から前記背面に延びた貫通穴と、前記ドリルビットの前記先端部から吐出される冷却液を排出するように、前記貫通穴を画定する内面から外面に延びた排出流路と、を有する位置決めガイドと、
前記位置決めガイドと前記ドリルビットとの間の隙間を封止するように前記位置決めガイドに取り付けられた止水リングと、を備え、
前記貫通穴の延在方向から見て、前記止水リングの内側空間は前記貫通穴よりも小さく、
前記止水リングは、前記排出流路のうち前記貫通穴に臨む入口よりも前記前面から離れて配置されている、冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
【請求項2】
前記止水リングは、第1止水リングであり、
前記位置決めガイドは、
前記前面と、前記背面と、前記前面から前記背面に延びた挿通空間と、を有するガイド本体と、
挿通孔を有し、前記ガイド本体の前記挿通空間に嵌合する金属製のブッシュと、
前記ガイド本体と前記ブッシュとの間に介在する第2止水リングと、を含み、
前記第1止水リングは、前記ブッシュの内周面に嵌合しており、
前記位置決めガイドの前記貫通穴は、前記ブッシュの前記挿通孔を含む、請求項1に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
【請求項3】
前記ブッシュは、前記貫通穴の前記延在方向において前記ガイド本体よりも短く、
前記ガイド本体の内周面は、前記ブッシュから露出した露出領域を含み、
前記位置決めガイドの前記貫通穴は、前記ガイド本体の挿通空間のうち前記ガイド本体の前記内周面の前記露出領域によって画定される部分を更に含む、請求項2に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
【請求項4】
前記ガイド本体は、前記排出流路を有し、
前記ブッシュは、前記排出流路の前記入口よりも前記前面から離れて配置されている、請求項3に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
【請求項5】
前記ブッシュは、前記被穿孔箇所に向く先端面を有し、
前記ブッシュの前記先端面は、その外周領域において前記ガイド本体の前記前面から離れる向きに傾斜したテーパ部を有する、請求項4に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
【請求項6】
前記ブッシュは、
円筒部と、
前記第1止水リングよりも前記位置決めガイドの前記前面に近い位置で、前記円筒部から径方向内方に突出する抜止め凸部と、
前記第1止水リングよりも前記位置決めガイドの前記前面から離れた位置で、前記円筒部の内周面を径方向外方に凹ませて周方向に延びた環状溝部と、を有し、
前記位置決めガイドは、前記第1止水リングを前記抜止め凸部との間で挟むように前記環状溝部に嵌める抜止め具を更に有する、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
【請求項7】
前記ガイド本体の前記背面は、前記挿通空間に隣接した内周部において前記前面に向けて凹んだ段差を有し、
前記第2止水リングは、前記ブッシュの前記円筒部の外周面に接触するように前記段差に配置され、
前記ブッシュは、前記円筒部から径方向外方に突出したフランジ部を更に有し、
前記第2止水リングは、前記貫通穴の前記延在方向において前記ガイド本体の前記段差と前記ブッシュの前記フランジ部との間に配置されている、請求項6に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
【請求項8】
前記ガイド本体は、前記第2止水リングを避けた位置において前記ガイド本体の外面から内面に延びた固定孔を更に有し、
前記位置決めガイドは、前記ガイド本体の前記固定孔に挿通して前記ブッシュを前記ガイド本体に対して固定する固定具を更に有する、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
【請求項9】
前記止水リングは、フッ素ゴムを含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
【請求項10】
前記第1止水リングの材料は、前記第2止水リングの材料と耐摩耗性が同じゴム、又は前記第2止水リングの材料よりも耐摩耗性が高いゴムである、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
