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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003026
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】コンソール
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20241226BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20241226BHJP
   B60N 3/10 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B60R7/04 C
B60N3/00 A
B60N3/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103467
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】野本 直希
(72)【発明者】
【氏名】水野 雅規
(72)【発明者】
【氏名】井澤 和哉
【テーマコード(参考)】
3B088
3D022
【Fターム(参考)】
3B088AA04
3B088LA02
3B088LB01
3D022CA07
3D022CA16
3D022CA22
3D022CB01
3D022CC18
3D022CC25
3D022CD02
3D022CD04
3D022CD19
3D022CD21
3D022CD22
3D022CD23
3D022CD24
(57)【要約】
【課題】コンソールから張り出したテーブル上の物品をコンソール側に乗員が飛ばした場合、飛ばされた物品をコンソール外への移動を抑制して、物品の回収を容易にできるコンソールを提供する。
【解決手段】サイドテーブル40は、コンソール本体21から遠ざかる方向に延びている。サイドテーブル40が遠ざかる方向を左方向(第1方向)とし、左方向(第1方向)と交差する前進方向を第2方向とする。コンソール本体21の上面には、サイドテーブル40と隣接する凹部26と、凹部26に対して前進方向(第2方向)で隣接する凹部27が凹設されている。サイドテーブル40上の物品をコンソール本体21側に飛ばした場合、飛ばされた物品は、サイドテーブル40と隣接する凹部26、または凹部27内にて受け入れることが可能となる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンソール本体から遠ざかる方向に延びるテーブルを備えるコンソールであって、
前記テーブルが遠ざかる方向を第1方向とし、第1方向と交差する方向を第2方向としたとき、
前記コンソール本体の上面には、前記テーブルと隣接する第1凹部と、
第1凹部と第2方向で隣接する第2凹部が凹設されているコンソール。
【請求項2】
第2凹部が形成された上面は、第1凹部側に近づくほど高さが低くなる傾斜面になっている請求項1に記載のコンソール。
【請求項3】
第2凹部は、カップホルダである請求項1または請求項2に記載のコンソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンソールに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車では、隣り合う自動車用シートの間に、小物類を収納等するためのコンソールが設置されることが多い(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のコンソールでは、板状のテーブルが備えられている。前記テーブルは、不使用時にはコンソール本体に収納されるとともに、使用時には、コンソール本体の上部から側方へ張り出した状態で保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-118166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1のコンソールでは、乗員が使用時のテーブル上に載置した物品を誤って触れてコンソール側に飛ばした場合、コンソール上面は平坦となっているため、コンソールを超えて、テーブルとは反対側のフロア等に落としてしまうことがある。この場合には、乗員は、コンソールを超えて、飛ばした物品を拾う作業が必要となるため、手間が掛かる問題がある。
【0005】
