IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Tacle株式会社の特許一覧 ▶ 公立大学法人首都大学東京の特許一覧

<>
  • 特開-検出装置及び入力装置 図1
  • 特開-検出装置及び入力装置 図2
  • 特開-検出装置及び入力装置 図3
  • 特開-検出装置及び入力装置 図4
  • 特開-検出装置及び入力装置 図5
  • 特開-検出装置及び入力装置 図6
  • 特開-検出装置及び入力装置 図7
  • 特開-検出装置及び入力装置 図8
  • 特開-検出装置及び入力装置 図9
  • 特開-検出装置及び入力装置 図10
  • 特開-検出装置及び入力装置 図11
  • 特開-検出装置及び入力装置 図12
  • 特開-検出装置及び入力装置 図13
  • 特開-検出装置及び入力装置 図14
  • 特開-検出装置及び入力装置 図15
  • 特開-検出装置及び入力装置 図16
  • 特開-検出装置及び入力装置 図17
  • 特開-検出装置及び入力装置 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025029955
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】検出装置及び入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0354 20130101AFI20250228BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20250228BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20250228BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20250228BHJP
【FI】
G06F3/0354 451
G06F3/0346 426
G06F3/0346 422
G06F3/0354 453
G06T7/70 A
G06T7/60 180B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134882
(22)【出願日】2023-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】523319704
【氏名又は名称】Tacle株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】東京都公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】大日方 五郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真
(72)【発明者】
【氏名】長谷 和徳
【テーマコード(参考)】
5B087
5L096
【Fターム(参考)】
5B087AB02
5B087BC12
5B087BC13
5B087BC32
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA08
5L096BA18
5L096CA02
5L096EA03
5L096EA13
5L096EA15
5L096EA16
5L096EA39
5L096FA32
5L096FA66
5L096FA67
(57)【要約】
【課題】様々な態様の接触を区別して検出可能な検出装置、及び、対象装置に対して、多様な種類の情報あるいはその一部の種類の情報を入力可能であり、情報をより容易に入力可能な入力装置を提供する。
【解決手段】検出装置を含む入力装置1は、弾性的な変形が可能である接触部30と、接触部30に設けられ、接触部30の変形に応じて変位するマーカー部34と、マーカー部34に係る基準画像及び最新画像を取得する撮像部14と、基準画像及び最新画像の記憶及び処理を行う制御部18と、を備えている。マーカー部34は、一般マーカー及び基準マーカーを含んでいる。制御部18は、基準画像における一般マーカー及び基準マーカーの配置に対する、最新画像における一般マーカー及び基準マーカーの配置から、接触検出情報を生成する。又、制御部18は、接触検出情報に基づいて、入力指令情報を生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性的な変形が可能である接触部と、
前記接触部に設けられ、前記接触部の変形に応じて変位するマーカー部と、
前記マーカー部に係る第1の画像及び第2の画像を取得する撮像部と、
前記第1の画像及び前記第2の画像の記憶及び処理を行う制御部と、
を備えており、
前記マーカー部は、マーカーを含んでおり、
前記制御部は、前記第1の画像における前記マーカーの配置に対する、前記第2の画像における前記マーカーの配置から、接触検出情報を生成する
ことを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記マーカー部は、複数の前記マーカーを含んでおり、
前記制御部は、前記第1の画像における一部又は全部の前記マーカーの配置に対する、前記第2の画像における一部又は全部の前記マーカーの配置から、接触検出情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記第1の画像は、変形していない前記接触部におけるマーカー部の画像である
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記第2の画像は、逐次取得され、
前記制御部は、接触検出情報を逐次生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項5】
一部又は全部の前記マーカーにおける色、形状、模様、及び大きさの少なくとも何れかは、互いに異なっており、
前記第1の画像における複数の前記マーカーには、識別情報が付与されており、
前記制御部は、
前記第2の画像における複数の前記マーカーに、前記識別情報を、前記色、前記形状、前記模様、及び前記大きさの少なくとも何れかの違いに基づいて付与する処理を実行する
ことを特徴とする請求項2に記載の検出装置。
【請求項6】
前記マーカーは、規則的な配置で並べられており、
任意の前記マーカーにおける色、形状、模様、及び大きさの少なくとも何れかは、前記規則的な配置において隣接する前記マーカーにおける色、形状、模様、及び大きさの少なくとも何れかと異なっている
ことを特徴とする請求項7に記載の検出装置。
【請求項7】
前記マーカー部は、一般マーカーと、基準マーカーと、を含んでいる
ことを特徴とする請求項2に記載の検出装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の画像における前記マーカーから、前記第2の画像における前記マーカーへのベクトルである変位ベクトルに基づいて、前記接触検出情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項9】
前記マーカー部は、複数の前記マーカーを含んでおり、
前記第1の画像における複数の前記マーカーには、識別情報が付与されており、
前記制御部は、
前記第2の画像における複数の前記マーカーに前記識別情報を付与する処理を実行すると共に、
前記第1の画像における前記マーカーから、前記第2の画像における、前記第1の画像の前記マーカーの前記識別情報に対応する前記識別情報を有する前記マーカーへの変位ベクトルを、複数算出し、
複数の前記変位ベクトルに基づいて、前記接触検出情報を生成する
ことを特徴とする請求項8に記載の検出装置。
【請求項10】
前記接触検出情報は、前記接触部の平行移動に関するものである
ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の検出装置。
【請求項11】
請求項10に記載の検出装置を用いた入力装置であって、
前記制御部は、前記接触検出情報に基づいて、カーソルの移動に関する入力指令情報を生成する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項12】
前記マーカー部は、複数の前記マーカーを含んでおり、
前記第1の画像における複数の前記マーカーには、識別情報が付与されており、
前記第1の画像における少なくとも2つの前記マーカーの間の距離である第1の距離が、予め得られ、あるいは前記制御部によって算出され、
前記制御部は、
前記第2の画像における複数の前記マーカーに前記識別情報を付与する処理を実行すると共に、
前記第2の画像における、前記第1の画像の前記マーカーの前記識別情報に対応する前記識別情報を有する少なくとも2つの前記マーカーの間の距離である第2の距離を算出し、
前記第1の距離及び前記第2の距離に基づいて、前記接触検出情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項13】
前記接触検出情報は、前記接触部の押し下げ及び摘まみ上げに関するものである
ことを特徴とする請求項12に記載の検出装置。
【請求項14】
請求項13に記載の検出装置を用いた入力装置であって、
前記制御部は、前記接触検出情報に基づいて、拡大及び縮小に関する入力指令情報を生成する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項15】
前記マーカー部は、一般マーカーと、基準マーカーと、を含んでおり、
前記第1の画像における前記基準マーカーから前記一般マーカーへのベクトルである第1基準ベクトルが、予め得られ、あるいは前記制御部によって算出され、
前記制御部は、
前記第2の画像における前記基準マーカーから前記一般マーカーへのベクトルである第2基準ベクトルを算出し、
前記第1基準ベクトル及び前記第2基準ベクトルに基づいて、前記接触検出情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項16】
前記マーカー部は、複数の前記一般マーカーを含んでおり、
前記制御部は、前記第1基準ベクトル及び前記第2基準ベクトルを、それぞれ複数算出する
ことを特徴とする請求項15に記載の検出装置。
【請求項17】
前記接触検出情報は、前記接触部の捻りに関するものである
