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特開2025-29591ローラを加熱するための加熱装置、ローラ、及びカレンダまたはエンボスカセット
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  • 特開-ローラを加熱するための加熱装置、ローラ、及びカレンダまたはエンボスカセット 図1
  • 特開-ローラを加熱するための加熱装置、ローラ、及びカレンダまたはエンボスカセット 図2
  • 特開-ローラを加熱するための加熱装置、ローラ、及びカレンダまたはエンボスカセット 図3
  • 特開-ローラを加熱するための加熱装置、ローラ、及びカレンダまたはエンボスカセット 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025029591
(43)【公開日】2025-03-06
(54)【発明の名称】ローラを加熱するための加熱装置、ローラ、及びカレンダまたはエンボスカセット
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/00 20060101AFI20250227BHJP
   B29C 43/24 20060101ALI20250227BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
H05B3/00 335
B29C43/24
F16C13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024137530
(22)【出願日】2024-08-19
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2023/072912
(32)【優先日】2023-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】522243439
【氏名又は名称】マシューズ インターナショナル ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】524116298
【氏名又は名称】マシューズ インターナショナル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】レネ ウォルターズ
【テーマコード(参考)】
3J103
3K058
4F204
【Fターム(参考)】
3J103AA02
3J103BA03
3J103GA02
3J103GA26
3K058AA02
3K058AA41
3K058AA71
3K058BA18
3K058CE17
3K058DA05
3K058GA03
4F204AC03
4F204AG01
4F204AJ02
4F204AJ08
4F204AK07
4F204AK09
4F204AR12
4F204FA06
4F204FB02
4F204FN11
4F204FN15
4F204FQ32
4F204FQ34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】急速加熱を可能にし、設置及び維持が容易であり、費用対効果も高いローラ、及びカレンダを提供する。
【解決手段】本発明は、ローラ100を加熱するための加熱装置1に関し、加熱装置は加熱要素2を有し、加熱要素は、ローラの穴に挿入され、ローラ及び/またはローラのローラ本体を加熱するための加熱力及び/または熱を提供する、好ましくは電気的に提供するように構成され、加熱装置はクランプ要素を有し、クランプ要素は加熱要素の表面に配置され、加熱装置はローラの穴に挿入されるときに穴の内面に接触し、加熱要素からの熱をローラ及び/またはローラ本体に伝導的に伝達するように構成される。本発明はさらに、ローラに関する。本発明はさらに、カレンダまたはエンボスカセットに関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ(100)を加熱するための加熱装置(1)であって、前記加熱装置(1)は加熱要素(2)を有し、前記加熱要素は、前記ローラ(100)の穴(4)に挿入され、好ましくは、前記ローラ(100)及び/または前記ローラ(100)のローラ本体(3)を加熱するために、電気的に加熱力及び/または熱を提供するように構成され、前記加熱装置(1)はクランプ要素(7)を有し、前記クランプ要素は、前記加熱要素(2)の表面(12)に配置され、前記加熱装置(1)が前記ローラ(100)の前記穴(4)に挿入されるときに前記穴(4)の内面に接触し、前記加熱要素(2)からの熱を前記ローラ(100)及び/または前記ローラ本体(3)に伝導的に伝達するように構成される、前記加熱装置(1)。
【請求項2】
前記クランプ要素(7)が環状であり、及び/または円錐形のクランプ要素であるか、もしくは円錐形のクランプ要素を有する、請求項1に記載の加熱装置(1)。
【請求項3】
前記クランプ要素(7)が、第1の傾斜面(10)を有する第1のクランプリング(8)と、第2の傾斜面(11)を有する第2のクランプリング(9)とを有し、前記第1の表面(8)及び前記第2の表面(9)が、互いに接触し及び/または支持する、先行請求項のいずれか1項に記載の加熱装置(1)。
【請求項4】
前記クランプ要素(7)は、可変及び/または調整可能な厚さ(D)を有する、先行請求項のいずれか1項に記載の加熱装置(1)。
【請求項5】
前記クランプ要素(7)が、1つ、複数、または全ての黄銅、青銅、アルミニウム、銅、及び/または鋼を含むまたは1つ、複数、または全ての黄銅、青銅、アルミニウム、銅、及び/または鋼から構成される、先行請求項のいずれか1項に記載の加熱装置(1)。
【請求項6】
前記加熱要素(2)は、円筒形状及び/またはロッド形状であり、前記クランプ要素(7)は、前記加熱要素(2)の外側面(12)上に配置される、先行請求項のいずれか1項に記載の加熱装置(1)。