本発明は、コンソールから張り出したテーブル上の物品をコンソール側に乗員が飛ばした場合、飛ばされた物品をコンソール外への移動を抑制して、物品の回収を容易にできるコンソールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[態様1]
上記課題を解決するコンソールは、コンソール本体から遠ざかる方向に延びるテーブルを備えるコンソールであって、前記テーブルが遠ざかる方向を第1方向とし、第1方向と交差する方向を第2方向としたとき、前記コンソール本体の上面には、前記テーブルと隣接する第1凹部と、第1凹部と第2方向で隣接する第2凹部が凹設されているコンソール。
【0007】
上記の構成によれば、乗員がテーブル上の物品をコンソール本体側に飛ばした場合、飛ばされた物品は、前記テーブルと隣接する第1凹部、または第2凹部内に受け入れることが可能となる。この結果、飛ばされた物品のコンソール外への移動が抑制される。このため、第1凹部または第2凹部にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【0008】
[態様2]
態様1において、第2凹部が形成された上面は、第1凹部側に近づくほど高さが低くなる傾斜面になっていてもよい。
【0009】
上記の構成によれば、乗員により飛ばされた物品が第2凹部を有する上面で受け止められた場合、当該上面は第1凹部側に近づくほど高さが低くなる斜面となっているため、当該上面により物品は第1凹部内へ入れることが可能となる。この結果、飛ばされた物品のコンソール外への移動が抑制される。このため、第1凹部にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【0010】
[態様3]
態様1または態様2において、第2凹部は、カップホルダであってもよい。
上記の構成によれば、第2凹部がカップホルダとして形成されている場合であっても、飛ばされた物品は、第2凹部内にて受け入れることが可能となる。
【0011】
このため、飛ばされた物品が第2凹部にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【発明の効果】
【0012】
上記コンソールによれば、コンソールから張り出したテーブル上の物品をコンソール側に乗員が飛ばした場合、飛ばされた物品のコンソール外への移動を抑制して、物品の回収を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態において、サイドテーブルが収納位置に位置させられ、かつアームレストが基準位置に位置させられたコンソールの部分斜視図である。
図2図1の状態からサイドテーブルが使用位置へ移動させられたコンソールの部分斜視図である。
図3図2の状態からアームレストがさらに拡張位置へ移動させられたコンソールの部分斜視図である。
図4】第1実施形態における軸部及びリテーナの分解斜視図である。
図5】第1実施形態におけるブラケットカバー及び縦レールの分解斜視図である。
図6図1の6-6線部分断面図である。
図7図1の7-7線部分断面図である。
図8図2の8-8線部分断面図である。
図9】第2実施形態のコンソールのアームレストが基準位置に位置するとともに、非立ち上げ状態のときの斜視図である。
図10】第2実施形態のコンソールのアームレストが拡張位置に位置するとともに非立ち上げ状態のときの斜視図である。
図11】第2実施形態のコンソールのアームレストが基準位置に位置するとともに、立ち上げ状態のときの斜視図である。
図12】第2実施形態のコンソールのアームレストが拡張位置に位置するとともに立ち上げ状態のときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、自動車用のコンソールに具体化した第1実施形態について、図1図8を参照して説明する。
【0015】
なお、以下の記載においては、自動車の前進方向を前方とし、後進方向を後方として説明する。また、上下方向は自動車の上下方向を意味し、左右方向は車幅方向であって自動車の前進時の左右方向と一致するものとする。ここで、本実施形態では左方向は、本発明の第1方向に相当する。また、前進方向は、第1方向に交差する第2方向に相当する。
【0016】
図1に示すように、自動車の車室11内には、前部座席として一対の自動車用シート12,13が、左右方向に離間した状態で配置されている。右方の自動車用シート12は運転席である。左方の自動車用シート13は助手席である。