【請求項11】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の前記位置決めガイド装置と、
穿孔装置と、を備え、
前記穿孔装置は、
前記位置決めガイド装置により位置決めされて穿孔対象の被穿孔箇所に先端部の刃先が案内されるドリルビットを回転駆動するドリル駆動装置と、
前記ドリル駆動装置を前記位置決めガイド装置に接続する支持構造と、
前記ドリルビットの前記先端部に冷却液を供給する冷却液供給装置と、を有する、穿孔装置アッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置及びそれを備えた穿孔装置アッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置が開示されている。前記位置決めガイド装置は、穿孔対象の被穿孔箇所を囲繞した状態で穿孔装置のドリルビットを位置決めして前記被穿孔箇所に案内する。前記位置決めガイド装置は、前記ドリルビットが隙間をあけて挿通する貫通穴と、前記ドリルビットの先端部から吐出される冷却液を排出する排出流路と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記位置決めガイド装置では、ドリルビットの先端部から吐出された冷却液(懸濁液)が位置決めガイド装置とドリルビットとの間の隙間から漏れ落ちる。したがって、ドリルビットの先端部の刃先を上方に向けて穿孔作業を行うと、ドリルビットを回転駆動する駆動装置を含む穿孔装置及び作業者が、漏れ落ちた冷却液を被ってしまう。
【0005】
そこで、本開示は、冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置において、ドリルビットの先端部の刃先を上方に向けて穿孔作業を行った場合でも、排出流路を通じて正しく冷却液を排出させて冷却液の漏れ落ちを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る位置決めガイド装置は、穿孔対象の被穿孔箇所を囲繞した状態で穿孔装置のドリルビットを位置決めして前記被穿孔箇所に前記ドリルビットの先端部の刃先を案内する位置決めガイド装置であって、前記穿孔対象の前記被穿孔箇所の周囲の面に当接するための前面と、前記前面の反対側の背面と、前記被穿孔箇所に臨むように前記前面から前記背面に延びた貫通穴と、前記ドリルビットの前記先端部から吐出される冷却液を排出するように、前記貫通穴を画定する内面から外面に延びた排出流路と、を有する位置決めガイドと、前記位置決めガイドと前記ドリルビットとの間の隙間を封止するように前記位置決めガイドに取り付けられた止水リングと、を備え、前記貫通穴の延在方向から見て、前記止水リングの内側空間は前記貫通穴よりも小さく、前記止水リングは、前記排出流路のうち前記貫通穴に臨む入口よりも前記前面から離れて配置されている。
【0007】
本開示の一態様によれば、ドリルビットの先端部の刃先を上方に向けて穿孔作業を行う場合でも、止水リングが位置決めガイドとドリルビットとの間の隙間を封止することで、ドリルビットの先端部から吐出された冷却液が位置決めガイド装置とドリルビットとの間の隙間から漏れ落ちてくることを防止できる。そして、止水リングは排出流路の入口よりも位置決めガイドの前面から離れているため、ドリルビットの先端部から吐出された冷却液が位置決めガイドの貫通穴に溜まり、排出流路を通じて外部に円滑に排出される。よって、ドリルビットの刃先を上方に向けて穿孔作業を行う場合でも、排出流路を通じて正しく冷却液を排出させて冷却液の漏れ落ちを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る穿孔装置アッセンブリを示す概略図である。
【
図4】
図4は、ドリルビットの刃先を上方に向けて穿孔作業を行っている様子を示す概略図である。
【
図5】
図5は、
図4の位置決めガイド装置3及びその周辺部分を
図2のIII-III線に対応する箇所で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。なお、以下の説明では、ドリルビット10の回転軸線AXが延びる方向を軸線方向及び前後方向とし、それに直交する鉛直方向を上下方向として定義する。
【0010】
図1は、実施形態に係る穿孔装置アッセンブリ1を示す概略図である。
