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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003083
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】配線接続ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01H 71/08 20060101AFI20241226BHJP
   H01R 4/48 20060101ALI20241226BHJP
   H05K 7/10 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01H71/08
H01R4/48 B
H05K7/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103560
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】藤田 賢
【テーマコード(参考)】
5G030
【Fターム(参考)】
5G030XX05
5G030XX20
(57)【要約】
【課題】一つのユニットを追加するだけでコイル端子及び補助端子の双方をプッシュイン構造に変更できる配線接続ユニットを提供する。
【解決手段】配線接続ユニット15は、コネクタ23及びコネクタ24と、配線25と、配線26と、を備えている。コネクタ23及びコネクタ24は、差し込まれた電線44をスプリング端子42によって保持可能である。配線25は、一端がコネクタ23に接続され、他端が電磁接触器11のコイル端子13に接続される。配線26は、一端がコネクタ24に接続され、他端が電磁接触器11の補助端子14、又は電磁接触器11に取り付けられる補助接点ユニット12の補助端子14に接続される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
差し込まれた電線をスプリング端子によって保持可能な第一のコネクタ及び第二のコネクタと、
一端が前記第一のコネクタに接続され、他端が電磁接触器のコイル端子に接続される第一の配線と、
一端が前記第二のコネクタに接続され、他端が前記電磁接触器の補助端子、又は前記電磁接触器に取り付けられる補助接点ユニットの補助端子に接続される第二の配線と、を備えることを特徴とする配線接続ユニット。
【請求項2】
前記第一のコネクタ及び前記第二のコネクタが固定されたケースを備え、
前記第一の配線及び前記第二の配線は、一端が前記ケースの内部で前記第一のコネクタ及び前記第二のコネクタに接続され、他端が前記ケースから引き出されていることを特徴とする請求項1に記載の配線接続ユニット。
【請求項3】
前記電磁接触器の側面、又は前記補助接点ユニットの側面に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の配線接続ユニット。
【請求項4】
前記第一のコネクタと前記第一の配線とを接続し、前記第二のコネクタと前記第二の配線とを接続する回路基板を備え、
前記回路基板には、前記電磁接触器におけるコイルのサージ電圧を吸収するダイオードが実装されていることを特徴とする請求項1に記載の配線接続ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線接続ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電磁接触器に取り付けられる補助接点ユニットの構造が開示されている。電磁接触器のコイル端子、及び補助接点ユニットの補助端子は、ねじ端子で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/085219号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プッシュイン構造として電線を差し込むだけで接続できる配線接続器具があり、これをねじ端子に追加することで接続作業の効率化を図ることができる。コイル端子及び補助端子の双方をプッシュイン構造にするには、配線接続器具を別々に追加しなければならなかった。
本発明の目的は、一つのユニットを追加するだけでコイル端子及び補助端子の双方をプッシュイン構造に変更できる配線接続ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る配線接続ユニットは、第一のコネクタ及び第二のコネクタと、第一の配線と、第二の配線と、を備えている。第一のコネクタ及び第二のコネクタは、差し込まれた電線をスプリング端子によって保持可能である。第一の配線は、一端が第一のコネクタに接続され、他端が電磁接触器のコイル端子に接続される。第二の配線は、一端が第二のコネクタに接続され、他端が電磁接触器の補助端子、又は電磁接触器に取り付けられる補助接点ユニットの補助端子に接続される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、一つのユニットを追加するだけでコイル端子及び補助端子の双方をプッシュイン構造に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】電磁接触器11及び補助接点ユニット12を示す図である。
