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<図1>
  • 特開-景品用NFTの管理装置 図1
  • 特開-景品用NFTの管理装置 図2
  • 特開-景品用NFTの管理装置 図3
  • 特開-景品用NFTの管理装置 図4
  • 特開-景品用NFTの管理装置 図5
  • 特開-景品用NFTの管理装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025030068
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】景品用NFTの管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20250228BHJP
   G07F 7/02 20060101ALI20250228BHJP
   G07F 5/02 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G07F7/02 B
G07F7/02 Z
G07F5/02 101
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135049
(22)【出願日】2023-08-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】523284332
【氏名又は名称】株式会社YUKIMURA
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】白江 勝行
【テーマコード(参考)】
3E044
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA01
3E044BA03
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】抽選の景品等として用いられる多数のNFTを当該NFTに係るURLを介して安全に提供すること。
【解決手段】本発明の景品用NFTの管理装置1は、景品用NFTを発行及び移転する発行用ウォレットに景品用NFTを発行させる発行部111と、発行用ウォレットに、景品用NFTを保管及び移転する保管用ウォレットへ景品用NFTを移転させる保管部112と、保管用ウォレットに移転された景品用NFTと1対1対応する対応URLを生成する生成部113と、対応URLを用いた通信を行う外部装置からウォレットの識別情報を受信する受信部114と、保管用ウォレットを操作し、対応URLに対応する景品用NFTを保管用ウォレットから上述の識別情報により識別される移転先ウォレットへ移転させる移転部115と、を備え、発行用ウォレットと保管用ウォレットとは互いに異なる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品用NFTを発行及び移転する発行用ウォレットに景品用NFTを発行させる発行部と、
前記発行用ウォレットに、前記景品用NFTを保管及び移転する保管用ウォレットへ前記景品用NFTを移転させる保管部と、
前記保管用ウォレットへ移転された景品用NFTと1対1対応する対応URLを生成する生成部と、
前記対応URLを用いた通信を行う外部装置からウォレットの識別情報を受信する受信部と、
前記保管用ウォレットを操作し、前記対応URLに対応する景品用NFTを前記保管用ウォレットから前記識別情報により識別される移転先ウォレットへ移転させる移転部と、
を備え、
前記発行用ウォレットと前記保管用ウォレットとは互いに異なる、
景品用NFTの管理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記対応URLを情報として含む抽選用二次元コードを生成し、
前記受信部は、複数種類の前記抽選用二次元コードのうちから抽選によって選ばれた当選二次元コードから読み取られた対応URLを用いた通信を行う外部装置から前記識別情報を受信する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記生成部は、カプセル自動販売機を介して抽選されるカプセルを介して提供される態様で前記抽選用二次元コードを生成し、
前記受信部は、カプセル自動販売機が行う抽選によって選ばれた当選カプセルを介して提供された当選二次元コードから読み取られた対応URLを用いた通信を行う外部装置から前記識別情報を受信する、
請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記対応URLとカプセル自動販売機との関連付けが格納される対応テーブルをさらに備え、
前記受信部は、前記当選カプセルを抽選したカプセル自動販売機を識別できる自販機識別情報を受信するよう構成され、
前記移転部は、前記識別情報により識別される所定カプセル自動販売機が前記当選二次元コードから読み取られた対応URLと関連付けられている場合に前記移転を行う、
請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記対応URLとエリアとの関連付けが格納される対応テーブルをさらに備え、
前記受信部は、前記外部装置の位置を受信するよう構成され、
前記移転部は、前記当選二次元コードから読み取られた対応URLと関連付けられているエリアが前記位置を含む場合に前記移転を行う、
請求項3に記載の管理装置。
【請求項6】
前記当選カプセルを抽選したカプセル自動販売機が設置された地域に関する情報を、前記識別情報を送信した所定端末に提供するよう構成された提供部をさらに備える、請求項3に記載の管理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品用NFTの管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類のカプセルからランダムに選択された1のカプセル、すなわち抽選によって選ばれた1のカプセルを提供するカプセル自動販売機がある。カプセル自動販売機は、対価が支払われると、抽選を行い、当該抽選によって選ばれたカプセルに収容された玩具(カプセルトイ)を消費者に提供する。これにより、カプセル自動販売機は、どのようなカプセルトイが当選するか想像し、期待する楽しみを消費者に与える。
【0003】
ところで、玩具は、カプセルトイのような現実世界の玩具だけでなく、デジタルデータを介して提供される仮想世界の玩具も含む。そこで、カプセル自動販売機等の抽選手段を介してデジタルデータを提供する技術が求められている。
【0004】
(従来技術)
抽選手段を介してデジタルデータを提供する従来技術の一例として、特許文献1は、キャラクタグッズなどの組立てフィギュアを収納したカプセル本体と、当該カプセル本体に収納又は貼付され前記組立てフィギュアに関連する光学読み取り可能な情報コードを保持するカードなどの情報表示部と、を有することを特徴とするカプセルトイを開示している。特許文献1の技術は、情報コードに応じたデジタルデータを送信することで、カプセルの内容物に関連した動画又は静止画若しくは着信メロディなどのデジタルデータを景品として手軽に提供し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-004433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、唯一無二であるという価値をデジタルデータに与える手段として、ブロックチェーン上に記録される非代替性トークン(「Non-Fungible Token」、「NFT」)が利用されている。関連付けられたデジタルデータが異なる多数のNFTを発行し、唯一無二であるという価値を有するNFTを抽選の景品として提供できれば、消費者の楽しみがよりいっそう増し得る。発行されたNFTを抽選の景品として提供する手段として、例えば、特許文献1の技術等の抽選手段を介してNFTに係るURL(Uniform Resource Locator)を情報コードとして提供し、当該URLを介して当該NFTの提供を求めた当選者に当該NFTを移転する手段が考えられる。
【0007】
ところで、NFTは、ガス代と呼ばれる経済的コストを伴って、ブロックチェーンを操作可能なウォレットから発行される。また、ウォレットは、URLを介してNFTの提供を求めた当選者に当該NFTを移転するためにも利用される。そのため、当選者にNFTを移転するウォレットは、ネットワークに接続されて運用される。しかしながら、ネットワークに接続されたウォレットは、不正アクセスにより操作される可能性がある。上述のガス代のため、多数のNFTを発行できるように構成されたウォレットは、不正アクセスにより操作された場合に多大な経済的損失を招き得る。特許文献1の技術は、カプセルの内容物に関連した動画又は静止画若しくは着信メロディなどのNFTでないデジタルデータを景品として手軽に提供し得るにとどまり、抽選の景品等として用いられる多数のNFTを当該NFTに係るURLを介して安全に提供する点において、さらなる改良の余地がある。
【0008】
本発明は係る事情にかんがみてなされたものであり、その目的は、抽選の景品等として用いられる多数のNFTを当該NFTに係るURLを介して安全に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、NFTを発行させる発行用ウォレットと異なる保管用ウォレットを介して景品用NFTのURLを介した提供を行うこと等によって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0010】
