(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025030817
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】ブランコ、ブランコシステム、ブランコの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
A63G 9/02 20060101AFI20250228BHJP
【FI】
A63G9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023136451
(22)【出願日】2023-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】523322966
【氏名又は名称】齊藤 衡一
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 衡一
(57)【要約】
【課題】組み立て及び分解が可能で、持ち運びが容易なブランコ、ブランコシステム、ブランコの組み立て方法を提供する。
【解決手段】ブランコ2は、使用者が座るための座部4と、座部4を吊持する天上部5と、天上部5を支持するための複数の脚部6a~6hとからなり、天上部5は、脚部6a~6hが取り付けられる下方へ延びた円筒状の4つの被取付部9、9、9、9を有し、脚部6a~6hは、円筒部13と、円筒部13の一端に設けられた小径部14とからなり、脚部6a~6hの小径部14は、被取付部9、9、9、9及び他の脚部6a~6hの円筒部13に取り付け可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が座るための座部と、
前記座部を吊持する天上部と、
前記天上部を支持するための複数の脚部とからなり、
前記天上部は、前記脚部が取り付けられる下方へ延びた円筒状の4つの被取付部を有し、
前記脚部は、円筒部と、前記円筒部の一端に設けられた小径部とからなり、
前記脚部の前記小径部は、前記被取付部及び他の前記脚部の前記円筒部に取り付け可能であることを特徴とするブランコ。
【請求項2】
前記天上部及び前記脚部がアルミ製であることを特徴とする請求項1に記載のブランコ。
【請求項3】
ブランコと、前記ブランコの組み立てに使用可能な治具とからなるブランコシステムであって、
前記ブランコは、使用者が座るための座部と、前記座部を吊持する天上部と、前記天上部を支持するための複数の脚部とからなり、前記天上部は、前記脚部が取り付けられる下方へ延びた円筒状の4つの被取付部を有し、前記脚部は、円筒部と、前記円筒部の一端に設けられた小径部とからなり、前記脚部の前記小径部は、前記被取付部及び他の前記脚部の前記円筒部に取り付け可能であり、
前記治具は、前記ブランコの前記天上部を支持するための受け部と、前記受け部を先端に備えた軸部とを有することを特徴とするブランコシステム。
【請求項4】
前記治具の前記軸部は、長手方向への伸縮機構を備えていることを特徴とする請求項3に記載のブランコシステム。
【請求項5】
使用者が座るための座部と、前記座部を吊持する天上部と、前記天上部を支持するための第1~第8脚部とを有し、前記天上部は、前記脚部が取り付けられる下方へ延びた円筒状の第1~第4被取付部を有し、前記第1~第8脚部は、それぞれ円筒部と、前記円筒部の一端に設けられた小径部とからなり、前記第1~第8脚部の前記小径部は、前記第1~第4被取付部及び他の前記第1~第8脚部の前記円筒部に取り付け可能なブランコの組み立て方法であって、
前記第1、第2脚部をそれぞれ前記天上部の前記第1、第2被取付部に取り付け、前記第5、第6脚部をそれぞれ前記第3、第4脚部に取り付け、前記第3、第4脚部をそれぞれ前記天上部の前記第3、第4被取付部に取り付ける第1ステップと、
前記天上部を支持するための受け部と前記受け部を先端に備えた軸部とからなる治具を用いて、前記天上部を前記治具の前記受け部で支持しながら上方へ持ち上げ、前記軸部の前記受け部と反対側の端部を地面に配置することにより、前記天上部を前記第5、第6脚部及び前記治具により支持された状態とする第2ステップと、
