(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025030275
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】撮像装置及び測量システム
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20250228BHJP
【FI】
G01C15/00 103C
G01C15/00 103A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135428
(22)【出願日】2023-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083563
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 祥二
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 太一
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光学系の小型化及び装置全体の小型化を図る撮像装置及び測量システムを提供する。
【解決手段】測設作業者に方向を示す2色のガイド光19をガイド光軸18に沿って照射するガイド光照射部16と、撮像光軸21に沿って入射した外光に基づき画像を取得する撮像部17とを有し、前記ガイド光照射部と前記撮像部は前記ガイド光軸と前記撮像光軸のいずれか一方をいずれか他方と同軸となる様に偏向する偏向光学部材42と、該偏向光学部材によって同軸とされた前記ガイド光軸と前記撮像光軸上に設けられた投受光レンズ群34とを有し、前記ガイド光照射部は更に前記ガイド光を前記偏向光学部材に向って反射するガイド光反射部36bを有する様構成された。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測設作業者に方向を示す2色のガイド光をガイド光軸に沿って照射するガイド光照射部と、撮像光軸に沿って入射した外光に基づき画像を取得する撮像部とを有し、前記ガイド光照射部と前記撮像部は前記ガイド光軸と前記撮像光軸のいずれか一方をいずれか他方と同軸となる様に偏向する偏向光学部材と、該偏向光学部材によって同軸とされた前記ガイド光軸と前記撮像光軸上に設けられた投受光レンズ群とを有し、前記ガイド光照射部は更に前記ガイド光を前記偏向光学部材に向って反射するガイド光反射部を有する様構成された撮像装置。
【請求項2】
前記撮像部は、前記偏向光学部材よりも受光側に配置された撮像レンズを更に有し、前記投受光レンズ群と前記撮像レンズによりテレフォトレンズを構成する様構成された請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記ガイド光照射部と前記撮像部は2つのプリズムを接合させた投受光プリズムを有し、前記偏向光学部材は前記2つのプリズムの接合面に形成されたビームスプリッタ膜である請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記偏向光学部材は、前記ガイド光軸と前記撮像光軸の交差位置に配置されたビームスプリッタである請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記ガイド光照射部は、白色光を発する光源を更に有し、前記投受光プリズムの入射面は前記ガイド光軸と直交し、表面には分光透過率の異なる2つの領域を有する発色要素が形成され、前記白色光が前記発色要素を透過することで前記2つの領域の境界を境界とする2色の前記ガイド光が生成される様構成された請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記ガイド光照射部は、白色光を発する光源と前記ガイド光を前記ビームスプリッタに向って反射するミラーとを有し、該ミラーには分光透過率の異なる2つの領域を有する発色要素が形成され、前記白色光が前記発色要素を介して前記ミラーに反射されることで、前記2つの領域の境界を境界とする2色の前記ガイド光が生成される様構成された請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
測量装置と、該測量装置と通信可能なターゲットポールと、前記測量装置に設けられた請求項1~請求項6のうちのいずれか1項に記載の撮像装置とを有する測量システムであって、前記ターゲットポールは、下端が所定の測設点と合致する様設置されるポールと、該ポールの上端に設けられたプリズムと、前記ポールの中途部に設けられた端末装置とを有し、前記測量装置は、測距光を前記ガイド光の境界面内に照射し前記プリズム迄の距離を求める測距部と、前記測量装置を水平回転させると共に測距光を鉛直方向に偏向させ該測距光を所定の方向に射出する為の駆動部と、前記測距光の射出方向を検出する測角部と、前記測距部と前記駆動部と前記撮像装置とを制御する演算制御部とを有し、該演算制御部は2色の前記ガイド光の境界に位置する前記プリズムを測定し、該プリズムと前記測設点迄の距離と方向を演算し、演算結果を前記端末装置に送信する様に構成された測量システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者を測設点迄誘導する為のガイド光を照射すると共に、外光を受光して画像を取得する撮像装置及び測量システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
測設作業に於いて、測設作業者を杭打ち点等の測設点に誘導する為の装置としてガイド光を照射するガイド光照射装置が知られている。
【0003】
