(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025029495
(43)【公開日】2025-03-06
(54)【発明の名称】液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/015 20060101AFI20250227BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
B41J2/015 101
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134207
(22)【出願日】2023-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】324006865
【氏名又は名称】理想テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】ウォン メンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】原田 蒼太
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056EA06
2C056EC07
2C056EC37
2C056FA04
2C057AF25
2C057AF40
2C057AG45
2C057AM19
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】濃度ムラの発生を抑制できる液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの制御方法を提供すること。
【解決手段】液体吐出ヘッドは、複数の圧力室の容積を可変するアクチュエータと、複数のノズルが形成されるノズルプレートと、複数の電極と、駆動回路と、を備える。駆動回路は、複数の電極が電気的に独立してそれぞれ接続される、複数の電極に圧力室を駆動する駆動波形を生成する。複数のノズルは、いくつかのノズル毎にグループ分けされる。駆動回路は、圧力室の駆動タイミングをグループ毎に主ディレイ時間と副ディレイ時間の和により設定される異なる遅延時間でずらす。副ディレイ時間は、互いに隣接するグループ分けされたノズルのノズル番号に対して、一定周期の三角波状に設定され、周期内の副ディレイ時間の最小値と最大値に対して、最小値から最大値に単調に増加し、最大値から最小値に単調に減少し、増加幅と減少幅は同じである。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の圧力室と、
前記複数の圧力室の容積を可変するアクチュエータと、
前記複数の圧力室と対応する複数のノズルが形成されるノズルプレートと、
前記複数の圧力室にそれぞれ対応する複数の電極と、
前記複数の電極が電気的に独立してそれぞれ接続される、前記複数の電極に前記圧力室を駆動する駆動波形を生成する駆動回路と、
を備え、
前記複数のノズルは、いくつかの前記ノズル毎にグループ分けされ、
前記駆動回路は、前記圧力室の駆動タイミングを前記グループ毎に主ディレイ時間と副ディレイ時間の和により設定される異なる遅延時間でずらし、
前記副ディレイ時間は、互いに隣接する前記グループ分けされる前記ノズルのノズル番号に対して、一定周期の三角波状に設定され、周期内の前記副ディレイ時間の最小値と最大値に対して、前記最小値から前記最大値に単調に増加し、前記最大値から前記最小値に単調に減少する、液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記主ディレイ時間は、互いに隣接する前記ノズル番号に対して、奇数番号ノズルと偶数番号ノズルの間で設定されている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
隣接する前記ノズルの前記遅延時間は、2.6μs乃至2.8μsの範囲にある、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置。
【請求項5】
複数の圧力室と、前記複数の圧力室の容積を可変するアクチュエータと、前記複数の圧力室と対応する複数のノズルが形成されるノズルプレートと、前記複数の圧力室にそれぞれ対応する複数の電極と、前記複数の電極が電気的に独立してそれぞれ接続される駆動波形を生成する駆動回路と、を備え、前記複数のノズルは、いくつかの前記ノズル毎にグループ分けされる液体吐出ヘッドの制御方法であって、
前記圧力室の駆動タイミングを前記グループ毎に主ディレイ時間と副ディレイ時間の和により設定される異なる遅延時間でずらし、前記複数の電極に前記圧力室を駆動する、
