(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003101
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】歪センサ及び歪の検知方法
(51)【国際特許分類】
G01L 5/00 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
G01L5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103586
(22)【出願日】2023-06-23
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、ムーンショット型研究開発事業「機能性スマートスキン」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願、令和2年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、ムーンショット型研究開発事業「人・環境適応変形ロボット機構」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 哲陽
(72)【発明者】
【氏名】西村 斉寛
(72)【発明者】
【氏名】野尻 晴太
(72)【発明者】
【氏名】多田隈 建二郎
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB02
2F051AB04
2F051BA07
(57)【要約】
【課題】1自由度の流体制御が行われる起歪体が受ける外力を別の物理量に変換する、新しいタイプの歪センサ及び歪の検知方法を提供する。
【解決手段】弾性部材からなる板状の起歪体を備え、起歪体は、起歪体の第1側面に設けられた開口である入口11と起歪体の第2側面に設けられた開口である出口12とを繋いで起歪体の内部を貫通する流路13を有し、流路13は、流路の途中において、流路断面積が局所的に小さい箇所であるノズル14を有し、ノズル14は、起歪体が外力を受けることによってノズル14に生じた歪に応じてノズル14における流路断面積を変化させることで、入口11に送り込まれる流体の圧力を変化させる、又は、ノズル14は発生する音の特性を変化させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部材からなる板状の起歪体を備え、
前記起歪体は、前記起歪体の第1側面に設けられた開口である入口と前記起歪体の第2側面に設けられた開口である出口とを繋いで前記起歪体の内部を貫通する流路を有し、
前記流路は、前記流路の途中において、流路断面積が局所的に小さい箇所であるノズルを有し、
前記ノズルは、前記起歪体が外力を受けることによって前記ノズルに生じた歪に応じて前記ノズルにおける流路断面積を変化させることで、前記入口に送り込まれる流体の圧力を変化させる、又は、前記ノズルは発生する音の特性を変化させる、
歪センサ。
【請求項2】
前記ノズルは、切れ込みを有する、
請求項1記載の歪センサ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の歪センサを用いた歪の検知方法であって、
前記歪センサを、外力を受ける場所に設置する設置ステップと、
前記歪センサの前記入口に流体を送り込む流入ステップと、
前記歪センサの前記入口に送り込む流体の圧力を検知する検知ステップと、を含む、
歪の検知方法。
【請求項4】
前記起歪体は、前記ノズルよりも前記出口に近い前記流路を開閉する弁を有し、
前記起歪体は、前記弁よりも前記入口に近い前記流路に通じる開口である吸引放出口を有し、
前記流入ステップでは、前記開口が外界の空気を吸引することとなる流量で、前記入口に前記流体を送り込む、
請求項3記載の歪の検知方法。
【請求項5】
さらに、前記検知ステップで検知された前記流体の圧力を解析することで、前記外力の大きさを特定する解析ステップを含む、
請求項3記載の歪の検知方法。
【請求項6】
請求項1又は2記載の歪センサを用いた歪の検知方法であって、
前記歪センサを、外力を受ける場所に設置する設置ステップと、
前記歪センサの前記入口に流体を送り込む流入ステップと、
前記歪センサの前記ノズルが発生する音を検知する検知ステップと、を含む、
歪の検知方法。
【請求項7】
さらに、前記検知ステップで検知された前記音の大きさを解析することで、前記外力の大きさを特定する解析ステップを含む、
請求項6記載の歪の検知方法。
【請求項8】
さらに、前記検知ステップで検知された前記音の周波数スペクトルを解析することで、前記起歪体のうち前記外力を受けた位置を特定する解析ステップを含む、
請求項6記載の歪の検知方法。
【請求項9】
さらに、前記検知ステップで検知された前記音の周波数スペクトルを解析することで、前記起歪体が受けた湾曲の程度を特定する解析ステップを含む、
請求項6記載の歪の検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、歪センサ及び歪の検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歪センサとして、様々なタイプの歪センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、流体の流れを利用した新しいタイプの歪センサ及び歪の検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本開示の一形態に係る歪センサは、弾性部材からなる板状の起歪体を備え、前記起歪体は、前記起歪体の第1側面に設けられた開口である入口と前記起歪体の第2側面に設けられた開口である出口とを繋いで前記起歪体の内部を貫通する流路を有し、前記流路は、前記流路の途中において、流路断面積が局所的に小さい箇所であるノズルを有し、前記ノズルは、前記起歪体が外力を受けることによって前記ノズルに生じた歪に応じて前記ノズルにおける流路断面積を変化させることで、前記入口に送り込まれる流体の圧力を変化させる、又は、前記ノズルは発生する音の特性を変化させる。
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一形態に係る歪の検知方法は、上記の歪センサを用いた歪の検知方法であって、前記歪センサを、外力を受ける場所に設置する設置ステップと、前記歪センサの前記入口に流体を送り込む流入ステップと、前記歪センサの前記入口に送り込む流体の圧力を検知する検知ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示により、流体の流れを利用した新しいタイプの歪センサ及び歪の検知方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る歪センサの構造の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1のIII-III線における断面図である。
【
図5】
図5は、
図1の歪センサに高流量の流体が送り込まれたときの動作を示す図である。
【
図6】
図6は、
図1の歪センサに高流量の流体が送り込まれたときにおける
図1のIII-III線の断面図である。
