(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025030935
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】販売データ処理装置、システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20250228BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20250228BHJP
G07B 5/00 20060101ALI20250228BHJP
G07B 1/00 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
G07G1/12 361C
G07G1/01 301E
G07B5/00 D
G07B1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023136656
(22)【出願日】2023-08-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売及び実施による公開 販売・実施日(公開日) 2023年5月8日 販売先 ロイヤルコントラクトサービス株式会社(東京都世田谷区桜新町1-34-6) 実施先(店舗) The Making of Harry Potter(東京都練馬区春日町1-1-7)(実施先HP URL:https://www.wbstudiotour.jp/)
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】大井 康平
(72)【発明者】
【氏名】針谷 隆男
【テーマコード(参考)】
3E026
3E142
【Fターム(参考)】
3E026CA01
3E026CA06
3E142AA07
3E142DA07
3E142DA09
3E142EA04
3E142GA41
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】顧客に対するサービスの質を向上させること。
【解決手段】販売データ処理装置は、取引における精算を行う。販売データ処理装置は、入力手段と、登録手段と、受付手段と、通知手段とを備える。入力手段は、顧客が使用するテーブル席まで持ち運ばれて前記テーブル席を特定可能な座席特定端末の識別情報を入力する。登録手段は、前記入力手段によって入力された前記識別情報と前記取引とを関連付ける。受付手段は、前記取引に係る商品の店内での消費および店外での消費のうち、いずれか一方の選択を受け付ける。通知手段は、前記受付手段が店内での消費を受け付けた場合、前記識別情報の入力を促す旨を通知する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引における精算を行う販売データ処理装置であって、
顧客が使用するテーブル席まで持ち運ばれて前記テーブル席を特定可能な座席特定端末の識別情報を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された前記識別情報と前記取引とを関連付ける登録手段と、
前記取引に係る商品の店内での消費および店外での消費のうち、いずれか一方の選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が店内での消費を受け付けた場合、前記識別情報の入力を促す旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする販売データ処理装置。
【請求項2】
前記登録手段は、前記入力手段によって前記識別情報が入力されることによって、前記取引を可能にする、
ことを特徴とする請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記通知手段は、前記入力手段によって前記識別情報が入力された場合、前記テーブル席における前記座席特定端末の利用方法を示す案内を通知する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の販売データ処理装置と、商品に関する指示を出力する情報出力装置とを備えるシステムであって、
前記情報出力装置は、
前記テーブル席に複数の商品が提供される場合において最後の提供となる商品の指示を出力する際に、最後の配膳であることを示す情報を出力する、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項5】
取引における精算を行う販売データ処理装置のコンピュータを、
顧客が使用するテーブル席まで持ち運ばれて前記テーブル席を特定可能な座席特定端末の識別情報を入力する入力手段、
前記入力手段によって入力された前記識別情報と前記取引とを関連付ける登録手段と、
前記取引に係る商品の店内での商品の消費および店外での商品の消費のうち、いずれか一方の選択を受け付ける受付手段、
前記受付手段が店内での消費を受け付けた場合、前記識別情報の入力操作を促す旨を通知する通知手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売データ処理装置、システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フードコート等の店舗では、フルセルフ式の販売データ処理装置として、券売機が使用されることがある(例えば、特許文献1参照)。券売機を用いた取引において、顧客は、券売機で予め食券を購入し、購入した商品の呼び出しがあると、受け渡しカウンタまで赴いて、食券と引き換えに、商品を受け取る。このように、券売機を用いた取引では、通常、店員が顧客(注文者)の座席まで配膳することは行われない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、飲食店によっては、顧客のテーブル席まで商品を届けることができないことから、店舗によっては、顧客に対して十分なサービスを提供できないことがあり、すなわち、顧客に対するサービスの質が低いことがある、という問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、顧客に対するサービスの質を向上させることができる技術を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である販売データ処理装置は、取引における精算を行う販売データ処理装置であって、顧客が使用するテーブル席まで持ち運ばれて前記テーブル席を特定可能な座席特定端末の識別情報を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された前記識別情報と前記取引とを関連付ける登録手段と、前記取引に係る商品の店内での消費および店外での消費のうち、いずれか一方の選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段が店内での消費を受け付けた場合、前記識別情報の入力を促す旨を通知する通知手段と、を備えることを特徴とする販売データ処理装置である。
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるシステムは、上記の記載の販売データ処理装置と、商品に関する指示を出力する情報出力装置とを備えるシステムであって、前記情報出力装置は、前記テーブル席に複数の商品が提供される場合において最後の提供となる商品の指示を出力する際に、最後の配膳であることを示す情報を出力する、を備えることを特徴とするシステムである。
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、取引における精算を行う販売データ処理装置のコンピュータを、顧客が使用するテーブル席まで持ち運ばれて前記テーブル席を特定可能な座席特定端末の識別情報を入力する入力手段、前記入力手段によって入力された前記識別情報と前記取引とを関連付ける登録手段と、前記取引に係る商品の店内での商品の消費および店外での商品の消費のうち、いずれか一方の選択を受け付ける受付手段、前記受付手段が店内での消費を受け付けた場合、前記識別情報の入力操作を促す旨を通知する通知手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る販売データ処理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
【
図2】登録精算装置20の客側から見た設置例を示す説明図である。
【
図3】調理端末装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】販売データ処理システム1の一連の動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】端末注文情報DB11に記憶される端末注文情報の一例を示す図である。
【
図6】座席特定情報DB12に記憶される座席特定情報の一例を示す図である。
【
図7A】座席特定モニタ60に表示される座席特定情報の一例を示す図である。
【
図7B】調理端末装置30のキッチン側ディスプレイ303に表示される注文情報の一例を示す図である。
【
図7C】調理端末装置30のホール側ディスプレイ304に表示される注文情報の一例を示す図である。
【
図9】登録精算装置20の機能的構成の一例を示す説明図である。
【
図10】登録精算装置20のタッチパネル表示部203に表示される画面遷移の一例を示す説明図である。
【
図11】登録精算装置20が行う販売データ処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】変形例1に係る登録精算装置20の構成を示す説明図である。
【
図13】変形例5に係る販売データ処理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
(販売データ処理システム1のネットワーク構成)
図1は、実施形態に係る販売データ処理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。販売データ処理システム1は、システムの一例である。販売データ処理システム1は、例えば、フードコート等の飲食店に導入される。
【0011】
図1において、販売データ処理システム1は、注文管理サーバ10Aと、座席管理サーバ10Bと、登録精算装置20と、調理端末装置30と、無線タグ40と、座席特定端末50と、座席特定モニタ60とを含む。これらの装置は、ネットワーク70を介して通信可能に接続されている。これらの装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。
【0012】
注文管理サーバ10Aおよび座席管理サーバ10Bは、それぞれ店舗の内部または外部に設けられるサーバ装置である。注文管理サーバ10Aは、端末注文情報DB(データベース)11(
図5)を備え、各顧客の注文内容を管理する。なお、端末注文情報DB11は、注文管理サーバ10Aに具備されることに限らず、注文管理サーバ10A以外の装置に具備されてもよい。
【0013】
座席管理サーバ10Bは、座席特定情報DB12(