前記副ディレイ時間は、互いに隣接する前記グループ分けされる前記ノズルのノズル番号に対して、一定周期の三角波状に設定され、周期内の前記副ディレイ時間の最小値と最大値に対して、前記最小値から前記最大値に単調に増加し、前記最大値から前記最小値に単調に減少する、液体吐出ヘッドの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の圧電式のインクジェットヘッドの駆動方法において、複数のノズルをグループ分けして、駆動タイミングをグループ毎に異なる遅延時間でずらす技術が知られている。このインクジェットヘッドの駆動方法は、同時駆動時の電流の集中を回避し、なおかつ構造的あるいは流体的なノズル間の相互干渉、すなわちクロストークを低減することができる。この技術において、遅延時間は、主ディレイ時間(遅延量)と副ディレイ時間(ずらし時間)の和により設定されている。しかしながら、この技術は、副ディレイ時間がノズルの配列方向に対して不連続となるノコギリ波状であることから、1次元のノズル配置のインクジェットヘッドに適用した場合、不連続な箇所で濃度ムラが発生しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によれば、隣接するノズル間の駆動タイミングに大きな変化が生じることを抑制し、濃度ムラの発生を抑制できる液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの制御方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る液体吐出ヘッドは、複数の圧力室と、アクチュエータと、ノズルプレートと、複数の電極と、駆動回路と、を備える。アクチュエータは、前記複数の圧力室の容積を可変する。ノズルプレートは、前記複数の圧力室と対応する複数のノズルが形成される。複数の電極は、前記複数の圧力室の内面にそれぞれ形成される。駆動回路は、前記複数の電極が電気的に独立してそれぞれ接続される、前記複数の電極に前記圧力室を駆動する駆動波形を生成する。前記複数のノズルは、いくつかの前記ノズル毎にグループ分けされる。前記駆動回路は、前記圧力室の駆動タイミングを前記グループ毎に主ディレイ時間と副ディレイ時間の和により設定される異なる遅延時間でずらす。前記副ディレイ時間は、互いに隣接する前記グループ分けされた前記ノズルのノズル番号に対して、一定周期の三角波状に設定され、周期内の前記副ディレイ時間の最小値と最大値に対して、前記最小値から前記最大値に単調に増加し、前記最大値から前記最小値に単調に減少し、増加幅と減少幅は同じである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成を示す斜視図。
【
図2】実施形態に係る液体吐出ヘッドのヘッド本体の要部構成を示す斜視図。
【
図3】実施形態に係る液体吐出ヘッドのヘッド本体の要部構成を示す断面図。
【
図4】実施形態に係る液体吐出ヘッドの回路基板の構成をブロック図。
【
図5】実施形態に係る液体吐出ヘッドの、グループ毎のノズルの異なる駆動タイミングの駆動波形の一例を示す説明図。
【
図6】実施形態に係る液体吐出ヘッドの主ディレイ時間の一例を示す説明図。
【
図7】実施形態に係る主ディレイ時間及び副ディレイ時間の一例を示す説明図。
【
図8】実施形態に係る主ディレイ時間、副ディレイ時間、遅延時間の一例を示す説明図。
【
図9】従来技術の液体吐出ヘッドの主ディレイ時間及び副ディレイ時間の一例を示す説明図。
【
図10】実施形態に係る液体吐出ヘッドを用いる液体吐出装置の構成を概略的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態に係る液体吐出ヘッド1及び液体吐出ヘッド1を用いた液体吐出装置2について、
図1乃至
図10を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る液体吐出ヘッド1の構成を示す斜視図であり、
図2は、液体吐出ヘッド1のヘッド本体11の要部構成を示す斜視図であり、
図3は、ヘッド本体11の要部構成を示す断面図である。
図4は、液体吐出ヘッド1の回路基板13の構成をブロック図であり、
図5は、液体吐出ヘッド1の、グループ毎のノズル1141の異なる駆動タイミングの駆動波形の一例を示す説明図である。
図6は、液体吐出ヘッド1の主ディレイ時間の最適時間差の一例を示す説明図であり、
図7は、主ディレイ時間及び副ディレイ時間の一例を示す説明図であり、
図8は、主ディレイ時間、副ディレイ時間、遅延時間の一例を示す説明図である。
図9は、従来技術として、実施形態と比較する比較例に係る液体吐出ヘッドの主ディレイ時間及び副ディレイ時間の一例を示す説明図である。
図10は、実施形態に係る液体吐出ヘッド1を用いた液体吐出装置2の構成を概略的に示す説明図である。なお、各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
【0008】
液体吐出ヘッド1は、例えば、液体としてインクを紙葉類等の記録媒体に吐出する、例えばシェアモードのインクジェットヘッドである。液体吐出ヘッド1は、
図10に示すインクジェット記録装置などの液体吐出装置2に設けられる。液体吐出ヘッド1は、液体吐出装置2に設けられた液体収容部としての供給タンク2132を含むヘッドユニット2130に設けられる。
【0009】