【
図7】
図7は、
図1の歪センサに低流量の流体が送り込まれたときの動作を示す図である。
【
図8】
図8は、
図1の歪センサに低流量の流体が送り込まれたときにおける
図1のIII-III線の断面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態1に係る歪検知システムの構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、
図9における歪検知システムの動作を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、
図9に係る歪検知システムにおける荷重負荷装置の構成及び動作についての模式図である。
【
図12】
図12は、
図9の歪検知システムにおいて歪センサに送り込まれる流体の流量を10L/minと一定にした場合に、
図1の歪センサが受ける外力と圧力センサが検知する流体の圧力との関係を示すグラフである。
【
図13】
図13は、
図9の歪検知システムにおいて歪センサに送り込まれる流体の流量を変化させた場合に、
図1の歪センサが受ける外力と圧力センサが検知する流体の圧力との関係を示すグラフである。
【
図14】
図14は、実施の形態2に係る歪センサの構造の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、実施の形態2に係る歪検知システムの構成を示すブロック図である。
【
図22】
図22は、
図19に係る歪検知システムにおける荷重負荷装置の構成及び動作についての模式図である。
【
図23】
図23は、
図14の歪センサに対して外力をかける位置と外力の大きさを変化させた場合におけるノズルから発生する音の音圧との関係を示すグラフである。
【
図24】
図24は、
図14の歪センサに対して外力をかける位置と外力の大きさを変化させた場合におけるノズルが発生する音の周波数との関係を示すグラフである。
【
図26】
図26は、
図19の歪検知システムにおいて歪センサに送り込まれる流体の流量を10L/minと一定にした場合に、
図14の歪センサが受ける湾曲の程度を変化させたときのノズルが発生する音の周波数におけるスペクトルの時間変化との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程、ステップ及び工程の順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺などは必ずしも一致していない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
【0011】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る歪センサ1について説明する。
【0012】
実施の形態1に係る歪センサ1は、1自由度の流体制御により放出と吸引を切り替える機能を有する歪センサ1が受ける外力を、1自由度の流体制御により送り込まれる流体の圧力に変換する歪センサである。1自由度の流体制御とは、流体が外部から歪センサ1に送り込まれる口が1つに限定されており、かつその流体の流量が一定量に制御されていることを意味する。つまり、実施の形態1に係る歪センサ1は、流体が送り込まれる状態で、歪センサ1が受ける外力を流体の圧力に変換する新しいタイプの歪センサである。
【0013】
図1は、実施の形態1に係る歪センサ1の構造の一例を示す斜視図である。
図2は、
図1の歪センサ1の上面図である。
図1及び
図2は、歪センサ1の構造を説明するために歪センサ1の上面を透視して、歪センサ1の内部を図示した図である。
【0014】
図1及び
図2に示されるように、歪センサ1は、入口11、出口12、流路13、ノズル14、弁15、吸引放出口16、枝流路17aと17b、膨張室18aと18b及び壁19aと19bを備える。歪センサ1は、弾性部材からなる板状の起歪体である。例えば、歪センサ1は、シリコーンゴム等で構成される。
【0015】
入口11は、歪センサ1の第1側面に設けられた開口である。入口11は、流体を外部から歪センサ1の内部に流入させるための開口である。
【0016】
出口12は、歪センサ1の第2側面に設けられた開口である。出口12は、歪センサ1に流入した流体を外部に流出させるための開口である。なお、実施の形態1において、出口12は、入口11に対向する面に設けられているが、入口11に対向しない面に設けられていてもよい。
【0017】
流路13は、歪センサ1の内部を貫通して入口11と出口12とを繋いでいる。より詳しくは、流路13は、途中で2つの流路に分岐し、分岐のそれぞれの流路の最下流に設けられたノズル14を経た後に合流し、その後、弁15を経た後に、出口12に接続されている。
【0018】
ノズル14は、流路13の途中(より詳しくは、流路13の分岐における最下流)において、流路断面積が局所的に小さい箇所である。歪センサ1が受けた外力によってノズル14の流路断面積が変化するが、その詳細な説明は後述する。
【0019】
弁15は、ノズル14よりも出口12に近い流路13の途中に設けられている。弁15は流体の流量に依存して開閉する。弁15が開いている場合に、上流から流れてきた流体は、弁15を通過し、出口12から流出する。
【0020】
図3は、
図1のIII-III線における断面図である。III-III線は、弁15を通過する線である。弁15は、上下に分離して設けられた2つの仕切り板15a及び15bにより構成され、弾性部材である。弁15の全体の形は矩形の板状である。仕切り板15a及び15bは、仕切り板15aの上辺及び仕切り板15bの下辺が歪センサ1を構成する上面、底面の部分と固定されている。仕切り板15a及び15bは、流体の流量に依存して開閉可能な構造となっている。なお、弁15は、実施の形態1で示す構造だけに限定されず、1以上の仕切りにより構成され、流体の流量に依存して開閉可能な構造であってもよい。
【0021】
図1及び
図2での説明に戻り、吸引放出口16は、弁15よりも入口11に近い流路13に通じる開口であり、本実施の形態では、歪センサ1の上面に設けられている。吸引放出口16は、歪センサ1に入口11から流入する流体の流量が変化することにより、外部から歪センサ1内に流体を吸引する、又は歪センサ1から外部へ流体を放出するための開口である。歪センサ1が吸引放出口16を介して行う流体の吸引及び放出についての詳細な説明は後述する。
【0022】
枝流路17a及び17bは、ノズル14よりも入口11に近い流路13が、吸引放出口16を構成する部位を迂回する形で、枝分かれした流路である。入口11から流入した流体の一部は、流路13から枝流路17a及び17bに流れる。
【0023】
膨張室18aには枝流路17aが接続され、膨張室18bには枝流路17bが接続されている。膨張室18a及び18bは袋状であり、流体が外部に流出する開口を有していない。また、
図1、
図2及び
図3に示されるように、膨張室18a及び18bは、歪センサ1の上面視で、壁19a及び19bを隔てて流路13及び弁15を挟む位置に設けられている。入口11から流入した流体の一部は、流路13から枝流路17a及び17bに流れ、それぞれ、枝流路17a及び17bを通って膨張室18a及び18bに充填される。歪センサ1は弾性部材で構成されていることから、流体の流量に依存して膨張室18a及び18bが膨張する。壁19a及び19bは、膨張室18a及び18bが膨張することにより流路13を左右から狭める方向に押される。
