(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025029578
(43)【公開日】2025-03-06
(54)【発明の名称】麻酔ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20250227BHJP
A61M 16/01 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61M16/01 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113866
(22)【出願日】2024-07-17
(31)【優先権主張番号】202311050005.0
(32)【優先日】2023-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524040096
【氏名又は名称】瑞鞍星医療科技(蘇州)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】524269974
【氏名又は名称】張鉄林
(71)【出願人】
【識別番号】524269985
【氏名又は名称】上海瑞懿為医療科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】張新賀
(72)【発明者】
【氏名】張鉄林
(72)【発明者】
【氏名】肖二軍
(72)【発明者】
【氏名】于布為
(72)【発明者】
【氏名】徐斌
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA04
4C117XB04
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE57
4C117XJ45
4C117XL01
4C117XL11
4C117XM12
4C117XQ13
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】本発明の実施例は、麻酔ロボットシステムを開示し、制御機器にローカルデータベース、投与モジュール及び可視化プラットフォームが搭載され、そのうち、可視化プラットフォームは、ローカルデータベースから指標データ及び自動投与結果を照会し、指標データ及び自動投与結果を展示するために使用され、可視化プラットフォームは、更に、展示した後、薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信した場合、ローカル投与結果をローカルデータベースに記憶するために使用され、制御機器は、更に、ローカルデータベースから投与モードに対応する投与結果、例えば、自動投与結果又はローカル投与結果を照会し、投与結果に対応する投与命令を、薬物輸注機器が投与命令に応じて目標対象に対して薬物を輸注するように薬物輸注機器に送信するために使用される。
【効果】本発明の実施例の技術態様は、麻酔科医の仕事量を低減することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルデータベース、投与モジュール及び可視化プラットフォームが搭載される制御機器、前記制御機器にそれぞれ接続されたモニタ機器及び薬物輸注機器を備え、
前記モニタ機器は、予め設定された麻酔指標での目標対象の指標データを検出し、検出した前記指標データを前記制御機器に送信するために使用され、
前記制御機器は、受信した前記指標データを前記ローカルデータベースに記憶するために使用され、
前記投与モジュールは、前記ローカルデータベースから前記指標データを照会し、照会した前記指標データに基づき、麻酔過程において輸注した薬物の自動投与結果を決定し、決定した前記自動投与結果を前記ローカルデータベースに記憶するために使用され、
前記可視化プラットフォームは、
前記ローカルデータベースから前記指標データ及び前記自動投与結果を照会し、照会した前記指標データ及び前記自動投与結果を展示するために使用され、
更に、前記した、照会した前記指標データ及び前記自動投与結果を展示することの後、前記薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信した場合、受信した前記ローカル投与結果を前記ローカルデータベースに記憶するために使用され、
前記制御機器は、更に、現在応用されている投与モードを取得し、前記ローカルデータベースから前記投与モードに対応する投与結果を照会し、前記投与モードが自動投与モードである場合、前記投与結果は前記自動投与結果を含み、前記投与モードが人工投与モードである場合、前記投与結果は前記ローカル投与結果を含むために使用され、
前記制御機器は、更に、照会した前記投与結果に対応する投与命令を、前記薬物輸注機器が受信した前記投与命令に応じて前記目標対象に対して前記薬物を輸注するように前記薬物輸注機器に送信するために使用される、
ことを特徴とする麻酔ロボットシステム。
【請求項2】
前記可視化プラットフォームは、
更に、前記投与モードに対して人工的に入力されたローカル切替命令を受信し、前記ローカル切替命令に応答して前記投与モードを切り替えるために使用され、
更に、前記投与モードが前記人工投与モードである場合、前記薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信するために使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御機器に接続され、遠隔操作プラットフォーム及びクラウドデータベースが搭載されるクラウドサーバを更に備え、
前記制御機器は、更に、前記ローカルデータベースから前記指標データ及び前記自動投与結果を照会し、照会した前記指標データ及び前記自動投与結果を前記クラウドデータベースに送信し、前記指標データ及び前記自動投与結果を前記クラウドデータベースに記憶するために使用され、
前記遠隔操作プラットフォームは、前記クラウドデータベースから前記指標データ及び前記自動投与結果を照会し、照会した前記指標データ及び前記自動投与結果を展示するために使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記遠隔操作プラットフォームは、更に、前記した、照会した前記指標データ及び前記自動投与結果を展示することの後、前記薬物に対して人工的に入力された遠隔投与結果を受信した場合、受信した前記遠隔投与結果を前記クラウドデータベースに記憶するために使用され、
前記人工投与モードは、前記可視化プラットフォームによってトリガされたローカル投与モード又は前記遠隔操作プラットフォームによってトリガされた遠隔投与モードを含み、前記制御機器は更に、具体的に、現在応用されている投与モードを取得し、且つ、前記投与モードが前記自動投与モード又は前記ローカル投与モードである場合、前記ローカルデータベースから前記投与モードに対応する投与結果を照会し、前記投与モードが前記ローカル投与モードである場合、前記投与結果は前記ローカル投与結果を含むために使用され、
前記制御機器は、更に、前記投与モードが前記遠隔投与モードである場合、前記クラウドデータベースから前記遠隔投与結果を照会し、照会した前記遠隔投与結果を前記投与モードに対応する投与結果とするために使用される、
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記遠隔操作プラットフォームは、
更に、前記投与モードに対して人工的に入力された遠隔切替命令を受信し、前記遠隔切替命令に応答して前記投与モードを切り替えるために使用され、
更に、前記投与モードが前記遠隔投与モードである場合、前記薬物に対して人工的に入力された遠隔投与結果を受信するために使用される、
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記遠隔操作プラットフォームは、更に、履歴データ照会命令を受信した場合、前記履歴データ照会命令に応答し、前記クラウドデータベースから履歴に記憶された前記指標データ、前記自動投与結果及び前記遠隔投与結果を照会し、照会した前記指標データ、前記自動投与結果及び前記遠隔投与結果を展示するために使用される、
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記可視化プラットフォームは、
具体的に、前記ローカルデータベースから前記指標データ及び前記自動投与結果を照会し、現在応用されているデータ展示方式に基づき、照会した前記指標データ及び前記自動投与結果を展示するために使用され、
及び/又は、
更に、照会した前記指標データに異常がある場合、異常がある前記指標データに対してアラームの注意喚起をするために使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記投与モジュールは、前記指標データ、前記自動投与結果及び前記ローカル投与結果に基づいて反復調整を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記投与モジュールは、麻酔深度維持投与モジュール及びバイタルサイン維持投与モジュールを備え、前記指標データはバイスペクトラルインデックス及びバイタルサインデータを含み、前記薬物は第1薬物及び第2薬物を含み、前記自動投与結果は第1投与結果及び第2投与結果を含み、
前記麻酔深度維持投与モジュールは、前記ローカルデータベースから前記バイスペクトラルインデックスを照会し、照会した前記バイスペクトラルインデックスに基づき、麻酔過程において輸注した第1薬物の第1投与結果を決定し、決定した前記第1投与結果を前記ローカルデータベースに記憶するために使用され、
前記バイタルサイン維持投与モジュールは、前記ローカルデータベースから前記バイタルサインデータを照会し、照会した前記バイタルサインデータに基づき、麻酔過程において輸注した第2薬物の第2投与結果を決定し、決定した前記第2投与結果を前記ローカルデータベースに記憶するために使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記バイタルサインデータは少なくとも血圧を含み、前記第1薬物は鎮静薬物及び鎮痛薬物を含み、前記第1投与結果は鎮静投与結果及び鎮痛投与結果を含み、
前記麻酔深度維持投与モジュールは、具体的に、
