(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031046
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】検出装置及び検出方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20250228BHJP
B41J 2/17 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
B41J2/01 207
B41J2/01 401
B41J2/17 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023136997
(22)【出願日】2023-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】荒井 和裕
(72)【発明者】
【氏名】堀 晃輔
(72)【発明者】
【氏名】堀井 清太郎
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA23
2C056EA24
2C056EB40
2C056EC06
2C056EC37
2C056JB18
(57)【要約】
【課題】比較的低いフレームレートの撮像部を用いた場合であっても、ノズルからの液滴の吐出不良の有無を精度良く検出することができる検出装置を提供する。
【解決手段】検出装置2の調整部58は、調整モードでは、複数のフレームデータのうち1以上のフレームデータに対応する被写体画像46の第2の被写体領域44に液滴が映っており、且つ、複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の被写体画像46の各々の第1の被写体領域42に液滴が映っていない場合に、第1の被写体領域42に液滴が映るように撮像部36の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整する。調整部58は、検出モードでは、ノズル6から液滴を所定の吐出タイミングで吐出させ、且つ、撮像部36に被写体画像46を特定の撮像タイミングで撮像させ、特定の撮像タイミングで撮像した被写体画像46に基づいて、ノズル6からの液滴の吐出不良の有無を検出する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出するための検出装置であって、
前記ノズルに対向して配置され、前記ノズルから吐出された液滴を受容する受容部材と、
前記ノズルから前記受容部材に向けて液滴が吐出された際に、前記ノズルと前記受容部材との間を飛翔中の液滴を映すための第1の被写体領域、及び、前記受容部材に着弾した液滴を映すための第2の被写体領域を1つの被写体画像として撮像する撮像部と、
前記ノズル及び前記撮像部を制御する制御部であって、前記撮像部の撮像タイミングを調整する第1のモード、及び、前記ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出する第2のモードを実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1のモードでは、(i)前記ノズルから液滴を所定の吐出タイミングで吐出させ、且つ、前記撮像部に前記被写体画像を所定のフレームレートで撮像させ、(ii)撮像した複数のフレームデータのうち1以上のフレームデータに対応する前記被写体画像の前記第2の被写体領域に液滴が映っており、且つ、前記複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の前記被写体画像の各々の前記第1の被写体領域に液滴が映っていない場合に、前記複数のフレームデータのうち特定のフレームデータに対応する前記被写体画像の前記第1の被写体領域に液滴が映るように前記撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整し、
前記第2のモードでは、(iii)前記ノズルから液滴を前記所定の吐出タイミングで吐出させ、且つ、前記撮像部に前記被写体画像を前記特定の撮像タイミングで撮像させ、(iv)前記特定の撮像タイミングで撮像した前記被写体画像に基づいて、前記ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出する
検出装置。
【請求項2】
前記ノズルは、液滴を吐出するための複数の吐出孔を有し、
前記制御部は、前記第1のモードでは、前記ノズルの前記複数の吐出孔のうち第1の数の吐出孔から液滴を前記所定の吐出タイミングで吐出させ、前記第2のモードでは、前記ノズルの前記複数の吐出孔のうち前記第1の数よりも多い第2の数の吐出孔から液滴を前記所定の吐出タイミングで吐出させる
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記第1の数は、1つである
請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記ノズルの前記1つの吐出孔から液滴を前記所定の吐出タイミングで吐出させた際に、前記複数のフレームデータにそれぞれ対応する前記複数の被写体画像の各々の前記第1の被写体領域及び前記第2の被写体領域のいずれにも液滴が映っていない場合には、当該1つの吐出孔を吐出不良と判定し、液滴を吐出する吐出孔を当該1つの吐出孔から他の1つの吐出孔に変更して、前記第1のモードを再度実行する
請求項3に記載の検出装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記複数のフレームデータのうち1以上のフレームデータに対応する前記被写体画像の前記第2の被写体領域に液滴が映っており、且つ、前記複数のフレームデータにそれぞれ対応する前記複数の被写体画像の各々の前記第1の被写体領域に液滴が映っていない場合に、前記撮像部による撮像の制御の開始から撮像が実行されるまでの撮像遅延時間を、所定時間だけ長くする又は短くすることにより、前記撮像部の撮像タイミングを前記特定の撮像タイミングに調整する
請求項1~4のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記所定時間は、前記フレームレートの逆数の2n分の1倍(nは1以上の整数)である
請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記受容部材は、前記ノズルから吐出された液滴を受容する受容面を有する無端ベルトであり、
前記検出装置は、さらに、
前記受容部材を所定の方向に回転させるための駆動源と、
前記受容部材の前記受容面に接触するように配置され、前記受容部材が前記所定の方向に回転している間、前記受容部材の前記受容面に着弾した液滴を払拭する清掃部材と、を備える
請求項1に記載の検出装置。
【請求項8】
前記検出装置は、さらに、前記受容部材に着弾した液滴を映すためのミラーを備え、
前記第2の被写体領域は、前記ミラーを含む領域である
請求項1に記載の検出装置。
【請求項9】
ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出するための検出方法であって、
(a)前記ノズルから前記ノズルに対向して配置された受容部材に向けて液滴が吐出された際に、撮像部を用いて、前記ノズルと前記受容部材との間を飛翔中の液滴を映すための第1の被写体領域、及び、前記受容部材に着弾した液滴を映すための第2の被写体領域を1つの被写体画像として撮像するステップと、
(b)前記撮像部の撮像タイミングを調整する第1のモードを実行するステップと、
(c)前記ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出する第2のモードを実行するステップと、を含み、
