(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025030623
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】マッチングシステム及び情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250228BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023136095
(22)【出願日】2023-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】523322542
【氏名又は名称】米久保 廣志
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】米久保 廣志
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザAとユーザBの円滑なコミュニケーションを実現可能なマッチングシステム1を提供する。
【解決手段】ユーザAとユーザBとのマッチングが成立した場合に、ガイド情報生成手段7がユーザAとユーザBがビデオ通話を行う際のガイド情報を生成する。ガイド情報生成手段7は、ユーザ情報記録手段5に記録されたユーザ情報A及びユーザBの情報を生成AI4に入力し、生成AI4からの出力を得ることでガイド情報を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザの端末とネットワークを介してやり取り可能に構成され、前記ユーザ同士のマッチングを行うマッチングシステムであって、
前記マッチングシステムを利用する前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段、若しくは、前記マッチングシステムを利用する前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段に記録された情報を読み出すユーザ情報読出手段と、
前記ユーザ情報記録手段に記録された前記ユーザ情報のうち、前記マッチングシステムを利用する前記ユーザから選ばれた2人以上の前記ユーザである選択ユーザについての前記ユーザ情報に基づいて、前記選択ユーザ同士のコミュニケーションを図る際のガイド情報であって、前記選択ユーザの連絡先情報を含まない前記ガイド情報を、機械学習した生成AIを用いて生成するガイド情報生成手段と、
前記ガイド情報生成手段が生成した前記ガイド情報を、前記選択ユーザの端末に出力する出力手段と、を備える
マッチングシステム。
【請求項2】
前記ガイド情報生成手段は、
前記選択ユーザのそれぞれに異なる前記ガイド情報を生成する
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
前記ガイド情報生成手段は、
同一の前記選択ユーザが2回目以降のコミュニケーションを図る場合においては、前記ユーザ情報記録手段に記録された前記選択ユーザについての前記ユーザ情報、及び、これまでに前記選択ユーザに生成した前記ガイド情報、に基づいて前記ガイド情報を生成する
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
前記ガイド情報生成手段は、
前記選択ユーザ同士のコミュニケーション中に、前記選択ユーザからの要求に応じて、前記ユーザ情報記録手段に記録された前記選択ユーザについての前記ユーザ情報、及び、前記選択ユーザ同士のコミュニケーション内容、に基づいて前記ガイド情報を生成する
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項5】
前記選択ユーザのうちの1人である特定選択ユーザの端末から入力されたコミュニケーション情報に対して、前記ガイド情報生成手段が前記選択ユーザに生成した前記ガイド情報に基づいて、前記特定選択ユーザ以外の前記選択ユーザに代わってコミュニケーション情報を生成するコミュニケーション情報生成手段を備え、
前記出力手段は、
前記コミュニケーション情報生成手段が生成した前記コミュニケーション情報を、前記特定選択ユーザの端末に出力する
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項6】
前記出力手段は、
前記選択ユーザ同士のコミュニケーションの後に所定の情報を前記選択ユーザの端末に出力し、前記選択ユーザが前記所定の情報を視聴した後、若しくは、前記選択ユーザが前記所定の情報に対する回答を行った後、前記選択ユーザ同士のコミュニケーションを継続するか否かの確認情報を前記選択ユーザの端末に出力する
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項7】
前記ガイド情報生成手段が前記選択ユーザに生成した前記ガイド情報に基づいて、前記選択ユーザ同士のコミュニケーション内容を生成するコミュニケーション内容生成手段を備え、
前記出力手段は、
前記コミュニケーション内容生成手段が生成した前記コミュニケーション内容を、前記選択ユーザの端末に出力する
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項8】
ユーザの端末とネットワークを介してやり取り可能に構成され、他人とのコミュニケーションを図るための情報を提供する情報提供システムであって、
前記情報提供システムを利用する前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段、若しくは、前記情報提供システムを利用する前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段に記録された情報を読み出すユーザ情報読出手段と、
前記ユーザ情報記録手段に記録された前記ユーザ情報のうち、前記情報提供システムを利用する前記ユーザから選ばれた1人の前記ユーザである選択ユーザについての前記ユーザ情報に基づいて、前記選択ユーザが他人とコミュニケーションを図る際のガイド情報を、機械学習した生成AIを用いて生成するガイド情報生成手段と、
前記ガイド情報生成手段が生成した前記ガイド情報を、前記選択ユーザの端末に出力する出力手段と、を備える
情報提供システム。
【請求項9】