【請求項7】
前記加熱要素(2)は、5mm~40mmの直径(H)、好ましくは28mmの直径(H)を有する、先行請求項のいずれか1項に記載の加熱装置(1)。
【請求項8】
前記クランプ要素(7)は、2mm~8mmの厚さ(D)、好ましくは4mmの厚さ(D)を有する、先行請求項のいずれか1項に記載の加熱装置(1)。
【請求項9】
1つ以上の穴(4)を有するローラ本体(3)を有するローラ(100)であって、前記ローラ(100)が先行請求項のいずれか1項に記載の加熱装置(1)を有し、前記穴(4)に挿入され、前記クランプ要素(7)が前記穴(4)の内面(5)に接触し、それにより、前記加熱要素(2)によって提供される熱が前記ローラ(100)及び/または前記ローラ本体(3)に、前記クランプ要素(7)を介して伝導的に伝達可能である、前記ローラ(100)。
【請求項10】
前記穴は、前記ローラ(100)の対称軸上または対称軸内に配置され、前記穴は、好ましくは前記ローラ(100)の長手方向に延在する、請求項9に記載のローラ(100)。
【請求項11】
前記加熱装置は、アダプタ(101)とばね(102)との間で前記穴(4)内に軸方向に取り付けられる、請求項9または10に記載のローラ(100)。
【請求項12】
前記ばね(102)の予荷重経路が調節可能であり、好ましくはねじ接続部(104)を介して調節可能であることで、好ましくは前記加熱装置(1)の軸方向の予荷重は調整可能である、請求項11に記載のローラ(100)。
【請求項13】
前記穴は、5mm~40mmの間の直径、好ましくは32mmの直径を有する、先行請求項9~12のいずれか1項に記載のローラ(100)。
【請求項14】
前記加熱装置(1)、または少なくとも前記加熱要素(2)が、前記ローラ(100)に及び/または前記穴(4)内に、好ましくはねじ接続部を介して取り外し可能に固定される、先行請求項9~13のいずれか1項に記載のローラ(100)。
【請求項15】
カレンダまたはエンボスカセットであって、先行請求項9~14のいずれか1項に記載の少なくとも1つのローラ(100)を含み、好ましくは先行請求項9~14のいずれか1項に記載の2つのローラ(100)を含むペアのローラを有し、対応する加熱装置を使用して加熱される、前記カレンダまたは前記エンボスカセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラを加熱するための加熱装置及びローラに関する。本発明はさらに、カレンダまたはエンボスカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
カレンダ及び/またはローラは、フィルムなどのウェブ形状の担体の製造及び/またはコーティングによく使用される。カレンダ及び/またはローラは、例えば、電池または電池セル、例えばリチウムイオン電池またはリチウムイオン蓄電池などのための電極の製造にも使用される。
【0003】
例えば、電池セルの正極及び/または負極は、例えば、負極の場合は銅、または正極の場合はアルミニウムでできた金属箔上の様々な活物質コーティングによって製造できる。圧延ミルとも呼ばれるカレンダを用いて、適切な電極材料または活物質などの適切なコーティングを金属箔に塗布することができる。金属箔と電極材料または活物質などのコーティング材との間の接着促進剤として使用される化学結合剤または下塗液は熱エネルギーによって活性化されるため、ローラの温度を正確に設定することが不可欠である。
【0004】
エンボスカセットは、ウェブ形状材料をエンボス加工及び/または穿孔するように構成され得る及び/または使用され得る。エンボスカセットは、エンボスカレンダとも呼ばれ得る。エンボスカセットは、エンボス及び/または穿孔用のローラを有し得る。エンボスカセットは、カウンタローラ及び/または第2のエンボスローラなどの第2のローラを有し得る。ウェブ形状材料は、エンボスカセットのローラ間で誘導され得る。ウェブ形状材料は、エンボスカセットを通して誘導されるときに、エンボス加工され得る及び/または穿孔され得る。ウェブ形状材料は、例えばフィルムであるか、またはフィルムを含むことができる。例えば、ウェブ形状材料は、プラスチック及び/または金属を含み得る及び/またはプラスチック及び/または金属からなり得る。
【0005】
重要なプロセス及び製品のパラメータは、ローラの加熱を介して高感度で制御できる。例えば、下塗液の活性化は、活物質を互いに、及び/または金属箔に付着させるように設定され得る。ローラ温度を選択することにより、電極の総厚さを正確に設定することができ、及び/または、例えば材料の延性を調整することができる。さらに、摩擦加熱されたベアリングによる温度の勾配によってローラに発生する応力を消散または低減することができる。
【0006】
オイルヒータを介してローラを加熱することは、既知である。高温の油がローラのチャネルを通って導かれ、ローラが加熱される。このようなオイルヒータは、一方では油が作動媒体として使用され、その油を加熱するために外部ヒータが使用され、そのうえ供給ライン及び排出ラインを使用しなければならず、他方では、比較的に長いリードタイムが生じるという欠点がある。そのため、オイルヒータは、ローラが所定の温度まで加熱されるまでに、比較的に長い時間を要する。さらに、対応するオイルヒータは比較的高価である。さらに、オイルヒータに使用される油または熱媒体油は、通常、約250℃までしか安定せず、そのため、250℃を超える温度でのオイルヒータの使用は合理的ではなく、または不可能である。
【0007】
あるいは、誘導的に加熱するローラが既知である。作動媒体は必要ではなく、むしろ、ローラは電磁場によって誘導的に加熱される。対応する誘導ヒータは、リードタイムが短く、比較的に迅速にローラを指定された温度に加熱することができる。ただし、複雑なケーブリング及び制御に伴って高レベルの機器への出費が必要である。誘導ヒータはまた、比較的高価である。