液体吐出ヘッド1は、供給タンク2132に貯留された液体としてのインクが供給される。なお、液体吐出ヘッド1は、インクを循環させない非循環式のヘッドであってもよく、また、インクを循環させる循環式のヘッドであってもよい。また、液体吐出ヘッド1は、液体吐出装置2に設けられた温調装置2116に接続され、インクの温度制御を行う温調用液体(温調水)が供給される。
【0010】
図1に示すように、液体吐出ヘッド1は、ヘッド本体11と、マニフォールドユニット12と、回路基板13と、を備える。例えば、液体吐出ヘッド1は、アクチュエータ113を一対有するヘッド本体11を一対有する、サイドシュータタイプの4列一体構造ヘッドである。
【0011】
ヘッド本体11は、液体を吐出する。
図1乃至
図3に示すように、ヘッド本体11は、基板111と、枠部材112と、複数の圧力室1131及び複数の空気室1132を有するアクチュエータ113と、ノズルプレート114と、基板111及びアクチュエータ113に形成された電極115と、を備える。ヘッド本体11は、基板111、枠部材112及びノズルプレート114により共通液室116を形成し、そして、共通液室116にアクチュエータ113を配することで、複数の圧力室1131と共通液室116とを流体的に連通させる。
【0012】
本実施形態の例においては、ヘッド本体11が一対のアクチュエータ113を有し、共通液室116は、一対のアクチュエータ113にそれぞれ形成された複数の圧力室1131の両端と連通する例を用いて説明する。
【0013】
基板111は、例えばセラミックス材料により矩形板状に形成される。基板111は、例えば、一方向に長い矩形状に形成される。基板111の一面には、電極115の一部を形成する配線パターンが形成される。具体例として、基板111の一面には、電極115の後述する複数の個別電極118の一部となる配線パターン、及び、単数の共通電極119の一部となる配線パターンが形成される。基板111の一面には、基板111の短手方向に並んで一対のアクチュエータ113が設けられる。基板111の一面とは、基板111の一方の主面である。基板111は、例えば、単数又は複数の供給口1111と、複数の排出口1112と、を有する。供給口1111及び排出口1112は、基板111に形成された、基板111の両主面間を貫通する貫通孔である。
【0014】
供給口1111は、インクを共通液室116に供給する入口である。供給口1111は、基板111の短手方向の中央に形成される貫通孔である。供給口1111は、基板111の長手方向に沿って延びる。換言すると、供給口1111は、例えば、アクチュエータ113の長手方向及び共通液室116の長手方向に沿って一方向に長い長孔である。供給口1111は、一対のアクチュエータ113の間に設けられ、共通液室116と対向する位置に開口する。
【0015】
排出口1112は、インクを共通液室116から排出する出口である。排出口1112は、複数設けられる。各排出口1112は、共通液室116に設けられる。
【0016】
枠部材112は、基板111の一方の主面に接着剤等により固定される。枠部材112は、基板111に設けられた供給口1111、複数の排出口1112、及び、アクチュエータ113を囲う。例えば、枠部材112は、段構造を有する。
【0017】
例えば、枠部材112は、矩形枠状に形成されることで、枠部材112の長手方向に沿って一方向に長い開口を形成する。枠部材112の開口には、一対のアクチュエータ113、供給口1111及び四つの排出口1112が配置される。なお、液体吐出ヘッド1が循環式の場合には、
図2に示すような排出口1112を設けるが、非循環式の場合には、
図2に示すような排出口1112を設けない。
【0018】
一対のアクチュエータ113は、基板111の実装面に接着される。一対のアクチュエータ113は供給口1111を挟んで二列に並んで基板111に設けられる。アクチュエータ113は、一方向に長い板状に形成される。アクチュエータ113は、枠部材112の開口内に配置され、基板111の主面に接着される。
【0019】
図1乃至
図3に示すように、アクチュエータ113は、長手方向に等間隔に配置された複数の圧力室1131と、長手方向に等間隔に複数配置されるとともに、隣り合う圧力室1131の間に配置された空気室1132と、を有する。換言すると、アクチュエータ113には、長手方向に沿って、複数の圧力室1131及び複数の空気室1132が交互に配置される。
【0020】
アクチュエータ113の基板111とは反対側の面は、ノズルプレート114に接着される。アクチュエータ113は、長手方向に等間隔に並んで配置され、長手方向に直交する方向に沿う複数の溝1133が形成される。複数の溝1133は、複数の圧力室1131と、複数の空気室1132と、を形成する。即ち、複数の溝1133は、複数の圧力室1131を構成する複数の圧力溝と、複数の空気室1132を構成する複数の空気溝とを含む。換言すると、アクチュエータ113は、長手方向に等間隔に並んで配置され、間に溝1133を形成する壁を構成する駆動素子である複数の圧電体1134を有する。複数の圧電体1134は、隣り合う圧電体1134の間に複数の圧力室1131及び複数の空気室1132を形成し、駆動電圧が印加されることで、圧力室1131の容積を変化させる。