図6)を備え、各顧客が座るテーブル席TZを管理する。テーブル席TZは、店舗内に複数設けられる。テーブル席TZは、テーブルTと、座席Zとを有する。テーブルTに対して、座席Zは、一または複数配置される。なお、座席特定情報DB12は、座席管理サーバ10Bに具備されることに限らず、座席管理サーバ10B以外の装置に具備されてもよい。
【0014】
登録精算装置20は、販売データ処理装置の一例である。登録精算装置20は、例えば、フルセルフ式のキャッシュレジスタである。登録精算装置20は、例えば、顧客の操作に応じて商品を登録し、顧客の操作に応じて精算を行う。登録精算装置20は、券売機と、POS(Point of Sale)端末装置を含む。
【0015】
本実施形態において、登録精算装置20は、商品の登録または精算において、座席特定端末50に割り当てられる端末番号(端末識別情報)を読み取る。具体的には、座席特定端末50には、端末番号を示す2次元コードが付されている。登録精算装置20は、顧客の読取操作に応じて、2次元コードから端末番号を読み取る。登録精算装置20は、端末番号と、当該座席特定端末50が使用されることを示す情報と、登録した商品情報と、を対応付けた端末注文情報を生成する。登録精算装置20は、生成した端末注文情報を注文管理サーバ10Aへ送信する。注文管理サーバ10Aは、登録精算装置20から端末注文情報を受信すると、受信した端末注文情報を端末注文情報DB11に記憶させる。
【0016】
調理端末装置30は、情報出力装置の一例である。調理端末装置30は、調理エリアの数(店舗の規模)に応じて、一または複数配置される。例えば、複数の調理エリアを備える大規模の店舗であれば、調理端末装置30は、複数の調理エリアにそれぞれ配置される端末装置である。具体的には、調理エリアは、例えば、揚げ物を調理するエリア、焼き物を調理するエリア、煮物を調理するエリア、ドリンクを作るエリアなどである。調理端末装置30は、各調理エリアにおいて、調理済みの商品がキッチンからホールへ受け渡される受渡口に配置される。調理端末装置30は、キッチン側に向けられるキッチン側ディスプレイと、ホール側に向けられるホール側ディスプレイとを備える。また、調理端末装置30は、印刷部を備える。
【0017】
無線タグ40は、各テーブル席TZに配置される。無線タグ40は、例えば、RFID(Radio Frequency Identifier)タグである。無線タグは、テーブル席TZに割り当てられる座席番号(座席識別情報)を記憶する。無線タグ40は、例えば、顧客が視認できない位置に配置される。具体的には、無線タグ40は、テーブルTの天板の裏側に配置される。一のテーブルTには、複数の無線タグ40が配置される。複数の無線タグ40は、通信不良が生じない程度に配置され、具体的には、例えば、テーブルTの裏側に隙間がない程度に大量に配置される。一のテーブルTに配置される複数の無線タグ40は、いずれも同じ座席番号を記憶する。
【0018】
座席特定端末50は、可搬型の端末装置である。座席特定端末50は、テーブル席TZを特定するための端末装置である。座席特定端末50は、精算を終えた顧客によって任意のテーブル席TZまで持ち運ばれる。座席特定端末50は、無線タグ40と通信する機能を備え、無線タグ40から座席番号を読み取る。具体的には、座席特定端末50は、テーブルTの上に載置されると、所定の電波を送信することにより、無線タグ40から応答信号として座席番号を受信する。座席特定端末50は、無線タグ40から座席番号を読み取ると、自端末に割り当てられる端末番号(端末識別情報)と、座席番号とを対応付けた座席特定情報を生成し、生成した座席特定情報を座席管理サーバ10Bへ送信する。座席管理サーバ10Bは、座席特定端末50から座席特定情報を受信すると、受信した座席特定情報を座席特定情報DB12に記憶させる。
【0019】
なお、座席特定端末50が無線タグ40から読み取る情報は、座席番号に限定されない。例えば、当該情報は、単に無線タグ40を識別するための識別情報(例えば、製造番号)でもよい。この場合において、販売データ処理システム1の上位装置(例えば、座席管理サーバ10B)は、予め当該識別情報と座席番号とを対応付けたテーブル席TZを記憶しておく。座席特定端末50は、無線タグ40から識別情報を読み取ると、座席管理サーバ10Bに対して、座席番号の問合せを行う。当該問合せには、識別情報が含まれる。座席管理サーバ10Bは、当該問合せがあると、当該識別情報に対応付けられる座席番号を特定し、座席特定端末50へ送信する。このようにしても、座席特定端末50は、座席番号を取得することができる。
【0020】
座席特定モニタ60は、調理済みの商品がキッチンから受け渡される受渡口において、ホールスタッフが視認可能な位置に配置される。座席特定モニタ60は、座席特定情報を表示し、すなわち、端末番号と、座席番号とを対応付けて表示する。
【0021】
(登録精算装置20の構成例)
次に、
図2を用いて、登録精算装置20の構成について説明する。
図2は、登録精算装置20の客側から見た設置例を示す説明図である。なお、
図2では、登録精算装置20として券売機を例に挙げて説明する。登録精算装置20は、CPU201と、メモリ202と、タッチパネル表示部203と、スキャナ部204と、カード決済部205と、釣銭機206と、印刷部207と、音声出力部208と、通信部209とを備える。これらは、バス(不図示)を介して相互に通信可能である。
【0022】
CPU201は、中央演算処理装置であり、メモリ202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、登録精算装置20の動作を制御する。各種プログラムは、本実施形態に係る販売データ処理プログラムを含む。
【0023】
メモリ202は、例えば、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュROMなどを有する。例えば、フラッシュROMやROMは、各種プログラムを記憶する。ROMは、読み出し専用メモリであり、各種プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。RAMは、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAMは、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶する。また、この情報は、登録した商品を示す登録情報や、精算において生成した精算情報を含む。
【0024】
ハードディスクは、種々の情報を記憶する。ハードディスクは、例えば、不図示のカメラによって撮像された撮像結果(例えば、動画)を記憶する。ハードディスクは、例えば、ROMに代えて、CPUが実行する各種プログラムを記憶してもよい。また、ハードディスクは、RAMに代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0025】
タッチパネル表示部203は、顧客用のタッチディスプレイである。タッチパネル表示部203は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。タッチパネル表示部203は、商品に対応するプリセットキー(注文する商品を選択するボタン)を表示し、当該プリセットキーが押下されることによって、商品の登録を受け付けることも可能である。また、タッチパネル表示部203は、各種商品のほかにも、例えば、テイクアウトであるか否かの指定や、表示する言語の指定や、商品サイズの指定や、数量の指定や、発券ボタンの指定などを顧客から受け付ける。
【0026】
スキャナ部204は、顧客用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。各種の情報は、商品に付されている商品コード(バーコード)や、座席特定端末50に付された2次元コード(端末番号)を含む。
【0027】
カード決済部205は、各種カードによる決済機構である。各種カードは、プリペイドカード、クレジットカード、ポイントカードを含む。また、カード決済部205は、非接触型のチャージ媒体による決済を行うことも可能である。チャージ媒体は、ICチップを内蔵したカード(例えば、交通系ICカード等)や電子機器(例えば、スマートフォン)である。
【0028】
釣銭機206は、現金による決済機構である。具体的には、釣銭機206は、紙幣投入口と、硬貨投入口と、お釣り返却レバーと、紙幣排出口と、硬貨排出口とを備える。釣銭機206は、紙幣投入口および硬貨投入口への投入金額を算出するとともに、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、紙幣排出口または硬貨排出口から釣り銭を排出する。
【0029】
印刷部207は、各種媒体(レシート、領収書等)を印刷して出力する。
音声出力部208は、音を出力する。例えば、音声出力部208は、音声ガイダンスや警告音などを出力する。音声ガイダンスや警告音は、例えば、商品の登録や精算に関するものである。
通信部209は、ネットワーク70を介して他の装置(注文管理サーバ10A、座席管理サーバ10B、調理端末装置30、座席特定端末50、座席特定モニタ60など)と情報を送受信するインターフェースである。具体的には、通信部209は、ネットワーク70と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
【0030】
不図示のカメラは、例えば、タッチパネル表示部203の上方に取り付けられている。カメラは、動画、または静止画を連続的に撮像する。カメラには、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを用いることが可能である。カメラは、顧客による商品の登録操作や精算操作を撮像する。
【0031】
なお、登録精算装置20は、サインポールを備えるようにしてもよい。サインポールは、例えば、LED(light emitting diode)等の点灯部を備える。点灯部は、所定の点灯態様で点灯する。点灯態様は、点灯色や点滅速度を含む。サインポールは、点灯態様によって、使用中であることや、店員の呼び出しや、顧客による不正操作の発生を店員に報知する。
【0032】
(調理端末装置30のハードウェア構成)
図3は、調理端末装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3において、調理端末装置30は、CPU301と、メモリ302と、キッチン側ディスプレイ303と、ホール側ディスプレイ304と、通信部305と、音声出力部306と、印刷部307とを備える。各部は、バス310によってそれぞれ接続される。
【0033】
CPU301は、調理端末装置30の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。例えば、フラッシュROMやROMは、本実施形態に係る販売データ処理プログラムなどの各種プログラムを記憶する。RAMは、CPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0034】