前記ガイド情報生成手段が前記選択ユーザに生成した前記ガイド情報に基づいて、前記選択ユーザと前記他人のコミュニケーション内容を生成するコミュニケーション内容生成手段を備え、
前記出力手段は、
前記コミュニケーション内容生成手段が生成した前記コミュニケーション内容を、前記選択ユーザの端末に出力する
請求項8に記載の情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッチングシステム及び情報提供システムに関する。詳しくは、円滑なコミュニケーションを実現可能なマッチングシステム及び情報提供システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オンライン上でユーザ同士をつなぐマッチングアプリが、「同じ趣味の仲間」や「恋人や結婚相手」を探すためのツールとして普及している。
ここで、マッチングアプリを利用することで、ユーザ同士がつながる機会を得ることができるものの、つながったユーザ同士が円滑にコミュニケーションを図れなければ、せっかくの機会を逸することになりかねない。
【0003】
そのため、例えば、特許文献1では、動画セッションにおいて、ユーザ同士の会話を促進させるために、会話のテーマを提示するといったファシリテーションを実行する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のマッチング方法は、ファシリテーションデータに格納されている質問データを選択して提示しているに過ぎず、必ずしもユーザのニーズに即した提案ができているとは言えなかった。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、円滑なコミュニケーションを実現可能なマッチングシステム及び情報提供システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明のマッチングシステムは、複数のユーザの端末とネットワークを介してやり取り可能に構成され、前記ユーザ同士のマッチングを行うマッチングシステムであって、前記マッチングシステムを利用する前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段、若しくは、前記マッチングシステムを利用する前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段に記録された情報を読み出すユーザ情報読出手段と、前記ユーザ情報記録手段に記録された前記ユーザ情報のうち、前記マッチングシステムを利用する前記ユーザから選ばれた2人以上の前記ユーザである選択ユーザについての前記ユーザ情報に基づいて、前記選択ユーザ同士のコミュニケーションを図る際のガイド情報であって、前記選択ユーザの連絡先情報を含まない前記ガイド情報を、機械学習した生成AIを用いて生成するガイド情報生成手段と、前記ガイド情報生成手段が生成した前記ガイド情報を、前記選択ユーザの端末に出力する出力手段と、を備える。
【0008】
ここで、マッチングシステムを利用するユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段によって、後述するガイド情報を生成する基礎となるユーザ情報を記録することができる。
なお、後述するガイド情報生成手段が、ユーザ情報記録手段に記録されたユーザ情報に基づいてガイド情報を生成する場合には、ガイド情報生成手段が生成するガイド情報は、ユーザ情報記録手段に記録されたユーザ情報を反映した内容となる。
【0009】
同様に、マッチングシステムを利用するユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段に記録された情報を読み出すユーザ情報読出手段によって、後述するガイド情報を生成する基礎となるユーザ情報を読み出すことができる。
なお、後述するガイド情報生成手段が、ユーザ情報読出手段が読み出したユーザ情報に基づいてガイド情報を生成する場合には、ガイド情報生成手段が生成するガイド情報は、ユーザ情報読出手段が読み出すユーザ情報(換言すると、ユーザ情報記録手段に記録されたユーザ情報)を反映した内容となる。
【0010】
また、ガイド情報生成手段が、選択ユーザについてのユーザ情報に基づいてガイド情報を生成することによって、換言すると、コミュニケーションを図ろうとするユーザの一部の情報ではなく、コミュニケーションを図ろうとするユーザ全員の情報に基づいてガイド情報を生成することによって、コミュニケーション情報(例えば、会話の内容、チャットの内容など)の送り手や受け手のいずれか一方の情報のみならず、コミュニケーション情報の送り手及び受けての双方の情報を考慮することができ、より選択ユーザのニーズに応じたガイド情報の生成が実現する。
【0011】
更に、ガイド情報生成手段が、機械学習した生成AIを用いてガイド情報を生成することによって、ユーザ情報に対応したガイド情報を一から生成することが可能となり、事前に準備された汎用的な情報を選択して提示する場合(例えば、特許文献1に記載の技術の場合)と比べると、よりパーソナライズされたガイド情報が実現する。
【0012】
また、ガイド情報生成手段が生成するガイド情報に、選択ユーザの連絡先情報が含まれていないことによって、選択ユーザ間でガイド情報を共有したとしても、ユーザの連絡先情報が共有されることはなく、意図せずに連絡先情報が他のユーザに知られることを抑止できる。
【0013】
また、ガイド情報生成手段が、選択ユーザのそれぞれに異なるガイド情報を生成する場合には、選択ユーザのそれぞれが、他の選択ユーザのガイド情報を把握していないが故に、コミュニケーション時の新鮮さが失われることがなく、ガイド情報に即したコミュニケーションでありながら、コミュニケーションを楽しむことが可能となる。
【0014】
また、ガイド情報生成手段が、同一の選択ユーザが2回目以降のコミュニケーションを図る場合においては、ユーザ情報記録手段に記録された選択ユーザについてのユーザ情報、及び、これまでに選択ユーザに生成したガイド情報、に基づいてガイド情報を生成することで、前回までのコミュニケーション内容を考慮してガイド情報が生成されることとなり、より円滑なコミュニケーションの実現が期待できる。
【0015】
また、ガイド情報生成手段が、選択ユーザ同士のコミュニケーション中に、選択ユーザからの要求に応じて、ユーザ情報記録手段に記録された選択ユーザについてのユーザ情報、及び、選択ユーザ同士のコミュニケーション内容、に基づいてガイド情報を生成する場合には、直前までのコミュニケーション内容を考慮してガイド情報が生成されることとなり、より円滑なコミュニケーションの実現が期待できる。