【0017】
両自動車用シート12,13の間には、箱状の収納部分として機能するコンソール(センターコンソール、フロアコンソール等とも呼ばれる)20が設置されている。
なお、コンソール20の各部の説明では、左右方向(自動車用シート12,13の幅方向)における中央部を基準とする。そして、左右方向のうち、中央部に近づく方向を「内」、「内方」、「内側」等といい、中央部から遠ざかる方向を「外」、「外方」、「外側」等という場合がある。
【0018】
図1に示すように、コンソール20は、コンソール本体21、サイドテーブル40、アームレスト80、及びセンターテーブル90を備えている。サイドテーブル40は、本発明のテーブルに相当する。
【0019】
(1.コンソール本体21)
図1に示すように、コンソール本体21は、コンソール20の骨格部分を構成する部分であり、例えば、樹脂材料によって、左右方向よりも前後方向に細長い形状に形成されている。
【0020】
コンソール本体21の左右の両側部は、外側壁部22によって構成されている。各外側壁部22の内側に離間した箇所には、内側壁部23が形成されている。
図1に示すように、隣り合う外側壁部22及び内側壁部23の上端部間であって、前後方向の多くの部分には、上壁部24が形成されている。
【0021】
図1に示すように、上壁部24の上面の中央部及び後部は、略水平となっている。上壁部24の上面の前部は、前方へ行くほど高さが高くなるように斜状に形成されている。
両内側壁部23間の後部の上面には、図3に示すように上端が開口され、かつ容積の比較的大きな凹部25が形成されている。なお、図1及び図2では、前記凹部25は、アームレスト80及びセンターテーブル90により覆われている。図3では、前記凹部25は、センターテーブル90に覆われている。
【0022】
両内側壁部23間の上面において、前記凹部25に対し前方に隣接する箇所には、上端が開口され、かつ前記凹部25よりも容積の小さな凹部26が形成されている。凹部26は、第1凹部に相当する。
【0023】
両内側壁部23間の上面において、前記凹部26に対し前進方向(第2方向)に隣接する箇所には、上端が開口され、かつ前記凹部26よりも容積の小さな凹部27が形成されている。凹部27は、第2凹部に相当する。
【0024】
なお、凹部25、26、27の用途は、適宜であって、物を収納するためのもの、或いは、物を収納するために限定されることなく、意匠的な凹部でもよく、或いは、充電機器が接続できる接続端子等が設けられていてもよい。
【0025】
また、両内側壁部23間の上面において、前記凹部26に対し前方に隣接する箇所の上面28は、前方へ行くほど高さか高くなる傾斜面となっている。すなわち、上面28は、第1凹部側(前記凹部26側)に近づくほど高さが低くなる傾斜面である。この上面28には、カップホルダ29が凹設されている。本実施形態では、カップホルダ29は、左右の両端が略円形状の鉄アレイ形状となるように凹設されていて、一対のカップ等を着脱自在に置くことが可能となっている。なお、カップホルダ29の形状は、前記鉄アレイ形状に限定するものではなく、平面視で四角形状、円形状等の他の形状であってもよい。
【0026】
(2.サイドテーブル40及びその配置構造)
図1及び図7に示すように、隣り合う外側壁部22及び内側壁部23間であって、凹部26に対し、左右方向の一方、本実施形態では左方に隣接する箇所には、上端に開口部30を有する収納部31が設けられている。
【0027】
金属製のブラケットカバー32が、収納部31内に配置されている。図5及び図7に示すように、ブラケットカバー32は、本体板部32a、底板部32b、及び一対の対向板部32cを備えている。
【0028】
本体板部32aは、略四角板状をなしていて、前記外側壁部22の右方に隣接する箇所に配置されている。底板部32bは、本体板部32aの下縁部から内方(右方)へ突出している。各対向板部32cは、本体板部32aの前縁部及び後縁部から内方(右方)へ突出している。両対向板部32cは、互いに平行な状態で前後方向に対向している。
【0029】
(2.1.縦レール41)
図5及び図6に示すように、一対の縦レール41が、前側の対向板部32cの後方に隣接する箇所と、後側の対向板部32cの前方に隣接する箇所に配置されている。各縦レール41は、上下方向に延びる縦ガイド溝42を有する。前側の縦ガイド溝42は、縦レール41の後端面及び上端面において開放されている。後側の縦ガイド溝42は、縦レール41の前端面及び上端面において開放されている。