本発明は、景品用NFTを発行及び移転する外部の発行用ウォレットに景品用NFTを発行させる発行部と、前記発行用ウォレットに、前記景品用NFTを保管及び移転する外部の保管用ウォレットへ前記景品用NFTを移転させる保管部と、前記保管用ウォレットへ移転された景品用NFTと1対1対応する対応URLを生成する生成部と、前記対応URLを用いた通信を行う外部装置からウォレットの識別情報を受信する受信部と、前記保管用ウォレットを操作し、前記対応URLに対応する景品用NFTを前記保管用ウォレットから前記識別情報により識別される移転先ウォレットへ移転させる移転部とを備え、前記発行用ウォレットと前記保管用ウォレットとは互いに異なる、景品用NFTの管理装置を提供する。
【0011】
本発明は、抽選の景品等として用いられるNFTである景品用NFTを発行させ、保管用ウォレットへ移転させ、さらに、保管用ウォレットに移転された景品用NFTと1対1対応する対応URLを生成する。そして、本発明は、対応URLを用いた通信を行う外部装置からウォレットの識別情報を受信し、対応URLに対応する景品用NFTを保管用ウォレットから識別情報により識別される移転先ウォレットへ移転させる。景品用NFTと対応URLとが1対1対応するため、本発明は、唯一無二であるとのNFTの価値を損なうことなく、多数のNFTを発行し、これら多数のNFTを当該NFTに係るURLを介した手順によって提供できる。すなわち、本発明は、唯一性のあるユニークなURL及び抽選用二次元コードを作ることにより、唯一無二であるとのNFTの価値を損なうことなく、多数のNFTを発行し、提供できる。
【0012】
ところで、仮にNFTの発行・保管・移転(配布)をすべて行うウォレットの秘密鍵が流出した場合、当該ウォレットに係るNFTの発行・保管・配布すべてに悪影響が及び得る。本発明の保管用ウォレットは、発行用ウォレットと別体に設けられた保管及び配布を行うウォレットである。そのため、仮に保管用ウォレットの秘密鍵が流出したとしても、当該保管用ウォレットに格納されたNFTにのみ被害が限定される。加えて、保管用ウォレットは、配布するプロジェクトごとに分けることができるので、流出の被害を限定することができる。さらに、保管用ウォレットを発行用ウォレットと別にする構成は、配布用の記述を追加することを不要とする。これにより、保管用ウォレットは、例えば、イーサリアム(登録商標)における非代替性トークン(NFC)の規格であるERC721にのみ準じたコントラクトにより配布を行える。そのため、本発明によれば、独自の機能が追加されたコントラクトを検証することなく、既存の規格に基づく安全なコントラクトを利用できる。これにより、配布先ごとに配布用ウォレットを分け、配布先に応じて配布用ウォレットそれぞれに係るコントラクトを変える等の安全かつ柔軟な運用が可能となる。よって、本発明は、抽選の景品等として用いられる多数のNFTを当該NFTに係るURLを介して安全に提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、抽選の景品等として用いられる多数のNFTを当該NFTに係るURLを介して安全に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の好ましい態様の一例を示すブロック図である。
図2図2は、対応テーブル121の一例である。
図3図3は、本実施形態の管理装置1で実行される管理処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図4図4は、図3から続く図である。
図5図5は、図4から続く図である。
図6図6は、図5から続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0016】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムSにおけるハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。以下、図1を用いて本実施形態のシステムSにおけるハードウェア構成及びソフトウェア構成の好ましい態様の一例が説明される。システムSは、管理装置1と、ネットワークNを介して管理装置1と通信するよう構成可能なブロックチェーンB及び端末Tとを含んで構成される。
【0017】
〔管理装置1〕
管理装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信部13等を備える。管理装置1の種類は、特に限定されない。該種類として、例えば、サーバ、クラウドサーバ等が挙げられる。本実施形態の管理装置1は、管理が容易な1つの装置として構成されてもよく、複数の装置が協働して実現されるシステムとして構成されてもよい。本実施形態の管理装置1は、NFTを発行させる発行用ウォレットと異なる保管用ウォレットを介して景品用NFTのURLを介した提供を行うこと等によって、抽選の景品等として用いられる多数のNFTを当該NFTに係るURLを介して安全に提供する。なお、本実施形態における「ウォレット」は、ブロックチェーンに係る外部所有アカウント(Externally Owned Account、EOA)を指す。
【0018】
[制御部11]
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0019】
制御部11は、必要に応じて記憶部12及び/又は通信部13と協働する。そして、制御部11は、管理装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、発行部111、保管部112、生成部113、受信部114、移転部115、提供部116等を実現する。本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素それぞれが提供する機能は、後述する管理処理の好ましい流れの説明において示される。
【0020】
管理装置1が複数の装置が協働して実現されるシステムとして構成される場合、発行部111及び保管部112は、受信部114及び移転部115が実現される装置(保管用装置)と異なる装置(発行用装置)上に実現されることが好ましい。これにより、発行用装置は、不正アクセスのリスクを低減すべく、景品用NFTの発行・移転を行う場合等の必要最低限の場合にのみネットワークNに接続されるよう構成できる。
【0021】
[記憶部12]
記憶部12は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。
【0022】
記憶部12は、ネットワークNを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0023】
記憶部12には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、対応テーブル121、並びに、景品用NFTを保管及び移転する保管用ウォレットを操作可能な保管用暗号鍵、地域情報等が格納されている。また、記憶部12は、必要に応じて、通信部13、ネットワークN、及びブロックチェーンB等と協働して、上述の発行用ウォレット及び保管用ウォレットを実現可能に構成される。
【0024】
発行用の秘密鍵は、クラウドストレージ上に格納されないことが好ましい。これにより、不正アクセスにより当該秘密鍵が窃取されるリスクが著しく低減される。保管用暗号鍵がクラウドストレージ上に格納される場合、保管用暗号鍵は、暗号化されて格納されることが好ましい。これにより、不正アクセスにより当該保管用暗号鍵がクラウドストレージ上から窃取されるリスクが低減される。
【0025】
(対応テーブル121)
対応テーブル121には、保管用ウォレットへ移転された景品用NFTと1対1対応で対応付けられた対応URLが格納される。対応URLは、景品用NFTを示す識別情報(ID)と関連付けられていることが好ましい。IDは、特に限定されず、例えば、NFTに係るコントラクトアドレス、チェーン番号、及びトークン番号等でよい。
【0026】
対応URLは、未使用(保管中)であるか使用済(移転済)であるかを示す情報と関連付けられていることが好ましい。これにより、管理装置1は、ブロックチェーンB上で景品用NFTの所在を確認するスマートコントラクトを実行してガス代を浪費することなく、対応URLと対応する景品用NFTが保管用ウォレットに格納されているか否かを確認できる。また、これにより、管理装置1は、カプセル自動販売機等を介して抽選された対応URLを介して配布済の景品用NFTの数を、ガス代を浪費することなく管理できる。
【0027】
対応URLと対応する景品用NFTがいずれかの提供先ウォレットへ移転済であるである場合、対応URLは、提供先ウォレットを示す情報(提供先アドレス)と関連付けられていることが好ましい。これにより、管理装置1は、ブロックチェーンB上で景品用NFTの所在を確認するスマートコントラクトを実行してガス代を浪費することなく、対応URLと対応する景品用NFTがいずれの提供先ウォレットに格納されているかを確認できる。
【0028】