【0016】
また、選択ユーザのうちの1人である特定選択ユーザの端末から入力されたコミュニケーション情報に対して、ガイド情報生成手段が選択ユーザに生成したガイド情報に基づいて、特定選択ユーザ以外の選択ユーザに代わってコミュニケーション情報を生成するコミュニケーション情報生成手段を備え、出力手段が、コミュニケーション情報生成手段が生成したコミュニケーション情報を、特定選択ユーザの端末に出力する場合には、特定選択ユーザが他の選択ユーザ(特定選択ユーザ以外の選択ユーザ)とコミュニケーションを図る前に、模擬練習を行うことができ、より円滑なコミュニケーションの実現が期待できる。
【0017】
また、出力手段が、選択ユーザ同士のコミュニケーションの後に所定の情報を選択ユーザの端末に出力し、選択ユーザが所定の情報を視聴した後、選択ユーザ同士のコミュニケーションを継続するか否かの確認情報を選択ユーザの端末に出力する場合には、選択ユーザが確認情報を自身の端末に表示するには所定の情報(例えば、広告情報など)を視聴する必要があるため、高確率で所定の情報を視聴させることができる。
【0018】
同様に、出力手段が、選択ユーザ同士のコミュニケーションの後に所定の情報を選択ユーザの端末に出力し、選択ユーザが所定の情報に対する回答を行った後、選択ユーザ同士のコミュニケーションを継続するか否かの確認情報を選択ユーザの端末に出力する場合には、選択ユーザが確認情報を自身の端末に表示するには所定の情報(例えば、アンケート情報など)に対する回答を行う必要があるため、高確率で所定の情報に対して回答させることができる。
【0019】
また、ガイド情報生成手段が選択ユーザに生成したガイド情報に基づいて、選択ユーザ同士のコミュニケーション内容を生成するコミュニケーション内容生成手段を備え、出力手段が、コミュニケーション内容生成手段が生成したコミュニケーション内容を、選択ユーザの端末に出力する場合には、ガイド情報に基づいて選択ユーザ同士で行われると予想されるコミュニケーション内容を、選択ユーザ同士の実際のコミュニケーション前に把握することができ、選択ユーザ同士のコミュニケーションを行うか否かの判断材料を選択ユーザに提供することができる。
【0020】
また、上記の目的を達成するために、本発明の情報提供システムは、ユーザの端末とネットワークを介してやり取り可能に構成され、他人とのコミュニケーションを図るための情報を提供する情報提供システムであって、前記情報提供システムを利用する前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段、若しくは、前記情報提供システムを利用する前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段に記録された情報を読み出すユーザ情報読出手段と、前記ユーザ情報記録手段に記録された前記ユーザ情報のうち、前記情報提供システムを利用する前記ユーザから選ばれた1人の前記ユーザである選択ユーザについての前記ユーザ情報に基づいて、前記選択ユーザが他人とコミュニケーションを図る際のガイド情報を、機械学習した生成AIを用いて生成するガイド情報生成手段と、前記ガイド情報生成手段が生成した前記ガイド情報を、前記選択ユーザの端末に出力する出力手段と、を備える。
【0021】
ここで、情報提供システムを利用するユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段によって、後述するガイド情報を生成する基礎となるユーザ情報を記録することができる。
なお、後述するガイド情報生成手段が、ユーザ情報記録手段に記録されたユーザ情報に基づいてガイド情報を生成する場合には、ガイド情報生成手段が生成するガイド情報は、ユーザ情報記録手段に記録されたユーザ情報を反映した内容となる。
【0022】
同様に、情報提供システムを利用するユーザに関する情報であるユーザ情報を記録するユーザ情報記録手段に記録された情報を読み出すユーザ情報読出手段によって、後述するガイド情報を生成する基礎となるユーザ情報を読み出すことができる。
なお、後述するガイド情報生成手段が、ユーザ情報読出手段が読み出したユーザ情報に基づいてガイド情報を生成する場合には、ガイド情報生成手段が生成するガイド情報は、ユーザ情報読出手段が読み出すユーザ情報(換言すると、ユーザ情報記録手段に記録されたユーザ情報)を反映した内容となる。
【0023】
また、ガイド情報生成手段が、機械学習した生成AIを用いてガイド情報を生成することによって、ユーザ情報に対応したガイド情報を一から生成することが可能となり、事前に準備された汎用的な情報を選択して提示する場合(例えば、特許文献1に記載の技術の場合)と比べると、よりパーソナライズされたガイド情報が実現する。
【0024】
また、ガイド情報生成手段が選択ユーザに生成したガイド情報に基づいて、選択ユーザと他人のコミュニケーション内容を生成するコミュニケーション内容生成手段を備え、出力手段が、コミュニケーション内容生成手段が生成したコミュニケーション内容を、選択ユーザの端末に出力する場合には、ガイド情報に基づいて選択ユーザと他人とで行われると予想されるコミュニケーション内容を、実際のコミュニケーション前に把握することができ、他人とのコミュニケーションを行うか否かの判断材料を選択ユーザに提供することができる。
【0025】
ところで、本発明の「ガイド情報」とは、ユーザ同士のコミュニケーションの円滑化が実現できる情報であれば、どの様な情報であっても良く、その形式が限定されるものではない。
例えば、会話のテーマのみが箇条書きされている形式、会話の順序も含めたテーマが箇条書きされている形式、具体的な会話例が記載されている形式、など、どの様な形式であっても良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明のマッチングシステム及び情報提供システムでは、円滑なコミュニケーションを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明のマッチングシステムの構成例を説明するための模式図である。
【
図2】マッチングシステムの動作を説明するための図(1)である。
【
図3】マッチングシステムの動作を説明するための図(2)である。
【