【0030】
(2.2.サイドテーブル40について)
図4及び図7に示すように、サイドテーブル40は、テーブルブラケット44を、テーブルアウタ51及びテーブルインナ55によって挟み込んだ構造を有している。テーブルアウタ51及びテーブルインナ55は、例えば、樹脂材料によって形成されている。
【0031】
図4に示すように、テーブルアウタ51は四角板状をなす作業板部52と、その作業板部52の各辺に形成された4つの側板部53とを備えている。作業板部52のテーブルインナ55から遠い側の面は、サイドテーブル40の表面を構成している。この表面は、平坦に形成されており、軽作業を行なうための作業面52aとなっている。
【0032】
テーブルインナ55は、本体板部56、補助板部57及び連結板部58を備えている。本体板部56及び補助板部57は、いずれも作業板部52から離れた箇所で、同作業板部52に対し平行に配置されている。作業板部52及び本体板部56の間隔は、同作業板部52及び補助板部57の間隔よりも小さく設定されている。連結板部58は、作業板部52に対し直交する方向へ延びて、本体板部56及び補助板部57を連結している。
【0033】
テーブルブラケット44は、板金の曲げ加工等により形成されており、テーブルアウタ51及びテーブルインナ55よりも高い強度を有している。テーブルブラケット44は、四角板状をなす本体板部45と、前後方向に互いに平行に離間した状態で対向する一対の対向板部46とを備えている。各対向板部46は、本体板部45の前縁部又は後縁部に対して直交するように連結されるとともに、前記前縁部及び後縁部に沿って細長い形状をなしている。前記前縁部及び後縁部に沿う方向における各対向板部46の一方の端部には軸挿通孔47が前後方向に貫通している。各対向板部46の前記一方の端部であって、本体板部45とは反対側の縁部には、それぞれ平坦な接触面48が形成されている。
【0034】
(2.3.軸部61aについて)
シャフト61は、テーブルブラケット44における両軸挿通孔47に対して、前後方向に延びるようにして挿通されている。シャフト61は、例えば金属製からなる。シャフト61の前端部及び後端部は、それぞれ軸部61aを構成している。前側の軸部61aは、前側の対向板部46よりも前方へ突出している。図6に示すように後側の軸部61aは、後側の対向板部46よりも後方へ突出している。
【0035】
(2.4.リテーナ65について)
図6に示すようにリテーナ65は、シャフト61の前端部及び後端部において、前側の対向板部46及び後側の対向板部46よりも前方または後方へ突出した軸部61aに対して軸支されている。
【0036】
前記リテーナ65は、後述する収納位置及び中間位置の間でのサイドテーブル40の上下動を補助し、かつ中間位置及び使用位置の間でのサイドテーブル40の回転を補助するためのものである。図4図6及び図8に示すように、リテーナ65は、収納部31内に上下方向への移動可能に配置されている。
【0037】
図4に示すように、リテーナ65は、底板部66、側板部67、前後一対の対向板部68を備えている。図7に示すように底板部66は、前記ブラケットカバー32の底板部32bの上方で、水平な状態で前後方向に延びている。側板部67は、起立状態で前後方向に延びている。側板部67の下縁部は、底板部66に繋がっている。
【0038】
各対向板部68は、前後方向に互いに平行に離間した状態で対向している。各対向板部68は、左右方向よりも上下方向に細長い平板状をなしている。前側の対向板部68は、底板部66及び側板部67の各前端部に固定されている。後側の対向板部68は、底板部66及び側板部67の各後端部に固定されている。
【0039】
図4に示すように、軸挿通孔69が、各対向板部68の上部に前後方向に貫通されている。前側の軸挿通孔69には、前側の軸部61aが挿通されている。後側の軸挿通孔69には、後側の軸部61aが挿通されている。こうした構成により、リテーナ65は、その上端部にて、両軸部61aによりテーブルブラケット44に対して転動自在とされている。
【0040】
前側の軸部61aは、リテーナ65の前側の対向板部68よりも前方へ突出している。図6に示すように、後側の軸部61aは、リテーナ65の後側の対向板部68よりも後方へ突出している。前後の両軸部61aは、対応する縦レール41の縦ガイド溝42に対し、上下方向へ摺動可能に挿入されている。
【0041】