前記第7、第8脚部をそれぞれ前記第1、第2脚部に取り付け、前記天上部から前記治具の前記受け部を離して前記天上部を前記第5~第8脚部により支持された状態とする第3ステップとを含むことを特徴とするブランコの組み立て方法。
【請求項6】
前記治具の前記軸部は、長手方向への伸縮機構を備え、
前記第2ステップにおいて、前記天上部を、前記治具の前記受け部で支持し前記伸縮機構により前記軸部を伸ばしながら上方へ持ち上げることを特徴とする請求項5に記載のブランコシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランコ、ブランコとブランコの治具からなるブランコシステム、ブランコの組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折り畳み式のブランコが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来の折り畳み式のブランコは、室内での使用を想定した小型のものであった。このため、従来の折り畳み式のブランコを屋外で使用するべく大型化しようとすると、折り畳んだ状態でも大型化してしまうため、持ち運びが困難になってしまうという問題があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、組み立て及び分解が可能で、持ち運びが容易なブランコ、ブランコシステム、ブランコの組み立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、
使用者が座るための座部と、
前記座部を吊持する天上部と、
前記天上部を支持するための複数の脚部とからなり、
前記天上部は、前記脚部が取り付けられる下方へ延びた円筒状の4つの被取付部を有し、
前記脚部は、円筒部と、前記円筒部の一端に設けられた小径部とからなり、
前記脚部の前記小径部は、前記被取付部及び他の前記脚部の前記円筒部に取り付け可能であることを特徴とするブランコを提供する。
【0007】
また本発明は、
ブランコと、前記ブランコの組み立てに使用可能な治具とからなるブランコシステムであって、
前記ブランコは、使用者が座るための座部と、前記座部を吊持する天上部と、前記天上部を支持するための複数の脚部とからなり、前記天上部は、前記脚部が取り付けられる下方へ延びた円筒状の4つの被取付部を有し、前記脚部は、円筒部と、前記円筒部の一端に設けられた小径部とからなり、前記脚部の前記小径部は、前記被取付部及び他の前記脚部の前記円筒部に取り付け可能であり、
前記治具は、前記ブランコの前記天上部を支持するための受け部と、前記受け部を先端に備えた軸部とを有することを特徴とするブランコシステムを提供する。
【0008】
また本発明は、
使用者が座るための座部と、前記座部を吊持する天上部と、前記天上部を支持するための第1~第8脚部とを有し、前記天上部は、前記脚部が取り付けられる下方へ延びた円筒状の第1~第4被取付部を有し、前記第1~第8脚部は、それぞれ円筒部と、前記円筒部の一端に設けられた小径部とからなり、前記第1~第8脚部の前記小径部は、前記第1~第4被取付部及び他の前記第1~第8脚部の前記円筒部に取り付け可能なブランコの組み立て方法であって、
前記第1、第2脚部をそれぞれ前記天上部の前記第1、第2被取付部に取り付け、前記第5、第6脚部をそれぞれ前記第3、第4脚部に取り付け、前記第3、第4脚部をそれぞれ前記天上部の前記第3、第4被取付部に取り付ける第1ステップと、
前記天上部を支持するための受け部と前記受け部を先端に備えた軸部とからなる治具を用いて、前記天上部を前記治具の前記受け部で支持しながら上方へ持ち上げ、前記軸部の前記受け部と反対側の端部を地面に配置することにより、前記天上部を前記第5、第6脚部及び前記治具により支持された状態とする第2ステップと、