前記ローカルデータベースから前記バイスペクトラルインデックス及び前記血圧を照会し、予め設定されたバイスペクトラルインデックスの目標範囲及び血圧の第1目標範囲を取得し、
照会した前記バイスペクトラルインデックス及び取得した前記バイスペクトラルインデックスの目標範囲に基づき、麻酔過程において輸注した鎮静薬物の鎮静投与結果を決定し、
照会した前記バイスペクトラルインデックス及び前記血圧、取得した前記バイスペクトラルインデックスの目標範囲及び前記血圧の第1目標範囲に基づき、麻酔過程において輸注した鎮痛薬物の鎮痛投与結果を決定し、
決定した前記鎮静投与結果及び前記鎮痛投与結果を前記ローカルデータベースに記憶するために使用される、
ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記バイタルサインデータは少なくとも血圧及び心拍数を含み、前記第2薬物は血圧薬物及び心拍数薬物を含み、前記第2投与結果は血圧投与結果及び心拍数投与結果を含み、前記バイタルサイン維持投与モジュールは、具体的に、
前記ローカルデータベースから前記血圧及び前記心拍数を照会し、且つ、予め設定された血圧の第2目標範囲及び心拍数の目標範囲を取得し、
照会した前記血圧及び取得した前記血圧の第2目標範囲に基づき、麻酔過程において輸注した血圧薬物の血圧投与結果を決定し、
照会した前記心拍数及び取得した前記心拍数の目標範囲に基づき、麻酔過程において輸注した心拍数薬物の心拍数投与結果を決定し、
決定した前記血圧投与結果及び前記心拍数投与結果を前記ローカルデータベースに記憶するために使用される、
ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記麻酔深度維持投与モジュールは、更に、前記第1薬物の第1輸注回数を取得し、前記第1輸注回数が第1切替条件を満たす場合、前記投与モードを前記人工投与モードに切り替え、前記第1輸注回数を第1初期値に設定するために使用され、
及び/又は、
前記バイタルサイン維持投与モジュールは、更に、前記第2薬物の第2輸注回数を取得し、前記第2輸注回数が第2切替条件を満たす場合、前記投与モードを前記人工投与モードに切り替え、前記第2輸注回数を第2初期値に設定するために使用される、
ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記投与モジュールは筋弛緩維持投与モジュールを更に備え、前記バイタルサインデータは筋弛緩データを含み、前記薬物は筋弛緩薬物を更に含み、前記自動投与結果は筋弛緩投与結果を更に含み、
前記筋弛緩維持投与モジュールは、前記ローカルデータベースから前記筋弛緩データを照会し、照会した前記筋弛緩データに基づき、麻酔過程において輸注した筋弛緩薬物の筋弛緩投与結果を決定し、決定した前記筋弛緩投与結果を前記ローカルデータベースに記憶するために使用される、
ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、医療機器分野に関し、特に、麻酔ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
麻酔は、臨床手術で重要な作用を果たし、手術対象の苦痛の効果的な軽減に寄与することができる。現在、主に麻酔科医により手術対象に対して人工麻酔を行っている。
【0003】
しかし、上記麻酔方式は、麻酔科医に大きな仕事量をもたらし、改善が期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、自動麻酔と人工麻酔とを組み合わせる方式により、麻酔科医の仕事量を低減するための麻酔ロボットシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、制御機器、制御機器にそれぞれ接続されたモニタ機器及び薬物輸注機器を備えることが可能な麻酔ロボットシステムを提供し、制御機器にローカルデータベース、投与モジュール及び可視化プラットフォームが搭載され、
そのうち、モニタ機器は、予め設定された麻酔指標での目標対象の指標データを検出し、検出した指標データを制御機器に送信するために使用され、
制御機器は、受信した指標データをローカルデータベースに記憶するために使用され、
投与モジュールは、ローカルデータベースから指標データを照会し、照会した指標データに基づき、麻酔過程において輸注した薬物の自動投与結果を決定し、決定した自動投与結果をローカルデータベースに記憶するために使用され、
可視化プラットフォームは、ローカルデータベースから指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果を展示するために使用され、
可視化プラットフォームは、更に、照会した指標データ及び自動投与結果を展示した後、薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信した場合、受信したローカル投与結果をローカルデータベースに記憶するために使用され、
制御機器は、更に、現在応用されている投与モードを取得し、ローカルデータベースから投与モードに対応する投与結果を照会し、そのうち、投与モードが自動投与モードである場合、投与結果は自動投与結果を含み、投与モードが人工投与モードである場合、投与結果はローカル投与結果を含むために使用され、
制御機器は、更に、照会した投与結果に対応する投与命令を、薬物輸注機器が受信した投与命令に応じて目標対象に対して薬物を輸注するように薬物輸注機器に送信するために使用される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施例の技術態様は、投与モジュールが自動投与結果を自動的に算出することで、自動麻酔を実現し、これを踏まえて、自動投与結果が合理的でない場合、可視化プラットフォームによりローカル投与結果を人工的に入力することで、人工麻酔を実現することができる。上記技術態様は、自動麻酔と人工麻酔とを組み合わせることで、麻酔過程における操作コストを効果的に節約して、麻酔科医の仕事量を低減することができ、これを踏まえて、更に自動投与結果が合理的でない時に手動介入を行うことができ、これにより、麻酔の正確な実施を保証し、良好な臨床補助効果を有する。
【0007】
本部分で説明されている内容は、本発明の実施例の核心的又は重要な特徴を特定することを意図するものではなく、本発明の範囲を制限することに用いられるものでもないことを理解すべきである。本発明の他の特徴は、以下の明細書によって理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施例における技術態様をより明確に説明するために、以下、実施例の説明で使用する必要がある図面について簡単に紹介するが、以下で説明される図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的労働を払わない前提で、これらの図面に応じて他の図面を更に得ることができることは明らかである。
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係る麻酔ロボットシステムの構造のブロック図である。
【
図2】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムの構造のブロック図である。
【
図3】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムの構造のブロック図である。
【
図4】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムにおける好ましい例のデータの流れ図である。
【
図5】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムの構造のブロック図である。
【
図6a】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムにおける投与モジュールのワークフロー図である。
【
図6b】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムにおける
図6aに対応する導入投与モジュールのワークフロー図である。
【
図7】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムにおける投与モードの自動切替の例のフロー図である。
【
図8a】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムにおける麻酔深度維持投与モジュールのワークフロー図である。
【
図8b】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムにおける
図8aに対応するレミフェンタニルモジュール1のワークフロー図である。
【
図9a】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムにおけるバイタルサイン維持投与モジュールのワークフロー図である。
【
図9b】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムにおける
図9aに対応するレミフェンタニルモジュール2のワークフロー図である。
【
図9c】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムにおける
図9aに対応するレミフェンタニルモジュール3のワークフロー図である。
【
図10】本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムにおける筋弛緩維持投与モジュールのワークフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
当業者に本発明の態様をよりよく理解させるために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術態様を明確で完全に説明するが、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属すべきである。
【0011】