ことを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の検出装置。
【請求項18】
請求項17に記載の検出装置を用いた入力装置であって、
前記制御部は、前記接触検出情報に基づいて、回転に関する入力指令情報を生成する
ことを特徴とする入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接触を検出する検出装置、及び、対象装置に対して各種の情報を入力する操作を行うための入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器、工作機械等の各種の装置に対し、ポインタ(カーソル)の移動に関する情報であるポインタ移動情報を入力するための、マウス等の入力装置が知られている。
コンピュータ等にポインタ移動情報を入力するマウスとして、イメージセンサによりポインタの移動量が読み取られるマウスである光学式マウスが知られている。
光学式マウスは、発光部と、画像センサと、記憶部と、制御部と、ホイールとを有している。発光部は、光学式マウスが置かれている場所に光を照射する。画像センサは、その場所の状態を画像データとして逐次読み取る。記憶部は、複数の画像データを保持する。制御部は、保持された複数の画像データ間での動きから、ポインタの移動量を算出して、ポインタ移動情報を生成する。ホイールは、スクロール量の情報等、ポインタ移動情報とは異なる情報を取り扱う。制御部は、ポインタ移動情報及びホイールの情報を、コンピュータに入力するために送信する。
【0003】
他方、光学式接触センサとして、特許第5660531号公報(特許文献1)において第2の実施形態として開示されたものが知られている。
この光学式接触センサでは、対象物の形状に応じて変形可能な膜6の半球部にドットパターン20が配置され、半球部が物体W1に接触すると、CCDカメラ4により撮影されたドットパターンの画像に係る3次元空間での挙動がCPU12により抽出され、物体W1の接触に関する触覚情報が取得される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5660531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記光学式マウスでは、コンピュータ等に対し、ポインタ移動情報及びホイールの情報しか入力することができない。又、上記光学式マウスでは、ポインタ移動情報を入力するために、光学式マウス全体を机上等で移動する必要がある。
又、上記光学式接触センサでは、物体W1の接触に係る接触情報のみが得られるため、ポインタ移動情報等を扱う入力装置にそのまま流用することができない。
【0006】
本開示の主な目的の一つは、様々な態様の接触を区別して検出可能な検出装置を提供することである。
又、本開示の主な目的の一つは、対象装置に対して、多様な種類の情報あるいはその一部の種類の情報を入力可能な入力装置を提供することである。
更に、本開示の主な目的の別の一つは、対象装置に対して情報をより容易に入力可能な入力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書には、検出装置が開示される。この検出装置は、弾性的な変形が可能である接触部を備えていても良い。この検出装置は、接触部に設けられ、接触部の変形に応じて変位するマーカー部を備えていても良い。この検出装置は、マーカー部に係る第1の画像及び第2の画像を取得する撮像部を備えていても良い。この検出装置は、第1の画像及び第2の画像の記憶及び処理を行う制御部を備えていても良い。マーカー部は、マーカーを含んでいても良い。制御部は、第1の画像におけるマーカーの配置に対する、第2の画像におけるマーカーの配置から、接触検出情報を生成しても良い。
又、本明細書には、入力装置が開示される。この入力装置は、上記検出装置により生成された接触検出情報に基づいて、入力指令情報を生成する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の主な効果の一つは、様々な態様の接触を区別して検出可能な検出装置が提供されることである。
又、本開示の主な効果の一つは、対象装置に対して、多様な種類の情報あるいはその一部の種類の情報を入力可能な入力装置が提供されることである。
更に、本開示の主な効果の別の一つは、対象装置に対して情報をより容易に入力可能な入力装置が提供されることである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1形態に係る入力装置の斜視図である。
図2図1の入力装置の模式的な中央縦断面図である。
図3図1の入力装置におけるタッチパッドの下面図である。
図4図1の入力装置の動作例に係るフローチャートである。
図5図5Aは、図1の入力装置における一般マーカーの識別の処理のうち、第1ベクトル及び1番の一般マーカーを把握する処理に関する模式図であり、図5Bは、一般マーカーの識別の処理のうち、第2ベクトルから第4ベクトルを把握する処理に関する模式図であり、図5Cは、一般マーカーの識別の処理のうち、1番の一般マーカーを把握する処理に関する模式図である。
図6図1の入力装置における一般マーカーの識別に関する模式図である。
図7図4の平行移動処理に関する模式図である。
図8図4の平行移動処理に関する画像である。
図9図4の拡縮処理のうち拡大処理に関する模式図である。
図10図4の拡縮処理のうち拡大処理に関する画像である。
図11図4の拡縮処理のうち縮小処理に関する模式図である。
図12図4の拡縮処理のうち縮小処理に関する画像である。
図13図4の捻り処理に関する模式図である。
図14図4の捻り処理に関する画像である。
図15】第2形態の入力装置におけるマーカー部に関する模式図である。
図16図16Aは、第2形態のマーカー部に係る画像の処理において一般マーカーが重なった場合に関する模式図であり、図16Bは、第2形態のマーカー部に係る画像の処理において一般マーカーが図16Aの態様とは別の態様で重なった場合に関する模式図である。
図17】第2形態のマーカー部に係る画像の処理における一般マーカーの識別に関する模式図である。
図18】第3形態の入力装置におけるマーカー部に関する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態及びその変更例が、適宜図面に基づいて説明される。
尚、本開示は、下記の形態及び変更例に限定されない。
【0011】
図1は、本開示の実施の第1形態に係る入力装置1の斜視図である。図2は、図1の入力装置1の模式的な中央縦断面図である。
入力装置1は、本体部2と、タッチパッド4と、コード6と、を有する。
入力装置1は、タッチパッド4に対する接触を検出するため、検出装置とも捉え得る。入力装置1は、検出装置を含んでいる。入力装置1は、検出した接触に関する情報である接触検出情報に応じ、被入力装置への入力を指令する情報である入力指令情報を生成する。尚、接触検出情報及び入力指令情報は、互いに一致していても良いし、異なっていても良い。又、本開示に係る検出装置は、入力装置1以外に使用されても良く、入力指令情報を生成しなくても良い。
入力装置1における各種の方向は、便宜のため、各図に示される通りに設定される。尚、入力装置1は、他の向きで使用されても良い。
【0012】
本体部2は、ハウジング10と、撮像エリアケース12と、撮像部14と、照明部16と、制御部18と、を有する。
【0013】
ハウジング10は、各種の部材を、直接的に又は間接的に支持する。
ハウジング10の外面は、黒色に着色されている。尚、ハウジング10の外面の色は、黒色以外であっても良い。ハウジング10の外面は、着色されていなくても良い。
ハウジング10は、箱体20と、蓋22と、を有する。尚、ハウジング10は、3枚以上のパネルで形成される等、箱体20及び蓋22以外から形成されても良い。
箱体20は、上方が開放された箱状である。箱体20の前面は、半円筒状となっている。尚、箱体20の形状は、他の形状であっても良い。
蓋22は、板状であり、箱体20の上開口部を覆う。蓋22の前部には、タッチパッド4のための孔24が開けられている。
【0014】
タッチパッド4は、弾性を有していて、通常の形状即ち外力の作用を受けていない場合の形状に復帰可能な状態で変形可能であり、接触部30と、ベース部32と、マーカー部34と、を有している。
接触部30は、通常、上下に半球面を持つ曲板状である。接触部30は、弾性的な変形が可能であり、その上面において、ユーザ(入力者)の指等の作用によるユーザの操作を受ける。
ベース部32は、通常、接触部30の下辺から前後左右の外方に広がった孔開き板状である。
タッチパッド4は、接触部30が上方に突出し、接触部30及びベース部32が孔24を塞ぐ状態で、蓋22に固定されている。
【0015】
図3は、タッチパッド4の下面図である。
タッチパッド4の接触部30には、マーカー部34が設けられている。マーカー部34は、接触部30の変形に応じて変位する。
マーカー部34は、複数の一般マーカー36と、基準マーカー38と、を有している。
各一般マーカー36は、点状である。各一般マーカー36は、接触部30の下面に設けられている。各一般マーカー36は、前後左右に並ぶ状態で、規則的に配置されている。
基準マーカー38は、各一般マーカー36と異なる形状であり、“+”字状である。基準マーカー38は、接触部30の下面中央に設けられており、各一般マーカー36の配列の中心に配置されている。尚、基準マーカー38の形状に代えて、あるいは基準マーカー38の形状と共に、色、模様、及び大きさの少なくとも何れかが、一般マーカー36と異なっていても良い。
タッチパッド4は、半透明であり、タッチパッド4の上面は、黒色に着色されている。各一般マーカー36及び基準マーカー38は、白色である。本願における写真以外の図面では、タッチパッド4は、便宜のため、白黒が反転した状態で示されている。
各一般マーカー36及び基準マーカー38は、印刷により接触部30に付与される。