前記第7、第8脚部をそれぞれ前記第1、第2脚部に取り付け、前記天上部から前記治具の前記受け部を離して前記天上部を前記第5~第8脚部により支持された状態とする第3ステップとを含むことを特徴とするブランコの組み立て方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、組み立て及び分解が可能で、持ち運びが容易なブランコ、ブランコシステム、ブランコの組み立て方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は本発明の実施形態に係るブランコシステムを示す図であり、詳しくはブランコと治具を組み立てた様子を示している。
【
図2】
図2はブランコと治具を分解した様子を示しており、
図2(a)は天上部の上面図、
図2(b)は天上部の下面図、
図2(c)は脚部の側面図、
図2(d)は軸部の側面図、
図2(e)は受け部の斜視図である。
【
図3】
図3はブランコを組み立てる様子を示しており、
図3(a)は組立手順1の様子、
図3(b)は組立手順2の様子を示す図である。
【
図4】
図4はブランコを組み立てる様子を示しており、
図4(a)は組立手順3の様子、
図4(b)は組立手順4の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態に係るブランコ、ブランコシステム及びブランコの組み立て方法を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すブランコシステム1は、組み立て及び分解が可能なブランコ2と、該ブランコ2の組み立て及び分解に使用可能な治具3とからなる。
ブランコ2は、
図1に示すように、ブランコ2の使用者が座るための座部4と、座部4を吊持する天上部5と、天上部5を支持する8本の脚部6a~6hとからなる。
【0012】
天上部5は、
図1、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、アルミ製であって2本の同形状かつ同寸法の円筒部材7a、7bで構成されている。円筒部材7a、7bは、それぞれ両端部分が同方向へL字状に折り曲げられた形状をしており、水平部8と2つの折曲部9、9とからなる。折曲部9、9は、脚部6a~6hが取り付けられる被取付部であって、本実施形態では一例として水平部8に対して95度折り曲げられている。また、一例として水平部8、8の長さは150cmに設計されている。
【0013】
円筒部材7a、7bは、長手方向から見て互いの折曲部9、9が所定の角度(本実施形態では一例として55度)をなすように水平部8、8同士が溶接されている。さらに、
図2(a)に示すように溶接された水平部8、8の上面(
図1上側の面)には、水平部8、8の長手方向に延びた薄く細長い矩形状の板状部材15が溶接されている。これにより、水平部8、8同士をより強固に固定することができる。なお、板状部材15は水平部8、8の下面に溶接される構成としてもよいし、水平部8、8の上面と下面の両方に溶接される構成としてもよい。また、板状部材15の代わりに、ボルトとナット等の締結手段を用いて水平部8、8同士をより強固に固定する構成としてもよい。
【0014】
図2(b)に示すように、水平部8、8の下面(
図1下側の面)の中央には、長手方向に所定の間隔を空けて2つの貫通口11、11が水平部8、8及び板状部材15を上下方向へ貫通するように形成されている。そして、後述する座部4の紐部材12が、一方の貫通口11に水平部8、8の下方から挿入され、板状部材15の上側を経由して他方の貫通口11に上方から挿入され水平部8、8の下方へ引き出されている。なお、水平部8、8に貫通口11、11を形成する代わりに、2つの環状部材を水平部8、8の下面に溶接し、この2つの環状部材に紐部材12を通す又は結び付ける構成としてもよい。
【0015】
8本の脚部6a~6hは、
図2(c)に示すように、全て同形状かつ同寸法であって、それぞれ円筒部13と、円筒部13の一端に備えられた円筒形状の小径部14とからなる。
円筒部13は、アルミ製であって、外径及び厚みが天上部5の円筒部材7a、7bと同じに設計されている。
小径部14は、アルミ製であって、円筒部13よりも小径で、長手方向の長さが円筒部13よりも小さく設計されている。小径部14は、円筒部13の内周面に嵌合し溶接されており、一部が円筒部13の一端側から露出している。