なお、本発明の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記図面における用語「第1」、「第2」等は、特定の順序又は前後順序を説明するために使用される必要はなく、類似する対象を区別するためのものである。このように使用されるデータは、適切な場合に置換え可能であり、これにより、ここで説明される本発明の実施例が、ここで図示又は説明されるもの以外の順序で実施できることを理解すべきである。「目標」、「オリジナル」等の場合は類似し、ここでは繰り返し説明しない。また、用語「含む」及び「有する」並びにこれらの如何なる変形も、排他的ではない包含をカバーすることを意図とし、例えば、一連のステップ又はユニットの過程、システム、システム、製品又は機器を含み、必ずしも明確に挙げられたそれらのステップ又はユニットに限定されず、明確に挙げられていない又はこれらの過程、システム、製品又は機器にとって固有である他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0012】
なお、本発明の技術態様に係るユーザの個人情報の採取、収集、更新、分析、処理、使用、伝送及び記憶等の方面は、いずれも関連法律法規の規定に該当し、合法的な用途に使用され、公序良俗に反していない。ユーザの個人情報に必要な措置を講じ、ユーザの個人情報データへの不正アクセスを防止し、ユーザの個人情報の安全、ネットワークの安全及び国家の安全を維持する。
【0013】
図1は、本発明の実施例に係る麻酔ロボットシステムの構造のブロック図である。本実施例は、自動麻酔の場合、特に、自動麻酔と人工麻酔とを組み合わせることにより麻酔を実施する場合に適用可能である。
図1を参照し、本発明の実施例に記載のシステムは、制御機器10、制御機器10にそれぞれ接続されたモニタ機器20及び薬物輸注機器30を備え、制御機器10にローカルデータベース101、投与モジュール102及び可視化プラットフォーム103が搭載され、
そのうち、モニタ機器20は、予め設定された麻酔指標での目標対象の指標データを検出し、検出した指標データを制御機器10に送信するために使用され、
制御機器10は、受信した指標データをローカルデータベース101に記憶するために使用され、
投与モジュール102は、ローカルデータベース101から指標データを照会し、照会した指標データに基づき、麻酔過程において輸注した薬物の自動投与結果を決定し、決定した自動投与結果をローカルデータベース101に記憶するために使用され、
可視化プラットフォーム103は、ローカルデータベース101から指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果を展示するために使用され、
可視化プラットフォーム103は、更に、照会した指標データ及び自動投与結果を展示した後、薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信した場合、受信したローカル投与結果をローカルデータベース101に記憶するために使用され、
制御機器10は、更に、現在応用されている投与モードを取得し、ローカルデータベース101から投与モードに対応する投与結果を照会し、そのうち、投与モードが自動投与モードである場合、投与結果は自動投与結果を含み、投与モードが人工投与モードである場合、投与結果はローカル投与結果を含むために使用され、
制御機器10は、更に、照会した投与結果に対応する投与命令を、薬物輸注機器30が受信した投与命令に応じて目標対象に対して薬物を輸注するように薬物輸注機器30に送信するために使用される。
【0014】
そのうち、モニタ機器20は、少なくとも予め設定された麻酔指標での目標対象の指標データを検出するために使用される電子機器と理解できる。予め設定された麻酔指標は、予め設定された麻酔に関する指標と理解でき、例えば、バイスペクトラルインデックス(Bispectral Index、BIS)指標であってもよいし、バイタルサイン指標(例えば、拡張期血圧、収縮期血圧、心拍数、酸素飽和度、体温、指脈波波形、ST部変異度、呼気終末CO2、尿量、血液ガス分析、及び筋弛緩等)であってもよいし、もちろん、その他の指標であってもよく、ここでは具体的に限定しない。指標データは、予め設定された麻酔指標で検出したデータと理解でき、例えば、BIS指標で検出したバイスペクトラルインデックス、及び/又は、バイタルサイン指標で検出したバイタルサインデータ等であってもよく、ここでは具体的に限定しない。モニタ機器20により、予め設定された麻酔指標での目標対象の指標データを検出し、検出した指標データを制御機器10に送信する。
【0015】
制御機器10は、モニタ機器20に接続され、麻酔ロボットシステムにおける制御作用を果たす電子機器と理解でき、例えば、コンピュータであってもよい。なお、制御機器10にはローカルデータベース101が配備され、該ローカルデータベース101は、データ記録、データ照会及びデータバックアップ等の機能を実現するために使用可能である。制御機器10により、モニタ機器20で送信された指標データを受信し、受信した指標データをローカルデータベース101に記憶する。実際の応用において、好ましくは、制御機器10にデータインタフェースを搭載することができ、これにより、データインタフェースを介してモニタ機器20で送信された指標データを受信することができる。これを踏まえて、好ましくは、該データインタフェースは、データのエンコード及びデコード機能を更に備えてもよく、より好ましくは、該データインタフェースは更に、モニタ機器20に故障が発生しないように、指標データのデータ状態を検出することができる。
【0016】
制御機器10には、投与モジュール102が更に搭載され、該投与モジュール102は、少なくとも、指標データに基づき、麻酔過程において輸注した薬物に対する自動投与結果を自動的に算出するために使用されるモジュールと理解でき、実際の応用において、人工知能(Artificial Intelligence、AI)投与アルゴリズムと呼ばれてもよい。具体的には、投与モジュール102により、ローカルデータベース101から指標データを照会し、照会した指標データに基づき、麻酔過程において輸注した薬物の自動投与結果を決定し、そして、決定した自動投与結果をローカルデータベース101に記憶する。
【0017】
制御機器10には、可視化プラットフォーム103が更に搭載され、該可視化プラットフォーム103は、少なくとも、照会したデータを展示するために使用されるプラットフォームと理解できる。実際の応用において、好ましくは、可視化プラットフォーム103は、純ソフトウェアモジュールにより実現されたり、ソフトウェアモジュール+ハードウェア機器(例えば、表示装置等)により実現されたりしてもよく、ここでは具体的に限定しない。具体的には、可視化プラットフォーム103により、ローカルデータベース101から指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果を展示する。これを踏まえて、更に、可視化プラットフォーム103により、照会した指標データ及び自動投与結果を展示した後、薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信した場合、このような場合は、指標データと自動投与結果とがマッチしないと人工的に考えた時に現れることが多く、受信したローカル投与結果をローカルデータベース101に記憶することができ、該ローカル投与結果は即ち、人工投与結果である。実際の応用において、好ましくは、上記ローカル投与結果は、入力機器(例えば、キーボード及び/又はマウス)、及び/又は、タッチ機能を備える表示装置により入力することができる。言い換えれば、指標データと自動投与結果とがマッチすると人工的に考えられた場合、手動介入を必要とせず、指標データと自動投与結果とがマッチしないと人工的に考えられた場合、手動介入を行う。
【0018】
これを踏まえて、更に、制御機器10により、現在応用されている投与モードを取得し、この投与モードは例えば、人工投与モード又は自動投与モード(即ち、AI投与モード)であってもよく、そして、ローカルデータベース101から投与モードに対応する投与結果を照会し、この投与結果は例えば、自動投与モードに対応する自動投与結果又は人工投与モードに対応するローカル投与結果であってもよく、更にそして、照会した投与結果に対応する投与命令を生成し、投与命令を薬物輸注機器30に送信する。
【0019】
薬物輸注機器30は、制御機器10に接続され、少なくとも、薬物輸注機能を実現するために使用される電子機器と理解でき、実際の応用において、薬物輸注ポンプ又は薬物輸注ポンプワークステーション等と呼ばれてもよい。薬物輸注機器30により、受信した投与命令に応じて目標対象に対して薬物を輸注する。これを踏まえて、好ましくは、薬物輸注機器30により、更に、投与命令に対する実行結果及び/又は自身の作業状態を制御機器10に返し、今回の投与状況及び/又は薬物輸注機器30の作業状況を制御機器10に知らせることができる。
【0020】
上記の説明から分かるように、モニタ機器20と薬物輸注機器30と制御機器10との間にはデータが流通している。実際の応用において、好ましくは、有線方式でモニタ機器20と薬物輸注機器30と制御機器10とを接続し、機器の間のデータの流通を実現することができる。例示的には、制御機器10とモニタ機器20とはネットワークケーブルを介して接続され、制御機器10のインターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)の第1ポートが開放されて通信検出が行われ、モニタ機器20が第1ポートに通信確立要求を送信し、伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol、TCP)通信のスリーウェイハンドシェイクにより通信接続が確立され、モニタ機器20が、指標データをHL7プロトコルに基づいてエンコードして制御機器10に送信することができる。また、例示的には、制御機器10と薬物輸注機器30とはネットワークケーブルを介して接続され、薬物輸注機器30のIPの第2ポートが開放されて通信検出が行われ、制御機器10が第2ポートに通信確立要求を送信し、TCP通信のスリーウェイハンドシェイクにより通信接続が確立され、制御機器10が、投与命令をHL7プロトコルに基づいてエンコードして薬物輸注機器30に送信することができる。言い換えれば、麻酔ロボットシステムは、有線通信部品を更に備えてもよく、該有線通信部品はTCPプロトコルにより通信を行い、データフォーマットはHL7プロトコルであってもよく、これにより、麻酔ロボットシステム内のデータ伝送を実現する。