ガイド光照射装置は、主に所定の測定対象物の3次元座標を測定する為の測量装置と一体に設けられる。又、測量装置に於いては、カメラで画像を取得し、取得した画像に基づき測定対象物の視準を行う場合がある。
【0004】
然し乍ら、ガイド光照射装置とカメラとがそれぞれ独立した光学系を有している為、部品点数の増加、装置全体の光学系の大型化が懸念され、ガイド光照射装置とカメラとを一体に組込んだ装置は製造されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、光学系の小型化及び装置全体の小型化を図る撮像装置及び測量システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、測設作業者に方向を示す2色のガイド光をガイド光軸に沿って照射するガイド光照射部と、撮像光軸に沿って入射した外光に基づき画像を取得する撮像部とを有し、前記ガイド光照射部と前記撮像部は前記ガイド光軸と前記撮像光軸のいずれか一方をいずれか他方と同軸となる様に偏向する偏向光学部材と、該偏向光学部材によって同軸とされた前記ガイド光軸と前記撮像光軸上に設けられた投受光レンズ群とを有し、前記ガイド光照射部は更に前記ガイド光を前記偏向光学部材に向って反射するガイド光反射部を有する様構成された撮像装置に係るものである。
【0008】
又本発明は、前記撮像部は、前記偏向光学部材よりも受光側に配置された撮像レンズを更に有し、前記投受光レンズ群と前記撮像レンズによりテレフォトレンズを構成する様構成された撮像装置に係るものである。
【0009】
又本発明は、前記ガイド光照射部と前記撮像部は2つのプリズムを接合させた投受光プリズムを有し、前記偏向光学部材は前記2つのプリズムの接合面に形成されたビームスプリッタ膜である撮像装置に係るものである。
【0010】
又本発明は、前記偏向光学部材は、前記ガイド光軸と前記撮像光軸の交差位置に配置されたビームスプリッタである撮像装置に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記ガイド光照射部は、白色光を発する光源を更に有し、前記投受光プリズムの入射面は前記ガイド光軸と直交し、表面には分光透過率の異なる2つの領域を有する発色要素が形成され、前記白色光が前記発色要素を透過することで前記2つの領域の境界を境界とする2色の前記ガイド光が生成される様構成された撮像装置に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記ガイド光照射部は、白色光を発する光源と前記ガイド光を前記ビームスプリッタに向って反射するミラーとを有し、該ミラーには分光透過率の異なる2つの領域を有する発色要素が形成され、前記白色光が前記発色要素を介して前記ミラーに反射されることで、前記2つの領域の境界を境界とする2色の前記ガイド光が生成される様構成された撮像装置に係るものである。
【0013】
更に又本発明は、測量装置と、該測量装置と通信可能なターゲットポールと、前記測量装置に設けられた上記の撮像装置とを有する測量システムであって、前記ターゲットポールは、下端が所定の測設点と合致する様設置されるポールと、該ポールの上端に設けられたプリズムと、前記ポールの中途部に設けられた端末装置とを有し、前記測量装置は、測距光を前記ガイド光の境界面内に照射し前記プリズム迄の距離を求める測距部と、前記測量装置を水平回転させると共に測距光を鉛直方向に偏向させ該測距光を所定の方向に射出する為の駆動部と、前記測距光の射出方向を検出する測角部と、前記測距部と前記駆動部と前記撮像装置とを制御する演算制御部とを有し、該演算制御部は2色の前記ガイド光の境界に位置する前記プリズムを測定し、該プリズムと前記測設点迄の距離と方向を演算し、演算結果を前記端末装置に送信する様に構成された測量システムに係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、測設作業者に方向を示す2色のガイド光をガイド光軸に沿って照射するガイド光照射部と、撮像光軸に沿って入射した外光に基づき画像を取得する撮像部とを有し、前記ガイド光照射部と前記撮像部は前記ガイド光軸と前記撮像光軸のいずれか一方をいずれか他方と同軸となる様に偏向する偏向光学部材と、該偏向光学部材によって同軸とされた前記ガイド光軸と前記撮像光軸上に設けられた投受光レンズ群とを有し、前記ガイド光照射部は更に前記ガイド光を前記偏向光学部材に向って反射するガイド光反射部を有する様構成されたので、前記ガイド光照射部と前記撮像部とにそれぞれレンズを設ける必要がなく、部品点数の低減及び光学系の小型化が図れ、前記ガイド光照射部と前記撮像部とを同一の装置に一体に組込むことができる。
【0015】
又本発明によれば、測量装置と、該測量装置と通信可能なターゲットポールと、前記測量装置に設けられた上記の撮像装置とを有する測量システムであって、前記ターゲットポールは、下端が所定の測設点と合致する様設置されるポールと、該ポールの上端に設けられたプリズムと、前記ポールの中途部に設けられた端末装置とを有し、前記測量装置は、測距光を前記ガイド光の境界面内に照射し前記プリズム迄の距離を求める測距部と、前記測量装置を水平回転させると共に測距光を鉛直方向に偏向させ該測距光を所定の方向に射出する為の駆動部と、前記測距光の射出方向を検出する測角部と、前記測距部と前記駆動部と前記撮像装置とを制御する演算制御部とを有し、該演算制御部は2色の前記ガイド光の境界に位置する前記プリズムを測定し、該プリズムと前記測設点迄の距離と方向を演算し、演算結果を前記端末装置に送信する様に構成されたので、前記ガイド光照射部と前記撮像部とにそれぞれレンズを設ける必要がなく、部品点数の低減及び光学系の小型化が図れ、前記ガイド光照射部と前記撮像部とを同一の装置に一体に組込むことができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施例に係る測量システムの概要を説明する説明図である。
