(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025030251
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】物品処理システム及び物品処理方法
(51)【国際特許分類】
B65G 57/03 20060101AFI20250228BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
B65G57/03 G
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135378
(22)【出願日】2023-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清川 渉
【テーマコード(参考)】
3F029
3F522
【Fターム(参考)】
3F029AA01
3F029BA01
3F029CA22
3F029CA51
3F029DA01
3F522BB02
3F522BB24
3F522BB32
3F522BB36
3F522CC03
3F522DD04
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE16
3F522FF02
3F522FF37
3F522GG23
3F522GG24
3F522JJ01
3F522JJ04
3F522KK07
3F522LL25
3F522LL31
3F522LL41
(57)【要約】
【課題】所定範囲にある物品の数より多い物品を搬送して効率良く積み付ける。
【解決手段】物品処理システムは、物品を保管する複数列の保管部と、保管部毎に設けられ、保管部から出庫された物品を搬送する第1コンベヤと、保管部に保管されている物品を保管部に対応する第1コンベヤへ搬送する搬送部と、第1コンベヤの搬送方向下流側に設けられ、第1コンベヤで搬送された物品を合流させて搬送する第2コンベヤと、第2コンベヤ上で所定範囲内にある物品を被積付部へ積み付ける移載装置と、複数の物品の被積付部への積み付け順を計算し、計算結果に基づいて被積付部に積みつけられる物品を所定範囲内に収まる物品の数で積み付け順にグループ分けする計算部と、計算されたグループの積み付けの順番に基づいてグループ毎にグループに属する物品が保管部から第2コンベヤへ搬送されるように搬送部を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保管する複数列の保管部と、
前記複数列の保管部毎に設けられ、対応する前記保管部から出庫された物品を搬送する第1コンベヤと、
前記複数列の保管部毎に設けられ、前記保管部に保管されている物品を前記保管部に対応する前記第1コンベヤへ搬送する搬送部と、
前記第1コンベヤの搬送方向下流側に設けられ、複数列の前記第1コンベヤで搬送された物品を合流させて搬送する第2コンベヤと、
前記第2コンベヤ上で所定範囲内にある前記物品を被積付部へ積み付ける移載装置と、
前記保管部に保管された複数の物品の被積付部への積み付け順を計算し、計算結果に基づいて前記被積付部に積みつけられる物品を前記所定範囲内に収まる前記物品の数で積み付け順にグループ分けする計算部と、
前記計算部で計算されたグループの積み付けの順番に基づいてグループ毎にグループに属する物品が前記保管部から前記第2コンベヤへ搬送されるように前記搬送部を制御する制御部と、
を備える物品処理システム。
【請求項2】
前記第2コンベヤは、複数列に分岐している
請求項1に記載の物品処理システム。
【請求項3】
前記第2コンベヤは、前記所定範囲内において円弧の経路である
請求項1に記載の物品処理システム。
【請求項4】
前記グループに属する物品は、前記グループ毎に前記第2コンベヤへ順不同に合流する
請求項1に記載の物品処理システム。
【請求項5】
物品を保管する複数列の保管部と、
前記複数列の保管部毎に設けられ、対応する前記保管部から出庫された物品を搬送する第1コンベヤと、
前記複数列の保管部毎に設けられ、前記保管部に保管されている物品を前記保管部に対応する前記第1コンベヤへ搬送する搬送部と、
前記第1コンベヤの搬送方向下流側に設けられ、複数列の前記第1コンベヤで搬送された物品を合流させて搬送する第2コンベヤと、
前記第2コンベヤ上で所定範囲内にある前記物品を被積付部へ積み付ける移載装置と、
を備える物品処理設備における物品処理方法であって、