【0008】
電気ヒータは、別の代替物として既知である。ローラには加熱要素が挿入される穴が設けられる。しかしながら、穴が原因で、加熱要素によって発生した熱がローラに良好に伝達されないことが欠点になることが判明している。
【0009】
対応する加熱要素を穴内に設置するために、設置を簡素化するために黒鉛ペーストを使用して加熱要素が潤滑されるが、このペーストは一定期間の動作後に蒸発する。また、熱伝達は、嵌合によって決定される、加熱要素とローラのローラ本体との間の空隙を介してのみ生じる。これにより、一方では加熱要素の円周、したがってその半径方向の表面は小さくなり、他方では、ローラ、特に位置する空気が減少するため、熱伝達が大幅に減少する。黒鉛ペーストが蒸発した後の加熱要素とローラ本体との間の対応する空隙では、黒鉛ペーストは、非常に低い熱伝導率を有する。例えば、ローラ本体がしばしば材料からなるか、または少なくともそれを含む鋼S355は、約54W/(mK)の熱伝導率を有し、一方、空気は、約0.0262W/(mK)の熱伝導率を有する。したがって、空隙は熱伝達抵抗として機能する。
【0010】
その結果、ローラ表面を目標温度まで加熱するために必要な電力が、動作中に到達できないことが多い。場合によっては、加熱要素は、放熱が不十分であるため、焼損または損傷するほど高温になることさえあり得る。
【0011】
このため、電気ヒータはこの時点まで効果的であると証明されておらず、オイルヒータが頻繁に使用される選択手段である。
【0012】
これらの欠点は、請求項1に請求される本発明に記載の加熱装置、請求項9に請求される本発明に記載のローラ、及び請求項15に請求される本発明に記載のカレンダまたはエンボスカセットによって克服される。それぞれの従属請求項は、それぞれ、特に有利な実施形態に関する。
【0013】
特に、本発明の目的は、ローラの急速加熱を可能にする、本発明に記載の加熱装置、ローラ、及びカレンダを提供することである。本発明に記載の加熱装置、したがって本発明に記載のローラまたはカレンダまたはエンボスカセットはさらに設置及び維持が容易であり、費用対効果も高い。
【0014】
本発明に記載の加熱装置のいくつかの実施形態においては、既存のカレンダ及び/またはローラを簡単かつ容易に後付けすることも可能である。
【0015】
本発明の第1の態様は、ローラを加熱するための加熱装置に関し、加熱装置は加熱要素を有し、この加熱要素はローラの穴に挿入され、ローラ及び/またはローラのローラ本体を加熱するために加熱力及び/または熱を提供するように構成され、加熱装置は、加熱要素の表面に配置され、加熱装置がローラの穴に挿入されるときに穴の内面に接触するように、及び加熱要素からの熱をローラ及び/またはローラ本体に伝導的に伝達するように構成されるクランプ要素を有する。
【0016】
クランプ要素は、加熱要素の表面に接触することができる。
【0017】
加熱要素は、加熱力を提供する、及び/または電気的に加熱するように構成されることができる。加熱要素は、電気エネルギーを熱に変換するように構成されることができる。加熱要素は、加熱カートリッジを有することができるか、もしくは加熱カートリッジであることができるか、またはそのように指定されることができる。加熱要素は、加熱ロッドであるか、またはそれを有する場合がある。
【0018】
クランプ要素は環状であり得る。クランプ要素は、コーンクランプ要素である、またはコーンクランプ要素を含むことができる。
【0019】
クランプ要素及び/またはコーンクランプ要素は、第1の傾斜面を有する第1のクランプリングと、第2の傾斜面を有する第2のクランプリングとを備え得る。第1の表面及び第2の表面は、互いに接触する及び/または支持することができる。第1の表面及び第2の表面は、互いに対して及び/または互いにスライドすることができる。第1の傾斜面は、第1のクランプリングの直線面に対して傾斜していることが設けられてもよい。第2の傾斜面は、第2のクランプリングの直線面に対して傾斜していることが設けられてもよい。第1のクランプリングと第2のクランプリングとがその傾斜面で互いに接触するとき、または互いに重なっているとき、対応する直線面が互いに実質的に平行に整列できるように、それぞれの傾斜角度を選択することができる。第1の傾斜面及び/または第2の傾斜面の傾斜角度は、例えば、加熱装置が1つまたは複数の穴に収容できる場合、セルフロックが発生可能なように選択することができる。あるいは、1つまたは複数の第1の傾斜面及び/または第2の傾斜面の傾斜角度は、例えば、加熱装置が1つまたは穴に収容できる場合、セルフロックが発生できるように選択することができる。
【0020】
クランプ要素は、可変の及び/または調整可能な厚さを有することができる。クランプ要素の厚さは、可変及び/または調整可能であることができる。第1のクランプリングが第1の傾斜面を有し、第2のクランプリングが第2の傾斜面を有する場合、クランプ要素の厚さは、第1のクランプリング及び第2のクランプリングを相互にスライドさせて及び/または移動させることによって、調整及び/または変更することができる。
【0021】
クランプ要素は、黄銅、青銅、アルミニウム、銅、及び/または鋼、及び/またはこれらのうちの少なくとも1つを含む合金の1つ、複数、またはすべてを含み得る。クランプ要素は、黄銅、青銅、アルミニウム、銅、及び/または鋼の1つ以上で構成され得る。クランプ要素の熱伝導率は120W/(mK)であり得る。クランプ要素の熱伝導率は120W/(mK)より高くあり得る。第1のクランプリング及び/または第2のクランプリングは、黄銅、青銅、及び/または鋼を含む及び/または黄銅、青銅、及び/または鋼からなり得る。
【0022】
加熱要素は円筒形であり得る。加熱要素は、ロッド状であってもよい。クランプ要素は、加熱要素の外側面に配置することができる。
【0023】