図4】マッチングシステムの変形例を説明するための模式図である。
【
図5】本発明の情報提供システムの構成例を説明するための模式図である。
【
図6】情報提供システムの変形例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)について説明を行う。なお、説明は以下の順で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
【0029】
<1.第1の実施の形態>
[本発明の構成]
図1は、本発明を適用したマッチングシステムの構成例の一例を説明するための模式図であり、ユーザ同士のコミュニケーションの円滑化を実現するためのシステム構成例である。
以下では、ユーザA(男性ユーザであって、女性ユーザとの出逢いを求めているユーザである)とユーザB(女性ユーザであって、男性ユーザとの出逢いを求めているユーザである)とのコミュニケーションの円滑化を実現する場合を例に挙げて説明を行う。
【0030】
図1で示すマッチンクシステム1は、インターネット2を介して、マッチングシステムのユーザ(以下、単に「ユーザ」と称する)が利用するユーザ端末3(3A,3B)や、生成AI4と、各種情報をやり取り可能に構成されている。
なお、ユーザ端末3AはユーザAが利用する端末であり、ユーザ端末3BはユーザBが利用する端末を示している。
【0031】
また、マッチングシステム1は、ユーザ情報記録手段5と、マッチング手段6と、ガイド情報生成手段7と、コミュニケーション情報生成手段8と、コミュニケーション内容生成手段9と、出力手段10を有する。
【0032】
ここで、ユーザ情報記録手段5には、マッチングシステム1を利用するユーザの各種情報が記録される。
例えば、「ユーザの基本情報(顔写真、名前、ニックネーム、性別、年齢、職業、住所、電話番号、メールアドレスなど)」、「趣味や嗜好の情報」、「希望するパートナーの条件」といった、ユーザを特定する情報や、ユーザの特性を特定する情報が記録される。
また、ユーザ情報記録手段5には、ガイド情報生成手段7が生成したガイド情報や、他のユーザとのコミュニケーション情報についても記録される。
【0033】
また、マッチング手段6は、マッチングシステム1を利用するユーザ同士のマッチングを行う。
例えば、ユーザAから「ユーザBとのマッチングを希望する旨」を受け付けると、ユーザBに対して「ユーザAがマッチングを希望している」という旨を伝え、ユーザBに対して、マッチングを了承するか否かの確認を求める。そして、ユーザBが了承の回答を行った場合には、ユーザAとユーザBのマッチングが成立することになる。
なお、ユーザBから「ユーザAとのマッチングを希望する旨」を受け付けた場合も同様である。
【0034】
ここで、マッチング手段6によるマッチングの結果は、マッチングが成立した場合、マッチングが成立しなかった場合のいずれであっても、ユーザ情報記録手段5に記録される。
【0035】
具体的には、各ユーザの基本情報に紐付けて、マッチングが成立したユーザの基本情報や、マッチングが成立しなかったユーザの基本情報を記録する。
例えば、ユーザAについて、マッチングが成立したユーザとしてユーザBを記録し、マッチングが成立しなかったユーザとしてユーザD(女性ユーザ)を記録し、ユーザBについても、マッチングが成立したユーザとしてユーザAを記録し、マッチングが成立しなかったユーザとしてユーザC(男性ユーザ)を記録する、といった具合である。
なお、以下では、マッチング手段6によるマッチングが成立したユーザを「選択ユーザ」と称する。
【0036】
また、ガイド情報生成手段7は、ユーザ情報記録手段5に記録されたユーザの各種情報に基づいて、選択ユーザ同士がコミュニケーションを図る場合に役立つガイド情報を生成する。
【0037】
例えば、マッチング手段6により、ユーザAとユーザBが選択ユーザとして選択されると(換言すると、ユーザAとユーザBのマッチングが成立すると)、「選択ユーザであるユーザAのユーザ情報」と「選択ユーザであるユーザBのユーザ情報」と共に、「ユーザAとユーザBのコミュニケーションの円滑化を図りたい旨」を、汎用のジェネレーティブAI(生成AI)4に入力し、生成AI4の出力結果を得ることで、ガイド情報を生成する。
【0038】
一例として、以下のような情報を生成AI4に入力する。
(生成AI4に入力する情報の一例)
あなたは、ユーザAとユーザBがビデオ通話をする場での司会進行役です。ユーザAは男性、ユーザBは女性で、お見合いのように恋愛、結婚を目的として、初対面でユーザAとユーザBはビデオ通話をします。
あなたは、初対面のユーザAとユーザBの会話を円滑に進め、かつ、恋愛、結婚に発展することを目的として、ガイド情報を作成してください。
ユーザAの情報は「・・・・(ここでは、記載を省略するが、実際にはユーザ情報記録手段5に記録されたユーザAの情報を入力)」です。ユーザBの情報は「・・・・(ここでは、記載を省略するが、実際にはユーザ情報記録手段5に記録されたユーザBの情報を入力)」です。
ガイド情報を作成するときには、以下のことに注意してください。
ユーザAとユーザBはお互いの情報を知りません。個人を特定するような情報をガイド情報に含めることは避けてください。
最初にユーザA、ユーザBの呼び方を決めるように促してください。
次に、ユーザAとユーザBのユーザ情報に基づいて、質問を促すようにしてください。不明点があればインターネットを検索して情報を読み込んでください。特に、ユーザAとユーザBの趣味については、深く質問するように促してください。
再度の会話をしたいと思われるようなガイド情報にしてください。
ビデオ通話は10分ほどを予定しています。質問はそれぞれ15個ほど生成してください。
【0039】
また、選択ユーザ同士のコミュニケーションが2回目以降の場合には、前回までの会話の内容や、前回までのガイド情報を踏まえたガイド情報を生成する。
【0040】
例えば、マッチング手段6により、ユーザAとユーザBが選択ユーザとして選択され、その選択が2回目以降である場合には、「選択ユーザであるユーザAのユーザ情報」と「選択ユーザであるユーザBのユーザ情報」に加えて、「前回までの会話の情報」と「前回までのガイド情報」を入力すると共に、「ユーザAとユーザBのコミュニケーションの円滑化を図りたい旨」を、生成AI4に入力し、生成AI4の出力結果を得ることで、ガイド情報を生成する。
【0041】
一例として、以下の様な情報を生成AI4に入力する。
(生成AI4に入力する情報の一例)