対応URLは、生成部113によって生成された、対応URLを情報として含む二次元コード(抽選用二次元コード)と関連付けられていることが好ましい。これにより、管理装置1は、抽選の景品、パンフレット・広告等の配布物に付される特典情報、チケット・商品等に付される特典情報として利用可能な抽選用二次元コードを提供できる。
【0029】
対応URLは、当該対応URLを提供するカプセル自動販売機と関連付けられていることが好ましい。当該関連付けは、例えば、カプセル自動販売機に付される当該自動販売機の識別情報(自販機識別情報、パスワードとも称される。)が対応URLと関連付けられて対応テーブル121に格納されることで行われる。これにより、管理装置1は、対応URLの不正利用が疑われる、当該景品用NFTと関連付けられたカプセル自動販売機と異なる場所から対応URLを用いた通信が行われた場合に、景品用NFTを移転しないようにできる。
【0030】
対応URLは、当該対応URLが提供されるエリアと関連付けられていることが好ましい。当該関連付けは、例えば、エリアを示すエリア情報が対応URLと関連付けられて対応テーブル121に格納されることで行われる。これにより、管理装置1は、対応URLの不正利用が疑われる、当該景品用NFTと関連付けられたエリアと異なる場所から対応URLを用いた通信が行われた場合に、景品用NFTを移転しないようにできる。
【0031】
対応URLは、当該対応URLと1対1対応する景品用NFTの管理装置1からの移転を要求できる期間(取得可能期間)と関連付けられていることが好ましい。これにより、管理装置1は、イベントの開催期間等、景品用NFTに係る期間にのみ限定して景品用NFTを提供することができる。
【0032】
対応URLは、対応URLに1対1対応する特定景品用NFTの取得を可能とする所定景品用NFTの取得数の閾値(取得数閾値)と関連付けられていることが好ましい。これにより、管理装置1は、過去に取得数閾値以上の所定景品用NFTを取得した者(例えば、所定景品用NFTとしてラーメンNFTを100杯以上受け取った者等)のみが特定の景品用NFTを取得できるようにできる。
【0033】
図2は、対応テーブル121の一例である。図2に示された例は、利用状況(未使用(保管中)であるか使用済(移転済)であるかを示す情報)、ID(景品用NFTを示す識別情報)、提供先アドレス(提供先ウォレットを示す情報)、URL(対応URL)、及び二次元コード(対応URLを情報として含む二次元コード(抽選用二次元コード))が互いに関連付けられた情報を含む。
【0034】
図2のID「1」で識別される景品用NFTに係る互いに関連付けられた情報は、ID「1」、利用状況「使用済」、提供先アドレス「0xC56410a3b...」、URL「(https://foo.bar/tokens/D...)」、二次元コード(ID「1」のURLと同じ内容をコード化した2次元コードの画像)を含む。これにより、管理装置1は、ID「1」で識別される景品用NFTが対応URL「https://foo.bar/tokens/D...」と1対1対応し、提供先アドレス「0xC56410a3b...」で識別される移転先ウォレットへ移転されているとの情報に基づいて、当該二次元コードに含まれる当該対応URLを用いた通信を行う外部装置からの指令があった場合に、当該景品用NFTの重ねての移転を防ぐことができる。
【0035】
また、図2のID「4」で識別される景品用NFTに係る互いに関連付けられた情報は、ID「4」、利用状況「未使用」、提供先アドレス「-」、URL「https://foo.bar/tokens/fe...」、二次元コード(ID「4」のURLと同じ内容をコード化した2次元コードの画像)を含む。これにより、管理装置1は、二次元コードを提供できる。また、管理装置1は、対応URL「https://foo.bar/tokens/fe...」を介した通信が外部装置から行われたときに、当該対応URLと1対1対応する景品用NFT(ID「4」で識別される景品用NFT)を移転先ウォレットに移転し、利用状況、提供先アドレス等をID「1」で識別される景品用NFTに係る互いに関連付けられた情報と同様に変更できる。
【0036】
(地域情報)
地域情報は、対応URL、自販機識別情報、及び/又はエリアに関連付けられて記憶部12に格納される。これにより、管理装置1は、例えば、カプセル自動販売機が設置された地域に応じたマーケティング、当該地域の活性化プロジェクト等を支援できる。地域情報は、対応URL、自販機識別情報、及び/又はエリアに関する地域の情報であれば、特に限定されない。
【0037】
地域情報は、例えば、対応URLに1対1対応する景品用NFTを介して提供される商品及び/又は役務に関する地域において提供される商品・役務等の広告、当該地域の観光情報、当該地域で行われているイベントの情報、当該地域において提供される商品・役務等のデジタル割引券等を含む。地域情報の態様は、特に限定されない。当該態様は、例えば、テキスト、画像、音声、映像の1以上を含む任意の態様でよい。
【0038】
地域情報は、上述の地域及び景品用NFTを取得した者の景品用NFTの取得履歴を含むプロンプトを入力とする大規模言語モデルを用いた処理によって生成されたAI応答を含んでもよい。これにより、管理装置1は、地域及び上述の取得履歴を踏まえたマーケティング、現地の観光ガイドによる案内を模した地域情報の提供等を実現できる。また、当該プロンプトは、景品用NFTを取得した者の個人情報をさらに含んでもよい。これにより、管理装置1は、個人情報、地域及び上述の取得履歴を踏まえたマーケティング、現地の観光ガイドによる個人情報を踏まえた案内を模した地域情報の提供等を実現できる。
【0039】
また、地域情報は、例えば、自販機識別情報によって識別されるカプセル自動販売機が設置された地域において提供される商品・役務等の広告、当該地域の観光情報、当該地域で行われているイベントの情報、当該地域において提供される商品・役務等のデジタル割引券等を含む。
【0040】
加えて、地域情報は、例えば、エリアに関連する地域において提供される商品・役務等の広告、当該地域の観光情報、当該地域で行われているイベントの情報、当該地域において提供される商品・役務等のデジタル割引券等を含む。
【0041】
[通信部13]
通信部13は、管理装置1をネットワークNに接続してブロックチェーンB及び端末T等と通信可能にするものであれば特に限定されない。通信部13として、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、無線LANに接続可能なデバイス、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0042】
〔ブロックチェーンB〕
ブロックチェーンBは、暗号技術によって互いに関連付けられ、追加され続ける一群のレコードとしてデータを記録可能とすることにより、そのように記録されたデータの分散型システム上における検証を容易とするプラットフォームである。本実施形態のブロックチェーンBは、上述の検証及び景品用NFT(後述)の移転のため、公開されている。ブロックチェーンBは、管理装置1及び端末Tにおいて利用されているブロックチェーンサービスそれぞれとの相互運用に対応していれば、特に限定されない。ブロックチェーンBは、例えば、イーサリアム(登録商標)から派生したオプティミズム(登録商標)でよい。ブロックチェーンBがオプティミズムであることにより、景品用NFTを無料配布できる。ブロックチェーンB上には、景品用NFT等のデータが上述の検証が行える態様で記録される。
【0043】
これにより、ブロックチェーンBは、ブロックチェーンB上に記録された景品用NFT等のデータを偽造する試みが容易に検出され、データの偽造が防がれるようにできる。よって、本実施形態のシステムSは、ブロックチェーンB上に景品用NFTを記録することにより、景品用NFTに係る偽の情報を伝達しようとする試みに対して高い耐性、すなわち、高いビザンチンフォールトトレランス性を有することが可能となる。
【0044】
ブロックチェーンBは、NFTの発行においてガス代と呼ばれる経済的コストが発生する。ブロックチェーンBは、NFTの移転時に、発行にかかるガス代より少額のガス代が発生するものでもよく、移転時にガス代が発生しないようにできるものでもよい。移転時における経済的コストの発生を防ぐために、ブロックチェーンBは、NFTの移転時にガス代が発生しないようにできるものであることが好ましい。移転時にガス代を要しないNFTは、例えば、NFTの発行時に将来の移転に係るガス代をまとめて発生させる手順によって実現される。
【0045】
[非代替性トークン(NFT)]
ここで、非代替性トークン(「Non-fungible Token」、「NFT」)は、ブロックチェーンB上に記録された代替性のないデータを示す。したがって、NFTは、唯一無二の景品用デジタルデータを実現するために利用し得る。NFTは、保有者アドレス及び上述の検証に係るレコードの他、関連付けられたデジタルデータ(メタデータ)の利用を可能とする情報(TokenURI、メタデータそのもの等)を有する。
【0046】
これにより、管理装置1は、例えば、デジタルコンテンツ(例えば、音楽、飲食店の裏メニュー、飲食店の会員証等)、現実世界の商品・役務等の提供(例えば、賞金、ウェブデザインの添削を受ける権利、コンサルティングを受ける権利等)を受ける権利、特定のサイトにアクセスする権利等に係るデジタルデータがメタデータとして関連付けられた景品用NFTを発行できる。なかでも、特定のサイトにアクセスする権利に係るデジタルデータがメタデータとして関連付けられた景品用NFTを発行することにより、管理装置1は、本実施形態の景品用NFTを取得した者のみがアクセスできる限定サイトの実現に寄与できる。
