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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003055
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】スライドレール
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/483 20170101AFI20241226BHJP
【FI】
A47B88/483
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103514
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】391033827
【氏名又は名称】作新工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 民濬
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB32
3B160BA02
3B160EA07
3B160EA13
3B160EA33
3B160EA37
(57)【要約】
【課題】故障を抑制できるスライドレールを提供する。
【解決手段】スライドレールは、固定側部材に対して可動側部材を摺動可能に支持するスライドレールであって、摺動方向に延在する第一摺動面を有する第一レールと、摺動方向に延在し、第一摺動面に摺接する第二摺動面を有し、第一レールに摺動可能に組み付けられた第二レールと、を備え、第一レールは、樹脂製であり、第二レールは、金属製である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側部材に対して可動側部材を摺動可能に支持するスライドレールであって、
摺動方向に延在する第一摺動面を有する第一レールと、
前記摺動方向に延在し、前記第一摺動面に摺接する第二摺動面を有し、前記第一レールに摺動可能に組み付けられた第二レールと、を備え、
前記第一レールは、樹脂製であり、
前記第二レールは、金属製である、
スライドレール。
【請求項2】
前記第一レールは、使用状態において、固定側部材に固定され、
前記第二レールは、使用状態において、前記第一レールの上方において、前記固定側部材に対して摺動可能な可動側部材に固定され、
前記第一摺動面と前記第二摺動面とは、使用状態において、上下方向に対向する、
請求項1に記載のスライドレール。
【請求項3】
前記第一レールは、
第一側面に設けられた前記摺動方向に延在する第一ガイド溝と、
第二側面に設けられた前記摺動方向に延在する第二ガイド溝と、を有し、
前記第二レールは、
前記第一ガイド溝に案内される第一ガイド部と、
前記第二ガイド溝に案内される第二ガイド部と、を有する、
請求項1に記載のスライドレール。
【請求項4】
前記第一レールは、ストッパ部を有し、
前記第二レールは、前記ストッパ部と、前記摺動方向において所定距離を空けて対向する被ストッパ部を有し、
前記第二レールは、前記ストッパ部と前記被ストッパ部との当接に基づいて、伸長方向への移動を規制される、
請求項3に記載のスライドレール。
【請求項5】
前記被ストッパ部は、前記第二ガイド部により構成されている、
請求項4に記載のスライドレール。
【請求項6】
前記ストッパ部は、前記第二ガイド溝の前記伸長方向における前側に設けられている、
請求項5に記載のスライドレール。
【請求項7】
前記第一レールは、前記第二ガイド溝の端部に隣接した位置に、前記第二ガイド溝に侵入した異物を排出する切欠部を有する、
請求項6に記載のスライドレール。
【請求項8】
前記第二レールは、前記第一レールの前記第一側面及び前記第二側面と近接対向する覆い部を有し、
前記覆い部は、
前記第一側面と近接対向して前記第一ガイド溝を覆う第一覆い部と、
前記第二側面と近接対向して前記第二ガイド溝を覆う第二覆い部と、を有する、
請求項3に記載のスライドレール。
【請求項9】
前記第一ガイド部と前記第二ガイド部とは、前記摺動方向においてオフセットしている、
請求項3に記載のスライドレール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、固定側部材に対して可動側部材をスライド可能に支持するスライドレールが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されたスライドレールは、摺動可能に組み合わされた固定側レール及び可動側レールを有する。可動側レールは、固定側レールと可動側レールとの間に転動自在に配置されたボールを介して、固定側レールに摺動可能に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-174993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ボールを有するスライドレールの場合、可動側レールの移動が繰り返されると、ボールの周囲に塵等の異物が入り込んでしまう可能性がある。このような異物によりスライドレールが故障してしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、故障を抑制できるスライドレールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスライドレールの一態様は、