あなたは、ユーザAとユーザBがビデオ通話をする場での司会進行役です。ユーザAは男性、ユーザBは女性で、お見合いのように恋愛、結婚を目的として、これまでにあなたが生成したガイド情報に沿ってビデオ通話を行いました。今回もビデオ通話をします。
あなたは、ユーザAとユーザBの会話を円滑に進め、更に親密になることを目的として、ガイド情報を作成してください。
ユーザAの情報は「・・・・(ここでは、記載を省略するが、実際にはユーザ情報記録手段5に記録されたユーザAの情報を入力)」です。ユーザBの情報は「・・・・(ここでは、記載を省略するが、実際にはユーザ情報記録手段5に記録されたユーザBの情報を入力)」です。
前回までのガイド情報は「・・・(ここでは、記載を省略するが、実際には前回までのガイド情報を入力)」です。また、前回までの会話内容は「・・・(ここでは、記載を省略するが、実際には前回までの会話内容の情報を入力)」です。
ガイド情報を作成するときには、以下のことに注意してください。
ユーザAとユーザBはお互いの情報を知りません。個人を特定するような情報をガイド情報に含めることは避けてください。
再度の会話をしたいと思われるようなガイド情報にしてください。
ビデオ通話は10分ほどを予定しています。
【0042】
なお、本実施の形態では、選択ユーザ同士のコミュニケーションが2回目以降の場合には、「前回までの会話の内容」や「前回までのガイド情報」を踏まえたガイド情報を生成するものとして説明を行っているが、こうした態様に限定されるものではない。即ち、選択ユーザ同士のコミュニケーションが2回目以降の場合であっても、「前回までの会話の内容」や「前回までのガイド情報」を考慮することなく(換言すると、1回目のガイド情報の生成と同様に)、ガイド情報を生成しても良い。
【0043】
また、ガイド情報生成手段7は、選択ユーザ同士のコミュニケーション中に、選択ユーザからの要求に応じて、ガイド情報を生成(再生成)する。
【0044】
例えば、コミュニケーション中に、選択ユーザの端末(ユーザ端末3A,3B)から、「ガイド情報の生成を希望する旨」の情報を受信したことを条件として、「選択ユーザであるユーザAのユーザ情報」と「選択ユーザであるユーザBのユーザ情報」に加えて、「直前までの会話の情報」と「これまでのガイド情報(コミュニケーションが2回目以降であれば、前回までのガイド情報に加えて、今回のガイド情報)」を入力すると共に、「ユーザAとユーザBのコミュニケーションの円滑化を図りたい旨」を、生成AI4に入力し、生成AI4の出力結果を得ることで、ガイド情報を生成する。
【0045】
なお、ガイド情報生成手段7は、選択ユーザのそれぞれに異なるガイド情報を生成するように構成されている。
例えば、選択ユーザがユーザAとユーザBである場合には、「選択ユーザであるユーザAのユーザ情報」と「選択ユーザであるユーザBのユーザ情報」に基づいて、ユーザAには男性ユーザ用のガイド情報を生成し、ユーザBには女性ユーザ用のガイド情報を生成する、といった具合に、ユーザAとユーザBのそれぞれに異なるガイド情報を生成する。
【0046】
また、コミュニケーション情報生成手段8は、選択ユーザのうちの1人(特定選択ユーザ)の端末(ユーザ端末3A,3B)からコミュニケーション情報(会話の内容やチャットの内容など)を受け付け、受け付けたコミュニケーション情報に対する応答(コミュニケーション情報)を生成する。ここでの応答(コミュニケーション情報)は、選択ユーザに対して生成されたガイド情報に沿う内容となるように生成される。
即ち、コミュニケーション情報生成手段8は、特定選択ユーザが入力したコミュニケーション情報に対して、その相手(特定選択ユーザ以外の選択ユーザ)に代わって、コミュニケーション情報に対する応答情報(コミュニケーション情報)を生成する。
【0047】
具体的には、「ガイド情報」と「特定選択ユーザが入力したコミュニケーション情報」と共に、「ガイド情報に即した応答情報を生成して欲しい旨」を、生成AI4に入力し、生成AI4の出力結果を得ることで、特定選択ユーザの相手の応答情報を生成する。
【0048】
例えば、選択ユーザがユーザAとユーザBである場合に、ユーザAからコミュニケーション情報を受け付けると、コミュニケーション情報生成手段8は、ユーザBに代わって、選択ユーザ(ユーザA、ユーザB)に対して生成されたガイド情報に沿った応答を生成する。
【0049】
また、コミュニケーション内容生成手段9は、選択ユーザからの要求に応じて、選択ユーザに対して生成されたガイド情報に沿ったコミュニケーション内容を生成する。
即ち、コミュニケーション内容生成手段9は、選択ユーザの各々に代わってコミュニケーション情報(一の選択ユーザのコミュニケーション情報や、一の選択ユーザのコミュニケーション情報に対する他の選択ユーザの応答であるコミュニケーション情報)を生成する。
【0050】
具体的には、「選択ユーザであるユーザAのユーザ情報」と「選択ユーザであるユーザBのユーザ情報」と「ガイド情報」と共に、「ガイド情報に即したユーザAとユーザBの会話情報を生成して欲しい旨」を、生成AI4に入力し、生成AI4の出力結果を得ることで、ユーザAとユーザBの予想されるコミュニケーション内容を生成する。
【0051】
例えば、選択ユーザがユーザAとユーザBである場合に、ユーザA及びユーザBに代わって、コミュニケーション内容生成手段9が、予想される両者のコミュニケーション内容を生成する。
【0052】
出力手段10は、各種の情報をユーザ端末3A,3Bに出力する。
具体的には、マッチング手段6によるマッチン処理の結果(マッチングが成立したか否かの情報)や、ガイド情報生成手段7が生成したガイド情報や、コミュニケーション情報生成手段8が生成した応答の情報(コミュニケーション情報)や、コミュニケーション内容生成手段9が生成したコミュニケーション内容などを、ユーザ端末3A,3Bに出力する。
【0053】
[本発明の動作]
以下、
図2及び
図3を用いて、
図1に示すマッチングシステム1の動作について説明を行う。ここでは、ユーザAとユーザBが、マッチングシステム1を利用する場合を例に挙げて説明を行う。
【0054】
マッチングシステム1で、ユーザ同士のコミュニケーションを図るためには、先ずは、ユーザ情報の登録を行う(
図2中符号S1で示すステップ)。
【0055】