計算部が、前記保管部に保管された複数の物品の被積付部への積み付け順を計算し、計算結果に基づいて前記被積付部に積みつけられる物品を前記所定範囲内に収まる前記物品の数で積み付け順にグループ分けする計算ステップと、
制御部が、前記計算ステップで計算されたグループの積み付けの順番に基づいてグループ毎にグループに属する物品が前記保管部から前記第2コンベヤへ搬送されるように前記搬送部を制御する制御ステップと、
を備える物品処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品処理システム及び物品処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤで搬送された物品をパレット上に積みつける発明として、例えば特許文献1に開示された積み付けシステムがある。この積み付けシステムは、コンベヤで搬送されてきた物品をパレットに載せるロボットと、コンベヤ上でロボットが物品を移動可能な所定範囲を撮影する撮像部と、パレット上に積みつけられた物品の状態を認識する画像センサを有している。このシステムでは、撮像部で撮影されたコンベヤ上の物品のサイズを認識し、認識したサイズと、画像センサで認識したパレット上の積み付け状態とに基づいて、コンベヤ上のどの物品をパレットのどの位置に積みつけるのが最適であるか計算する。そして、計算結果に基づいて、ロボットが所定範囲にある物品の中から一つに物品をピッキングしてパレット上に物品を積み上げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パレットに物品の積み付けを行なう際には、所定範囲にある物品の数より多い物品をコンベヤで搬送して一つのパレットに積みつける場合がある。特許文献1の積み付けシステムの場合、所定範囲でしか積み付けの最適化が行われないため、積みつけられる全ての物品で積み付けの計算を行ったときより積み付けの効率が落ちる場合が生じ得る。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、所定範囲にある物品の数より多い物品を搬送して効率良く積み付けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の物品処理システムは、物品を保管する複数列の保管部と、前記複数列の保管部毎に設けられ、対応する前記保管部から出庫された物品を搬送する第1コンベヤと、前記複数列の保管部毎に設けられ、前記保管部に保管されている物品を前記保管部に対応する前記第1コンベヤへ搬送する搬送部と、前記第1コンベヤの搬送方向下流側に設けられ、複数列の前記第1コンベヤで搬送された物品を合流させて搬送する第2コンベヤと、前記第2コンベヤ上で所定範囲内にある前記物品を被積付部へ積み付ける移載装置と、前記保管部に保管された複数の物品の被積付部への積み付け順を計算し、計算結果に基づいて前記被積付部に積みつけられる物品を前記所定範囲内に収まる前記物品の数で積み付け順にグループ分けする計算部と、前記計算部で計算されたグループの積み付けの順番に基づいてグループ毎にグループに属する物品が前記保管部から前記第2コンベヤへ搬送されるように前記搬送部を制御する制御部と、を備える。
【0007】
本発明の物品処理方法は、物品を保管する複数列の保管部と、前記複数列の保管部毎に設けられ、対応する前記保管部から出庫された物品を搬送する第1コンベヤと、前記複数列の保管部毎に設けられ、前記保管部に保管されている物品を前記保管部に対応する前記第1コンベヤへ搬送する搬送部と、前記第1コンベヤの搬送方向下流側に設けられ、複数列の前記第1コンベヤで搬送された物品を合流させて搬送する第2コンベヤと、前記第2コンベヤ上で所定範囲内にある前記物品を被積付部へ積み付ける移載装置と、を備える物品処理設備における物品処理方法であって、計算部が、前記保管部に保管された複数の物品の被積付部への積み付け順を計算し、計算結果に基づいて前記被積付部に積みつけられる物品を前記所定範囲内に収まる前記物品の数で積み付け順にグループ分けする計算ステップと、制御部が、前記計算ステップで計算されたグループの積み付けの順番に基づいてグループ毎にグループに属する物品が前記保管部から前記第2コンベヤへ搬送されるように前記搬送部を制御する制御ステップと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る物品処理システムの概略図である。
【
図3】