図2】配線接続ユニット15を示す図である。
図3】配線接続ユニット15を示す図である。
図4】配線接続ユニット15の内部を示す図である。
図5】コネクタ23を示す図である。
図6】配線接続ユニット15の取り付け例を示す図である。
図7】配線接続ユニット15の取り付け例を示す図である。
図8】比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0009】
《実施形態》
《構成》
以下の説明では、互いに直交する三方向を、便宜的に、幅方向、縦方向、及び奥行方向とする。
図1は、電磁接触器11及び補助接点ユニット12を示す図である。
ここでは、電磁接触器11及び補助接点ユニット12を奥行方向の手前から見た状態を示している。電磁接触器11には、縦方向の一方に一対のコイル端子13が設けられている。コイル端子13は、ねじ端子であり、幅方向に沿って並んでいる。電磁接触器11の側面には、補助接点ユニット12が取り付けられており、補助接点ユニット12には、二対の補助端子14が設けられている。補助端子14は、ねじ端子であり、縦方向に沿って並び、縦方向の内側同士及び外側同士が対になる。
【0010】
図2は、配線接続ユニット15を示す図である。
ここでは、配線接続ユニット15を奥行方向の手前から見た状態を示している。
図3は、配線接続ユニット15を示す図である。
ここでは、配線接続ユニット15を、縦方向の一方、幅方向の一方、及び奥行方向の手間から見た状態を示している。配線接続ユニット15は、ケース21及びケース22と、コネクタ23(第一のコネクタ)と、コネクタ24(第二のコネクタ)と、配線25(第一の配線)と、配線26(第二の配線)と、を備えている。
ケース21及びケース22は、幅方向に分割可能な樹脂製の筐体である。ケース21には、電磁接触器11の側面、又は補助接点ユニット12の側面にスナップフィットによって取り付け可能なフック31が形成されている。
【0011】
コネクタ23及びコネクタ24は、差し込まれた電線を保持可能なプッシュイン構造のコネクタである。コネクタ23及びコネクタ24は、ケース21及びケース22における奥行方向の手前から露出しており、縦方向に沿って一列に配置されている。コネクタ23は、縦方向の一方に設けられ、コネクタ24は、縦方向の中央及び他方に一つずつ設けられている。
配線25は、一端側がケース21及びケース22の内部でコネクタ23に接続され、他端がケース21及びケース22の外部に引き出されてコイル端子13に接続されるリード線である。
配線26は、一端側がケース21及びケース22の内部でコネクタ24に接続され、他端がケース21及びケース22の外部に引き出されて補助端子14に接続されるリード線である。したがって、配線26は、二組ある。
【0012】
図4は、配線接続ユニット15の内部を示す図である。
ここでは、ケース22を取り外した配線接続ユニット15を、縦方向の一方、幅方向の一方、及び奥行方向の手間から見た状態を示している。ケース21及びケース22は、中空であり、幅方向に突出した互いのボスを嵌め合わせてねじによって締結される。ケース21及びケース22は、奥行方向の手前の壁体に形成された三つの開口から、コネクタ23及びコネクタ24が露出する。コネクタ23及びコネクタ24には、夫々、縦方向に並んだ二つの電線差込穴41が形成されている。ケース21には、回路基板32が固定されている。回路基板32は、コネクタ23と配線25とを接続し、コネクタ24と配線26とを接続している。ケース21及びケース22は、縦方向の一方の壁体に形成された開口から、一対の配線25及び一対の配線26が外方へ引き出され、縦方向の他方の壁体に形成された開口から、一対の配線26が外方へ引き出されている。回路基板32には、電磁接触器11におけるコイルのサージ電圧を吸収するダイオード33が実装されている。
【0013】
図5は、コネクタ23を示す図である。
ここでは、コネクタ23において、電線差込穴41の中心を通り幅方向及び奥行方向に沿った断面を、縦方向の一方から見た状態を示している。コネクタ23の内側には、電線差込穴41ごとに一つのスプリング端子42が設けられている。スプリング端子42は、導電性を有する金属製であり、互いに対向した一対のばね片によって形成されており、奥行方向の奥に突出した端子43が回路基板32を介して配線25に接続される。図中の(a)は、電線44に圧着されたフェルール端子45が電線差込穴41に差し込まれる前の状態を示している。図中の(b)は、フェルール端子45が電線差込穴41に差し込まれた後の状態を示している。フェルール端子45は、カラーが電線差込穴41の縁に接触して差し込みが完了すると、スプリング端子42によって保持される。