【
図2】第1の実施例に係る測量装置の構成を示す構成図である。
【
図3】第1の実施例に係る撮像装置の要部を示す説明図である。
【
図4】第1の実施例に係る発色要素の説明図である。
【
図5】第1の実施例に係る白色光の分光特性、ダイクロイック膜の膜透過率特性、ダイクロイック膜の透過後白色光の分光特性を示すグラフである。
【
図6】第2の実施例に係る撮像装置の要部を示す説明図である。
【
図7】第3の実施例に係る撮像装置の要部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0018】
先ず、
図1に於いて、本発明の実施例に係る測量システムの概略について説明する。
【0019】
測量システム1は、測量装置2とターゲットポール3とを有している。尚、
図1中では、該ターゲットポール3が測設点4に設置された状態を示している。前記測量装置2は既知の3次元座標を有する設置点に設置され、視準方向は前記測設点4に設定される。
【0020】
前記測量装置2は、例えば追尾機能を有するトータルステーションであり、三脚5等の支持装置を介して設置されている。又、前記測量装置2は、機械中心(器械点)を基準とした所望の測定点の3次元座標を測定できると共に、前記器械点の高さに基づき前記設置点を基準とした前記ターゲットポール3が設置された前記測設点4の3次元座標を測定可能となっている。
【0021】
前記測量装置2は、前記三脚5上に設けられた整準部6と、該整準部6上に水平回転可能に設けられた測量装置本体7とを有している。又、該測量装置本体7の上面にはガイド光照射機能を有する撮像装置8が設けられている。
【0022】
前記整準部6は、該整準部6の傾斜を検出する為のセンサ(図示せず)と、該整準部6を整準する整準ネジを駆動する為のモータ(図示せず)を有しており、前記センサの検出結果に基づき自動で前記整準部6の整準を行う様になっている。
【0023】
前記測量装置本体7は測距部9(後述)を有している。又、前記測量装置本体7に設けられた縦長のスリット状の投光窓11を有し、前記測距部9は鉛直方向に偏向可能な測距光軸12上に測距光を射出し、測定対象物(後述するプリズム13)で反射された反射測距光に基づき前記プリズム13迄の距離を測定する様構成されている。又、前記測量装置本体7は追尾部20(後述)を有している。該追尾部20は、前記測距光と同軸上(前記測距光軸12上)に追尾光を射出し、前記プリズム13で反射された反射追尾光に基づきレーザトラッキングを行う様構成されている。
【0024】
前記ターゲットポール3は、下端が尖端となったポール14と、該ポール14の上端に設けられた前記プリズム13と、前記ポール14の中途部に設けられた端末装置15とを有し、前記ポール14の下端が前記測設点4と合致する様に前記ターゲットポール3が設置される。
【0025】
前記プリズム13は、例えば再帰反射性を有する全周プリズムであり、前記プリズム13の光学中心は前記ポール14の軸心上に位置している。又、該ポール14の下端から前記プリズム13の光学中心迄の距離は既知となっている。
【0026】
更に、前記ターゲットポール3は、気泡管等の図示しない水準器を有し、該水準器を介して前記ターゲットポール3を鉛直姿勢に整準することができる。
【0027】
前記端末装置15は、例えばスマートフォンであり、無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線通信手段により、前記測量装置2と通信可能となっており、前記測量装置2で測定された前記プリズム13の3次元座標や、前記測量装置2で予め設定された前記測設点4の3次元座標、或は前記測量装置2から直接入力された前記測設点4の3次元座標を表示可能である。又、前記端末装置15は、前記測量装置2が演算した前記プリズム13の位置を基準とした前記測設点4の位置、即ち前記プリズム13から前記測設点4迄の距離、前記プリズム13を基準とした前記測設点4の方向を表示可能となっている。更に、前記端末装置15は、前記プリズム13の位置と前記測設点4の位置が合致した際に、音等のアラームで作業者に通知する様に構成されている。
【0028】
前記撮像装置8は、ガイド光照射部16と撮像部17とを有している。前記ガイド光照射部16は、前記測距光軸12と同一平面内にガイド光軸18を有する様にガイド光19を照射する様に構成されている。該ガイド光19は、例えば赤色の可視光である第1ガイド光19aと青色の可視光である第2ガイド光19bからなり、前記ガイド光軸18(前記測距光軸12)を境界19cとする2色の可視光となっている。例えば、前記ガイド光19は、前記測距光軸12と正対した時には赤色と青色の両方の光が見え、前記測距光軸12の右側からは青色の光のみが見え、該測距光軸12の左側からは赤色の光のみが見える様構成されている。尚、前記ガイド光軸18は、前記境界19cの中心に位置し、前記測距光軸12は前記ガイド光軸18に対して鉛直方向に傾斜可能となっている。即ち、測距光は前記境界19cで形成される面内に照射される。
【0029】
前記撮像部17は、前記ガイド光19と同軸で、即ち前記ガイド光軸18と同軸な撮像光軸21に沿って入射した外光に基づき画像を取得可能となっている。尚、前記測距光軸12と前記撮像光軸21との相対回転角は鉛直角検出器25(後述)により取得可能であり、前記測距光の射出位置と前記撮像光軸21との距離も既知となっている。従って、前記撮像部17で取得した画像中での前記測距光軸12の位置を特定できる。
【0030】