【0016】
本実施形態では、一例として円筒部13の長さは170cm、円筒部13から露出した小径部14の長さは40cmに設計されている。また、小径部14の外径は、天上部5の折曲部9、9、9、9や円筒部13に挿入される際に所定の摩擦力が生じる寸法に設計されている。一例として円筒部13の外径と厚みは4.5cmと0.3cm、小径部14の外径は3.8cmに設計されている。
【0017】
斯かる構成の脚部6a~6hの小径部14は、天上部5の折曲部9、9、9、9及び他の脚部6a~6hの円筒部13に嵌合可能である。脚部6a~6hの小径部14を、他の脚部6a~6hの小径部14を備えていない端部に挿入することにより、脚部6a~6hを他の脚部6a~6hに着脱自在に取り付けることができる。脚部6a~6hの小径部14を、天上部5の折曲部9、9、9、9に挿入することにより、脚部6a~6hを折曲部9、9、9、9に着脱自在に取り付けることができる。
【0018】
なお、脚部6a~6h及び天上部5は、ブランコ2の強度を確保しながら錆びにくく、軽量化を達成するために上述のようにアルミ製とすることが好ましいが、これに限られず鉄等のその他の金属製、紙製、木製、樹脂製等としてもよい。
【0019】
座部4は、
図1に示すように、使用者が座るためのアルミ製の円筒部材16と、プラスチック製、より具体的にはポリエステル製の紐部材12とからなる。
図2(b)に示すように、円筒部材16には長手方向に所定の間隔を空けて2つの開口17、17が形成されており、紐部材12が一方の開口17から円筒部材16内に挿入され、他方の開口17から円筒部材16外へ引き出されている。なお、この開口17から円筒部材16外へ引き出された紐部材12の一端は、先に述べたように天上部5の水平部8、8の貫通口11から引き出された紐部材12の他端と結び付けられており、これによって座部4は紐部材12を介して天上部5に吊り下げられている。本実施形態では、一例として円筒部材16の長さは98cmに設計されている。
【0020】
なお、座部4の円筒部材16の代わりにその他の形状のもの、例えば紐部材12を結び付けるための2つのリング状部材を備えた板状部材等を用いてもよい。また、円筒部材16の材質はアルミ製に限られずその他の材質、例えば金属製、紙製、木製、樹脂製等としてもよい。紐部材12は、耐久性及び耐水性が高く、水に濡れても重くならないという観点から前述のようにポリエステル製とすることが好ましいが、これに限られず例えば金属製の細いチェーン、繊維製、その他の合成樹脂製等としてもよい。
【0021】
以上に述べた構成のブランコ2は、構成が単純で部品点数が少なく、ネジ等の留め具が不要で組み立て及び分解が可能であり、容易に持ち運ぶことができる。また、ブランコ2は、組み立て作業及び分解作業を後述するように簡単に行うことができる。一例としてブランコ2は、地面から天上部5の上端までの高さ325cm、総重量約22kgに設計されている。即ち、ブランコ2は、公園に設置されている一般的なブランコよりも大型で屋外での使用に適していながら、軽量化が達成されており容易に持ち運ぶこともできる。また、ブランコ2は、土、砂、砂利、芝生等の地面の状態に関わらず設置可能であり、川や海の浅瀬等にも設置可能である。
【0022】
治具3は、ブランコ2の組み立て、分解の作業に際して用いられるものであり、棒状の軸部18と、天上部5を支持するために軸部18の一端に着脱自在に備えられた受け部19とからなる。
軸部18は、金属製であって、伸縮可能な物干し竿と同様な公知の伸縮機構を備え、長手方向への延長、短縮が可能な円柱状部材からなる。軸部18の一端にはネジ山21が形成されている。
【0023】
受け部19は、木製の直方体部材に断面が矩形状の溝を設けた形状、即ちコ字状部材からなる。受け部19の下面の中央には、軸部18のネジ山21と螺合可能なネジ穴22が形成されており、これにより受け部19に対して軸部18は取り付け及び取り外し可能になっている。なお、受け部19は木製に限られず樹脂製や金属製としてもよい。受け部19の形状は先に述べたものに限られず、例えば直方体部材に断面が円形又は楕円形の溝を設けた形状等としてもよい。また、軸部18に受け部19を取り付けるための構成は前述のものに限らない。例えば、軸部18の一端にネジ山21を設けず、受け部19のネジ穴22の代わりに軸部18の一端と嵌合可能な穴を設け、当該穴に軸部18の一端を挿入することにより受け部19を軸部18に取り付ける構成としてもよい。