コネクタ24についても、コネクタ23と同様の構造であるため説明を省略する。
【0014】
図6は、配線接続ユニット15の取り付け例を示す図である。
ここでは、配線接続ユニット15を取り付けた電磁接触器11及び補助接点ユニット12を、奥行方向の手前から見た状態を示している。
図7は、配線接続ユニット15の取り付け例を示す図である。
ここでは、配線接続ユニット15を取り付けた電磁接触器11及び補助接点ユニット12を、縦方向の一方、幅方向の一方、及び奥行方向の手間から見た状態を示している。配線接続ユニット15は、補助接点ユニット12の側面に取り付けられており、一対の配線25がコイル端子13に接続され、二対の配線26が補助端子14に接続されている。
【0015】
《作用効果》
次に、実施形態の主要な作用効果について説明する。
配線接続ユニット15は、コネクタ23及びコネクタ24と、配線25と、配線26と、を備えている。コネクタ23及びコネクタ24は、差し込まれた電線44をスプリング端子42によって保持可能である。配線25は、一端がコネクタ23に接続され、他端が電磁接触器11のコイル端子13に接続される。配線26は、一端がコネクタ24に接続され、他端が電磁接触器11に取り付けられる補助接点ユニット12の補助端子14に接続される。なお、電磁接触器11が補助端子を備えている場合には、配線26の他端を電磁接触器11の補助端子に接続するようにしてもよい。これにより、一つの配線接続ユニット15を追加するだけでコイル端子13及び補助端子14の双方をプッシュイン構造に変更できる。
【0016】
配線接続ユニット15は、コネクタ23及びコネクタ24が固定されたケース21及びケース22を備えている。配線25及び配線26は、一端がケース21及びケース22の内部でコネクタ23及びコネクタ24に接続され、他端がケース21及びケース22から引き出されている。このようにユニット化することで、取り扱いが容易になり作業性が向上する。
配線接続ユニット15は、電磁接触器11の側面、又は補助接点ユニット12の側面に取り付けられる。これにより、電磁接触器11及び補助接点ユニット12が縦方向に大型化することを抑制できる。
配線接続ユニット15は、回路基板32を備えている。回路基板32は、コネクタ23と配線25とを接続し、コネクタ24と配線26とを接続する。回路基板32には、電磁接触器11におけるコイルのサージ電圧を吸収するダイオード33が実装されている。このように、配線接続ユニット15に機能を集約することで、コイルサージ電圧を吸収するための別製品を設ける必要がなくなる。
【0017】
次に、比較例について説明する。
ここでは、コイル端子13及び補助端子14の双方に個別に配線接続器具を追加する構成を比較例として説明する。
図8は、比較例を示す図である。
ここでは、電磁接触器11及び補助接点ユニット12を、奥行方向の手前から見た状態を示している。コイル端子13には、配線接続器具51を追加し、補助端子14には、配線接続器具52を追加している。このように、コイル端子13及び補助端子14の双方をプッシュイン構造にするには、配線接続器具51及び配線接続器具52を別々に追加しなければならなかった。また、電磁接触器11及び補助接点ユニット12が縦方向に大型化していた。
【0018】
《変形例》
実施形態では、配線26を補助接点ユニット12の補助端子14に接続する構成について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、補助端子付きの電磁接触器であれば、配線26を電磁接触器の補助端子に接続してもよい。
実施形態では、電磁接触器11における幅方向の一方に、補助接点ユニット12及び配線接続ユニット15を取り付ける構成について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、電磁接触器11における幅方向の他方に、補助接点ユニット12及び配線接続ユニット15を取り付けてもよい。この場合、配線25を引き出すケース21の開口を切り替えることで、配線接続ユニット15を取り付ける方向を反転できる。
【0019】
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
【符号の説明】
【0020】
11…電磁接触器、12…補助接点ユニット、13…コイル端子、14…補助端子、15…配線接続ユニット、21…ケース、22…ケース、23…コネクタ、24…コネクタ、25…配線、26…配線、31…フック、32…回路基板、33…ダイオード、41…電線差込穴、42…スプリング端子、43…端子、44…電線、45…フェルール端子、51…配線接続器具、52…配線接続器具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8