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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025031127
(43)【公開日】2025-03-07
(54)【発明の名称】パレット一体型包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/12 20060101AFI20250228BHJP
B65D 19/20 20060101ALI20250228BHJP
【ＦＩ】
B65D5/12 D
B65D19/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023137133
(22)【出願日】2023-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】390019493
【氏名又は名称】中央紙器工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068663
【弁理士】
【氏名又は名称】松波 祥文
(72)【発明者】
【氏名】越智 勝重
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】水野 泰智
【テーマコード（参考）】
3E060
3E063
【Ｆターム（参考）】
3E060AA03
3E060AB32
3E060BA24
3E060BC02
3E060CD03
3E060CD12
3E060DA13
3E060DA25
3E063AA09
3E063BA10
3E063BB08
3E063EE01
(57)【要約】
【課題】人手を要することなく側壁の起立状態を保持させることを可能とする。
【解決手段】パレット一体型包装箱において、段ボール製のパレットの上面に固着される箱体は、矩形状の底板と、前記底板の周囲に設けた前後側壁及び左右側壁と、前記左右側壁に連設され、前記前後側壁の起立状態を保持する前後支持壁とを備え、前記前後側壁の左右両端と、前記前後支持壁における前記前後側壁側の端部には、それぞれ波形状の係合部を設け、前記前後側壁を起立させた際に、前記係合部同士を係合させて摩擦力を発生させることにより、前記前後側壁の起立状態を保持するようにした。
【選択図】図２
【解決手段】パレット一体型包装箱において、段ボール製のパレットの上面に固着される箱体は、矩形状の底板と、前記底板の周囲に設けた前後側壁及び左右側壁と、前記左右側壁に連設され、前記前後側壁の起立状態を保持する前後支持壁とを備え、前記前後側壁の左右両端と、前記前後支持壁における前記前後側壁側の端部には、それぞれ波形状の係合部を設け、前記前後側壁を起立させた際に、前記係合部同士を係合させて摩擦力を発生させることにより、前記前後側壁の起立状態を保持するようにした。
【選択図】図２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール製のパレットと、一枚の段ボールを折り上げて形成され、前記パレットの上面に固着される箱体と、前記箱体の上部から被着される段ボール製のカバー体とからなるパレット一体型包装箱において、
前記箱体は、矩形状の底板と、前記底板の周囲に設けた前後側壁及び左右側壁と、前記左右側壁に連設され、前記前後側壁の起立状態を保持する前後支持壁とを備え、
前記前後側壁の左右両端と、前記前後支持壁における前記前後側壁側の端部には、それぞれ波形状の係合部を設けるようにしたことを特徴とするパレット一体型包装箱。
前記箱体は、矩形状の底板と、前記底板の周囲に設けた前後側壁及び左右側壁と、前記左右側壁に連設され、前記前後側壁の起立状態を保持する前後支持壁とを備え、
前記前後側壁の左右両端と、前記前後支持壁における前記前後側壁側の端部には、それぞれ波形状の係合部を設けるようにしたことを特徴とするパレット一体型包装箱。
【請求項2】
前記前後側壁の底板側には、当該前後側壁の起立動作に伴って切り起され、前記底板と係合する係合片を連設するようにしたことを特徴とする請求項１記載のパレット一体型包装箱。
【請求項3】
前記前後側壁及び前記前後支持壁に設けた係合部の下方に、傾斜部を設けるようにしたことを特徴とする請求項１記載のパレット一体型包装箱。