前記第1のモードでは、(i)前記ノズルから液滴を所定の吐出タイミングで吐出し、且つ、前記撮像部に前記被写体画像を所定のフレームレートで撮像し、(ii)撮像した複数のフレームデータのうち1以上のフレームデータに対応する前記被写体画像の前記第2の被写体領域に液滴が映っており、且つ、前記複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の前記被写体画像の各々の前記第1の被写体領域に液滴が映っていない場合に、前記複数のフレームデータのうち特定のフレームデータに対応する前記被写体画像の前記第1の被写体領域に液滴が映るように前記撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整し、
前記第2のモードでは、(iii)前記ノズルから液滴を前記所定の吐出タイミングで吐出し、且つ、前記撮像部に前記被写体画像を前記特定の撮像タイミングで撮像し、(iv)前記特定の撮像タイミングで撮像した前記被写体画像に基づいて、前記ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出する
検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出するための検出装置及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式によりノズルから液滴を吐出する液滴吐出装置が知られている。この種の液滴吐出装置の適用範囲は、記録媒体に向けてインクを吐出して印刷を施す印刷装置だけでなく、例えば薬液を吐出する医療機器や、美容液を吐出する美容機器等にも広がっている。液滴吐出装置をこのような医療機器や美容機器等に適用する場合には、薬液や美容液等の効能を正しく得るために、ノズルからの液滴の吐出状態(例えば、1回あたりの吐出量等)を正常に維持することが重要である。
【0003】
そのため、ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出するための検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来の検出装置では、ノズルから吐出された飛翔中の液滴をカメラ(撮像部)で撮像し、撮像した飛翔中の液滴の形状に基づいて、ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の検出装置では、飛翔中の液滴の形状を精度良く検出するためには、比較的高いフレームレート(例えば、1000fps以上)で撮像可能な高速度カメラが必要になるため、検出装置が大掛かりになるという課題が生じる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、比較的低いフレームレートの撮像部を用いた場合であっても、ノズルからの液滴の吐出不良の有無を精度良く検出することができる検出装置及び検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る検出装置は、ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出するための検出装置であって、前記ノズルに対向して配置され、前記ノズルから吐出された液滴を受容する受容部材と、前記ノズルから前記受容部材に向けて液滴が吐出された際に、前記ノズルと前記受容部材との間を飛翔中の液滴を映すための第1の被写体領域、及び、前記受容部材に着弾した液滴を映すための第2の被写体領域を1つの被写体画像として撮像する撮像部と、前記ノズル及び前記撮像部を制御する制御部であって、前記撮像部の撮像タイミングを調整する第1のモード、及び、前記ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出する第2のモードを実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1のモードでは、(i)前記ノズルから液滴を所定の吐出タイミングで吐出させ、且つ、前記撮像部に前記被写体画像を所定のフレームレートで撮像させ、(ii)撮像した複数のフレームデータのうち1以上のフレームデータに対応する前記被写体画像の前記第2の被写体領域に液滴が映っており、且つ、前記複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の前記被写体画像の各々の前記第1の被写体領域に液滴が映っていない場合に、前記複数のフレームデータのうち特定のフレームデータに対応する前記被写体画像の前記第1の被写体領域に液滴が映るように前記撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整し、前記第2のモードでは、(iii)前記ノズルから液滴を前記所定の吐出タイミングで吐出させ、且つ、前記撮像部に前記被写体画像を前記特定の撮像タイミングで撮像させ、(iv)前記特定の撮像タイミングで撮像した前記被写体画像に基づいて、前記ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出する。
【0008】
本態様によれば、制御部は、第1のモードでは、複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の被写体画像の各々の第1の被写体領域に液滴が映っていない場合に、特定のフレームデータに対応する被写体画像の第1の被写体領域に液滴が映るように撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整する。これにより、比較的低いフレームレートの撮像部を用いた場合であっても、第1のモードにおいて撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに容易に調整することができ、第2のモードにおいてノズルからの液滴の吐出不良の有無を精度良く検出することができる。
【0009】
例えば、本発明の第2の態様に係る検出装置では、第1の態様において、前記ノズルは、液滴を吐出するための複数の吐出孔を有し、前記制御部は、前記第1のモードでは、前記ノズルの前記複数の吐出孔のうち第1の数の吐出孔から液滴を前記所定の吐出タイミングで吐出させ、前記第2のモードでは、前記ノズルの前記複数の吐出孔のうち前記第1の数よりも多い第2の数の吐出孔から液滴を前記所定の吐出タイミングで吐出させるように構成してもよい。
【0010】
本態様によれば、第1のモードにおいて撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整するために消費する液滴の量を抑えることができる。
【0011】
例えば、本発明の第3の態様に係る検出装置では、第2の態様において、前記第1の数は、1つであるように構成してもよい。
【0012】
本態様によれば、第1のモードにおいて撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整するために消費する液滴の量をより効果的に抑えることができる。
【0013】
例えば、本発明の第4の態様に係る検出装置では、第3の態様において、前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記ノズルの前記1つの吐出孔から液滴を前記所定の吐出タイミングで吐出させた際に、前記複数のフレームデータにそれぞれ対応する前記複数の被写体画像の各々の前記第1の被写体領域及び前記第2の被写体領域のいずれにも液滴が映っていない場合には、当該1つの吐出孔を吐出不良と判定し、液滴を吐出する吐出孔を当該1つの吐出孔から他の1つの吐出孔に変更して、前記第1のモードを再度実行するように構成してもよい。
【0014】
本態様によれば、第1のモードにおいて、1つの吐出孔を吐出不良と判定した場合に、液滴を吐出する吐出孔を当該1つの吐出孔から他の1つの吐出孔に変更することにより、第1のモードを継続して実行することができる。
【0015】