【0024】
壁19aは、弾性部材であり、流路13と膨張室18aを隔てる壁である。また、壁19bは弾性部材であり、流路13と膨張室18bを隔てる壁である。
【0025】
図4は、
図1のIV-IV線における断面図である。
図4の(a)は、歪センサ1が外力を受けていない場合の
図1のIV-IV線における断面図である。
図4の(b)は、歪センサ1が外力を受けた場合の
図1のIV-IV線における断面図である。
図4の(b)における外力は、歪センサ1の上面からノズル14の周辺に加わる。
【0026】
歪センサ1は外力を受けることにより変形する。そのため、歪センサ1が外力を受けた場合には、
図4の(b)で示されるように、ノズル14の流路断面積は、
図4の(a)で示されるノズル14の流路断面積よりも小さくなる。このノズル14の流路断面積が小さくなることにより、ノズル14を通る流体の圧力は、
図4の(b)の場合の方が
図4の(a)の場合よりも高くなる。これにより、歪センサ1に送り込まれる流体が一定の流量で制御されている場合、入口11から送り込まれる流体の圧力は、
図4の(b)の場合の方が
図4の(a)の場合よりも高くなる。この圧力変化をモニタリングすることにより、歪センサ1は、外力を受けているか否か及び外力の大きさを検知する。
【0027】
次に、歪センサ1の入口11に流体を送り込んだときにおける歪センサ1の動作について説明する。
【0028】
1自由度の流体制御が行われる歪センサ1が吸引放出口16から流体の吸引を行う機構について説明する。
図5は、
図1の歪センサ1に高流量の流体が送り込まれたときの動作を示す図である。
図5は、歪センサ1の構造を説明するために歪センサ1の上面を透視して、歪センサ1の内部を図示した図である。
図6は、
図1の歪センサ1に高流量の流体が送り込まれたときにおける
図1のIII-III線の断面図である。
【0029】
図5に示されるように、入口11から送り込まれた流体の大部分は、流路13及びノズル14を通り、弁15まで流れる。一方、入口11から送り込まれた流体の一部は、流路13から枝流路17a及び17bに流れ、枝流路17a及び17bを通って膨張室18a及び18bに到達する。入口11から送り込まれる流体が高流量の場合は、枝流路17a及び17bを通り、膨張室18a及び18bに到達する流体の割合は低流量の場合よりも大きくなる。十分な量の流体が膨張室18a及び18bに送り込まれると、膨張室18a及び18bは膨張する。壁19a及び19bは、膨張室18a及び18bが膨張することにより流路13を狭める方向に押される。
【0030】
図6に示されるように、壁19a及び19bは、膨張室18a及び18が膨張することにより流路13を狭める方向に押される。すると、膨張室18a及び18bに挟まれて設けられた弁15は左右から押しつぶされて、仕切り板15a及び15bとの間に空間ができる。
【0031】
図5での説明に戻り、流体の流れについて説明をする。仕切り板15a及び15bとの間に大きな空間ができるため、流体は弁15を通過し、出口12から流出する。弁15が開いて、入口11から送り込まれた流体が出口12から流出するとき、吸引放出口16の流路13の接続部付近で負圧が発生し、吸引放出口16内の流体を巻き込む噴流が起きる。噴流により吸引放出口16付近の流体は巻き込まれるため、歪センサ1外部の流体は吸引放出口16を通じて歪センサ1に流入する。上記の歪センサ1の動作により、歪センサ1は吸引放出口16から歪センサ1外部の流体を吸引する。
【0032】
また、1自由度の流体制御が行われる歪センサ1が吸引放出口16から流体の放出を行う機構について説明する。
図7は、
図1の歪センサ1に低流量の流体が送り込まれたときの動作を示す図である。
図7は、歪センサ1の動作を説明するために歪センサ1の上面を透視して、歪センサ1の内部を図示した図である。
図8は、
図1の歪センサ1に低流量の流体が送り込まれたときにおける
図1のIII-III線の断面図である。
【0033】
図7に示されるように、入口11から送り込まれた流体の大部分は、流路13及びノズル14を通り、弁15まで流れる。入口11から送り込まれた流体の一部は、流路13から枝流路17a及び17bに流れ、枝流路17a及び17bを通って膨張室18a及び18bに到達する。入口11から送り込まれる流体が低流量の場合は、枝流路17a及び17bを通り、膨張室18a及び18bに到達する流体の割合は高流量の場合よりも小さくなる。そのため、十分な量の流体が膨張室18a及び18bに送り込まれず、膨張室18a及び18bはほとんど膨張しない。
【0034】
図8に示されるように、膨張室18a及び18bはほとんど膨張せず、弁15はほとんど変形しない。
【0035】
図7での説明に戻り、流体の流れについて説明をする。仕切り板15a及び15bの間には小さな空間しかできないので、流体は、弁15を僅かに通過する。流体の大部分は弁15に衝突して流路13を逆流して吸引放出口16に流れ込み、吸引放出口16を通じて歪センサ1の外部に流出する。上記の歪センサ1の動作により、歪センサ1は吸引放出口16から流体を歪センサ1の外部に放出する。
【0036】
図9は、実施の形態1に係る歪検知システム2の構成を示すブロック図である。歪検知システム2は、歪センサ1にかかる外力を検出するシステムである。歪検知システム2は、歪センサ1、流体流入装置21、荷重負荷装置22、圧力センサ23及び解析装置24を備える。
【0037】
流体流入装置21は、管を介して歪センサ1の入口11に接続されており、管を介して歪センサ1に流体を送り込む。例えば、流体流入装置21は、流体を歪センサ1に送り込むポンプであり、管を介して歪センサ1に、例えば、5~30L/minの流体を送り込む。また、流体流入装置21は、歪センサ1に送り込む流体の流入量を一定に制御する。
【0038】
荷重負荷装置22は、歪センサ1の上面に外力を加える(つまり、荷重負荷をかける)、あるいは歪センサ1に加えた外力を解放して除荷する装置である。荷重負荷装置22の詳細な構成及び動作については後述する。
【0039】
圧力センサ23は、管を介して歪センサ1の入口11と接続されている。圧力センサ23は、流体流入装置21から歪センサ1の入口11に送り込まれる流体の圧力を検知するものであり、例えば、流体用圧力センサである。
【0040】
解析装置24は、圧力センサ23から信号を受け、圧力センサ23が検知した流体の圧力を解析することにより、歪センサ1が受けている外力の大きさを特定する装置である。例えば、解析装置24は、信号の入力処理(A/D変換など)及び情報処理(物理量の変換など)を行うコンピュータである。
【0041】
荷重負荷装置22は、歪センサ1に既知の外力を加えるために実験上備えられる装置であり、歪検知システム2の構成要素として必ずしも備えられる必要はない。
【0042】
次に、歪検知システム2の動作、つまり歪の検知方法について説明する。
【0043】
図10は、
図9における歪検知システム2の動作を示すフローチャートである。
【0044】
まず、歪センサ1を外力が加わる場所に置く(設置ステップS1)。
【0045】