【請求項4】
前記前後支持壁の前記左右側壁と近接する側の下部には、突部を設けるようにしたことを特徴とする請求項１記載のパレット一体型包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール製のパレットと一体的に形成した包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１には、段ボール製のパレットの上面にシート状のベース部材を固着するとともに、前記ベース部材と一体的に形成した側壁を折曲線の位置で折曲げて起立させた状態で、上方からカバー体を被せるように構成したパレット一体型包装箱が開示されている。
そして、前記側壁には、上方からカバー体を被せる際に、当該側壁の起立状態を人手によることなく保持することができるように、ストッパーが展開可能に設けられている。
そして、前記側壁には、上方からカバー体を被せる際に、当該側壁の起立状態を人手によることなく保持することができるように、ストッパーが展開可能に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２００４－１８２２７９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然るに、特許文献１においては、上方からカバー体を被せる際に、側壁に設けたストッパーを展開させて、前記側壁の起立状態を保持させる必要があるが、前記ストッパーの展開作業は人手により行う必要があるため面倒であった。
【0005】
本発明は前記の問題点に鑑み、人手を要することなく側壁の起立状態を保持させることが可能なパレット一体型包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の問題点を解決するために、本発明は以下のように構成した。
即ち、段ボール製のパレットと、一枚の段ボールを折り上げて形成され、前記パレットの上面に固着される箱体と、前記箱体の上部から被着される段ボール製のカバー体とからなるパレット一体型包装箱において、前記箱体は、矩形状の底板と、前記底板の周囲に設けた前後側壁及び左右側壁と、前記左右側壁に連設され、前記前後側壁の起立状態を保持する前後支持壁とを備え、前記前後側壁の左右両端と、前記前後支持壁における前記前後側壁側の端部には、それぞれ波形状の係合部を設けるようにした。
即ち、段ボール製のパレットと、一枚の段ボールを折り上げて形成され、前記パレットの上面に固着される箱体と、前記箱体の上部から被着される段ボール製のカバー体とからなるパレット一体型包装箱において、前記箱体は、矩形状の底板と、前記底板の周囲に設けた前後側壁及び左右側壁と、前記左右側壁に連設され、前記前後側壁の起立状態を保持する前後支持壁とを備え、前記前後側壁の左右両端と、前記前後支持壁における前記前後側壁側の端部には、それぞれ波形状の係合部を設けるようにした。
【0007】
また、前記前後側壁の底板側には、当該前後側壁の起立動作に伴って切り起され、前記底板と係合する係合片を連設するようにしてもよい。
更に、前記前後側壁及び前記前後支持壁に設けた係合部の下方に傾斜部を設けるようにしてもよい。
更にまた、前記前後支持壁の前記左右側壁と近接する側の下部には、突部を設けるようにしてもよい。
更に、前記前後側壁及び前記前後支持壁に設けた係合部の下方に傾斜部を設けるようにしてもよい。
更にまた、前記前後支持壁の前記左右側壁と近接する側の下部には、突部を設けるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、前後側壁の左右両端及び前後支持壁における前記前後側壁側の端部にそれぞれ波形状の係合部を設けることにより、前記前後側壁を起立させた際に前記係合部同士が係合して摩擦力が発生し、前記前後側壁の起立状態が保持されるので、前記前後側壁はほぼ一動作で簡易に起立状態を保持することができる。
また、前記前後側壁の底板側に、当該前後側壁の起立動作に伴って切り起され、前記底板と係合する係合片を設けるようにすれば、前記前後側壁と前後支持壁との間だけでなく、底板との間にも摩擦力を発生させて、前記前後側壁の起立状態を良好に保持することができる。