図3は、制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、コンベヤにおけるケースの合流の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、変形例に係る物品処理システムの概略図である。
【
図6】
図6は、変形例に係る物品処理システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、図中で適宜X軸、Y軸、及びZ軸の直交座標系を示し、これにより方向を説明する。直交座標系で示される空間においてX成分が増加する方向を+X方向といい、X成分が減少する方向を-X方向という。同様に、Y、Z成分についても、+Y方向、-Y方向、+Z方向、-Z方向と定義する。なお、説明の便宜上、+Z方向を上方、-Z方向を下方と言い換える場合がある。
【0010】
[実施形態]
(実施形態の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る物品処理システム1000の概略図である。物品処理システム1000は、自動倉庫10、コンベヤ41、61、パレタイザー70、及びコードリーダ81を備えている。また、物品処理システム1000は、物品処理システム1000の各部を制御する制御装置100を備えている。なお、制御装置100の構成については後述する。物品処理システム1000は、自動倉庫10に保管されているケースAをパレットPにパレタイズして出庫するシステムである。
【0011】
物品の一例であるケースAは、例えば店舗で販売される製品を複数収納した段ボール箱である。ケースAのサイズは、収納している製品によって異なる。ケースAの側面には、収納されている製品の製品名を識別するためのバーコードが印字されている。被積付部の一例であるパレットPは、ケースAが積みつけられる平型の平パレットである。パレットPは、複数のケースAが積みつけられて出庫される。
【0012】
本発明に係る保管部の一例である自動倉庫10は、保管棚11、スタッカークレーン20、コンベヤ31、32を備えている。保管棚11は、ケースAを保管する保管区画12を左右方向(X軸方向)に複数備えた棚であり、上下方向(+Z方向)へ複数段に設置されている。自動倉庫10は、間隔を空けて複数の保管棚11を有している。コンベヤ31は、保管区画12に保管するケースAをコンベヤ41から保管棚11の近傍へ搬送するコンベヤである。本発明に係る第1コンベヤの一例であるコンベヤ32は、保管区画12から取り出されてパレットPに積みつけられるケースAをコンベヤ41へ搬送するコンベヤである。コンベヤ31、32は、ケースAを搬送する搬送機構と、搬送機構を駆動するモータ等の駆動部とを有している。搬送機構は、例えば、ローラコンベヤや、チェーンコンベヤのようなコンベヤであるが、これらのコンベヤに限定されるものではない。
【0013】
本発明に係る搬送部の一例であるスタッカークレーン20は、レール21と、移載機22とを備えている。レール21は、保管棚11どうしの間の作業通路に設置されている。移載機22は、レール21に沿って保管棚11と平行に移動可能であるとともに、上下方向に移動可能に構成されている。移載機22は、コンベヤ31からケースAを取り込み、取り込んだケースAを保管区画12へ格納する。また、移載機22は、保管区画12からケースAを取り込み、取り込んだケースAをコンベヤ32へ載置する。なお、保管区画12とコンベヤ31、32との間でケースAを搬送する機構は、スタッカークレーン20に限定されず、例えば、保管棚11の段ごとに設けられた自走台車と、各段の自走台車とコンベヤ31、32との間でケースAを搬送するリフタと、を有する構成であってもよい。
【0014】
本発明に係る第2コンベヤの一例であるコンベヤ41は、ケースAを搬送する搬送機構と、搬送機構を駆動するモータ等の駆動部とを有している。コンベヤ41は、パレットPからデパレタイズされて保管区画12へ保管するケースAを搬送する。また、コンベヤ41は、保管区画12から出庫されてパレットPにパレタイズされるケースAをパレタイザー70へ搬送する。
【0015】
コンベヤ41の近傍には、コードリーダ81が設置されている。コードリーダ81は、コンベヤ41で後述のピッキング領域ARへ搬送されるケースAに印字されているバーコードを読み取る装置である。コードリーダ81は、コンベヤ41の幅方向に設置されており、コンベヤ41の幅方向に向いたケースAの側面に印字されているバーコードを読み取り、読み取ったコードを表す情報を制御装置100へ出力する。
【0016】