【0047】
NFTは、デジタルデータに係る情報を含んで発行される。「デジタルデータに係る情報」は、デジタルデータそのものでもよく、デジタルデータの所在を示す情報(URL等)でもよい。デジタルデータに係る情報がデジタルデータそのものであれば(フルオンチェーンNFT)、端末T等は、デジタルデータ本体を提供するサービス等の状態に影響されずデジタルデータ本体を取得できる。デジタルデータに係る情報がデジタルデータの所在を示す情報であれば、ブロックチェーンB上で実現可能な景品用NFTのデータサイズより大きなデータサイズのデジタルデータを景品用NFTに関連付けることができる。
【0048】
本実施形態のNFTを介して提供されるデジタルデータの種類は、特に限定されず、あらゆる種類のデジタルデータが提供され得る。当該デジタルデータは、例えば、動画又は静止画若しくは着信メロディ、3Dデータ、PDF(Portable Document Format)形式の文書等を含む。
【0049】
[ウォレット]
ブロックチェーンBに係る「ウォレット」は、当該ウォレットの操作に係る暗号鍵を用いて、ブロックチェーン上に保管されたNFTの発行、保管、移転等の操作を行うことができるサービスである。
【0050】
本実施形態の発行用ウォレットは、発行用暗号鍵によって操作される。また、発行用ウォレットは、発行部111からの操作によって、景品用NFTを発行するよう構成される。さらに、発行用ウォレットは、保管部112からの操作によって、発行された景品用NFTを保管用ウォレットに移転するよう構成される。発行用ウォレットは、景品用NFTの発行及び移転の場合を除いてネットワークに接続されないよう構成されることが好ましい。これにより、発行用ウォレットが不正アクセスを受けて多大な経済的損失を被ることが防がれる。
【0051】
また、本実施形態の保管用ウォレットは、保管用暗号鍵によって操作される。また、保管用ウォレットは、景品用NFTを保管及び移転するよう構成される。さらに、保管用ウォレットは、移転部115からの操作によって、他のウォレットに景品用NFTを移転するよう構成される。すなわち、発行部111は、まず、発行用のウォレットでNFTをストックする。景品用NFTの移転にガス代を要する場合、保管用ウォレットは、景品用NFTの移転に必要なガス代を支払うよう構成されることが好ましい。すなわち、保管用ウォレットは、景品用NFTを受け取る消費者が支払うべきガス代を立て替えて支払うよう構成されることが好ましい。これにより、管理装置1は、移転に係るガス代を消費者に意識させることなく景品用NFTを移転できる。景品用NFTの移転にガス代を要しない場合、不正アクセスによる経済的損失を低減すべく、保管用ウォレットは、ガス代を支払えないように構成されることが好ましい。
【0052】
[スマートコントラクト]
ブロックチェーンB上には、発行部111からの指令に応じて景品用NFTを発行するよう構成された発行用スマートコントラクトが格納される。発行用スマートコントラクトは、発行用ウォレットに係る発行用暗号鍵を用いた指令に応じて景品用NFTを発行し、保管用ウォレットに関わりURLが発行される。これにより、システムSは、保管用ウォレットから大量のNFTが不正に発行される等して多大な経済的損失を被ることを防ぐ。
【0053】
特に、管理装置1が発行用装置と保管用装置と含んで構成され、発行用装置が必要最低限の場合にのみネットワークNに接続される構成(発行装置独立構成)と上述の構成の発行用スマートコントラクトとの併用は、不正アクセスが懸念される保管用装置からの発行用スマートコントラクトの不正利用防止と発行用スマートコントラクトから景品用NFTを発行することとを両立する。よって、景品用NFTを発行するとの管理装置1の機能を損なうことなく、多大な経済的損失を被ることがよりいっそう防がれる。
【0054】
また、ブロックチェーンB上には、格納用スマートコントラクトが既に保管用ウォレットへ格納されている。格納用スマートコントラクトは、発行用スマートコントラクトと一体に構成されていてもよく、別体に構成されていてもよい。格納用スマートコントラクトは、指令元について、発行用スマートコントラクトと同様であることが好ましい。これにより、システムSは、発行用ウォレットから景品用NFTが不正に移転されることを防ぐ。
【0055】
特に、発行装置独立構成と上述の構成の格納用スマートコントラクトとの併用は、不正アクセスが懸念される保管用装置からの発行用スマートコントラクトの不正利用防止と発行用ウォレットから景品用NFTを移転することとを両立する。よって、発行された景品用NFTを保管用ウォレットへ移転するとの管理装置1の機能を損なうことなく、多大な経済的損失を被ることがよりいっそう防がれる。
【0056】
加えて、ブロックチェーンB上には、移転部115からの指令に応じて景品用NFTを保管用ウォレットから移転先へ移転するよう構成された移転用スマートコントラクトが格納される。移転用スマートコントラクトは、保管用ウォレットに係る保管用暗号鍵を用いた指令に応じて景品用NFTを移転するように構成されることが好ましい。これにより、システムSは、発行用暗号鍵がネットワークNに接続されていない場所に格納されている場合であっても、保管用ウォレットから景品用NFTを移転できる。
【0057】
〔対応URL〕
対応URLは、景品用NFTと1対1対応するURL(Uniform Resource Locator)である。対応URLは、管理装置1を示す第1部分と、管理装置1において管理されている景品用NFTを識別する第2部分とを有する。これにより、端末Tは、ネットワークNを介して、第1部分によって示される管理装置1との通信を行える。そして、管理装置1は、端末Tから第2部分を含む対応URLを受信し、当該第2部分によって対応URLに1対1対応する景品用NFTを特定できる。
【0058】
[抽選用二次元コード]
抽選用二次元コードは、生成部113によって生成された、対応URLを情報として含む二次元コードである。抽選用二次元コードの種類は、特に限定されず、例えば、広く利用され、各種の端末から読み取り可能であるとの長所を有するQRコード(登録商標)等で良い。抽選用二次元コードは、抽選の景品、パンフレット・広告等の配布物に付される特典情報、チケット・商品等に付される特典情報等の各種態様で利用される。
【0059】
なかでも、抽選用二次元コードは、カプセル自動販売機(後述)に収納され、抽選によって提供されるカプセルトイの態様で利用可能であることが好ましい。これにより、管理装置1は、カプセル自動販売機を介した抽選で景品用NFTを引き当てる楽しみを提供できる。カプセルトイの態様の抽選用二次元コードは、例えば、カプセルトイに封入可能な紙・カード等に印刷された態様、カプセルトイに封入可能な玩具に印刷された態様、カプセルトイに封入可能な物品に一部が印刷され、当該物品と別に提供される二次元コードの一部と組み合わせることで抽選用二次元コードとなる態様等を含む。
【0060】
カプセルトイに封入可能な紙・カード等に印刷された態様の抽選用二次元コードは、既存のカプセルに封入するだけでカプセル自動販売機を介して提供可能となる利便性がある。カプセルトイに封入可能な玩具に印刷された態様の抽選用二次元コードは、抽選用二次元コードを介して提供される景品用NFTだけでなく、当該玩具を引き当てる楽しみをも提供できる。カプセルトイに封入可能な物品に一部が印刷され、当該物品と別に提供される二次元コードの一部と組み合わせることで抽選用二次元コードとなる態様の抽選用二次元コードは、抽選用二次元コードを完成させる楽しみを提供するとともに、抽選用二次元コードの不正な利用を防ぐ。
【0061】
抽選用二次元コードは、スマートフォン・タブレット端末・パーソナルコンピュータ等の各種端末上に表示可能な画像の態様で利用可能であることが好ましい。これにより、管理装置1又は他のサーバ等は、疑似乱数を用いた電子的な抽選等によって画像の態様の二次元コードを提供できる。これにより、管理装置1は、電子的な抽選(仮想ガチャ)を介して景品用NFTを引き当てる楽しみを提供できる。
【0062】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、管理装置1と端末T等とを互いに通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0063】
〔端末T〕
端末Tは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。端末Tは、管理装置1から提供された情報を表示する処理、ユーザインタフェースを介した利用者の入力を管理装置1に提供する処理等を実行可能である。端末Tの利用者は、例えば、抽選によって選ばれたURLを取得した者、広告等に付されたURLを取得した者等である。
【0064】
〔カプセル自動販売機〕