図4に示すように、リテーナ65の前側の対向板部68には前方に突出するピン71が、及び、図7に示すように後側の対向板部68には後方に突出するピン71がそれぞれ突出されている。両ピン71は、軸挿通孔69よりも下方に配置されている。
【0042】
前側の対向板部68のピン71は、前側の縦レール41の縦ガイド溝42内に上下方向へ摺動可能に挿入されている。後側の対向板部68のピン71は、後側の縦レール41の縦ガイド溝42内に上下方向へ摺動可能に挿入されている。
【0043】
(2.5.軸支持部35について)
図6に示すように、支持孔35aが貫通された軸支持部35が、ブラケットカバー32における各対向板部32cの上端部に形成されている。各支持孔35aは、対応する縦ガイド溝42の上方に位置するように配置されている。すなわち、軸部61aの縦ガイド溝42からの上昇時、または、軸部61aの支持孔35aから縦ガイド溝42への下降時に、両者間の軸部61aの移動が阻害されないようにされている。
【0044】
各支持孔35aは、略上下方向に細長く形成されている。また、支持孔35aは、前記軸部61aの径よりも若干大きな幅を有している。
(2.6.回転規制部39aについて)
図8に示すように、切欠き部39が、ブラケットカバー32における本体板部32aの上端部に形成されている。切欠き部39の底部は、テーブルブラケット44の上記接触面48が接触することで、サイドテーブル40の回転を規制する回転規制部39aを構成している。
【0045】
(2.7.サイドテーブル40の姿勢態様)
上記のように構成されたサイドテーブル40は、収納位置、中間位置及び使用位置に移動可能となっている。
【0046】
収納位置では、図1及び図7に示すように、サイドテーブル40は、収納部31内に起立状態で収納される。中間位置では、図2及び図6の各図において二点鎖線で示すように、サイドテーブル40は、起立状態で収納部31から上方へ露出する。また、中間位置では、軸部61aが軸支持部35によって回転可能に支持される(図6参照)。
【0047】
使用位置では、サイドテーブル40はシャフト61の周りで回転されて接触面48が回転規制部39aに係止されることで、収納部31の開口部30を塞いだ状態で、コンソール本体21の上端部から左方へ突出して水平状態となる(図2及び図8参照)。
【0048】
このようにサイドテーブル40は、収納位置と中間位置との間で上下動可能であり、また、中間位置と使用位置との間で回転可能である。
(3.アームレスト80、及びセンターテーブル90について)
アームレスト80は、図1図3に示すように、位置の変更が可能となっている。アームレスト80は、図示しないベース部材上に設けられている。
【0049】
アームレスト80は、図1において、前方から見た場合、断面が台形状となるように上壁80a、左側壁80b、及び右側壁80cを有する。また、アームレスト80は、後端壁80dを有するとともに前端は開口80eを有する。前記左側壁80b、及び右側壁80cは、上壁部24の上壁部24の上面の後部に沿うように近接して配置されている。
【0050】
アームレスト80は、左側壁80b、及び右側壁80cの相互に対向する内面にそれぞれ前後方向に延びるガイド溝(図示しない)を有する。また、前記ベース部材(図示しない)には、前記ガイド溝(図示しない)に摺動自在に係入した突部を有する。このガイド溝に対して摺動自在に係入した前記突部により、アームレスト80は、図1に示す基準位置と、図3に示す拡張置との間を移動可能としている。
【0051】
図1に示す基準位置は、前記凹部25の開口全体を覆う位置である。また、拡張位置は前記凹部25の開口の一部を開放可能とする位置である。
前記ベース部材(図示しない)の後端は、コンソール本体21の両内側壁部23間の後部において、回動自在に軸支されていて、アームレスト80の前端が上方に持ち上げられると、センターテーブル90とともに立ち上げ状態となる。この立ち上げた状態は、アームレスト80が基準位置及び拡張位置に位置するいずれのときにおいても、可能となっている。
【0052】
センターテーブル90は、アームレスト80の上壁80a、左側壁80b、右側壁80c、後端壁80d及び前記ベース部材に囲まれる収納空間に配置されている。そして、図1に示すように、アームレスト80が図1及び図3に示すように非立ち上げ状態では、凹部25の開口を覆うように配置されている。
【0053】
(第1実施形態の作用)
次に、上記のように構成された本実施形態の作用について説明する。
<1.サイドテーブル40の収納位置から使用位置への移動>