キッチン側ディスプレイ303は、キッチンスタッフ用のタッチディスプレイである。キッチン側ディスプレイ303は、キッチンスタッフに種々の情報を表示するとともに、キッチンスタッフから種々の入力を受け付ける。また、キッチン側ディスプレイ303には、調理指示が表示される。例えば、キッチン側ディスプレイ303は、調理指示を受信すると、調理対象の商品の商品名、個数などを商品ごとに表示する。キッチンスタッフは、調理指示に応じて調理を行う。キッチン側ディスプレイ303は、未調理の商品と、調理済みの商品とを異なる表示態様で表示する。例えば、キッチン側ディスプレイ303は、キッチンスタッフから、商品に対応するボタンの押下を受け付けることによって、調理済みの表示態様に切り替える。なお、キッチン側ディスプレイ303は、調理済みの商品を、調理済みの表示態様に切り替えることに限らず、消去するようにしてもよい。
【0035】
ホール側ディスプレイ304は、ホールスタッフ用のタッチディスプレイである。ホール側ディスプレイ304は、ホールスタッフに種々の情報を表示するとともに、ホールスタッフから種々の入力を受け付ける。また、ホール側ディスプレイ304には、配膳指示が表示される。例えば、ホール側ディスプレイ304は、キッチン側ディスプレイ303が調理済みを示す操作を受け付けると、配膳対象の商品の商品名、個数などを商品ごとに表示する。ホールスタッフは、配膳指示に応じて配膳を行う。ホール側ディスプレイ304は、未配膳の商品と、配膳済みの商品とを異なる表示態様で表示する。例えば、ホール側ディスプレイ304は、キッチンスタッフから、商品に対応するボタンの押下を受け付けることによって、配膳済みの表示態様に切り替える。なお、ホール側ディスプレイ304は、配膳済みの商品を、配膳済みの表示態様に切り替えることに限らず、消去するようにしてもよい。
【0036】
通信部305は、ネットワーク70を介して他の装置(注文管理サーバ10A、座席管理サーバ10B、登録精算装置20、座席特定端末50、座席特定モニタ60など)と情報を送受信するインターフェースである。具体的には、通信部305は、ネットワーク70と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
【0037】
音声出力部306は、音を出力する。例えば、音声出力部306は、音声ガイダンスや警告音などを出力する。音声ガイダンスや警告音は、例えば、調理や配膳に関するものである。
【0038】
印刷部307は、各種媒体を印刷して出力する。各種媒体は、配膳伝票を含む。配膳伝票は、端末注文情報に対応して印刷され、具体的には、配膳対象の商品の商品名、個数などのほか、座席特定端末50の端末番号が印刷される。配膳伝票は、例えば、キッチン側ディスプレイ303が調理済みを示す操作を受け付けることによって、印刷される。配膳伝票は、調理済みの商品とともに、キッチンスタッフからホールスタッフに受け渡される。
【0039】
なお、印刷部307は、調理開始指示があったときに、配膳伝票を印刷してもよい。また、印刷部307は、調理開始指示があったときに、別途、調理伝票を印刷してもよい。例えば、調理伝票および配膳伝票には、それぞれ同じ内容が印刷される。
【0040】
(販売データ処理システム1の一連の動作について)
図4は、販売データ処理システム1の一連の動作の一例を示すシーケンス図である。
図4では、登録精算装置20において商品の登録と精算とが完了した後の動作について説明する。すなわち、登録精算装置20が注文管理サーバ10Aへ端末注文情報を送信した後の動作について説明する。また、
図4では、注文管理サーバ10Aおよび座席管理サーバ10Bを「管理サーバ10」としてまとめて記載しているが、以下の説明では、注文管理サーバ10Aおよび座席管理サーバ10Bを分けて記載する。
【0041】
ステップS401:注文管理サーバ10Aは、登録精算装置20から端末注文情報を受信すると、受信した端末注文情報を端末注文情報DB11に記憶させる。
ここで、端末注文情報DB11に記憶される端末注文情報の一例について説明する。
【0042】
図5は、端末注文情報DB11に記憶される端末注文情報の一例を示す図である。
図5に示すように、端末注文情報DB11は、端末注文情報と、配膳フラグ情報とを含む。端末注文情報は、注文情報と、端末情報とを含む。注文情報は、「取引番号」と、「精算機番号」と、「日時」と、「注文ID」と、「商品名」と、「数量」との項目を含む。端末情報は、「端末番号」と、「使用中フラグ」との項目を含む。配膳フラグ情報は、「配膳済フラグ」の項目を含む。各項目に情報が入力されることにより、端末注文情報がレコードとして端末注文情報DB11に記憶される。
【0043】
なお、図示では、端末注文情報DB11に記憶される情報として、配膳フラグ情報が含まれるが、配膳フラグ情報は含まれなくてもよい。例えば、配膳フラグ情報は、端末注文情報DB11とは別の記憶部に記憶されていてもよい。
【0044】
(注文情報)
「取引番号」は、取引を識別する識別情報である。取引とは、例えば、登録開始から精算終了までをいう。
「精算機番号」は、登録精算装置20を識別する識別情報であり、頭文字のアルファベットと、数字とを含む。頭文字のアルファベットは、例えば、「K」および「P」のいずれかを示す。「K」は、券売機を示す。「P」は、POS端末装置を示す。数字は、券売機およびPOS端末装置にそれぞれ割り当てられた番号を示す。
「日時」は、注文を受け付けた日付および時間を示す。「日時」は、具体的には、例えば、精算が完了した日時であるが、これに限らず、登録を受け付けた日時や、登録が完了した日時としてもよい。
「注文ID」は、注文を受け付けた商品ごとに割り当てられる識別情報である。例えば、「注文ID」には、調理エリアを識別する情報(例えば頭文字)が含まれる。これにより、端末注文情報は、当該商品が調理される調理エリアの調理端末装置30へ送信されることが可能である。
「商品名」は、注文を受け付けた商品の名称を示す。
「数量」は、注文を受け付けた商品の数量を示す。
【0045】
(端末情報)
「端末番号」は、座席特定端末50を識別する識別情報である。
「使用中フラグ」は、座席特定端末50が使用中であるか否かを示すフラグである。「使用中フラグ」は、使用中であれば「1」を示し、不使用中であれば「0」を示す。
【0046】
(配膳フラグ情報)
「配膳済フラグ」は、配膳済みであるか否かを示すフラグである。「配膳済フラグ」は、配膳済みであれば「1」を示し、未配膳であれば「0」を示す。
【0047】
図示において、例えば、端末注文情報500aは、「T001」の端末番号に対応付けられる2品の「生ビール」が配膳済みであることを示している。また、端末注文情報500cは、「T001」の端末番号に対応付けられる1品の「とり唐揚げ」が未配膳であることを示している。なお、端末注文情報500b、500dは、いずれも商品が配膳済みであることを示している。すなわち、端末注文情報500cは、最後の配膳となることを示している。
【0048】
このように、本実施形態では、注文管理サーバ10Aは、端末番号に対応付けた注文情報が配膳済みであるか否かを管理することができるようになっている。
図4に戻り、注文管理サーバ10Aは、端末注文情報を端末注文情報DB11に記憶させると、記憶させた端末注文情報を調理端末装置30へ送信する。
【0049】
ステップS402:調理端末装置30は、注文管理サーバ10Aから端末注文情報を受信すると、端末注文情報に基づいて、キッチン側ディスプレイ303に調理開始指示を表示する。なお、調理開始指示は、端末注文情報に含まれる注文情報に基づいて行われる。
【0050】
顧客は、登録精算装置20において、精算を完了すると、任意のテーブル席TZへ移動する。
ステップS403:座席特定端末50は、顧客によってテーブルTに載置されることにより、無線タグ40から座席番号を読み取る。
ステップS404:座席特定端末50は、無線タグ40から座席番号を読み取ると、自端末に割り当てられる端末番号(端末識別情報)と、座席番号(座席識別情報)とを対応付けた座席特定情報を生成する。座席特定端末50は、生成した座席特定情報を座席管理サーバ10Bへ送信する。
【0051】
なお、顧客が一度座ったテーブル席TZから、別のテーブル席TZへ移動したとしても、移動先のテーブル席TZにおいて、座席番号を読み取って、座席管理サーバ10Bへ座席特定情報を送信する。このため、顧客がテーブル席TZを移動したとしても、座席管理サーバ10Bは、座席特定端末50が存在するテーブル席TZを管理することができる。
【0052】
ステップS405:座席管理サーバ10Bは、座席特定端末50から座席特定情報を受信すると、受信した座席特定情報を座席特定情報DB12に記憶させる。
ここで、座席特定情報DB12に記憶される座席特定情報の一例について説明する。
【0053】
図6は、座席特定情報DB12に記憶される座席特定情報の一例を示す図である。
図6に示すように、座席特定情報DB12は、「端末番号」と、「座席番号」と、「経過時間」と、「着席時刻」と、「回収時刻」との項目を含む。各項目に情報が入力されることにより、座席特定情報がレコードとして座席特定情報DB12に記憶される。
【0054】
「端末番号」は、座席特定端末50に割り当てられる番号(端末識別情報)である。
「座席番号」は、テーブル席TZに割り当てられる座席番号(座席識別情報)である。
「経過時間」は、座席TZに配置される無線タグ40の座席番号を、座席特定端末50が取得した時刻から現在時刻までの経過時間(分)を示す。「経過時間」は、座席特定端末50が回収されるまでの間、現在時刻に応じて随時更新される。座席特定端末50が回収されると、「経過時間」はリセットされ、例えば、「-」で表される。
「着席時刻」は座席TZに配置される無線タグ40の座席番号を、座席特定端末50が取得した時刻を示す。
「回収時刻」は、店員よって座席特定端末50が回収された時刻を示す。具体的には、「回収時刻」は、座席特定端末50から、後述する端末番号消込処理が行われた(不使用中にセットされた)時刻を示す。座席特定端末50の回収前(使用中)であれば、「回収時刻」の項目は、ブランクとなっている。
【0055】
図示において、例えば、座席特定情報600aは、「T058」の端末番号と「10」の座席番号とが対応付けられている。言い換えれば、「T058」の端末番号を示す座席特定端末50が、「10」の座席番号を示すテーブル席TZに存在していることを示している。また、座席特定情報600aは、「経過時間」が「-」(回収済み)であり、「着席時刻」が14:20であり、回収時刻が14:55であることを示す。
【0056】
また、図示において、例えば、座席特定情報600bは、「T001」の端末番号と「85」の座席番号とが対応付けられている。言い換えれば、「T001」の端末番号を示す座席特定端末50が、「85」の座席番号を示すテーブル席TZに存在していることを示している。また、座席特定情報600bは、「経過時間」が15分であり、「着席時刻」が14:45であり、座席特定端末50の回収前(使用中)であることを示す。
【0057】
このように、本実施形態では、座席管理サーバ10Bは、座席特定端末50がどのテーブル席TZに存在しているのかを管理することができるようになっている。
図4に戻り、座席管理サーバ10Bは、座席特定情報を座席特定情報DB12に記憶させると、記憶させた座席特定情報を座席特定モニタ60へ送信する。
【0058】
ステップS406:座席特定モニタ60は、座席管理サーバ10Bから座席特定情報を受信すると、座席特定情報を表示する。