【0021】
アクチュエータ113は、例えば、短手方向の幅が、ノズルプレート114に固定される頂部側から基板111側に向かって漸次大きくなる。アクチュエータ113の長手方向に直交する方向(短手方向)に沿った断面の断面形状は、台形状に形成される。即ち、アクチュエータ113の短手方向の側面は、所定の角度で傾斜する傾斜面である。
【0022】
具体例として、
図3に示すように、アクチュエータ113は、一方向に長い矩形板状の二枚の圧電材料1135を、互いの分極方向が逆向きとなるように対向して接着した積層圧電部材により形成される。ここで、圧電材料1135は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)である。アクチュエータ113は、例えば熱硬化性を有するエポキシ系接着剤によって基板111の実装面に接着される。そして、アクチュエータ113は、例えば、切削加工等によって、傾斜面を構成する。また、併せて、基板111及びアクチュエータ113は、例えば、研磨加工によって、電極115の複数の個別電極118及び共通電極119がパターニングされる表面が研磨され、研磨面が形成される。例えば、研磨面は、アクチュエータ113の傾斜面及び傾斜面の麓の基板111上に形成される。また、アクチュエータ113は、例えば、切削加工により、複数の圧力室1131及び複数の空気室1132を形成する複数の溝1133が形成され、隣り合う溝1133の間を区切る側壁である圧電体(駆動素子)1134が形成される。
【0023】
また、アクチュエータ113には、複数の個別電極118の一部となる配線パターン、及び、単数又は複数の共通電極119の一部となる配線パターンが形成される。
【0024】
圧力室1131は、液体吐出ヘッド1による印字等の動作時に、変形することで、インクをノズル1141から噴射させる。圧力室1131は、アクチュエータ113の短手方向の開口のそれぞれが共通液室116に開口し、圧力室1131に対するインクの流入及び流出が可能に形成される。
【0025】
空気室1132は、アクチュエータ113に形成された空気溝の長手方向の両側が、感光性樹脂等により形成された樹脂壁である防液壁1136によって塞がれることで、共通液室116と隔てられる。具体例として、空気室1132の防液壁1136は、空気室1132を形成する溝内に紫外線硬化樹脂を注入した後、マスクプレート等を用いて、必要な部分、例えば、溝1133の共通液室116と隣接する両端部に紫外線を照射することで形成される。このような防液壁1136は、空気室1132へのインクの侵入を防止する。また、防液壁1136は、アクチュエータ113の空気室1132内に形成された共通電極119上に形成される。また、空気室1132は、ノズルプレート114によって塞がれ、ノズル1141が配置されない。よって、空気室1132には、インクが流入しない。
【0026】
ノズルプレート114は、板状に形成される。ノズルプレート114は、枠部材112の基板111とは反対側の主面に接着剤等により固定される。ノズルプレート114は、複数の圧力室1131と対向する位置に形成された複数のノズル1141を有する。本実施形態において、ノズルプレート114は、複数のノズル1141が一方向に並ぶノズル列1142を二列有する。即ち、液体吐出ヘッド1は、一つのアクチュエータ113に対して複数の圧力室1131及び複数の圧力室1131に対応する複数のノズル1141が一方向に並ぶ、一次元のノズル配置である。
【0027】
電極115は、金属材料により膜状に形成された電極膜(金属膜)である。
図2及び
図3に示すように、電極115は、例えば、複数の圧力室1131のそれぞれに接続する複数の個別電極118と、複数の空気室1132の全て又はいくつかに接続する単数又は複数の共通電極119と、を有する。
【0028】
電極115は、基板111の上面及びアクチュエータ113の傾斜面に形成されるとともに、複数の圧力室1131及び複数の空気室1132の底面及び側面に形成される。
【0029】
複数の個別電極118は、複数の圧力室1131の内面に形成された電極115に個別に駆動電圧を印加する。駆動電圧が印加されると、隣接する空気室1132の内面に形成され共通電極119との間に電圧が生じ、圧電体1134が変形する。すなわち、複数の個別電極118は、各圧力室1131を個別に変形させる。
図2及び
図3に示すように、個別電極118は、基板111に形成された配線パターンと、アクチュエータ113の傾斜面に形成された配線パターン、圧力室1131の内面としての底面及び側面に形成された配線パターンにより形成される。複数の個別電極118は、回路基板13に接続される。
【0030】
共通電極119は、空気室1132の内面に形成された電極115に電気的に接続する。
図2及び