更に、前記前後側壁及び前記前後支持壁に設けた係合部の下方に傾斜部を設けるようにすれば、前記係合部同士の係合だけでなく、前記傾斜部同士の係合によっても摩擦力を発生させて、前記前後側壁の起立状態を良好に保持することができる。
更にまた、前記前後支持壁の左右側壁と近接する側の下部に突部を設けるようにすれば、前記前後支持壁は常時前後側壁側に付勢されることとなる結果、前記前後側壁との係合状態をより確実なものとし、起立状態を良好に保持することができる。
また、前記前後側壁の底板側に、当該前後側壁の起立動作に伴って切り起され、前記底板と係合する係合片を設けるようにすれば、前記前後側壁と前後支持壁との間だけでなく、底板との間にも摩擦力を発生させて、前記前後側壁の起立状態を良好に保持することができる。
更に、前記前後側壁及び前記前後支持壁に設けた係合部の下方に傾斜部を設けるようにすれば、前記係合部同士の係合だけでなく、前記傾斜部同士の係合によっても摩擦力を発生させて、前記前後側壁の起立状態を良好に保持することができる。
更にまた、前記前後支持壁の左右側壁と近接する側の下部に突部を設けるようにすれば、前記前後支持壁は常時前後側壁側に付勢されることとなる結果、前記前後側壁との係合状態をより確実なものとし、起立状態を良好に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るパレット一体型包装箱を示す斜視図である。
【図2】同じく、包装箱を分解して示す斜視図である。
【図3】包装箱を構成する箱体を組み立てる前の状態を示す展開図である。
【図4】同じく、箱体を組み立てる前の状態を示す斜視図である。
【図5】箱体の組み立て途中の状態を示す拡大斜視図である。
【図6】同じく、箱体の組み立て途中の状態を示す拡大斜視図である。
【図7】同じく、箱体の組み立て途中の状態を示す拡大斜視図である。
【図8】同じく、箱体の組み立て途中の状態を示す拡大斜視図である。
【図9】箱体の左右側壁と前後支持壁を組み立てた状態を示す拡大斜視図である。
【図10】箱体の前後側壁を起立させる前の状態を示す斜視図である。
【図11】箱体の前側壁を起立させる途中の状態を示す斜視図である。
【図12】同じく、前側壁を起立させる途中の状態を示す斜視図である。
【図13】前側壁を起立させた状態を示す斜視図である。
【図14】同じく、前側壁を起立させた状態を示す斜視図である。
【図15】前側壁と前支持壁の係合部同士及び傾斜部同士の係合状態を示す拡大図である。
【図16】係合片と底板との係合状態を示す拡大図である。
【図17】後側壁と後支持壁の係合部同士及び傾斜部同士の係合状態を示す拡大図である。
【図18】箱体を組み立てた状態を示す斜視図である。
【図19】係合部及び傾斜部の他の実施形態を示す図である。
【図20】係合片の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図１ないし図２０を参照しながら説明する。図１は本発明に係るパレット一体型包装箱を示す斜視図、図２は同じく包装箱を分解して示す斜視図である。
図１，２に示すように、本発明に係るパレット一体型包装箱１は、段ボール製のパレット２と、前記パレット２の上面に固着される段ボール製の箱体３と、前記箱体３に上方から被せられる段ボール製のカバー体４とを備えて構成されている。
なお、前記パレット２は、横長な矩形状のベース２１と、同じく横長な矩形状の天板２２と、前記ベース２１と天板２２との間に介在される複数の桁部材２３とを備えて構成されており、前記桁部材２３の間には、フォークリフトのフォークを挿入するための空所２４が設けられているとともに、前記天板２２の前記空所２４と対応する位置には切欠２２ａが設けられている。
また、前記カバー体４は、天板４１と、前記天板４１の周囲に設けた前後左右の側壁（図１，２においては前側壁４２及び左側壁４３のみ示す）とを備えて直方体状に形成されている。
図１，２に示すように、本発明に係るパレット一体型包装箱１は、段ボール製のパレット２と、前記パレット２の上面に固着される段ボール製の箱体３と、前記箱体３に上方から被せられる段ボール製のカバー体４とを備えて構成されている。