尚、各一般マーカー36の形状は、点状以外であっても良い。基準マーカー38の形状は、“+”字状以外であっても良い。各一般マーカー36の一部の形状は、他の一般マーカー36の形状と異なっていても良い。各一般マーカー36及び基準マーカー38の少なくとも何れかについて、形状に代えて、あるいは形状と共に、色彩が互いに異なるものとされても良い。一般マーカー36の色彩の相違は、第1形態では用いられず、後述の第2形態及び第3形態において用いられる。タッチパッド4は、半透明でなく、透明あるいは不透明であっても良い。タッチパッド4の上面は、黒色以外に着色されていても良いし、着色されていなくても良い。各一般マーカー36及び基準マーカー38の少なくとも何れかは、シールの貼付等、印刷以外の手法で形成されても良い。又、各一般マーカー36及び基準マーカー38の少なくとも何れかの配置は、例えば複数の仮想的な同心円上に並ぶものとされる等、縦方向及び横方向に沿って並ぶ態様以外の規則的な配置とされても良い。又、各一般マーカー36及び基準マーカー38の少なくとも何れかの配置は、不規則的であっても良い。
【0016】
撮像エリアケース12は、直方体形状の箱状である。
撮像エリアケース12は、ハウジング10内に配置され、ハウジング10に支持される。
撮像エリアケース12は、タッチパッド4の下方に配置される。撮像エリアケース12は、撮像部14のための孔である下孔40と、接触部30に対応する孔である上孔42と、を有する。
【0017】
撮像部14は、電子的な画像を取得可能な撮像装置であり、例えばCCDカメラ、あるいはCMOSカメラである。
撮像部14は、ここでは、少なくとも可視光を受光して撮影画像を生成可能である。撮像部14は、撮像素子を受光領域において有している。撮像素子は、入射する光の赤色の濃淡情報を生成するR素子と、入射する光の緑色の濃淡情報を生成するG素子と、入射する光の青色の濃淡情報を生成するB素子と、を有している。撮像部14は、色付きの画像を取得可能なカラーカメラである。尚、撮像部14は、RGB以外の濃淡情報により色付きの画像を取得しても良いし、入射する光の輝度の濃淡情報のみを扱うモノクロカメラとされても良い。
撮像部14は、撮像エリアケース12の下面部に配置された下孔40に入っており、上方の画像を取得可能である。撮像部14は、撮像エリアケース12に固定されている。撮像部14は、接触部30の下方に配置されており、接触部30のマーカー部34の画像を取得可能である。撮像部14の画角は、図2において一点鎖線L1で表されているように、撮像部14の固定位置においてマーカー部34の全体をカバーする状態に設定されている。ここでは、接触部30の下面の全域にわたってマーカー部34が配置されているため、撮像部14により取得される画像には、接触部30が、マーカー部34と合わせて写っている。
【0018】
照明部16は、撮像対象であるマーカー部34を照明する。
照明部16は、発光部50と、ハーフミラー52と、を有する。
発光部50は、面状に発光可能であり、ここでは、撮像エリアケース12の後内面に対し上下左右に並ぶ状態で固定された複数のLEDである。
ハーフミラー52は、発光部50の前方であって撮像部14の上方に配置されている。ハーフミラー52は、板状であり、撮像エリアケース12内において、前上がり(後下がり)の姿勢で固定されている。ハーフミラー52は、図2において一点鎖線矢印L2で示されるように、発光部50から前方に進む照明光を、接触部30下面のマーカー部34へ向けて進むように、上方に反射する。又、ハーフミラー52は、自身が存在していたとしても撮像部14によるマーカー部34の撮像を可能とするために、接触部30下面のマーカー部34から撮像部14への光を通す。
尚、照明部16において、ハーフミラー52が省略され、発光部50が、撮像エリアケース12の上面部、即ちタッチパッド4側に配置され、撮像エリアケース12の内面に反射する光によってマーカー部34を間接的に照明しても良い。又、照明部16は、他の構造によって、マーカー部34を照明しても良い。
【0019】
制御部18は、入力装置1の制御を行う。
制御部18は、例えば、ハウジング10内でむき出しの回路基板であり、あるいは制御部ケース内に配置された電子部品である。制御部18は、ハウジング10内に配置され、ハウジング10に支持される。
制御部18は、記憶部の一部としてのROM60と、I/O62と、記憶部の一部としてのRAM64と、制御実行部としてのCPU66と、を有する。
ROM60は、読み込み専用のメモリであり、制御プログラム等を記憶する。ROM60は、非一時的なコンピュータ可読の記憶媒体である。制御プログラムには、後述の機能を発揮させる命令群が記述されている。
I/O62は、インターフェイスであり、RAM64、及びCPU66、並びに撮像部14、発光部50、及びコード6と、通信可能に接続されている。
RAM64は、読み書き可能なメモリであり、画像等の各種の情報を記憶する。
CPU66は、情報処理装置であり、ROM60と接続されている。又、CPU66は、I/O62を介して、RAM64、撮像部14、発光部50、及びコード6と、通信可能に接続されている。CPU66は、ROM60内の制御プログラムを実行して、入力装置1の制御を行う。CPU66は、RAM64に対する情報の読み書きを行う。CPU66は、撮像部14を制御する。CPU66は、発光部50を制御する。情報の流れは、ROM60からCPU66への流れ、及びI/O62から発光部50への流れが片方向である以外、全て双方向である。
尚、制御部18の構成は、様々に変更可能である。例えば、ROM60がI/O62に接続されても良いし、RAM64が直接CPU66に接続されても良い。ROM60及びRAM64が1つのメモリとして統合されても良い。又、情報の流れにつき、撮像部14からI/O62への流れが片方向であっても良いし、I/O62及び照明部16間の流れが双方向であっても良い。
【0020】
コード6は、信号線及び電源線を含んでいる。コード6は、入力の対象装置即ち被入力装置であるコンピュータ又はゲーム機等に接続される。コード6は、入力装置1及び被入力装置に対して着脱可能である。
コード6は、被入力装置に対して信号を送受信する。被入力装置への信号には、入力指令情報が含まれ得る。入力指令情報は、入力種別情報及び入力指令値の少なくとも一方を含む。入力種別情報は、入力の種別を示す情報であり、例えば、カーソルの移動、対象の拡縮、及び対象の回転の少なくとも何れか等を示す情報である。又、入力指令値は、入力の度合等を表す情報であり、例えば、カーソルの移動量、拡縮の倍率変化、及び回転量の少なくとも何れか等を示す情報である。
又、コード6は、被入力装置からの電力を本体部2へ伝える。電力は、発光部50の発光及び制御部18の駆動に用いられる。
尚、コード6は、電源線を備えていなくても良い。電力は、内蔵可能なバッテリあるいは被入力装置以外の外部の電源等から供給されても良い。コード6の信号線に代えて、無線通信部が設けられても良く、この場合、入力装置1と被入力装置との間で無線通信がなされる。コード6は、入力装置1及び被入力装置の少なくとも一方に対して着脱不能であっても良い。コード6における通信は、被入力装置に対する送信のみ行う片方向通信であっても良い。
【0021】
次いで、入力装置1の動作例が説明される。
図4は、動作例に係るフローチャートである。
動作例において、各種の処理は、同等な処理に置換されても良い。又、処理の順番は、適宜入れ替えられても良い。少なくとも何れかの処理が、並列に行われても良い。
【0022】
コード6が被入力装置に接続され、本体部2に電源が供給されると、CPU66は、初期設定を行う(ステップS1)。
初期設定において、CPU66は、被入力装置との通信を確認する。
又、CPU66は、発光部50の発光を指令する。発光部50は、この指令に基づき、発光する。
尚、初期設定において、他の処理が実行されても良い。又、CPU66は、照明されない接触部30の動き始めを検知した場合等に、発光部50の発光を指令しても良い。
【0023】
次いで、CPU66は、撮像部14を制御して、撮像部14における画像の所定タイミングにおける取得を指令し、撮像部14からのマーカー部34に係る画像をRAM64に記憶させる(ステップS2)。所定タイミングは、複数の画像の解析による接触部30の動きに係る十分な精度での検出が行える程度の間隔を有するタイミングである。CPU66は、撮像部14における逐次の画像の取得の都度、画像をRAM64に記憶させる。RAM64には、最新の画像から所定時間遡った画像までの、所定期間内の複数の画像が記憶される。所定期間は、例えば1秒間である。CPU66は、所定期間外となった過去の画像を、RAM64から消去する。尚、所定タイミングは、所定時間毎の等間隔であっても良いし、不等間隔に係るものであっても良い。
各画像は、マーカー部34の下方であって、接触部30におけるユーザの操作を受ける側とは反対側に配置された撮像部14により取得されるため、各画像の姿勢を水平面に沿わせた場合の前後方向は、画像取得時において、図1等に示される入力装置1の前後方向に適合せず、入力装置の前方が各画像の後方となる。つまり、マーカー部34の実際の左部が画像の左部となり、マーカー部34の実際の右部が画像の右部となる状態で、即ちマーカー部34の実際の左右と画像での左右とが合致する状態で、撮像部14が画像を取得するように設定されると、マーカー部34の実際の前部が画像の後部となり、マーカー部34の実際の後部が画像の前部となる状態で、即ちマーカー部34の実際の前後と画像での前後とが逆転した状態で、画像が取得される。
そこで、理解の更なる容易化に鑑み、CPU66は、画像の前後方向を入力装置1の前後方向と合わせるため、撮像部14からの画像を、前後反転処理したうえで、RAM64に記憶させる。換言すれば、CPU66は、接触部30の下方即ち撮像部14側から見たマーカー部34に相当する画像を、接触部30の上方即ちユーザ側から見た画像に、反転処理によって変換する。図面において示された画像及びその模式図は、何れも反転処理されたものである。
尚、CPU66は、画像の前後反転を行わず、画像処理後に生成される入力指令情報を、実際の方向に適合するものに変換しても良い。又、上記と異なり、撮像部14で取得される画像の前後方向が実際の前後方向に適合する状態で撮像部14が設定された場合、実際の左右方向と画像の左右方向が逆になるため、画像に左右反転処理が施されても良い。更に、この場合においても、画像の左右反転が行われず、画像処理後に生成される入力指令情報は、実際の方向に適合するものに変換されても良い。
【0024】
そして、CPU66は、一般マーカー36の識別を行う(ステップS3)。