固定側部材に対して可動側部材を摺動可能に支持するスライドレールであって、
摺動方向に延在する第一摺動面を有する第一レールと、
摺動方向に延在し、第一摺動面に摺接する第二摺動面を有し、第一レールに摺動可能に組み付けられた第二レールと、を備え、
第一レールは、樹脂製であり、
第二レールは、金属製である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、故障を抑制できるスライドレールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態1に係るスライドレールの斜視図である。
図2図2は、スライドレールの斜視図である。
図3図3は、スライドレールの使用状態を示す正面図である。
図4図4は、スライドレールの分解斜視図である。
図5図5は、スライドレールの分解斜視図である。
図6図6は、上側レールの斜視図である。
図7図7は、スライドレールの左側面図である。
図8図8は、スライドレールの右側面図である。
図9図9は、図2のC-C断面図である。
図10図10は、図2のC-C断面図である。
図11図11は、スライドレールの収縮状態を示す模式側面図である。
図12図12は、スライドレールの伸長状態を示す模式側面図である。
図13図13は、本発明の実施形態2に係るスライドレールにおける上側レールの斜視図である。
図14図14は、本発明の実施形態3に係るスライドレールにおける上側レールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るスライドレールについて説明する。尚、同じ構成要素には同じ符号を付している。添付の図面と共に以下に記載される事項は、例示的な実施形態を説明するためのものであり、唯一の実施形態を示すためのものではない。
【0011】
[実施形態1]
図1図12を参照して、本発明の実施形態1に係るスライドレール1について説明する。尚、以下の説明において、各図に示される直交座標系を使用する。
【0012】
直交座標系における左右方向は、スライドレール1の使用状態(図3に示す状態)における左右方向である。直交座標系における前後方向は、スライドレール1の摺動方向でもある。
【0013】
直交座標系における前側は、スライドレール1が収縮状態から伸長状態に遷移する際に、後述の上側レール3が、下側レール2に対して移動する方向である。直交座標系における前側は、スライドレール1の伸長方向でもある。
【0014】
直交座標系における後側は、スライドレール1が伸長状態から収縮状態に遷移する際に、後述の上側レール3が、下側レール2に対して移動する方向である。直交座標系における後側は、スライドレール1の収縮方向でもある。
【0015】
直交座標系における左右方向は、スライドレール1の使用状態(図3に示す状態)における左右方向である。直交座標系における上下方向は、スライドレール1の使用状態(図3に示す状態)における上下方向である。
【0016】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るスライドレール1の斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係るスライドレール1の使用状態を示す正面図である。
【0017】
スライドレール1は、例えば、図3に示すように、収納棚5に対して容器6を摺動可能に支持するための装置である。
【0018】
収納棚5は、固定側部材の一例に該当し、複数の収納空間51を有してよい。尚、図3には、説明の便宜上、一つの収納空間51のみが示されている。収納空間51は、少なくとも前側が開口した空間である。
【0019】
容器6は、可動側部材の一例に該当し、例えば、略直方体の箱状である。容器6は、収容空間61を有する。収容空間61には、例えば、粉状の収容物(例えば、粉状の食品)が収容される。粉状の食品は、例えば、コーヒー又は茶葉であってよい。又、容器6に収容されるものは、粉状の食品に限定されない。容器6に収容されるものは、食品でなくてもよい。
【0020】
図3に示すように、左右一対のスライドレール1が、収納棚5における底板部52の上面と容器6の下面との間に配置されている。尚、容器6の大きさに応じて、スライドレール1の数は決定されてよい。
【0021】
図3における左側のスライドレール1と右側のスライドレール1とは、同じ構成を有する。以下、スライドレール1の具体的な構成について説明する。尚、説明の便宜上、以下の説明において、スライドレール1に関する各方向は、使用状態におけるスライドレール1の各方向に一致する。以下、特に断ることなく使用状態といった場合には、スライドレール1の使用状態(つまり、図3に示すスライドレール1の状態)を意味する。
【0022】
スライドレール1は、図4及び図5に示すように、下側レール2、及び、上側レール3を有する。上側レール3が下側レール2に対して摺動することにより、スライドレール1が収縮又は伸長する。
【0023】
スライドレール1の全長が最も短い状態(図1図2、及び図11に示す状態)を、スライドレール1の収縮状態と称する。又、スライドレール1の全長が最も長い状態(図12に示す状態)を、スライドレール1の伸長状態と称する。
【0024】
スライドレール1の収縮状態における上側レール3の下側レール2に対する位置を、上側レール3の第一位置と称する。スライドレール1の伸長状態における上側レール3の下側レール2に対する位置を、上側レール3の第二位置と称する。
【0025】
上側レール3が第一位置から第二位置に向かって移動する方向を、スライドレール1の伸長方向又は上側レール3の伸長方向と称することもある。