例えば、本発明の第5の態様に係る検出装置では、第1の態様~第4の態様のいずれか一態様において、前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記複数のフレームデータのうち1以上のフレームデータに対応する前記被写体画像の前記第2の被写体領域に液滴が映っており、且つ、前記複数のフレームデータにそれぞれ対応する前記複数の被写体画像の各々の前記第1の被写体領域に液滴が映っていない場合に、前記撮像部による撮像の制御の開始から撮像が実行されるまでの撮像遅延時間を、所定時間だけ長くする又は短くすることにより、前記撮像部の撮像タイミングを前記特定の撮像タイミングに調整するように構成してもよい。
【0016】
本態様によれば、撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに容易に調整することができる。
【0017】
例えば、本発明の第6の態様に係る検出装置では、第5の態様において、前記所定時間は、前記フレームレートの逆数の2n分の1倍(nは1以上の整数)であるように構成してもよい。
【0018】
本態様によれば、撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングにより一層容易に且つ効果的に調整することができる。
【0019】
例えば、本発明の第7の態様に係る検出装置では、第1の態様~第6の態様のいずれか一態様において、前記受容部材は、前記ノズルから吐出された液滴を受容する受容面を有する無端ベルトであり、前記検出装置は、さらに、前記受容部材を所定の方向に回転させるための駆動源と、前記受容部材の前記受容面に接触するように配置され、前記受容部材が前記所定の方向に回転している間、前記受容部材の前記受容面に着弾した液滴を払拭する清掃部材と、を備えるように構成してもよい。
【0020】
本態様によれば、清掃部材を用いて受容部材の受容面に着弾した液滴を払拭することにより、第1のモードを実行する毎に、第2の被写体領域に映った着弾後の液滴を画像処理により精度良く解析することができる。
【0021】
例えば、本発明の第8の態様に係る検出装置では、第1の態様~第7の態様のいずれか一態様において、前記検出装置は、さらに、前記受容部材に着弾した液滴を映すためのミラーを備え、前記第2の被写体領域は、前記ミラーを含む領域であるように構成してもよい。
【0022】
本態様によれば、受容部材の配置の自由度を高めることができる。
【0023】
また、本発明の第9の態様に係る検出方法は、ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出するための検出方法であって、(a)前記ノズルから前記ノズルに対向して配置された受容部材に向けて液滴が吐出された際に、撮像部を用いて、前記ノズルと前記受容部材との間を飛翔中の液滴を映すための第1の被写体領域、及び、前記受容部材に着弾した液滴を映すための第2の被写体領域を1つの被写体画像として撮像するステップと、(b)前記撮像部の撮像タイミングを調整する第1のモードを実行するステップと、(c)前記ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出する第2のモードを実行するステップと、を含み、前記第1のモードでは、(i)前記ノズルから液滴を所定の吐出タイミングで吐出し、且つ、前記撮像部に前記被写体画像を所定のフレームレートで撮像し、(ii)撮像した複数のフレームデータのうち1以上のフレームデータに対応する前記被写体画像の前記第2の被写体領域に液滴が映っており、且つ、前記複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の前記被写体画像の各々の前記第1の被写体領域に液滴が映っていない場合に、前記複数のフレームデータのうち特定のフレームデータに対応する前記被写体画像の前記第1の被写体領域に液滴が映るように前記撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整し、前記第2のモードでは、(iii)前記ノズルから液滴を前記所定の吐出タイミングで吐出し、且つ、前記撮像部に前記被写体画像を前記特定の撮像タイミングで撮像し、(iv)前記特定の撮像タイミングで撮像した前記被写体画像に基づいて、前記ノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出する。
【0024】
本態様によれば、第1のモードでは、複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の被写体画像の各々の第1の被写体領域に液滴が映っていない場合に、特定のフレームデータに対応する被写体画像の第1の被写体領域に液滴が映るように撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整する。これにより、比較的低いフレームレートの撮像部を用いた場合であっても、第1のモードにおいて撮像部の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに容易に調整することができ、第2のモードにおいてノズルからの液滴の吐出不良の有無を精度良く検出することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様に係る検出装置等によれば、比較的低いフレームレートの撮像部を用いた場合であっても、ノズルからの液滴の吐出不良の有無を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施の形態1に係る検出装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】カートリッジを取り外した状態での、実施の形態1に係る検出装置の外観を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る検出装置の内部構造を示す斜視図である。
【
図5】
図4とは別の角度から見た状態での、実施の形態1に係る検出装置の内部構造を示す斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る検出装置の撮像部により撮像された被写体画像の一例を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る検出装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】実施の形態1に係る検出装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1に係る検出装置における調整モード(撮像タイミングの調整初回)の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図10】
図8のフローチャートのステップS16の内容を具体的に示すフローチャートである。
【
図11】実施の形態1に係る検出装置における調整モード(撮像タイミングの調整2回目)の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図12】実施の形態1に係る検出装置における調整モード(撮像タイミングの調整3回目)の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図13】実施の形態1に係る検出装置における調整モード(撮像タイミングの調整4回目)の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図14】実施の形態1に係る検出装置における検出モードの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図15】実施の形態1に係る検出装置における検出モードの動作を説明するための図である。
【
図16】実施の形態2に係る検出装置の内部構造を示す斜視図である。
【
図17】実施の形態3に係る検出装置の外観を示す斜視図である。
【
図18】カートリッジを取り外した状態での、実施の形態3に係る検出装置の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0028】
(実施の形態1)
[1-1.検出装置の構造]
まず、
図1~
図6を参照しながら、実施の形態1に係る検出装置2の構造について説明する。