図1に示すように、穿孔装置アッセンブリ1は、穿孔装置2と、穿孔対象WAの被穿孔箇所WAaを囲繞した状態でドリルビット10を位置決めして被穿孔箇所WAaにドリルビット10の先端部11の刃先13aを案内する位置決めガイド装置3と、穿孔装置2及び位置決めガイド装置3の下方に配置され、冷却液又は懸濁液を貯留するタンク4と、を備える。穿孔装置アッセンブリ1は、穿孔装置2をタンク4に接続する吐出チューブ5と、位置決めガイド装置3をタンク4に接続する排出チューブ6と、を更に備える。
【0011】
穿孔装置2は、ドリルビット10と、ドリルビット10を回転駆動する原動機である電動モータ21を含むドリル駆動装置20と、ドリル駆動装置20を位置決めガイド装置3に接続する支持構造30と、ドリルビット10の先端部11に冷却液を供給する冷却液供給装置35と、を有する。
【0012】
ドリルビット10の先端部11は、刃先13aを含む刃部13(
図3参照)を有する。詳しくは、ドリルビット10は、軸部12(
図3参照)と、軸部12に接合された刃部13と、を有する。本実施形態では、複数の刃部13が、軸部12の先端面から突出して回転軸線AX周りの周方向に間隔をあけて配置される。刃部13は、例えば、メタルボンドダイヤモンド砥石、又は、超硬合金とし得る。ドリルビット10は、中空であり、ドリルビット10の回転軸線AXに沿って延びた内部空間S(
図3参照)を有する。軸部12の前記先端面は、内部空間S(
図3参照)を先端側に開放する液吐出口P(
図3参照)を含む。なお、刃部13の形状は、特にこれに限定されず、様々な形状のものを採用し得る。刃部13の種類によっては、液吐出口Pは、刃部13の先端面のうち刃先13aが存在しない領域に設けられ得る。
【0013】
ドリル駆動装置20は、電動モータ21に前側から隣接し且つ電動モータ21の駆動軸21aに連結された減速機22と、電動モータ21に下側から接続され且つ電動モータ21に電力を供給するバッテリ23と、を有する。ドリル駆動装置20は、電動モータ21、減速機22、バッテリ23、後述するチューブポンプ36、及び後述する減速機37を収容する筐体24と、作業者に押下されることで電動モータ21を駆動する操作部25と、を更に有する。電動モータ21による動力の回転速度が、減速機22により減じられ、ドリルビット10へと伝達される。
【0014】
支持構造30は、冷却液供給装置35の一部でもある冷却液供給部38と、冷却液供給部38の前面から軸線方向と平行に延びる一対の支持棒31と、を含む。
図1では、一対の支持棒31のうち一方の支持棒31のみが現れており、他方の支持棒31は一方の支持棒31に隠れて現れていない。一対の支持棒31は、それぞれ、軸線方向に伸縮可能である。ドリル駆動装置20は、冷却液供給部38、及び一対の支持棒31により位置決めガイド装置3に接続される。
【0015】
冷却液供給装置35は、電動モータ21により駆動するチューブポンプ36と、チューブポンプ36に後側から接続された減速機37と、チューブポンプ36の前側且つドリルビット10の後側に設けられた冷却液供給部38と、を備える。電動モータ21による動力の回転速度が、ドリル駆動装置20の減速機22及び冷却液供給装置35の減速機37により減じられ、チューブポンプ36へと伝達される。なお、減速機37が、チューブポンプ36に前側から隣接する構造であってもよい。
【0016】
吐出チューブ5は、その一端がタンク4に接続され、その他端が穿孔装置2の冷却液供給部38に接続される。吐出チューブ5は、タンク4からチューブポンプ36に向けて冷却液が流れる吐出上流部分と、チューブポンプ36の一部でもある吐出中流部分と、チューブポンプ36から冷却液供給部38に向けて冷却液が流れる吐出下流部分と、を含む。
【0017】
冷却液供給部38の内部には、冷却液の供給流路が設けられる。また、ドリルビット10の内部空間S(
図3参照)は、その基端及び先端部11において開放されている。即ち、ドリルビット10の先端部11は、内部空間Sを穿孔対象WAに向けて開放する液吐出口Pを有する。ドリルビット10の内部空間Sは、冷却液供給部38の供給流路に連通している。チューブポンプ36の駆動によって、前記吐出上流部分を介してタンク4内の冷却液を吸い込んだチューブポンプ36が、前記吐出下流部分を介して冷却液供給部38に冷却液を吐出し、冷却液供給部38からドリルビット10の先端部11へと冷却液が圧送される。
【0018】