【0024】
次に、以上に述べたブランコシステム1におけるブランコ2の組み立て方法について説明する。使用者は治具3を用いて以下の組立手順1~4を実施することでブランコ2を組み立てることができる。なお、予め使用者は、治具3の受け部19に軸部18を取り付けることによって治具3を組み立て、不図示の伸縮機構により軸部18を延長しておくものとする。
【0025】
組立手順1:使用者は、天上部5の一方の円筒部材7aの折曲部9、9に脚部6a、6bを取り付け、脚部6c、6dに脚部6e、6fを取り付ける。使用者は、天上部5を横向きに、詳しくは脚部6a、6bが下側に位置するように地面に配置し、天上部5の他方の円筒部材7bの折曲部9、9に、脚部6c、6dを取り付ける(
図3(a)参照)。
【0026】
なお、組立手順1における円筒部材7aの折曲部9、9への脚部6a、6bの取り付け、脚部6c、6dへの脚部6e、6fの取り付け、円筒部材7bの折曲部9、9への脚部6c、6dの取り付けの順番は一例を説明したものであり、これに限られない。例えば、円筒部材7bの折曲部9、9への脚部6c、6dの取り付け後に、脚部6c、6dに脚部6e、6fを取り付けてもよい。
【0027】
組立手順2:使用者は、脚部6a、6bの先端を支点にして天上部5を上方へ持ち上げる。これにより、脚部6e、6fが地面に着き、天上部5は脚部6a、6b、6e、6fにより支持された状態となる(
図3(b)参照)。なお、本組立手順2において使用者は、治具3を用い、天上部5の中央部分を治具3の受け部19で支持しながら天上部5を上方へ持ち上げてもよい。
【0028】
組立手順3:使用者は、天上部5の中央部分を治具3の受け部19で支持しながら、治具3の軸部18を延長して天上部5をさらに上方へ持ち上げ、軸部18の受け部19と反対側の端部を地面に配置する。これにより、脚部6a、6bの先端は地面から離れ、天上部5は脚部6e、6f及び治具3により支持された状態となる(
図4(a)参照)。
【0029】
組立手順4:使用者は、脚部6a、6bに脚部6g、6hを取り付ける(
図4(b)参照)。使用者は、天上部5を受け部19で支持しながら、治具3の軸部18を脚部6g、6h側(
図4(b)中の矢印方向)へずらす、又は治具3の軸部18を短縮する。これにより、天上部5の位置が下がり脚部6g、6hが地面に着くため、天上部5は脚部6e、6f、6g、6hにより支持された状態となり、使用者は受け部19を天上部5から離してブランコ2の組み立てが完了する(
図1参照)。
【0030】
以上に述べたブランコ2の組み立て方法によれば、使用者は治具3を用いることによりブランコ2を1人で容易、安全、迅速に組み立てることができる。
【0031】
なお、各組立手順1~4では、例えば天上部5の折曲部9に脚部6aを取り付け、脚部6aに脚部6gを取り付ける等と説明しているが、先に述べたように天上部5の折曲部9、9、9、9、脚部6a~6hはそれぞれ同形状かつ同寸法であるため、折曲部9、9、9、9にいずれの脚部6a~6hを取り付けても、いずれの脚部6a~6h同士を連結しても構わない。
【0032】
次に、ブランコシステム1におけるブランコ2の分解方法について説明する。ブランコ2を分解する際には上述した組立手順1~4を逆から実施すればよい。具体的には、使用者は治具3を用いて以下の分解手順1~3を実施することでブランコ2を分解することができる。
【0033】
分解手順1:使用者は、天上部5の中央部分を治具3の受け部19で支持しながら上方へ持ち上げ、軸部18の受け部19と反対側の端部を地面に配置する。これにより、ブランコ2の脚部6g、6hが地面から離れた状態となる(
図4(b)参照)。
【0034】
分解手順2:使用者は、脚部6a、6bから脚部6g、6hを取り外し、治具3の軸部18を脚部6e、6fと反対側へずらす、又は治具3の軸部18を短縮することにより、天上部5を下方に降ろす。これにより、脚部6a、6bが地面に着き、天上部5は脚部6a、6b、6e、6fにより支持された状態となる(