サイドテーブル40を使用する場合、乗員は、収納位置のサイドテーブル40を、一旦、中間位置に移動させ、その後に使用位置に移動させる。
【0054】
具体的には、サイドテーブル40を、例えば、図7に示す収納位置のサイドテーブル40のうち、収納部31から露出している部分(上端部)を指でつまみ、引き上げる(持ち上げる)等して、同サイドテーブル40を上昇させる。すると、サイドテーブル40が収納部31から上方へ露出してくる。
【0055】
図6及び図7に示すように、サイドテーブル40の上昇に伴い、リテーナ65もサイドテーブル40と一緒に上昇する。このときには、軸部61a及びピン71も、対応する縦レール41の縦ガイド溝42に沿って上方へ摺動する。軸部61a及びピン71の移動方向が、縦レール41によって上下方向に規制される。そのため、サイドテーブル40及びリテーナ65のがたつきが抑制されながらスムーズにサイドテーブル40が上昇する。
【0056】
さらに、サイドテーブル40を引き上げると、各軸部61aが、対応する縦ガイド溝42から支持孔35aに移り、その支持孔35aに沿って上方へ摺動する。
図2及び図6の各図において二点鎖線で示すように、サイドテーブル40が中間位置まで引き上げられると、軸部61aが、対応する支持孔35aの上端の内壁面に接触し、それ以上の上方への移動を規制される。軸部61aは、軸支持部35によって回転可能に支持された状態になる。
【0057】
ここで、中間位置では、サイドテーブル40の大部分が、起立状態で収納部31から上方へ露出する。テーブルブラケット44の接触面48は、引き続き回転規制部39aから離間する。また、図6に示すようにリテーナ65は、起立状態で収納部31内の上部に位置する。各ピン71は、対応する縦ガイド溝42内に位置する。図8に示すように、リテーナ65の底板部66は、ブラケットカバー32の底板部32bに対し上方へ離れた箇所に位置する。
【0058】
さらに、乗員は、両軸部61aを中心として、同サイドテーブル40をコンソール本体21に対し、自動車用シート13からその幅方向に遠ざかる側である左下方へ回転させる。このときには、軸部61aが軸支持部35によって支持されているため、軸部61aの位置が安定する。図2図6及び図8に示すように、サイドテーブル40が使用位置まで回転されると、テーブルブラケット44の接触面48が、ブラケットカバー32の回転規制部39aに接触する。
【0059】
この接触により、図2の実線で示すようにサイドテーブル40の作業面52aは水平状態となって上方を向く。この状態で、乗員は水平状態となったサイドテーブル40の作業面52aに物品を置くことができる。
【0060】
上記のようにして、使用位置に位置したサイドテーブル40は、第1凹部としての凹部26に対して左方向(第1方向)において、隣接して配置されている。また、第2凹部としての凹部27が、前記凹部26に対して前進方向(第2方向)で隣接している。
【0061】
この状態で、サイドテーブル40の作業面52aに置いた物品を、乗員がコンソール本体側に飛ばした場合、飛ばされた物品は、サイドテーブル40に対して隣接する凹部26、または凹部27内にて受け入られることが可能である。
【0062】
この結果、飛ばされた物品のコンソール外への移動を抑制できる。このため、乗員は凹部26、または凹部27にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【0063】
<2.サイドテーブル40の使用位置から収納位置への移動>
サイドテーブル40を使用位置から収納位置へ戻す場合について説明する。
乗員は、サイドテーブル40を水平状態から収納部31の上方で起立状態に戻す。この起立状態にした後、乗員は、サイドテーブル40を下降させる。
【0064】
サイドテーブル40の下降に伴い、各軸部61aが、対応する支持孔35aから、その下方に位置する縦ガイド溝42に移る。両軸部61aを介してサイドテーブル40に連結されたリテーナ65は、同サイドテーブル40と一緒に収納部31内を下方へ移動する。
【0065】
軸部61a及びピン71が縦ガイド溝42に沿って下方へ摺動する。サイドテーブル40が収納位置まで下降すると、図7に示すように、リテーナ65の底板部66が、ブラケットカバー32の底板部32bに対する接触と、テーブルインナ55の連結板部58が、ブラケットカバー32の回転規制部39aに係止する。このことにより、サイドテーブル40の下方への移動が規制されて、サイドテーブル40の収納位置が維持される。
【0066】