コンベヤ61は、ケースAが積みつけられるパレットPを搬送するコンベヤである。コンベヤ61は、パレットPを搬送する搬送機構と、搬送機構を駆動するモータ等の駆動部とを有している。搬送機構は、例えば、ローラコンベヤや、チェーンコンベヤのようなコンベヤであるが、これらのコンベヤに限定されるものではない。
【0017】
本発明に係る移載装置に一例であるパレタイザー70は、例えばガントリー型のパレタイザーである。パレタイザー70は、スライド軸71a、71b、71cと、保持部72とを備えている。2つのスライド軸71aは、コンベヤ41とコンベヤ61を跨いでY軸に平行に設置されている。スライド軸71bは、2つのスライド軸71aにかけ渡されており、Y軸方向へ移動する。スライド軸71cは、スライド軸71bに設けられており、保持部72を上下方向に移動させる。保持部72は、スライド軸71の下端に設けられており、コンベヤ41で搬送されてきたケースAを保持し、保持したケースAをパレットPに載置する。パレタイザー70は、コンベヤ41上で保持部72がケースAを保持可能なピッキング領域AR内でケースAを保持することが可能であり、ピッキング領域AR内からケースAを一つずつ保持してコンベヤ61上のパレットPに載置する。なお、パレタイザー70は、ガントリー型のパレタイザーに限定されるものではなく、例えば多関節のアームとロボットハンドを備えたロボットであってもよい。
【0018】
図2は、物品処理システム1000を制御する制御装置100のブロック図である。制御装置100は、コンピュータ装置であり、演算処理部101、主記憶部102、補助記憶部103、及びインターフェース104を有している。
【0019】
インターフェース104は、スタッカークレーン20、駆動部31a、32a、41a、61a、パレタイザー70を制御する信号を出力する。駆動部31a、32a、41a、61aは、コンベヤ31、32、41、61の搬送機構を駆動するモータ等を有している。制御装置100によって制御された駆動部31a、32a、41aが搬送機構を駆動することにより、コンベヤ31、32、41によってケースAが搬送される。また、制御装置100によって制御された駆動部61aが搬送機構を駆動することにより、コンベヤ61によってパレットPが搬送される。
【0020】
主記憶部102は、例えばRAM(Random Access Memory)であり、揮発性メモリで構成される。主記憶部102は、演算処理部101が演算処理を行う際の作業スペースとなり、演算処理部101の演算処理の結果などを記憶する。補助記憶部103は、ROM(Read Only Memory)と、不揮発性メモリ等の補助記憶装置により構成される。記憶部の一例である補助記憶部103のROMは、演算処理部101が演算処理を行なうために実行するプログラムを記憶する。補助記憶部103の不揮発性メモリは、演算処理部101が演算処理を行なうために使用するデータを格納する。
【0021】
演算処理部101は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、補助記憶部103からプログラムを読み出し、主記憶部102を作業スペースとして実行する。演算処理部101の機能は、演算処理部101がプログラムを読み出して実行することで実現され、本実施形態においては、計算部101a、及び制御部101bが実現される。計算部101aは、複数のケースAについてパレットPへの効率良い積み付けの計算を行い、ケースA毎に積み付け順番、積み付け位置、ケースAの向きを決定する。また、計算部101aは、パレットPへ積み付けるケースAをピッキング領域ARに収まる数で積み付け順にグループ分けする。制御部101bは、計算部101aが計算したグループに基づいて、グループ順でケースAがコンベヤ41に合流するようにコンベヤ32を制御する。
【0022】
(実施形態の動作例)
次に物品処理システム1000の動作例について説明する。
図3は、ケースAをパレタイザー70でパレットPにパレタイズするときに制御装置100が実行する処理の流れを示すフローチャートである。制御装置100は、立体自動倉庫3に格納されているケースAのパレタイズを指示された場合、ケースAの積み付け計算を行なう。
【0023】
具体的には、制御装置100は、出庫する製品名と、当該製品名の製品を収納したケースAの出庫数とを含む出庫データを取得すると、出庫データが含む製品名ごとに、製品名の製品を収納したケースAの寸法を補助記憶部103に記憶された寸法データから取得する(ステップS1)。なお、寸法データは、予め補助記憶部103に記憶されており、製品名と、当該製品名の製品を収納したケースAの長さ、幅、高さの寸法とが対応付けられている。制御装置100は、取得した寸法を用いて出庫データが含む製品名の製品を収納したケースAの積み付け計算を行い、積み付けるケースA毎にパレットPへのケースAの積み付けの位置、順番、及び向きを決定する(ステップS2)。