又、前記ガイド光照射部16により前記ガイド光19が照射されている場合には、前記撮像部17による画像の取得が行われず、該撮像部17による画像の取得が行われている場合には、前記ガイド光照射部16による前記ガイド光19の照射は行われない。即ち、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17は択一的に使用される。
【0031】
次に、
図2に於いて、前記測量装置2の構成について説明する。
【0032】
該測量装置2は、前記測量装置本体7を前記整準部6に対して回転させる為の水平回転駆動部22と、前記測量装置本体7の回転角(水平角)を検出する為の水平角検出器23と、前記測距光軸12を鉛直面内で回転させる為の偏向部材(例えばミラー)を回転させる為の鉛直回転駆動部24と、前記偏向部材の回転角(鉛直角)を検出する為の前記鉛直角検出器25とを有している。又、前記測量装置2は、演算制御部26と、記憶部27と、通信部28と、表示部29と、操作部31とを有している。
【0033】
尚、前記水平回転駆動部22と前記鉛直回転駆動部24とにより前記測量装置2の駆動部が構成され、前記水平角検出器23と前記鉛直角検出器25とにより測距光の照射方向を検出する為の測角部が構成される。
【0034】
前記演算制御部26としては、本実施例に特化されたCPU、或は汎用性CPU、埋込みCPU、マイクロプロセッサ等が用いられる。又、前記記憶部27としては、RAM、ROM、FlashROM、DRAM等の半導体記憶メモリ、HDD等の磁気記憶メモリ、CDROM等の光学記憶メモリ等が用いられる。
【0035】
前記記憶部27には、測距作動を制御する為のシーケンスプログラム、測距作動により距離を演算する為の測距プログラム、前記水平角検出器23と前記鉛直角検出器25の検出結果に基づき前記測距光軸12の延出方向(角度)を演算する為の測角プログラム、距離と角度に基づき所望の測定点の3次元座標を演算する為の測定プログラム、前記整準部6に整準を行わせる為の整準プログラム、前記追尾部20に前記プリズム13を追尾させる為の追尾プログラム、前記端末装置15と通信する為の通信プログラム、前記水平回転駆動部22と前記鉛直回転駆動部24とを制御する為の駆動制御プログラム、前記ガイド光照射部16にガイド光を照射させる為のガイド光照射プログラム、前記撮像部17に画像を取得させる為の画像取得プログラム、測定結果等を前記表示部29に表示させる為の表示プログラム等のプログラムが格納される。
【0036】
又、前記記憶部27には、所定の測定点を測定した際の測定データ(測距データ及び測角データ)や、前記測設点4の3次元座標データ等のデータが格納される。前記演算制御部26は、前記記憶部27に格納された各種プログラムを展開、実行し、各種処理を実行する。
【0037】
前記通信部28は、前記測量装置2から前記端末装置15へのデータの送信、或は該端末装置15から前記測量装置2へのデータの受信を行う機能を有している。尚、前記測量装置2と前記端末装置15との間で送信されるデータとしては、例えば前記測量装置2による測定結果、前記撮像部17が取得した画像等となっている。又、前記操作部31は、測定条件等の入力が可能であり、前記表示部29には設定画面や測定結果等が表示される様になっている。
【0038】
次に、
図3を参照して、前記撮像装置8の構成について説明する。該撮像装置8は、前記演算制御部26により制御される。
【0039】
前記ガイド光照射部16は、前記ガイド光軸18を有している。又、前記ガイド光照射部16は、発光側から順に、前記ガイド光軸18上に設けられた光源32と、投受光プリズム33と、該投受光プリズム33の反射光軸上に設けられた投受光レンズ群34とを有している。尚、前記ガイド光軸18と、前記投受光プリズム33で反射された前記ガイド光軸18とを総称して、該ガイド光軸18としている。
【0040】
前記光源32は、広帯域の波長を有する光を発する広帯域光源であり、例えば赤色光、青色光、緑色光等の可視光領域の光を含む白色光を発するLEDである。
【0041】
前記投受光プリズム33は、断面矩形の第1プリズム35と、断面直角二等辺三角形状の第2プリズム36とが接合された五角形のプリズムとなっている。前記投受光プリズム33は、前記ガイド光19を内部反射し、所要の方向に偏向する様に構成されている。
【0042】
又、前記投受光レンズ群34は、例えば平面と凹曲面によって構成される平凹レンズと凸レンズとを組合わせた凸レンズ群となっており、前記ガイド光19が所定の広がり角で拡散する様に偏向する様構成されている。尚、前記投受光レンズ群34は凸レンズ群であればよく、凹レンズと凸レンズの組合わせであってもよく、凸レンズ同士の組合わせであってもよい。
【0043】
又、前記撮像部17は撮像光軸21を有している。前記撮像部17は、受光側から順に、前記撮像光軸21上に設けられた受光素子38と、撮像レンズ39と、前記投受光プリズム33を有すると共に、該投受光プリズム33で反射された前記撮像光軸21上に設けられた前記投受光レンズ群34とを有している。
【0044】
尚、本実施例では、前記撮像光軸21と、前記投受光プリズム33で反射された前記撮像光軸21とを総称して、該撮像光軸21としている。又、該撮像光軸21は、前記投受光プリズム33により前記ガイド光軸18と合致する様に偏向される。即ち、前記投受光プリズム33と前記投受光レンズ群34は、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17の共通光路上に位置している。又、前記撮像部17には、前記ガイド光軸18に沿って照射される前記ガイド光19と同軸で、前記撮像光軸21に沿って外光(背景光)が入射する様に構成される。
【0045】