加熱要素は、5mm~40mmの間の直径を有し得る。加熱要素は、28mmの直径を有することができることが設けられてもよい。いくつかの実施形態では、加熱要素は、27mm~29mmの間の直径を有することができる。
【0024】
クランプ要素は、2mm~8mmの厚さを有し得る。クランプ要素は4mmの厚さを有し得ることが設けられることができる。いくつかの実施形態では、クランプ要素は、3.5mm~4.5mmの厚さを有することができる。
【0025】
本発明のさらなる態様は、1つ以上の穴を有するローラ本体を有するローラに関し、ローラは、穴に挿入される本発明に記載の加熱装置を有し、クランプ要素は穴の内面に接触し、加熱要素によって提供される熱は、クランプ要素によってローラ本体及び/またはローラに伝導的に伝達可能である。
【0026】
いくつかの実施形態では、ローラは、厳密に1つの穴を有し得る。いくつかの実施形態では、ローラは複数の穴を有することができる。ローラが複数の穴を有する場合、対応する加熱要素を、少なくとも1つ、複数、または全ての穴に挿入することができる。ローラが複数の穴を有する場合、いくつかの実施形態では、少なくとも2つ、複数の、または全ての穴は、相互に対してある角度で、例えば60°の角度で配置され得る。穴のうちの少なくとも1つは傾斜していてもよく、例えば、ローラの対称軸及び/または縦軸に対して傾斜していてもよい。
【0027】
穴は、ローラの対称軸上または対称軸内に配置され得る。穴は、ローラの長手方向に延びることができる。
【0028】
加熱装置は、アダプタとばねとの間の穴内で軸方向に取り付けられ得る。
【0029】
ばねの予荷重の移動は調整可能であってよい。ばねの予荷重の移動は、加熱装置の軸方向の予荷重が設定可能となるように調整可能であってよい。ばねの予荷重の移動は、ねじ接続部を介して調整可能であってよい。
【0030】
穴の直径は5mm~40mmであり得る。いくつかの実施形態では、穴の直径は32mmであり得る。いくつかの実施形態では、穴の直径は、30.5mmと33.5mmの間であり得る。ローラが複数の穴を有する場合、少なくとも2つ、複数、または全ての穴が同じ直径を有することが設けられてもよい。代替的にまたは追加で、少なくとも2つ、複数、または全ての穴は異なる直径を有することができる。いくつかの実施形態では、異なる直径の穴は、異なる加熱要素及び/または加熱装置の収容を可能にし得る、及び/または容易にし得る。いくつかの実施形態では、加熱装置の収容及び/または加熱装置は、異なる直径の穴によって柔軟な方法で可能にし得る。
【0031】
加熱装置、または少なくとも加熱要素は、ローラ及び/または穴に取り外し可能に固定され得る。加熱装置、または少なくとも加熱要素は、ねじ接続部を介してローラ及び/または穴内に固定され得る。加熱装置、または少なくとも加熱要素は、ローラ本体及び/またはローラのピンに、またはローラ本体及び/またはローラのピンとともに、取り外し可能に固定され得る。加熱装置、または少なくとも加熱要素は、ねじ接続部を介してローラ本体及び/またはローラのピン、またはローラ本体及び/またはローラのピンとともに固定され得る。
【0032】
本発明のさらに別の態様は、本発明に記載の少なくとも1つのローラを有するカレンダに関する。代替的にまたは追加的に、本発明は、本発明に記載の少なくとも1つのローラを有するエンボスカセットに関する。
【0033】
カレンダは、1対のローラを有し得、対向するローラは、本発明に記載の2つのローラを含み得、1対のローラのローラは、対応する加熱装置を使用して加熱され得る。エンボスカセットは、1対のローラを有し得、対向するローラは、本発明に記載の2つのローラを含み得、1対のローラのローラは、対応する加熱装置を使用して加熱され得る。
【0034】
本発明は、以下の図を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】従来技術から既知のローラを示す。
図2】従来技術から既知のローラの断面と、本発明に記載のローラの断面との比較を示す。
図3】本発明に記載のローラの実施形態の斜視図を示す。
図4】従来技術から既知の加熱ローラと、本発明に記載の加熱ローラとの時間的温度プロファイルの比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、従来技術から既知であるローラ100を示す。ローラ100は、ローラ本体3を有する。ローラ100は、カレンダローラであり得る、またはカレンダローラを含み得る。ローラ100は、エンボスローラであり得る、またはエンボスローラを含み得る。ローラ100は、エッチング加工されたローラであり得る、またはエッチング加工されたローラを含み得る。ローラ本体3は、カレンダ加工及び/またはエンボス加工に使用できるローラ表面109を有し得る。いくつかの実施形態では、ローラ100は、彫刻、印刷、及び/または穿孔を行うように構成され得る及び/または使用され得る。ローラ100は、カレンダ及び/またはエンボスカセットの中で、またはカレンダ及び/またはエンボスカセットとともに使用される、及び/または用いられるように構成され得る。
【0037】
ローラ100及び/またはローラ本体3は、円筒形及び/またはロッド形であり得る。ローラ表面109は、ローラ100の外側面に対応し得る。ローラ100は、ピン107を有することができる。ピン107は取り付けに使用することができる。ローラ100は、例えば、ピン107でクランプされ得る。いずれの場合も、ピン107をローラ本体3の対向する位置に配置できることを設けることができる。ローラ100は、回転軸Xを有し得、ローラ100は、それを中心に回転可能であり、例えば、回転可能に取り付けられ得る。ローラ100は穴4を有する。いくつかの実施形態では、穴4は、ローラ100を完全に貫通して延びることができる。穴4がローラ100の長手方向Lに沿って延びるように設けることができる。いくつかの実施形態では、穴4は、ローラ100の対称軸、例えば、縦軸及び/または回転軸Xに沿って延びることができる。穴4及び/または穴4の延長軸は、ローラ100の対称軸、縦軸、及び/または回転軸Xの1つまたは複数と実質的に一致し得る。