カプセル自動販売機は、カプセルトイの態様の抽選用二次元コード、カプセルトイに封入可能な物品に一部が印刷され、当該物品と別に提供される二次元コードの一部と組み合わせることで抽選用二次元コードとなる態様の抽選用二次元コード等を抽選して提供可能であれば、特に限定されない。カプセル自動販売機を介した抽選用二次元コードの提供は、例えば、カプセル内にフィギュア等の玩具と抽選用二次元コードとを封入する態様、カプセル内に抽選用二次元コードが印刷された紙のみを封入する態様、カプセル内に抽選用二次元コードが付されたフィギュア等の玩具を封入する態様等によって提供される。カプセル自動販売機として、例えば、500円硬貨等のコインを投入し、ダイヤルを回転させることで抽選されたカプセルが当該カプセルに封入されたカプセルトイと共に排出される自動販売機、カプセルの内容が外部から視認困難な態様でカプセルを収容し、収容されたカプセルを開口部から手で取り出せるよう構成された箱(例えば、おみくじ箱のような箱。)等が挙げられる。なお、カプセル自動販売機におけるカプセルの提供は、有償無償を問わない。カプセル自動販売機は、硬貨等の現金に対する対価としてカプセルを提供してもよく、メダル・トークン・チケット等のカプセルとの引換に利用できる物品が投入等された場合にカプセルを提供してもよく、まったくの無償でカプセルを提供してもよい。
【0065】
〔管理処理のメインフローチャート〕
図3は、本実施形態の管理装置1で実行される管理処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図4は、図3から続く図である。図5は、図4から続く図である。図6は、図5から続く図である。以下、本実施形態の管理装置1で実行される管理処理の好ましい流れの一例が、図3から図6を用いて説明される。
【0066】
まず、管理装置1は、景品用NFTを発行するステップ(発行ステップ、ステップS1からステップS2)及び発行された景品用NFTを保管用ウォレットへ移転するステップ(保管ステップ、ステップS3)を実行する。
【0067】
[ステップS1:景品用NFTを発行するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して発行部111を実行する。そして、制御部11は、発行部111により、景品用NFTを発行するか判別する処理を実行する(ステップS1、発行判別ステップ)。発行すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS2へ移す。発行すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS5へ移す。発行判別ステップは、例えば、管理装置1の管理者等から景品用NFTの発行指令を受けた場合に景品用NFTを発行すると判別する手順を含む。
【0068】
[ステップS2:景品用NFTを発行]
制御部11は、発行部111により、ウォレットの項において述べた発行用ウォレットにステップS1で発行すると判別された景品用NFTを発行させる処理を実行する(ステップS2、発行実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS3へ移す。
【0069】
発行実行ステップは、スマートコントラクトの項において述べられた発行用スマートコントラクトに通信部13及びネットワークNを介してアクセスし、発行用秘密鍵を用いて発行用スマートコントラクトに景品用NFTを発行させる手順を含む。発行された景品用NFTは、発行用ウォレットに保管される。
【0070】
発行実行ステップは、デジタルデータに係る情報を関連付けて景品用NFTを発行させる。「デジタルデータに係る情報」は、デジタルデータそのものでもよく、デジタルデータの所在を示す情報(URL等)でもよい。デジタルデータに係る情報がデジタルデータそのものであれば、端末T等は、デジタルデータ本体を提供するサービス等の状態に影響されずデジタルデータ本体を取得できる。デジタルデータに係る情報がデジタルデータの所在を示す情報あれば、景品用NFTのデータ量をデジタルデータより小さくできる。
【0071】
発行実行ステップは、上述の発行指令等において指定された数の景品用NFTを発行する手順を含むことが好ましい。これにより、管理装置1は、例えば、1000個等の多数の景品用NFTを一度に発行できる。
【0072】
[ステップS3:保管用ウォレットへ移転]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して保管部112を実行する。そして、制御部11は、保管部112により、ステップS2で発行された景品用NFTを発行用ウォレットから保管用ウォレットへ移転させる処理を実行する(ステップS3、保管ステップ)。制御部11は、処理をステップS4へ移す。保管ステップは、スマートコントラクトの項において述べられた保管用スマートコントラクトに通信部13及びネットワークNを介してアクセスし、発行用秘密鍵を用いて保管用スマートコントラクトに景品用NFTを移転させる手順を含む。
【0073】
続いて、管理装置1は、保管用ウォレットへ移転された景品用NFTと1対1対応する対応URL等を生成するステップ(生成ステップ、ステップS3からステップS6)を実行する。
【0074】
[ステップS4:対応URLを生成]
制御部11は、記憶部12と協働して生成部113を実行する。そして、制御部11は、生成部113により、ステップS3で保管用ウォレットへ移転された景品用NFTと1対1対応する対応URLを生成する処理を実行する(ステップS4、対応URL生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS5へ移す。対応URL生成ステップは、生成された対応URLを対応テーブル121に格納する手順を含む。
【0075】
景品用NFTと1対1対応する対応URLを生成する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、管理装置1を示す第1部分と、景品用NFTのトークンIDを含むデータを各種のハッシュ関数で変換して得られた第2部分とを含むURLを生成する手順等を含む。これにより、対応URLから景品用NFTのトークンIDを特定されることが防がれる。
【0076】
生成ステップは、対応URLを情報として含む抽選用二次元コードを生成する一連の処理(ステップS5からステップS6)を含むことが好ましい。これにより、管理装置1は、抽選の景品、パンフレット・広告等の配布物に付される特典情報、チケット・商品等に付される特典情報等の各種態様で利用可能な抽選用二次元コードを提供できる。
【0077】
[ステップS5:抽選用二次元コードを生成するか判別]
制御部11は、生成部113により、ステップS4で生成された対応URLを情報として含む抽選用二次元コードを生成するか判別する処理を実行する(ステップS5、二次元コード生成判別ステップ)。生成すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS6へ移す。生成すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS7へ移す。二次元コード生成判別ステップは、例えば、管理装置1の管理者等から抽選用二次元コードの生成指令を受けた場合に抽選用二次元コードを生成すると判別する手順等を含む。
【0078】
[ステップS6:抽選用二次元コードを生成]
制御部11は、生成部113により、ステップS5で生成すると判別された抽選用二次元コードを生成する処理を実行する(ステップS6、二次元コード生成実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS7へ移す。二次元コード生成実行ステップは、ステップS3で生成された対応URLがスマートフォン、タブレット端末、Webカメラ、二次元コード読取装置等によって例示される二次元コードを読み取り可能な装置から読み取られるように構成された各種二次元コードを生成する手順を含む。二次元コード生成実行ステップで生成される抽選用二次元コードは、抽選用二次元コードの節で述べた通りである。
【0079】
そして、管理装置1は、対応URLを用いた通信を行う外部装置(端末T等)からウォレットの識別情報等を受信するステップ(受信ステップ、ステップS7からステップS17)を実行する。
【0080】
[ステップS7:対応URLを用いた通信を要求されたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して受信部114を実行する。そして、制御部11は、受信部114により、ステップS4で生成された対応URLを用いた通信を外部装置(端末T等)から要求されたか判別する処理を実行する(ステップS7、通信要求判別ステップ)。要求されたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS8へ移す。要求されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1へ移し、ステップS1からステップ20の処理を繰り返す。通信要求判別ステップは、例えば、管理装置1がHTTP(Hypertext Transfer Protocol)を介した対応URLを伴う通信要求を外部装置から受信した場合に対応URLを用いた通信を要求されたと判別する手順等を含む。
【0081】
景品用NFTがカプセル自動販売機を介した抽選で提供される場合、受信ステップは、外部装置から提供された自販機識別情報を用いて景品用NFTを移転するか否かを判別する一連の処理(ステップS8からステップS11)を含むことが好ましい。これにより、管理装置1は、対応URLの不正利用が疑われる、当該景品用NFTと関連付けられたカプセル自動販売機と異なる場所から対応URLを用いた通信が行われた場合に、景品用NFTを移転しないようにできる。これにより、管理装置1は、対応URLの不正利用を防ぐ。