図3に示すように、共通電極119は、基板111に形成された配線パターン及びアクチュエータ113に形成された配線パターンにより形成される。共通電極119は、基板111上の複数の個別電極118が形成された領域を避けた所定の領域、アクチュエータ113の複数の個別電極118が形成された傾斜面とは反対側の傾斜面、及び、複数の空気室1132の底面及び側面に渡って形成された配線パターンである。なお、共通電極119は、さらに、基板111のアクチュエータ113が設けられる面とは反対側の面、及び、基板111の供給口1111の内周面にも形成されていてもよい。共通電極119は、回路基板13に接続される。
【0031】
マニフォールドユニット12は、マニフォールドと、天板と、インク供給管と、インク排出管と、を備える。マニフォールドユニット12は、各構成を一体に組み立てることで、内部に、一次側から供給口1111を介して共通液室116へとインクを供給し、そして、共通液室116から排出口1112を介して二次側へインクを排出する流路を形成する。
【0032】
図1に示すように、回路基板13は、一端が基板111の接続部に接続される配線フィルム131と、配線フィルム131に搭載された駆動IC132と、配線フィルム131の他端に実装されたプリント配線基板133と、を備える。
【0033】
回路基板13は、例えば、複数の個別電極(電極)118に電気的に独立してそれぞれ接続されるドライバ回路138を含む駆動IC132等に形成された駆動回路により駆動電圧をアクチュエータ113の配線パターンに印加することでアクチュエータ113を駆動し、圧力室1131の容積を増減させて、ノズル1141から液滴を吐出させる。
【0034】
配線フィルム131は、複数の個別電極118及び共通電極119に接続される。例えば、配線フィルム131は、基板111の接続部に熱圧着等により固定されるACF(異方導電性フィルム)である。接続される配線フィルム131は、例えば、一つのヘッド本体11に対して複数設けられる。本実施形態においては、配線フィルム131は、1つのアクチュエータ113に2つ連結される。配線フィルム131は、例えば、駆動IC132が実装されたCOF(Chip on Film)である。
【0035】
駆動IC132は、配線フィルム131を介して複数の個別電極118及び共通電極119に接続される。なお、駆動IC132は、配線フィルム131ではなく、ACP(異方導電ペースト)、NCF(非導電性フィルム)、及びNCP(非導電性ペースト)のような他の手段によって、複数の個別電極118及び共通電極119に接続されても良い。
【0036】
例えば、駆動IC132は、駆動回路として、
図4に示すように、印字トリガが入力されたときに、複数の圧力室1131を駆動するときの第1の遅延時間、第2の遅延時間を生成する遅延時間生成回路135、各圧力室1131を駆動する駆動波形を生成する複数の駆動波形生成回路1361を含む駆動波形生成回路136、印字データを記憶する印字データ記憶回路137、及び、複数の圧力室1131を駆動するドライバ回路138を含む。なお、遅延時間生成回路135、駆動波形生成回路136、印字データ記憶回路137及びドライバ回路138は、回路基板13に設けられる構成であればよく、例えば、一部が駆動IC132に形成され、他の一部が回路基板13の他の構成、例えば、プリント配線基板133等に形成されていてもよく、全部が駆動IC132以外の回路基板13の構成に形成されていてもよい。
【0037】
例えば、駆動IC132は、印字トリガ信号を受けると、駆動波形を発生させ、アクチュエータ113の個別電極118の電圧を変化することで、対応する圧力室1131の圧電体1134を変形させる。これにより、圧力室1131の容積が変化して圧力室1131内部のインクが加圧され、ノズル1141からインクが吐出する。
【0038】
また、複数のノズル1141(複数の圧力室1131)は、いくつかのノズル1141毎に所定の数にグループ分けされている。そして、駆動IC132は、
図5に示す駆動波形のように、印字トリガに対して、予め定められたグループ分けされたノズル1141毎に、異なる駆動タイミングの駆動波形を出力し、圧力室1131を駆動する。例えば、複数のノズル1141が8グループにグループ分けされる例を用いて説明すると、駆動IC132は、印字トリガに対して、異なる8種類のタイミングで、8ノズル周期で駆動タイミングを設定する。なお、グループ数は、8グループに限定されず、2以上であれば、偶数であっても奇数であってもよい。また、駆動タイミングは、主ディレイ時間と副ディレイ時間の和により決定される。
【0039】
なお、ここで、nグループに複数のノズル1141をグループ分けする場合においては、所定の位置のノズル1141を1番目(基準)としたときに、1番目のノズル1141のノズル番号をni、2番目のノズル1141のノズル番号をni+1、3番目のノズル1141のノズル番号をni+2、n番目のノズル1141のノズル番号をni+(n-1)、とし、(n-1)の数が0又は偶数のノズル1141を偶数番号のノズル1141(偶数番号ノズル)とし、(n-1)の数が奇数のノズル1141を奇数番号のノズル1141(奇数番号ノズル)として、以下説明する。
【0040】