なお、前記パレット２は、横長な矩形状のベース２１と、同じく横長な矩形状の天板２２と、前記ベース２１と天板２２との間に介在される複数の桁部材２３とを備えて構成されており、前記桁部材２３の間には、フォークリフトのフォークを挿入するための空所２４が設けられているとともに、前記天板２２の前記空所２４と対応する位置には切欠２２ａが設けられている。
また、前記カバー体４は、天板４１と、前記天板４１の周囲に設けた前後左右の側壁（図１，２においては前側壁４２及び左側壁４３のみ示す）とを備えて直方体状に形成されている。
【0011】
次に、前記箱体３の構成について、図２ないし図４を参照しながら説明する。
図２に示すように、前記箱体３は、底板３１と、前記底板３１の周囲に設けた前後側壁３２，３３及び左右側壁３４，３５と、前記左右側壁３４，３５に連設され、前記前後側壁３２，３３の起立状態を保持する前後支持壁３６，３７とを備えて構成されている。
なお、前記左右側壁３４，３５と前後支持壁３６，３７とはほぼ同じ高さ寸法で形成されているとともに、前記前後側壁３２，３３は、前記左右側壁３４，３５及び前後支持壁３６，３７の２倍強の高さ寸法で形成されている。
また、前記前側壁３２は、後側壁３３の幅方向（左右方向）の寸法よりも大きく形成されているとともに、前記前支持壁３６は、後支持壁３７の幅方向（左右方向）の寸法よりも小さく形成されている。
図２に示すように、前記箱体３は、底板３１と、前記底板３１の周囲に設けた前後側壁３２，３３及び左右側壁３４，３５と、前記左右側壁３４，３５に連設され、前記前後側壁３２，３３の起立状態を保持する前後支持壁３６，３７とを備えて構成されている。
なお、前記左右側壁３４，３５と前後支持壁３６，３７とはほぼ同じ高さ寸法で形成されているとともに、前記前後側壁３２，３３は、前記左右側壁３４，３５及び前後支持壁３６，３７の２倍強の高さ寸法で形成されている。
また、前記前側壁３２は、後側壁３３の幅方向（左右方向）の寸法よりも大きく形成されているとともに、前記前支持壁３６は、後支持壁３７の幅方向（左右方向）の寸法よりも小さく形成されている。
【0012】
図３は前記箱体３を組立てる前の状態を示す展開図、図４は同じく斜視図であり、前記箱体３は、図３，４に示す一枚の段ボールを複数の折り目に沿って折り上げることにより形成される。
図３，４に示すように、底板３１は横長な矩形状であり、その前後（図３においては上下）両側には、折り目Ａ１，Ａ２を介して前後側壁３２，３３及び前後支持壁３６，３７が連設されている。前記前後支持壁３６，３７は二重壁であり、前記折り目Ａ２を介して底板３１に連設される外壁３６ａ，３７ａと、前記外壁３６ａ，３７ａに二重折り目Ｂ１，Ｂ２を介して連設される内壁３６ｂ，３７ｂからなる。前記前後側壁３２，３３と前後支持壁３６，３７とは切れ目Ｃ１，Ｃ２によって分割されており、前記前後側壁３２，３３と前後支持壁３６，３７の外壁３６ａ，３７ａとの境界部には、それぞれ波形状の係合部３２ａ，３３ａ及び３６ｃ，３７ｃと、傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄが設けられている。また、前記前後支持壁３６，３７の外壁３６ａ，３７ａにおける左右側壁３４，３５と近接する側には、前記折り目Ａ２よりも内側に設けた切れ目Ｄの位置まで突出する突部３６ｅ，３７ｅが設けられている。更に、前記前後支持壁３６，３７の内壁３６ｂ，３７ｂには、二重折り目Ｂ１，Ｂ２において折り曲げた際に、前記底板３１に設けた係合孔３１ａ，３１ｂに係合される係止突部３６ｆ，３７ｆが設けられている。また、前記前後側壁３２，３３の底板３１側には、前記折り目Ａ１よりも内側に設けた折り目Ｋを介して逆台形状の係合片３２ｃ，３３ｃが左右方向の２箇所に連設されており、前記係合片３２ｃ，３３ｃと底板３１とは切れ目Ｌにより分割されている。