【0026】
又、上側レール3が第二位置から第一位置に向かって移動する方向を、スライドレール1の収縮方向又は上側レール3の収縮方向と称することもある。
【0027】
更に、上側レール3が下側レール2に対して摺動している状態を、上側レール3の摺動状態、又は、スライドレール1の摺動状態と称することもある。
【0028】
下側レール2は、第一レールの一例に該当し、使用状態において、収納棚5(図3参照)における底板部52の上面に固定される。下側レール2は、ボルト等の固定手段(図示省略)により、収納棚5に固定される。
【0029】
下側レール2は、樹脂製であって、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する板状部材である。
【0030】
下側レール2を構成する樹脂は、例えば、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリエチレン(PE)、ポロプロピレン(PP)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリカーボネート(PC)、及びポリフェニレンサルファイド(PPS)のうち少なくとも1種の樹脂を含んでよい。
【0031】
このような下側レール2は、下側摺動面20、左側ガイド溝21、右側ガイド溝22、切欠部23、及び下側ストッパ部24を有する。
【0032】
下側摺動面20は、第一摺動面の一例に該当し、下側レール2の上面により構成されている。つまり、下側摺動面20は、上方を向いている。下側摺動面20は、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する矩形状の面である。このような下側摺動面20の静止摩擦係数μは、0.05以上0.4以下である。
【0033】
尚、静止摩擦係数μは、JIS K 7125に規定される摩擦摩耗試験により測定した値である。摩擦摩耗試験で使用する相手側部材は後述の上側レール3の材料と同様のステンレス製である。尚、摩擦摩耗試験で使用する相手側部材の材質は、上側レール3の材質に応じて適宜決定されてよい。
【0034】
下側摺動面20は、使用状態において、後述の上側レール3の上側摺動面302と上下方向に対向した状態で摺接する。
【0035】
左側ガイド溝21は、第一ガイド溝に該当し、下側レール2の左側面に設けられている。下側レール2の左側面は、第一レールの第一側面の一例に該当する。
【0036】
左側ガイド溝21は、後述の右側ガイド溝22とともに、後述の上側レール3の摺動を案内する。具体的には、左側ガイド溝21は、上側レール3が下側レール2に対して摺動する際、上側レール3の左側ガイド部33を案内する。
【0037】
左側ガイド溝21は、下側レール2の左側面において、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在している。具体的には、左側ガイド溝21は、図7に示すように、下側レール2の左側面において、後端部から前端部にわたり設けられている。
【0038】
左側ガイド溝21の後端部(第一端部)は、下側レール2の後端面に開口している。左側ガイド溝21の前端部(第二端部)は、下側レール2の前端面に開口している。
【0039】
左側ガイド溝21は、上下方向における所定の幅寸法を有する。左側ガイド溝21の幅寸法は、全長にわたり同じである。左側ガイド溝21の幅寸法は、後述の上側レール3における左側ガイド部33の厚さ寸法よりも大きい。左側ガイド溝21の幅寸法は、後述の右側ガイド溝22の幅寸法よりも大きい。
【0040】
右側ガイド溝22は、第二ガイド溝に該当し、下側レール2の右側面に設けられている。下側レール2の右側面は、第一レールの第二側面の一例に該当する。
【0041】
右側ガイド溝22は、左側ガイド溝21とともに、後述の上側レール3の摺動を案内する。具体的には、右側ガイド溝22は、上側レール3が下側レール2に対して摺動する際、上側レール3の右側ガイド部34を案内する。
【0042】
右側ガイド溝22は、下側レール2の右側面において、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在している。具体的には、右側ガイド溝22は、図8に示すように、下側レール2の右側面において、後端部から前端部に向かって延在している。
【0043】
右側ガイド溝22の後端部(第一端部)は、下側レール2の後端面に開口している。右側ガイド溝22の前端部(第二端部)は、下側レール2の摺動方向における中央よりも前側の所定位置に位置している。
【0044】
右側ガイド溝22の前端部は、後述の切欠部23に開口している。尚、右側ガイド溝22の前端部の位置は、スライドレール1のストローク量に応じて適宜決定されてよい。
【0045】
右側ガイド溝22は、上下方向における所定の幅寸法を有する。右側ガイド溝22の幅寸法は、全長にわたり同じである。右側ガイド溝22の幅寸法は、後述の上側レール3における右側ガイド部34の厚さ寸法よりも大きい。
【0046】
切欠部23は、下側レール2の右側面に設けられている。切欠部23は、右側ガイド溝22に侵入した異物を排出するための部分である。
【0047】
具体的には、切欠部23は、図8に示すように、下側レール2の右側面において、右側ガイド溝22の前端部に隣接した位置に設けられている。切欠部23は、右側ガイド溝22の前端部に接続されている。
【0048】