前後方向から見て、穿孔対象WAの被穿孔箇所WAaを位置決めガイド装置3の貫通穴41の内部に位置させた状態で、位置決めガイド装置3の前面51(
図3参照)を穿孔対象WAに押し付けると、一対の支持棒31が、それぞれ、その先端側からその基端側へと縮む。これにより、位置決めガイド装置3が後方へと移動し、ドリルビット10の刃先13aが、位置決めガイド装置3の貫通穴41を通り抜け、被穿孔箇所WAaに押し当てられる。
【0019】
このとき、作業者が操作部25を押下していれば、電動モータ21によりチューブポンプ36が駆動しており、且つドリルビット10が回転駆動しているので、ドリルビット10の先端部11の液吐出口Pから冷却液を吐出しつつ、被穿孔箇所WAaに対して穿孔作業を行なうことができる。このように穿孔作業を行なうことで、ドリルビット10及び被穿孔箇所WAaの発熱を冷却液により抑制できる。冷却液は、ドリルビット10の先端部11から吐出されたあと、被穿孔箇所WAaの穿孔の際に生じる切屑Cが混ざって懸濁液となる。なお、冷却液は通常は水であるが、粘度が低い他の液体であってもよい。穿孔対象WAが鉄板である場合、冷却液は、粘度の低い油であってもよい。
【0020】
排出チューブ6は、その一端が位置決めガイド装置3の排出流路56に接続され、その他端がタンク4に接続される。排出チューブ6は、位置決めガイド装置3からチューブポンプ36に向けて懸濁液が流れる排出上流部分と、チューブポンプ36の一部でもある排出中流部分と、チューブポンプ36からタンク4に向けて懸濁液が流れる排出下流部分と、を含む。
【0021】
チューブポンプ36の駆動によって、位置決めガイド装置3の排出流路56及び排出チューブ6の前記排出上流部分を介して、懸濁液を吸い込んだチューブポンプ36が、前記排出下流部分を介してタンク4に懸濁液を圧送する。なお、排出チューブ6は、チューブポンプ36を介さずにタンク4に直接的に導かれてもよい。
【0022】
タンク4内には、懸濁液の液面に浮かべられたフロート90と、フロート90に取り付けられ且つ懸濁液から切屑Cを分離するストレーナ91と、が設けられる。フロート90及びストレーナ91は、吐出チューブ5の前記吐出上流部分の上流側の端部に取り付けられる。
【0023】
懸濁液が排出チューブ6からタンク4内に排出されると、当該懸濁液から切屑Cが自重によりタンク4内に沈殿する。また、当該懸濁液の液面に浮かべられたストレーナ91により当該懸濁液から切屑Cが更に分離される。このように当該懸濁液から切屑Cを分離して得られる冷却液が、吐出チューブ5及び冷却液供給部38を介して、ドリルビット10の先端部11へと再び供給される。上記構成により、穿孔装置アッセンブリ1は、冷却液を循環して繰り返し使用できる。
【0024】
図2は、
図1のII-II線断面図である。
図3は、
図2のIII-III線断面図である。
図2及び
図3に示すように、位置決めガイド装置3は、位置決めガイド40と、位置決めガイド40とドリルビット10との間の隙間を封止するように位置決めガイド40に取り付けられた第1止水リング80(止水リング)と、を備える。位置決めガイド40は、ドリルビット10が挿通される貫通穴41を有する。位置決めガイド40の貫通穴41の延在方向は、軸線方向及び後述するガイド本体50の挿通空間55の延在方向と一致する。以下、貫通穴41の延在方向は、延在方向AXとも称する。
【0025】
位置決めガイド40は、金属製のガイド本体50と、ガイド本体50の挿通空間55に嵌合した金属製のブッシュ60と、ガイド本体50とブッシュ60との間に介在する第2止水リング70と、第1止水リング80がブッシュ60から抜け出るのを防止する抜止め具71と、ガイド本体50に対してブッシュ60を固定する複数(例えば2つ)の固定具72と、を有する。
【0026】
ガイド本体50は、穿孔対象WA(
図1参照)の被穿孔箇所WAa(
図1参照)の周囲の面に当接するための前面51と、前面51の反対側の背面52と、被穿孔箇所WAaに臨むように前面51から背面52に延びた挿通空間55と、ドリルビット10の先端部11から吐出される冷却液を排出する排出流路56と、その外面から内面に延びた複数(例えば2つ)の固定孔58と、を有する。ガイド本体50は、一対の支持棒31が挿入される一対の支持穴59を更に備える。
【0027】