歪センサ1の入口11と接続した流体流入装置21は、歪センサ1に流体を送り込む(流入ステップS2)。
【0046】
荷重負荷装置22は、歪センサ1の上面に外力を加える(負荷ステップS3)。すると、歪センサ1のノズル14は、受けた外力に応じて、流路断面積を変化させる。その結果、歪センサ1は、受けた外力を流体流入装置21から歪センサ1に送り込む流体の圧力に変換する(変換ステップS4)。
【0047】
歪センサ1の入口11に接続した圧力センサ23は、流体流入装置21から歪センサ1に送り込む流体の圧力を検知する(検知ステップS5)。
【0048】
解析装置24は、圧力センサ23からの信号を受け、予め準備した変換テーブルを参照することで、圧力センサ23が検知した流体の圧力を歪センサ1が受けた外力の大きさに変換し、ディスプレイ等に表示出力する(解析ステップS6)。
【0049】
なお、負荷ステップS3は、実験上歪センサ1に既知の外力を加えるためのステップであるので、歪センサ1を未知の歪検知に用いる場合には、必ずしも歪検知システム2に含まれる必要はない。また、設置ステップS1及び流入ステップS2の順序は入れ替えてもよいし、同時に行われてもよい。
【0050】
図11は、
図9に係る歪検知システム2における荷重負荷装置22の構成及び動作についての模式図である。
図11の(a)は、Y軸方向から見た歪検知システム2の模式図である。また、
図11の(b)は、荷重負荷装置22により外力が加えられている箇所を示した歪センサ1の上面図である。
図11の(b)は、歪センサ1に外力が加えられている箇所を説明するために歪センサ1の上面を透視して、歪センサ1の内部を図示した図である。
【0051】
図11の(a)に示されるように、荷重負荷装置22は、ロードセル221及びZ軸方向リニアアクチュエータ222を備える。
【0052】
ロードセル221は、受けた力を電気信号に変換する変換器である。
【0053】
Z軸方向リニアアクチュエータ222は、ロードセル221をZ軸方向で歪センサ1に押し当てるように動かす駆動装置である。
【0054】
図11の(b)に示されるように、実施の形態1では、Z軸方向リニアアクチュエータ222により動かされたロードセル221は、歪センサ1の円で囲まれた領域を押圧する。具体的には、Z軸方向リニアアクチュエータ222により動かされたロードセル221は、歪センサ1のノズル14を含む領域を押圧する。
【0055】
図12は、
図9の歪検知システム2において歪センサ1に送り込まれる流体の流量を10L/minと一定にした場合に、
図1の歪センサ1が受ける外力と圧力センサ23が検知する流体の圧力との関係を示すグラフである。
【0056】
図12の(a)は、歪検知システム2の歪センサ1に送り込まれる流体の流量が10L/minの場合における、時間経過に対する歪センサ1が受ける外力及び圧力センサ23が検知する流体の圧力を示すグラフである。
図12の(a)を用いて、実験手順を説明する。
【0057】
図12の(a)に示されるように、荷重負荷装置22は、外部からの制御指示によって、以下の操作1~3の手順で歪センサ1に外力を加える。
【0058】
Z軸方向リニアアクチュエータ222は、ロードセル221を0.1mm/sと一定の速度でZ軸方向に対して下方に動かし、歪センサ1に外力をかける(操作1)。操作1は、
図12の(a)において、外力及び圧力センサ23が検知する流体の圧力が上昇する区間と対応する。
【0059】
歪センサ1は弾性部材であるため、歪センサ1は外力が加えられることにより変形する。荷重負荷装置22が歪センサ1を1mm押し込むと、Z軸方向リニアアクチュエータ222は、ロードセル221を10秒間その場で停止させる(操作2)。操作2は、
図12の(a)において、外力及び圧力センサ23が検知する流体の圧力が僅かに減少する区間と対応する。
【0060】
ロードセル221が10秒間停止した後、Z軸方向リニアアクチュエータ222は、ロードセル221を0.1mm/sと一定の速度でZ軸方向に対して上に動かし、歪センサ1に加える外力を解放する(操作3)。操作3は、
図12の(a)において、外力及び圧力センサ23が検知する流体の圧力が急激に減少する区間に対応する。
【0061】
荷重負荷装置22はロードセル221と歪センサ1が完全に離れたことを確認すると、上記の操作1~3を繰り返す。実験において荷重負荷装置22は、上記の操作1~3を3回繰り返した。この実験の間、歪センサ1は、流体流入装置21から一定の流量10L/minが送り込まれる。
【0062】
図12の(a)に示される実験結果から、圧力センサ23が検知する流体の圧力の変動は、歪センサ1が受ける外力の変動に追従している。圧力センサ23が検知する流体の圧力は、歪センサ1が受ける外力と相関がある。歪検知システム2は、歪センサ1が受ける外力を検知することがわかる。
【0063】
以上の相関に基づいて、事前のキャリブレーションによって、歪センサ1に加えられる既知の外力の大きさを圧力センサ23が検知する流体の圧力との関係を示す変換テーブルを予め作成しておくことができる。
【0064】
よって、解析装置28は、圧力センサ23が計測する流体の圧力を解析し、予め作成した変換テーブルを参照することにより、歪センサ1が受けた未知の外力の大きさを特定することができる。
【0065】
図12の(b)は、歪検知システム2の歪センサ1に送り込まれる流体の流量が10L/minの場合における、歪センサ1が受ける外力に対する圧力センサ23が検知する流体の圧力を示すグラフである。
【0066】
図12の(b)に示されるように、操作1で得られた直線と操作3で得られた直線に大きな違いはない。つまり、歪センサ1には、現在加わる外力だけでなく、過去に加わった外力により影響を受けるヒステリシス現象は起きていない。これにより、歪検知システム2は、歪センサ1に加わる外力が負荷あるいは除荷のいずれか一方で、歪センサ1が受ける外力の大きさを特定することができる。
【0067】
流体流入装置21から歪センサ1に送り込まれる流量を変化させた場合における歪検知システム2に係る歪の検知方法の実験手順について説明する。
図12に係る実験手順と異なる点のみについて説明し、同じ点については省略する。
【0068】
荷重負荷装置22が
図12に係る実験手順と同じ操作1~3を行う際に、流体流入装置21から歪センサ1に送り込まれる流体の流量を変更した。具体的には、流体流入装置21から歪センサ1に送り込まれる流体の流量を10、20及び30L/minとした。
【0069】
図13は、
図9の歪検知システム2において歪センサ1に送り込まれる流体の流量を変化させた場合における
図1の歪センサ1が受ける外力と圧力センサ23が検知する流体の圧力との関係を示すグラフである。
【0070】
図13の(a)は、流体流入装置21から歪センサ1に送り込まれる流体の流量が10L/minの場合における、時間経過に対する歪センサ1が受ける外力及び圧力センサ23が検知する流体の圧力を示すグラフである。
図13の(b)は、流体流入装置21から歪センサ1に送り込まれる流体の流量が20L/minの場合における、時間経過に対する歪センサ1が受ける外力及び圧力センサ23が検知する流体の圧力を示すグラフである。
【0071】
図13の(a)に示されるように、実施の形態1に係る歪センサ1において、歪センサ1の入口11から送り込まれる流体の流量が10L/min以下の場合、流体は吸引放出口16から放出される。一方で、