切欠部23は、右端部が下側レール2の右側面に開口し、且つ、下端部が下側レール2の下面に開口している。
【0049】
右側ガイド溝22に侵入した異物は、上側レール3が伸長方向に移動する際、上側レール3の右側ガイド部34に押されて、切欠部23から排出される。このような構成は、スライドレール1の良好な摺動性の維持に寄与する。
【0050】
切欠部23の前後方向における長さ寸法L23図5参照)は、後述の上側レール3における右側ガイド部34の前後方向における長さ寸法L34図5参照)よりも大きい(L23>L34)。
【0051】
下側ストッパ部24は、下側レール2の右側面に設けられている。下側ストッパ部24は、上側レール3が前方(換言すれば、伸長方向)に移動する際、摺動ストロークの途中で、上側レール3と当接して、上側レール3の伸長方向への移動を規制する。
【0052】
具体的には、下側ストッパ部24は、図8に示すように、右側ガイド溝22の前側に設けられている。換言すれば、下側ストッパ部24は、切欠部23の前側に設けられている。下側ストッパ部24は、後方を向いた面により構成されている。
【0053】
下側ストッパ部24は、前後方向において、右側ガイド溝22と重なる。換言すれば、下側ストッパ部24の高さ(つまり、上下方向における位置)は、右側ガイド溝22の高さ(つまり、上下方向における位置)と同じである。
【0054】
更に換言すれば、下側レール2の正面視において、下側ストッパ部24と右側ガイド溝22とは、重なる。下側レール2の正面視とは、前側から下側レール2を見ることを意味する。
【0055】
又、下側レール2は、右側面の前端部に、切欠部23と下側レール2の前端面とを接続する、前側溝25を有する。前側溝25の後端部は、切欠部23に接続されている。前側溝25は、右側ガイド溝22よりも高い位置に設けられている。
【0056】
前側溝25は、下側レール2と上側レール3とを分離する際の、上側レール3における右側ガイド部34の通り道である。
【0057】
又、下側レール2は、前後方向における複数箇所(本実施形態の場合、3箇所)に、下側レール2を上下方向に貫通する取付孔26(図4参照)を有する。下側レール2は、取付孔26に挿通されたボルト等の固定手段(不図示)により、収納棚5における底板部52の上面に固定される。
【0058】
上側レール3は、第二レールの一例に該当し、使用状態において、容器6(図3参照)の下面に固定される。上側レール3は、ボルト等の固定手段(図示省略)により、容器6に固定される。
【0059】
上側レール3は、金属製であって、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する板状部材である。上側レール3を構成する金属は、例えば、ステンレス(具体的には、SUS304)である。このような構成は、上側レール3の剛性を確保しつつ、スライドレール1の高さ寸法を小さくできる。つまり、このような構成は、スライドレール1の小型化に寄与する。
【0060】
このような上側レール3は、レール本体30、左側覆い部31、右側覆い部32、左側ガイド部33、及び右側ガイド部34を有する。
【0061】
レール本体30は、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する板状部材である。具体的には、レール本体30は、前後方向及び左右方向に平行な板状部材である。
【0062】
レール本体30は、前端部に前側固定部300を有する。前側固定部300は、左右方向における両端部に、前側固定部300を上下方向に貫通する一対の前側貫通孔300aを有する。
【0063】
レール本体30は、後端部に後側固定部301を有する。後側固定部301は、左右方向における両端部に、後側固定部301を上下方向に貫通する一対の後側貫通孔301aを有する。
【0064】
レール本体30は、下面に、上側摺動面302を有する。上側摺動面302は、第二摺動面の一例に該当し、下方を向いている。上側摺動面302は、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する矩形状の面である。
【0065】
上側摺動面302は、使用状態において、下側レール2の下側摺動面20と上下方向に対向した状態で、摺接する。
【0066】
左側覆い部31は、覆い部及び第一覆い部の一例に該当し、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する板状部材である。左側覆い部31は、前後方向及び上下方向に平行な板状部材である。左側覆い部31の上端部は、レール本体30の左端部に接続されている。
【0067】
左側覆い部31は、摺動方向における全長にわたり、下側レール2の左側面と近接対向している。
【0068】
左側覆い部31は、図1に示すように、高さ方向の寸法が長い前側覆い部310、及び、高さ方向の寸法が短い後側覆い部311を有する。
【0069】
前側覆い部310は、左側覆い部31において、前端部から前後方向における中央部よりも後側の所定位置までの部分である。前側覆い部310は、図10に示すように、下側レール2の左側ガイド溝21を、左側から覆っている。このような前側覆い部310は、左側ガイド溝21への異物の侵入の抑制に寄与する。
【0070】
後側覆い部311は、左側覆い部31において、前側覆い部310よりも後側の部分である。後側覆い部311は、図9に示すように、下側レール2の左側ガイド溝21を覆っていない。尚、後側覆い部311の高さ寸法を小さくしている理由は、下側レール2と上側レール3とを分離する作業をし易くするためである。
