(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002959
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 50/14 20200101AFI20241226BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20241226BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20241226BHJP
【FI】
B60W50/14
B60W60/00
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103374
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野原 英治
(72)【発明者】
【氏名】波多野 達朗
【テーマコード(参考)】
3D241
3D344
【Fターム(参考)】
3D241BA60
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D344AA19
3D344AB01
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】車両に設けられる表示制御装置において、手動運転と自動運転のそれぞれの走行モードに応じて、表示装置の表示を適切に行う技術を提供する。
【解決手段】車両に設けられる表示制御装置であって、車両は、走行モードとして自動運転モードまたは手動運転モードを有し、搭乗者に情報を表示する表示部を備え、表示制御装置は、表示部を制御し、複数種類の表示モードであって、表示の時点における車両の状況を表示する第1種表示モードと、表示の時点における車両の状況を表示しない第2種表示モードと、を含む複数種類の表示モードを備え、表示部において第1種表示モードによる表示が行われていた手動運転モードから、自動運転モードに、走行モードが切り替えられたことを含む、予め定められた第1条件が満たされた場合に、自動運転モードにおける表示の時点において、表示部において第2種表示モードによる表示を行う。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる表示制御装置であって、
前記車両は、
走行モードとして自動運転モードまたは手動運転モードを有し、
搭乗者に情報を表示する表示部を備え、
前記表示制御装置は、
前記表示部を制御し、
複数種類の表示モードであって、表示の時点における車両の状況を表示する第1種表示モードと、表示の時点における車両の状況を表示しない第2種表示モードと、を含む前記複数種類の表示モードを備え、
前記表示部において前記第1種表示モードによる表示が行われていた前記手動運転モードから、前記自動運転モードに、前記走行モードが切り替えられたことを含む、予め定められた第1条件が満たされた場合に、前記自動運転モードにおける表示の時点において、前記表示部において前記第2種表示モードによる表示を行う、表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置であって、
前記第2種表示モードは、表示の時点以前の車両の状況の統計量を表示するモードである、表示制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示制御装置であって、
前記車両は、さらに、
駆動力の伝達される車輪としての複数の駆動輪と
前記複数の駆動輪のそれぞれの駆動力を調整する駆動力調整装置と、を備え、
前記第1種表示モードは、前記複数の駆動輪のそれぞれの駆動力を示す駆動力配分表示モードを含む、表示制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御装置であって、
前記表示制御装置は、さらに、
予め定められた第1の期間における前記第2種表示モードのそれぞれの表示モードが表示された頻度の情報を記憶し、
前記第1条件が満たされた場合に、前記頻度の情報に基づいて、前記第2種表示モードのうち、表示された頻度の最も多い表示モードを表示する、表示制御装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御装置であって、
前記表示制御装置は、さらに、
予め定められた第1の期間における前記第2種表示モードのそれぞれの表示モードが表示された時間の情報を記憶し、
前記第1条件が満たされた場合に、前記時間の情報に基づいて、前記第2種表示モードのうち、表示された時間の最も長い表示モードを表示する、表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