【0021】
実際の応用において、好ましくは、ローカルデータベース101によりデータ照会及びデータ記録を行うことができる。ローカルデータベース101には、対象情報フォーム、バイタルサインフォーム、自動投与フォーム、自動投与フラグフォーム、人工投与フォーム、投与命令フィードバックフォーム、薬物輸注機器定時フィードバックフォーム、及び術後情報フォームの、様々なデータを記録するための8つのデータフォームが記憶可能である。そのうち、対象情報フォームに目標対象の関連情報が記憶可能であり、バイタルサインフォームに指標データが記憶され、自動投与フォームに自動投与結果が記憶され、自動投与フラグフォームに術中の自動投与及び人工投与の記録が記憶され、例えば、投与モードが切り替わった場合、対応する命令を自動投与フラグフォームに挿入することにより、制御機器10は自動投与フラグフォームに基づいて現在応用されている投与モードを判定することができ、人工投与フォームにローカル投与結果が記憶可能であり、投与命令フィードバックフォームに、薬物輸注機器30によって返される投与命令に対する実行結果が記憶可能であり、薬物輸注機器定時フィードバックフォームに、薬物輸注機器30によって定時で制御機器10にフィードバックされる自身の作業状態が記憶可能であり、術後情報フォームに、術後の回復状況をフィードバックするための目標対象の術後の体の各指標情報が記憶可能である。実際の応用において、データフォームにデータを記憶する時、後続のデータ照会を容易にするために、データの書き込まれた順番号及び時間を記録することができる。
【0022】
本発明の実施例の技術態様は、投与モジュールが自動投与結果を自動的に算出することで、自動麻酔を実現し、これを踏まえて、自動投与結果が合理的でない場合、可視化プラットフォームによりローカル投与結果を人工的に入力することで、人工麻酔を実現することができる。上記技術態様は、自動麻酔と人工麻酔とを組み合わせることで、麻酔過程における操作コストを効果的に節約して、麻酔科医の仕事量を低減することができ、これを踏まえて、更に自動投与結果が合理的でない時に手動介入を行うことができ、これにより、麻酔の正確な実施を保証し、良好な臨床補助効果を有する。
【0023】
これを踏まえて、1つの好ましい技術態様において、可視化プラットフォームは、具体的に、ローカルデータベースから指標データ及び自動投与結果を照会し、現在応用されているデータ展示方式に基づき、照会した指標データ及び自動投与結果を展示するために使用される。
【0024】
そのうち、データ展示方式は、現在応用されている、照会結果を展示するための方式と理解できる。可視化プラットフォームにより、データ展示方式に基づき、照会した指標データ及び自動投与結果を展示する。実際の応用において、好ましくは、データ展示方式は実際のニーズに応じて手動で調整することができる。
【0025】
例示的には、可視化プラットフォームにより、12個のバイタルサイン指標でのバイタルサインデータを展示し、それらの中に6つの重要なバイタルサイン指標及び6つの副次的なバイタルサイン指標が含まれてもよく、手術タイプ等の要素に応じて重要なバイタルサイン指標と副次的なバイタルサイン指標とを人工的に分けることができる。例えば、デフォルト状態で、可視化プラットフォームは、BIS指標、体温、収縮期血圧、拡張期血圧、筋弛緩(TOF)及び心拍数(Heart Rate、HR)という6つの重要なバイタルサイン指標を文字盤の形式で展示する。文字盤には3つの色の領域が含まれ、白色はデータが正常範囲にあることを表し、黄色はデータが正常範囲を超えるが許容範囲内にあることを表し、赤色は、データが大きく正常範囲を超えて緊急処理が必要であることを表す。副次的なバイタルサイン指標はテーブルで展示され、デフォルトは、血中酸素飽和度(SpO2)、術中維持期呼気終末CO2含有量(EtCO2)、心電図変動値(S-T)、尿量(UV)、指脈波波形(PPG)、及び血液ガス分析(ABG)の6つである。また、バイタルサイン指標は、更に曲線形式等のその他の形式で展示することができ、これは実際のニーズに応じて設定でき、ここでは具体的に限定しない。
【0026】
また、例示的に、可視化プラットフォームは、グラフの方式で、例えば、順番号、薬物名称、輸注速度、累計用量、作業状態、及び特殊状況手動介入投与の6つの部分を含めて、投与結果をリアルタイムに展示することができる。これを踏まえて、可視化プラットフォームは、人工的に選択するために、常用の鎮静薬、鎮痛薬、筋弛緩薬、及びいくつかの循環系維持薬物を更に提供することができる。可視化プラットフォームにより、各種の薬物の用量が合理的であるか否かを人工的にリアルタイムにチェックすることができ、且つ、合理的でない時、特殊状況手動介入投与の部分により、手動による投与の介入を行う(即ち、ローカル投与結果を入力する)ことができる。累計用量の部分は、術中における各種の薬物の投与総用量を記録して投与の合理性を人工的に判断する1つの参照とすることができる。作業状態の部分は、投与の広義の合理性を監督することを司り、例えば、目標対象の対象情報により投与区間を計算し、そして、自動投与結果が投与区間を超えた場合に異常の注意喚起をすることができる。
【0027】
別の好ましい技術態様として、可視化プラットフォームは、更に、照会した指標データに異常がある場合、異常がある指標データに対してアラームの注意喚起をし、目標対象の生命の安全を保証するために使用される。
【0028】
例示的には、可視化プラットフォームは、異常が現れる予め設定された麻酔指標を提示するための標準人体三次元(Three Dimension、3D)モデルを提供することができる。具体的には、標準人体三次元3Dモデルに基づき、指標データに対応する検出部位を標識し、この検出部位は例えば、頭部、胸部、腹部及び四肢等であってもよい。指標データに異常が現れる場合、標準人体三次元3Dモデルの対応する部位で、赤色の点滅により異常の注意喚起をすることができる。
【0029】
また、例示的には、可視化プラットフォームは更に、170個の脳領域を含む大脳モデルにより目標対象の麻酔状態をシミュレートし、検出した麻酔深度の数値に基づき、青-緑-赤の変色で大脳の麻酔深度を動的に展示することができる。麻酔深度の数値が正常数値からずれている場合、アラームの注意喚起を活性化することができ、検出ウィンドウは、速い点滅で人工麻酔深度の数値の異常の注意喚起をすることができ、目標対象のバイタルサインが正常状態に回復するように医療措置を講じる必要がある。
【0030】
更に別の好ましい技術態様として、可視化プラットフォームは、更に、投与モードに対して人工的に入力されたローカル切替命令を受信し、ローカル切替命令に応答して投与モードを切り替えるために使用され、
可視化プラットフォームは、更に、投与モードが人工投与モードである場合、薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信するために使用される。
【0031】
そのうち、実際のニーズに応じて投与モードを人工的に切り替えることができ、例えば、可視化プラットフォームに展示された投与モード切替コントロールにタッチすることにより投与モードを切り替える。つまり、可視化プラットフォームにより、投与モードに対して人工的に入力されたローカル切替命令を受信し、そして、ローカル切替命令に応答して投与モードを切り替えることができ、例えば、自動投与モードから人工投与モードに切り替え、又は人工投与モードから自動投与モードに切り替える。投与モードが人工投与モードである場合、可視化プラットフォームにより、更に薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信することができる。実際の応用において、好ましくは、投与モードが人工投与モードである場合、投与モジュールは依然として自動投与結果の計算を行うことができ、ただし、制御機器がローカルデータベースから取得するものは、ローカル投与結果である。
【0032】
上記技術態様において、投与モードが人工投与モードである場合のみ、可視化プラットフォームはローカル投与結果を受信することができ、これは、人工的な誤操作に起因して可視化プラットフォームに合理的でないローカル投与結果を入力する状況が現れることを回避し、麻酔の安全を効果的に保証することができ、
更なる好ましい技術態様として、投与モジュールは、指標データ、自動投与結果及びローカル投与結果に基づいて反復調整を行うことができる。そのうち、実際の応用において、投与モジュールは、予めトレーニングされたニューラルネットワークモデルであってもよい。これを踏まえて、投与モジュールにより算出された自動投与結果の正確性を更に向上させるために、術後に、術中で発生した指標データ、自動投与結果及びローカル投与結果を用いて投与モジュールに対して反復調整を行うことで、自動投与結果の精確性を最適化することができる。
【0033】
実際の応用において、好ましくは、指標データ、自動投与結果及びローカル投与結果を用いて投与モジュールの反復調整を行うほか、目標対象の術後回復状況、手術の目標対象への影響及び自動投与結果の使用率のうちの少なくとも1つを変数として用いて対応する採点メカニズムを生成し、これにより投与モジュールの表現を評価し、且つ、これに基づいて投与モジュールの反復調整を行うこともできる。又は、術中及び術後の様々なデータを分類し、分類したデータを定期的に用いて投与モジュールの反復調整を行うことで、投与モジュールを最適化し、算出した自動投与結果の精確性を向上させることもできる。
【0034】
図2は、本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムの構造のブロック図である。本実施例は、上記各技術態様を基に最適化される。本実施例において、好ましくは、上記麻酔ロボットシステムは、制御機器に接続されたクラウドサーバを更に備え、クラウドサーバに遠隔操作プラットフォーム及びクラウドデータベースが搭載され、そのうち、制御機器は、更に、ローカルデータベースから指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果をクラウドデータベースに送信し、指標データ及び自動投与結果をクラウドデータベースに記憶するために使用され、遠隔操作プラットフォームは、クラウドデータベースから指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果を展示するために使用される。そのうち、上記各実施例と同じ又は対応する用語の解釈は、ここでは繰り返し説明しない。