図３，４に示すように、底板３１は横長な矩形状であり、その前後（図３においては上下）両側には、折り目Ａ１，Ａ２を介して前後側壁３２，３３及び前後支持壁３６，３７が連設されている。前記前後支持壁３６，３７は二重壁であり、前記折り目Ａ２を介して底板３１に連設される外壁３６ａ，３７ａと、前記外壁３６ａ，３７ａに二重折り目Ｂ１，Ｂ２を介して連設される内壁３６ｂ，３７ｂからなる。前記前後側壁３２，３３と前後支持壁３６，３７とは切れ目Ｃ１，Ｃ２によって分割されており、前記前後側壁３２，３３と前後支持壁３６，３７の外壁３６ａ，３７ａとの境界部には、それぞれ波形状の係合部３２ａ，３３ａ及び３６ｃ，３７ｃと、傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄが設けられている。また、前記前後支持壁３６，３７の外壁３６ａ，３７ａにおける左右側壁３４，３５と近接する側には、前記折り目Ａ２よりも内側に設けた切れ目Ｄの位置まで突出する突部３６ｅ，３７ｅが設けられている。更に、前記前後支持壁３６，３７の内壁３６ｂ，３７ｂには、二重折り目Ｂ１，Ｂ２において折り曲げた際に、前記底板３１に設けた係合孔３１ａ，３１ｂに係合される係止突部３６ｆ，３７ｆが設けられている。また、前記前後側壁３２，３３の底板３１側には、前記折り目Ａ１よりも内側に設けた折り目Ｋを介して逆台形状の係合片３２ｃ，３３ｃが左右方向の２箇所に連設されており、前記係合片３２ｃ，３３ｃと底板３１とは切れ目Ｌにより分割されている。
【0013】
一方、図３に示すように、前記底板３１の左右両側には、折り目Ｅを介して左右側壁３４，３５が連設されている。前記左右側壁３４，３５の一端には、前記前支持壁３６の外壁３６ａと内壁３６ｂとの間に介在される前補強壁３８が、折り目Ｆ１を介して連設されており、また、前記左右側壁３４，３５の他端には、前記後支持壁３７の外壁３７ａと内壁３７ｂとの間に介在される後補強壁３９が、折り目Ｇを介して連設されている。なお、前記前補強壁３８は、前記折り目Ｆ１を介して左右側壁３４，３５と連設される外壁３８ａと、前記外壁３８ａに折り目Ｆ２を介して連設される外側壁３８ｂと、前記外側壁３８ｂに折り目Ｆ３を介して連設される内壁３８ｃと、前記内壁３８ｃに折り目Ｆ４を介して連設される内側壁３８ｄとを備えており、前記各折り目Ｆ１～Ｆ４に沿って折り曲げることにより、中空角筒状に形成される。また、前記左右側壁３４，３５には、前記前補強壁３８と近接する位置に、前記前補強壁３８の内壁３８ｃに設けた係合孔３８ｅに係合する台形状の係止片３４ａ，３５ａが、折り目Ｈに沿って拡開可能に設けられている。なお、前記前後支持壁３６，３７と前後補強壁３８，３９とは切れ目Ｊ１，Ｊ２によって分割されている。
【0014】
次に、図５ないし図１８を参照しながら、箱体３を組み立てる場合について説明する。
はじめに、図５に示すように、左側壁３４を折り目Ｅに沿って垂直に折り曲げ、前記左側壁３４を起立させる。つづいて、前記左側壁３４に折り目Ｆ１を介して連設した前補強壁３８を組立てる。前述のとおり、前記前補強壁３８は、外壁３８ａ、外側壁３８ｂ、内壁３８ｃ及び内側壁３８ｄが折り目Ｆ１～Ｆ４を介して連設されているので、図６に示すように、前記各部位３８ａ～３８ｄを折り目Ｆ１～Ｆ４に沿って順次折り曲げることにより中空角筒状に形成し、図７に示すように、前記内側壁３８ｄを左側壁３４の内側に当接させた状態で、前記左側壁３４に設けた係止片３４ａを、前記内壁３８ｃに設けた係合孔３８ｅに係合させることにより、前記左側壁３４と前補強壁３８とを一体的に組み立てる。
また、これと同時に、図５ないし図７に示すように、前記左側壁３４に折り目Ｇを介して連設した後補強壁３９を、前記折り目Ｇに沿って直角に折り曲げる。
はじめに、図５に示すように、左側壁３４を折り目Ｅに沿って垂直に折り曲げ、前記左側壁３４を起立させる。つづいて、前記左側壁３４に折り目Ｆ１を介して連設した前補強壁３８を組立てる。前述のとおり、前記前補強壁３８は、外壁３８ａ、外側壁３８ｂ、内壁３８ｃ及び内側壁３８ｄが折り目Ｆ１～Ｆ４を介して連設されているので、図６に示すように、前記各部位３８ａ～３８ｄを折り目Ｆ１～Ｆ４に沿って順次折り曲げることにより中空角筒状に形成し、図７に示すように、前記内側壁３８ｄを左側壁３４の内側に当接させた状態で、前記左側壁３４に設けた係止片３４ａを、前記内壁３８ｃに設けた係合孔３８ｅに係合させることにより、前記左側壁３４と前補強壁３８とを一体的に組み立てる。
また、これと同時に、図５ないし図７に示すように、前記左側壁３４に折り目Ｇを介して連設した後補強壁３９を、前記折り目Ｇに沿って直角に折り曲げる。
【0015】
次に、図８に示すように、折り目Ａ２に沿って前支持壁３６の外壁３６ａを折り曲げ、前補強壁３８の外壁３８ａに沿うように起立させるとともに、二重折り目Ｂ１において前記前支持壁３６の内壁３６ｂを前記前補強壁３８の内壁３８ｃに沿うように下方に折り曲げ、前記前支持壁３６の内壁３６ｂに設けた係止突部３６ｆを、底板３１に設けた係合孔３１ａに係合させることにより、前記前支持壁３６を、外壁３６ａと内壁３６ｂとの間に前補強壁３８を介在させた状態で組み立てる。