四輪駆動の車両において、例えば、特許文献1に記載されているように、各車輪に加わる駆動力の配分の状況を視認させる表示装置が存在する。表示装置は、運転者に駆動力の配分の状況を伝える。表示装置は、各車輪にどの程度の駆動力を配分することが可能かを、運転者に認識させることにより、より適切な操作を促す。なお、以下の説明において、こうした表示装置の機能を、駆動力の配分表示とよぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、四輪駆動の車両が自動運転する場合では、運転者自身で操作しないため、駆動力の配分表示以外の表示を望まれる可能性が高い。したがって、手動運転と自動運転のそれぞれの走行モードに応じて、表示装置の表示を適切に行う技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、車両に設けられる表示制御装置が提供される。この表示制御装置において、前記車両は、走行モードとして自動運転モードまたは手動運転モードを有し、搭乗者に情報を表示する表示部を備える。前記表示制御装置は、前記表示部を制御し、複数種類の表示モードであって、表示の時点における車両の状況を表示する第1種表示モードと、表示の時点における車両の状況を表示しない第2種表示モードと、を含む前記複数種類の表示モードを備える。前記表示制御装置は、前記表示部において前記第1種表示モードによる表示が行われていた前記手動運転モードから、前記自動運転モードに、前記走行モードが切り替えられたことを含む、予め定められた第1条件が満たされた場合に、前記自動運転モードにおける表示の時点において、前記表示部において前記第2種表示モードによる表示を行う。
このような形態とすることで、本開示の表示制御装置は、自動運転モードにおける表示の時点において、第2種表示モードによる表示を行う。自動運転モードでは、搭乗者が運転に係わる可能性は低いため、搭乗者が表示の時点における車両の状況を表示する第1種表示モードを望む可能性は、低い。したがって、本開示の表示制御装置は、走行モードに応じて、搭乗者が望む表示モードを表示部に表示できる可能性を高める。
(2)上記形態の表示制御装置では、前記第2種表示モードは、表示の時点以前の車両の状況の統計量を表示するモードでもよい。このような形態とすることで、本開示の表示制御装置は、自動運転モードにおける表示の時点において、第2種表示モードによる表示を行う。運転をしない搭乗者は、表示の時点における車両の状況よりも、自動運転による運転実績の適正さを知るために表示の時点における車両の状況を表す統計量を望む可能性が高い。例えば、この統計量は、平均燃費や平均車速などである。よって、本開示の表示制御装置は、自動運転による運転実績の適正さを知ることができる。
(3)上記形態の表示制御装置では、前記車両は、さらに、駆動力の伝達される車輪としての複数の駆動輪と前記複数の駆動輪のそれぞれの駆動力を調整する駆動力調整装置と、を備える。前記第1種表示モードは、前記複数の駆動輪のそれぞれの駆動力を示す駆動力配分表示モードを含む形態でもよい。このような形態とすることで、本開示の表示制御装置は、第1種表示モードとしての駆動力配分表示モードを有する場合も、自動運転モードでは、運転者が望む第2種表示モードを表示できる。
(4)上記形態の表示制御装置では、前記表示制御装置は、さらに、予め定められた第1の期間における前記第2種表示モードのそれぞれの表示モードが表示された頻度の情報を記憶し、前記第1条件が満たされた場合に、前記頻度の情報に基づいて、前記第2種表示モードのうち、表示された頻度の最も多い表示モードを表示してもよい。このような形態とすることで、本開示の表示制御装置は、表示モードの表示された頻度に基づいて、搭乗者が望む可能性の高い表示モードを、表示部に表示できる。
(5)上記形態の表示制御装置では、前記表示制御装置は、さらに、予め定められた第1の期間における前記第2種表示モードのそれぞれの表示モードが表示された時間の情報を記憶し、前記第1条件が満たされた場合に、前記時間の情報に基づいて、前記第2種表示モードのうち、表示された時間の最も長い表示モードを表示してもよい。このような形態とすることで、本開示の表示制御装置は、表示モードの表示された時間に基づいて、搭乗者が望む可能性の高い表示モードを、表示部に表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】エコドライブインジケーター表示モードを示す説明図である。
【
図7】第1実施形態における表示の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
A-1.第1実施形態の構成:
図1は、第1実施形態の構成を示す説明図である。表示制御装置600は、車両1000に設けられる。車両1000は、搭乗者を有した状態において、走行モードとして自動運転モードまたは手動運転モードを有する。走行モードについては、後に詳細に説明する。さらに、車両1000は、4輪駆動の車両である。以下の説明では、表示制御装置600の説明の前に、車両1000の構成について説明する。車両1000は、複数の駆動輪100と、運転実行部200と、情報取得部300と、車両制御装置400と、表示部500と、を備える。
【0009】
複数の駆動輪100は、車両1000の走行に必要な駆動力を路面に伝達する。すなわち、複数の駆動輪100は、駆動装置210により出力された駆動力の伝達される車輪である。複数の駆動輪100は、車両1000の左右に配された一対の車輪としての前輪110Rと前輪110Lと、車両1000の左右に配された一対の車輪としての後輪120Rと後輪120Lと、により構成されている。複数の駆動輪100は、車軸やプロペラシャフトを介して運転実行部200に接続されている。
図1では、技術の理解を容易にするため、構造に係わる図示が省略されている。
【0010】
運転実行部200は、車両1000の運転を実行する。運転実行部200は、駆動装置210と、制動装置220と、操舵装置230とを備える。運転実行部200は、車両制御装置400に通信線を通じて接続されている。運転実行部200は、車両制御装置400の指令に応じて、駆動装置210と、制動装置220と、操舵装置230とを使用して車両1000の運転を実行する。
【0011】
駆動装置210は、車両1000を駆動する。駆動装置210は、例えば、エンジン、トランスミッションや駆動力調整装置により構成される。
図1では、技術の理解を容易にするため、駆動力調整装置以外の駆動装置210の図示が省略されている。
【0012】
駆動力調整装置は、複数の駆動輪100のそれぞれの駆動力を調整する。駆動力調整装置は、例えば、電磁クラッチ211と駆動力調整部411により構成される。駆動力調整装置は、前後の駆動輪100の間、前輪110Rと前輪110Lの間、後輪120Rと後輪120Lの間に設けられることで、複数の駆動輪100のそれぞれの駆動力を調整する。駆動力調整部411は、後に説明する車両制御装置400におけるプロセッサ410の機能部である。すなわち、駆動力調整部411は、電磁クラッチ211を制御することにより、複数の駆動輪100のそれぞれの駆動力を調整する。複数の駆動輪100のそれぞれの駆動力の配分量の情報は、表示制御装置600に送られる。駆動力の配分量については、後に詳細に説明する。
【0013】
制動装置220は、車両1000の制動を実行する。例えば、制動装置220は、電子制御ブレーキシステムとして構成される。
【0014】
操舵装置230は、車両1000の操舵を実行する。例えば、電動パワーステアリングシステムとして構成される。
【0015】
情報取得部300は、車両1000の内部または外部の情報を取得する。例えば、情報取得部300は、画像センサ、レーダーセンサおよびヨーレートセンサなどの車両1000に設けられた各種のセンサである。さらに、情報取得部300は、通信回線や記憶媒体を通じて情報取得するナビゲーション装置やオーディオ装置である。情報取得部300は、表示制御装置600と車両制御装置400に接続されている。情報取得部300により取得された情報は、通信線を通じて表示制御装置600と車両制御装置400に送られる。なお、情報取得部300は、車両1000の制御に係わらない情報について、表示制御装置600にのみ情報を送る。
【0016】
車両制御装置400は、車両1000の制御を行う。車両制御装置400は、プロセッサ410とROM420とRAM430とを備える。ROM420は、読み出し専用の半導体メモリーであり、車両1000の制御のための制御プログラムを予め記憶している。RAM430は、読み書きが可能な半導体メモリーであり、RAM430は、車両1000の制御に必要な情報を記憶する。プロセッサ410は、ROM420に記憶された制御プログラムをRAM430にロードして実行することによって、様々な機能を実現する。車両制御装置400は、通信線を通じて表示制御装置600と運転実行部200と情報取得部300とに接続されている。
【0017】
車両制御装置400は、より具体的には、走行モードとしての自動運転モードと手動運転モードに応じて、運転実行部200を制御する。
【0018】
手動運転モードでは、車両制御装置400は、運転者による手動運転に応じて車両1000を制御する。より具体的には、車両制御装置400は、運転者によるアクセル、ブレーキやハンドルHの操作に応じて各種の駆動装置210を制御することにより車両1000を制御する。
【0019】
自動運転モードでは、車両制御装置400は、車両1000の自動走行を制御して自動運転を行う。より具体的には、車両制御装置400は、情報取得部300における、センサによる検出結果や、ナビゲーション装置による地図情報などを利用して、運転実行部200を制御する。