【0035】
図2を参照し、本発明の実施例に記載のシステムは、制御機器10、制御機器10にそれぞれ接続されたモニタ機器20、薬物輸注機器30及びクラウドサーバ40を備え、制御機器10にローカルデータベース101、投与モジュール102及び可視化プラットフォーム103が搭載され、クラウドサーバ40にクラウドデータベース401及び遠隔操作プラットフォーム402が搭載され、
そのうち、モニタ機器20は、予め設定された麻酔指標での目標対象の指標データを検出し、検出した指標データを制御機器10に送信するために使用され、
制御機器10は、受信した指標データをローカルデータベース101に記憶するために使用され、
投与モジュール102は、ローカルデータベース101から指標データを照会し、照会した指標データに基づき、麻酔過程において輸注した薬物の自動投与結果を決定し、決定した自動投与結果をローカルデータベース101に記憶するために使用され、
可視化プラットフォーム103は、ローカルデータベース101から指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果を展示するために使用され、
可視化プラットフォーム103は、更に、照会した指標データ及び自動投与結果を展示した後、薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信した場合、受信したローカル投与結果をローカルデータベース101に記憶するために使用され、
制御機器10は、更に、ローカルデータベース101から指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果をクラウドデータベース401に送信し、指標データ及び自動投与結果をクラウドデータベース401に記憶するために使用され、
遠隔操作プラットフォーム402は、クラウドデータベース401から指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果を展示するために使用され、
制御機器10は、更に、現在応用されている投与モードを取得し、ローカルデータベース101から投与モードに対応する投与結果を照会し、そのうち、投与モードが自動投与モードである場合、投与結果は自動投与結果を含み、投与モードが人工投与モードである場合、投与結果はローカル投与結果を含むために使用され、
制御機器10は、更に、照会した投与結果に対応する投与命令を、薬物輸注機器30が受信した投与命令に応じて目標対象に対して薬物を輸注するように薬物輸注機器30に送信するために使用される。
【0036】
そのうち、制御機器10、モニタ機器20及び薬物輸注機器30のようなローカル機器と比べ、クラウドサーバ40は、リモートに配備されたサーバと理解できる。クラウドサーバ40にはクラウドデータベース401及び遠隔操作プラットフォーム402が搭載され、遠隔操作プラットフォーム402とクラウドデータベース401との間は通信接続される。実際の応用において、好ましくは、遠隔操作プラットフォーム402は、BSアーキテクチャに基づいて構築して得られ、クラウドデータベース401と互いに連携することで、データバックアップ、データ照会及び遠隔操作等の機能を実現することができる。例示的には、ユーザが遠隔操作プラットフォーム402により許容された権限範囲内で何らかの操作を実行するように、遠隔操作プラットフォーム402によりユーザ権限管理を人工的に行うことができ、この何らかの操作は、例えば、目標対象の手術データ(例えば、現れた特殊状况及び術後の回復状況等)を記入して情報補充を行うものであってもよいし、手術タイプに基づいて検索し、検索した麻酔データに基づいて学習することで、麻酔科医の育成コストを低減するものであってもよいし、術中の指標データ及び自動投与結果を閲覧するもの等であってもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0037】
本発明の実施例が関わる可能性がある応用シーンと結び付け、制御機器10とクラウドサーバ40とは通信接続され、制御機器10により、ローカルデータベース101から指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果をクラウドデータベース401に送信することができ、具体的には、クラウドサーバ40への送信で、クラウドサーバ40により受信した指標データ及び自動投与結果をクラウドデータベース401に記憶することができる。これを踏まえて、更に、遠隔操作プラットフォーム402により、クラウドデータベース401から指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果を展示することができ、これにより、遠隔の麻酔科医は、指標データ及び自動投与結果を閲覧し、これを踏まえて、何らかの操作を実行するか否かを決定することができ、この何らかの操作は、例えば遠隔で人工的に投与するもの、又はローカルで人工的に投与するように、手術室にいる麻酔科医を指導するもの等であってもよい。
【0038】
本発明の実施例の技術態様は、麻酔ロボットシステムにクラウドサーバを設け、クラウドサーバに遠隔操作プラットフォーム及びクラウドデータベースを搭載することにより、両者が互いに連携し、遠隔操作プラットフォームにより指標データ及び自動投与結果を展示することができ、このようにして、遠隔の麻酔科医は、展示結果に基づいて次の操作を決定することができ、これにより、麻酔の遠隔制御の効果を実現する。
【0039】
図3は、本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムの構造のブロック図である。本実施例は、上記各技術態様を基に最適化される。本実施例において、好ましくは、遠隔操作プラットフォームは、更に、照会した指標データ及び自動投与結果を展示した後、薬物に対して人工的に入力された遠隔投与結果を受信した場合、受信した遠隔投与結果をクラウドデータベースに記憶するために使用され、人工投与モードは、可視化プラットフォームによってトリガされたローカル投与モード又は遠隔操作プラットフォームによってトリガされた遠隔投与モードを含み、制御機器は更に、具体的に、現在応用されている投与モードを取得し、且つ、投与モードが自動投与モード又はローカル投与モードである場合、ローカルデータベースから投与モードに対応する投与結果を照会し、そのうち、投与モードがローカル投与モードである場合、投与結果はローカル投与結果を含むために使用され、制御機器は、更に、投与モードが遠隔投与モードである場合、クラウドデータベースから遠隔投与結果を照会し、照会した遠隔投与結果を投与モードに対応する投与結果とするために使用される。そのうち、上記各実施例と同じ又は対応する用語の解釈は、ここでは繰り返し説明しない。
【0040】
図3を参照し、本実施例に記載のシステムは、制御機器10、制御機器10にそれぞれ接続されたモニタ機器20、薬物輸注機器30及びクラウドサーバ40を備え、制御機器10にローカルデータベース101、投与モジュール102及び可視化プラットフォーム103が搭載され、クラウドサーバ40にクラウドデータベース401及び遠隔操作プラットフォーム402が搭載され、
そのうち、モニタ機器20は、予め設定された麻酔指標での目標対象の指標データを検出し、検出した指標データを制御機器10に送信するために使用され、
制御機器10は、受信した指標データをローカルデータベース101に記憶するために使用され、
投与モジュール102は、ローカルデータベース101から指標データを照会し、照会した指標データに基づき、麻酔過程において輸注した薬物の自動投与結果を決定し、決定した自動投与結果をローカルデータベース101に記憶するために使用され、
可視化プラットフォーム103は、ローカルデータベース101から指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果を展示するために使用され、
可視化プラットフォーム103は、更に、照会した指標データ及び自動投与結果を展示した後、薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信した場合、受信したローカル投与結果をローカルデータベース101に記憶するために使用され、
制御機器10は、更に、ローカルデータベース101から指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果をクラウドデータベース401に送信し、指標データ及び自動投与結果をクラウドデータベース401に記憶するために使用され、
遠隔操作プラットフォーム402は、クラウドデータベース401から指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果を展示するために使用され、
遠隔操作プラットフォーム402は、更に、照会した指標データ及び自動投与結果を展示した後、薬物に対して人工的に入力された遠隔投与結果を受信した場合、受信した遠隔投与結果をクラウドデータベース401に記憶するために使用され、
制御機器10は、更に、現在応用されている投与モードを取得するために使用され、そのうち、投与モードは人工投与モード又は自動投与モードを含み、人工投与モードは、可視化プラットフォーム103によってトリガされたローカル投与モード又は遠隔操作プラットフォーム402によってトリガされた遠隔投与モードを含んでもよく、
制御機器10は、更に、投与モードが自動投与モード又はローカル投与モードである場合、ローカルデータベース101から投与モードに対応する投与結果を照会し、そのうち、投与モードが自動投与モードである場合、投与結果は自動投与結果を含み、投与モードがローカル投与モードである場合、投与結果はローカル投与結果を含むために使用され、
制御機器10は、更に、投与モードが遠隔投与モードである場合、クラウドデータベース401から遠隔投与結果を照会し、照会した遠隔投与結果を投与モードに対応する投与結果とするために使用され、