また、図８に示すように、折り目Ａ２に沿って後支持壁３７の外壁３７ａを折り曲げ、後補強壁３９の外面に沿うように起立させるとともに、二重折り目Ｂ２において前記後支持壁３７の内壁３７ｂを前記後補強壁３９の内面に沿うように下方へ折り曲げ、前記後支持壁３７の内壁３７ｂに設けた係止突部３７ｆを、底板３１に設けた係合孔３１ｂに係合させることにより、前記後支持壁３７を、外壁３７ａと内壁３７ｂとの間に後補強壁３９を介在させた状態で組み立てる。
なお、前記のように前後支持壁３６，３７を組み立てることにより、左右側壁３４，３５と近接する側の下部には、突部３６ｅ，３７ｅが突設される。
また、図８に示すように、折り目Ａ２に沿って後支持壁３７の外壁３７ａを折り曲げ、後補強壁３９の外面に沿うように起立させるとともに、二重折り目Ｂ２において前記後支持壁３７の内壁３７ｂを前記後補強壁３９の内面に沿うように下方へ折り曲げ、前記後支持壁３７の内壁３７ｂに設けた係止突部３７ｆを、底板３１に設けた係合孔３１ｂに係合させることにより、前記後支持壁３７を、外壁３７ａと内壁３７ｂとの間に後補強壁３９を介在させた状態で組み立てる。
なお、前記のように前後支持壁３６，３７を組み立てることにより、左右側壁３４，３５と近接する側の下部には、突部３６ｅ，３７ｅが突設される。
【0016】
この後、右側壁３５側においても同様に組み立てを行うことにより、図１０に示すように、左右側壁３４，３５及び前後支持壁３６，３７の組み立てを終了する。
【0017】
つづいて、図１０に示す状態から、折り目Ａ１に沿って前側壁３２を折り曲げて、図１１，１２に示すように徐々に起立させる。これに伴い、前記前側壁３２に折り目Ｋを介して連設した係合片３２ｃは、前記折り目Ｋに沿って斜め上向きに折れ曲がり、切れ目Ｌ部分において底板３１から切り起されながら、前記前側壁３２側に引き寄せられる。
そして、この状態から、前記前側壁３２を図１３，１４に示すように垂直に起立させると、その左右両端に設けた波形状の係合部３２ａ及び傾斜部３２ｂと、前支持壁３６に設けた波形状の係合部３６ｃ及び傾斜部３６ｄとが、図１５に示すように係合する。また、前記前側壁３２に連設した係合片３２ｃは、逆台形状に形成されているので、前記前側壁３２側に引き寄せられることにより、図１６に示すように前記底板３１と切れ目Ｌ部分において係合する。なお、前記係合片３２ｃは、底板３１から切り起されることに伴い、図１５，１６に示すように前側壁３２との連設部分が底板３１よりも下方に凹むが、箱体３が固着されるパレット２の天板２２には、前記係合片３２ｃと対応する位置に切欠２２ａが設けられているため、前記係合片３２ｃの切り起し動作に支障を来たすことはない。
前記のように、前記係合部３２ａ，３６ｃ同士及び傾斜部３２ｂ，３６ｄ同士が係合することにより、前記前側壁３２と前支持壁３６との間に摩擦力が発生するので、前記前側壁３２の起立状態を良好に保持することができる。また、前記係合片３２ｃと底板３１とが係合することによっても摩擦力が発生するので、前記前側壁３２の起立状態を補助することができる。
そして、この状態から、前記前側壁３２を図１３，１４に示すように垂直に起立させると、その左右両端に設けた波形状の係合部３２ａ及び傾斜部３２ｂと、前支持壁３６に設けた波形状の係合部３６ｃ及び傾斜部３６ｄとが、図１５に示すように係合する。また、前記前側壁３２に連設した係合片３２ｃは、逆台形状に形成されているので、前記前側壁３２側に引き寄せられることにより、図１６に示すように前記底板３１と切れ目Ｌ部分において係合する。なお、前記係合片３２ｃは、底板３１から切り起されることに伴い、図１５，１６に示すように前側壁３２との連設部分が底板３１よりも下方に凹むが、箱体３が固着されるパレット２の天板２２には、前記係合片３２ｃと対応する位置に切欠２２ａが設けられているため、前記係合片３２ｃの切り起し動作に支障を来たすことはない。
前記のように、前記係合部３２ａ，３６ｃ同士及び傾斜部３２ｂ，３６ｄ同士が係合することにより、前記前側壁３２と前支持壁３６との間に摩擦力が発生するので、前記前側壁３２の起立状態を良好に保持することができる。また、前記係合片３２ｃと底板３１とが係合することによっても摩擦力が発生するので、前記前側壁３２の起立状態を補助することができる。