図5Aは、一般マーカー36の識別の処理のうち、第1ベクトルV1及び1番の一般マーカー36を把握する処理に関する模式図である。図5Bは、一般マーカー36の識別の処理のうち、第2ベクトルV2から第4ベクトルV4を把握する処理に関する模式図である。図5Cは、一般マーカー36の識別の処理のうち、1番の一般マーカー36を把握する処理に関する模式図である。図6は、一般マーカー36の識別に関する模式図である。
以下、構成を簡素化して理解をより容易にするため、一般マーカー36が5列5行(中央を除く)に配置された場合を中心とした説明がなされる。図3に示されるような一般マーカー36の配置であっても、あるいはその他の一般マーカー36の配置であっても、一般マーカー36の識別以降の処理は、以下の説明と同様に処理可能である。
【0025】
CPU66は、RAM64内における処理の対象となる画像即ち処理対象画像について、まず基準マーカー38を把握する。CPU66は、基準マーカー38における一般マーカー36とは異なった形状に基づき、基準マーカー38を把握する。処理対象画像は、ここでは最新の画像である。尚、処理対象画像は、RAM64内における最新の画像以外であっても良い。
【0026】
次いで、CPU66は、図5Aに示されるように、処理対象画像について、基準マーカー38の後方で隣接する一般マーカー36を把握して、その一般マーカー36を識別するための情報である識別情報を1番とする。
マーカー部34では、接触部30の弾性変形に伴い、回転、拡縮、及び平行移動の少なくとも何れかが行われる。図5Aでは、マーカー部34は、前後左右に真っ直ぐ一般マーカー36が並ぶ基準位置に対して、上方から見て反時計回りに回転している。基準位置は、弾性変形していない自然状態での接触部30におけるマーカー部34の位置であり、初期位置と捉えることができる。
一般マーカー36の識別情報は、ここでは自然数の番号である。尚、一般マーカー36の識別情報は、自然数の番号以外であっても良い。
【0027】
続いて、CPU66は、図5Bに示されるように、基準マーカー38から1番の一般マーカー36へのベクトルである第1ベクトルV1を把握する。
又、CPU66は、第1ベクトルV1を上方から見て反時計回りに90°回転したベクトルである第2ベクトルV2を把握する。
更に、CPU66は、第1ベクトルV1を上方から見て反時計回りに180°回転したベクトルである第3ベクトルV3を把握する。第3ベクトルV3は、大きさを保持しつつその方向を第1ベクトルV1の方向と逆にして得たベクトルとも言える。
加えて、CPU66は、第1ベクトルV1を上方から見て反時計回りに270°回転したベクトルである第4ベクトルV4を把握する。第4ベクトルV4は、大きさを保持しつつその方向を第2ベクトルV2の方向と逆にして得たベクトルとも言える。あるいは、第4ベクトルV4は、第1ベクトルV1を上方から見て時計回りに90°回転したベクトルとも言える。
【0028】
そして、CPU66は、図5Cに示されるように、1番の一般マーカー36を基点として配置した第2ベクトルV2における終点に最も近い一般マーカー36の識別情報を2番とする。換言すれば、CPU66は、1番の一般マーカー36の位置から第2ベクトルV2の分だけ離れた位置に最も近い一般マーカー36の識別情報を2番とする。
又、CPU66は、2番の一般マーカー36の位置から第3ベクトルV3の分だけ離れた位置に最も近い一般マーカー36の識別情報を3番とする。
更に、CPU66は、3番の一般マーカー36の位置から第3ベクトルV3の分だけ離れた位置に最も近い一般マーカー36の識別情報を4番とする。
又更に、CPU66は、4番の一般マーカー36の位置から第4ベクトルV4の分だけ離れた位置に最も近い一般マーカー36の識別情報を5番とする。
加えて、CPU66は、5番の一般マーカー36の位置から第4ベクトルV4の分だけ離れた位置に最も近い一般マーカー36の識別情報を6番とする。
又、CPU66は、6番の一般マーカー36の位置から第1ベクトルV1の分だけ離れた位置に最も近い一般マーカー36の識別情報を7番とする。
CPU66は、図6に示されるように、上述された一般マーカー36の識別情報の付与を繰り返し、全部で24個の一般マーカー36の識別情報を付与して、一般マーカー36を識別する。CPU66は、一般マーカー36の識別情報を、基準マーカー38を基点且つ中心とした渦状に、順次付与する。
尚、CPU66は、一般マーカー36の識別情報を、図6とは逆方向の渦状に順次付与しても良いし、渦状以外で付与しても良い。又、CPU66は、前方に向くベクトルを第1ベクトルV1として、第2ベクトルV2以降を定めても良い。
【0029】
又、CPU66は、最初の処理対象画像を除き、処理対象画像に係る一般マーカー36の識別において、時間的に連続する直前の画像を参照する。直前の画像における識別情報の付与の状況を参照することによって、より正確な一般マーカー36の識別がなされる。尚、CPU66は、直前の直前の画像を参照する等、他の過去の処理対象画像を参照しても良い。又、CPU66は、一般マーカー36の識別において、過去の処理対象画像を参照しなくても良い。
仮に、接触部30の弾性変形の速さに応じたマーカー部34の移動の速さに対して、逐次取得される画像の数が少なくて時間的に連続する画像の取得間隔が長いと、時間的に連続する画像における1番の一般マーカー36が実際には90°程度回転移動しているのに、同じく90°程度回転移動した3番の一般マーカー36が誤って1番の一般マーカー36と把握されて、入力装置1が実際の入力に係る回転移動の検知につながらない誤動作を起こす可能性がある。
これに対し、入力装置1では、画像の取得間隔がマーカー部34の移動可能な最大の速さに対して十分に短ければ、即ち画像の取得間隔がマーカー部34の変化に対して十分に短ければ、CPU66は、第1ベクトルV1の推移を、実際のものの通りに正しく追うことが可能である。
尚、接触部30の弾性の大きさの調整等により、マーカー部34の回転移動に係る角度の最大値が、30°から60°までの角度範囲内における何れかの角度に設定されても良い。
【0030】
続いて、CPU66は、マーカー部34の各種の移動に応じた処理を行う(ステップS4~S6)。
各種の移動の処理は、2枚の画像に対して行われる。2枚の画像は、第1の画像、及び第2の画像である。ここでは、第1の画像は、基準位置のマーカー部34の画像、即ち基準画像であり、第2の画像は、RAM64における最新の画像、即ち最新画像である。これらの画像では、何れも一般マーカー36への識別情報(番号)の付与がなされている。尚、基準画像がROM60に記憶されるようにし、RAM64には1枚の最新画像のみ記憶されるようにする等、第1の画像及び第2の画像の少なくとも一方に係る記憶の態様は、様々に変更可能である。又、第1の画像である基準画像における識別番号の付与は、CPU66あるいはCPU66以外によって予めなされていても良く、基準画像の情報の一部として、あるいは基準画像と対応付けた状態で、予め記憶されていても良い。更に、各種の移動の処理は、時間的に連続する2枚の画像等、基準画像及び最新画像以外の組合せにおいてなされても良い。又、各種の移動の処理は、3枚以上の画像を対象としてなされても良い。
各種の移動の処理は、基準画像における一般マーカー36及び基準マーカー38の配置に対する、最新画像における一般マーカー36及び基準マーカー38の配置に基づいて行われる。各種の移動の処理により、各種の入力指令情報が算出される。
各種の移動の処理は、平行移動(tilt)の処理(ステップS4)、拡縮(push&pull)の処理(ステップS5)、及び捻り(twist)の処理(ステップS6)である。ここでは、CPU66は、ステップS4~S6の順で処理する。
尚、CPU66は、ステップS4~S6以外のマーカー部34の移動に係る処理を行っても良い。又、CPU66は、ステップS4~S6の処理の順序を入れ替えても良いし、少なくとも何れか2つの処理を並列に行っても良い。
【0031】
図7は、平行移動処理に関する模式図である。図8は、平行移動処理に関する画像である。
CPU66は、ステップS4において、基準画像から最新画像にわたる同番号の一般マーカー36の移動量を把握し、全ての一般マーカー36の移動量の平均値を算出する。
より詳しくは、基準画像における一般マーカー36の符号が一般マーカー36Sとされ、最新画像における一般マーカー36の符号が一般マーカー36Nとされた場合、CPU66は、基準画像における1番の一般マーカー36Sから、最新画像における1番の一般マーカー36Nへの、左右方向(横方向)の移動量である横移動量と、前後方向(縦方向)の移動量である縦移動量とを把握する。基準画像における1番の一般マーカー36Sから最新画像における1番の一般マーカー36Nへのベクトルが位置の変化を示す1番の変位ベクトルとされた場合、1番の一般マーカー36に係る横移動量は、1番の変位ベクトルの横方向成分と言え、1番の一般マーカー36に係る縦移動量は、1番の変位ベクトルの縦方向成分と言える。又、CPU66は、同様に、同番号同士の一般マーカー36S,36Nにおける、基準画像から最新画像への、横移動量と縦移動量とを把握する。即ち、1番の一般マーカー36を含め、nを1以上24以下の自然数として、n番の一般マーカー36に係る横移動量は、n番の変位ベクトルの横方向成分であり、n番の一般マーカー36に係る縦移動量は、n番の変位ベクトルの縦方向成分である。
そして、CPU66は、全ての一般マーカー36S,36Nにおける、横移動量の平均値、及び縦移動量の平均値を算出する。
実際には、図8に示されるように、一般マーカー36の番号毎に、横移動量の大きさ、及び縦移動量の大きさは異なることが多いところ、それぞれの平均値をとることで、大局的な一般マーカー36の平行移動量が把握される。
そして、入力装置1では、0でない横移動量の平均値、及び0でない縦移動量の平均値が生成されることで、接触部30の平行移動の検出が行われている、と捉え得る。横移動量の平均値、及び縦移動量の平均値は、検出した接触部30への接触に関する情報である接触検出情報に相当する。ここでの接触検出情報は、接触部30の平行移動に関する。