具体的には、ユーザAは、ユーザ端末3Aにインストールしたアプリ(マッチングアプリ)、若しくは、ユーザ端末3Aにインストールしたブラウザ等でアクセスしたサービス(マッチングサービス)の指示に従って、ユーザAの各種情報(ユーザAの基本情報、趣味や嗜好の情報、希望するパートナーの条件など)を入力する。ユーザ端末3Aに入力されたユーザAの各種情報は、マッチングシステム1のユーザ情報記録手段5に記録される(
図3中符号(1))。
ユーザAと同様に、ユーザBも、ユーザ端末3Bにインストールしたアプリ(マッチングアプリ)、若しくは、ユーザ端末3Bにインストールしたブラウザ等でアクセスしたサービス(マッチングサービス)の指示に従って、ユーザBの各種情報(ユーザBの基本情報、趣味や嗜好の情報、希望するパートナーの条件など)を入力する。ユーザ端末3Bに入力されたユーザBの各種情報は、マッチングシステム1のユーザ情報記録手段5に記録される(
図3中符号(1))。
【0056】
ユーザ情報の登録が完了すると、マッチング手段6によるマッチング機能を利用して、ユーザ同士のマッチング処理を行う(
図2中符号S2で示すステップ)。
【0057】
具体的には、ユーザAがマッチングシステム1に登録された女性ユーザの中から、ビデオ通話を行いたい(コミュニケーションを図りたい)と思うユーザを検索し、意中の相手としてユーザBが見つかった場合に、ユーザ端末3Aを通じて、マッチングシステム1にユーザBとのマッチング要求(ユーザBとビデオ通話を行いたい旨)を送信する(
図3中符号(2))。
【0058】
ユーザ端末3Aからマッチング要求を受信したマッチングシステム1は、ユーザ端末3Bに対してマッチング要求があった旨(ユーザAがビデオ通話を行いたいと要求している旨)を送信する(
図3中符号(3))。
【0059】
マッチングシステム1からマッチング要求があった旨を受信したユーザBが、ユーザ端末3Bを通じて、「マッチングの承諾」若しくは「マッチングの拒否」の回答をマッチングシステム1に送信する(
図3中符号(4))。
【0060】
ユーザ端末3Bから「マッチングの承諾」若しくは「マッチングの拒否」の回答を受信したマッチングシステム1は、回答をユーザ端末3Aに送信する(
図3中符号(5))。
【0061】
ここで、ユーザBが「マッチングの拒否」を行った場合には、マッチングが成立しなかったことを意味し、その後のステップには進まない。
【0062】
一方、ユーザBが「マッチングの承諾」を行った場合には、ユーザAとユーザBのマッチングが成立したことを意味し、スケジュール調整を行う(
図2中符号S3で示すステップ)。
【0063】
具体的には、ユーザA及びユーザBのそれぞれが、ユーザ端末3A,3Bを通じて、ビデオ通話を行うことが可能なスケジュールをマッチングシステム1に送信し、ユーザAとユーザBのスケジュールを調整する。
【0064】
なお、本実施の形態では、「ユーザAがユーザBに対してマッチング要求を送信する」といった具合に、個別のユーザを特定してマッチング要求を行う場合を例に挙げて説明を行っているが、マッチングが成立するのであれば、マッチングの方法自体は、いかなる方法であっても良い。
例えば、各ユーザが「マッチング相手に求める条件(地域、年齢など)」を記録しておき、マッチングシステムが、互いに条件を満足するユーザ同士をマッチング相手の候補としてピックアップし、ピックアップされたユーザ同士が承諾を行うことでマッチングが成立する、といった方法であっても良い。
また、ユーザは一切の条件を記録せず、マッチングシステムが任意のユーザをマッチング相手の候補としてピックアップし、ピックアップされたユーザ同士が承諾を行うことでマッチングが成立する、といった方法であっても良い。
【0065】
次に、ビデオ通話のスケジュールが決まると、ビデオ通話のためのURLを発行する(
図2中符号S4で示すステップ)。
【0066】
具体的には、マッチングシステム1は、ユーザAとユーザBがビデオ通話に参加するためのURLを発行し、出力手段10がURLをユーザ端末3A,3Bに送信する(
図3中符号(8))。
なお、ビデオ通話に参加するためのURLを送信する際には、ビデオ通話のシミュレーションを行うためのURLについても送信する(但し、マッチングシステム1にビデオ通話のシミュレーションを実現する仕組みが導入されていない場合や、ユーザAとユーザBにビデオ通話のシミュレーションを認めていない場合には、ビデオ通話のシミュレーションを行うためのURLは送信しない)。
【0067】
また、ビデオ通話のスケジュールが決まると、ガイド情報生成手段7によるガイド情報の生成を行う(
図2中符号S5で示すステップ)。
【0068】
具体的には、ガイド情報生成手段7は、ユーザ情報記録手段5に記録された「ユーザAのユーザ情報」や「ユーザBのユーザ情報」と、「ユーザAとユーザBのコミュニケーションの円滑化を図りたい旨」を汎用の生成AI4に入力する(
図3中符号(6))。
【0069】
また、ガイド情報生成手段7は、生成AI4が生成したガイド情報を受け付け(
図3中符号(7))、出力手段10がガイド情報をユーザ端末3A,3Bに送信する(
図3中符号(8))。
【0070】
次に、ガイド情報を受け取ったユーザは、必要に応じて、ビデオ通話のシミュレーションを行う(
図2中符号S6で示すステップ)。
なお、ビデオ通話のシミュレーションを行わない場合には、
図2中符号S6で示すステップは省略して、
図2中符号S7で示すステップに進むことになる。
【0071】
以下、(1)ユーザがコミュニケーション情報を入力するシミュレーションと、(2)ユーザがコミュニケーション情報を入力しないシミュレーションと、に分けて説明を行う。
【0072】
(1.コミュニケーション情報を入力するシミュレーションの場合)
ガイド情報を受信したユーザ(例えば、ユーザA)が、マッチングシステム1をコミュニケーション相手として、換言すると、マッチングシステム1を仮想のユーザBとしてビデオ通話のシミュレーションを行う場合には、「ビデオ通話のシミュレーションを行うためのURL」をクリックしてアクセスを行う。
【0073】
「ビデオ通話のシミュレーションを行うためのURL」にアクセスすると、ユーザBの代役としてのアバター(ユーザBのキャラクター)とビデオ通話を行うことができる。
ここでのシミュレーションでは、ユーザ端末3Aを介して、ユーザAが発言をすると、コミュニケーション情報生成手段8が、ガイド情報に即して返答を生成し、出力手段10がアバターの発言として、ユーザAに返答を行う(
図3中符号(9))。
【0074】