制御機器10は、更に、照会した投与結果に対応する投与命令を、薬物輸注機器30が受信した投与命令に応じて目標対象に対して薬物を輸注するように薬物輸注機器30に送信するために使用される。
【0041】
そのうち、遠隔操作プラットフォーム402により、照会した指標データ及び自動投与結果を展示し、且つ、展示した後、薬物に対して人工的に入力された遠隔投与結果を受信した場合、このような場合は、指標データと自動投与結果とがマッチしないと人工的に考えた時に現れることが多く、受信した遠隔投与結果をクラウドデータベース401に記憶することができ、該遠隔投与結果は即ち、人工投与結果である。なお、遠隔投与結果及びローカル投与結果はいずれも人工投与結果であり、両者の区別は、前者は可視化プラットフォーム103により入力されるが、後者は遠隔操作プラットフォーム402により入力されることにある。
【0042】
これを踏まえて、更に、制御機器10により、現在応用されている投与モードを取得し、この投与モードは例えば、自動投与モード又は人工投与モードであってもよく、該人工投与モードは可視化プラットフォーム103によってトリガされたローカル投与モード又は遠隔操作プラットフォーム402によってトリガされた遠隔投与モードであってもよい。更に、制御機器10により、投与モードに対応する投与結果を照会し、例えば、ローカルデータベース101から自動投与モードに対応する自動投与結果を照会したり、ローカルデータベース101からローカル投与モードに対応するローカル投与結果を照会したり、クラウドデータベース401から遠隔投与モードに対応する遠隔投与結果を照会したりしてもよく、これにより、照会した投与結果に基づき、薬物を輸注するように薬物輸注機器30を制御することができる。
【0043】
本発明の実施例の技術態様は、遠隔操作プラットフォームにより、人工的に入力された遠隔投与結果を受信し、遠隔投与結果をクラウドデータベースに記憶し、そして、制御機器により、クラウドデータベースから遠隔投与結果を照会し、これにより、照会した遠隔投与結果に基づいて薬物の輸注を制御することができ、各方面が互いに連携し、遠隔で人工的に投与する効果を実現する。
【0044】
これを踏まえて、1つの好ましい技術態様において、遠隔操作プラットフォームは、更に、投与モードに対して人工的に入力された遠隔切替命令を受信し、遠隔切替命令に応答して投与モードを切り替えるために使用され、
遠隔操作プラットフォームは、更に、投与モードが遠隔投与モードである場合、薬物に対して人工的に入力された遠隔投与結果を受信するために使用される。
【0045】
そのうち、実際のニーズに応じて投与モードを人工的に切り替えることができ、例えば、遠隔操作プラットフォームに展示された投与モード切替コントロールにタッチすることにより投与モードを切り替える。つまり、遠隔操作プラットフォームにより、投与モードに対して人工的に入力された遠隔切替命令を受信し、そして、遠隔切替命令への応答により投与モードを切り替えることができ、例えば、自動投与モードから人工投与モードに切り替え、又は人工投与モードから自動投与モードに切り替え、なお、ここでの人工投与モードは、具体的に、遠隔投与モードである。投与モードが遠隔投与モードである場合、遠隔操作プラットフォームにより、薬物に対して人工的に入力された遠隔投与結果を受信することができる。実際の応用において、好ましくは、投与モードが遠隔投与モードである場合、投与モジュールは依然として自動投与結果の計算を行うことができ、ただし、制御機器がクラウドデータベースから取得するものは、遠隔投与結果である。
【0046】
上記技術態様において、投与モードが遠隔投与モードである場合のみ、遠隔操作プラットフォームは遠隔投与結果を受信することができ、これは、人工的な誤操作に起因して遠隔操作プラットフォームに合理的でない遠隔投与結果を入力する状況が現れることを回避し、麻酔の安全を効果的に保証することができる。
【0047】
別の好ましい技術態様において、遠隔操作プラットフォームは、更に、履歴データ照会命令を受信した場合、履歴データ照会命令に応答し、クラウドデータベースから履歴に記憶された指標データ、自動投与結果及び遠隔投与結果を照会し、照会した指標データ、自動投与結果及び遠隔投与結果を展示するために使用される。
【0048】
そのうち、履歴データ照会命令は、クラウドデータベースから履歴に記憶された指標データ、自動投与結果及び遠隔投与結果を照会するための命令と理解でき、実際の応用において、好ましくは、履歴データ照会命令は、術後にトリガされることが多い。遠隔操作プラットフォームにより、履歴データ照会命令を受信した場合、履歴データ照会命令に応答し、クラウドデータベースから履歴に記憶された指標データ、自動投与結果及び遠隔投与結果を照会し、照会結果を展示することができる。このようにして、麻酔科医は、これに基づいて関連する麻酔経験を学習することができ、これにより、麻酔科医の育成コストを低減する。
【0049】
上記各技術態様を全体的により良く理解するために、以下、具体例と結び付けて、これらを例示的に説明する。例示的には、
図4に示すように、制御機器は、データインタフェースにより、モニタ機器で送信された指標データを受信し、受信した指標データをローカルデータベースに記憶する。投与モジュールは、ローカルデータベースから最新の指標データを照会し、照会した指標データに基づいて自動投与結果を計算し、自動投与結果をローカルデータベースに記憶する。可視化プラットフォームは、ローカルデータベースから指標データ及び自動投与結果を照会し、照会した指標データ及び自動投与結果を展示する。可視化プラットフォームは、指標データ及び自動投与結果を展示した後、人工的に入力されたローカル投与結果を受信した場合、自動投与結果が合理的でないと人工的に考え、手動介入投与が必要であることを示し、この場合、ローカル投与結果をローカルデータベースに記憶する。制御機器は、ローカルデータベースから最新の指標データ、自動投与結果及びローカル投与結果(存在すれば)を照会し、照会結果をネットワーク通信によりクラウドデータベースに記憶する。これを踏まえて、遠隔操作プラットフォームは、クラウドデータベースから指標データ、自動投与結果及びローカル投与結果を照会し、照会結果を展示することができる。遠隔操作プラットフォームは、展示した後、人工的に入力された遠隔投与結果を受信した場合、自動投与結果及び/又はローカル投与結果が合理的でないと人工的に考え、手動介入投与が必要であることを示し、この場合、遠隔投与結果を遠隔データベースに記憶する。更に、制御機器は、現在応用されている投与モードに基づき、ローカルデータベース又はクラウドデータベースから投与結果を照会し、データインタフェースを介して投与結果に対応する投与命令を薬物輸注機器に送信し、薬物を輸注するように薬物輸注機器を制御することができる。これを踏まえて、薬物輸注機器は、投与命令に対する実行結果及び自身の作業状態に対して、情報のフィードバックを行うことができる。また、ユーザは、遠隔操作プラットフォームによりクラウドデータベースに履歴データ照会命令を送信して、照会結果に基づいて麻酔経験を学習することができる。
【0050】
以上で説明したAI投与アルゴリズムに基づく遠隔制御可能な麻酔ロボットシステムは、少なくとも以下のような利点を有する。
【0051】
1、標的な、可視化プラットフォームの設計、投与モジュールの設計、ヒューマンコンピューターインタラクション技術、モノのインターネット技術、及びインターネットプラットフォームにより、投与補助機能を実現し、麻酔科医の仕事量を大幅に軽減し、有効な投与アドバイス(即ち、自動投与結果)を与えることができる。
【0052】
2、トレーニングされた投与モジュールにより、リアルタイムな指標データに基づいて最適な投与アドバイスを算出することができ、麻酔科医が目標対象の様々なバイタルサインを観察し続けてから関連する医学的知識及び経験と結び付けて判断する必要があることに比べ、更に、時間及び手間が省け、且つミス率がより低くなる。
【0053】
3、ローカルデータベース及びクラウドデータベースにより麻酔過程における様々なデータを記録してバックアップし、データの選別及び処理を経た後、投与モジュールをトレーニングするトレーニングセットとすることができ、これにより、投与モジュールの設計が更に合理性を持つ。これを踏まえて、インターネットプラットフォームにより、ユーザに学習及び参照の権限を与えることで、麻酔科医の育成コストを低減することができる。即ち、麻酔ロボットシステムは、データ共有能力を備える。
【0054】
4、制御機器における各部分の間は互いに隔離され、例えば、可視化プラットフォームは投与アドバイスにより介入されることがなく、指標データに基づいて呈出され、更に、投与アドバイスは、安全検査に合格した場合のみ、薬物輸注機器に伝送することができ、これにより、麻酔の実施の安全性が保証される。
【0055】
図5は、本発明の実施例に係る別の麻酔ロボットシステムのフロー図である。本実施例は、上記各技術態様を基に最適化される。本実施例において、好ましくは、投与モジュールは麻酔深度維持投与モジュール及びバイタルサイン維持投与モジュールを備え、指標データはバイスペクトラルインデックス及びバイタルサインデータを含み、薬物は第1薬物及び第2薬物を含み、自動投与結果は第1投与結果及び第2投与結果を含み、麻酔深度維持投与モジュールは、ローカルデータベースからバイスペクトラルインデックスを照会し、照会したバイスペクトラルインデックスに基づき、麻酔過程において輸注した第1薬物の第1投与結果を決定し、決定した第1投与結果をローカルデータベースに記憶するために使用され、バイタルサイン維持投与モジュールは、ローカルデータベースからバイタルサインデータを照会し、照会したバイタルサインデータに基づき、麻酔過程において輸注した第2薬物の第2投与結果を決定し、決定した第2投与結果をローカルデータベースに記憶するために使用される。そのうち、上記各実施例と同じ又は対応する用語の解釈は、ここでは繰り返し説明しない。
【0056】
図5を参照し、本実施例に記載のシステムは、制御機器10、制御機器10にそれぞれ接続されたモニタ機器20及び薬物輸注機器30を備え、制御機器10にローカルデータベース101、麻酔深度維持投与モジュール1021、バイタルサイン維持投与モジュール1022及び可視化プラットフォーム103が搭載され、