尚、CPU66は、横移動量の平均値及び縦移動量の平均値の算出において、基準画像における基準マーカー38から最新画像における基準マーカー38Aへの移動量を加味しても良い。又、CPU66は、基準画像での基準マーカー38Sに隣接する一般マーカー36S及び最新画像での基準マーカー38Nに隣接する一般マーカー36Nの移動量の把握を排除する等、一部の一般マーカー36の移動量に基づいて横移動量の平均値及び縦移動量の平均値を算出しても良い。又、移動量について重みを付けた平均値が算出される等、単純な平均値以外の統計的手法により、横移動量の統計処理値及び縦移動量の統計処理値が把握されても良い。他方、検出装置としての入力装置1において、横移動量に関する値及び縦移動量に関する値の少なくとも一方が所定閾値以上となった場合に、接触部30の平行移動が検出されても良い。横移動量に関する値と縦移動量に関する値とで、閾値の大きさが異なっていても良い。
【0032】
CPU66は、横移動量の平均値を、被入力装置に対する横方向に係る移動量の入力指令値である横指令値に対応させる。又、CPU66は、縦移動量の平均値を、被入力装置に対する縦方向に係る移動量の入力指令値である縦指令値に対応させる。
CPU66は、横指令値及び縦指令値を、カーソルの移動に関するものであることを示す入力種別情報と共に、コード6を介して被入力装置に送信する。尚、CPU66は、入力種別情報の一部又は全部を、一時的にRAM64に記憶しても良く、他の種別の入力指令情報においても同様である。
被入力装置は、例えば、受信した入力種別情報の横指令値に基づいて、自身が具備する表示装置におけるカーソルを横方向に動かし、受信した入力種別情報の縦指令値に基づいてカーソルを縦方向に動かす。被入力装置は、例えば、横指令値の大きさに応じてカーソルの横方向に係る移動量を調節し、縦指令値の大きさに応じてカーソルの縦方向に係る移動量を調節する。
この場合、ユーザが、指等による操作により、接触部30の上部を自然状態から左に小幅に変形させると、被入力装置において、カーソルが小さく左に移動し、ユーザが接触部30の上部を前に大幅に変形させると、カーソルが大きく上に移動し、ユーザが接触部30の上部を右下に変形させると、カーソルが右下に移動する。ユーザが接触部30から指を離して接触部30への作用を止めると、接触部30が弾性により自然状態に戻り、マーカー部34が初期位置に戻って基準画像が連続して最新画像として取得され、カーソルが停止する。
尚、横移動量及び縦移動量の少なくとも一方は、他の方向に係る移動量とされ、横指令値及び縦指令値の少なくとも一方は、他の方向に係る入力指令値とされても良い。又、被入力装置は、受信した横指令値に応じて、表示装置におけるアクティブな操作対象の横スクロールを行っても良いし、受信した縦指令値に応じて、アクティブな操作対象の縦スクロールを行っても良い。
【0033】
図9は、拡縮処理のうち拡大処理に関する模式図である。図10は、拡大処理に関する画像である。図11は、拡縮処理のうち縮小処理に関する模式図である。図12は、縮小処理に関する画像である。
CPU66は、ステップS5の拡縮処理において、拡大(push)の処理と縮小(pull)の処理とを行う。
【0034】
CPU66は、拡大処理において、最外縁の4点の一般マーカー36、即ち12番、16番、20番、24番の一般マーカー36を対象とする。そして、CPU66は、最新画像において、これらの一般マーカー36に係る各種の距離D1~D4を算出し、基準画像における当該距離DA~DDと比較して、基準画像での距離DA~DDの合計に対する最新画像での距離D1~D4の合計の増加分に応じた拡大指令値を生成する。
より詳しくは、CPU66は、最新画像における、右後に位置する12番の一般マーカー36Nから右前に位置する16番の一般マーカー36Nまでの距離D1を算出する。又、CPU66は、最新画像における、16番の一般マーカー36Nから左前に位置する20番の一般マーカー36Nまでの距離D2を算出する。更に、CPU66は、20番の一般マーカー36Nから左後に位置する24番の一般マーカー36Nまでの距離D3を算出する。加えて、CPU66は、24番の一般マーカー36Nから12番の一般マーカー36Nまでの距離D4を算出する。
【0035】
そして、CPU66は、これらの距離D1,D2,D3,D4を合計して、基準画像における同様の距離DA,DB,DC,DDの合計に対する増加分を算出し、この増加分に応じた拡大指令値を生成する。拡大指令値は、入力指令値の一種である。又、距離D1~D4の合計は第1の距離に相当し、距離DA~DDの合計は第2の距離に相当する。尚、第1の距離は、1組の2点間の距離であっても良いし、2組あるいは3組の2点間の距離の合計であっても良いし、5組以上の2点間の距離の合計であっても良い。この点、第2の距離においても同様に変更可能である。又、第1の距離は、基準画像の情報として予め設定され、記憶されていても良い。
実際には、図10に示されるように、最外縁と捉え得る一般マーカー36が4個を超えて配置され得るところ、それらのうちの4つを選択することで、同様の処理が行われる。又、ユーザによる接触部30の凹ませ方により、距離D1,D3の距離DA,DCに対する増加分に比べて距離D2,D4の距離DB,DDに対する増加分が大きい等、距離D1~D4の種類により増加分の大きさに偏りがあることが多いところ、距離D1~D4を合計することにより、大局的な拡大指令値が生成される。
そして、入力装置1では、0でない拡大指令値が生成されることで、接触部30の押し下げの検出が行われている、と捉え得る。拡大指令値は、検出した接触部30への接触に関する情報である接触検出情報に相当し、押し下げ検出値とも捉え得る。ここでの接触検出情報は、接触部30の押し下げに関する。
尚、CPU66は、最外縁以外の一般マーカー36を対象として拡大処理を行っても良いし、3個以下、あるいは5個以上の一般マーカー36に係る距離に基づいて拡大処理を行っても良い。又、CPU66は、最新画像の一般マーカー36N間の距離D1~D4の合計の、基準画像の一般マーカー36S間の距離DA~DDの合計に対する増加分に変えて、あるいは当該増加分と共に、一般マーカー36Sから一般マーカー36Nにわたる外方への移動量によって拡大指令値を生成しても良い。更に、距離D1~D4,DA~DDの種類に応じて重みを付けた合計が算出されたり、距離D1~D4,DA~DDの合計以外が算出されたりする等、上記以外の統計的手法により、拡大指令値が生成されても良い。他方、検出装置としての入力装置1において、押し下げ検出値が所定閾値以上となった場合に、接触部30の押し下げが検出されても良い。
【0036】
CPU66は、拡大指令値を、拡大指令であることを示す入力種別情報と共に、コード6を介して被入力装置に送信する。
被入力装置は、例えば、受信した入力指令情報の拡大指令値に基づいて、アクティブな操作対象の拡大表示を行う。被入力装置は、例えば、拡大指令値の大きさに応じて拡大量を調節する。
この場合、ユーザが、指等による操作により、接触部30の上部を自然状態から押し下げて接触部30の上部を下方に凹ませると、接触部30の下部が上部の変形に伴って前後左右方向における外方へ広がるように変形し、マーカー部34が外方へ広がる。よって、被入力装置のアクティブな操作対象が拡大する。ユーザによる凹ませ方が強いと、その分接触部30の広がりも大きくなり、最新画像の合計距離が基準画像の合計距離より大きくなって、アクティブな操作対象の拡大量が大きくなる。ユーザが接触部30から指を離して接触部30への作用を止めると、接触部30が弾性により自然状態に戻り、合計距離が基準画像と最新画像とで変わらなくなり合計距離の増加分が0となって、アクティブな操作対象の拡大表示が停止する。
尚、被入力装置は、大きさが0でない拡大指令値を受けている間は常にアクティブな操作対象の拡大を行い続け、拡大指令値の大きさを拡大量の増加の大きさとして取り扱っても良い。この場合、ユーザにより接触部30が大きく凹ませられると、その分素早く拡大量が大きくなり、拡大表示の拡大倍率がより速く増加する。この場合におけるユーザの接触部30への操作停止後では、最後の拡大倍率を保持した状態でアクティブな操作対象の拡大表示が保持されても良いし、拡大表示前の表示状態に戻る処理がなされても良い。
【0037】
他方、CPU66は、縮小処理において、基準画像の合計距離に対する最新画像の合計距離の増加分に代えて、基準画像の合計距離に対する最新画像の合計距離の減少分に基づいて縮小指令値が生成されることを除き、拡大処理と同様の処理を行う。
実際には、図12に示されるように、ユーザによる接触部30の摘まみ上げ方により、距離D1,D3の距離DA,DCに対する減少分に比べて距離D2,D4の距離DB,DDに対する減少分が大きい等、距離D1~D4の種類により減少分の大きさに偏りがあることが多いところ、距離D1~D4を合計することにより、大局的な縮小指令値が生成される。
そして、入力装置1では、0でない縮小指令値が生成されることで、接触部30の摘まみ上げの検出が行われている、と捉え得る。縮小指令値は、検出した接触部30への接触に関する情報である接触検出情報に相当し、摘まみ上げ検出値とも捉え得る。ここでの接触検出情報は、接触部30の摘まみ上げに関する。
縮小処理は、拡大処理と同様の変更例を適宜有する。又、拡大処理において合計距離の増加分を算出する一方、縮小処理において最外縁の一般マーカー36の内方移動量を算出する等、拡大処理と縮小処理とで処理の内容が相違していても良い。他方、検出装置としての入力装置1において、縮小指令値が所定閾値以上となった場合に、接触部30の摘まみ上げが検出されても良い。押し下げ検出値と摘まみ上げ検出値とで、閾値の大きさが異なっていても良い。更に、拡大処理及び縮小処理の少なくとも一方が省略されても良い。接触部30の押し下げ及び摘まみ上げの少なくとも一方が検出されなくても良い。
【0038】
CPU66は、縮小指令値を、縮小指令であることを示す入力種別情報と共に、コード6を介して被入力装置に送信する。
被入力装置は、例えば、受信した入力指令情報の縮小指令値に基づいて、アクティブな操作対象の縮小表示を行う。被入力装置は、例えば、縮小指令値の大きさに応じて縮小量を調節する。
この場合、ユーザが、指等による操作により、接触部30を摘まみ上げて接触部30を細くすると、接触部30の下部が上部の変形に伴って前後左右方向における内方へ狭まるように変形し、マーカー部34が内方へ縮む。よって、被入力装置のアクティブな操作対象が縮小する。ユーザによる縮ませ方が強いと、その分接触部30の縮みも大きくなり、最新画像の合計距離が基準画像の合計距離より小さくなって、アクティブな操作対象の縮小量が大きくなる。ユーザが接触部30から指を離して接触部30への作用を止めると、接触部30が弾性により自然状態に戻り、合計距離が基準画像と最新画像とで変わらなくなり合計距離の減少分が0となって、アクティブな操作対象の縮小表示が停止する。