前記受光素子38は、画素の集合体であるCCD、或はCMOSセンサであり、各画素の前記受光素子38上での位置が特定できる様になっている。例えば、各画素は、前記受光素子38の中心を原点とした画素座標を有し、該画素座標によって前記受光素子38上での位置が特定される。
【0046】
前記撮像レンズ39は、例えば前記投受光プリズム33と対向する面が凹曲面、前記受光素子38と対向する面が凸曲面のレンズとなっている。又、前群の前記投受光レンズ群34と後群の前記撮像レンズ39とをカメラレンズとして用いることで、前記撮像部17はテレフォトタイプのレンズ(テレフォトレンズ)を有するカメラとなる。尚、前記撮像レンズ39は、凹曲面を有する様複数のレンズを接合させた凹レンズ群としてもよいし、少なくとも一つの凹レンズを含む複数のレンズからなる凹レンズ群としてもよい。
【0047】
該撮像部17は、前記ガイド光照射部16が前記ガイド光19を照射していない時に、前記ガイド光軸18と同軸で入射した外光により画像を取得する様に構成されており、前記投受光レンズ群34に入射する外光の角度(画角)は、前記追尾部20の画角(例えば1°~3°)よりも大きくなっている。即ち、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17は択一的に用いられ、前記撮像部17で取得された画像は前記記憶部27に格納されると共に、前記端末装置15へと送信される。
【0048】
尚、前記ガイド光軸18は、前記測量装置本体7が水平姿勢とし、測距光軸12を水平に偏向した時に、該測距光軸12と平行となる。又、この時の位置関係(オフセット距離)は既知となっている。即ち、前記測距光軸12と前記ガイド光軸18は同一平面内に位置し、前記測距光軸12と前記撮像光軸21も同一平面内に位置している。更に、前記鉛直角検出器25の検出結果に基づき、前記撮像光軸21に対する前記測距光軸12の相対回転角も演算できる。
【0049】
次に、前記投受光プリズム33の詳細について説明する。尚、
図3中、紙面に対して右側を右側と称し、紙面に対して左側を左側と称す。
【0050】
前記第1プリズム35は、前記光源32と対向し、発色要素41(後述)を介して前記光源32からの白色光が前記ガイド光19として入射する第1面35aと、該第1面35aと対向し、該第1面35aを透過した前記ガイド光19が入射する第2面35bと、前記第1面35aの左端と前記第2面35bの左端との間に形成され、該第2面35bで内部反射された前記ガイド光19が入射する第3面35cと、該第3面35cと対向し、前記第1面35aの右端と前記第2面35bの右端との間に形成される第4面35dとを有している。
【0051】
又、前記第2プリズム36は、前記第3面35cと同一面積を有し、該第3面35cと接合する第1面36aと、該第1面36aを透過した前記ガイド光19が入射するガイド光反射部としての第2面36bと、前記第1面36aと前記第2面36bとの間に形成された第3面36cとを有している。
【0052】
前記第1面35aは、前記ガイド光軸18と直交し、前記ガイド光19が入射角0°で直角に入射する様に構成されている。即ち、前記第1面35aは前記ガイド光19の入射面となる。
【0053】
前記第2面35bは、前記第1面35aと対向し、前記投受光レンズ群34に入射角0°で直角に入射する様前記ガイド光軸18を偏向する。又、前記第2面35bに対する前記ガイド光19の入射角は小さく、前記ガイド光軸18と前記第2面35bで反射された前記ガイド光軸18とのなす角度は鋭角となる。
【0054】
前記第2プリズム36との接合面である前記第3面35cは、前記第2面35bで偏向された前記ガイド光軸18に対して例えば45°傾斜しており、表面には偏向光学部材としてのビームスプリッタ膜42が蒸着されている。該ビームスプリッタ膜42は、例えば可視光の50%を透過し50%を反射する光学特性を有しており、前記ガイド光軸18と前記撮像光軸21の交差位置に位置している。従って、前記ビームスプリッタ膜42は、前記第3面35cに入射した前記ガイド光19の50%を透過すると共に、前記第3面35cに入射した外光の50%を前記第3面36cに向って直角に反射する様になっている。
【0055】
前記第2面36bは、前記ビームスプリッタ膜42を透過し、前記第2プリズム36内に入射した前記ガイド光軸18と直交する。従って、前記第2面36bは、前記ガイド光19が入射角0°で直角に入射し、前記第2プリズム36から射出する様に構成されている。即ち、前記第2面36bは前記ガイド光19の射出面となる。
【0056】
又、前記第1プリズム35の前記第1面35aには、前記発色要素41が形成されている。該発色要素41は、前記光源32から発せられる白色光の光路上に位置し、該白色光の光束よりも大きくなっている。従って、白色光は、前記第1面35aに入射する過程で前記発色要素41を透過し、前記第1面35aには前記発色要素41を透過した白色光、即ち前記ガイド光19が入射する。
【0057】
前記発色要素41は、
図4に示される様に、前記ガイド光軸18が通る境界41cの左右の領域41a,41bで異なる分光透過率を有する光学特性となっている。前記発色要素41としては、例えば前記第1面35aに蒸着されたダイクロイック膜が用いられる。
【0058】
尚、
図3中では、前記発色要素41が前記投受光レンズ群34の焦点位置に設けられ、前記光源32が焦点位置近傍に設けられているが、該光源32を前記投受光レンズ群34の焦点位置に設け、前記発色要素41を焦点位置近傍に設けてもよい。
【0059】
該発色要素41をダイクロイック膜として、例えば左側領域41aの分光透過波長を650nm~750nm(赤色)とし、右側領域41bの分光透過波長を400nm~500nm(青色)とする。
【0060】