そのうち、モニタ機器20は、予め設定された麻酔指標での目標対象の指標データを検出し、検出した指標データを制御機器10に送信するために使用され、そのうち、指標データはバイスペクトラルインデックス及びバイタルサインデータを含み、
制御機器10は、受信したバイスペクトラルインデックス及びバイタルサインデータをローカルデータベース101に記憶するために使用され、
麻酔深度維持投与モジュール1021は、ローカルデータベース101からバイスペクトラルインデックスを照会し、照会したバイスペクトラルインデックスに基づき、麻酔過程において輸注した第1薬物の第1投与結果を決定し、決定した第1投与結果をローカルデータベース101に記憶するために使用され、
バイタルサイン維持投与モジュール1022は、ローカルデータベース101からバイタルサインデータを照会し、照会したバイタルサインデータに基づき、麻酔過程において輸注した第2薬物の第2投与結果を決定し、決定した第2投与結果をローカルデータベース101に記憶するために使用され、
可視化プラットフォーム103は、ローカルデータベース101から指標データ、第1投与結果及び第2投与結果を照会し、照会した指標データ、第1投与結果及び第2投与結果を展示するために使用され、
可視化プラットフォーム103は、更に、照会した指標データ、第1投与結果及び第2投与結果を展示した後、第1薬物及び第2薬物に対して人工的に入力されたローカル投与結果を受信した場合、受信したローカル投与結果をローカルデータベース101に記憶するために使用され、
制御機器10は、更に、現在応用されている投与モードを取得し、ローカルデータベース101から投与モードに対応する投与結果を照会し、そのうち、投与モードが自動投与モードである場合、投与結果は第1投与結果及び第2投与結果を含み、投与モードが人工投与モードである場合、投与結果はローカル投与結果を含むために使用され、
制御機器10は、更に、照会した投与結果に対応する投与命令を、薬物輸注機器30が受信した投与命令に応じて目標対象に対して薬物を輸注するように薬物輸注機器30に送信するために使用される。
【0057】
そのうち、指標データはBISを含む。麻酔深度維持投与モジュール1021は、麻酔深度を維持するための投与モジュールと理解でき、第1薬物は、麻酔過程において輸注した、麻酔深度を維持するために使用可能な薬物と理解でき、第1投与結果は、第1薬物に対する投与結果と理解できる。麻酔深度維持投与モジュール1021により、ローカルデータベース101からBISを照会し、照会したBISに基づいて第1投与結果を決定し、決定した第1投与結果をローカルデータベース101に記憶する。
【0058】
指標データはバイタルサインデータを更に含み、バイタルサイン維持投与モジュール1022は、バイタルサインを維持するための投与モジュールと理解でき、第2薬物は、麻酔過程において輸注した、バイタルサインを維持するために使用可能な薬物と理解でき、第2投与結果は、第2薬物に対する投与結果と理解できる。バイタルサイン維持投与モジュール1022により、ローカルデータベース101からバイタルサインデータを照会し、照会したバイタルサインデータに基づいて第2投与結果を決定し、第2投与結果をローカルデータベース101に記憶する。
【0059】
このようにして、可視化プラットフォーム103により、ローカルデータベース101から指標データ、第1投与結果及び第2投与結果を照会し、照会結果を展示することにより、BISと第1投与結果とがマッチするか否か、及びバイタルサインデータと第2投与結果とがマッチするか否かを人工的に判断して、判断結果に基づいて手動介入投与を行う必要があるか否かを決定することができる。
【0060】
本発明の実施例の技術態様は、2つの投与モジュールを、それぞれ麻酔深度の維持及びバイタルサインの維持に使用可能であるように設けることにより、麻酔の実施の精確性を向上させる。
【0061】
これを踏まえて、1つの好ましい技術態様において、投与モジュールは筋弛緩維持投与モジュールを更に備え、バイタルサインデータは筋弛緩データを含み、薬物は筋弛緩薬物を更に含み、自動投与結果は筋弛緩投与結果を更に含み、筋弛緩維持投与モジュールは、ローカルデータベースから筋弛緩データを照会し、照会した筋弛緩データに基づき、麻酔過程において輸注した筋弛緩薬物の筋弛緩投与結果を決定し、決定した筋弛緩投与結果をローカルデータベースに記憶するために使用される。
【0062】
このようにして、制御機器により、投与モードが自動投与モードである場合、ローカルデータベースから第1投与結果、第2投与結果及び筋弛緩投与結果を照会し、照会したこれらの投与結果に基づき、薬物を輸注するように薬物輸注機器を制御することができる。
【0063】
上記技術態様は、麻酔深度維持投与モジュール及びバイタルサイン維持投与モジュールに加え、筋弛緩維持投与モジュールも連携して投与し、これにより、麻酔の実施の精確性を更に向上させる。
【0064】
上記技術態様をより良く理解するために、以下、具体例と結び付けて、これらを例示的に説明する。例示的には、
図6aを参照し、導入期では、目標対象の対象情報及び手術タイプに基づき、例えば鎮静薬物及び鎮痛薬物に対する使用量及び輸注時間であり得る導入期の投与結果を計算することで、薬物を輸注するように薬物輸注機器を制御することができ、具体例は、
図6bを参照することができ、プロポフォール、ロクロニウム及びスフェンタニルを例にとっており、ボディマス指数(Body Mass Index、BMI)が30よりも大きい場合、プロポフォール、ロクロニウム及びスフェンタニルをボーラス注入することで導入投与過程を完成させる。導入期が終了した後、維持期に入る。投与モジュールは、指標データをリアルタイムに受信し、且つ、手術が終了していない場合、下記の操作を実行する。手術過程において他の医療機器の使用が脳波データの検出結果に干渉するため、検出した脳波データは正常値から大きくずれているが、長時間にわたって干渉することはない。従って、脳波データが干渉を受けている時にその前の投与結果を維持し、且つ、干渉が終了した後、少なくとも脳波データに基づき、麻酔深度維持投与モジュール及びバイタルサイン維持投与モジュールを用いて投与結果を再計算することができる。これを踏まえて、更に筋弛緩維持投与モジュールを用いて投与結果(即ち、筋弛緩投与結果)を計算することができる。そして、投与結果を取りまとめ、可視化プラットフォームに投与結果を展示する。図示におけるDelay及びcount_BPの意味は、後続の例で詳しく説明する。
【0065】
別の好ましい技術態様において、麻酔深度維持投与モジュールは、更に、第1薬物の第1輸注回数を取得し、第1輸注回数が第1切替条件を満たす場合、投与モードを人工投与モードに切り替え、第1輸注回数を第1初期値に設定するために使用される。
【0066】
そのうち、第1輸注回数は、第1薬物の輸注回数と理解できる。第1切替条件は、第1輸注回数に関連する、投与モードを自動投与モードから人工投与モードに切り替える必要があることを表すための状況と理解でき、本発明の実施例が関わる可能性がある応用シーンと結び付け、第1回数閾値であってもよい。第1初期値は、第1輸注回数に対して設定された初期値と理解でき、例えば、0であってもよい。第1輸注回数が第1切替条件を満たす場合、これは、目標対象に第1輸注回数の第1薬物を輸注したとしても、目標対象の麻酔深度が未だ理想的な麻酔範囲内に達していないことを示し、この場合、投与モードを自動的に人工投与モードに切り替えて手動介入を行い、第1輸注回数を第1初期値に設定して再計数することができる。上記技術態様は、麻酔の実施の有効性を保証する。
【0067】
更に別の好ましい技術態様として、バイタルサイン維持投与モジュールは、更に、第2薬物の第2輸注回数を取得し、第2輸注回数が第2切替条件を満たす場合、投与モードを人工投与モードに切り替え、第2輸注回数を第2初期値に設定するために使用される。
【0068】
そのうち、第2輸注回数は、第2薬物の輸注回数と理解できる。第2切替条件は、第2輸注回数に関連し、投与モードを自動投与モードから人工投与モードに切り替える必要があることを表すための状況と理解でき、本発明の実施例が関わる可能性がある応用シーンと結び付け、第2回数閾値であってもよい。第2初期値は、第2輸注回数に対して設定された初期値と理解でき、例えば、0であってもよい。第2輸注回数が第2切替条件を満たす場合、これは、目標対象に第2輸注回数の第2薬物を輸注したとしても、目標対象のバイタルサインが未だ正常状態に達していないことを示し、この場合、投与モードを自動的に人工投与モードに切り替えて手動介入を行い、第2輸注回数を第2初期値に設定して再計数することができる。上記技術態様は、麻酔の実施の有効性を保証する。
【0069】
上記2つの技術態様をより良く理解するために、以下、具体例と結び付けて、これらを例示的に説明する。例示的には、
図7を参照し、count_BP1は第1輸注回数を表し、count_BP2及びcount_BP3はいずれも第2輸注回数を表し、ただし、前者は血圧薬物に対応する第2輸注回数であり、後者は心拍数薬物に対応する第2輸注回数である。ここでcount_BP1を例にとっており、count_BP1が第1回数閾値を超えた場合、投与モードを人工投与モードに切り替え、count_BP1を0に設定する。これを踏まえて、更に、AI投与が終了していない場合、最新のAI投与結果を行う。AI投与が終了した場合、新しい人工投与結果が検出されれば、最新の人工投与結果を行い、新しい人工投与結果が検出されなければ、その前の投与結果を維持する。実際の応用において、好ましくは、麻酔深度維持投与モジュール及びバイタルサイン維持投与モジュールを参照し、筋弛緩維持投与モジュールに対応する投与モードの自動切替フローを実現することができる。そのうち、図示におけるcount_BP4は、筋弛緩薬物に対応する筋弛緩輸注回数を表す。
【0070】
別の好ましい技術態様において、バイタルサインデータは少なくとも血圧を含み、第1薬物は鎮静薬物及び鎮痛薬物を含み、第1投与結果は鎮静投与結果及び鎮痛投与結果を含み、麻酔深度維持投与モジュールは、具体的に、
ローカルデータベースからバイスペクトラルインデックス及び血圧を照会し、予め設定されたバイスペクトラルインデックスの目標範囲及び血圧の第1目標範囲を取得し、
照会したバイスペクトラルインデックス及び取得したバイスペクトラルインデックスの目標範囲に基づき、麻酔過程において輸注した鎮静薬物の鎮静投与結果を決定し、