被入力装置における縮小指令値の処理は、拡大指令値の処理と同様な変更例を適宜有する。又、被入力装置において、拡大指令値の処理と縮小指令値の処理とで処理の内容が相違していても良い。更に、被入力装置は、上述の拡大指令値の処理の内容と上述の縮小指令値の処理の内容とを入れ替えても良い。又、被入力装置は、所定の大きさ以上の拡大指令値の受信に応じて第1のクリック(例えば左クリック)の動作を行っても良く、所定の大きさ以上の縮小指令値の受信に応じて第2のクリック(例えば右クリック)あるいはダブルクリックの動作を行っても良い。
【0039】
図13は、捻り処理に関する模式図である。図14は、捻り処理に関する画像である。
CPU66は、ステップS6において、基準画像から最新画像にわたる同番号の一般マーカー36の回転移動量を把握し、一般マーカー36の回転移動量の平均値を算出する。
ここでは、CPU66は、基準マーカー38に上下左右で隣接する4点の一般マーカー36、即ち1番、3番、5番、7番の一般マーカー36を対象とする。そして、CPU66は、これらの一般マーカー36の、基準画像の位置から最新画像の位置への回転角度を回転移動量として把握し、4つの回転角度の平均値を算出する。
より詳しくは、CPU66は、図13の矢印PAで示される、基準画像の基準マーカー38Sから1番の一般マーカー36Sへのベクトルである第1-1基準ベクトルと、図13の矢印P1で示される、最新画像の基準マーカー38Nから1番の一般マーカー36Nへのベクトルである第2-1基準ベクトルとから、三角関数により、図13の矢印M1で示される、1番の一般マーカー36の回転角度を把握する。ここでは、回転角度につき、図13で反時計回りの回転角度の符号を正とし、時計回りの回転角度の符号を負とする。同様に、CPU66は、基準画像の基準マーカー38Sから3番の一般マーカー36Sへの第1-2基準ベクトル(矢印PB)と、最新画像の基準マーカー38Nから3番の一般マーカー36Nへの第2-2基準ベクトル(矢印P2)とから、三角関数により、3番の一般マーカー36の回転角度(矢印M2)を把握する。又、CPU66は、基準画像の基準マーカー38Sから5番の一般マーカー36Sへの第1-3基準ベクトル(矢印PC)と、最新画像の基準マーカー38Nから5番の一般マーカー36Nへの第2-3基準ベクトル(矢印P3)とから、三角関数により、5番の一般マーカー36の回転角度(矢印M3)を把握する。更に、CPU66は、基準画像の基準マーカー38Sから7番の一般マーカー36Sへの第1-4基準ベクトル(矢印PD)と、最新画像の基準マーカー38Nから7番の一般マーカー36Nへの第2-4基準ベクトル(矢印P4)とから、三角関数により、7番の一般マーカー36の回転角度(矢印M4)を把握する。
第1-1基準ベクトル、第1-2基準ベクトル、第1-3基準ベクトル及び第1-4基準ベクトルは、それぞれ第1基準ベクトルの一種である。第2-1基準ベクトル、第2-2基準ベクトル、第2-3基準ベクトル及び第2-4基準ベクトルは、それぞれ第2基準ベクトルの一種である。
【0040】
そして、CPU66は、これらの回転角度の平均値を算出し、当該平均値の大きさに応じた捻り指令値を生成する。捻り指令値は、入力指令値の一種であり、回転量指令値とも捉え得る。
実際には、図14に示されるように、ユーザによる接触部30の捻り方により、矢印M1~M4毎の各回転角度が揃わないことが多いところ、矢印M1~M4の各回転角度の平均がとられることにより、大局的な捻り指令値が生成される。
そして、入力装置1では、0でない捻り指令値が生成されることで、接触部30の捻りの検出が行われている、と捉え得る。捻り指令値は、検出した接触部30への接触に関する情報である接触検出情報に相当する。ここでの接触検出情報は、接触部30の捻りに関する。
尚、CPU66は、基準マーカー38に上下左右で隣接するもの以外の一般マーカー36を対象として捻り処理を行っても良いし、3個以下、あるいは5個以上の一般マーカー36に係る回転角度に基づいて捻り処理を行っても良い。又、CPU66は、矢印M1~M4の各回転角度の平均値に変えて、あるいは当該平均値と共に、基準マーカー38Sから基準マーカー38Nにかけての回転角度によって捻り指令値を生成しても良い。更に、矢印M1~M4の各回転角度の平均値以外が算出される等、上記以外の統計的手法により、捻り指令値が生成されても良い。他方、検出装置としての入力装置1において、捻り指令値が所定閾値以上となった場合に、接触部30の捻りが検出されても良い。
【0041】
CPU66は、捻り指令値を、回転指令であることを示す入力種別情報と共に、コード6を介して被入力装置に送信する。尚、CPU66は、捻り指令値を、一時的にRAM64に記憶しても良い。
被入力装置は、例えば、受信した入力指令情報の捻り指令値に基づいて、表示装置におけるアクティブな操作対象の回転表示を行う。被入力装置は、例えば、捻り指令値の大きさに応じて回転表示に係る回転量を調節する。
この場合、ユーザが、指等による操作により、接触部30を自然状態から反時計回りに小さく捻るように変形させると、被入力装置において、アクティブな操作対象が反時計回りで小さく回転し、ユーザが接触部30を時計回りに大きく捻ると、アクティブな操作対象が大きく時計回りに回転する。ユーザが接触部30への捻りの作用を止めると、接触部30が弾性により捻られない状態に戻り、回転表示が元に戻る。
尚、回転量は、時計回り及び反時計回り以外の他の方向に係る回転量とされても良い。又、被入力装置は、捻り指令値の処理において、拡大指令値及び縮小指令値の処理と同様に、大きさが0でない捻り指令値を受信している間は継続して回転表示を行い、捻り指令値の正負の符号及び大きさを、符号が示す方向における回転量の増加の大きさとして取り扱っても良い。更に、被入力装置は、受信した捻り指令値に応じて、アクティブな操作対象の順方向又は逆方向のスクロールを行っても良い。
【0042】
そして、CPU66は、ステップS2~S6の処理を、繰り返し行う。
かような処理に基づいて、ユーザは、入力装置1の接触部30への操作により、被入力装置に対して、平行移動、拡縮、及び回転の3種の入力を行える。又、検出装置としての入力装置1は、接触部30への接触につき、平行移動、押し下げ、摘まみ上げ、捻りの種類を見分けた状態で、更にはそれぞれの度合を把握した状態で検出可能である。
ステップS2~S6の処理の繰り返しは、ユーザの入力速度及びマーカー部34の想定される最大の移動速度に比べて十分に速くなされるため、ユーザにより接触部30に対し2種以上の入力がなされても、CPU66は、各種の処理をそれぞれ適切に行え、被入力装置に対する入力信号をそれぞれ適切に送信することができる。
そして、被入力装置は、入力装置1により、3種の入力のうち少なくとも何れか2つが、極めて短時間の間に連続してあたかも同時に混在するようになされても、それぞれの入力の処理により、混在した入力に対応した表示処理等を行うことができる。例えば、ユーザが接触部30に対し捻り操作をしつつスライド操作をした場合、被入力装置は、アクティブな操作対象の回転表示をしつつカーソルを移動する。又、ユーザが接触部30に対し捻り操作をしつつ押し下げ操作をした場合、被入力装置は、アクティブな操作対象につき回転表示をしつつ拡大表示をする。又、検出装置としての入力装置1は、接触部30への接触につき、平行移動、押し下げ又は摘まみ上げ、及び捻りの少なくとも何れかが混在していても、それぞれ検出可能である。
尚、入力装置1及び被入力装置の少なくとも一方は、入力の種類毎に並行処理可能であっても良い。
【0043】
続いて、主に一般マーカー136への色の付与に関する第2形態が説明される。
この第2形態に係る入力装置は、以下で特に説明される部分を除き、上述の第1形態と変更例も含めて同様に成る。第2形態の説明において、上述の入力装置1と同様に成る部材又は部分には、同じ符号が付されて、適宜説明が省略される。
第2形態に係る入力装置では、マーカー部134及びその画像の処理が、上述の入力装置1から変更されている。
【0044】
図15は、第2形態のマーカー部134に関する模式図である。図16Aは、第2形態のマーカー部134に係る画像の処理において一般マーカー136が重なった場合に関する模式図である。図16Bは、第2形態のマーカー部134に係る画像の処理において一般マーカー136が図16Aの態様とは別の態様で重なった場合に関する模式図である。図17は、第2形態のマーカー部134に係る画像の処理における一般マーカー136の識別に関する模式図である。
第2形態のマーカー部134は、複数の一般マーカー136、及び基準マーカー138を有する。
【0045】
各一般マーカー136は、色を有していることを除き、上述の一般マーカー36と同様に成る。
一般マーカー136の色は、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)の4種類存在する。図15から図17までにおいて、一般マーカー136の外形を描く線の種類(実線、破線、一点鎖線、及び二点鎖線)は、一般マーカー136の色に従っている。一般マーカー136の外形は、何れも同じ小さい円状である。尚、一般マーカー136の外形は、何れも同じでなくても良いし、小さい円状でなくても良い。
基準マーカー138は、マーカー部134の中央部に配置され、一般マーカー136と同様の形状を有している。基準マーカー138の色は、ここでは赤である。第2形態では、基準マーカー138にも識別情報が付与される。その識別番号は、0番である。
色の配置に関し、任意の一般マーカー136又は基準マーカー138の色は、前後左右並びに右前、右後、左前、及び左後で隣接する8つの隣接する一般マーカー136又は基準マーカー138の色と異なる。任意の一般マーカー136又は基準マーカー138における、前後の一般マーカー136又は基準マーカー138の色と、左右の一般マーカー136又は基準マーカー138の色と、右前、右後、左前、及び左後の一般マーカー136又は基準マーカー138の色とは、互いに異なる。
例えば、赤である0番の基準マーカー138における、前後の一般マーカー136の色は緑であり、左右の一般マーカー136の色は黄であり、右前、右後、左前、及び左後の一般マーカー136の色は青である。
一般マーカー136又は基準マーカー138の色を示す情報である色情報は、識別情報と対応付けた状態で、ROM60に記憶されている。色情報は、RAM64に記憶されても良い。