図3(b)参照)。
【0035】
分解手順3:使用者は、天上部5の円筒部材7aの折曲部9、9から脚部6a、6bを取り外し、天上部5を地面に配置する。そして使用者は、脚部6c、6dから脚部6e、6fを取り外し、さらに天上部5の円筒部材7bの折曲部9、9から脚部6c、6dを取り外すことにより、ブランコ2の分解が完了する(
図2参照)。なお、天上部5に紐部材12を巻き付けることにより、天上部5と座部4とをひとまとめにしておくことが好ましいが、これに限られず紐部材12を解いて天上部5と座部4とを分解するようにしてもよい。
【0036】
以上に述べたブランコ2の分解方法によれば、使用者は治具3を用いることによりブランコ2を1人で容易、安全、迅速に分解することができる。なお、最後に使用者は、治具3の受け部19を軸部18から取り外すことによって治具3を分解する。
【0037】
以上に述べたブランコ2の組み立て方法及び分解方法は、組立手順1~4及び分解手順1~3の全ての手順において、使用者が脚立や台に乗ることなく作業を行うことができるため、非常に安全性が高い。
また、上述のブランコ2の組み立て方法及び分解方法は、使用者が1人で作業を行うこと想定したものであるが、これに限られず2人以上で作業を行う場合には、治具3を使用しなくても上述の組立手順1~4及び分解手順1~3を容易に実施することができる。
【0038】
本実施形態における治具3は、上述のように軸部18に伸縮機構が備えられている。しかしこれに限られず、軸部18は上述の組立手順1~4及び分解手順1~3を実施するために十分な長さを有していれば、伸縮機構を有していなくてもよい。
本実施形態におけるブランコ2は、天上部5の折曲部9、9、9、9に脚部6a~6hを2本ずつ取り付けているが、脚部6a~6hの数はこれに限られない。例えば、脚部6a~6hの長さを変更し、折曲部9、9、9、9に脚部6a~6hを1本ずつ、又は3本以上ずつ取り付ける構成としてもよい。
【0039】
ブランコ2及び治具3は容易に組み立て及び分解が可能であるため、使用者はブランコ2及び治具3を自動車に載せて砂浜等の景観の良い場所へ携行し、その場で組み立ててブランコ2を使用することができる。
【0040】
ブランコシステム1は、組み立てたブランコ2の天上部5に被せるためのカバー部材、具体的には例えばナイロン製であって中空の三角柱の側面の1つを開放した形状のカバー部材をさらに有する構成としてもよい。天上部5に紐部材12を巻き付けることによって座部4を天上部5に収納し、当該カバー部材を天上部5に被せることにより、ブランコ2をテントとして使用することができる。
【0041】
ブランコシステム1は、組み立てたブランコ2の4本の脚部6a~6hに取り付け可能なハンモック部材、具体的には例えばナイロン製であって4本の脚部6a~6hに結び付けるための吊り紐を四隅に備えたハンモック部材をさらに有する構成としてもよい。天上部5に紐部材12を巻き付けて座部4を収納し、当該ハンモック部材を脚部6a~6hに取り付けることにより、ブランコ2をハンモックとして使用することができる。また、ブランコ2にハンモック部材と前述のカバー部材の両方を組み合わせて使用することもできる。
【0042】
ブランコシステム1のブランコ2は、天上部5に紐部材12を巻き付けることにより座部4の高さを調整し、天上部5の折曲部9、9、9、9に脚部6a~6hを1本ずつ取り付けた状態、即ち
図1に示す状態から脚部6e~6hを取り外した状態で使用することもできる。これにより、地面から天上部5の上端までの高さが小さく、幼児等の使用にも適したブランコを実現することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 ブランコシステム
2 ブランコ
3 治具
4 座部
5 天上部
6a~6h 脚部
8 天上部の水平部
9 天上部の折曲部
12 座部の紐部材
13 脚部の円筒部
14 脚部の小径部
16 座部の円筒部材
18 治具の軸部
19 治具の受け部