図1は、実施の形態1に係る検出装置2の外観を示す斜視図である。
図2は、カートリッジ4を取り外した状態での、実施の形態1に係る検出装置2の外観を示す斜視図である。
図3は、カートリッジ4のノズル6を示す図である。
図4は、実施の形態1に係る検出装置2の内部構造を示す斜視図である。
図5は、
図4とは別の角度から見た状態での、実施の形態1に係る検出装置2の内部構造を示す斜視図である。
図6は、実施の形態1に係る検出装置2の撮像部36により撮像された被写体画像46の一例を示す図である。
【0029】
なお、
図1~
図5において、検出装置2の前後方向をX軸、検出装置2の左右方向をY軸、検出装置2の上下方向をZ軸とする。また、Z軸のプラス側を「上」、Z軸のマイナス側を「下」とする。
【0030】
図1及び
図2に示すように、検出装置2は、カートリッジ4のノズル6(
図3参照)からの液滴の吐出不良の有無を検出するための装置である。
【0031】
カートリッジ4は、例えば、インクジェット方式でミスト状の液体(液滴)を吐出するための液滴吐出装置(図示せず)に着脱可能に取り付けられる。なお、液体は、例えば薬液又は美容液等の溶液である。また、液滴吐出装置は、例えば、薬液を吐出するための医療機器、又は、美容液を吐出するための美容機器等のハンディタイプの小型機器である。このような小型機器は、例えばユーザにより片手で把持された状態で使用される。
【0032】
カートリッジ4の側面には、カートリッジ4の外部からの吐出制御信号を受信するための端子である受信部8が配置されている。また、カートリッジ4の内部には、溶液を充填するための収容部10が形成されている。なお、カートリッジ4が小型機器に搭載される関係上、カートリッジ4の大きさは小型化されており、その分、収容部10の容積も一般的な印刷装置用のインクカートリッジの収容部の容積よりも少なくなっている。
【0033】
また、
図3に示すように、カートリッジ4の下面には、受信部8で受信された吐出制御信号に基づいて、収容部10から供給された溶液を下方に液滴として吐出するためのノズル6が配置されている。ノズル6には、微小な複数(例えば、7つ)の吐出孔12が形成されている。複数の吐出孔12は、前後方向(X軸方向)に沿って、1列に且つ間隔を置いて配置されている。
【0034】
検出装置2は、筐体14を備えている。筐体14の上面には、カートリッジ4を着脱可能に差し込むためのスロット16が形成されている。カートリッジ4のノズル6からの液滴の吐出不良の有無を検出する際には、ユーザは、ノズル6を下向きにした状態で、カートリッジ4を筐体14のスロット16に上方から差し込む。
【0035】
図4及び
図5に示すように、検出装置2は、さらに、筐体14の内部に配置された検出機構18を備えている。検出機構18は、制御基板20と、送信部22と、駆動プーリ24と、従動プーリ26と、受容部材28と、駆動源30と、清掃部材32と、光源34と、撮像部36とを有している。
図4及び
図5では、カートリッジ4が筐体14のスロット16に差し込まれた状態を図示しているが、説明の都合上、筐体14の図示は省略している。
【0036】
制御基板20は、ノズル6及び撮像部36を制御するためのプリント配線基板であり、例えば吐出制御信号及び撮像制御信号を生成する。また、制御基板20は、撮像部36の撮像タイミングを調整する調整モード(第1のモードの一例)、及び、ノズル6からの液滴の吐出不良の有無を検出する検出モード(第2のモードの一例)を実行する。調整モード及び検出モードの具体的な内容については、後述する。
【0037】
送信部22は、制御基板20により生成された吐出制御信号を送信するための端子であり、制御基板20に実装されている。
図4に示すように、カートリッジ4が筐体14のスロット16に差し込まれた状態で、送信部22は、カートリッジ4の受信部8と電気的に接続される。この状態で、送信部22は、制御基板20により生成された吐出制御信号をカートリッジ4の受信部8に送信する。
【0038】
駆動プーリ24及び従動プーリ26の各々は、筐体14の内部に回転可能に支持されており、前後方向に沿って延在している。また、駆動プーリ24及び従動プーリ26は、上下方向(Z軸方向)に対して傾斜した方向に、間隔を置いて配置されている。
【0039】
受容部材28は、例えば無端ベルトであり、駆動プーリ24及び従動プーリ26の間に回転可能に巻き掛けられている。受容部材28は、カートリッジ4のノズル6に対向して配置されている。受容部材28の外周面には、受容面38が規定されている。受容部材28の受容面38は、水平面(XY平面)に対して傾斜して配置されており、ノズル6から吐出された液滴を受容する。すなわち、ノズル6から吐出された液滴は、ノズル6と受容部材28の受容面38との間を飛翔(落下)した後に、受容部材28の受容面38に着弾(付着)する。
【0040】
駆動源30は、例えばサーボモータであり、駆動プーリ24の一端部に連結されている。駆動源30の駆動力が駆動プーリ24に伝達することにより、駆動プーリ24が回転し、これに伴って受容部材28が所定の方向に回転する。なお、駆動源30の駆動は、制御基板20により制御される。
【0041】
清掃部材32は、例えばゴム等で形成されたワイパーブレードである。受容部材28を挟んでノズル6と反対側に配置され、且つ、受容部材28の受容面38に接触するように配置されている。清掃部材32は、受容部材28が所定の方向に回転している間、受容部材28の受容面38に着弾した液滴を払拭する。
【0042】
光源34は、撮像部36の撮像領域を照明するための光源である。光源34は、例えば白色光を発する発光ダイオード等であり、受容部材28の受容面38の側方に配置されている。
【0043】
撮像部36は、比較的低い所定のフレームレート(例えば、30fps)で撮像するカメラである。撮像部36は、受容部材28の受容面38の側方に配置されており、フレキシブル基板40を介して制御基板20に実装されている。
図6に示すように、撮像部36は、カートリッジ4のノズル6から受容部材28の受容面38に向けて液滴が吐出された際に、ノズル6と受容面38との間を飛翔中の液滴を映すための第1の被写体領域42、及び、受容面38に着弾した液滴を映すための第2の被写体領域44を1つの被写体画像46として撮像する。なお、撮像部36の撮像領域の上下方向における大きさは、例えば約16mmである。
【0044】
撮像部36は、制御基板20からの撮像制御信号を、フレキシブル基板40を介して受信することにより、所定のフレームレートで複数の被写体画像46を撮像する。また、撮像部36は、所定のフレームレートで撮像した複数の被写体画像46にそれぞれ対応する複数のフレームデータを、フレキシブル基板40を介して制御基板20に送信する。具体的には、撮像部36は、所定のフレームレートの逆数の時間間隔(1/30≒33ms)で被写体画像46を撮像する毎に、撮像した被写体画像46を示す画像データであるフレームデータを生成し、生成した複数のフレームデータを制御基板20に順次送信する。
【0045】
[1-2.検出装置の機能構成]
次に、
図7を参照しながら、実施の形態1に係る検出装置2の機能構成について説明する。
図7は、実施の形態1に係る検出装置2の機能構成を示すブロック図である。
【0046】
図7に示すように、検出装置2は、機能構成として、撮像部36と、記憶部48と、制御部50とを備えている。
【0047】
撮像部36は、撮像制御部54(後述する)からの撮像制御信号に基づいて、所定のフレームレートで複数の被写体画像46(
図6参照)を撮像する。撮像部36は、所定のフレームレートで撮像した複数の被写体画像46にそれぞれ対応する複数のフレームデータを、記憶部48に順次記憶させる。
【0048】
記憶部48は、撮像部36からの複数のフレームデータを記憶するためのRAM(Random Access Memory)である。記憶部48は、上述した制御基板20(
図4参照)により実現される。
【0049】
制御部50は、吐出制御部52と、撮像制御部54と、解析部56と、調整部58とを含んでいる。制御部50は、上述した制御基板20により実現される。