尚、第2形態において、基準マーカー138が用いられなくても良い。又、一般マーカー136又は基準マーカー138における赤、緑、青、及び黄の少なくとも何れかは、他の色に変えられても良い。一般マーカー136又は基準マーカー138の色は、3種類以下であっても良いし、5種類以上であっても良い。更に、一般マーカー136又は基準マーカー138の色の配置は、隣接する前後左右のみ色の種類が異なるものとする等、様々に変更することができる。一般マーカー136又は基準マーカー138の色の配置は、識別のし易さの観点から、隣接ずる一般マーカー136又は基準マーカー138の色が互いに異なることが好ましい。
【0046】
第2形態に係るマーカー部134の画像の処理は、基本的には第1形態の入力装置1と同様である。
そして、マーカー部134の画像の処理では、図16A図16B及び図17に示される通り、処理の精度が更に向上する。
【0047】
より詳しくは、まず、図16A及び図16Bに示される通り、マーカー部134の画像において、2番、3番及び4番の一般マーカー136又は基準マーカー138が、0番、1番及び5番より、撮像部14から見て手前側(即ち下側)となっているのか(図16A)、あるいは2番、3番及び4番の一般マーカー136又は基準マーカー138が、0番、1番及び5番より、撮像部14から見て奥側(即ち上側)となっているのか(図16B)が、より明確に判別可能である。
CPU66は、画像で互いに重なっている一般マーカー136又は基準マーカー138において、重なり部分における色により、上側か下側かを判別できる。例えば、0番の基準マーカー138と3番の一般マーカー136の重なりにおいて、図16Aの場合には重なり部分における色が黄であるため、3番の一般マーカー136が下側であることが判別でき、図16Bの場合には重なり部分における色が赤であるため、0番の基準マーカー138が下側であることが分かる。
そして、CPU66は、他の一般マーカー136又は基準マーカー138の重なりについても、色に基づいて上下をより正確に判別可能である。即ち、CPU66は、一般マーカー136又は基準マーカー138の重なり(隠れ)が発生したとしても、色に基づいてより正確にマーカー部134の処理を行える。例えば、CPU66が、重なり合った一般マーカー136又は基準マーカー138を、一つのマーカーと誤認して、不正確な処理を行う事態の発生が抑制される。
尚、CPU66は、重なり部分の色に代えて、あるいは重なり部分の色と共に、互いに重なっている一般マーカー136又は基準マーカー138の色毎の面積の大小等といった他の要素により、一般マーカー136又は基準マーカー138の上下を判別しても良い。
【0048】
次に、図17に示される通り、一般マーカー136の識別の処理において、例えば、ユーザにより接触部30が瞬時に45°を超えて捻られて、マーカー部134の回転が瞬時に45°を超えてなされるような、これまでの第1ベクトルV1の推移を参照し難い極めて厳しい条件下でも、CPU66は、第1ベクトルV1につき、0番の基準マーカー138から緑の1番への一般マーカー136へのものとして把握すれば良い。又、制御部18は、0番の基準マーカー138の後方位置にある7番の一般マーカー136につき、1番の一般マーカー136として処理しようとする場合、7番の一般マーカー136が黄であり、1番の一般マーカー136が具備しているはずの緑ではないことから、一般マーカー136の色を確認することで、7番の一般マーカー136を1番の一般マーカー136と誤認するエラーを回避することができる。よって、CPU66が、第1ベクトルV1につき、0番の基準マーカー138から後方で隣接するものへのベクトルとの把握基準のみに基づいて、図17の7番の一般マーカー136(黄)へのものと誤認する事態の発生が抑制される。
ここで、第2形態における、形態が赤の一般マーカー136と同一である0番の基準マーカー138の把握は、緑の1番、5番の一般マーカー136、及び黄の3番、7番の一般マーカー136に囲まれた赤の基準マーカー138を探索することでなされる。尚、一般マーカー136がより多く、かような赤の一般マーカー136が複数存在する場合、CPU66は、これらの赤の一般マーカー136ではなく、最も中央部に配置されたものを、基準マーカー138として抽出する。又、基準マーカー138の把握は、2番、4番、6番及び8番の少なくとも何れかを加味してなされる等、様々に変更されても良い。
又、5番の一般マーカー136の色は、0番の基準マーカー138を超えた向こう側(反対側)において0番の基準マーカー138と隣接して配置された1番の一般マーカー136の色と同じ緑である。ここで、マーカー部134が180°程度まで瞬時に回転するような画像の取得間隔及び接触部30の弾性等の設定は、誤作動の抑制の観点から想定し難い。よって、1番、5番の一般マーカー136が同じ色であっても、誤作動にはつながり難い。
【0049】
更に、第2形態に類似した第3形態が説明される。
この第3形態に係る入力装置は、以下で特に説明される部分を除き、変更例も含めて上述の第2形態と同様に成る。第3形態の説明において、第1形態及び第2形態と同様に成る部材又は部分には、同じ符号が付されて、適宜説明が省略される。
第3形態に係る入力装置では、マーカー部234及びその画像の処理が、第2形態から変更されている。
【0050】
図18は、第3形態のマーカー部234に関する模式図である。
第2形態のマーカー部234は、複数の一般マーカー236、及び基準マーカー238を有する。
【0051】
各一般マーカー236及び基準マーカー238は、色の種類を除き、上述の一般マーカー136及び基準マーカー138と同様に成る。
各一般マーカー236及び基準マーカー238は、5行5列で規則的に配置されている。各一般マーカー236及び基準マーカー238の色は、赤の輝度(R輝度)、及び青の輝度(B輝度)を有する紫(赤と青の混色)である。
尚、各一般マーカー236及び基準マーカー238の色の一部は、R輝度又はB輝度を有していなくても良い。又、R輝度及びB輝度の少なくとも一方は、他の色の輝度に変更されても良い。更に、3種類以上の色の輝度が用いられても良い。加えて、一般マーカー136の外形及び基準マーカー238の外形は、何れも同じでなくても良いし、小さい円状でなくても良い。
【0052】
各一般マーカー236及び基準マーカー238のR輝度は、左右方向における位置に応じている。
各一般マーカー236のうち最も左方の列(第1列)に配置されている5つのものは、最も小さいR輝度を有している(図18中「R1」)。
そして、この5つの各一般マーカー236から右方に行くほど、各一般マーカー236及び基準マーカー238のR輝度が大きくなるように設定されている。より詳しくは、第1列に右方で隣接する列である第2列の各一般マーカー236に係るR輝度は、2番目に小さいR輝度を有している(図18中「R2」)。同様に、第3列の各一般マーカー236及び基準マーカー238に係るR輝度は、3番目に小さいR輝度を有しており(図18中「R3」)、第4列の各一般マーカー236に係るR輝度は、2番目に大きいR輝度を有しており(図18中「R4」)、第5列の各一般マーカー236に係るR輝度は、最も大きいR輝度を有している(図18中「R5」)。
尚、R輝度の設定は、様々に変更されても良い。例えば、第1列から第5列にかけて次第にR輝度が小さくなるように設定されても良い。
【0053】
各一般マーカー236及び基準マーカー238のB輝度は、前後方向における位置に応じている。
各一般マーカー236のうち最も前方の行(第1行)に配置されている5つのものは、最も小さいB輝度を有している(図18中「B1」)。
そして、この5つの各一般マーカー236から後方に行くほど、各一般マーカー236及び基準マーカー238のB輝度が大きくなるように設定されている。より詳しくは、第1行に後方で隣接する行である第2行の各一般マーカー236に係るB輝度は、2番目に小さいB輝度を有している(図18中「B2」)。同様に、第3行の各一般マーカー236及び基準マーカー238に係るB輝度は、3番目に小さいB輝度を有しており(図18中「B3」)、第4行の各一般マーカー236に係るB輝度は、2番目に大きいB輝度を有しており(図18中「B4」)、第5行の各一般マーカー236に係るB輝度は、最も大きいB輝度を有している(図18中「B5」)。
尚、B輝度の設定は、様々に変更されても良い。例えば、第1行から第5行にかけて次第にB輝度が小さくなるように設定されても良い。又、各一般マーカー236及び基準マーカー238の色は、前後方向でR輝度が次第に変わり、左右方向でB輝度が次第に変わる状態で設定されても良い。
【0054】
かようなR輝度及びB輝度の設定により、各一般マーカー236及び基準マーカー238の色は、大局的には紫であるものの、全て互いに異なったものとなる。R1のR輝度及びB1のB輝度を有する一般マーカー236は、最も暗い紫となる。他方、R5及びB5を有する一般マーカー236は、最も明るい紫となる。
【0055】
第3形態に係るマーカー部234の画像の処理は、第2形態と同様である。
当該処理における識別情報の付与処理の大要としては、まず、制御部18は、画像中でR3B3の輝度を持つマーカーを基準マーカー238と定める。次に、制御部18は、画像中でR3B4の輝度を持つマーカーを1番の一般マーカー136と定める。続いて、制御部18は、画像中でR4B4の輝度を持つマーカーを2番の一般マーカー136と定める。そして、制御部18は、以降も同様にして一般マーカー236を識別する。尚、第3形態において、制御部18は、第1ベクトルV1から第4ベクトルV4までを算出しなくても良い。
【0056】
第3形態においても、第2形態と同様、制御部18は、色に基づいたマーカー部234の処理により、一層正確な接触部30への接触の検出及び入力指令情報の生成を行える。
又、第1形態における第1ベクトルV1~第4ベクトルV4を用いたマーカー識別処理と、第2形態又は第3形態の色に基づくマーカー識別処理とが併用されれば、より一層正確なマーカー部234の処理が行える。
【0057】