主ディレイ時間は、1種類である。例えば、偶数番号のノズル1141に対して、奇数番号のノズル1141の主ディレイ時間(第1の遅延時間)が設定される。例えば、主ディレイ時間は、奇数番号のノズル1141に対応する圧力室1131の個別電極118に接続される遅延時間生成回路135の第1の遅延時間生成回路1351により生成される。例えば、第1の遅延時間の最適値は、奇数番号のノズル1141と偶数番号のノズル1141を同時に駆動した時、各々の吐出速度が同じになる時間であり、本実施形態の例では
図6及び
図8に示すように、最適時間差は2.7μsである。すなわち、ここで、グループ分けされた複数のノズル1141は、奇数、偶数が交互に並ぶことから、隣接するノズル1141の間の時間差(主ディレイ時間)が2.7μsの時、構造的あるいは流体的なノズル1141間のクロストークによる吐出速度のバラツキを最小化できる。
【0041】
副ディレイ時間は、
図7に示すように、互いに隣接するノズル番号に対して、一定周期の三角波状に設定される。三角波状とは、すなわち、周期内の副ディレイ時間の最小値と最大値に対して、最小値から最大値に単調に増加し、最大値から最小値に単調に減少し、増加幅と減少幅は同じであることを意味する。また、副ディレイ時間は、最小値が隣接する2つのノズル1141において設定され、同様に、最大値が隣接する2つのノズル1141において設定される。例えば、副ディレイ時間は、各ノズル1141に対応する圧力室1131の個別電極118に接続される遅延時間生成回路135の各第2の遅延時間生成回路1352により生成される。
【0042】
例えば、
図8に示すように、周期が8ノズルで、副ディレイ時間の時間差が0.1μsの場合の各ノズル1141における遅延時間の最小値は0μsであり、最大値が0.3μsである。そして、ノズル番号8iにおける副ディレイ時間(第2の遅延時間)は0μs、ノズル番号8i+1において副ディレイ時間は0μs、ノズル番号8i+2において副ディレイ時間は0.1μs、ノズル番号8i+3において副ディレイ時間は0.2μs、ノズル番号8i+4において副ディレイ時間は0.3μs、ノズル番号8i+5において副ディレイ時間は0.3μs、ノズル番号8i+6において副ディレイ時間は0.2μs、ノズル番号8i+7において副ディレイ時間は0.1sとなる。このように、最小値の副ディレイ時間及び最大値の副ディレイ時間は、隣接する二つのノズル1141に設定され、最小値から最大値、及び、最大値から最小値に向かって、設定された副ディレイの時間差で最小値及び最大値以外の副ディレイ時間が設定される。
【0043】
そして、駆動タイミングとして各ノズル1141における遅延時間は、グループ毎に主ディレイ時間と副ディレイ時間の和により設定されることから、
図8に示すように、遅延時間は、0μs、0.1μs、0.2μs、0.3μs、2.7μs、2.8μs、2.9μs、3.0μsの8種類のタイミングに分散され、同時駆動時の電流の集中が効果的に低減される。そして、隣接するノズル1141との時間差は2.6μs~2.8μsの範囲となる。
【0044】
即ち、各ノズル1141における主ディレイ時間と副ディレイ時間の和である遅延時間(駆動タイミング)は、ノズル番号8iにおいて0μsとしたときに、ノズル番号8i+1において副ディレイ時間は2.7μs、ノズル番号8i+2において副ディレイ時間は0.1μs、ノズル番号8i+3において副ディレイ時間は2.9μs、ノズル番号8i+4において副ディレイ時間は0.3μs、ノズル番号8i+5において副ディレイ時間は3.0μs、ノズル番号8i+6において副ディレイ時間は0.2μs、ノズル番号8i+7において副ディレイ時間は2.8sとなる。このように、隣り合うノズル1141は、
図6に示す偶数及び奇数のノズル1141における最適時間差である主ディレイ時間(2.7μs)に対して±0.1μsの範囲で駆動タイミングが設定されるため、クロストークによる吐出速度のバラツキを最小化できる。また、隣接するノズル1141の間の時間差に大きな変化がないので、隣接するノズル1141間の濃度ムラの発生を抑制できる。
【0045】
このように、駆動回路を含む駆動IC132は、印字トリガ信号を受けると、予め定められたグループ分けされたノズル1141毎に、
図6乃至
図8に示す偶数と奇数のノズル1141における最適時間差に基づいた主ディレイ時間及び
図7及び
図8に示す三角波状の副ディレイ時間に基づいて、
図8に示す異なる駆動タイミング(遅延時間)で駆動波形を生成する。そして、駆動IC132は、
図5に示すように、異なる駆動タイミングで各ノズル1141に対応する個別電極118に駆動波形生成し、対応する圧力室1131の個別電極118に駆動波形を印加する。即ち、駆動IC132は、異なる駆動タイミングで対応する圧力室1131の圧電体1134を変形させることで、対応する圧力室1131の容積を変化させ、インクを吐出させる。なお、
図5において、Td1は、主ディレイ時間であり、Td2は、副ディレイ時間の時間差であり、Tcは、吐出動作の1サイクルである。
【0046】