【0082】
[ステップS8:自販機識別情報を要求するか判別]
制御部11は、受信部114により、ステップS7において通信を要求した外部装置に自販機識別情報の提供を要求するか判別する処理を実行する(ステップS8、自販機識別情報要求判別ステップ)。要求すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS9へ移す。要求すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS12へ移す。自販機識別情報要求判別ステップは、例えば、対応テーブル121においてステップS7に係る対応URLと自販機識別情報とが対応付けられている場合に、自販機識別情報の提供を要求すると判別する手順等を含む。
【0083】
[ステップS9:自販機識別情報を要求]
制御部11は、受信部114により、ステップS8において提供を要求すると判別された自販機識別情報の提供をステップS7において通信を要求した外部装置に要求する処理を実行する(ステップS9、自販機識別情報要求実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS10へ移す。
【0084】
[ステップS10:自販機識別情報を受信]
制御部11は、受信部114により、ステップS9において提供を要求した自販機識別情報をステップS7において通信を要求した外部装置から受信する処理を実行する(ステップS10、自販機識別情報受信実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS11へ移す。自販機識別情報は、特に限定されない。自販機識別情報は、例えば、カプセル自動販売機から標識・画面等を介して提供される二次元コードから読み取られた情報等でよい。
【0085】
[ステップS11:自販機と対応URLとが関連付けられているか判別]
制御部11は、受信部114により、ステップS10において受信した自販機識別情報によって識別されるカプセル自動販売機(所定カプセル自動販売機)とステップS7に係る対応URLとが対応テーブル121において関連付けられているか判別する処理を実行する(ステップS11、自販機識別ステップ)。関連付けられていると判別したならば、制御部11は、処理をステップS12へ移す。関連付けられていると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1へ移し、ステップS1からステップS20の処理を繰り返す。
【0086】
景品用NFTがカプセル自動販売機を介した抽選で提供される場合、景品用NFTがイベント会場・特定地域等の所与のエリアで提供される場合、景品用NFTが所定地域に関するものである場合等の景品用NFTとエリアとが関連付けられている場合、受信ステップは、外部装置から提供された位置情報を用いて景品用NFTを移転するか否かを判別する一連の処理(ステップS12からステップS15)を含むことが好ましい。これにより、管理装置1は、対応URLの不正利用が疑われる、当該景品用NFTと関連付けられたエリアに含まれない位置から対応URLを用いた通信が行われた場合に、景品用NFTを移転しないようにできる。これにより、管理装置1は、対応URLの不正利用を防ぐ。また、これにより、管理装置1は、景品用NFTを所定地域と関連付け、景品用NFTと対応する対応URLを得た者に所定地域へ行く動機を与えることができる。
【0087】
[ステップS12:位置情報を要求するか判別]
制御部11は、受信部114により、ステップS7において通信を要求した外部装置に位置情報の提供を要求するか判別する処理を実行する(ステップS12、位置情報要求判別ステップ)。要求すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS13へ移す。要求すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS16へ移す。位置情報要求判別ステップは、例えば、対応テーブル121においてステップS7に係る対応URLとエリアとが対応付けられている場合に、位置情報の提供を要求すると判別する手順等を含む。
【0088】
[ステップS13:位置情報を要求]
制御部11は、受信部114により、ステップS12において提供を要求すると判別された位置情報の提供をステップS7において通信を要求した外部装置に要求する処理を実行する(ステップS13、位置情報要求実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS14へ移す。
【0089】
[ステップS14:位置情報を受信]
制御部11は、受信部114により、ステップS13において提供を要求した自販機識別情報をステップS7において通信を要求した外部装置から受信する処理を実行する(ステップS14、位置情報受信実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS15へ移す。位置情報は、特に限定されず、例えば、外部装置において取得されたGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)信号、外部装置において取得された無線LANネットワーク・携帯電話基地局等に基づく位置情報等でよい。
【0090】
[ステップS15:対応URLと関連付けられたエリアに含まれる位置であるか判別]
制御部11は、受信部114により、ステップS14において受信した位置情報が対応テーブル121において対応URLと関連付けられたエリアに含まれる位置であるか判別する処理を実行する(ステップS15、エリア判別ステップ)。含まれると判別したならば、制御部11は、処理をステップS16へ移す。含まれると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1へ移し、ステップS1からステップS20の処理を繰り返す。
【0091】
[日付確認ステップ]
対応URLが取得可能期間と関連付けられている場合、制御部11は、現在が取得可能期間に含まれるか否かを判別し、取得可能期間に含まれると判別した場合に処理をステップS16へ移し、取得可能期間に含まれると判別しなかった場合に処理をステップS1へ移し、ステップS1からステップS20の処理を繰り返す処理を実行することが好ましい。これにより、管理装置1は、取得可能期間にのみ、景品用NFTを移転できる。景品用NFTの移転タイミングを取得可能期間に限定することにより、管理装置1は、景品用NFTの不正な取得を防ぐ、一定期間内にのみ取得可能との付加価値を景品用NFTに付与する等できる。
【0092】
[取得数確認ステップ]
対応URLが取得数閾値と関連付けられている場合、制御部11は、ステップS7において通信を要求した外部装置における景品用NFTの取得数と取得数閾値とが所定の関係を満たすか判別し、満たすと判別した場合に処理をステップS16へ移し、満たすと判別しなかった場合に処理をステップS1へ移し、ステップS1からステップS20の処理を繰り返す処理(取得数確認ステップ)を実行することが好ましい。これにより、管理装置1は、例えば、過去に取得数閾値以上の所定景品用NFTを取得した者(例えば、同じカプセル自動販売機から所定数以上の景品用NFTを取得した者)が景品用NFTを取得できないようにできる。よって、管理装置1は、特定のカプセル自動販売機から大量の景品用NFTが取得されるという、不正な利用が懸念される利用を予防できる。また、管理装置1は、例えば、過去に取得数閾値以上の所定景品用NFTを取得した者(例えば、所定景品用NFTとしてラーメンNFTを100杯以上受け取った者等)のみが特定の景品用NFTを取得できるようにできる。よって、管理装置1は、所定景品用NFTに特定景品用NFTの配布条件となるという付加価値を付与する等できる。
【0093】
[取得条件確認ステップ]
対応URLが取得数閾値と関連付けられている場合、制御部11は、ステップS7において通信を要求した外部装置が指定の景品用NFTを保有しているか判別し、保有していると判別した場合に処理をステップS16へ移し、保有していると判別しなかった場合に処理をステップS1へ移し、ステップS1からステップS20の処理を繰り返す処理(取得条件確認ステップ)を実行することが好ましい。これにより、管理装置1は、例えば、指定の景品用NFTを保有している消費者のみに特別な景品用NFTを提供することができる。
【0094】
管理装置1は、保管用ウォレットから移転先ウォレットへ景品用NFTを移転する一連の処理(ステップS16からステップS18)を実行する。これにより、管理装置1は、景品用NFTを当該景品用NFTに係る対応URLを介した手順によって提供できる。
【0095】
[ステップS16:ウォレットの識別情報を要求]
制御部11は、受信部114により、ステップS7において通信を要求した外部装置に移転先ウォレットの識別情報を要求する処理を実行する(ステップS16、ウォレット識別情報要求実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS17へ移す。
【0096】
[ステップS17:識別情報を受信]