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1)本実施形態のサイドテーブル40は、使用位置に位置する場合、コンソール本体21から遠ざかる方向に延びるものとなる。また、サイドテーブル40が遠ざかる方向を左方向(第1方向)とし、左方向(第1方向)と交差する前進方向を第2方向とする。そして、コンソール本体21の上面には、サイドテーブル40と隣接する凹部26(第1凹部)と、凹部26(第1凹部)に対して前進方向(第2方向)で隣接する凹部27(第2凹部)が凹設されている。
【0067】
上記構成により、乗員がサイドテーブル40上の物品をコンソール本体21側に飛ばした場合、飛ばされた物品は、前記サイドテーブル40と隣接する凹部26、または凹部27内にて受け入れることが可能となる。この結果、飛ばされた物品のコンソール外への移動が抑制される。このため、凹部26、27にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【0068】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の自動車用のコンソールを図9図12を参照して説明する。なお、第1実施形態のコンソール20と同一構成、または相当する構成については、同一符号を付してその詳細な説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0069】
本実施形態のコンソール20は、第1実施形態の凹部27が省略されるとともに、凹部26と、カップホルダ29を有する上面28とが隣接して配置されているところが、第1実施形態と異なっている。本実施形態のコンソール20の他の構成は、第1実施形態と同様の構成を有する。
【0070】
すなわち、本実施形態のカップホルダ29は、凹部26に対して前進方向において隣接するように配置されている。このことにより、カップホルダ29は、凹部26を第1凹部としたとき、凹部26に対して前進方向において隣接する第2凹部に相当する。また、カップホルダ29が形成された上面は、凹部26(第1凹部)側に近づくほど高さが低くなる傾斜面となっている。
【0071】
(第2実施形態の作用)
本実施形態のコンソール20の作用について、説明する。
<1.コンソール20が図9に示す状態の場合>
本実施形態のコンソール20では、サイドテーブル40が水平状態にした使用位置に位置した際、図9に示すように、アームレスト80をコンソールのアームレストが基準位置に位置させて、かつ、非立ち上げ状態にすることが可能である。
【0072】
コンソール20のこのような状態で、乗員がサイドテーブル40上の物品をコンソール本体21側に飛ばした場合、飛ばされた物品は、前記サイドテーブル40と隣接する凹部26内に受け入れることが可能となる。
【0073】
また、飛ばされた物品が、カップホルダ29内に入ることもあり得る。
さらに、乗員がサイドテーブル40上の物品をコンソール本体21側の上面28に飛ばした際、上面28に当たった物品は、傾斜面となっているため、凹部26側へ誘導する場合もある。この場合、誘導された物品は凹部26が受け入れられる。この結果、飛ばされた物品のコンソール外への移動が抑制される。このため、凹部26内またはカップホルダ29内にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【0074】
<2.コンソール20が図10に示す状態の場合>
コンソール20のサイドテーブル40が水平状態にした使用位置に位置した際、図10に示すように、乗員はコンソールのアームレストを拡張位置に位置させて、かつ、非立ち上げ状態にすることが可能である。
【0075】
このような場合においても、乗員がサイドテーブル40上の物品を図9で説明した内容と同様に飛ばした場合、物品のコンソール外への移動が抑制される。このため、凹部26内またはカップホルダ29内にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【0076】
<3.コンソール20が図11に示す状態の場合>
本実施形態のコンソール20では、サイドテーブル40が水平状態にした使用位置に位置した際、図11に示すように、アームレスト80をコンソールのアームレストが基準位置に位置し、かつ、立ち上げ状態にすることが可能である。この場合、凹部25が開放された状態になる。
【0077】