プリント配線基板133は、各種電子部品やコネクタが搭載されたPWA(Printing Wiring Assembly)である。
【0047】
このように構成された液体吐出ヘッド1は、印字トリガ信号を受けた駆動IC132が、予め定められたグループ分けされたノズル1141毎に、
図6乃至
図8に示す偶数と奇数のノズル1141における最適時間差に基づいた主ディレイ時間及び
図7及び
図8に示す三角波状の副ディレイ時間に基づいて、
図8に示す異なる駆動タイミング(遅延時間)で、印字データに基づく駆動波形を生成する。そして、駆動IC132は、
図5に示すように、異なる駆動タイミングで各ノズル1141に対応する個別電極118に駆動波形を印加する。このように、駆動IC132の駆動回路は、制御方法として、アクチュエータ113の圧力室1131を、異なる駆動タイミングで駆動制御する。
【0048】
即ち、駆動IC132は、異なる駆動タイミングで対応する圧力室1131の圧電体1134を変形させることで、対応する圧力室1131の容積を変化させ、インクを吐出させる。そして、液体吐出ヘッド1は、隣接するノズル1141の間の主ディレイ時間を最適時間差とすることで、構造的あるいは流体的なノズル1141間のクロストークによる吐出速度のバラツキを最小化できる。また、液体吐出ヘッド1は、副ディレイ時間を隣接するノズル番号に対して、一定周期の三角波状に設定することで、隣り合うノズル1141の遅延時間(駆動タイミング)は、主ディレイ時間(2.7μs)に対して±0.1μsの範囲で駆動タイミングが設定されるため、クロストークによる吐出速度のバラツキを最小化できる。また、隣接するノズル1141の間の時間差に大きな変化がないので、隣接するノズル1141間の濃度ムラの発生を抑制できる。即ち、
図9に示す従来技術のように副ディレイ時間がノズルの配列方向に対して不連続(ノコギリ波状)であると、隣接するノズルとの時間差に大きな変化が生じ、隣接するノズル間の濃度むらが生じる。これらのように、1次元のノズル配置とした液体吐出ヘッド1は、
図9に示すような、従来技術の副ディレイ時間がノズルの配列方向に対して不連続(ノコギリ波状)である構成と比較して、実施形態の駆動タイミングを用いることで、濃度ムラの発生を抑制できる。
【0049】
以上説明した実施形態の液体吐出ヘッド1によれば、グループ分けしたノズル1141を、主ディレイ時間を最適時間差に設定し、副ディレイ時間を三角波状に設定したグループ毎に異なる駆動タイミングで圧力室1131(圧電体1134)を駆動制御する。これにより、液体吐出ヘッド1は、隣接するノズル1141間の駆動タイミングに大きな変化が生じることを抑制し、濃度ムラの発生を抑制できる。
【0050】
以下、液体吐出ヘッド1を有する液体吐出装置2について、
図10を参照して説明する。液体吐出装置2は、インクを吐出するインクジェット記録装置である。液体吐出装置2は、筐体2111と、媒体供給部2112と、画像形成部2113と、媒体排出部2114と、支持装置である搬送装置2115と、温調装置2116と、メンテナンス装置2117と、制御部2118と、を備える。また、液体吐出装置2は、液体吐出ヘッド1に供給するインクの温度を調整する温調装置を備えている。
【0051】
液体吐出装置2は、媒体供給部2112から画像形成部2113を通って媒体排出部2114に至る所定の搬送路2001に沿って、吐出対象物である記録媒体として例えば用紙Pを搬送しながらインク等の液体を吐出することで、用紙Pに画像形成処理を行うインクジェットプリンタである。
【0052】
媒体供給部2112は複数の給紙カセット21121を備える。画像形成部2113は、用紙を支持する支持部2120と、支持部2120の上方に対向配置された複数のヘッドユニット2130と、を備える。媒体排出部2114は、排紙トレイ21141を備える。
【0053】
支持部2120は、画像形成を行う所定領域にループ状に備えられる搬送ベルト21201と、搬送ベルト21201を裏側から支持する支持プレート21202と、搬送ベルト21201の裏側に備えられた複数のベルトローラ21203と、を備える。
【0054】
ヘッドユニット2130は、複数のインクジェットヘッドである液体吐出ヘッド1と、各液体吐出ヘッド1上にそれぞれ搭載された液体タンクとしての複数の供給タンク2132と、インクを供給するポンプ2134と、液体吐出ヘッド1と供給タンク2132とを接続する接続流路2135と、を備える。
【0055】
本実施形態において、液体吐出ヘッド1としてシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4色の液体吐出ヘッド1と、これらの各色のインクをそれぞれ収容する4色の供給タンク2132を備える。供給タンク2132は接続流路2135によって液体吐出ヘッド1に接続される。
【0056】
ポンプ2134は、例えば圧電ポンプで構成される送液ポンプである。ポンプ2134は、制御部2118に接続され、制御部2118により駆動制御される。
【0057】