図7Aは、座席特定モニタ60に表示される座席特定情報の一例を示す図である。
図7Aに示すように、座席特定モニタ60には、端末番号と、座席番号と、経過時間とが対応付けて表示されている。座席特定情報は、時系列に表示されており、例えば、古い情報ほど上方に表示される。これにより、店員は、座席特定端末50とテーブル席TZと、経過時間との関係を容易に把握することができる。また、注文されたすべての商品の配膳が完了すると、座席特定情報は、座席特定モニタ60から消去される。
【0059】
また、経過時間が所定時間(例えば20分)を経過すると、他の座席特定情報とは異なる表示態様で表示される。図示において、端末番号「T044」の座席特定情報は、経過時間が30分であり、例えば、背景色が他の座席特定情報とは異なる色で表示される。これにより、ホールスタッフは、各テーブル席TZについて、座席特定端末50が回収されていないことを把握することができる。言い換えれば、最後の配膳が完了していないテーブル席TZを容易に把握することができる。このため、ホールスタッフは、調理が完了していない商品について、キッチンスタッフに確認したり、調理を促したりすることができる。
【0060】
ステップS407:調理端末装置30は、注文IDに対応する調理が完了すると、キッチンスタッフから調理完了を受け付ける。
【0061】
図7Bは、調理端末装置30のキッチン側ディスプレイ303に表示される注文情報の一例を示す図である。
図7Bに示すように、キッチン側ディスプレイ303には、注文画面720が表示されている。注文画面720は、注文情報721を含む。注文情報721は、取引ごと(取引番号ごと)に表示される。調理が完了すると、ホールスタッフは、完了した商品に対応する位置を押下する。これにより、当該商品に対応する位置に、完了画像722が表示される。図示において、取引番号「D001」が示す商品のうち、「生ビール」と「枝豆」に完了画像722が表示されている。すなわち、「生ビール」と「枝豆」とについて調理が完了したことを示している。また、取引番号「D002」については、「赤ワイン」について、調理が完了したことを示している。
【0062】
ステップS408:調理端末装置30は、調理完了を受け付けると、調理が完了した旨を示す調理完了情報を注文管理サーバ10Aへ送信する。調理完了情報は、調理済みの商品の注文IDを含む。
【0063】
ステップS409:また、調理端末装置30は、商品に関する指示を出力する。具体的には、調理端末装置30は、テーブル席に複数の商品が提供される場合において最後の提供となる商品の指示を出力する際に、最後の配膳であることを示す情報を出力する。提供とは、調理および配膳を含む。
【0064】
例えば、調理端末装置30は、調理完了を受け付けると、調理が完了した旨を示す調理完了通知を出力する。調理完了通知の出力は、ホール側ディスプレイ304への調理完了を示す表示や、配膳伝票の印刷である。調理完了通知は、端末注文情報の一部の情報である。
【0065】
図7Cは、調理端末装置30のホール側ディスプレイ304に表示される注文情報の一例を示す図である。
図7Cに示すように、ホール側ディスプレイ304には、配膳画面730が表示されている。配膳画面730は、注文情報731を含む。注文情報731に示す商品は、調理が完了した商品を示しており、取引ごと(取引番号ごと)に表される。具体的には、注文情報731に示す商品は、キッチン側ディスプレイ303がホールスタッフから受け付けられた調理完了の商品を示す。すなわち、注文情報731に示す商品は、キッチン側ディスプレイ303において完了画像722が表示された商品を示す。
【0066】
図示において、取引番号「D001」が示す「生ビール」と「枝豆」と表示されている。また、取引番号「D002」が示す「赤ワイン」が表示されている。これにより、ホールスタッフは、表示された商品を配膳することができる。配膳を行う際に、ホールスタッフは、配膳する商品に対応する位置を押下する。これにより、注文情報731のうち、押下された位置に対応する商品が消去される。なお、押下された位置に対応する商品は、画面から消去されることに限らず、表示態様が変更されるようにしてもよい。
【0067】
図8は、配膳伝票の一例を示す図である。
図8(A)は、通常の配膳伝票810を示す。配膳伝票810には、調理完了通知として、商品の名称、数量のほか、端末番号が印刷されている。配膳伝票810には、取引番号が印刷されていない。このため、ホールスタッフは、端末番号を容易に確認することができる。そして、ホールスタッフは、座席特定モニタ60(
図7A)から、配膳伝票に記載される端末番号(T001)に一致する端末番号(T001)を探し、さらに、当該端末番号(T001)に対応付けられる座席番号(85)を確認する。これにより、ホールスタッフは、確認した座席番号(85)のテーブル席TZまで配膳することができる。
【0068】
なお、座席番号を確認するスタッフと、配膳するスタッフとは、別々のスタッフであってもよい。この場合、座席番号を確認するスタッフは、ペンなどで、配膳伝票810に座席番号(85)を記入するようにすればよい。これにより、配膳するスタッフは、座席特定モニタ60を確認しなくても、配膳伝票810に記載された座席番号(85)のテーブル席TZまで配膳することができるため、混雑する店舗や規模の大きな店舗では配膳の効率化を図ることができる。
【0069】
ステップS410:注文管理サーバ10Aは、調理端末装置30から調理完了情報を受信すると、配膳消込処理を行う。配膳消込処理において、注文管理サーバ10Aは、調理完了通知に含まれる注文IDに対応する配膳済フラグ(
図5)を「1」にする。
【0070】
ステップS411:注文管理サーバ10Aは、端末注文情報が示す商品のうち、最後の商品(配膳)であるか否かを判別する。具体的には、注文管理サーバ10Aは、テーブル席TZに複数の商品が配膳される場合において、当該複数の商品に対応する配膳済フラグが全て「1」になるか否かを判断する。最後の配膳である場合には、注文管理サーバ10Aは、調理端末装置30に対して、最終配膳通知の出力指示を行う。
【0071】
ステップS412:調理端末装置30は、注文管理サーバ10Aから最終配膳通知の出力指示を受信すると、最終配膳通知を出力する。最終配膳通知は、ホールスタッフに対して、座席特定端末50の回収を促す通知である。最終配膳通知の出力は、ホール側ディスプレイ304への表示や、伝票への印刷である。伝票は、例えば、調理伝票である。
【0072】
図8(B)は、最終配膳通知を含む配膳伝票820を示す。配膳伝票820には、通常の配膳伝票810に印刷される内容に加えて、最終配膳通知821が印刷されている。最終配膳通知821は、テーブル席TZに複数の商品が配膳される場合において最後の配膳であることを示す通知と、座席特定端末50の回収を促す通知とを含む。なお、最終配膳通知821は、調理伝票とは別の用紙に印刷されるようにしてもよい。
【0073】
ステップS413:座席特定端末50は、最終配膳通知を確認したホールスタッフが最後の配膳のためにテーブル席TZに赴いた際に、当該テーブル席TZ上のから回収される。
【0074】
ステップS414:座席特定端末50は、所定の操作を受け付けるまたは検出することにより、注文管理サーバ10Aおよび座席管理サーバ10Bへ使用の終了を示す使用終了通知を送信する。使用終了通知は、端末番号と、使用終了を示す情報とを含む。なお、使用終了通知は、座席特定端末50から送信されることに限らず、例えば、登録精算装置20やその他の装置から送信されてもよい。その他の端末は、例えば、座席特定端末50を充電する充電器端末である。充電器端末は、所定の充電位置に座席特定端末50が載置されると、使用終了通知を注文管理サーバ10Aおよび座席管理サーバ10Bへ送信する。また、登録精算装置20は、座席特定端末50に付された2次元コード(端末番号)を読み取ると、使用終了通知を注文管理サーバ10Aおよび座席管理サーバ10Bへ送信するようにしてもよい。
【0075】
上記の所定の操作の具体例を以下に3つ例示する。
所定の操作とは、座席特定端末50が使用終了を検出するための使用終了無線タグを座席特定端末50に読み取らせる操作を含む。座席特定端末50を回収した店員は、この使用終了無線タグを座席特定端末50に近づけて、座席特定端末50に読み取らせる。すると、座席特定端末50は、テーブル席TZの無線タグ40を読み取る場合と同じ要領で、使用終了無線タグの信号を検出できる。そして、当該信号を検出した座席特定端末50は、使用終了通知を座席管理サーバ10Bへ送信することができる。
【0076】
また、所定の操作とは、当該座席特定端末50を充電するための充電器端末に座席特定端末50をセットする操作を含む。座席特定端末50を回収した店員は、座席特定端末50を充電器端末にセットする。座席特定端末50は、充電状態であることを検出すると、座席管理サーバ10Bへ使用終了通知を送信することができる。
【0077】
さらに、所定の操作とは、座席特定端末50をテーブル席TZから回収する操作そのものを含む。具体的には、座席特定端末50は、テーブル席TZの無線タグ40を検出してから、一定時間(例えば5分)その無線タグ40を検出し続けた後に、当該テーブル席TZの無線タグ40の検出がされなくなった場合、店員が当該テーブル席TZから自端末が回収されたものと判断し、使用終了通知を座席管理サーバ10Bへ送信することもできる。ただし、座席特定端末50は、使用終了通知を送信した後であっても、テーブル席TZの無線タグ40が検出された場合は、当該テーブル席TZの座席番号を送信してもよい。この場合、座席特定端末50は、店員によって自端末が回収されたのではなく、顧客がテーブル席TZを変更したものと判断することができる。
【0078】
ステップS415:注文管理サーバ10Aは、使用終了通知を受信すると、端末番号消込処理を行う。端末番号消込処理において、注文管理サーバ10Aは、使用終了通知に含まれる端末番号に対応する使用中フラグ(
図5)を「0」にする。これにより、当該端末番号の座席特定端末50は、不使用中となる。
【0079】
ステップS416:座席管理サーバ10Bは、使用終了通知を受信すると、座席特定情報DB12の「回収時刻」を入力し、「経過時間」を「-」にする。さらに、座席管理サーバ10Bは、座席特定モニタ60に対して、座席特定情報の非表示指示を送信する。
【0080】
ステップS417:座席特定モニタ60は、座席管理サーバ10Bから非表示指示を受信すると、表示中の座席特定情報を非表示にする。
【0081】
このように、本実施形態では、登録精算装置20(券売機)で注文を行った顧客が使用する任意のテーブル席TZを特定することができる。したがって、ホールスタッフは、顧客がいずれのテーブル席TZを使用したとしても、当該テーブル席TZまで配膳することができる。
【0082】
(配膳について)
上述したように、販売データ処理システム1は、顧客が商品の登録および精算を先に終えて、任意のテーブル席TZに移動した後に、店員による配膳を可能にしている。ここで、本実施形態のように、フルセルフ式の登録精算装置20の場合、顧客が手順通りに各種操作を行わなければ、配膳を適切に行うことができなくなってしまうおそれがある。このため、本実施形態では、配膳を適切に行えることを支援するようにしている。以下に、本実施形態に係る販売データ処理システム1(特に、登録精算装置20)の機能的構成について説明する。