【0071】
尚、前側覆い部及び後側覆い部の摺動方向における長さは、本実施形態の前側覆い部310及び後側覆い部311の摺動方向における長さに限定されない。後側覆い部は省略されてもよい。又、左側覆い部31は、全長にわたり、前側覆い部310のように、下側レール2の左側ガイド溝21を、左側から覆える形状であってもよい。
【0072】
右側覆い部32は、覆い部及び第二覆い部の一例に該当し、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する板状部材である。右側覆い部32は、前後方向及び上下方向に平行な板状部材である。右側覆い部32の上端部は、レール本体30の右端部に接続されている。
【0073】
右側覆い部32の前端部は、レール本体30の前側固定部300よりも僅かに後側に位置している。右側覆い部32の後端部は、レール本体30の後側固定部301よりも僅かに前側に位置している。
【0074】
右側覆い部32は、図9及び図10に示すように、摺動方向における全長にわたり、下側レール2の右側面と近接対向している。このような構成は、上側レール3の剛性の向上に寄与する。又、右側覆い部32は、図9及び図10に示すように、全長にわたり、下側レール2の右側ガイド溝22を、右側から覆っている。このような右側覆い部32は、右側ガイド溝22への異物の侵入の抑制に寄与する。
【0075】
尚、右側覆い部の摺動方向における長さは、本実施形態の右側覆い部32の摺動方向における長さに限定されない。右側覆い部は、一部に、高さ方向の寸法が短い覆い部を有してもよい。つまり、右側覆い部は、一部に、右側ガイド溝22を覆わない部分を有してもよい。又、右側覆い部は、後述の実施形態2における右側覆い部32A(図13参照)のように、前後方向における一部に不連続部320を有してもよい。
【0076】
左側ガイド部33は、第一ガイド部の一例に該当し、上側レール3が下側レール2に対して摺動する際、左側ガイド溝21に案内される。
【0077】
左側ガイド部33は、水平な板状部材である。左側ガイド部33は、左側覆い部31に接続されている。具体的には、図10に示すように、左側ガイド部33の左端部は、左側覆い部31の下端部に接続されている。つまり、左側ガイド部33は、左側覆い部31の下端部から水平方向における右側に延在している。
【0078】
左側ガイド部33は、上側レール3の前後方向における中央位置を含む所定範囲に設けられている。左側ガイド部33の前後方向における位置は、適宜決定されてよい。
【0079】
このような左側ガイド部33は、図10に示すように、左側ガイド溝21に挿入されている。使用状態において、左側ガイド部33の下面は、左側ガイド溝21の内面と上下方向に近接対向する。
【0080】
尚、使用状態において、左側ガイド部33は、図10に示すように、左側ガイド溝21の内面に当接しない。
【0081】
右側ガイド部34は、第二ガイド部の一例に該当し、上側レール3が下側レール2に対して摺動する際、右側ガイド溝22に案内される。
【0082】
又、右側ガイド部34は、前後方向(換言すれば、摺動方向)において所定距離を空けて、下側レール2の下側ストッパ部24(図8参照)に対向している。
【0083】
右側ガイド部34は、上側レール3が下側レール2に対して摺動する際、伸長方向の摺動ストロークの途中で、下側レール2の下側ストッパ部24(図8参照)と当接して、下側レール2の伸長方向への移動を規制する。つまり、右側ガイド部34は、被ストッパ部の一例にも該当する。尚、第二ガイド部と被ストッパ部とは、異なる部材により構成されてもよい。
【0084】
右側ガイド部34は、水平な板状部材である。右側ガイド部34は、右側覆い部32に接続されている。具体的には、図10に示すように、右側ガイド部34の右端部は、右側覆い部32の下端部に接続されている。つまり、右側ガイド部34は、右側覆い部32の下端部から水平方向における左側に延在している。
【0085】
右側ガイド部34は、上側レール3の前後方向における後端寄り部分の所定範囲に設けられている。右側ガイド部34は、図6に示すように、左側ガイド部33よりも後側に配置されている。つまり、右側ガイド部34は、左側ガイド部33と前後方向にずれた位置に設けられている。
【0086】
換言すれば、右側ガイド部34と左側ガイド部33とは、前後方向においてオフセットしている。更に換言すれば、スライドレール1の収縮状態における側面視において、右側ガイド部34と左側ガイド部33とは、重ならない。
【0087】
本実施形態の場合、右側ガイド部34は、下側レール2の下側ストッパ部24(図5参照)と当接して、下側レール2の伸長方向への移動を規制する被ストッパ部としての機能を有する。このため、図6に示すように、右側ガイド部34が後方に設けられた構成は、下側レール2のストロークを大きくする観点から好ましい。
【0088】
又、右側ガイド部34と左側ガイド部33とが側面視において重なってしまうと、上側レール3を下側レール2から分離する作業を行いにくい。逆に言えば、本実施形態の場合、右側ガイド部34と左側ガイド部33とが側面視において重なっていないため、上側レール3を下側レール2から分離する作業を行いやすい。
【0089】
更に、右側ガイド部34と左側ガイド部33とが側面視において重ならない構成の場合、右側ガイド部34をプレス加工(具体的には、曲げ加工)により形成する際、左側ガイド部33が邪魔にならない。よって、このような構成は、上側レール3の製造効率の向上に寄与する。
【0090】