【0024】
次に制御装置100は、積み付ける複数のケースAのグループ分けを行なう(ステップS3)。ここで制御装置100は、ピッキング領域AR内に収まるケースAの数でグループ分けを行なう。例えば、
図1に示したピッキング領域ARでは、4個のケースAがピッキング領域AR内に収まるため、制御装置100は、1つのグループに含まれるケースAの数を4個にしてグループ分けを行なう。一つのパレットPに積み付けるケースAの総数が12個である場合、1番目から4番目に積み付けるケースAを含む第1グループ、5番目から8番目に積みつけられるケースAを含む第2グループ、9番目から12番目に積みつけられるケースAを含む第3グループにグループ分けされる。
【0025】
次に制御装置100は、積み付け計算とグループ分けの結果に基づいて、スタッカークレーン20と駆動部32aを制御し、出庫データで指定される製品名の製品を収納したケースAをグループ順にコンベヤ41へ搬送する(ステップS4)。ここで制御装置100は、第1グループに属するケースA、第2グループに属するケースA、第3グループに属するケースA、第4グループに属するケースAという順でケースAがコンベヤ41へ搬送されるように制御を行う。また、制御装置100は、ケースAをコンベヤ32からコンベヤ41へ合流させる際には、一つのグループ内ではコンベヤ32へ最も早く到達したものからコンベヤ41へ合流するように制御を行う。
【0026】
図4は、コンベヤ41におけるケースAの合流の一例を示す図である。なお、
図4においてケースA内の数字は、パレットPへの積み付けの順番を示している。
図4に示す例であると、第4グループに含まれる9番目から12番目のケースAについて、パレットPへの積み付け順でケースAがコンベヤ41に並ぶように制御する場合、10番目のケースAは、9番目のケースAが前を通過するまで合流を待たされることになり、合流に時間を要することとなる。一方、本実施形態では、10番目、11番目、9番目、12番目の順でコンベヤ41に並ぶように合流させ、コンベヤ41上においてパレットPへの積み付け順で並ぶようにするのではなく、一つのグループ内では順不同で合流するように制御を行うため、合流の際にケースAを待たせることがなく、効率良くケースAを搬送することができる。
【0027】
制御装置100は、駆動部41aを制御し、ケースAをコンベヤ41でピッキング領域ARまで搬送する(ステップS5)。コードリーダ81は、コンベヤ41でピッキング領域ARに入るケースAに印字されているバーコードを読み取り、読み取ったコードを表す情報を制御装置100へ出力する。制御装置100は、コードリーダ81から出力された情報を取得する(ステップS6)。
【0028】
次に制御装置100は、コードリーダ81から取得した情報と、積み付け計算の結果に基づいて、ピッキング領域ARに入ったケースAのそれぞれの積み付けの順番を特定する(ステップS7)。例えば、制御装置100は、1番目に取得したバーコードで識別される製品名が3番目に積みつけられるケースAに収納されている製品名である場合、
図4に示すように、1番目に通過したケースAを3番目に積みつけられるケースAと特定する。
【0029】
次に制御装置100は、パレタイザー70を制御し、ステップS7で特定した順番と、積み付け計算で計算された位置と向きに基づいて、ピッキング領域AR内にあるケースAをパレットPに積み付ける(ステップS8)。例えば、
図4に示すようにピッキング領域AR内にケースAがある場合、制御装置100は、3番目にピッキング領域ARに入ったケースA、2番目にピッキング領域ARに入ったケースA、1番目にピッキング領域ARに入ったケースA、4番目にピッキング領域ARに入ったケースAの順番でケースAをパレットPに積み付ける。
【0030】
次に制御装置100は、コードリーダ81から取得した情報に基づいて、一枚のパレットに積み付ける複数のケースAを全て積み付けたか判断する(ステップS9)。制御装置100は、パレタイザー70でパレットPに積みつけたケースAについて、取得した情報が表すコードで識別される製品名がパレットPに最後に積み付ける製品名ではない場合(ステップS9でNo)、処理の流れをステップS5へ戻す。制御装置100は、パレタイザー70でパレットPに積みつけたケースAについて、取得した情報が表すコードで識別される製品名がパレットPに最後に積み付ける製品名である場合(ステップS9でYes)、駆動部61aを制御し、ケースAが積みつけられたパレットPを搬送し、空のパレットPを、パレタイザー70によってケースAが載置される位置へ搬送する(ステップS10)。