ガイド本体50は、硬質樹脂からなるボディ50aと、ボディ50aの前面に固着又は係止されたリング状のシール部材50bと、を有し得る。この場合、シール部材50bの前面がガイド本体50の前面となる。シール部材50bの材料は、穿孔対象WAの表面とガイド本体50との間の隙間を封止できる柔軟な材料であればよく、例えば、スポンジ、シリコーン、ゴム等から選ぶことができる。なお、ガイド本体50は、シール部材50bを有していなくてもよい。その場合、ボディ50aの前面がガイド本体50の前面となる。
【0028】
ガイド本体50の背面52は、挿通空間55に隣接した内周部において前面51に向けて凹んだ段差52aを有する。ガイド本体50の挿通空間55は、その延在方向から見て真円形状である。本実施形態では、挿通空間55の延在方向は、挿通空間55の軸線方向を意味する。ガイド本体50は、挿通空間55を画定する内周面を有する。ガイド本体50の内周面は、ブッシュ60から露出した露出領域54を含む。ガイド本体50の複数の固定孔58は、それぞれ、挿通空間55の延在方向から見てブッシュ60の円筒部62の中心軸を通り当該円筒部62の径方向に延びる直線上に設けられる。これらの固定孔58は、それぞれ、当該直線に沿ってガイド本体50の外面から内面に延びている。
【0029】
本実施形態では、ガイド本体50の前面51は、位置決めガイド40の前面でもあり、ガイド本体50の背面52は、位置決めガイド40の背面でもある。そして、位置決めガイド40は、被穿孔箇所WAaに臨むように前面51から背面52に延びた貫通穴41を有する。貫通穴41は、ガイド本体50の挿通空間55のうちガイド本体50の内周面の露出領域54によって画定される部分と、ブッシュ60の後述する挿通孔61と、を含む。排出流路56は、貫通穴41を画定する内面から外面に延びている。
【0030】
ブッシュ60は、排出流路56のうち貫通穴41に臨む入口56aよりもガイド本体50の前面51から離れて配置されている。ブッシュ60は、その軸線方向に延びた挿通孔61を有する。ブッシュ60は、位置決めガイド40の貫通穴41の延在方向AXにおいてガイド本体50よりも短い。
【0031】
ブッシュ60は、円筒部62と、第1止水リング80よりもガイド本体50の前面51に近い位置で、円筒部62の先端部から径方向内方に突出する抜止め凸部63と、第1止水リング80よりも位置決めガイド40の前面51から離れた位置で、円筒部62の内周面を径方向外方に凹ませて周方向に延びた環状溝部64と、環状溝部64よりも前面51から離れた位置で円筒部62から径方向外方に突出したフランジ部65と、を有する。
【0032】
円筒部62は、穿孔対象WA(
図1参照)に向く先端面62aを有する。この先端面62aは、その外周領域においてガイド本体50の前面51から離れる向きに傾斜したテーパ部62bを有する。フランジ部65は、ガイド本体50の背面52に当接する。
【0033】
第2止水リング70は、ブッシュ60の円筒部62の外周面に接触するように、ガイド本体50の背面52の段差52aに配置されている。また、第2止水リング70は、貫通穴41の延在方向AXにおいて段差52aとブッシュ60のフランジ部65との間に配置されている。ガイド本体50の複数の固定孔58は、第2止水リング70を避けた位置において、その外面から内面に延びている。第2止水リング70の材料は、フッ素ゴムである。
【0034】
抜止め具71は、ブッシュ60の環状溝部64に嵌められることで、第1止水リング80を抜止め凸部63との間で挟む。抜止め具71は、例えばCリングである。
【0035】
複数の固定具72は、それぞれ、頭部及び軸部を含むボルト又はネジである。複数の固定具72の軸部が、それぞれ、固定孔58に挿通される。これにより、複数の固定具72が、それぞれ、ブッシュ60の円筒部62を当該円筒部62の中心軸に向けて押圧する。これにより、ブッシュ60がガイド本体50に対して固定される。
【0036】
第1止水リング80は、ブッシュ60の円筒部62の内周面とドリルビット10との間の隙間を封止するように、ブッシュ60の内周面に嵌合している。第1止水リング80は、排出流路56のうち貫通穴41に臨む入口56aよりもガイド本体50の前面51から離れて配置されている。第1止水リング80の内側空間は、貫通穴41の延在方向AXから見て、当該貫通穴41よりも小さい。当該内側空間は、貫通穴41の延在方向AXから見て、真円形状である。第1止水リング80の材料は、第2止水リング70と同じフッ素ゴムである。
【0037】
図4は、ドリルビット10の刃先13aを上方に向けて穿孔作業を行っている様子を示す概略図である。