図5は、前記ガイド光19の分光特性、前記領域41bのダイクロイック膜の分光透過率特性、ダイクロイック膜透過後の前記ガイド光19の分光特性の関係の一例を示している。尚、
図5中、実線Aは前記光源32から発せられる白色光の分光特性を示し、破線Bはダイクロイック膜の透過率特性を示し、一点鎖線Cはダイクロイック膜透過後の白色光、即ち前記ガイド光19の分光特性を有している。
【0061】
前記領域41bのダイクロイック膜の透過率特性は、400nm~500nmの波長を透過するので、前記領域41bを透過した前記第2ガイド光19bは青色光となっている。尚、前記領域41aのダイクロイック膜の透過率特性は650nm~750nmの波長を透過するので、前記領域41aを透過した前記第1ガイド光19aは赤色光となっている。
【0062】
前記光源32から発せられた白色光は、前記第1プリズム35に入射する過程で、前記発色要素41を透過する。前記領域41aを透過した白色光は赤色の前記第1ガイド光19aとなり、前記領域41bを透過した白色光は青色の前記第2ガイド光19bとなる。従って、前記白色光は、前記境界19cを境に赤色の前記第1ガイド光19aと青色の前記第2ガイド光19bからなる2色の前記ガイド光19として前記第1プリズム35の前記第1面35aに入射する。
【0063】
該第1面35aに入射した前記ガイド光19は、前記第2面35bで前記ビームスプリッタ膜42に向って反射され、入射角45°で前記ビームスプリッタ膜42(前記第3面35c,前記第1面36a)に入射する。前記ビームスプリッタ膜42を透過し、前記第2プリズム36に入射した前記ガイド光19は、前記第2面36bに入射角0°で直角に入射し、前記投受光プリズム33から射出される。
【0064】
該投受光プリズム33から射出された前記ガイド光19は、前記投受光プリズム33を透過することで、所定の広がり角を有する前記ガイド光19として前記測設点4に照射される。
【0065】
次に、前記測量システム1を用いた測設作業時の測設作業者の誘導処理について説明する。
【0066】
先ず、前記測量装置2を既知の3次元座標を有する設置点に設置し、任意の方向に向ける。次に、前記操作部31を介して、或は前記端末装置15を介して、前記演算制御部26に処理を開始させる。該演算制御部26は、前記測距部9と前記追尾部20を駆動すると共に、前記撮像部17により前記ガイド光軸18と同軸で画像を取得し、取得した画像を前記端末装置15にリアルタイムで送信する。
【0067】
作業者は、該端末装置15に表示された画像を参照して、画像の中心に前記プリズム13が位置する様、前記ターゲットポール3を搬送する。この時、前記プリズム13は、前記画像の概略中心に位置すればよい。該ターゲットポール3が前記画像の中心近傍迄搬送されると、前記端末装置15を介して前記ガイド光19の照射指示が送信される。
【0068】
前記演算制御部26は、受信した照射指示に基づき、画像の取得を停止すると共に、前記ガイド光照射部16を駆動させ、前記ガイド光軸18に沿って所定の広がり角で前記ガイド光19を照射する。
【0069】
ここで、測距光と追尾光が前記測距光軸12に沿って同軸で照射され、該測距光軸12は前記ガイド光軸18と同一平面内に位置している。即ち、前記測距光軸12と前記追尾光の光軸は、前記境界19c上に位置し、前記測距光と前記追尾光は前記境界19c上に照射される。
【0070】
作業者は、前記ガイド光19を参照し、前記ターゲットポール3を搬送する。ここで、該ターゲットポール3が前記境界19cよりも左側に位置している場合には、前記ターゲットポール3は前記第1ガイド光19aの照射範囲に位置するので、作業者は赤色の前記第1ガイド光19aのみを視認する。又、前記ターゲットポール3が前記境界19cよりも右側に位置している場合には、前記ターゲットポール3は前記第2ガイド光19bの照射範囲に位置するので、作業者は青色の前記第2ガイド光19bのみを視認する。
【0071】
作業者は、視認された前記ガイド光19が赤色であれば前記ターゲットポール3を右側に搬送し、青色であれば前記ターゲットポール3を左側に搬送する。作業者は、該ターゲットポール3を前記境界19c上迄、即ち前記第1ガイド光19aと前記第2ガイド光19bの両方が視認できる迄前記ターゲットポール3を搬送する。
【0072】
前記プリズム13が前記境界19c上に位置する時、前記プリズム13は前記追尾光の左右方向の画角内に位置する。又、前記追尾光が前記プリズム13で反射された際の追尾光(反射追尾光)は、該プリズム13以外を照射した場合の反射追尾光と比べて反射光量が大幅に増大する。従って、前記演算制御部26は、前記反射追尾光の受光量の増大を検知すると、前記追尾部20に前記プリズム13の追尾を開始させる。尚、前記ターゲットポール3を前記境界19c上迄搬送しても追尾が始まらない場合は、前記プリズム13が前記追尾光の画角内に収まる様、前記ターゲットポール3を上下方向に移動させる。
【0073】
又、前記測距光は前記追尾光と同軸で照射されているので、前記プリズム13の追尾と並行して、前記演算制御部26は前記測距部9に前記プリズム13の測定(測距及び測角)を実行させる。即ち、前記プリズム13の3次元座標がリアルタイムで演算される。
【0074】
前記演算制御部26は、前記ターゲットポール3の測定結果(3次元座標)に対する前記測設点4の位置、即ち該測設点4迄の距離と方向を演算し、前記通信部28を介して前記端末装置15に送信する。
【0075】
作業者は、前記端末装置15に表示された前記測設点4迄の距離と方向に基づき、該測設点4に向って前記ターゲットポール3を搬送する。ここで、前記プリズム13は、追尾と並行してリアルタイムで測定されているので、前記測設点4迄の距離と方向はリアルタイムで更新される。
【0076】