接続流路2135は、液体吐出ヘッド1のインク供給管123に接続される供給流路を備える。また、接続流路2135は、液体吐出ヘッド1のインク排出管に接続される回収流路を備える。例えば、液体吐出ヘッド1が非循環式の場合には、回収回路は、メンテナンス装置2117に接続され、液体吐出ヘッド1が循環式の場合には、回収流路は、供給タンク2132に接続される。
【0058】
搬送装置2115は、媒体供給部2112の給紙カセット21121から画像形成部2113を通って媒体排出部2114の排紙トレイ21141に至る搬送路2001に沿って、用紙Pを搬送する。搬送装置2115は、搬送路2001に沿って配置される複数のガイドプレート対21211~21218と、複数の搬送用ローラ21221~21228と、を備えている。搬送装置2115は、用紙Pを液体吐出ヘッド1に相対移動可能に支持する。
【0059】
温調装置2116は、温調水タンク21161、温調水を供給する配管やチューブ等の温調用回路21162、温調水を供給するポンプ及び温調水の温度を調整する温調器等を有する。温調装置2116は、温調器で所定の温度に調整した温調水タンク21161の温調水を、ポンプの送水によって温調用回路21162を介して液体吐出ヘッド1の温調水供給管に供給する。また、温調装置2116は、マニフォールドユニット12を通って温調水排出管から排出された水を、温調用回路21162を介して温調水タンク21161に回収する。なお、温調器は、例えば、ヒーターやクーラーである。また、温調装置2116は、液体吐出ヘッド1に供給するインクの温度を調整する構成としてもよい。
【0060】
メンテナンス装置2117は、例えば、メンテナンス時にノズルプレート114の外面に残存するインクを吸引し、回収する。また、液体吐出ヘッド1が非循環式である場合には、メンテナンス装置2117は、メンテナンス時に、ヘッド本体11内のインクを回収する。このようなメンテナンス装置2117は、回収したインクを貯留するトレイやタンク等を有する。
【0061】
制御部2118は、プロセッサの一例としてのCPU21181と、各種のプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)、各種の可変データや画像データなどを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等のメモリと、外部からのデータの入力及び外部へのデータの出力をするインターフェイス部と、を備える。
【0062】
以上説明した実施形態の液体吐出装置2によれば、グループ分けしたノズル1141を、主ディレイ時間を最適時間差に設定し、副ディレイ時間を三角波状に設定したグループ毎に異なる駆動タイミングで駆動制御することで、隣接するノズル1141間の駆動タイミングに大きな変化が生じることを抑制し、濃度ムラの発生を抑制できる。
【0063】
なお、本発明の実施形態は上述した構成に限定されない。例えば、上述した例では、液体吐出ヘッド1は、一対のヘッド本体11を設ける構成を説明したがこれに限定されず、一つのヘッド本体11を有する構成としてもよい。また上述した液体吐出ヘッド1は、アクチュエータ113がシェアモード式の例を説明したが、これに限定されず、アクチュエータは、積層型であってもよい。
【0064】
以上説明した少なくともひとつの実施形態の液体吐出ヘッドによれば、グループ分けしたノズルを、主ディレイ時間を最適時間差に設定し、副ディレイ時間を三角波状に設定したグループ毎に異なる駆動タイミングで駆動制御することで、隣接ノズル間の駆動タイミングに大きな変化が生じることを抑制し、濃度ムラの発生を抑制できる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1…液体吐出ヘッド、2…液体吐出装置、11…ヘッド本体、12…マニフォールドユニット、13…回路基板、111…基板、112…枠部材、113…アクチュエータ、114…ノズルプレート、115…電極、116…共通液室、118…個別電極(電極)、119…共通電極、123…インク供給管、131…配線フィルム、132…駆動IC、133…プリント配線基板、135…遅延時間生成回路、136…駆動波形生成回路、137…印字データ記憶回路、138…ドライバ回路、1111…供給口、1112…排出口、1131…圧力室、1132…空気室、1133…溝、1134…圧電体(駆動素子)、1135…圧電材料、1136…防液壁、1141…ノズル、1142…ノズル列、1351…第1の遅延時間生成回路、1352…第2の遅延時間生成回路、1361…駆動波形生成回路、2001…搬送路、2111…筐体、2112…媒体供給部、2113…画像形成部、2114…媒体排出部、2115…搬送装置、2116…温調装置、2117…メンテナンス装置、2118…制御部、2120…支持部、2130…ヘッドユニット、2132…供給タンク、2134…ポンプ、2135…接続流路、21121…給紙カセット、21141…排紙トレイ、21161…温調水タンク、21162…温調用回路、21201…搬送ベルト、21202…支持プレート、21203…ベルトローラ、21211~21218…ガイドプレート対、21221~21228…搬送用ローラ、P…用紙。