右側ガイド部34の前後方向における位置は、スライドレール1の摺動ストロークとの関係で、適宜決定されてよい。右側ガイド部34が後に配置されているほど、スライドレール1の摺動ストロークが大きい。
【0091】
換言すれば、スライドレール1の収縮状態において、右側ガイド部34の前端部と下側ストッパ部24との距離が長いほど、スライドレール1の摺動ストロークが大きい。
【0092】
このような右側ガイド部34は、図9及び図10に示すように、右側ガイド溝22に挿入されている。使用状態において、右側ガイド部34の上面及び下面は、右側ガイド溝22の内面と上下方向に近接対向する。
【0093】
右側ガイド部34が右側ガイド溝22の内面と上下方向に近接対向する構成は、上側レール3の下側レール2に対する傾斜の抑制に寄与する。この結果、容器6(図3参照)の使用者は、容器6を収納棚5から安定した姿勢で引き出すことができる。
【0094】
尚、使用状態において、右側ガイド部34は、図10に示すように、右側ガイド溝22の内面に当接しない。
【0095】
以上のような構成を有する上側レール3は、使用状態において、前側固定部300の前側貫通孔300a、及び、後側固定部301の後側貫通孔301aに挿通されたボルト等の固定手段(不図示)により、容器6(図3参照)の下面に固定される。
【0096】
次に、図11及び図12を参照して、スライドレール1が収縮状態と伸長状態との間を遷移する際の、スライドレール1の動作について説明する。尚、以下の説明では、図1図10も、適宜参照する。
【0097】
図11は、スライドレール1の収縮状態を示す模式側面図である。図12は、スライドレール1の伸長状態を示す模式側面図である。
【0098】
図11及び図12において、下側レール2及び上側レール3は、模式的に示されている。又、図11及び図12には、下側レール2の下側ストッパ部24が点線で示されている。又、図11及び図12には、上側レール3の右側ガイド部34(換言すれば、被ストッパ部)が点線で示されている。
【0099】
下側レール2は、収納棚5の底板部52に固定されているため移動しない。上側レール3は、容器6の下面に固定されている。上側レール3は、下側レール2に対して摺動可能である。
【0100】
図11に示すスライドレール1の収縮状態は、容器6が収納棚5に収納された状態である。この状態を、容器6の収納状態と称する。
【0101】
一方、図12に示すスライドレール1の伸長状態は、容器6が収納棚5から取り出された状態である。この状態を、容器6の非収納状態と称する。
【0102】
図11に示す容器6の収納状態において、容器6の使用者は、容器6を前方に引き出す。すると、容器6及び上側レール3は、前方(図11における矢印Aが示す方向)に移動する。尚、前方は、上側レール3の伸長方向でもある。
【0103】
上側レール3は、上側レール3の右側ガイド部34が下側レール2の下側ストッパ部24に当接するまで、前方に移動する。右側ガイド部34と下側ストッパ部24とが当接すると、上側レール3の前方(換言すれば、伸長方向)への移動が停止する。
【0104】
そして、スライドレール1は、図12に示す伸長状態となる。スライドレール1が伸長状態になると、容器6は、非収納状態となる。
【0105】
尚、右側ガイド部34と下側ストッパ部24との距離L図11参照)は、スライドレール1の摺動ストロークである。
【0106】
図12に示す伸長状態において、上側レール3は、右側ガイド部34と下側ストッパ部24との当接に基づいて、前方(換言すれば、伸長方向)への移動が規制される。
【0107】
又、図12に示す容器6の非収納状態において、容器6の使用者は、容器6を後方に押す。すると、容器6及び上側レール3は、後方(図12における矢印Aが示す方向)に移動する。尚、後方は、上側レール3の収縮方向でもある。
【0108】
そして、上側レール3は、図11に示す位置まで後方に移動する。この結果、スライドレール1は、図11に示す、収縮状態となる。スライドレール1が収縮状態になると、容器6は、収納状態となる。
【0109】
(本実施形態の作用・効果)
以上のような構成を有する本実施形態のスライドレール1によれば、故障を抑制できるスライドレール1を提供できる。以下、この理由について説明する。
【0110】
先ず、本実施形態に係るスライドレール1は、金属製の上側レール3と樹脂製の下側レール2との摺動に基づいて伸縮するように構成されている。上側レール3の上側摺動面302と下側レール2の下側摺動面20とが摺接しているため、上側摺動面302と下側摺動面20との間に、異物が侵入することを抑制できる。この結果、スライドレール1の故障を抑制できる。
【0111】
又、下側レール2を摺動性に優れた樹脂により構成すれば、スライドレール1の良好な摺動性を実現できる。
【0112】
又、本実施形態に係るスライドレール1の場合、下側摺動面20と上側摺動面302とが、上下方向に対向した状態で摺接している。このような構成は、下側摺動面20と上側摺動面302との間への異物(例えば、粉状の食品)の侵入を、より効果的に抑制できる。この結果、スライドレール1の故障を抑制できる。
【0113】
特に、本実施形態に係るスライドレール1の場合、スライドレール1が、左側覆い部31及び右側覆い部32を有している。具体的には、左側覆い部31は、下側レール2の左側ガイド溝21を、左側から覆っている。又、右側覆い部32は、下側レール2の右側ガイド溝22を、右側から覆っている。このような構成は、左側ガイド溝21及び右側ガイド溝22への異物の侵入をより効果的に抑制できるため、下側摺動面20と上側摺動面302との間への異物(例えば、粉状の食品)の侵入を抑制できる。この結果、スライドレール1の故障を抑制できる。