【0083】
(登録精算装置20の機能的構成について)
図9は、登録精算装置20の機能的構成の一例を示す説明図である。
図9に示すように、登録精算装置20は、登録部901と、精算部902と、入力部903と、受付部904と、通知部905との各機能部を備える。各機能部は、CPU201によって実現される。すなわち、CPU201が本実施形態に係る販売データ処理プログラムを実行することにより、各機能部を実現する。
【0084】
(登録部901について)
登録部901は、商品を登録する。具体的には、登録部901は、タッチパネル表示部203に表示されるプリセットキーの押下を受け付けることにより、商品を登録する。また、登録部901は、スキャナ部204によって読み取られた商品コードに基づいて、商品を登録することも可能である。登録部901は、商品を登録することによって、注文情報を生成する。
【0085】
(精算部902について)
精算部902は、取引における精算を行う。具体的には、精算部902は、登録部901によって登録された商品について精算を行う。精算部902は、商品の登録画面において表示される精算開始ボタン(または登録完了ボタン)が押下されることによって精算を開始する。精算部902は、決済種別の選択を受け付ける。決済種別は、現金、クレジットカード、交通系IC等のプリペイドカードを含む。なお、登録精算装置20(券売機)の態様によっては、入金を先に行って、その後に商品の選択を受けてつけて、商品登録を行うようにしてもよい。
【0086】
(入力部903について)
入力部903は、座席特定端末50の端末番号(識別情報)を入力する。具体的には、入力部903は、スキャナ部204が座席特定端末50に付された2次元コード(端末番号)を読み取ることによって、端末番号を入力する。なお、入力部903は、置数入力によって端末番号を入力してもよい。
【0087】
(端末注文情報の生成について)
登録部901は、入力部903によって入力された端末番号と取引とを関連付ける。具体的には、登録部901は、入力部903によって読み取られた座席番号に対応付けて商品を登録する。より具体的には、登録部901は、座席番号と注文情報とを対応付けた端末注文情報を生成する。
【0088】
(消費態様の選択について)
受付部904は、店内での商品の消費(店内飲食)および店外での商品の消費(テイクアウト)のうち、いずれか一方の選択(以下「消費態様の選択」という。)を受け付ける。具体的には、受付部904は、後述する消費態様選択画面1010(
図10(A))を表示して消費態様の選択を受け付ける。受付部904は、待機画面から登録開始の操作を受け付けた後に、消費態様選択画面を表示して、消費態様の選択を受け付ける。すなわち、消費態様の選択を受け付けるタイミングは、例えば、商品登録の開始前である。これにより、顧客は、店内の混雑状況等を考慮して、先に消費態様を決めることができる。
【0089】
なお、消費態様の選択を受け付けるタイミングは、商品登録の開始前に限らない。当該タイミングは、例えば、商品の登録中、商品の登録後であり且つ精算の開始前、精算中、および精算後のうち、いずれかのタイミングとしてもよい。
【0090】
(端末番号の読取操作通知について)
通知部905は、消費態様の選択において、受付部904が店内飲食を受け付けた場合、端末番号の入力(例えば、読取操作)を促す旨を示す読取操作通知を行う。具体的には、通知部905は、後述する読取操作通知画面1020(
図10(B))を表示して、読取操作通知を行う。読取操作通知を行うタイミングは、例えば、商品登録の開始前である。これにより、端末番号の読取操作を最も優先して行うことができるため、端末番号の読取りを確実に行うことができる。
【0091】
一方で、消費態様の選択において、受付部904がテイクアウトを受け付けた場合、通知部905は、読取操作通知を行わない。この場合、登録精算装置20は、消費態様選択画面を表示させずに、後述する商品登録画面1030(
図10(C))を表示する。
【0092】
(登録可能とする条件について)
登録部901は、入力部903によって端末番号が入力されることによって、商品の登録を可能にする。具体的には、登録部901は、読取操作通知画面1020(
図10(B))において、入力部903によって端末番号が入力されることにより、商品登録画面(1030
図10(C))を表示させる。言い換えれば、端末番号が読み取られるまで、読取操作通知画面が保持され、商品の登録が行われない。
【0093】
なお、端末番号の入力タイミングは、商品登録の開始前に限らない。端末番号の入力タイミングは、店内飲食を受け付けたタイミング以降であればよく、例えば、商品の登録中、商品の登録後(且つ精算の開始前)、精算中、および精算後のうち、いずれかのタイミングとしてもよい。
【0094】
同様に、読取操作通知を行うタイミングについても、商品登録の開始前に限らない。具体的には、読取操作通知を行うタイミングは、店内飲食を受け付けたタイミング以降であればよく、例えば、商品の登録中、商品の登録後(且つ精算の開始前)、精算中、および精算後のうち、いずれかのタイミングとしてもよい。
いずれにしても、取引のいずれかのタイミングで端末番号を受け付けるまでは、取引を終了させないように制御する。これにより、端末番号を含まない取引を生成しないようにすることができる。したがって、登録・精算した商品について配膳先を特定できないという状況を生じないようにすることができる。
【0095】
(座席特定端末50の利用方法を示す案内について)
通知部905は、入力部903によって端末番号が入力された場合、テーブル席TZにおける座席特定端末50の利用方法を示す利用案内を通知する。具体的には、通知部905は、後述する利用案内画面1040(
図10(D))を表示して利用案内を通知する。利用案内を通知するタイミングは、例えば、精算完了後である。これにより、顧客が、テーブル席TZへ移動するまでに、利用案内の内容を失念してしまうこと抑えることができる。また、利用案内は、タッチパネル表示部203に表示されることに限らない。例えば、利用案内は、レシートに印刷されるようにしてもよいし、レシートとは異なる他の表示媒体(例えば他の紙面)に印刷されるようにしてもよい。
【0096】
なお、利用案内を通知するタイミングは、精算完了後に限らない。当該タイミングは、例えば、商品の登録前、商品の登録中、商品の登録後であり且つ精算の開始前、および精算中のうち、いずれかのタイミングとしてもよい。
【0097】
(登録精算装置20の画面遷移の一例)
図10は、登録精算装置20のタッチパネル表示部203に表示される画面遷移の一例を示す説明図である。
図10(A)は、消費態様選択画面1010を示す。消費態様選択画面1010は、不図示の待機画面においてスタートボタンが押下された後に遷移する画面である。消費態様選択画面1010は、店内飲食ボタン1011と、テイクアウトボタン1012とを含む。店内飲食ボタン1011が押下されると、
図10(B)の読取操作通知画面1020に遷移する。テイクアウトボタン1012が押下されると、
図10(C)の商品登録画面1030に遷移する。
【0098】
図10(B)は、読取操作通知画面1020を示す。読取操作通知画面1020は、座席特定端末に付された2次元コードの読取操作を促す読取操作通知1021と案内画像1022とを含む。案内画像1022は、座席特定端末50を示す端末画像1022aと、2次元コード(端末番号)を示すコード画像1022bと、スキャナ部204を示すスキャナ部画像1022cとを含む。これにより、顧客は、2次元コードの読取操作を容易に行うことができる。なお、読取操作通知画面1020において、置数入力を受け付けるボタンを表示するようにしてもよい。2次元コードの読取りが完了すると、
図10(C)に示す商品登録画面1030に遷移する。
【0099】
図10(C)は、商品登録画面1030を示す。商品登録画面1030は、商品に対応する商品選択ボタン1031と、登録された商品を示す登録商品領域1032と、合計領域1033と、発券ボタン1034とを含む。商品選択ボタン1031は、商品の登録を受け付けるプリセットキーである。登録商品領域1032は、登録された商品を示す領域である。合計領域1033は、合計金額や預り金を示す領域である。発券ボタン1034は、精算開始を受け付ける精算開始ボタンである。商品の登録および精算が完了すると、店内飲食が選択されている場合には、
図10(D)に示す利用案内画面1040に遷移する。なお、店内飲食が選択されていない場合には、精算が完了すると、例えば、待機画面や注文品の受け取り位置に関する情報画面に遷移する。
【0100】
図10(D)は、利用案内画面1040を示す。利用案内画面1040は、座席特定端末50をテーブルTの上に置く旨や、テーブルの上に置かない場合には配膳されないことがある旨を示す。これにより、顧客は、テーブル席TZに移動後、座席特定端末50をテーブルTの上に適切に置き、配膳を待つことができる。
【0101】
(登録精算装置20が行う販売データ処理)
図11は、登録精算装置20が行う販売データ処理の一例を示すフローチャートである。
図11において、登録精算装置20は、取引開始であるか否かを判断する(ステップS1101)。ステップS1101の判断は、不図示の待機画面においてスタートボタンが押下されることである。
【0102】
登録精算装置20は、取引開始となるまで待機し(ステップS1101:NO)、取引開始となると(ステップS1101:YES)、消費態様選択画面1010(
図10(A))を表示する(ステップS1102)。そして、登録精算装置20は、消費態様の選択において、店内飲食が選択されたか否かを判断する(ステップS1103)。店内飲食が選択されない場合(ステップS1103:NO)、すなわち、テイクアウトが選択された場合、登録精算装置20は、商品登録画面1030(
図10(C))を表示する(ステップS1104)。
【0103】
次に、登録精算装置20は、商品選択ボタン1031(
図10(C))の押下を受け付けたか否かを判断する(ステップS1105)。商品選択ボタン1031の押下を受け付けない場合(ステップS1105:NO)、登録精算装置20は、ステップS1107に進む。商品選択ボタン1031の押下を受け付けた場合(ステップS1105:YES)、登録精算装置20は、商品を登録する(ステップS1106)。
【0104】
そして、登録精算装置20は、精算開始であるか否かを判断する(ステップS1107)。具体的には、登録精算装置20は、発券ボタン1034(
図10(C))が押下されか否かを判断する。精算開始ではない場合(ステップS1107:NO)、登録精算装置20は、ステップS1105に戻る。精算開始である場合(ステップS1107:YES)、登録精算装置20は、精算処理を実行する(ステップS1108)。そして、登録精算装置20は、登録された商品を示す注文情報を注文管理サーバ10Aへ送信し(ステップS1109)、一連の処理を終了する。
【0105】
一方、ステップS1103において、店内飲食が選択された場合(ステップS1103:YES)、登録精算装置20は、読取操作通知画面1020(
図10(B))を表示する(ステップS1110)。
【0106】