【0038】
先行技術から既知のローラ100では、加熱要素2が穴4に設けられている。加熱要素2は、例えば、加熱ロッドであり得る及び/または加熱ロッドを有し得る。加熱要素2と穴4の内面5との間に空隙6が存在する。図2(上図)は、従来技術から既知のローラ100の対応する断面を示す。したがって、先行技術から既知のローラ100では、加熱要素2は、ローラ本体3及び/または穴4に接触することができず、空隙6によってそれらから分離される。空隙6は、加熱要素2の外側面12と穴4の内面5との間に配置することができ、及び/またはそれによって形成することができる。空隙6は厚みSを有し得、先行技術から既知のローラ100の実施形態では、数ミリメートルであり得る。したがって、空隙6は、加熱要素2とローラ本体3との間の断熱材として作用する。したがって、加熱要素2によって発生した熱のローラ本体3への伝達は、空隙6によって低減及び/または制限される。これにより、ローラ100及び/またはローラ本体3がゆっくりと加熱され、最高温度が低下する。さらに、場合によっては、加熱要素2は発生する熱が適切に放散されない、または適切に放散されないために、熱によって損傷し得る。
【0039】
本発明に記載の加熱装置1をそれぞれが有する、本発明に記載のローラ100の実施形態の断面及び本発明に記載のローラ100を、図2(下)及び図3に示す。
【0040】
本発明に記載の加熱装置1は、加熱要素2及びクランプ要素7を有する。加熱要素2は、従来技術から既知である加熱要素2に対応することができる。加熱要素2は、ローラ100の1つまたは複数の穴4に挿入され得る。加熱要素2は、ローラ100及び/またはローラ本体3を加熱するために、加熱力及び/または熱を提供することができる。例えば、加熱要素2は、加熱力及び/または電気的に加熱する、並びに/あるいは電気エネルギーからそれを生成及び/または変換することを提供し得る。加熱要素2は、例えば、加熱ロッドであり得る、または加熱ロッドを含み得る。
【0041】
クランプ要素7は、加熱要素2の表面に配置される。加熱要素2は、円筒形状及び/またはロッド形状であることができる。この表面は、例えば、加熱要素2の外側面12である及び/または外側面12に対応することができる。加熱装置1がローラ100の1つまたは複数の穴4内に挿入されるとき、穴4の内面5の一部または全体が、クランプ要素7によって接触され得る。これにより、熱が、加熱要素2からローラ100及び/またはローラ本体3に伝導的に伝達されることができる。クランプ要素7は、加熱要素2とローラ本体3との間の熱伝導を引き起こし得る、及び/または提供し得る。
【0042】
具体的には、クランプ要素7は、空隙6の一部または全体を充填することができ、いくつかの実施形態では、それを本質的に完全に充填する。クランプ要素7は、環状であってもよく、及び/または1つ以上のクランプリングを有してもよい。クランプ要素7は、第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9を有し、及び/または1つ以上の第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9からなることが提供され得る。クランプ要素7は、コーンクランプ要素である得る、またはコーンクランプ要素を有し得る。コーンクランプ要素は、第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9を有することができる。クランプ要素7は円錐形であり得る。第1のクランプリング8及び/または第2のクランプリング9は円錐形であり得る。
【0043】
クランプ要素7が環状である場合、環状クランプ要素7の外側のより大きい表面により、効果的な表面が増加し、かつ/または、より良い熱伝達が得られる可能性がある。これは、加熱素子2の小さい表面よりも大きいクランプ要素7の外側の表面(穴4の内面5に接触し、及び/または第2のクランプリング9または第2のクランプリング9の直面にほぼ対応することができる表面)に起因し、より小さい加熱素子2の表面と比べられる。(例えば、環状クランプ要素7の内面に接触し、及び/または第1のクランプリング8の直面または第1のクランプリング8にほぼ対応することができる。)
第1のクランプリング8は、傾斜した第1の表面10を有してもよい。第1のクランプリング8は、実質的に直線面を有してもよく、これは傾斜した第1の表面10の反対側に配置してもよい。第1の表面10は、直線面に対して斜め及び/または傾斜してもよい。第1のクランプリング8は、楔形状であってもよく、及び/または楔形状を有してもよい。第2のクランプリング9は、傾斜した第2の表面11を有することができる。第2のクランプリング9は、実質的に直線面を有することができ、これは傾斜した第2の表面11の反対側に配置することができる。第1の表面10は、直線面に対して斜め及び/または傾斜してもよい。第2のクランプリング9は、楔形状であってもよく、及び/または楔形状を有してもよい。
【0044】
第1のクランプリング8の直線面は、加熱要素2に接触でき、並びに/またはその表面及び/または外側面12は、例えば、広い領域にわたって加熱要素2に接触できることを設けることができる。第1のクランプリング8の直線面は、加熱要素2及び/またはその表面及び/または外側面12の上に載ることができ、並びに/あるいはそれによって支持することができる。第2のクランプリング9の直線面は、ローラ本体3及び/または穴4と接触し、及び/またはその内面5と接触し、例えば広い領域にわたって接触することができる。第2のクランプリング9の直線面は、ローラ本体3及び/または穴4、及び/またはその内面5の上に載ることができ、並びに/またはそれによって支持されることができる。
【0045】