【0114】
又、本実施形態に係るスライドレール1の場合、下側摺動面20と上側摺動面302との間に潤滑剤(例えば、グリース又は潤滑油)を塗布していない。このため、本実施形態に係るスライドレール1の場合、仮に下側摺動面20と上側摺動面302との間に異物が侵入したとしても、異物が潤滑剤に付着して固まることがない。この結果、スライドレール1の故障を抑制できる。
【0115】
又、本実施形態に係るスライドレール1の場合、下側摺動面20と上側摺動面302とが摺接しているため、下側摺動面20と上側摺動面302との間に異物が侵入したとしても、上側レール3により異物を押し出すことができる。このため、下側摺動面20と上側摺動面302との間に異物が留まることを抑制できる。この結果、スライドレール1の故障を抑制できる。その他、本実施形態に係るスライドレール1の作用・効果は既述の通りである。
【0116】
[実施形態2]
図13を参照して、本発明の実施形態2に係るスライドレール1Aについて説明する。本実施形態のスライドレール1Aは、上側レール3Aの構成が、上述の実施形態1に係るスライドレール1の上側レール3(図6参照)の構成と異なる。以下、上側レール3Aの構成について説明する。
【0117】
上側レール3Aは、レール本体30A、左側覆い部31A、右側覆い部32A、左側ガイド部33A、及び右側ガイド部34Aを有する。
【0118】
レール本体30Aは、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する板状部材である。具体的には、レール本体30Aは、前後方向及び左右方向に平行な板状部材である。
【0119】
レール本体30Aは、前端部に前側固定部300Aを有する。前側固定部300Aは、左右方向における両端部に、前側固定部300Aを上下方向に貫通する一対の前側貫通孔300bを有する。
【0120】
レール本体30Aは、後端部に後側固定部301Aを有する。後側固定部301Aは、左右方向における両端部に、後側固定部301Aを上下方向に貫通する一対の後側貫通孔301bを有する。
【0121】
又、本実施形態の場合、レール本体30Aは、前後方向における中間部に中間固定部303を有する。中間固定部303は、レール本体30Aの左端部に設けられている。中間固定部303は、前後方向において、後側固定部301Aと左側覆い部31A(左側ガイド部33A)との間に設けられている。
【0122】
中間固定部303は、中間固定部303を上下方向に貫通する中間貫通孔303aを有する。
【0123】
レール本体30Aは、下面に、上側摺動面302Aを有する。上側摺動面302Aは、下方を向いている。上側摺動面302Aは、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する矩形状の面である。
【0124】
上側摺動面302Aは、使用状態において、下側レール2(図4参照)の下側摺動面20と上下方向に対向した状態で、摺接する。
【0125】
左側覆い部31Aは、覆い部及び第一覆い部の一例に該当し、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する板状部材である。左側覆い部31Aは、前後方向及び上下方向に平行な板状部材である。左側覆い部31Aの上端部は、レール本体30Aの左端部に接続されている。
【0126】
左側覆い部31Aは、摺動方向における全長にわたり、下側レール2の左側面と近接対向している。本実施形態の場合、左側覆い部31Aは、前後方向において不連続である。換言すれば、左側覆い部31Aは、前後方向における一箇所に、不連続部312を有する。
【0127】
左側覆い部31Aの前端部は、レール本体30Aの前側固定部300Aよりも僅かに後側に位置している。左側覆い部31Aの後端部は、前後方向における中央部よりも後側の所定位置(換言すれば、中間固定部303よりも僅かに前側の位置)に位置している。左側覆い部31Aの高さ寸法は、全長にわたり同じである。
【0128】
左側覆い部31Aは、全長にわたり、下側レール2(図4参照)の左側ガイド溝21を、左側から覆っている。このような左側覆い部31Aは、左側ガイド溝21への異物の侵入の抑制に寄与する。
【0129】
右側覆い部32Aは、覆い部及び第二覆い部の一例に該当し、前後方向(換言すれば、摺動方向)に延在する板状部材である。右側覆い部32Aは、前後方向及び上下方向に平行な板状部材である。右側覆い部32Aの上端部は、レール本体30Aの右端部に接続されている。
【0130】
右側覆い部32Aの前端部は、レール本体30Aの前側固定部300よりも僅かに後側に位置している。右側覆い部32Aの後端部は、レール本体30の後側固定部301よりも僅かに前側に位置している。
【0131】
右側覆い部32Aは、摺動方向における全長にわたり、下側レール2の右側面と近接対向している。本実施形態の場合、右側覆い部32Aは、前後方向において不連続である。換言すれば、右側覆い部32Aは、前後方向における一箇所に、不連続部320を有する。
【0132】
又、右側覆い部32Aは、全長にわたり、下側レール2(図5参照)の右側ガイド溝22を、右側から覆っている。このような右側覆い部32Aは、右側ガイド溝22への異物の侵入の抑制に寄与する。
【0133】
左側ガイド部33Aは、第一ガイド部の一例に該当し、上側レール3Aが下側レール2(図4参照)に対して摺動する際、左側ガイド溝21(図4参照)に案内される。