図13の(b)に示されるように、歪センサ1の入口11から送り込まれる流体の流量が20L/min以上の場合、流体は吸引放出口16から吸引される。つまり、
図13に示される実験結果において、
図13の(a)は、歪センサ1が吸引放出口16から流体を放出する状態での実験結果を示す図であり、
図13の(b)は、歪センサ1が吸引放出口16から流体を吸引する状態での実験結果を示す図である。
【0072】
図13の(a)と
図13の(b)を比較すると、
図13の(b)の直線の傾きは、
図13の(a)の直線の傾きよりも大きくなった。これは、歪センサ1に同じ大きさの外力が加えられた場合に、圧力センサ23が検知する流体の圧力は、流体流入装置21から送り込まれる流体の流量が20L/minの場合の方が10L/minの場合よりも大きいということを示している。圧力センサ23が検知する流体の圧力が大きくなることにより、解析装置24が解析して特定する外力の大きさは大きくなる。つまり、歪センサ1に送り込まれる流体の流量を増加させて、歪センサ1が吸引放出口16から流体を放出する状態から、流体を吸引放出口16から吸引する状態に切り替えることにより、歪センサ1が受ける外力に対する歪検知システム2の感度を上昇させることができる。
【0073】
図13に示される実験結果から、歪検知システム2は、歪センサ1が吸引放出口16から流体の吸引及び放出を切り替えることにより、歪センサ1が受ける外力に対する感度を変更できることがわかる。
【0074】
以上のように、実施の形態1に係る歪センサ1は、弾性部材からなる板状の起歪体を備え、起歪体は、起歪体の第1側面に設けられた開口である入口11と起歪体の第2側面に設けられた開口である出口12とを繋いで起歪体の内部を貫通する流路13を有し、流路13は、流路13の途中において、流路断面積が局所的に小さい箇所であるノズル14を有し、ノズル14は、起歪体が外力を受けることによってノズル14に生じた歪に応じてノズル14における流路断面積を変化させることで、入口11に送り込まれる流体の圧力を変化させる。
【0075】
これにより、電子部品や配線を使用することなく、1自由度の流体制御が行われる新しいタイプの歪センサは、外力を受けているか否か及び外力の大きさを検知することができる。
【0076】
また、実施の形態1に係る歪の検知方法は、上記に記載の歪センサ1を用いた歪の検知方法であって、歪センサ1を、外力を受ける場所に設置する設置ステップS1と、歪センサ1の入口11に流体を送り込む流入ステップS2と、歪センサ1の入口11に送り込む流体の圧力を検知する検知ステップS5と、を含む。
【0077】
これにより、電子部品や配線を使用することなく、1自由度の流体制御が行われる新しいタイプの歪センサを用いて構成された新しいタイプ歪の検知方法によって、未知の外力の大きさを特定することができる。
【0078】
また、実施の形態1に係る歪の検知方法は、起歪体は、ノズル14よりも出口12に近い流路13を開閉する弁15を有し、起歪体は、弁15よりも入口11に近い流路13に通じる開口である吸引放出口16を有し、流入ステップS2では、前記開口が外界の空気を吸引または放出することとなる流量で、入口11に流体を送り込む。
【0079】
これにより、新しいタイプの歪の検知方法によって、歪センサが流体の吸引及び放出を切り替えることにより、歪センサが受ける外力に対する感度を変更することができる。
【0080】
なお、実施の形態1に係る歪センサ1は、必ずしも弁15、吸引放出口16、枝流路17aと17b及び膨張室18aと18bを備える必要はない。弁15、吸引放出口16、枝流路17aと17b及び膨張室18aと18bを備えていない歪センサ1であっても、課題を達成できる。
【0081】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る歪センサ1aについて説明する。実施の形態1に係る歪センサ1は、歪センサ1が受ける外力を歪センサ1の入口11に送り込む流体の圧力に変換する。一方で、実施の形態2に係る歪センサ1aは、歪センサ1aが受ける外力を歪センサ1aのノズル14が発生する音に変換する。
【0082】
実施の形態2に係る歪センサ1aは、1自由度の流体制御により歪センサ1aが受ける外力を音に変換する歪センサである。
【0083】
図14は、実施の形態2に係る歪センサ1aの構造を示す斜視図である。
図14は、歪センサ1aの構造を説明するために歪センサ1aの上面を透視して、歪センサ1aの内部を図示した図である。以下、実施の形態1に係る歪センサ1と異なる点を説明し、同じ点の説明は省略する。
【0084】
歪センサ1aは、実施の形態1に係る歪センサ1と同様に、入口11、出口12、流路13、ノズル14及び吸引放出口16を備え、一方、実施の形態1に係る歪センサ1とは異なり、弁15、枝流路17aと17b、膨張室18aと18b及び壁19aと19bを備えていない。また、歪センサ1aはノズル外壁14aを備える。ノズル外壁14aの詳細な説明は、
図15を用いて説明する。
【0085】
図15は、
図14の歪センサ1aの上面図である。
図15は、歪センサ1aの構造を説明するために歪センサ1aの上面を透視して、歪センサ1aの内部を図示した図である。
図15の(a)は、
図14の歪センサ1a全体の上面図である。
図15の(b)は、
図15の(a)の点線で囲われた部分を拡大した図である。
【0086】
図15の(a)及び
図15の(b)に示されるように、ノズル外壁14aは、出口12の方向に向かって、ノズル14の先端を延長させる方向に設けられている。これにより、歪センサ1aのノズル14は、歪センサ1のノズル14よりも出口12の方向に向かって長く形成されている。
【0087】
図16は、
図15の(b)の各断面から見た一例を示す断面図である。
図16の(a)は
図15の(b)のA-A’線における断面図である。
図16の(b)は
図15の(b)のB-B’線における断面図である。
【0088】
図16の(a)及び
図16の(b)に示されるように、ノズル外壁14aは、矩形の切れ込み14bをノズル外壁14aの中央に有する。矩形の切れ込み14bは、出口12に近いノズル外壁14aの先端からノズル外壁14aの厚みが変わる位置まで設けられている。
図17は、
図15の(b)の各断面から見た別の一例を示す断面図である。
図17の(a)は
図15の(b)のA-A’線における断面図である。
図17の(b)は
図15の(b)のB-B’線における断面図である。
【0089】
図17の(a)及び
図17の(b)に示されるように、ノズル外壁14aは、矩形の切れ込み14bをノズル外壁14aの上辺と下辺に有する。矩形の切れ込み14bは、出口12に近いノズル外壁14aの先端からノズル外壁14aの厚みが変わる位置まで設けられている。
【0090】
図18は、
図15の(b)の各断面から見たさらに別の一例を示す断面図である。
図18の(a)は
図15の(b)のA-A’線における断面図である。
図18の(b)は
図15の(b)のB-B’線における断面図である。
【0091】
図18の(a)及び