前記測設点4迄の距離が0となると、即ち前記ターゲットポール3が前記測設点4上迄移動されると、前記端末装置15は音等で誘導完了のアラームを通知し、前記ターゲットポール3の誘導処理が完了する。他にも誘導すべき前記測設点4が存在する場合には、前記測量装置2により次の測設点への誘導処理が行われる。
【0077】
上述の様に、第1の実施例では、前記撮像装置8に設けられた前記投受光レンズ群34が前記ガイド光軸18上且つ前記撮像光軸21上に配置されている。即ち、前記投受光レンズ群34は前記ガイド光19と外光の共通光路上に位置している。
【0078】
従って、前記ガイド光19が所定の広がり角となる様に拡大させるレンズと、外光を前記受光素子38に集光させる為のレンズを別途設ける必要がないので、部品点数が低減され、製作コストの低減が図れると共に、光学系の小型化を図ることができる。又、光学系が小型化されることで、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17とを同一の装置内に一体に組込むことができる。
【0079】
又、前記撮像装置8は、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17とを択一的に使用する様に構成されている。従って、前記ガイド光軸18上に設けられた窓部(図示せず)で反射された前記ガイド光19が迷光として前記受光素子38に受光されるのを防止することができ、画像の取得精度を向上させることができる。
【0080】
又、前記測距光軸12と前記ガイド光軸18は前記ガイド光19の前記境界19c上に位置しているので、前記プリズム13を容易に前記測距光の照射範囲迄搬送することができる。
【0081】
又、第1の実施例では、前記ガイド光照射部16が前記投受光プリズム33を有し、該投受光プリズム33は前記ガイド光19を前記撮像光軸21と同軸となる様鋭角で内部反射させる様に構成されている。従って、前記投受光プリズム33で反射された前記撮像光軸21と平行な方向(水平方向)に前記投受光レンズ群34の焦点距離分のスペースを確保する必要がないので、前記ガイド光照射部16の光学系の小型化が図れると共に、前記撮像装置8全体の小型化を図ることができる。
【0082】
又、前記撮像部17のカメラレンズ、即ち前記投受光レンズ群34と前記撮像レンズ39のうち、前記投受光レンズ群34のみが前記ガイド光照射部16と共用されている。従って、カメラレンズ全体が前記ガイド光照射部16と共用される場合よりも焦点距離を短くできるので、前記ガイド光19の広がり角を大きくすることができると共に、光学系を更に小型化することができる。
【0083】
更に、前記撮像部17のカメラレンズのうち、前記投受光レンズ群34のみを前記ガイド光照射部16と共用とすることで、バックフォーカスの短いレンズを前記撮像レンズ39として用いることができる。
【0084】
尚、第1の実施例では、前記測量装置2を任意の方向に向けた後、画像又は前記ガイド光19に基づき、作業者が前記測量装置2の正面に向って前記ターゲットポール3を搬送し、自動追尾を開始させている。一方で、入力或は記憶された前記測設点4の3次元座標に基づき、前記測量装置2を自動で前記測設点4の方向に向けてもよい。この場合、画像又は前記ガイド光19に基づき前記ターゲットポール3を搬送し、自動追尾が開始された後は、前記ターゲットポール3を前後に搬送するだけでよい。
【0085】
又、第1の実施例では、前記測量装置2の前記演算制御部26により前記撮像装置8、即ち前記ガイド光照射部16と前記撮像部17を制御しているが、前記撮像装置8に別途演算制御部を設け、該演算制御部により前記ガイド光照射部16と前記撮像部17を制御してもよい。
【0086】
又、第1の実施例では、前記領域41aと前記領域41bとをそれぞれ透過率特性の異なるダイクロイック膜を形成している。一方で、前記領域41aと前記領域41bのいずれか一方、例えば前記領域41aについてはダイクロイック膜を形成しない、或はAR(Anti Reflection)コートのみを形成してもよい。この場合、前記ガイド光19は白色の第1ガイド光19aと青色の第2ガイド光19bの2色光となる。
【0087】
次に、
図6に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、
図6中、
図3中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0088】
第2の実施例では、偏向光学部材として、ガイド光軸18と撮像光軸21の交差位置に配置されたビームスプリッタ43が用いられる。該ビームスプリッタ43は入射した光の50%を透過し、50%を反射する光学特性を有している。又、前記ビームスプリッタ43の透過側がガイド光照射部16となっており、前記ビームスプリッタ43の反射側が撮像部17となっている。
【0089】
前記ガイド光照射部16は、発光側から順に、ガイド光軸18上に設けられた光源32と、ガイド光反射部としてのミラー44と、該ミラー44の反射光軸上に設けられた前記ビームスプリッタ43及び投受光レンズ群34を有している。尚、前記ガイド光軸18と前記ミラー44で反射された前記ガイド光軸18とを総称して、該ガイド光軸18としている。
【0090】
前記ミラー44には、発色要素41が形成されている。該発色要素41は、第1の実施例と同様に、前記ミラー44に入射する白色光の光束径よりも大きくなっている。白色光が前記ミラー44で反射される過程で、前記発色要素41を透過し、例えば青色光と赤色光の2色からなるガイド光19が生成される。
【0091】
該ガイド光19は、前記ミラー44により前記ビームスプリッタ43に向って反射され、該ビームスプリッタ43を透過する過程で撮像光軸21と合致する様に偏向され、投受光レンズ群34により所定の広がり角となるように偏向され、所定の測設点4(