【0018】
この後、後側壁３３についても同様に折り目Ａ１に沿って折り曲げて起立させ、図１７に示すように、その左右両端に設けた波形状の係合部３３ａ及び傾斜部３３ｂと、後支持壁に設けた波形状の係合部３７ｃ及び傾斜部３７ｄとを係合させるとともに、図１６に示すように、前記後側壁３３に折り目Ｋを介して連設した係合片３３ｃを底板３１に係合させることにより、図１８に示すように、箱体３の組み立てを終了する。
【0019】
なお、本発明のパレット一体型包装箱１の実際の使用に当っては、例えば、段ボール工場において箱体３を図１０に示す前後側壁３２，３３を起立させる前の段階まで組み立てた状態で出荷し、前記状態の箱体３に製品工場において内容物（製品）を収納した後、図１８に示すように前後側壁３２，３３を起立させて箱体３を完全な状態に組み立てるとともに、図１，２に示すように箱体３の上方からカバー体４を被着し、前記カバー体４とパレット２とを粘着テープやバンド等を使用して固定するようにすればよい。
また、前記パレット一体型包装箱１は繰り返し使用が可能であり、不使用時においては、前記箱体３を例えば図１０に示すように前後側壁３２，３３を展開させた状態（即ち、段ボール工場からの出荷状態）に戻すことにより、嵩張らずに保管することができるとともに、再使用時には再度前後側壁３２，３３を図１８に示すように起立させればよい。
また、前記パレット一体型包装箱１は繰り返し使用が可能であり、不使用時においては、前記箱体３を例えば図１０に示すように前後側壁３２，３３を展開させた状態（即ち、段ボール工場からの出荷状態）に戻すことにより、嵩張らずに保管することができるとともに、再使用時には再度前後側壁３２，３３を図１８に示すように起立させればよい。
【0020】
以上のように、本発明においては、箱体３の組み立てに当り、前後側壁３２，３３を折り目Ａ１に沿って垂直に折り曲げて起立させ、前記前後側壁３２，３３に設けた係合部３２ａ，３３ａ及び傾斜部３２ｂ，３３ｂと、前後支持壁３６，３７に設けた係合部３６ｃ，３７ｃ及び傾斜部３６ｄ，３７ｄとをそれぞれ係合することにより、前記前後側壁３２，３３と前後支持壁３６，３７との間に摩擦力を発生させて、前記前後側壁３２，３３の起立状態を保持するようにしたので、前記前後側壁３２，３３は、ほぼ一動作で簡易に起立状態を保持することが可能となる。
また、前記前後側壁３２，３３を起立させるのに伴い、前記前後側壁３２，３３に折り目Ｋを介して連設した係合片３２ｃ，３３ｃが、前記折り目Ｋに沿って斜め上向きに折れ曲がり、切れ目Ｌ部分において底板３１から切り起されながら、前記前後側壁３２，３３側に引き寄せられ、底板３１と切れ目Ｌ部分において係合することにより、前記係合片３２ｃ，３３ｃと底板３１との間に摩擦力を発生させて、前記前後側壁３２，３３の起立状態を補助することができる。
更に、前記前後支持壁３６，３７の左右側壁３４，３５と近接する側の下部には、突部３６ｅ，３７ｅが突設されているので、前記前後支持壁３６，３７は常時前後側壁３２，３３側に付勢された状態となり、前記係合部３２ａ，３３ａ及び３６ｃ，３７ｃ同士及び前記傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄ同士の係合状態を確実なものとすることができる。
また、前記前後側壁３２，３３を起立させるのに伴い、前記前後側壁３２，３３に折り目Ｋを介して連設した係合片３２ｃ，３３ｃが、前記折り目Ｋに沿って斜め上向きに折れ曲がり、切れ目Ｌ部分において底板３１から切り起されながら、前記前後側壁３２，３３側に引き寄せられ、底板３１と切れ目Ｌ部分において係合することにより、前記係合片３２ｃ，３３ｃと底板３１との間に摩擦力を発生させて、前記前後側壁３２，３３の起立状態を補助することができる。
更に、前記前後支持壁３６，３７の左右側壁３４，３５と近接する側の下部には、突部３６ｅ，３７ｅが突設されているので、前記前後支持壁３６，３７は常時前後側壁３２，３３側に付勢された状態となり、前記係合部３２ａ，３３ａ及び３６ｃ，３７ｃ同士及び前記傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄ同士の係合状態を確実なものとすることができる。