【0050】
吐出制御部52は、カートリッジ4のノズル6からの液滴の吐出を制御する。具体的には、吐出制御部52は、調整部58の指示に基づいて吐出制御信号を生成し、生成した吐出制御信号をカートリッジ4の受信部8(
図4参照)に送信する。吐出制御信号は、ノズル6の複数の吐出孔12のうち1以上の吐出孔12から、所定の吐出タイミングで所定量(例えば、1つの吐出孔12あたり10pl)の液滴を吐出するようにノズル6を制御するための信号である。ここで、所定の吐出タイミングとは、吐出制御部52による液滴吐出の制御の開始から吐出遅延時間(以下、「吐出ディレイ」ともいう)が経過した後に、ノズル6から実際に液滴が吐出されるタイミングである。
【0051】
撮像制御部54は、撮像部36による被写体画像46の撮像を制御する。具体的には、撮像制御部54は、調整部58の指示に基づいて撮像制御信号を生成し、生成した撮像制御信号を撮像部36に送信する。撮像制御信号は、所定のフレームレートで複数の被写体画像46を撮像するように撮像部36を制御するための信号である。
【0052】
解析部56は、記憶部48から複数のフレームデータを順次取得し、取得した複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の被写体画像46の各々の第1の被写体領域42又は第2の被写体領域44に液滴が映っているか否かを画像処理により解析する。解析部56は、解析結果を調整部58に通知する。
【0053】
調整部58は、解析部56からの解析結果に基づいて、吐出制御部52に対して吐出制御信号の生成を指示し、且つ、撮像制御部54に対して撮像制御信号の生成を指示する。具体的には、調整部58は、調整モードにおいて、撮像制御部54を制御することにより、撮像部36の撮像タイミングを後述するように調整する。ここで、撮像タイミングとは、撮像制御部54による撮像の制御の開始から撮像遅延時間(以下、「撮影ディレイ」ともいう)が経過した後に、撮像部36により実際に被写体画像46の撮像が実行されるタイミングである。
【0054】
[1-3.検出装置の動作]
[1-3-1.調整モードの動作]
図8~
図13を参照しながら、実施の形態1に係る検出装置2における調整モードの動作について説明する。
図8は、実施の形態1に係る検出装置2の動作の流れを示すフローチャートである。
図9は、実施の形態1に係る検出装置2における調整モード(撮像タイミングの調整初回)の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図10は、
図8のフローチャートのステップS16の内容を具体的に示すフローチャートである。
図11は、実施の形態1に係る検出装置2における調整モード(撮像タイミングの調整2回目)の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図12は、実施の形態1に係る検出装置2における調整モード(撮像タイミングの調整3回目)の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図13は、実施の形態1に係る検出装置2における調整モード(撮像タイミングの調整4回目)の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0055】
図8に示すように、まず、制御部50では、以下に示す各パラメータの初期値が設定される(S11)。具体的には、制御部50では、各パラメータの初期値として、(a)実行するモードの初期値「調整モード」、(b)ノズル6の複数の吐出孔12のうち吐出対象の吐出孔12の初期値「1つの吐出孔12」、(c)吐出遅延時間の初期値「250ms」、(d)撮像遅延時間の初期値「100ms」、(e)撮像部36の所定のフレームレートの初期値「30fps」、(f)調整モードの実行回数の初期値「0回」が設定される。なお、上記の各初期値は一例であり、上記の各初期値以外の任意の各初期値が設定されるようにしてもよい。このように各パラメータの初期値が設定されることにより、以下のようにして、まず調整モードが実行される。
【0056】
次いで、調整部58は、吐出制御部52に対して吐出制御信号の生成を指示し、且つ、撮像制御部54に対して撮像制御信号の生成を指示する。次いで、吐出制御部52は、調整部58の指示に基づいて吐出制御信号を生成し、生成した吐出制御信号をカートリッジ4の受信部8に送信する。また、撮像制御部54は、調整部58の指示に基づいて撮像制御信号を生成し、生成した撮像制御信号を撮像部36に送信する。
【0057】
これにより、カートリッジ4のノズル6からの液滴の吐出が開始され、且つ、撮像部36による被写体画像46の撮像が開始される(S12)。これにより、
図9に示すように、調整モードにおける撮像タイミングの調整初回が実行される。なお、
図9の(a)及び(b)に示すように、ノズル6からの液滴吐出の制御が開始されるタイミングと、撮像部36による撮像の制御が開始されるタイミングとは、同じであるとする。
【0058】
図9の(a)に示すように、吐出制御部52による液滴吐出の制御の開始から吐出遅延時間250msが経過した後に、ノズル6の1つ(第1の数の一例)の吐出孔12から所定量の液滴が吐出される。ここで、ノズル6の1つの吐出孔12からの所定量の液滴の吐出が開始してから終了するまでの吐出期間(すなわち、1つの吐出孔12から吐出された所定量の液滴が飛翔している期間)は、例えば約3msである。
【0059】
また、
図9の(b)に示すように、撮像制御部54による撮像の制御の開始から撮像遅延時間100msが経過した後に、撮像部36による所定のフレームレートでの複数の被写体画像46の撮像が実行される。仮に、撮像部36の撮像タイミングが上記吐出期間(3ms)内に含まれる場合には、撮像部36により撮像された特定のフレームデータに対応する被写体画像46の第1の被写体領域42に、飛翔中の液滴が映るようになる。なお、
図9に示す撮像タイミングの調整初回では、撮像部36の撮像タイミングは上記吐出期間内に含まれていないものとする。
【0060】
また、
図9の(c)に示すように、撮像部36は、所定のフレームレートで撮像した複数の被写体画像46にそれぞれ対応する複数のフレームデータを、記憶部48に順次記憶させる。この時、記憶部48に記憶される複数のフレームデータにはそれぞれ、撮像順に例えば「フレーム1」、「フレーム2」、「フレーム3」、「フレーム4」、・・・、「フレームn」(nは2以上の整数)の各フレーム番号が付与される。すなわち、最初に撮像されたフレームデータにはフレーム番号「フレーム1」が付与され、最後に撮像されたフレームデータにはフレーム番号「フレームn」が付与される。なお、説明の都合上、以下の説明では、フレーム番号「フレーム1」~「フレーム4」の各フレームデータのみについて説明する。
【0061】
カートリッジ4のノズル6からの液滴の吐出、及び、撮像部36による被写体画像46の撮像の実行が完了していない場合には(S13でNO)、ステップS13に戻る。カートリッジ4のノズル6からの液滴の吐出、及び、撮像部36による被写体画像46の撮像の実行が完了した場合には(S13でYES)、解析部56は、記憶部48から複数のフレームデータを順次取得する(S14)。次いで、調整モードにおいて(S15で「調整モード」)、撮像部36の撮像タイミングが調整される(S16)。
【0062】
ここで、
図9~
図13を参照しながら、
図8のフローチャートのステップS16の内容について具体的に説明する。
【0063】
図9の(a)~(c)に示すように、調整モードにおける撮像タイミングの調整初回では、撮像部36の撮像タイミングが上記吐出期間内に含まれず、且つ、フレーム番号「フレーム3」及び「フレーム4」の複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の被写体画像46の各々の第2の被写体領域44に着弾後の液滴が映っており、且つ、フレーム番号「フレーム1」~「フレーム4」の複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の被写体画像46の各々の第1の被写体領域42には飛翔中の液滴が映っていないものとする。