図18の(b)に示されるように、ノズル外壁14aは切れ込み14bを有する。切れ込み14bは、L字形状を有し、矩形の切れ込み14b1と別の矩形の切れ込み14b2で構成される。ノズル外壁14aは、矩形の切れ込み14b1をノズル外壁14aの上辺に有する。矩形の切れ込み14b1は、出口12に近いノズル外壁14aの先端からノズル外壁14aの厚みが変わる位置まで設けられている。また、ノズル外壁14aは別の矩形の切れ込み14b2を有する。別の矩形の切れ込み14b2は、ノズル外壁14aの厚みが変わる位置に、ノズル外壁14aの上辺と下辺を繋ぐように設けられている。矩形の切れ込み14b1と別の矩形の切れ込み14b2はノズル外壁14aの上辺で繋がっている。
【0092】
歪センサ1aに送り込まれた流体は、出口12に近いノズル14の先端から流路13に流れるだけでなく、ノズル外壁14aが有する切れ込み14bを通過して、流路13に流れる。
【0093】
歪センサ1aのノズル外壁14aが有する切れ込み14bは、上記で説明した形状に制限されるものではなく、後述するノズル外壁14aが果たす機能を実現する形状であれば、本開示の変形の範囲内である。
【0094】
図15の(a)に示されるように、歪センサ1aに入口11から送り込まれた流体は、流路13及び流路13の途中に設けられたノズル14を通り、出口12から流出する。歪センサ1aに送り込まれた流体は、出口12に近いノズル14の先端から流路13に流れるだけでなく、ノズル外壁14aが有する切れ込み14bを通過して、流路13に流れる。
【0095】
ノズル外壁14aが有する切れ込み14bから流路13に流れる流体により、ノズル外壁14aは振動する。ノズル外壁14aが振動することにより、ノズル14は音を発生する。さらに、ノズル14は、歪センサ1aが受ける外力により、ノズル14が発生する音の特性を変化させる。具体的には、ノズル14は、歪センサ1aが受ける外力の大きさ、歪センサ1aのうち外力を受けた位置及び歪センサ1aが受ける湾曲の程度により、ノズル14が発生する音の特性を変化させる。ノズル14が発生する音の特性の変化についての詳細な説明は、後述する実験結果を用いて説明する。
【0096】
図19は、実施の形態2に係る歪検知システム2aの構成を示すブロック図である。実施の形態2に係る歪検知システム2aの説明は、実施の形態1に係る歪検知システム2と異なる点を説明し、同じ点は省略する。
【0097】
図19に示されるように歪検知システム2aは、歪センサ1aに係る外力を検出するシステムである。歪検知システム2aは、実施の形態1に係る歪センサ1とは異なり、歪センサ1a、流体流入装置25、荷重負荷装置26、マイク27及び解析装置28を備える。
【0098】
流体流入装置25は、実施の形態1の流体流入装置21と同じ装置である。流体流入装置25は、管を介して歪センサ1aの入口11に接続されており、管を介して歪センサ1aに流体を送り込む。
【0099】
荷重負荷装置26は、実施の形態1の荷重負荷装置22と同様である。荷重負荷装置26の詳細な構成及び動作については後述する。
【0100】
マイク27は、歪センサ1aのノズル14が発生する音を検知する装置である。マイク27は、歪センサ1aの内部に備えられていてもよいし、外部に備えられていてもよい。
【0101】
解析装置28は、マイク27からの信号を受け、マイク27が検知した音を解析(高速フーリエ変換などを)することで、歪センサ1aが受けている外力の大きさ、歪センサ1aのうち外力を受けた位置及び歪センサ1aが受けている湾曲の程度を特定する装置である。例えば、解析装置28は、信号の入力処理(A/D変換など)及び情報処理(物理量の変換など)を行うコンピュータである。
【0102】
荷重負荷装置26は、歪センサ1aに既知の外力を加えるために、実験上備えられる装置であり、歪検知システム2aの構成要素として必ずしも備えられる必要はない。
【0103】
次に、歪検知システム2aの動作、つまり歪の検知方法について説明する。
【0104】
図20は、
図19における歪検知システム2aの主要な動作を示すフローチャートである。
【0105】
まず、歪センサ1aを外力が加わる場所に置く(設置ステップS1)。
【0106】
歪センサ1aの入口11と接続した流体流入装置25は、歪センサ1aに流体を送り込む(流入ステップS2)。
【0107】
荷重負荷装置26は、歪センサ1aに外力を加える(負荷ステップS3)。すると、歪センサ1aのノズル14は、発生する音の特性を変化させる(変換ステップS4a)。
【0108】
マイク27は、歪センサ1aのノズル14が発生する音を検知する(検知ステップS5a)。
【0109】
解析装置28は、マイク27からの信号を受け、マイク27が検知した音を解析することで、歪センサ1aが受けた外力の大きさ、位置、又は、歪センサ1aが受けた湾曲の程度を特定し、ディスプレイ等に表示出力する(解析ステップS6a)。
【0110】
なお、負荷ステップS3は、実験上歪センサ1aに既知の外力を加えるためのステップであるので、歪センサ1aを未知の歪検知に用いる場合には、必ずしも歪検知システム2aに含まれる必要はない。また、設置ステップS1及び流入ステップS2の順序は入れ替えてもよいし、同時に行われてもよい。
【0111】
図21は、
図20における解析ステップS6aの詳細な動作を示すフローチャートである。
【0112】
図21の(a)は、歪センサ1aが受けた外力の位置を特定する動作を示すフローチャートである。
図21の(b)は、歪センサ1aが受けた外力の大きさを特定する動作を示すフローチャートである。
図21の(c)は、歪センサ1aが受けた湾曲の程度を特定する動作を示すフローチャートである。
【0113】
図21の(a)に示されるように、解析装置28は、検知ステップS5aにおいてマイク27が検知した音の大きさを解析し、解析した音の大きさを、予め準備した変換テーブルを用いて、対応する力に変換することで、歪センサ1aが受けた外力の大きさを特定する(解析ステップS6a)。
【0114】
図21の(b)に示されるように、解析装置28は、検知ステップS5aにおいてマイク27が検知した音の周波数スペクトルを解析し、解析した音のピーク周波数または周波数スペクトルを、予め準備した変換テーブルを用いて、対応する位置に変換することで、歪センサ1aが受けた外力の位置を特定する(解析ステップS6a)。
【0115】
図21の(c)に示されるように、解析装置28は、検知ステップS5aにおいてマイク27が検知した音の周波数を解析し、解析した音の周波数スペクトルを、予め準備した変換テーブルを用いて、対応する湾曲の程度に変換することで、歪センサ1aが受けた湾曲の程度を特定する(解析ステップS6a)。
【0116】
解析装置28は、
図21の(a)、
図21の(b)及び
図21の(c)で示した解析ステップS6aのうち少なくとも1つを実行する。なお、解析装置28は、複数の解析ステップS6aを同時に実行してもよい。複数の解析ステップS6aの組み合わせに制限はない。
【0117】
図22は、
図19に係る歪検知システム2aにおける荷重負荷装置26の構成及び動作についての模式図である。
【0118】
図22の(a)は、Y軸方向から見た歪検知システム2aの模式図である。
図22の(b)は、
図15の(a)歪センサ1aに点線の枠を付して、その領域を拡大した拡大図である。
図22の(b)は、歪センサ1aに外力が加えられる箇所を説明するために歪センサ1aの上面を透視して、歪センサ1aの内部を図示した図である。
【0119】