そして、登録精算装置20は、スキャナ部204が座席特定端末50に付された2次元コードをスキャンすることにより、端末番号を読み取ったか否かを判断する(ステップS1111)。登録精算装置20は、端末番号を読み取るまで待機し(ステップS1111:NO)、端末番号を読み取ると(ステップS1111:YES)、商品登録画面1030(
図10(C))を表示する(ステップS1112)。
【0107】
次に、登録精算装置20は、商品選択ボタン1031(
図10(C))の押下を受け付けたか否かを判断する(ステップS1113)。商品選択ボタン1031の押下を受け付けない場合(ステップS1113:NO)、登録精算装置20は、ステップS1116に進む。商品選択ボタン1031の押下を受け付けた場合(ステップS1113:YES)、登録精算装置20は、商品を登録する(ステップS1114)。
【0108】
そして、登録精算装置20は、登録された商品を示す注文情報と、端末番号とを対応付けた端末注文情報を生成する(ステップS1115)。次に、登録精算装置20は、精算開始であるか否かを判断する(ステップS1116)。精算開始ではない場合(ステップS1116:NO)、登録精算装置20は、ステップS1113に戻る。精算開始である場合(ステップS1116:YES)、登録精算装置20は、精算処理を実行する(ステップS1117)。
【0109】
次に、登録精算装置20は、利用案内画面1040(
図10(D))を表示して、座席特定端末50の利用方法を示す利用案内を通知する(ステップS1118)。そして、登録精算装置20は、端末注文情報を注文管理サーバ10Aへ送信し(ステップS1119)、一連の処理を終了する。
【0110】
以上説明したように、本実施形態に係る登録精算装置20は、消費態様の選択において店内飲食が選択された場合に、座席特定端末50の端末番号(2次元コード)の入力に係る読取操作を促す通知を行う。これにより、顧客に手順通りに各種操作を行わせることができる。したがって、店員に、読み取った端末番号および注文情報を対応付けた端末注文情報と、座席特定端末50によって特定されるテーブル席TZの座席番号と、を提示することができる。これにより、店員は、注文情報が示す商品を顧客のテーブル席TZまで配膳することができる。よって、本実施形態に係る登録精算装置20によれば、顧客に対するサービスの質を向上させることができる。
【0111】
また、本実施形態に係る登録精算装置20は、端末番号を入力する(読み取る)ことによって、商品の登録を可能にする。これにより、端末番号の入力を最も優先して行うことができるため、端末番号の入力を確実に行うことができる。
【0112】
また、本実施形態に係る登録精算装置20は、端末番号を入力した場合、テーブル席TZにおける座席特定端末50の利用方法を示す案内を通知する。これにより、顧客は、テーブル席TZに移動後、座席特定端末50をテーブルTの上に適切に置くことができる。また、店員は、当該顧客のもとへ、適切に配膳を行うことができる。
【0113】
また、本実施形態に係る販売データ処理システム1は、テーブル席に複数の商品が配膳される場合において最後の配膳となる商品の調理完了通知を出力する際に、最終配膳通知を出力する。これにより、配膳に不要となった座席特定端末50を即座に回収することができる。このため、座席特定端末50の電力消費を抑えることができるとともに、回収した座席特定端末50を充電して次の使用に備えることができるため、座席特定端末50を有効活用することができる。
【0114】
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、以下の変形例、および上述した実施形態をそれぞれ組み合わせることも可能である。
【0115】
(変形例1)
上述した実施形態では、登録精算装置20をフルセルフ式の装置に適用する例について説明した。変形例1では、このような構成に代えて又は加えて、登録精算装置20を店員が登録するタイプの装置(いわゆる、セミセルフレジや、通常レジ)に適用する例について説明する。
【0116】
図12は、変形例1に係る登録精算装置20の構成を示す説明図である。
図12(A)は、客側から見た斜視図を示す。
図12(B)は、店員側から見た斜視図を示す。
図12に示すように、登録精算装置20は、CPU1201と、メモリ1202と、顧客用表示部1203と、スキャナ部1204と、カード決済部1205と、釣銭機1206と、店員用表示部1207と、印刷部1208と、音声出力部1209と、通信部1210とを備える。これらは、不図示のバスを介して相互に通信可能である。
【0117】
CPU1201は、中央演算処理装置であり、POS端末装置の全体の制御を司る。
メモリ1202は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを含む。例えば、フラッシュROMやROMは、各種プログラムを記憶する。各種プログラムは、本実施形態に係る販売データ処理プログラムを含む。RAMは、CPU1201のワークエリアとして使用される。また、RAMは、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶する。この情報は、例えば、商品を登録する登録処理において生成した情報や、登録した商品を精算する精算処理において生成した情報などを含む。
【0118】
顧客用表示部1203は、顧客向けの画面を表示する。顧客向けの画面は、例えば、登録された商品に関する画面や、精算に関する画面である。顧客用表示部1203は、例えば、顧客用の10.1インチのタッチディスプレイである。顧客用表示部1203は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。例えば、顧客用表示部1203は、決済種別に対応するボタンを表示し、当該ボタンが操作(押下)されることによって、決済種別の選択を受け付ける。
【0119】
スキャナ部1204は、各種コードを光学的に読み取る。各種コードは、クーポンコードや、精算用の伝票に記載されている精算コード、商品に付されている商品コードを含む。なお、図示において、スキャナ部1204は、POS端末装置の本体に後付けされる別体式のものであるが、これに限らず、POS端末装置の本体に組み込まれる内蔵式のものでもよい。また、図示において、スキャナ部1204は、客側に設けられているが、店員側にも設けられる。
【0120】
カード決済部1205は、各種カードによる決済機構である。各種カードは、プリペイドカード、クレジットカード、ポイントカードを含む。また、カード決済部1205は、非接触型のチャージ媒体による決済を行うことも可能である。チャージ媒体は、ICチップを内蔵したカード(例えば、交通系ICカード等)や電子機器(例えば、顧客端末装置)である。
【0121】
釣銭機1206は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有する。釣銭機1206は、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。釣銭機1206は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。なお、釣銭機1206は、投入口に投入された紙幣や硬貨を検出するセンサを有する。当該センサは、投入口に紙幣や硬貨が投入された旨の検出や、金種別の枚数の検出などを行う。また、釣銭機1206は、プリペイドカードにチャージする現金の投入を受け付けることも可能である。
【0122】
店員用表示部1207は、店員が商品を登録するための店員登録画面を表示する。店員用表示部1207は、例えば、店員用の15.4インチのタッチディスプレイである。店員用表示部1207は、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。店員用表示部1207は、商品に対応するプリセットキーを表示する。店員用表示部1207は、当該プリセットキーが押下されることによって、当該プリセットキーに対応する商品の登録を受け付ける。
【0123】
印刷部1208は、レシート(領収書を含む)を発行する。
音声出力部1209は、音を出力する。例えば、音声出力部1209は、音声ガイダンスや警告音などを出力する。音声ガイダンスや警告音は、例えば、商品の登録操作や精算操作に係る音声を含む。
通信部1210は、他の装置(注文管理サーバ10A、座席管理サーバ10B、調理端末装置30、座席特定端末50、座席特定モニタ60など)と情報を送受信するインターフェースである。
【0124】
なお、POS端末装置は、店員側にキー操作部を備えてもよい。キー操作部は、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)を備え、店員から種々の入力を受け付ける。キー操作部は、商品に対応するキーを含み、当該キーが店員によって押下されることによって、当該キーに対応する商品の登録を受け付ける。
【0125】
変形例1において、登録精算装置20は、店員の操作によって商品の登録を行い、顧客の操作によって精算を行う。なお、登録精算装置20は、店員の操作によって精算を行うようにしてもよい。店員の操作によって精算を行う場合、スキャナ部1204や、カード決済部1205や、釣銭機1206は、客側に代えて又は加えて、店員側に設けられるようにすればよい。
【0126】
変形例1に係る登録精算装置20は、例えば、店員用表示部1207に消費態様選択画面1010(
図10(A))を表示する。当該画面において、店員は、顧客に消費態様を尋ね、顧客の回答に応じた消費態様を選択する。登録精算装置20は、店内飲食が選択された場合に、座席特定端末50の端末番号(2次元コード)の読取操作を促す通知を行う。これにより、店員に対して、手順通りに各種操作を行わせることができる。なお、変形例1に係る登録精算装置20において、顧客用表示部1203に消費態様選択画面1010(
図10(A))を表示するようにしてもよい。これにより、顧客に対して、手順通りに各種操作を行わせることができる。
【0127】
また、変形例1においても、登録精算装置20は、端末番号を入力することによって、商品の登録を可能にする。端末番号は、置数入力されてもよい。端末番号の置数入力は、店員による登録時に許容するようにし、顧客による登録時に禁止するようにしてもよい。例えば、販売データ処理システム1において、登録精算装置20として、顧客が登録する券売機と、店員が登録を行うPOS端末装置とが具備される場合、POS端末装置については、置数入力による端末番号の入力を可能にし、券売機については、置数入力による端末番号の入力を不可能にしてもよい。この場合、例えば、読取操作通知画面1020(
図10(B))において表示可能な置数入力を受け付けるボタンは、店員が登録を行う登録精算装置20において表示されるようにし、顧客が登録を行う登録精算装置20において表示されないようにしてもよい。
【0128】
登録精算装置20は、端末番号を読み取った場合、テーブル席TZにおける座席特定端末50の利用方法を示す利用案内を、レシート等の紙面に印刷する。これにより、顧客は、当該紙面に印刷された利用案内を確認し、テーブル席TZに移動後、座席特定端末50をテーブルTの上に適切に置くことができる。
【0129】
変形例1に係る登録精算装置20としても、店員に、端末番号および注文情報を対応付けた端末注文情報と、座席特定端末50によって特定されるテーブル席TZの座席番号と、を提示することができる。これにより、店員は、注文情報が示す商品を顧客のテーブル席TZまで配膳することができる。