【0020】
なお、本実施形態における自動運転モードでは、車両1000は、搭乗者を有する。しかし、本実施形態における自動運転モードでは、運転の主体は、車両制御装置400である。よって、例えば、アクセルとブレーキの操作およびハンドルHの操作の両方が、部分的に自動化された状態は、本実施形態において手動運転モードである。
【0021】
さらに、車両制御装置400は、車両1000の状況を表示制御装置600に送る。車両1000の状況とは、例えば、運転の状況や外部の状況である。より具体的には、運転の状況は、後に説明する駆動力の配分量や、車両1000の加速や減速の大きさなどである。外部の状況は、情報取得部300により取得された車両1000の周囲に存在する標識や障害物などである。さらに、外部の状況は、ナビゲーション装置により受信された渋滞や進路情報なども含まれる。
【0022】
図2は、表示部500を示す説明図である。表示部500は、搭乗者に情報を表示する。より具体的には、表示部500は、表示制御装置600の制御により、後に説明する複数種類の表示モードを表示する。表示部500は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部500は、例えば、
図2に示すように、運転席の前方において、スピードメータMの位置する場所の下方に配される。表示部500は、表示制御装置600に接続されている。
【0023】
次に、
図1に示す表示制御装置600を説明する。表示制御装置600は、表示部500を制御する。表示制御装置600は、表示部500に表示する表示モードとして、複数種類の表示モードを備える。表示制御装置600は、複数種類の表示モードのいずれかの表示モードを表示部500に表示する。表示制御装置600は、プロセッサ610とROM620とRAM630とにより構成されている。各構成については、車両制御装置400におけるプロセッサ410とROM420とRAM430と同じである。表示制御装置600の機能については、後に詳細に説明する。
【0024】
A-2.複数種類の表示モード:
表示制御装置600は、第1種表示モードM10と第2種表示モードM20と第3種表示モードを含む、複数種類の表示モードを備える。
【0025】
第1種表示モードM10は、表示部500による表示の時点における車両1000の状況を表示する。表示の時点における車両1000の状況は、より具体的には、表示の時点において、表示できる最新の車両1000の状況である。よって、第1種表示モードM10は、リアルタイムに車両1000の状況を表示する。表示制御装置600は、第1種表示モードM10として複数の表示モードを備える。例えば、第1種表示モードM10は、駆動力配分表示モードM11とエコドライブインジケーター表示モードM12とを含む。
【0026】
図3は、駆動力配分表示モードM11を示す説明図である駆動力配分表示モードM11は、複数の駆動輪100のそれぞれの駆動力を示す。より具体的には、駆動力配分表示モードM11は、前後の駆動輪100のそれぞれの駆動力の配分量を表示する。
図3に示すように、駆動力配分表示モードM11では、複数の駆動輪100を表す模式図が表示される。さらに、駆動力配分表示モードM11では、1対の車輪としての前輪110Rと前輪110Lと、1対の車輪としての後輪120Rと後輪120Lと、のそれぞれの駆動力の配分量に対応した目盛りM11a~M11dが表示される。各目盛りの配色の増減が、駆動力の配分量の増減を示す。
【0027】
駆動力配分表示モードM11は、表示部500による表示の時点における駆動力の配分量を表す。すなわち、駆動力配分表示モードM11は、駆動力の配分量の変化に応じて、リアルタイムに各目盛りを変化させる。
【0028】
図4は、エコドライブインジケーター表示モードM12を示す説明図である。エコドライブインジケーター表示モードM12は、環境に配慮した運転方法の評価結果を示す。
図4に示すように、エコドライブインジケーター表示モードM12は、3つの範囲を有する。エコドライブインジケーター表示モードM12は、各範囲における点灯により、環境に配慮した運転の評価結果を示す。より具体的には、範囲M12aの点灯は、表示の時点におけるアクセル開度を示す。範囲M12bは、環境に配慮した走行として評価されるアクセル開度の範囲である。範囲M12cは、範囲M12bを超えたアクセル開度の範囲である。
【0029】
駆動力配分表示モードM11やエコドライブインジケーター表示モードM12は、運転者に車両1000の状況をリアルタイムに伝える。よって、運転者は、リアルタイムに運転方法の見直しができる。
【0030】