第1の傾斜面10及び第2の傾斜面11のそれぞれの傾斜角度は、第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9が互いに接触するとき、及び/またはそれぞれの傾斜面11を介して互いに接触するとき、及び/または1つの傾斜面11の上にあるとき、クランプリング8、9のそれぞれの直線面は、互いに平行に整列し、及び/または互いに平行になるように選択され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の各傾斜角度は、セルフロックが起こり得るように選択される可能性がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の傾斜角度は、セルフロックが発生しないような方法で選択できる。傾斜角度(複数可)は、加熱装置1、加熱要素2、及び/またはクランプ要素7が穴4から容易に取り外されることができるように選択され得る。
【0046】
クランプ要素7は、複数または多数の第1のクランプリング8を有することができる。クランプ要素7は、複数または多数の第1のクランプリング9を有することができる。第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9は、それぞれ1つの上に位置し得る。別個の最上部の結合部、及び/または本質的に半径方向に互いに接触する状態のいずれか1つになることができる。隣接する第1のクランプリング8及び/または第2のクランプリング9は、互いに横方向及び/または軸方向に接触し及び/または固定し得る。いくつかの実施形態では、第1のクランプリング8は、隣接する第2のクランプリング9に横方向及び/または軸方向に接触し及び/または固定し得る。いくつかの実施形態では、第2のクランプリング9は、隣接する第1のクランプリング8に横方向及び/または軸方向に接触し及び/または固定し得る。
【0047】
第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9は、傾斜した第1の表面10と傾斜した第2の表面11とが互いに接触するように配置することができる。第1のクランプリング8及び/または第2のクランプリング9は、互いに対して摺動し得る、及び/または移動し得る。第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9の傾斜面により、クランプ要素7の厚さDは、調整及び/または変更することができる。このようにして、加熱要素2とローラ本体3との間の良好な接触をクランプ要素7によって確保することができる。さらに、クランプ要素7の調整可能な厚さD及び/または可変の厚さDにより、異なる厚さSの空隙6を形成し、十分に架橋及び/または充填されていることになる。クランプ要素7、及び/または第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9(または複数の第1のクランプリング8及びそれに対応して複数の第2のクランプリング9)は、クランプ要素7の厚さDが達成される、及び/またはクランプ要素7が所定の厚さDを有するように、互いに対して変位されるように穴4内に固定及び/または固定されるようにしてもよい。
【0048】
クランプ要素7は、材料からなり得る、または良好な熱伝導率を有し得る材料を含み得る。第1のクランプリング8及び/または第2のクランプリング9は、良好な熱伝導率を有し得る材料からなり得る、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、材料は、鋼、青銅、及び/または黄銅であるか、またはそれらを含む場合がある。材料は、複数の材料の組成物からなることができ、及び/または複数の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、材料は、合金である得る、または合金を含み得る。いくつかの実施形態では、クランプ要素7は、120W/(mK)の熱伝導率を有し得る。いくつかの実施形態では、クランプ要素7は、120W/(mK)よりも高い熱伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9は、異なる材料からなり得る、及び/または異なる材料を含むことが提供されてもよい。あるいは、第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9は、同じ材料からなり得る、及び/または同じ材料を含むことが提供されてもよい。
【0049】
図3は、本発明に記載のローラ100の実施形態の様々な詳細及び/または断面を示す。ローラ100は、ローラ本体3を有する。ローラ100は穴4を有する。本発明に記載の加熱装置1は、穴4に挿入される。ローラ100及び/または加熱装置1は、1つ、複数、またはすべての特徴及び/またはローラ100及び/または上述した加熱装置1の利点を有することができる。
【0050】
穴4内に加熱要素2のすきま嵌めを設けることができる。すきま嵌めは、クランプ要素7によって架橋され、及び/または充填され得る。加熱要素2は、5mm~40mmの間の直径Hを有することができる。加熱要素2の直径Hは、27mm~29mmの間であり得る。また、加熱要素2は、28mmの直径Hを有することがあり得ることを提供されてもよい。穴4の直径Bは5mm~40mmであり得る。穴4の直径Bは30.5mm~33.5mmであり得る。穴4は32mmの直径Bを有し得ることが提供されてもよい。クランプ要素7の厚さは、2mm~8mmであり得る。いくつかの実施形態では、クランプ要素7は、3.5mm~4.5mmの厚さDを有することができる。クランプ要素7の厚さDが、4mmであり得ることが提供されることができる。
【0051】