【0130】
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。上述した実施形態では、一のテーブルTに、複数(大量)の無線タグ40が配置される例について説明した。変形例2では、一のテーブルTに一または少量の無線タグ40が配置される例について説明する。
【0131】
変形例2において、無線タグ40は、テーブルTのうち特定の領域に配置される。このため、座席特定端末50が載置される位置によっては、無線タグ40の電波が届かず、座席特定端末50は、座席番号を読み取ることができないおそれがある。
【0132】
そこで、変形例2では、無線タグ40が配置される位置に対応するテーブルT上の位置に、座席特定端末50の載置を促す表示(以下「載置催促表示」という。)を付すようにする。載置催促表示は、例えば、シールなどである。載置催促表示は、無線タグ40の配置位置に対応して付される。例えば、無線タグ40をテーブルTの表面に配置するようにした場合、載置催促表示は、無線タグ40に重ねて付されればよい。また、無線タグ40をテーブルTの天板の裏側に配置するようにした場合、載置催促表示は、当該配置位置に対向する天板の表側に付されればよい。
【0133】
また、載置催促表示は、無線タグ40の数に応じて付されればよい。具体的には、無線タグ40の数が「3」であれば、載置催促表示も「3」としてもよい。なお、この場合も、無線タグ40の配置位置と、載置催促表示を付す位置とは対応させておくものとする。変形例2によれば、無線タグ40の数を抑えることができる。
【0134】
(変形例3)
次に、変形例3について説明する。上述した実施形態では、端末注文情報を配膳伝票810(
図8)に出力し、座席特定情報を座席特定モニタ60に出力する例について説明した。変形例3では、端末注文情報と座席特定情報とを対応付けて出力する例について説明する。
【0135】
例えば、調理端末装置30は、座席管理サーバ10Bから座席特定情報を受信することにより、同じ端末番号を含む端末注文情報と座席特定情報とを対応付けた情報(以下「対応付け情報」という。)を出力することが可能である。対応付け情報は、具体的には、端末番号と、注文情報と、座席番号とが対応付けられた情報である。このため、変形例3において、調理端末装置30は、例えば、配膳伝票810として、端末番号と商品名とに加えて、座席番号を付すことも可能である。なお、対応付け情報は、キッチン側ディスプレイ303や、ホール側ディスプレイ304に表示されるようにしてもよい。変形例3によれば、店員による座席特定モニタ60による座席番号等の確認を不要とすることができる。
【0136】
(変形例4)
次に、変形例4について説明する。上述した実施形態では、最終配膳通知821(
図8参照)を行う例について説明した。変形例4では、最終配膳通知を行わない例について説明する。
【0137】
変形例4では、最終配膳通知を行わないため、店員は、積極的に座席特定端末50を回収することができない。このため、変形例4では、顧客が飲食を終えて、テーブル席TZから離れた後、当該テーブル席TZを清掃するタイミングで、店員が座席特定端末50を回収するようにしてもよい。このようにしても、座席特定端末50を回収して不使用中にし、次の使用に備えることができる。
【0138】
(変形例5)
次に、変形例5について説明する。上述した実施形態では、注文管理サーバ10Aと座席管理サーバ10Bとを別々に備える例について説明した。注文管理サーバ10Aと座席管理サーバ10Bとを一の管理サーバ10とする例について説明する。
【0139】
図13は、変形例5に係る販売データ処理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。販売データ処理システム1は、システムの一例である。
図13において、販売データ処理システム1は、実施形態に示した注文管理サーバ10Aおよび座席管理サーバ10Bに代えて、管理サーバ10を備える。
【0140】
管理サーバ10は、店舗の内部または外部に設けられるサーバ装置である。管理サーバ10は、不図示の端末注文情報-座席特定情報DBを備え、端末注文情報と、座席特定情報とを一括して管理する。なお、端末注文情報と、座席特定情報とは、いずれも、端末番号が含まれている。このため、管理サーバ10は、端末番号を共通にしたひとつの情報(端末注文情報-座席特定情報)として、端末注文情報および座席特定情報を管理することが可能である。
【0141】
これにより、変形例5では、変形例3に係る構成(端末注文情報と座席特定情報とを対応付けた出力)を簡単に実現することができる。すなわち、変形例5に係る販売データ処理システム1は、キッチン側ディスプレイ303、ホール側ディスプレイ304、配膳伝票、および調理伝票に、端末番号と、座席番号とを表示(印刷)させることが可能である。
【0142】
また、変形例5に係る販売データ処理システム1は、座席特定端末50を使用する際に、座席特定端末50が使用可能であるか、使用不可能であるかを判別することが可能である。これについて、以下の(1)~(5)の手順とともに説明する。
(1)登録精算装置20は、スキャナ部204によって、座席特定端末50の2次元コード(端末番号)を読み取ると、管理サーバ10へ端末番号を送信する。
(2)管理サーバ10は、登録精算装置20から端末番号を受信すると、当該端末番号が示す座席特定端末50へ起動確認通知を送信する。
(3)座席特定端末50は、座席特定端末50から起動確認通知を受信すると、起動確認通知を受信した旨を示す応答通知を管理サーバ10へ送信する。
(4)管理サーバ10は、座席特定端末50から応答通知を受信すると、応答通知があった旨を示す使用可能通知を登録精算装置20へ送信する。
(5)登録精算装置20は、管理サーバ10から使用可能通知を受信することで、当該座席特定端末50を使用可能であることを判別して、そのまま取引を継続させる。
【0143】
一方で、上記(5)において、登録精算装置20は、使用可能通知を受信しない場合、端末番号を読み取った対象の座席特定端末50については使用不可能であると判別する。なお、使用可能通知を受信しない場合とは、例えば、上記(2)において、座席特定端末50が管理サーバ10から起動確認通知を受信しない場合(例えば、座席特定端末50の通信不良の場合)や、上記(4)において、管理サーバ10が登録精算装置20から応答通知を受信しない場合(例えば、バッテリの残量不足など座席特定端末50の起動不良の場合)を含む。
【0144】
登録精算装置20は、当該座席特定端末50が使用不可能であると判別すると、座席特定端末50が故障している可能性があるとして、例えば、以下の少なくともいずれかの処理を行う。
・登録精算装置20は、他の座席特定端末50の使用を促す旨を示すガイダンスを表示する。
・登録精算装置20は、店員を呼出す旨を報知し、店員を呼出し、当該店員に、使用不可能な座席特定端末50を回収させる。
【0145】
変形例5によれば、変形例3に係る構成(端末注文情報と座席特定情報とを対応付けた出力)を簡単に実現することができる。また、故障中の座席特定端末50を使用させないようにすることができるため、適切な配膳を支援することができる。
【0146】
(変形例6)
次に、変形例6について説明する。上述した実施形態では、座席特定端末50が顧客によってテーブル席TZまで持ち運ばれる例について説明した。変形例6では、座席特定端末50がテーブル席TZに据え置かれる例について説明する。
【0147】
変形例6において、座席特定端末50は、テーブル席TZに配置される。また、座席特定端末50は、コード(例えばバーコード)を読み取る読取装置を備える。読取装置は、座席特定端末50に内蔵されていてもよいし、座席特定端末50とは別に設けられていてもよい。座席特定端末50は、自端末の端末番号と、自端末が配置されているテーブル席TZの座席番号とを予め対応付けて記憶する。また、座席特定情報DB12は、各座席特定端末50の端末番号と、各座席特定端末50のテーブル席TZの座席番号とを予め対応付けて記憶する。
【0148】
登録精算装置20は、精算が完了すると、取引番号を示すバーコード(取引コード)をシートに印刷する。顧客は、当該シートを所持して、任意のテーブル席TZに移動する。そして、顧客は、テーブル席TZに配置される座席特定端末50の読取装置に当該シートの取引コードを読み取らせる。なお、座席特定端末50に取引コードを読み取らせる旨は、例えば、当該シートに印刷されるようにしてもよいし、利用案内画面1040(
図10(D))に表示されるようにしてもよい。
【0149】
座席特定端末50は、取引コードを読み取ると、自端末の端末番号と、取引番号とを含む読取通知を注文管理サーバ10Aへ送信する。注文管理サーバ10Aは、読取通知を受信すると、読取通知に含まれる取引番号が示す注文情報と、端末番号とを対応付けて、端末注文情報DB11に記憶させる。
【0150】
また、変形例6において、店員は、座席特定端末50の回収用のコード(クリアバーコード)が表示される所定のコード媒体を所持する。コード媒体は、紙面でもよいし、電子媒体でもよい。店員は、最後の商品を配膳する際に、座席特定端末50の読取装置にクリアバーコードを読み取らせる。座席特定端末50は、クリアバーコードのコード情報を読み取ると、注文管理サーバ10Aへ使用終了通知を送信する。注文管理サーバ10Aは、使用終了通知を受信すると、使用中フラグ(
図5)を「0」にし、座席特定端末50を不使用中とする。すなわち、端末番号と注文情報(取引番号)との対応付けを解消する。
【0151】
なお、変形例6において、変形例5のように、一の管理サーバ10とすることも可能である。この場合、注文管理サーバ10Aは、座席番号と注文情報(取引番号)とを対応付けることが可能である。具体的に説明すると、一の管理サーバ10とした場合、管理サーバ10は、座席番号と注文情報(取引番号)とを対応付けて、端末注文情報-座席特定情報DB(不図示)に記憶させる。また、座席特定端末50は、取引コードを読み取ると、自端末に対応付けられるテーブル席TZの座席番号と、取引番号とを含む読取通知を注文管理サーバ10Aへ送信する。管理サーバ10は、座席特定端末50から読取通知を受信すると、読取通知に含まれる座席番号と、取引番号が示す注文情報とを対応付けて、端末注文情報-座席特定情報DBに記憶させる。このようにして、座席番号と注文情報(取引番号)とが対応付けられる。なお、管理サーバ10は、使用終了通知を受信すると、座席番号と注文情報(取引番号)との対応付けを解消する。
【0152】
変形例6によれば、顧客がテーブル席TZまで座席特定端末50を持ち運ばなくても、店員に顧客のテーブル席TZまで商品を配膳させることができる。また、取引において、座席特定端末50の端末番号の入力操作(読取操作)を不要とすることができるため、顧客が登録精算装置20を占有する時間の短縮化を図ることができる。
【0153】
(変形例7)
次に、変形例7について説明する。上述した実施形態では、消費態様の選択を受け付ける例について説明した。変形例7では、消費態様の選択を受け付けない例について説明する。
【0154】