図5は、
図4の位置決めガイド装置3及びその周辺部分を
図2のIII-III線に対応する箇所で切断した断面図である。
図4及び
図5において、穿孔対象WBは例えば天井であり、吐出チューブ5、冷却液供給部38及びドリルビット10内の矢印は冷却液が流れる方向を示し、且つ、排出流路56及び排出チューブ6内の矢印は懸濁液が流れる方向を示す。
図4及び
図5に示すように、チューブポンプ36(
図1参照)によってタンク4(
図1参照)内の冷却液が、吐出チューブ5、冷却液供給部38及びドリルビット10内を主として上向きに流れ、ドリルビット10の先端部11へと圧送される。ドリルビット10の先端部11の液吐出口Pから吐出されて切屑Cが混ざった懸濁液は、排出流路56及び排出チューブ6内を主として下向きに流れ、タンク4へと導かれる。
【0038】
以上に説明した構成によれば、
図4及び
図5に示すように、ドリルビット10の刃先13aを上方に向けて穿孔作業を行う場合でも、第1止水リング80(止水リング)が位置決めガイド40とドリルビット10との間の隙間を封止することで、ドリルビット10の先端部11から吐出された冷却液が位置決めガイド装置3とドリルビット10との間の隙間から漏れ落ちてくることを防止できる。そして、第1止水リング80は排出流路56の入口56aよりもガイド本体50の前面51から離れているため、ドリルビット10の先端部11から吐出された冷却液が位置決めガイド40の貫通穴41に溜まり、排出流路56を通じて外部に円滑に排出される。よって、ドリルビット10の刃先13aを上方に向けて穿孔作業を行う場合でも、排出流路56を通じて正しく冷却液を排出させて冷却液の漏れ落ちを防止できる。
【0039】
位置決めガイド40が金属製のブッシュ60を有するので、第1止水リング80を安定的に支持できる。そして、位置決めガイド40がブッシュ60とは別にガイド本体50を有するので、位置決めガイド40の形状自由度を良好に保つことができると共に、位置決めガイド40の重量増加を抑制できる。
【0040】
ブッシュ60が、位置決めガイド40の貫通穴41の延在方向AXにおいてガイド本体50よりも短いので、位置決めガイド40の重量増加を抑制できる。
【0041】
ブッシュ60が、排出流路56の入口56aよりもガイド本体50の前面51から離れて配置されているので、ドリルビット10の先端部11から吐出された冷却液がブッシュ60に邪魔されずに排出流路56を通じて外部に円滑に排出される。
【0042】
ブッシュ60の先端面62aがテーパ部62bを有するので、位置決めガイド40の貫通穴41においてドリルビット10の回転によって径方向外方に飛ばされる冷却液が、ブッシュ60のテーパ部62bによって形成された外周側の空間に捕捉される。よって、位置決めガイド40とドリルビット10との間の隙間に冷却液が到達しにくくなると共に、排出流路56に冷却液が到達しやすくなる。
【0043】
位置決めガイド40が、環状溝部64に嵌められ、抜止め凸部63との間で第1止水リング80を挟む抜止め具71を有するので、ブッシュ60に対する第1止水リング80の取り付け及び取り外しの作業が容易になる。よって、メンテナンス時に第1止水リング80の交換作業を容易に行える。
【0044】
第2止水リング70が、位置決めガイド40の貫通穴41の延在方向においてガイド本体50の段差52aとブッシュ60のフランジ部65との間に配置されている。これにより、ガイド本体50の強度の観点において、ガイド本体50の内周面に第2止水リング70を嵌める環状溝を形成する場合に比べ、貫通穴41の延在方向においてガイド本体50を短くできる。よって、ドリルビット10の有効長を長く確保できる。
【0045】
位置決めガイド40が、ガイド本体50の固定孔58に挿通してブッシュ60を固定する固定具72を有するので、ガイド本体50にブッシュ60を組み付けた後にガイド本体50の外部から容易にブッシュ60を固定できる。
【0046】
第1止水リング80が、フッ素ゴムを含むので、回転するドリルビット10に接触する第1止水リング80の耐久性を良好にできる。
【0047】
なお、本開示の技術は、前述した構成に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ガイド本体50とブッシュ60が別の部材である場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、ガイド本体50とブッシュ60はワンピースすなわち一体品であってもよい。このような場合、当該ワンピースは金属体であってもよい。