第2種表示モードM20は、表示の時点の車両1000の状況を表示しない。より具体的には、第2種表示モードM20は、表示の時点以前の車両1000の状況の統計量を表示する。以下に、第2種表示モードM20における表示モードとして、平均燃費表示モードM21と平均車速表示モードM22、を例示する。
【0031】
図5は、平均燃費表示モードM21を示す説明図である。平均燃費表示モードM21は、予め定められた計測の期間における車両1000の平均燃費を表示する。予め定められた計測の期間とは、例えば、表示部500にスイッチを設けることにより、搭乗者によるスイッチのオンされた時点から現在までの期間である。この計測の期間をリセット間ともよぶ。
図5では、車両1000の計測の期間における平均燃費は、「リセット間平均燃費」として図示されている。
【0032】
図6は、平均車速表示モードM22を示す説明図である。平均車速表示モードM22は、計測の期間における車両1000の平均車速を表示する。予め定められた計測の期間は、平均燃費表示モードM21における計測の期間と同様である。
【0033】
平均燃費表示モードM21や平均車速表示モードM22は、搭乗者に車両1000の状況を示す統計量を伝える。搭乗者は、統計量を確認することにより、例えば、表示の時点までの車両1000の走行を総合的に評価できる。
【0034】
第3種表示モードは、車両1000の状況に係わらないコンテンツを表示する。例えば、第3種表示モードは、情報取得部300が通信回線を通じて取得する動画や画像である。
【0035】
A-3.表示制御装置の処理:
図7は、第1実施形態における表示の処理を示すフローチャートである。表示制御装置600の機能について、以下に説明する。表示制御装置600は、車両制御装置400による走行モードの切り替えに応じて、処理を開始する。
【0036】
図7のステップS110において、表示制御装置600は、走行モードの確認を行う。より具体的には、表示制御装置600は、走行モードが自動運転モードのときに、処理をステップS120に進める。表示制御装置600は、走行モードが手動運転モードのときに、処理をステップS111に進める。
【0037】
図7のステップS111において、表示制御装置600は、表示部500の表示の時点における表示モードを維持する。すなわち、表示制御装置600は、表示モードの切り替えを行わない。表示制御装置600は、ステップS111の処理の後、本フローチャートの処理を終了する。
【0038】
図7のステップS120において、表示制御装置600は、自動運転モードにおいて、表示部500の表示の時点における表示モードを確認する。より具体的には、表示制御装置600は、表示部500の表示の時点における表示モードが、第1種表示モードM10の場合、処理をステップS130に進める。表示制御装置600は、表示部500の表示の時点における表示モードが、第2種表示モードM20の場合、処理をステップS111に進める。
【0039】
図7のステップS130~ステップS140の処理により、表示制御装置600は、表示部500において、第2種表示モードM20による表示を行う。より具体的には、表示制御装置600は、表示部500において第1種表示モードM10による表示が行われていた手動運転モードから、自動運転モードに、走行モードが切り替えられたことを含む予め定められた第1条件が満たされた場合に、第2種表示モードM20による表示を行う。この処理について、以下に詳細に説明する。
【0040】
図7のステップS130において、表示制御装置600は、第1条件の確認を行う。第1条件は、自動運転モードに、走行モードが切り替えられたことを含む条件である。自動運転モードに、走行モードが切り替えられた条件を、走行モードに係わる条件とよぶ。ステップS130では、走行モードに係わる条件は満たされている。第1条件は、走行モードに係わる条件に加えて、他の表示モードに係わる条件を含む。他の表示モードに係わる条件は、例えば、自動運転モードにおいても第1種表示モードM10で表示する、という指示が出されていない条件や、自動運転モードにおいては通信回線を通じて配信されている動画のように第3種表示モードを表示する、という指示が出ていない条件などである。すなわち、他の表示モードに係わる条件は、第2種表示モード以外の表示モードを表示させる指示がでていない条件である。したがって、表示制御装置600は、第1条件を満たさない場合、処理をステップS131に進める。表示制御装置600は、第1条件を満たす場合、処理をステップS140に進める。
【0041】
図7のステップS131において、表示制御装置600は、第2種表示モード以外の表示モードを表示させる指示に基づいて、他の表示モードを表示する。例えば、自動運転モードにおいても第1種表示モードM10で表示する、という指示が出されている場合に、表示制御装置600は、第1種表示モードM10を表示する。
【0042】