以上の検出装置としての第1形態の入力装置1、並びに第2形態及び第3形態の入力装置は、弾性的な変形が可能である接触部30と、接触部30に設けられ、接触部30の変形に応じて変位するマーカー部34,134と、マーカー部34,134に係る基準画像及び最新画像を取得する撮像部14と、基準画像及び最新画像の記憶及び処理を行う制御部18と、を備えている。マーカー部34は、一般マーカー36,136及び基準マーカー38,138を含んでいる。制御部18は、基準画像における一般マーカー36,136及び基準マーカー38,138の配置に対する、最新画像における一般マーカー36,136及び基準マーカー38,138の配置から、接触検出情報を生成する。
よって、接触部30への接触が、接触検出情報に基づいて的確に検出される。又、接触検出情報に基づいて入力指令情報が生成されることで、1つの弾性的な接触部30への操作によって、被入力装置に対して情報を容易に入力可能な第1形態の入力装置1、及び第2形態の入力装置が提供される。
【0058】
又、マーカー部34は、複数の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238を含んでいる。制御部18は、基準画像における一部又は全部の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238の配置に対する、最新画像における一部又は全部の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238の配置から、接触検出情報を生成する。
よって、接触部30への接触が、接触の種類を区別可能である状態で検出される。又、接触検出情報に基づいて入力指令情報が生成されることで、入力の対象となる装置である被入力装置に対して、多様な種類の情報あるいはその一部の種類の情報を入力可能な第1形態の入力装置1、及び第2形態の入力装置が提供される。更に、1つの弾性的な接触部30への各種の操作によって、被入力装置に対して情報を一層容易に入力可能な第1形態の入力装置1、及び第2形態の入力装置が提供される。
【0059】
又、基準画像は、変形していない接触部30におけるマーカー部34,134,234の画像である。よって、精度がより十分となり、計算量が抑制される。
更に、最新画像は、逐次取得され、制御部18は、接触検出情報を逐次生成する。よって、接触部30への接触の検出が適切に継続してなされ、その検出が入力装置に用いられた場合には、入力が適切に継続して受け付けられる。
【0060】
又、第2形態及び第3形態の入力装置では、一般マーカー136,236、基準マーカー138,238の色が、互いに異なっている。基準画像における複数の一般マーカー136,236、基準マーカー138,238には、識別情報としての番号が付与されている。制御部18は、最新画像における複数の一般マーカー136,236、基準マーカー138,238に、番号を、色の違いに基づいて付与する処理を実行する。よって、一般マーカー136,236、基準マーカー138,238の識別の精度が更に向上し、検出装置あるいは入力装置の精度がより良好になる。
更に、一般マーカー136,236、基準マーカー138,238は、規則的な配置で並べられており、任意の一般マーカー136,236、基準マーカー138,238の色は、規則的な配置において隣接する一般マーカー136,236、基準マーカー138,238の色と異なっている。よって、比較的に少ない色の種類数において、精度の良好な検出装置あるいは入力装置が提供される。
【0061】
又、第1形態の入力装置1並びに第2形態及び第3形態の入力装置では、マーカー部34,134,234は、一般マーカー36,136,236と、基準マーカー38,138,238と、を含んでいる。よって、基準マーカー38,138,238の設定により、一般マーカー36,136,236の識別が行い易くて精度がより良好となり、又より多彩な種別の検出あるいは入力が処理可能となる。
【0062】
更に、制御部18は、基準画像における一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238から、最新画像における一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238へのベクトルである変位ベクトルに基づいて、接触検出情報を生成する(ステップS4)。よって、接触部30への平行移動に係る接触の検出が、十分な精度において行われる。
又、マーカー部34,134,234は、複数の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238を含んでいる。基準画像における複数の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238には、番号が付与される。制御部18は、最新画像における複数の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238に番号を付与する処理(ステップS3)を実行すると共に、基準画像における一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238から、最新画像における、基準画像の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238の番号に対応する番号を有する一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238への変位ベクトルを、複数(24個)算出し、複数の変位ベクトルに基づいて、接触検出情報を生成する(ステップS4)。よって、接触部30への平行移動に係る接触の検出が、複数の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238の参照により、より高い精度において行われる。
更に、接触部30への平行移動に係る接触検出情報に基づいて、カーソルの移動に関する入力指令情報が生成される。よって、第1形態の入力装置1、及び第2形態の入力装置において、カーソルの移動の処理(ステップS4)が、十分な精度で行われる。
【0063】
又更に、マーカー部34,134,234は、複数の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238を含んでおり、基準画像における複数の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238には、番号が付与され(ステップS2)、第1の画像における少なくとも2つの一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238の間の距離である第1の距離DA~DDが、予め得られ、あるいは制御部18によって算出される。制御部18は、最新画像における複数の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238に番号を付与する処理(ステップS3)を実行すると共に、最新画像における、基準画像の一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238の番号に対応する番号を有する少なくとも2つの一般マーカー36,136,236及び基準マーカー38,138,238の間の距離である第2の距離D1~D4を算出し、第1の距離DA~DD及び第2の距離D1~D4に基づいて、接触検出情報を生成する(ステップS5)。よって、接触部30への押し下げ及び摘まみ上げに係る接触の検出が、十分な精度において行われる。
更に、接触部30への押し下げ及び摘まみ上げに係る接触検出情報に基づいて、拡大及び縮小に関する入力指令情報が生成される。よって、拡縮の処理(ステップS5)が、十分な精度において行われる。
【0064】
又、マーカー部34,134,234は、一般マーカー36,136,236と、基準マーカー38,138,238と、を含んでおり、基準画像における基準マーカー38,138,238から一般マーカー36,136,236へのベクトルである第1基準ベクトル(矢印PA~PD)が、予め得られ、あるいは制御部18によって算出される。制御部18は、最新画像における基準マーカー38,138,238から一般マーカー36,136,236へのベクトルである第2基準ベクトル(矢印P1~P4)を算出し、第1基準ベクトル及び第2基準ベクトルに基づいて、接触検出情報を生成する(ステップS6)。よって、接触部30への捻りに係る接触の検出が、十分な精度において行われる。
又更に、マーカー部34,134,234は、複数の一般マーカー36,136,236を含んでいる。制御部18は、第1基準ベクトル(矢印PA~PD)及び第2基準ベクトル(矢印P1~P4)を、それぞれ複数算出する(ステップS6)。よって、接触部30への捻りに係る接触の検出が、複数の一般マーカー36,136,236の参照により、より高い精度において行われる。
更に、接触部30への捻りに係る接触検出情報に基づいて、回転に関する入力指令情報が生成される。よって、回転の処理(ステップS6)が、十分な精度において行われる。
【0065】
尚、上述の形態及びその変更例は、更に、次のような変更を行い得る。
マーカー部134,234の一般マーカー136,236及び基準マーカー138,238の少なくとも何れかにおいて、色に変えて、あるいは色と共に、形状、大きさ及び模様の少なくとも何れか等が変えられても良い。
【0066】
マーカー部34,134,234は、1つのマーカーのみを有していても良い。この場合においても、制御部18は、第1の画像におけるマーカーの配置に対する第2の画像におけるマーカーの配置を把握して、被入力装置におけるカーソルの移動等に係る入力指令情報を生成することができる。
制御部18は、第1の画像の特定の領域内におけるマーカーの密度(第1の密度)と、第2の画像の対応する領域内におけるマーカーの密度(第2の密度)と、に基づいて、入力指令情報を生成しても良い。例えば、第1の密度に対する第2の密度の増加分に応じて、拡大を指令する入力指令情報が生成され、第1の密度に対する第2の密度の減少分に応じて、縮小を指令する入力指令情報が生成されても良い。
【符号の説明】
【0067】
1・・入力装置(検出装置)、14・・撮像部、18・・制御部、30・・接触部、34,134,234・・マーカー部、36,136,236・・一般マーカー(マーカー)、38,138,238・・基準マーカー(マーカー)、DA~DD・・第1の距離、D1~D4・・第2の距離。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18