図1参照)に照射される。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0092】
第2の実施例に於いても、前記投受光レンズ群34が前記ガイド光軸18上且つ前記撮像光軸21上に配置され、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17とで共用される構成となっている。従って、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17とでそれぞれレンズを設ける必要がないので、部品点数が低減され、製作コストの低減が図れると共に、光学系の小型化を図ることができる。又、光学系が小型化されることで、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17とを同一の装置内に一体に組込むことができる。
【0093】
又、前記ガイド光19(白色光)は、前記ミラー44で前記ビームスプリッタ43に向って反射される様に構成されている。従って、前記ビームスプリッタ43で反射された前記撮像光軸21と平行な方向(水平方向)に前記投受光レンズ群34の焦点距離分のスペースを確保する必要がないので、前記ガイド光照射部16の光学系の小型化が図れると共に、前記撮像装置8全体の小型化を図ることができる。
【0094】
次に、
図7に於いて、本発明の第3の実施例について説明する。尚、
図7中、
図3中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0095】
第3の実施例では、投受光プリズム45が断面台形の第1プリズム46と、第1の実施例と同様の第2プリズム36とが接合された四角形のプリズムとなっている。
【0096】
前記第1プリズム46は、光源32と対向する第1面46aと、該第1面46aと対向する第2面46bと、前記第1面46aの右端と前記第2面46bの右端との間に形成されるガイド光反射部としての第3面46cと、該第3面46cと対向し、前記第1面46aの左端と前記第2面46bの左端との間に形成される第4面46dとを有している。
【0097】
前記第1面46aは、ガイド光軸18と直交し、ガイド光19が入射角0°で直角に入射する様に構成されている。又、前記第1面46aには第1の実施例と同様の発色要素41が形成され、前記光源32から発せられた白色光が入射する過程で、前記発色要素41を透過し、例えば青色光と赤色光の2色のガイド光19として前記第1面46aに入射する。即ち、前記第1面46aは前記ガイド光19の入射面となる。
【0098】
又、前記第2面46bは、前記第1面46aと平行であり、水平方向の幅が前記第1面46aよりも狭くなっている。従って、前記第3面46cは下方に向って投受光レンズ群34と近接する方向に傾斜し、前記第1面46aを透過した前記ガイド光19を前記投受光レンズ群34に向って例えば直角に反射する。
【0099】
前記第4面46dは、第1面36aと同一面積を有し、表面に偏向光学部材としてのビームスプリッタ膜42が蒸着されている。又、前記第4面46dは、下方に向って前記投受光レンズ群34から離反する様に傾斜し、前記第1面36aと接合されている。前記第4面46dと前記第1面36aが接合されることで、前記第1プリズム46と前記第2プリズム36が一体化されると共に、第3面36cと前記第2面46bが面一となる。
【0100】
前記光源32から発せられた白色光は、前記第1面46aに入射する過程で、前記発色要素41を透過し、例えば青色光と赤色光の2色からなるガイド光として前記第1プリズム46内に入射する。
【0101】
前記ガイド光19は、前記第3面46cで前記撮像光軸21と合致する様に前記ビームスプリッタ膜42に向って反射され、該ビームスプリッタ膜42を透過し、前記投受光レンズ群34により所定の広がり角となる様に偏向され、所定の測設点4(
図1参照)に照射される。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0102】
第3の実施例に於いても、前記投受光レンズ群34が前記ガイド光軸18上且つ前記撮像光軸21上に配置され、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17とで共用される構成となっている。従って、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17とでそれぞれレンズを設ける必要がないので、部品点数が低減され、製作コストの低減が図れると共に、光学系の小型化を図ることができる。又、光学系が小型化されることで、前記ガイド光照射部16と前記撮像部17とを同一の装置内に一体に組込むことができる。
【0103】
又、前記ガイド光19(白色光)は、前記投受光プリズム45により前記投受光レンズ群34に向って偏向される様に構成されている。従って、前記ビームスプリッタ膜42で反射された前記撮像光軸21と平行な方向(水平方向)に前記投受光レンズ群34の焦点距離分のスペースを確保する必要がないので、前記ガイド光照射部16の光学系の小型化が図れると共に、前記撮像装置8全体の小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0104】
1 測量システム
2 測量装置
3 ターゲットポール
4 測設点
8 撮像装置
15 端末装置
16 ガイド光照射部
17 撮像部
18 ガイド光軸
19 ガイド光
21 撮像光軸
26 演算制御部
32 光源
33 投受光プリズム
34 投受光レンズ群
35 第1プリズム
36 第2プリズム
41 発色要素