コンソール20のこのような状態で、乗員がサイドテーブル40上の物品をコンソール本体21側に飛ばした場合、飛ばされた物品は、図9で説明したこと以外に、さらに、凹部25内に入ることもあり得る。なお、凹部25は、凹部26を第1凹部としたとき、凹部26に対して後退方向において隣接する第2凹部に相当する。この場合、後退方向は、第1方向と交差する方向としての第2方向に相当する。
【0078】
このような場合、飛ばされた物品は、凹部25、26、或いはカップホルダ29にてコンソール外への移動が抑制される。このため、凹部25、26内またはカップホルダ29内にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【0079】
<コンソール20が図12に示す状態の場合>
コンソール20のサイドテーブル40が水平状態にした使用位置に位置した際、図12に示すように、アームレスト80をコンソールのアームレストが拡張位置に位置し、かつ、立ち上げ状態にすることが可能である。
【0080】
このような場合においても、図11で説明した内容と同様に飛ばされた物品のコンソール外への移動が抑制される。このため、凹部25、26内またはカップホルダ29内にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【0081】
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1)本実施形態のコンソール20では、カップホルダ29(第2凹部)が形成された上面は、凹部26(第1凹部)側に近づくほど高さが低くなる傾斜面になっている。
【0082】
上記の構成によれば、乗員により飛ばされた物品がカップホルダ29(第2凹部)を有する上面で受け止められた場合、当該上面(傾斜面)により物品は凹部26(第1凹部)内へ入れることが可能となる。この結果、飛ばされた物品のコンソール外への移動が抑制される。このため、凹部26(第1凹部)にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【0083】
(2)本実施形態のコンソール20では、第2凹部としてのカップホルダ29を有する。上記の構成によれば、飛ばされた物品は、第2凹部としてのカップホルダ29内にて受け入れることが可能となる。このため、カップホルダ29にある物品を乗員は拾えば良くなるため、飛ばされた物品を拾う作業が軽減される。
【0084】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変更例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0085】
・前記実施形態では、サイドテーブル40を左側の外側壁部22から左方向に延びるようにしたが、コンソール本体21の右側の外側壁部22から右方向に延びるようにしたサイドテーブルをさらに設けてもよい。この場合、新たに設けたサイドテーブルに関して右方向が第1方向に相当する。
【0086】
・前記実施形態において、左側の外側壁部22から左方向に延びるサイドテーブル40を省略して、コンソール本体21の右側の外側壁部22から右方向に延びるようにしたサイドテーブルを設けてもよい。この場合、このように設けたサイドテーブルに関して右方向が第1方向に相当する。
【0087】
・前記実施形態では、サイドテーブル40は、コンソール本体21内に収納自在としたが、外側壁部22の外側面に対して起立状態及び水平状態となるように付設してもよい。
・前記実施形態では、サイドテーブルし、収納位置、中間位置、及び使用位置に移動するようにした。これに代えて、コンソールの側壁にサイドテーブルを直接固定して当該サイドテーブルが水平となるようにしてもよい。或いは、コンソールの側壁に近接するように、フロアに固定したサイドテーブルとしてもよい。
【0088】
・センターテーブル90が省略されてもよい。
・本発明のコンソールは、自動車以外の車両に設置されるコンソールに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0089】
12,13…自動車用シート
20…コンソール
21…コンソール本体
26…凹部(第1凹部)
27…凹部(第2凹部)
28…上面(傾斜面)
29…カップホルダ(第2凹部)
31…収納部
32…ブラケットカバー
35…軸支持部
39a…回転規制部
40…サイドテーブル(テーブル)
80…アームレスト
90…センターテーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12