図22の(a)に示されるように、荷重負荷装置26は、ロードセル261、Z軸方向リニアアクチュエータ262及びX軸方向リニアアクチュエータ263を備える。
【0120】
ロードセル261は、実施の形態1のロードセル221と同様の変換器である。
【0121】
Z軸方向リニアアクチュエータ262は、実施の形態1のZ軸方向リニアアクチュエータ222と同様の駆動装置である。
【0122】
歪センサ1aと接触する部材の形状について説明する。
図22の(a)に示されるように、Y軸方向から見ると、部材の形状は、歪センサ1aと接する部分が尖った形状である。一方、
図22の(b)に示されるように、Z軸方向から見ると、歪センサ1aは、部材から、例えば、点線(I)及び点線(II)のように外力を受ける。つまり、部材の形状は、歪センサ1aと接する部分が矩形である。
【0123】
X軸方向リニアアクチュエータ263は、X軸方向リニアアクチュエータ263に固定された歪センサ1aをX軸方向に対して動かす駆動装置である。例えば、X軸方向リニアアクチュエータ263がX軸方向に歪センサ1aを動かすことにより、
図22の(b)に示されるように、荷重負荷装置26は、両矢印が示す範囲(ノズル外壁14aが切れ込み14bを有する箇所)で歪センサ1aに外力を加える。
【0124】
次に、マイク27が検知した音の大きさを解析し、歪センサ1aが受けた外力の大きさを特定する実験方法について説明する。
【0125】
図22の(b)に示されるように、歪センサ1aは、荷重負荷装置26から点線(I)及び点線(II)の位置に外力を受ける。点線(I)の位置は、ノズル外壁14aが有する切れ込み14bの根元である。点線(II)の位置は、ノズル外壁14aが有する切れ込み14bの中央である。歪センサ1aには荷重負荷装置26から一定の外力が加えられ、歪センサ1aに加えられた外力は、0.5N、0.7N及び1.0Nである。この実験の間、歪センサ1aに一定の流量が送り込まれる。
【0126】
次にマイク27が検知した音の大きさを解析し、歪センサ1aが受けた外力の大きさを特定する実験結果について説明する。
【0127】
図23は、
図14の歪センサ1aに対して外力をかける位置と外力の大きさを変化させた場合におけるノズル14から発生する音の音圧との関係を示すグラフである。
【0128】
図23の(a)、
図23の(b)及び
図23の(c)は、歪センサ1aが点線(I)に外力を受けたときの音圧を示すグラフである。
図23の(d)、
図23の(e)及び
図23の(f)は、歪センサ1aが点線(II)に外力を受けたときの音圧を示すグラフである。また、
図23の(a)及び
図23の(d)は、荷重負荷装置26が歪センサ1aに0.5Nの外力を加えたときの音圧を示すグラフである。
図23の(b)及び
図23の(e)は、荷重負荷装置26が歪センサ1aに0.7Nの外力を加えたときの音圧を示すグラフである。
図23の(c)及び
図23の(f)は、荷重負荷装置26が歪センサ1aに1.0Nの外力を加えたときの音圧を示すグラフである。
図23の(a)~(f)に示された点線の間に荷重負荷装置26から歪センサ1aに所定の外力が加えられている。
【0129】
図23の(a)~
図23の(f)の縦軸は音圧であり、音圧は、計測された数値の絶対値が大きいほど、音の大きさが大きいことを示している。点線(I)に外力が加えられた場合の結果で音圧の大きさについて比較する。
図23の(a)~
図23の(c)を比較すると、加えられた外力が大きいほど、音圧は大きいということを示している。同様に、点線(II)に外力が加えられた場合の結果で音圧の大きさについて比較する。
図23の(d)~
図23の(f)を比較すると、加えられた外力が大きいほど、音圧は大きいということを示している。
【0130】
一方で、歪センサ1aに加えられた外力が0.5Nの場合の結果で音圧の大きさを比較する。
図23の(a)と
図23の(d)を比較すると、外力が加えられた位置の違いによる、音圧の大きさの違いはないことを示している。同様に、歪センサ1aに加えられた外力が0.7N及び1.0Nの場合の結果で音圧の大きさを比較する。
図23の(b)と
図23の(e)、及び
図23の(c)と
図23の(f)を比較しても、外力が加えられた位置の違いによる、音圧の大きさの違いはないことを示している。
【0131】
図23で示される実験結果から、歪センサ1aに加えられる外力が大きいほど、マイク27が検知する音圧は大きくなり、さらに、歪センサ1aに加えられる外力の位置の違いにより、マイク27が検知する音圧の大きさは変化しないことがわかる。
【0132】
以上のことから、事前のキャリブレーションによって、歪センサ1aに加えられる既知の外力の大きさとマイク27が検知する音圧との関係を示す変換テーブルを予め作成しておくことができる。
【0133】
よって、解析装置28は、マイク27が計測する音圧の大きさを解析し、予め作成した変換テーブルを参照することにより、歪センサ1aが受けた未知の外力の大きさを特定することができる。
【0134】
次に、マイク27が検知した音の周波数スペクトルを解析装置28が解析し、歪センサ1aのうち外力を受けた位置を特定する実験方法について説明する。
【0135】
図23に係る実験と同様に、歪センサ1aは、荷重負荷装置26から点線(I)及び点線(II)の位置に外力を受けた。歪センサ1aに荷重負荷装置26から一定の外力が加えられ、歪センサ1aに加えられた外力は、0.5N及び1.0Nである。この実験の間、歪センサ1aに一定の流量が送り込まれる。
【0136】
図24は、
図14の歪センサに対して外力をかける位置と外力の大きさを変化させた場合におけるノズル14が発生する音の周波数との関係を示すグラフである。
【0137】
図24の(a)及び
図24の(b)は、0.5Nの外力が加えられたときの音の周波数スペクトルを示すグラフである。
図24の(c)及び
図24の(d)は、1.0Nの外力が加えられたときの音の周波数スペクトルを示すグラフである。
図24の(a)及び
図24の(c)は、点線(I)の位置に外力が加えられたときの音の周波数スペクトルを示すグラフである。
図24の(b)及び
図24の(d)は、点線(II)の位置に外力が加えられたときの音の周波数スペクトルを示すグラフである。
【0138】
歪センサ1aに外力を加えられたことにより、複数の周波数の音が強く表れる。これはピーク周波数と呼ぶ。
図24の(a)~
図24の(d)で示されるグラフには、複数本の線で表されている。
【0139】
歪センサ1aに加えられた外力が0.5Nの場合の結果で音のピーク周波数を比較する。
図24の(a)と
図24の(b)を比較すると、
図24の(a)のときの音のピーク周波数の方が
図24の(b)のときの音のピーク周波数よりも高い。つまり、点線(I)の位置に外力が加えられたときの音のピーク周波数の方が点線(II)の位置に外力が加えられたときの音のピーク周波数よりも高い結果を示した。
【0140】
同様に、歪センサ1aに加えられた外力が1.0Nの場合の結果で音のピーク周波数を比較する。
図24の(c)と
図24の(d)を比較すると、
図24の(c)のときの音のピーク周波数の方が
図24の(d)のときの音のピーク周波数よりも高い。つまり、点線(I)の位置に外力が加えられたときの音のピーク周波数の方が点線(II)の位置に外力が加えられたときの音のピーク周波数よりも高い結果を示した。