【0134】
左側ガイド部33Aは、水平な板状部材である。左側ガイド部33Aは、左側覆い部31Aに接続されている。
【0135】
具体的には、左側ガイド部33Aの左端部は、左側覆い部31の下端部に接続されている。つまり、左側ガイド部33Aは、左側覆い部31Aの下端部から水平方向における右側に延在している。
【0136】
より具体的には、左側ガイド部33Aは、左側覆い部31Aにおいて不連続部312よりも後側の部分に接続されている。
【0137】
このような左側ガイド部33Aは、図10に示す左側ガイド部33と同様に、左側ガイド溝21(図4参照)に挿入されている。使用状態において、左側ガイド部33Aの下面は、図10に示す左側ガイド部33と同様に、左側ガイド溝21の内面と上下方向に近接対向する。
【0138】
尚、使用状態において、左側ガイド部33は、図10に示す左側ガイド部33と同様に、左側ガイド溝21の内面に当接しない。
【0139】
右側ガイド部34Aは、第二ガイド部の一例に該当し、上側レール3Aが下側レール2(図5参照)に対して摺動する際、右側ガイド溝22(図5参照)に案内される。
【0140】
又、右側ガイド部34Aは、上側レール3Aが下側レール2に対して摺動する際、伸長方向の摺動ストロークの途中で、下側レール2の下側ストッパ部24(図5参照)と当接して、下側レール2の伸長方向への移動を規制する。つまり、右側ガイド部34Aは、被ストッパ部の一例にも該当する。
【0141】
右側ガイド部34Aは、水平な板状部材である。右側ガイド部34Aは、右側覆い部32Aに接続されている。具体的には、右側ガイド部34Aの右端部は、右側覆い部32Aの下端部に接続されている。つまり、右側ガイド部34Aは、右側覆い部32Aの下端部から水平方向における左側に延在している。
【0142】
より具体的には、右側ガイド部34Aは、右側覆い部32Aにおいて不連続部320よりも後側の部分に接続されている。右側ガイド部34Aは、左側ガイド部33Aよりも後側に配置されている。つまり、右側ガイド部34Aは、左側ガイド部33Aと前後方向にずれた位置に設けられている。
【0143】
このような右側ガイド部34Aは、図9及び図10に示す右側ガイド部34と同様に、下側レール2の右側ガイド溝22に挿入されている。使用状態において、右側ガイド部34Aの上面及び下面は、図9及び図10に示す右側ガイド部34と同様に、右側ガイド溝22の内面と上下方向に近接対向する。
【0144】
以上のような構成を有する上側レール3Aは、使用状態において、前側固定部300の前側貫通孔300a、中間固定部303の中間貫通孔303a、及び、後側固定部301の後側貫通孔301aに挿通されたボルト等の固定手段(不図示)により、容器6(図3参照)の下面に固定される。
【0145】
本実施形態の場合、上側レール3Aが、中間固定部303の中間貫通孔303aに挿通された固定手段により、容器6に固定されているため、上側レール3Aの反り(歪み)を抑制できる。その他のスライドレール1Aの構成は、上述の実施形態1に係るスライドレール1と同様である。
【0146】
[実施形態3]
図14を参照して、本発明の実施形態3に係るスライドレール1Bについて説明する。本実施形態のスライドレール1Bは、上側レール3Bの構成が、上述の実施形態1に係るスライドレール1の上側レール3(図6参照)及び実施形態2におけるスライドレール1Aの上側レール3A(図13参照)の構成と異なる。以下、上側レール3Bの構成について説明する。
【0147】
上側レール3Bは、レール本体30B、左側覆い部31B、右側覆い部32B、左側ガイド部33B、及び右側ガイド部34Bを有する。
【0148】
レール本体30Bの構成は、上述の実施形態2におけるレール本体30Aの構成と同様である。よって、レール本体30Bを構成するエレメントに対しては、実施形態2におけるレール本体30Aと同一の符号を付す。
【0149】
右側覆い部32B、左側ガイド部33B、及び右側ガイド部34Bの構成は、上述の実施形態1における右側覆い部32、左側ガイド部33、及び右側ガイド部34の構成と同様である。
【0150】
左側覆い部31Bは、上述の実施形態1における左側覆い部31の後側覆い部311が省略された如き構成を有する。
【0151】
このような本実施形態に係るスライドレール1Bについては、上述の実施形態1及び実施形態2に係るスライドレール1、1Aの説明を適宜読み替えてよい。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明は、種々のスライドレールに好適に適用できる。
【符号の説明】
【0153】
1、1A、1B スライドレール
2 下側レール
20 下側摺動面
21 左側ガイド溝
22 右側ガイド溝
23 切欠部
24 下側ストッパ部
25 前側溝
26 取付孔
3、3A、3B 上側レール
30、30A、、30B レール本体
300、300A 前側固定部
300a、300b 前側貫通孔
301、301A 後側固定部
301a、301b 後側貫通孔
302、302A 上側摺動面
303 中間固定部
303a 中間貫通孔
31、31A、31B 左側覆い部
310 前側覆い部
311 後側覆い部
312 不連続部
32、32A、32B 右側覆い部
320 不連続部
33、33A、33B 左側ガイド部
34、34A、34B 右側ガイド部
5 収納棚
51 収納空間
52 底板部
6 容器
61 収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14