【0048】
上記実施形態では、ガイド本体50が金属製である場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、ガイド本体50は、例えば、樹脂製であってもよいし、金属及び樹脂以外の材料で成形されてもよい。
【0049】
上記実施形態では、抜止め具71がCリングである場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、抜止め具71は、第1止水リング80を抜け止めできるものであれば、Cリング以外の他の公知のものであってもよい。或いは、Cリングのような抜止め具を廃止して、第1止水リング80をブッシュ60に圧入する構成であってもよい。
【0050】
上記実施形態では、ガイド本体50の挿通空間55が、その延在方向AXから見て真円形状である場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、ガイド本体50の挿通空間55は、例えば、楕円形又は四角形などの他の形状であってもよい。
【0051】
上記実施形態では、第1止水リング80の材料が、フッ素ゴムである場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、第1止水リング80の材料は、例えば、EPDMゴム、ニトリルゴム又はウレタンなどの他の弾性材料であってもよい。
【0052】
上記実施形態では、ブッシュ60が、排出流路56のうち貫通穴41に臨む入口56aよりもガイド本体50の前面51から離れて配置されている場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、例えば、ブッシュ60の先端面62aが、排出流路56の入口56aよりもガイド本体50の前面51の近くに配置され、且つ、ブッシュ60が位置決めガイド40の貫通穴41を排出流路56に連通させる連通孔を有してもよい。
【0053】
上記実施形態では、第1止水リング80の材料は、第2止水リング70と同じフッ素ゴムである場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、第1止水リング80の材料は、第2止水リング70の材料よりも耐摩耗性が高いゴムであってもよい。これにより、ドリルビット10に接触する第1止水リング80の耐久性を良好にできる。
【0054】
以下の態様のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
【0055】
[態様1]
穿孔対象の被穿孔箇所を囲繞した状態で穿孔装置のドリルビットを位置決めして前記被穿孔箇所に前記ドリルビットの先端部の刃先を案内する位置決めガイド装置であって、
前記穿孔対象の前記被穿孔箇所の周囲の面に当接するための前面と、前記前面の反対側の背面と、前記被穿孔箇所に臨むように前記前面から前記背面に延びた貫通穴と、前記ドリルビットの前記先端部から吐出される冷却液を排出するように、前記貫通穴を画定する内面から外面に延びた排出流路と、を有する位置決めガイドと、
前記位置決めガイドと前記ドリルビットとの間の隙間を封止するように前記位置決めガイドに取り付けられた止水リングと、を備え、
前記貫通穴の延在方向から見て、前記止水リングの内側空間は前記貫通穴よりも小さく、
前記止水リングは、前記排出流路のうち前記貫通穴に臨む入口よりも前記前面から離れて配置されている、冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
[態様2]
前記止水リングは、第1止水リングであり、
前記位置決めガイドは、
前記前面と、前記背面と、前記前面から前記背面に延びた挿通空間と、を有するガイド本体と、
挿通孔を有し、前記ガイド本体の前記挿通空間に嵌合する金属製のブッシュと、
前記ガイド本体と前記ブッシュとの間に介在する第2止水リングと、を含み、
前記第1止水リングは、前記ブッシュの内周面に嵌合しており、
前記位置決めガイドの前記貫通穴は、前記ブッシュの前記挿通孔を含む、態様1に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
[態様3]
前記ブッシュは、前記貫通穴の前記延在方向において前記ガイド本体よりも短く、