【0141】
図24で示される実験結果から、歪センサ1aに同じ大きさの外力が加えられたときには、歪センサ1aに加えられる外力の位置がノズル外壁14aの切れ込み14bの先端に近づくほど、マイク27が検知する音のピーク周波数は下がることがわかる。
【0142】
以上のことから、事前のキャリブレーションによって、歪センサ1aに加えられる既知の外力の位置とマイク27が検知する音のピーク周波数との関係を示す変換テーブルを予め作成しておくことができる。
【0143】
よって、解析装置28は、マイク27が検知する音のピーク周波数を解析し、予め作成した変換テーブルを参照することにより、歪センサ1aのうち外力の位置を特定することができる。
【0144】
図25は、
図14の歪センサ1aを湾曲させる実験の様子を示す図である。
【0145】
図25に示されるように、荷重負荷装置26を使用せず、歪センサ1aを人の手で折り曲げて、歪センサ1aが受ける湾曲の程度を調整して実験を行った。また、歪センサ1aに送り込まれる流体の流量を一定に制御した。
【0146】
図26は、
図19の歪検知システム2aにおいて歪センサ1aに送り込まれる流体の流量を10L/minと一定にした場合に、
図14の歪センサ1aが受ける湾曲の程度を変化させたときのノズル14が発生する音の周波数(縦軸)におけるスペクトル(濃淡)の時間変化(横軸)との関係を示すグラフである。このグラフの濃淡では、白いほど音の強度が大きいことを示す。
【0147】
図26における複数の白い線で示されるように、複数の周波数でピーク強度となる音が確認された。歪センサ1aが受ける湾曲の程度が大きいほど(つまり、約5~7secにおいて時間が経過するに従って)、マイク27が検知する音の周波数が高くなっていく(つまり、白い線が右肩上がりになる)結果を示した。
【0148】
以上のことから、事前のキャリブレーションによって、歪センサ1aが受ける既知の湾曲の程度とマイク27が検知するピーク音の周波数との関係を示す変換テーブルを予め作成しておくことができる。
【0149】
よって、解析装置28は、マイク27が検知する音の周波数を解析し、予め作成した変換テーブルを参照することにより、歪センサ1aが受けた湾曲の程度を特定することができる。
【0150】
以上のように、実施の形態2に係る歪センサ1aは、弾性部材からなる板状の起歪体を備え、起歪体は、起歪体の第1側面に設けられた開口である入口11と起歪体の第2側面に設けられた開口である出口12とを繋いで起歪体の内部を貫通する流路13を有し、流路13は、流路13の途中において、流路断面積が局所的に小さい箇所であるノズル14を有し、ノズル14は、起歪体が外力を受けることによってノズル14に生じた歪に応じてノズル14は発生する音の特性を変化させる。
【0151】
これにより、電子部品や配線を使用することなく、1自由度の流体を利用した新しいタイプの歪センサは、外力の大きさ、外力の位置及び湾曲の程度を検知することができる。
【0152】
実施の形態2に係る歪の検知方法は、上記に記載の歪センサ1aを用いた歪の検知方法であって、歪センサ1aを、外力を受ける場所に設置する設置ステップS1と、歪センサ1の入口11に流体を送り込む流入ステップS2と、歪センサ1のノズル14が発生する音を検知する検知ステップS5aと、を含む。
【0153】
これにより、電子部品や配線を使用することなく、1自由度の流体を利用した新しいタイプの歪センサを用いて構成された新しいタイプ歪の検知方法は、外力の大きさ、外力の位置及び湾曲の程度を特定することができる。
【0154】
実施の形態2に係る歪の検知方法は、検知ステップS5aで検知された音の大きさを解析することで、外力の大きさを特定する解析ステップS6aを含む。
【0155】
これにより、新しいタイプの歪の検知方法は、歪センサが発生する音の大きさを解析し、予め作成した変換テーブルを参照することにより、歪センサが受けた未知の外力の大きさを特定することができる。
【0156】
実施の形態2に係る歪の検知方法は、検知ステップS5aで検知された音の周波数を解析することで、歪センサ1aのうち外力を受けた位置を特定する解析ステップS6aを含む。
【0157】
これにより、新しいタイプの歪の検知方法は、歪センサが発生する音の周波数特性を解析し、予め作成した変換テーブルを参照することにより、歪センサのうち外力の受けた位置を特定できる。
【0158】
実施の形態2に係る歪の検知方法は、検知ステップS5aで検知された音の周波数を解析することで、歪センサ1aが受けた湾曲の程度を特定する解析ステップS6aを含む。
【0159】
これにより新しいタイプの歪の検知方法は、歪センサが発生する音の周波数特性を解析し、予め作成した変換テーブルを参照することにより、歪センサが受けた湾曲の程度を特定することができる。
【0160】
なお、実施の形態2に係る歪センサ1aは、吸引放出口16を備えていなくてもよい。また、実施の形態2に係る歪センサ1aは、弁15、枝流路17aと17b、膨張室18aと18b及び壁19aと19bを備えていてもよい。
【0161】
また、本開示の歪センサは、物体の把持を行うロボットハンドに貼り付けて用いることが可能である。これにより、ロボットハンドが物体を把持する際に、外力を検知する歪センサとして利用される。また、歪センサに吸引放出口が設けられることにより、歪センサは吸引放出口によって物体を吸着したり、吸着した物体を放出したりすることができる。これにより、歪センサは、ロボットハンドが行う物体の把持を補助する補助材料としても利用される。
【0162】
その他、上記の実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0163】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素及びステップの中には、課題解決のために必須な構成要素及びステップだけでなく、上記実装を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素及びステップも含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素及びステップが添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素及びステップが必須であるとの認定をするべきではない。
【0164】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本開示に係る歪センサ及び歪の検知方法は、流体の流れを利用した新しいタイプの歪センサとして、例えば、物体の把持を行うロボットハンドに利用できる。
【符号の説明】
【0166】
1、1a 歪センサ
2、2a 歪検知システム
11 入口
12 出口
13 流路
14 ノズル
14a ノズル外壁
14b、14b1、14b2 切れ込み
15 弁
15a、15b 仕切り板
16 吸引放出口
17a、17b 枝流路
18a、18b 膨張室
19a、19b 壁
21、25 流体流入装置
22、26 荷重負荷装置
23 圧力センサ
24、28 解析装置
27 マイク
221、261 ロードセル
222、262 Z軸方向リニアアクチュエータ
263 X軸方向リニアアクチュエータ