照会したバイスペクトラルインデックス及び血圧、取得したバイスペクトラルインデックスの目標範囲及び血圧の第1目標範囲に基づき、麻酔過程において輸注した鎮痛薬物の鎮痛投与結果を決定し、
決定した鎮静投与結果及び鎮痛投与結果をローカルデータベースに記憶するために使用される。
【0071】
上記技術態様をより良く理解するために、以下、具体例と結び付けて、これらを例示的に説明する。例示的には、BISが高すぎるのは、目標対象の麻酔深度が浅すぎ、鎮静薬物の輸注速度を上昇させる必要があることを示し、BISが低すぎるのは、目標対象の麻酔深度が深すぎ、鎮静薬物の輸注速度を低下させる必要があることを示し、鎮静薬物の輸注速度の上昇又は低下はBISの上昇又は低下の幅に関連する。
【0072】
例示的には、
図8aを参照し、AI投与モードでは、通常の場合、2回の自動投与の間に予め設定された時間長をあける必要があり、即ち、前回の薬効が発揮したら、次回の投与を行う。ここで、Delay1で、麻酔深度維持投与モジュールに対応する予め設定された時間長を表す。毎回の第1薬物の輸注の後、Delayを1にし、遅延プログラムの実行後、Delayを0にすることができる。図示におけるプロポフォールは鎮静薬物で、レミフェンタニルは鎮痛薬物である。図示から分かるように、麻酔深度維持投与モジュールは、BISの数値の大きさ及びプロポフォールの投与速度(BV)の数値の大きさに基づき、鎮静薬物及び鎮痛薬物の投与結果を決定し、且つ、毎回の自動投与後、count_BP1を+1処理し、これにより、自動投与が2回行われた後、麻酔深度が未だ理想的な麻酔範囲に達していなければ、手動介入を適時に行い、麻酔の実施の有効性を保証する。
図8aにおけるレミフェンタニルモジュール1については、そのワークフローは
図8bに示すように、具体的に、BISの数値の大きさに基づいてレミフェンタニルの投与速度を決定し、且つ、2回を超えて投与した場合に手動介入を行う。手動介入の具体的なフローは、上記で説明された
図7を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0073】
また、例示的には、維持期では、実測したBISを理想的な麻酔範囲に維持することを主な目標とし、且つ、鎮静及び鎮痛の実測値の変動特性を考え、実測値と理想的な麻酔範囲との差値及び実測値が位置するBIS値の領域を計算し、これに基づき、実測値が理想的な麻酔範囲内に達するように鎮静注射量の変化をリアルタイムに調節することができる。具体的な内容は、
鎮静指数及び鎮痛指数の定常目標調節範囲を設定し、
BIS<>(BISL,BISH)にし、そのうち、BISは、手術過程におけるBISの実測値であり、BISLは、理想的な条件でのBISの正常範囲の下限であり、BISHは、理想的な条件でのBISの正常範囲の上限であり、
CHO<>(CHOL,CHOH)にし、CHOは、鎮静薬物のリアルタイムな投与速度であり、CHOLは、鎮静薬物の投与速度の下限であり、CHOHは、鎮静薬物の投与速度の上限であり、CHORは、鎮静薬物の投与速度の正常速度であるということである。
【0074】
これを踏まえて、BIS>BISHの場合、BISの実測値が1つ前の時間帯のBISよりも小さければ、CHOは変わらないように保たれ、BISの実測値が1つ前の時間帯のBISよりも大きければ、HIS=BISHH-BISLH、CHO=CHOR+(CHOH-CHOR)*PH/HIS*(BIS-BISLH)であり、そのうち、BISLHは、(BISLH,BISHH)区間の下限であってBISH以上であり、BISHHは、(BISLH,BISHH)区間の上限であってBISHI以上であり、HISは、(BISLH,BISHH)区間の長さであり、且つ、PHは、目標対象の手術過程におけるBISの最大値が(BISLH,BISHH)区間にある確率値である。
【0075】
BIS<BISLの場合、BISの実測値が1つ前の時間帯のBISよりも大きければ、CHOは変わらないように保たれ、BISの実測値が1つ前の時間帯のBISよりも小さければ、LIS=BISHL-BISLL、CHO=CHOR-(CHOR-CHOL)*PL/10*(BISHL-BIS))であり、そのうち、BISLLは、(BISLL,BISHL)区間の下限であってBISHL以下であり、BISHHは、(BISLL,BISHL)区間の上限であってBISL以下であり、LISは、(BISLL,BISHL)区間の長さであり、PLは、目標対象の手術過程におけるBISの最小値が(BISLL,BISHL)区間にある確率値である。
【0076】
BIS<>(BISL,BISH)の場合、CHO=CHORである。
【0077】
更なる好ましい技術態様として、バイタルサインデータは少なくとも血圧及び心拍数を含んでもよく、第2薬物は血圧薬物及び心拍数薬物を含み、第2投与結果は血圧投与結果及び心拍数投与結果を含み、バイタルサイン維持投与モジュールは、具体的に、
ローカルデータベースから血圧及び心拍数を照会し、予め設定された血圧の第2目標範囲及び心拍数の目標範囲を取得し、
照会した血圧及び取得した血圧の第2目標範囲に基づき、麻酔過程において輸注した血圧薬物の血圧投与結果を決定し、
照会した心拍数及び取得した心拍数の目標範囲に基づき、麻酔過程において輸注した心拍数薬物の心拍数投与結果を決定し、
決定した血圧投与結果及び心拍数投与結果をローカルデータベースに記憶するために使用される。
【0078】
上記技術態様をより良く理解するために、以下、具体例と結び付けて、これらを例示的に説明する。例示的には、バイタルサイン維持投与モジュールは、循環系の血圧及び心拍数を正常状態に維持することを司ることができ、ここでは、血圧を例にとっており、検出した血圧と理想的な麻酔状態での血圧範囲(即ち、第2目標範囲)との間の関係に基づき、血圧薬物の血圧投与結果を算出し、且つ、これに基づいて血圧を調整制御し、神経系薬物の循環系への間接的な影響を克服し、血圧が正常範囲(即ち、第2目標範囲)内にあることを保証することができる。実際の応用において、好ましくは、血圧が正常範囲内にない場合、先に麻酔深度が正常範囲内にあるか否かを判断し、麻酔深度が正常範囲内にある場合であれば、血圧を調整制御してもよい。心拍数の状況は類似するため、ここでは繰り返し説明しない。
【0079】
図9aを参照し、AI投与モードで、Delay2は、2回の血圧薬物の間にあけた予め設定された時間長を表し、Delay3は、2回の心拍数薬物の間にあけた予め設定された時間長を表し、同様に、count_BP2は、血圧薬物に対応する第2輸注回数を表し、ount_BP3は、心拍数薬物に対応する第2輸注回数を表す。図示から分かるように、バイタルサイン維持投与モジュールは、拡張期血圧(Diastolic Blood Pressure、DBP)及び収縮期血圧(Systolic Blood Pressure、SBP)の数値の大きさに基づき、血圧薬物の血圧投与結果を決定し、且つ、毎回の自動投与後、count_BP2を+1処理し、これにより、自動投与が2回行われた後、血圧が未だ第2目標範囲に達していなければ、手動介入を適時に行い、麻酔の実施の有効性を保証する。類似的に、バイタルサイン維持投与モジュールは、心拍数(Heart Rate、HR)の数値の大きさに基づいて心拍数薬物の心拍数投与結果を決定し、且つ、毎回の自動投与後、count_BP3を+1処理し、これにより、自動投与が2次行われた後、心拍数が未だ心拍数の目標範囲に達していなければ、手動介入を適時に行い、麻酔の実施の有効性を保証する。
図9aにおけるレミフェンタニルモジュール2については、これが血圧調整制御に対応し、具体的なワークフローは
図9bに示すとおりである。具体的には、SBP又はDBPの数値の大きさに基づいてレミフェンタニルの投与速度を決定し、且つ、4回を超えて投与した場合に手動介入を行う。つまり、血圧薬物で2回調整制御しても効果が良くない場合、レミフェンタニルに基づいて調整制御し、且つ、レミフェンタニルで2回調整制御しても効果が依然として良くない場合、手動介入を行う。類似的に、
図9aにおけるレミフェンタニルモジュール3については、これが心拍数調整制御に対応し、具体的なワークフローが
図9cに示すとおりである。具体的には、HRの数値の大きさに基づいてレミフェンタニルの投与速度を決定し、且つ、4回を超えて投与した場合に手動介入を行う。上記のいくつかのフローは互いに連携し、麻酔の実施の有効性及び正確性を更に保証する。
【0080】
また、例示的には、鎮静薬物及び鎮痛薬物が循環機能及び呼吸機能に対して抑制作用を持つため、循環機能の血圧及び心拍数の理想的な状態は、
SBP<>(SBPL,SBPH)
DBP<>(DBPL,DBPH)
HR<>(HRL,HRH)であるように設定し、
そのうち、SBPは収縮期血圧で、(SBPL,SBPH)は、理想的な条件でのSBPの正常範囲であり、DBPは拡張期血圧で、(DBPL,DBPH)は、理想的な条件でのDBPの正常範囲であり、HRは心拍数で、(HRL,HRH)は、理想的な条件でのHRの正常範囲である。これを踏まえて、RBPは昇圧薬物の定格用量であり、JBPは降圧薬物の定格用量であり、RHRは心拍数上昇薬物の定格用量であり、JHRは心拍数低下薬物の定格用量である。SBP、DBP及びHRの数値の検出により、正常範囲を超えれば、定量的に投与する。
【0081】
麻酔深度維持投与モジュール及びバイタルサイン維持投与モジュールに類似し、ここで、更に、筋弛緩維持投与モジュールのワークフローを例示的に展示し、具体的には、
図10を参照する。ローカルデータベースから筋弛緩データ(TOF)を取得し、TOFと予め設定された筋弛緩閾値(例えば、図示におけるT)との間の数値関係に基づいて定格用量の筋弛緩薬物を投与するか否かを決定する。これを踏まえて、筋弛緩薬物が既に2回投与され且つTOFが未だ正常範囲に達していない場合、手動介入を行い、麻酔効果を保証することができる。
【0082】
上記の具体的な実施形態は、本発明の保護範囲を制限するものではない。当業者であれば、設計要求や他の要素に基づいて様々な修正、組み合わせ、サブ組み合わせ及び置換が可能であることを理解すべきである。任意の、本発明の精神及び原則内で行われる修正、均等な置換及び改良などは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。