【0064】
図10に示すように、まず、解析部56は、フレーム番号「フレーム1」のフレームデータに対応する被写体画像46の第1の被写体領域42に飛翔中の液滴が映っているか否かを検出する(S1601)。
【0065】
フレーム番号「フレーム1」のフレームデータに対応する被写体画像46の第1の被写体領域42に飛翔中の液滴が映っていない場合には(S1601でNO)、解析部56は、フレーム番号「フレーム1」のフレームデータに対応する被写体画像46の第2の被写体領域44に着弾後の液滴が映っているか否かを検出する(S1602)。
【0066】
フレーム番号「フレーム1」のフレームデータに対応する被写体画像46の第2の被写体領域44に着弾後の液滴が映っていない場合には(S1602でNO)、解析部56は、フレーム番号「フレーム1」のフレームデータが最後のフレームデータであるか否かを判定する(S1603)。フレーム番号「フレーム1」のフレームデータが最後のフレームデータでない場合には(S1603でNO)、解析部56は、次のフレーム番号「フレーム2」のフレームデータの解析を開始し(S1604)、ステップS1601に戻る。
【0067】
一方、ステップS1603において、解析したフレームデータが最後のフレームデータである場合には(S1603でYES)、いずれのフレーム番号のフレームデータに対応する被写体画像46の第1の被写体領域42及び第2の被写体領域44にも液滴が映っていないことになる。そのため、この場合には、解析部56は、ノズル6の1つの吐出孔12を吐出不良と判定し、液滴を吐出する吐出孔を当該1つの吐出孔12から他の1つの吐出孔12に変更して、調整モードを再度実行する(S1605)。
【0068】
ステップS1602に戻り、フレーム番号「フレーム3」のフレームデータに対応する被写体画像46の第2の被写体領域44に着弾後の液滴が映っている場合には(S1602でYES)、解析部56は、撮像タイミングの調整が初回であるか否かを判定する(S1606)。撮像タイミングの調整が初回である場合には(S1606でYES)、解析部56は、最初に着弾後の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号「フレーム3」を保存する(S1607)。
【0069】
次いで、調整部58は、今回の撮像タイミングの調整において最初に着弾後の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号が、初回の撮像タイミングの調整において最初に着弾後の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号「フレーム3」(すなわち、ステップS1607で保存されたステップ番号)よりも大きいか否かを判定する(S1608)。
【0070】
今回の撮像タイミングの調整において最初に着弾後の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号が「フレーム3」と等しい場合には(S1608でNO)、調整部58は、撮像部36の撮像タイミングを早める方向に調整する(S1609)。具体的には、調整部58は、撮像遅延時間100msを、フレームレートの逆数(33ms)の21分の1倍である16ms(≒33ms×1/2)(所定の時間の一例)だけ短くして84ms(=100ms-16ms)に変更することにより、撮像部36の撮像タイミングを調整する。その後、ステップS1601に戻り、調整モードにおける撮像タイミングの調整2回目が実行される。すなわち、撮像部36の撮像タイミングが上記吐出期間内に含まれるようになるまで、後述するように調整モードにおける撮像タイミングの調整が繰り返し実行される。
【0071】
なお、上述したステップS1609において、今回の撮像タイミングの調整において最初に着弾後の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号が「フレーム3」と等しい場合には、調整部58は、撮像遅延時間を所定の時間だけ長くすることにより、撮像タイミングを遅らせる方向に調整してもよい。
【0072】
調整モードにおける撮像タイミングの調整初回に続いて、
図11に示すように、調整モードにおける撮像タイミングの調整2回目が実行される。
図11の(a)に示すように、吐出制御部52による液滴吐出の制御の開始から吐出遅延時間250msが経過したタイミングで、ノズル6の1つの吐出孔12から所定量の液滴の吐出が実行される。また、
図11の(b)に示すように、撮像制御部54による撮像の制御の開始から撮像遅延時間84ms(すなわち、調整モードにおける撮像タイミングの調整初回で調整された撮像遅延時間)が経過したタイミングで、撮像部36による所定のフレームレートでの複数の被写体画像46の撮像が実行される。また、
図11の(c)に示すように、撮像部36は、所定のフレームレートで撮像した複数の被写体画像46にそれぞれ対応する複数のフレームデータを、記憶部48に順次記憶させる。
【0073】
図11の(a)~(c)に示すように、調整モードにおける撮像タイミングの調整2回目では、撮像部36の撮像タイミングが上記吐出期間内に含まれず、且つ、フレーム番号「フレーム3」及び「フレーム4」の複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の被写体画像46の各々の第2の被写体領域44に着弾後の液滴が映っており、且つ、フレーム番号「フレーム1」~「フレーム4」の複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の被写体画像46の各々の第1の被写体領域42には飛翔中の液滴が映っていないものとする。
【0074】
調整モードにおける撮像タイミングの調整2回目では、上述と同様に、まず、ステップS1601~S1605が実行される。ステップS1602において、フレーム番号「フレーム3」のフレームデータに対応する被写体画像46の第2の被写体領域44に着弾後の液滴が映っている場合には(S1602でYES)、ステップS1606に進む。撮像タイミングの調整が初回でない場合には(S1606でNO)、ステップS1608に進む。
【0075】
今回の撮像タイミングの調整において最初に着弾後の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号が「フレーム3」と等しい場合には(S1068でNO)、調整部58は、撮像タイミングを早める方向に調整する(S1609)。具体的には、調整部58は、撮像遅延時間84msを、フレームレートの逆数(33ms)の22分の1倍である8ms(≒33ms×1/4)(所定の時間の一例)だけ短くして76ms(=84ms-8ms)に変更することにより、撮像部36の撮像タイミングを調整する。その後、ステップS1601に戻り、調整モードにおける撮像タイミングの調整3回目が実行される。
【0076】
調整モードにおける撮像タイミングの調整2回目に続いて、
図12に示すように、調整モードにおける撮像タイミングの調整3回目が実行される。
図12の(a)に示すように、吐出制御部52による液滴吐出の制御の開始から吐出遅延時間250msが経過したタイミングで、ノズル6の1つの吐出孔12から所定量の液滴の吐出が実行される。また、
図12の(b)に示すように、撮像制御部54による撮像の制御の開始から撮像遅延時間76ms(すなわち、調整モードにおける撮像タイミングの調整2回目で調整された撮像遅延時間)が経過したタイミングで、撮像部36による所定のフレームレートでの複数の被写体画像46の撮像が実行される。また、
図12の(c)に示すように、撮像部36は、所定のフレームレートで撮像した複数の被写体画像46にそれぞれ対応する複数のフレームデータを、記憶部48に順次記憶させる。
【0077】