変形例7において、販売データ処理システム1は、店内飲食のみの消費態様を受け付けるものとし、テイクアウトについては受け付けないものとする。この場合、登録精算装置20は、例えば、トップ画面(待機画面)において、読取操作通知画面1020(
図10(B))を表示する。すなわち、変形例7においても、読取操作通知を行うタイミングは、例えば、商品登録の開始前である。
【0155】
変形例7によれば、消費態様の選択を受け付けない態様において、端末番号の読取操作を最も優先して行うことができるため、端末番号の読取りを確実に行うことができる。
【0156】
(変形例8)
次に、変形例8について説明する。変形例8では、顧客が別のテーブル席TZへ移動した場合の例について説明する。
【0157】
顧客は、何らかの理由で、別のテーブル席TZへ移動する場合がある。この場合、顧客は、座席特定端末50を持って別のテーブル席TZへ移動する。座席特定端末50は、最も近くの無線タグ40の座席番号をリアルタイムで読み取り、読み取った座席番号を座席管理サーバ10Bに送信する。このため、移動先のテーブル席TZに座席特定端末50が載置された場合、座席特定端末50は、移動先のテーブル席TZに配置される無線タグ40から、最新の座席番号を読み取って、読み取った座席番号を座席管理サーバ10Bへ送信する。
【0158】
一例として、移動前のテーブル席TZの座席番号を「85」とし、移動後の座席番号を「30」とする例について説明する。例えば、端末番号「T001」の座席特定端末50が座席番号「85」を検出した(読み取った)後に、座席番号「30」を検出したとする。この場合、座席特定端末50は、現在検出している座席番号「30」を座席管理サーバ10Bに送信する。これにより、座席管理サーバ10Bは、端末番号「T001」と、座席番号「30」とを対応付けた座席特定情報「端末番号T001-座席番号30」を座席特定情報DB12に記憶させる。
【0159】
また、この場合、座席特定モニタ60は、顧客の移動が反映される前であれば、「端末番号T001-座席番号85」の座席特定情報を表示する。一方で、顧客の移動が反映された後であれば、座席特定モニタ60は、「端末番号T001-座席番号30」の座席特定情報を表示する。
【0160】
顧客の移動が反映される前に座席特定モニタ60を確認した店員は、端末番号「T001」に対応する商品を座席番号「85」のテーブル席TZへ配膳することとなる。店員の配膳途中に、顧客がテーブル席TZを移動することも生じ得る。変形例8では、この配膳途中であっても、顧客が座席番号30のテーブル席TZへ移動したことを店員が把握できるようしている。具体的には、変形例8に係る販売データ処理システム1は、店員が携帯するウェアラブル端末や注文端末などの店員携帯端末を備える。そして、店員携帯端末においても、座席特定モニタ60と同様の座席特定情報を表示する。これにより、店員は、配膳の直前に店員携帯端末を確認することにより、顧客の座席移動を把握することができ、適切な配膳を行うことができる。
【0161】
また、店員携帯端末や座席特定モニタ60のいずれにおいても、移動後の座席番号と、移動前の座席番号とを表示するようにしてもよい。具体的には、座席特定端末50が複数のテーブル席TZの無線タグ40の座席番号を取得している場合には、最新の座席番号だけでなく、移動前の座席番号も並べて表示するようにしてもよい。なお、移動前の座席番号については、括弧で表示されるようにしてもよいし、小さい文字で表示されるようにしてもよい。これにより、移動後の座席番号を、店員に把握させやすくすることができる。
【0162】
以下、実施形態総括を記載する。
[発明の名称]販売データ処理装置、システム、およびプログラム
[技術分野]
本発明は、販売データ処理装置、システム、およびプログラムに関する。
[背景技術]
従来、フードコート等の店舗では、フルセルフ式の販売データ処理装置として、券売機が使用されることがある(例えば、特許文献1参照)。券売機を用いた取引において、顧客は、券売機で予め食券を購入し、購入した商品の呼び出しがあると、受け渡しカンタまで赴いて、食券と引き換えに、商品を受け取る。このように、券売機を用いた取引では、通常、店員が顧客(注文者)の座席まで配膳することは行わない。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2004-206251号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、飲食店によっては、顧客のテーブル席まで商品を届けることができないことから、店舗によっては、顧客に対して十分なサービスを提供できないことがあり、すなわち、顧客に対するサービスの質が低いことがある、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、顧客に対するサービスの質を向上させることができる技術を提供するにある。
【0163】
[課題を解決するための手段]
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様である販売データ処理装置は、取引における精算を行う販売データ処理装置であって、顧客が使用するテーブル席まで持ち運ばれて前記テーブル席を特定可能な座席特定端末の識別情報を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された前記識別情報と前記取引とを関連付ける登録手段と、前記取引に係る商品の店内での消費および店外での消費のうち、いずれか一方の選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段が店内での消費を受け付けた場合、前記識別情報の入力を促す旨を通知する通知手段と、を備えることを特徴とする販売データ処理装置である。
上記構成によれば、顧客に手順通りに各種操作を行わせることができる。したがって、店員に、読み取った端末番号および注文情報を対応付けた端末注文情報と、座席特定端末50によって特定されるテーブル席TZの座席番号と、を提示することができる。これにより、店員は、注文情報が示す商品を顧客のテーブル席TZまで配膳することができる。よって、本実施形態に係る登録精算装置20によれば、顧客に対して十分なサービスを提供することができる。
【0164】
(2)上記(1)の構成において、前記登録手段は、前記入力手段によって前記識別情報が入力されることによって、前記取引を可能にするようにしてもよい。
上記構成によれば、端末番号の読取操作を最も優先して行うことができるため、端末番号の読取りを確実に行うことができる。
【0165】
(3)上記(1)または(2)の構成において、前記通知手段は、前記入力手段によって前記識別情報が入力された場合、前記テーブル席における前記座席特定端末の利用方法を示す案内を通知するようにしてもよい。
上記構成によれば、顧客は、テーブル席TZに移動後、座席特定端末50をテーブルTの上に適切に置くことができる。また、店員は、当該顧客のもとへ、適切に配膳を行うことができる。
【0166】
(4)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるシステムは、上記の記載の販売データ処理装置と、商品に関する指示を出力する情報出力装置とを備えるシステムであって、前記情報出力装置は、前記テーブル席に複数の商品が提供される場合において最後の提供となる商品の指示を出力する際に、最後の配膳であることを示す情報を出力する、を備えることを特徴とするシステムである。
上記構成によれば、配膳に不要となった座席特定端末50を即座に回収することができる。このため、座席特定端末50の電力消費を抑えることができるとともに、充電して次の使用に備えることができるため、座席特定端末50を有効活用することができる。
【0167】
(5)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、取引における精算を行う販売データ処理装置のコンピュータを、顧客が使用するテーブル席まで持ち運ばれて前記テーブル席を特定可能な座席特定端末の識別情報を入力する入力手段、前記入力手段によって入力された前記識別情報と前記取引とを関連付ける登録手段と、前記取引に係る商品の店内での商品の消費および店外での商品の消費のうち、いずれか一方の選択を受け付ける受付手段、前記受付手段が店内での消費を受け付けた場合、前記識別情報の入力操作を促す旨を通知する通知手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、顧客に手順通りに各種操作を行わせることができる。したがって、店員に、読み取った端末番号および注文情報を対応付けた端末注文情報と、座席特定端末50によって特定されるテーブル席TZの座席番号と、を提示することができる。これにより、店員は、注文情報が示す商品を顧客のテーブル席TZまで配膳することができる。よって、本実施形態に係る登録精算装置20によれば、顧客に対して十分なサービスを提供することができる。
【0168】
なお、上記において説明した販売データ処理システム1(登録精算装置20)における各機能(入出力、記憶、処理(判断を含む))の全部または一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。
【0169】
具体的には、登録精算装置20が実施形態に係る各機能部(
図9参照)を備える構成について説明した。各機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、各機能部のうち全部または一部が、注文管理サーバ10Aに具備されていてもよいし、これ以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、各機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。例えば、各機能部の全てを一のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0170】
具体的には、例えば、登録精算装置20に代えて、注文管理サーバ10Aが、消費態様の選択において店内飲食が選択された場合に、座席特定端末50の端末番号(2次元コード)の読取操作を促す通知を行うようにしてもよい。
【0171】
上記に関連し、登録精算装置20は、各種表示等に関しては、入出力のインターフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、登録精算装置20は、各種の入力(操作者の操作やデバイスの検出)を受け付け、入力情報(操作情報や検出情報等)を注文管理サーバ10Aに送信し、当該入力情報に基づく注文管理サーバ10Aの処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
【0172】
なお、以上に説明した販売データ処理システム1および登録精算装置20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0173】
1…販売データ処理システム、10…管理サーバ、10A…注文管理サーバ、10B…座席管理サーバ、11…端末注文情報DB、12…座席特定情報DB、20…登録精算装置、30…調理端末装置、40…無線タグ、50…座席特定端末、60…座席特定モニタ、901…登録部、902…精算部、903…入力部、904…受付部、905…通知部