制御部11は、受信部114により、ステップS16において要求された識別情報をステップS7において通信を要求した外部装置から受信する処理を実行する(ステップS17、ウォレット識別情報受信実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS18へ移す。
【0097】
[ステップS18:移転先ウォレットへ移転]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して移転部115を実行する。そして、制御部11は、移転部115により、ステップS7に係る対応URLと対応する景品用NFTを保管用ウォレットから、ステップS17で受信した識別情報により識別される移転先ウォレットへ移転させる処理を実行する(ステップS18、移転ステップ)。制御部11は、処理をステップS19へ移す。移転ステップは、スマートコントラクトの項において述べられた移転用スマートコントラクトに通信部13及びネットワークNを介してアクセスし、保管用秘密鍵を用いて移転用スマートコントラクトに景品用NFTを移転させる手順を含む。
【0098】
(景品用NFTの再移転について)
本実施形態の景品用NFTは、移転先ウォレットに移転された後の景品用NFT(移転済NFT)をさらに別のウォレットへと移転する再移転を以下の4パターンのいずれかに制限可能である。第1のパターンは、移転済NFTに取引対象としての価値を与えるべく、移転済NFTを転売可能とする制限である。第2のパターンは、移転済NFTに売買対象としての価値を与えるべく、移転済NFTを売買可能とする制限である。第3のパターンは、カプセル自動販売機のみから取得できるとの希少価値を一定期間付与すべく、移転済NFTの転売/売買を一定期間行えないようにする制限である。第4のパターンは、カプセル自動販売機のみから取得できるとの希少価値を恒久的に付与すべく、移転済NFTの転売/売買を恒久的に行えないようにする制限である。
【0099】
管理装置1は、対応URLを用いた通信を行う外部装置に地域情報を提供するステップ(提供ステップ、ステップS19からステップS20)を実行することが好ましい。これにより、管理装置1は、例えば、カプセル自動販売機が設置された地域に応じたマーケティング等を支援できる。
【0100】
[ステップS19:地域情報を提供するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して提供部116を実行する。そして、制御部11は、提供部116により、後述の地域情報を提供するか判別する処理を実行する(ステップS19、地域情報提供判別ステップ)。提供すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS20へ移す。提供すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1へ移し、ステップS1からステップS20の処理を繰り返す。地域情報提供判別ステップは、例えば、対応URL、自販機識別情報、及び/又はエリアに関連付けられた地域情報が記憶部12に格納されている場合に、地域情報を提供するか判別する手順を含む。
【0101】
[ステップS20:地域情報を提供]
制御部11は、提供部116により、ステップS10において受信した自販機識別情報に係る自販機の位置又はステップS14において受信した位置情報に関する地域の地域情報をステップS7において通信を要求した外部装置(所定端末)に提供する処理を実行する(ステップS20、地域情報提供実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS1へ移し、ステップS1からステップS20の処理を繰り返す。地域情報提供実行ステップにおいて提供される地域情報は、地域情報の項において述べたものと同様である。
【0102】
地域情報提供実行ステップは、複数の地域情報から、所定端末から取得した個人情報に基づいて選択された所定地域情報を提供する手順を含んでもよい。これにより、管理装置1は、個人情報を踏まえたより効果的なマーケティングを行える。このとき、管理装置1は、当該個人情報を取得された景品用NFTと関連付けて記憶部12に格納し、マーケティングに係る業務を行う外部の装置に提供してもよい。これにより、管理装置1は、景品用NFTの取得に係る情報にマーケティング用ビッグデータとしての価値を付与できる。
【0103】
地域情報提供実行ステップは、上述の地域及び景品用NFTを取得した者の景品用NFTの取得履歴、並びに、地域及び取得履歴を踏まえた地域案内の生成を指示する命令を含むプロンプトを入力とする大規模言語モデル(例えば、OpenAI(登録商標)のGPT-4、Meta(登録商標)のLLaMa等)を用いた処理によって生成された地域情報(AI応答)を提供する手順を含んでもよい。これにより、管理装置1は、地域及び上述の取得履歴を踏まえたマーケティング、現地の観光ガイドによる案内を模した地域情報の提供等を実現できる。
【0104】
また、当該プロンプトは、景品用NFTを取得した者の個人情報をさらに含んでもよい。これにより、管理装置1は、個人情報、地域及び上述の取得履歴を踏まえたマーケティング、現地の観光ガイドによる個人情報を踏まえた案内を模した地域情報の提供等を実現できる。より親しみやすいAI応答を生成させるべく、上述のプロンプトは、所与の口調/役割を演じるよう指示する命令を含むことが好ましい。景品用NFTの提供者のマーケティングに寄与すべく、上述のプロンプトは、当該提供者に係る情報(広告等)を生成するよう指示する命令を含むことが好ましい。
【0105】
[データ提供ステップ]
管理処理は、景品用NFTに係る各種データを提供するデータ提供ステップを含むことが好ましい。データ提供ステップは、例えば、多数の景品用NFTをZIP形式等の書庫ファイルにまとめて格納し、当該書庫ファイルを提供する手順、景品用NFTに係る対応URLをCSV形式等の所定のフォーマットで書きだし、書きだされたファイルを提供する手順、多数の抽選用二次元コードが含まれるファイル(例えば、PDF形式のファイル)を書きだし、当該ファイルを提供する手順等を含む。これにより、管理装置1は、カプセル自動販売機を介して景品用NFTを提供する事業者に、景品用NFTに係る各種データを当該事業者が扱いやすい態様で提供できる。
【0106】
[景品用NFT提供ステップ]
管理処理は、カプセル自動販売機を介さない各種態様で景品用NFTを提供する景品用NFT提供ステップを含むことが好ましい。カプセル自動販売機を介さない各種態様は、例えば、ECサイトで特定の商品を購入した消費者にNFTを受け取るためのURLを電子メール又は画面に表示させるための画像データ等を介して送付する態様、指定されたSNSの利用者にURLを配布する態様等を含む。景品用NFT提供ステップがECサイトで特定の商品を購入した消費者にNFTを受け取るためのURLを送付する態様を含むことにより、管理装置1は、当該特定の商品に景品用NFTを受け取れるという付加価値を与えることができる。景品用NFT提供ステップが指定されたSNSの利用者にURLを配布する態様を含むことにより、管理装置1は、景品用NFTにSNSを介して提供できるという付加価値を与えることができる。
【0107】
[管理処理の効果]
本実施形態の管理処理により所有者へと移転される抽選用NFTは、商品及び/又は役務の提供を求める権利と関連付けられた貴重なデジタルデータであるとともに、ブロックチェーン技術によって複製・偽造を防止されたNFTでもある。よって、本実施形態の管理装置1は、商品及び/又は役務の提供を求める権利と関連付けられたデジタルデータの貴重性を損なうことなく、当該デジタルデータを抽選用NFTとして提供できる。これにより、本実施形態の管理装置1は、カプセル自動販売機等の抽選手段を利用する消費者に、商品及び/又は役務の提供を求める権利と関連付けられた貴重なデジタルデータを獲得するとの楽しみを提供できる。
【0108】
<使用例>
以下は、本実施形態の管理装置1の使用例である。
【0109】
〔NFTの発行〕
管理装置1の管理者は、景品用NFTに関連付けるデジタルデータとして、食事券、宿泊券、割引券、限定イベントの整理券、デジタル映像、デジタル音楽、デジタル絵画等の各種データを用意する。そして、管理者は、用意した各種デジタルデータと関連付けられた景品用NFTの発行を管理装置1に指令する。管理装置1は、管理装置1のうち発光装置をネットワークNに接続し、各種デジタルデータのそれぞれと関連付けられた唯一無二の景品用NFTを発行装置の発行用ウォレットから多数発行し、発行された景品用NFTを発行用ウォレットから保管用ウォレットへ移転させる。
【0110】
〔カプセル自動販売機を介した景品用NFTの提供〕
以下は、カプセル自動販売機を介して景品用NFTを提供する場合の使用例である。
【0111】
[カプセル自動販売機用の抽選用二次元コード生成]
管理装置1の管理者は、カプセル自動販売機用の抽選用二次元コード生成を管理装置1に指令する。管理装置1は、カプセル自動販売機用の抽選用二次元コードを紙・カード等に印刷可能なデータを生成する。
【0112】
[カプセル自動販売機への収納]
生成されたデータを用いて、カプセル自動販売機用の抽選用二次元コードが印刷される。印刷された抽選用二次元コードは、カプセルトイとしてカプセル自動販売機用のカプセルに封入される。抽選用二次元コードをカプセルに封入する態様は、例えば、カプセル内にフィギュア等の玩具と抽選用二次元コードとを封入する態様、カプセル内に抽選用二次元コードが印刷された紙のみを封入する態様、カプセル内に抽選用二次元コードが付されたフィギュア等の玩具を封入する態様等である。そして、抽選用二次元コードが封入されたカプセルトイは、観光地、イベント会場等に設置されたカプセル自動販売機に収納される。