【0031】
以上説明したように本実施形態によれば、パレットPに積み付ける複数のケースAを並列な保管棚11から出庫する際に、複数のケースAをグループ分けし、一つのグループ内では順不同でコンベヤ41へ合流するように制御を行うため、合流の際にケースAを待たせることがなく、効率良くケースAを搬送することができる。即ち、パレットへ積み付ける物品がグループ分けされ、グループ毎に物品が複数列の保管部から出庫されて合流し、グループ毎に移載装置でパレットに積み付けが行われるため、ピッキング可能な所定範囲内にある物品の数より多い物品を効率良く積み付けることができる。
【0032】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態および以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態および各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0033】
図5は、本発明の変形例に係る物品処理システム1000Aの概略図である。物品処理システム1000Aは、物品処理システム1000に対してさらに第2コンベヤの一例であるコンベヤ51~54を備えている点で物品処理システム1000と相違している。コンベヤ41から複数列に分岐したコンベヤ51~54は、上方から見てパレタイザー70の保持部72の移動可能な範囲内に設置されており、ケースAを搬送する搬送機構と、搬送機構を駆動するモータ等の駆動部とを有している。コンベヤ51~54は、コンベヤ41で搬送されたケースAを-Y方向へ搬送する。
【0034】
図5に示す物品処理システム1000Aの場合、ピッキング領域ARは、コンベヤ41上の一部に加えてコンベヤ51~54が配置された領域となる。物品処理システム1000Aにおいては、ピッキング領域AR内に含まれるケースAの数が12個となり、ステップS3でグループ分けを行なう際に、1つのグループに含まれるケースAの数が前述の実施形態の数より多くなる。この場合、1つのグループ内に含まれる12個のケースAについては、コンベヤ32からコンベヤ41へ合流するときに順不同で合流させることが可能であり、順不同で合流させるケースAの数が多くなるため、効率良くケースAを搬送することができる。
【0035】
図6は、本発明の変形例に係る物品処理システム1000Bの概略図である。物品処理システム1000Bは、パレタイザー70に替えてパレタイザー70Bを有し、コンベヤ41に替えてコンベヤ41Bを有している点で物品処理システム1000と相違している。パレタイザー70Bは、多関節のロボットであり、多関節のアームと、ケースAを保持するロボットハンドとを備えている。パレタイザー70Bは、制御装置100によって制御され、コンベヤ41Bに載置されているケースAを保持し、保持したケースAをパレットPへ載置する。
【0036】
コンベヤ41Bは、ピッキング領域ARに含まれる搬送経路の形状がコンベヤ41と相違し、ピッキング領域AR内で円弧状に曲がっている。物品処理システム1000Bにおいては、コンベヤ41Bがピッキング領域AR内で円弧状に曲がっていることにより、ピッキング領域AR内に含まれるケースAの数が多くなるため、ステップS3でグループ分けを行なう際に、1つのグループに含まれるケースAの数が実施形態の数より多くなる。この場合、1つのグループ内に含まれるケースAについては、コンベヤ32からコンベヤ41Bへ合流するときに順不同で合流させることが可能であり、順不同で合流させるケースAの数が多くなるため、効率良くケースAを搬送することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 自動倉庫
11 保管棚
12 保管区画
20 スタッカークレーン
21 レール
22 移載機
31、32、41、41B、61 コンベヤ
31a、32a、41a、61a 駆動部
70 パレタイザー
81 コードリーダ
100 制御装置
101 演算処理部
101a 計算部
101b 制御部
102 主記憶部
103 補助記憶部
104 インターフェース
1000、1000A、1000B 物品処理システム