前記ガイド本体の内周面は、前記ブッシュから露出した露出領域を含み、
前記位置決めガイドの前記貫通穴は、前記ガイド本体の挿通空間のうち前記ガイド本体の前記内周面の前記露出領域によって画定される部分を更に含む、態様2に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
[態様4]
前記ガイド本体は、前記排出流路を有し、
前記ブッシュは、前記排出流路の前記入口よりも前記前面から離れて配置されている、態様2又は3に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
[態様5]
前記ブッシュは、前記被穿孔箇所に向く先端面を有し、
前記ブッシュの前記先端面は、その外周領域において前記ガイド本体の前記前面から離れる向きに傾斜したテーパ部を有する、態様2乃至4のいずれか1態様に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
[態様6]
前記ブッシュは、
円筒部と、
前記第1止水リングよりも前記位置決めガイドの前記前面に近い位置で、前記円筒部から径方向内方に突出する抜止め凸部と、
前記第1止水リングよりも前記位置決めガイドの前記前面から離れた位置で、前記円筒部の内周面を径方向外方に凹ませて周方向に延びた環状溝部と、を有し、
前記位置決めガイドは、前記第1止水リングを前記抜止め凸部との間で挟むように前記環状溝部に嵌める抜止め具を更に有する、態様2乃至5のいずれか1態様に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
[態様7]
前記ガイド本体の前記背面は、前記挿通空間に隣接した内周部において前記前面に向けて凹んだ段差を有し、
前記第2止水リングは、前記ブッシュの前記円筒部の外周面に接触するように前記段差に配置され、
前記ブッシュは、前記円筒部から径方向外方に突出したフランジ部を更に有し、
前記第2止水リングは、前記貫通穴の前記延在方向において前記ガイド本体の前記段差と前記ブッシュの前記フランジ部との間に配置されている、態様6に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
[態様8]
前記ガイド本体は、前記第2止水リングを避けた位置において前記ガイド本体の外面から内面に延びた固定孔を更に有し、
前記位置決めガイドは、前記ガイド本体の前記固定孔に挿通して前記ブッシュを前記ガイド本体に対して固定する固定具を更に有する、態様2乃至7のいずれか1態様に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
[態様9]
前記止水リングは、フッ素ゴムを含む、態様1乃至8のいずれか1態様に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
[態様10]
前記第1止水リングの材料は、前記第2止水リングの材料と耐摩耗性が同じゴム、又は前記第2止水リングの材料よりも耐摩耗性が高いゴムである、態様2乃至9のいずれか1態様に記載の冷却液供給機能付き穿孔装置用の位置決めガイド装置。
[態様11]
態様1乃至10のいずれか1態様に記載の前記位置決めガイド装置と、
穿孔装置と、を備え、
前記穿孔装置は、
前記位置決めガイド装置により位置決めされて穿孔対象の被穿孔箇所に先端部の刃先が案内されるドリルビットを回転駆動するドリル駆動装置と、
前記ドリル駆動装置を前記位置決めガイド装置に接続する支持構造と、
前記ドリルビットの前記先端部に冷却液を供給する冷却液供給装置と、を有する、穿孔装置アッセンブリ。
【符号の説明】
【0056】
1 穿孔装置アッセンブリ
2 穿孔装置
3 位置決めガイド装置
10 ドリルビット
11 先端部
13a 刃先
20 電動モータ
21 ドリル駆動装置
30 支持構造
35 冷却液供給装置
40 位置決めガイド
41 貫通穴
50 ガイド本体
51 前面
52 背面
52a 段差
54 露出領域
55 挿通空間
56 排出流路
56a 入口
58 固定孔
60 ブッシュ
61 挿通孔
62 円筒部
63 抜止め凸部
64 環状溝部
65 フランジ部
66 先端面
66a テーパ部
70 第2止水リング
71 抜止め具
72 固定具
80 第1止水リング(止水リング)
P 液吐出口
WA、WB 穿孔対象
WAa、WBa 被穿孔箇所