図12の(a)~(c)に示すように、調整モードにおける撮像タイミングの調整3回目では、撮像部36の撮像タイミングが上記吐出期間内に含まれず、且つ、フレーム番号「フレーム4」のフレームデータに対応する被写体画像46の第2の被写体領域44に着弾後の液滴が映っており、且つ、フレーム番号「フレーム1」~「フレーム4」の複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の被写体画像46の各々の第1の被写体領域42には飛翔中の液滴が映っていないものとする。
【0078】
調整モードにおける撮像タイミングの調整3回目では、まず、上述と同様に、ステップS1601~S1605が実行される。ステップS1602において、フレーム番号「フレーム4」のフレームデータに対応する被写体画像46の第2の被写体領域44に着弾後の液滴が映っている場合には(S1602でYES)、ステップS1606に進む。撮像タイミングの調整が初回でない場合には(S1606でNO)、ステップS1608に進む。
【0079】
今回の撮像タイミングの調整において最初に着弾後の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号「フレーム4」が「フレーム3」よりも大きい場合には(S1068でYES)、調整部58は、撮像タイミングを遅らせる方向に調整する(S1610)。具体的には、調整部58は、撮像遅延時間76msを、フレームレートの逆数(33ms)の23分の1倍である4ms(≒33ms×1/8)(所定の時間の一例)だけ長くして80ms(=76ms+4ms)に変更することにより、撮像部36の撮像タイミングを調整する。その後、ステップS1601に戻り、調整モードにおける撮像タイミングの調整4回目が実行される。
【0080】
なお、上述したステップS1610において、今回の撮像タイミングの調整において最初に着弾後の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号「フレーム4」が「フレーム3」よりも大きい場合には、調整部58は、撮像遅延時間を所定の時間だけ短くすることにより、撮像タイミングを早める方向に調整してもよい。
【0081】
調整モードにおける撮像タイミングの調整3回目に続いて、
図13に示すように、調整モードにおける撮像タイミングの調整4回目が実行される。
図13の(a)に示すように、吐出制御部52による液滴吐出の制御の開始から吐出遅延時間250msが経過したタイミングで、ノズル6の1つの吐出孔12から所定量の液滴の吐出が実行される。また、
図13の(b)に示すように、撮像制御部54による撮像の制御の開始から撮像遅延時間80ms(すなわち、調整モードにおける撮像タイミングの調整3回目で調整された撮像遅延時間)が経過したタイミングで、撮像部36による所定のフレームレートでの複数の被写体画像46の撮像が実行される。また、
図13の(c)に示すように、撮像部36は、所定のフレームレートで撮像した複数の被写体画像46をそれぞれ示す複数のフレームデータを、記憶部48に順次記憶させる。
【0082】
図13の(a)~(c)に示すように、調整モードにおける撮像タイミングの調整4回目では、撮像部36の撮像タイミングが上記吐出期間内に含まれ、且つ、フレーム番号「フレーム4」のフレームデータに対応する被写体画像46の第2の被写体領域44に着弾後の液滴が映っており、且つ、フレーム番号「フレーム3」のフレームデータに対応する被写体画像46の第1の被写体領域42に飛翔中の液滴が映っているものとする。
【0083】
調整モードにおける撮像タイミングの調整4回目では、ステップS1601において、フレーム番号「フレーム3」のフレームデータに対応する被写体画像46の第1の被写体領域42に飛翔中の液滴が映っている場合には(S1601でYES)、解析部56は、飛翔中の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号「フレーム3」を保存する(S1611)。
【0084】
すなわち、この場合、調整部58は、調整モードにおける撮像タイミングの調整3回目において、フレーム番号「フレーム3」のフレームデータに対応する被写体画像46の第1の被写体領域42に飛翔中の液滴が映るように、撮像部36の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整したことになる。ここで、特定の撮像タイミングとは、撮像部36による被写体画像46の撮像が上記吐出期間内に行われる撮像タイミングである。また、調整部58は、調整モードにおける撮像タイミングの調整3回目で調整された撮像遅延時間80msを保存する。その後、調整モードから検出モードに移行し(S1612)、
図8のフローチャートのステップS12に進む。
【0085】
なお、上述のように調整モードにおいて撮像タイミングを調整する毎に、駆動源30により受容部材28を回転させるようにしてもよい。これにより、受容部材28の受容面38に着弾した液滴を清掃部材32で払拭することができる。
【0086】
[1-3-2.検出モードの動作]
図8、
図14及び
図15を参照しながら、実施の形態1に係る検出装置2における検出モードの動作について説明する。
図14は、実施の形態1に係る検出装置2における検出モードの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図15は、実施の形態1に係る検出装置2における検出モードの動作を説明するための図である。
【0087】
調整モードにおける撮像タイミングの調整4回目に続いて、
図14に示すように、検出モードが実行される。検出モードでは、
図8のフローチャートのステップS12~S14が実行される。次いで、検出モードにおいて(S15で「検出モード」)、以下のようにして液滴の吐出不良の有無が検出される(S17)。
【0088】
図14の(a)に示すように、吐出制御部52による液滴吐出の制御の開始から吐出遅延時間250msが経過した後に、吐出制御部52は、ノズル6の全て(第1の数よりも多い第2の数の一例)の吐出孔12の各々から所定量の液滴を吐出するように制御する。また、
図14の(b)に示すように、撮像制御部54による撮像の制御の開始から、調整モードにおける撮像タイミングの調整3回目で調整された撮像遅延時間80msが経過した後に、撮像部36による所定のフレームレートでの複数の被写体画像46の撮像が実行される。
【0089】
これにより、検出モードでは、撮像部36の撮像タイミングが上記吐出期間内に含まれるため、フレーム番号「フレーム4」のフレームデータに対応する被写体画像46の第2の被写体領域44に着弾後の液滴が映り、且つ、フレーム番号「フレーム3」のフレームデータに対応する被写体画像46の第1の被写体領域42に飛翔中の液滴が映るようになる。解析部56は、フレーム番号「フレーム3」のフレームデータに対応する被写体画像46を解析することにより、液滴の吐出不良の有無を検出する。
【0090】
ここで、
図15の(a)~(c)を参照しながら、ノズル6の1つの吐出孔12から所定量の液滴を吐出するように制御した場合における、解析部56による被写体画像46の解析方法の一例について説明する。
【0091】
まず、
図15の(a)に示すように、解析部56は、撮像画像と背景画像との差分から、差分画像を抽出する。撮像画像は、1つの吐出孔12から吐出された飛翔中の液滴と、受容部材28等の背景とが映った被写体画像46である。背景画像は、受容部材28等の背景のみが映った被写体画像46である。差分画像は、1つの吐出孔12から吐出された飛翔中の液滴のみが映った画像である。なお、背景画像は、例えば検出モードの開始時に予め作成される。
【0092】
次いで、
図15の(b)に示すように、解析部56は、上述のように抽出した差分画像を二値化する。
【0093】
次いで、
図15の(c)に示すように、解析部56は、二値化した差分画像において、液滴を吐出した1つの吐出孔12の位置に対応する垂直領域で黒色のヒストグラムを算出し、黒色の分布量が閾値以上である場合に、当該垂直領域に液滴が存在する(すなわち、1つの吐出孔12からの液滴の吐出が正常である)と判定する。一方、解析部56は、黒色の分布量が閾値未満である場合には、当該垂直領域で液滴が存在しない(すなわち、1つの吐出孔12からの液滴の吐出量が異常である、又は、1つの吐出孔12からの液滴の飛翔方向が不良である)と判定する。