図7のステップS140において、表示制御装置600は、表示部500において第2種表示モードM20による表示を行う。なお、表示制御装置600は、第2種表示モードM20が複数の表示モードを含む場合、第2種表示モードM20のうち、例えば、表示された頻度の最も多い表示モードを表示する。この頻度は、第2種表示モードM20のそれぞれの表示モードが、予め定められた第1の期間に表示された頻度である。第1の期間は、現時点から予め定められた時間内に含まれる自動運転が行われた期間である。例えば、第1の期間は、表示の時点から1か月前までの期間である。なお、頻度の情報は、表示制御装置600のRAM630に記憶される。したがって、表示制御装置600は、第1条件が満たされた場合に、第1の期間に表示された頻度の情報に基づいて、第2種表示モードM20のうち、表示された頻度の最も多い表示モードを表示する。表示制御装置600は、ステップS140の処理の後、本フローチャートの処理を終了する。
【0043】
このような形態とすることで、本開示の表示制御装置600は、自動運転モードにおける表示の時点において、第2種表示モードM20による表示を行う。自動運転モードでは、搭乗者が運転に係わる可能性は低いため、搭乗者が表示の時点における車両の状況を表示する第1種表示モードM10を望む可能性は、低い。したがって、本開示の表示制御装置600は、走行モードに応じて、搭乗者が望む表示モードを表示部500に表示できる可能性を高める。
【0044】
さらに、本開示の表示制御装置600は、自動運転モードにおける表示の時点において、第2種表示モードM20による表示を行う。運転をしない搭乗者は、表示の時点における車両1000の状況よりも、自動運転による運転実績の適正さを知るために表示の時点における車両1000の状況を表す統計量を望む可能性が高い。例えば、この統計量は、平均燃費や平均車速などである。よって、本開示の表示制御装置600は、自動運転による運転実績の適正さを知ることができる。
【0045】
このうえ、本開示の表示制御装置600は、第1種表示モードM10としての駆動力配分表示モードM11を有する場合も、自動運転モードでは、運転者が望む第2種表示モードM20を表示できる。
【0046】
さらに、本開示の表示制御装置600は、表示モードの表示された頻度に基づいて、搭乗者が望む可能性の高い表示モードを、表示部500に表示できる。
【0047】
B.第2実施形態:
第1実施形態において、表示制御装置600は、
図7のステップS140の処理として、第2種表示モードM20のうち、表示された頻度の最も多い表示モードを表示する。しかし、表示制御装置600は、第1条件が満たされた場合に、時間の情報に基づいて、第2種表示モードM20のうち、表示された時間の最も長い表示モードを表示してもよい。この時間は、第2種表示モードM20のそれぞれの表示モードが、予め定められた第1の期間に表示された時間である。第1の期間については、第1実施形態における第1の期間と同じである。
【0048】
このような形態とすることで、第2実施形態の表示制御装置600は、表示モードの表示された時間に基づいて、搭乗者が望む可能性の高い表示モードを、表示部500に表示できる。
【0049】
C.第3実施形態:
上記実施形態において、第1種表示モードM10は、表示の時点における車両1000の状況を表示し、第2種表示モードM20は、表示の時点以前の車両1000の状況の統計量を表示する。第3実施形態における表示制御装置600は、さらに、表示の時点における車両1000の状況と、表示の時点以前の車両1000の状況の統計量と、の両方を表示する第4種表示モードを備えていてもよい。例えば、第4種表示モードは、エコドライブインジケーター表示モードM12における評価結果と、平均燃費表示モードM21における平均燃費と、を表示部500に表示させる。
【0050】
第3実施形態の表示制御装置600は、第4種表示モードを、表示の時点における車両1000の状況と、表示の時点以前の車両1000の状況の統計量と、のそれぞれの情報を表示している領域の大きさに基づいて、第1種表示モードM10または第2種表示モードM20として取り扱う。すなわち、
図7の処理において、第4種表示モードは、表示の時点における車両1000の状況を表す情報を最も大きく表示する場合、第1種表示モードM10として取り扱われる。さらに、第4種表示モードは、表示の時点以前の車両1000の状況の統計量を表す情報を最も大きく表示する場合、第2種表示モードM20として取り扱われる。
【0051】
このような形態とすることで、第3実施形態の表示制御装置600は、複数種類の表示モードとして、表示の時点における車両1000の状況と、表示の時点以前の車両1000の状況の統計量と、を表示する第4種表示モードを含む場合も、搭乗者が望む可能性の高い表示モードを、表示部500に表示できる。
【0052】
D.他の実施形態:
(1)上記実施形態において、表示制御装置600は、第1種表示モードM10として、例えば、駆動力配分表示モードM11とエコドライブインジケーター表示モードM12を含むとしている。しかし、表示制御装置600は、第1種表示モードM10として、1以上の表示モードを含めばよい。すなわち、表示制御装置600は、1つの第1種表示モードM10として、駆動力配分表示モードM11のみを備えた形態でもよい。同様に、第2種表示モードM20について、表示制御装置600は、第2種表示モードM20として、1以上の表示モードを備えていればよい。すなわち、表示制御装置600は、1つの第2種表示モードM20として、平均燃費表示モードM21のみを備えた形態でもよい。
(2)上記実施形態において、第2種表示モードM20は、表示の時点以前の車両の状況の統計量を表示する。第2種表示モードM20は、表示の時点の車両1000の状況を表示しない形態であればよい。例えば、第2種表示モードM20は、表示の時点を含まない期間における車両1000の状況を表示してもよい。より具体的には、表示の時点よりも前のあらかじめ定められた期間における車両1000の状況の統計量を表示してもよい。さらに、例えば、第2種表示モードM20は、表示の時点後の車両1000の状況の予測値を表示してもよい。
(3)上記実施形態において、複数種類の表示モードは、第3種表示モードを含まなくてもよい。すなわち、複数種類の表示モードは、第1種表示モードM10と第2種表示モードM20のみでもよい。
(4)上記実施形態において、車両1000は、4輪駆動による走行が可能である。しかし、車両1000は、2輪駆動による走行のみ可能な車両でもよい。さらに、車両1000は、駆動力調整装置を備えていなくてもよい。
(5)上記実施形態において、表示制御装置600は、車両制御装置400に設けられていてもよい。すなわち、表示制御装置600は、車両制御装置400の一部として構成されていてもよい。
(6)上記実施形態において、自動運転モードは、運転の主体が車両制御装置400の場合である。より具体的には、アクセルとブレーキの操作およびハンドルHの操作の両方が、部分的に自動化された状態は、本実施形態において手動運転モードに相当する。しかし、アクセルとブレーキの操作およびハンドルHの操作の両方が、部分的に自動化された状態は、自動運転モードでもよい。この場合、手動運転モードは、アクセルとブレーキの操作またはハンドルHの操作のどちらかが、部分的に自動化された状態である。
(7)上記実施形態において、車両1000は、複数の表示部500を備えていてもよい。複数の表示部500は、例えば、全てが運転席の前方に配されてもよいし、一部が助手席の前方に配されてもよい。なお、表示制御装置600は、複数の表示部500のそれぞれの表示部500ごとに
図7のフローチャートの処理を行う。
(8)上記実施形態において、第1の期間は、表示の時点から1か月までの期間に限られない。第1の期間は、表示の時点から1週間前でもよい。さらに、第1の期間は、表示制御装置600にスイッチを設けることにより、搭乗者によるスイッチの操作に基づく時点から、表示の時点でもよい。
(9)上記実施形態において、駆動力調整部411は、車両制御装置400のプロセッサ410が備えている。しかし、駆動力調整部411は、独立した制御装置として構成されていてもよい。
(10)上記実施形態において、第2種表示モードM20における統計量の表示は、数による表示であるが、統計量を視覚的に表すグラフやマークなどによって表示されてもよい。
(11)上記実施形態において、第1条件は、他の表示モードに係わる条件を含む条件である。しかし、第1条件は、自動運転モードに、走行モードが切り替えられたことを含む条件である。すなわち、第1条件は、自動運転モードに、走行モードが切り替えられたことのみを条件としてもよい。
【0053】
本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上記の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上記の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
100…駆動輪、110L,110R…前輪、120L,120R…後輪、200…運転実行部、210…駆動装置、211…電磁クラッチ、220…制動装置、230…操舵装置、300…情報取得部、400…車両制御装置、410,610…プロセッサ、411…駆動力調整部、420,620…ROM、430,630…RAM、500…表示部、600…表示制御装置、1000…車両、H…ハンドル、M…スピードメータ、M10…第1種表示モード、M11…駆動力配分表示モード、M12…エコドライブインジケーター表示モード、M20…第2種表示モード、M21…平均燃費表示モード、M22…平均車速表示モード