【0113】
[抽選によるNFTの取得]
消費者は、上述のカプセル自動販売機にコインを投入し、当該カプセル自動販売機に収納された複数種類のカプセルトイ(複数種類の抽選用二次元コードが封入されたカプセルトイ)から抽選により選ばれた1のカプセル(当選カプセル)を購入する。そして、消費者は、当該カプセルに封入された抽選用二次元コード(当選二次元コード)を取得する。消費者は、スマートフォン等の端末Tに設けられたカメラで抽選用二次元コードを撮影し、抽選用二次元コードに含まれる対応URLを介して管理装置1との通信を開始する。そして、消費者は、自らのウォレットの識別情報を管理装置1に提供する。管理装置1は、当該識別情報を受信し、保管用ウォレットにおいて保管されている景品用NFTであって、上述の対応URLに対応する景品用NFTを消費者のウォレット(移転先ウォレット)へ移転する。
【0114】
(自販機識別情報による検証)
対応テーブル121において対応URLが自販機識別情報と対応付けられている場合、管理装置1は、上述の識別情報が提供される前又は後、若しくは提供と同時に、上述のカプセル自動販売機に関する自販機識別情報の提供を消費者の端末Tに要求する。消費者は、カプセル自動販売機に付された自販機識別情報を含む二次元コードを端末Tで撮影する等して、自販機識別情報を管理装置1に提供する。管理装置1は、自販機識別情報を受信し、自販機識別情報によって識別されるカプセル自動販売機(所定カプセル自動販売機)が対応URLと関連付けられているかを検証した後に、景品用NFTを消費者のウォレットへ移転する。
【0115】
(位置情報による検証)
対応テーブル121において対応URLがエリアと対応付けられている場合、管理装置1は、上述の識別情報が提供される前又は後、若しくは提供と同時に、位置情報の提供を消費者の端末Tに要求する。端末Tは、GPSで測定した位置情報等を管理装置1に提供する。管理装置1は、位置情報を受信し、位置情報によって対応URLを検証した後に、景品用NFTを消費者のウォレットへ移転する。
【0116】
[地域情報の提供]
対応URL等と関連付けられた地域情報が記憶部12に格納されている場合、管理装置1は、当該地域情報を消費者の端末T(識別情報を送信した所定端末)に提供する。これにより、管理装置1は、当該地域情報を用いた地域のプロモーション等を支援できる。
【0117】
(AI応答による地域案内)
管理装置1は、地域及び景品用NFTを取得した者の景品用NFTの取得履歴、並びに、地域及び取得履歴を踏まえた地域案内の生成を指示する命令を含むプロンプトを入力とする大規模言語モデルを用いた処理によって生成された地域情報(AI応答)を提供する。
【0118】
[景品用NFTの利用]
消費者は、自らのウォレットにおいて保管されている景品用NFTと関連付けられたデジタルデータを利用する。これにより、消費者は、食事券、宿泊券、割引券、限定イベントの整理券、デジタル映像、デジタル音楽、デジタル絵画等の各種データのうち、対応URLと対応する景品用NFTと関連付けられたデジタルデータを楽しめる。
【0119】
〔仮想ガチャを介した景品用NFTの提供〕
以下は、電子的な抽選(仮想ガチャ)を介して景品用NFTを提供する場合の使用例である。
【0120】
[仮想ガチャ用の抽選用二次元コード生成]
管理装置1の管理者は、電子的な抽選用の抽選用二次元コード生成を管理装置1に指令する。管理装置1は、電子的な抽選用の抽選用二次元コード、すなわち、抽選用二次元コードの画像データを生成する。生成された画像データは、仮想ガチャを行うサーバに提供される。
【0121】
[仮想ガチャの実行]
消費者は、観光地・イベント会場等に設置された端末T又は消費者自身の端末Tを介して仮想ガチャを行うサーバと通信し、当選した電子的な抽選用の抽選用二次元コード(当選二次元コード)を端末Tに表示させる。仮想ガチャは、QRコード(登録商標)等の所定の二次元コードに紐づいているURLを二次元コードが表示され、取得されるごとに切り替えてランダムに抽出し、画面に表示させる形式(「dynamic QR」の形式とも称される。)でもよい。以下、カプセル自動販売機を介して提供された抽選用二次元コードと同様の流れにより、位置情報による検証等が行われ、景品用NFTが消費者のウォレットへ移転される。そして、消費者は、景品用NFTと関連付けられたデジタルデータを楽しめる。
【0122】
〔イベント入場券に付された景品用NFTの提供〕
以下は、イベント入場券等のイベント会場に係る印刷物を介して景品用NFTを提供する場合の使用例である。以下、イベント会場に係る印刷物は、「イベント印刷物」とも称される。
【0123】
[イベント印刷物用の抽選用二次元コード生成]
管理装置1の管理者は、イベント印刷物用の抽選用二次元コード生成を管理装置1に指令する。管理装置1は、イベント印刷物用の抽選用二次元コードを紙・カード等に印刷可能なデータを生成する。イベントの主催者は、当該データを用いてイベント印刷物を用意する。また、イベントの主催者は、上述の自販機識別情報と同様の識別情報が含まれる二次元コードをイベント会場に設置する。
【0124】
[イベント印刷物に付された抽選用二次元コードの利用]
消費者は、上述の「抽選によるNFTの取得」の項と同様の手順によって、景品用NFTを取得する。以下、カプセル自動販売機を介して提供された抽選用二次元コードと同様の流れにより、消費者は、景品用NFTと関連付けられたデジタルデータを楽しめる。
【0125】
〔商品に付された景品用NFTの提供〕
以下は、商品を介して景品用NFTを提供する場合の使用例である。
【0126】
[商品用の抽選用二次元コード生成]
管理装置1の管理者は、商品用の抽選用二次元コード生成を管理装置1に指令する。管理装置1は、商品用の抽選用二次元コードを商品に印刷可能なデータを生成する。商品の提供者は、当該データを用いて抽選用二次元コードが付された商品を用意する。
【0127】
[商品に付された抽選用二次元コードの利用]
消費者は、上述の「抽選によるNFTの取得」の項と同様の手順によって、景品用NFTを取得する。以下、カプセル自動販売機を介して提供された抽選用二次元コードと同様の流れにより、消費者は、景品用NFTと関連付けられたデジタルデータを楽しめる。
【0128】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0129】
S システム
1 管理装置
11 制御部
111 発行部
112 保管部
113 生成部
114 受信部
115 移転部
116 提供部
12 記憶部
121 対応テーブル
13 通信部
B ブロックチェーン
N ネットワーク
T 端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品用NFTを発行及び移転する発行用ウォレットに景品用NFTを発行させる発行部と、
前記発行用ウォレットに、前記景品用NFTを保管及び移転する保管用ウォレットへ前記景品用NFTを移転させる保管部と、
前記保管用ウォレットへ移転された景品用NFTと1対1対応する対応URLを生成する生成部と、
部装置からウォレットの識別情報を受信する受信部と、
前記保管用ウォレットを操作し、前記対応URLに対応する景品用NFTを前記保管用ウォレットから前記識別情報により識別される移転先ウォレットへ移転させる移転部と、
を備え、
前記発行用ウォレットと前記保管用ウォレットとは互いに異な
前記生成部は、前記対応URLを情報として含む抽選用二次元コードを生成し、
前記受信部は、複数種類の前記抽選用二次元コードのうちから管理装置による抽選によって選ばれた当選二次元コードから読み取られた対応URLを用いた通信を行う外部装置から前記識別情報を受信する、
景品用NFTの管理装置。
【請求項2】
前記生成部は、カプセル自動販売機を介して抽選されるカプセルを介して提供される態様で前記抽選用二次元コードを生成し、
前記受信部は、カプセル自動販売機が行う抽選によって選ばれた当選カプセルを介して提供された当選二次元コードから読み取られた対応URLを用いた通信を行う外部装置から前記識別情報を受信する、
請求項に記載の管理装置。
【請求項3】
前記対応URLとカプセル自動販売機との関連付けが格納される対応テーブルをさらに備え、
前記受信部は、前記当選カプセルを抽選したカプセル自動販売機を識別できる自販機識別情報を受信するよう構成され、
前記移転部は、前記識別情報により識別される所定カプセル自動販売機が前記当選二次元コードから読み取られた対応URLと関連付けられている場合に前記移転を行う、
請求項に記載の管理装置。
【請求項4】
前記対応URLとエリアとの関連付けが格納される対応テーブルをさらに備え、
前記受信部は、前記外部装置の位置を受信するよう構成され、
前記移転部は、前記当選二次元コードから読み取られた対応URLと関連付けられているエリアが前記位置を含む場合に前記移転を行う、
請求項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記当選カプセルを抽選したカプセル自動販売機が設置された地域に関する情報を、前記識別情報を送信した所定端末に提供するよう構成された提供部をさらに備える、請求項に記載の管理装置。