なお、アバターからの発言に対して、更にユーザAが発言を行い、その発言に対してアバターが更なる発言を行う、といった動作を繰り返すことで、アバターをユーザBの代役として模擬練習が実現することになる。
【0075】
(2.コミュニケーション情報を入力しないシミュレーションの場合)
ガイド情報を受信したユーザ(例えば、ユーザA)が、ガイド情報に即した会話内容を把握したい場合には、ユーザ端末3Aを介した要求を行う。
【0076】
ガイド情報に即した会話内容の要求がなされた場合には、コミュニケーション内容生成手段9が「ガイド情報に即したユーザAとユーザBの会話内容」を生成し、出力手段10がユーザ端末3Aに出力する(
図3中符号(9))。
【0077】
続いて、ビデオ通話を行うスケジュールが到来すると、ビデオ通話を行う(
図2中符号S7で示すステップ)。
【0078】
具体的には、ユーザA及びユーザBがビデオ通話のためのURLにアクセスを行うことで、マッチングシステム1を介して、ユーザAとユーザBがビデオ通話を行える環境が整い、ビデオ通話を行う(
図3中符号(10))。
【0079】
ここで、ビデオ通話の途中で、新しいガイド情報(追加のガイド情報)を欲する場合には、ユーザ端末3A,3Bを通じて、マッチングシステム1にガイド情報の再生成を要求する(
図2中符号S8で示すステップ)。
マッチングシステム1が、ガイド情報の再生成の要求を受け付けると、ガイド情報生成手段7がガイド情報を再生成し、出力手段10を介してユーザ端末3A,3Bに再生成したガイド情報を出力する。
なお、ガイド情報の再生成を要求した選択ユーザのみに再生成したガイド情報を出力しても良いし、ガイド情報を再生成した場合には、全ての選択ユーザに再生成したガイド情報を出力しても良い。
【0080】
次に、ビデオ通話が終了すると(例えば、規定の通話時間である10分が経過してビデオ通話が終了すると)、ユーザ端末3A,3Bに広告情報が表示される(
図2中の符号S9で示すステップ)。
【0081】
具体的には、マッチングシステム1の出力手段10は、後述する継続確認に先だって、ユーザ端末3A,3Bに広告情報を出力し、ユーザA及びユーザBに広告情報を視聴させる。
【0082】
続いて、広告情報が終了すると、ユーザ端末3A,3Bに「相手とのコミュニケーションの継続を希望するか否か」といった確認情報が表示される(
図2中符号S10で示すステップ)。
【0083】
具体的には、マッチングシステム1の出力手段10は、ユーザAに対して、「ユーザBとのコミュニケーションの継続を希望するか否か」の確認情報を送信し、ユーザAの回答を促す(
図3中符号(11))。同様に、マッチングシステム1の出力手段10は、ユーザBに対して、「ユーザAとのコミュニケーションの継続を希望するか否か」の確認情報を送信し、ユーザBの回答を促す(
図3中符号(11))。
【0084】
なお、ユーザA及びユーザBの双方が「コミュニケーションの継続を希望する」となった場合には、(1)マッチングシステム1を利用した再度のビデオ通話、(2)連絡先の交換、など、適宜の方法で、コミュニケーションを継続していく。
【0085】
[効果]
上記した本発明を適用したマッチングシステム1では、ガイド情報生成手段7がユーザA及びユーザBのユーザ情報に基づいてガイド情報を生成するために、ユーザAとユーザBとのビデオ通話を円滑に進めることが期待できる。
【0086】
また、ガイド情報生成手段7が生成するガイド情報に、ユーザの連絡先情報が含まれていないために、意図しない相手に連絡先情報を知られてしまうという不安が無く、安心してマッチングシステム1を利用することができる。
【0087】
更に、コミュニケーション情報生成手段8による模擬練習が行えるために、ユーザは実際のビデオ通話の前に充分な会話の練習を行うことができ、しかも、ガイド情報に即した会話の練習ができ、ビデオ通話をより円滑に進めることが期待できる。
【0088】
また、コミュニケーション内容生成手段9が生成する「ガイド情報に即したユーザAとユーザBの会話内容」により、ユーザAは、「ガイド情報に即してユーザBとビデオ通話を行った場合の内容(ユーザBとのビデオ通話内容の予想)」を知ることができ、内容によっては、実際のビデオ通話をキャンセルするという選択肢もあり、ビデオ通話を安心して進めることが期待できる。
【0089】
[変形例1]
上記した第1の実施の形態では、恋人や結婚相手を探すためのマッチングシステムを例に挙げて説明を行っているが、マッチングシステムの利用目的は男女間の出逢いに限定されるものではなく、「同じ趣味の仲間」や「仕事仲間」を探す目的であっても良い。
【0090】
[変形例2]
また、上記した第1の実施の形態では、選択ユーザが2人である場合(換言すると、2人のユーザのコミュニケーションの円滑化を図る場合)を例に挙げて説明を行っているが、選択ユーザは3人以上であっても良い。
【0091】
[変形例3]
また、上記した第1の実施の形態では、マッチングシステム1がユーザ情報記録手段5を有する場合を例に挙げて説明を行っているが、ユーザ情報に基づいて、ガイド情報生成手段7がガイド情報を生成できれば充分であって、必ずしも、ユーザ情報記録手段5を有する必要は無い。
例えば、
図4で示すように、マッチングシステム1の外部にユーザ情報記録手段5を設け、ユーザ情報読出手段11を介して、ユーザ情報記録手段5に記録されたユーザ情報を読み出しても良い。
【0092】
<2.第2の実施の形態>
[本発明の構成]
図5は、本発明を適用した情報提供システムの構成例の一例を説明するための模式図であり、ユーザと他人とのコミュニケーションの円滑化を実現するためのシステム構成例である。
以下では、ユーザXが就職面接における試験官とのコミュニケーションの円滑化を実現する場合を例に挙げて説明を行う。
【0093】
図5で示す情報提供システム21では、インターネット22を介して、情報提供システムのユーザ(以下、単に「ユーザ」と称する)が利用するユーザ端末23や、生成AI24と、各種情報をやり取り可能に構成されている。
【0094】
また、情報提供システム21は、ユーザ情報記録手段25と、ガイド情報生成手段27と、コミュニケーション情報生成手段28と、コミュニケーション内容生成手段29と、出力手段30を有する。
【0095】
ここで、ユーザ情報記録手段25には、情報提供システム21を利用するユーザの各種情報が記録される。
例えば、「ユーザの基本情報(顔写真、名前、性別、年齢、職業、住所、電話番号、メールアドレスなど)」、「保有する資格」、「特技や自己PRポイント」といった、ユーザを特定する情報や、ユーザの特性を特定する情報が記録される。