ローラ100及び/またはローラ本体3は、円筒形及び/またはロッド形であり得る。ローラ100及び/またはローラ本体3は、カレンダ加工及び/またはエンボス加工に役立ち得る及び/またはそれらに使用され得るローラ表面109を有し得る。ローラ表面109は、ローラ本体3の外側面であるか、またはローラ本体3の外側面を含む場合がある。ローラ100は、1つ以上のピン107を有することができる。ピン107は遠位側に配置することができる。ピン107は、ローラ本体3の一端に配置され得る。いずれの場合もピン107は、ローラ本体3の対向する端部に配置され得ることが提供される可能性がある。ピン107は、ローラ100を取り付けるために使用され得る。例えば、ローリングベアリングまたはピボットベアリングにおいて使用される。ローラ100は、ピン107を介してクランプされ得る。
【0052】
穴4は、ローラ100及び/またはローラ本体3を少なくとも部分的にまたは完全に貫通して延びることができる。穴4は、ローラ100及び/またはローラ本体3の長手方向Lに沿って配置することができる。穴4は、カレンダロール100及び/またはロール本体3の長手方向L及び/または延在方向に実質的に平行に配置され得る及び/または延在し得る。穴4は中央に配置できることが提供されてもよい。穴4は、1つまたは複数のローラ100の回転軸Xと本質的に一致し得る。
【0053】
加熱装置1及び/または加熱要素2は、ローラ100及び/またはローラ本体3を加熱するように構成される。ローラ100及び/またはローラ本体3は、加熱装置1及び/または加熱要素2によって、例えば所定の温度などの温度に加熱され得る。いくつかの実施形態では、温度が制御及び/または調節できる、及び/または予め決定できることが提供され得る。
【0054】
加熱要素2は、円筒形状及び/またはロッド形状であることができる。加熱要素2は、表面、例えば外側面5を有することができる。クランプ要素7は、加熱要素2、例えばその表面及び/または外側面5に接触する。クランプ要素7は、穴4の内面5に接触する。したがって、クランプ要素7は、特に熱伝導によって、加熱要素2から穴4の内面5に、及び/またはローラ本体3及び/またはローラ100に熱を伝達することができる。クランプ要素7は、例えば、上記の第1のクランプリング8及び第2のクランプリング9のうちの1つ以上を有することができる。
【0055】
図3は、穴4内での加熱装置1の収容及び/または固定の例を示す。加熱装置1は、軸方向、特に長手方向Lに固定することができる。ローラ100は、アダプタ101と、加熱装置1及び/または加熱要素2を軸方向に固定することができるねじ接続部104とを備える。加熱装置1は、アダプタ101とねじ接続部104との間の軸方向に穴4内に配置され得る。
【0056】
アダプタ101は、加熱装置1及び/または加熱要素2と軸方向に接触することができ、及び/またはアダプタ101に軸方向で平行な少なくとも1つの方向での加熱装置1及び/または加熱要素2の変位及び/または移動を相殺することができる。いくつかの実施形態では、アダプタ101は、加熱装置1及び/または加熱要素2と接触することができるスリーブ105を有することができ、例えば、それと横方向に接触することができる。アダプタ101及び/またはスリーブ105は、一方向での加熱装置1及び/または加熱要素2の移動を防止できる力を及ぼすことができる。例えば、図3に示される配置では、アダプタ101及び/またはスリーブ105は、図3において穴4内の加熱装置1及び/または加熱要素2の「左への」移動を相殺及び/または防止することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、アダプタ101及び/またはスリーブ105は、クランプ要素7と接触し、例えば、横方向に接触することができ、及び/または少なくとも1つの方向でのクランプ要素7の軸方向の移動をブロック及び/または相殺することができる。いくつかの実施形態では、加熱要素2は、クランプ要素7が接触することができるストップを有することができる。いくつかの実施形態では、クランプ要素7は、停止部に対して誘導される、及び/または押し付けられることができる。アダプタ101及び/またはスリーブ105がクランプ要素7を停止部に対して押込み、及び/または押し付けることができ、及び/またはアダプタ101及び/またはスリーブ105が停止部と一緒に、軸方向に固定され得る、クランプ要素7をロックする。
【0058】
アダプタ101は、例えば、1つ以上のねじ106を有する取り外し可能な接続部を介して固定することができる。アダプタ101が、加熱装置1及び/または加熱要素2に、または加熱装置1及び/または加熱要素2と共に固定され得る、または取り付けられ得ることが設けられてもよい。いくつかの実施形態では、アダプタ101は、1つまたは複数の取り外し可能な接続部を介して、例えば1つまたは複数のねじ106を使用して、加熱装置1及び/または加熱要素2にねじ込まれる及び/または固定され得る。いくつかの実施形態では、アダプタ101を軸方向に固定し、及び/またはアダプタ101に力を及ぼすことができる第2のアダプタ103を設けることができ、これは、一方向でのアダプタ101の移動及び/または変位を打ち消す、遮断する、及び/または防止することができる。例えば長手方向L及び/または軸方向に平行に配置されている。例えば、第2のアダプタ103がピン107にねじ止めされ得る、及び/またはその上に固定され得ることが提供されてもよい。
【0059】
ねじ接続部104は、軸方向に平行な少なくとも1つの方向での加熱装置1及び/または加熱要素2の変位及び/または移動を相殺することができる。この方向は、アダプタ101によって移動を防止及び/または阻止し得る方向とは反対であり得る。いくつかの例示的な実施形態では、ねじ接続部104は、軸方向に加熱装置1及び/または加熱要素2に接触することができる。いくつかの実施形態では、ばね102を設けることができ、ばね102は、加熱装置1とねじ接続部104との間に配置することができる。いくつかの実施形態では、ねじ接続部104は、ばね102に作用することができる加圧部108を含むことができる。ばね102は、加熱装置1及び/または加熱要素2と接触することができ、例えば、それらに横方向に接触することができる。例えば、図3の例示的な実施形態におけるねじ接続部104及び/またはばねは、穴4内のヒータ1及び/または加熱要素2の「右へ」の移動及び/または変位を打ち消すこと、及び/またはロックすることが可能である。