【0021】
なお、本発明においては、前記の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、前後側壁３２，３３及び前後支持壁３６，３７にはそれぞれ係合部３２ａ，３３ａ及び３６ｃ，３７ｃと、傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄを設けるようにしているが、図１９（ａ）に示すように、前記傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄの傾斜方向は、前記実施形態とは逆方向にしてもよい。また、図１９（ｂ）に示すように、傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄを設ける代わりに垂直な直線状の係合面３２ｄ，３３ｄ及び３６ｇ，３７ｇを設けるようにしてもよい。更に、図１９（ｃ）に示すように、前記傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄを設けず、係合部３２ａ，３３ａ及び３６ｃ，３７ｃを前記前後側壁３２，３３及び前後支持壁３６，３７の下方まで設けるようにしてもよい。
例えば、前後側壁３２，３３及び前後支持壁３６，３７にはそれぞれ係合部３２ａ，３３ａ及び３６ｃ，３７ｃと、傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄを設けるようにしているが、図１９（ａ）に示すように、前記傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄの傾斜方向は、前記実施形態とは逆方向にしてもよい。また、図１９（ｂ）に示すように、傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄを設ける代わりに垂直な直線状の係合面３２ｄ，３３ｄ及び３６ｇ，３７ｇを設けるようにしてもよい。更に、図１９（ｃ）に示すように、前記傾斜部３２ｂ，３３ｂ及び３６ｄ，３７ｄを設けず、係合部３２ａ，３３ａ及び３６ｃ，３７ｃを前記前後側壁３２，３３及び前後支持壁３６，３７の下方まで設けるようにしてもよい。
【0022】
また、係合片３２ｃ，３３ｃの形状は、逆台形状とする代わりに、図２０（ａ）に示す凹円弧状、図２０（ｂ）に示す凸円弧状、図２０（ｃ）に示す階段状、図２０（ｄ）に示す六角形状等、底板３１と係合することにより摩擦力が発生しやすい形状としてもよい。
【符号の説明】
【0023】
１ パレット一体型包装箱
２ パレット
３ 箱体
４ カバー体
３１ 底板
３１ａ，３１ｂ 係合孔
３２，３３ 前後側壁
３２ａ，３３ａ 係合部
３２ｂ，３３ｂ 傾斜部
３２ｃ，３３ｃ 係合片
３２ｄ，３３ｄ 係合面
３４，３５ 左右側壁
３４ａ，３５ａ 係止片
３６，３７ 前後支持壁
３６ａ，３７ａ 外壁
３６ｂ，３７ｂ 内壁
３６ｃ，３７ｃ 係合部
３６ｄ，３７ｄ 傾斜部
３６ｅ，３７ｅ 突部
３６ｆ，３７ｆ 係止突部
３６ｇ，３７ｇ 係合面
３８，３９ 前後補強壁
３８ａ 外壁
３８ｂ 外側壁
３８ｃ 内壁
３８ｄ 内側壁
３８ｅ 係合孔
Ａ１，Ａ２，Ｅ，Ｆ１，Ｆ２，Ｆ３，Ｆ４，Ｇ，Ｈ，Ｋ 折り目
Ｂ１，Ｂ２ 二重折り目
Ｃ１，Ｃ２，Ｄ，Ｊ１，Ｊ２，Ｌ 切れ目
２ パレット
３ 箱体
４ カバー体
３１ 底板
３１ａ，３１ｂ 係合孔
３２，３３ 前後側壁
３２ａ，３３ａ 係合部
３２ｂ，３３ｂ 傾斜部
３２ｃ，３３ｃ 係合片
３２ｄ，３３ｄ 係合面
３４，３５ 左右側壁
３４ａ，３５ａ 係止片
３６，３７ 前後支持壁
３６ａ，３７ａ 外壁
３６ｂ，３７ｂ 内壁
３６ｃ，３７ｃ 係合部
３６ｄ，３７ｄ 傾斜部
３６ｅ，３７ｅ 突部
３６ｆ，３７ｆ 係止突部
３６ｇ，３７ｇ 係合面
３８，３９ 前後補強壁
３８ａ 外壁
３８ｂ 外側壁
３８ｃ 内壁
３８ｄ 内側壁
３８ｅ 係合孔
Ａ１，Ａ２，Ｅ，Ｆ１，Ｆ２，Ｆ３，Ｆ４，Ｇ，Ｈ，Ｋ 折り目
Ｂ１，Ｂ２ 二重折り目
Ｃ１，Ｃ２，Ｄ，Ｊ１，Ｊ２，Ｌ 切れ目
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】