【0094】
次に、
図15の(d)を参照しながら、ノズル6の全ての吐出孔12から所定量の液滴を吐出するように制御した場合における、解析部56による被写体画像46の解析方法の一例について説明する。
【0095】
図15の(d)に示すように、解析部56は、上述と同様にして、差分画像を抽出した後に、当該差分画像を二値化し、複数の吐出孔12の各位置にそれぞれ対応する複数(例えば、7つ)の垂直領域の各々で黒色のヒストグラムを算出する。なお、
図15の(d)において、1番目から7番目までの垂直領域はそれぞれ、1番目から7番目までの吐出孔12の各位置に対応している。解析部56は、全ての垂直領域の各々で黒色の分布量が閾値以上である場合に、全ての垂直領域の各々に液滴が存在する(すなわち、複数の吐出孔12の各々からの液滴の吐出が正常である)と判定する。
【0096】
一方、解析部56は、複数の垂直領域のうち1以上の垂直領域で黒色の分布量が閾値未満である場合に、当該1以上の垂直領域で液滴が存在しない(すなわち、1以上の吐出孔12からの液滴の吐出が異常である)と判定する。
図15の(d)に示す例では、解析部56は、1番目から7番目までの計7つの吐出孔12のうち、4番目の吐出孔12からの液滴の吐出が異常であると判定する。
【0097】
[1-4.効果]
上述したように、実施の形態1に係る検出装置2では、調整モードにおいて、複数のフレームデータにそれぞれ対応する複数の被写体画像46の各々の第1の被写体領域42に液滴が映っていない場合に、特定のフレームデータに対応する被写体画像46の第1の被写体領域42に液滴が映るように撮像部36の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整する。
【0098】
これにより、比較的低いフレームレートの撮像部36を用いた場合であっても、調整モードにおいて撮像部36の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに容易に調整することができ、検出モードにおいてノズル6からの液滴の吐出不良の有無を精度良く検出することができる。
【0099】
(実施の形態2)
図16を参照しながら、実施の形態2に係る検出装置2Aについて説明する。
図16は、実施の形態2に係る検出装置2Aの内部構造を示す斜視図である。なお、以下に示す各実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0100】
図16に示すように、実施の形態2に係る検出装置2Aの検出機構18Aでは、受容部材28Aの受容面38は、水平面(XY平面)に対して略平行に配置されている。また、検出装置2Aは、上記実施の形態1で説明した構成要素に加えて、受容面38に着弾した液滴を映すための平板状のミラー60を備えている。ミラー60は、受容部材28Aの受容面38の上方に配置され、撮像部36に対向するように配置されている。
【0101】
これにより、撮像部36は、ミラー60に映った、受容部材28Aの受容面38に着弾した液滴を、被写体画像の第2の被写体領域44として撮像する。すなわち、第2の被写体領域44は、ミラー60を含む領域、すなわち、ミラー60越しに受容部材28Aの受容面38に着弾した液滴を映すための領域である。
【0102】
したがって、実施の形態2に係る検出装置2Aのような構成であっても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0103】
(実施の形態3)
図17及び
図18を参照しながら、実施の形態3に係る検出装置2Bについて説明する。
図17は、実施の形態3に係る検出装置2Bの外観を示す斜視図である。
図18は、カートリッジ4を取り外した状態での、実施の形態3に係る検出装置2Bの外観を示す斜視図である。
【0104】
図17及び
図18に示すように、実施の形態3に係る検出装置2Bは、印刷装置62に着脱可能に取り付けられたカートリッジ4のノズル(図示せず)からの液滴の吐出不良の有無を検出するための装置である。なお、検出装置2Bの検出機構(図示せず)は、上記実施の形態1の検出機構18又は上記実施の形態2の検出機構18Aと同様に構成されている。
【0105】
印刷装置62は、インクジェット方式で記録媒体に向けてミスト状のインク(液滴)を吐出して印刷を施すための、ハンディタイプの液滴吐出装置である。印刷装置62は、本体部64と、蓋部66とを有している。本体部64の上面には、カートリッジ4を着脱可能に取り付けるための凹部68が形成されている。蓋部66は、本体部64の上面に回動可能に支持されている。蓋部66は、本体部64の凹部68を覆う閉位置(
図17に示す位置)と、本体部64の凹部68を開放する開位置(
図18に示す位置)との間を回動可能である。
【0106】
カートリッジ4の収容部(図示せず)には、例えばCMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック)の4種類のインクが充填される。
【0107】
したがって、実施の形態3に係る検出装置2Bのような構成であっても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0108】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態に係る検出装置について説明したが、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【0109】
上記各実施の形態では、調整部58は、調整モードにおいて、撮像遅延時間を、フレームレートの逆数の2n分の1倍(nは1以上の整数であって、撮像タイミングの調整回数)だけ長くする又は短くすることにより、撮像部36の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整したが、これに限定されない。例えば、調整部58は、調整モードにおいて、撮像遅延時間を一定時間(所定時間の一例)ずつ短くする(又は長くする)ことにより、撮像部36の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整してもよい。この時、調整部58が撮像遅延時間を一定時間だけ短くした結果、今回の撮像タイミングの調整において最初に着弾後の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号が、初回の撮像タイミングの調整において最初に着弾後の液滴が映ったフレームデータのフレーム番号よりも大きい場合には、調整部58は、撮像遅延時間を一定時間の1/n(nは2以上の整数)だけ長くしてもよい。
【0110】
また、上記実施の形態では、調整部58は、被写体画像46の第1の被写体領域42に飛翔中の液滴が映るように、撮像遅延時間を短くする又は長くすることにより、撮像部36の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整したが、これに限定されず、例えば吐出時間を調整することにより、撮像部36の撮像タイミングを特定の撮像タイミングに調整してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、例えばカートリッジのノズルからの液滴の吐出不良の有無を検出するための検出装置等として適用することができる。
【符号の説明】
【0112】
2,2A,2B 検出装置
4 カートリッジ
6 ノズル
8 受信部
10 収容部
12 吐出孔
14 筐体
16 スロット
18,18A 検出機構
20 制御基板
22 送信部
24 駆動プーリ
26 従動プーリ
28,28A 受容部材
30 駆動源
32 清掃部材
34 光源
36 撮像部
38 受容面
40 フレキシブル基板
42 第1の被写体領域
44 第2の被写体領域
46 被写体画像
48 記憶部
50 制御部
52 吐出制御部
54 撮像制御部
56 解析部
58 調整部
60 ミラー
62 印刷装置
64 本体部
66 蓋部
68 凹部