【0060】
ねじ接続部104は、例えば1つ以上のねじ106を介して、取り外し可能に固定することができる。いくつかの実施形態では、ねじ接続部104は、ローラ100及び/またはピン107に、またはローラ100及び/またはピン107で固定され得る。
【0061】
ばね102の予荷重及び/または、ばね102によって加熱装置1及び/または加熱要素2に及ぼされる力、特にばね力は、ねじ接続部104によって調整することができる。ばねの移動及び/またはばね102の復元力は、ねじ接続部104によって調整することができる。ばね102は、圧縮ばねとして機能することができる。ばね102は、加熱装置1及び/または加熱要素2にばね圧力及び/またはばね力を加えることができる。ばね102は渦巻きばねとすることができる。いくつかの実施形態では、代替的または追加的に、加圧部108は、ばね102の所定のばね力及び/または所定のばね移動量が設定され得る、または設定されるように寸法決めされ得、特に、そのような長さを有し得る。
【0062】
加熱装置1及び/または加熱要素2は、穴4に取り外し可能に収容することができる。加熱装置1及び/または加熱要素2は、ローラ100及び/またはローラ本体3に、またはローラ100及び/またはローラ本体3とともに取り外し可能に固定できる。クランプ要素7は、穴4に取り外し可能に収容され得る。クランプ要素は、ローラ100及び/またはローラ本体3に、またはローラ100及び/またはローラ本体3とともに、取り外し可能に固定できる。これは、加熱装置1、加熱要素2、及び/またはクランプ要素を意味する。このクランプ要素は容易かつ簡単に取り付けまたは取り外しができる。例えば、欠陥のある加熱要素2は、迅速かつ容易に交換することができる。また、既に設置されているローラまたはカレンダに本発明に記載の加熱装置1を容易かつ簡単に後付けすることも可能である。
【0063】
いくつかの実施形態では、図3の参照番号13は、例えば、ケーブル、電線、ホース、及び/またはケーブルダクトを示すことができる。いくつかの実施形態では、加熱要素2によって熱に変換することができるエネルギー、例えば電気エネルギーは、ケーブル及び/または電線によって加熱装置1及び/または加熱要素2に提供及び/または供給され得る。
【0064】
加熱要素2は、電気加熱要素であるか、もしくはそれを含む場合があるか、または少なくとも電気エネルギーから熱を生成する、及び/または変換するように設計される場合があるが、本発明は、必ずしもそのような加熱要素に限定されない。異なる方法で熱を取得、変換、または少なくとも提供する、他の加熱要素2も考えられる。
【0065】
ローラ100は、カレンダ(図には示さず)の一部であり得る。カレンダは、本発明に記載の1つ以上のローラ100を有し得る。例えば、カレンダは、少なくとも1対のローラを有し得、これらは、本発明に記載のローラ100によって形成され得る。
【0066】
図4は、時間の関数として、従来技術から既知のローラ100と比較した、本発明に記載のローラ100の例示的な温度プロファイルを示す。本発明に記載のローラ100は、図2(下記)及び図3に示され、説明されるローラ100に対応し得る。先行技術から既知のローラ100は、図1及び図2(上記)に示され、説明されるローラ100に対応し得る。
【0067】
比較される2つのローラ100は、加熱装置1及びクランプ要素7のみが異なる。言い換えれば、それぞれのローラ本体3及び穴4は同じ寸法を有する。動作中にローラ表面の対応する冷却を描写するために、両方のローラ100、すなわち、本発明に記載のローラ100と従来技術から既知のローラ100の両方を、それらの外面、またはそれぞれのローラ本体3の表面で冷却した。それぞれの温度は、それぞれの回転軸Xと平行な、ローラ本体3内の中心的に同じ位置で(半径方向に)測定した。各加熱要素2に同じ量のエネルギーを供給した。
【0068】
図4から分かるように、本発明に記載の加熱装置1は、本発明に記載のローラ100を、約72.5分の時間内に80℃の温度に加熱することを可能にする。対照的に、従来技術から既知のローラ100を加熱するには、約90分の時間を必要とする。したがって、本発明は、所定の温度まで加熱するために必要な時間の大幅な削減を可能にし、したがって、時間差Δtだけ短縮された加熱時間を提供する。それぞれの温度曲線は凹状であるので、所望の温度または設定された目標温度が高いほど、時間差Δtは大きくなる。
【0069】
加熱要素2からローラ本体3への熱伝達の熱伝達係数αは、本発明により従来技術から既知であるよりも1.2倍以上、例えば1.24倍大きくすることができる。
【0070】
上記の説明、図、及び特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、個別にも、また任意の組み合わせでも、本発明の実施に不可欠となり得る。
【符号の説明】
【0071】
1 加熱装置
2 加熱要素
3 ローラ本体
4 穴
5 内面
6 空隙
7 クランプ要素
8 第1のクランプリング
9 第2のクランプリング
10 第1の表面
11 第2の表面
12 外側面
13 ライン/ケーブル/ケーブルフィード/ホース
100 ローラ
101 アダプタ
102 スプリング
103 第2のアダプタ
104 ねじ接続部
105 スリーブ
106 ねじ
107 ピン
108 加圧部
X 回転軸
L 長手方向
H 直径
D 厚み
B 直径
S 厚み
Δt 時間差
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】