また、ユーザ情報記録手段25には、ガイド情報生成手段27が生成したガイド情報についても記録される。
【0096】
また、ガイド情報生成手段27は、ユーザ情報記録手段25に記録されたユーザの各情報に基づいて、ユーザが他人(例えば、就職面接の試験官)とコミュニケーションを図る場合に役立つガイド情報を生成する。
【0097】
例えば、「選択ユーザであるユーザXのユーザ情報」と「選択ユーザであるユーザXがコミュニケーションを図りたい試験官に関する情報」と共に、「ユーザXが試験官とコミュニケーションを図りたい旨」を、汎用のジェネレーティブAI(生成AI)24に入力し、生成AI24の出力結果を得ることで、ガイド情報を生成する。
【0098】
一例として、以下のような情報を生成AI24に入力する。
(生成AI24に入力する情報の一例)
あなたは、採用面接についてのアドバイザーです。
あなたは、ユーザAが試験官との会話を円滑に進め、ユーザAの魅力を試験官にPRでき、かつ、内定を勝ち取ることを目的として、ガイド情報を作成してください。
ユーザAの情報は「・・・・(ここでは、記載を省略するが、実際にはユーザ情報記録手段5に記録されたユーザAの情報を入力)」です。
ガイド情報を作成するときには、以下のことを注意してください。
試験官に対してユーザAの魅力を伝える方法を提案してください。
ユーザAが会社のニーズにどのように応えるのか、ユーザAが会社にどのように貢献できるのか、を伝える方法を提案してください。
【0099】
また、コミュニケーション情報生成手段28は、選択ユーザ(ユーザX)の端末23からコミュニケーション情報(会話の内容やチャットの内容など)を受け付け、受け付けたコミュニケーション情報に対応する応答(コミュニケーション情報)を生成する。ここでの応答(コミュニケーション情報)は、選択ユーザ(ユーザX)に対して生成されたガイド情報に沿う内容となるように生成される。
即ち、コミュニケーション情報生成手段28は、選択ユーザ(ユーザX)が入力したコミュニケーション情報に対して、その相手(他人)に代わって、コミュニケーション情報に対する応答情報(コミュニケーション情報)を生成する。
【0100】
具体的には、「ガイド情報」と「選択ユーザ(ユーザX)が入力したコミュニケーション情報」と共に、「ガイド情報に即した応答情報を生成して欲しい旨」を、生成AI24に入力し、生成AI24の出力結果を得ることで、選択ユーザ(ユーザX)の相手の応答情報を生成する。
【0101】
例えば、選択ユーザがユーザXである場合に、ユーザXからコミュニケーション情報を受け付けると、コミュニケーション情報生成手段28は、ユーザXのコミュニケーション相手である試験官に代わって、ユーザXに対して生成されたガイド情報に沿った応答を生成する。
【0102】
また、コミュニケーション内容生成手段29は、選択ユーザ(ユーザX)からの要求に応じて、選択ユーザに対して生成されたガイド情報に沿ったコミュニケーション内容を生成する。
即ち、コミュニケーション内容生成手段29は、選択ユーザとその相手の各々に代わってコミュニケーション情報(ユーザXのコミュニケーション情報や、ユーザXのコミュニケーション相手である他人のコミュニケーション情報)を生成する。
【0103】
具体的には、「選択ユーザであるユーザXのユーザ情報」と「ガイド情報」と共に、「ガイド情報に即したユーザXと相手の会話情報を生成して欲しい旨」を、生成AI24に入力し、生成AI24の出力結果を得ることで、ユーザXとその相手の予想されるコミュニケーション内容を生成する。
【0104】
例えば、選択ユーザがユーザXである場合に、ユーザX及びその相手(試験官)に代わって、コミュニケーション内容生成手段29が、予想される両者のコミュニケーション内容を生成する。
【0105】
出力手段30は、各種の情報をユーザ端末23に出力する。
具体的には、ガイド情報生成手段27が生成したガイド情報や、コミュニケーション情報生成手段28が生成した応答の情報(コミュニケーション情報)や、コミュニケーション内容生成手段29が生成したコミュニケーション内容などを、ユーザ端末23に出力する。
【0106】
[効果]
上記した本発明を適用した情報提供システム21では、ガイド情報生成手段27がユーザXのユーザ情報に基づいてガイド情報を生成するために、ユーザXと試験官とのコミュニケーションを円滑に進めることが期待できる。
【0107】
また、コミュニケーション情報生成手段28による模擬練習が行えるために、ユーザは実際の就職面接の前に充分な練習を行うことができ、しかも、ガイド情報に即した練習ができ、就職面接において試験官とのコミュニケーションをより円滑に進めることが期待できる。
【0108】
また、コミュニケーション内容生成手段29が生成する「ガイド情報に即したユーザXと試験官の会話内容」により、ユーザXは、「ガイド情報に即して試験官とコミュニケーションを行った場合の内容(試験官とのコミュニケーション内容の予想)」を知ることができ、内容によっては、就職面接をキャンセルするという選択肢もあり、試験官とのコミュニケーションを安心して進めることが期待できる。
【0109】
[変形例4]
上記した第2の実施の形態では、就職面接における試験官とのコミュニケーションを図る場合を例に挙げて説明を行っているが、飛び込み営業先でのコミュニケーションを図る目的や、交際相手の両親とのコミュニケーションを図る目的等に利用しても良い。
【0110】
[変形例5]
上記した第2の実施の形態では、マッチングシステム21がユーザ情報記録手段25を有する場合を例に挙げて説明を行っているが、必ずしも、ユーザ情報記録手段25を有する必要は無く、
図6で示すように、ユーザ情報読出手段31を介してユーザ情報を読み出しても良い点は、上記した変形例3と同様である。
【符号の説明】
【0111】
1 マッチングシステム
2 インターネット
3 ユーザ端末
4 生成AI
5 ユーザ情報記録手段
6 マッチング手段
7 ガイド情報生成手段
8 コミュニケーション情報生成手段
9 コミュニケーション内容生成手段
10 出力手段
11 ユーザ情報読出手段
21 情報提供システム
22 インターネット
23 ユーザ端末
24 生成AI
25 ユーザ情報記録手段
27 ガイド情報生成手段
28 コミュニケーション情報生成手段
29 コミュニケーション内容生成手段
30 出力手段
31 ユーザ情報読出手段